遊技システム
【課題】遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる遊技システムを提供すること。
【解決手段】カードユニット300Aが、パチンコ遊技機10Aから受信した遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて大当り遊技状態になったことを検出し、受信した遊技実行情報に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、カード発行機400の操作で所定の計数開始条件が成立してから、大当り遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、カードユニット300Aがプリペイドカードの残高情報に所定量の残高情報を加算する。
【解決手段】カードユニット300Aが、パチンコ遊技機10Aから受信した遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて大当り遊技状態になったことを検出し、受信した遊技実行情報に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、カード発行機400の操作で所定の計数開始条件が成立してから、大当り遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、カードユニット300Aがプリペイドカードの残高情報に所定量の残高情報を加算する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関し、例えば、遊技者にとって不利な遊技状態が継続した場合に、遊技者に利益を還元することができる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機等の遊技機にあっては、表示図柄等の識別情報が表示される表示装置でこの表示図柄が変動表示ないし停止表示される1サイクルを1回の可変表示ゲームとして、この可変表示ゲームを繰返し表示するようになっており、この可変表示ゲームにおいて表示図柄が所定の組み合わせで停止表示した場合には、所謂、大当り遊技状態という遊技者に対して有利な状態を提供するようになっている。
【0003】
可変表示ゲーム時にこの大当り遊技状態が発生する確率は、例えば1/250といった確率に設定されている。すなわち、大当り遊技状態が発生する確率が1/250の場合は、単純に考えれば250回の可変表示ゲームを繰返すことにより、1回大当り遊技状態が発生するということである。
【0004】
近年、パチンコホールにおいて、大当り遊技状態が発生する確率を表示することにより遊技者に報知することが行われるようになってきており、また、パチンコ遊技機毎に、前回大当りが発生して以来、何回可変表示ゲームが実行されているか、すなわち、どの程度の回数の可変表示ゲームの間だけ大当り遊技状態が発生していないかを、回数表示することが行われている。
【0005】
ところで、大当り遊技状態が発生する確率は、あくまで確率であるために、当然のことながら、可変表示ゲームを100回繰返す前に大当り遊技状態が発生する場合もあれば、1000回以上繰返しても発生しない場合もある。
【0006】
そこで、どこまで続くか分からないような長期の間大当り遊技状態が発生しない状態、所謂、「ハマリ」を遊技者に対して緩和するために、所謂、「天井」が設けられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
天井とは、可変表示ゲームを繰返し実行したときに大当り遊技状態が少なくとも1回は発生するという可変表示ゲームの最大回数であり、換言すれば、これだけの回数可変表示ゲームを行えば最低1回は大当り遊技状態が発生するという可変表示ゲームの回数をいう。
【0008】
しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機にあっては、長期の間大当り遊技状態が発生しない状態が可変表示ゲームの最大回数行われた場合に、救済措置として大当り遊技等の遊技に関する利益を還元するようにしていたため、パチンコ遊技機の釘の良し悪し、遊技者の技量等によって還元される利益に隔たりが生じ易くなってしまう。
【0009】
すなわち、大当りが発生すると、大入賞口が開放し、大入賞口に遊技球を入賞させることで多くの賞球を払い出すことができる大当り遊技状態に移行する。この大入賞口の周辺には釘が配置されており、この釘の開き具合に応じて、大入賞口への遊技球の入賞の難易度が異なるようになっており、釘の開き具合が良いパチンコ遊技機と釘の開き具合が悪いパチンコ遊技機とでは、大当り遊技状態中に払い出される賞球数が異なってしまう。
【0010】
また、1ラウンド当りの大入賞口の最大開放時間は一定時間となっているとともに、1ラウンド当りの遊技球の入賞数も一定数になっており、一定時間内に一定数の遊技球が大入賞口に入賞しないと次のラウンドに移行してしまうため、釘の開き具合が悪いと、遊技球の取りこぼしが多くなる上に、払い出される賞球数も少なくなる。
【0011】
これに加えて、技量のある遊技者は、止め打ちと呼ばれる遊技を行うことにより、大入賞口が閉塞した状態では、遊技球の発射を停止して無駄な遊技球の消費を抑制するようにした遊技を行うが、このような遊技を知らない初心者は、大入賞口が閉塞した状態でも遊技球を発射して遊技球を無駄に消費する遊技を行うことになる。
【0012】
このため、折角、大当り遊技状態が発生した場合でも、遊技機の釘の良し悪しや遊技者の技量によって遊技者に還元される遊技球の量に差がついてしまうのである。
【特許文献1】特開2003−190528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、従来のパチンコ遊技機で行われる救済措置では、遊技者に還元される利益に対して遊技者が不公平を感じるという問題があった。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる遊技システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る遊技システムは、(1)遊技に使用される遊技用価値を特定可能な遊技用価値情報および所定の遊技者情報(例えば、発行カードID)が記録された記録媒体(例えば、プリペイドカード)を発行するカード発行機と、併設された遊技機(例えば、パチンコ遊技機10A、10B、10C)に遊技媒体の貸し出しを行う複数のカードユニットと、によって構築される遊技システムであって、前記カード発行機は、所定の有価価値を受け付ける有価価値受付手段(例えば、硬貨投入検知センサ315、紙幣識別装置314)と、遊技者の操作に基づいて前記有価価値受付手段が受け付けた所定の有価価値の範囲内で前記記録媒体に書き込む遊技用価値情報を設定する遊技用価値設定手段(例えば、CPU404、メモリ406等の制御部402)と、所定の計数開始条件を成立させるか否かを選択する選択手段(例えば、操作部414のレスキューペイボタン414a)と、前記選択手段により前記所定の計数開始条件を成立させることが選択された場合、前記所定の計数開始条件が成立したことを示す条件成立情報および前記遊技用価値設定手段によって設定された遊技用価値情報を前記記録媒体に書き込む書込手段(例えば、カード発行部418のカードライタ)と、前記書込手段によって書き込みが行われた前記記録媒体を発行する記録媒体発行手段(例えば、カード発行部418)と、を備え、前記カードユニットは、併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段(例えば、遊技機接続用I/O318)と、併設された遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段(例えば、遊技機接続用I/O318)と、前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段(例えば、CPU310)と、前記記録媒体を受け付ける受付手段(例えば、カード挿入口308)と、前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段(例えば、カードR/W313)と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段(例えば、RAM312)と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段(例えば、CPU310)と、前記読取手段によって前記記録媒体から前記条件成立情報が読み取られたことを条件として前記所定の計数開始条件を成立させる計数開始条件成立手段(例えば、CPU310)と、前記計数開始条件成立手段によって前記所定の計数開始条件が成立されてから、前記遊技状態情報受信手段によって特定遊技状態となったことが検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された計数結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段(例えば、CPU310)と、前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段(例えば、CPU310)と、を備えたものから構成されている。
【0016】
この構成により、カードユニットでは、併設された遊技機から受信された遊技状態情報に基づいて、遊技機において特定遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、併設された遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、残高情報に所定量の残高情報を加算するので、特定遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、所定量の残高情報が加算される。
【0017】
このため、所定の遊技が規定回数実行されるまでに遊技者が消費した遊技媒体に応じた残高情報が加算されるので、釘の良し悪しや遊技者の技量等の差に関わらず、遊技媒体の消費における損失を補填することができる。したがって、遊技媒体の消費量に関わらず遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる。
【0018】
また、記録媒体の発行時に所定の計数開始条件を成立させるか否かを遊技者の選択操作に基づいて選択し、選択した情報を記録媒体に書き込んで遊技者に発行するので、遊技者は遊技機およびカードユニットを移る度に所定の計数開始条件の選択操作をやり直す必要がなくなる。よって、遊技者の選択操作の手間を省くことができるとともに、遊技機およびカードユニットにおける所定の計数開始条件の設定処理を簡素化することができる。さらに、機器製造者にとっては遊技機やカードユニットに計数開始条件選択手段(例えば、入力部の設定ボタン)を設ける必要がなくなるので、機器の構成を簡素化してコストを抑制することができる。
【0019】
また、本発明に係る遊技システムは、(2)前記カード発行機および前記複数のカードユニットを一元的に管理する管理装置(例えば、システムコントローラ700)を備え、前記カード発行機は、前記書込手段によって前記条件成立情報が前記記録媒体に書き込まれたことに基づいて、前記条件成立情報と前記所定の遊技者情報とを関連付けた関連情報を前記管理装置に送信する関連情報送信手段(例えば、通信制御部416)を備え、前記カードユニットは、前記読取手段によって前記記録媒体から前記関連情報が読み取られた場合に、前記関連情報および各々のカードユニットを特定するカードユニットID情報を前記管理装置に送信するカードユニットID情報送信手段(例えば、遊技機接続用I/O318)と、前記規定回数を設定する規定回数設定手段(例えば、CPU310)と、を備え、前記管理装置は、前記複数のカードユニットおよび併設された遊技機から送信された情報を受信する管理受信手段(例えば、通信制御部716)と、前記カードユニットID情報と前記遊技機の特性を示す遊技機特性情報とを対応付けて蓄積する情報蓄積手段(例えば、記憶部710)と、前記管理受信手段によって受信された前記関連情報および前記カードユニットID情報に基づいて前記規定回数を決定する規定回数決定手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、前記規定回数決定手段によって決定された前記規定回数に基づいて前記規定回数設定手段に前記規定回数の設定命令を送信する設定命令送信手段(例えば、通信制御部716)と、を備えたものから構成されている。
【0020】
この構成により、複数の遊技機にそれぞれ併設された複数のカードユニット間で還元利益が引き継がれた場合、還元利益を引き継いだカードユニットは、受け付けた記録媒体から読み取った関連情報および各々のカードユニットID情報を管理装置に送信し、管理装置は、各々のカードユニットID情報に対応する遊技機特性を情報蓄積手段から検索し、双方の遊技特性の相違に基づいて規定回数を決定し、カードユニットに対して規定回数の設定命令を送信することができる。例えば、ペイアウト率の低い遊技機からペイアウト率の高い遊技機に移った場合、規定回数が同一であれば、利益の期待値を容易に大きくすることができるが、第2の遊技機において規定回数を増加させることにより、還元利益の公平性を保つことができる。
【0021】
また、本発明に係る遊技システムは、(3)前記カードユニットは、遊技者の排出要求操作に基づいて前記受付手段に前記記録媒体の排出要求を行う排出要求手段(例えば、CPU310)と、前記排出要求手段によって排出要求が行われたときの前記計数結果を前記受付手段に受け付けられた前記記録媒体に書き込む計数結果書込手段(例えば、カードR/W313)と、前記排出要求手段によって排出要求が行われた場合に、前記記録媒体に書き込まれた排出要求時の前記計数結果を第1の計数結果情報として前記管理装置に送信する計数結果送信手段(遊技機接続用I/O318)と、を備え、前記管理装置は、前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記第1の計数結果情報に受信日時情報および遊技者情報を付与したものを第2の計数結果情報として記憶する計数結果記憶手段(例えば、記憶部710)と、前記計数結果記憶手段に前記第2の計数結果情報が記憶された後、所定時間内に前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記所定時間内に受信した前記第1の計数結果情報に受信日時および遊技者情報を付与したものに基づいて前記計数結果記憶手段に記憶された前記第2の計数結果情報を更新する計数結果更新手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、前記所定時間内に前記計数結果更新手段による更新が行われなかったことに基づいて前記第2の計数結果情報に対するポイント値を付与するポイント付与手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、前記ポイント付与手段によって付与されたポイント値を集計するポイント集計手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、を備え、前記規定回数決定手段は、前記ポイント集計手段によって集計されたポイント値が特定値に達したことに基づいて前記規定回数を削減するものから構成されている。
【0022】
この構成により、カードユニットは、排出要求時における計数結果を記録媒体に書き込むとともに第1の計数結果情報として管理装置に送信し、管理装置は、受信した第1の計数結果情報に受信日時および遊技者情報(例えば、会員カードを特定することができる発行カードID)を付与したものを第2の計数結果情報として計数結果記憶手段に記憶し、所定時間内に第1の計数結果情報を新たに受信した場合には、新たに受信した第1の計数結果情報に受信日時および遊技者情報を付加したもので計数結果記憶手段に記憶した第2の計数結果情報を更新するので、所定時間を適宜設定することによって日時をまたいで還元利益を引き継ぐことができる。
【0023】
このため、例えば、利益還元前に遊技時間が終了して還元利益が得られないという不都合を解消することができ、遊技者は遊技終了までの時間に関わらず、所定の計数開始条件の成立を選択することができる。さらに、引き継ぎの発生回数に応じてポイントが付与され、ポイント集計値が規定値(特定値)に達した場合に規定回数が削減されるので、過度の投資に対する救済措置としても機能する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる遊技システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る遊技システムの実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
図1〜図17は本発明に係る遊技システムの一実施の形態を示す図である。
[遊技システムの構成]
本実施の形態における遊技システムを示すブロック図を図1に示す。
【0027】
図1に示すように、遊技システム1は、パチンコ遊技機10A、10B、10C・・・、カードユニット300A、300B、300C、・・・、カード発行機400、管理装置としてのシステムコントローラ700、売上管理コンピュータ800等から構成される。
【0028】
また、遊技場1000には複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・、が設置されている。なお、本実施の形態における図1においては、理解を容易とするために、パチンコ遊技機10A、10B、10C等を除く遊技機(パチンコ遊技機以外も含む)や、カードユニット300A、300B、300C以外のカードユニット等については省略して表す。
【0029】
また、図1において、符号の付されているパチンコ遊技機10A、10B、10Cと符号の付されていないパチンコ遊技機が図示されているが、以後、パチンコ遊技機の説明にあっては、符号が付されているパチンコ遊技機10A、10B、10Cを代表して説明するものとする。
【0030】
また、遊技システム1は、遊技場1000の範囲内、範囲外を跨いで設けられている。具体的には、遊技場1000の範囲内には複数のカードユニット300A、300B、300C、カード発行機400、システムコントローラ700等が設置されており、遊技場1000の範囲外には売上管理コンピュータ800等が設置されている。
【0031】
勿論、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10Cは、遊技場1000の範囲内に設置されている。なお、本実施の形態においては、遊技システム1を、遊技場1000の範囲内、範囲外を跨いで設置するように構成したが、これに限らず、例えば、遊技システム1を遊技場1000の範囲内だけに設置するように構成してもよい。
【0032】
パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、パチンコ遊技に関する制御を行うものである。パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cが接続されている。すなわち、カードユニット300A、300B、300Cは、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにそれぞれ併設されている。
【0033】
また、パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cとの間で各種の情報の送受信を行う機能を有する。また、パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cやシステムコントローラ700に対して、遊技に関する遊技情報を送信する。
【0034】
なお、この遊技情報とは、大当りとなった旨の情報、大当りとなる確率が向上された旨の情報、識別情報の可変表示の回数を示す情報、払い出された遊技球の数を示す情報、貸し出した遊技球の数を示す情報等、遊技(特に、遊技の結果および経過)に関するものであればよい。
【0035】
カードユニット300A、300B、300Cは、主に、遊技球の貸し出し等を管理するものである。このカードユニット300A、300B、300Cは、詳しく後述するが、遊技場1000におけるパチンコ遊技機10A、10B、10Cのそれぞれに対応して電気的に接続されている。すなわち、カードユニット300A、300B、300Cは、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C毎に対応して設けられている。
【0036】
また、これらカードユニット300A、300B、300Cにはプリペイドカードを読み書き可能とするカードR/W(リーダ/ライタ)313(図4参照)が設けられている。
【0037】
プリペイドカードとは、カード発行機400において、遊技媒体としての遊技球を借りるために代金を前払いすることによって発行されるカードである。また、本実施の形態においては、プリペイドカードにはプリペイドカードのカードID(例えば、特定の会員遊技者の遊技者情報に相当する発行カードID)が記憶されており、システムコントローラ700においてカードIDに対応する残度数が記憶されている。なお、カード発行機400から発行されるとき、プリペイドカードには、カード発行部418(図5参照)によって発行金額(残度数に相当する)と、関係情報(所定の計数開始条件(後述する)の成否を示す条件成立情報とカードIDとが対応付けられたもの)とが書き込まれる。また、カードユニット300A、300B、300Cから排出されるとき、プリペイドカードには、カードR/W313によって所定の遊技の実行回数(遊技実行回数)の計数結果が書き込まれる。
【0038】
そして、例えば、カード発行時以降、プリペイドカードに記憶されているカードIDに対応する残度数をシステムコントローラ700から受信することによって、カードユニット300Aは、残度数を認識可能となるが、これに限らず、例えば、プリペイドカードにおいて、カードID以外にも残高情報自体が記憶されていてもよい。すなわち、このプリペイドカードは、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録された記録媒体である。
【0039】
また、これらカードユニット300A、300B、300Cは、遊技場1000におけるLAN1にそれぞれ接続されている。このため、カードユニット300A、300B、300Cは、システムコントローラ700と通信可能である。
【0040】
具体的な例について以下に説明する。
【0041】
上述したカードユニット300A、300B、300CのCPU310は、それぞれに予め設定され、それぞれ対応して接続された遊技機としてのパチンコ遊技機10A、10B、10Cが特定可能な遊技機特定情報(遊技機情報又は装置識別情報、例えば、カードユニットID(以下、単にユニットIDという)等)を、遊技機接続用I/O318からLAN1を介してシステムコントローラ700に対して供給する。本実施の形態では、CPU310および遊技機接続用I/O318がカードユニットID情報送信手段を構成している。
【0042】
また、カードユニット300A、300B、300Cは、上述したようなプリペイドカードに記憶されているカードID等をカードR/W313により読み取る。カードユニット300A、300B、300Cは、読み取られたカードID等をシステムコントローラ700に対して供給し、そのカードIDに対応する残金があるか否かに応じて、所定数の遊技球を貸し出すことになる。
【0043】
また、これらパチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cやシステムコントローラ700に対して、遊技に関する遊技情報を、LAN1を介してシステムコントローラ700に供給するようになっている。
【0044】
この遊技情報とは、プリペイドカードを受け付けた旨の情報や、大当りとなった旨の情報、大当りとなる確率が向上された旨の情報、識別情報の可変表示の回数を示す情報、払い出された遊技球の数を示す情報、貸し出した遊技球の数を示す情報等、遊技(特に、遊技の結果および経過)に関するものであればよい。
【0045】
なお、本実施の形態においては、カードユニット300A、300B、300Cのそれぞれを、LAN1を介してシステムコントローラ700に通信可能に直接接続したが、これに限らず、例えば、カードユニット300A、300B、300Cのそれぞれを、所定数毎に(例えば、島毎に)中継コンピュータ(図示せず)と接続し、それら中継コンピュータと、システムコントローラ700等とを通信可能に接続するように構成してもよい。
【0046】
また、システムコントローラ700は、プリペイドカードに関する情報を含めてカード発行機400、カードユニット300A、300B、300Cおよびパチンコ遊技機10A、10B、10Cを一元的に管理するためのコンピュータであり、システムコントローラ700は、LAN1に接続されている。
【0047】
システムコントローラ700は、カードユニット300A、300B、300Cや、カード発行機400から供給されるプリペイドカードのカードID等を受け取り、プリペイドカードのカードID毎に、残度数等のプリペイドカードに関する各種の情報の管理を行う。
【0048】
また、プリペイドカードにおいては、随時入金することによって、その残度数を増加させることが可能である。カード発行機400は、プリペイドカードを発行するための端末であり、LAN1に接続されている。
【0049】
カード発行機400は、遊技者等の操作に応じて、システムコントローラ700に対して、プリペイドカードを発行する旨の情報を供給するようになっている。この情報には、前述したように、発行金額、所定の遊技者情報としての発行カードIDと所定の計数開始条件(後述する)の成否を示す条件成立情報の関連を示す関連情報等が含まれる。
【0050】
売上管理コンピュータ800は、各遊技場における売上を一括管理するためのコンピュータであり、第三者機関(主に、プリペイドカード発行会社)に設置されている。売上管理コンピュータ800は、システムコントローラ700とネットワークNT1を介して接続されている。売上管理コンピュータ800は、システムコントローラ700から供給されるプリペイドカードに関する売上情報を受け取り、各遊技場における売上情報を管理する。
【0051】
なお、本実施の形態におけるネットワークNT1等は、インターネット、専用回線、プロバイダ、音声通信局、および、携帯電話機用基地局、衛星通信局等から構成されるが、これに限らず、システムコントローラ700と売上管理コンピュータ800とが通信可能に接続される構成であればよい。勿論、LAN1についても、各装置間で通信可能であれば通信方式を問わない。
【0052】
[パチンコ遊技機の構成]
上述したパチンコ遊技機10A、10B、10Cを示す斜視図を図2に示す。なお、以下において、パチンコ遊技機10Aを代表として説明し、それ以外の説明を省略する。
【0053】
パチンコ遊技機10Aの外枠11には本体枠13が取り付けられており、この本体枠13には遊技盤15が組み込まれている。この遊技盤15の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれており、遊技盤15を覆うようにガラス扉(図示せず)が備えられている。
【0054】
本体枠13の前面には上皿20および下皿30が設けられており、上皿20には遊技に使用される遊技球が貯留され、上皿20の遊技機が満杯になるか、あるいは図示しないレバーが操作されると、上皿20から下皿30に遊技球が誘導されるようになっている。
【0055】
なお、遊技盤15の前面の略中央には図示しない液晶表示装置が設けられており、この液晶表示装置は、図示しない表示領域を有し、この表示領域には所定の識別情報が可変表示される。この識別情報は、数字、記号、図柄等から構成されており、装飾図柄を構成するものである。
【0056】
下皿30の右側に備えられた発射ハンドル35は、本体枠13に対して回動自在に設けられた回動レバー33を備えており、回動レバー33を時計周りに回転させると、図示しない発射ソレノイドが作動し、パチンコ遊技が行われる。
【0057】
また、発射ハンドル35の裏側には図示しない発射モータが設けられており、発射ハンドル35の縁周部には図示しないタッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル35が握持されたことが検知されるようになっており、発射ハンドル35が遊技者によって握持され、かつ、回動レバー33が時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤15に順次発射される。
【0058】
なお、発射ハンドル35の縁周部に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル35を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0059】
発射された遊技球は、遊技盤15上に設けられた図示しないガイドレールに案内されて遊技盤15の上部に移動した後、遊技盤15上の複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤15の下方に向かって落下する。
【0060】
外枠11の左側面にはカードユニット300Aが取り付けられており、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aは電気的に接続され、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aとの間で、遊技球に必要な所定の制御信号等が送受信されるようになっている。
【0061】
上皿20の前面には貸出操作パネル18が設けられており、貸出操作パネル18の制御はカードユニット300Aにより行われる。貸出操作パネル18は、残度数表示LED22、貸出可表示LED24、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28を含んで構成されている。
【0062】
貸出操作パネル18とそれに含まれる残度数表示LED22、貸出可表示LED24、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28の制御は、全てカードユニット300Aにより、所定の通信信号の送受信によって行われる。
【0063】
残度数表示LED22は、数桁の7セグメントLEDから構成されており、この残度数表示LED22にはカードユニット300Aに挿入されたプリペイドカードに対応する金額の残高が、100円を1度数として数字で表示される。
【0064】
したがって、残度数表示LED22に"5.00"と表示されるときには、500円分の遊技球が貸出可能である。なお、本実施の形態における残度数表示LED22は、表示切替スイッチ322(図4参照)の操作により、小数点未満の数字へ切替表示可能であるが、これに限らず、例えば、小数点以上の数字だけを表示するようにしてもよい。
【0065】
また、小数点未満の数字を示す表示LEDを備え、残度数表示LED22は、整数の数字を表示するようにしてもよい。また、残度数表示LED22は、LEDに限らず、数値を表示可能な表示装置であれば、いずれの表示装置でもよい。また、"5.00"といったように、小数点以上と小数点未満とを同時に表示可能としてもよい。
