説明

遊技システムおよび遊技制御方法

【課題】機種に依存することなくキャラクタ成長に係る演出を提供可能とし、もってホールに通う動機付けを遊技者に与えることのできる遊技システムを提供する。
【解決手段】抽選の結果に基づいて入賞役が決定される遊技機(1)と遊技機と通信可能に構成された携帯端末装置(100)とを備えた遊技システムであって、遊技機(1)は、抽選を実行して入賞役を決定する役抽選手段(210)および携帯端末装置(100)と通信するための通信手段(260)を含み、携帯端末装置(100)は、遊技機(1)と通信するための通信手段(300)、遊技機から受信した入賞役に基づいて成長情報を更新する成長情報更新手段(310)、およびキャラクタオブジェクトの画像を成長情報に対応付けられている表示態様で生成する画像生成手段(330)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ等の遊技機に係り、特に、携帯端末装置と通信可能により実現される遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、役抽選の結果に基づいてメダルや賞球を供給するとともに、画像および音響による演出を提供するように構成されている。遊技者の射幸心を煽るような画像や音響による演出を提供することによって、遊技者を飽きさせないように工夫がされている。
【0003】
例えば、特開2001−87461号公報には、遊技機におけるゲームとは別に設けられたキャラクタの情報をキャラクタ記憶手段に記憶できるようにし、ゲームの遊技結果が当たりのときにキャラクタ記憶手段に記憶されているキャラクタを成長させるように構成した遊技機が開示されている(段落0007,図3)。
【0004】
また特開2007−275436号公報には、抽選結果が特別演出に当選した場合に、キャラクターに餌を与えるという給餌演出と餌を食べてキャラクターが成長するという成長演出とを提供可能に構成することにより、バリエーションに富んだキャラクターの変化によって遊技機本来の遊技を面白くするとともに、特別役当選の期待感を遊技者に抱かせ、遊技者の興味を増大させつつ遊技機進行させることができるようにした発明が開示されている(段落0203〜0208)。
上記従来の遊技機によれば、遊技機の演出にキャラクタ成長に係る演出の面白さを加えることが可能であった。
【特許文献1】特開2001−87461号公報
【特許文献2】特開2007−275436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記背景技術における遊技機は、キャラクタ成長に係る演出をプログラムの一つとして遊技機に組み込んで実行させることが必要であるため、遊技機の開発とキャラクタ成長に係るアプリケーションとを切り離して開発することができなかった。すなわち、遊技機はキャラクタ成長に係る演出に特化するように設計されなければならなかった。
【0006】
また、キャラクタ成長に係る演出に遊技機が特化している必要があるので、例え、特許文献1のように、キャラクタの成長に係る情報が記憶されたキャラクタ記憶手段を遊技者が保持していたとしても、キャラクタ成長に非対応の機種では、キャラクタ成長に係る演出を引き継げなかった。つまり、キャラクタ成長に係る演出は機種依存性が高いものであった。
【0007】
キャラクタ成長に係る演出は、キャラクタを成長させるために遊技者が手間を掛けなければならない、つまり継続的に「世話を焼く」必要があることが面白みの神髄であるところ、機種依存性が高いとすれば、キャラクタ成長に係る演出の継続性を担保できないことも多くなる。これではキャラクタの「育成」への遊技者の興味が殺がれ、キャラクタ成長に係る演出自体が飽きられてしまう可能性もあった。
【0008】
そこで、本発明は、機種に依存することなくキャラクタ成長に係る演出を提供可能とし、もってホールに通う動機付けを遊技者に与えることのできる遊技システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の遊技システムは、抽選の結果に基づいて入賞役が決定される遊技機と、遊技機と通信可能に構成された携帯端末装置と、を備えた遊技システムであって、遊技機は、抽選を実行する役抽選手段と、携帯端末装置と通信するための通信手段と、を含み、携帯端末装置は、遊技機と通信するための通信手段と、遊技機から受信した役抽選の結果に基づいて成長情報を更新する成長情報更新手段と、キャラクタオブジェクトの画像を成長情報に対応付けられている表示態様で生成する画像生成手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の遊技制御方法は、抽選の結果に基づいて入賞役が決定される遊技機と、遊技機と通信可能に構成された携帯端末装置と、を備えた遊技システムにおける遊技制御方法であって、遊技機において、抽選を実行するステップと、役抽選の結果を携帯端末装置に送信するステップと、を実行し、携帯端末装置において、遊技機から役抽選の結果を受信するステップと、受信した役抽選の結果に基づいて所定の成長情報を更新するステップと、所定のキャラクタオブジェクトの画像を、更新された成長情報に対応付けられている表示態様で生成するステップと、を実行することを特徴とする。
【0011】
係る構成によれば、遊技機には通信手段が設けられて役抽選の結果が送信され、携帯端末装置が役抽選の結果を受信し、役抽選の結果に基づいて成長情報を更新し、キャラクタオブジェクトを表示可能に構成されている。よって、遊技機の演出はキャラクタ成長に係る演出とは切り離されており、キャラクタ成長に係る演出とは独立して遊技機の開発が可能である。また、キャラクタ成長に係る演出は、例えば遊技者が所有する携帯端末装置において実行され、遊技機の機種に依存しない。よって、通信機能さえ備えれば、どのような遊技機であっても自ら携行する携帯端末装置においてキャラクタを成長させることができるので、頻繁にホールに通ってキャラクタを成長させようとする動機付けを遊技者に与えることができ、総じて、遊技回数を増大させることが可能である。
【0012】
なお本発明において、「遊技機」には、特に限定は無いが、例えばぱちんこ機(第一種ぱちんこ機、第二種ぱちんこ機を含む)、回胴式遊技機(以下、「スロットマシン」という。)等を含む。
【0013】
例えば、携帯端末装置は、遊技機から送信されてきた役抽選の結果に対応させてキャラクタオブジェクトの表示態様を変更することは好ましい。
係る構成によれば、遊技機の役抽選の結果(入賞役等)に応じてキャラクタの表示を変更可能に構成されているので、例えばキャラクタを異なる、いわば「進化した」キャラクタに変更したり、キャラクタをより大きな「成長した」キャラクタに変更したりすることで、キャラクタ成長に係る演出を携帯端末装置側で実行させることが可能である。
【0014】
ここで「携帯端末装置」には限定はないが、遊技者が携帯してホールに運ぶことができ、通信機能を有し、キャラクタ演出に係る演出を画像表示可能な装置であることを要する。例えば、携帯端末装置として、通信機能を有する携帯型ゲーム機やキャラクタ成長ゲームプログラムを搭載したPDA・携帯電話等が挙げられる。
【0015】
例えば、遊技機は、一回ごとに入賞役が決定される単位遊技を実行可能に構成されており、入賞役が無かった場合に入賞役が無かった旨の情報を携帯端末装置に送信するように構成してもよい。
係る発明によれば、単位遊技において入賞役が無かった場合、すなわち「ハズレ」となった旨の情報が携帯端末装置に送信されるので、遊技機の遊技状態に即したキャラクタ成長に係る演出を提供することが可能である。
【0016】
特に、携帯端末装置は、遊技機から入賞役が無かった旨の情報が送信されて来た場合、キャラクタオブジェクトの表示態様を変更することは好ましい。
係る発明によれば、携帯端末装置側では「ハズレ」という結果に適したキャラクタ成長に係る演出を提供することができる。例えば「ハズレ」ということは、遊技機においては遊技球やメダルの浪費であったと推定できるので、キャラクタ成長に係る演出に反映させ、例えば、キャラクタの「給餌」が行われなかった結果として、キャラクタが「痩せる」、「衰える」、「小さくなる」、より下位のキャラクタに「変身」するといった表示態様を提供することができる。よって、遊技者には、再び入賞してキャラクタを「成長」させなければならないという動機付けを与え、遊技機でプレイする機会をさらに増大させることが可能である。
【0017】
ここで、携帯端末装置は、成長情報に基づいて確率変更情報を遊技機に送信し、遊技機は、送信された確率変更情報に対応させて抽選の確率を変更可能に構成されていることは好ましい。
係る発明によれば、携帯端末装置は成長情報に基づき確率変更情報を遊技機に送信する。この確率変更情報は、成長情報が所定の条件、例えば特定の入賞役が規定回数生じた場合やキャラクタオブジェクトの「成長」が一定の条件(例えば変身したこと)に合致した場合に、その旨を伝達するための情報である。この確率変更情報を受信した遊技機は、キャラクタオブジェクトに一定の「成長」を与えることに遊技者が成功したことの報償として、抽選確率を変更(例えば、抽選確率を上げること)する。逆に、キャラクタオブジェクトを「育成」することができず一定の条件(例えばキャラクタオブジェクトが消滅したこと)となった場合には、キャラクタオブジェクトの「育成」に遊技者が失敗したことのペナルティとして、遊技機は抽選確率を下げるように機能してもよい。係る構成によれば、遊技機において確率変更情報に基づき抽選の確率に反映可能に構成しておく必要はあるが、遊技機がキャラクタ成長に係る演出の内容に対応している必要はないため、機種に依存した開発は不要であり、遊技機における開発負担は些少なものである。そして、本発明によれば、遊技者のキャラクタの「育成」に一定の成果が得られた等の場合に、遊技者に対する報償(ペナルティ)として遊技機の抽選確率が変更されるので、高い抽選確率を得るために、熱心にキャラクタを「育て」ようとする強い動機付けを遊技者に与えることができ、遊技機でプレイする機会をさらに増大させることが可能である。
