説明

送受信装置

【課題】無線通信環境の変化に応じて最適な無線通信方法を提供する。
【解決手段】第1の無線方式を用いたHDストリーム信号の送受信を実施中に受信状態が劣化した場合、レーダ波のモニタリングが不要なチャンネルをスキャンし、未使用のチャンネルAを用いて第2の無線方式を用いた送受信に切換える。更に、レーダ波のモニタリングが必要なチャンネルをスキャンし、チャンネルAよりも広帯域かつ未使用のチャンネルBが存在した場合は、チャンネルBについてレーダ波のモニタリングを行い、レーダ波が未使用であればチャンネルAからチャンネルBに切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線方式を用いた無線伝送が可能な送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11規格として標準化された無線LAN(Local Area Network)方式は、IEEE802.11nの登場により高速化が進み、100Mbps以上の伝送速度を達成している。IEEE802.11nでは、高速化を図るために、1チャンネルの周波数帯域はIEEE802.11a/gなどの既存規格と同じ20MHz幅に加えて、40MHz幅を使用した運用が可能となっている。この無線LAN方式では、2.4GHz帯と5GHz帯の周波数帯が開放されており、特に5GHz帯では無線局免許なしで多数のチャンネルが使用可能となっている。(以下、5GHz帯を使用した無線通信を、5GHz帯無線通信と呼ぶ。)以上の内容は、非特許文献1に示されている。なお、5GHz帯は各種のレーダシステムと共用されるチャンネルが多く、IEEE802.11h規格ではこれらのチャンネルを使用する前に60秒間のモニタリングを行いレーダ波が運用されていないことを確認しなければならないという規定がある。
【0003】
また、近年ではギガビット級の高速な無線通信を実現可能な方式として、ミリ波帯を使用した無線通信方式が注目されている。(以下、ミリ波帯を使用した無線通信を、ミリ波帯無線通信と呼ぶ。)例えば、日本では、総務省によって無線局免許なしで59〜66GHzの7GHz幅という広い周波数帯域が割当てられており、その利用方法が検討されている。
【0004】
一方、特許文献1には、2つの無線送受信系を備え、回線劣化状態を判定し、回線が劣化すると、一方から他方に無線送受信系を切り替えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−8706
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】高速無線LAN802.11n入門、守倉正博、インプレスR&D
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デジタルテレビ等において放送波を受信する放送受信部と映像を表示するディスプレイとを分離したシステムが開発されている。本システムで、放送受信部からディスプレイに向けて映像データとしての数Gbps程度の大容量HD(High Definition)ストリーム信号を無線伝送するためには、高速伝送が可能なミリ波帯無線通信を使用することが適していると考えられる。
【0008】
しかし、ミリ波帯無線通信では、ミリ波帯の電波は非常に強い直進性を持つため、送受信装置間の見通しが悪い場所では通信が遮断されるなど、伝送可能範囲が狭いという欠点がある。
【0009】
これに対して、5GHz帯無線通信では、5GHz帯の電波はミリ波帯の電波に比べて直進性を持たず、ミリ波帯無線通信に比べて伝送可能範囲が広く、比較的安定した通信が可能となる。
【0010】
そこで、特許文献1のように、ミリ波帯無線通信の通信状態が劣化したら、5GHz帯無線通信に切り替えることが考えられる。
【0011】
しかし、5GHz帯無線通信で使用されるチャンネルは、各種のレーダシステムと共用されるため、他のシステムとの干渉が懸念される。
【0012】
また、5GHz帯無線通信は、その伝送容量が100Mbpsを超える程度であるため、大容量HDストリームを伝送するには容量が足りない。大容量HDストリームを伝送しようとすれば、情報量削減が必要となり、これに伴う映像・音声の劣化、伝送遅延が発生するという問題が生じる。
【0013】
そこで、本発明は、上記のミリ波帯無線通信及び5GHz帯無線通信のそれぞれの問題ができるだけ小さくなるように、複数の無線方式を併用することが可能な無線送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の周波数帯で映像データを送信する第1の送信部と、該第1の周波数帯よりも伝送容量が小さく、伝送範囲が広い第2の周波数帯域で映像データを送信する第2の送信部と、該第1及び第2の送信部を制御する送信側制御部とを備えた送信装置と、前記第1の送信部で送信された映像データを受信する第1の受信部と、前記第2の送信部で送信された映像データを受信する第2の受信部と、該第1及び第2の受信部を制御する受信側制御部とを備えた受信装置とで構成される送受信装置であって、前記第1の周波数帯で映像データの送受信を行っている場合に、前記受信側制御部は、前記第1の受信部で受信された映像データの受信品質が所定の閾値未満に劣化したことを検出すると、当該劣化したことを示す制御情報を前記送信側制御部に通知し、前記送信側制御部は、前記劣化したことを示す制御情報に基づいて、第2の送信部で使用可能な周波数帯域を検出し、使用可能な周波数帯域を決定すると、決定した周波数帯域で第2の送信部に映像データを送信させるとともに、該決定した周波数帯域を示す制御情報を前記受信側制御部に通知し、前記受信制御部は、前記決定した周波数帯域を示す制御情報に基づいて、第2の受信部に映像データを受信させる。
