通信装置、通信装置の制御プログラム、および通信装置の制御プログラムを記録した記録媒体
【課題】紛失した通信装置を拾得した拾得者が、所有者に返却するために利用可能な情報である返却情報を遠隔地から適宜設定できる通信装置を実現する。
【解決手段】本発明の携帯通信装置1は、他の携帯通信装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置である。携帯通信装置1の拾得者が所有者に返却するために利用可能な連絡先電話番号28および通知メッセージ27の入力許可を示すパスワード21を受け付け、正当性を判定する認証部52と、認証部52により、他の携帯通信装置から入力されたパスワードが正当であると判定された場合、この他の携帯通信装置から受け付けた連絡先電話番号28を登録する連絡先取得部53と、通知メッセージ27を登録するメッセージ取得部54とを備える。
【解決手段】本発明の携帯通信装置1は、他の携帯通信装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置である。携帯通信装置1の拾得者が所有者に返却するために利用可能な連絡先電話番号28および通知メッセージ27の入力許可を示すパスワード21を受け付け、正当性を判定する認証部52と、認証部52により、他の携帯通信装置から入力されたパスワードが正当であると判定された場合、この他の携帯通信装置から受け付けた連絡先電話番号28を登録する連絡先取得部53と、通知メッセージ27を登録するメッセージ取得部54とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置、通信装置の制御プログラム、および通信装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機が幅広く普及するとともに、該携帯電話機の有する機能の多機能化が進んでいる。例えば、個人情報等を管理するためのアプリケーションを備えた携帯電話機では、ユーザが、該アプリケーションによって管理した情報を活用することができるようになっている。また、携帯電話機は、専用のICチップを有し、該ICチップに貨幣価値データが記録され、いわゆるICカード型電子マネーとして利用されたり、あるいは、ネットワークを通じて決済可能なネットワーク型電子マネーなどとして利用されたりするようになっている。
【0003】
このように携帯電話機において、重要な機密情報等を活用することができるようになるにつれ、該携帯電話機におけるセキュリティに関する対策の重要性が増している。例えば、このセキュリティに関する対策として、非特許文献1では、遠隔地から紛失した携帯電話機の各種機能を操作できないように制御できる、いわゆるリモートロック機能が示されている。すなわち、この非特許文献1に示す携帯電話機では、あらかじめ指定した電話番号から3分以内に指定回数の着信を検知したり、あらかじめ指定した件名の電子メールを受信したりするとFelica(登録商標)機能をロックする。
【0004】
また、上記のように紛失した携帯電話機を発見した第3者から連絡を受け、該携帯電話機を返却してもらう割合を示す帰還率を向上させることが可能な携帯電話機が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
すなわち、特許文献1に示す携帯電話機では、紛失した携帯電話機の拾得者が該携帯電話機の所有者に容易に連絡することができるよう、拾得者がこの電話機の電源を投入すると、該所有者の名前および電話番号を表示することができる。また、特許文献2に示す携帯電話機では、遠隔操作によりロックした状態で、簡易入力されると連絡先に自動発呼することができる。
【特許文献1】特開平9−8881号公報(1997年1月10日公開)
【特許文献2】特開2005−333501号公報(2005年12月2日公開)
【非特許文献1】法林岳之 “スマートに使えるVodafone 3G対応おサイフケータイ Vodafone 703SHf”、[online]、[平成18年2月9日検索]、インターネット<URL:http://ad.impress.co.jp/special/703shf_2/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の構成では、遠隔操作によりロックする携帯電話機に対して、連絡先の設定を適切に変更することができないという問題が生じる。
【0007】
すなわち、携帯電話機を旅行中に紛失した場合などでは、予め携帯電話機に記憶させている連絡先よりも滞在中のホテルや、同伴者が所有する携帯電話機に拾得者からの連絡を受けることができる方が好ましい。これに対して、特許文献1および2に示す携帯電話機では、拾得者は予め決まった連絡先に対してのみ連絡をとることが可能な構成であるため、必ずしも現状において所有者が所望する連絡先に対して拾得者からの連絡を受けることができない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記連絡先情報を適切な他装置により適宜登録できる通信装置、通信装置の制御プログラム、および通信装置の制御プログラムを記録した記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る通信装置は、上記した構成において、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置であって、上記他装置から、当該通信装置の操作者が連絡を取ることができる連絡先の情報である連絡先情報を受信する受信手段と、上記受信手段により受信した上記連絡先情報を、機能の制限時における連絡先として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
なお、上記連絡先情報としては、例えば、本発明に係る通信装置の操作者により連絡が取れる連絡先の電話番号、メールアドレス、住所等の情報が挙げられる。
【0011】
上記構成によると、受信手段および登録手段を備えているため、他装置から、機能の制限の指示と共に、機能の制限時における連絡先の情報を受け付け登録することができる。すなわち、本発明に係る通信装置は、適切な他装置により上記連絡先情報を適宜登録することができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報を出力する連絡先情報出力手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0013】
上記構成によると、操作検知手段および連絡先情報出力手段を備えているため、当該通信装置の機能制限時において操作を検知した場合、該操作を実行する操作者に対して連絡先を出力することができる。このため、例えば、紛失等により本発明の通信装置に対して、他装置からの指示により機能を制限している際に、該通信装置を拾得し操作した操作者に対して適切な連絡先を示す連絡先情報を提供することができる。
【0014】
よって、本発明に係る通信装置は、操作者の操作に応じて該操作者に適切な連絡先情報を提供することができる。
【0015】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報により示される連絡先に対して通知する通知手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0016】
上記構成によると、操作検知手段および通知手段を備えているため、当該通信装置の機能制限時において操作を検知した場合、該操作に応じて連絡先情報として登録されている連絡先に通知することができる。
【0017】
このため、本発明に係る通信装置の所有者は、機能を制限させている通信装置に対して第3者による操作があったことを把握することができる。一方、上記操作者は、特に電話番号等の入力を行うことなく適切な連絡先に連絡をとることができる。
【0018】
よって、本発明に係る通信装置は、操作者の操作により、効率的に連絡先情報として登録されている連絡先との連絡をとることができる。
【0019】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置が有する機能を制限した日時を示す日時情報を記録する日時情報記録部と、上記日時情報記録部により記録された日時情報を出力する日時情報出力手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0020】
上記構成によると、上記日時情報を出力することができるため、通信装置の操作者は、該通信装置の機能が制限された日時を把握することができる。このように上記日時を把握することができるため、操作者は、該日時から現時点までの時間間隔等から連絡先情報の有効性を判断することができる。
【0021】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、上記他装置から上記受信手段により受信した連絡先情報が、該他装置を特定する情報であってもよい。
【0022】
なお、上記他装置を特定する情報とは、例えば、連絡先情報の送信元である他装置に割り当てられた、電話番号、メールアドレス、他装置の住所等、他装置と連絡が取れる情報である。
【0023】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、上記登録手段により登録されている連絡先情報の連絡先に対して、上記位置情報取得部により取得された位置情報を送信する送信手段と、を備えるように構成されていることが好ましい。
【0024】
上記構成によると、位置情報取得部および送信手段を備えるため、連絡先情報として登録されている連絡先に、本発明に係る通信装置の位置を知らせることができる。
【0025】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、上記受信手段が、上記登録された連絡先情報により連絡先として示される他装置から、他の連絡先情報を受信した場合、上記登録手段は、登録している連絡先情報を、この他の連絡先情報に変更して登録するように構成されていてもよい。
【0026】
上記構成によると、連絡先情報において連絡先として登録されている他装置から、新たな連絡情報を受信した場合に限り、既に登録している連絡先情報を、この新たな連絡先情報に変更することができる。このため、連絡先情報を勝手に変更されたりすることを防ぐことができる。
【0027】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限するための制限手段をさらに備え、上記制限手段は、少なくとも、上記連絡先情報によって示される連絡先からの着信に関する機能を制限しないように構成することが好ましい。
【0028】
上記構成によると、上記制限手段は、上記連絡先情報によって示された装置からの着信のみ応答できるように、自装置が有する機能を制限する。このように、連絡先情報により示された装置からの着信に対してのみ応答することができるため、勝手に他からの着信に対して応答されることを防ぎセキュリティを向上させることができる。
【0029】
さらには、上記セキュリティの向上を実現するとともに、連絡先として登録されている装置から本発明に係る通信装置に対して連絡を取ることができる。
【0030】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、上記連絡先情報によって示される連絡先以外からの着信を、該連絡先情報によって示される連絡先に転送する転送手段をさらに備えるように構成されていることが好ましい。
【0031】
上記構成によると、転送手段を備えているため、本発明に係る通信装置を紛失した場合であっても、該通信装置への発信を連絡先情報によって特定された装置にて受信することができる。
【0032】
なお、上記通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信装置をコンピュータにて実現させる通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る通信装置は、以上のように、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置であって、上記他装置から、当該通信装置の操作者が連絡を取ることができる連絡先の情報である連絡先情報を受信する受信手段と、上記受信手段により受信した上記連絡先情報を、機能の制限時における連絡先として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0034】
よって、本発明に係る通信装置は、適切な他装置により上記連絡先情報を適宜登録することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(実施形態1)
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係る通知設定システム100は、紛失した携帯通信装置1が有する各種機能を、他装置(本実施の形態では便宜上、携帯通信装置300と称する)からの指示に応じて利用できないように制御することができるものである。なお、このように携帯通信装置1の有する機能を利用できないように制御することをロックすると称する。また、この機能とは、例えば、通話機能、メール機能、またはカメラ機能など携帯通信装置1において利用可能なもの全般を指す。
【0036】
上記通知設定システム100では、図2に示すように、紛失した携帯通信装置1が、基地局200aと通信可能なエリアにある場合、該携帯通信装置1は、この基地局200a、ネットワーク(公衆回路網)、基地局200bを介して、携帯通信装置300との通信を確立することができるようになっている。また、後述するが、携帯通信装置1は、携帯通信装置300からの着信回数をトリガとして自装置が有する各種機能をロックすることができるようになっている。なお、図2は、本発明の実施形態を示すものであり、通知設定システム100の一例を示す図である。
【0037】
ここで、本実施の形態に係る通知設定システム100が備える携帯通信装置1の構成について図3に基づき説明する。図3は、本発明の実施形態を示すものであり、携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、上記携帯通信装置1は、アンテナ2、無線通信処理部3、信号処理部4、スピーカ5、マイク6、主制御部7、日時記録部8、操作部9、表示部10、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、および連絡先記憶部13を備えてなる構成である。ここで、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、および連絡先記憶部13は、読み書き可能な記録媒体であり、例えば、フラッシュEEPROMなどによって実現できる。
【0039】
上記ロック情報記憶部11は、後述するロック制御処理に利用するための情報であるパスワード21およびロック条件22、当該携帯通信装置1を紛失した場合の、拾得者に対する通知メッセージおよび拾得者が連絡可能な連絡先に関する情報等を変更するための認証に利用する情報である変更条件23を含んでいる。また、ロック情報記憶部11は、携帯通信装置1が有する各部がロックされた日時であるロック日時24を、主制御部7からの指示に応じて記録されるようにもなっている。
【0040】
すなわち、ロック情報記憶部11において、パスワード21、ロック条件22、および変更条件23は予め記憶されている情報であり、一方、ロック日時24は、後述するロック制御処理時に主制御部7からの制御に応じて記録される情報である。
【0041】
メッセージ記憶部12は、携帯通信装置300から携帯通信装置1が有する各部をロックするための手順(ロック制御処理手順)を、該携帯通信装置300の操作者に対して案内するための音声情報である音声ガイダンス25を含んでいる。また、メッセージ記憶部12は、携帯通信装置1を紛失した場合に、該携帯通信装置1の拾得者(操作者)が、所定の連絡先に連絡できるようにするための処理手順(連絡処理手順)を案内する音声情報である着信通知情報26も含む。また、メッセージ記憶部12は、携帯通信装置300から入力された、紛失した携帯通信装置1の拾得者(操作者)に対するメッセージである通知メッセージ27を、主制御部7からの制御により記憶するものでもある。
【0042】
すなわち、メッセージ記憶部12において、音声ガイダンス25および着信通知情報26は、予め記憶されている情報である。一方、通知メッセージ27は、携帯通信装置300から、携帯通信装置1の拾得者に対するメッセージを受信した際に、主制御部7からの制御により記憶される情報である。
【0043】
連絡先記憶部13は、上記携帯通信装置1の拾得者が連絡可能な連絡先として、携帯通信装置300から入力された連絡先電話番号28またはメールアドレス29を主制御部7からの制御により記憶するものでもある。
【0044】
なお、図3では、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、および連絡先記憶部13それぞれを個別に備える構成であるが、これに限定されるものではなく、携帯通信装置1の仕様に応じて構成を適宜変更することは可能であり、例えば、これらの記憶部が一体として設けられていてもよい。
【0045】
また、以上のように構成された携帯通信装置1は、以下のように、通話機能、およびメール機能などを実現することができる。
【0046】
まず、携帯通信装置1では、無線通信処理部3による送受信制御のもとに、アンテナ2を介して基地局200aとの信号の送受信を行う。そして、信号処理部4が、アンテナ2を介して送受信される信号に所定の信号処理を施す。これによって、基地局200aを介して相手側装置から送信されてくる音声をスピーカ5から出力したり、マイク6から入力される音声を、基地局200aを介して相手側装置(他装置)に送信したりするようになっている。すなわち、いわゆる通話機能が実現されている。
【0047】
また、携帯通信装置1は、信号処理部4において、音声データのみではなく、電子メールやWebページなどのテキストデータや画像データやHTMLデータも同様に処理できる。そして、これら処理したデータを不図示のメモリに格納し、その格納したデータに基づいて主制御部7が表示用の駆動信号を生成する。そして、この駆動信号に基づき、表示部10が画像や文字等を表示する。これにより、受信した電子メールおよび画像の表示やWebページの閲覧が可能となっている。また、逆の手順により、電子メールや画像の送信を行うことが可能となっている。すなわち、このような動作によって、いわゆるメール機能が実現されている。
【0048】
また、携帯通信装置1では、信号処理部4によって処理される音声データ(例えば、上記通知メッセージ27)をメッセージ記憶部12に格納することができる。これによって、通話機能とは関係なく、携帯通信装置300から入力される音声を音声データに変換してメッセージ記憶部12に格納するようになっている。
【0049】
なお、上記した通話機能およびメール機能は、携帯通信装置1の所有者が、操作部9を操作することにより実行することができる。この操作部9は、例えば、テンキー、電源のONまたはOFFなどの指示を入力するための指示ボタン等によって実現することができる。
【0050】
主制御部7は、携帯通信装置1が備える各部の各種制御を行うものである。主制御部7は、機能ブロックとしてロック設定処理部41、設定変更処理部42、連絡処理部43、通知情報入出力処理部44、および機能制御部45を備える。これら機能ブロックは、主制御部7が例えばCPU等によって実現される場合、該CPUが不図示のROM等に記憶されたプログラムを不図示のRAM等に読み出し実行することにより実現することができる。
【0051】
ロック設定処理部41は、携帯通信装置300からの着信回数およびパスワードの入力に応じて、携帯通信装置1が備える各部をロックするか否かを判定するものである。また、ロック設定処理部41は、受信した電子メールの件名に所定のパスワードを含むか否かに応じて、携帯通信装置1が備える各部をロックするか否かを判定するものでもある。ロック設定処理部41は、上記各部をロックすると判定した場合、機能制御部45に指示して該各部を操作できないように制御させる。さらに、このロック設定処理部41は、当該携帯通信装置1が有する各部をロックする際、このロック日時を、日時記録部8に問い合わせ、ロック情報記憶部11に記憶させる。
【0052】
また、携帯通信装置300から、当該携帯通信装置300の拾得者(操作者)が連絡可能な連絡先電話番号28の登録を受け付けた場合、ロック設定処理部41は、この連絡先電話番号28を連絡先記憶部13に記憶させるものでもある。また、ロック設定処理部41は、ロック設定処理に係る操作法を案内する音声ガイダンス25を、通知情報入出力処理部44に指示して通信を確立している携帯通信装置300に出力させるものでもある。
【0053】
設定変更処理部42は、ロック設定処理部41によりロックされた携帯通信装置1において、指定された連絡先から所定回数のコールを受信した場合、連絡先および/または通知メッセージの変更処理を行うものである。この設定変更処理部42は、指定された連絡先から所定回数のコールを受信すると、新たな連絡先(連絡先電話番号28)の入力を要求する旨の案内を示す音声ガイダンス25を、通知情報入出力処理部44に指示して携帯通信装置300に出力するものでもある。
【0054】
また、設定変更処理部42は、ロック設定処理部41により連絡先記憶部13にすでに記憶されている連絡先(連絡先電話番号28)を、携帯通信装置300から入力された連絡先(連絡先電話番号28)に更新するものでもある。
【0055】
連絡処理部43は、当該携帯通信装置1の拾得者による操作部9のキー操作に応じて、該携帯通信装置1の所有者との連絡が取れるように制御するためのものである。連絡処理部43は、拾得者による操作部9の操作により、メッセージ記憶部12に記憶されている通知メッセージ27を読み出し、信号処理部4を操作してスピーカ5から出力したり、表示部10を制御して、表示させたりする。
【0056】
また、連絡処理部43は、指定された連絡先(連絡先電話番号28)によって特定される装置に対して通信を確立する際、紛失した携帯通信装置1からの通信である旨を示す音声情報である着信通知情報26を出力するように通知情報入出力処理部44に指示するものでもある。
【0057】
通知情報入出力処理部44は、ロック設定処理部41、設定変更処理部42、および連絡処理部43からの指示に応じて、音声ガイダンス25または着信通知情報26等の通知情報を、連絡先として指定された装置に音声情報として出力できるように信号処理部4および無線通信処理部3を制御するものである。また、通知情報入出力処理部44は、連絡処理部43からの指示に応じて、信号処理部4を制御して通知メッセージ27をスピーカ5から出力したり、表示部10を制御して表示させたりもする。
【0058】
機能制御部45は、ロック設定処理部41からの指示に応じて、携帯通信装置1が有する機能をロックするように制御するものである。ただし、機能制御部45は、指定された連絡先からの着信に対してのみ応答可能とするように制御する。また、機能制御部45は、通知メッセージ27の出力や、連絡先として指定されている装置(携帯通信装置300)との通信の確立等、後述するロック制御処理、設定変更処理、および連絡処理において利用される機能に関しては実行できるように制御する。
【0059】
(ロック制御処理)
次に上記のように構成された携帯通信装置1におけるロック制御処理に係る詳細な説明を図1および図4を参照して行う。ここでは、まず携帯通信装置300からの着信回数と、該携帯通信装置300から入力されたパスワードとに基づきロック制御処理の実行の適否を判定する場合について説明する。
【0060】
また、図1は、本実施の形態に係る、ロック制御処理に関する携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図1では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置1においてロック制御処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0061】
(ロック制御処理に関わる携帯通信装置の構成)
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、上記ロック設定処理部41が、さらに機能ブロックとして、ロック設定判定部51、認証部52、連絡先取得部53(受信手段・登録手段)、メッセージ取得部54、および機能制御指示部55を備える。なお、機能制御指示部55と機能制御部45とにより本発明の制限手段を実現する。
【0062】
ロック設定判定部51は、ロック設定処理を実行するか否かを判定するものである。ロック設定判定部51は、他装置(携帯通信装置300)から所定時間(例えば3分間)に所定回数(例えば3回)の着信があったことを確認すると、認証部52にこの着信があった携帯通信装置300の利用者に対してパスワードの入力を要求するように指示する。なお、この所定回数(3回)および所定時間(3分間)に関する情報はロック条件22としてロック情報記憶部11に記憶されており、ロック設定判定部51が、このロック条件22を参照することにより、ロック設定処理の実行の適否を判定することができる。
【0063】
認証部52は、ロック設定判定部51からの指示に応じて、上記携帯通信装置300の利用者に対してパスワードの入力を要求し、取得したパスワードの認証を行うものである。そして、認証部52は、予めロック情報記憶部11に記憶しているパスワード21を参照して、取得したパスワードの正当性を検証し、正当であると判定した場合、連絡先取得部53に対して、携帯通信装置1の拾得者が連絡をとるべき連絡先の電話番号(連絡先電話番号28)の入力要求を指示する。
【0064】
上記認証部52は、このパスワードの入力要求を、以下のようにして実行することができる。すなわち、ロック設定判定部51からの指示に応じて、認証部52は、通知情報入出力処理部44を制御してパスワードの入力を要求する旨を示した音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信するように制御する。この認証部52の制御により、通知情報入出力処理部44は、例えば、「パスワードを入力してください」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0065】
このように、認証部52は、音声ガイダンス25によりパスワードの入力を携帯通信装置300の利用者に促し、取得することができる。
【0066】
連絡先取得部53は、認証部52からの指示に応じて、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)に、連絡先電話番号28の登録を要求するものである。この連絡先電話番号28の登録要求は、上記したパスワードの入力要求と同様にして実現することができる。すなわち、連絡先取得部53は、例えば、「連絡先電話番号を入力してください」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0067】
連絡先取得部53は、携帯通信装置300から連絡先電話番号28を取得すると、連絡先記憶部13に記憶させるとともに、メッセージ取得部54に対して、当該携帯通信装置1の拾得者に対して通知するメッセージを取得するように指示する。
【0068】
