通信型構成要素を使用する高パワーファイバチャープパルス増幅システム
【課題】従来技術の問題及び限界を解決したチャープパルス増幅器を提供すること。
【解決手段】モードロックレーザと、その出力端に結合された、第1および第2の出力端を有する偏光保持ビームルータと、偏光保持ビームルータの第1の出力端に結合された、パルス伸長のための偏光保持分散補償ファイバと、偏光保持分散補償ファイバに結合された第1の増幅器と、第1の増幅器に結合された第1のパルス選別器と、第1のパルス選別器に結合されたファラデー回転子ミラーと、偏光保持ビームルータの第2の出力端にビームスプリッタを通して結合された第2の増幅器とを備えるチャープパルス増幅器である。モードロックレーザが偏光保持ビームルータに入力する入力パルスは、ファラデー回転子ミラーにより反射されて偏光保持ビームルータに戻り、次いでそこから出力されて第2の増幅器に入射される。第1のパルス選別器は、光導波路を有する集積化変調器を備える。
【解決手段】モードロックレーザと、その出力端に結合された、第1および第2の出力端を有する偏光保持ビームルータと、偏光保持ビームルータの第1の出力端に結合された、パルス伸長のための偏光保持分散補償ファイバと、偏光保持分散補償ファイバに結合された第1の増幅器と、第1の増幅器に結合された第1のパルス選別器と、第1のパルス選別器に結合されたファラデー回転子ミラーと、偏光保持ビームルータの第2の出力端にビームスプリッタを通して結合された第2の増幅器とを備えるチャープパルス増幅器である。モードロックレーザが偏光保持ビームルータに入力する入力パルスは、ファラデー回転子ミラーにより反射されて偏光保持ビームルータに戻り、次いでそこから出力されて第2の増幅器に入射される。第1のパルス選別器は、光導波路を有する集積化変調器を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超短光パルスのチャープパルス増幅システムに関し、特に、パルス選別器のためのLiNbO3変調器のような市販の通信構成要素を使用するチャープパルス増幅に関する。本発明は、さらに、簡単な組立プロセスと改善された機械的安定性をもたらす、自由空間調整を避けるための構成要素の集積化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の文献は、全てが本発明に関連する指摘されたトピックスに有益な背景情報を与え、ここに参考文献によって編入される。
A. Galvanauskas and M.E. Fermann, 13-W Average Power Ultrafast Fiber Laser, Conference on Lasers and Electro-Optics 2000, San Francisco, California, May 7-12,2000, post deadline paper CPD3.
Y. Jaouen, M. Le Flohic, E. Olmedo and G. Kulscar, 35kW Subpicosecond Pulse Generation At 1.55μm Using Er3+/Yb3+ Fiber Amplifier, Conference on Lasers and Electro-Optics 2001, Baltimore, Meryland, May 6-11,2001, paper CTUQ3.
A. Boskovic, M. J. Guy, S. V. Chernikov, J. R. Taylor, and R. Kashyap, All-Fiber Diode Pumped Femtosecond Chierped Pulse Amplification System, Electoronics Letters, 31(11),877(1995).
【0003】
微細造形のような応用における高パルスエネルギフェムト秒レーザの増加する関心と共に、高パワー高パルスエネルギファイバレーザは、近年、光学技術で最も興奮する開発の一つである。Galvanauskas他とFermann他は、エルビウムとイットリビウムベースのチャープパルス増幅システムでのマイクロジュールレベルのエネルギの達成を開示している。しかしながら、最近、波長約1550ナノメートルで、非常に少ない研究が存在していた。連合王国とフランスの研究者は、この領域であるが、限定されたパルスエネルギで幾つかの研究をした。Jaouen他は、35キロワットのピークパワーと450フェムト秒のパルス幅を用いたが、パルスエネルギは、たった16ナノジュールであった。Boskovic他は、光源レーザからの繰り返し周期の間引きなしで増幅後に1.6ナノジュール得ただけである。
【0004】
たいていのチャープパルス増幅システムでは、音響光学(AO)変調器が増幅されるべきパルスを選別するために使用される。しかしながら、特に元のパルス繰り返し周期が20メガヘルツより高いとき、波長約1550ナノメートルで、そのような音響光学変調器は、材料制限のため容易に利用できない。例えば、50メガヘルツのパルス繰り返し周期のモードロックレーザ光源が使用されるとすると、初期パルス列からパルスを選別するためには、通常、立ち上がり時間と立ち下がり時間に10ナノ秒未満が必要とされる。しかしながら、1550ナノメートルで動作する音響光学変調器は、そのようなスピードで、容易に利用できないか、または非常に高価である。例えば、ブリモローズ(Brimrose)は、1550ナノメートルで許容性能をもつAO変調器を製造しているが、個々の変調器は、数千ドルである。そのような高コストは、そのようなAO変調器を使う増幅システムの大量生産を制限する。
【0005】
一方、2.5GHz/s及びそれ以上(2.5GHz/s、10GHz/s、40GHz/sさえも)で動作する1550ナノメートルでの高速電気光学(EO)変調器(LiNbO3のような)は、通信工業で利用できる大きな在庫品のために、容易に利用でき且つ相対的に安い。ファイバピッグテール2.5GHz/sLiNbO3変調器は、千ドル未満で購入できる。しかしながら、チャープパルス増幅システムはどれも、そのような電気光学変調器システムを使用したことがなかった。
【0006】
LiNbO3電気光学変調器は、マッハ−ツェンダ型変調器である。LiNbO3変調器は、電気光学効果を示す材料の上の集積化光導波路を含む。電気光学材料は、電圧印加で変化する屈折率をもつ。マッハ−ツェンダ変調器は、干渉技術を使って動作する。光信号は二つの分離通路に分岐され、その後出力端で再結合される。干渉計の二つの通路は、近似的に同じ長さであるが、厳密には同じでない。二つの通路からの二つの信号が出力端で再結合されるとき、二つの信号は僅かに異なる位相をもつ。これら二つの信号が正確に同位相であるなら、光は低損失で出力導波路で再結合する。しかしながら、二つの信号が180°位相ずれであると、光は出力導波路に伝搬せず、結果として光は基板の周辺に放射する。電気光学効果は、各通路の伝搬速度を電極への電圧印加に依存させる。結果として、変調電圧に依存するので、光は出力導波路を高或いは低損失で伝搬する。
【0007】
市販の通信変調器は、全て入力及び出力導波路に調整されたファイバピッグテールをもつ。マッハ−ツェンダ変調器は、正確に作用するために特定の入力偏光状態をもたなければならないので、入力ファイバピッグテールは、偏光保持ファイバでなければならない。しかし、出力ファイバピッグテールは、用途に応じて、偏光保持或いは非偏光保持ファイバである。
【0008】
典型的なチャープパルス増幅システムでは、パワー増幅器前のパルス選別器と同様に、伸長器と一つ或いは二つの前置増幅器が必要である。伸長器はバルク格子或いはファイバ格子であるか、或いは、Galvanauskas他に交付され、ここに参考文献によって編入された米国特許5,847,863で説明されたようなファイバ伸長器である。しかしながら、たとえファイバベースデバイスが伸長器として使用されたとしても、以前は自由空間調整を使って組み立てられ、結合要素(例えば、レンズ)が入力パルスをファイバに結合していた。技術的に十分であるが、結合要素は、労働集約的な組立が必要とされるので、大量生産には適さない。さらに、システムの長期動作安定性は、通常なお問題である。例えば、結合は、高スループットを確実にするために度々調整されなければならない。
【0009】
エルビウムドープファイバ増幅器は、普通の能動デバイスであり、ある一定の長さのエルビウムドープファイバとポンプダイオード(980ナノメートルかまたは1480ナノメートルで動作する)を使用する。エルビウムドープファイバの非偏光保持特性により、二重パス構成は、偏光を保持するべく使用されなければならない。LiNbO3変調器の偏光感受性により、それは他の非偏光保持ファイバ要素をもつ同じ二重パスループに使用されない。
【0010】
通常、LiNbO3変調器は、低消光比(〜23デシベル)をもち、その低消光比は、低い信号/雑音コントラスト比、典型的に20−23デシベル、をもたらす。この低い信号/雑音コントラスト比は、チャープパルス増幅システムに不十分であり、少なくとも30デシベルに、或いはそれより高く増加されなければならない。これを達成するために、変調器の偏光消光比が改善されなければならいか、または、他の方法が信号/雑音コントラスト比を増加させために開発されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上の事実を考慮して且つ従来技術の上記問題及び限界を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このような目的を達成するために創られ、波長約1550ナノメートルで動作するエルビウムファイバ(或いはエルビウム−イットリビウム)ベースチャープパルス増幅システムを提供する。通信の窓で動作するファイバ増幅器の使用は、優れた機械安定性をもつ通信要素と通信コンパチ式手順の実施を可能にする。
【0013】
本発明の付加的な概念と優位性は、後続する記載部分及び記載から明らか或いは本発明の実施で知らされる部分で、明らかにされるであろう。本発明の概念と優位性は、添付した請求項で詳しく指摘された手段及び結合物によって実施され、達成される。
【0014】
本発明の上記及び他の概念と優位性は、以下の詳細な記載からと添付の図と関連して明確になるであろう。
【0015】
ここで引用された全ての技術文献、特許及び特許出願は、まるで丸ごとここに含まれているかのように、ここに参考文献によって編入されている。
【0016】
編入されこの明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を図解する添付図は、記載と一緒になって、本発明の概念、優位性及び原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】モードロックレーザの出力端でパルス選別器として使用されるLiNbO3変調器を例示する図である。
【図2A】本発明に従い、偏光保持ビームルータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図2B】本発明に従い、偏光保持ビームルータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図3A】本発明に従い、偏光保持ビームサーキュレータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図3B】本発明に従い、偏光保持ビームサーキュレータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図4A】本発明に従い、偏光保持ビームルータ或いは偏光保持サーキュレータと非偏光保持分散補償ファイバとを使用する二重パス伸長器システムを例示する図である。