【0066】
貸出可表示LED24には遊技球の貸し出しが可能か否かの情報が表示される。すなわち、貸出可表示LED24が点灯状態であれば、遊技者は球貸操作スイッチ26を押下して遊技球の貸し出しを受けることができる。
【0067】
また、球貸操作スイッチ26が遊技者に押下されることによって、遊技球の貸し出しが行われるようになっており、球貸操作スイッチ26が押下されると、カードユニット300Aからパチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126(図4参照)に出力される信号に応じて、パチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126が遊技球の貸出処理を実行する。
【0068】
また、返却スイッチ28が遊技者に押下されることによって、プリペイドカードの排出処理が行われる。この排出処理については後述するが、レスキューモードでは所定の遊技の遊技実行回数の計数値がパチンコ遊技機10A、10B、10Cおよびカードユニット300A、300B、300C間で引き継がれる。また、図示しない精算スイッチが遊技者に押下されることによって、プリペイドカードの精算処理が行われる。この精算処理では、所定の遊技の遊技実行回数の計数値がパチンコ遊技機10A、10B、10Cおよびカードユニット300A、300B、300C間で引き継がれない。
【0069】
[カードユニットの構成]
上述したカードユニットを示す斜視図を図3に示す。なお、以下において、カードユニット300Aを代表として説明し、それ以外のカードユニットの説明を省略する。
【0070】
カードユニット300Aの筐体の前面最上部には状態表示ランプ301が設けられており、この状態表示ランプ301は、カードユニット300Aと、遊技場1000に設置されるシステムコントローラ700との接続状況および通信状態を所定の態様で表示する。
【0071】
なお、カードユニット300Aとシステムコントローラ700との接続状況や通信状態に何らかの異常があるためオフラインとなっているときには、カードユニット300Aで計上されたプリペイドカードの売上情報は、一時的にカードユニット300AのRAM312(図4参照)に記憶され、システムコントローラ700との接続状況や通信状態が復旧(オンライン)となったときに、その情報が一括してシステムコントローラ700に送信される。
【0072】
状態表示ランプ301の上方にはカード挿入中ランプ302が設けられており、このカード挿入中ランプ302は、プリペイドカードがカードユニット300Aに挿入されているか否かを所定の表示態様で報知するようになっている。
【0073】
状態表示ランプ301の側方には各種の画像を表示可能な表示装置321が設けられており、この表示装置321には、例えば、パチンコ遊技機10Aにおける図柄の変動回数や、大当りとなった回数等の遊技情報が表示可能である。
【0074】
また、この表示装置321にはタッチパネルが設けられており、詳しく後述するが、その操作に応じてレスキューペイモードに設定可能である。状態表示ランプ301の下方には硬貨投入口303と硬貨返却スイッチ304と硬貨返却口305とがそれぞれ設けられており、硬貨投入口303は、硬貨が投入可能である。
【0075】
カードユニット300Aにおける硬貨投入口303の内方には硬貨投入検知センサ315(図4参照)が設けられており、この硬貨投入検知センサ315は、投入された所定の硬貨を検知し、その種類を識別するようになっている。
【0076】
硬貨投入口303に硬貨が投入された場合には、システムコントローラ700との間で通信が行われ、投入された硬貨に応じて入金が行われる。また、硬貨返却スイッチ304が操作されることにより、投入された硬貨が硬貨返却口305より返却される。
【0077】
また、硬貨返却口305の下方には紙幣挿入口307が設けられており、紙幣挿入口307には、紙幣が挿入可能となっている。
【0078】
また、カードユニット300Aにおける紙幣挿入口307の内方には紙幣識別装置314(図4参照)が設けられており、この紙幣識別装置314は、紙幣挿入口307に挿入された紙幣を検知し、その種類を識別する。
【0079】
紙幣挿入口307に紙幣が挿入された場合には、上述した硬貨投入口303と同様に、システムコントローラ700との間で通信が行われ、その挿入された紙幣に応じた入金が行われる。
【0080】
紙幣挿入口307の下方にはカード挿入口308が設けられており、カード挿入口308にはプリペイドカードが挿入可能である。カードユニット300Aにおけるカード挿入口308の内方にはカードR/W313(図4参照)が設けられている。
【0081】
このカードR/W313は、カード挿入口308に挿入されたプリペイドカードに記録された磁気情報を読み取り、また情報の書き込みも可能である。カード挿入口308にプリペイドカードが挿入された場合には、カードユニット300Aは、プリペイドカードに記録されたカードID等の情報を読み出す。
【0082】
このように、カードユニット300Aは、パチンコ遊技機10Aに併設され、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録されたプリペイドカード(記録媒体)を受け付ける受付手段としてのカード挿入口308を有している。なお、本実施の形態においては、プリペイドカードに記憶されている情報を磁気情報としたが、これに限らず、例えば、ICカード等であってもよい。
【0083】
カード挿入口308の下方には、鍵穴309が設けられており、この鍵穴309に鍵を挿入して操作することにより、カードユニット300Aをパチンコ台島から取り外すことができる。このパチンコ台島とは、複数のパチンコ遊技機と、それらに対応するカードユニットとが取り付けられる設備である。
【0084】
また、紙幣挿入口307の上方には残度数の表示を、小数点以上と小数点未満とを選択的に切り替えるための表示切替スイッチ322が設けられている。
【0085】
[パチンコ遊技機、カードユニットの電気的構成]
上述したパチンコ遊技機10Aおよびカードユニット300Aの電気的構成について図4を用いて説明する。
【0086】
図4に示すように、パチンコ遊技機10Aは、主制御回路60、副制御回路200、払出・発射制御回路126、貸出操作パネル18、外部出力端子板139等を含んで構成される。
【0087】
なお、本実施の形態において、各種の信号の出力は、主制御回路60から副制御回路200、主制御回路60から払出・発射制御回路126への方向のみ送信されるが、これに限らず、例えば、逆方向の通信、双方向の通信を行うように構成してもよい。貸出操作パネル18は、制御的にはパチンコ遊技機10Aにおける各種の回路から独立しており、カードユニット300Aによって制御されるものであり、カードユニット300Aの構成に含まれる。
【0088】
主制御回路60は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成されており、遊技の進行(遊技の結果および経過)を決定する機能を有する。
【0089】
また、副制御回路200は、図示しないCPU、RAM、ROM等から構成されており、主制御回路60によって決定された遊技の進行に応じて、図示しない液晶表示装置において各種の画像を表示させ、図示しないスピーカから各種の音声を発生させ、さらに、図示しないランプを発光させる等、各種の演出を実行する機能を有する。
【0090】
外部出力端子板139は、遊技に関する各種の遊技情報をカードユニット300Aやシステムコントローラ700に供給する外部端子であり、外部出力端子板139は、カードユニット300Aの図示しない外部端子やシステムコントローラ700にLAN1を介して電気的に接続されるようになっている。
【0091】
したがって、外部出力端子板139は、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報、遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)であることを特定可能な遊技状態情報等をカードユニット300Aやシステムコントローラ700に送信することになる。本実施の形態では、CPU61、外部出力端子板139が遊技実行情報送信手段、遊技状態情報送信手段を構成している。
【0092】
払出・発射制御回路126は、CPU133、図示しないRAM、ROM、カードユニット接続用I/O137等を含んで構成される。
【0093】
払出・発射制御回路126のROMには、払出・発射制御、カードユニット300Aとの通信の制御を行う各種のプログラムが格納されており、このプログラムは、CPU133によって、ROMから読み出され、実行される。
【0094】
CPU133は、払出・発射制御回路126のROMに記憶されている各種のプログラムに従って、払出・発射制御回路126の制御、カードユニット300Aとの通信等を行う。払出・発射制御回路126のRAMは、CPU133の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0095】
カードユニット接続用I/O137は、カードユニット300A等と所定の通信信号を入出力するためのインターフェースであり、このカードユニット接続用I/O137は、カードユニット300A側の遊技機接続用I/O318と電気的に接続されている。
【0096】
また、払出・発射制御回路126には、図示しない払出装置および発射装置が接続されており、これら払出装置および発射装置の制御を行うようになっている。
【0097】
貸出操作パネル18は、図示しない各種のLED、各種の操作スイッチ等を含んで構成されており、各種の操作スイッチには、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28が含まれている。
【0098】
貸出操作パネル18は、カードユニット300A側の遊技機接続用I/O318と電気的に接続されており、カードユニット300Aとの通信に応じて、遊技球の貸し出し要求等を行うことができる。
【0099】
カードユニット300Aは、CPU310、ROM311、RAM312、カードR/W313、紙幣識別装置314、硬貨投入検知センサ315、状態表示ランプ301、カード挿入中ランプ302、遊技機接続用I/O318、表示装置321、表示切替スイッチ322、入力装置323等を含んで構成されている。
【0100】
ROM311には、カードユニット300Aを制御するためのプログラム、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aとの通信を制御するプログラム等、各種のプログラムが格納されている。
【0101】
このような各種のプログラムは、CPU310によってROM311からそれぞれ読み出され、実行される。CPU310は、ROM311から読み出されたプログラムに従って、カードユニット300Aの制御、パチンコ遊技機10Aとの間における通信の制御を行う。RAM312は、CPU310の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能、プリペイドカードの残高情報を記憶する機能を有する。
【0102】
カードR/W313は、CPU310の制御に応じて、カード挿入口308から挿入されたプリペイドカードに記録されている各種の情報の読出しや、プリペイドカードへの情報の書き込み等を行うための装置である。なお、本実施の形態において、このカードR/W313は、カード挿入口308に受け付けられたプリペイドカード(記録媒体)からデータを読み取る読取手段、同じくプリペイドカードにデータを書き込む書込手段を構成している。
【0103】
紙幣識別装置314は、CPU310の制御により挿入された紙幣の識別を行い、紙幣の識別情報をCPU310に出力する。硬貨投入検知センサ315は、CPU310の制御により、硬貨投入口303に硬貨が投入されたことを検知し、その検知情報をCPU310に出力する。
【0104】
状態表示ランプ301は、カードユニット300Aにおける各種の異常状態(例えば、紙幣詰まり等)等、各種の情報を所定の態様で表示する。また、カードユニット300Aと遊技場1000に設置されるシステムコントローラ700との接続状況および通信状態を、所定の態様で報知する。
【0105】
カード挿入中ランプ302は、プリペイドカードがカードユニット300Aに挿入されているか否かを所定の態様で報知するようになっている。遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aのカードユニット接続用I/O137、パチンコ遊技機10Aの貸出操作パネル18、システムコントローラ700等と所定の通信信号を入出力するためのインターフェースである。
【0106】
この遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aのカードユニット接続用I/O137、貸出操作パネル18、システムコントローラ700と電気的に接続されている。
【0107】
表示装置321は、CPU310に接続されている。この表示装置321は、画像制御回路321aおよび表示部321bから構成されており、CPU310からの出力される画像表示信号に基づいて画像制御回路321aで画像を生成し、生成した画像を表示部321bに表示する。
【0108】
表示切替スイッチ322は、残度数表示LED22の残度数の表示を切り替えるためのスイッチであり、主に、残度数に端数があるときに、その端数を表示するために用いられる。
【0109】
[カード発行機の電気的構成]
本実施の形態におけるカード発行機400の電気的構成について図5を用いて説明する。
【0110】
カード発行機400においては、図5に示すように、制御部402であるCPU404およびメモリ406、データバス408、記憶部410、表示部412、操作部414、通信制御部416、カード発行部418、紙幣識別装置420、硬貨投入検知センサ422等を含むように構成されている。
【0111】
また、データバス408には、制御部402であるCPU404、メモリ406、記憶部410、表示部412、操作部414、通信制御部416、カード発行部418、紙幣識別装置420、硬貨投入検知センサ422等が接続されている。
【0112】
CPU404は、記憶部410に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有しており、プログラムに従って、後述する各種の手段として機能することになる。
【0113】
また、記憶部410には、CPU404によりカード発行機400の動作を制御するためのプログラム、各種のテーブルが記憶されている。なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体として記憶部410を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ROM、CD−ROMおよびDVD等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にメモリ406等に記録されるものでもよく、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。メモリ406は、CPU404の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0114】
表示部412は、液晶表示パネルやCRT等で構成されるものであり、CPU404の制御によって画像が表示される。操作部414は、操作者にとって操作可能な操作手段であり、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ等を含んで構成されるものである。
【0115】
例えば、表示部412の液晶表示パネル上にタッチパネルが設けられ、液晶表示パネル上に表示されたレスキューペイボタン414aの操作(押下)に基づいてレスキューペイモードの選択を示す信号をCPU404に出力するようになっている。
【0116】
なお、本実施の形態においては、スイッチ、タッチパネル等から操作部414を構成したが、これに限らず、操作者等(ユーザ)によって操作可能(入力可能)なものであればよく、例えば、マイク等であってもよい。
【0117】
通信制御部416は、システムコントローラ700等、各種の装置と通信するためのものである。カード発行部418は、CPU404からの発行信号に基づいて、プリペイドカードを発行する機能を有する。なお、カード発行部418には、発行するプリペイドカードに対して関連情報等の情報を書き込むためのカードライタ(不図示)が設けられている。
【0118】
紙幣識別装置420は、CPU404の制御により挿入された紙幣の識別を行い、紙幣の識別情報をCPU404に出力する。硬貨投入検知センサ422は、CPU404の制御により、図示しない硬貨投入口に硬貨が投入されたことを検知し、その検知情報をCPU404に出力する。
【0119】
[システムコントローラの電気的構成]
本実施の形態におけるシステムコントローラ700、売上管理コンピュータ800等の電気的構成について図6を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、システムコントローラ700および売上管理コンピュータ800は、共に同じような電気的構成であるため、システムコントローラ700を代表して説明し、それ以外の装置に関しては説明を省略する。また、図6において、括弧で囲んだ符号は、売上管理コンピュータ800における符号である。
【0120】
システムコントローラ700においては、図6に示すように、制御部702であるCPU704およびメモリ706、データバス708、記憶部710、表示部712、操作部714、通信制御部716等を含むように構成されている。また、データバス708には、制御部702であるCPU704、メモリ706、記憶部710、表示部712、操作部714、通信制御部716等が接続されている。
【0121】
なお、本実施の形態においては、システムコントローラ700等において、表示部712、操作部714等を備えるように構成したが、これに限らず、例えば、表示部712、操作部714等を備えないように構成してもよい。
【0122】
CPU704は、記憶部710に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。また、CPU704は、プログラムに従って、後述する各種の手段として機能することになる。
【0123】
また、記憶部710には、CPU704によりシステムコントローラ700の動作を制御するためのプログラム、各種のテーブルが記憶されている。なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体として記憶部710を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ROM、CD−ROMおよびDVD等の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0124】
また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にメモリ706等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0125】
メモリ706は、CPU704の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。表示部712は、液晶表示パネルやCRT等で構成されるものであり、CPU704の制御によって画像が表示される。
【0126】
操作部714は、操作者にとって操作可能な操作手段であり、マウス、キーボード、タッチパネル等を含んで構成されるものである。なお、本実施の形態においては、マウス、タッチパネル等から操作部714を構成したが、これに限らず、操作者等(ユーザ)によって操作可能(入力可能)なものであればよく、例えば、マイク等であってもよい。
【0127】
通信制御部716は、LAN1を介してパチンコ遊技機10A、カードユニット300A、売上管理コンピュータ800等、各種の装置と通信するためのものである。
【0128】
通信制御部716は、LAN1を介してパチンコ遊技機10Aから送信された所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報、遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)であることを特定可能な遊技状態情報を受信するようになっており、遊技実行情報受信手段、遊技状態情報受信手段を構成している。
【0129】
また、通信制御部716は、カードユニット300Aから送信されたユニットIDや関連情報、カード排出時の所定の遊技の遊技実行回数の計数値等を受信するようになっており、カードユニットID情報受信手段を構成している。さらに、通信制御部716は、カード発行機400から送信された関連情報および発行金額等の情報を受信するようになっている。
【0130】
システムコントローラ700において、記憶部710に記憶された各種のテーブルについて詳しく説明する。
【0131】
[プリペイドカードデータテーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されているプリペイドカードデータテーブルについて図7(A)を用いて説明する。なお、以下に説明するプリペイドカードデータテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0132】
記憶部710には、図7(A)に示すように、プリペイドカードに対応する各種のデータを管理し、遊技場1000における売上を管理するためのプリペイドカードデータテーブルが記憶されている。このプリペイドカードデータテーブルには、発行されたプリペイドカードのカードID(発行カードID)と、ユニットIDと、残度数データとが対応付けられて記録されている。
【0133】
カードIDは、プリペイドカードを識別するための情報であり、プリペイドカード毎に異なるIDが割り振られている。ユニットIDは、プリペイドカードが挿入されたカードユニット300A等を識別するための情報である。
【0134】
残度数データは、プリペイドカードに残っている度数(遊技球を貸し出すための度数)を示すデータである。
【0135】
また、本実施の形態においては、このようなプリペイドカードデータテーブルでは、プリペイドカードの発行に応じて対応するレコードが生成される。なお、CPU704は、プリペイドカードの発行時にカード発行機400から送信される発行金額および関連情報に基づいて発行カードIDに対応する残度数を設定するようになっている。
【0136】
このようなプリペイドカードデータテーブルが記録されることによって、発行されたプリペイドカードの残度数等、プリペイドカードに関する情報が管理可能であり、その情報がシステムコントローラ700から売上管理コンピュータ800に供給されることによって、売上管理コンピュータ800により遊技場1000等における売上が管理可能となる。
【0137】
[管理データテーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されている管理データテーブルについて図7(B)を用いて説明する。なお、以下に説明する管理データテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0138】
記憶部710には、図7(B)に示すように、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等に対応する各種のデータを管理する管理データテーブルが記憶されている。この管理データテーブルには、発行カードIDと、ユニットIDと、遊技機IDと、遊技実行情報と、遊技状態情報と、遊技実行回数カウンタと、更新情報とが対応付けられて記録されている。
【0139】
遊技機IDは、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10Aを識別可能なIDである。
【0140】
遊技実行情報は、パチンコ遊技機10A等から送信された所定の遊技が実行されたか否かを図柄の可変表示が実行されたか否かによって特定するものであり、例えば、パチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号が"オン"のときにオン信号として"01"を生成してこのオン信号が遊技機IDに対応する遊技実行情報のアドレスに書き込まれる。
【0141】
この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングで"オン"となり、これによってCPU704は、図柄の可変表示が終了したか否かを判定することになる。
【0142】
そして、CPU704は、遊技実行情報のアドレスに"01"信号が書き込まれたタイミングでカウントアップを行うことにより、遊技実行回数カウンタにパチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する。すなわち、遊技実行回数カウンタは、パチンコ遊技機10毎(遊技機ID毎)に設けられており、パチンコ遊技機10毎の遊技実行回数をカウントするようになっている。
【0143】
また、遊技実行情報のアドレスに"オン"信号が書き込まれていない状態においては、遊技実行情報のアドレスに"00"が書き込まれる。
【0144】
なお、CPU704は、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから送信される所定の遊技の遊技実行回数の計数値に基づいて遊技実行カウンタを更新するようになっている。また、CPU704は、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから送信される所定の遊技の遊技実行回数の計数値の受信日時(遊技実行カウンタの更新日時)を更新情報として書き込む(上書きする)ようになっている。例えば、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから所定の遊技の遊技実行回数の計数値が送信されると、この計数値と受信日時を管理データテーブルに記憶し、次いで、遊技者がパチンコ遊技機10Aから他のパチンコ遊技機10Bへ移動したことに伴って、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Bから所定の遊技の遊技実行回数の計数値が送信されると、これに基づいて先の計数値と受信日時を更新する。この場合、CPU704は、先の受信日時からの経過時間を計測し、この経過時間に基づいて後述するポイントを付与する。
【0145】
また、遊技状態情報は、遊技者に有利な大当り遊技状態であることを特定可能な情報であり、パチンコ遊技機10A等に大当りが発生した場合には、大当りが発生した遊技機IDに対応する遊技状態情報のアドレスに大当り発生信号として"02"が書き込まれ、パチンコ遊技機10A等に大当りが発生していない場合には、大当りが発生していない遊技機IDに対応する遊技状態情報のアドレスに"00"が書き込まれる。
【0146】
本実施の形態では、記憶部710が、ユニットIDによって特定されたカードユニット300A等と、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等の遊技実行情報および遊技状態情報とを関連付けて記憶する管理情報記憶手段を構成している。
【0147】
また、本実施の形態では、記憶部710が、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから所定の遊技の遊技実行回数の計数値(第1の計数結果情報に相当する)を受信した場合に、この計数値に受信日時情報および遊技者情報としての発行カードIDを付与したもの(第2の計数結果情報に相当する)を記憶する計数結果記憶手段を構成している。
【0148】
[遊技機特性テーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されている遊技機特性テーブルについて図7(C)を用いて説明する。なお、以下に説明する遊技機特性テーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0149】
記憶部710には、図7(C)に示すように、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等の遊技機特性を管理する遊技機特性テーブルが記憶されている。この遊技機特性テーブルには、ユニットIDと、遊技機IDと、遊技機特性情報と、が対応付けられて記録されている。
【0150】
遊技機特性情報は、例えば、遊技店側が設定する値(設定値)であり、設定値に応じて遊技における遊技者の有利さの度合い(例えば、ペイアウト率など)が異なるようになっている。ここでは、設定値として"1"〜"6"を設けるようにしている。そして、「大当り」などに当籤する確率が、設定値の間で異なるようにしている。
【0151】
本実施の形態では、記憶部710が、カードユニット300AのカードユニットIDと、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等の遊技機特性を示す遊技機特性情報とを対応付けて蓄積する情報蓄積手段を構成している。すなわち、ユニットIDによって特定されたカードユニット300A等と、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等と、各パチンコ遊技機の遊技機特性情報と、が関連付けられて遊技機特性テーブルに記憶されている。
【0152】
[ポイントテーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されているポイントテーブルについて図7(D)を用いて説明する。なお、以下に説明するポイントテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0153】
記憶部710には、図7(D)に示すように、レスキューペイモードの規定回数の変更(削減)に係るポイントを管理するポイントテーブルが記憶されている。このポイントは、プリペイドカードの離脱、挿入に伴って所定の遊技の遊技実行回数の計数値の引き継ぎが生じた場合、その発生回数に応じて当該カードIDを有するプリペイドカードに付与されるものである。例えば、前記の更新情報が所定時間内に更新されなかったことに基づいて付与される。ポイントテーブルには、発行カードIDと、獲得ポイントとが対応付けられて記録されている。そして、ポイントの集計値が所定値(特定値)に達した場合に規定回数が削減されるようになっている。
【0154】
[レスキューペイモード]
上述した遊技システム1の電気的な構成において、遊技球の消費における損失を補填するとともに、その遊技球の消費における損失を減少させることができるレスキューペイモードについて図8を用いて以下に説明する。
【0155】
レスキューペイモードとは、遊技者の操作に応じて設定可能なモードである。
【0156】
例えば、図8(A)に示すように、遊技者の操作が行われずに、レスキューペイモードに設定されていない場合には、遊技を開始してから、遊技球の消費における損失を補填するための処理がなく、遊技を開始してから一律"4円/1球"で遊技球の貸し出しが行われる。