メッセージ取得部54は、連絡先取得部53からの指示に応じて、携帯通信装置300の利用者に対して、拾得者に対するメッセージ(通知メッセージ27)の登録を要求し、取得するものである。この通知メッセージ27の登録要求は、上記したパスワードの入力要求と同様にして実現することができる。すなわち、メッセージ取得部54は、例えば、「通知メッセージをお話ください」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0069】
また、メッセージ取得部54は、携帯通信装置300から通知メッセージ27を受信するとメッセージ記憶部12に記憶させるとともに、機能制御指示部55に対して、連絡先電話番号28が割り当てられている装置との通信を除く携帯通信装置1が有する各種機能をロックするように指示する。
【0070】
機能制御指示部55は、メッセージ取得部54からの指示に応じて、機能制御部45に、携帯通信装置1が有する各種機能をロックするように指示するものである。
【0071】
(ロック制御処理フロー)
次に、図4を参照して、ロック制御処理に係る処理の流れについて説明する。図4は、本実施の形態に係る通知設定システム100におけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
まず、前提として携帯通信装置1が紛失された状況にあり、かつ携帯通信装置1と携帯通信装置300とが基地局200を介して互いに通信可能となっているものとする。また、携帯通信装置300は、携帯通信装置1の所有者が予備として保持している別の携帯通信装置であってもよいし、該所有者の同伴者が所持する携帯通信装置であってもよい。すなわち、携帯通信装置300は、携帯通信装置1の所有者によってパスワード、連絡先電話番号、通知メッセージを携帯通信装置1に対して送信することができる装置であればよい。
【0073】
このような前提において、携帯通信装置1の所有者(すなわち、携帯通信装置300の利用者)が該携帯通信装置1の紛失に気がつくと、携帯通信装置300の操作キーを操作して、携帯通信装置1に対して発信する(ステップS11、これ以降S11のように称する)。なお、本実施形態では、携帯通信装置300から携帯通信装置1に対してロック制御を指示する場合は、上記携帯通信装置1の所有者は、この発信を3分間に3回行うように設定されている。
【0074】
一方、他装置からの着信を確認すると(S21)、携帯通信装置1では、ロック設定判定部51がロック条件22を満たすか否か、すなわち、同じ電話番号から3分間に3回の着信があったか否かを判定する(S22)。ここで、同じ電話番号(本実施形態では携帯通信装置300の電話番号)からの、3回の着信が3分間以内にあった旨の確認が取れると(S22において「Yes」)、ロック設定判定部51は、認証部52に指示して着信のあった携帯通信装置(携帯通信装置300)に対して、パスワードの入力を要求するように指示する。
【0075】
このロック設定判定部51からの指示に応じて、認証部52は、パスワードの入力を携帯通信装置300に対して要求する(S23)。すなわち、認証部52は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御してパスワードの入力を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する。
【0076】
一方、携帯通信装置300において、携帯通信装置1からパスワードの入力を促す音声ガイダンス25を受信すると、この音声ガイダンス25の指示に従って、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が携帯通信装置1に予め設定しているパスワードを入力し、この入力したパスワードを携帯通信装置1に送信する(S12)。
【0077】
携帯通信装置1では、認証部52がこの入力されたパスワードを受信し、ロック情報記憶部11に格納しているパスワード21と一致するか否かを判定する(S24)。ここで、認証部52は、入力されたパスワードが、パスワード21と一致すると判定した場合、連絡先取得部53に対して、携帯通信装置1の拾得者が連絡をとる連絡先電話番号28の登録を要求するように指示する。この認証部52からの指示に応じて、連絡先取得部53は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して連絡先電話番号28の登録を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する(S25)。
【0078】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、単に、「連絡先電話番号を入力してください」といったものであってもよいし、現在通信を行っている携帯通信装置300の電話番号を連絡先電話番号とするか、それ以外の電話番号を連絡先電話番号とするかといった、いくつか選択可能な内容であってもよい。
【0079】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「リモートロックを設定します。連絡先電話番号として、おかけの電話の電話番号を登録するときは(1)を、別の電話番号を登録するときは(3)を押してください。(3)を押した場合、連絡先電話番号を入力してください。」などが挙げられる。また、さらに、予め携帯通信装置1において、連絡先電話番号を設定している場合、この設定している連絡先電話番号を登録する連絡先電話番号28の選択肢に加える構成であってもよい。
【0080】
携帯通信装置1から連絡先電話番号28の登録を要求する音声ガイダンス25を受信すると、この音声ガイダンス25にしたがって、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が携帯通信装置300の操作キーを操作して連絡先電話番号28を入力あるいは、選択する。そして、携帯通信装置300は、入力、あるいは選択した連絡先電話番号28を携帯通信装置1に送信する(S13)。
【0081】
携帯通信装置1では、連絡先取得部53が、携帯通信装置300から連絡先として登録する連絡先電話番号28受信すると、連絡先記憶部13に保存する(S26)。そして、連絡先取得部53は、メッセージ取得部54に指示して、通知メッセージ27の登録を要求させる。メッセージ取得部54は、連絡先取得部53からの指示に応じて、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27の登録を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する(S27)。
【0082】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、単に、「通知メッセージをお話ください」といったものであってもよいし、拾得者に対する通知メッセージ27を登録するか否かを確認し、登録を希望する場合のみ通知メッセージ27を要求する内容であってもよい。
【0083】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「通知メッセージを登録するときは(1)を、登録しないときは(3)を押してください。(1)を押した場合、通知メッセージをお話ください。」などが挙げられる。また、さらに、予め携帯通信装置1において通知メッセージを設定している場合、この設定している通知メッセージも、登録する通知メッセージ27の選択肢に加える構成であってもよい。
【0084】
携帯通信装置1から通知メッセージ27の登録を要求する音声ガイダンス25を受信すると、この音声ガイダンス25にしたがって、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が携帯通信装置300の操作キーを操作して通知メッセージ27を入力あるいは、選択する。そして、携帯通信装置300は、入力、あるいは選択した通知メッセージ27を携帯通信装置1に送信する(S14)。
【0085】
携帯通信装置1では、メッセージ取得部54が、携帯通信装置300から拾得者に対するメッセージとして登録する通知メッセージ27を受信すると、メッセージ記憶部12に保存する(S28)。そして、メッセージ取得部54は、機能制御指示部55に指示して、携帯通信装置1が有する各種機能をロックさせる。機能制御指示部55は、メッセージ取得部54からの指示に応じて携帯通信装置1が有する各種機能をロックする(S29)とともに、日時記録部8に指示してこのロック時における日時を取得し、ロック日時24としてロック情報記憶部11に記憶する(S30)。そして、機能制御指示部55は、通知情報入出力処理部44を制御して、ロック制御処理が終了した旨を示す情報を含む音声ガイダンス25を読み出し、携帯通信装置300に送信させる(S31)。
【0086】
なお、機能制御部45は、機能制御指示部55からの指示に応じて携帯通信装置1が有する各種機能のロックする際、連絡先電話番号28として登録されている装置との通信に関しては実行できるように制御する。このため、携帯通信装置1の所有者が、連絡先電話番号28が割り当てられている携帯通信装置から該携帯通信装置1の拾得者と連絡を取ることが可能となる。
【0087】
また、機能制御部45は、上記連絡先電話番号28を示す情報が、携帯通信装置1において非表示となるように制御している。このため、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、該携帯通信装置1の所有者の連絡先を拾得者に知られることがないため、該所有者のプライバシーが保護される。
【0088】
以上のように本実施の形態に係る携帯通信装置1は、ロック設定処理部41が、発信元からの着信状況がロック条件22を充たし、発信元から入力されたパスワード21の正当性が確認された場合、該着信元からの入力によって、携帯通信装置1が有する機能をロックすることができる。このため、携帯通信装置1を紛失した該携帯通信装置1の所有者は、他装置(携帯通信装置300)を使用して、この紛失した携帯通信装置1が有する機能を第3者が勝手に利用することを防ぐことができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、予め連絡先電話番号を登録しておき、この登録された連絡先電話番号の装置から当該携帯通信装置1の機能をロックする構成ではなく、パスワードを設定しておき、正当なパスワードの入力により携帯通信装置1の各種機能をロックできる構成である。このため、携帯通信装置1の所有者は、携帯通信装置1の各種機能のロックを、正当なパスワードを覚えておくだけで、該携帯通信装置1と通信を確立できるあらゆる装置から行うことができる。すなわち、ロック制御処理を実行するための装置が特定されないため、携帯通信装置1のロック制御処理を効率的に行うことができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、以上のように、ロック設定制御処理時に連絡先電話番号28および通知メッセージ27を遠隔地から設定できる構成である。このため、予め連絡先電話番号28、および通知メッセージ27を携帯通信装置1に登録している場合よりも、携帯通信装置1の所有者の現状に応じた、適切な連絡先電話番号28および通知メッセージ27を登録することができる。すなわち、携帯通信装置1の所有者の状況(例えば、旅行先にまだ滞在しているのか、自宅に戻ったのかなど)に応じて、適切な連絡先または拾得者への通知メッセージを設定することができる。
【0091】
(設定変更処理)
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、上記した処理によりロック制御処理が行われロックされた状態において、登録した連絡先電話番号28および/または通知メッセージ27を変更することができるように構成されている。そこで、下記において、図5および図6を参照して、ロック制御されている携帯通信装置1における設定変更処理について説明する。
【0092】
なお、図5は設定変更処理に関する本実施の形態に係る携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図5では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置1において設定変更処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0093】
(設定変更処理に関わる携帯通信装置の構成)
図5に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、主制御部7が機能ブロックとして有する設定変更処理部42が、さらに連絡先判定部61、変更条件判定部62、変更連絡先取得部63、および変更メッセージ取得部64を備える構成である。
【0094】
上記連絡先判定部61は、着信があった際、その通信相手の装置に割り当てられている電話番号が、連絡先電話番号28として登録している電話番号と一致するか否かを判定するものである。連絡先判定部61は、上記一致すると判定した場合、変更条件判定部62に対して設定変更処理を実行するために設定されている変更条件23を満たすか否かを判定するように指示する。
【0095】
変更条件判定部62は、連絡先判定部61からの指示に応じて、登録されている連絡先電話番号28が割り当てられた装置からの着信状況が、変更条件23に合致するか判定する。なお、本実施形態では、この変更条件23として、コール(着呼)の回数が設定されており、着信状況としてコールが10回に達すると、変更条件判定部62は、変更連絡先取得部63に指示して、連絡先電話番号28の変更確認を要求させる。
【0096】
変更連絡先取得部63は、変更条件判定部62からの指示に応じて、発信元の装置に対して連絡先電話番号28の変更確認を要求し、この連絡先電話番号28を変更する場合は、新たな連絡先電話番号28を取得するものである。変更連絡先取得部63は、連絡先電話番号28の変更確認の要求を以下のようにして実行することができる。
【0097】
すなわち、変更条件判定部62からの指示に応じて、変更連絡先取得部63は、通知情報入出力処理部44を制御して連絡先電話番号28の変更の有無の確認を要求する旨を示した音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信するように制御する。この変更連絡先取得部63の制御により、通知情報入出力処理部44は、例えば、「連絡先電話番号を変更しますか?」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0098】
ここで、この携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置1の所有者が連絡先電話番号28を変更させるため、変更後の連絡先電話番号28を入力し、携帯通信装置1に送信した場合、この変更後の連絡先電話番号28を変更連絡先取得部63が取得する。このように、変更連絡先取得部63は、音声ガイダンス25により連絡先電話番号28の変更の要否を確認させ、変更する必要がある場合は、変更後の連絡先電話番号28を取得することができる。
【0099】
変更連絡先取得部63は、変更後の連絡先電話番号28を取得すると、連絡先記憶部13に記憶させ、既に記憶されていた連絡先電話番号28の更新を行うとともに、変更メッセージ取得部64に、通知メッセージ27の変更確認を要求するように指示する。
【0100】
変更メッセージ取得部64は、変更連絡先取得部63からの指示に応じて、発信元の装置に対して通知メッセージ27の変更確認を要求し、通知メッセージ27を変更する場合は、新たな通知メッセージ27を取得するものである。変更メッセージ取得部64は、通知メッセージ27の変更確認の要求を以下のようにして実行することができる。
【0101】
すなわち、変更連絡先取得部63からの指示に応じて、変更メッセージ取得部64は、通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27の変更の有無の確認を要求する旨を示した音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信するように制御する。この変更メッセージ取得部64の制御により、通知情報入出力処理部44は、例えば、「通知メッセージを変更しますか?」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0102】
ここで、この携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)が通知メッセージ27を変更させるため、新たな通知メッセージ27を入力し、携帯通信装置1に送信した場合、この通知メッセージ27を変更メッセージ取得部64が取得する。このように、変更メッセージ取得部64は、音声ガイダンス25により通知メッセージの変更の要否を確認させ、変更する必要がある場合は、新たなの通知メッセージ27を取得することができる。
【0103】
変更メッセージ取得部64は、新たな通知メッセージ27を取得すると、メッセージ記憶部12に記憶させ、既に記憶されていた通知メッセージ27の更新を行うとともに、着信元の装置に対して、設定変更処理が完了した旨を示す情報を含む音声ガイダンス25を送信させる。
【0104】
(設定変更処理フロー)
次に、図6を参照して、設定変更処理に係る処理の流れについて説明する。図6は、本実施の形態に係る通知設定システム100における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。なお、この設定変更とは、例えば、紛失し各種機能がロックされた携帯通信装置1において、例えば登録されている連絡先電話番号28、通知メッセージ27など、ロック制御処理時に設定した内容を変更させることである。
【0105】
まず、前提として携帯通信装置1が紛失された状況にあり、この携帯通信装置1の所有者による他装置からの操作によって各種機能がロックされている状態にあるものとする。また、携帯通信装置1は、基地局200を介して他装置と互いに通信可能となる範囲に存在するものであり、また、携帯通信装置300は、携帯通信装置1において登録されている連絡先電話番号28が割り当てられている装置であるものとする。
【0106】
各種機能をロックしている携帯通信装置1における設定変更を行うために、携帯通信装置1の所有者が、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300から発信する(S41)。
【0107】
一方、携帯通信装置300からの着信を確認すると(S51)、携帯通信装置1では、連絡先判定部61が、この発信元の電話番号が連絡先電話番号28と一致するか否かを判定する(S52)。そして、連絡先判定部61が、この発信元の電話番号が連絡先電話番号28と一致すると判定した場合(S52において「YES」)、変更条件判定部62がこの発信元からの着信状況が変更条件23を満たすか否かを判定する(S53)。なお、上記したように本実施形態では、この変更条件23として、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300からのコールが10回あった場合(S53において「YES」)、設定変更処理を実行するように設定している。
【0108】
ここで、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300からの着信において、コールが10回に達すると、すなわち、変更条件23を満たすと、変更連絡先取得部63が、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)に対して、連絡先電話番号28の変更確認を要求する(S54)。すなわち、変更連絡先取得部63は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して連絡先電話番号28の、変更の有無の確認を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する。
【0109】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、例えば、「連絡先電話番号を入力してください」といったものであってもよいし、連絡先電話番号28の変更の要否を確認した上で、新たな連絡先電話番号の入力を促すものであってもよい。
【0110】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「連絡先を変更しますか?連絡先を変更するときは(1)を、変更しないときは、(3)を押してください。」と変更の要否を確認する。そして、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)により(1)が押下された場合、「新しい連絡先電話番号を入力してください。」といった内容が挙げられる。
【0111】
一方、ステップS52において「NO」の場合は、ロック設定制御処理が完了している状態、すなわち、ステップS51に戻って他装置からの着信を待ち受ける状態に戻る。
【0112】
また、ステップS53において「NO」の場合は、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300からの着信状況が変更条件23を満たすまで該着信状況を監視しておく。
【0113】
ここで、携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が新たな連絡先電話番号28の設定を選択する。そして、携帯通信装置300において、新たな連絡先電話番号28を入力したとする。この場合、携帯通信装置300は、この入力された連絡先電話番号28を、携帯通信装置1に送信する(S42)。一方、携帯通信装置1では、携帯通信装置300から新たな連絡先電話番号28を受信すると、連絡先記憶部13に既に記憶されている連絡先電話番号28をこの受信した電話番号に更新する(S55)。
【0114】
このようにして、携帯通信装置1において連絡先電話番号28が更新されると、変更メッセージ取得部64が、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)に対して、通知メッセージ27の変更確認を要求する(S56)。すなわち、変更メッセージ取得部64は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27の、変更の有無の確認を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する。
【0115】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、例えば、「通知メッセージを入力してください」といったものであってもよいし、通知メッセージ27の変更の要否を確認した上で、新たな通知メッセージの入力を促すものであってもよい。
【0116】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「通知メッセージを変更しますか?通知メッセージを変更するときは(1)を、変更しないときは、(3)を押してください。」と変更の要否を確認する。そして、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)により(1)が押下された場合、「通知メッセージをお話ください。」といった内容が挙げられる。
【0117】
ここで、携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が新たな通知メッセージを選択する。そして、携帯通信装置300において、新たな通知メッセージを入力したとする。この場合、携帯通信装置300は、この入力された通知メッセージの情報を、携帯通信装置1に送信する(S43)。一方、携帯通信装置1では、携帯通信装置300から新たな通知メッセージの情報を受信すると、メッセージ記憶部12に既に記憶されている通知メッセージ27を更新する(S57)。
【0118】
このようにして、通知メッセージ27を変更すると、変更メッセージ取得部64は、通知情報入出力処理部44を制御して、設定変更処理が終了した旨を示す情報を含む音声ガイダンス25を読み出し、携帯通信装置300に送信させる(S58)。
【0119】
以上のように、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、設定変更処理部42が発信元の着信状況が変更条件23を満たす場合、ロック制御処理時に設定した情報(例えば、連絡先電話番号または通知メッセージ)を変更することができる。このため、携帯通信装置1の所有者の状況(例えば、旅行先にまだ滞在しているのか、自宅に戻ったのかなど)に応じて、適切な連絡先または拾得者への通知メッセージを設定することができる。
【0120】
(連絡処理)
また、上記ロック制御処理によりロックされた携帯通信装置1が拾得された場合、この拾得者は、携帯通信装置1を操作して、登録されている連絡先電話番号28の装置に対して発信し連絡することができるようになっている。そこで、下記において、図7および図8を参照して、上記携帯通信装置1における、連絡先電話番号28の装置との連絡に係る処理(連絡処理)について説明する。
【0121】
なお、図7は連絡処理に関する本実施の形態に係る携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図7では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置1において連絡処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0122】
(連絡処理に関わる携帯通信装置の構成)
図5に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、主制御部7が機能ブロックとして有する連絡処理部43が、さらに通知メッセージ確認部(操作検知手段)71、再生確認部72、連絡確認部73、および着信通知情報送信部74を備えてなる構成である。
【0123】
上記通知メッセージ確認部71は、操作部9からの入力に応じて、メッセージ記憶部12において、通知メッセージ27が記憶されているか否かを確認し、通知メッセージ27がある場合はその旨を表示部10に表示するように制御するものである。なお、この操作部9からの入力とは、例えば、以下の検知により実現できる。すなわち、拾得者による、操作キーの押下に対する検知、または、携帯通信装置1がクラムシェル型の場合は、その折り畳まれた携帯通信装置1を開いたことに対する検知などである。
【0124】
上記通知メッセージ確認部71は、表示部10において、通知メッセージ27がある旨を表示させている間、上記再生確認部72に対して、操作部9からの該通知メッセージ27の再生指示を待ち受けるように指示する。また、通知メッセージ確認部71は、通知メッセージ27がないと判定した場合は、連絡確認部73に対して、連絡確認画面を表示させるように指示する。なお、この連絡確認画面とは、図9に示すように、例えば連絡先電話番号28に電話をかけることにより、携帯通信装置1の所有者と連絡をとるか否かを確認する内容が示されている画面である。なお、この図9は、本実施の形態に係る携帯通信装置1における、連絡確認画面の一例を示す図である。
【0125】
上記再生確認部72は、通知メッセージ確認部71からの指示に応じて、操作部9からの通知メッセージ27の再生指示を待ち受け、再生指示を受け付けた場合、通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27をスピーカ5から出力させ再生させるものである。
【0126】
再生確認部72は、通知メッセージ27を再生させると、連絡確認部73に対して、連絡確認画面を表示させるように指示する。
【0127】
