説明

通信機器、情報通信システム、通信機器の通信制御方法およびプログラム

【課題】携帯機器においてユーザが未確認の情報を、携帯機器との通信確立後にユーザに対して通知することができる通信機器等を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の通信機器(車載機器)10は、携帯機器30と通信を行う通信手段110と、通信手段110による通信確立時に、携帯機器30から、当該携帯機器30においてユーザが未確認の情報である未確認情報を取得する未確認情報取得手段120と、取得した未確認情報を、表示または音声出力する情報出力手段150と、を備えたものである。この場合、未確認情報としては、通信確立時点において未読状態の1以上の電子メールに関する未読メール情報、および/または通信確立前に着信した1以上の不在着信に関する不在着信情報を取得することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器と通信可能な通信機器、情報通信システム、通信機器の通信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話(携帯機器)と通信可能な通信機器であって、車両運転中に携帯電話に対して電話の着信があった場合、その発信者に関する情報(発信者氏名や電話番号など)をディスプレイ上に表示可能な車載機器が知られている(例えば、特許文献1)。これにより、ドライバーは、車両運転中で通話困難な場合でも、着信があった旨およびその発信者を確認することができるため、後に電話をかけ直す際に便利である。
【特許文献1】特開2002−52986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記の特許文献には、携帯電話と通信が確立された後の着信について、表示を行うことが記載されているものの、通信確立前に携帯電話が着信していた不在着信について、表示を行うことは何ら記載されていない。つまり、従来の車載機器では、ドライバーが携帯電話に不在着信があったことに気づかないまま乗車してしまった場合、携帯電話と車載機器との通信が確立されるとハンズフリー通話が可能となるため、ドライバーが携帯電話の画面を直接見ることはない。したがって、車両から降りて携帯電話の画面を確認するまで、ドライバーは携帯電話に不在着信があったことに気がつかないといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みたものであり、携帯機器においてユーザが未確認の情報を、携帯機器との通信確立後にユーザに対して通知することができる通信機器、情報通信システム、通信機器の通信制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の通信機器は、携帯機器と通信を行う通信手段と、通信手段による通信確立時に、携帯機器から、当該携帯機器においてユーザが未確認の情報である未確認情報を取得する未確認情報取得手段と、取得した未確認情報を、表示または音声出力する情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の通信機器の通信制御方法は、携帯機器と通信可能な通信機器の通信制御方法であって、通信機器は、携帯機器と通信を確立するステップ、通信確立時に、携帯機器から、当該携帯機器においてユーザが未確認の情報である未確認情報を取得するステップと、取得した未確認情報を、表示または音声出力するステップと、を実行することを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、通信確立時に、携帯機器から、ユーザが未確認であると考えられる情報(未確認情報)を取得し、表示または音声出力するため、携帯機器との連携に伴う不具合を解消することができる。つまりユーザが、携帯機器に未確認情報(例えば、携帯機器が携帯電話の場合、不在着信に関する情報)があったことに気づかないまま乗車してしまった場合でも、通信機器との通信確立後に、不在着信に関する情報を表示または音声出力するため、ユーザは不在着信を確実に確認することができる。
なお、「未確認情報」とは、ユーザが確認操作を必要とする情報であって、その確認操作が為されていない情報を指す。例えば、上記の不在着信情報以外に、電子メールの未読情報、各種エラー情報、ユーザに対する問い合わせ情報、アプリケーションのダウンロード確認情報、未読の新着ニュースなど各種サービスから通知されるサービス情報などが考えられる。
また、「通信機器」とは、通信機能を有する電子機器を指すものであり、「車載機器」、「腕時計」、「パーソナルコンピュータ(ポータブル型)」などを含む概念である。また、ここで言う「車載機器」とは、車両に固定して設けられる機器だけでなく、車両に着脱可能に設けられる機器(ポータブル型車載機器)も含む概念である。
【0008】
上記に記載の通信機器において、携帯機器は、少なくとも電子メール機能または通話機能を有しており、未確認情報取得手段は、未確認情報として通信手段による通信確立時点において未読状態の1以上の電子メールに関する未読メール情報、または通信手段による通信確立前に着信した1以上の不在着信に関する不在着信情報を取得することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、ユーザは、未確認情報として、通信確立時点において未読状態の1以上の電子メールに関する未読メール情報や、通信確立前に着信した1以上の不在着信に関する不在着信情報を確認することができる。
なお、「未読メール情報」としては、未読メール数、メール受信日時、発信者氏名、発信者(発信元)アドレス、電子メール本文、タイトル、添付ファイル等に関する情報を指す。また、「不在着信情報」としては、不在着信数、着信日時、発信者氏名、発信者(発信元)電話番号、留守メモおよび伝言メモの有無、伝言メモの内容等に関する情報を指す。
【0010】
上記に記載の通信機器において、携帯機器は、少なくとも通話機能および伝言録音機能を有しており、未確認情報取得手段は、不在着信情報の少なくとも一部として、1以上の不在着信に伴って伝言録音機能により録音された1以上の伝言メモに関する伝言情報を取得することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ユーザは、不在着信情報の少なくとも一部として、伝言メモに関する伝言情報を確認することができる。
なお、「伝言録音機能」とは、携帯電話に多く搭載されている機能であり、発信者の音声メッセージを携帯機器内に録音する機能である。これ以外に、携帯電話事業者がネットワークサービスとして提供する「留守番電話機能」というものが知られているが、この「留守番電話機能」で録音された音声メッセージを、不在着信情報の少なくとも一部として、取得するようにしても良い。
【0012】
上記に記載の通信機器において、1以上の電子メールおよび1以上の不在着信について、それぞれ重要度を判別する重要度判別手段をさらに備え、情報出力手段は、携帯機器が電子メール機能を有する場合には未読メール情報を1以上の電子メールの重要度に応じて表示または音声出力し、携帯機器が通話機能を有する場合には不在着信情報を1以上の不在着信の重要度に応じて表示または音声出力することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、電子メール(未読メール)や不在着信の重要度に見合った、表示または音声出力を行うことができる。