【0157】
また、図8(B)に示すように、遊技者の操作が行われた場合には、その後の遊技からレスキューペイモードに設定され、保険料が徴収される。そして、レスキューペイモードに設定されてから特別図柄の可変表示回数の計数が開始される。なお、レスキューペイモード設定中は、一律"4円/1球"で遊技球の貸し出しが行われる。
【0158】
そして、レスキューペイモードに設定されてから特別図柄の可変表示の回数が600回となる以前に、大当りとなった場合には、遊技球の消費における損失を補填するための処理が行われることなく、レスキューペイモードの設定が解除されてレスキューペイモード非設定状態となる。その後、遊技者の選択操作が行われない場合には、レスキューペイモードに設定されず、図8(C)に示すように、遊技者の選択操作が行われた場合には、その操作後において開始される遊技からレスキューペイモードが再度設定される。これによって、保険料が徴収され、レスキューペイモードに設定されてから特別図柄の可変表示回数(所定の遊技の遊技実行回数)の計数が再度開始されることになる。この場合、カードユニット300Aにおいて一旦プリペイドカードの精算を行った後、カード発行機400にて新たにプリペイドカードを発行して保険料を徴収するようにしてもよい(選択操作を再び行うようにしてもよい)。あるいは、カードユニット300Aにカード発行機400の保険設定機能を設け、受付中のプリペイドカードの精算を行うことなく、レスキューペイモードの選択操作を行うようにしてもよい。
【0159】
また、図8(D)に示すように、遊技者の操作に応じてレスキューペイモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が600回となった場合には、所定の残度数が加算され、遊技球の消費における損失を補填するための処理が行われる。
【0160】
詳しくは後述するが、この加算される残度数は、レスキューペイモードに設定されてから行われた600回の特別図柄の可変表示が行われる間において遊技球の貸し出しに使用された残度数に対応する度数であり、その貸し出された残度数の"1/4"だけ遊技者に返却されることになる。
【0161】
また、遊技者の操作に応じてレスキューペイモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が600回となった場合には、それ以降、"2円/1球"で遊技球の貸し出しが行われ、遊技者の操作に応じてレスキューペイモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が900回となった場合には、それ以降、"1円/1球"で遊技球の貸し出しが行われる。
【0162】
なお、遊技球の貸し出しが安価になってから大当りとなった場合には、それ以降、最初の"4円/1球"で遊技球の貸し出しが行われることになる。
【0163】
さらに、レスキューペイモードに設定されてから、遊技者がパチンコ遊技機を移動する場合、特別図柄の可変表示の回数の計数結果はプリペイドカードに書き込まれ、移動先のパチンコ遊技機に併設されたカードユニットで読み込まれて、その計数結果が引き継がれる(更新される)。ここで、所定時間内に計数結果の更新が行われなかった場合には所定のポイント数がプリペイドカードの発行カードIDに付与され、集計ポイントが所定値に到達すると、特別図柄の可変表示の規定回数(例えば、600回)が変更(削減)される。
【0164】
[表示画面の説明]
また、上述した構成においてカード発行機400における表示部412に表示される表示画面について図9を用いて説明する。
【0165】
表示部412においては、レスキューペイモードに設定されていない場合には、図9(A)に示すように、レスキューペイの特典に関する画像が表示されている。具体的には、600ゲームハマリとなった(大当りとならなかった)場合には、その間に使用したプリペイドカード残高が割引され、割引分がカードにチャージされる旨が表示されている。
【0166】
また、600ゲームハマリとなった場合には、その後の球貸し単価を2円とする旨の画像や、900ゲームハマリとなった場合には、その後の球貸し単価を1円とする旨の画像が表示されている。
【0167】
また、表示部412における左下には、レスキューペイボタン414aを表す画像が表示されており、レスキューペイボタン414aが遊技者によってタッチされるとレスキューペイが開始される。
【0168】
また、10度数の保険料を払えば、大ハマリ(例えば、600ゲームハマリ等)した場合でも保険金が支払われるレスキューペイが開始される旨の画像が表示されている。また、図9(B)に示すように、上記条件を満たすと、レスキューペイによって特典が受けられる旨の画像も表示される。また、ハマリに応じてポイントが付与され、集計ポイントに応じて規定回数が変更される旨の画像が表示される。
【0169】
そして、図9(C)に示すように、遊技者によってレスキューペイボタン414aがタッチされた場合には、レスキューペイモードを設定することになる。そして、ゲーム回数が600回となった場合に、カード使用残度数が30度数であったときには、レスキューペイが実行され、カード使用残度数としての30度数が、実際には"4円/1球"で貸し出されたところを、"3円/1球"で貸し出されたこととして割引が行われ、その割引分であるカード使用残度数の1/4である57.5度数がボーナスとしてチャージされる。
【0170】
また、これ以降においては、"2円/1球"で貸し出される旨の画像が表示される。また、ゲーム回数が900回となった場合には、以降"1円/1球"で貸し出される旨の画像が表示されることになる。
【0171】
このように、レスキューペイモードの設定に応じて、遊技媒体の消費における損失を補填するとともに、その遊技媒体の消費における損失を減少させることができる。
【0172】
[遊技システムの動作]
遊技システム1で実行される処理について図10〜図17を用いて以下に説明する。
【0173】
なお、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、複数のカードユニット300A、300B、300Cを代表して、パチンコ遊技機10A、カードユニット300Aによって遊技を行うものとして説明する。
【0174】
最初に、図10に示すように、カード発行機400において遊技者によって入金処理が行われた場合には(ステップS401)、カード発行処理を行う(ステップS402)。この処理においては、CPU404は、遊技者によって入金された貨幣に基づいて、発行するプリペイドカードに対する残度数を決定する。
【0175】
次いで、CPU404は、計数開始条件成立選択処理を行う(ステップS403)。この処理においては、CPU404は、遊技者によってレスキューペイボタン414aがタッチされたことによって操作部414から出力される信号に基づいて、所定の計数開始条件の成立が選択されたものと判断する。本実施の形態では、硬貨投入検知センサ315、紙幣識別装置314が、所定の遊技価値を受け付ける有価価値受付手段を構成し、CPU404、メモリ406等の制御部402が、プリペイドカードに書き込む発行金額情報を設定する遊技用価値設定手段を構成し、操作部414のレスキューペイボタン414aが、所定の計数開始条件を成立させるか否かを選択する選択手段を構成している。
【0176】
次いで、CPU404は、発行するプリペイドカードに付されているカードID(遊技者情報に相当する発行カードID)と所定の計数開始条件の成立(成否)を示す条件成立情報との関連を示す関連情報と、発行金額情報とをシステムコントローラ700に送信する(ステップS404)。本実施の形態では、通信制御部416が、条件成立情報とカードIDとを関連付けた関連情報をシステムコントローラ700に送信する関連情報送信手段を構成している。
【0177】
次いで、システムコントローラ700において、CPU704は、カードIDと条件成立情報との関連情報と、発行金額情報とをカード発行機400から受信し(ステップS701)、カードIDと条件成立情報との関連情報および発行金額情報に基づいてプリペイドカードに関するカードデータを作成し、プリペイドカードデータテーブル(図7(A)参照)において、それらカードIDと、発行金額情報とを新規に追加登録する(ステップS702)。
【0178】
次いで、CPU704は、プリペイドカードを発行させる旨のカード発行指令情報をカード発行機400に送信する(ステップS703)。カード発行機400において、CPU404は、カード発行指令情報をシステムコントローラ700から受信し(ステップS405)、カードライタによって前記の関連情報および発行金額情報をプリペイドカードに書き込んで発行する(ステップ406)。本実施の形態では、カード発行部418のカードライタが、条件成立情報および発行金額情報をプリペイドカードに書き込む書込手段を構成し、カード発行部418が記録媒体発行手段を構成している。
【0179】
このように、カード発行機400、システムコントローラ700が制御されることによってカードの発行が行われる。
【0180】
また、カードユニット300Aにおいて、プリペイドカードが挿入された場合には、図11(a)に示すように、そのプリペイドカードを受け付ける(ステップS301)。次いで、CPU310は、プリペイドカードが挿入されたと検知された場合には、カードR/W313にプリペイドカードから前記の関連情報および発行金額情報を読み取らせる。
【0181】
すなわち、カードユニット300AのCPU310は、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録されたプリペイドカード(記録媒体)を受け付け、受け付けられたプリペイドカードからカードID等のデータを読み取る。なお、本実施の形態において、このような処理を実行するカードユニット300Aのカード挿入口308が受付手段を構成し、カードR/W313が読取手段を構成している。この結果、カードユニット300Aは、所定の計数開始条件の成否(レスキューペイドモードが設定されたか否か)を把握することができる。
【0182】
ステップS302において、CPU310は、カードユニット固有のユニットIDと、読み取った関連情報とをシステムコントローラ700に送信する。
【0183】
システムコントローラ700では、CPU704は、ユニットIDと関連情報とをカードユニット300Aから受信し(ステップS711)、プリペイドカードデータテーブル(図7(A)参照)を参照し、カードIDの照合を行い(ステップS712)、カードIDに対応する残度数を読み出し、残高情報をユニットIDに対応するカードユニット300Aに送信するとともに(ステップS713)、プリペイドカードデータテーブルおよび管理データテーブルにユニットIDの登録を行う。この結果、システムコントローラ700は、プリペイドカードが挿入されたカードユニットとそのカードユニットの残高情報を把握するとともに、そのカードユニットに併設されたパチンコ遊技機について所定の計数開始条件の成否(レスキューペイドモードが設定されたか否か)を把握することができる。
【0184】
また、システムコントローラ700は、関連情報に含まれる条件成立情報が成立を示す場合にレスキューペイモードの規定回数の情報をユニットIDに対応するカードユニット300Aに送信する。なお、システムコントローラ700は、パチンコ遊技機10Aに併設されたカードユニット300Aからプリペイドカードが排出され、パチンコ遊技機10A以外の他のパチンコ遊技機に併設された他のカードユニットに受け付けられた場合には、双方の遊技機特性に基づいて規定回数を決定する。また、システムコントローラ700は、ポイントテーブル(図7(D)参照)に基づいて、ポイント集計値が所定値を超えた場合に規定回数を更新(削減)する。
【0185】
次いで、カードユニット300Aにおいて、CPU310は、システムコントローラ700から残高情報を受信した場合には(ステップS303)、その残高情報をRAM312の所定領域に記憶する(ステップS304)。
【0186】
すなわち、カードユニット300AのCPU310は、プリペイドカードから読み取られたデータから特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶することになる。なお、本実施の形態では、このような処理を実行するカードユニット300AのCPU310およびRAM312が残高情報記憶手段を構成している。
【0187】
次いで、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS305)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に残高表示を行わせる(ステップS101)。
【0188】
また、図11(b)に示すように、パチンコ遊技機10において、球貸操作スイッチ26の貸出操作があった場合には(ステップS102)、貸出操作信号がカードユニット300Aに出力され(ステップS103)、カードユニット300Aにおいて、貸出操作信号を受信した場合には(ステップS311)、パチンコ遊技機10A、カードユニット300Aにおいて、貸出処理を行う(ステップS312)。
【0189】
この処理において、パチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126におけるCPU133や、カードユニット300AにおけるCPU310は、貸出可能な状態である場合か否かを判定し、貸出可能である場合には、遊技球の貸し出しの制御を行うことになる。具体的な処理について以下に説明する。
【0190】
最初に、パチンコ遊技機10Aとカードユニット300Aとが通信可能に接続された場合には、パチンコ遊技機10Aからカードユニット300Aに所定の信号が出力されている。このため、カードユニット300Aにおいて、通信可能な状態であることが認識可能である。
【0191】
そして、CPU133は、プリペイドカードが挿入されており、ステップS102に示すように球貸操作スイッチ26(図4参照)が遊技者により押圧操作された場合には、ステップS103に示すようにカードユニット300Aに貸出操作信号を出力する。
【0192】
その貸出操作信号を受け取ったカードユニット300Aにおいて、CPU310は、RAM312に記憶されている残高情報を参照し、残度数が所定の大きさ(例えば、遊技球25球を貸し出すために必要な残度数)未満であるか否か、例えば、残高情報が"0"であるか否かを判定する。
【0193】
また、CPU310は、残度数以外にも、各種の通信状態、装置の状態等も参照し、遊技球の払出が可能な状態であるか否かを判定する。そして、CPU310は、残高情報が所定の大きさ未満ではない等、遊技球の払出が可能な状態であると判定された場合には、遊技球の貸し出しを許可することになり、払出動作を要求する払出要求信号をパチンコ遊技機10Aにおける払出・発射制御回路126に出力する。
【0194】
CPU133は、払出装置に所定数(例えば、25球等)の遊技球を払い出させるための指示を行い、所定数の遊技球の払出が終了した場合に、その払出が終了した旨の信号をカードユニット300Aに出力する。これによって、所定数の遊技球の貸し出しが終了することになる。
【0195】
このように、カードユニット300AのCPU310は、遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技者による操作に応じて遊技に使用するための遊技球を貸し出すための制御を行うことになる。本実施の形態において、このような処理を実行するカードユニット300AのCPU310は、貸出制御手段を構成している。
【0196】
次いで、CPU310は、遊技球の貸し出しに対応して、売上情報を算出し、その売上情報を、カードユニット300AのユニットIDと、そのカードユニット300Aに受け付けられているプリペイドカードIDとともに、システムコントローラ700に送信する(ステップS313)。
【0197】
この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを読み出し、貸出操作に応じて、貸出モードに基づく売上情報として算出することになる。
【0198】
具体的には、CPU310は、貸出モードが貸出モードAである場合には、1球の遊技球を4円で貸し出すため、25球を貸し出すために1度数だけ減算させ、貸出モードが貸出モードBである場合には、1球の遊技球を2円で貸し出すため、25球を貸し出すために0.5度数だけ減算させ、貸出モードが貸出モードCである場合には、1球の遊技球を1円で貸し出すため、25球を貸し出すために0.25度数だけ減算させることになる。
【0199】
次いで、CPU310は、残度数を減算させるように更新を行う(ステップS314)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた残高情報を読み出し、残度数を所定数だけ減算し、その減算した残度数を残高情報としてRAM312の所定領域に記憶する。
【0200】
すなわち、カードユニット300A(CPU310)は、貸し出された遊技球に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、記憶されている残高情報を減算することになる。
【0201】
換言すると、CPU310は、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、選択された遊技球の貸出単価の大きさ(例えば、"4円/1球"、"2円/1球"、"1円/1球")、すなわち、使用する遊技用価値の大きさ(例えば、1度数、0.5度数、0.25度数等)に従って、所定数量(例えば、25球等)の遊技球を貸し出すための制御を行うことになる。
【0202】
次いで、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS315)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に、残度数が減算された残高表示を行わせる(ステップS104)。
【0203】
一方、システムコントローラ700においては、CPU704は、売上情報を受信した場合には(ステップS716)、カードユニット300AのユニットIDと、そのカードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残度数を、受信した売上情報に対応する度数だけ減算させるように更新を行う(ステップS717)。
【0204】
なお、本実施の形態において、上述した貸出処理を複数回実行するときは、貸出処理から再度実行することになる。
【0205】
また、図12(a)に示すように、カードユニット300Aにおいて、遊技者によって貨幣が投入された場合には(ステップS321)、CPU310は、貨幣を特定する(ステップS322)。すなわち、カードユニット300AのCPU310は、所定の貨幣を受け付け可能であり、受け付けられた貨幣の種類を特定することになる。
【0206】
次いで、CPU310は、カード情報を更新する要求をシステムコントローラ700に対して行う(ステップS323)。この処理において、CPU310は、ユニットIDと、カードIDと、特定された貨幣に対応する情報とともに、カード情報の更新をシステムコントローラ700に要求する。
【0207】
一方、システムコントローラ700において、CPU704は、カード情報の更新要求を受信し(ステップS721)、その更新要求に基づいて、カードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残度数を、特定された貨幣に対応する度数だけ加算させるように更新を行う(ステップS722)。次いで、CPU704は、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに更新完了通知を行う(ステップS723)。
【0208】
CPU310は、更新完了通知を受信した場合には(ステップS324)、特定された貨幣に対応して、残度数を加算させる更新を行う(ステップS325)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた残高情報を読み出し、投入された貨幣に対応する数だけ残度数を加算し、その加算した残度数を残高情報としてRAM312の所定領域に記憶する。
【0209】
具体的な一例として、残度数が"0"である場合において、5千円が投入されたときには、CPU310は、5千円に対応する"50"を、既存の残度数"0"に加算し、加算結果の"50"を記憶することになる。すなわち、カードユニット300AのCPU310は、投入され、特定された貨幣の種類に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、RAM312に記憶されている残高情報を加算することになる。
【0210】
次いで、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS326)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に、残度数が加算された残高表示を行わせる(ステップS105)。
【0211】
また、図12(b)に示すように、パチンコ遊技機10Aにおいて、返却スイッチ28の返却操作、すなわち、排出(抜き取り)が行われた場合には(ステップS106)、返却操作信号がカードユニット300Aに出力され(ステップS107)、カードユニット300Aが返却操作信号を受信した場合には(ステップS331)、カード情報更新要求をシステムコントローラ700に対して行う(ステップS332)。この処理において、CPU310は、カードユニット300Aを示すユニットID、受け付けられているプリペイドカードを示すカードID、その残度数を含めたカード情報更新要求をシステムコントローラ700に対して行うこととなる。ここで、レスキューペイモードが設定されている場合、CPU310は、所定の遊技の遊技実行回数の計数結果をプリペイドカードに書き込むとともに、その計数結果(第1の計数結果情報に相当する)をシステムコントローラ700に対して送信する。
【0212】
一方、システムコントローラ700において、CPU704は、カード情報の更新要求を受信し(ステップS726)、その更新要求に基づいて、カードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残度数を、排出されるプリペイドカードにおける残度数となるように更新を行う(ステップS727)。なお、CPU704は、カード情報の更新要求が所定時間内に行われなかった場合、すなわち、レスキューペイモード設定中のプリペイドカードの離脱に基づく所定の遊技の遊技実行回数の計数結果の送信が所定時間内に行われなかった場合に、所定の遊技実行の規定回数(例えば、600回)の変更(削減)に寄与するポイントを当該カードIDに付与する。付与されたポイントはポイントテーブル(図7(D)参照)に集計され、所定のポイント数に到達すると規定回数が削減されることになる。
【0213】
そして、CPU704は、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに更新完了通知を行う(ステップS728)。また、このとき、CPU704は、プリペイドカードデータテーブル(図7(A)参照)に記憶されているユニットIDを抹消して、プリペイドカードがいずれのカードユニットにも受け付けられていないものとして処理することになる。
【0214】
そして、CPU310は、更新完了通知を受信した場合には(ステップS333)、プリペイドカードを排出させる(ステップS334)。また、CPU310は、詳しく後述するが、プリペイドカードが排出され、受付中ではないと判別される場合には、各種のカウンタや、貸出モードを初期化することとなる。
【0215】
[保険実行処理]
カードユニット300Aにおいて、所定の周期で実行される保険実行処理について図13〜図17を用いて以下に説明する。
【0216】
まず、図13のフローチャートに基づいてカード発行機400側で行われる保険実行処理を説明する。
【0217】
最初に、カード発行機400において、図13に示すように、入金が行われたか否かを判断する(ステップS201)。この処理において、CPU404は、紙幣識別装置420または硬貨投入検知センサ422からの信号に基づいて入金が行われたか否かを判断することになる。CPU404は、入金が行われたと判別した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0218】
一方、CPU404は、入金が行われていないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。ステップS202において、CPU404は、レスキューペイボタン414aが"オン"であるか否かを判断する。これは、所定の計数開始条件の成立が選択されたか否か(レスキューペイモードの設定が選択されたか否か)を判断することに相当する。
【0219】
この処理において、CPU404は、操作部414から所定の操作信号が送信されたか否かに基づいてレスキューペイボタン414aが"オン"であるか否かを判断することになる。
【0220】
CPU404は、レスキューペイボタン414aが"オン"であると判別した場合には、ステップS203に処理を移す。一方、CPU404は、レスキューペイボタン414aが"オン"ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0221】
ステップS203において、CPU404は、入金額が手数料以上であるか否かを判断する。この処理において、CPU404は、メモリ406の所定領域に位置付けられた入金額を示すデータを読み出し、入金額が手数料(例えば、10度数等)以上であるか否かを判断することになる。
【0222】
CPU404は、入金額が手数料以上であると判別した場合には、手数料徴収処理を行い(ステップS204)、メモリ406の所定領域に位置付けられた入金額を示すデータから手数料分の度数を減算して更新する。
【0223】
この場合において、CPU404は、システムコントローラ700に対して、プリペイドカードのカードID(遊技者情報に相当する発行カードID)と条件成立情報とを対応付けた関連情報と、発行金額情報とを送信する(ステップS205)。
【0224】
一方、入金額が手数料以上ではないと判別した場合、CPU404は、表示部412にエラーメッセージ(例えば、入金額が手数料以上ではない旨)を表示させる(ステップS208)。
【0225】
次いで、CPU404は、カード発行部418のカードライタによってプリペイドカードに前記の関連情報と発行金額情報とを書き込ませ、図示しないカード発行口から発行させる(ステップS206、S207)。
【0226】
なお、表示部412においては、レスキューペイモードに設定されていない場合には、CPU404は、図9(A)、(B)に示す画像を表示部412に一定の時間間隔で繰り返し表示する。
【0227】
次に、図14、図15のフローチャートに基づいてカードユニット300A側で行われる保険実行処理を説明する。
【0228】
最初に、カードユニット300Aにおいて、図14に示すように、カード受付中であるか否かを判断する(ステップS211)。この処理において、CPU310は、カードR/W313からの信号に基づいてカード受付中であるか否かを判断することになる。CPU310は、カード受付中であると判別した場合には、ステップS212に処理を移す。
【0229】
一方、CPU310は、カード受付中ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。ステップS212において、CPU310は、返却スイッチ28が"オン"であるか否かを判断する。CPU310は、返却スイッチ28が"オン"であると判別した場合には、ステップ218に処理を移し、返却スイッチ28が"オン"ではないと判別した場合には、ステップ213に処理を移す。
【0230】
ステップ213において、CPU310は、ユニットIDと、カードIDと、条件成立情報とをシステムコントローラ700へ送信する。なお、カードIDと条件成立情報とは、カードR/W313によって受付中のプリペイドカードから読み取られた関連情報に含まれている。
【0231】
次いで、CPU310は、規定回数設定命令(規定回数設定指令信号)を受信したか否かを判断する(ステップS214)。CPU310は、規定回数設定命令を受信したと判別した場合には、ステップS215に処理を移し、規定回数設定命令を受信しなかったと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ここで、規定回数設定命令は、システムコントローラ700のCPU704が、遊技機特性テーブルの参照によって前記のユニットIDに対応する遊技機特性に基づいて決定した規定回数を示すものである。なお、プリペイドカードがカードユニット間を移動した場合には、移動前後のユニットIDに基づいて双方に併設されたパチンコ遊技機の遊技機特性情報を遊技機特性テーブルから検索し、双方の遊技機特性に基づいて規定回数を決定する。さらに、この規定回数は、ポイントテーブルのポイント集計値が所定値に到達したことに基づいてCPU704により変更(削減)される。ここで、ポイントの付与は、システムコントローラ700において、カードユニット300Aから所定時間内に当該カードIDに対する所定の遊技の遊技実行回数の更新通知(後述のステップS219に相当する)がなかった場合に行われる。
【0232】
ステップS215において、CPU310は、受信した規定回数設定命令に基づいてRAM312の所定領域に規定回数を設定(更新)する。
【0233】
次いで、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグを"オン"とし、RAM312の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタおよび使用度数カウンタをクリアし、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットして(ステップS216)、図15のステップS222に処理を移す。
一方、ステップS217において、CPU310は、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断する。
【0234】
この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグから値を読み出し、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断することになる。
【0235】
CPU310は、レスキューペイモードフラグが"オン"であると判別した場合には、ステップS218に処理を移す。一方、CPU310は、レスキューペイモードフラグが"オン"ではないと判別した場合には、ステップS220に処理を移す。
【0236】
ステップS218において、CPU310は、レスキューペイモードで計数した所定の遊技の遊技実行回数の計数値(遊技実行回数カウンタ)を、排出するプリペイドカードにカードR/W313によって書き込ませる。
【0237】
次いで、CPU310は、リセット信号、ユニットIDと、遊技実行回数の計数値と、カードIDとをシステムコントローラ700へ送信する(ステップS219)。