【0018】
ここで、携帯端末装置は、遊技機から送信されてきた役抽選の結果が特別入賞であった回数を計数し、計数された回数に応じて所定の特別画像を生成するように構成してもよい。
係る発明によれば、遊技機において特別入賞であった回数に応じて特別画像が生成されるので、単にキャラクタが「成長」していく演出に比べ、遊技機における遊技の成果に密接に対応させた情報を特別画像により遊技者に提供することが可能であり、携帯端末装置をホールに携帯しようといる強い動機付けを遊技者に与えることが可能である。例えば、特別入賞の回数が所定数に達した場合にその労をねぎらうような特別画像を生成するよう構成すれば、遊技者に励ましと満足を与え、さらに遊技機による遊技を続行しようとする動機付けを与えることができる。
【0019】
なお、本発明の遊技制御方法は、コンピュータに機能的に実行させるためのプログラムとして提供されるものである。このようなプログラムは、携帯端末装置にプログラムを提供するための、コンピュータ読み取り可能な所定の記憶媒体に格納することが可能である。例えば、半導体メモリ(不揮発性RAMやROM)を備えるメモリカード等の形式で、また、CD関連ディスク、DVD関連ディスク、磁気ディスク等のディスク形式で、さらに通信ネットワークなどの各種の媒体を通じて、携帯端末装置内のメモリにロードし、実行させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、遊技機における役抽選の結果が携帯端末装置に通信され、携帯端末装置において役抽選の結果に基づいて成長情報が更新され、更新された成長情報に基づきキャラクタオブジェクトが表示されるので、キャラクタ成長に係る演出と遊技機に係る演出とは切り離して開発が可能である。そして、キャラクタ成長に係る演出は、例えば遊技者が所有する携帯端末装置において実行されるものであって遊技機の機種に依存しないので、キャラクタを成長させるために頻繁にホールに通おうとする動機付けを遊技者に与えることができ、総じて、遊技回数を増大させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
以下の本実施形態では、遊技機としてスロットマシンを、携帯端末装置として通信機能を有する携帯型ゲーム機を例示する。但し、遊技機としては、その他の形態の遊技機(パチンコ機(第二種、第三種等))やゲーム機、シミュレーション装置であっても本発明を適用可能であり、携帯端末装置としては、通信機能を有するPDAや携帯電話等であっても本発明を提供可能である。
【0022】
(定義)
本明細書における用語を以下のように定義する。
「遊技」とはメダルの投入からストップスイッチの操作を経た次のメダルの投入前までの一連の動作をいう。
「通常遊技」とは、デフォルト状態のために設定された期待値で実行される「遊技」をいう。
「特別遊技」とは、「通常遊技」とは異なる「遊技」であって、「通常遊技」よりも多くのメダルを獲得させるための遊技者に有利な「遊技」をいう。
【0023】
「抽選」とは、遊技機が所定の条件(スイッチの操作状態等)になった場合に、乱数等を用いて、予め定められた期待値でコンピュータがくじを引く処理をいう。
「当選」とは、「抽選」の結果をいい、特に、コンピュータによるくじ引きで当たり等になった場合をいい、「ハズレ」を含む概念である。本実施形態では機械的に定まる「入賞」と区別して用いる。
「入賞」とは、停止したリールにより示される有効ライン上の図柄の組合せが、特定の役を示す状態となっていることをいう。
【0024】
「役」とは、抽選の結果が何らかの当選である場合をいい、「小役」、「特別役」、「リプレイ」を含む。
「小役」とは、「入賞役」ともいい、その小役の種類に応じた枚数のメダルを遊技者に払い出すための役である。
「特別役」とは、「通常遊技」から「特別遊技」に移行させるための役であり、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態である。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行うことの可能な役を、ビッグボーナス(以下「BB」とする。)といい、相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行うことの可能な役を、レギュラーボーナス(以下「RB」とする。)という。BBおよびRBをまとめて「ボーナス」と総称する場合もある。具体的には、ボーナスには、一種BB(第一種ビッグボーナス役)、RB(第一種特別役物)、SRB(シフトRB)、二種BB(第二種ビッグボーナス役)、CB(第二種特別役物・チャレンジボーナス役)、SB(普通役物・シングルボーナス役)等を含む。
【0025】
「リプレイ」とは、再遊技役であり、前回の遊技で投入されたメダル枚数を維持したまま再遊技を行う権利を与えるための役である。
「有効ライン」とは、停止した図柄の並びを便宜上示すもので、有効ライン上に並んだ図柄の組合せによって特定の「役」であるか「ハズレ」であるかを示すものである。複数の「有効ライン」が設定されている場合には、それらをまとめて「有効ライン群」という。
【0026】
(外観構成の説明)
図1に、本発明の実施形態に係る遊技システムの外観斜視図を示す。
図1に示すように、本実施形態の遊技システムは、本発明の遊技機であるスロットマシン1と本発明の携帯端末装置である携帯型ゲーム機100とを備えて構成されている。
【0027】
スロットマシン1は、抽選の結果に基づいて入賞役を決定可能に構成されている。携帯型ゲーム機100は、スロットマシン1と通信可能に構成されている。図4において後述するように、スロットマシン1は、少なくとも、抽選を実行して入賞役を決定する役抽選手段210および携帯型ゲーム機100と通信するための通信手段260を含む。携帯型ゲーム機100は、少なくとも、スロットマシン1と通信するための通信手段300、スロットマシン1から受信した入賞役に基づいて成長情報を更新する成長情報更新手段310、およびキャラクタオブジェクトの画像を成長情報に対応付けられている表示態様で生成する画像生成手段330を含む。
【0028】
図1に示すように、スロットマシン1は、筐体の前面部にフロントパネル2が取り付けられている。フロントパネル2は、その上部に表示機能を有する液晶表示装置80が、中央部にリール(回胴)の表示窓21および操作部が設けられている。
【0029】
液晶表示装置80は、液晶パネルを含んで構成されており、遊技機に組み込まれた演出のための画像や遊技に必要な情報を表示画面に表示可能に構成されている。無論、表示方式は液晶表示に限定されるものではなく、その他の方式、EL表示、プラズマ表示、CRT表示等種々に適用可能である。
【0030】
表示窓21は、筐体内部に収容されたリール群22を視認可能とするための開口部となっている。リール群22は、左リール22L、中リール22C、および右リール22Rの3つにより構成されている。各リールは、リング状の中空構造に成形され、その外周には図柄が印刷されたリールテープが貼り付けられている。それぞれのリールテープには、例えば21個の図柄が等間隔で配列されて印刷されている。図柄の配列は、リールテープごとに異なるようになっている。各リール外周面の上下方向で連続する3つの図柄が見えるように表示窓21の大きさが設定されている。リール群22を構成する3つのリール間で、横方向や斜め方向に連続するライン(有効ライン)上に並ぶ図柄の組合せに応じて入賞役が定められる。図柄の組合せを判定する際に有効とされる有効ラインは投入するメダルの数に対応している。
【0031】
フロントパネル2の中央部の右側には、メダル投入口43(セレクタ)が設けられている。メダル投入口43からメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じていずれかの1以上の有効ラインが有効になるように構成されている。
【0032】
プロントパネル2の中央部には、さらに遊技者によって操作される、スタートスイッチ46、ストップスイッチ群47およびベットスイッチ群44・45が設けられている。スタートスイッチ46は、リール群22の回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばボタンやレバーである。ストップスイッチ群47は、リール群22の各リールを停止させるときに操作するスイッチであり、左リールストップスイッチ47L、中リールストップスイッチ47C、および右リールストップスイッチ47Rにより構成されている。
【0033】
ベットスイッチ群は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ44およびMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45から構成されている。これらのベットスイッチ44および45も、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ44が操作されると、1枚又は2枚のメダルがベットされ(ゲームの掛け額として徴収され)、MAXベットスイッチ45が操作されると、最大ベット数である3枚のメダルがベットされる。すなわち、ベットスイッチ群の操作で指定されるベット数が、クレジットとなっているメダル数から徴収され、クレジットがベット数だけ減算される。
【0034】