なお、「未読メール情報を、未読状態の1以上の電子メールの重要度に応じて表示または音声出力する」とは、1以上の電子メールに重要度の高いもの(または低いもの)が含まれるか否かに応じて、未読メール情報の出力形態を変化させても良いし、1以上の電子メールのうち重要度の高いものだけを、未読メール情報として出力させても良い。なお、出力形態とは、出力速度、出力順序、出力サイズ(表示の場合)、文字装飾(表示の場合)、出力音量(音声出力の場合)、出力音声(音声出力の場合)等を指す。
また、1以上の電子メールに含まれる重要度の高い電子メールの数(または重要度の低い電子メールの数)に応じて、未読メール情報の出力形態を変化させても良いし、1以上の電子メールに占める重要度の高い電子メールの割合(または重要度の低い電子メールの割合)に応じて、未読メール情報の出力の有無を決定しても良い。「不在着信情報」についても、同様である。
【0014】
上記に記載の通信機器において、情報出力手段は、1以上の電子メールのうち重要度が高いと判別された電子メールについて、少なくともその発信者に関する情報またはタイトルを、未読メール情報の少なくとも一部として出力し、1以上の不在着信のうち重要度が高いと判別された不在着信について、少なくともその発信者に関する情報または着信日時を、不在着信情報の少なくとも一部として出力することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、重要度が高いと判別された電子メールについては、少なくとも発信者に関する情報(発信者氏名や発信者アドレス)またはタイトル(件名)を出力し、重要度が高いと判別された不在着信については、少なくとも発信者に関する情報(発信者氏名や発信者電話番号)または着信日時を出力するため、ユーザは、未確認情報に関する必要な情報を、短時間で効率よく確認することができる。
【0016】
上記に記載の通信機器において、少なくとも電子メール機能を有する携帯機器から、通信手段による通信確立後に受信した電子メールに関する新規メール情報を取得する新規メール情報取得手段をさらに備え、情報出力手段は、新規メール情報が取得された時点で、当該新規メール情報を、表示または音声出力することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、ユーザは、通信確立時点において未読状態の電子メールだけでなく、通信確立後に受信した電子メールに関する情報についても、確認することができる。
なお、「新規メール情報」としては、メール受信日時、発信者氏名、発信者(発信元)アドレス、電子メール本文、タイトル、添付ファイル等に関する情報を指す。
【0018】
上記に記載の通信機器において、電子メールの重要度を判別する重要度判別手段をさらに備え、情報出力手段は、新規メール情報を、受信した電子メールの重要度に応じて表示または音声出力することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、電子メールの重要度に見合った、表示または音声出力を行うことができる。
なお、「新規メール情報を、受信した電子メールの重要度に応じて表示または音声出力する」とは、電子メールの重要度に応じて、新規メール情報の出力形態を変化させても良いし、出力の有無を決定しても良い。
【0020】
上記に記載の通信機器において、携帯機器が電子メール機能を有する場合に、重要度判別手段により重要度が高いと判別された電子メールの本文出力を指示する本文出力指示手段と、本文出力指示手段による指示に従って、重要度が高いと判別された電子メールの本文を、表示または音声出力する本文出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、重要度が高いと判別された電子メールについては、本文出力が可能であるため、迅速に電子メールの内容を確認することができる。また、重要度が高いと判別された全ての電子メールについて本文出力すると、ユーザが確認に時間を取られて安全運転の妨げとなるため、ユーザにより指示があったものだけを出力することで、そのような問題を解消することができる。
【0022】
上記に記載の通信機器において、携帯機器が電子メール機能を有する場合に、重要度判別手段により重要度が高いと判別された電子メールの本文を、情報出力手段による出力に続いて、表示または音声出力する本文出力手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、重要度が高いと判別された電子メールの本文については、未読メール情報または新規メール情報の出力に続いて表示または音声出力されるため、ユーザは特別な操作を必要とすることなく、迅速に電子メールの内容を確認することができる。
なお、重要度が低いと判別された電子メールについては、安全運転を妨げないように、例えば目的地到着後に本文出力することが好ましい。すなわち、上記に記載の通信機器において、目的地を設定する目的地設定手段と、設定された目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段と、を備え、本文出力手段は、重要度判別手段により重要度が低いと判別された電子メールの本文を、経路誘導の終了後に、表示または音声出力することが好ましい。
【0024】
上記に記載の通信機器において、重要度判別手段により重要度が高いと判別された電子メールの本文の出力長さが所定の出力長さを超えるか否かを判別するメール出力長判別手段をさらに備え、本文出力手段は、電子メールの本文の出力長さが所定の出力長さを超える場合、当該本文の先頭部分のみ、表示または音声出力することを特徴とする。
【0025】
電子メールの本文が極端に長い場合は、その内容を確認するために多くの時間を要するため、車両運転の安全面から好ましくない。したがって、電子メールの本文の出力長さが所定の出力長さを超える場合、その先頭部分のみを出力することで、そのような不具合を解消することができる。
【0026】
上記に記載の通信機器において、携帯機器が電子メール機能を有する場合に、重要度判別手段は、電子メールに付加された優先度フラグ、発信者のアドレス、開封確認の有無のうち、少なくとも1の情報に基づいて、電子メールの重要度を判別することを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、電子メールに付加された優先度フラグ、発信者のアドレス、開封確認の有無等に基づいて、容易に重要度を判別することができる。
なお、「発信者のアドレス」については、アドレスに所定の文字列が含まれるものを重要度大と判別しても良いし、携帯機器または通信機器内に格納されている電話帳に保存されているか否かに応じて重要度を判別しても良い。
【0028】
上記に記載の通信機器において、通信手段は、本文出力手段により出力された電子メールのメールIDを示す出力完了情報を、携帯機器に送信し、出力完了情報は、携帯機器が、当該出力完了情報の受信に伴って、メールIDに該当する電子メールを既読状態とするための情報であることを特徴とする。
【0029】
上記に記載の通信機器において、出力完了情報は、メールIDに該当する電子メールの出力完了部分を既読状態とするための情報であることを特徴とする。
【0030】
これらの構成によれば、携帯電話側において、通信機器で出力が完了した出力完了部分を既読状態とすることができるため、既読の電子メール、またその既読部分をユーザが把握することができる。これにより、通信機器側で既読しているにも関わらず、携帯機器側で再度同じ電子メールを確認するといった煩わしさを無くすことができる。