【0238】
一方、ステップS220において、CPU310は、リセット信号、ユニットIDと、カードIDとをシステムコントローラ700へ送信する。
【0239】
次いで、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグを"オフ"とし、遊技実行回数カウンタ、使用度数カウンタをクリアし、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットして(ステップS221)、本サブルーチンを終了する。
【0240】
なお、リセット信号は、返却スイッチ28を押下したときにカードユニット300Aからシステムコントローラ700にカード情報更新要求が行われたときにシステムコントローラ700に送信される信号である。
【0241】
これによって、プリペイドカードが受け付けられていない場合や、プリペイドカードの排出操作がなされた場合においては、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードを"オフ"として、貸出モードを貸出モードAにセットすることになる。
【0242】
図15のステップS222において、CPU310は、パチンコ遊技機10Aから図柄確定信号を受信したか否かを判別する。
【0243】
この処理において、CPU310は、図7(B)に示す管理データテーブルに記憶された遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報に基づいて、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0244】
この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングで"オン"となるため、CPU310は、遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報のアドレスに図柄確定信号が記憶されたタイミングで遊技実行情報図柄の可変表示が終了したか否かを判定することになる。カードユニット300Aは、遊技機接続用I/O318によってパチンコ遊技機10Aから図柄確定信号を受信するようになっており、遊技機接続用I/O318が指令信号受信手段を構成している。
【0245】
CPU310は、図柄確定信号が"オン"であると判別した場合には、管理データテーブルに位置付けられた遊技実行回数カウンタを"1"増加させ(ステップS223)、ステップS224に処理を移す。
【0246】
すなわち、このような処理を実行するCPU310は、ユニットIDとパチンコ遊技機10Aから受信した遊技実行情報である図柄確定信号とをRAM312に記憶し、この図柄確定信号に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数することになり、遊技実行回数計数手段を構成している。
【0247】
一方、CPU310は、図柄確定信号が"オン"ではないものと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0248】
次いで、CPU310は、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断する(ステップS224)。この処理において、CPU310は、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aから入力される大当り発生信号に基づいて、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0249】
この大当り発生信号は、パチンコ遊技機10Aにおいて、大当り遊技状態が開始されたタイミングで"オン"となるため、CPU310は、遊技機IDに関連付けられた大当り発生信号の有無に基づいて大当り遊技状態となったか否かを判定することになる。
【0250】
CPU310は、大当り発生信号が"オン"であると判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグを"オフ"にするとともに、遊技実行回数カウンタをクリアして(ステップS233)、本サブルーチンを終了する。
【0251】
一方、CPU310は、大当り発生信号が"オン"ではないと判別した場合には、遊技実行回数カウンタの値が"600"であるか否かを判断する(ステップS226)。この処理において、CPU704は、RAM312に位置付けられた遊技実行回数カウンタから値を読み出し、遊技実行回数カウンタの値が"600"であるか否かを判断することになる。
【0252】
なお、この遊技実行回数カウンタは、上述したようにレスキューペイモードが開始されたとき、大当り遊技状態となったとき、プリペイドカードの排出操作、精算操作が行われたときにリセットされ、図柄確定信号が"オン"となったとき、すなわち、図柄の変動表示が終了した場合にカウントされるため、この処理において、CPU310は、"600回"の図柄の変動表示が終了したか否かを判断することにもなる。
【0253】
すなわち、このような処理を実行するCPU310は、プリペイドカードが受け付けられ、レスキューペイモードが設定されている、すなわち、レスキューペイボタン414aが押下されたこと等を含む所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態(大当り遊技状態)となったと検出されることなく、計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数(例えば、600回等)実行されたことを検出することになる。なお、本実施の形態において、このような処理を実行するCPU310は、遊技実行回数検出手段を構成している。
【0254】
CPU704は、遊技実行回数カウンタの値が600であると判断した場合には、ステップS227に処理を移す。一方、CPU704は、遊技実行回数カウンタの値が600でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0255】
ステップS227において、CPU310は、残高加算処理済みであるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、レスキューペイモードとなってから、後述するステップS229における残高加算処理が実行されたか否かによって、残高加算処理済みであるか否かを判断することになる。
【0256】
CPU310は、残高加算処理済みであると判別した場合には、ステップS228からステップS230の処理を実行することなく、ステップS231に処理を移す。一方、CPU310は、残高加算処理済みではないと判別した場合には、加算する残度数を算出する加算残高算出処理を実行し(ステップS228)、その算出された残度数を加算させる残高加算処理を実行する(ステップS229)。なお、加算残高算出処理で算出された残度数の情報はカード情報更新要求としてシステムコントローラ700へ送信され、この情報に基づいてプリペイドカードデータテーブルの残度数が更新されることになる。
【0257】
この処理において、CPU310は、詳しく後述するが、RAM312の所定領域に位置付けられた使用度数カウンタから値を読み出し、その値に基づいて、レスキューペイモードに設定されてから使用した残度数(例えば、200度数)の"1/4"を算出し、その算出した残度数(例えば、50度数)だけ、プリペイドカードにおける残度数に加算させることになる。ここでは、CPU310は、実際に"4円/1球"で球貸しをしていたが、"3円/1球"で球貸しをしていたことに仮定した場合における残度数の差分を算出することになる。
【0258】
具体的には、CPU310は、レスキューペイモードに設定されてから使用した残度数(例えば、200度数)を読み出し、その使用した残度数に"3/4"を掛けることによって、"3円/1球"で球貸しをしていたことに仮定した場合における残度数(例えば、150度数)を算出する。そして、CPU310は、実際に使用した残度数から、割引したものと仮定した場合における残度数を引き、その結果が加算残度数(例えば、50度数)となる。
【0259】
すなわち、CPU310は、所定の遊技が規定回数(例えば、600回等)実行されたと検出されたときに、特定された遊技用価値の大きさ(残度数)に基づいて、所定の計数開始条件が成立してから(レスキューペイボタン331が押下されることにより、レスキューペイモードに設定されてから)実際に貸し出された貸出遊技球の数量(使用した残度数に対応する遊技球数)を特定し、遊技球の貸出単価が第1の大きさ(例えば、"4円/1球"等)よりも小さい第2の大きさ(例えば、"3円/1球")で特定された貸出遊技球の数量分の遊技球が貸し出されたものとした場合において使用される遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残度数の"3/4"等)を特定する。
【0260】
CPU310は、実際の特定された遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残度数等)と、上述したように割引されたと仮定した場合に特定された遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残度数の"3/4"等)との差を特定し、その特定された差に相当する残高情報(例えば、実際に使用した残度数の"1/4"等)を、加算する加算残高情報(所定量の残高情報)として決定し、実際の残高情報に加算することになる。
【0261】
本実施の形態のCPU310は、所定の計数開始条件が成立してから、パチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、大当りが検出されることなく、所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、パチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、大当りが検出されることなく、所定の遊技が規定回数実行されたことを検出したときに、RAM312に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段とを構成している。
【0262】
次いで、ステップS229の処理が終了すると、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードBとしてセットする(ステップS230)。これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードBとして設定することになり、貸出処理において、"2円/1球"で遊技球の貸し出しを行わせる制御を行うことになる。
【0263】
すなわち、CPU310は、遊技実行回数カウンタが600となる以前においては、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技球の貸出単価として第1の大きさ(例えば、"4円/1球"等)を選択し、所定の遊技が規定回数実行されたと検出された後には、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技球の貸出単価として、第1の大きさよりも小さい第2の大きさ(例えば、"2円/1球")を選択する。
【0264】
換言すると、CPU310は、遊技実行回数カウンタが600となった以降には、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、所定数量の遊技球を貸し出すために使用する遊技用価値として、第1の大きさよりも小さい第2の大きさを選択することになる。
【0265】
次いで、ステップS231において、CPU310は、遊技実行回数カウンタが900となったか否かを判断する。
【0266】
CPU310は、遊技実行回数カウンタが900となったものと判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードCとしてセットし(ステップS232)、本サブルーチンを終了する。
【0267】
これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードCとして設定することになり、貸出処理において、"1円/1球"で遊技球の貸し出しを行わせる制御を行うことになる。一方、CPU310は、遊技実行回数カウンタが900となっていないものと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0268】
次に、カードユニット300Aにおいて、所定の周期で実行される信号入力処理について図16を用いて以下に説明する。
【0269】
最初に、カードユニット300Aにおいて、図16に示すように、CPU310は、球貸処理を実行したか否かを判断する(ステップS235)。この処理において、CPU310は、パチンコ遊技機10Aからの信号に基づいて、球貸処理を実行したか否かを判断することになる。
【0270】
CPU310は、球貸処理を実行したと判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを読み出し、貸出モードが貸出モードAであるか否かを判断する(ステップS236)。
【0271】
CPU310は、貸出モードAであると判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられた使用度数カウンタを、上述した球貸し処理にて使用した残度数に相当する分だけ加算し(ステップS237)、本サブルーチンを終了する。このようにCPU310は、所定の計数開始条件が成立(レスキューペイモードが設定)してからの遊技球を貸し出すために使用された遊技用価値の大きさを特定することになる。
【0272】
次に、図17のフローチャートに基づいてシステムコントローラ700側で行われる保険実行処理を説明する。
【0273】
図17において、まず、CPU704は、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断する(ステップS241)。この処理において、CPU704は、メモリ706の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグから値を読み出し、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断することになる。
【0274】
CPU704は、レスキューペイモードフラグが"オン"であるものと判断した場合には、ステップS242に処理を移し、レスキューペイモードフラグが"オン"でないものと判断した場合には、ステップS254に処理を移す。
【0275】
ステップS254では、CPU704は、所定の計数開始条件が成立したか否かを判別する。この処理において、CPU704は、カードユニット300Aからプリペイドカードの受付時に出力された関連情報に含まれる条件成立情報に基づいて所定の計数開始条件の成否を判別し、所定の計数開始条件が成立したものと判断した場合には、メモリ706の所定領域に位置付けられたレスキューモードフラグを"オン"にするとともに、記憶部710の管理データテーブル(図7(B)参照)に位置付けられた遊技実行回数カウンタをクリアする(ステップS255)。
【0276】
すなわち、システムコントローラ700は、通信制御部716がカードユニット300Aから出力される関連情報に含まれる条件成立情報(成立)を受信すると、CPU704がレスキューペイモードフラグを"オン"にして所定の計数開始条件を成立させるようになっている。本実施の形態では、通信制御部716が計数開始選択指令信号受信手段を構成している。
【0277】
また、CPU704は、ステップS241でレスキューペイモードフラグが"オン"でないものと判断した場合には、遊技実行回数が入力されたか否かを判別する(ステップS242)。
【0278】
この処理において、CPU704は、カードユニット300Aからプリペイドカードの排出時に出力される遊技実行回数を受信したか否かに基づいて遊技実行回数が入力されたか否かを判断することになる。
【0279】
CPU704は、遊技実行回数が入力されたと判別した場合には、管理データテーブルに位置付けられた遊技実行回数カウンタおよび更新情報を更新し(ステップS243)、ステップS244に処理を移す。
【0280】
すなわち、このような処理を実行するCPU704は、カードID(発行カードID)とカードユニット300Aから受信した遊技実行回数の計数結果と受信日時とに基づいて、当該カードIDに対応する遊技実行回数カウンタおよび更新情報を更新することになり、計数結果更新手段を構成している。また、管理データテーブルを記憶する記憶部710は計数結果記憶手段を構成している。なお、当該カードIDに対応する遊技実行回数カウンタを更新することにより、パチンコ遊技機10Aを移動してもレスキューペイモードにおける遊技実行回数の計数結果は引き継がれることになる。
【0281】
ステップS244において、CPU704は、カードユニット300Aから排出されたプリペイドカードを受け付けた他のカードユニットに対して規定回数設定命令(規定回数設定指令信号)を通信制御部716から送信させる。ここで、レスキューペイモードの規定回数(例えば、600回)は、後述のようにポイントテーブル(図7(D)参照)における当該カードIDに対応するポイント集計値が所定値を超えた場合に更新(削減)される。このような処理を行うCPU704は、管理データテーブルの遊技実行回数カウンタが所定時間内に更新されなかったことに基づいて当該カードIDにポイントを付与するポイント付与手段と、当該カードIDに付与されたポイントを集計するポイント集計手段とを構成している。
【0282】
次いで、CPU704は、図柄確定信号が"オン"であるか否かを判別する(ステップS245)。
【0283】
この処理において、CPU704は、図7(B)に示す管理データテーブルに記憶された遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報に基づいて、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0284】
この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングで"オン"となるため、CPU704は、遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報のアドレスに図柄確定信号が記憶されたタイミングで遊技実行情報図柄の可変表示が終了したか否かを判定することになる。
【0285】
CPU704は、図柄確定信号が"オン"であると判別した場合には、管理データテーブルに位置付けられた遊技実行回数カウンタを"1"増加させ(ステップS246)、ステップS247に処理を移す。
【0286】
すなわち、このような処理を実行するCPU704は、ユニットIDとパチンコ遊技機10Aから受信した遊技実行情報である図柄確定信号とを管理データテーブルに記憶し、この管理データテーブルに記憶された図柄確定信号に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数することになる。
【0287】
一方、CPU704は、図柄確定信号が"オン"ではないものと判別した場合には、ステップS246の処理を実行することなく、ステップS247に処理を移す。
【0288】
ステップS247において、CPU704は、カードユニット300Aからリセット信号が入力したか否かを判別する。すなわち、カード更新情報要求時にカードユニット300Aからリセット信号が入力したか否かを判別する。
【0289】
CPU704は、カードユニット300Aからリセット信号を受信したものと判断した場合には、ステップS249に処理を移す。一方、カードユニット300Aからリセット信号を受信していないものと判断した場合には、ステップS248に処理を移す。
【0290】
ステップS248において、CPU704は、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断する。この処理において、CPU704は、図7(B)に示す管理データテーブルの遊技機IDに関連付けられた遊技状態情報を参照し、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aから入力される大当り発生信号に基づいて、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0291】
この大当り発生信号は、パチンコ遊技機10Aにおいて、大当り遊技状態が開始されたタイミングで"オン"となるため、CPU704は、遊技機IDに関連付けられた大当り発生信号の有無に基づいて大当り遊技状態となったか否かを判定することになる。
【0292】
CPU704は、大当り発生信号が"オン"であると判別した場合には、ステップS249に処理を移す。一方、大当り発生信号が"オン"ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0293】
ステップS249において、CPU704は、メモリ706の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードを"オフ"にするとともに、遊技実行回数カウンタをクリアして、本サブルーチンを終了する。
【0294】
一方、CPU704は、ステップS242において遊技実行回数が入力されなかったと判別した場合には、ステップS250に処理を移す。
【0295】
ステップS250において、CPU704は、所定時間が経過したか否かを判断する。この処理において、CPU704は、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから出力される遊技実行回数の情報の受信日時に基づいて、例えば、遊技実行回数カウンタを更新したときの受信日時と現在時間とを比較することにより(あるいは、受信日時からの経過時間を計測することにより)、所定時間が経過したか否かを判断する。
【0296】
CPU704は、所定時間が経過していないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了し、所定時間が経過したものと判断した場合には、ポイントテーブル(図7(D)参照)の当該カードIDにポイントを例えば"1"加算する(ステップS251)。
【0297】
次いで、CPU704は、ポイントテーブルの当該カードIDのポイント集計値が所定値を超えたか否かを判別する(ステップS252)。
【0298】
CPU704は、当該カードIDのポイント集計値が所定値を超えたと判断した場合には、レスキューペイモードの規定回数を削減する(ステップS253)。一方、CPU704は、当該カードIDのポイント集計値が所定値を超えていないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0299】
このように本実施の形態では、カードユニット300A、300B、300Cが、パチンコ遊技機10A、10B、10Cから受信された遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて大当り遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、所定の計数開始条件が成立してから、大当り遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、残高情報に所定量の残高情報を加算し、システムコントローラ700が、カードユニット300A、300B、300Cによって加算された残高情報に基づいてプリペイドカードデータテーブルの残度数を更新するので、大当り遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、所定量の残高情報が加算される。
【0300】
このため、所定の遊技が規定回数実行されるまでに遊技者が消費した遊技球に応じた残高情報を加算することができるので、釘の良し悪しや遊技者の技量等の差に関わらず、遊技球の消費における損失を補填することができる。したがって、遊技球の消費量に関わらず遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる。
【0301】
また、カードユニット300A、300B、300Cが、パチンコ遊技機10A、10B、10Cを制御する主制御回路60にアクセスすることなく所定量の残高情報を加算することができるため、パチンコ遊技機10A、10B、10Cの主制御回路60によって制御される既存の大当り確率の制御や演出等の遊技状態の制御に影響を与えるのを防止することができ、パチンコ遊技機10A、10B、10Cの設計に負担をかけるのを防止することができる。
【0302】
また、本実施の形態では、所定の計数開始条件を成立させるか否かをカード発行機400のレスキューペイボタン414aによって選択するようにしたため、所定の計数開始条件を成立させた状態で遊技を行うことおよび計数開始条件を成立させない状態で遊技を行うこと、すなわち、レスキューペイモードの設定および非設定を選択することができ、多様な遊技を行うことができる。
【0303】
また、プリペイドカードの発行時に所定の計数開始条件を成立させるか否かを遊技者の選択操作に基づいて選択し、選択した情報をプリペイドカードに書き込んで遊技者に発行するので、遊技者はパチンコ遊技機10A、10B、10Cおよびカードユニット300A、300B、300Cを移る度に所定の計数開始条件の選択操作をやり直す必要がなくなり、遊技者の選択操作の手間を省くことができるとともに、所定の計数開始条件の設定処理を簡素化することができる。
【0304】
また、本実施の形態では、大当り遊技状態となることなく、規定回数に到達したときには、多くの遊技球を消費することになり、この場合において、それ以前における第1の大きさよりも小さい第2の大きさを遊技球の貸出単価として遊技球を貸し出すことになるため、それ以降の遊技球の貸出単価を小さくすることで、その遊技球の消費における損失を減少させることができ、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、健全な遊技を行わせることができる。
【0305】
また、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて、貸し出す遊技球の数量を変更させる等の設計変更を必要とせず、単に、カード発行機400において1度のカード発行操作にて使用する遊技用価値の大きさを条件により変更することによって遊技球の貸出単価を変化させることが実現可能であり、既存のパチンコ遊技機においても容易に適用させることができる。さらに、パチンコ遊技機10A、10B、10Cやカードユニット300A、300B、300Cに計数開始条件選択手段(例えば、入力部の設定ボタン)を設ける必要がなくなるので、機器の構成を簡素化してコストを抑制することができる。
【0306】
また、カードユニット300A、300B、300Cで規定回数到達を検出したことに基づいて遊技球の貸出単価が決定されることになるため、大当り遊技状態に移行することなく実行された所定の遊技の実行回数(所謂、「ハマリの深さ」)によって、遊技球の貸出単価が変化することになり、より一層、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0307】
また、本実施の形態では、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10Cにそれぞれ併設された複数のカードユニット300A、300B、300C間で所定の遊技の遊技実行回数の計数値が引き継がれた場合、その計数値を引き継いだカードユニットは、受け付けたプリペイドカードから読み取った関連情報およびユニットIDをシステムコントローラ700に送信し、システムコントローラ700は、引き継ぎ前後のユニットIDに併設されたパチンコ遊技機に対応する遊技機特性を遊技機特性テーブルから検索し、双方の遊技特性の相違に基づいて規定回数を決定し、その計数値を引き継いだカードユニットに対して規定回数の設定命令を送信するので、例えば、ペイアウト率の低いパチンコ遊技機からペイアウト率の高いパチンコ遊技機に移った場合、後のパチンコ遊技機において規定回数を増加させることにより、還元利益の公平性を保つことができる。
【0308】
また、本実施の形態では、カードユニット300A、300B、300Cは、プリペイドカードの排出要求時における計数結果をそのプリペイドカードに書き込むとともにシステムコントローラ700に送信し、システムコントローラ700は、受信した計数結果(遊技実行回数カウンタ)と受信日時(更新情報)とカードID(発行カードIC)とを管理データテーブルに記憶し、所定時間内にそのプリペイドカードに書き込まれた新たな計数結果を受信した場合には、新たに受信した計数結果と受信日時とで当該カードIDに対応する遊技実行回数カウンタおよび更新情報を更新するので、所定時間を適宜設定することによって日時をまたいでレスキューペイモードの遊技実行回数を引き継ぐことができる。
【0309】
このため、例えば、レスキューペイモードで遊技実行回数が規定回数に達する前に遊技時間が終了して還元利益が得られないという不都合を解消することができ、遊技者は遊技終了までの時間に関わらず、レスキューペイモードの設定を選択することができる。
【0310】
また、本実施の形態では、引き継ぎの発生回数に応じて当該カードIDを有するプリペイドカードにポイントが付与され、ポイント集計値が所定値に達した場合に規定回数が削減されるので、過度の投資に対する救済措置として機能することができる。
【0311】
[その他の実施の形態]
なお、本実施の形態においては、カードユニット300Aとシステムコントローラ700の双方に遊技実行回数計数手段を有する構成を示したが、これに限らず、システムコントローラ700のみに遊技実行回数計数手段を有するようにしてもよい。例えば、システムコントローラ700のCPU704が遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段を構成してもよい。この場合、システムコントローラ700が、カードユニット300A、300B、300Cから受信された遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて大当り遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、所定の計数開始条件が成立してから、大当り遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、このパチンコ遊技機10A、10B、10Cに併設されたユニットIDに対応するカードユニット300A、300B、300Cに指令信号を送信し、カードユニット300A、300B、300Cがこの指令信号に基づいて残高情報に所定量の残高情報を加算するようにしてもよい。
【0312】
この構成によれば、レスキューペイモードの残高加算についてもシステムコントローラ700が一元的に管理することになり、システムの信頼性が向上する。
【0313】
また、本実施の形態においては、25球の遊技球の貸出毎に、貸出モードに対応する残度数を減算させたが、これに限らず、例えば、残度数自体を変更することなく、貸し出しする遊技球の数を変化させるようにしてもよい。