フロントパネル2の下部には、メダル払出口(ホッパ装置)31が設けられ、メダル払出口31の両側には、スピーカ82が設けられている。遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、液晶表示装置80を用いた画像表示およびスピーカ82からの音声の出力等が行われる。
【0035】
ホールにおいてスロットマシン1は複数並べて設置される。隣接するスロットマシン1との間隙部分にはCR装置等のメダルの払出器等の遊技に必要な装備が設けられるが、特に本実施形態では、この間隙部分に、そのスロットマシン1でプレイする遊技者が、遊戯中に自らの携帯型ゲーム機100を取り付けておくホルダ84が設けられている。ホルダ84には、差込部85が設けられている。
【0036】
携帯型ゲーム機100は、折り畳み可能に連結されている第1ハウジング101と第2ハウジング102とにより構成されている。図1は、第1ハウジング101と第2ハウジング102とが開かれた状態を示している。第1ハウジング101には第1液晶表示器(第1LCD)111が、第2ハウジング102には、第2液晶表示器(第2LCD)112が、それぞれ設けられている。
【0037】
第1ハウジング101には、さらに操作スイッチ部114aおよび114b、スピーカ115が設けられている。操作スイッチ部14aには、AボタンおよびBボタンが設けられている。操作スイッチ部14bには、スタートスイッチ、セレクトスイッチ、方向指示スイッチ(十字キー)が設けられている。
【0038】
第1ハウジング101には、スロット103が開口しており、上記ホルダ84の差込部85を挿入可能に構成されている。
【0039】
第2LCD112の上面には、図示しないタッチパネルが設けられており、第2LCD112上の操作位置を検出可能に構成されている。このタッチパネルは、その上面をスティックまたは指で押圧したときに、押圧された部分の座標位置を検出して座標データを出力するものであり、形態としては、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、静電容量結合式の何れの種類でもよい。
【0040】
第2ハウジング102の側面には、図示しない、操作用スティックを収納するための収納孔、および、ゲームプログラムを記憶したメモリ(例えば、ROM)を内蔵したゲームカートリッジ(以下「外部記録媒体」)Mを着脱自在に装着するためのカートリッジ挿入部が形成されている。外部記録媒体Mは、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体であり、例えば、ROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリが用いられる。カートリッジ挿入部の内部には、外部記録媒体Mと電気的に接続するためのコネクタ128(図3参照)が内蔵される。
【0041】
第1ハウジング101または第2ハウジング102の内部には、CPU等の各種電子部品を実装した電子回路基板が収納される。なお、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記不揮発性半導体メモリに限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体でもよい。
【0042】
(ハードウェア構成)
次に本実施形態の遊技システムにおける電気的なハードウェア構成を説明する。
(スロットマシン1のハードウェア)
図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1のハードウェア構成を示すブロック図である。
スロットマシン1の筐体内部には、メイン制御基板10、並びにこのメイン制御基板10に接続されたサブ制御基板50、リール基板20、電源装置基板30、中央表示基板40、および通信基板90が配置されている。
【0043】
メイン制御基板10は、当該スロットマシン1で実施される遊技全体を制御するための基板である。メイン制御基板10には、メインCPU11、乱数発生器12、ROM13、およびRAM14、およびインタフェース回路(I/F回路)15が設けられており、これらはバスを介して互いに接続されている。
【0044】
メインCPU10は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)および実行を行う。そして、メインCPU10は、ROM13に記憶されているプログラムおよびデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン1全体の制御を行う。
【0045】
乱数発生器12は、役抽選のための乱数を発生させるブロックである。具体的に、乱数発生器12はクロック発生回路とカウント回路と記憶回路とを備え、電源投入時にカウント回路がクロック信号に基づいて繰り返し所定のビット数(例えば16ビット)の数値を発生させており、所定のタイミング(例えば遊技者の特定スイッチの操作)において一つの数値を記憶回路にラッチし、乱数値として出力する。
【0046】
ROM13には、メインCPU10に、抽選実行プログラム、その他の遊技の制御に必要なメイン制御プログラム、およびデータ等が記憶されている。特にROM13は、役の抽選処理に用いる役抽選テーブルやリールの停止制御に用いる停止位置決定テーブルを備える。
【0047】
RAM14は、メインCPU10が各種の制御を行う場合に用いられ、特に、役抽選処理、リール停止制御に関するデータを一時的に記憶可能に構成されている。I/F回路15は、メイン制御基板10と、サブ制御基板60、リール基板20、電源装置基板30,および中央表示基板30の間でコマンドを送受信するブロックである。
【0048】
サブ制御基板50は、画像や音響による演出を制御するための基板であり、メイン制御基板10からのコマンドに基づいて、演出の抽選や演出に係る画像データや音響データを生成する基板である。サブ制御基板50は、大きく、演出制御基板60と、画像音響生成基板70とに分けられる。演出制御基板60は、主として演出全体を制御するための基板であり、メイン制御基板10およびランプ66と電気的に接続されている。演出制御基板60には、サブCPU61、乱数発生器61、ROM63、RAM64、I/F回路65が設けられている。画像音響生成基板70は、液晶表示装置80、スピーカ90、およびバスを介して演出制御基板60と接続されている。画像音響生成基板70は演出制御基板60によって抽選された演出に対応する画像演出および音響演出のためのデータを生成する基板である。画像音響生成基板70には、画像制御回路70、画像ROM72、ビデオRAM73、音源回路74、音源ROM75、およびアンプ76が設けられている。
【0049】
サブCPU61は、演出制御基板60上の動作を司る演算素子であり、ROM63に記憶されている演出制御プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)し、ROM63に記憶されているデータを読み出し、数値計算、情報処理、各種機器制御を行うようになっている。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0050】
乱数発生器62は、演出抽選のための乱数を発生させるブロックであり、上記乱数発生器12と同様の動作により一つの乱数値を出力するよう構成されている。
【0051】
ROM63には、サブCPU61に実行させるための、演出制御プログラムおよびデータが記憶されている。特にROM63には、演出の抽選処理に用いる演出抽選テーブルが記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶可能に構成されている。
【0052】
I/F回路65は、メイン制御基板10からのコマンドの受信を行う基板であり、メイン制御基板10からのコマンド受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、メイン制御基板10からサブ制御基板50への信号の送信は行われるが、サブ制御基板50からメイン制御基板10への信号の送信は行われない。すなわち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0053】
画像制御回路71は、演出制御基板60からの画像演出情報に基づいて、画像ROM72に記憶されている元画像データを読み出しながら画像演出のための画像データを生成する。画像ROM72は、画像制御回路71のための画像演出に用いるプログラムおよび画像演出のためのキャラクタ、文字および背景等の画像データを生成するための元画像データを記憶するメモリである。ビデオRAM73は、画像ROM72に格納されている画像演出に用いるプログラムおよびデータの一時的な記憶を実行するものであり、複数ページのフレーム画像を記憶可能な容量を備え、画像データROM72から読み出した元画像データ等に基づき生成された画像データがフレーム画像データとして展開されるようになっている。液晶表示装置80は、画像音響生成基板70と電気的に接続されており、画像音響生成基板70で生成された画像データを受信して画像の表示を実施するものである。
【0054】
音源回路74は、主として音響演出のための音響データを生成する。具体的に、音源回路74は、所定のチャネル数、例えば8つの音響チャネルの発音回路を備えており、音響チャネル数分のフレーズの同時再生が可能になっている。音源回路74は、演出制御基板60からの音響演出情報に基づいて音源ROM75から所定の音源データを読み出し音響信号を、右チャネル、左チャネル別に発生させる。そしてD/A変換してアナログ音響信号として出力する。アンプ76は、この左右のチャネルそれぞれのアナログ音響信号を電力増幅して出力することにより、スピーカ82からステレオ音響を送出させる。
【0055】