上記連絡確認部73は、通知メッセージ確認部71または再生確認部72からの指示に応じて、表示部10に連絡確認画面を表示させるように制御するものである。この表示された連絡確認画面の示す内容に応じて、拾得者から連絡先電話番号28の装置との通信を確立する旨の指示を受け付けた場合、連絡確認部(通知手段)73は、連絡先電話番号28の装置との通信を確立させる。そして、連絡確認部73は、連絡先電話番号28の装置との通信が確立された旨の確認が取れると、着信通知情報送信部74に対して、メッセージ記憶部12に格納している着信通知情報26を、連絡先電話番号28の装置に送信するように指示する。なお、この着信通知情報26の内容としては、例えば、「紛失した携帯通信装置からの着信である」旨を示す内容が挙げられる。
【0128】
着信通知情報送信部74は、連絡確認部73からの指示に応じて、メッセージ記憶部12から着信通知情報26を読み出し、通信が確立された装置に送信するように制御するものである。着信通知情報送信部74は、通知情報入出力処理部44を制御して、着信通知情報26を信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0129】
(連絡処理フロー)
次に、図8を参照して、連絡処理に係る処理の流れについて説明する。図8は、本実施の形態に係る通知設定システム100における連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、前提として携帯通信装置1が紛失された状況にあり、この携帯通信装置1の所有者による他装置からの操作によって、各種機能がロックされている状態にあるものとする。また、携帯通信装置1は、基地局200を介して他装置と互いに通信可能となる範囲に存在するものであり、また、携帯通信装置300は、携帯通信装置1において登録されている連絡先電話番号28が割り当てられている装置であるものとする。
【0131】
このような前提において、携帯通信装置1を第3者が拾得し、該携帯通信装置1が備える操作部9の操作キーを押下し、この押下を通知メッセージ確認部71が検知したとする
(S71において「YES」)。この場合、通知メッセージ確認部71は、メッセージ記憶部12を参照して通知メッセージ27が登録されているか否かを判定する(S72)。ここで、通知メッセージ27が登録されている場合(S72において「YES」)、通知メッセージ確認部71は、表示部10を制御して、例えば、図11に示すように、上記通知メッセージ27が登録されていることを拾得者に通知し、この通知メッセージ27の再生の要否を問い合わせるための表示を行う。(S73)。
【0132】
なお、この表示の際、通知メッセージ確認部71は、ロック情報記憶部11からロック日時24を読み出し、このロック日時24も共に表示させる。すなわち、通知メッセージ確認部71は、日時情報出力手段を実現する。このように、ロック日時を表示することにより、拾得者は、携帯通信装置1を紛失しロックした日時から時間が経過しているか否かを判断することができる。そして、ロックした日時からそれほど時間が経過していないと判断できる場合、この紛失した地域の近隣に携帯通信装置1の所有者が存在する可能性が高く、連絡を取って返却できる確率が高いものと判断できる。
【0133】
なお、この図11は、本実施の形態に係る携帯通信装置1における、通知メッセージ27の再生の要否を確認する表示例を示す図である。
【0134】
一方、通知メッセージ確認部71が、通知メッセージ27が登録されていないと判定した場合(S72において「NO」)、表示部10を制御して図9に示す連絡確認画面を表示させる(S76)。
【0135】
ステップS73において、通知メッセージ確認部71が図11に示すように通知メッセージ27の再生の要否を確認すると、再生確認部72に対して、操作部9から入力される上記再生の要否の判定を待ち受けるように指示する。この指示に応じて、再生確認部72が、上記再生の要否の判定を待ち受け、拾得者が通知メッセージ27の再生を選択したか否かを判定する(S74)。ステップS74において「YES」の場合、再生確認部72は、通知情報入出力処理部44に指示して、通知メッセージ27を再生させる(S75)。なお、ステップS75において、通知メッセージ27を再生している際、表示部10では、例えば、図12に示すように「メッセージ再生中」を示す内容が表示される。なお、図12は、通知メッセージの再生時における、本実施の形態に係る携帯通信装置の表示部10での表示例を示す図である。
【0136】
また、このとき再生される通知メッセージ27の音声は、スピーカ5から出力されるが、出力される音声の状態は、不図示の受話部に拾得者が耳を当てることにより聞き取れるものであってもよいし、携帯通信装置1の周囲で聞こえる程度であってもよい。また、携帯通信装置1をマナーモードに設定している場合、この通知メッセージ27の再生前に、マナーモードを解除してもよいか確認を取る構成であってもよい。
【0137】
通知メッセージ17の再生が終了する、あるいは通知メッセージ27が登録されていない場合、連絡確認部73は、表示部10を制御して図9に示すような連絡確認画面を表示させる(S76)。そして、連絡確認部73は、連絡先電話番号28として登録されている連絡先、すなわち所有者への連絡を行うか否かを問い合わせる。
【0138】
この問い合わせの表示に対して、拾得者が操作部9を操作して所有者への連絡を行う、すなわち、連絡先電話番号28への発信を指示した場合(S77において「YES」)、
連絡確認部73は、連絡先電話番号28を読み出す。そして、連絡確認部73は、信号処理部4を介して無線通信処理部3を制御し、連絡先電話番号28によって特定される装置(携帯通信装置300)に対して発信する(S78)。
【0139】
また、連絡確認部73は、携帯通信装置300に対して発信している間、発信中である旨を示すように、例えば、図10に示すように表示する。ただし、携帯通信装置1の所有者の、プライバシー保護の観点から、拾得者に発信先の電話番号が知られないようにするため、該電話番号を表示しないようになっている。なお、この図10は、本実施の形態に係る通知設定システム100における、携帯通信装置1の拾得者から該携帯通信装置1の所有者への発信時における表示例を示す図である。
【0140】
一方、携帯通信装置300では、携帯通信装置1から着信があると(S61)、携帯通信装置1との通信を確立する。そして、携帯通信装置300と携帯通信装置1との間で通信が確立された旨を携帯通信装置1において確認した場合、着信通知情報送信部74が、「紛失した携帯通信装置からの着信である」旨を示す着信通知情報26を、通知情報入出力処理部44を制御してメッセージ記憶部12から読み出す。そして、通知情報入出力処理部44が、読み出した着信通知情報26を信号処理部4、および無線通信処理部3を介して携帯通信装置1に送信する(S79)。
【0141】
このように、携帯通信装置1から着信通知情報26が出力されることにより、携帯通信装置300を利用する、携帯通信装置1の所有者は、紛失した携帯通信装置1からの着信である旨を確実に把握することができる。
【0142】
そして、携帯通信装置1と携帯通信装置300との間で通話(S62およびS80)を行い、連絡処理フローは終了する。ただし、ステップS77において、携帯通信装置1の拾得者が発信を選択しなかった場合、ステップS71に戻って、ロックされた携帯通信装置1が放置されている状態に戻る。
【0143】
なお、上記した再生を確認する表示、および連絡確認画面を実現するための表示データは、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、または連絡先記憶部13のいずれか、あるいは不図示の記憶部に記憶されている。そして、通知メッセージ確認部71および連絡確認部73がこの表示データを読み出し、表示部10を制御して表示させるようになっている。
【0144】
また、上記した連絡処理フローにおいて、通知メッセージ27の有無の判定を、拾得者による操作部9の操作キーの押下に対する検知によって行っていたがこれに限定されるものではない。例えば、上記したように、携帯通信装置1がクラムシェル型の場合は、その折り畳まれた携帯通信装置1を開いたことを検知し、通知メッセージ確認部71が通知メッセージ27の有無を判定する構成であってもよい。
【0145】
さらには、携帯通信装置1に温度センサ、赤外線センサ、振動検知センサ等のセンサを備え、該センサにより携帯通信装置1を第3者が拾得したことを検知した場合、通知メッセージ確認部71が通知メッセージ27の有無を判定する構成であってもよい。
【0146】
以上のように、通知メッセージ27が登録されている場合、該通知メッセージ27を再生することができるため、拾得者は携帯通信装置1の所有者からの依頼内容を確認することができる。そして、この依頼内容を確認した上で、携帯通信装置1の拾得者は、携帯通信装置1の所有者が登録した連絡先に対して連絡をとることができる。
【0147】
なお、本実施の形態に係る携帯通信装置1において、上記ロック制御処理のトリガとなるロック条件22は、同一の装置から3分間に3回着信があるか否かであったがこれに限定されるものではなく、例えば、変更条件23と同じであってもよい。あるいは、パスワード21の入力をロック制御処理のトリガとしてもよい。すなわち、ロック条件22は、
携帯通信装置1において、ロック制御処理の開始を示すことを特定できる情報であればよい。
【0148】
また、同様に本実施の形態に係る携帯通信装置1において、設定変更処理のトリガとなる変更条件23も、上記したような10回のコールに限定されるものではなく、例えば、ロック条件22と同じであってもよい。すなわち、変更条件23は、携帯通信装置1において、ロック制御処理によって設定されている連絡先電話番号28、通知メッセージ27の変更指示を示すことを特定できる情報であればよい。
【0149】
なお、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、上記したように、連絡先電話番号28を示す情報を、非表示となるように制御する構成である。ところで、紛失した携帯通信装置1は、基地局200を介して通信可能な範囲(通信圏)外にあったり、バッテリー残量がほとんどなかったりするなどの要因のため、使用できない状況におかれる可能性がある。
【0150】
このような場合、拾得者が他の通信装置を使用して、紛失した携帯通信装置1の所有者に連絡をとってくれることを期待して、非表示となっている連絡先電話番号28を、拾得者による操作指示に応じて表示できることが好ましい。
【0151】
そこで、携帯通信装置1は、この連絡先電話番号28の表示または非表示を、ロック制御処理時に選択したり、設定変更処理時に設定を変更したりすることができるように構成されていてもよい。なお、このように、連絡先電話番号28の表示または非表示の選択を行うことができる場合、携帯通信装置1は下記のように構成される。
【0152】
すなわち、携帯通信装置1では、ロック制御処理時に、連絡先取得部53が。連絡先電話番号28の情報を取得する際、該連絡先電話番号28の表示または非表示に関する指示も受け付ける。そして、この指示に応じて、連絡先取得部53は、ロック制御処理完了後における連絡先電話番号28の表示または非表示を、機能制御指示部55を介して機能制御部45に指示する。これによって、ロック制御処理時に携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)は、連絡先電話番号28の表示または非表示を選択することができる。
【0153】
また、携帯通信装置1では、設定変更処理時に、変更連絡先取得部63が変更する連絡先電話番号28の情報を取得する際、該連絡先電話番号28の表示または非表示に関する指示も受け付ける。そして、この指示に応じて、変更連絡先取得部63は、連絡先電話番号28の変更時に、該連絡先電話番号28の表示または非表示を、機能制御指示部55を介して機能制御部45に指示する。これによって携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)は、変更後の連絡先電話番号28の表示または非表示を設定することができる。なお、連絡先取得部53、機能制御指示部55、および機能制御部45によって、連絡先情報出力手段を実現する。
【0154】
上記した携帯通信装置1では、携帯通信装置1が有する各種機能をロックする構成となっている。しかしながら、携帯通信装置1は、携帯通信装置300以外の装置からの着信を受け付けた場合、着信内容を、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300に転送するように構成されていてもよい。
【0155】
すなわち、携帯通信装置1は、図13に示すように、図3に示す構成において、携帯通信装置300以外の装置からの着信を、携帯通信装置300に転送するための転送処理部14を備える。なお、この図13は、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図13において、図3と同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0156】
他装置からの着信があった際に、主制御部7における設定変更処理部42は、通信相手の電話番号が、連絡先電話番号28と一致するか否かを判定する。そして、一致しないと判定した場合、設定変更処理部42は、転送処理部14を制御してこの通信相手からのメッセージ等を連絡先電話番号28として登録されている装置に転送させる。なお、転送処理部14は、紛失した携帯通信装置1からの転送である旨を通知する着信通知情報26とともに、携帯通信装置1に通知されたメッセージ等を転送する。
【0157】
一方、着信があった他装置の電話番号が連絡先電話番号28と一致すると判定する場合、設定変更処理部42は、連絡先電話番号28として登録している装置からのコールが10回に達するか否か、すなわち、変更条件23を満たすものであるか否かを判定し、上記した設定変更処理を実行する。
【0158】
このように構成されている場合、携帯通信装置1が紛失状態にあることを知らない第3者からの連絡を受けた場合であっても、この携帯通信装置1の所有者はこの第3者からの連絡内容を知ることができる。
【0159】
なお、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、ロック制御処理において、当該携帯通信装置1が有する機能をロックした際の日時をロック日時24として記録する構成であった。しかしながら、設定変更処理によって連絡先電話番号28または通知メッセージ27が更新された日時をロック日時24として登録しなおすように構成されていてもよい。この場合、設定変更処理部42が、設定変更処理完了時に、日時記録部8を制御して日時情報を取得し、ロック情報記憶部11に記憶されているロック日時24を更新する。
【0160】
このように、ロック日時24を更新することにより、拾得者に対して、携帯通信装置1に登録されている連絡先および通知メッセージの内容が設定された日時を知ることができる。このため、携帯通信装置1を拾得した際、設定されているロック日時24の日時からそれほど経過していない場合は、拾得者は、登録されている連絡先電話番号および通知メッセージが有効である可能性が高いなどの判断を下すことができる。
【0161】
なお、本実施の形態に係る通知設定システム100において、連絡先電話番号28として登録している電話番号の携帯通信装置300自体も紛失するという事態が想定できる。そこで、上記携帯通信装置1は、連絡先電話番号28の装置からの着信状況が変更条件23を充たす場合のみ上記設定変更処理を実行できるのではなく、下記のように構成することで上記した問題に対処できるようになっていてもよい。
【0162】
すなわち、携帯通信装置1では、設定変更処理部42が、連絡先電話番号28として登録している電話番号をパスワードとして他装置から受け付けた場合も設定変更処理を実行できるように構成する。
【0163】
また、上記した通知設定システム100では、紛失した携帯通信装置1から送信された音声ガイダンス25にしたがって、他装置(携帯通信装置300)からこの携帯通信装置1が有する機能をロックさせることができるようになっていた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、携帯通信装置1および携帯通信装置300の双方においてテレビ電話を実行することができる場合、この音声ガイダンス25の内容を映像データとして携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信する。そして、携帯通信装置300においてこの映像データに基づく表示を行う構成であってもよい。
【0164】
また、上記した通知設定システム100では、携帯通信装置30から携帯通信装置1に対して直接指示を出し、ロック制御処理を実行したり、通知メッセージ27および連絡先電話番号28を、登録および変更したりする構成であった。しかしながら、基地局200を運営するキャリアが設置するサーバに、携帯通信装置300からアクセスする。そして、このサーバに対して、ロック制御処理を行う携帯通信装置1に対する各種の設定(登録)を行う。そしてサーバから携帯通信装置1に対して設定(登録された)情報を通知し、該携帯通信装置1における設定を行う構成であってもよい。
【0165】
また、上記した通知設定システム100では、携帯通信装置300からの着信状態およびパスワードの入力をトリガにして携帯通信装置1の機能をロックさせる構成であった。しかしながらこれに限定されるものではなく、以下実施形態2に示すように電子メールの件名をトリガにして携帯通信装置1の機能をロックさせる構成であってもよい。
【0166】
(実施形態2)
以下、図14〜図23および図8を参照して、本発明の別の実施形態(実施形態2)に係る通知設定システム500について説明する。なお、実施形態2に係る通知設定システム500では、図2に示した通知設定システム100における携帯通信装置1が携帯通信装置400となっている点で異なるが、それ以外は同様である。このためこの携帯通信装置400についてのみ説明する。
【0167】
上記携帯通信装置400は、通知設定システム500において紛失状態となっている装置である。そしてこの携帯通信装置400は、図14に示すように、図3に示す携帯通信装置1の構成においてロック情報記憶部411が、パスワード21の代わりに認証パスワード421および登録パスワード422を記憶し、また、ロック条件22および変更条件23を記憶していない点で異なる。なお、この図14は、本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0168】
この認証パスワード421とは、携帯通信装置400に対して他装置からロック制御処理の実行を電子メールにて指示する際、該電子メールの件名に付されたパスワードの正当性を確認するための情報である。また、登録パスワード422とは、ロック制御処理した携帯通信装置400において、例えば通知メッセージ27および連絡先電話番号28などの登録を電子メールにて行う際、該登録情報の正当性を確認するために必要となる情報である。
【0169】
またさらに、メッセージ記憶部412が、音声ガイダンス25および着信通知情報26を記憶しておらず、連絡先記憶部413がメールアドレス423をさらに記憶している点で異なる。このメールアドレス423は、紛失状態にある携帯通信装置400を拾得した拾得者が連絡先として電子メールを送信する先のアドレスを示す情報である。
【0170】
また、上記携帯通信装置400は、実施形態1に示す携帯通信装置1と比較して位置情報取得部414を備えている点でも異なる。この位置情報取得部414は、携帯通信装置400の所在に関する情報を取得するものであり、例えばGPS(Global Positioning System)等を利用して実現できる。位置情報取得部414は、取得した位置情報を主制御部407に渡す。
【0171】
また、本実施の形態に係る携帯通信装置400は、携帯通信装置1と比較して、主制御部407が、機能ブロックとして、ロック設定処理部41および連絡処理部43の代わりに、ロック設定処理部441および連絡処理部443を備え、設定変更処理部42を備えていない点で異なる。
【0172】
上記ロック設定処理部441は、受信した電子メールの件名に応じて、自装置が有する機能をロックするか否かを判定する。そして、上記件名が所定のパスワード、すなわち認証パスワード421と一致する場合、ロック設定処理部441は、自装置が有する機能をロックするように機能制御部45に指示するものである。また、上記ロック設定処理部441は、ロック制御処理時に他装置から登録情報を受け付け保存することもできる。
【0173】
連絡処理部443は、当該携帯通信装置400の拾得者による操作部9のキー操作に応じて、該携帯通信装置400の所有者との連絡が取れるように制御するためのものである。連絡処理部443は、拾得者による操作部9の操作により、メッセージ記憶部412に記憶されている通知メッセージ27を読み出し、表示部10を制御して表示させる。
【0174】
また、連絡処理部443は、指定された連絡先(連絡先電話番号28またはメールアドレス423)によって規定される装置に対して電子メールを送信したり、連絡先電話番号28が割り当てられた装置に対して発信したりするものである。また、連絡処理部443は、連絡先電話番号28が割り当てられた装置に発信する場合、紛失した携帯通信装置400からの通信である旨を示す音声情報である着信通知情報26を出力するように通知情報入出力処理部44に指示するものでもある。
【0175】
また、実施形態1では、通知メッセージ27は、携帯通信装置1の所有者の音声データであったが、実施形態2では、上記所有者によって作成されたテキストデータである点でも異なる。
【0176】
なお、図14において、図3と比較して同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0177】
(ロック制御処理)
次に上記のように構成された携帯通信装置400におけるロック制御処理に係る詳細な説明を、図15〜図17を参照して行う。図15は、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る、ロック制御処理に関する携帯通信装置400の要部構成を示すブロック図である。この図15では、本願発明の実施形態(実施形態2)をより明確に説明するため、携帯通信装置400においてロック制御処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0178】
(ロック制御処理に関わる携帯通信装置の構成)
図15に示すように、実施形態2に係る携帯通信装置400は、主制御部7が機能ブロックとして有するロック設定処理部441が、さらにロック認証部451、連絡先取得部452、機能制御指示部453、入力フォーマット生成部454、および登録認証部455を備える構成である。
【0179】
ロック認証部451は、受信した電子メールが携帯通信装置400に対するロック制御を指示するものであるか否かを判定するものである。すなわち、ロック認証部451は、受信した電子メールの件名を検索して、該件名が認証パスワード421と一致するか否かを調べる。そして、受信した電子メールの件名が認証パスワード421と一致すると判定した場合、この受信した電子メールの発信元のメールアドレスを連絡先として保存するように連絡先取得部452に指示する。
【0180】
連絡先取得部452は、携帯通信装置400の各種機能をロック制御した後、該携帯通信装置400を拾得した拾得者が連絡をとるための連絡先となるメールアドレス423を取得するものである。連絡先取得部452は、ロック認証部451からの指示に応じて、受信した電子メールの発信元のメールアドレスを連絡先として連絡先記憶部413に記憶させる。
【0181】
このように、連絡先取得部452が、連絡先としてのメールアドレス423を取得すると、機能制御指示部453に対して、携帯通信装置400が有する各種機能をロックするように指示する。
【0182】
機能制御指示部453は、連絡先取得部452からの指示に応じて、機能制御部45に対して、携帯通信装置400が有する各種機能をロックするように指示するものである。機能制御指示部453は、機能制御部45に指示して携帯通信装置400の機能をロックさせると、入力フォーマット生成部454に対して、拾得者が所有者に紛失状態にある携帯通信装置400を返却するために利用可能な情報の登録を行うためのフォーマットデータ(入力フォーマットデータ)を生成するように指示する。
【0183】
入力フォーマット生成部454は、機能制御指示部453からの指示に応じて、上記入力フォーマットデータを生成するためのものである。この入力フォーマットデータは、例えば、図16(a)に示すように、ロックした携帯通信装置400において登録する情報の項目として、連絡先電話番号28、連絡先アドレス(メールアドレス423)、通知メッセージ27が挙げられている。また、さらに、この入力フォーマットを携帯通信装置400において受信した際、該入力フォーマットデータに書き込んだ情報の正当性を判断するために、登録パスワード422が付されている。
【0184】
なお、入力フォーマット生成部454は、入力フォーマットデータを生成するたびに、上記登録パスワード422として新しいパスワードが割り当てられるようになっている。あるいは、携帯通信装置400が有する機能をロックする度に新しいパスワードを割り当てる構成であってもよい。
【0185】
入力フォーマット生成部454は、上記入力フォーマットデータを生成すると、信号処理部4を制御して、無線通信処理部3を介して、件名に認証パスワード421を付して送信した電子メールの発信元に対してこの入力フォーマットデータを送信する。また、入力フォーマット生成部454は、上記入力フォーマットデータを送信すると、登録認証部455に対して、該入力フォーマットデータの返信を待ち受けるように指示する。
【0186】
登録認証部455は、この入力フォーマット生成部454からの指示に応じて、上記入力フォーマットデータの返信を待ち受け、各種登録情報が記録された入力フォーマットデータの正当性、記録された登録情報の内容等を確認するものである。
【0187】
この登録認証部455は、受信した入力フォーマットデータを正当であると判断した場合、この入力フォーマットデータに記述されている連絡先電話番号28を連絡先記憶部413に記憶させる。また、登録認証部455は、入力フォーマットデータに記述されているメールアドレスと、連絡先取得部452によって取得されたメールアドレスとが異なる場合、後者のメールアドレスを前者のメールアドレスに書き換えて更新する。また、登録認証部455は、入力フォーマットデータに記述されている通知メッセージ27をメッセージ記憶部412に記憶させる。
【0188】
(ロック制御処理フロー)
次に、図17を参照して、ロック制御処理に係る処理の流れについて説明する。図17は、本発明の別の実施形態(実施形態2)に係る通知設定システム500におけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0189】
まず、前提として携帯通信装置400が紛失された状況にあり、かつ携帯通信装置400と携帯通信装置300とが基地局200を介して互いに通信可能となっているものとする。また、携帯通信装置300は、携帯通信装置400の所有者が予備として保持している別の携帯通信装置であってもよいし、該所有者の同伴者が所持する携帯通信装置であってもよい。すなわち、携帯通信装置300は、携帯通信装置1の所有者によってパスワード、連絡先電話番号、通知メッセージを携帯通信装置1に対して送信することができる装置であればよい。
【0190】