【0015】
さらに、上記送受信装置において、前記第2の送信部で使用可能な周波数帯域が複数存在し、少なくとも2つの伝送容量が異なる場合、前記送信制御部は、伝送容量が大きい周波数帯域を、使用可能な周波数帯域として決定する。
【0016】
さらに、上記送受信装置において、前記送信制御部は、第2の送信部に映像データを送信させる場合に、第1の送信部の送信動作を停止させ、前記受信制御部は、第2の受信部に映像データを受信させる場合に、第1の受信部の受信動作を停止させる。
【0017】
また、別の本発明は、第1の周波数帯で映像データを送信する第1の送信部と、該第1の周波数帯よりも伝送容量が小さく、伝送範囲が広い第2の周波数帯域で映像データを送信する第2の送信部と、該第1及び第2の送信部を制御する送信側制御部とを備えた送信装置と、前記第1の送信部で送信された映像データを受信する第1の受信部と、前記第2の送信部で送信された映像データを受信する第2の受信部と、該第1及び第2の受信部を制御する受信側制御部とを備えた受信装置とで構成される送受信装置であって、前記第2の周波数帯で映像データの送受信を行っている場合であって、所定の条件を満たす場合に、前記受信側制御部は、第1の送信部で送信され、第1の受信部で受信される映像データの受信品質を確認し、該受信品質が所定の閾値以上に良化したことを検出すると、前記第2の送信部による送信を停止させるための制御情報を前記送信側制御部に通知するとともに、第2の受信部における映像データの受信を停止させ、前記送信側制御部は、通知された前記制御情報に基づいて、第2の送信部における映像データの送信を停止させる。
【0018】
なお、上記送受信装置において、前記所定の条件を満たす場合の1例は、前記受信側制御部が、第2の受信部で受信された映像データの受信品質が変化したことを検出した場合である。
【0019】
また、上記送受信装置において、前記受信装置が、受信された映像データが出力される表示装置に内蔵されるともに、該表示装置が内蔵する自身の動きを検出するための動き検出装置と接続される構成において、前記所定の条件を満たす場合の1例は、前記受信側制御部が、前記動き検出装置から前記表示装置が動いたことに関する通知を受けた場合である。
【0020】
また、上記送受信装置において、前記所定の条件を満たす場合の1例は、所定の時間が経過した場合である。
【発明の効果】
【0021】
上記本発明によれば、通信状態が劣化したミリ波帯無線通信から5GHz帯無線通信に切り替える場合に、5GHz帯で共用されるチャンネルが使用可能かどうかを検出するため、他のシステムとの干渉を防ぐことができる。
【0022】
さらに、5GHz帯無線通信では、20MHz幅と40MHz幅が使用されるが、伝送容量が大きい40MHz幅を優先的に使用することができる。
【0023】
さらに、ミリ波帯無線通信を停止させることにより、消費電力を抑えることができる。
【0024】
また、別の本発明によれば、ミリ波帯無線通信の通信状態が良化したら、5GHz帯無線通信を停止させ、速やかにミリ波帯無線通信に戻すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態における無線送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態においてミリ波帯無線通信から5GHz帯無線通信に切換える動作例を示すフローチャートである。
【図3】5GHz帯で使用可能なチャンネル一覧を示す図である。
【図4】5GHz帯無線通信およびミリ波帯無線通信の受信品質値の時間変化を示す図である。
【図5】5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に切換える動作例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態における無線送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態において5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に切換える動作例を示すフローチャートである。
【図8】HDストリーム信号と制御情報の伝送例を示す図である。
【図9】送信制御部14から受信制御部24に制御情報を伝送する場合の処理フローである。
【図10】受信制御部24から送信制御部14に制御情報を伝送する場合の処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
なお本発明の実施の形態においては、主に無線LAN向けに利用されている5GHz帯無線通信及びミリ波帯無線通信の2つの無線通信機能を備えた無線送受信装置を用いて、HDストリーム信号を無線伝送する例について説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態における無線送受信装置の構成を示すブロック図である。