【図4B】本発明に従い、偏光保持ビームルータ或いは偏光保持サーキュレータと非偏光保持ファイバ格子とを使用する二重パス伸長器システムを例示する図である。
【図5A】本発明に従い、エルビウムドープファイバ増幅器に従属接続された二重パスパルス伸長器を例示する図である。
【図5B】本発明に従い、エルビウムドープファイバ増幅器に従属接続された二重パスパルス伸長器を例示する図である。
【図6】本発明に従い、偏光保持ビームルータ/偏光保持サーキュレータ及び変調器を使用する第1チャープパルス増幅システムを例示する図である。
【図7】本発明に従い、偏光保持ビームルータ/偏光保持サーキュレータ及び偏光不感変調器を使用する第2チャープパルス増幅システムを例示する図である。
【図8】本発明に従い、偏光保持ビームルータ/偏光保持サーキュレータ及び一つは第2パルス選別器として動作する二つの偏光不感変調器を使用する第3チャープパルス増幅システムを例示する図である。
【図9】コントラスト比を改善するための従属接続された変調器を例示する図である。
【図10A】図6に描かれたシステムにおけるパルス圧縮器の後のパルスプロフィールを示す図である。
【図10B】図6に描かれたシステムにおけるパルス圧縮器の後のスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明は、今や添付図を参照して与えられる。
【0019】
約1550ナノメートルの波長で動作するチャープパルス増幅システムの場合、早い立ち上がり時間をもつ音響光学変調器は、適当な材料がないために、利用が制限される。しかしながら、通信の電気光学変調器及び電気吸収変調器は代わりの解を与える。そのような変調器は、しかしながら、パルス選別の目的でチャープパルス増幅システムに使用されなかった。図1を参照すれば、チャープパルス増幅システムが例示されている。モードロックレーザ10は、変調器12に入力するパルス行列11を出力する。変調器12は、その後、入力パルス行列11を変調し、選別されたパルス13を出力する。変調器12は、LiNbO3電気光学変調器或いは電気吸収変調器であり得る。
【0020】
本発明では、LiNbO3変調器がパルス選別器として使用される。通常の降下計数電子回路を使って、変調電圧がLiNbO3変調器に印加され、それによって50メガヘルツモードロックレーザ光源から約100キロヘルツへのパルス選別を可能にする。LiNbO3変調器が偏光感受性であるので、パルス選別の間、偏光状態を保持するために、入力と出力の両ピッグテールファイバは、偏光保持ファイバでなければならない。対応する繰り返し周期のクリーンなパルス列は、こういう風に発生される。
【0021】
電気光学変調器と電気吸収変調器は、ピーク強度(すなわち、約200ワット)で非線形効果を蓄積するので、パルスは、変調器に入射される前に伸長される。LiNbO3変調器のような偏光感受性変調器の場合、入力端で偏光保持ファイバが使用されなければならないが、出力ファイバは偏光保持ファイバと非偏光保持ファイバのいずれでもよい。好ましい実施形態では、全システムの偏光は保持され、したがって、変調器の出力ファイバは、やはり偏光保持ファイバである。
【0022】
様々なタイプの伸長器がチャープパルス増幅システムに使用される。最初のうちは、第1バルク格子対が入力パルスを伸長するために使用され、第2バルク格子対を使って増幅後に圧縮バックされる。第2バルク格子対は、第1バルク格子対に類似のパラメータを持つ。また、ファイバ或いはファイバ格子が適当な分散値を持つ限り、線形或いは非線形ファイバ格子或いはある長さのファイバでさえもパルス伸長器として働く。
【0023】
好ましくは、市販の入手可能な分散補償ファイバ或いは分散シフトファイバが伸長器として使われ、かなり良好な特性が得られる。しかしながら、長いファイバが使われなければならないので、伸長ファイバによる蓄積された3次分散が無視できなくなる。伸長器ファイバからの2次分散は圧縮器格子システムで容易に補償されるが、蓄積された3次分散は圧縮器格子によって合算され、最終パルス幅はモードロックレーザからの初期パルス幅より常に広い。システムの2次と3次の両方の分散を補償するために、モードロックレーザ光源にマッチしたバンド幅を持つ非線形チャープファイバ格子がより一層望ましい、或いは圧縮器格子の分散にマッチする適当な2次及び3次分散を持つ特別にデザインされたファイバが使用される。
【0024】
非偏光保持ファイバ伸長器の場合、偏光を保持するために二重パス構成が使用されなければならない。通常、偏光ビームスプリッタキューブとファラデー回転子ミラーの組み合わせが使用される。通常、モードロックレーザ或いはパルス選別器からの源ビームが、偏光ビームスプリッタを通過し、偏光ビームスプリッタからの出力が、自由空間を介して伸長器に結合された。二重パスと偏光ビームスプリッタの通過後、伸長パルスは、パルス選別器或いは前置増幅器に送られた。
【0025】
通信組み立て手順(すなわち、集積化、ファイバ融着)を利用するためにと、本発明のファイバベース特性により、偏光保持ビームルータと偏光保持サーキュレータが使用される。基本的に、偏光保持ビームルータと偏光保持サーキュレータとは、偏光保持ファイバを備えてであるが、自由空間偏光ビームスプリッタとして同じように動作する。通信技術の進歩で、そのようなデバイスのパッケージは比較的容易な作業であり、必要であれば、密閉して封止される。
【0026】
偏光保持ビームルータ或いは偏光保持サーキュレータをファラデー回転子ミラーと組み合わせることで、非偏光保持ファイバを備えていても偏光が保持される。さらに、通常の通信組み立て手順が使用される。図3a、3b、4a、4bに示されるように、ファイバの低速軸を望ましいビーム偏光に正確にマッチさせることで、システムの偏光がファイバ融着で保持される。
【0027】
たとえば、偏光ビームスプリッタの第1ポートに入射するs−偏光ビーム(偏光ビームスプリッタに関する)は、第2ポートに向けられる。ファラデー回転子ミラーにより、反射ビームの偏光は、90°回転され、ビームスプリッタを通過することができ、第3ポートに向けられる。第3ポートのピッグテール偏光保持ファイバが、p−偏光ビームに合わせられた低速軸(或いは次のファイバ要素の偏光に依存する高速軸)を持つなら、全体のシステムの偏光が、二重パス構成の後で保持される。偏光保持サーキュレータが、同じデザインから作られ、そこでは、ファラデー回転子とファラデー回転子ミラーとが、パッケージに加えられ、第3ポートの偏光保持ファイバが、偏光ビームスプリッタに関して45°傾けられる。最近の利用可能な通信用ファイバピッグテール素子を使って、チャープパルス増幅システムの前端部は、容易に且つ堅く作られる。都合よく、全ての要素は、それらを簡単に溶着することで接続される。
【0028】
図2aを参照すれば、偏光保持ビームルータが描画されている。光源パルスは、偏光ビームスプリッタ20の第1ポート21に入射する。偏光保持ファイバ22は、入ってくる光源パルスが偏光ビームスプリッタ20に関連してs偏光状態で偏光保持ファイバ22を伝搬するように、合わせられている。偏光保持ファイバ22の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。入ってくる光源パルスは、コリメートされ、第2ポート23に向けられる。第2ポート23は、第2偏光保持ファイバ24に結合される。第2偏光保持ファイバ24の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。例えば、ファイバベースデバイスでは、非偏光保持分散補償ファイバ26が、偏光保持ファイバ24に直接融着され得る。ピッグテールファラデー回転子25とミラー27は、二重パスループを作るために、分散補償ファイバ26に融着される。ファラデー回転子25とミラー27の間に結合された光デバイス30は、透過型である。ファラデー回転子25とミラー27は、コリメートされた入力パルスを偏光ビームスプリッタ20に反射して戻すが、パルスの偏光は、90°回転される。偏光回転により、入力パルスは今や偏光ビームスプリッタ20を透過し、第3ポート28に結合される。入力パルスが、全ての偏光保持ファイバを低速軸に沿って伝搬すると仮定すると、第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29は、低速軸が偏光ビームスプリッタ20に関連してp偏光とマッチするように、合わせられなければならない。
【0029】
図2bを参照すれば、別の偏光保持ビームルータが描画されている。光源パルスは、偏光ビームスプリッタ20の第1ポート21に入射する。偏光保持ファイバ22は、入ってくる光源パルスが偏光ビームスプリッタ20に関連してs偏光状態で偏光保持ファイバ22を伝搬するように、合わせられている。偏光保持ファイバ22の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。入ってくる光源パルスは、コリメートされ、第2ポート23に向けられる。第2ポート23は、第2偏光保持ファイバ24に結合される。第2偏光保持ファイバ24の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。ファイバベースデバイスでは、非偏光保持分散補償ファイバ26が、第2ポート23に取り付けられた偏光保持ファイバ24に直接融着され得る。図2aと異なり、ファラデー回転子ミラーが、二重パスを作るためにループの終端部に使用された。ファラデー回転子25の後に結合されたファイバ格子(ミラーである)のような光デバイス30は、透過型でない。ファラデー回転子25と光デバイス30は、コリメートされた入力パルスを偏光ビームスプリッタ20に反射して戻すが、パルスの偏光は90°回転される。偏光回転により、入力パルスは、今や偏光ビームスプリッタ20を透過し、第3ポート28に結合される。入力パルスが、全ての偏光保持ファイバを低速軸に沿って伝搬すると仮定すると、第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29は、低速軸が偏光ビームスプリッタ20に関連してp偏光とマッチするように、合わせられなければならない。
【0030】
図3aを参照すれば、偏光保持サーキュレータに改造された偏光保持ビームルータが、描画されている。図2aに描かれた偏光保持ビームルータを使用しながら、ファラデー回転子ミラー41とファラデー回転子42が、偏光サーキュレータ40に加えられる。この実施形態では、非透過特性をもつ光デバイス30の代わりに、透過特性をもつ光デバイス30が使用される。したがって、ファラデー回転子ミラー43が必要である。第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29は、偏光ビームスプリッタ40に関連して45°に合わせられる。偏光ビームスプリッタ40に関連して、s偏光をもつ光パルスが第1ポート21に入力されるとすると、それは、上で議論したように第2ポート23に向けられる。第2ポート23からファラデー回転子25とミラー27で反射して戻された後、第3ポート27で偏光保持ファイバ29に結合される。上で議論したように、偏光保持ファイバ29の低速軸が、第3ポート28に結合される。第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29の低速軸を伝搬する光パルスが、偏光サーキュレータ40に注ぎ戻されるなら、ファラデー回転子42は、光パルスを45°回転させるであろう。その光パルスは、第1ポート21の反対側に位置するファラデー回転子ミラー41に向けられるであろう。ファラデー回転子ミラー41から反射して戻された後、第1ポート21に向けられるであろう。