【0314】
例えば、遊技球の貸出操作が行われる毎に、1度数だけ減算するとともに、"4円/1球"の場合には25球の遊技球を貸し出し、"2円/1球"の場合には50球の遊技球を貸し出し、"1円/1球"の場合には100球の遊技球を貸し出すようにしてもよい。
【0315】
また、本実施の形態においては、遊技球の貸出単価を、"4円/1球"、"2円/1球"、"1円/1球"の3段階で変化させたが、これに限らず、例えば、2段階、4段階以上であってもよい。また、大当りとなることなく、600回、900回を規定回数として所定の遊技が実行された場合に、遊技球の貸出単価を変化させたが、これに限らず、例えば、1つの規定回数だけであってもよく、さらには、3つ以上の規定回数だけであってもよい。
【0316】
また、例えば、プリペイドカードではなく、会員カードの使用を条件として、レスキューペイモードを実行するようにしてもよく、顧客獲得にもつながり、遊技場の売上にも寄与できる。
【0317】
さらには、本実施の形態においては、レスキューペイモードを開始する場合に、保険料を徴収したが、これに限らず、例えば、保険料を徴収しないようにしてもよい。また、レスキューペイボタン331の操作に応じて、レスキューペイモードを開始するようにしたが、これに限らず、例えば、レスキューペイボタン331の操作に関わらず、各種のカード等で遊技者を特定した場合に、レスキューペイモードを開始するようにしてもよい。また、この場合においては、保険料を徴収してもしなくてもよい。
【0318】
さらには、本実施の形態においては、レスキューペイモードが開始されてから規定回数の遊技が実行された場合に、レスキューペイモードが開始されてからそれまでに貸し出された遊技球に対応する残度数を計数し、その残度数に基づいて算出された加算残度数を決定するようにしたが、これに限らず、例えば、貸し出された遊技球に対応する残度数の範囲で加算残度数を決定するようにしてもよい。
【0319】
例えば、200〜250度数を消費した場合には50度数を、250〜300度数を消費した場合には62.5度数を、それぞれ加算残度数として決定してもよい。また、例えば、貸し出された遊技球に対応する残度数を計数せず、一定の加算残度数を加算するようにしてもよい。
【0320】
また、加算残度数の目安について具体的な一例を挙げると、10度数あたり所定の遊技が30回行われるとすると、所定の遊技が600回実行には、200度数が消費されることになる。そして、実際には"4円/1球"であり、1000円で250球の遊技球が貸し出されたが、"3円/1球"に割引すると750円で250球の遊技球が貸し出されることになる。そして、上述したように、200度数を消費した場合には、"3円/1球"に割引すると150度数となり、その差分である50度数がチャージバックされることになる。このように、実際に消費された残度数に基づくことなく、一定の加算残度数を決定してもよい。
【0321】
さらには、本実施の形態においては、所定の遊技が規定回数(例えば、600回)に到達する直前(例えば、598回等)に大当りとなった場合には、遊技者に特別有利な制御を行わないが、これに限らず、例えば、遊技者に有利な制御を行ってもよい。例えば、595〜599回に到達している場合に、所定数量の残度数をチャージバックしてもよい。
【0322】
さらには、本実施の形態においては、プリペイドカードに対応する残度数に、加算残度数を加算することによって、大ハマリに対する補填を行ったが、これに限らず、例えば、現金を返却したり、遊技球の払出を行ったり、他の方法で大ハマリに対する補填を行ってもよい。
【0323】
さらには、本実施の形態においては、レスキューペイモードを開始してから、大当りとなることなく所定の遊技を規定回数行った場合に、それ以降、遊技球の貸出単価を小さく変更したが、これに限らず、例えば、遊技球の貸出単価を変更しなくてもよい。
【0324】
さらには、本実施の形態においては、カード発行機400、システムコントローラ700、売上管理コンピュータ800等を備えるシステム構成であったが、これに限らず、カード発行機400と売上管理コンピュータ800の機能を一体としても、分散しても問題ない。また、例えば、遊技情報を閲覧する機能や、遊技者を特定する機能、会員情報に関する制御を行う機能を備えてもよい。
【0325】
また、例えば、カード発行機400、売上管理コンピュータ800等の少なくともいずれかを備えないシステム構成であってもよい。
【0326】
さらには、本実施の形態においては、受け付けられた貨幣の種類に対応する遊技用価値の大きさ分だけ残高情報を加算したが、これに限らず、例えば、貨幣を受付不可能としてもよい。この場合においては、遊技者の入れ替えと同一遊技者による離席とをそれぞれ特定可能に検知できる構成とすることが好ましく、同一遊技者である場合には、カウンタ等を継続させ、異なる遊技者である場合には、カウンタ等の初期化を行うことになる。
【0327】
なお、本実施の形態においては、遊技場に設置する遊技機としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、これに限らず、例えば、スロット遊技機(パチスロ遊技機を含む)等、少なくとも遊技の結果を決定する機能を有する遊技機であればよい。上述したようなパチンコ遊技機において大当り遊技状態に移行することが特定遊技状態となることであったが、スロット遊技機においては、変動表示された図柄が所定のボーナス図柄として停止表示され、その後に、メダル(遊技媒体)の払出が行われる所定の図柄が停止表示され易いBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)となる。このBBやRBが特定遊技状態の一例に相当する。また、図柄が変動表示されてから停止表示されるまでが所定の遊技の一例に相当する。
【0328】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0329】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊技システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るカードユニットの外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機およびカードユニットを示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るカード発行機を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るシステムコントローラを示すブロック図である。
【図7】(A)は本発明の一実施の形態に係るシステムコントローラにおけるプリペイドカードデータテーブルを示す説明図、(B)はシステムコントローラにおける管理データテーブルを示す説明図、(C)はシステムコントローラにおける遊技機特性テーブルを示す説明図、(D)はシステムコントローラにおけるポイントテーブルを示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るカードユニットにおける制御内容を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るカード発行機における表示画面を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態に係る遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態に係る遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態に係るカード発行機において実行される保険実行処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態に係るカードユニットにおいて実行される保険実行処理を示すフローチャートである。
【図15】図14に後続する制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施の形態に係るカードユニットにおいて実行される信号入力処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態に係るシステムコントローラにおいて実行される保険実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0330】
1 遊技システム
10A、10B、10C パチンコ遊技機(遊技機)
133 CPU(遊技実行情報送信手段、遊技状態情報送信手段)
139 外部出力端子板(遊技実行情報送信手段、遊技状態情報送信手段)
300A、300B、300C カードユニット
308 カード挿入口(受付手段)
310 CPU(貸出制御手段、残高情報加算手段、遊技実行回数計数手段、計数開始条件成立手段、遊技実行回数検出手段、規定回数設定手段、排出要求手段)
312 RAM(残高情報記憶手段)
313 カードR/W(計数結果書込手段、読取手段)
314 紙幣識別装置(有価価値受付手段)
315 硬貨投入検知センサ(有価価値受付手段)
318 遊技機接続用I/O(カードユニットID情報送信手段、遊技実行情報受信手段、遊技状態情報受信手段、計数結果送信手段)
321 表示装置
402 制御部(遊技用価値設定手段)
404 CPU(遊技用価値設定手段)
406 メモリ(遊技用価値設定手段)
414 操作部(選択手段)
416 通信制御部(関連情報送信手段)
418 カード発行部(書込手段、記録媒体発行手段)
700 システムコントローラ(管理装置)
702 制御部(遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段、規定回数決定手段、計数結果更新手段、ポイント付与手段、ポイント集計手段)
704 CPU(遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段、規定回数決定手段、計数結果更新手段、ポイント付与手段、ポイント集計手段)
706 メモリ(遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段、規定回数決定手段、計数結果更新手段、ポイント付与手段、ポイント集計手段)
710 記憶部(情報蓄積手段、計数結果記憶手段)
716 通信制御部(管理受信手段、設定命令送信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関し、例えば、遊技者にとって不利な遊技状態が継続した場合に、遊技者に利益を還元することができる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機等の遊技機にあっては、表示図柄等の識別情報が表示される表示装置でこの表示図柄が変動表示ないし停止表示される1サイクルを1回の可変表示ゲームとして、この可変表示ゲームを繰返し表示するようになっており、この可変表示ゲームにおいて表示図柄が所定の組み合わせで停止表示した場合には、所謂、大当り遊技状態という遊技者に対して有利な状態を提供するようになっている。
【0003】
可変表示ゲーム時にこの大当り遊技状態が発生する確率は、例えば1/250といった確率に設定されている。すなわち、大当り遊技状態が発生する確率が1/250の場合は、単純に考えれば250回の可変表示ゲームを繰返すことにより、1回大当り遊技状態が発生するということである。
【0004】
近年、パチンコホールにおいて、大当り遊技状態が発生する確率を表示することにより遊技者に報知することが行われるようになってきており、また、パチンコ遊技機毎に、前回大当りが発生して以来、何回可変表示ゲームが実行されているか、すなわち、どの程度の回数の可変表示ゲームの間だけ大当り遊技状態が発生していないかを、回数表示することが行われている。
【0005】
ところで、大当り遊技状態が発生する確率は、あくまで確率であるために、当然のことながら、可変表示ゲームを100回繰返す前に大当り遊技状態が発生する場合もあれば、1000回以上繰返しても発生しない場合もある。
【0006】
そこで、どこまで続くか分からないような長期の間大当り遊技状態が発生しない状態、所謂、「ハマリ」を遊技者に対して緩和するために、所謂、「天井」が設けられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
天井とは、可変表示ゲームを繰返し実行したときに大当り遊技状態が少なくとも1回は発生するという可変表示ゲームの最大回数であり、換言すれば、これだけの回数可変表示ゲームを行えば最低1回は大当り遊技状態が発生するという可変表示ゲームの回数をいう。
【0008】
しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機にあっては、長期の間大当り遊技状態が発生しない状態が可変表示ゲームの最大回数行われた場合に、救済措置として大当り遊技等の遊技に関する利益を還元するようにしていたため、パチンコ遊技機の釘の良し悪し、遊技者の技量等によって還元される利益に隔たりが生じ易くなってしまう。
【0009】
すなわち、大当りが発生すると、大入賞口が開放し、大入賞口に遊技球を入賞させることで多くの賞球を払い出すことができる大当り遊技状態に移行する。この大入賞口の周辺には釘が配置されており、この釘の開き具合に応じて、大入賞口への遊技球の入賞の難易度が異なるようになっており、釘の開き具合が良いパチンコ遊技機と釘の開き具合が悪いパチンコ遊技機とでは、大当り遊技状態中に払い出される賞球数が異なってしまう。
【0010】
また、1ラウンド当りの大入賞口の最大開放時間は一定時間となっているとともに、1ラウンド当りの遊技球の入賞数も一定数になっており、一定時間内に一定数の遊技球が大入賞口に入賞しないと次のラウンドに移行してしまうため、釘の開き具合が悪いと、遊技球の取りこぼしが多くなる上に、払い出される賞球数も少なくなる。
【0011】
これに加えて、技量のある遊技者は、止め打ちと呼ばれる遊技を行うことにより、大入賞口が閉塞した状態では、遊技球の発射を停止して無駄な遊技球の消費を抑制するようにした遊技を行うが、このような遊技を知らない初心者は、大入賞口が閉塞した状態でも遊技球を発射して遊技球を無駄に消費する遊技を行うことになる。
【0012】
このため、折角、大当り遊技状態が発生した場合でも、遊技機の釘の良し悪しや遊技者の技量によって遊技者に還元される遊技球の量に差がついてしまうのである。
【特許文献1】特開2003−190528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、従来のパチンコ遊技機で行われる救済措置では、遊技者に還元される利益に対して遊技者が不公平を感じるという問題があった。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる遊技システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る遊技システムは、(1)遊技に使用される遊技用価値を特定可能な遊技用価値情報および所定の遊技者情報(例えば、発行カードID)が記録された記録媒体(例えば、プリペイドカード)を発行するカード発行機と、併設された遊技機(例えば、パチンコ遊技機10A、10B、10C)に遊技媒体の貸し出しを行う複数のカードユニットと、によって構築される遊技システムであって、前記カード発行機は、所定の有価価値を受け付ける有価価値受付手段(例えば、硬貨投入検知センサ315、紙幣識別装置314)と、遊技者の操作に基づいて前記有価価値受付手段が受け付けた所定の有価価値の範囲内で前記記録媒体に書き込む遊技用価値情報を設定する遊技用価値設定手段(例えば、CPU404、メモリ406等の制御部402)と、所定の計数開始条件を成立させるか否かを選択する選択手段(例えば、操作部414のレスキューペイボタン414a)と、前記選択手段により前記所定の計数開始条件を成立させることが選択された場合、前記所定の計数開始条件が成立したことを示す条件成立情報および前記遊技用価値設定手段によって設定された遊技用価値情報を前記記録媒体に書き込む書込手段(例えば、カード発行部418のカードライタ)と、前記書込手段によって書き込みが行われた前記記録媒体を発行する記録媒体発行手段(例えば、カード発行部418)と、を備え、前記カードユニットは、併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段(例えば、遊技機接続用I/O318)と、併設された遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段(例えば、遊技機接続用I/O318)と、前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段(例えば、CPU310)と、前記記録媒体を受け付ける受付手段(例えば、カード挿入口308)と、前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段(例えば、カードR/W313)と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段(例えば、RAM312)と、前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段(例えば、CPU310)と、前記読取手段によって前記記録媒体から前記条件成立情報が読み取られたことを条件として前記所定の計数開始条件を成立させる計数開始条件成立手段(例えば、CPU310)と、前記計数開始条件成立手段によって前記所定の計数開始条件が成立されてから、前記遊技状態情報受信手段によって特定遊技状態となったことが検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された計数結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段(例えば、CPU310)と、前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段(例えば、CPU310)と、を備えたものから構成されている。
【0016】
この構成により、カードユニットでは、併設された遊技機から受信された遊技状態情報に基づいて、遊技機において特定遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、併設された遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、残高情報に所定量の残高情報を加算するので、特定遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、所定量の残高情報が加算される。
【0017】
このため、所定の遊技が規定回数実行されるまでに遊技者が消費した遊技媒体に応じた残高情報が加算されるので、釘の良し悪しや遊技者の技量等の差に関わらず、遊技媒体の消費における損失を補填することができる。したがって、遊技媒体の消費量に関わらず遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる。
【0018】
また、記録媒体の発行時に所定の計数開始条件を成立させるか否かを遊技者の選択操作に基づいて選択し、選択した情報を記録媒体に書き込んで遊技者に発行するので、遊技者は遊技機およびカードユニットを移る度に所定の計数開始条件の選択操作をやり直す必要がなくなる。よって、遊技者の選択操作の手間を省くことができるとともに、遊技機およびカードユニットにおける所定の計数開始条件の設定処理を簡素化することができる。さらに、機器製造者にとっては遊技機やカードユニットに計数開始条件選択手段(例えば、入力部の設定ボタン)を設ける必要がなくなるので、機器の構成を簡素化してコストを抑制することができる。
【0019】
また、本発明に係る遊技システムは、(2)前記カード発行機および前記複数のカードユニットを一元的に管理する管理装置(例えば、システムコントローラ700)を備え、前記カード発行機は、前記書込手段によって前記条件成立情報が前記記録媒体に書き込まれたことに基づいて、前記条件成立情報と前記所定の遊技者情報とを関連付けた関連情報を前記管理装置に送信する関連情報送信手段(例えば、通信制御部416)を備え、前記カードユニットは、前記読取手段によって前記記録媒体から前記関連情報が読み取られた場合に、前記関連情報および各々のカードユニットを特定するカードユニットID情報を前記管理装置に送信するカードユニットID情報送信手段(例えば、遊技機接続用I/O318)と、前記規定回数を設定する規定回数設定手段(例えば、CPU310)と、を備え、前記管理装置は、前記複数のカードユニットおよび併設された遊技機から送信された情報を受信する管理受信手段(例えば、通信制御部716)と、前記カードユニットID情報と前記遊技機の特性を示す遊技機特性情報とを対応付けて蓄積する情報蓄積手段(例えば、記憶部710)と、前記管理受信手段によって受信された前記関連情報および前記カードユニットID情報に基づいて前記規定回数を決定する規定回数決定手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、前記規定回数決定手段によって決定された前記規定回数に基づいて前記規定回数設定手段に前記規定回数の設定命令を送信する設定命令送信手段(例えば、通信制御部716)と、を備えたものから構成されている。
【0020】
この構成により、複数の遊技機にそれぞれ併設された複数のカードユニット間で還元利益が引き継がれた場合、還元利益を引き継いだカードユニットは、受け付けた記録媒体から読み取った関連情報および各々のカードユニットID情報を管理装置に送信し、管理装置は、各々のカードユニットID情報に対応する遊技機特性を情報蓄積手段から検索し、双方の遊技特性の相違に基づいて規定回数を決定し、カードユニットに対して規定回数の設定命令を送信することができる。例えば、ペイアウト率の低い遊技機からペイアウト率の高い遊技機に移った場合、規定回数が同一であれば、利益の期待値を容易に大きくすることができるが、第2の遊技機において規定回数を増加させることにより、還元利益の公平性を保つことができる。
【0021】
また、本発明に係る遊技システムは、(3)前記カードユニットは、遊技者の排出要求操作に基づいて前記受付手段に前記記録媒体の排出要求を行う排出要求手段(例えば、CPU310)と、前記排出要求手段によって排出要求が行われたときの前記計数結果を前記受付手段に受け付けられた前記記録媒体に書き込む計数結果書込手段(例えば、カードR/W313)と、前記排出要求手段によって排出要求が行われた場合に、前記記録媒体に書き込まれた排出要求時の前記計数結果を第1の計数結果情報として前記管理装置に送信する計数結果送信手段(遊技機接続用I/O318)と、を備え、前記管理装置は、前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記第1の計数結果情報に受信日時情報および遊技者情報を付与したものを第2の計数結果情報として記憶する計数結果記憶手段(例えば、記憶部710)と、前記計数結果記憶手段に前記第2の計数結果情報が記憶された後、所定時間内に前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記所定時間内に受信した前記第1の計数結果情報に受信日時および遊技者情報を付与したものに基づいて前記計数結果記憶手段に記憶された前記第2の計数結果情報を更新する計数結果更新手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、前記所定時間内に前記計数結果更新手段による更新が行われなかったことに基づいて前記第2の計数結果情報に対するポイント値を付与するポイント付与手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、前記ポイント付与手段によって付与されたポイント値を集計するポイント集計手段(例えば、CPU704、メモリ706等の制御部702)と、を備え、前記規定回数決定手段は、前記ポイント集計手段によって集計されたポイント値が特定値に達したことに基づいて前記規定回数を削減するものから構成されている。
【0022】
この構成により、カードユニットは、排出要求時における計数結果を記録媒体に書き込むとともに第1の計数結果情報として管理装置に送信し、管理装置は、受信した第1の計数結果情報に受信日時および遊技者情報(例えば、会員カードを特定することができる発行カードID)を付与したものを第2の計数結果情報として計数結果記憶手段に記憶し、所定時間内に第1の計数結果情報を新たに受信した場合には、新たに受信した第1の計数結果情報に受信日時および遊技者情報を付加したもので計数結果記憶手段に記憶した第2の計数結果情報を更新するので、所定時間を適宜設定することによって日時をまたいで還元利益を引き継ぐことができる。
【0023】
このため、例えば、利益還元前に遊技時間が終了して還元利益が得られないという不都合を解消することができ、遊技者は遊技終了までの時間に関わらず、所定の計数開始条件の成立を選択することができる。さらに、引き継ぎの発生回数に応じてポイントが付与され、ポイント集計値が規定値(特定値)に達した場合に規定回数が削減されるので、過度の投資に対する救済措置としても機能する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる遊技システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る遊技システムの実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
図1〜図17は本発明に係る遊技システムの一実施の形態を示す図である。
[遊技システムの構成]
本実施の形態における遊技システムを示すブロック図を図1に示す。
【0027】
図1に示すように、遊技システム1は、パチンコ遊技機10A、10B、10C・・・、カードユニット300A、300B、300C、・・・、カード発行機400、管理装置としてのシステムコントローラ700、売上管理コンピュータ800等から構成される。
【0028】
また、遊技場1000には複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、・・・、が設置されている。なお、本実施の形態における図1においては、理解を容易とするために、パチンコ遊技機10A、10B、10C等を除く遊技機(パチンコ遊技機以外も含む)や、カードユニット300A、300B、300C以外のカードユニット等については省略して表す。
【0029】
また、図1において、符号の付されているパチンコ遊技機10A、10B、10Cと符号の付されていないパチンコ遊技機が図示されているが、以後、パチンコ遊技機の説明にあっては、符号が付されているパチンコ遊技機10A、10B、10Cを代表して説明するものとする。
【0030】
また、遊技システム1は、遊技場1000の範囲内、範囲外を跨いで設けられている。具体的には、遊技場1000の範囲内には複数のカードユニット300A、300B、300C、カード発行機400、システムコントローラ700等が設置されており、遊技場1000の範囲外には売上管理コンピュータ800等が設置されている。
【0031】
勿論、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10Cは、遊技場1000の範囲内に設置されている。なお、本実施の形態においては、遊技システム1を、遊技場1000の範囲内、範囲外を跨いで設置するように構成したが、これに限らず、例えば、遊技システム1を遊技場1000の範囲内だけに設置するように構成してもよい。
【0032】
パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、パチンコ遊技に関する制御を行うものである。パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cが接続されている。すなわち、カードユニット300A、300B、300Cは、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにそれぞれ併設されている。
【0033】
また、パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cとの間で各種の情報の送受信を行う機能を有する。また、パチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cやシステムコントローラ700に対して、遊技に関する遊技情報を送信する。
【0034】
なお、この遊技情報とは、大当りとなった旨の情報、大当りとなる確率が向上された旨の情報、識別情報の可変表示の回数を示す情報、払い出された遊技球の数を示す情報、貸し出した遊技球の数を示す情報等、遊技(特に、遊技の結果および経過)に関するものであればよい。
【0035】
カードユニット300A、300B、300Cは、主に、遊技球の貸し出し等を管理するものである。このカードユニット300A、300B、300Cは、詳しく後述するが、遊技場1000におけるパチンコ遊技機10A、10B、10Cのそれぞれに対応して電気的に接続されている。すなわち、カードユニット300A、300B、300Cは、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C毎に対応して設けられている。
【0036】
また、これらカードユニット300A、300B、300Cにはプリペイドカードを読み書き可能とするカードR/W(リーダ/ライタ)313(図4参照)が設けられている。
【0037】
プリペイドカードとは、カード発行機400において、遊技媒体としての遊技球を借りるために代金を前払いすることによって発行されるカードである。また、本実施の形態においては、プリペイドカードにはプリペイドカードのカードID(例えば、特定の会員遊技者の遊技者情報に相当する発行カードID)が記憶されており、システムコントローラ700においてカードIDに対応する残度数が記憶されている。なお、カード発行機400から発行されるとき、プリペイドカードには、カード発行部418(図5参照)によって発行金額(残度数に相当する)と、関係情報(所定の計数開始条件(後述する)の成否を示す条件成立情報とカードIDとが対応付けられたもの)とが書き込まれる。また、カードユニット300A、300B、300Cから排出されるとき、プリペイドカードには、カードR/W313によって所定の遊技の実行回数(遊技実行回数)の計数結果が書き込まれる。
【0038】
そして、例えば、カード発行時以降、プリペイドカードに記憶されているカードIDに対応する残度数をシステムコントローラ700から受信することによって、カードユニット300Aは、残度数を認識可能となるが、これに限らず、例えば、プリペイドカードにおいて、カードID以外にも残高情報自体が記憶されていてもよい。すなわち、このプリペイドカードは、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録された記録媒体である。
【0039】