このような前提において、携帯通信装置400の所有者(すなわち、携帯通信装置300の利用者)が該携帯通信装置400の紛失に気がつくと、携帯通信装置300の操作キーを操作して、携帯通信装置400に対してロックを指示する電子メールを送信する(S91)。なお、このロックを指示する電子メールとは、紛失状態にある携帯通信装置400において、各種機能をロックするように指示する電子メールであり、本実施形態2では、この電子メールの件名に予め携帯通信装置400において登録されているパスワード(認証パスワード)を記述するようになっている。
【0191】
一方、携帯通信装置300から電子メールを受信すると、携帯通信装置400では、ロック認証部451が、受信した電子メールの件名に記述されている内容と、ロック情報記憶部411に記憶している認証パスワード421とが一致するか否かを判定する(S101)。ここで、受信した電子メールの件名が認証パスワード421と一致すると判定した場合(S101において「YES」)、ロック認証部451は、連絡先取得部452に対してこの受信した電子メールの発信元のメールアドレスを連絡先として保存するように指示する。連絡先取得部452は、このロック認証部451からの指示に応じて、携帯通信装置300のメールアドレス423を受信した電子メールから抽出し、連絡先記憶部413に記憶する(S102)。なお、上記ステップS101において「NO」の場合は、上記電子メールを受信する前の初期状態に戻る。
【0192】
このように、連絡先記憶部413にメールアドレス423が記憶されると、機能制御指示部453が、機能制御部45を指示して、携帯通信装置400が有する各種機能をロックするように指示する。ただし、実施形態1に示し携帯通信装置1と同様に、機能制御指示部55に対して、連絡先として登録された装置(携帯通信装置300)との通信を除く携帯通信装置1が有する各種機能をロックするように指示する。
【0193】
携帯通信装置400において、該携帯通信装置400の各種機能をロックさせると(S103)、入力フォーマット生成部454が、登録パスワードを生成する(S104)。そして、この登録パスワードを埋め込んだ入力フォーマットデータ生成する。そして、入力フォーマット生成部454は、この生成した入力フォーマットデータを、連絡先として保存しているメールアドレス423の装置、すなわち、携帯通信装置300に送信する(S105)。
【0194】
一方、携帯通信装置1から、入力フォーマットデータを受信すると、携帯通信装置300では、ユーザが操作部等を操作して登録事項を記入する。そしてこの記入済みの入力フォーマットデータを携帯通信装置400に送信する(S92)。携帯通信装置300から記入済みの入力フォーマットデータを受信すると、携帯通信装置400では、登録認証部455が受信した入力フォーマットデータ中に上記登録パスワード422が含まれているか否かを判定する(S106)。ここで、登録認証部455が、受信した入力フォーマットデータ中に上記登録パスワード422が含まれていると判定した場合(S106において「YES」)、入力フォーマットデータ中から連絡先電話番号28、連絡先となるメールアドレス423、および通知メッセージ27をそれぞれ読み出し保存する(S107)。
【0195】
このようにして、実施形態2に係る携帯通信装置400は、ロック制御処理を実行することができる。
【0196】
なお、実施形態2に係る携帯通信装置400は、上記したステップS101で電子メールの件名に認証パスワード421が記述されていると判定した場合、この認証パスワード421を件名に記述している電子メールは受信記録に残さないように構成されている。これは、セキュリティ上の問題で、認証パスワードの流出等を防ぐためである。なお、携帯通信装置400の構成はこれに限定されるものではなく、件名に認証パスワード421が記述されている場合、この記述部分をマスクして非表示となるように構成してもよい。
【0197】
また、上記したように、携帯通信装置400は、ロック制御処理において、登録情報の内容を入力するための入力フォーマットデータを携帯通信装置300に送信し、登録情報を記述させる構成である。また、携帯通信装置400は、この入力フォーマットデータには、登録パスワードが埋め込んで携帯通信装置300に送信する構成である。このため、携帯通信装置300の利用者(すなわち、携帯通信装置400の所有者)は、入力フォーマットあるいは登録パスワードを覚えていなくても容易に登録情報を記述し、紛失した携帯通信装置400に送信することができる。
【0198】
以上のように実施形態2に係る携帯通信装置400は、他装置から受信した電子メールに応じて自装置が有する機能をロックすることができる。また、上記携帯通信装置400は、連絡先として登録された他装置(携帯通信装置300)に対して送信した入力フォーマットデータの返信を受信し、登録情報を保存できる構成である。このため、上記携帯通信装置400は、連絡先として登録された他装置から登録情報を受け付けることができる。また、この登録情報において連絡先として登録するメールアドレスまたは連絡先電話番号を変更することにより、携帯通信装置400に対して機能のロックを指示する装置によって所望の連絡先を設定することができる。
【0199】
なお、本実施の形態(実施形態2)に係る携帯通信装置400においても、上記実施形態1に示す携帯通信装置1と同様に、ロック制御処理後に他装置から電子メールを受信した場合、この電子メールを、連絡先として登録している装置に転送するように構成されていてもよい。
【0200】
このように構成される場合、携帯通信装置400では、図14に示す構成において、図13に示すような転送処理部14をさらに備える。そして、下記のようにして転送処理が実行される。
【0201】
すなわち、携帯通信装置400において機能を制御させた後に他装置から電子メールの着信があった場合、登録認証部455は、該電子メールに登録パスワード422が付されているか否かを判定する。そして、登録パスワード422が付されていないと判定した場合、この電子メールを連絡先として登録されている携帯通信装置300に転送するように、転送処理部14に指示する。そして、この転送処理部14は、登録認証部455からの指示に応じて着信のあった電子メールを転送する。
【0202】
また、このようにロック制御処理後に連絡先として登録されている携帯通信装置300以外から着信のあった電子メールを転送できるように構成されている場合、携帯通信装置400では、この転送処理の設定の有無を、ロック制御処理時に登録できることが好ましい。
【0203】
すなわち、携帯通信装置400では、入力フォーマット生成部454によって生成された入力フォーマットデータの項目において、図16(b)に示すように、さらに、転送処理の設定を行うか否かを確認する項目(転送設定(Y/N))が設けられる。
【0204】
そして、登録認証部455が、この転送処理の設定を行うか否かを確認する項目の内容を判定し、転送処理を行う必要がある場合は、転送処理部14が有効となるように制御する。
【0205】
なお、このように、ロック制御処理後に他装置から受信した電子メールを連絡先として登録している装置に転送する構成の場合、転送した電子メールの件名または本文中に携帯通信装置400宛の電子メールの転送である旨を追記する構成であってもよい。
【0206】
また、上記では、他装置から受信した電子メールを、連絡先として登録している装置に転送する場合、この転送処理を携帯通信装置400において行う構成であるが、基地局200を運営するキャリアの電子メールサーバ等によって転送する構成であってもよい。この場合、この電子メールサーバが、上記転送処理部を備えることとなる。
【0207】
また、上記したロック制御処理では、携帯通信装置400において、各種機能に対するロックを行った後に入力フォーマットデータを連絡先として登録した携帯通信装置300に送信する構成であった。そして、携帯通信装置400は、上記携帯通信装置300において記述された入力フォーマットデータを受付け、各種登録情報を保存する構成であった。しかしながら、上記登録情報の保存のタイミングはこれに限定されるものではなく、携帯通信装置300から携帯通信装置400に対して機能のロックを要求する電子メール、すなわち、件名に認証パスワード421が記述された電子メール中の本文に上記登録情報が記入されており、この登録情報を読み出して保存する構成であってもよい。
【0208】
このような構成の場合、図17に示す処理ステップにおいて、ステップS102の後にステップS107が行われる。すなわち、連絡先取得部452が、メールアドレス423に加え、さらに受信した電子メールの本文を解析し登録情報(連絡先電話番号28、通知メッセージ27)も取得し保存する。そして、ステップS103の処理を行ってロック制御処理が終了する。つまり、携帯通信装置400が有するロック設定処理部441において、入力フォーマット生成部454および登録認証部455を備える必要がなく、ステップS104、ステップS105、およびステップS106を省略することができる。
【0209】
また、このように、携帯通信装置400に対して機能のロックを要求する電子メールに登録情報を含める構成の場合、上記したように電子メールの本文に登録情報を記述するのではなく、添付ファイルに登録情報を記述して送信する構成であってもよい。
【0210】
(連絡処理)
また、上記ロック制御処理によりロックされた携帯通信装置400が拾得された場合、この拾得者は、携帯通信装置400を操作して、連絡先として登録されているメールアドレス423の装置に対して電子メールを送信したり、連絡先電話番号28の装置に対して発信したりすることができるようになっている。そこで、下記において、図18および図19を参照して、上記携帯通信装置400における、連絡先として登録している装置との連絡に係る処理(連絡処理)について説明する。
【0211】
なお、図18は連絡処理に関する、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置400の要部構成を示すブロック図である。この図18では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置400において連絡処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0212】
(連絡処理に関わる携帯通信装置の構成)
図18に示すように、実施形態2に係る携帯通信装置400は、図7に示す携帯通信装置1と比較して、機能ブロックとしての連絡処理部443において、さらに送信メール作成部(送信手段)475を備えている点で異なる。この送信メール作成部475は、操作部9からの指示に応じて携帯通信装置400において連絡先として登録されている装置に対して送信する電子メールを作成するものである。送信メール作成部475は、位置情報取得部414から携帯通信装置400の所在を示す位置情報を取得し、この位置情報を含む電子メールを作成する。そして、送信メール作成部475は、信号処理部4および無線通信処理部3を制御して作成した位置情報を含む電子メールを登録されている連絡先に送信する。
【0213】
また、操作部9からの通知メッセージ27の再生指示を受け付けた場合、実施形態2に係る携帯通信装置400と実施形態1に係る携帯通信装置1とを比較して下記の点で相違する。すなわち、携帯通信装置400は、再生確認部72が通知メッセージ27を表示部10に表示して再生するのに対して、後者は、通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27をスピーカ5から出力させ再生させる。
【0214】
また、連絡確認部73が、実施形態1に係る携帯通信装置1では、登録された連絡先に電話をかけるのか否かを携帯通信装置400の拾得者に選択させる構成であった。これに対して、実施形態2に係る携帯通信装置400では、登録された連絡先に電子メールを送信するのか、電話をかけるのか、あるいはそれらのいずれでもないのか、携帯通信装置400の拾得者に選択させる構成である点で相違する。
【0215】
なお、連絡処理に関して、上記以外の携帯通信装置400が備える各部は、携帯通信装置1が備える各部と共通するためその説明は省略する。
【0216】
(連絡処理フロー)
次に、図19を参照して、連絡処理に係る処理の流れについて説明する。図19は、本発明の別の実施形態に係る通知設定システム500における連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【0217】
まず、前提として携帯通信装置400が紛失された状況にあり、この携帯通信装置400の所有者による他装置からの操作によって、各種機能がロックされている状態にあるものとする。また、携帯通信装置400は、基地局200を介して他装置と互いに通信可能となる範囲に存在するものであり、また、携帯通信装置300は、携帯通信装置400において連絡先として登録されている装置であるものとする。
【0218】
このような前提において、携帯通信装置400を第3者が拾得し、該携帯通信装置400が備える操作部9の操作キーを押下する。そして、この押下を通知メッセージ確認部71が検知することにより連絡処理を開始する。
【0219】
ここで、図19に示すこの連絡処理フローにおいて、ステップS121〜ステップS126までの処理は、図8に示すステップS71〜ステップS75までの処理と同様であるためその説明は省略する。ただし、ステップS75では、通知メッセージ27を音声データとして出力することにより再生するのに対して、ステップS125では、通知メッセージ27を、例えば図20に示すように表示部10に表示させることにより再生する点が異なる。
【0220】
また、この表示させた通知メッセージ27では、携帯通信装置400において各種機能をロックした日時も表示させる。このように、ロックした日時を表示させることにより、携帯通信装置400を拾得した拾得者は、携帯通信装置400の機能がロックされた日時を知ることができる。このため、このロック日時からの経過時間を考慮して拾得者は、携帯通信装置400に登録されている情報の有効性を判断することができる。
【0221】
なお、この図20は、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置400における通知メッセージ27の表示例を示す図である。
【0222】
上記連絡処理フローにおいて、ステップS121〜ステップS126により通知メッセージ27の再生が終了した場合、あるいは通知メッセージ27が登録されていない場合、連絡確認部73は、表示部10を制御して図21に示すような連絡確認画面を表示させる(S126)。なお、この図21は、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置400における連絡確認画面の一例を示す図である。
【0223】
すなわち、連絡確認部73は、図21に示すような連絡確認画面を表示部10に表示させ、所有者への連絡を行うか否かを問い合わせるとともに、この連絡手段として電子メールまたは電話のいずれを選択するかにいついて確認する。
【0224】
この表示に対して、拾得者が操作部9を操作して所有者への連絡を電子メールにて行うことを選択した場合、すなわち、メールアドレス423が割り当てられている携帯通信装置300に対して電子メールを送信することを指示した場合(S127において「YES」)、連絡確認部73は、メールアドレス423を読み出す。そして、連絡確認部73は、送信メール作成部475に電子メール作成を指示するとともに、表示部10を制御して、作成する電子メールへの入力を拾得者に促す表示を行う。表示部10におけるこの表示に応じて、拾得者は、操作部9を操作して携帯通信装置400の所有者に対するコメントの入力を行う。このコメント例としては、例えば、図22に示すように「拾得した携帯通信装置400を、交番に届けた」旨などが挙げられる。なお、この図22は、本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置1の拾得者により入力された該携帯通信装置の所有者宛てのコメント例を示す図である。
【0225】
送信メール作成部475は、連絡確認部73からの指示に応じて、このように拾得者によって入力されたコメントに基づき、携帯通信装置400に送信するための電子メールを作成する(S128)。なお、送信メール作成部475は、この電子メールの作成時に位置情報取得部414に指示して携帯通信装置400の位置情報を取得し、この取得した位置情報も送信する電子メール(送信メール)に追加する。なお、この位置情報を追加させるか否かに関して選択できるように構成されていてもよい。このように構成されている場合、送信メール作成部475は、連絡確認部73を介して、この位置情報を追加させるか否かに関する問い合わせを示す表示を表示部10で行う。この表示部10において表示される問い合わせの表示例としては、例えば図23に示すような、「現在の位置情報を送信してもよいか否か」を問い合わせる表示が挙げられる。
【0226】
なお、この図23は、本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置における、位置情報の送信の要否を拾得者に対して問い合わせる表示例を示す図である。
【0227】
そして、拾得者からの電子メール送信指示を操作部9で受け付けると、この指示に応じて、送信メール作成部475は、この作成した電子メールを信号処理部4で信号処理させ、無線通信処理部3を通じて、送信先として登録されている装置(携帯通信装置300)に送信する(S129)。
【0228】
なお、上記送信メール作成部475によって作成された電子メールでは、携帯通信装置300の利用者、すなわち、携帯通信装置400の所有者のプライバシー保護の観点から、送信先のメールアドレスを確認できないようになっている。一方、携帯通信装置300では、携帯通信装置400からの電子メールを受信し(S111)、該受信した電子メールを携帯通信装置300の利用者が閲覧する。
【0229】
ところで、上記ステップS127において「NO」の場合、携帯通信装置400は、実施形態1の携帯通信装置1における、図8に示すステップS77以降の処理と同様の処理を実行する。このため、この説明を省略するとともに、説明の便宜上、図19のステップS127から図8に示すステップS77に進むように示す。
【0230】
以上のように、通知設定システム500では、携帯通信装置400において、該携帯通信装置400の所有者の状況に応じて他装置(携帯通信装置300)から適切な連絡先を設定することができる。また、このように上記所有者の状況に応じて適切な連絡先を設定することができるため、携帯通信装置400の拾得者は、携帯通信装置400の所有者と現時点で連絡を取れる連絡先に対して通信を行うことができる。したがって、携帯通信装置400の所有者への返却率を向上させることができる。
【0231】
なお、以上のように、他装置からの着信状況と、該他装置から入力されたパスワードに応じてロックする携帯通信装置を携帯通信装置1とし、受信した電子メールの件名に応じてロックする携帯通信装置を携帯通信装置400として、それぞれ別個の実施形態として説明した。しかしながら、他装置からの発信によって、あるいは他装置から送信した電子メールいずれによっても紛失した携帯通信装置が有する機能をロックできるように、携帯通信装置1および携帯通信装置400が一体となって構成されていてもよい。
【0232】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0233】
最後に、上述した携帯通信装置1・400が備える各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよく、次のようにコンピュータを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0234】
すなわち、携帯通信装置1・400は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯通信装置1・400の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、携帯通信装置1・400それぞれに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0235】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0236】
また、携帯通信装置1・400それぞれを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、LAN、ISDN、ADSL、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、イーサネット(登録商標)等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR、UWB、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0237】
携帯通信装置1・400は、他装置からの受信状況と他装置から入力された所定のパスワードとに応じて、該携帯通信装置1・400が有する機能を制限することができるとともに、該携帯通信装置1・400の拾得者が利用可能な情報を受け付け登録することができる。このため、遠隔地から特定の権限を有する者のみが、情報を入力できるようにする必要がある通信装置全般に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、ロック制御処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、通知設定システム一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る通知設定システムにおけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、設定変更処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る通知設定システムにおける設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示すものであり、連絡処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る通知設定システムにおける連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る携帯通信装置における、連絡確認画面の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態に係る通知設定システムにおける、携帯通信装置の拾得者から該携帯通信装置の所有者への発信時における表示例を示す図である。
【図11】本実施の形態に係る携帯通信装置における、通知メッセージの再生の要否を確認する表示例を示す図である。
【図12】通知メッセージの再生時における、本実施の形態に係る携帯通信装置の表示部での表示例を示す図である。
【図13】本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る、ロック制御処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】本実施の形態に係る携帯通信装置が備える入力フォーマット生成部によって生成された入力フォーマットデータの一例を示す図であり、同図(a)は、入力フォーマットデータに含める項目として連絡先電話番号、連絡先アドレス、通知メッセージ、パスワードを含む例を示す図である。同図(b)は、(a)示す項目においてさらに転送設定の有無を確認する項目が加えられた例を示す図である。
【図17】本発明の別の実施形態に係る通知設定システムにおけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の別の実施形態を示す図であり、通知設定システムにおける連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置における通知メッセージの表示例を示す図である。
【図21】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置における連絡確認画面の一例を示す図である。
【図22】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置の拾得者により入力された該携帯通信装置の所有者宛てのコメント例を示す図である。
【図23】本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置における、位置情報の送信の要否を拾得者に対して問い合わせる表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0239】
1 携帯通信装置(通信装置)
8 日時記録部(日時情報記録部)
14 転送処理部(転送手段)
28 連絡先電話番号(連絡先情報)
45 機能制御部(制限手段・連絡先情報出力手段)
53 連絡先取得部(受信手段・登録手段・連絡先情報出力手段)
55 機能制御指示部(制御手段・連絡先情報出力手段)
71 通知メッセージ確認部(操作検知手段・日時情報出力手段)
73 連絡確認部(通知手段)
74 着信通知情報送信部
100 通知設定システム
300 携帯通信装置(他装置)
400 携帯通信装置(通信装置)
414 位置情報取得部
423 メールアドレス(連絡先情報)
453 機能制御指示部(制御手段)
475 送信メール作成部(送信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置、通信装置の制御プログラム、および通信装置の制御プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機が幅広く普及するとともに、該携帯電話機の有する機能の多機能化が進んでいる。例えば、個人情報等を管理するためのアプリケーションを備えた携帯電話機では、ユーザが、該アプリケーションによって管理した情報を活用することができるようになっている。また、携帯電話機は、専用のICチップを有し、該ICチップに貨幣価値データが記録され、いわゆるICカード型電子マネーとして利用されたり、あるいは、ネットワークを通じて決済可能なネットワーク型電子マネーなどとして利用されたりするようになっている。
【0003】
このように携帯電話機において、重要な機密情報等を活用することができるようになるにつれ、該携帯電話機におけるセキュリティに関する対策の重要性が増している。例えば、このセキュリティに関する対策として、非特許文献1では、遠隔地から紛失した携帯電話機の各種機能を操作できないように制御できる、いわゆるリモートロック機能が示されている。すなわち、この非特許文献1に示す携帯電話機では、あらかじめ指定した電話番号から3分以内に指定回数の着信を検知したり、あらかじめ指定した件名の電子メールを受信したりするとFelica(登録商標)機能をロックする。
【0004】
また、上記のように紛失した携帯電話機を発見した第3者から連絡を受け、該携帯電話機を返却してもらう割合を示す帰還率を向上させることが可能な携帯電話機が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
すなわち、特許文献1に示す携帯電話機では、紛失した携帯電話機の拾得者が該携帯電話機の所有者に容易に連絡することができるよう、拾得者がこの電話機の電源を投入すると、該所有者の名前および電話番号を表示することができる。また、特許文献2に示す携帯電話機では、遠隔操作によりロックした状態で、簡易入力されると連絡先に自動発呼することができる。