【0029】
図1において、HDストリーム信号を送信する側として機能する送信装置10は、送信選択部11と、ミリ波帯送信部12と、5GHz帯送信部13と、送信制御部14と、チャンネルスキャン部15と、レーダ波検出部16を備えた構成である。
【0030】
送信選択部11には、放送波を受信する放送受信装置、DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk)などの再生装置、HDD(Hard Disk Drive)に代表される記憶装置などから出力されたHDストリーム信号が入力端子経由で入力される。送信選択部11は、送信制御部14からの指示により、入力されたHDストリーム信号をミリ波帯送信部12または5GHz帯送信部13のどちらか一方、場合によっては両方に供給する。ミリ波帯送信部12は、送信選択部11より供給されたHDストリーム信号をミリ波帯を利用して受信装置20に送信する。5GHz帯送信部13は、送信選択部11より供給されたHDストリーム信号を5GHz帯無線通信に適切な伝送容量となるように圧縮や情報間引きなどの操作を行い、5GHz帯を利用して受信装置20に送信する。送信制御部14は、送信装置10の全体動作を制御すると共に、受信制御部24との間で選局チャンネル情報や切換えタイミング情報など各種制御情報を送受信する。
【0031】
ここで、制御情報の送受信は、例えば無線局免許を必要としない2.4GHz帯や赤外線リモコンなどで利用されている38kHzの周波数を利用することができる。また、制御情報の送受信は、ミリ波帯無線通信や5GHz帯無線通信での送受信ができない悪条件下においても送受信を継続できることが望ましい。チャンネルスキャン部15は、送信制御部14から指示されたチャンネルについて、該当チャンネルを周囲の機器などが使用しているか否かをスキャンし、判定結果を送信制御部14に通知する。レーダ波検出部16は、送信制御部14から指示されたチャンネルについて、当該チャンネルでレーダ波が運用されているか否かをモニタリングし、判定結果を送信制御部14に通知する。
【0032】
一方、HDストリーム信号を受信する側として機能する受信装置20は、受信選択部21と、ミリ波帯受信部22と、5GHz帯受信部23と、受信制御部24を備えた構成である。ミリ波帯受信部22は、ミリ波帯送信部12より送信されたミリ波帯電波を受信し、受信したHDストリーム信号を受信選択部21に供給すると共に、受信したHDストリーム信号の受信品質値を検出し受信制御部24に通知する。
【0033】
ここで、受信品質値とは、例えば受信信号の同期状態、AGC(Auto Gain Control)、CNR(Carrier to Noise Ratio)、MER(Modulation Error Ratio:変調誤差比)、BER(Bit Error Rate:ビット誤り率)などから算出される値である。5GHz帯受信部23は、5GHz帯送信部13より送信された5GHz帯電波を受信し、受信したHDストリーム信号を伸長またはデータ補完などの操作を行い受信選択部21に供給する。
【0034】
また、5GHz帯受信部23は、受信したHDストリーム信号の受信品質値を検出し、受信制御部24に通知する。受信選択部21は、受信制御部24からの指示により、ミリ波帯受信部22または5GHz帯受信部23より供給されたHDストリーム信号のうちどちらか一方を選択し、出力端子経由で映像表示装置や音声出力装置などに供給する。受信制御部24は、受信装置20の全体動作を制御すると共に、送信制御部14との間で選局チャンネル情報や切換えタイミング情報など各種制御情報を送受信する。
【0035】
次に、具体的な動作例を説明する。
【0036】
初期条件として、無線通信環境が良好であるものとし、送信装置10と受信装置20との間において、ミリ波帯無線通信を用いたHDストリーム信号の非圧縮伝送を行っている状況とする。このとき、送信制御部14は、送信選択部11に入力されたHDストリーム信号をミリ波帯送信部12に供給させると共に、ミリ波帯送信部12を動作させ、HDストリーム信号を送信する。
【0037】
また、受信制御部24は、ミリ波帯受信部22を動作させ、ミリ波帯送信部12より送信されたミリ波帯電波を受信すると共に、受信選択部21にミリ波帯受信部22より供給されたHDストリーム信号を選択させる。これにより、送信装置10と受信装置20との間でミリ波帯無線通信によるHDストリーム信号の送受信を行うことができる。また、消費電力の低減を図るために、送信制御部14は5GHz帯送信部13、受信制御部24は5GHz帯受信部23の動作をそれぞれ停止させることが望ましい。
【0038】
次に、例えば送信装置10や受信装置20を移動するなどしたことにより無線通信環境が変化し、ミリ波帯無線通信による送受信ができなくなった場合は、ミリ波帯無線通信から安定送受信が可能な5GHz帯無線通信に切換える。
【0039】
以下、図2のフローチャートを用いて動作を説明する。
【0040】
まず、ステップS100でミリ波帯無線通信を行っている際は、受信制御部24はミリ波帯受信部22よりミリ波帯無線通信の受信品質値を定期的に取得し、取得した受信品質値を所定の閾値と比較する。
【0041】