リール基板20は、メイン制御基板10から制御信号を入力し、左リールモータ21L、中リールモータ21C、および右リールモータ21Rに接続されている。またリール基板20は、左リールセンサ23L、中リールセンサ23C、右リールセンサ23R、外部集中端子板24、およびドアスイッチ25に接続されている。
【0056】
左リールモータ21Lは左リール22Lを回転させ、中リールモータ21Cは中リール22Cを回転させ、右リールモータ21Rは右リール22Rを回転させるためのステッピングモータであり、メイン制御基板10からの制御信号に基づいて各リールの加速・減速・強制停止が可能になっている。左リールセンサ23Lは左リール22Lに設けられた検出片を検出し、中リールセンサ23Cは中リール22Cに設けられた検出片を検出し、右リールセンサ23Rは右リール22Rに設けられた検出片を検出して、それぞれのリールの回転角度を表すリールセンサ信号をリール基板20経由でメイン制御基板10に出力する。
【0057】
外部集中端子板24は、メダル払出信号、メダル投入信号等の遊技情報に関する信号、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号等のセキュリティに関する信号をメイン制御基板10から受信し、遊技場で複数の遊技機を管理するホストコンピュータに出力するための基板である。
ドアスイッチ25は、遊技機1のフロントパネル2の開閉に応じてドア開閉スイッチ信号をリール基板20経由でメイン制御基板10に出力する。
【0058】
電源装置基板30は、遊技機1に電源を供給するための基板である。電源装置基板30には、メイン制御基板10、ホッパ装置31、リセットスイッチ32、電源スイッチ33、および設定変更有効化スイッチ34が接続されている。
【0059】
電源装置基板30は、メイン制御基板10からホッパモータ信号を受信して、ホッパ装置31に供給する。ホッパ装置31に設けられているホッパモータは、このホッパモータ信号に対応する数のメダルを払い出すようになっている。またホッパ装置31に設けられている払出センサはメダルの実際の払出を検出して払出センサ信号として電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。
【0060】
リセットスイッチ32は、操作されることによりリセットボタン信号を電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。このリセットボタン信号は、エラー信号の出力を停止させ、遊技機のエラー状態から復旧させるためのものである。電源スイッチ33は、遊技機全体の動作のための直流電圧を供給・遮断を切り替えるためのスイッチである。設定変更有効化スイッチ34は、操作されることにより設定変更有効化信号を電源装置基板30経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。設定変更有効化スイッチ34は設定スイッチ41における設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチであり、設定変更有効化スイッチ34がオンの状態になっているときに限り、設定スイッチ41を用いた設定の変更が可能になる。
【0061】
中央表示基板40は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板40には、設定スイッチ41、精算スイッチ42、セレクタ43、1ベット・2ベットスイッチ44、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)45、スタートスイッチ(レバー)46、左リールストップスイッチ群47が接続されている。
【0062】
設定スイッチ41は、出玉率に対応した複数の段階を設定するためのスイッチであり、メイン制御基板10は設定変更有効化スイッチ34がオン状態となっている場合に当該設定スイッチ41の設定に基づいた確立で抽選を実行するようになっている。
【0063】
精算スイッチ42は、遊技者による投入や入賞により獲得されたメダルを払い出させるためのスイッチであり、操作されることにより精算スイッチ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。
【0064】
セレクタ43は、メダル投入口に設けられており、メイン制御基板10から中央表示基板40経由でブロッカ信号を受信するとメダルの投入を阻止するように機能し、メダル投入口からの正規のメダルの投入を検出すると投入センサ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力するようになっている。また、投入されたメダルが不正なメダルである場合には、そのような不正なメダルを排除するように構成されている。
【0065】
1ベット・2ベットスイッチ44は操作に応じてベットスイッチ信号を、MAXベットスイッチ45は操作に応じてMAXベットセンサ信号を、スタートスイッチ46は操作に応じてスタートスイッチセンサ信号を、それぞれ中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力する。各ストップスイッチ47L,47C、および47Rは、操作に応じてストップスイッチセンサ信号を中央表示基板40経由でメイン制御基板10に出力する。
【0066】
通信基板90は、本発明の通信手段に相当しており、ベースバンド回路91、RF(Radio Frequency)回路93、およびアンテナ94を備えている。ベースバンド回路91はROM92を含む。ROM92には、種々の通信プログラムが内蔵され、ベースバンド回路91はこれらのプログラムに従って動作するようになっている。すなわち、ベースバンド回路91は、I/F回路15から転送される役抽選の結果(後述)をRF回路93に送出する。RF回路93は、そのデータに対して所定の規格に基づく変調を施し、アンテナ94から送信可能になっている。
【0067】
(携帯型ゲーム装置100のハードウェア)
図3は、携帯型ゲーム装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示す回路は、第1ハウジング101または第2ハウジング102に収納される電子回路基板に実装される。当該回路は、CPUコア121、ワーキングRAM(WRAM)122,第1ビデオRAM(第1VRAM)123、第1グラフィック処理ユニット(第1GPU)124、第2ビデオRAM(第2VRAM)125、第2グラフィック処理ユニット(第2GPU)126、入出力インターフェース(I/F)回路127、ベースバンド回路129、およびRF回路130を備える。第1GPU124は第1LCD111に画像データを出力可能に接続され、第2GPU126は第2LCD112に画像データを出力可能に接続されている。
【0068】
CPUコア121は、内部バスを介して、外部記憶媒体Mと接続するためのコネクタ128が接続されるとともに、I/F回路127、第1GPU124、第2GPU126、およびWRAM122が接続されている。
【0069】
外部記録媒体Mは、ゲームプログラムを記憶するROM171、および、バックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM172を備え、コネクタ128に接続されることにより、ROM171およびRAM172がコネクタ128を介して内部バスと連通することが可能になっている。外部記憶媒体Mがコネクタ128に接続されると、外部記憶媒体MのROM171に記憶されたゲームプログラムがWRAM122にロードされるようになっている。CPUコア121は、その後、WRAM122にロードされたゲームプログラムを実行するように構成されている。CPUコア121がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや画像を生成するためのデータは、WRAM22に記憶されるようになっている。
【0070】
特に、本実施形態において、外部記憶媒体MのROM171に記憶されるゲームプログラムをCPUコア121が実行することにより、この携帯型ゲーム装置100をキャラクタ成長型のゲームとして機能させることが可能になっている。このゲームプログラムは、CPUコア121によって実行可能な形式の命令語群及びデータ群により構成される。なお、本実施形態では、外部記憶媒体Mを利用してゲームプログラムを供給するが、これらゲームプログラムを他の媒体や通信回線を通じて供給してもよい。
【0071】
I/F回路127には、タッチパネル113、操作スイッチ部114aおよび114b、およびスピーカ115が接続されている。第1GPU124には、第1VRAM123が接続され、第2GPU126には、第2VRAM125が接続されている。第1GPU124は、CPUコア121からの指示に応じて、WRAM122に記憶されている元画像データに基づいて第1ゲーム画像を生成し、第1VRAM123に描画するようになっている。第2GPU126は、CPUコア21からの指示に応じて、WRAM122に記憶される元画像データに基づいて第2ゲーム画像を生成し、第2VRAM125に描画するようになっている。第1GPU124は、CPUコア121からの指示に応じて第1VRAM123に描画された第1ゲーム画像を第1LCD111に出力し、第1LCD111は、第1GPU24から出力されたゲーム画像を遊技者に視認可能に表示する。同様に、第2GPU126は、CPUコア121からの指示に応じて第2VRAM125に描画された第2ゲーム画像を第2LCD112に出力し、第2LCD112は、第2GPU126から出力されたゲーム画像を表示する。
【0072】