また、これらカードユニット300A、300B、300Cは、遊技場1000におけるLAN1にそれぞれ接続されている。このため、カードユニット300A、300B、300Cは、システムコントローラ700と通信可能である。
【0040】
具体的な例について以下に説明する。
【0041】
上述したカードユニット300A、300B、300CのCPU310は、それぞれに予め設定され、それぞれ対応して接続された遊技機としてのパチンコ遊技機10A、10B、10Cが特定可能な遊技機特定情報(遊技機情報又は装置識別情報、例えば、カードユニットID(以下、単にユニットIDという)等)を、遊技機接続用I/O318からLAN1を介してシステムコントローラ700に対して供給する。本実施の形態では、CPU310および遊技機接続用I/O318がカードユニットID情報送信手段を構成している。
【0042】
また、カードユニット300A、300B、300Cは、上述したようなプリペイドカードに記憶されているカードID等をカードR/W313により読み取る。カードユニット300A、300B、300Cは、読み取られたカードID等をシステムコントローラ700に対して供給し、そのカードIDに対応する残金があるか否かに応じて、所定数の遊技球を貸し出すことになる。
【0043】
また、これらパチンコ遊技機10A、10B、10Cは、カードユニット300A、300B、300Cやシステムコントローラ700に対して、遊技に関する遊技情報を、LAN1を介してシステムコントローラ700に供給するようになっている。
【0044】
この遊技情報とは、プリペイドカードを受け付けた旨の情報や、大当りとなった旨の情報、大当りとなる確率が向上された旨の情報、識別情報の可変表示の回数を示す情報、払い出された遊技球の数を示す情報、貸し出した遊技球の数を示す情報等、遊技(特に、遊技の結果および経過)に関するものであればよい。
【0045】
なお、本実施の形態においては、カードユニット300A、300B、300Cのそれぞれを、LAN1を介してシステムコントローラ700に通信可能に直接接続したが、これに限らず、例えば、カードユニット300A、300B、300Cのそれぞれを、所定数毎に(例えば、島毎に)中継コンピュータ(図示せず)と接続し、それら中継コンピュータと、システムコントローラ700等とを通信可能に接続するように構成してもよい。
【0046】
また、システムコントローラ700は、プリペイドカードに関する情報を含めてカード発行機400、カードユニット300A、300B、300Cおよびパチンコ遊技機10A、10B、10Cを一元的に管理するためのコンピュータであり、システムコントローラ700は、LAN1に接続されている。
【0047】
システムコントローラ700は、カードユニット300A、300B、300Cや、カード発行機400から供給されるプリペイドカードのカードID等を受け取り、プリペイドカードのカードID毎に、残度数等のプリペイドカードに関する各種の情報の管理を行う。
【0048】
また、プリペイドカードにおいては、随時入金することによって、その残度数を増加させることが可能である。カード発行機400は、プリペイドカードを発行するための端末であり、LAN1に接続されている。
【0049】
カード発行機400は、遊技者等の操作に応じて、システムコントローラ700に対して、プリペイドカードを発行する旨の情報を供給するようになっている。この情報には、前述したように、発行金額、所定の遊技者情報としての発行カードIDと所定の計数開始条件(後述する)の成否を示す条件成立情報の関連を示す関連情報等が含まれる。
【0050】
売上管理コンピュータ800は、各遊技場における売上を一括管理するためのコンピュータであり、第三者機関(主に、プリペイドカード発行会社)に設置されている。売上管理コンピュータ800は、システムコントローラ700とネットワークNT1を介して接続されている。売上管理コンピュータ800は、システムコントローラ700から供給されるプリペイドカードに関する売上情報を受け取り、各遊技場における売上情報を管理する。
【0051】
なお、本実施の形態におけるネットワークNT1等は、インターネット、専用回線、プロバイダ、音声通信局、および、携帯電話機用基地局、衛星通信局等から構成されるが、これに限らず、システムコントローラ700と売上管理コンピュータ800とが通信可能に接続される構成であればよい。勿論、LAN1についても、各装置間で通信可能であれば通信方式を問わない。
【0052】
[パチンコ遊技機の構成]
上述したパチンコ遊技機10A、10B、10Cを示す斜視図を図2に示す。なお、以下において、パチンコ遊技機10Aを代表として説明し、それ以外の説明を省略する。
【0053】
パチンコ遊技機10Aの外枠11には本体枠13が取り付けられており、この本体枠13には遊技盤15が組み込まれている。この遊技盤15の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれており、遊技盤15を覆うようにガラス扉(図示せず)が備えられている。
【0054】
本体枠13の前面には上皿20および下皿30が設けられており、上皿20には遊技に使用される遊技球が貯留され、上皿20の遊技機が満杯になるか、あるいは図示しないレバーが操作されると、上皿20から下皿30に遊技球が誘導されるようになっている。
【0055】
なお、遊技盤15の前面の略中央には図示しない液晶表示装置が設けられており、この液晶表示装置は、図示しない表示領域を有し、この表示領域には所定の識別情報が可変表示される。この識別情報は、数字、記号、図柄等から構成されており、装飾図柄を構成するものである。
【0056】
下皿30の右側に備えられた発射ハンドル35は、本体枠13に対して回動自在に設けられた回動レバー33を備えており、回動レバー33を時計周りに回転させると、図示しない発射ソレノイドが作動し、パチンコ遊技が行われる。
【0057】
また、発射ハンドル35の裏側には図示しない発射モータが設けられており、発射ハンドル35の縁周部には図示しないタッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル35が握持されたことが検知されるようになっており、発射ハンドル35が遊技者によって握持され、かつ、回動レバー33が時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤15に順次発射される。
【0058】
なお、発射ハンドル35の縁周部に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル35を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0059】
発射された遊技球は、遊技盤15上に設けられた図示しないガイドレールに案内されて遊技盤15の上部に移動した後、遊技盤15上の複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤15の下方に向かって落下する。
【0060】
外枠11の左側面にはカードユニット300Aが取り付けられており、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aは電気的に接続され、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aとの間で、遊技球に必要な所定の制御信号等が送受信されるようになっている。
【0061】
上皿20の前面には貸出操作パネル18が設けられており、貸出操作パネル18の制御はカードユニット300Aにより行われる。貸出操作パネル18は、残度数表示LED22、貸出可表示LED24、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28を含んで構成されている。
【0062】
貸出操作パネル18とそれに含まれる残度数表示LED22、貸出可表示LED24、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28の制御は、全てカードユニット300Aにより、所定の通信信号の送受信によって行われる。
【0063】
残度数表示LED22は、数桁の7セグメントLEDから構成されており、この残度数表示LED22にはカードユニット300Aに挿入されたプリペイドカードに対応する金額の残高が、100円を1度数として数字で表示される。
【0064】
したがって、残度数表示LED22に"5.00"と表示されるときには、500円分の遊技球が貸出可能である。なお、本実施の形態における残度数表示LED22は、表示切替スイッチ322(図4参照)の操作により、小数点未満の数字へ切替表示可能であるが、これに限らず、例えば、小数点以上の数字だけを表示するようにしてもよい。
【0065】
また、小数点未満の数字を示す表示LEDを備え、残度数表示LED22は、整数の数字を表示するようにしてもよい。また、残度数表示LED22は、LEDに限らず、数値を表示可能な表示装置であれば、いずれの表示装置でもよい。また、"5.00"といったように、小数点以上と小数点未満とを同時に表示可能としてもよい。
【0066】
貸出可表示LED24には遊技球の貸し出しが可能か否かの情報が表示される。すなわち、貸出可表示LED24が点灯状態であれば、遊技者は球貸操作スイッチ26を押下して遊技球の貸し出しを受けることができる。
【0067】
また、球貸操作スイッチ26が遊技者に押下されることによって、遊技球の貸し出しが行われるようになっており、球貸操作スイッチ26が押下されると、カードユニット300Aからパチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126(図4参照)に出力される信号に応じて、パチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126が遊技球の貸出処理を実行する。
【0068】
また、返却スイッチ28が遊技者に押下されることによって、プリペイドカードの排出処理が行われる。この排出処理については後述するが、レスキューモードでは所定の遊技の遊技実行回数の計数値がパチンコ遊技機10A、10B、10Cおよびカードユニット300A、300B、300C間で引き継がれる。また、図示しない精算スイッチが遊技者に押下されることによって、プリペイドカードの精算処理が行われる。この精算処理では、所定の遊技の遊技実行回数の計数値がパチンコ遊技機10A、10B、10Cおよびカードユニット300A、300B、300C間で引き継がれない。
【0069】
[カードユニットの構成]
上述したカードユニットを示す斜視図を図3に示す。なお、以下において、カードユニット300Aを代表として説明し、それ以外のカードユニットの説明を省略する。
【0070】
カードユニット300Aの筐体の前面最上部には状態表示ランプ301が設けられており、この状態表示ランプ301は、カードユニット300Aと、遊技場1000に設置されるシステムコントローラ700との接続状況および通信状態を所定の態様で表示する。
【0071】
なお、カードユニット300Aとシステムコントローラ700との接続状況や通信状態に何らかの異常があるためオフラインとなっているときには、カードユニット300Aで計上されたプリペイドカードの売上情報は、一時的にカードユニット300AのRAM312(図4参照)に記憶され、システムコントローラ700との接続状況や通信状態が復旧(オンライン)となったときに、その情報が一括してシステムコントローラ700に送信される。
【0072】
状態表示ランプ301の上方にはカード挿入中ランプ302が設けられており、このカード挿入中ランプ302は、プリペイドカードがカードユニット300Aに挿入されているか否かを所定の表示態様で報知するようになっている。
【0073】
状態表示ランプ301の側方には各種の画像を表示可能な表示装置321が設けられており、この表示装置321には、例えば、パチンコ遊技機10Aにおける図柄の変動回数や、大当りとなった回数等の遊技情報が表示可能である。
【0074】
また、この表示装置321にはタッチパネルが設けられており、詳しく後述するが、その操作に応じてレスキューペイモードに設定可能である。状態表示ランプ301の下方には硬貨投入口303と硬貨返却スイッチ304と硬貨返却口305とがそれぞれ設けられており、硬貨投入口303は、硬貨が投入可能である。
【0075】
カードユニット300Aにおける硬貨投入口303の内方には硬貨投入検知センサ315(図4参照)が設けられており、この硬貨投入検知センサ315は、投入された所定の硬貨を検知し、その種類を識別するようになっている。
【0076】
硬貨投入口303に硬貨が投入された場合には、システムコントローラ700との間で通信が行われ、投入された硬貨に応じて入金が行われる。また、硬貨返却スイッチ304が操作されることにより、投入された硬貨が硬貨返却口305より返却される。
【0077】
また、硬貨返却口305の下方には紙幣挿入口307が設けられており、紙幣挿入口307には、紙幣が挿入可能となっている。
【0078】
また、カードユニット300Aにおける紙幣挿入口307の内方には紙幣識別装置314(図4参照)が設けられており、この紙幣識別装置314は、紙幣挿入口307に挿入された紙幣を検知し、その種類を識別する。
【0079】
紙幣挿入口307に紙幣が挿入された場合には、上述した硬貨投入口303と同様に、システムコントローラ700との間で通信が行われ、その挿入された紙幣に応じた入金が行われる。
【0080】
紙幣挿入口307の下方にはカード挿入口308が設けられており、カード挿入口308にはプリペイドカードが挿入可能である。カードユニット300Aにおけるカード挿入口308の内方にはカードR/W313(図4参照)が設けられている。
【0081】
このカードR/W313は、カード挿入口308に挿入されたプリペイドカードに記録された磁気情報を読み取り、また情報の書き込みも可能である。カード挿入口308にプリペイドカードが挿入された場合には、カードユニット300Aは、プリペイドカードに記録されたカードID等の情報を読み出す。
【0082】
このように、カードユニット300Aは、パチンコ遊技機10Aに併設され、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録されたプリペイドカード(記録媒体)を受け付ける受付手段としてのカード挿入口308を有している。なお、本実施の形態においては、プリペイドカードに記憶されている情報を磁気情報としたが、これに限らず、例えば、ICカード等であってもよい。
【0083】
カード挿入口308の下方には、鍵穴309が設けられており、この鍵穴309に鍵を挿入して操作することにより、カードユニット300Aをパチンコ台島から取り外すことができる。このパチンコ台島とは、複数のパチンコ遊技機と、それらに対応するカードユニットとが取り付けられる設備である。
【0084】
また、紙幣挿入口307の上方には残度数の表示を、小数点以上と小数点未満とを選択的に切り替えるための表示切替スイッチ322が設けられている。
【0085】
[パチンコ遊技機、カードユニットの電気的構成]
上述したパチンコ遊技機10Aおよびカードユニット300Aの電気的構成について図4を用いて説明する。
【0086】
図4に示すように、パチンコ遊技機10Aは、主制御回路60、副制御回路200、払出・発射制御回路126、貸出操作パネル18、外部出力端子板139等を含んで構成される。
【0087】
なお、本実施の形態において、各種の信号の出力は、主制御回路60から副制御回路200、主制御回路60から払出・発射制御回路126への方向のみ送信されるが、これに限らず、例えば、逆方向の通信、双方向の通信を行うように構成してもよい。貸出操作パネル18は、制御的にはパチンコ遊技機10Aにおける各種の回路から独立しており、カードユニット300Aによって制御されるものであり、カードユニット300Aの構成に含まれる。
【0088】
主制御回路60は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成されており、遊技の進行(遊技の結果および経過)を決定する機能を有する。
【0089】
また、副制御回路200は、図示しないCPU、RAM、ROM等から構成されており、主制御回路60によって決定された遊技の進行に応じて、図示しない液晶表示装置において各種の画像を表示させ、図示しないスピーカから各種の音声を発生させ、さらに、図示しないランプを発光させる等、各種の演出を実行する機能を有する。
【0090】
外部出力端子板139は、遊技に関する各種の遊技情報をカードユニット300Aやシステムコントローラ700に供給する外部端子であり、外部出力端子板139は、カードユニット300Aの図示しない外部端子やシステムコントローラ700にLAN1を介して電気的に接続されるようになっている。
【0091】
したがって、外部出力端子板139は、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報、遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)であることを特定可能な遊技状態情報等をカードユニット300Aやシステムコントローラ700に送信することになる。本実施の形態では、CPU61、外部出力端子板139が遊技実行情報送信手段、遊技状態情報送信手段を構成している。
【0092】
払出・発射制御回路126は、CPU133、図示しないRAM、ROM、カードユニット接続用I/O137等を含んで構成される。
【0093】
払出・発射制御回路126のROMには、払出・発射制御、カードユニット300Aとの通信の制御を行う各種のプログラムが格納されており、このプログラムは、CPU133によって、ROMから読み出され、実行される。
【0094】
CPU133は、払出・発射制御回路126のROMに記憶されている各種のプログラムに従って、払出・発射制御回路126の制御、カードユニット300Aとの通信等を行う。払出・発射制御回路126のRAMは、CPU133の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0095】
カードユニット接続用I/O137は、カードユニット300A等と所定の通信信号を入出力するためのインターフェースであり、このカードユニット接続用I/O137は、カードユニット300A側の遊技機接続用I/O318と電気的に接続されている。
【0096】
また、払出・発射制御回路126には、図示しない払出装置および発射装置が接続されており、これら払出装置および発射装置の制御を行うようになっている。
【0097】
貸出操作パネル18は、図示しない各種のLED、各種の操作スイッチ等を含んで構成されており、各種の操作スイッチには、球貸操作スイッチ26、返却スイッチ28が含まれている。
【0098】
貸出操作パネル18は、カードユニット300A側の遊技機接続用I/O318と電気的に接続されており、カードユニット300Aとの通信に応じて、遊技球の貸し出し要求等を行うことができる。
【0099】
カードユニット300Aは、CPU310、ROM311、RAM312、カードR/W313、紙幣識別装置314、硬貨投入検知センサ315、状態表示ランプ301、カード挿入中ランプ302、遊技機接続用I/O318、表示装置321、表示切替スイッチ322、入力装置323等を含んで構成されている。
【0100】
ROM311には、カードユニット300Aを制御するためのプログラム、カードユニット300Aとパチンコ遊技機10Aとの通信を制御するプログラム等、各種のプログラムが格納されている。
【0101】
このような各種のプログラムは、CPU310によってROM311からそれぞれ読み出され、実行される。CPU310は、ROM311から読み出されたプログラムに従って、カードユニット300Aの制御、パチンコ遊技機10Aとの間における通信の制御を行う。RAM312は、CPU310の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能、プリペイドカードの残高情報を記憶する機能を有する。
【0102】
カードR/W313は、CPU310の制御に応じて、カード挿入口308から挿入されたプリペイドカードに記録されている各種の情報の読出しや、プリペイドカードへの情報の書き込み等を行うための装置である。なお、本実施の形態において、このカードR/W313は、カード挿入口308に受け付けられたプリペイドカード(記録媒体)からデータを読み取る読取手段、同じくプリペイドカードにデータを書き込む書込手段を構成している。
【0103】
紙幣識別装置314は、CPU310の制御により挿入された紙幣の識別を行い、紙幣の識別情報をCPU310に出力する。硬貨投入検知センサ315は、CPU310の制御により、硬貨投入口303に硬貨が投入されたことを検知し、その検知情報をCPU310に出力する。
【0104】
状態表示ランプ301は、カードユニット300Aにおける各種の異常状態(例えば、紙幣詰まり等)等、各種の情報を所定の態様で表示する。また、カードユニット300Aと遊技場1000に設置されるシステムコントローラ700との接続状況および通信状態を、所定の態様で報知する。
【0105】
カード挿入中ランプ302は、プリペイドカードがカードユニット300Aに挿入されているか否かを所定の態様で報知するようになっている。遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aのカードユニット接続用I/O137、パチンコ遊技機10Aの貸出操作パネル18、システムコントローラ700等と所定の通信信号を入出力するためのインターフェースである。
【0106】
この遊技機接続用I/O318は、パチンコ遊技機10Aのカードユニット接続用I/O137、貸出操作パネル18、システムコントローラ700と電気的に接続されている。
【0107】
表示装置321は、CPU310に接続されている。この表示装置321は、画像制御回路321aおよび表示部321bから構成されており、CPU310からの出力される画像表示信号に基づいて画像制御回路321aで画像を生成し、生成した画像を表示部321bに表示する。
【0108】
表示切替スイッチ322は、残度数表示LED22の残度数の表示を切り替えるためのスイッチであり、主に、残度数に端数があるときに、その端数を表示するために用いられる。
【0109】
[カード発行機の電気的構成]
本実施の形態におけるカード発行機400の電気的構成について図5を用いて説明する。
【0110】
カード発行機400においては、図5に示すように、制御部402であるCPU404およびメモリ406、データバス408、記憶部410、表示部412、操作部414、通信制御部416、カード発行部418、紙幣識別装置420、硬貨投入検知センサ422等を含むように構成されている。
【0111】
また、データバス408には、制御部402であるCPU404、メモリ406、記憶部410、表示部412、操作部414、通信制御部416、カード発行部418、紙幣識別装置420、硬貨投入検知センサ422等が接続されている。
【0112】
CPU404は、記憶部410に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有しており、プログラムに従って、後述する各種の手段として機能することになる。
【0113】
また、記憶部410には、CPU404によりカード発行機400の動作を制御するためのプログラム、各種のテーブルが記憶されている。なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体として記憶部410を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ROM、CD−ROMおよびDVD等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にメモリ406等に記録されるものでもよく、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。メモリ406は、CPU404の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0114】
表示部412は、液晶表示パネルやCRT等で構成されるものであり、CPU404の制御によって画像が表示される。操作部414は、操作者にとって操作可能な操作手段であり、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ等を含んで構成されるものである。
【0115】
例えば、表示部412の液晶表示パネル上にタッチパネルが設けられ、液晶表示パネル上に表示されたレスキューペイボタン414aの操作(押下)に基づいてレスキューペイモードの選択を示す信号をCPU404に出力するようになっている。
【0116】
なお、本実施の形態においては、スイッチ、タッチパネル等から操作部414を構成したが、これに限らず、操作者等(ユーザ)によって操作可能(入力可能)なものであればよく、例えば、マイク等であってもよい。
【0117】
通信制御部416は、システムコントローラ700等、各種の装置と通信するためのものである。カード発行部418は、CPU404からの発行信号に基づいて、プリペイドカードを発行する機能を有する。なお、カード発行部418には、発行するプリペイドカードに対して関連情報等の情報を書き込むためのカードライタ(不図示)が設けられている。
【0118】
紙幣識別装置420は、CPU404の制御により挿入された紙幣の識別を行い、紙幣の識別情報をCPU404に出力する。硬貨投入検知センサ422は、CPU404の制御により、図示しない硬貨投入口に硬貨が投入されたことを検知し、その検知情報をCPU404に出力する。
【0119】
[システムコントローラの電気的構成]
本実施の形態におけるシステムコントローラ700、売上管理コンピュータ800等の電気的構成について図6を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、システムコントローラ700および売上管理コンピュータ800は、共に同じような電気的構成であるため、システムコントローラ700を代表して説明し、それ以外の装置に関しては説明を省略する。また、図6において、括弧で囲んだ符号は、売上管理コンピュータ800における符号である。
【0120】
システムコントローラ700においては、図6に示すように、制御部702であるCPU704およびメモリ706、データバス708、記憶部710、表示部712、操作部714、通信制御部716等を含むように構成されている。また、データバス708には、制御部702であるCPU704、メモリ706、記憶部710、表示部712、操作部714、通信制御部716等が接続されている。
【0121】
なお、本実施の形態においては、システムコントローラ700等において、表示部712、操作部714等を備えるように構成したが、これに限らず、例えば、表示部712、操作部714等を備えないように構成してもよい。
【0122】
CPU704は、記憶部710に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。また、CPU704は、プログラムに従って、後述する各種の手段として機能することになる。
【0123】
また、記憶部710には、CPU704によりシステムコントローラ700の動作を制御するためのプログラム、各種のテーブルが記憶されている。なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体として記憶部710を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ROM、CD−ROMおよびDVD等の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0124】
また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にメモリ706等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0125】
メモリ706は、CPU704の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。表示部712は、液晶表示パネルやCRT等で構成されるものであり、CPU704の制御によって画像が表示される。
【0126】
操作部714は、操作者にとって操作可能な操作手段であり、マウス、キーボード、タッチパネル等を含んで構成されるものである。なお、本実施の形態においては、マウス、タッチパネル等から操作部714を構成したが、これに限らず、操作者等(ユーザ)によって操作可能(入力可能)なものであればよく、例えば、マイク等であってもよい。
【0127】
通信制御部716は、LAN1を介してパチンコ遊技機10A、カードユニット300A、売上管理コンピュータ800等、各種の装置と通信するためのものである。
【0128】
通信制御部716は、LAN1を介してパチンコ遊技機10Aから送信された所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報、遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)であることを特定可能な遊技状態情報を受信するようになっており、遊技実行情報受信手段、遊技状態情報受信手段を構成している。
【0129】
また、通信制御部716は、カードユニット300Aから送信されたユニットIDや関連情報、カード排出時の所定の遊技の遊技実行回数の計数値等を受信するようになっており、カードユニットID情報受信手段を構成している。さらに、通信制御部716は、カード発行機400から送信された関連情報および発行金額等の情報を受信するようになっている。
【0130】
システムコントローラ700において、記憶部710に記憶された各種のテーブルについて詳しく説明する。
【0131】
[プリペイドカードデータテーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されているプリペイドカードデータテーブルについて図7(A)を用いて説明する。なお、以下に説明するプリペイドカードデータテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0132】
記憶部710には、図7(A)に示すように、プリペイドカードに対応する各種のデータを管理し、遊技場1000における売上を管理するためのプリペイドカードデータテーブルが記憶されている。このプリペイドカードデータテーブルには、発行されたプリペイドカードのカードID(発行カードID)と、ユニットIDと、残度数データとが対応付けられて記録されている。
【0133】
カードIDは、プリペイドカードを識別するための情報であり、プリペイドカード毎に異なるIDが割り振られている。ユニットIDは、プリペイドカードが挿入されたカードユニット300A等を識別するための情報である。
【0134】
残度数データは、プリペイドカードに残っている度数(遊技球を貸し出すための度数)を示すデータである。
【0135】
また、本実施の形態においては、このようなプリペイドカードデータテーブルでは、プリペイドカードの発行に応じて対応するレコードが生成される。なお、CPU704は、プリペイドカードの発行時にカード発行機400から送信される発行金額および関連情報に基づいて発行カードIDに対応する残度数を設定するようになっている。