【0031】
図3bを参照すれば、二番目の偏光保持サーキュレータが描画されている。図2bに描かれた偏光保持ビームルータを使用しながら、ファラデー回転子ミラー41とファラデー回転子42が偏光サーキュレータ40に加えられる。二番目の偏光保持サーキュレータは、上述の一番目の偏光保持サーキュレータと同じように動作する。図2aと図2bに描画された偏光保持ビームルータ、或いは図3aと図3bに描画された偏光保持サーキュレータを使用することで、二重パス構成システムは、非偏光保持ファイバを一緒に簡単に融着して構築され得る。
【0032】
図4aを参照すれば、二重パス偏光保持伸長器が描画されている。シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ51が、偏光保持ビームルータ50とファラデー回転子ミラー52との間に結合される。偏光保持ビームルータの代わりに、偏光保持サーキュレータが使用され得る。図4bを参照すれば、二番目の二重パス偏光保持伸長器が描画されている。前の伸長器システムと同様に、偏光保持ビームルータ50が使用される、或いは替わりに偏光保持サーキュレータが使用される。ファラデー回転子ミラーの代わりに、二番目の二重パス偏光保持伸長器は、ファラデー回転子53と非偏光保持ファイバ格子54を使用する。ファイバ格子54は、線形或いは非線形チャープである。
【0033】
図5aを参照すれば、二重パス伸長器がエルビウムドープファイバ増幅器に従属接続される。偏光保持ビームルータ60は、シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ61に結合され、ファイバ61は、1480/1550ナノメートル波長分割多重送信器62に結合される。偏光保持ビームサーキュレータが、偏光保持ビームルータ60の代わりに用いられ得る。1480ナノメートルのポンプダイオード65が、1480/1550ナノメートル波長分割多重送信器62に結合される。エルビウムドープファイバ増幅器63が、ファラデー回転子ミラー64と1480/1550ナノメートル波長分割多重送信器62の間に結合される。図5bを参照すれば、二番目の二重パス伸長器が、イットリビウム/エルビウムドープファイバ増幅器に従属接続される。偏光保持ビームルータ60は、シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ61に結合され、ファイバ61は、980/1550ナノメートル波長分割多重送信器66に結合される。偏光保持ビームサーキュレータが、偏光保持ビームルータ60の代わりに用いられ得る。980ナノメートルのポンプダイオード68が、980/1550ナノメートル波長分割多重送信器66に結合される。イットリビウム/エルビウムファイバ増幅器67が、ファラデー回転子ミラー64と980/1550ナノメートル波長分割多重送信器66の間に結合される。
【0034】
図6を参照すれば、本発明に関するチャープパルス増幅システムが描画されており、その増幅システムは、非偏光保持要素を備えるファイバベース偏光保持二重パス構成を使用している。偏光保持ビームルータ70は、シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ71に結合され、そのファイバ71は、波長分割多重送信器72に結合される。ポンプダイオード73は、波長分割多重送信器72に結合される。増幅器ファイバ74は、ファラデー回転子ミラー75と波長分割多重送信器72の間に結合される。モードロックレーザ76は、偏光保持ビームルータ70に入力パルスを供給する。偏光保持ビームルータ70からの出力パルスは、以前記述した電気−光学変調器77をパルス選別器として使用して選別される。増幅器78が出力パルスを増幅し、圧縮器79がその出力パルスを圧縮する。
【0035】
LiNbO3変調器の偏光感受特性により、それは他の非偏光保持要素を備える同じ二重パスループに使用されない。しかしながら、電気−吸収変調器は、低消費電力、低駆動電圧、小寸法、大きな電気−光学バンド幅をもち、且つ、最も重要なことに、偏光不感受性である。したがって、電気−吸収変調器は、他の非偏光保持要素を備える二重パスループの中に配置され、その結果、より一層コンパクトな形状となる。図7と8に示すように、変調器は、伸長器とエルビウムドープファイバ増幅器の同じループ中にあるか、或いは、最後のパワー増幅器中にあり、第2パルス選別器として使用される。
【0036】
図7を参照すれば、コストを低くし且つよりコンパクトなシステムをデザインするために、変調器が二重パスループに付加され得る。これは、LiNbO3変調器の場合、偏光制限により実施できないが、別のタイプの変調器は、そのような機能を実行することができる。
電気−吸収変調器は、偏光不感受性である。したがって、電気−吸収変調器は、パルス伸長器とエルビウムドープファイバ増幅器のような前置増幅器に従属接続され得る。
【0037】
図7に図解されるように、本発明に関する二番目のチャープパルス増幅システムが描画されている。偏光保持ビームルータ80は、パルス伸長器として動作する非偏光保持分散補償ファイバ82に結合される。モードロックレーザ81は、偏光保持ビームルータ80に入力パルスを供給する。モードロックレーザ81からの典型的な出力パルスは、5ミリワットで0.1ナノジュールのパワーをもつ50メガヘルツ、300フェムト秒パルスである。パルス伸長器として作動する非偏光保持分散補償ファイバ82と電気−吸収変調器84との間に、前置増幅器ファイバ83が結合される。一般に、選別されたパルスが、解放されたゲートを通過することができる限り、変調器は、二重パスループの任意の位置に融着され得る。典型的に、パルス伸長器でのパルス特性は、50メガヘルツで200−300ピコ秒、3ミリワット、0.06ナノジュールである。ファラデー回転子ミラー85は、電気−吸収変調器84に結合される。偏光保持ビームルータ80は、ビームスプリッタ86に結合される。本発明で、偏光保持ビームルータ80からの出力パルスは、200キロヘルツで約200−300ピコ秒、10ナノジュールである。ビームスプリッタ86とファラデー回転子ミラー88との間に、イットリビウム/エルビウム・エルビウムドープファイバ増幅器87が結合される。好ましくは、そのイットリビウム/エルビウム・エルビウムドープファイバ増幅器87は、4ワットに増幅されるマルチモードファイバである。ビームスプリッタ86からのパルス出力は、通常200キロヘルツの繰り返し周期で200−300ピコ秒の長さであり、400ミリワット及び2マイクロジュールより大きな強さである。
【0038】
図8を参照すれば、本発明に関する三番目のチャープパルス増幅システムが描画されている。線形或いは非線形チャープし、且つパルス伸長器として作動するファイバ格子92に、偏光保持ビームルータ90が結合される。典型的に、パルス伸長器でのパルス特性は、50メガヘルツで200−300フェムト秒、3ミリワット、0.06ナノジュールである。モードロックレーザ91は、偏光保持ビームルータ90に入力パルスを供給する。モードロックレーザ81からの典型的な出力パルスは、5ミリワットで0.1ナノジュールのパワーをもつ50メガヘルツ、300フェムト秒パルスである。モードロックレーザ91からの繰り返し周期を下げるために、偏光保持ビームルータ90の出力は、第1変調器93(電気−光学或いは電気−吸収)に結合される。第1変調器93の出力は、ビームスプリッタ94に結合され、イットリビウム/エルビウム或いはエルビウムドープファイバ増幅器95が、ビームスプリッタ94と第2変調器96(電気−吸収)の間に結合される。本発明で、第1変調器93からの出力パルスは、10メガヘルツの繰り返し周期で200−300ピコ秒の長さであり、0.3ミリワット及び0.03ナノジュールである。第2変調器は、パルス繰り返し周期をさらに減少させ、選別されたパルスが第2変調器を通過でき、イットリビウム/エルビウム或いはエルビウムドープファイバ増幅器95で増幅される。好ましくは、イットリビウム/エルビウム或いはエルビウムドープファイバ増幅器87は、4ワットまで増幅されるマルチモード増幅器である。ファラデー回転子ミラー97は、第2変調器96から出力されるパルスを反射し、且つ回転させる。ビームスプリッタ94からのパルス出力は、通常400キロヘルツの繰り返し周期で200−300ピコ秒の長さであり、400ミリワット及び1マイクロジュールより大きな強さである。システムに出力される前に、増幅されたパルスは、圧縮器格子98を用いてフェムト秒或いはピコ秒の範囲に圧縮して戻される。
【0039】
図8に示すように、選別されたパルスは、二重パス側面−ポンプ配列を使って、増幅され得る。さらに、選別されたパルスを増幅するために端面−ポンプ構成も使用され得る。通常端面−ポンプ構成は、高パワーマルチモードポンプダイオードを利用できるために、より高い出力パワーとより高いパルスエネルギを与える。非線形性のために、最終増幅器に使用される増幅器ファイバは、マルチモードファイバでなければならない。コア寸法が大きいほど、非線形効果の厳しさは少ないが、シングルモード動作を制御することが難しい。Fermann他に交付された米国特許No.5,818,630で、そのようなマルチモードシステムでシングルモード動作を制御するために、モードフィルタ及び/或いはモード変換器が使用された。しかしながら、本発明では、増幅器ファイバを種とポンプに関して注意深く調整することで、20マイクロメートルまでのファイバコア寸法をもつ二重クラッドマルチモードファイバでモードフィルタ或いはモード変換器なしで、シングルモード動作が達成される。ファイバコア寸法が25マイクロメートルより大きくなると、シングルモード動作は未だ達成されるが、特にファイバに触れたりファイバを動かしたりすると、シングルモード動作を維持することが困難である。
【0040】
通常、電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器からは不十分なコントラスト比が予想される(<23デシベル)。しかし、チャープパルス増幅システムでは、特に100:1(或いはさらに高い)パルス選別の場合、30デシベル或いはそれ以上のコントラスト比が通常要求される。その要求されるコントラスト比を達成するために、第2変調器は第1変調器に従属接続され且つ同期される。二重パス構成での一つの電気−吸収変調器、或いは従属接続連鎖での二つの電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器と、同期回路とで、コントラスト比は倍にされる。さらに、パルス選別器とパワー増幅器の間に第2エルビウムドープファイバ増幅器を付加することは、コントラスト比を少なくとも30デシベルまで容易に押し上げる。