I/F回路127は、タッチパネル113、操作スイッチ部114aおよび114b、並びにスピーカ115等の外部入出力装置とCPUコア121との間でデータの授受を行うようになっている。タッチパネル113は、タッチパネル用のデバイスドライバを含み、第2VRAM125の座標系に対応する座標系を有し、スティック等によって入力された位置に対応する位置座標のデータを出力する。なお、タッチパネル113の検出精度は、第2LCD112の表示画面の解像度よりも低いものであってもよいし、高いものであってもよい。
【0073】
通信に係る構成としてベースバンド回路129、RF回路130、およびアンテナ131を備えている。ベースバンド回路129はROM129aを含む。ROM129aには、種々の通信プログラムが内蔵され、ベースバンド回路129はこれらのプログラムに従って動作するようになっている。すなわち、ベースバンド回路129は、CPUコア121による制御の下、WRAM122から転送される成長情報(後述)などをRF(Radio Frequency)回路130に送出する。RF回路130は、そのデータに対して所定の規格に基づく変調を施し、アンテナ131から送信可能になっている。
【0074】
一方、スロットマシン1により変調され送信されたゲームデータを含む電磁波は、アンテナ131を介して受信され、RF回路130によって復調され、復調信号がベースバンド回路129に入力される。ベースバンド回路129は、復調信号をデコードしてゲームデータを復元し、これをWRAM122に転送するようになっている。このゲームデータは、スロットマシン1における役抽選の結果、例えば入賞役に係る情報を含んでいる。
【0075】
(機能ブロックの構成)
次に、本実施形態の遊技システムにおける機能ブロックについて説明する。
図4は、スロットマシン1と携帯型ゲーム機100とのそれぞれが、それぞれのソフトウェアプログラムを実行することにより機能的に実現される要素を示した機能ブロック図である。
【0076】
(スロットマシンの機能ブロック)
図4に示すように、スロットマシン1は、メイン制御手段200、操作手段220、設定値設定手段230、図柄表示手段240、サブ制御手段250、および通信手段260を備えている。これらのうち、操作手段220は、セレクタ43、1・2ベットスイッチ44、MAXベットスイッチ45、スタートスイッチ46、左リールストップスイッチ47L、中リールストップスイッチ47C、および右リールストップスイッチ47R並びにそれらの操作状態を検出・認識するメイン制御基板10が相当している。設定値設定手段230は、設定変更有効化スイッチ34および設定スイッチ41並びにそれらの操作状態を検出・認識するメイン制御基板10が相当している。図柄表示手段240は、リール基板20に接続される各リールモータ21およびリールセンサ21並びにそれらを制御するメイン制御基板10が相当している。サブ制御手段250は、演出制御基板60および画像音響制御基板70が相当している。通信手段260は、通信基板90が相当している。
【0077】
操作手段220は、遊技者によって操作されるスイッチ群およびそれらスイッチ群の操作状態の検知機能に対応した機能ブロックであり、1ベット・2ベットスイッチ44、スタットスイッチ46、ストップスイッチ群47のそれぞれのスイッチおよびその操作状態の検出・認識機能に対応している。
【0078】
設定値設定手段230は、複数の段階の出玉率から一つを設定するための機能ブロックであり、設定値変更有効化スイッチ34および設定スイッチ41およびそれらのスイッチ状態の検出・認識機能に対応している。
【0079】
図柄表示手段240は、役を構成する図柄を表示させるための機能ブロックであり、左リールモータ21Lおよび左リール22Lの位置を検出するリールセンサ23L、中リールモータ21Cおよび中リール22Cの位置を検出するリールセンサ23C、並びに右リールモータ21Rおよび右リール22Rの位置を検出するリールセンサ23Rに対応している。図柄表示手段240は、リール22L、22C、および22Rの加速・減速・強制停止を行うとともに、リール22L、22C、および22Rの回転位置を検出することが可能になっている。
【0080】
メイン制御手段200は、例えばメインCPU11がROM13内に記録されるプログラムを実行することにより実現される機能ブロックであり、具体的に、メイン制御手段200は、本発明に係る役抽選手段210を含んでいる。
【0081】
役抽選手段210は、役(特別役、小役、リプレイ(継続)等)の役抽選を行う機能ブロックであり、具体的には、定期的に乱数を発生させており、役抽選時には発生させた乱数の一つを所定のタイミング、例えばスタートスイッチ46の操作がされたタイミングで抽出し、抽出された乱数に基づいて入賞役を判定するように構成されている。具体的には、役抽選手段210は、抽出された乱数に基づいて、内部に記憶されている役抽選テーブルを参照し、当選役を判定する。役抽選テーブルは、抽選される役の種類と各役の当選確率とを定めた関係テーブルである。役抽選手段210は、役抽選テーブルに設定されている当選確率で各入賞役が当選するように、抽出される乱数と入賞役との対応関係を制御するようになっている。
【0082】
ここで役抽選手段210は、通信手段260を介して入賞役に係る情報を携帯型ゲーム機100に送信可能になっている。また役抽選手段210は、携帯型ゲーム機100から受信した成長情報に基づいて役抽選テーブルに設定されている当選確率を変更可能に構成されている。
【0083】
その他、メイン制御手段200は、リール制御手段、停止図柄判定手段、払出制御手段、特別役持ち越し手段、および遊技状態制御手段を備える。リール制御手段は、リール群22の加速・減速・強制停止を制御する手段であり、操作手段220によりリールの始動が指示されるとリールの回転を開始させ、いずれかのリールの停止が指示されると停止位置決定テーブルを参照して停止位置を特定し、その停止位置に停止させるためのリールの引き込み動作を行い、一定時間以内に各リールを停止させる。
【0084】
停止図柄判断手段は、リールの停止位置を判定して、有効ラインのいずれかに停止するリールの図柄の組合せが、予め定めたいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判定する。
【0085】
払出制御手段は、入賞に係るメダルの払出を制御する手段であり、有効ラインに停止する図柄がいずれかの役に対応する図柄の組合せとなっていると判断された場合に、その入賞役に応じて定まる枚数のメダルを払い出すか、または、クレジットして積算する処理を行う。入賞役が「リプレイ」である場合には、メダルの払出等の処理をすることなく、当該遊技で投入されていたメダルの枚数を再び投入する扱いとする。
【0086】
特別役持ち越し手段は、特別役に入賞した場合に当選役を持ち越す手段であり、当選した特別役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止するまで、その特別役の当選を持ち越すように制御する手段である。
【0087】
遊技状態制御手段は、複数の遊技状態を制御する手段であり、通常遊技制御手段、特別遊技制御手段、および再遊技高確率遊技制御手段を備える。通常遊技制御手段は、遊技ごとの連続性を保持させないで遊技させず、通常の利益を遊技者に与えるための「通常遊技」を制御する手段である。特別遊技制御手段は、通常遊技以上の利益を獲得することが期待できる各種の「特別遊技」を制御する手段である。再遊技高確率遊技制御手段は、「リプレイ」等の再遊技役に当選しやすいように特別の遊技状態確立テーブルを用いた遊技を制御する手段である。
【0088】
サブ制御手段250は、メイン制御手段200の出力した抽選結果に対応した遊技機としての演出を行う手段であり、演出制御手段および画像音響生成手段を備える。
演出制御手段は、メイン制御手段200の出力した抽選結果に対応した演出を決定し、その演出を実行させるための画像演出情報および音響演出情報を画像音響生成手段に出力する。画像音響生成手段は、画像演出情報に対応した画像による演出および音響による演出を実行可能に構成されている。例えば、いわゆる3D画像を表示可能に構成されている場合には、画像演出情報に対応したオブジェクトデータに基づき仮想三次元空間にオブジェクトをモデリングし、特定の視点を基準にした透視投影変換を実行した後、画像表示範囲に入っているオブジェクトに対して所定のテクスチャをマッピングして、立体画像を生成する。また、画像音響生成手段は、演出制御手段からの音響演出コマンドを参照し、音響演出コマンドに対応する音源データに基づいて音響信号を合成し増幅してからスピーカ90に出力するように構成されている。
【0089】
通信手段260は、本発明に係り、役抽選手段210による役抽選の結果を携帯型ゲーム機100に通信可能に構成されている。また通信手段260は、携帯型ゲーム機100からの成長情報を受信して役抽選手段210に提供することが可能になっている。
【0090】
(携帯型ゲーム機の機能ブロック)
図4に示すように、携帯型ゲーム機100は、通信手段300、成長情報更新手段310、成長情報記憶手段320、画像生成手段330、表示態様記憶手段340、および表示手段350を備えている。
【0091】
通信手段300は、スロットマシン1とデータを送受信するための機能ブロックである。通信手段300は、ベースバンド回路129、RF回路130、およびアンテナ131が相当している。
【0092】
成長情報更新手段310は、本実施形態に係るキャラクタ成長型ゲームの主たる機能ブロックである。