ここで、受信品質値が大きいほど受信状態は良好、小さいほど受信状態は劣化しているものとする。受信制御部24は、受信品質値が閾値未満の場合は受信状態が劣化したものと判定し(ステップS101でYES判定)、ミリ波帯無線通信の受信状態が劣化したことを示す制御信号を送信制御部14に送信し、ステップS102に進む。ただし、送信装置10と受信装置20との間を人が横断するなど短時間のみ受信状態が劣化する状況で、上記制御信号が送信されないようにしたい場合は、受信制御部24は、複数の受信品質値が閾値未満となった時点で上記制御信号を送信制御部14に送信しても良い。以上説明した動作により、送信制御部14は、受信装置20においてミリ波帯無線通信の受信状態が劣化したことを認識できる。
【0042】
送信制御部14は、受信制御部24よりミリ波帯無線通信の受信状態が劣化したことを示す制御信号を受け取ると、5GHz帯でレーダ波検出が不要なチャンネルをチャンネルスキャン部15にスキャンさせ、周囲の機器などがこれらのチャンネルを使用しているか否かを確認する(ステップS102)。
【0043】
具体的には、図3に示すように、チャンネルスキャン部15はレーダ波検出が不要な5150MHz〜5250MHzにおける20MHz幅の4チャンネル及び40MHz幅の2チャンネルをスキャンする。スキャンの結果、40MHz幅の空きチャンネルが存在した場合は(ステップS103でYES判定)、該当チャンネルを使用して5GHz帯無線通信を開始する(ステップS104)。
【0044】
具体的には、送信制御部14は、送信選択部11に入力されたHDストリーム信号を5GHz帯送信部13に供給させると共に、5GHz帯送信部13を動作させ、5GHz帯無線通信によりHDストリーム信号を送信する。
【0045】
また、送信制御部14は、5GHz帯の送信チャンネル情報を受信制御部24に送信し、5GHz帯無線通信への切換えを指示する。受信制御部24は、送信チャンネル情報を受け取ると、5GHz帯受信部23を動作させて5GHz帯無線通信の電波を受信させると共に、受信選択部21に5GHz帯受信部23より供給されるHDストリーム信号を選択させる。
【0046】
これにより、ミリ波帯無線通信の受信状態が劣化した際に、40MHz幅を使用した5GHz帯無線通信に素早く切換えることができる。また、消費電力の低減を図るために、送信制御部14はミリ波帯送信部12、受信制御部24はミリ波帯受信部22の動作をそれぞれ停止させることが望ましい(ステップS105)。ただし、ステップS105は省略することもできる。
【0047】
一方、ステップS103において40MHz幅の空きチャンネルが存在しない場合はステップS106に進む。ステップS106では、ステップS102のスキャン結果に基づいて20MHz幅の空きチャンネルが存在するか否かを判定し、存在する場合はステップS107に進み、該当チャンネルを利用して5GHz帯無線通信を開始する。これにより、ミリ波帯無線通信の受信状態が劣化した際に、20MHz幅を使用した5GHz帯無線通信に素早く切換えることができる。ステップS107に続き、ステップS108では、送信制御部14は、5GHz帯でレーダ波検出が必要なチャンネルをチャンネルスキャン部15にスキャンさせ、周囲の端末などがこれらのチャンネルを使用しているか否かを確認する。具体的には、図3に示すように、チャンネルスキャン部15はレーダ波検出が必要な5250MHz〜5350MHzおよび5470MHz〜5725MHzにおける40MHzの7チャンネル及び20MHzの15チャンネルをスキャンする。スキャンの結果、40MHz幅の空きチャンネルが存在しない場合は(ステップS109でNO判定)、前出のステップS105を処理し(省略可)、ステップS107での20MHz幅を使用した5GHz帯無線通信を継続する。
【0048】
ステップS109で40MHz幅の空きチャンネルが存在すると判定された場合は、ステップS110に進む。ステップS110では、ステップS108で検出された40MHz幅の空きチャンネルに対して順番にレーダ波検出処理を行う。
【0049】
具体的には、送信制御部14は、レーダ波検出部16に該当チャンネルでレーダ波が運用されているかどうかを60秒間モニタリングさせる。モニタリングの結果、該当チャンネルにレーダ波が検出されなかった場合は(ステップS111でNO判定)、該当チャンネルを使用して40MHz幅の5GHz帯無線通信を開始し(ステップS112)、前出のステップS105を処理する(省略可)。
【0050】
これにより、ステップS107で開始した20MHz幅の5GHz帯無線通信を伝送容量の大きい40MHz幅に切換えることができる。また、ステップS111でレーダ波が検出されたと判定された場合は、該当チャンネルの使用が不可であるため、他に40MHz幅のレーダ波検出処理が必要な空きチャンネルが存在するか否かを判定し(ステップS113)、存在する場合は、ステップS110に戻り該当チャンネルに対してレーダ波検出処理を行う。また、ステップS113で他に該当チャンネルが存在しない場合は、前出のステップS105を処理し(省略可)、前出のステップS107で開始されている20MHz幅の5GHz帯無線通信を継続する。
【0051】