【0041】
図9を参照すれば、モードロックレーザ100からのパルス行列が、第1変調器101に入力される。第1変調器101は、電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器である。第1変調器101は、第2変調器102に結合される。第2変調器102も電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器でる。同期回路103は、第1変調器101を第2変調器102と同期させる。動作中、第1変調器101からの選別されたパルスは、無視できる損失で第2変調器102を通過できる。第1変調器101からの阻止されたパルスは、第2変調器102で高い損失を受けるので、第2変調器102の後でコントラスト比は、倍にされる。これに対する別の解は、変調器と最終増幅器との間に第2エルビウムドープファイバ増幅器(或いはイットリビウム/エルビウム又はエルビウムドープファイバ増幅器)を付加することである。このやり方で30デシベルのコントラスト比が容易に達成される。
【0042】
市販の入手可能な変調器(LiNbO3変調器)を使うことで、本発明は、IMRAフェムトライトレーザからの50メガヘルツ、300フェムト秒パルスを100キロヘルツに低下させ、二重クラッドイットリビウム/エルビウムエルビウムドープファイバ増幅器から19ワットのポンプで1.2ワットを越える出力を得る。200キロヘルツの繰り返し周期で、本発明は、圧縮後2マイクロジュール、820フェムト秒を得ることができる。そのスペクトルとパルスプロフィールが図10に示される。
【0043】
本発明の望ましい実施形態の前の記載は、図解と記述のために与えられた。類似のことは、Ybドープファイバシステムのための1.06μmのような他の波長で得られる。網羅的であること或いは本発明を開示された明確な形に限定することは意図していない。修正と変更は、上の教示に照らして可能であるか、或いは本発明の実行から獲得される。当業者が本発明を様々な実施形態及び熟慮された特殊な用途に適するような種々の修正点をもつ実施形態で利用できるようにするべく本発明の原理とその実際的な応用を説明するために、実施形態は選定され記載された。
【0044】
したがって、ここには本発明の一定の実施形態のみが記述されているが、多数の修正が本発明の精神と目的から離脱しないで、なおその上行われることは明らかである。したがって、本発明は、以下のように一般的に特徴づけられる多数の概念を含む。
【0045】
一つの広い概念において、本発明は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合されたパルス選別器と、を含み、該パルス選別器が印加変調電圧に基づいてパルスの出力行列を変調する、ファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として、特徴づけられる。ここに、該パルス選別器は、LiNbO3変調器であろう電気−光学変調器、或いは電気−吸収変調器でよい。
本発明の別の概念に関して、本発明は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持デバイスと、該偏光保持デバイスの第1出力端に結合されたパルス伸長器と、該パルス伸長器に結合された増幅器と、該偏光保持デバイスの第2出力端に結合された第1パルス選別器と、を含むファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として、特徴づけられる。ここに、該パルス伸長器は、(1)非偏光保持分散補償ファイバ及びファラデー回転子ミラー;(2)非偏光保持分散シフトファイバ及びファラデー回転子ミラー;(3)線形チャープファイバ格子及びファラデー回転子;(4)非線形チャープファイバ格子及びファラデー回転子、或いは類似のデバイス、の一つでよい。
さらにここで、該増幅器は、エルビウムドープファイバ増幅器或いはエルビウム/イットリビウム又はイットリビウムドープファイバ増幅器と、波長分割多重送信器と、ダイオードポンプと、を含んでもよい。
さらにここで、該第1パルス選別器は、再び電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器でよい。
さらにここで、該偏光保持デバイスは、偏光保持ビームルータを含み、その入力及び出力ファイバのファイバ軸方位は、偏光ビームスプリッタの方位に一致する。さらに、ファラデー回転子が、該偏光保持ビームルータの第1ポートに配置されてもよく、該偏光保持ビームルータのそのポートのファラデー回転子ミラーは、光学デバイスの場合、透過型である。
本発明のこの概念は、さらに該第1パルス選別器の出力端に結合された第2パルス選別器と、該第1パルス選別器を該第2選別器と同期させる同期制御器と、を含む。該第2選別器は、再び電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器である。
さらなる概念に関して、本発明は、約1550ナノメートル或いは他の波長で動作するファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として特徴づけられてもよく、該増幅器は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持デバイスと、該偏光保持デバイスの第1出力端に結合されたパルス伸長器と、該パルス伸長器に結合された第1増幅器と、該第1増幅器に結合されたパルス選別器と、該偏光保持デバイスの第2出力端にビームスプリッタを通して結合された第2増幅器と、を含む。ここで、該パルス伸長器は、様々に具体化されてもよく、(1)非偏光保持分散補償ファイバ及びファラデー回転子ミラー、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子ミラーの間に結合される;(2)非偏光保持分散シフトファイバ及びファラデー回転子ミラー、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子ミラーの間に結合される;(3)線形チャープ偏光保持ファイバ格子及びファラデー回転子、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子の間に結合される;(4)非線形チャープ偏光保持ファイバ格子及びファラデー回転子、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子の間に結合される、を含む。
さらにここで、該第1増幅器は、エルビウムドープファイバ増幅器或いはエルビウム/イットリビウム又はイットリビウムドープファイバ増幅器、波長分割多重送信器、ダイオードポンプ、でもよい。
さらにここで、該偏光保持デバイスは、偏光保持ビームルータでよく、その入力及び出力ファイバのファイバ軸方位は、偏光ビームスプリッタの方位に一致し、且つ該偏光保持ビームルータの第1ポートに配置されたファラデー回転子を含み、該偏光保持ビームルータのそのポートのファラデー回転子ミラーは、光学デバイスの場合、透過型である。
さらにここで、第2増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバでよい。その場合、該マルチモード増幅器ファイバコアは、直径で20マイクロメートルに等しいか或いはそれ未満でよい。
本発明のさらなる概念に関して、本発明は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持デバイスと、該偏光保持デバイスの第1出力端に結合されたパルス伸長器と、該偏光保持デバイスの第2出力端に結合された第1パルス選別器と、該第1パルス選別器の出力端にビームルータを通して結合された第2増幅器と、該第2増幅器に結合された第2パルス選別器と、を含むファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として、特徴づけられる。
ここで、該パルス伸長器は、様々な例の中で、線形チャープファイバ格子とファラデー回転子;或いは非線形チャープファイバ格子とファラデー回転子、でよい。該第1パルス選別器は、また電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器でよい。さらにここで、該偏光保持デバイスは、偏光保持ビームルータを含むことができ、その入力及び出力ファイバのファイバ軸方位は、該偏光保持ビームルータの第1ポートに配置されたファラデー回転子と共に、偏光ビームスプリッタの方位に、一致し、該偏光保持ビームルータのそのポートのファラデー回転子ミラーは、光学デバイスの場合、透過型である。
この概念にさらに関連して、該第2増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバでよく、その場合、該二重クラッドマルチモード増幅器ファイバコアは、直径で20マイクロメートルに等しいか或いはそれ未満である。
【0046】
どの頭字語も明細書と請求の範囲の可読性を単に高めるために使用される。これら頭字語は、使用された用語の一般性を減らすつもりでなく、且つそれらはここに記載された実施形態に対する請求の範囲の目的を制限するべく解釈されるべきでないということを認めるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、超短光パルスのチャープパルス増幅システムに関し、特に、パルス選別器のためのLiNbO3変調器のような市販の通信構成要素を使用するチャープパルス増幅に関する。本発明は、さらに、簡単な組立プロセスと改善された機械的安定性をもたらす、自由空間調整を避けるための構成要素の集積化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の文献は、全てが本発明に関連する指摘されたトピックスに有益な背景情報を与え、ここに参考文献によって編入される。
A. Galvanauskas and M.E. Fermann, 13-W Average Power Ultrafast Fiber Laser, Conference on Lasers and Electro-Optics 2000, San Francisco, California, May 7-12,2000, post deadline paper CPD3.
Y. Jaouen, M. Le Flohic, E. Olmedo and G. Kulscar, 35kW Subpicosecond Pulse Generation At 1.55μm Using Er3+/Yb3+ Fiber Amplifier, Conference on Lasers and Electro-Optics 2001, Baltimore, Meryland, May 6-11,2001, paper CTUQ3.
A. Boskovic, M. J. Guy, S. V. Chernikov, J. R. Taylor, and R. Kashyap, All-Fiber Diode Pumped Femtosecond Chierped Pulse Amplification System, Electoronics Letters, 31(11),877(1995).