なお、携帯機器側において、本文全体を出力完了している電子メールについては、出力完了情報(電子メールID)の受信に伴って、該当する電子メール自体を既読状態とする(既読処理を行う)ため、携帯機器側で、未読メールを既読状態とするための手間を省くことができる。
【0031】
上記に記載の通信機器において、携帯機器は、少なくとも通話機能および伝言録音機能を有しており、確認情報取得手段は、不在着信情報の少なくとも一部として、1以上の不在着信に伴って伝言録音機能により録音された1以上の伝言メモに関する伝言情報を取得し、不在着信の伝言メモの出力を指示する伝言出力指示手段と、伝言出力指示手段による指示に従って、不在着信の伝言メモを表示または音声出力する伝言出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、ユーザは、携帯機器に録音された伝言メモについても、通信機器側で確認することができる。
【0033】
上記に記載の通信機器において、通信手段は、伝言出力手段により伝言メモが出力された不在着信を示す出力完了情報を、携帯機器に送信し、出力完了情報は、携帯機器が、当該出力完了情報の受信に伴って、該当する不在着信の伝言メモを削除もしくは再生済み状態にするための情報であることを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、携帯電話側において、通信機器で出力が完了した伝言メモを削除もしくは再生済み状態とすることができるため、既に確認した伝言メモをユーザが把握することができると共に、伝言メモを削除もしくは再生済み状態にするための手間を省くことができる。
【0035】
上記に記載の通信機器において、携帯機器から、通信手段による通信確立後に確認した電子メールまたは不在着信を示す確認完了情報を取得する確認完了情報取得手段をさらに備え、情報出力手段は、確認完了情報の受信に伴って、未読メール情報から確認済みの電子メールに関する情報の削除、または不在着信情報から確認済みの不在着信に関する情報の削除を行うことを特徴とする。
【0036】
この構成によれば、通信機器側で、電子メールまたは不在着信の確認が行われたことを把握することができる。また、携帯機器側で確認した情報を、再度通信機器側で確認するといった煩わしさを無くすことができる。
【0037】
本発明の情報通信システムは、上記に記載の通信機器と、携帯機器と、から成ることを特徴とする。
【0038】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記に記載の通信機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0039】
これらの構成によれば、携帯機器においてユーザが未確認の情報を、携帯機器と通信を確立した通信機器によってユーザに通知することができる情報通信システムまたはプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の一実施形態に係る通信機器、情報通信システム、通信機器の通信制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、通信機器として、携帯機器(例えば、携帯電話)との通信機能(特に、電子メールや着信電話に関する情報を取得する機能)およびカーナビゲーション機能を有する車載機器を例示する。
【0041】
図1は、車載機器10の制御ブロック図である。同図に示すように、車載機器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11、アンテナ12、自立航法センサ13、ディスプレイ14、タッチパネル15、スピーカー16、マイク18、通信部19、制御部20、地図データベース25、登録データベース26および接続バス27を備えている。
【0042】
GPS(Global Positioning System)受信機11は、アンテナ12を介してGPS情報(位置情報および時刻情報を含む)を受信する。自立航法センサ13は、角度センサおよび距離センサから成り(いずれも、図示省略)、GPS受信機11との組み合わせにより、車両の現在位置を特定するために利用される。ディスプレイ14は、携帯機器30から通信部19を介して取得した電子メールの内容(発信者、タイトル、受信日時に関する情報、並びに電子メールの本文など)を表示すると共に、必要に応じて各種操作画面(図3参照)を表示する。また、経路誘導時には、地図情報や誘導案内情報を表示する。
【0043】
タッチパネル15は、ディスプレイ14に重畳配置されたマトリクススイッチにより構成され、指等の接触を検出する。本実施形態では、主に上記の各種操作画面に対する操作を行うために用いられる。スピーカー16は、電子メールを受信した旨、電話を着信した旨、並びに不在着信時に録音された伝言メモ等を、ユーザ(ドライバー)に対して音声通知する。また、必要に応じて各種音声確認(ユーザに対して選択や確認を促すための音声案内)を行うと共に、経路誘導時には音声による誘導案内情報を出力する。
【0044】
マイク18は、ハンズフリーで各種操作を行うものであり、タッチパネル15と同様、選択操作等に用いられる。また、マイク18は、携帯機器30が携帯電話の場合、ハンズフリー通話を行うためにも用いられる。通信部19は、携帯機器30と近距離無線通信や赤外線通信を行う。なお、これら非接触通信ではなく、バス接続などの有線通信を採用しても良い。本実施形態において、通信部19は、主に未読メールに関する未読メール情報や不在着信に関する不在着信情報(不在着信に伴って携帯機器30に録音される伝言メモに関する伝言情報も含む)を取得するために用いられる。以下、これら「未読メール情報」および「不在着信情報」を、携帯機器30において確認されていない情報という意味で、「未確認情報」と総称する。
【0045】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22およびRAM(Random Access Memory)23から成る。CPU21は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。ROM22は、CPU21が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM23は、CPU21が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。
【0046】
地図データベース25は、経路案内を行うための地図データを不揮発に記憶する。登録データベース26は、各種登録情報や通信履歴を記憶する。各種登録情報としては、地点登録された地点登録情報や、電話帳(アドレス帳)を記憶する。また、通信履歴としては、電話の発信履歴および着信履歴、並びに電子メールの送信履歴および受信履歴が含まれる。
【0047】
次に、図2を参照し、車載機器10および携帯機器30から成る情報通信システムSYの機能構成について説明する。携帯機器30は、主な機能構成として、電子メール手段310、通話手段320、伝言録音手段330および通信手段340を有している。
【0048】
電子メール手段310は、携帯機器30が電子メール機能を実現するための手段であり、電子メール受信手段、電子メール生成手段および電子メール送信手段を含む。また、電子メール手段310は、受信した電子メールに対して、各電子メールを識別するためのメールIDを付与するメールID付与手段も含む。また、通話手段320は、携帯機器30が通話機能を実現するための手段であり、電話発信手段および電話着信手段を含む。また、通話手段320は、着信電話に対して、各着信電話を識別するための電話IDを付与する電話ID付与手段も含む。