一方、ステップS106でレーダ波検出が不要な20MHz幅の空きチャンネルが存在しないと判定された場合は、ステップS114に進む。ステップS114では、ステップS108と同様に、送信制御部14はレーダ波検出が必要なチャンネルをチャンネルスキャン部15にスキャンさせ、周囲の端末などがこれらのチャンネルを使用しているか否かを確認する。スキャンの結果、40MHz幅の空きチャンネルが存在しないと判定された場合は(ステップS115でNO判定)、ステップS120に進む。ステップS115で40MHz幅の空きチャンネルが存在すると判定された場合は、ステップS116に進む。ステップS116では、ステップS114で検出された40MHz幅の空きチャンネルに対して順番にレーダ波検出処理を行う。60秒間のモニタリングの結果、該当チャンネルにレーダ波が検出されなかった場合は(ステップS117でNO判定)、該当チャンネルを使用して40MHz幅の5GHz帯無線通信を開始し(ステップS118)、前出のステップS105を処理する(省略可)。
【0052】
これにより、ミリ波帯無線通信から40MHz幅を使用した5GHz帯無線通信に切換えることができる。また、ステップS117でレーダ波が検出されたと判定された場合は、該当チャンネルの使用が不可であるため、他に40MHz幅のレーダ波検出処理が必要な空きチャンネルが存在するか否かを判定し(ステップS119)、存在する場合は、ステップS116に戻り該当チャンネルに対してレーダ波検出処理を行う。また、ステップS119で他に該当チャンネルが存在しない場合は、ステップS120に進む。
【0053】
ステップS120では、ステップ114でのスキャン結果に基づいて、20MHz幅のレーダ波検出の必要な空きチャンネルが存在するか否かを判定する。ステップS120で20MHz幅の空きチャンネルが存在しないと判定された場合は(ステップS120でNO判定)、5GHz帯に空きチャンネルが存在しないものと判断し、ミリ波帯無線通信を継続し、5GHz帯無線通信への切換えは行わない。ステップS120で20MHz幅の空きチャンネルが存在すると判定された場合は(ステップS120でYES判定)、ステップS121に進む。ステップS121では、ステップS120で検出された20MHz幅の空きチャンネルに対して順番にレーダ波検出処理を行う。60秒間のモニタリングの結果、該当チャンネルにレーダ波が検出されなかった場合は(ステップS122でNO判定)、該当チャンネルを使用して20MHz幅の5GHz帯無線通信を開始し(ステップS123)、前出のステップS105を処理する(省略可)。これにより、ミリ波帯無線通信から20MHz幅を使用した5GHz帯無線通信に切換えることができる。
【0054】
また、ステップS122でレーダ波が検出されたと判定された場合は、該当チャンネルの使用が不可であるため、他に20MHz幅のレーダ波検出処理が必要な空きチャンネルが存在するか否かを判定し(ステップS124)、存在する場合は、ステップS121に戻り該当チャンネルに対してレーダ波検出処理を行う。
【0055】
また、ステップS124で他に該当チャンネルが存在しない場合は、5GHz帯に空きチャンネルが存在しないものと判断し、ミリ波帯無線通信を継続し、5GHz帯無線通信への切換えは行わない。
【0056】
なお、図2のフローチャートに従って動作を行っている際、受信制御部24は、ミリ波帯受信部22からミリ波帯受信品質値を定期的に取得し、ミリ波帯受信品質値が好転しミリ波帯無線通信の受信状態が良好となった場合には、ステップS100に戻りミリ波帯無線通信を継続させる。
【0057】
以上説明した図2のフローチャートの動作により、ミリ波帯無線通信の受信状態が劣化した場合には、自動的に5GHz帯無線通信に切換えることができる。このとき、20MHz幅のチャンネルよりも伝送容量の大きい40MHz幅のチャンネルを優先して選択することができ、情報量の削減に伴う映像・音声の劣化を最小限に抑えることができる。
【0058】
また、レーダ波検出が不要なチャンネルから探索するため、使用可能な空きチャンネルを素早く見つけることができる。更に、レーダ波検出が必要なチャンネルについても探索し、40MHz幅の空きチャンネルが存在する場合は、レーダ波が運用されていなければこの40MHz幅のチャンネルに切換えることも可能である。
【実施例2】
【0059】
以下に、5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に切換える動作手順を説明する。
【0060】
図4は、この動作を説明するための図で、5GHz帯無線通信の受信品質値とミリ波帯無線通信の受信品質値の時間変化を並べて表示している。また、図5は5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に切換える動作例を示すフローチャートである。
【0061】
図5のフローチャートに従って説明すると、5GHz帯無線通信による送受信を行っている際、受信制御部24は、5GHz帯受信部23より5GHz帯無線通信の受信品質値を定期的に取得している(ステップS501)。なお、ミリ波帯無線通信の動作は消費電力の低減を図るために、停止させておくことが望ましい。取得した受信品質値に変動があるか否かを判定し(ステップS502)、変動していない場合は(図4の区間A,C,E)何もせず、変動した場合は(図4の区間B,D)ステップS503に移行する。
【0062】