【特許文献1】特開平9−8881号公報(1997年1月10日公開)
【特許文献2】特開2005−333501号公報(2005年12月2日公開)
【非特許文献1】法林岳之 “スマートに使えるVodafone 3G対応おサイフケータイ Vodafone 703SHf”、[online]、[平成18年2月9日検索]、インターネット<URL:http://ad.impress.co.jp/special/703shf_2/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の構成では、遠隔操作によりロックする携帯電話機に対して、連絡先の設定を適切に変更することができないという問題が生じる。
【0007】
すなわち、携帯電話機を旅行中に紛失した場合などでは、予め携帯電話機に記憶させている連絡先よりも滞在中のホテルや、同伴者が所有する携帯電話機に拾得者からの連絡を受けることができる方が好ましい。これに対して、特許文献1および2に示す携帯電話機では、拾得者は予め決まった連絡先に対してのみ連絡をとることが可能な構成であるため、必ずしも現状において所有者が所望する連絡先に対して拾得者からの連絡を受けることができない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記連絡先情報を適切な他装置により適宜登録できる通信装置、通信装置の制御プログラム、および通信装置の制御プログラムを記録した記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る通信装置は、上記した構成において、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置であって、上記他装置から、当該通信装置の操作者が連絡を取ることができる連絡先の情報である連絡先情報を受信する受信手段と、上記受信手段により受信した上記連絡先情報を、機能の制限時における連絡先として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
なお、上記連絡先情報としては、例えば、本発明に係る通信装置の操作者により連絡が取れる連絡先の電話番号、メールアドレス、住所等の情報が挙げられる。
【0011】
上記構成によると、受信手段および登録手段を備えているため、他装置から、機能の制限の指示と共に、機能の制限時における連絡先の情報を受け付け登録することができる。すなわち、本発明に係る通信装置は、適切な他装置により上記連絡先情報を適宜登録することができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報を出力する連絡先情報出力手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0013】
上記構成によると、操作検知手段および連絡先情報出力手段を備えているため、当該通信装置の機能制限時において操作を検知した場合、該操作を実行する操作者に対して連絡先を出力することができる。このため、例えば、紛失等により本発明の通信装置に対して、他装置からの指示により機能を制限している際に、該通信装置を拾得し操作した操作者に対して適切な連絡先を示す連絡先情報を提供することができる。
【0014】
よって、本発明に係る通信装置は、操作者の操作に応じて該操作者に適切な連絡先情報を提供することができる。
【0015】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報により示される連絡先に対して通知する通知手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0016】
上記構成によると、操作検知手段および通知手段を備えているため、当該通信装置の機能制限時において操作を検知した場合、該操作に応じて連絡先情報として登録されている連絡先に通知することができる。
【0017】
このため、本発明に係る通信装置の所有者は、機能を制限させている通信装置に対して第3者による操作があったことを把握することができる。一方、上記操作者は、特に電話番号等の入力を行うことなく適切な連絡先に連絡をとることができる。
【0018】
よって、本発明に係る通信装置は、操作者の操作により、効率的に連絡先情報として登録されている連絡先との連絡をとることができる。
【0019】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置が有する機能を制限した日時を示す日時情報を記録する日時情報記録部と、上記日時情報記録部により記録された日時情報を出力する日時情報出力手段と、を備えるように構成されていてもよい。
【0020】
上記構成によると、上記日時情報を出力することができるため、通信装置の操作者は、該通信装置の機能が制限された日時を把握することができる。このように上記日時を把握することができるため、操作者は、該日時から現時点までの時間間隔等から連絡先情報の有効性を判断することができる。
【0021】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、上記他装置から上記受信手段により受信した連絡先情報が、該他装置を特定する情報であってもよい。
【0022】
なお、上記他装置を特定する情報とは、例えば、連絡先情報の送信元である他装置に割り当てられた、電話番号、メールアドレス、他装置の住所等、他装置と連絡が取れる情報である。
【0023】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、上記登録手段により登録されている連絡先情報の連絡先に対して、上記位置情報取得部により取得された位置情報を送信する送信手段と、を備えるように構成されていることが好ましい。
【0024】
上記構成によると、位置情報取得部および送信手段を備えるため、連絡先情報として登録されている連絡先に、本発明に係る通信装置の位置を知らせることができる。
【0025】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、上記受信手段が、上記登録された連絡先情報により連絡先として示される他装置から、他の連絡先情報を受信した場合、上記登録手段は、登録している連絡先情報を、この他の連絡先情報に変更して登録するように構成されていてもよい。
【0026】
上記構成によると、連絡先情報において連絡先として登録されている他装置から、新たな連絡情報を受信した場合に限り、既に登録している連絡先情報を、この新たな連絡先情報に変更することができる。このため、連絡先情報を勝手に変更されたりすることを防ぐことができる。
【0027】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限するための制限手段をさらに備え、上記制限手段は、少なくとも、上記連絡先情報によって示される連絡先からの着信に関する機能を制限しないように構成することが好ましい。
【0028】
上記構成によると、上記制限手段は、上記連絡先情報によって示された装置からの着信のみ応答できるように、自装置が有する機能を制限する。このように、連絡先情報により示された装置からの着信に対してのみ応答することができるため、勝手に他からの着信に対して応答されることを防ぎセキュリティを向上させることができる。
【0029】
さらには、上記セキュリティの向上を実現するとともに、連絡先として登録されている装置から本発明に係る通信装置に対して連絡を取ることができる。
【0030】
また、本発明に係る通信装置は、上記した構成において、上記連絡先情報によって示される連絡先以外からの着信を、該連絡先情報によって示される連絡先に転送する転送手段をさらに備えるように構成されていることが好ましい。
【0031】
上記構成によると、転送手段を備えているため、本発明に係る通信装置を紛失した場合であっても、該通信装置への発信を連絡先情報によって特定された装置にて受信することができる。
【0032】
なお、上記通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信装置をコンピュータにて実現させる通信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る通信装置は、以上のように、他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置であって、上記他装置から、当該通信装置の操作者が連絡を取ることができる連絡先の情報である連絡先情報を受信する受信手段と、上記受信手段により受信した上記連絡先情報を、機能の制限時における連絡先として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0034】
よって、本発明に係る通信装置は、適切な他装置により上記連絡先情報を適宜登録することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(実施形態1)
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係る通知設定システム100は、紛失した携帯通信装置1が有する各種機能を、他装置(本実施の形態では便宜上、携帯通信装置300と称する)からの指示に応じて利用できないように制御することができるものである。なお、このように携帯通信装置1の有する機能を利用できないように制御することをロックすると称する。また、この機能とは、例えば、通話機能、メール機能、またはカメラ機能など携帯通信装置1において利用可能なもの全般を指す。
【0036】
上記通知設定システム100では、図2に示すように、紛失した携帯通信装置1が、基地局200aと通信可能なエリアにある場合、該携帯通信装置1は、この基地局200a、ネットワーク(公衆回路網)、基地局200bを介して、携帯通信装置300との通信を確立することができるようになっている。また、後述するが、携帯通信装置1は、携帯通信装置300からの着信回数をトリガとして自装置が有する各種機能をロックすることができるようになっている。なお、図2は、本発明の実施形態を示すものであり、通知設定システム100の一例を示す図である。
【0037】
ここで、本実施の形態に係る通知設定システム100が備える携帯通信装置1の構成について図3に基づき説明する。図3は、本発明の実施形態を示すものであり、携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、上記携帯通信装置1は、アンテナ2、無線通信処理部3、信号処理部4、スピーカ5、マイク6、主制御部7、日時記録部8、操作部9、表示部10、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、および連絡先記憶部13を備えてなる構成である。ここで、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、および連絡先記憶部13は、読み書き可能な記録媒体であり、例えば、フラッシュEEPROMなどによって実現できる。
【0039】
上記ロック情報記憶部11は、後述するロック制御処理に利用するための情報であるパスワード21およびロック条件22、当該携帯通信装置1を紛失した場合の、拾得者に対する通知メッセージおよび拾得者が連絡可能な連絡先に関する情報等を変更するための認証に利用する情報である変更条件23を含んでいる。また、ロック情報記憶部11は、携帯通信装置1が有する各部がロックされた日時であるロック日時24を、主制御部7からの指示に応じて記録されるようにもなっている。
【0040】
すなわち、ロック情報記憶部11において、パスワード21、ロック条件22、および変更条件23は予め記憶されている情報であり、一方、ロック日時24は、後述するロック制御処理時に主制御部7からの制御に応じて記録される情報である。
【0041】
メッセージ記憶部12は、携帯通信装置300から携帯通信装置1が有する各部をロックするための手順(ロック制御処理手順)を、該携帯通信装置300の操作者に対して案内するための音声情報である音声ガイダンス25を含んでいる。また、メッセージ記憶部12は、携帯通信装置1を紛失した場合に、該携帯通信装置1の拾得者(操作者)が、所定の連絡先に連絡できるようにするための処理手順(連絡処理手順)を案内する音声情報である着信通知情報26も含む。また、メッセージ記憶部12は、携帯通信装置300から入力された、紛失した携帯通信装置1の拾得者(操作者)に対するメッセージである通知メッセージ27を、主制御部7からの制御により記憶するものでもある。
【0042】
すなわち、メッセージ記憶部12において、音声ガイダンス25および着信通知情報26は、予め記憶されている情報である。一方、通知メッセージ27は、携帯通信装置300から、携帯通信装置1の拾得者に対するメッセージを受信した際に、主制御部7からの制御により記憶される情報である。
【0043】
連絡先記憶部13は、上記携帯通信装置1の拾得者が連絡可能な連絡先として、携帯通信装置300から入力された連絡先電話番号28またはメールアドレス29を主制御部7からの制御により記憶するものでもある。
【0044】
なお、図3では、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、および連絡先記憶部13それぞれを個別に備える構成であるが、これに限定されるものではなく、携帯通信装置1の仕様に応じて構成を適宜変更することは可能であり、例えば、これらの記憶部が一体として設けられていてもよい。
【0045】
また、以上のように構成された携帯通信装置1は、以下のように、通話機能、およびメール機能などを実現することができる。
【0046】
まず、携帯通信装置1では、無線通信処理部3による送受信制御のもとに、アンテナ2を介して基地局200aとの信号の送受信を行う。そして、信号処理部4が、アンテナ2を介して送受信される信号に所定の信号処理を施す。これによって、基地局200aを介して相手側装置から送信されてくる音声をスピーカ5から出力したり、マイク6から入力される音声を、基地局200aを介して相手側装置(他装置)に送信したりするようになっている。すなわち、いわゆる通話機能が実現されている。
【0047】
また、携帯通信装置1は、信号処理部4において、音声データのみではなく、電子メールやWebページなどのテキストデータや画像データやHTMLデータも同様に処理できる。そして、これら処理したデータを不図示のメモリに格納し、その格納したデータに基づいて主制御部7が表示用の駆動信号を生成する。そして、この駆動信号に基づき、表示部10が画像や文字等を表示する。これにより、受信した電子メールおよび画像の表示やWebページの閲覧が可能となっている。また、逆の手順により、電子メールや画像の送信を行うことが可能となっている。すなわち、このような動作によって、いわゆるメール機能が実現されている。
【0048】
また、携帯通信装置1では、信号処理部4によって処理される音声データ(例えば、上記通知メッセージ27)をメッセージ記憶部12に格納することができる。これによって、通話機能とは関係なく、携帯通信装置300から入力される音声を音声データに変換してメッセージ記憶部12に格納するようになっている。
【0049】
なお、上記した通話機能およびメール機能は、携帯通信装置1の所有者が、操作部9を操作することにより実行することができる。この操作部9は、例えば、テンキー、電源のONまたはOFFなどの指示を入力するための指示ボタン等によって実現することができる。
【0050】
主制御部7は、携帯通信装置1が備える各部の各種制御を行うものである。主制御部7は、機能ブロックとしてロック設定処理部41、設定変更処理部42、連絡処理部43、通知情報入出力処理部44、および機能制御部45を備える。これら機能ブロックは、主制御部7が例えばCPU等によって実現される場合、該CPUが不図示のROM等に記憶されたプログラムを不図示のRAM等に読み出し実行することにより実現することができる。
【0051】
ロック設定処理部41は、携帯通信装置300からの着信回数およびパスワードの入力に応じて、携帯通信装置1が備える各部をロックするか否かを判定するものである。また、ロック設定処理部41は、受信した電子メールの件名に所定のパスワードを含むか否かに応じて、携帯通信装置1が備える各部をロックするか否かを判定するものでもある。ロック設定処理部41は、上記各部をロックすると判定した場合、機能制御部45に指示して該各部を操作できないように制御させる。さらに、このロック設定処理部41は、当該携帯通信装置1が有する各部をロックする際、このロック日時を、日時記録部8に問い合わせ、ロック情報記憶部11に記憶させる。
【0052】
また、携帯通信装置300から、当該携帯通信装置300の拾得者(操作者)が連絡可能な連絡先電話番号28の登録を受け付けた場合、ロック設定処理部41は、この連絡先電話番号28を連絡先記憶部13に記憶させるものでもある。また、ロック設定処理部41は、ロック設定処理に係る操作法を案内する音声ガイダンス25を、通知情報入出力処理部44に指示して通信を確立している携帯通信装置300に出力させるものでもある。
【0053】
設定変更処理部42は、ロック設定処理部41によりロックされた携帯通信装置1において、指定された連絡先から所定回数のコールを受信した場合、連絡先および/または通知メッセージの変更処理を行うものである。この設定変更処理部42は、指定された連絡先から所定回数のコールを受信すると、新たな連絡先(連絡先電話番号28)の入力を要求する旨の案内を示す音声ガイダンス25を、通知情報入出力処理部44に指示して携帯通信装置300に出力するものでもある。
【0054】
また、設定変更処理部42は、ロック設定処理部41により連絡先記憶部13にすでに記憶されている連絡先(連絡先電話番号28)を、携帯通信装置300から入力された連絡先(連絡先電話番号28)に更新するものでもある。
【0055】
連絡処理部43は、当該携帯通信装置1の拾得者による操作部9のキー操作に応じて、該携帯通信装置1の所有者との連絡が取れるように制御するためのものである。連絡処理部43は、拾得者による操作部9の操作により、メッセージ記憶部12に記憶されている通知メッセージ27を読み出し、信号処理部4を操作してスピーカ5から出力したり、表示部10を制御して、表示させたりする。
【0056】
また、連絡処理部43は、指定された連絡先(連絡先電話番号28)によって特定される装置に対して通信を確立する際、紛失した携帯通信装置1からの通信である旨を示す音声情報である着信通知情報26を出力するように通知情報入出力処理部44に指示するものでもある。
【0057】
通知情報入出力処理部44は、ロック設定処理部41、設定変更処理部42、および連絡処理部43からの指示に応じて、音声ガイダンス25または着信通知情報26等の通知情報を、連絡先として指定された装置に音声情報として出力できるように信号処理部4および無線通信処理部3を制御するものである。また、通知情報入出力処理部44は、連絡処理部43からの指示に応じて、信号処理部4を制御して通知メッセージ27をスピーカ5から出力したり、表示部10を制御して表示させたりもする。
【0058】
機能制御部45は、ロック設定処理部41からの指示に応じて、携帯通信装置1が有する機能をロックするように制御するものである。ただし、機能制御部45は、指定された連絡先からの着信に対してのみ応答可能とするように制御する。また、機能制御部45は、通知メッセージ27の出力や、連絡先として指定されている装置(携帯通信装置300)との通信の確立等、後述するロック制御処理、設定変更処理、および連絡処理において利用される機能に関しては実行できるように制御する。
【0059】
(ロック制御処理)
次に上記のように構成された携帯通信装置1におけるロック制御処理に係る詳細な説明を図1および図4を参照して行う。ここでは、まず携帯通信装置300からの着信回数と、該携帯通信装置300から入力されたパスワードとに基づきロック制御処理の実行の適否を判定する場合について説明する。
【0060】
また、図1は、本実施の形態に係る、ロック制御処理に関する携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図1では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置1においてロック制御処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0061】
(ロック制御処理に関わる携帯通信装置の構成)
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、上記ロック設定処理部41が、さらに機能ブロックとして、ロック設定判定部51、認証部52、連絡先取得部53(受信手段・登録手段)、メッセージ取得部54、および機能制御指示部55を備える。なお、機能制御指示部55と機能制御部45とにより本発明の制限手段を実現する。
【0062】
ロック設定判定部51は、ロック設定処理を実行するか否かを判定するものである。ロック設定判定部51は、他装置(携帯通信装置300)から所定時間(例えば3分間)に所定回数(例えば3回)の着信があったことを確認すると、認証部52にこの着信があった携帯通信装置300の利用者に対してパスワードの入力を要求するように指示する。なお、この所定回数(3回)および所定時間(3分間)に関する情報はロック条件22としてロック情報記憶部11に記憶されており、ロック設定判定部51が、このロック条件22を参照することにより、ロック設定処理の実行の適否を判定することができる。
【0063】
認証部52は、ロック設定判定部51からの指示に応じて、上記携帯通信装置300の利用者に対してパスワードの入力を要求し、取得したパスワードの認証を行うものである。そして、認証部52は、予めロック情報記憶部11に記憶しているパスワード21を参照して、取得したパスワードの正当性を検証し、正当であると判定した場合、連絡先取得部53に対して、携帯通信装置1の拾得者が連絡をとるべき連絡先の電話番号(連絡先電話番号28)の入力要求を指示する。
【0064】
上記認証部52は、このパスワードの入力要求を、以下のようにして実行することができる。すなわち、ロック設定判定部51からの指示に応じて、認証部52は、通知情報入出力処理部44を制御してパスワードの入力を要求する旨を示した音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信するように制御する。この認証部52の制御により、通知情報入出力処理部44は、例えば、「パスワードを入力してください」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0065】
このように、認証部52は、音声ガイダンス25によりパスワードの入力を携帯通信装置300の利用者に促し、取得することができる。
【0066】
連絡先取得部53は、認証部52からの指示に応じて、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)に、連絡先電話番号28の登録を要求するものである。この連絡先電話番号28の登録要求は、上記したパスワードの入力要求と同様にして実現することができる。すなわち、連絡先取得部53は、例えば、「連絡先電話番号を入力してください」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0067】
連絡先取得部53は、携帯通信装置300から連絡先電話番号28を取得すると、連絡先記憶部13に記憶させるとともに、メッセージ取得部54に対して、当該携帯通信装置1の拾得者に対して通知するメッセージを取得するように指示する。
【0068】
メッセージ取得部54は、連絡先取得部53からの指示に応じて、携帯通信装置300の利用者に対して、拾得者に対するメッセージ(通知メッセージ27)の登録を要求し、取得するものである。この通知メッセージ27の登録要求は、上記したパスワードの入力要求と同様にして実現することができる。すなわち、メッセージ取得部54は、例えば、「通知メッセージをお話ください」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0069】
また、メッセージ取得部54は、携帯通信装置300から通知メッセージ27を受信するとメッセージ記憶部12に記憶させるとともに、機能制御指示部55に対して、連絡先電話番号28が割り当てられている装置との通信を除く携帯通信装置1が有する各種機能をロックするように指示する。
【0070】
機能制御指示部55は、メッセージ取得部54からの指示に応じて、機能制御部45に、携帯通信装置1が有する各種機能をロックするように指示するものである。
【0071】
(ロック制御処理フロー)
次に、図4を参照して、ロック制御処理に係る処理の流れについて説明する。図4は、本実施の形態に係る通知設定システム100におけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
まず、前提として携帯通信装置1が紛失された状況にあり、かつ携帯通信装置1と携帯通信装置300とが基地局200を介して互いに通信可能となっているものとする。また、携帯通信装置300は、携帯通信装置1の所有者が予備として保持している別の携帯通信装置であってもよいし、該所有者の同伴者が所持する携帯通信装置であってもよい。すなわち、携帯通信装置300は、携帯通信装置1の所有者によってパスワード、連絡先電話番号、通知メッセージを携帯通信装置1に対して送信することができる装置であればよい。
【0073】
このような前提において、携帯通信装置1の所有者(すなわち、携帯通信装置300の利用者)が該携帯通信装置1の紛失に気がつくと、携帯通信装置300の操作キーを操作して、携帯通信装置1に対して発信する(ステップS11、これ以降S11のように称する)。なお、本実施形態では、携帯通信装置300から携帯通信装置1に対してロック制御を指示する場合は、上記携帯通信装置1の所有者は、この発信を3分間に3回行うように設定されている。
【0074】
一方、他装置からの着信を確認すると(S21)、携帯通信装置1では、ロック設定判定部51がロック条件22を満たすか否か、すなわち、同じ電話番号から3分間に3回の着信があったか否かを判定する(S22)。ここで、同じ電話番号(本実施形態では携帯通信装置300の電話番号)からの、3回の着信が3分間以内にあった旨の確認が取れると(S22において「Yes」)、ロック設定判定部51は、認証部52に指示して着信のあった携帯通信装置(携帯通信装置300)に対して、パスワードの入力を要求するように指示する。
【0075】
このロック設定判定部51からの指示に応じて、認証部52は、パスワードの入力を携帯通信装置300に対して要求する(S23)。すなわち、認証部52は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御してパスワードの入力を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する。
【0076】
一方、携帯通信装置300において、携帯通信装置1からパスワードの入力を促す音声ガイダンス25を受信すると、この音声ガイダンス25の指示に従って、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が携帯通信装置1に予め設定しているパスワードを入力し、この入力したパスワードを携帯通信装置1に送信する(S12)。
【0077】