【0003】
微細造形のような応用における高パルスエネルギフェムト秒レーザの増加する関心と共に、高パワー高パルスエネルギファイバレーザは、近年、光学技術で最も興奮する開発の一つである。Galvanauskas他とFermann他は、エルビウムとイットリビウムベースのチャープパルス増幅システムでのマイクロジュールレベルのエネルギの達成を開示している。しかしながら、最近、波長約1550ナノメートルで、非常に少ない研究が存在していた。連合王国とフランスの研究者は、この領域であるが、限定されたパルスエネルギで幾つかの研究をした。Jaouen他は、35キロワットのピークパワーと450フェムト秒のパルス幅を用いたが、パルスエネルギは、たった16ナノジュールであった。Boskovic他は、光源レーザからの繰り返し周期の間引きなしで増幅後に1.6ナノジュール得ただけである。
【0004】
たいていのチャープパルス増幅システムでは、音響光学(AO)変調器が増幅されるべきパルスを選別するために使用される。しかしながら、特に元のパルス繰り返し周期が20メガヘルツより高いとき、波長約1550ナノメートルで、そのような音響光学変調器は、材料制限のため容易に利用できない。例えば、50メガヘルツのパルス繰り返し周期のモードロックレーザ光源が使用されるとすると、初期パルス列からパルスを選別するためには、通常、立ち上がり時間と立ち下がり時間に10ナノ秒未満が必要とされる。しかしながら、1550ナノメートルで動作する音響光学変調器は、そのようなスピードで、容易に利用できないか、または非常に高価である。例えば、ブリモローズ(Brimrose)は、1550ナノメートルで許容性能をもつAO変調器を製造しているが、個々の変調器は、数千ドルである。そのような高コストは、そのようなAO変調器を使う増幅システムの大量生産を制限する。
【0005】
一方、2.5GHz/s及びそれ以上(2.5GHz/s、10GHz/s、40GHz/sさえも)で動作する1550ナノメートルでの高速電気光学(EO)変調器(LiNbO3のような)は、通信工業で利用できる大きな在庫品のために、容易に利用でき且つ相対的に安い。ファイバピッグテール2.5GHz/sLiNbO3変調器は、千ドル未満で購入できる。しかしながら、チャープパルス増幅システムはどれも、そのような電気光学変調器システムを使用したことがなかった。
【0006】
LiNbO3電気光学変調器は、マッハ−ツェンダ型変調器である。LiNbO3変調器は、電気光学効果を示す材料の上の集積化光導波路を含む。電気光学材料は、電圧印加で変化する屈折率をもつ。マッハ−ツェンダ変調器は、干渉技術を使って動作する。光信号は二つの分離通路に分岐され、その後出力端で再結合される。干渉計の二つの通路は、近似的に同じ長さであるが、厳密には同じでない。二つの通路からの二つの信号が出力端で再結合されるとき、二つの信号は僅かに異なる位相をもつ。これら二つの信号が正確に同位相であるなら、光は低損失で出力導波路で再結合する。しかしながら、二つの信号が180°位相ずれであると、光は出力導波路に伝搬せず、結果として光は基板の周辺に放射する。電気光学効果は、各通路の伝搬速度を電極への電圧印加に依存させる。結果として、変調電圧に依存するので、光は出力導波路を高或いは低損失で伝搬する。
【0007】
市販の通信変調器は、全て入力及び出力導波路に調整されたファイバピッグテールをもつ。マッハ−ツェンダ変調器は、正確に作用するために特定の入力偏光状態をもたなければならないので、入力ファイバピッグテールは、偏光保持ファイバでなければならない。しかし、出力ファイバピッグテールは、用途に応じて、偏光保持或いは非偏光保持ファイバである。
【0008】
典型的なチャープパルス増幅システムでは、パワー増幅器前のパルス選別器と同様に、伸長器と一つ或いは二つの前置増幅器が必要である。伸長器はバルク格子或いはファイバ格子であるか、或いは、Galvanauskas他に交付され、ここに参考文献によって編入された米国特許5,847,863で説明されたようなファイバ伸長器である。しかしながら、たとえファイバベースデバイスが伸長器として使用されたとしても、以前は自由空間調整を使って組み立てられ、結合要素(例えば、レンズ)が入力パルスをファイバに結合していた。技術的に十分であるが、結合要素は、労働集約的な組立が必要とされるので、大量生産には適さない。さらに、システムの長期動作安定性は、通常なお問題である。例えば、結合は、高スループットを確実にするために度々調整されなければならない。
【0009】
エルビウムドープファイバ増幅器は、普通の能動デバイスであり、ある一定の長さのエルビウムドープファイバとポンプダイオード(980ナノメートルかまたは1480ナノメートルで動作する)を使用する。エルビウムドープファイバの非偏光保持特性により、二重パス構成は、偏光を保持するべく使用されなければならない。LiNbO3変調器の偏光感受性により、それは他の非偏光保持ファイバ要素をもつ同じ二重パスループに使用されない。
【0010】
通常、LiNbO3変調器は、低消光比(〜23デシベル)をもち、その低消光比は、低い信号/雑音コントラスト比、典型的に20−23デシベル、をもたらす。この低い信号/雑音コントラスト比は、チャープパルス増幅システムに不十分であり、少なくとも30デシベルに、或いはそれより高く増加されなければならない。これを達成するために、変調器の偏光消光比が改善されなければならいか、または、他の方法が信号/雑音コントラスト比を増加させために開発されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上の事実を考慮して且つ従来技術の上記問題及び限界を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このような目的を達成するために創られ、波長約1550ナノメートルで動作するエルビウムファイバ(或いはエルビウム−イットリビウム)ベースチャープパルス増幅システムを提供する。通信の窓で動作するファイバ増幅器の使用は、優れた機械安定性をもつ通信要素と通信コンパチ式手順の実施を可能にする。
【0013】
本発明の付加的な概念と優位性は、後続する記載部分及び記載から明らか或いは本発明の実施で知らされる部分で、明らかにされるであろう。本発明の概念と優位性は、添付した請求項で詳しく指摘された手段及び結合物によって実施され、達成される。
【0014】
本発明の上記及び他の概念と優位性は、以下の詳細な記載からと添付の図と関連して明確になるであろう。
【0015】
ここで引用された全ての技術文献、特許及び特許出願は、まるで丸ごとここに含まれているかのように、ここに参考文献によって編入されている。
【0016】
編入されこの明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を図解する添付図は、記載と一緒になって、本発明の概念、優位性及び原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】モードロックレーザの出力端でパルス選別器として使用されるLiNbO3変調器を例示する図である。
【図2A】本発明に従い、偏光保持ビームルータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図2B】本発明に従い、偏光保持ビームルータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図3A】本発明に従い、偏光保持ビームサーキュレータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図3B】本発明に従い、偏光保持ビームサーキュレータのビーム伝搬と偏光を例示する図である。
【図4A】本発明に従い、偏光保持ビームルータ或いは偏光保持サーキュレータと非偏光保持分散補償ファイバとを使用する二重パス伸長器システムを例示する図である。
【図4B】本発明に従い、偏光保持ビームルータ或いは偏光保持サーキュレータと非偏光保持ファイバ格子とを使用する二重パス伸長器システムを例示する図である。
【図5A】本発明に従い、エルビウムドープファイバ増幅器に従属接続された二重パスパルス伸長器を例示する図である。
【図5B】本発明に従い、エルビウムドープファイバ増幅器に従属接続された二重パスパルス伸長器を例示する図である。
【図6】本発明に従い、偏光保持ビームルータ/偏光保持サーキュレータ及び変調器を使用する第1チャープパルス増幅システムを例示する図である。
【図7】本発明に従い、偏光保持ビームルータ/偏光保持サーキュレータ及び偏光不感変調器を使用する第2チャープパルス増幅システムを例示する図である。
【図8】本発明に従い、偏光保持ビームルータ/偏光保持サーキュレータ及び一つは第2パルス選別器として動作する二つの偏光不感変調器を使用する第3チャープパルス増幅システムを例示する図である。
【図9】コントラスト比を改善するための従属接続された変調器を例示する図である。
【図10A】図6に描かれたシステムにおけるパルス圧縮器の後のパルスプロフィールを示す図である。
【図10B】図6に描かれたシステムにおけるパルス圧縮器の後のスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明は、今や添付図を参照して与えられる。
【0019】
約1550ナノメートルの波長で動作するチャープパルス増幅システムの場合、早い立ち上がり時間をもつ音響光学変調器は、適当な材料がないために、利用が制限される。しかしながら、通信の電気光学変調器及び電気吸収変調器は代わりの解を与える。そのような変調器は、しかしながら、パルス選別の目的でチャープパルス増幅システムに使用されなかった。図1を参照すれば、チャープパルス増幅システムが例示されている。モードロックレーザ10は、変調器12に入力するパルス行列11を出力する。変調器12は、その後、入力パルス行列11を変調し、選別されたパルス13を出力する。変調器12は、LiNbO3電気光学変調器或いは電気吸収変調器であり得る。
【0020】
本発明では、LiNbO3変調器がパルス選別器として使用される。通常の降下計数電子回路を使って、変調電圧がLiNbO3変調器に印加され、それによって50メガヘルツモードロックレーザ光源から約100キロヘルツへのパルス選別を可能にする。LiNbO3変調器が偏光感受性であるので、パルス選別の間、偏光状態を保持するために、入力と出力の両ピッグテールファイバは、偏光保持ファイバでなければならない。対応する繰り返し周期のクリーンなパルス列は、こういう風に発生される。
【0021】
電気光学変調器と電気吸収変調器は、ピーク強度(すなわち、約200ワット)で非線形効果を蓄積するので、パルスは、変調器に入射される前に伸長される。LiNbO3変調器のような偏光感受性変調器の場合、入力端で偏光保持ファイバが使用されなければならないが、出力ファイバは偏光保持ファイバと非偏光保持ファイバのいずれでもよい。好ましい実施形態では、全システムの偏光は保持され、したがって、変調器の出力ファイバは、やはり偏光保持ファイバである。
【0022】
様々なタイプの伸長器がチャープパルス増幅システムに使用される。最初のうちは、第1バルク格子対が入力パルスを伸長するために使用され、第2バルク格子対を使って増幅後に圧縮バックされる。第2バルク格子対は、第1バルク格子対に類似のパラメータを持つ。また、ファイバ或いはファイバ格子が適当な分散値を持つ限り、線形或いは非線形ファイバ格子或いはある長さのファイバでさえもパルス伸長器として働く。
【0023】
好ましくは、市販の入手可能な分散補償ファイバ或いは分散シフトファイバが伸長器として使われ、かなり良好な特性が得られる。しかしながら、長いファイバが使われなければならないので、伸長ファイバによる蓄積された3次分散が無視できなくなる。伸長器ファイバからの2次分散は圧縮器格子システムで容易に補償されるが、蓄積された3次分散は圧縮器格子によって合算され、最終パルス幅はモードロックレーザからの初期パルス幅より常に広い。システムの2次と3次の両方の分散を補償するために、モードロックレーザ光源にマッチしたバンド幅を持つ非線形チャープファイバ格子がより一層望ましい、或いは圧縮器格子の分散にマッチする適当な2次及び3次分散を持つ特別にデザインされたファイバが使用される。
【0024】
非偏光保持ファイバ伸長器の場合、偏光を保持するために二重パス構成が使用されなければならない。通常、偏光ビームスプリッタキューブとファラデー回転子ミラーの組み合わせが使用される。通常、モードロックレーザ或いはパルス選別器からの源ビームが、偏光ビームスプリッタを通過し、偏光ビームスプリッタからの出力が、自由空間を介して伸長器に結合された。二重パスと偏光ビームスプリッタの通過後、伸長パルスは、パルス選別器或いは前置増幅器に送られた。
【0025】