【0049】
伝言録音手段330は、携帯機器30が伝言録音機能(発信者の音声メッセージを録音する機能)を実現するための手段である。なお、伝言録音手段330により録音された伝言メモは、携帯機器30内の所定記憶領域に保存される。また、通信手段340は、車載機器10との情報の入出力(送受信)を行うためのものであり、本実施形態では、主に未確認情報の送信や出力完了情報(出力を完了した電子メールや伝言メモを示す情報)の受信に用いられる。
【0050】
携帯機器30は、車載機器10から出力完了情報を受信すると、電子メール手段310または伝言録音手段330により既読処理を行う。具体的には、メールIDにより特定される電子メールの出力完了部分を既読状態とする(既読部分と未読部分とを識別可能に表示する)。また、電子メール全体の出力が完了している場合は、その電子メール自体を既読状態とする(「未読メールあり」の表示を中止する)。また、電話IDにより特定される不在着信を既読状態とする。また、伝言メモの出力も完了している場合は、その伝言メモを削除すると共に、当該削除に伴って、「伝言メモあり」の表示も消去する。なおこの場合において伝言メモの削除は必須ではなく、例えばこれに代えて伝言メモを再生済みの状態としてもよい。
【0051】
一方、車載機器10は、主な機能構成として、通信手段110、未確認情報取得手段120、重要度判別手段140、情報出力手段150、本文出力指示手段160、本文出力手段170、伝言出力指示手段180および伝言出力手段190を有している。
【0052】
通信手段110は、携帯機器30との情報の入出力を行うためのものである。また、未確認情報取得手段120は、通信手段110を介して、携帯機器30においてユーザが未確認の情報である未確認情報を取得するものである。これら通信手段110および未確認情報取得手段120は、通信部19を主要構成要素とする。上記の通り、「未確認情報」としては、通信手段110による通信確立時点において携帯機器30で未読状態の1以上の電子メールに関する「未読メール情報」、および通信手段110による通信確立前に着信した1以上の不在着信に関する「不在着信情報」を取得する。ここで、「未読メール情報」には、未読メール数、各未読メールのメールID、メール受信日時、発信者氏名、発信者(発信元)アドレス、電子メール本文、タイトル、添付ファイル等が含まれる。また、「不在着信情報」には、不在着信数、各不在着信の電話ID、着信日時、発信者氏名、発信者(発信元)電話番号、留守メモおよび伝言メモの有無、伝言メモ等が含まれる。
【0053】
重要度判別手段140は、未確認情報取得手段120により取得された未確認情報に含まれる、1以上の電子メールおよび1以上の不在着信について、それぞれ重要度を判別するものであり、制御部20を主要構成要素とする。電子メールの重要度は、電子メールに付加された優先度フラグ(メールヘッダ)、発信者のアドレス、開封確認の有無等の情報に基づいて判別可能である。例えば、「発信者のアドレス」については、アドレスに所定の文字列が含まれるものを重要度大と判別しても良いし、携帯機器30または車載機器10内に格納されている電話帳(アドレス帳)に、発信者のアドレスが保存されているか否かに応じて重要度を判別可能である。一方、不在着信の重要度は、発信者の電話番号や発信/着信履歴に基づいて判別可能である。例えば、「発信者の電話番号」については、電話番号に所定の数字列(局番など)が含まれるものを重要度大と判別しても良いし、携帯機器30または車載機器10内に格納されている電話帳(アドレス帳)に、発信者の電話番号が保存されているか否かに応じて重要度を判別可能である。また、「発信/着信履歴」については、携帯機器30または車載機器10内に記録されている発信/着信履歴に、発信者の電話番号が記録されているか否かに応じて重要度を判別することも可能である。なお、重要度の判別は、車載機器10側で、携帯機器30から送信された未確認情報と共に、または未確認情報の受信前後に取得した情報に基づいて判別しても良いし、携帯機器30側でこれらの情報に基づいて判別した判別結果を、車載機器10が取得しても良い。後者の場合、重要度判別手段140は、携帯機器30から取得した判別結果に応じて、重要度を判別することとなる。
【0054】
情報出力手段150は、未確認情報取得手段120により取得された未確認情報(未読メール情報および/または不在着信情報)を、表示または音声出力するものであり、制御部20、ディスプレイ14およびスピーカー16を主要構成要素とする。情報出力手段150は、未読メール情報を、これに含まれる1以上の電子メールの重要度に応じて表示または音声出力し、不在着信情報を、これに含まれる1以上の不在着信の重要度に応じて表示または音声出力する。
【0055】
図3は、未確認情報の出力をディスプレイ表示によって行う場合の表示例(未確認情報表示画面の一例)を示す図である。このように、未確認情報表示画面には、画面タイトル51(未確認情報がある旨)、不在着信情報52、未読メール情報53および確認ボタン61および閉じるボタン62が表示されている。不在着信情報52としては、不在着信数55と、重要度判別手段140により重要度が高いと判別された不在着信に関する情報58と、を表示する。不在着信に関する情報58としては、発信者に関する情報(発信者名または電話番号)、着信日時および伝言メモの有無(伝言情報)を表示する。また、伝言メモがある場合は、伝言を読み上げるか否かについてユーザに選択を促すメッセージおよび選択ボタン66(「OK」または「NG」)を表示する。一方、未読メール情報53としては、未読メール数56と、重要度判別手段140により重要度が高いと判別された電子メールに関する情報59と、を表示する。電子メールに関する情報59としては、発信者に関する情報(発信者名またはメールアドレス)およびタイトルを表示すると共に、電子メールの本文を表示するか否かについてユーザに選択を促すメッセージおよび選択ボタン67(「OK」または「NG」)を表示する。ユーザは、不在着信および未読メールに関して表示された各選択ボタン66,67で「OK」または「NG」を選択した後、画面下部に設けられた確認ボタン61をタッチすることで、伝言メモや電子メールの本文を確認することができる。また、閉じるボタン62をタッチすることで、各選択ボタン66,67の選択を必要とすることなく、未確認情報表示画面を閉じることができる。
【0056】
図2の説明に戻る。本文出力指示手段160は、重要度が高いと判別された電子メールの本文出力を指示するものであり、タッチパネル15およびマイク18を主要構成要素とする。具体的には、上記のように未確認情報表示画面(図3参照)を表示する場合、本文出力指示手段160は、未読メール情報53に含まれる選択ボタン67と、画面下部に設けられた確認ボタン61と、により実現される。なお、選択ボタン67や確認ボタン61は、マイク18による音声操作でも選択可能である。
【0057】
本文出力手段170は、本文出力指示手段160による指示に従って、重要度判別手段140により重要度が高いと判別された電子メールの本文を、表示または音声出力するものであり、制御部20、ディスプレイ14およびスピーカー16を主要構成要素とする。本実施形態では、主にディスプレイ14表示によって出力を行うものとする。
【0058】