携帯通信装置1では、認証部52がこの入力されたパスワードを受信し、ロック情報記憶部11に格納しているパスワード21と一致するか否かを判定する(S24)。ここで、認証部52は、入力されたパスワードが、パスワード21と一致すると判定した場合、連絡先取得部53に対して、携帯通信装置1の拾得者が連絡をとる連絡先電話番号28の登録を要求するように指示する。この認証部52からの指示に応じて、連絡先取得部53は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して連絡先電話番号28の登録を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する(S25)。
【0078】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、単に、「連絡先電話番号を入力してください」といったものであってもよいし、現在通信を行っている携帯通信装置300の電話番号を連絡先電話番号とするか、それ以外の電話番号を連絡先電話番号とするかといった、いくつか選択可能な内容であってもよい。
【0079】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「リモートロックを設定します。連絡先電話番号として、おかけの電話の電話番号を登録するときは(1)を、別の電話番号を登録するときは(3)を押してください。(3)を押した場合、連絡先電話番号を入力してください。」などが挙げられる。また、さらに、予め携帯通信装置1において、連絡先電話番号を設定している場合、この設定している連絡先電話番号を登録する連絡先電話番号28の選択肢に加える構成であってもよい。
【0080】
携帯通信装置1から連絡先電話番号28の登録を要求する音声ガイダンス25を受信すると、この音声ガイダンス25にしたがって、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が携帯通信装置300の操作キーを操作して連絡先電話番号28を入力あるいは、選択する。そして、携帯通信装置300は、入力、あるいは選択した連絡先電話番号28を携帯通信装置1に送信する(S13)。
【0081】
携帯通信装置1では、連絡先取得部53が、携帯通信装置300から連絡先として登録する連絡先電話番号28受信すると、連絡先記憶部13に保存する(S26)。そして、連絡先取得部53は、メッセージ取得部54に指示して、通知メッセージ27の登録を要求させる。メッセージ取得部54は、連絡先取得部53からの指示に応じて、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27の登録を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する(S27)。
【0082】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、単に、「通知メッセージをお話ください」といったものであってもよいし、拾得者に対する通知メッセージ27を登録するか否かを確認し、登録を希望する場合のみ通知メッセージ27を要求する内容であってもよい。
【0083】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「通知メッセージを登録するときは(1)を、登録しないときは(3)を押してください。(1)を押した場合、通知メッセージをお話ください。」などが挙げられる。また、さらに、予め携帯通信装置1において通知メッセージを設定している場合、この設定している通知メッセージも、登録する通知メッセージ27の選択肢に加える構成であってもよい。
【0084】
携帯通信装置1から通知メッセージ27の登録を要求する音声ガイダンス25を受信すると、この音声ガイダンス25にしたがって、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が携帯通信装置300の操作キーを操作して通知メッセージ27を入力あるいは、選択する。そして、携帯通信装置300は、入力、あるいは選択した通知メッセージ27を携帯通信装置1に送信する(S14)。
【0085】
携帯通信装置1では、メッセージ取得部54が、携帯通信装置300から拾得者に対するメッセージとして登録する通知メッセージ27を受信すると、メッセージ記憶部12に保存する(S28)。そして、メッセージ取得部54は、機能制御指示部55に指示して、携帯通信装置1が有する各種機能をロックさせる。機能制御指示部55は、メッセージ取得部54からの指示に応じて携帯通信装置1が有する各種機能をロックする(S29)とともに、日時記録部8に指示してこのロック時における日時を取得し、ロック日時24としてロック情報記憶部11に記憶する(S30)。そして、機能制御指示部55は、通知情報入出力処理部44を制御して、ロック制御処理が終了した旨を示す情報を含む音声ガイダンス25を読み出し、携帯通信装置300に送信させる(S31)。
【0086】
なお、機能制御部45は、機能制御指示部55からの指示に応じて携帯通信装置1が有する各種機能のロックする際、連絡先電話番号28として登録されている装置との通信に関しては実行できるように制御する。このため、携帯通信装置1の所有者が、連絡先電話番号28が割り当てられている携帯通信装置から該携帯通信装置1の拾得者と連絡を取ることが可能となる。
【0087】
また、機能制御部45は、上記連絡先電話番号28を示す情報が、携帯通信装置1において非表示となるように制御している。このため、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、該携帯通信装置1の所有者の連絡先を拾得者に知られることがないため、該所有者のプライバシーが保護される。
【0088】
以上のように本実施の形態に係る携帯通信装置1は、ロック設定処理部41が、発信元からの着信状況がロック条件22を充たし、発信元から入力されたパスワード21の正当性が確認された場合、該着信元からの入力によって、携帯通信装置1が有する機能をロックすることができる。このため、携帯通信装置1を紛失した該携帯通信装置1の所有者は、他装置(携帯通信装置300)を使用して、この紛失した携帯通信装置1が有する機能を第3者が勝手に利用することを防ぐことができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、予め連絡先電話番号を登録しておき、この登録された連絡先電話番号の装置から当該携帯通信装置1の機能をロックする構成ではなく、パスワードを設定しておき、正当なパスワードの入力により携帯通信装置1の各種機能をロックできる構成である。このため、携帯通信装置1の所有者は、携帯通信装置1の各種機能のロックを、正当なパスワードを覚えておくだけで、該携帯通信装置1と通信を確立できるあらゆる装置から行うことができる。すなわち、ロック制御処理を実行するための装置が特定されないため、携帯通信装置1のロック制御処理を効率的に行うことができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、以上のように、ロック設定制御処理時に連絡先電話番号28および通知メッセージ27を遠隔地から設定できる構成である。このため、予め連絡先電話番号28、および通知メッセージ27を携帯通信装置1に登録している場合よりも、携帯通信装置1の所有者の現状に応じた、適切な連絡先電話番号28および通知メッセージ27を登録することができる。すなわち、携帯通信装置1の所有者の状況(例えば、旅行先にまだ滞在しているのか、自宅に戻ったのかなど)に応じて、適切な連絡先または拾得者への通知メッセージを設定することができる。
【0091】
(設定変更処理)
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、上記した処理によりロック制御処理が行われロックされた状態において、登録した連絡先電話番号28および/または通知メッセージ27を変更することができるように構成されている。そこで、下記において、図5および図6を参照して、ロック制御されている携帯通信装置1における設定変更処理について説明する。
【0092】
なお、図5は設定変更処理に関する本実施の形態に係る携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図5では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置1において設定変更処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0093】
(設定変更処理に関わる携帯通信装置の構成)
図5に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、主制御部7が機能ブロックとして有する設定変更処理部42が、さらに連絡先判定部61、変更条件判定部62、変更連絡先取得部63、および変更メッセージ取得部64を備える構成である。
【0094】
上記連絡先判定部61は、着信があった際、その通信相手の装置に割り当てられている電話番号が、連絡先電話番号28として登録している電話番号と一致するか否かを判定するものである。連絡先判定部61は、上記一致すると判定した場合、変更条件判定部62に対して設定変更処理を実行するために設定されている変更条件23を満たすか否かを判定するように指示する。
【0095】
変更条件判定部62は、連絡先判定部61からの指示に応じて、登録されている連絡先電話番号28が割り当てられた装置からの着信状況が、変更条件23に合致するか判定する。なお、本実施形態では、この変更条件23として、コール(着呼)の回数が設定されており、着信状況としてコールが10回に達すると、変更条件判定部62は、変更連絡先取得部63に指示して、連絡先電話番号28の変更確認を要求させる。
【0096】
変更連絡先取得部63は、変更条件判定部62からの指示に応じて、発信元の装置に対して連絡先電話番号28の変更確認を要求し、この連絡先電話番号28を変更する場合は、新たな連絡先電話番号28を取得するものである。変更連絡先取得部63は、連絡先電話番号28の変更確認の要求を以下のようにして実行することができる。
【0097】
すなわち、変更条件判定部62からの指示に応じて、変更連絡先取得部63は、通知情報入出力処理部44を制御して連絡先電話番号28の変更の有無の確認を要求する旨を示した音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信するように制御する。この変更連絡先取得部63の制御により、通知情報入出力処理部44は、例えば、「連絡先電話番号を変更しますか?」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0098】
ここで、この携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置1の所有者が連絡先電話番号28を変更させるため、変更後の連絡先電話番号28を入力し、携帯通信装置1に送信した場合、この変更後の連絡先電話番号28を変更連絡先取得部63が取得する。このように、変更連絡先取得部63は、音声ガイダンス25により連絡先電話番号28の変更の要否を確認させ、変更する必要がある場合は、変更後の連絡先電話番号28を取得することができる。
【0099】
変更連絡先取得部63は、変更後の連絡先電話番号28を取得すると、連絡先記憶部13に記憶させ、既に記憶されていた連絡先電話番号28の更新を行うとともに、変更メッセージ取得部64に、通知メッセージ27の変更確認を要求するように指示する。
【0100】
変更メッセージ取得部64は、変更連絡先取得部63からの指示に応じて、発信元の装置に対して通知メッセージ27の変更確認を要求し、通知メッセージ27を変更する場合は、新たな通知メッセージ27を取得するものである。変更メッセージ取得部64は、通知メッセージ27の変更確認の要求を以下のようにして実行することができる。
【0101】
すなわち、変更連絡先取得部63からの指示に応じて、変更メッセージ取得部64は、通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27の変更の有無の確認を要求する旨を示した音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信するように制御する。この変更メッセージ取得部64の制御により、通知情報入出力処理部44は、例えば、「通知メッセージを変更しますか?」といった音声情報を含む音声ガイダンス25をメッセージ記憶部12から読み出す。そして、この読み出した音声ガイダンス25を、信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0102】
ここで、この携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)が通知メッセージ27を変更させるため、新たな通知メッセージ27を入力し、携帯通信装置1に送信した場合、この通知メッセージ27を変更メッセージ取得部64が取得する。このように、変更メッセージ取得部64は、音声ガイダンス25により通知メッセージの変更の要否を確認させ、変更する必要がある場合は、新たなの通知メッセージ27を取得することができる。
【0103】
変更メッセージ取得部64は、新たな通知メッセージ27を取得すると、メッセージ記憶部12に記憶させ、既に記憶されていた通知メッセージ27の更新を行うとともに、着信元の装置に対して、設定変更処理が完了した旨を示す情報を含む音声ガイダンス25を送信させる。
【0104】
(設定変更処理フロー)
次に、図6を参照して、設定変更処理に係る処理の流れについて説明する。図6は、本実施の形態に係る通知設定システム100における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。なお、この設定変更とは、例えば、紛失し各種機能がロックされた携帯通信装置1において、例えば登録されている連絡先電話番号28、通知メッセージ27など、ロック制御処理時に設定した内容を変更させることである。
【0105】
まず、前提として携帯通信装置1が紛失された状況にあり、この携帯通信装置1の所有者による他装置からの操作によって各種機能がロックされている状態にあるものとする。また、携帯通信装置1は、基地局200を介して他装置と互いに通信可能となる範囲に存在するものであり、また、携帯通信装置300は、携帯通信装置1において登録されている連絡先電話番号28が割り当てられている装置であるものとする。
【0106】
各種機能をロックしている携帯通信装置1における設定変更を行うために、携帯通信装置1の所有者が、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300から発信する(S41)。
【0107】
一方、携帯通信装置300からの着信を確認すると(S51)、携帯通信装置1では、連絡先判定部61が、この発信元の電話番号が連絡先電話番号28と一致するか否かを判定する(S52)。そして、連絡先判定部61が、この発信元の電話番号が連絡先電話番号28と一致すると判定した場合(S52において「YES」)、変更条件判定部62がこの発信元からの着信状況が変更条件23を満たすか否かを判定する(S53)。なお、上記したように本実施形態では、この変更条件23として、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300からのコールが10回あった場合(S53において「YES」)、設定変更処理を実行するように設定している。
【0108】
ここで、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300からの着信において、コールが10回に達すると、すなわち、変更条件23を満たすと、変更連絡先取得部63が、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)に対して、連絡先電話番号28の変更確認を要求する(S54)。すなわち、変更連絡先取得部63は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して連絡先電話番号28の、変更の有無の確認を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する。
【0109】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、例えば、「連絡先電話番号を入力してください」といったものであってもよいし、連絡先電話番号28の変更の要否を確認した上で、新たな連絡先電話番号の入力を促すものであってもよい。
【0110】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「連絡先を変更しますか?連絡先を変更するときは(1)を、変更しないときは、(3)を押してください。」と変更の要否を確認する。そして、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)により(1)が押下された場合、「新しい連絡先電話番号を入力してください。」といった内容が挙げられる。
【0111】
一方、ステップS52において「NO」の場合は、ロック設定制御処理が完了している状態、すなわち、ステップS51に戻って他装置からの着信を待ち受ける状態に戻る。
【0112】
また、ステップS53において「NO」の場合は、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300からの着信状況が変更条件23を満たすまで該着信状況を監視しておく。
【0113】
ここで、携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が新たな連絡先電話番号28の設定を選択する。そして、携帯通信装置300において、新たな連絡先電話番号28を入力したとする。この場合、携帯通信装置300は、この入力された連絡先電話番号28を、携帯通信装置1に送信する(S42)。一方、携帯通信装置1では、携帯通信装置300から新たな連絡先電話番号28を受信すると、連絡先記憶部13に既に記憶されている連絡先電話番号28をこの受信した電話番号に更新する(S55)。
【0114】
このようにして、携帯通信装置1において連絡先電話番号28が更新されると、変更メッセージ取得部64が、携帯通信装置300の利用者(携帯通信装置1の所有者)に対して、通知メッセージ27の変更確認を要求する(S56)。すなわち、変更メッセージ取得部64は、上記したように通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27の、変更の有無の確認を促す音声ガイダンス25を携帯通信装置300に送信する。
【0115】
なお、このとき携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信される音声ガイダンス25の内容は、例えば、「通知メッセージを入力してください」といったものであってもよいし、通知メッセージ27の変更の要否を確認した上で、新たな通知メッセージの入力を促すものであってもよい。
【0116】
より具体的には、この送信される音声ガイダンス25の内容として、例えば、「通知メッセージを変更しますか?通知メッセージを変更するときは(1)を、変更しないときは、(3)を押してください。」と変更の要否を確認する。そして、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)により(1)が押下された場合、「通知メッセージをお話ください。」といった内容が挙げられる。
【0117】
ここで、携帯通信装置1からの音声ガイダンス25に従い、携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)が新たな通知メッセージを選択する。そして、携帯通信装置300において、新たな通知メッセージを入力したとする。この場合、携帯通信装置300は、この入力された通知メッセージの情報を、携帯通信装置1に送信する(S43)。一方、携帯通信装置1では、携帯通信装置300から新たな通知メッセージの情報を受信すると、メッセージ記憶部12に既に記憶されている通知メッセージ27を更新する(S57)。
【0118】
このようにして、通知メッセージ27を変更すると、変更メッセージ取得部64は、通知情報入出力処理部44を制御して、設定変更処理が終了した旨を示す情報を含む音声ガイダンス25を読み出し、携帯通信装置300に送信させる(S58)。
【0119】
以上のように、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、設定変更処理部42が発信元の着信状況が変更条件23を満たす場合、ロック制御処理時に設定した情報(例えば、連絡先電話番号または通知メッセージ)を変更することができる。このため、携帯通信装置1の所有者の状況(例えば、旅行先にまだ滞在しているのか、自宅に戻ったのかなど)に応じて、適切な連絡先または拾得者への通知メッセージを設定することができる。
【0120】
(連絡処理)
また、上記ロック制御処理によりロックされた携帯通信装置1が拾得された場合、この拾得者は、携帯通信装置1を操作して、登録されている連絡先電話番号28の装置に対して発信し連絡することができるようになっている。そこで、下記において、図7および図8を参照して、上記携帯通信装置1における、連絡先電話番号28の装置との連絡に係る処理(連絡処理)について説明する。
【0121】
なお、図7は連絡処理に関する本実施の形態に係る携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図7では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置1において連絡処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0122】
(連絡処理に関わる携帯通信装置の構成)
図5に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、主制御部7が機能ブロックとして有する連絡処理部43が、さらに通知メッセージ確認部(操作検知手段)71、再生確認部72、連絡確認部73、および着信通知情報送信部74を備えてなる構成である。
【0123】
上記通知メッセージ確認部71は、操作部9からの入力に応じて、メッセージ記憶部12において、通知メッセージ27が記憶されているか否かを確認し、通知メッセージ27がある場合はその旨を表示部10に表示するように制御するものである。なお、この操作部9からの入力とは、例えば、以下の検知により実現できる。すなわち、拾得者による、操作キーの押下に対する検知、または、携帯通信装置1がクラムシェル型の場合は、その折り畳まれた携帯通信装置1を開いたことに対する検知などである。
【0124】
上記通知メッセージ確認部71は、表示部10において、通知メッセージ27がある旨を表示させている間、上記再生確認部72に対して、操作部9からの該通知メッセージ27の再生指示を待ち受けるように指示する。また、通知メッセージ確認部71は、通知メッセージ27がないと判定した場合は、連絡確認部73に対して、連絡確認画面を表示させるように指示する。なお、この連絡確認画面とは、図9に示すように、例えば連絡先電話番号28に電話をかけることにより、携帯通信装置1の所有者と連絡をとるか否かを確認する内容が示されている画面である。なお、この図9は、本実施の形態に係る携帯通信装置1における、連絡確認画面の一例を示す図である。
【0125】
上記再生確認部72は、通知メッセージ確認部71からの指示に応じて、操作部9からの通知メッセージ27の再生指示を待ち受け、再生指示を受け付けた場合、通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27をスピーカ5から出力させ再生させるものである。
【0126】
再生確認部72は、通知メッセージ27を再生させると、連絡確認部73に対して、連絡確認画面を表示させるように指示する。
【0127】
上記連絡確認部73は、通知メッセージ確認部71または再生確認部72からの指示に応じて、表示部10に連絡確認画面を表示させるように制御するものである。この表示された連絡確認画面の示す内容に応じて、拾得者から連絡先電話番号28の装置との通信を確立する旨の指示を受け付けた場合、連絡確認部(通知手段)73は、連絡先電話番号28の装置との通信を確立させる。そして、連絡確認部73は、連絡先電話番号28の装置との通信が確立された旨の確認が取れると、着信通知情報送信部74に対して、メッセージ記憶部12に格納している着信通知情報26を、連絡先電話番号28の装置に送信するように指示する。なお、この着信通知情報26の内容としては、例えば、「紛失した携帯通信装置からの着信である」旨を示す内容が挙げられる。
【0128】
着信通知情報送信部74は、連絡確認部73からの指示に応じて、メッセージ記憶部12から着信通知情報26を読み出し、通信が確立された装置に送信するように制御するものである。着信通知情報送信部74は、通知情報入出力処理部44を制御して、着信通知情報26を信号処理部4に送信し、音声として出力できるように信号処理させ、無線通信処理部3を通じて携帯通信装置300に送信させる。
【0129】
(連絡処理フロー)
次に、図8を参照して、連絡処理に係る処理の流れについて説明する。図8は、本実施の形態に係る通知設定システム100における連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、前提として携帯通信装置1が紛失された状況にあり、この携帯通信装置1の所有者による他装置からの操作によって、各種機能がロックされている状態にあるものとする。また、携帯通信装置1は、基地局200を介して他装置と互いに通信可能となる範囲に存在するものであり、また、携帯通信装置300は、携帯通信装置1において登録されている連絡先電話番号28が割り当てられている装置であるものとする。
【0131】
このような前提において、携帯通信装置1を第3者が拾得し、該携帯通信装置1が備える操作部9の操作キーを押下し、この押下を通知メッセージ確認部71が検知したとする
(S71において「YES」)。この場合、通知メッセージ確認部71は、メッセージ記憶部12を参照して通知メッセージ27が登録されているか否かを判定する(S72)。ここで、通知メッセージ27が登録されている場合(S72において「YES」)、通知メッセージ確認部71は、表示部10を制御して、例えば、図11に示すように、上記通知メッセージ27が登録されていることを拾得者に通知し、この通知メッセージ27の再生の要否を問い合わせるための表示を行う。(S73)。
【0132】
なお、この表示の際、通知メッセージ確認部71は、ロック情報記憶部11からロック日時24を読み出し、このロック日時24も共に表示させる。すなわち、通知メッセージ確認部71は、日時情報出力手段を実現する。このように、ロック日時を表示することにより、拾得者は、携帯通信装置1を紛失しロックした日時から時間が経過しているか否かを判断することができる。そして、ロックした日時からそれほど時間が経過していないと判断できる場合、この紛失した地域の近隣に携帯通信装置1の所有者が存在する可能性が高く、連絡を取って返却できる確率が高いものと判断できる。
【0133】
なお、この図11は、本実施の形態に係る携帯通信装置1における、通知メッセージ27の再生の要否を確認する表示例を示す図である。
【0134】
一方、通知メッセージ確認部71が、通知メッセージ27が登録されていないと判定した場合(S72において「NO」)、表示部10を制御して図9に示す連絡確認画面を表示させる(S76)。
【0135】