通信組み立て手順(すなわち、集積化、ファイバ融着)を利用するためにと、本発明のファイバベース特性により、偏光保持ビームルータと偏光保持サーキュレータが使用される。基本的に、偏光保持ビームルータと偏光保持サーキュレータとは、偏光保持ファイバを備えてであるが、自由空間偏光ビームスプリッタとして同じように動作する。通信技術の進歩で、そのようなデバイスのパッケージは比較的容易な作業であり、必要であれば、密閉して封止される。
【0026】
偏光保持ビームルータ或いは偏光保持サーキュレータをファラデー回転子ミラーと組み合わせることで、非偏光保持ファイバを備えていても偏光が保持される。さらに、通常の通信組み立て手順が使用される。図3a、3b、4a、4bに示されるように、ファイバの低速軸を望ましいビーム偏光に正確にマッチさせることで、システムの偏光がファイバ融着で保持される。
【0027】
たとえば、偏光ビームスプリッタの第1ポートに入射するs−偏光ビーム(偏光ビームスプリッタに関する)は、第2ポートに向けられる。ファラデー回転子ミラーにより、反射ビームの偏光は、90°回転され、ビームスプリッタを通過することができ、第3ポートに向けられる。第3ポートのピッグテール偏光保持ファイバが、p−偏光ビームに合わせられた低速軸(或いは次のファイバ要素の偏光に依存する高速軸)を持つなら、全体のシステムの偏光が、二重パス構成の後で保持される。偏光保持サーキュレータが、同じデザインから作られ、そこでは、ファラデー回転子とファラデー回転子ミラーとが、パッケージに加えられ、第3ポートの偏光保持ファイバが、偏光ビームスプリッタに関して45°傾けられる。最近の利用可能な通信用ファイバピッグテール素子を使って、チャープパルス増幅システムの前端部は、容易に且つ堅く作られる。都合よく、全ての要素は、それらを簡単に溶着することで接続される。
【0028】
図2aを参照すれば、偏光保持ビームルータが描画されている。光源パルスは、偏光ビームスプリッタ20の第1ポート21に入射する。偏光保持ファイバ22は、入ってくる光源パルスが偏光ビームスプリッタ20に関連してs偏光状態で偏光保持ファイバ22を伝搬するように、合わせられている。偏光保持ファイバ22の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。入ってくる光源パルスは、コリメートされ、第2ポート23に向けられる。第2ポート23は、第2偏光保持ファイバ24に結合される。第2偏光保持ファイバ24の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。例えば、ファイバベースデバイスでは、非偏光保持分散補償ファイバ26が、偏光保持ファイバ24に直接融着され得る。ピッグテールファラデー回転子25とミラー27は、二重パスループを作るために、分散補償ファイバ26に融着される。ファラデー回転子25とミラー27の間に結合された光デバイス30は、透過型である。ファラデー回転子25とミラー27は、コリメートされた入力パルスを偏光ビームスプリッタ20に反射して戻すが、パルスの偏光は、90°回転される。偏光回転により、入力パルスは今や偏光ビームスプリッタ20を透過し、第3ポート28に結合される。入力パルスが、全ての偏光保持ファイバを低速軸に沿って伝搬すると仮定すると、第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29は、低速軸が偏光ビームスプリッタ20に関連してp偏光とマッチするように、合わせられなければならない。
【0029】
図2bを参照すれば、別の偏光保持ビームルータが描画されている。光源パルスは、偏光ビームスプリッタ20の第1ポート21に入射する。偏光保持ファイバ22は、入ってくる光源パルスが偏光ビームスプリッタ20に関連してs偏光状態で偏光保持ファイバ22を伝搬するように、合わせられている。偏光保持ファイバ22の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。入ってくる光源パルスは、コリメートされ、第2ポート23に向けられる。第2ポート23は、第2偏光保持ファイバ24に結合される。第2偏光保持ファイバ24の場合、どちらかの伝搬軸に合わせることが許容される。ファイバベースデバイスでは、非偏光保持分散補償ファイバ26が、第2ポート23に取り付けられた偏光保持ファイバ24に直接融着され得る。図2aと異なり、ファラデー回転子ミラーが、二重パスを作るためにループの終端部に使用された。ファラデー回転子25の後に結合されたファイバ格子(ミラーである)のような光デバイス30は、透過型でない。ファラデー回転子25と光デバイス30は、コリメートされた入力パルスを偏光ビームスプリッタ20に反射して戻すが、パルスの偏光は90°回転される。偏光回転により、入力パルスは、今や偏光ビームスプリッタ20を透過し、第3ポート28に結合される。入力パルスが、全ての偏光保持ファイバを低速軸に沿って伝搬すると仮定すると、第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29は、低速軸が偏光ビームスプリッタ20に関連してp偏光とマッチするように、合わせられなければならない。
【0030】
図3aを参照すれば、偏光保持サーキュレータに改造された偏光保持ビームルータが、描画されている。図2aに描かれた偏光保持ビームルータを使用しながら、ファラデー回転子ミラー41とファラデー回転子42が、偏光サーキュレータ40に加えられる。この実施形態では、非透過特性をもつ光デバイス30の代わりに、透過特性をもつ光デバイス30が使用される。したがって、ファラデー回転子ミラー43が必要である。第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29は、偏光ビームスプリッタ40に関連して45°に合わせられる。偏光ビームスプリッタ40に関連して、s偏光をもつ光パルスが第1ポート21に入力されるとすると、それは、上で議論したように第2ポート23に向けられる。第2ポート23からファラデー回転子25とミラー27で反射して戻された後、第3ポート27で偏光保持ファイバ29に結合される。上で議論したように、偏光保持ファイバ29の低速軸が、第3ポート28に結合される。第3ポート28に結合された偏光保持ファイバ29の低速軸を伝搬する光パルスが、偏光サーキュレータ40に注ぎ戻されるなら、ファラデー回転子42は、光パルスを45°回転させるであろう。その光パルスは、第1ポート21の反対側に位置するファラデー回転子ミラー41に向けられるであろう。ファラデー回転子ミラー41から反射して戻された後、第1ポート21に向けられるであろう。
【0031】
図3bを参照すれば、二番目の偏光保持サーキュレータが描画されている。図2bに描かれた偏光保持ビームルータを使用しながら、ファラデー回転子ミラー41とファラデー回転子42が偏光サーキュレータ40に加えられる。二番目の偏光保持サーキュレータは、上述の一番目の偏光保持サーキュレータと同じように動作する。図2aと図2bに描画された偏光保持ビームルータ、或いは図3aと図3bに描画された偏光保持サーキュレータを使用することで、二重パス構成システムは、非偏光保持ファイバを一緒に簡単に融着して構築され得る。
【0032】
図4aを参照すれば、二重パス偏光保持伸長器が描画されている。シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ51が、偏光保持ビームルータ50とファラデー回転子ミラー52との間に結合される。偏光保持ビームルータの代わりに、偏光保持サーキュレータが使用され得る。図4bを参照すれば、二番目の二重パス偏光保持伸長器が描画されている。前の伸長器システムと同様に、偏光保持ビームルータ50が使用される、或いは替わりに偏光保持サーキュレータが使用される。ファラデー回転子ミラーの代わりに、二番目の二重パス偏光保持伸長器は、ファラデー回転子53と非偏光保持ファイバ格子54を使用する。ファイバ格子54は、線形或いは非線形チャープである。
【0033】
図5aを参照すれば、二重パス伸長器がエルビウムドープファイバ増幅器に従属接続される。偏光保持ビームルータ60は、シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ61に結合され、ファイバ61は、1480/1550ナノメートル波長分割多重送信器62に結合される。偏光保持ビームサーキュレータが、偏光保持ビームルータ60の代わりに用いられ得る。1480ナノメートルのポンプダイオード65が、1480/1550ナノメートル波長分割多重送信器62に結合される。エルビウムドープファイバ増幅器63が、ファラデー回転子ミラー64と1480/1550ナノメートル波長分割多重送信器62の間に結合される。図5bを参照すれば、二番目の二重パス伸長器が、イットリビウム/エルビウムドープファイバ増幅器に従属接続される。偏光保持ビームルータ60は、シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ61に結合され、ファイバ61は、980/1550ナノメートル波長分割多重送信器66に結合される。偏光保持ビームサーキュレータが、偏光保持ビームルータ60の代わりに用いられ得る。980ナノメートルのポンプダイオード68が、980/1550ナノメートル波長分割多重送信器66に結合される。イットリビウム/エルビウムファイバ増幅器67が、ファラデー回転子ミラー64と980/1550ナノメートル波長分割多重送信器66の間に結合される。
【0034】
図6を参照すれば、本発明に関するチャープパルス増幅システムが描画されており、その増幅システムは、非偏光保持要素を備えるファイバベース偏光保持二重パス構成を使用している。偏光保持ビームルータ70は、シングルモード非偏光保持分散補償ファイバ71に結合され、そのファイバ71は、波長分割多重送信器72に結合される。ポンプダイオード73は、波長分割多重送信器72に結合される。増幅器ファイバ74は、ファラデー回転子ミラー75と波長分割多重送信器72の間に結合される。モードロックレーザ76は、偏光保持ビームルータ70に入力パルスを供給する。偏光保持ビームルータ70からの出力パルスは、以前記述した電気−光学変調器77をパルス選別器として使用して選別される。増幅器78が出力パルスを増幅し、圧縮器79がその出力パルスを圧縮する。
【0035】
LiNbO3変調器の偏光感受特性により、それは他の非偏光保持要素を備える同じ二重パスループに使用されない。しかしながら、電気−吸収変調器は、低消費電力、低駆動電圧、小寸法、大きな電気−光学バンド幅をもち、且つ、最も重要なことに、偏光不感受性である。したがって、電気−吸収変調器は、他の非偏光保持要素を備える二重パスループの中に配置され、その結果、より一層コンパクトな形状となる。図7と8に示すように、変調器は、伸長器とエルビウムドープファイバ増幅器の同じループ中にあるか、或いは、最後のパワー増幅器中にあり、第2パルス選別器として使用される。
【0036】
図7を参照すれば、コストを低くし且つよりコンパクトなシステムをデザインするために、変調器が二重パスループに付加され得る。これは、LiNbO3変調器の場合、偏光制限により実施できないが、別のタイプの変調器は、そのような機能を実行することができる。
電気−吸収変調器は、偏光不感受性である。したがって、電気−吸収変調器は、パルス伸長器とエルビウムドープファイバ増幅器のような前置増幅器に従属接続され得る。
【0037】
図7に図解されるように、本発明に関する二番目のチャープパルス増幅システムが描画されている。偏光保持ビームルータ80は、パルス伸長器として動作する非偏光保持分散補償ファイバ82に結合される。モードロックレーザ81は、偏光保持ビームルータ80に入力パルスを供給する。モードロックレーザ81からの典型的な出力パルスは、5ミリワットで0.1ナノジュールのパワーをもつ50メガヘルツ、300フェムト秒パルスである。パルス伸長器として作動する非偏光保持分散補償ファイバ82と電気−吸収変調器84との間に、前置増幅器ファイバ83が結合される。一般に、選別されたパルスが、解放されたゲートを通過することができる限り、変調器は、二重パスループの任意の位置に融着され得る。典型的に、パルス伸長器でのパルス特性は、50メガヘルツで200−300ピコ秒、3ミリワット、0.06ナノジュールである。ファラデー回転子ミラー85は、電気−吸収変調器84に結合される。偏光保持ビームルータ80は、ビームスプリッタ86に結合される。本発明で、偏光保持ビームルータ80からの出力パルスは、200キロヘルツで約200−300ピコ秒、10ナノジュールである。ビームスプリッタ86とファラデー回転子ミラー88との間に、イットリビウム/エルビウム・エルビウムドープファイバ増幅器87が結合される。好ましくは、そのイットリビウム/エルビウム・エルビウムドープファイバ増幅器87は、4ワットに増幅されるマルチモードファイバである。ビームスプリッタ86からのパルス出力は、通常200キロヘルツの繰り返し周期で200−300ピコ秒の長さであり、400ミリワット及び2マイクロジュールより大きな強さである。