伝言出力指示手段180は、重要度が高いと判別された不在着信の伝言メモ出力を指示するものであり、タッチパネル15およびマイク18を主要構成要素とする。具体的には、上記のように未確認情報表示画面(図3参照)を表示する場合、伝言出力指示手段180は、不在着信情報52に含まれる選択ボタン66と、画面下部に設けられた確認ボタン61と、により実現される。なお、本文出力指示手段160と同様に、これらのボタンは、マイク18により音声操作(選択操作)が可能である。
【0059】
伝言出力手段190は、伝言出力指示手段180による指示に従って、重要度判別手段140により重要度が高いと判別された不在着信の伝言メモを、表示または音声出力するものであり、制御部20、ディスプレイ14およびスピーカー16を主要構成要素とする。本実施形態では、主にスピーカー16によって音声出力(読み上げ)を行うものとする。
【0060】
次に、図4ないし図6のフローチャートを参照し、車載機器10による情報出力処理について説明する。図4は、情報出力処理のメインフローを示したものであり、図5および図6は、そのサブフローを示したものである。ここでは、車載機器10と通信可能な携帯機器30が車内に存在し、且つ当該携帯機器30には、不在着信および/または未読メールが存在するものとする。
【0061】
図4に示すように、車載機器10は、携帯機器30との通信を確立すると(S01)、携帯機器30に対して情報取得要求を出す(S02)。車載機器10は、当該情報取得要求に対して携帯機器30が送信した未確認情報を取得する(S03)。当該S03に相当する未確認情報取得処理については、図5を参照して後述する。その後、車載機器10は、取得した未確認情報を表示する(S04,図3参照)。当該S04に相当する未確認情報表示処理については、図6を参照して後述する。
【0062】
その後、ユーザにより伝言メモの出力指示があったか否かを判別し(S05)、あった場合は(S05:Yes)、その伝言メモをスピーカー16により読み上げる(S06)。なお、複数の伝言メモの出力指示があった場合は、S06において、複数の伝言メモを続けて読み上げる。同様に、ユーザにより電子メール本文の出力指示があったか否かを判別し(S07)、あった場合は(S07:Yes)、その電子メール本文をディスプレイ14上に表示する(S08)。この場合も、複数の電子メール本文の出力指示があった場合は、複数の電子メール本文を続けて表示する。
【0063】
これらの情報出力を終えると、車載機器10は、出力完了情報を携帯機器30に送信する(S09)。このとき、当該出力完了情報には、伝言メモが録音された不在着信の電話ID、および/または電子メールのメールIDが付加されている。携帯機器30は、車載機器10から出力完了情報を取得すると、これに含まれる電話IDやメールIDに基づいて、該当する不在着信(伝言メモ)および/または電子メールの既読処理を行う。
【0064】
なお、上記のフローチャートでは、伝言メモの読み上げ後、電子メール本文の表示を行うようになっているが、その順序は逆であっても良いし、表示と読み上げを並行して行っても良い。また、出力方法についても、伝言メモを表示して、電子メール本文を読み上げる、若しくは伝言メモおよび電子メール本文の両方を同じ出力方法で出力する(表示するまたは読み上げる)ようにしても良い。さらに、伝言メモと電子メール本文について、それぞれの出力方法をユーザが設定できるようにしても良い。
【0065】
次に、図5のフローチャートを参照し、未確認情報取得処理について説明する。車載機器10は、未確認情報取得処理において、まず処理済み不在着信数を示すiの値をリセットし(S11)、携帯機器30からi番目の不在着信に関する情報を取得する(S12)。その後、iの値をカウントアップし(S13)、iの値が携帯機器30内に存在する不在着信数n1となるまで(S14:Yes)、S11〜S14を繰り返す。なお、S11〜S14の工程は、不在着信情報取得処理を示すものである。
【0066】
続いて、車載機器10は、処理済み未読メール数を示すjの値をリセットし(S15)、携帯機器30からj番目の電子メール(未読メール)に関する情報を取得する(S16)。その後、jの値をカウントアップし(S17)、jの値が携帯機器30内に存在する未読メール数n2となるまで(S18:Yes)、S15〜S18を繰り返す。なお、S15〜S18の工程は、未読メール情報取得処理を示すものである。
【0067】
このように、不在着信情報取得処理および未読メール情報取得処理により、未確認情報取得処理(図4のS03参照)を実現できる。なお、不在着信情報取得処理および未読メール情報取得処理の処理順序についても、逆であっても良いし、並行して行っても良い。
【0068】
次に、図6のフローチャートを参照し、未確認情報表示処理について説明する。車載機器10は、未確認情報表示処理において、不在着信情報取得処理の取得結果から不在着信数(n1)を表示する(S21,図3の55参照)。また、処理済み不在着信数を示すiの値をリセットし(S22)、i番目の不在着信の重要度を判別する(S23)。ここで、重要と判別された場合は(S23:Yes)、i番目の不在着信の発信者、着信日時および伝言メモの有無を表示する(S24,図3の58参照)。その後、iの値をカウントアップし(S25)、iの値が不在着信数n1となるまで(S26:Yes)、S23〜S26を繰り返す。なお、S21〜S26の工程は、不在着信情報表示処理を示すものである。
【0069】
続いて、車載機器10は、未読メール情報取得処理の取得結果から未読メール数(n2)を表示する(S27,図3の56参照)。また、処理済み未読メール数を示すjの値をリセットし(S28)、j番目の電子メールの重要度を判別する(S29)。ここで、重要と判別された場合は(S29:Yes)、j番目の電子メールの発信者およびタイトルを表示する(S30,図3の59参照)。その後、jの値をカウントアップし(S31)、jの値が未読メール数n2となるまで(S32:Yes)、S29〜S32を繰り返す。なお、S27〜S32の工程は、未読メール情報表示処理を示すものである。
【0070】
このように、不在着信情報表示処理および未読メール情報表示処理により、未確認情報表示処理(図4のS04参照)が実現できる。なお、不在着信情報表示処理および未読メール情報表示処理の処理順序についても、逆であっても良いし、並行して行っても良い。また、不在着信情報表示処理の場合、不在着信数(n1)を表示した後(S21参照)、重要度の高い不在着信の情報を表示する(S24参照)ものとしたが、これらを同時に表示しても良い。未読メール情報表示処理についても同様である。
【0071】
以上説明したとおり、第1実施形態によれば、車載機器10が携帯機器30との通信確立時に、当該携帯機器30から、ユーザが未確認であると考えられる未確認情報(不在着信情報や未読メール情報)を取得して出力するため、ユーザが、携帯機器30に未確認情報があったことに気づかないまま乗車してしまった場合でも、車載機器10の出力により、それらを確実に確認することができる。
【0072】
また、不在着信情報や未読メール情報は、電子メールや不在着信の重要度に高いものだけを表示するため、ユーザの確認時間を短縮することができ、安全運転にできるだけ影響を与えないようにすることができる。また、重要度の高いものについては、ユーザの出力指示によって、電子メール本文や伝言メモを出力できるため、詳細な内容を迅速に確認することができる。
【0073】