ここで「キャラクタ成長型ゲーム」(または「キャラクタ成長に係る演出))とは、所定のキャラクタオブジェクトを表示させ、外部からのデータまたは操作に基づいてそのキャラクタオブジェクトを「成長」させることができるように構成されたゲーム(または演出)をいう。キャラクタ成長型ゲームでは、例えば、動物に餌を与えると体が大きくなるように、キャラクタオブジェクトに「餌」を与えることに対応付けられたデータが供給されたり操作がされたりすると(以下「給餌」という。)、キャラクタオブジェクトの大きさを大きくなる。逆に、動物に餌を与えないでおくと体が小さくなったり衰弱したりするように、キャラクタオブジェクトに給餌処理を行わないでおくと、キャラクタオブジェクトが「衰弱」して小さくなり、ついには「餓死」または「死亡」してしまう。
【0093】
「成長情報」はキャラクタ成長型ゲームにおいて、キャラクタの「成長」の程度を表す内部パラメータであり、キャラクタ成長型ゲームの仕様に応じて種々に変更可能である。本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)カウンタおよびビッグボーナス(BB)カウンタという2つの変数を「成長情報」として取り扱うものとする。RBカウンタは、初期値が1であり、スロットマシン1においてレギュラーボーナスに入賞するたびに2つずつ上昇するように制御される。BBカウンタは、初期値が0であり、ビッグボーナスに入賞するたびに1ずつ上昇するように制御される。
【0094】
図7に、本実施形態に係るキャラクタ成長型ゲームの成長情報とキャラクタとの関係を示す。
図7に示すように、本実施形態に係るキャラクタ成長型ゲームでは、複数種類のキャラクタがキャラクタ番号によって特定されるようになっている。キャラクタ番号が上昇する程、ゲームにおいて上位ランクのキャラクタとして位置づけられている。このキャラクタの種類はビッグボーナス(BB)カウンタ値と結びついており、BBカウンタ値が所定の基準値、例えば10の倍数に達する毎に、キャラクタ番号が一つ上昇するように操作される。ビックボーナスに10回入賞すると、キャラクタ番号が一つ上がり、一つステップアップしたキャラクタが画像表示されるように対応付けられている。BBカウンタ値が10の倍数に達するごとに、キャラクタを上位のキャラクタに「変身」させる趣旨である。
【0095】
また一つの種類のキャラクタは、レギュラーボーナス(RB)カウンタ値に応じて「成長」するように対応付けられている。具体的には、RBカウンタ値が大きい程、キャラクタのサイズが大きく表示されるようになっている。RBカウンタ値を「給餌」の量になぞらえてキャラクタの「成長」、つまりキャラクタの大きさに反映させる趣旨である。
【0096】
図8に、RBカウンタ値に応じた一つの種類のキャラクタの表示態様の変化を示す。
図8に示すように、RBカウンタ値が1であると「サイズ1」の表示態様が選択され、RBカウンタ値の上昇に伴って、少しずつ大きい表示態様のキャラクタが選択されていく。このような表示態様の割り付けと処理によって、キャラクタが「成長」していくような演出を提供可能となっている。
【0097】
RBカウンタ値は増加するだけではなく、減少もするように制御される。RBカウンタ値が減少した場合には、「給餌」の量が少なくてキャラクタが「衰弱」していく様子をキャラクタのサイズが小さくなることで表現するようになっている。RBカウンタ値がゼロ(0)に達した場合には、「給餌」がされずに「餓死」したものと取り扱い、キャラクタを消滅表示させる。
なお、以上の処理はキャラクタ成長型ゲームの例示であり、これに限定されるものではない。
【0098】
成長情報更新手段310は、上記のキャラクタ成長型ゲームを制御するように構成されており、特に、スロットマシン1から受信した入賞役に基づいて成長情報記憶部320に記憶されている成長情報を更新可能に構成されている。すなわち、成長情報更新手段310は、図7の対応関係を参照して、スロットマシン1から受信した役抽選の結果からRBカウンタ値およびBBカウンタ値を増減処理し、その増減処理した後のBBカウンタ値に対応するキャラクタ番号をそのキャラクタの種類として決定し、RBカウンタ値が示すサイズをそのキャラクタのサイズとして決定する。成長情報としてのRBカウンタ値およびBBカウンタ値は、成長情報記憶手段320に更新可能に記憶される。
なお、成長情報更新手段310は、WRAM122に記憶されたプログラムを実行するCPUコア121が相当している。成長情報記憶手段320は、外部記録媒体MのRAM172が相当しており、成長情報はこの不揮発性のメモリに更新可能に記憶される。
【0099】
表示態様記憶手段340は、総てのキャラクタ番号に対応するキャラクタの種類について、表示可能な総てのサイズにおける表示態様の画像データを記憶している。画像生成手段330は、上記成長情報に対応付けられている表示態様でキャラクタ画像を生成する機能ブロックである。具体的には、画像生成手段330は、成長情報更新手段310が決定したキャラクタ番号に対応するキャラクタについて成長情報更新手段310が決定したサイズの画像データを表示態様記憶手段340から読み出してキャラクタ画像を生成するようになっている。
なお、表示態様記憶手段340は、WRAM122が相当している。
【0100】
表示手段350は、画像生成手段330が生成したキャラクタ画像を表示する機能ブロックである。なお、表示手段350は、第1GPU124の制御により第1VRAM123に格納された画像データに基づき画像を表示する第1LCD111、および、第2GPU126の制御により第2VRAM125に格納された画像データに基づき画像を表示する第2LCD112が相当している。
【0101】
(動作の説明)
以下、フローチャートを参照しながら、本実施形態に係る遊技システムにおける動作を説明する。
前提として、スロットマシン1において遊技を実行しようとする遊技者は、本発明に係るキャラクタ成長型ゲームのためのゲームプログラムが記憶された外部記憶媒体Mを携帯型ゲーム機100のスロット103に差し込んで、ゲームプログラムをWRAM122にロードしておく。その際、以前に実行されたキャラクタ成長型ゲームの成長情報が外部記録媒体MのRAM172に記憶されていた場合には、それを読み込んで、キャラクタの表示態様を変更しておく。
【0102】
ホールに出かける際、遊技者は、キャラクタ成長型ゲームをロードしてある携帯型ゲーム機100を携帯していく。そして、ホールにおいてプレイをしたいスロットマシン1を決めたら、図1に示すように、そのスロットマシン1に対応付けられたホルダ84の差込部85に、自ら携帯してきた携帯型ゲーム機100のスロット103を差し込む。スロットマシン1の通信手段260と携帯型ゲーム機100の通信手段300とが通信可能な距離に入ると、互いに相手側からの情報を受信可能な状態になる。
以下、スロットマシン1と携帯型ゲーム機100のそれぞれにおいて、以下のように処理が進行する。
【0103】
(スロットマシン1における動作)
スロットマシン1において実施される通常遊技の概要を簡単に説明する。
遊技者がスロットマシン1のメダル投入口43からメダルを投入するか、ベットスイッチ群44・45を操作すると、ベット数に応じてリール群22に有効ラインが有効化される。ベット数を指定した遊技者がスタートスイッチ46を操作すると、ベット数に応じた役の抽選が行われると共に、リール群22が回転し始める。遊技者がストップスイッチ群47のいずれかを操作すると、操作されたボタンに対応するリールの回転が停止する。このとき、スタートスイッチ46の操作と同時に行われている役の抽選結果が当選であった場合には、有効化されている有効ライン上に並ぶ図柄の組み合わせが、予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせに一致するようにリールが停止制御され、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。
【0104】
図5は、メイン制御手段200を中心に実行されるスロットマシン1の動作のうち、本発明に係る処理を中心に示したフローチャートである。
図5のステップS101において、スロットマシン1の通信手段260は、携帯型ゲーム機100からの通信情報が受信されているか否かを判定する。判定の結果、通信情報が受信されていた場合には(YES)、ステップS102において通信手段260は通信情報を取り込み、メイン制御手段200に供給する。なお、ステップS101において通信情報が受信されていないと判定された場合には(NO)、ステップS105に移行する。
【0105】
ステップS103において、メイン制御手段200の役抽選手段210は、取得された通信情報が本発明に係る確率変更情報であるか否かを判定する。後述するように、本実施形態では確率変更情報は携帯型ゲーム機100においてキャラクタ番号が更新されキャラクタの種類が変更されたことを示している。キャラクタの種類が変更される場合は、キャラクタの「育成」に遊技者が一定の成果をあげたことを意味している。そこでステップS104に移行し、役抽選手段210は、役抽選テーブルに設定されている当選確率を一定期間変更する。この当選確率の変更により、通常遊技において、いずれかの入賞役または総ての入賞役に当選する確率が高くなる。なお、何らかのメリットが遊技者にもたらされればよいので、このような通常遊技における高い当選確率の設定に代えて、特別遊技制御手段における「特別遊技」の実施や、再遊技高確率遊技制御手段による「リプレイ」等の高当選確率の設定を実施するように構成してもよい。
なお、このような当選確率の変更は、遊技機の仕様を規制する法令の定めに従った範囲で運用されるべきことは当然である。
【0106】
ステップS105において、操作手段220のスタートスイッチ46を操作することにより、遊技者がリール群22の駆動開始を指定したか否かが判定される。判定の結果、リール群22の駆動開始が指定されていた場合には(YES)、ステップS106に移行し、役抽選手段210は、役の抽選処理を行う。すなわち、定期的に出力されている乱数の一つを抽出し、役抽選テーブルを参照しながら入賞役を決定する。このとき、ステップS103において当選確率の変更がされている場合には、通常より高い確率で入賞役に当選するようになる。役抽選処理と並行して、メイン制御手段200は、リール群22の回転駆動を開始させる。