このように、5GHz帯無線通信の受信品質値が変動した場合には、送信装置10や受信装置20が移動されたりするなど無線通信環境に何らかの変化が発生したと考えられるため、ミリ波帯無線通信の受信状態が変化している可能性がある。
【0063】
ステップS503では、まず受信制御部24は、受信品質値の変動を検出したことを示す制御信号を送信制御部14に送信する。送信制御部14は、上記制御信号を受け取ると、送信選択部11に入力されたHDストリーム信号を5GHz帯送信部13とミリ波帯送信部12の両方に供給させると共に、ミリ波帯送信部12を動作させ、ミリ波帯無線通信を用いたHDストリーム信号の送信を開始する。また受信制御部24は、ミリ波帯受信部22を動作させて、送信されるHDストリーム信号を受信させる。そして、ミリ波帯無線通信の受信品質値を取得する。次にステップS504で、ミリ波帯無線通信の受信品質値と所定の閾値とを比較する。受信品質値が閾値未満の場合は(図4の区間B全域および時刻P以前の区間D)、ミリ波帯無線通信の受信状態が悪く送受信不可であるものと判定しステップS501に戻る。
【0064】
また、受信品質値が所定の閾値以上の場合(図4の時刻P以降の区間D)は、ミリ波帯無線通信による送受信が可能と判定しステップS505に進む。ステップS505では、受信制御部24は、受信選択部21にミリ波帯受信部22から供給されるHDストリームを選択させる。また受信制御部24は、5GHz帯無線通信を停止させることを示す制御信号を送信制御部14に送信する。送信制御部14は、上記制御信号を受け取ると、送信選択部11に対して5GHz帯送信部13へのHDストリーム信号の供給を停止させる。また、送信制御部14は5GHz帯送信部13の動作を、受信制御部24は5GHz帯受信部23の動作をそれぞれ停止させることが望ましい。これにより、5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に切換えることができる。
【0065】
なお、図4の区間Bでは5GHz帯無線通信の受信品質値は劣化する方向へ変動しているが、この場合、ミリ波帯無線通信の受信状態も同様に劣化する方向へ変動する可能性が高いと考えられる。従って、5GHz帯無線通信の受信品質値は劣化する方向へ変動している場合は、ステップS503に進まないように制御しても良い。
【0066】
また、ステップS504では、ミリ波帯無線通信の受信品質値が閾値以上の場合にステップS505に進むこととしたが、ミリ波帯無線通信の受信状態がより安定してから切換えるために、受信品質値が所定時間連続して閾値を越えた場合(図4の時刻PからP´までのT時間)、あるいは、受信品質値の移動平均が所定の閾値以上となった場合にステップS505に進むようにしてもよい。
【0067】
以上で説明したように、5GHz帯無線通信の受信品質値が変化したタイミングでミリ波帯無線通信の受信品質値を確認することにより、5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に適切なタイミングで切換えることができる。また、5GHz帯無線通信を行っている際には、ミリ波帯無線通信の動作を停止させておくことができるため、消費電力の低減を図ることができる。
【実施例3】
【0068】
実施例2では、5GHz帯無線通信の受信品質値が変動したタイミングでミリ波帯無線通信の受信品質値を確認する動作例を説明したが、別の動作例を説明する。
【0069】
図6は、本発明の第3の実施の形態における無線送受信装置の構成を示すブロック図である。図6において、前出の受信装置20、センサ感知部31、ディスプレイ駆動検出部32は、受信装置20により受信されたHDストリーム信号を表示するディスプレイ30に内蔵または外付け固定されている。センサ感知部31は、重力センサや加速度センサなど物体の動きを感知できるセンサを内蔵しており、ディスプレイ30が例えば人の手などによって動かされたことを検出することができる。また、ディスプレイ駆動検出部32は、ディスプレイ30の向きを機械的に変えられる機能が備わっている場合に、ユーザのリモコン操作などによってディスプレイの向きが変えられたことを検出することができる。
【0070】
図7は、本発明の第3の実施の形態において5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に切換える動作例を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS701では、センサ感知部31またはディスプレイ駆動検出部32は、ディスプレイ30の動きを監視している。そして、センサ感知部31またはディスプレイ駆動検出部32によってディスプレイ30に動きが生じたことを検出した場合は(ステップS702でYES判定)、受信制御部24に通知する(ステップS703)。受信制御部24は、通知信号を受け取ると、その後の動作(ステップS503〜S505)は図5のフローチャートで同一符号を付けたブロックの動作と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0072】
以上説明したように、実施例2と同様に、5GHz帯無線通信からミリ波帯無線通信に適切なタイミングで切換えることができる。
【0073】
なお、実施例2及び3では、所定の条件でステップS503〜S505の動作を行うが、もっと単純に、所定の時間間隔(例えば、10分間隔など)ごとにステップS503〜S505の動作を行うようにしてもよい。