なお、上記の実施形態では、電子メールについて、未読メールに関する未読メール情報を取得するものとしたが、通信確立後に携帯機器30が受信した新規メールに関する新規メール情報を取得して、車載機器10から出力するようにしても良い。この場合、車載機器10は、携帯機器30から新規メール情報を取得した時点で、当該新規メール情報を、表示または音声出力することが好ましい。この構成によれば、ユーザは、通信確立後に受信した電子メールに関する情報についても、迅速に確認することができる。またこの場合、重要度判別手段140は、通信確立後に受信した電子メールについても重要度を判別し、情報出力手段150は、判別された重要度に応じて新規メール情報を出力することが好ましい。さらに、新規メール情報の出力に対して、本文出力指示手段160による指示があった場合、本文出力手段170は、その時点で電子メールの本文を、表示または音声出力することが好ましい。
【0074】
また、上記の実施形態では、未読メール情報として、重要度の高い電子メールについてのみ、その詳細情報を表示したが(図3の58参照)、重要度の低い電子メールについても、詳細情報を表示するようにしても良い。但しその場合は、各電子メールの重要度をユーザが区別できる状態で、表示することが好ましい。また、未読メール情報に重要度の高い電子メールに関する情報が含まれない場合は、未読メール情報の表示自体を行わないようにしても良い。
【0075】
なお、これら電子メールに関する変形例は、着信電話についても適用可能である。つまり、通信確立後(例えば、車両走行中)に携帯機器30に着信があった場合であって、ユーザ(ドライバー)が通話しなかった場合は、車載機器10から不在着信情報を出力するようにしても良い。また、重要度の低い不在着信についても、詳細情報を表示するようにしても良いし、不在着信情報に重要度の高い不在着信に関する情報が含まれない場合は、不在着信情報の表示自体を行わないようにしても良い。
【0076】
次に、図7および図8を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、重要度の低い電子メールについては、車載機器10においてその本文出力を行わないものとしたが、本実施形態では、重要度の低い電子メールについて、経路誘導終了後に本文出力を行う点で異なる。また、重要度の高い電子メールについては、ユーザによる出力指示を必要とすることなく本文出力を行う点、並びに本文出力について、電子メールの本文の出力長を判別する点でも異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態では、電子メールについてのみ言及し、着信電話についての言及を省略する。また、通信確立前後のいずれにおいて受信した電子メールであるか(未読メールであるか新規メールであるか)について区別せず、受信した電子メールに関する情報を、単に「メール情報」と称するものとする。
【0077】
図7は、第2実施形態に係る情報通信システムSYの機能ブロック図である。携帯機器30の構成については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。また、車載機器10についても、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0078】
第2実施形態の車載機器10は、主な機能構成として、通信手段110、メール情報取得手段210、重要度判別手段140、情報出力手段150、目的地設定手段220、経路誘導手段230、メール出力長判別手段240および本文出力手段250を有している。
【0079】
メール情報取得手段210は、通信手段110を介してメール情報(未読メール情報または新規メール情報)を取得するものである。目的地設定手段220は、車両走行の目的地を設定するものであり、制御部20および地図データベース25を主要構成要素とする。また、経路誘導手段230は、目的地設定手段220により設定された目的地までのルート探索および経路誘導(経路誘導表示および音声案内を含む)を行うものであり、自立航法センサ13、制御部20および地図データベース25を主要構成要素とする。
【0080】
メール出力長判別手段240は、電子メールの本文の出力長さ(以下、「メール出力長」と称する)が、所定の出力長さを超えるか否かを判別するものであり、制御部20を主要構成要素とする。ここで、「メール出力長」とは、電子メールの本文を表示する際に要する表示領域の大きさまたは表示時間、若しくは電子メールの本文を音声出力する際に要する出力時間を指す。また、これら表示領域の大きさや出力時間は、電子メールに含まれる文字数(絵文字や記号などのキャラクタ、並びに添付ファイルに含まれる文字を含んでも良い)、データ量、添付ファイルの有無等をパラメータとした所定のアルゴリズムによって算出可能である。
【0081】
本文出力手段250は、重要度判別手段140により重要度が高いと判別された電子メールの本文を、情報出力手段150による出力に続いて、表示または音声出力する。一方、重要度が低いと判別された電子メールの本文については、経路誘導の終了後(すなわち、目的地到着後)に、表示または音声出力する。さらに、本文出力手段250は、メール出力長判別手段240により、重要度が高いと判別された電子メールのメール出力長が所定の出力長さを超えると判別された場合、電子メールの本文の先頭部分(規定文字数)のみ、表示または音声出力する。
【0082】
ここで、図8のフローチャートを参照し、第2実施形態に係る車載機器10の情報出力処理について説明する。ここでは、電子メールの本文の出力を、音声出力(読み上げ)によって行うものとする。車載機器10は、携帯機器30から電子メールの着信通知を受けると(S31:Yes)、続けてメール情報を取得し(S32)、これを表示する(S33)。なお、S31〜S33は、携帯機器30が車載機器10との通信確立後に受信した電子メールに関しては、1通ずつ処理することとなる。また、通信確立前に受信した電子メールに関しては、未読状態の1以上の電子メールをまとめて処理することとなる。
【0083】
続いて、車載機器10は、電子メールの重要度を判別し(S34)、重要度が高い場合は(S34:Yes)、メール出力長(電子メールの本文の読み上げ時間)が所定の出力長さ(基準時間)を超えるか否かを判別する(S35)。ここで、メール出力長が所定の出力長さを超える場合は(S35:Yes)、スピーカー16により電子メールの本文の先頭部分のみ読み上げる(S36)。また、メール出力長が所定の出力長さを超えない場合は(S35:No)、電子メールの全文を読み上げる(S37)。一方、電子メールの重要度が高くない場合は(S34:No)、読み上げ待ちFIFOに情報を追加し(S38)、未出力のメール数(j)をカウントアップする(S39)。ここで、「読み上げ待ちFIFO」とは、先入れ先出しのバッファリング機能を有するデジタル回路を指すものである。
【0084】
その後、目的地に到着したか否かを判別し(S40)、目的地に到着していない場合は(S40:No)、S31〜S39を繰り返す。また、目的地に到着した場合は(S40:Yes)、読み上げ待ちFIFO内のメール数(n=j)を確認し、処理済みのメール数(j)をリセットして(S41)、スピーカー16によりn件のメール受信があった旨の音声案内を行う(S42)。その後、j番目FIFOの読み上げを行い(S43)、処理済みのメール数(j)をカウントアップして(S44)、j=nとなるまで(S45:Yes)、S43〜S45を繰り返し、読み上げ待ちFIFO内のメールを全て読み上げたら、情報出力処理を終了する。
【0085】