なおステップS105において、遊技者によりリール群22の駆動開始が指定されていなかった場合は(NO)、ステップS108に移行する。
【0107】
ステップS107において、役抽選手段210は、役抽選結果を役抽選結果情報としてサブ制御手段250に送信する。これと同時に、通信手段260はこの役抽選結果情報を携帯型ゲーム機100に送信する。例えば、「特別役」、「小役」、「再遊技役」のいずれに当選しているかの情報が送信される。特にメイン制御手段200は、役抽選結果が「ハズレ」であった場合でも「ハズレ」に当選したものとして、その旨の情報を送信するようになっている。
【0108】
ステップS108において、メイン制御手段200は、スロットマシン1における他の制御処理を実施する。例えば、他のスイッチの処理、リール群22の停止処理が実施される。
【0109】
メイン制御手段200は、操作手段220のストップスイッチ47に操作等に対応させて、入賞役に応じて決定した図柄の組合せとなるように、対応するリール群22の回転を停止させる。最終的に停止した時のリールの位置が検出され記録される。ステップS107における役抽選結果情報の送信に代えて、この最終的に停止した場合に記録される図柄の組合せから定まる入賞役の情報を送信するように構成してもよい。メイン制御手段200は、最終的にリールの引き込み動作により有効ライン群22上に並んで静止した図柄の組み合わせに基づいて、入賞した役に対応する入賞処理を実行する。
【0110】
以上により、スロットマシン1における一回の単位遊技についての制御処理が終了する。この処理を適当な周期で実行することで、抽選や操作状態に応じた演出を制御するようになっている。
【0111】
(携帯型ゲーム機100における動作)
携帯型ゲーム機100において実施されるキャラクタ成長に係る演出処理の概要を説明する。
図6は、携帯型ゲーム機100の動作のうち、本発明に係る処理を中心に示したフローチャートである。
スロットマシン1の脇のホルダ84に差し込まれると、携帯型ゲーム機100はスロットマシン1と通信可能となる。
【0112】
外部記録媒体MからWRAM122にロードされたキャラクタ成長型ゲームが初めて実行される場合には、S200において、成長情報更新手段310は、成長情報記憶手段320において本発明の成長情報に対応しているレギュラーボーナス(RB)カウンタ値およびビッグボーナス(BB)カウンタ値をリセットする。キャラクタ成長型ゲームが2回目以降に実行される場合には、成長情報更新手段310は、RBカウンタ値およびBBカウンタ値のリセットを行わず、成長情報記憶手段320に記憶されているRBカウンタ値およびBBカウンタ値を利用する。画像生成手段330は、所定の関係テーブル(例えば図7)を参照してRBカウンタ値およびBBカウンタ値に対応する一つの表示態様を定め、その表示態様のキャラクタ画像を表示手段350に表示させる。
【0113】
RBカウンタ値の初期値は1、BBカウンタ値の初期値は0である。図7のキャラクタ番号、BBカウンタ値、およびRBカウンタ値の割り付けに従うとすれば、キャラクタ成長型ゲームが当該遊技者により初めて実施される場合には、当初、BBカウンタ値が0の場合に相当するキャラクタ番号1が選択されており、RBカウンタ値が1の場合に相当する「サイズ1」の大きさの表示態様が選択されることになる。表示手段350にはキャラクタ番号1のキャラクタが小さいサイズ(サイズ1)で画像表示される。
【0114】
ステップS201において、スロットマシン1から通信情報が送信されてきているかが判定される。判定の結果、通信情報が受信されていた場合には(YES)、ステップS202に移行し、成長情報更新手段310は、その通信情報がレギュラーボーナスに入賞したものであるか否かを判定する。判定の結果、レギュラーボーナスに入賞したことを通信情報が示している場合には(YES)、ステップS203に移行し、成長情報更新手段310はRBカウンタ値を2つ増加させる。「育成」すべきキャラクタに対し「給餌」できたことを意味するからである。レギュラーボーナスへの入賞がなかった場合には(NO)、ステップS204に移行する。図7において当初「サイズ1」の表示態様が選択されていたものとすれば、この処理によりRBカウンタ値が2つアップし、「サイズ3」が選択されることになる。なお、通信情報が送信されてきていない場合には(S201:NO)、引き続き通信情報を待つ。
【0115】
ステップS204において、成長情報更新手段310は、通信情報がビッグボーナスに入賞したものであるか否かを判定する。判定の結果、ビッグボーナスに入賞したことを通信情報が示している場合には(YES)、ステップS205に移行し、成長情報更新手段310はBBカウンタ値を1つ増加させる。ビッグボーナスは大当たりに相当し、「育成」すべきキャラクタに対する単なる「給餌」を超えて、一つ上のランクにステップアップさせてよいことを意味するからである。図7において当初BBカウンタ値が1であったとすれば、この処理によりBBカウンタ値が1つアップし、BBカウンタ値が2になる。なお、ビッグボーナスへの入賞がなかった場合には(NO)、ステップS206に移行する。
【0116】
ステップS206において、通信情報がハズレであることを示しているかが判定される。判定の結果、役抽選の結果が「ハズレ」であった場合、すなわち「ハズレ」に入賞したことを通信情報が示している場合には(YES)、ステップS207に移行し、成長情報更新手段310はRBカウンタ値を1つ減少させる。「育成」すべきキャラクタに対し「給餌」することができなかったことを意味するからである。図7において「サイズ3」の表示態様が選択されていたものとすれば、この処理によりRBカウンタ値が1つ減少し、「サイズ2」が選択されることになる。「ハズレ」への入賞がなかった場合には(NO)、ステップS208に移行する。
【0117】
ステップS208において、ビッグボーナス(BB)カウンタ値が所定の基準値に等しいか否かが判定される。基準値は、ビックボーナスの累積数が一定回数に達したことを示すもので、本実施形態では10の倍数(=10n:nは自然数)とする。判定の結果、BBカウンタ値が基準値に等しくなっていたら(YES)、ステップS209に移行し、成長情報更新手段310は特別演出フラグをセットする。特別演出フラグとは、キャラクタ成長に係る演出の他に提供される演出のことで、特に基準値に示す回数ビッグボーナスを繰り返した遊技者の功績を称えるような演出をいう。この演出は、画像演出である他、画像演出に音響演出を伴ったり音響演出のみを提供したりしてもよい。図7において当初、BBカウンタ値が9であったとすれば、この処理によりBBカウンタ値が10にアップし、キャラクタ2に対応する種類が選択され、キャラクタが「変身」して表示されることになる。なお、BBカウンタ値が基準値に等しくない場合には(NO)、ステップS210に移行する。
【0118】
ステップS210において、特別演出フラグがオン状態であるか否かが判定される。判定の結果、特別演出フラグがオン状態である場合(YES)、ステップS211に移行し、通信手段300は、確率変更情報をスロットマシン1に通知する。確率変更情報とは、スロットマシン1における役抽選の確率を変更する旨の情報であり、例えば、キャラクタ成長型ゲームにおいて遊技者が一定の成績をあげたことの報償として、役抽選の確率を上げることを指示するための情報である。なお、ステップS210において特別演出フラグがオン状態でない場合(NO)、ステップS215に移行する。
【0119】
ステップS212において、成長情報更新手段310は、キャラクタ番号を変更する。このキャラクタ番号の変更により、画像生成手段330は新たなキャラクタ番号に対応するオブジェクトデータに基づき画像を生成するようになる。次いでステップS213において、画像生成手段330は特別演出に係る画像を生成し、表示手段350に表示させる。
【0120】
図9に特別演出に係る画像表示例を示す。図9の画像表示例では、表示画面400に「育成」の対象となるキャラクタ402が表示されている。特別演出画像404は、例えば、吹き出しのような形態で表示され、図9では、吹き出し404中に遊技者の労をねぎらうようなメッセージが表示されている。
【0121】
ステップS215において、レギュラーボーナス(RB)カウンタ値がゼロになっているか否かが判定される。判定の結果、RBカウンタ値がゼロでなければ(NO)、ステップS216に移行し、現時点で指定されているキャラクタ番号に対応したオブジェクトデータを表示態様記憶手段340から読み出し、画像生成手段330はキャラクタ画像を生成し、表示手段350に出力する。この処理により現時点のキャラクタ番号に対応した表示態様のキャラクタ画像が表示される。
【0122】
ステップS214において、RBカウンタ値がゼロであった場合(YES)、キャラクタに対する「給餌」処理ができずにキャラクタが「餓死」してしまった状況と考えられる。そこでステップS217に移行し、消滅演出処理に移行する。成長情報更新手段310は現時点のキャラクタ番号においてキャラクタを消滅表示させる旨を決定し、画像生成手段330は消滅表示のためのオブジェクトデータを表示態様記憶手段340から読み出して、消滅表示に係るキャラクタ画像を生成し、表示手段350に出力する。この処理により、キャラクタが「餓死」してしまい消滅してしまうような画像が表示され、それに伴う音響が提供される。
【0123】
次いでステップS218に移行し、成長情報更新手段310はカウンタ値やフラグ値を初期状態に戻す。すなわち、RBカウンタを1に、BBカウンタを1に、特別演出フラグを0にセットする。