【0136】
このようなプリペイドカードデータテーブルが記録されることによって、発行されたプリペイドカードの残度数等、プリペイドカードに関する情報が管理可能であり、その情報がシステムコントローラ700から売上管理コンピュータ800に供給されることによって、売上管理コンピュータ800により遊技場1000等における売上が管理可能となる。
【0137】
[管理データテーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されている管理データテーブルについて図7(B)を用いて説明する。なお、以下に説明する管理データテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0138】
記憶部710には、図7(B)に示すように、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等に対応する各種のデータを管理する管理データテーブルが記憶されている。この管理データテーブルには、発行カードIDと、ユニットIDと、遊技機IDと、遊技実行情報と、遊技状態情報と、遊技実行回数カウンタと、更新情報とが対応付けられて記録されている。
【0139】
遊技機IDは、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10Aを識別可能なIDである。
【0140】
遊技実行情報は、パチンコ遊技機10A等から送信された所定の遊技が実行されたか否かを図柄の可変表示が実行されたか否かによって特定するものであり、例えば、パチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号が"オン"のときにオン信号として"01"を生成してこのオン信号が遊技機IDに対応する遊技実行情報のアドレスに書き込まれる。
【0141】
この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングで"オン"となり、これによってCPU704は、図柄の可変表示が終了したか否かを判定することになる。
【0142】
そして、CPU704は、遊技実行情報のアドレスに"01"信号が書き込まれたタイミングでカウントアップを行うことにより、遊技実行回数カウンタにパチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する。すなわち、遊技実行回数カウンタは、パチンコ遊技機10毎(遊技機ID毎)に設けられており、パチンコ遊技機10毎の遊技実行回数をカウントするようになっている。
【0143】
また、遊技実行情報のアドレスに"オン"信号が書き込まれていない状態においては、遊技実行情報のアドレスに"00"が書き込まれる。
【0144】
なお、CPU704は、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから送信される所定の遊技の遊技実行回数の計数値に基づいて遊技実行カウンタを更新するようになっている。また、CPU704は、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから送信される所定の遊技の遊技実行回数の計数値の受信日時(遊技実行カウンタの更新日時)を更新情報として書き込む(上書きする)ようになっている。例えば、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから所定の遊技の遊技実行回数の計数値が送信されると、この計数値と受信日時を管理データテーブルに記憶し、次いで、遊技者がパチンコ遊技機10Aから他のパチンコ遊技機10Bへ移動したことに伴って、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Bから所定の遊技の遊技実行回数の計数値が送信されると、これに基づいて先の計数値と受信日時を更新する。この場合、CPU704は、先の受信日時からの経過時間を計測し、この経過時間に基づいて後述するポイントを付与する。
【0145】
また、遊技状態情報は、遊技者に有利な大当り遊技状態であることを特定可能な情報であり、パチンコ遊技機10A等に大当りが発生した場合には、大当りが発生した遊技機IDに対応する遊技状態情報のアドレスに大当り発生信号として"02"が書き込まれ、パチンコ遊技機10A等に大当りが発生していない場合には、大当りが発生していない遊技機IDに対応する遊技状態情報のアドレスに"00"が書き込まれる。
【0146】
本実施の形態では、記憶部710が、ユニットIDによって特定されたカードユニット300A等と、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等の遊技実行情報および遊技状態情報とを関連付けて記憶する管理情報記憶手段を構成している。
【0147】
また、本実施の形態では、記憶部710が、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから所定の遊技の遊技実行回数の計数値(第1の計数結果情報に相当する)を受信した場合に、この計数値に受信日時情報および遊技者情報としての発行カードIDを付与したもの(第2の計数結果情報に相当する)を記憶する計数結果記憶手段を構成している。
【0148】
[遊技機特性テーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されている遊技機特性テーブルについて図7(C)を用いて説明する。なお、以下に説明する遊技機特性テーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0149】
記憶部710には、図7(C)に示すように、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等の遊技機特性を管理する遊技機特性テーブルが記憶されている。この遊技機特性テーブルには、ユニットIDと、遊技機IDと、遊技機特性情報と、が対応付けられて記録されている。
【0150】
遊技機特性情報は、例えば、遊技店側が設定する値(設定値)であり、設定値に応じて遊技における遊技者の有利さの度合い(例えば、ペイアウト率など)が異なるようになっている。ここでは、設定値として"1"〜"6"を設けるようにしている。そして、「大当り」などに当籤する確率が、設定値の間で異なるようにしている。
【0151】
本実施の形態では、記憶部710が、カードユニット300AのカードユニットIDと、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等の遊技機特性を示す遊技機特性情報とを対応付けて蓄積する情報蓄積手段を構成している。すなわち、ユニットIDによって特定されたカードユニット300A等と、カードユニット300A等に併設されたパチンコ遊技機10A等と、各パチンコ遊技機の遊技機特性情報と、が関連付けられて遊技機特性テーブルに記憶されている。
【0152】
[ポイントテーブル]
システムコントローラ700の記憶部710に記憶されているポイントテーブルについて図7(D)を用いて説明する。なお、以下に説明するポイントテーブルが記憶部710に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムが記憶部710に記憶されていればよい。
【0153】
記憶部710には、図7(D)に示すように、レスキューペイモードの規定回数の変更(削減)に係るポイントを管理するポイントテーブルが記憶されている。このポイントは、プリペイドカードの離脱、挿入に伴って所定の遊技の遊技実行回数の計数値の引き継ぎが生じた場合、その発生回数に応じて当該カードIDを有するプリペイドカードに付与されるものである。例えば、前記の更新情報が所定時間内に更新されなかったことに基づいて付与される。ポイントテーブルには、発行カードIDと、獲得ポイントとが対応付けられて記録されている。そして、ポイントの集計値が所定値(特定値)に達した場合に規定回数が削減されるようになっている。
【0154】
[レスキューペイモード]
上述した遊技システム1の電気的な構成において、遊技球の消費における損失を補填するとともに、その遊技球の消費における損失を減少させることができるレスキューペイモードについて図8を用いて以下に説明する。
【0155】
レスキューペイモードとは、遊技者の操作に応じて設定可能なモードである。
【0156】
例えば、図8(A)に示すように、遊技者の操作が行われずに、レスキューペイモードに設定されていない場合には、遊技を開始してから、遊技球の消費における損失を補填するための処理がなく、遊技を開始してから一律"4円/1球"で遊技球の貸し出しが行われる。
【0157】
また、図8(B)に示すように、遊技者の操作が行われた場合には、その後の遊技からレスキューペイモードに設定され、保険料が徴収される。そして、レスキューペイモードに設定されてから特別図柄の可変表示回数の計数が開始される。なお、レスキューペイモード設定中は、一律"4円/1球"で遊技球の貸し出しが行われる。
【0158】
そして、レスキューペイモードに設定されてから特別図柄の可変表示の回数が600回となる以前に、大当りとなった場合には、遊技球の消費における損失を補填するための処理が行われることなく、レスキューペイモードの設定が解除されてレスキューペイモード非設定状態となる。その後、遊技者の選択操作が行われない場合には、レスキューペイモードに設定されず、図8(C)に示すように、遊技者の選択操作が行われた場合には、その操作後において開始される遊技からレスキューペイモードが再度設定される。これによって、保険料が徴収され、レスキューペイモードに設定されてから特別図柄の可変表示回数(所定の遊技の遊技実行回数)の計数が再度開始されることになる。この場合、カードユニット300Aにおいて一旦プリペイドカードの精算を行った後、カード発行機400にて新たにプリペイドカードを発行して保険料を徴収するようにしてもよい(選択操作を再び行うようにしてもよい)。あるいは、カードユニット300Aにカード発行機400の保険設定機能を設け、受付中のプリペイドカードの精算を行うことなく、レスキューペイモードの選択操作を行うようにしてもよい。
【0159】
また、図8(D)に示すように、遊技者の操作に応じてレスキューペイモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が600回となった場合には、所定の残度数が加算され、遊技球の消費における損失を補填するための処理が行われる。
【0160】
詳しくは後述するが、この加算される残度数は、レスキューペイモードに設定されてから行われた600回の特別図柄の可変表示が行われる間において遊技球の貸し出しに使用された残度数に対応する度数であり、その貸し出された残度数の"1/4"だけ遊技者に返却されることになる。
【0161】
また、遊技者の操作に応じてレスキューペイモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が600回となった場合には、それ以降、"2円/1球"で遊技球の貸し出しが行われ、遊技者の操作に応じてレスキューペイモードに設定されてから、大当りとなることなく、特別図柄の可変表示の回数が900回となった場合には、それ以降、"1円/1球"で遊技球の貸し出しが行われる。
【0162】
なお、遊技球の貸し出しが安価になってから大当りとなった場合には、それ以降、最初の"4円/1球"で遊技球の貸し出しが行われることになる。
【0163】
さらに、レスキューペイモードに設定されてから、遊技者がパチンコ遊技機を移動する場合、特別図柄の可変表示の回数の計数結果はプリペイドカードに書き込まれ、移動先のパチンコ遊技機に併設されたカードユニットで読み込まれて、その計数結果が引き継がれる(更新される)。ここで、所定時間内に計数結果の更新が行われなかった場合には所定のポイント数がプリペイドカードの発行カードIDに付与され、集計ポイントが所定値に到達すると、特別図柄の可変表示の規定回数(例えば、600回)が変更(削減)される。
【0164】
[表示画面の説明]
また、上述した構成においてカード発行機400における表示部412に表示される表示画面について図9を用いて説明する。
【0165】
表示部412においては、レスキューペイモードに設定されていない場合には、図9(A)に示すように、レスキューペイの特典に関する画像が表示されている。具体的には、600ゲームハマリとなった(大当りとならなかった)場合には、その間に使用したプリペイドカード残高が割引され、割引分がカードにチャージされる旨が表示されている。
【0166】
また、600ゲームハマリとなった場合には、その後の球貸し単価を2円とする旨の画像や、900ゲームハマリとなった場合には、その後の球貸し単価を1円とする旨の画像が表示されている。
【0167】
また、表示部412における左下には、レスキューペイボタン414aを表す画像が表示されており、レスキューペイボタン414aが遊技者によってタッチされるとレスキューペイが開始される。
【0168】
また、10度数の保険料を払えば、大ハマリ(例えば、600ゲームハマリ等)した場合でも保険金が支払われるレスキューペイが開始される旨の画像が表示されている。また、図9(B)に示すように、上記条件を満たすと、レスキューペイによって特典が受けられる旨の画像も表示される。また、ハマリに応じてポイントが付与され、集計ポイントに応じて規定回数が変更される旨の画像が表示される。
【0169】
そして、図9(C)に示すように、遊技者によってレスキューペイボタン414aがタッチされた場合には、レスキューペイモードを設定することになる。そして、ゲーム回数が600回となった場合に、カード使用残度数が30度数であったときには、レスキューペイが実行され、カード使用残度数としての30度数が、実際には"4円/1球"で貸し出されたところを、"3円/1球"で貸し出されたこととして割引が行われ、その割引分であるカード使用残度数の1/4である57.5度数がボーナスとしてチャージされる。
【0170】
また、これ以降においては、"2円/1球"で貸し出される旨の画像が表示される。また、ゲーム回数が900回となった場合には、以降"1円/1球"で貸し出される旨の画像が表示されることになる。
【0171】
このように、レスキューペイモードの設定に応じて、遊技媒体の消費における損失を補填するとともに、その遊技媒体の消費における損失を減少させることができる。
【0172】
[遊技システムの動作]
遊技システム1で実行される処理について図10〜図17を用いて以下に説明する。
【0173】
なお、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10C、複数のカードユニット300A、300B、300Cを代表して、パチンコ遊技機10A、カードユニット300Aによって遊技を行うものとして説明する。
【0174】
最初に、図10に示すように、カード発行機400において遊技者によって入金処理が行われた場合には(ステップS401)、カード発行処理を行う(ステップS402)。この処理においては、CPU404は、遊技者によって入金された貨幣に基づいて、発行するプリペイドカードに対する残度数を決定する。
【0175】
次いで、CPU404は、計数開始条件成立選択処理を行う(ステップS403)。この処理においては、CPU404は、遊技者によってレスキューペイボタン414aがタッチされたことによって操作部414から出力される信号に基づいて、所定の計数開始条件の成立が選択されたものと判断する。本実施の形態では、硬貨投入検知センサ315、紙幣識別装置314が、所定の遊技価値を受け付ける有価価値受付手段を構成し、CPU404、メモリ406等の制御部402が、プリペイドカードに書き込む発行金額情報を設定する遊技用価値設定手段を構成し、操作部414のレスキューペイボタン414aが、所定の計数開始条件を成立させるか否かを選択する選択手段を構成している。
【0176】
次いで、CPU404は、発行するプリペイドカードに付されているカードID(遊技者情報に相当する発行カードID)と所定の計数開始条件の成立(成否)を示す条件成立情報との関連を示す関連情報と、発行金額情報とをシステムコントローラ700に送信する(ステップS404)。本実施の形態では、通信制御部416が、条件成立情報とカードIDとを関連付けた関連情報をシステムコントローラ700に送信する関連情報送信手段を構成している。
【0177】
次いで、システムコントローラ700において、CPU704は、カードIDと条件成立情報との関連情報と、発行金額情報とをカード発行機400から受信し(ステップS701)、カードIDと条件成立情報との関連情報および発行金額情報に基づいてプリペイドカードに関するカードデータを作成し、プリペイドカードデータテーブル(図7(A)参照)において、それらカードIDと、発行金額情報とを新規に追加登録する(ステップS702)。
【0178】
次いで、CPU704は、プリペイドカードを発行させる旨のカード発行指令情報をカード発行機400に送信する(ステップS703)。カード発行機400において、CPU404は、カード発行指令情報をシステムコントローラ700から受信し(ステップS405)、カードライタによって前記の関連情報および発行金額情報をプリペイドカードに書き込んで発行する(ステップ406)。本実施の形態では、カード発行部418のカードライタが、条件成立情報および発行金額情報をプリペイドカードに書き込む書込手段を構成し、カード発行部418が記録媒体発行手段を構成している。
【0179】
このように、カード発行機400、システムコントローラ700が制御されることによってカードの発行が行われる。
【0180】
また、カードユニット300Aにおいて、プリペイドカードが挿入された場合には、図11(a)に示すように、そのプリペイドカードを受け付ける(ステップS301)。次いで、CPU310は、プリペイドカードが挿入されたと検知された場合には、カードR/W313にプリペイドカードから前記の関連情報および発行金額情報を読み取らせる。
【0181】
すなわち、カードユニット300AのCPU310は、遊技に使用される遊技用価値を特定可能なデータが記録されたプリペイドカード(記録媒体)を受け付け、受け付けられたプリペイドカードからカードID等のデータを読み取る。なお、本実施の形態において、このような処理を実行するカードユニット300Aのカード挿入口308が受付手段を構成し、カードR/W313が読取手段を構成している。この結果、カードユニット300Aは、所定の計数開始条件の成否(レスキューペイドモードが設定されたか否か)を把握することができる。
【0182】
ステップS302において、CPU310は、カードユニット固有のユニットIDと、読み取った関連情報とをシステムコントローラ700に送信する。
【0183】
システムコントローラ700では、CPU704は、ユニットIDと関連情報とをカードユニット300Aから受信し(ステップS711)、プリペイドカードデータテーブル(図7(A)参照)を参照し、カードIDの照合を行い(ステップS712)、カードIDに対応する残度数を読み出し、残高情報をユニットIDに対応するカードユニット300Aに送信するとともに(ステップS713)、プリペイドカードデータテーブルおよび管理データテーブルにユニットIDの登録を行う。この結果、システムコントローラ700は、プリペイドカードが挿入されたカードユニットとそのカードユニットの残高情報を把握するとともに、そのカードユニットに併設されたパチンコ遊技機について所定の計数開始条件の成否(レスキューペイドモードが設定されたか否か)を把握することができる。
【0184】
また、システムコントローラ700は、関連情報に含まれる条件成立情報が成立を示す場合にレスキューペイモードの規定回数の情報をユニットIDに対応するカードユニット300Aに送信する。なお、システムコントローラ700は、パチンコ遊技機10Aに併設されたカードユニット300Aからプリペイドカードが排出され、パチンコ遊技機10A以外の他のパチンコ遊技機に併設された他のカードユニットに受け付けられた場合には、双方の遊技機特性に基づいて規定回数を決定する。また、システムコントローラ700は、ポイントテーブル(図7(D)参照)に基づいて、ポイント集計値が所定値を超えた場合に規定回数を更新(削減)する。
【0185】
次いで、カードユニット300Aにおいて、CPU310は、システムコントローラ700から残高情報を受信した場合には(ステップS303)、その残高情報をRAM312の所定領域に記憶する(ステップS304)。
【0186】
すなわち、カードユニット300AのCPU310は、プリペイドカードから読み取られたデータから特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶することになる。なお、本実施の形態では、このような処理を実行するカードユニット300AのCPU310およびRAM312が残高情報記憶手段を構成している。
【0187】
次いで、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS305)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に残高表示を行わせる(ステップS101)。
【0188】
また、図11(b)に示すように、パチンコ遊技機10において、球貸操作スイッチ26の貸出操作があった場合には(ステップS102)、貸出操作信号がカードユニット300Aに出力され(ステップS103)、カードユニット300Aにおいて、貸出操作信号を受信した場合には(ステップS311)、パチンコ遊技機10A、カードユニット300Aにおいて、貸出処理を行う(ステップS312)。
【0189】
この処理において、パチンコ遊技機10Aの払出・発射制御回路126におけるCPU133や、カードユニット300AにおけるCPU310は、貸出可能な状態である場合か否かを判定し、貸出可能である場合には、遊技球の貸し出しの制御を行うことになる。具体的な処理について以下に説明する。
【0190】
最初に、パチンコ遊技機10Aとカードユニット300Aとが通信可能に接続された場合には、パチンコ遊技機10Aからカードユニット300Aに所定の信号が出力されている。このため、カードユニット300Aにおいて、通信可能な状態であることが認識可能である。
【0191】
そして、CPU133は、プリペイドカードが挿入されており、ステップS102に示すように球貸操作スイッチ26(図4参照)が遊技者により押圧操作された場合には、ステップS103に示すようにカードユニット300Aに貸出操作信号を出力する。
【0192】
その貸出操作信号を受け取ったカードユニット300Aにおいて、CPU310は、RAM312に記憶されている残高情報を参照し、残度数が所定の大きさ(例えば、遊技球25球を貸し出すために必要な残度数)未満であるか否か、例えば、残高情報が"0"であるか否かを判定する。
【0193】
また、CPU310は、残度数以外にも、各種の通信状態、装置の状態等も参照し、遊技球の払出が可能な状態であるか否かを判定する。そして、CPU310は、残高情報が所定の大きさ未満ではない等、遊技球の払出が可能な状態であると判定された場合には、遊技球の貸し出しを許可することになり、払出動作を要求する払出要求信号をパチンコ遊技機10Aにおける払出・発射制御回路126に出力する。
【0194】
CPU133は、払出装置に所定数(例えば、25球等)の遊技球を払い出させるための指示を行い、所定数の遊技球の払出が終了した場合に、その払出が終了した旨の信号をカードユニット300Aに出力する。これによって、所定数の遊技球の貸し出しが終了することになる。
【0195】
このように、カードユニット300AのCPU310は、遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技者による操作に応じて遊技に使用するための遊技球を貸し出すための制御を行うことになる。本実施の形態において、このような処理を実行するカードユニット300AのCPU310は、貸出制御手段を構成している。
【0196】
次いで、CPU310は、遊技球の貸し出しに対応して、売上情報を算出し、その売上情報を、カードユニット300AのユニットIDと、そのカードユニット300Aに受け付けられているプリペイドカードIDとともに、システムコントローラ700に送信する(ステップS313)。
【0197】
この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを読み出し、貸出操作に応じて、貸出モードに基づく売上情報として算出することになる。
【0198】
具体的には、CPU310は、貸出モードが貸出モードAである場合には、1球の遊技球を4円で貸し出すため、25球を貸し出すために1度数だけ減算させ、貸出モードが貸出モードBである場合には、1球の遊技球を2円で貸し出すため、25球を貸し出すために0.5度数だけ減算させ、貸出モードが貸出モードCである場合には、1球の遊技球を1円で貸し出すため、25球を貸し出すために0.25度数だけ減算させることになる。
【0199】
次いで、CPU310は、残度数を減算させるように更新を行う(ステップS314)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた残高情報を読み出し、残度数を所定数だけ減算し、その減算した残度数を残高情報としてRAM312の所定領域に記憶する。
【0200】
すなわち、カードユニット300A(CPU310)は、貸し出された遊技球に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、記憶されている残高情報を減算することになる。
【0201】
換言すると、CPU310は、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、選択された遊技球の貸出単価の大きさ(例えば、"4円/1球"、"2円/1球"、"1円/1球")、すなわち、使用する遊技用価値の大きさ(例えば、1度数、0.5度数、0.25度数等)に従って、所定数量(例えば、25球等)の遊技球を貸し出すための制御を行うことになる。
【0202】
次いで、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS315)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に、残度数が減算された残高表示を行わせる(ステップS104)。
【0203】
一方、システムコントローラ700においては、CPU704は、売上情報を受信した場合には(ステップS716)、カードユニット300AのユニットIDと、そのカードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残度数を、受信した売上情報に対応する度数だけ減算させるように更新を行う(ステップS717)。
【0204】
なお、本実施の形態において、上述した貸出処理を複数回実行するときは、貸出処理から再度実行することになる。
【0205】
また、図12(a)に示すように、カードユニット300Aにおいて、遊技者によって貨幣が投入された場合には(ステップS321)、CPU310は、貨幣を特定する(ステップS322)。すなわち、カードユニット300AのCPU310は、所定の貨幣を受け付け可能であり、受け付けられた貨幣の種類を特定することになる。
【0206】
次いで、CPU310は、カード情報を更新する要求をシステムコントローラ700に対して行う(ステップS323)。この処理において、CPU310は、ユニットIDと、カードIDと、特定された貨幣に対応する情報とともに、カード情報の更新をシステムコントローラ700に要求する。
【0207】
一方、システムコントローラ700において、CPU704は、カード情報の更新要求を受信し(ステップS721)、その更新要求に基づいて、カードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残度数を、特定された貨幣に対応する度数だけ加算させるように更新を行う(ステップS722)。次いで、CPU704は、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに更新完了通知を行う(ステップS723)。
【0208】
CPU310は、更新完了通知を受信した場合には(ステップS324)、特定された貨幣に対応して、残度数を加算させる更新を行う(ステップS325)。この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた残高情報を読み出し、投入された貨幣に対応する数だけ残度数を加算し、その加算した残度数を残高情報としてRAM312の所定領域に記憶する。
【0209】
具体的な一例として、残度数が"0"である場合において、5千円が投入されたときには、CPU310は、5千円に対応する"50"を、既存の残度数"0"に加算し、加算結果の"50"を記憶することになる。すなわち、カードユニット300AのCPU310は、投入され、特定された貨幣の種類に対応する遊技用価値の大きさ分だけ、RAM312に記憶されている残高情報を加算することになる。
【0210】
次いで、CPU310は、残高表示信号をパチンコ遊技機10Aに出力し(ステップS326)、パチンコ遊技機10Aにおける残度数表示LED22に、残度数が加算された残高表示を行わせる(ステップS105)。
【0211】
また、図12(b)に示すように、パチンコ遊技機10Aにおいて、返却スイッチ28の返却操作、すなわち、排出(抜き取り)が行われた場合には(ステップS106)、返却操作信号がカードユニット300Aに出力され(ステップS107)、カードユニット300Aが返却操作信号を受信した場合には(ステップS331)、カード情報更新要求をシステムコントローラ700に対して行う(ステップS332)。この処理において、CPU310は、カードユニット300Aを示すユニットID、受け付けられているプリペイドカードを示すカードID、その残度数を含めたカード情報更新要求をシステムコントローラ700に対して行うこととなる。ここで、レスキューペイモードが設定されている場合、CPU310は、所定の遊技の遊技実行回数の計数結果をプリペイドカードに書き込むとともに、その計数結果(第1の計数結果情報に相当する)をシステムコントローラ700に対して送信する。
【0212】
一方、システムコントローラ700において、CPU704は、カード情報の更新要求を受信し(ステップS726)、その更新要求に基づいて、カードユニット300Aに受け付けられているカードIDに対応する残度数を、排出されるプリペイドカードにおける残度数となるように更新を行う(ステップS727)。なお、CPU704は、カード情報の更新要求が所定時間内に行われなかった場合、すなわち、レスキューペイモード設定中のプリペイドカードの離脱に基づく所定の遊技の遊技実行回数の計数結果の送信が所定時間内に行われなかった場合に、所定の遊技実行の規定回数(例えば、600回)の変更(削減)に寄与するポイントを当該カードIDに付与する。付与されたポイントはポイントテーブル(図7(D)参照)に集計され、所定のポイント数に到達すると規定回数が削減されることになる。
【0213】