以上説明したとおり、第2実施形態によれば、重要度が高いと判別された電子メールについては、メール情報の表示(S33参照)に続いてその本文が音声出力されるため(S36、S37参照)、ユーザは特別な操作を必要とすることなく、迅速に電子メールの内容を確認することができる。また、この場合、電子メールの本文の出力長さが所定の出力長さを超えるか否かを判別し(S35参照)、所定の出力長さを超える場合は、その先頭部分のみを出力するため(S36参照)、ユーザの確認時間を短縮することができ、車両運転の安全面に与える影響を少なくすることができる。一方、重要度が低いと判別された電子メールについては、経路誘導の終了後にその本文を出力するため(S43参照)、車両運転の安全性を阻害することがない。
【0086】
なお、上記の第2実施形態では、メール出力長が所定の出力長さを超える場合、先頭部分の規定文字数のみ読み上げるものとしたが(S35,36参照)、この規定文字数について、ユーザが設定可能としても良い。また、規定文字数のみ読み上げるのではなく、電子メールの本文を前半、後半に分割した時の前半部(本文全体の1/2)など、所定割合だけ読み上げるようにしても良い。また、先頭部分のみ読み上げたときの違和感をなくすため、規定文字数内における文章の終わりまで(句点まで)しか読み上げないようにしても良いし、規定文字数の最後の文字が含まれる文章の終わりまで読み上げるようにしても良い。
【0087】
また、先頭部分のみ読み上げた場合は、残りの部分について読み上げを行うか否かについて、ユーザに選択を促し、ユーザにより出力指示があった場合は、残りの部分についても出力を行うことが好ましい。なお、残りの部分を出力する場合は、当該残りの部分の最初の文字が属する文章の先頭、または当該残りの部分の最初の文字が属する段落の先頭から、出力を開始することが好ましい。この構成によれば、文章の途中から出力されることによる違和感や誤認識を無くすことができる。
【0088】
また、第2実施形態では、重要度が低いと判別された電子メールについては、経路誘導の終了後にその本文を出力するものとしたが、経路誘導の終了時ではなく、車両停止時(パーキングブレーキが引かれたとき)に、電子メールの本文を出力するようにしても良い。この構成によれば、車両停止時に電子メールの内容を確認できるため、車両運転の安全性を阻害することがない。
【0089】
また、第2実施形態では、電子メールについてのみ言及したが、着信電話についても適用可能である。この場合、電子メールの本文出力は、伝言メモの出力として読み替え可能である。
【0090】
以上、2つの実施形態を示したが、各実施形態は必ずしも独立して実現される必要はなく、各実施形態を組み合わせた構成としても良い。また、上記の2つの実施形態では、「未確認情報」として、不在着信情報や未読メール情報を例示したが、その他各種エラー情報、ユーザに対する問い合わせ情報およびアプリケーションのダウンロード確認情報、新着ニュースなど各種サービスから通知されるサービス情報なども、車載機器10側で確認できるようにしても良い。すなわち、ユーザが確認操作を必要とする情報であって、その確認操作が為されていない情報を「未確認情報」として表示または音声出力するようにしても良い。
【0091】
また、上記の実施形態では、携帯機器30に搭載された「伝言録音機能」により録音された伝言メモを読み上げるものとしたが、携帯電話事業者がネットワークサービスとして提供する「留守番電話機能」により録音された留守メモを読み上げるようにしても良い。この場合、車載機器10は、携帯機器30に対して留守メモの出力指令を出し、携帯機器30側は、当該出力指令に従って、携帯電話事業者が提供する「留守番電話機能」から留守メモを取得し、取得した留守メモを車載機器10に提供することとなる。
【0092】
また、上記の実施形態では、不在着信情報や未読メール情報として、種々の情報を出力するようにしたが(図3参照)、不在着信の有無、または未読メールの有無に関する情報(フラグ情報)のみを出力するようにしても良い。つまり、表示によって出力する場合、不在着信情報または未読メール情報として、「不在着信あり/なし」または「未読メールあり/なし」の表示のみを行っても良い。また、不在着信の有無、または未読メールの有無に関する情報は、アイコンなどにより、常時表示するようにしても良い。さらに、不在着信情報または未読メール情報がある場合のみ表示を行い、ない場合については表示を行わないようにしても良い。
【0093】
また、上記の実施形態では、車載機器10側で、未読メールや不在着信を確認することについて記載したが、車載機器10と通信確立後においても、携帯機器30側を操作して、これらの情報を確認可能である。なお、車載機器10側で未確認情報(不在着信情報や未読メール情報)を常時表示出力している場合であって、携帯機器30側の操作によって未読メールや不在着信が確認された場合は、車載機器10側でその情報(確認完了情報)を取得し(確認完了情報取得手段)、不在着信情報または未読メール情報の表示やステータスを更新することが好ましい。すなわち、情報出力手段150は、確認完了情報の受信に伴って、未読メール情報から確認済みの電子メールに関する情報の削除、または不在着信情報から確認済みの不在着信に関する情報の削除を行うことが好ましい。この構成によれば、車載機器10側で、不在着信や電子メールの確認が行われたことを把握することができる。また、携帯機器30側で確認しているにも関わらず、車載機器10側で再度同じ情報を確認するといった煩わしさを無くすことができる。なお、車載機器10側で未確認情報を常時表示出力していない場合でも、車載機器10側で未確認情報を記憶しておき、当該未確認情報をユーザが呼び出したときに、不在着信情報または未読メール情報の表示やステータスが更新されていることが好ましい。
【0094】
また、上記の実施形態に示した車載機器10や携帯機器30における各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、車載機器10や携帯機器30の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。また、車載機器10に限らず、「腕時計」、「パーソナルコンピュータ(ポータブル型)」などの通信機器にも、本発明を適用可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載機器の制御ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る情報通信システムの機能ブロック図である。
【図3】未確認情報の表示例(未確認情報表示画面の一例)を示す図である。
【図4】車載機器の情報出力処理を示すメインフローチャートである。
【図5】図4のサブフローであって、未確認情報取得処理を示すフローチャートである。
【図6】図4のサブフローであって、未確認情報表示処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る情報通信システムの機能ブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る車載機器の情報出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
10…車載機器 11…GPS受信機 12…アンテナ 13…自立航法センサ 14…ディスプレイ 15…タッチパネル 16…スピーカー 18…マイク 19…通信部 20…制御部 21…CPU 22…ROM 23…RAM 25…地図データベース 26…登録データベース 27…接続バス 30…携帯機器 52…不在着信情報 53…未読メール情報 SY…情報通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器と通信を行う通信手段と、