その後は、再び次の通信情報の待ち受け状態となる(S201)。
【0124】
(実施形態の効果)
以上、本実施形態によれば、以下の利点を備える。
1)上記実施形態によれば、スロットマシン1の役抽選の結果が携帯型ゲーム機100に送信され、入賞役がRB、BB、ハズレのいずれかに応じて、カウンタ値が更新され、キャラクタの種類およびサイズに反映されて表示されるように構成されている。よって、スロットマシンが提供する演出と携帯型ゲーム機におけるキャラクタ成長に係る演出とは切り離されており、キャラクタ成長に係る演出とは独立してスロットマシンのプログラム開発が可能である。
【0125】
2)上記実施形態によれば、キャラクタ成長に係る演出は、遊技者がホールに携行していく携帯型ゲーム機において実行され、スロットマシンの機種に依存しない。よって、ホールに通う遊技者は、どのような機種のスロットマシンであっても自らの携帯型ゲーム機と通信させてキャラクタ成長型ゲームを継続させることができる。したがって、頻繁にホールに通ってキャラクタを成長させようとする動機付けを遊技者に与えることができ、遊技者による遊技回数を増大させることが可能である。
【0126】
3)上記実施形態によれば、携帯型ゲーム機100は、スロットマシン1から送信されてきた役抽選の結果に対応させてキャラクタの種類やサイズ等の表示態様を変更するので、BBを繰り返すことにより、いわば「進化した」キャラクタに変更させたり、RBを繰り返すことによって「成長」したキャラクタに変更させたりすることができる。
【0127】
4)上記実施形態によれば、キャラクタ成長に係る演出を汎用の携帯型ゲーム機において実施可能としたので、キャラクタ成長型ゲームプログラムに対応している携帯型ゲーム機を保持する遊技者であれば、ホールに持参してキャラクタ成長型ゲームを楽しむことが可能である。
【0128】
5)上記実施形態によれば、一回ごとに入賞役が決定される単位遊技を実行可能なスロットマシンにおいて、ハズレの場合にはキャラクタの「成長」を阻害するような演出が提供されるので、なるべく好成績をあげてキャラクタの「成長」を促進しようとする動機付けを遊技者に与えることができる。
【0129】
6)上記実施形態によれば、BBカウント値が基準値に達した場合にスロットマシンに確率変更情報が通知され、報償として抽選の確率が変更されるので、高い抽選確率を得るために、熱心にキャラクタを「育て」ようとする強い動機付けを遊技者に与えることができ、遊技機でプレイする機会をさらに増大させることが可能である。
【0130】
7)上記実施形態によれば、単にキャラクタが「成長」していく演出に比べ、遊技の成果に密接に対応させた情報(応援メッセージ等)を遊技者に提供することが可能であり、遊技者に励ましと満足を与え、さらに遊技機による遊技を続行しようとする動機付けを与えることができる。
【0131】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
例えば上記実施形態では、キャラクタの種類やサイズ等の表示態様が変更されるようにしていたが、この表示態様の変更と対応させて、または、この表示態様の変更とは切り離して、音響による演出を提供するように構成してもよい。
【0132】
上記実施形態では、キャラクタ成長型ゲームを実行させる対象として携帯型ゲーム機を例示していたが、これに限定されない。遊技機側と通信が可能に構成されていれば、キャラクタ成長型ゲームを実行可能なPDAや携帯電話に本発明を適用してもよい。
【0133】
上記実施形態では、遊技機として一回ごとに入賞役が決定される単位遊技を実行可能なスロットマシンを例示したが、これに限定されない。パチンコやじゃん球等の遊技機においても本発明を適用可能である。なお、単位遊技に相当する単位が存在せず、本実施形態における「ハズレ」に相当するペナルティを設定できない遊技機の場合には、他の指標、例えば前回入賞してからの経過時間が基準時間を超えたか否か等によってペナルティを課すように構成すればよい。
【0134】
上記実施形態では、スロットマシンに対し確率変更情報を送信し、スロットマシンは、送信された確率変更情報に対応させて通常遊技における抽選の確率を変更可能に構成されていたが、遊技機側で変更可能な要素はこれに限定されない。何らかのメリットが遊技者にもたらされればよいので、抽選確率のみならず、このような通常遊技における高い当選確率の設定に代えて、特別遊技制御手段における「特別遊技」の実施や、再遊技高確率遊技制御手段による「リプレイ」等の高当選確率の設定を実施するように構成してもよい。また直接的な確率変更をせずに演出内容を変更するように構成してもよい。
【0135】
上記実施形態では、携帯型ゲーム機100はスロットマシン1から送信されてきた入賞役がビックボーナスであった回数を計数し、計数された回数に応じて所定の特別演出を提供するように構成していたが、これに限定されない。特別演出をレギュラーボーナス、その他の入賞役に係らせて提供するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技システムの外観斜視図
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのハードウェア構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態に係る携帯型ゲーム機のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施形態に係る遊技システムの機能ブロック図
【図5】メイン制御手段のメイン制御処理を示すフローチャート
【図6】携帯型ゲーム機におけるキャラクタ成長に係る演出制御処理を示すフローチャート
【図7】実施形態における成長情報とキャラクタ表示態様との関係テーブル例
【図8】実施形態におけるキャラクタの「成長」に伴う表示態様の変化の説明図
【図9】実施形態における特別演出に係る画像表示例
【符号の説明】
【0137】
1 スロットマシン
2 フロントパネル
10 メイン制御基板
21 表示窓
22 リール群
22L 左リール
22C 中リール
22R 右リール
50 サブ制御基板
60 演出制御基板
70 画像音響生成基板
80 液晶表示装置
200 メイン制御手段
210 役抽選手段
220 操作手段
230 設定値設定手段
240 図柄表示手段
250 サブ制御手段
260 通信手段
300 通信手段
310 成長情報更新手段
320 成長情報記憶手段
330 画像生成手段
340 表示態様記憶手段
350 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選の結果に基づいて入賞役が決定される遊技機と、該遊技機と通信可能に構成された携帯端末装置と、を備えた遊技システムであって、
該遊技機は、
該抽選を実行する役抽選手段と、
該携帯端末装置と通信するための通信手段と、を含み、
該携帯端末装置は、
該遊技機と通信するための通信手段と、
該遊技機から受信した該役抽選の結果に基づいて成長情報を更新する成長情報更新手段と、
該キャラクタオブジェクトの画像を該成長情報に対応付けられている表示態様で生成する画像生成手段と、を含む
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、前記遊技機から送信されてきた前記役抽選の結果に対応させて前記キャラクタオブジェクトの表示態様を変更する、
請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技機は、一回ごとに入賞役が決定される単位遊技を実行可能に構成されており、入賞役が無かった場合に入賞役が無かった旨の情報を前記携帯端末装置に送信する、
請求項1に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置は、前記遊技機から前記入賞役が無かった旨の情報が送信されて来た場合、前記キャラクタオブジェクトの前記表示態様を変更する、
請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、前記成長情報に基づいて確率変更情報を前記遊技機に送信し、
前記遊技機は、送信された前記確率変更情報に対応させて前記抽選の確率を変更可能に構成されている、
請求項1に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記携帯端末装置は、前記遊技機から送信されてきた前記役抽選の結果が特別入賞であった回数を計数し、計数された該回数に応じて所定の特別画像を生成する、
請求項1に記載の遊技システム。
【請求項7】
抽選の結果に基づいて入賞役が決定される遊技機と、該遊技機と通信可能に構成された携帯端末装置と、を備えた遊技システムにおける遊技制御方法であって、
該遊技機において、
該抽選を実行するステップと、
該役抽選の結果を該携帯端末装置に送信するステップと、を実行し、
該携帯端末装置において、
該遊技機から該役抽選の結果を受信するステップと、
受信した該役抽選の結果に基づいて所定の成長情報を更新するステップと、
所定のキャラクタオブジェクトの画像を、更新された該成長情報に対応付けられている表示態様で生成するステップと、を実行する
ことを特徴とする遊技制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−285189(P2009−285189A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141459(P2008−141459)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(503241973)株式会社サミーネットワークス (12)
【Fターム(参考)】