ステップS73において、通知メッセージ確認部71が図11に示すように通知メッセージ27の再生の要否を確認すると、再生確認部72に対して、操作部9から入力される上記再生の要否の判定を待ち受けるように指示する。この指示に応じて、再生確認部72が、上記再生の要否の判定を待ち受け、拾得者が通知メッセージ27の再生を選択したか否かを判定する(S74)。ステップS74において「YES」の場合、再生確認部72は、通知情報入出力処理部44に指示して、通知メッセージ27を再生させる(S75)。なお、ステップS75において、通知メッセージ27を再生している際、表示部10では、例えば、図12に示すように「メッセージ再生中」を示す内容が表示される。なお、図12は、通知メッセージの再生時における、本実施の形態に係る携帯通信装置の表示部10での表示例を示す図である。
【0136】
また、このとき再生される通知メッセージ27の音声は、スピーカ5から出力されるが、出力される音声の状態は、不図示の受話部に拾得者が耳を当てることにより聞き取れるものであってもよいし、携帯通信装置1の周囲で聞こえる程度であってもよい。また、携帯通信装置1をマナーモードに設定している場合、この通知メッセージ27の再生前に、マナーモードを解除してもよいか確認を取る構成であってもよい。
【0137】
通知メッセージ17の再生が終了する、あるいは通知メッセージ27が登録されていない場合、連絡確認部73は、表示部10を制御して図9に示すような連絡確認画面を表示させる(S76)。そして、連絡確認部73は、連絡先電話番号28として登録されている連絡先、すなわち所有者への連絡を行うか否かを問い合わせる。
【0138】
この問い合わせの表示に対して、拾得者が操作部9を操作して所有者への連絡を行う、すなわち、連絡先電話番号28への発信を指示した場合(S77において「YES」)、
連絡確認部73は、連絡先電話番号28を読み出す。そして、連絡確認部73は、信号処理部4を介して無線通信処理部3を制御し、連絡先電話番号28によって特定される装置(携帯通信装置300)に対して発信する(S78)。
【0139】
また、連絡確認部73は、携帯通信装置300に対して発信している間、発信中である旨を示すように、例えば、図10に示すように表示する。ただし、携帯通信装置1の所有者の、プライバシー保護の観点から、拾得者に発信先の電話番号が知られないようにするため、該電話番号を表示しないようになっている。なお、この図10は、本実施の形態に係る通知設定システム100における、携帯通信装置1の拾得者から該携帯通信装置1の所有者への発信時における表示例を示す図である。
【0140】
一方、携帯通信装置300では、携帯通信装置1から着信があると(S61)、携帯通信装置1との通信を確立する。そして、携帯通信装置300と携帯通信装置1との間で通信が確立された旨を携帯通信装置1において確認した場合、着信通知情報送信部74が、「紛失した携帯通信装置からの着信である」旨を示す着信通知情報26を、通知情報入出力処理部44を制御してメッセージ記憶部12から読み出す。そして、通知情報入出力処理部44が、読み出した着信通知情報26を信号処理部4、および無線通信処理部3を介して携帯通信装置1に送信する(S79)。
【0141】
このように、携帯通信装置1から着信通知情報26が出力されることにより、携帯通信装置300を利用する、携帯通信装置1の所有者は、紛失した携帯通信装置1からの着信である旨を確実に把握することができる。
【0142】
そして、携帯通信装置1と携帯通信装置300との間で通話(S62およびS80)を行い、連絡処理フローは終了する。ただし、ステップS77において、携帯通信装置1の拾得者が発信を選択しなかった場合、ステップS71に戻って、ロックされた携帯通信装置1が放置されている状態に戻る。
【0143】
なお、上記した再生を確認する表示、および連絡確認画面を実現するための表示データは、ロック情報記憶部11、メッセージ記憶部12、または連絡先記憶部13のいずれか、あるいは不図示の記憶部に記憶されている。そして、通知メッセージ確認部71および連絡確認部73がこの表示データを読み出し、表示部10を制御して表示させるようになっている。
【0144】
また、上記した連絡処理フローにおいて、通知メッセージ27の有無の判定を、拾得者による操作部9の操作キーの押下に対する検知によって行っていたがこれに限定されるものではない。例えば、上記したように、携帯通信装置1がクラムシェル型の場合は、その折り畳まれた携帯通信装置1を開いたことを検知し、通知メッセージ確認部71が通知メッセージ27の有無を判定する構成であってもよい。
【0145】
さらには、携帯通信装置1に温度センサ、赤外線センサ、振動検知センサ等のセンサを備え、該センサにより携帯通信装置1を第3者が拾得したことを検知した場合、通知メッセージ確認部71が通知メッセージ27の有無を判定する構成であってもよい。
【0146】
以上のように、通知メッセージ27が登録されている場合、該通知メッセージ27を再生することができるため、拾得者は携帯通信装置1の所有者からの依頼内容を確認することができる。そして、この依頼内容を確認した上で、携帯通信装置1の拾得者は、携帯通信装置1の所有者が登録した連絡先に対して連絡をとることができる。
【0147】
なお、本実施の形態に係る携帯通信装置1において、上記ロック制御処理のトリガとなるロック条件22は、同一の装置から3分間に3回着信があるか否かであったがこれに限定されるものではなく、例えば、変更条件23と同じであってもよい。あるいは、パスワード21の入力をロック制御処理のトリガとしてもよい。すなわち、ロック条件22は、
携帯通信装置1において、ロック制御処理の開始を示すことを特定できる情報であればよい。
【0148】
また、同様に本実施の形態に係る携帯通信装置1において、設定変更処理のトリガとなる変更条件23も、上記したような10回のコールに限定されるものではなく、例えば、ロック条件22と同じであってもよい。すなわち、変更条件23は、携帯通信装置1において、ロック制御処理によって設定されている連絡先電話番号28、通知メッセージ27の変更指示を示すことを特定できる情報であればよい。
【0149】
なお、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、上記したように、連絡先電話番号28を示す情報を、非表示となるように制御する構成である。ところで、紛失した携帯通信装置1は、基地局200を介して通信可能な範囲(通信圏)外にあったり、バッテリー残量がほとんどなかったりするなどの要因のため、使用できない状況におかれる可能性がある。
【0150】
このような場合、拾得者が他の通信装置を使用して、紛失した携帯通信装置1の所有者に連絡をとってくれることを期待して、非表示となっている連絡先電話番号28を、拾得者による操作指示に応じて表示できることが好ましい。
【0151】
そこで、携帯通信装置1は、この連絡先電話番号28の表示または非表示を、ロック制御処理時に選択したり、設定変更処理時に設定を変更したりすることができるように構成されていてもよい。なお、このように、連絡先電話番号28の表示または非表示の選択を行うことができる場合、携帯通信装置1は下記のように構成される。
【0152】
すなわち、携帯通信装置1では、ロック制御処理時に、連絡先取得部53が。連絡先電話番号28の情報を取得する際、該連絡先電話番号28の表示または非表示に関する指示も受け付ける。そして、この指示に応じて、連絡先取得部53は、ロック制御処理完了後における連絡先電話番号28の表示または非表示を、機能制御指示部55を介して機能制御部45に指示する。これによって、ロック制御処理時に携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)は、連絡先電話番号28の表示または非表示を選択することができる。
【0153】
また、携帯通信装置1では、設定変更処理時に、変更連絡先取得部63が変更する連絡先電話番号28の情報を取得する際、該連絡先電話番号28の表示または非表示に関する指示も受け付ける。そして、この指示に応じて、変更連絡先取得部63は、連絡先電話番号28の変更時に、該連絡先電話番号28の表示または非表示を、機能制御指示部55を介して機能制御部45に指示する。これによって携帯通信装置1の所有者(携帯通信装置300の利用者)は、変更後の連絡先電話番号28の表示または非表示を設定することができる。なお、連絡先取得部53、機能制御指示部55、および機能制御部45によって、連絡先情報出力手段を実現する。
【0154】
上記した携帯通信装置1では、携帯通信装置1が有する各種機能をロックする構成となっている。しかしながら、携帯通信装置1は、携帯通信装置300以外の装置からの着信を受け付けた場合、着信内容を、連絡先電話番号28として登録されている携帯通信装置300に転送するように構成されていてもよい。
【0155】
すなわち、携帯通信装置1は、図13に示すように、図3に示す構成において、携帯通信装置300以外の装置からの着信を、携帯通信装置300に転送するための転送処理部14を備える。なお、この図13は、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。この図13において、図3と同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0156】
他装置からの着信があった際に、主制御部7における設定変更処理部42は、通信相手の電話番号が、連絡先電話番号28と一致するか否かを判定する。そして、一致しないと判定した場合、設定変更処理部42は、転送処理部14を制御してこの通信相手からのメッセージ等を連絡先電話番号28として登録されている装置に転送させる。なお、転送処理部14は、紛失した携帯通信装置1からの転送である旨を通知する着信通知情報26とともに、携帯通信装置1に通知されたメッセージ等を転送する。
【0157】
一方、着信があった他装置の電話番号が連絡先電話番号28と一致すると判定する場合、設定変更処理部42は、連絡先電話番号28として登録している装置からのコールが10回に達するか否か、すなわち、変更条件23を満たすものであるか否かを判定し、上記した設定変更処理を実行する。
【0158】
このように構成されている場合、携帯通信装置1が紛失状態にあることを知らない第3者からの連絡を受けた場合であっても、この携帯通信装置1の所有者はこの第3者からの連絡内容を知ることができる。
【0159】
なお、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、ロック制御処理において、当該携帯通信装置1が有する機能をロックした際の日時をロック日時24として記録する構成であった。しかしながら、設定変更処理によって連絡先電話番号28または通知メッセージ27が更新された日時をロック日時24として登録しなおすように構成されていてもよい。この場合、設定変更処理部42が、設定変更処理完了時に、日時記録部8を制御して日時情報を取得し、ロック情報記憶部11に記憶されているロック日時24を更新する。
【0160】
このように、ロック日時24を更新することにより、拾得者に対して、携帯通信装置1に登録されている連絡先および通知メッセージの内容が設定された日時を知ることができる。このため、携帯通信装置1を拾得した際、設定されているロック日時24の日時からそれほど経過していない場合は、拾得者は、登録されている連絡先電話番号および通知メッセージが有効である可能性が高いなどの判断を下すことができる。
【0161】
なお、本実施の形態に係る通知設定システム100において、連絡先電話番号28として登録している電話番号の携帯通信装置300自体も紛失するという事態が想定できる。そこで、上記携帯通信装置1は、連絡先電話番号28の装置からの着信状況が変更条件23を充たす場合のみ上記設定変更処理を実行できるのではなく、下記のように構成することで上記した問題に対処できるようになっていてもよい。
【0162】
すなわち、携帯通信装置1では、設定変更処理部42が、連絡先電話番号28として登録している電話番号をパスワードとして他装置から受け付けた場合も設定変更処理を実行できるように構成する。
【0163】
また、上記した通知設定システム100では、紛失した携帯通信装置1から送信された音声ガイダンス25にしたがって、他装置(携帯通信装置300)からこの携帯通信装置1が有する機能をロックさせることができるようになっていた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、携帯通信装置1および携帯通信装置300の双方においてテレビ電話を実行することができる場合、この音声ガイダンス25の内容を映像データとして携帯通信装置1から携帯通信装置300に送信する。そして、携帯通信装置300においてこの映像データに基づく表示を行う構成であってもよい。
【0164】
また、上記した通知設定システム100では、携帯通信装置30から携帯通信装置1に対して直接指示を出し、ロック制御処理を実行したり、通知メッセージ27および連絡先電話番号28を、登録および変更したりする構成であった。しかしながら、基地局200を運営するキャリアが設置するサーバに、携帯通信装置300からアクセスする。そして、このサーバに対して、ロック制御処理を行う携帯通信装置1に対する各種の設定(登録)を行う。そしてサーバから携帯通信装置1に対して設定(登録された)情報を通知し、該携帯通信装置1における設定を行う構成であってもよい。
【0165】
また、上記した通知設定システム100では、携帯通信装置300からの着信状態およびパスワードの入力をトリガにして携帯通信装置1の機能をロックさせる構成であった。しかしながらこれに限定されるものではなく、以下実施形態2に示すように電子メールの件名をトリガにして携帯通信装置1の機能をロックさせる構成であってもよい。
【0166】
(実施形態2)
以下、図14〜図23および図8を参照して、本発明の別の実施形態(実施形態2)に係る通知設定システム500について説明する。なお、実施形態2に係る通知設定システム500では、図2に示した通知設定システム100における携帯通信装置1が携帯通信装置400となっている点で異なるが、それ以外は同様である。このためこの携帯通信装置400についてのみ説明する。
【0167】
上記携帯通信装置400は、通知設定システム500において紛失状態となっている装置である。そしてこの携帯通信装置400は、図14に示すように、図3に示す携帯通信装置1の構成においてロック情報記憶部411が、パスワード21の代わりに認証パスワード421および登録パスワード422を記憶し、また、ロック条件22および変更条件23を記憶していない点で異なる。なお、この図14は、本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0168】
この認証パスワード421とは、携帯通信装置400に対して他装置からロック制御処理の実行を電子メールにて指示する際、該電子メールの件名に付されたパスワードの正当性を確認するための情報である。また、登録パスワード422とは、ロック制御処理した携帯通信装置400において、例えば通知メッセージ27および連絡先電話番号28などの登録を電子メールにて行う際、該登録情報の正当性を確認するために必要となる情報である。
【0169】
またさらに、メッセージ記憶部412が、音声ガイダンス25および着信通知情報26を記憶しておらず、連絡先記憶部413がメールアドレス423をさらに記憶している点で異なる。このメールアドレス423は、紛失状態にある携帯通信装置400を拾得した拾得者が連絡先として電子メールを送信する先のアドレスを示す情報である。
【0170】
また、上記携帯通信装置400は、実施形態1に示す携帯通信装置1と比較して位置情報取得部414を備えている点でも異なる。この位置情報取得部414は、携帯通信装置400の所在に関する情報を取得するものであり、例えばGPS(Global Positioning System)等を利用して実現できる。位置情報取得部414は、取得した位置情報を主制御部407に渡す。
【0171】
また、本実施の形態に係る携帯通信装置400は、携帯通信装置1と比較して、主制御部407が、機能ブロックとして、ロック設定処理部41および連絡処理部43の代わりに、ロック設定処理部441および連絡処理部443を備え、設定変更処理部42を備えていない点で異なる。
【0172】
上記ロック設定処理部441は、受信した電子メールの件名に応じて、自装置が有する機能をロックするか否かを判定する。そして、上記件名が所定のパスワード、すなわち認証パスワード421と一致する場合、ロック設定処理部441は、自装置が有する機能をロックするように機能制御部45に指示するものである。また、上記ロック設定処理部441は、ロック制御処理時に他装置から登録情報を受け付け保存することもできる。
【0173】
連絡処理部443は、当該携帯通信装置400の拾得者による操作部9のキー操作に応じて、該携帯通信装置400の所有者との連絡が取れるように制御するためのものである。連絡処理部443は、拾得者による操作部9の操作により、メッセージ記憶部412に記憶されている通知メッセージ27を読み出し、表示部10を制御して表示させる。
【0174】
また、連絡処理部443は、指定された連絡先(連絡先電話番号28またはメールアドレス423)によって規定される装置に対して電子メールを送信したり、連絡先電話番号28が割り当てられた装置に対して発信したりするものである。また、連絡処理部443は、連絡先電話番号28が割り当てられた装置に発信する場合、紛失した携帯通信装置400からの通信である旨を示す音声情報である着信通知情報26を出力するように通知情報入出力処理部44に指示するものでもある。
【0175】
また、実施形態1では、通知メッセージ27は、携帯通信装置1の所有者の音声データであったが、実施形態2では、上記所有者によって作成されたテキストデータである点でも異なる。
【0176】
なお、図14において、図3と比較して同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0177】
(ロック制御処理)
次に上記のように構成された携帯通信装置400におけるロック制御処理に係る詳細な説明を、図15〜図17を参照して行う。図15は、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る、ロック制御処理に関する携帯通信装置400の要部構成を示すブロック図である。この図15では、本願発明の実施形態(実施形態2)をより明確に説明するため、携帯通信装置400においてロック制御処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0178】
(ロック制御処理に関わる携帯通信装置の構成)
図15に示すように、実施形態2に係る携帯通信装置400は、主制御部7が機能ブロックとして有するロック設定処理部441が、さらにロック認証部451、連絡先取得部452、機能制御指示部453、入力フォーマット生成部454、および登録認証部455を備える構成である。
【0179】
ロック認証部451は、受信した電子メールが携帯通信装置400に対するロック制御を指示するものであるか否かを判定するものである。すなわち、ロック認証部451は、受信した電子メールの件名を検索して、該件名が認証パスワード421と一致するか否かを調べる。そして、受信した電子メールの件名が認証パスワード421と一致すると判定した場合、この受信した電子メールの発信元のメールアドレスを連絡先として保存するように連絡先取得部452に指示する。
【0180】
連絡先取得部452は、携帯通信装置400の各種機能をロック制御した後、該携帯通信装置400を拾得した拾得者が連絡をとるための連絡先となるメールアドレス423を取得するものである。連絡先取得部452は、ロック認証部451からの指示に応じて、受信した電子メールの発信元のメールアドレスを連絡先として連絡先記憶部413に記憶させる。
【0181】
このように、連絡先取得部452が、連絡先としてのメールアドレス423を取得すると、機能制御指示部453に対して、携帯通信装置400が有する各種機能をロックするように指示する。
【0182】
機能制御指示部453は、連絡先取得部452からの指示に応じて、機能制御部45に対して、携帯通信装置400が有する各種機能をロックするように指示するものである。機能制御指示部453は、機能制御部45に指示して携帯通信装置400の機能をロックさせると、入力フォーマット生成部454に対して、拾得者が所有者に紛失状態にある携帯通信装置400を返却するために利用可能な情報の登録を行うためのフォーマットデータ(入力フォーマットデータ)を生成するように指示する。
【0183】
入力フォーマット生成部454は、機能制御指示部453からの指示に応じて、上記入力フォーマットデータを生成するためのものである。この入力フォーマットデータは、例えば、図16(a)に示すように、ロックした携帯通信装置400において登録する情報の項目として、連絡先電話番号28、連絡先アドレス(メールアドレス423)、通知メッセージ27が挙げられている。また、さらに、この入力フォーマットを携帯通信装置400において受信した際、該入力フォーマットデータに書き込んだ情報の正当性を判断するために、登録パスワード422が付されている。
【0184】
なお、入力フォーマット生成部454は、入力フォーマットデータを生成するたびに、上記登録パスワード422として新しいパスワードが割り当てられるようになっている。あるいは、携帯通信装置400が有する機能をロックする度に新しいパスワードを割り当てる構成であってもよい。
【0185】
入力フォーマット生成部454は、上記入力フォーマットデータを生成すると、信号処理部4を制御して、無線通信処理部3を介して、件名に認証パスワード421を付して送信した電子メールの発信元に対してこの入力フォーマットデータを送信する。また、入力フォーマット生成部454は、上記入力フォーマットデータを送信すると、登録認証部455に対して、該入力フォーマットデータの返信を待ち受けるように指示する。
【0186】
登録認証部455は、この入力フォーマット生成部454からの指示に応じて、上記入力フォーマットデータの返信を待ち受け、各種登録情報が記録された入力フォーマットデータの正当性、記録された登録情報の内容等を確認するものである。
【0187】
この登録認証部455は、受信した入力フォーマットデータを正当であると判断した場合、この入力フォーマットデータに記述されている連絡先電話番号28を連絡先記憶部413に記憶させる。また、登録認証部455は、入力フォーマットデータに記述されているメールアドレスと、連絡先取得部452によって取得されたメールアドレスとが異なる場合、後者のメールアドレスを前者のメールアドレスに書き換えて更新する。また、登録認証部455は、入力フォーマットデータに記述されている通知メッセージ27をメッセージ記憶部412に記憶させる。
【0188】
(ロック制御処理フロー)
次に、図17を参照して、ロック制御処理に係る処理の流れについて説明する。図17は、本発明の別の実施形態(実施形態2)に係る通知設定システム500におけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0189】
まず、前提として携帯通信装置400が紛失された状況にあり、かつ携帯通信装置400と携帯通信装置300とが基地局200を介して互いに通信可能となっているものとする。また、携帯通信装置300は、携帯通信装置400の所有者が予備として保持している別の携帯通信装置であってもよいし、該所有者の同伴者が所持する携帯通信装置であってもよい。すなわち、携帯通信装置300は、携帯通信装置1の所有者によってパスワード、連絡先電話番号、通知メッセージを携帯通信装置1に対して送信することができる装置であればよい。
【0190】
このような前提において、携帯通信装置400の所有者(すなわち、携帯通信装置300の利用者)が該携帯通信装置400の紛失に気がつくと、携帯通信装置300の操作キーを操作して、携帯通信装置400に対してロックを指示する電子メールを送信する(S91)。なお、このロックを指示する電子メールとは、紛失状態にある携帯通信装置400において、各種機能をロックするように指示する電子メールであり、本実施形態2では、この電子メールの件名に予め携帯通信装置400において登録されているパスワード(認証パスワード)を記述するようになっている。
【0191】
一方、携帯通信装置300から電子メールを受信すると、携帯通信装置400では、ロック認証部451が、受信した電子メールの件名に記述されている内容と、ロック情報記憶部411に記憶している認証パスワード421とが一致するか否かを判定する(S101)。ここで、受信した電子メールの件名が認証パスワード421と一致すると判定した場合(S101において「YES」)、ロック認証部451は、連絡先取得部452に対してこの受信した電子メールの発信元のメールアドレスを連絡先として保存するように指示する。連絡先取得部452は、このロック認証部451からの指示に応じて、携帯通信装置300のメールアドレス423を受信した電子メールから抽出し、連絡先記憶部413に記憶する(S102)。なお、上記ステップS101において「NO」の場合は、上記電子メールを受信する前の初期状態に戻る。
【0192】
このように、連絡先記憶部413にメールアドレス423が記憶されると、機能制御指示部453が、機能制御部45を指示して、携帯通信装置400が有する各種機能をロックするように指示する。ただし、実施形態1に示し携帯通信装置1と同様に、機能制御指示部55に対して、連絡先として登録された装置(携帯通信装置300)との通信を除く携帯通信装置1が有する各種機能をロックするように指示する。
【0193】
携帯通信装置400において、該携帯通信装置400の各種機能をロックさせると(S103)、入力フォーマット生成部454が、登録パスワードを生成する(S104)。そして、この登録パスワードを埋め込んだ入力フォーマットデータ生成する。そして、入力フォーマット生成部454は、この生成した入力フォーマットデータを、連絡先として保存しているメールアドレス423の装置、すなわち、携帯通信装置300に送信する(S105)。
【0194】
一方、携帯通信装置1から、入力フォーマットデータを受信すると、携帯通信装置300では、ユーザが操作部等を操作して登録事項を記入する。そしてこの記入済みの入力フォーマットデータを携帯通信装置400に送信する(S92)。携帯通信装置300から記入済みの入力フォーマットデータを受信すると、携帯通信装置400では、登録認証部455が受信した入力フォーマットデータ中に上記登録パスワード422が含まれているか否かを判定する(S106)。ここで、登録認証部455が、受信した入力フォーマットデータ中に上記登録パスワード422が含まれていると判定した場合(S106において「YES」)、入力フォーマットデータ中から連絡先電話番号28、連絡先となるメールアドレス423、および通知メッセージ27をそれぞれ読み出し保存する(S107)。
【0195】
このようにして、実施形態2に係る携帯通信装置400は、ロック制御処理を実行することができる。
【0196】
なお、実施形態2に係る携帯通信装置400は、上記したステップS101で電子メールの件名に認証パスワード421が記述されていると判定した場合、この認証パスワード421を件名に記述している電子メールは受信記録に残さないように構成されている。これは、セキュリティ上の問題で、認証パスワードの流出等を防ぐためである。なお、携帯通信装置400の構成はこれに限定されるものではなく、件名に認証パスワード421が記述されている場合、この記述部分をマスクして非表示となるように構成してもよい。
【0197】