前記通信手段による通信確立時に、前記携帯機器から、当該携帯機器においてユーザが未確認の情報である未確認情報を取得する未確認情報取得手段と、
取得した前記未確認情報を、表示または音声出力する情報出力手段と、を備えたことを特徴とする通信機器。
【請求項2】
前記携帯機器は、少なくとも電子メール機能または通話機能を有しており、
前記未確認情報取得手段は、前記未確認情報として、前記通信手段による通信確立時点において未読状態の1以上の電子メールに関する未読メール情報、または前記通信手段による通信確立前に着信した1以上の不在着信に関する不在着信情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記携帯機器は、少なくとも前記通話機能および伝言録音機能を有しており、
前記未確認情報取得手段は、前記不在着信情報の少なくとも一部として、前記1以上の不在着信に伴って前記伝言録音機能により録音された1以上の伝言メモに関する伝言情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記1以上の電子メールまたは前記1以上の不在着信について、それぞれ重要度を判別する重要度判別手段をさらに備え、
前記情報出力手段は、前記携帯機器が前記電子メール機能を有する場合には前記未読メール情報を前記1以上の電子メールの重要度に応じて表示または音声出力し、前記携帯機器が前記通話機能を有する場合には前記不在着信情報を前記1以上の不在着信の重要度に応じて表示または音声出力することを特徴とする請求項2に記載の通信機器。
【請求項5】
前記情報出力手段は、前記1以上の電子メールのうち重要度が高いと判別された電子メールについて、少なくともその発信者に関する情報またはタイトルを、前記未読メール情報の少なくとも一部として出力し、前記1以上の不在着信のうち重要度が高いと判別された不在着信について、少なくともその発信者に関する情報または着信日時を、前記不在着信情報の少なくとも一部として出力することを特徴とする請求項4に記載の通信機器。
【請求項6】
少なくとも前記電子メール機能を有する前記携帯機器から、前記通信手段による通信確立後に受信した電子メールに関する新規メール情報を取得する新規メール情報取得手段をさらに備え、
前記情報出力手段は、前記新規メール情報が取得された時点で、当該新規メール情報を、表示または音声出力することを特徴とする請求項2に記載の通信機器。
【請求項7】
前記電子メールの重要度を判別する重要度判別手段をさらに備え、
前記情報出力手段は、前記新規メール情報を、受信した前記電子メールの重要度に応じて表示または音声出力することを特徴とする請求項6に記載の通信機器。
【請求項8】
前記携帯機器が前記電子メール機能を有する場合に、前記重要度判別手段により重要度が高いと判別された電子メールの本文出力を指示する本文出力指示手段と、
前記本文出力指示手段による指示に従って、前記重要度が高いと判別された電子メールの本文を、表示または音声出力する本文出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項4または7に記載の通信機器。
【請求項9】
前記携帯機器が前記電子メール機能を有する場合に、前記重要度判別手段により重要度が高いと判別された電子メールの本文を、前記情報出力手段による出力に続いて、表示または音声出力する本文出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4または7に記載の通信機器。
【請求項10】
前記重要度判別手段により重要度が高いと判別された電子メールの本文の出力長さが所定の出力長さを超えるか否かを判別するメール出力長判別手段をさらに備え、
前記本文出力手段は、前記電子メールの本文の出力長さが前記所定の出力長さを超える場合、当該本文の先頭部分のみ、表示または音声出力することを特徴とする請求項9に記載の通信機器。
【請求項11】
前記携帯機器が前記電子メール機能を有する場合に、前記重要度判別手段は、前記電子メールに付加された優先度フラグ、前記発信者のアドレス、開封確認の有無のうち、少なくとも1の情報に基づいて、前記電子メールの重要度を判別することを特徴とする請求項4または7に記載の通信機器。
【請求項12】
前記通信手段は、前記本文出力手段により出力された前記電子メールのメールIDを示す出力完了情報を、前記携帯機器に送信し、
前記出力完了情報は、前記携帯機器が、当該出力完了情報の受信に伴って、前記メールIDに該当する前記電子メールを既読状態とするための情報であることを特徴とする請求項8または9に記載の通信機器。
【請求項13】
前記出力完了情報は、前記メールIDに該当する前記電子メールの出力完了部分を既読状態とするための情報であることを特徴とする請求項12に記載の通信機器。
【請求項14】
前記携帯機器は、少なくとも前記通話機能および伝言録音機能を有しており、
前記未確認情報取得手段は、前記不在着信情報の少なくとも一部として、前記1以上の不在着信に伴って前記伝言録音機能により録音された1以上の伝言メモに関する伝言情報を取得し、
前記重要度判別手段により重要度が高いと判別された前記不在着信の伝言メモの出力を指示する伝言出力指示手段と、
前記伝言出力指示手段による指示に従って、前記不在着信の伝言メモを表示または音声出力する伝言出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の通信機器。
【請求項15】
前記通信手段は、前記伝言出力手段により前記伝言メモが出力された前記不在着信を示す出力完了情報を、前記携帯機器に送信し、
前記出力完了情報は、前記携帯機器が、当該出力完了情報の受信に伴って、該当する前記不在着信の伝言メモを削除もしくは再生済み状態とするための情報であることを特徴とする請求項14に記載の通信機器。
【請求項16】
前記携帯機器から、前記通信手段による通信確立後に確認した前記電子メールまたは前記不在着信を示す確認完了情報を取得する確認完了情報取得手段をさらに備え、
前記情報出力手段は、前記確認完了情報の受信に伴って、前記未読メール情報から確認済みの前記電子メールに関する情報の削除、または前記不在着信情報から確認済みの前記不在着信に関する情報の削除を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信機器。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の通信機器と、前記携帯機器と、から成ることを特徴とする情報通信システム。
【請求項18】
携帯機器と通信可能な通信機器の通信制御方法であって、
前記通信機器は、
前記携帯機器と通信を確立するステップ、
通信確立時に、前記携帯機器から、当該携帯機器においてユーザが未確認の情報である未確認情報を取得するステップと、
取得した前記未確認情報を、表示または音声出力するステップと、を実行することを特徴とする通信機器の通信制御方法。
【請求項19】
コンピュータに、請求項18に記載の通信機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−74215(P2010−74215A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235988(P2008−235988)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】