【0038】
図8を参照すれば、本発明に関する三番目のチャープパルス増幅システムが描画されている。線形或いは非線形チャープし、且つパルス伸長器として作動するファイバ格子92に、偏光保持ビームルータ90が結合される。典型的に、パルス伸長器でのパルス特性は、50メガヘルツで200−300フェムト秒、3ミリワット、0.06ナノジュールである。モードロックレーザ91は、偏光保持ビームルータ90に入力パルスを供給する。モードロックレーザ81からの典型的な出力パルスは、5ミリワットで0.1ナノジュールのパワーをもつ50メガヘルツ、300フェムト秒パルスである。モードロックレーザ91からの繰り返し周期を下げるために、偏光保持ビームルータ90の出力は、第1変調器93(電気−光学或いは電気−吸収)に結合される。第1変調器93の出力は、ビームスプリッタ94に結合され、イットリビウム/エルビウム或いはエルビウムドープファイバ増幅器95が、ビームスプリッタ94と第2変調器96(電気−吸収)の間に結合される。本発明で、第1変調器93からの出力パルスは、10メガヘルツの繰り返し周期で200−300ピコ秒の長さであり、0.3ミリワット及び0.03ナノジュールである。第2変調器は、パルス繰り返し周期をさらに減少させ、選別されたパルスが第2変調器を通過でき、イットリビウム/エルビウム或いはエルビウムドープファイバ増幅器95で増幅される。好ましくは、イットリビウム/エルビウム或いはエルビウムドープファイバ増幅器87は、4ワットまで増幅されるマルチモード増幅器である。ファラデー回転子ミラー97は、第2変調器96から出力されるパルスを反射し、且つ回転させる。ビームスプリッタ94からのパルス出力は、通常400キロヘルツの繰り返し周期で200−300ピコ秒の長さであり、400ミリワット及び1マイクロジュールより大きな強さである。システムに出力される前に、増幅されたパルスは、圧縮器格子98を用いてフェムト秒或いはピコ秒の範囲に圧縮して戻される。
【0039】
図8に示すように、選別されたパルスは、二重パス側面−ポンプ配列を使って、増幅され得る。さらに、選別されたパルスを増幅するために端面−ポンプ構成も使用され得る。通常端面−ポンプ構成は、高パワーマルチモードポンプダイオードを利用できるために、より高い出力パワーとより高いパルスエネルギを与える。非線形性のために、最終増幅器に使用される増幅器ファイバは、マルチモードファイバでなければならない。コア寸法が大きいほど、非線形効果の厳しさは少ないが、シングルモード動作を制御することが難しい。Fermann他に交付された米国特許No.5,818,630で、そのようなマルチモードシステムでシングルモード動作を制御するために、モードフィルタ及び/或いはモード変換器が使用された。しかしながら、本発明では、増幅器ファイバを種とポンプに関して注意深く調整することで、20マイクロメートルまでのファイバコア寸法をもつ二重クラッドマルチモードファイバでモードフィルタ或いはモード変換器なしで、シングルモード動作が達成される。ファイバコア寸法が25マイクロメートルより大きくなると、シングルモード動作は未だ達成されるが、特にファイバに触れたりファイバを動かしたりすると、シングルモード動作を維持することが困難である。
【0040】
通常、電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器からは不十分なコントラスト比が予想される(<23デシベル)。しかし、チャープパルス増幅システムでは、特に100:1(或いはさらに高い)パルス選別の場合、30デシベル或いはそれ以上のコントラスト比が通常要求される。その要求されるコントラスト比を達成するために、第2変調器は第1変調器に従属接続され且つ同期される。二重パス構成での一つの電気−吸収変調器、或いは従属接続連鎖での二つの電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器と、同期回路とで、コントラスト比は倍にされる。さらに、パルス選別器とパワー増幅器の間に第2エルビウムドープファイバ増幅器を付加することは、コントラスト比を少なくとも30デシベルまで容易に押し上げる。
【0041】
図9を参照すれば、モードロックレーザ100からのパルス行列が、第1変調器101に入力される。第1変調器101は、電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器である。第1変調器101は、第2変調器102に結合される。第2変調器102も電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器でる。同期回路103は、第1変調器101を第2変調器102と同期させる。動作中、第1変調器101からの選別されたパルスは、無視できる損失で第2変調器102を通過できる。第1変調器101からの阻止されたパルスは、第2変調器102で高い損失を受けるので、第2変調器102の後でコントラスト比は、倍にされる。これに対する別の解は、変調器と最終増幅器との間に第2エルビウムドープファイバ増幅器(或いはイットリビウム/エルビウム又はエルビウムドープファイバ増幅器)を付加することである。このやり方で30デシベルのコントラスト比が容易に達成される。
【0042】
市販の入手可能な変調器(LiNbO3変調器)を使うことで、本発明は、IMRAフェムトライトレーザからの50メガヘルツ、300フェムト秒パルスを100キロヘルツに低下させ、二重クラッドイットリビウム/エルビウムエルビウムドープファイバ増幅器から19ワットのポンプで1.2ワットを越える出力を得る。200キロヘルツの繰り返し周期で、本発明は、圧縮後2マイクロジュール、820フェムト秒を得ることができる。そのスペクトルとパルスプロフィールが図10に示される。
【0043】
本発明の望ましい実施形態の前の記載は、図解と記述のために与えられた。類似のことは、Ybドープファイバシステムのための1.06μmのような他の波長で得られる。網羅的であること或いは本発明を開示された明確な形に限定することは意図していない。修正と変更は、上の教示に照らして可能であるか、或いは本発明の実行から獲得される。当業者が本発明を様々な実施形態及び熟慮された特殊な用途に適するような種々の修正点をもつ実施形態で利用できるようにするべく本発明の原理とその実際的な応用を説明するために、実施形態は選定され記載された。
【0044】
したがって、ここには本発明の一定の実施形態のみが記述されているが、多数の修正が本発明の精神と目的から離脱しないで、なおその上行われることは明らかである。したがって、本発明は、以下のように一般的に特徴づけられる多数の概念を含む。
【0045】
一つの広い概念において、本発明は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合されたパルス選別器と、を含み、該パルス選別器が印加変調電圧に基づいてパルスの出力行列を変調する、ファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として、特徴づけられる。ここに、該パルス選別器は、LiNbO3変調器であろう電気−光学変調器、或いは電気−吸収変調器でよい。
本発明の別の概念に関して、本発明は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持デバイスと、該偏光保持デバイスの第1出力端に結合されたパルス伸長器と、該パルス伸長器に結合された増幅器と、該偏光保持デバイスの第2出力端に結合された第1パルス選別器と、を含むファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として、特徴づけられる。ここに、該パルス伸長器は、(1)非偏光保持分散補償ファイバ及びファラデー回転子ミラー;(2)非偏光保持分散シフトファイバ及びファラデー回転子ミラー;(3)線形チャープファイバ格子及びファラデー回転子;(4)非線形チャープファイバ格子及びファラデー回転子、或いは類似のデバイス、の一つでよい。
さらにここで、該増幅器は、エルビウムドープファイバ増幅器或いはエルビウム/イットリビウム又はイットリビウムドープファイバ増幅器と、波長分割多重送信器と、ダイオードポンプと、を含んでもよい。
さらにここで、該第1パルス選別器は、再び電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器でよい。
さらにここで、該偏光保持デバイスは、偏光保持ビームルータを含み、その入力及び出力ファイバのファイバ軸方位は、偏光ビームスプリッタの方位に一致する。さらに、ファラデー回転子が、該偏光保持ビームルータの第1ポートに配置されてもよく、該偏光保持ビームルータのそのポートのファラデー回転子ミラーは、光学デバイスの場合、透過型である。
本発明のこの概念は、さらに該第1パルス選別器の出力端に結合された第2パルス選別器と、該第1パルス選別器を該第2選別器と同期させる同期制御器と、を含む。該第2選別器は、再び電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器である。
さらなる概念に関して、本発明は、約1550ナノメートル或いは他の波長で動作するファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として特徴づけられてもよく、該増幅器は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持デバイスと、該偏光保持デバイスの第1出力端に結合されたパルス伸長器と、該パルス伸長器に結合された第1増幅器と、該第1増幅器に結合されたパルス選別器と、該偏光保持デバイスの第2出力端にビームスプリッタを通して結合された第2増幅器と、を含む。ここで、該パルス伸長器は、様々に具体化されてもよく、(1)非偏光保持分散補償ファイバ及びファラデー回転子ミラー、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子ミラーの間に結合される;(2)非偏光保持分散シフトファイバ及びファラデー回転子ミラー、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子ミラーの間に結合される;(3)線形チャープ偏光保持ファイバ格子及びファラデー回転子、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子の間に結合される;(4)非線形チャープ偏光保持ファイバ格子及びファラデー回転子、ここで該パルス伸長器が該第1増幅器と該ファラデー回転子の間に結合される、を含む。
さらにここで、該第1増幅器は、エルビウムドープファイバ増幅器或いはエルビウム/イットリビウム又はイットリビウムドープファイバ増幅器、波長分割多重送信器、ダイオードポンプ、でもよい。
さらにここで、該偏光保持デバイスは、偏光保持ビームルータでよく、その入力及び出力ファイバのファイバ軸方位は、偏光ビームスプリッタの方位に一致し、且つ該偏光保持ビームルータの第1ポートに配置されたファラデー回転子を含み、該偏光保持ビームルータのそのポートのファラデー回転子ミラーは、光学デバイスの場合、透過型である。
さらにここで、第2増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバでよい。その場合、該マルチモード増幅器ファイバコアは、直径で20マイクロメートルに等しいか或いはそれ未満でよい。
本発明のさらなる概念に関して、本発明は、モードロックレーザと、該モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持デバイスと、該偏光保持デバイスの第1出力端に結合されたパルス伸長器と、該偏光保持デバイスの第2出力端に結合された第1パルス選別器と、該第1パルス選別器の出力端にビームルータを通して結合された第2増幅器と、該第2増幅器に結合された第2パルス選別器と、を含むファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器として、特徴づけられる。
ここで、該パルス伸長器は、様々な例の中で、線形チャープファイバ格子とファラデー回転子;或いは非線形チャープファイバ格子とファラデー回転子、でよい。該第1パルス選別器は、また電気−光学変調器或いは電気−吸収変調器でよい。さらにここで、該偏光保持デバイスは、偏光保持ビームルータを含むことができ、その入力及び出力ファイバのファイバ軸方位は、該偏光保持ビームルータの第1ポートに配置されたファラデー回転子と共に、偏光ビームスプリッタの方位に、一致し、該偏光保持ビームルータのそのポートのファラデー回転子ミラーは、光学デバイスの場合、透過型である。