また、上記したように、携帯通信装置400は、ロック制御処理において、登録情報の内容を入力するための入力フォーマットデータを携帯通信装置300に送信し、登録情報を記述させる構成である。また、携帯通信装置400は、この入力フォーマットデータには、登録パスワードが埋め込んで携帯通信装置300に送信する構成である。このため、携帯通信装置300の利用者(すなわち、携帯通信装置400の所有者)は、入力フォーマットあるいは登録パスワードを覚えていなくても容易に登録情報を記述し、紛失した携帯通信装置400に送信することができる。
【0198】
以上のように実施形態2に係る携帯通信装置400は、他装置から受信した電子メールに応じて自装置が有する機能をロックすることができる。また、上記携帯通信装置400は、連絡先として登録された他装置(携帯通信装置300)に対して送信した入力フォーマットデータの返信を受信し、登録情報を保存できる構成である。このため、上記携帯通信装置400は、連絡先として登録された他装置から登録情報を受け付けることができる。また、この登録情報において連絡先として登録するメールアドレスまたは連絡先電話番号を変更することにより、携帯通信装置400に対して機能のロックを指示する装置によって所望の連絡先を設定することができる。
【0199】
なお、本実施の形態(実施形態2)に係る携帯通信装置400においても、上記実施形態1に示す携帯通信装置1と同様に、ロック制御処理後に他装置から電子メールを受信した場合、この電子メールを、連絡先として登録している装置に転送するように構成されていてもよい。
【0200】
このように構成される場合、携帯通信装置400では、図14に示す構成において、図13に示すような転送処理部14をさらに備える。そして、下記のようにして転送処理が実行される。
【0201】
すなわち、携帯通信装置400において機能を制御させた後に他装置から電子メールの着信があった場合、登録認証部455は、該電子メールに登録パスワード422が付されているか否かを判定する。そして、登録パスワード422が付されていないと判定した場合、この電子メールを連絡先として登録されている携帯通信装置300に転送するように、転送処理部14に指示する。そして、この転送処理部14は、登録認証部455からの指示に応じて着信のあった電子メールを転送する。
【0202】
また、このようにロック制御処理後に連絡先として登録されている携帯通信装置300以外から着信のあった電子メールを転送できるように構成されている場合、携帯通信装置400では、この転送処理の設定の有無を、ロック制御処理時に登録できることが好ましい。
【0203】
すなわち、携帯通信装置400では、入力フォーマット生成部454によって生成された入力フォーマットデータの項目において、図16(b)に示すように、さらに、転送処理の設定を行うか否かを確認する項目(転送設定(Y/N))が設けられる。
【0204】
そして、登録認証部455が、この転送処理の設定を行うか否かを確認する項目の内容を判定し、転送処理を行う必要がある場合は、転送処理部14が有効となるように制御する。
【0205】
なお、このように、ロック制御処理後に他装置から受信した電子メールを連絡先として登録している装置に転送する構成の場合、転送した電子メールの件名または本文中に携帯通信装置400宛の電子メールの転送である旨を追記する構成であってもよい。
【0206】
また、上記では、他装置から受信した電子メールを、連絡先として登録している装置に転送する場合、この転送処理を携帯通信装置400において行う構成であるが、基地局200を運営するキャリアの電子メールサーバ等によって転送する構成であってもよい。この場合、この電子メールサーバが、上記転送処理部を備えることとなる。
【0207】
また、上記したロック制御処理では、携帯通信装置400において、各種機能に対するロックを行った後に入力フォーマットデータを連絡先として登録した携帯通信装置300に送信する構成であった。そして、携帯通信装置400は、上記携帯通信装置300において記述された入力フォーマットデータを受付け、各種登録情報を保存する構成であった。しかしながら、上記登録情報の保存のタイミングはこれに限定されるものではなく、携帯通信装置300から携帯通信装置400に対して機能のロックを要求する電子メール、すなわち、件名に認証パスワード421が記述された電子メール中の本文に上記登録情報が記入されており、この登録情報を読み出して保存する構成であってもよい。
【0208】
このような構成の場合、図17に示す処理ステップにおいて、ステップS102の後にステップS107が行われる。すなわち、連絡先取得部452が、メールアドレス423に加え、さらに受信した電子メールの本文を解析し登録情報(連絡先電話番号28、通知メッセージ27)も取得し保存する。そして、ステップS103の処理を行ってロック制御処理が終了する。つまり、携帯通信装置400が有するロック設定処理部441において、入力フォーマット生成部454および登録認証部455を備える必要がなく、ステップS104、ステップS105、およびステップS106を省略することができる。
【0209】
また、このように、携帯通信装置400に対して機能のロックを要求する電子メールに登録情報を含める構成の場合、上記したように電子メールの本文に登録情報を記述するのではなく、添付ファイルに登録情報を記述して送信する構成であってもよい。
【0210】
(連絡処理)
また、上記ロック制御処理によりロックされた携帯通信装置400が拾得された場合、この拾得者は、携帯通信装置400を操作して、連絡先として登録されているメールアドレス423の装置に対して電子メールを送信したり、連絡先電話番号28の装置に対して発信したりすることができるようになっている。そこで、下記において、図18および図19を参照して、上記携帯通信装置400における、連絡先として登録している装置との連絡に係る処理(連絡処理)について説明する。
【0211】
なお、図18は連絡処理に関する、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置400の要部構成を示すブロック図である。この図18では、本願発明の実施形態をより明確に説明するため、携帯通信装置400において連絡処理に関わる部材およびデータのみを示し、他の部材およびデータは図示していない。
【0212】
(連絡処理に関わる携帯通信装置の構成)
図18に示すように、実施形態2に係る携帯通信装置400は、図7に示す携帯通信装置1と比較して、機能ブロックとしての連絡処理部443において、さらに送信メール作成部(送信手段)475を備えている点で異なる。この送信メール作成部475は、操作部9からの指示に応じて携帯通信装置400において連絡先として登録されている装置に対して送信する電子メールを作成するものである。送信メール作成部475は、位置情報取得部414から携帯通信装置400の所在を示す位置情報を取得し、この位置情報を含む電子メールを作成する。そして、送信メール作成部475は、信号処理部4および無線通信処理部3を制御して作成した位置情報を含む電子メールを登録されている連絡先に送信する。
【0213】
また、操作部9からの通知メッセージ27の再生指示を受け付けた場合、実施形態2に係る携帯通信装置400と実施形態1に係る携帯通信装置1とを比較して下記の点で相違する。すなわち、携帯通信装置400は、再生確認部72が通知メッセージ27を表示部10に表示して再生するのに対して、後者は、通知情報入出力処理部44を制御して通知メッセージ27をスピーカ5から出力させ再生させる。
【0214】
また、連絡確認部73が、実施形態1に係る携帯通信装置1では、登録された連絡先に電話をかけるのか否かを携帯通信装置400の拾得者に選択させる構成であった。これに対して、実施形態2に係る携帯通信装置400では、登録された連絡先に電子メールを送信するのか、電話をかけるのか、あるいはそれらのいずれでもないのか、携帯通信装置400の拾得者に選択させる構成である点で相違する。
【0215】
なお、連絡処理に関して、上記以外の携帯通信装置400が備える各部は、携帯通信装置1が備える各部と共通するためその説明は省略する。
【0216】
(連絡処理フロー)
次に、図19を参照して、連絡処理に係る処理の流れについて説明する。図19は、本発明の別の実施形態に係る通知設定システム500における連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【0217】
まず、前提として携帯通信装置400が紛失された状況にあり、この携帯通信装置400の所有者による他装置からの操作によって、各種機能がロックされている状態にあるものとする。また、携帯通信装置400は、基地局200を介して他装置と互いに通信可能となる範囲に存在するものであり、また、携帯通信装置300は、携帯通信装置400において連絡先として登録されている装置であるものとする。
【0218】
このような前提において、携帯通信装置400を第3者が拾得し、該携帯通信装置400が備える操作部9の操作キーを押下する。そして、この押下を通知メッセージ確認部71が検知することにより連絡処理を開始する。
【0219】
ここで、図19に示すこの連絡処理フローにおいて、ステップS121〜ステップS126までの処理は、図8に示すステップS71〜ステップS75までの処理と同様であるためその説明は省略する。ただし、ステップS75では、通知メッセージ27を音声データとして出力することにより再生するのに対して、ステップS125では、通知メッセージ27を、例えば図20に示すように表示部10に表示させることにより再生する点が異なる。
【0220】
また、この表示させた通知メッセージ27では、携帯通信装置400において各種機能をロックした日時も表示させる。このように、ロックした日時を表示させることにより、携帯通信装置400を拾得した拾得者は、携帯通信装置400の機能がロックされた日時を知ることができる。このため、このロック日時からの経過時間を考慮して拾得者は、携帯通信装置400に登録されている情報の有効性を判断することができる。
【0221】
なお、この図20は、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置400における通知メッセージ27の表示例を示す図である。
【0222】
上記連絡処理フローにおいて、ステップS121〜ステップS126により通知メッセージ27の再生が終了した場合、あるいは通知メッセージ27が登録されていない場合、連絡確認部73は、表示部10を制御して図21に示すような連絡確認画面を表示させる(S126)。なお、この図21は、本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置400における連絡確認画面の一例を示す図である。
【0223】
すなわち、連絡確認部73は、図21に示すような連絡確認画面を表示部10に表示させ、所有者への連絡を行うか否かを問い合わせるとともに、この連絡手段として電子メールまたは電話のいずれを選択するかにいついて確認する。
【0224】
この表示に対して、拾得者が操作部9を操作して所有者への連絡を電子メールにて行うことを選択した場合、すなわち、メールアドレス423が割り当てられている携帯通信装置300に対して電子メールを送信することを指示した場合(S127において「YES」)、連絡確認部73は、メールアドレス423を読み出す。そして、連絡確認部73は、送信メール作成部475に電子メール作成を指示するとともに、表示部10を制御して、作成する電子メールへの入力を拾得者に促す表示を行う。表示部10におけるこの表示に応じて、拾得者は、操作部9を操作して携帯通信装置400の所有者に対するコメントの入力を行う。このコメント例としては、例えば、図22に示すように「拾得した携帯通信装置400を、交番に届けた」旨などが挙げられる。なお、この図22は、本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置1の拾得者により入力された該携帯通信装置の所有者宛てのコメント例を示す図である。
【0225】
送信メール作成部475は、連絡確認部73からの指示に応じて、このように拾得者によって入力されたコメントに基づき、携帯通信装置400に送信するための電子メールを作成する(S128)。なお、送信メール作成部475は、この電子メールの作成時に位置情報取得部414に指示して携帯通信装置400の位置情報を取得し、この取得した位置情報も送信する電子メール(送信メール)に追加する。なお、この位置情報を追加させるか否かに関して選択できるように構成されていてもよい。このように構成されている場合、送信メール作成部475は、連絡確認部73を介して、この位置情報を追加させるか否かに関する問い合わせを示す表示を表示部10で行う。この表示部10において表示される問い合わせの表示例としては、例えば図23に示すような、「現在の位置情報を送信してもよいか否か」を問い合わせる表示が挙げられる。
【0226】
なお、この図23は、本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置における、位置情報の送信の要否を拾得者に対して問い合わせる表示例を示す図である。
【0227】
そして、拾得者からの電子メール送信指示を操作部9で受け付けると、この指示に応じて、送信メール作成部475は、この作成した電子メールを信号処理部4で信号処理させ、無線通信処理部3を通じて、送信先として登録されている装置(携帯通信装置300)に送信する(S129)。
【0228】
なお、上記送信メール作成部475によって作成された電子メールでは、携帯通信装置300の利用者、すなわち、携帯通信装置400の所有者のプライバシー保護の観点から、送信先のメールアドレスを確認できないようになっている。一方、携帯通信装置300では、携帯通信装置400からの電子メールを受信し(S111)、該受信した電子メールを携帯通信装置300の利用者が閲覧する。
【0229】
ところで、上記ステップS127において「NO」の場合、携帯通信装置400は、実施形態1の携帯通信装置1における、図8に示すステップS77以降の処理と同様の処理を実行する。このため、この説明を省略するとともに、説明の便宜上、図19のステップS127から図8に示すステップS77に進むように示す。
【0230】
以上のように、通知設定システム500では、携帯通信装置400において、該携帯通信装置400の所有者の状況に応じて他装置(携帯通信装置300)から適切な連絡先を設定することができる。また、このように上記所有者の状況に応じて適切な連絡先を設定することができるため、携帯通信装置400の拾得者は、携帯通信装置400の所有者と現時点で連絡を取れる連絡先に対して通信を行うことができる。したがって、携帯通信装置400の所有者への返却率を向上させることができる。
【0231】
なお、以上のように、他装置からの着信状況と、該他装置から入力されたパスワードに応じてロックする携帯通信装置を携帯通信装置1とし、受信した電子メールの件名に応じてロックする携帯通信装置を携帯通信装置400として、それぞれ別個の実施形態として説明した。しかしながら、他装置からの発信によって、あるいは他装置から送信した電子メールいずれによっても紛失した携帯通信装置が有する機能をロックできるように、携帯通信装置1および携帯通信装置400が一体となって構成されていてもよい。
【0232】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0233】
最後に、上述した携帯通信装置1・400が備える各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよく、次のようにコンピュータを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0234】
すなわち、携帯通信装置1・400は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯通信装置1・400の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、携帯通信装置1・400それぞれに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0235】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0236】
また、携帯通信装置1・400それぞれを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、LAN、ISDN、ADSL、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、イーサネット(登録商標)等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR、UWB、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0237】
携帯通信装置1・400は、他装置からの受信状況と他装置から入力された所定のパスワードとに応じて、該携帯通信装置1・400が有する機能を制限することができるとともに、該携帯通信装置1・400の拾得者が利用可能な情報を受け付け登録することができる。このため、遠隔地から特定の権限を有する者のみが、情報を入力できるようにする必要がある通信装置全般に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、ロック制御処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、通知設定システム一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る通知設定システムにおけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、設定変更処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る通知設定システムにおける設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示すものであり、連絡処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る通知設定システムにおける連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る携帯通信装置における、連絡確認画面の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態に係る通知設定システムにおける、携帯通信装置の拾得者から該携帯通信装置の所有者への発信時における表示例を示す図である。
【図11】本実施の形態に係る携帯通信装置における、通知メッセージの再生の要否を確認する表示例を示す図である。
【図12】通知メッセージの再生時における、本実施の形態に係る携帯通信装置の表示部での表示例を示す図である。
【図13】本発明の別の実施形態に係る携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る、ロック制御処理に関する携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】本実施の形態に係る携帯通信装置が備える入力フォーマット生成部によって生成された入力フォーマットデータの一例を示す図であり、同図(a)は、入力フォーマットデータに含める項目として連絡先電話番号、連絡先アドレス、通知メッセージ、パスワードを含む例を示す図である。同図(b)は、(a)示す項目においてさらに転送設定の有無を確認する項目が加えられた例を示す図である。
【図17】本発明の別の実施形態に係る通知設定システムにおけるロック制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の別の実施形態を示す図であり、通知設定システムにおける連絡処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置における通知メッセージの表示例を示す図である。
【図21】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置における連絡確認画面の一例を示す図である。
【図22】本発明の別の実施形態を示す図であり、携帯通信装置の拾得者により入力された該携帯通信装置の所有者宛てのコメント例を示す図である。
【図23】本発明の別の実施形態を示すものであり、携帯通信装置における、位置情報の送信の要否を拾得者に対して問い合わせる表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0239】
1 携帯通信装置(通信装置)
8 日時記録部(日時情報記録部)
14 転送処理部(転送手段)
28 連絡先電話番号(連絡先情報)
45 機能制御部(制限手段・連絡先情報出力手段)
53 連絡先取得部(受信手段・登録手段・連絡先情報出力手段)
55 機能制御指示部(制御手段・連絡先情報出力手段)
71 通知メッセージ確認部(操作検知手段・日時情報出力手段)
73 連絡確認部(通知手段)
74 着信通知情報送信部
100 通知設定システム
300 携帯通信装置(他装置)
400 携帯通信装置(通信装置)
414 位置情報取得部
423 メールアドレス(連絡先情報)
453 機能制御指示部(制御手段)
475 送信メール作成部(送信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置であって、
上記他装置から、当該通信装置の操作者が連絡を取ることができる連絡先の情報である連絡先情報を受信する受信手段と、
上記受信手段により受信した上記連絡先情報を、機能の制限時における連絡先として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、
自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報を出力する連絡先情報出力手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、
自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報により示される連絡先に対して通知する通知手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
自装置が有する機能を制限した日時を示す日時情報を記録する日時情報記録部と、
上記日時情報記録部により記録された日時情報を出力する日時情報出力手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
上記他装置から上記受信手段により受信した連絡先情報が、該他装置を特定する情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
上記登録手段により登録されている連絡先情報の連絡先に対して、上記位置情報取得部により取得された位置情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
上記受信手段が、上記登録された連絡先情報により連絡先として示される他装置から、他の連絡先情報を受信した場合、上記登録手段は、登録している連絡先情報を、この他の連絡先情報に変更して登録することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限するための制限手段をさらに備え、
上記制限手段は、少なくとも、上記連絡先情報によって示される連絡先からの着信に関する機能を制限しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
上記連絡先情報によって示される連絡先以外からの着信を、該連絡先情報によって示される連絡先に転送する転送手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための通信装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の通信装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。
【請求項1】
他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限する通信装置であって、
上記他装置から、当該通信装置の操作者が連絡を取ることができる連絡先の情報である連絡先情報を受信する受信手段と、
上記受信手段により受信した上記連絡先情報を、機能の制限時における連絡先として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、
自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報を出力する連絡先情報出力手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
自装置に対する上記操作者による操作を検知する操作検知手段と、
自装置が有する機能の制限時に、上記操作検知手段が操作を検知した場合、上記登録手段によって登録されている連絡先情報により示される連絡先に対して通知する通知手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
自装置が有する機能を制限した日時を示す日時情報を記録する日時情報記録部と、
上記日時情報記録部により記録された日時情報を出力する日時情報出力手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
上記他装置から上記受信手段により受信した連絡先情報が、該他装置を特定する情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
上記登録手段により登録されている連絡先情報の連絡先に対して、上記位置情報取得部により取得された位置情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
上記受信手段が、上記登録された連絡先情報により連絡先として示される他装置から、他の連絡先情報を受信した場合、上記登録手段は、登録している連絡先情報を、この他の連絡先情報に変更して登録することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
他装置からの指示に応じて自装置が有する機能を制限するための制限手段をさらに備え、
上記制限手段は、少なくとも、上記連絡先情報によって示される連絡先からの着信に関する機能を制限しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
上記連絡先情報によって示される連絡先以外からの着信を、該連絡先情報によって示される連絡先に転送する転送手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための通信装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の通信装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−306056(P2007−306056A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129415(P2006−129415)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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