【実施例4】
【0074】
実施例1から実施例3においては、送信制御部14と受信制御部24との間での各種制御情報の伝送は、ミリ波帯無線通信や5GHz帯無線通信を利用して伝送することも可能である。以下に実現方法を説明する。
【0075】
図1において、ミリ波帯送信部12および5GHz帯送信部13は、それぞれミリ波帯無線通信および5GHz帯無線通信を受信する機能についても備えている。また、ミリ波帯受信部22および5GHz帯受信部23は、それぞれミリ波帯無線通信および5GHz帯無線通信を送信する機能についても備えている。これらの機能を用いて、ミリ波帯無線通信によって、HDストリーム信号の送受信を行うとともに、制御情報を送受信する。また、5GHz帯無線通信によって、HDストリーム信号の送受信を行うとともに、制御情報を送受信する。どちらか一方の無線通信方式のみを使用してHDストリーム信号と制御信号の両方を送受信することで、消費電力の低減を図ることができる。
【0076】
以下、ミリ波帯無線通信を用いてHDストリーム信号を送受信している際の制御情報の伝送例について説明する。
【0077】
ミリ波帯無線通信によるHDストリーム信号の送受信を行っている際、図8に示すようにHDストリーム信号の送受信を所定時間ごとに短い時間だけ一時的に停止させ、この間に制御信号の送受信を行う。
【0078】
はじめに、図9を用いて送信制御部14から受信制御部24に制御情報を送信する場合について説明する。まず送信制御部14は、ミリ波帯送信部12によるHDストリーム信号の送信が停止されたタイミングで、制御情報をミリ波帯送信部12に供給し、ミリ波帯送信部12は制御情報を受信装置20側に送信する。受信制御部24は、ミリ波帯受信部22が制御情報を受信できた場合はACK(Acknowledgment)信号を送信装置10側に送信する。送信制御部14は、ACK信号を受信することで制御情報が受信制御部24に届いたことを確認できる(図9(a))。もし、送信制御部14がACK信号を受信できなかった場合は、再度制御情報を送信する(図9(b))。また、受信制御部24が制御情報を受信できなかった場合についても、送信制御部14はACK信号を受信できなかったことをもって再度制御情報を送信する(図9(c))。これにより、送信制御部14から受信制御部24に制御情報を伝送することができる。
【0079】
次に、図10を用いて受信制御部24から送信制御部14に制御情報を送信する場合について説明する。まず受信制御部24は、ミリ波帯受信部22によるHDストリーム信号の受信が停止されたタイミングで、制御情報をミリ波帯受信部22に供給し、ミリ波帯受信部22は制御情報を送信装置10側に送信する。送信制御部14は、ミリ波帯送信部12が制御情報を受信できた場合はACK信号を受信装置20側に送信する。受信制御部24は、ACK信号を受信することで制御情報が送信制御部14に届いたことを確認できる(図10(a))。
【0080】
もし、受信制御部24がACK信号を受信できなかった場合は、再度制御情報を送信する(図10(b))。また、送信制御部14が制御情報を受信できなかった場合についても、受信制御部24はACK信号を受信できなかったことをもって再度制御情報を送信する(図10(c))。これにより、受信制御部24から送信制御部14に制御情報を伝送することができる。
【0081】
上記において、ミリ波帯無線通信を用いてHDストリーム信号を送受信している際の制御情報の伝送例について説明したが、上記説明中のミリ波帯送信部12を5GHz帯送信部13に、ミリ波帯受信部22を5GHz帯受信部23に読み替えることで、5GHz帯無線通信を用いた場合についても制御情報を伝送することができる。
【0082】
実施例1から実施例4において、無線通信方式としてミリ波帯無線通信と5GHz帯無線通信とを使用した例を説明したが、これに限るものではなく、他の無線通信方式を使用することもできる。
【符号の説明】
【0083】
10・・・送信装置
11・・・送信選択部
12・・・ミリ波帯送信部
13・・・5GHz帯送信部
14・・・送信制御部
15・・・チャンネルスキャン部
16・・・レーダ波検出部
20・・・受信装置
21・・・受信選択部
22・・・ミリ波帯受信部
23・・・5GHz帯受信部
24・・・受信制御部
30・・・ディスプレイ
31・・・センサ感知部
32・・・ディスプレイ駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数帯で映像データを送信する第1の送信部と、該第1の周波数帯よりも伝送容量が小さく、伝送範囲が広い第2の周波数帯域で映像データを送信する第2の送信部と、該第1及び第2の送信部を制御する送信側制御部とを備えた送信装置と、前記第1の送信部で送信された映像データを受信する第1の受信部と、前記第2の送信部で送信された映像データを受信する第2の受信部と、該第1及び第2の受信部を制御する受信側制御部とを備えた受信装置とで構成される送受信装置であって、
前記第1の周波数帯で映像データの送受信を行っている場合に、前記受信側制御部は、前記第1の受信部で受信された映像データの受信品質が所定の閾値未満に劣化したことを検出すると、当該劣化したことを示す制御情報を前記送信側制御部に通知し、