この概念にさらに関連して、該第2増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバでよく、その場合、該二重クラッドマルチモード増幅器ファイバコアは、直径で20マイクロメートルに等しいか或いはそれ未満である。
【0046】
どの頭字語も明細書と請求の範囲の可読性を単に高めるために使用される。これら頭字語は、使用された用語の一般性を減らすつもりでなく、且つそれらはここに記載された実施形態に対する請求の範囲の目的を制限するべく解釈されるべきでないということを認めるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1550ナノメートル又は他の波長で動作するファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器であって、
モードロックレーザと、
前記モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持ビームルータであって、第1の出力端および第2の出力端を有する偏光保持ビームルータと、
前記偏光保持ビームルータの前記第1の出力端に結合された、パルス伸長のための偏光保持分散補償ファイバと、
前記パルス伸長のための偏光保持分散補償ファイバに結合された第1の増幅器と、
前記第1の増幅器に結合された第1のパルス選別器と、
前記第1のパルス選別器に結合されたファラデー回転子ミラーと、
前記偏光保持ビームルータの前記第2の出力端にビームスプリッタを通して結合された第2の増幅器と
を含み、
前記モードロックレーザが前記偏光保持ビームルータに入力する入力パルスは、前記ファラデー回転子ミラーにより反射されて前記偏光保持ビームルータに戻り、次いで前記偏光保持ビームルータから出力されて前記第2の増幅器に入射され、
前記第1のパルス選別器は、光導波路を有する集積化変調器を備えることを特徴とするチャープパルス増幅器。
【請求項2】
前記第2の増幅器により増幅されたパルスを受け取り、前記第2の増幅器により増幅された前記パルスを圧縮し、増幅され、そして圧縮された前記パルスを出力する圧縮器格子と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項3】
前記第1の増幅器は、エルビウムドープファイバ増幅器、エルビウム/イットリビウムドープファイバ増幅器またはイットリビウムドープファイバ増幅器と、
波長分割多重器と、
ダイオードポンプと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項4】
前記第1のパルス選別器は、電気−光学変調器または電気−吸収変調器を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項5】
前記第2の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有することを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項6】
前記第2の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有し、
前記二重クラッドマルチモード増幅器ファイバのコアが直径20マイクロメートルに等しいか又はそれ未満であることを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項7】
モードロックレーザと、
前記モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持ビームルータであって、第1の出力端および第2の出力端を有する偏光保持ビームルータと、
前記偏光保持ビームルータの前記第1の出力端に結合された、パルス伸長のための線形または非線形チャープファイバ格子と、
前記偏光保持ビームルータの前記第2の出力端に結合された第1のパルス選別器と、
前記第1のパルス選別器の出力端にビームスプリッタを通して結合された第1の増幅器と、
前記第1の増幅器に結合された第2のパルス選別器と、
前記第2のパルス選別器に結合されたファラデー回転子と
を含み、
前記モードロックレーザが前記偏光保持ビームルータに入力する入力パルスは、前記パルス伸長のための線形または非線形チャープファイバ格子により反射されて前記偏光保持ビームルータに戻り、次いで前記偏光保持ビームルータから出力されて前記第1の増幅器に入射され、
前記第1のパルス選別器は、光導波路を有する集積化変調器を備えることを特徴とするファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器。
【請求項8】
前記第1の増幅器により増幅されたパルスを受け取り、前記第1の増幅器により増幅された前記パルスを圧縮し、増幅され、そして圧縮された前記パルスを出力する圧縮器格子をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項9】
前記第1のパルス選別器は、電気−光学変調器または電気−吸収変調器を含むことを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項10】
前記第1の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有することを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項11】
前記第1の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有し、
前記二重クラッドマルチモード増幅器ファイバのコアは、直径20マイクロメータ未満又は20マイクロメータに等しいことを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項12】
前記第1の増幅器の動作波長は、1550ナノメートル又は1060ナノメートルであることを特徴とする請求項1又は7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項1】
約1550ナノメートル又は他の波長で動作するファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器であって、
モードロックレーザと、
前記モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持ビームルータであって、第1の出力端および第2の出力端を有する偏光保持ビームルータと、
前記偏光保持ビームルータの前記第1の出力端に結合された、パルス伸長のための偏光保持分散補償ファイバと、
前記パルス伸長のための偏光保持分散補償ファイバに結合された第1の増幅器と、
前記第1の増幅器に結合された第1のパルス選別器と、
前記第1のパルス選別器に結合されたファラデー回転子ミラーと、
前記偏光保持ビームルータの前記第2の出力端にビームスプリッタを通して結合された第2の増幅器と
を含み、
前記モードロックレーザが前記偏光保持ビームルータに入力する入力パルスは、前記ファラデー回転子ミラーにより反射されて前記偏光保持ビームルータに戻り、次いで前記偏光保持ビームルータから出力されて前記第2の増幅器に入射され、
前記第1のパルス選別器は、光導波路を有する集積化変調器を備えることを特徴とするチャープパルス増幅器。
【請求項2】
前記第2の増幅器により増幅されたパルスを受け取り、前記第2の増幅器により増幅された前記パルスを圧縮し、増幅され、そして圧縮された前記パルスを出力する圧縮器格子と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項3】
前記第1の増幅器は、エルビウムドープファイバ増幅器、エルビウム/イットリビウムドープファイバ増幅器またはイットリビウムドープファイバ増幅器と、
波長分割多重器と、
ダイオードポンプと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項4】
前記第1のパルス選別器は、電気−光学変調器または電気−吸収変調器を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項5】
前記第2の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有することを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項6】
前記第2の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有し、
前記二重クラッドマルチモード増幅器ファイバのコアが直径20マイクロメートルに等しいか又はそれ未満であることを特徴とする請求項1に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項7】
モードロックレーザと、
前記モードロックレーザの出力端に結合された偏光保持ビームルータであって、第1の出力端および第2の出力端を有する偏光保持ビームルータと、
前記偏光保持ビームルータの前記第1の出力端に結合された、パルス伸長のための線形または非線形チャープファイバ格子と、
前記偏光保持ビームルータの前記第2の出力端に結合された第1のパルス選別器と、
前記第1のパルス選別器の出力端にビームスプリッタを通して結合された第1の増幅器と、
前記第1の増幅器に結合された第2のパルス選別器と、
前記第2のパルス選別器に結合されたファラデー回転子と
を含み、
前記モードロックレーザが前記偏光保持ビームルータに入力する入力パルスは、前記パルス伸長のための線形または非線形チャープファイバ格子により反射されて前記偏光保持ビームルータに戻り、次いで前記偏光保持ビームルータから出力されて前記第1の増幅器に入射され、
前記第1のパルス選別器は、光導波路を有する集積化変調器を備えることを特徴とするファイバ光学システムのためのチャープパルス増幅器。
【請求項8】
前記第1の増幅器により増幅されたパルスを受け取り、前記第1の増幅器により増幅された前記パルスを圧縮し、増幅され、そして圧縮された前記パルスを出力する圧縮器格子をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項9】
前記第1のパルス選別器は、電気−光学変調器または電気−吸収変調器を含むことを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項10】
前記第1の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有することを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項11】
前記第1の増幅器は、シングルモード増幅器として動作する二重クラッドマルチモード増幅器ファイバを有し、
前記二重クラッドマルチモード増幅器ファイバのコアは、直径20マイクロメータ未満又は20マイクロメータに等しいことを特徴とする請求項7に記載のチャープパルス増幅器。
【請求項12】
前記第1の増幅器の動作波長は、1550ナノメートル又は1060ナノメートルであることを特徴とする請求項1又は7に記載のチャープパルス増幅器。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2011−133902(P2011−133902A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30280(P2011−30280)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【分割の表示】特願2006−517111(P2006−517111)の分割
【原出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【出願人】(593185670)イムラ アメリカ インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【分割の表示】特願2006−517111(P2006−517111)の分割
【原出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【出願人】(593185670)イムラ アメリカ インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
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