前記送信側制御部は、前記劣化したことを示す制御情報に基づいて、第2の送信部で使用可能な周波数帯域を検出し、使用可能な周波数帯域を決定すると、決定した周波数帯域で第2の送信部に映像データを送信させるとともに、該決定した周波数帯域を示す制御情報を前記受信側制御部に通知し、
前記受信制御部は、前記決定した周波数帯域を示す制御情報に基づいて、第2の受信部に映像データを受信させることを特徴とする送受信装置。
【請求項2】
前記第2の送信部で使用可能な周波数帯域が複数存在し、少なくとも2つの伝送容量が異なる場合、前記送信制御部は、伝送容量が大きい周波数帯域を、使用可能な周波数帯域として決定することを特徴とする請求項1に記載の送受信装置。
【請求項3】
前記送信制御部は、第2の送信部に映像データを送信させる場合に、第1の送信部の送信動作を停止させ、前記受信制御部は、第2の受信部に映像データを受信させる場合に、第1の受信部の受信動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の送受信装置。
【請求項4】
前記送信装置は、前記第1の周波数帯及び第2の周波数帯とは異なる第3の周波数帯で制御情報を送受信する送信側送受信部をさらに備え、
前記受信装置は、前記送信側送受信部と制御情報を送受信する受信側送受信部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の送受信装置。
【請求項5】
前記第1の送信部はデータの受信機能をさらに備え、
前記第1の受信部はデータの送信機能をさらに備え、
前記劣化したことを示す制御情報は、前記送信機能及び受信機能により送受信され、前記決定した周波数帯域を示す制御情報は、前記第1の送信部及び前記第1の受信部で、映像データの送受信を一時停止させ、送受信されることを特徴とする請求項1に記載の送受信装置。
【請求項6】
前記第2の送信部はデータの受信機能をさらに備え、
前記第2の受信部はデータの送信機能をさらに備え、
前記劣化したことを示す制御情報及び前記決定した周波数帯域を示す制御情報は、前記第2の送信部及び第2の受信部により送受信されることを特徴とする請求項1に記載の送受信装置。
【請求項7】
第1の周波数帯で映像データを送信する第1の送信部と、該第1の周波数帯よりも伝送容量が小さく、伝送範囲が広い第2の周波数帯域で映像データを送信する第2の送信部と、該第1及び第2の送信部を制御する送信側制御部とを備えた送信装置と、前記第1の送信部で送信された映像データを受信する第1の受信部と、前記第2の送信部で送信された映像データを受信する第2の受信部と、該第1及び第2の受信部を制御する受信側制御部とを備えた受信装置とで構成される送受信装置であって、
前記第2の周波数帯で映像データの送受信を行っている場合であって、所定の条件を満たす場合に、前記受信側制御部は、第1の送信部で送信され、第1の受信部で受信される映像データの受信品質を確認し、該受信品質が所定の閾値以上に良化したことを検出すると、前記第2の送信部による送信を停止させるための制御情報を前記送信側制御部に通知するとともに、第2の受信部における映像データの受信を停止させ、
前記送信側制御部は、通知された前記制御情報に基づいて、第2の送信部における映像データの送信を停止させることを特徴とする送受信装置。
【請求項8】
前記所定の条件を満たす場合とは、前記受信側制御部が、第2の受信部で受信された映像データの受信品質が変化したことを検出した場合であることを特徴とする請求項7に記載の送受信装置。
【請求項9】
前記受信装置が、受信された映像データが出力される表示装置に内蔵されるともに、該表示装置が内蔵する自身の動きを検出するための動き検出装置と接続される構成において、
前記所定の条件を満たす場合とは、前記受信側制御部が、前記動き検出装置から前記表示装置が動いたことに関する通知を受けた場合であることを特徴とする請求項7に記載の送受信装置。
【請求項10】
前記所定の条件を満たす場合とは、所定の時間が経過した場合であることを特徴とする請求項9に記載の送受信装置。
【請求項11】
前記送信装置は、前記第1の周波数帯及び第2の周波数帯とは異なる第3の周波数帯で制御情報を送受信する送信側送受信部をさらに備え、
前記受信装置は、前記送信側送受信部と制御情報を送受信する受信側送受信部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の送受信装置。
【請求項12】
前記第1の送信部はデータの受信機能をさらに備え、
前記第1の受信部はデータの送信機能をさらに備え、
前記制御情報は、前記送信機能及び受信機能により送受信されることを特徴とする請求項7に記載の送受信装置。
【請求項13】
前記第2の送信部はデータの受信機能をさらに備え、
前記第2の受信部はデータの送信機能をさらに備え、
前記制御情報は、前記送信機能及び受信機能により送受信されることを特徴とする請求項7に記載の送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−272900(P2010−272900A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120470(P2009−120470)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】