そして、CPU704は、ユニットIDに対応するカードユニット300Aに更新完了通知を行う(ステップS728)。また、このとき、CPU704は、プリペイドカードデータテーブル(図7(A)参照)に記憶されているユニットIDを抹消して、プリペイドカードがいずれのカードユニットにも受け付けられていないものとして処理することになる。
【0214】
そして、CPU310は、更新完了通知を受信した場合には(ステップS333)、プリペイドカードを排出させる(ステップS334)。また、CPU310は、詳しく後述するが、プリペイドカードが排出され、受付中ではないと判別される場合には、各種のカウンタや、貸出モードを初期化することとなる。
【0215】
[保険実行処理]
カードユニット300Aにおいて、所定の周期で実行される保険実行処理について図13〜図17を用いて以下に説明する。
【0216】
まず、図13のフローチャートに基づいてカード発行機400側で行われる保険実行処理を説明する。
【0217】
最初に、カード発行機400において、図13に示すように、入金が行われたか否かを判断する(ステップS201)。この処理において、CPU404は、紙幣識別装置420または硬貨投入検知センサ422からの信号に基づいて入金が行われたか否かを判断することになる。CPU404は、入金が行われたと判別した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0218】
一方、CPU404は、入金が行われていないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。ステップS202において、CPU404は、レスキューペイボタン414aが"オン"であるか否かを判断する。これは、所定の計数開始条件の成立が選択されたか否か(レスキューペイモードの設定が選択されたか否か)を判断することに相当する。
【0219】
この処理において、CPU404は、操作部414から所定の操作信号が送信されたか否かに基づいてレスキューペイボタン414aが"オン"であるか否かを判断することになる。
【0220】
CPU404は、レスキューペイボタン414aが"オン"であると判別した場合には、ステップS203に処理を移す。一方、CPU404は、レスキューペイボタン414aが"オン"ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0221】
ステップS203において、CPU404は、入金額が手数料以上であるか否かを判断する。この処理において、CPU404は、メモリ406の所定領域に位置付けられた入金額を示すデータを読み出し、入金額が手数料(例えば、10度数等)以上であるか否かを判断することになる。
【0222】
CPU404は、入金額が手数料以上であると判別した場合には、手数料徴収処理を行い(ステップS204)、メモリ406の所定領域に位置付けられた入金額を示すデータから手数料分の度数を減算して更新する。
【0223】
この場合において、CPU404は、システムコントローラ700に対して、プリペイドカードのカードID(遊技者情報に相当する発行カードID)と条件成立情報とを対応付けた関連情報と、発行金額情報とを送信する(ステップS205)。
【0224】
一方、入金額が手数料以上ではないと判別した場合、CPU404は、表示部412にエラーメッセージ(例えば、入金額が手数料以上ではない旨)を表示させる(ステップS208)。
【0225】
次いで、CPU404は、カード発行部418のカードライタによってプリペイドカードに前記の関連情報と発行金額情報とを書き込ませ、図示しないカード発行口から発行させる(ステップS206、S207)。
【0226】
なお、表示部412においては、レスキューペイモードに設定されていない場合には、CPU404は、図9(A)、(B)に示す画像を表示部412に一定の時間間隔で繰り返し表示する。
【0227】
次に、図14、図15のフローチャートに基づいてカードユニット300A側で行われる保険実行処理を説明する。
【0228】
最初に、カードユニット300Aにおいて、図14に示すように、カード受付中であるか否かを判断する(ステップS211)。この処理において、CPU310は、カードR/W313からの信号に基づいてカード受付中であるか否かを判断することになる。CPU310は、カード受付中であると判別した場合には、ステップS212に処理を移す。
【0229】
一方、CPU310は、カード受付中ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。ステップS212において、CPU310は、返却スイッチ28が"オン"であるか否かを判断する。CPU310は、返却スイッチ28が"オン"であると判別した場合には、ステップ218に処理を移し、返却スイッチ28が"オン"ではないと判別した場合には、ステップ213に処理を移す。
【0230】
ステップ213において、CPU310は、ユニットIDと、カードIDと、条件成立情報とをシステムコントローラ700へ送信する。なお、カードIDと条件成立情報とは、カードR/W313によって受付中のプリペイドカードから読み取られた関連情報に含まれている。
【0231】
次いで、CPU310は、規定回数設定命令(規定回数設定指令信号)を受信したか否かを判断する(ステップS214)。CPU310は、規定回数設定命令を受信したと判別した場合には、ステップS215に処理を移し、規定回数設定命令を受信しなかったと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ここで、規定回数設定命令は、システムコントローラ700のCPU704が、遊技機特性テーブルの参照によって前記のユニットIDに対応する遊技機特性に基づいて決定した規定回数を示すものである。なお、プリペイドカードがカードユニット間を移動した場合には、移動前後のユニットIDに基づいて双方に併設されたパチンコ遊技機の遊技機特性情報を遊技機特性テーブルから検索し、双方の遊技機特性に基づいて規定回数を決定する。さらに、この規定回数は、ポイントテーブルのポイント集計値が所定値に到達したことに基づいてCPU704により変更(削減)される。ここで、ポイントの付与は、システムコントローラ700において、カードユニット300Aから所定時間内に当該カードIDに対する所定の遊技の遊技実行回数の更新通知(後述のステップS219に相当する)がなかった場合に行われる。
【0232】
ステップS215において、CPU310は、受信した規定回数設定命令に基づいてRAM312の所定領域に規定回数を設定(更新)する。
【0233】
次いで、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグを"オン"とし、RAM312の所定領域に位置付けられた遊技実行回数カウンタおよび使用度数カウンタをクリアし、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットして(ステップS216)、図15のステップS222に処理を移す。
一方、ステップS217において、CPU310は、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断する。
【0234】
この処理において、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグから値を読み出し、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断することになる。
【0235】
CPU310は、レスキューペイモードフラグが"オン"であると判別した場合には、ステップS218に処理を移す。一方、CPU310は、レスキューペイモードフラグが"オン"ではないと判別した場合には、ステップS220に処理を移す。
【0236】
ステップS218において、CPU310は、レスキューペイモードで計数した所定の遊技の遊技実行回数の計数値(遊技実行回数カウンタ)を、排出するプリペイドカードにカードR/W313によって書き込ませる。
【0237】
次いで、CPU310は、リセット信号、ユニットIDと、遊技実行回数の計数値と、カードIDとをシステムコントローラ700へ送信する(ステップS219)。
【0238】
一方、ステップS220において、CPU310は、リセット信号、ユニットIDと、カードIDとをシステムコントローラ700へ送信する。
【0239】
次いで、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグを"オフ"とし、遊技実行回数カウンタ、使用度数カウンタをクリアし、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードAとしてセットして(ステップS221)、本サブルーチンを終了する。
【0240】
なお、リセット信号は、返却スイッチ28を押下したときにカードユニット300Aからシステムコントローラ700にカード情報更新要求が行われたときにシステムコントローラ700に送信される信号である。
【0241】
これによって、プリペイドカードが受け付けられていない場合や、プリペイドカードの排出操作がなされた場合においては、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードを"オフ"として、貸出モードを貸出モードAにセットすることになる。
【0242】
図15のステップS222において、CPU310は、パチンコ遊技機10Aから図柄確定信号を受信したか否かを判別する。
【0243】
この処理において、CPU310は、図7(B)に示す管理データテーブルに記憶された遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報に基づいて、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0244】
この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングで"オン"となるため、CPU310は、遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報のアドレスに図柄確定信号が記憶されたタイミングで遊技実行情報図柄の可変表示が終了したか否かを判定することになる。カードユニット300Aは、遊技機接続用I/O318によってパチンコ遊技機10Aから図柄確定信号を受信するようになっており、遊技機接続用I/O318が指令信号受信手段を構成している。
【0245】
CPU310は、図柄確定信号が"オン"であると判別した場合には、管理データテーブルに位置付けられた遊技実行回数カウンタを"1"増加させ(ステップS223)、ステップS224に処理を移す。
【0246】
すなわち、このような処理を実行するCPU310は、ユニットIDとパチンコ遊技機10Aから受信した遊技実行情報である図柄確定信号とをRAM312に記憶し、この図柄確定信号に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数することになり、遊技実行回数計数手段を構成している。
【0247】
一方、CPU310は、図柄確定信号が"オン"ではないものと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0248】
次いで、CPU310は、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断する(ステップS224)。この処理において、CPU310は、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aから入力される大当り発生信号に基づいて、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0249】
この大当り発生信号は、パチンコ遊技機10Aにおいて、大当り遊技状態が開始されたタイミングで"オン"となるため、CPU310は、遊技機IDに関連付けられた大当り発生信号の有無に基づいて大当り遊技状態となったか否かを判定することになる。
【0250】
CPU310は、大当り発生信号が"オン"であると判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグを"オフ"にするとともに、遊技実行回数カウンタをクリアして(ステップS233)、本サブルーチンを終了する。
【0251】
一方、CPU310は、大当り発生信号が"オン"ではないと判別した場合には、遊技実行回数カウンタの値が"600"であるか否かを判断する(ステップS226)。この処理において、CPU704は、RAM312に位置付けられた遊技実行回数カウンタから値を読み出し、遊技実行回数カウンタの値が"600"であるか否かを判断することになる。
【0252】
なお、この遊技実行回数カウンタは、上述したようにレスキューペイモードが開始されたとき、大当り遊技状態となったとき、プリペイドカードの排出操作、精算操作が行われたときにリセットされ、図柄確定信号が"オン"となったとき、すなわち、図柄の変動表示が終了した場合にカウントされるため、この処理において、CPU310は、"600回"の図柄の変動表示が終了したか否かを判断することにもなる。
【0253】
すなわち、このような処理を実行するCPU310は、プリペイドカードが受け付けられ、レスキューペイモードが設定されている、すなわち、レスキューペイボタン414aが押下されたこと等を含む所定の計数開始条件が成立してから、特定遊技状態(大当り遊技状態)となったと検出されることなく、計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数(例えば、600回等)実行されたことを検出することになる。なお、本実施の形態において、このような処理を実行するCPU310は、遊技実行回数検出手段を構成している。
【0254】
CPU704は、遊技実行回数カウンタの値が600であると判断した場合には、ステップS227に処理を移す。一方、CPU704は、遊技実行回数カウンタの値が600でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0255】
ステップS227において、CPU310は、残高加算処理済みであるか否かを判断する。この処理において、CPU310は、レスキューペイモードとなってから、後述するステップS229における残高加算処理が実行されたか否かによって、残高加算処理済みであるか否かを判断することになる。
【0256】
CPU310は、残高加算処理済みであると判別した場合には、ステップS228からステップS230の処理を実行することなく、ステップS231に処理を移す。一方、CPU310は、残高加算処理済みではないと判別した場合には、加算する残度数を算出する加算残高算出処理を実行し(ステップS228)、その算出された残度数を加算させる残高加算処理を実行する(ステップS229)。なお、加算残高算出処理で算出された残度数の情報はカード情報更新要求としてシステムコントローラ700へ送信され、この情報に基づいてプリペイドカードデータテーブルの残度数が更新されることになる。
【0257】
この処理において、CPU310は、詳しく後述するが、RAM312の所定領域に位置付けられた使用度数カウンタから値を読み出し、その値に基づいて、レスキューペイモードに設定されてから使用した残度数(例えば、200度数)の"1/4"を算出し、その算出した残度数(例えば、50度数)だけ、プリペイドカードにおける残度数に加算させることになる。ここでは、CPU310は、実際に"4円/1球"で球貸しをしていたが、"3円/1球"で球貸しをしていたことに仮定した場合における残度数の差分を算出することになる。
【0258】
具体的には、CPU310は、レスキューペイモードに設定されてから使用した残度数(例えば、200度数)を読み出し、その使用した残度数に"3/4"を掛けることによって、"3円/1球"で球貸しをしていたことに仮定した場合における残度数(例えば、150度数)を算出する。そして、CPU310は、実際に使用した残度数から、割引したものと仮定した場合における残度数を引き、その結果が加算残度数(例えば、50度数)となる。
【0259】
すなわち、CPU310は、所定の遊技が規定回数(例えば、600回等)実行されたと検出されたときに、特定された遊技用価値の大きさ(残度数)に基づいて、所定の計数開始条件が成立してから(レスキューペイボタン331が押下されることにより、レスキューペイモードに設定されてから)実際に貸し出された貸出遊技球の数量(使用した残度数に対応する遊技球数)を特定し、遊技球の貸出単価が第1の大きさ(例えば、"4円/1球"等)よりも小さい第2の大きさ(例えば、"3円/1球")で特定された貸出遊技球の数量分の遊技球が貸し出されたものとした場合において使用される遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残度数の"3/4"等)を特定する。
【0260】
CPU310は、実際の特定された遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残度数等)と、上述したように割引されたと仮定した場合に特定された遊技用価値の大きさ(例えば、実際に使用した残度数の"3/4"等)との差を特定し、その特定された差に相当する残高情報(例えば、実際に使用した残度数の"1/4"等)を、加算する加算残高情報(所定量の残高情報)として決定し、実際の残高情報に加算することになる。
【0261】
本実施の形態のCPU310は、所定の計数開始条件が成立してから、パチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、大当りが検出されることなく、所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、パチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、大当りが検出されることなく、所定の遊技が規定回数実行されたことを検出したときに、RAM312に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段とを構成している。
【0262】
次いで、ステップS229の処理が終了すると、CPU310は、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードBとしてセットする(ステップS230)。これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードBとして設定することになり、貸出処理において、"2円/1球"で遊技球の貸し出しを行わせる制御を行うことになる。
【0263】
すなわち、CPU310は、遊技実行回数カウンタが600となる以前においては、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技球の貸出単価として第1の大きさ(例えば、"4円/1球"等)を選択し、所定の遊技が規定回数実行されたと検出された後には、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、遊技球の貸出単価として、第1の大きさよりも小さい第2の大きさ(例えば、"2円/1球")を選択する。
【0264】
換言すると、CPU310は、遊技実行回数カウンタが600となった以降には、遊技者による貸出操作を受け付ける毎に、所定数量の遊技球を貸し出すために使用する遊技用価値として、第1の大きさよりも小さい第2の大きさを選択することになる。
【0265】
次いで、ステップS231において、CPU310は、遊技実行回数カウンタが900となったか否かを判断する。
【0266】
CPU310は、遊技実行回数カウンタが900となったものと判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを示すデータを貸出モードCとしてセットし(ステップS232)、本サブルーチンを終了する。
【0267】
これによって、CPU310は、貸出モードを貸出モードCとして設定することになり、貸出処理において、"1円/1球"で遊技球の貸し出しを行わせる制御を行うことになる。一方、CPU310は、遊技実行回数カウンタが900となっていないものと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0268】
次に、カードユニット300Aにおいて、所定の周期で実行される信号入力処理について図16を用いて以下に説明する。
【0269】
最初に、カードユニット300Aにおいて、図16に示すように、CPU310は、球貸処理を実行したか否かを判断する(ステップS235)。この処理において、CPU310は、パチンコ遊技機10Aからの信号に基づいて、球貸処理を実行したか否かを判断することになる。
【0270】
CPU310は、球貸処理を実行したと判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられた貸出モードを読み出し、貸出モードが貸出モードAであるか否かを判断する(ステップS236)。
【0271】
CPU310は、貸出モードAであると判別した場合には、RAM312の所定領域に位置付けられた使用度数カウンタを、上述した球貸し処理にて使用した残度数に相当する分だけ加算し(ステップS237)、本サブルーチンを終了する。このようにCPU310は、所定の計数開始条件が成立(レスキューペイモードが設定)してからの遊技球を貸し出すために使用された遊技用価値の大きさを特定することになる。
【0272】
次に、図17のフローチャートに基づいてシステムコントローラ700側で行われる保険実行処理を説明する。
【0273】
図17において、まず、CPU704は、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断する(ステップS241)。この処理において、CPU704は、メモリ706の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードフラグから値を読み出し、レスキューペイモードフラグが"オン"であるか否かを判断することになる。
【0274】
CPU704は、レスキューペイモードフラグが"オン"であるものと判断した場合には、ステップS242に処理を移し、レスキューペイモードフラグが"オン"でないものと判断した場合には、ステップS254に処理を移す。
【0275】
ステップS254では、CPU704は、所定の計数開始条件が成立したか否かを判別する。この処理において、CPU704は、カードユニット300Aからプリペイドカードの受付時に出力された関連情報に含まれる条件成立情報に基づいて所定の計数開始条件の成否を判別し、所定の計数開始条件が成立したものと判断した場合には、メモリ706の所定領域に位置付けられたレスキューモードフラグを"オン"にするとともに、記憶部710の管理データテーブル(図7(B)参照)に位置付けられた遊技実行回数カウンタをクリアする(ステップS255)。
【0276】
すなわち、システムコントローラ700は、通信制御部716がカードユニット300Aから出力される関連情報に含まれる条件成立情報(成立)を受信すると、CPU704がレスキューペイモードフラグを"オン"にして所定の計数開始条件を成立させるようになっている。本実施の形態では、通信制御部716が計数開始選択指令信号受信手段を構成している。
【0277】
また、CPU704は、ステップS241でレスキューペイモードフラグが"オン"でないものと判断した場合には、遊技実行回数が入力されたか否かを判別する(ステップS242)。
【0278】
この処理において、CPU704は、カードユニット300Aからプリペイドカードの排出時に出力される遊技実行回数を受信したか否かに基づいて遊技実行回数が入力されたか否かを判断することになる。
【0279】
CPU704は、遊技実行回数が入力されたと判別した場合には、管理データテーブルに位置付けられた遊技実行回数カウンタおよび更新情報を更新し(ステップS243)、ステップS244に処理を移す。
【0280】
すなわち、このような処理を実行するCPU704は、カードID(発行カードID)とカードユニット300Aから受信した遊技実行回数の計数結果と受信日時とに基づいて、当該カードIDに対応する遊技実行回数カウンタおよび更新情報を更新することになり、計数結果更新手段を構成している。また、管理データテーブルを記憶する記憶部710は計数結果記憶手段を構成している。なお、当該カードIDに対応する遊技実行回数カウンタを更新することにより、パチンコ遊技機10Aを移動してもレスキューペイモードにおける遊技実行回数の計数結果は引き継がれることになる。
【0281】
ステップS244において、CPU704は、カードユニット300Aから排出されたプリペイドカードを受け付けた他のカードユニットに対して規定回数設定命令(規定回数設定指令信号)を通信制御部716から送信させる。ここで、レスキューペイモードの規定回数(例えば、600回)は、後述のようにポイントテーブル(図7(D)参照)における当該カードIDに対応するポイント集計値が所定値を超えた場合に更新(削減)される。このような処理を行うCPU704は、管理データテーブルの遊技実行回数カウンタが所定時間内に更新されなかったことに基づいて当該カードIDにポイントを付与するポイント付与手段と、当該カードIDに付与されたポイントを集計するポイント集計手段とを構成している。
【0282】
次いで、CPU704は、図柄確定信号が"オン"であるか否かを判別する(ステップS245)。
【0283】
この処理において、CPU704は、図7(B)に示す管理データテーブルに記憶された遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報に基づいて、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aからの図柄確定信号に基づいて、図柄確定信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0284】
この図柄確定信号は、パチンコ遊技機10において、図柄が導出表示され、確定されたタイミングで"オン"となるため、CPU704は、遊技機IDに関連付けられた遊技実行情報のアドレスに図柄確定信号が記憶されたタイミングで遊技実行情報図柄の可変表示が終了したか否かを判定することになる。
【0285】
CPU704は、図柄確定信号が"オン"であると判別した場合には、管理データテーブルに位置付けられた遊技実行回数カウンタを"1"増加させ(ステップS246)、ステップS247に処理を移す。
【0286】
すなわち、このような処理を実行するCPU704は、ユニットIDとパチンコ遊技機10Aから受信した遊技実行情報である図柄確定信号とを管理データテーブルに記憶し、この管理データテーブルに記憶された図柄確定信号に基づいて、パチンコ遊技機10Aにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数することになる。
【0287】
一方、CPU704は、図柄確定信号が"オン"ではないものと判別した場合には、ステップS246の処理を実行することなく、ステップS247に処理を移す。
【0288】
ステップS247において、CPU704は、カードユニット300Aからリセット信号が入力したか否かを判別する。すなわち、カード更新情報要求時にカードユニット300Aからリセット信号が入力したか否かを判別する。
【0289】
CPU704は、カードユニット300Aからリセット信号を受信したものと判断した場合には、ステップS249に処理を移す。一方、カードユニット300Aからリセット信号を受信していないものと判断した場合には、ステップS248に処理を移す。
【0290】
ステップS248において、CPU704は、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断する。この処理において、CPU704は、図7(B)に示す管理データテーブルの遊技機IDに関連付けられた遊技状態情報を参照し、カードユニット300Aに併設されたパチンコ遊技機10Aから入力される大当り発生信号に基づいて、大当り発生信号が"オン"であるか否かを判断することになる。
【0291】
この大当り発生信号は、パチンコ遊技機10Aにおいて、大当り遊技状態が開始されたタイミングで"オン"となるため、CPU704は、遊技機IDに関連付けられた大当り発生信号の有無に基づいて大当り遊技状態となったか否かを判定することになる。
【0292】
CPU704は、大当り発生信号が"オン"であると判別した場合には、ステップS249に処理を移す。一方、大当り発生信号が"オン"ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0293】
ステップS249において、CPU704は、メモリ706の所定領域に位置付けられたレスキューペイモードを"オフ"にするとともに、遊技実行回数カウンタをクリアして、本サブルーチンを終了する。
【0294】
一方、CPU704は、ステップS242において遊技実行回数が入力されなかったと判別した場合には、ステップS250に処理を移す。
【0295】
ステップS250において、CPU704は、所定時間が経過したか否かを判断する。この処理において、CPU704は、プリペイドカードの排出時にカードユニット300Aから出力される遊技実行回数の情報の受信日時に基づいて、例えば、遊技実行回数カウンタを更新したときの受信日時と現在時間とを比較することにより(あるいは、受信日時からの経過時間を計測することにより)、所定時間が経過したか否かを判断する。
【0296】
CPU704は、所定時間が経過していないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了し、所定時間が経過したものと判断した場合には、ポイントテーブル(図7(D)参照)の当該カードIDにポイントを例えば"1"加算する(ステップS251)。
【0297】
次いで、CPU704は、ポイントテーブルの当該カードIDのポイント集計値が所定値を超えたか否かを判別する(ステップS252)。
【0298】
CPU704は、当該カードIDのポイント集計値が所定値を超えたと判断した場合には、レスキューペイモードの規定回数を削減する(ステップS253)。一方、CPU704は、当該カードIDのポイント集計値が所定値を超えていないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0299】
このように本実施の形態では、カードユニット300A、300B、300Cが、パチンコ遊技機10A、10B、10Cから受信された遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて大当り遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、所定の計数開始条件が成立してから、大当り遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、残高情報に所定量の残高情報を加算し、システムコントローラ700が、カードユニット300A、300B、300Cによって加算された残高情報に基づいてプリペイドカードデータテーブルの残度数を更新するので、大当り遊技状態となることなく、所定の遊技を規定回数実行されたときには、所定量の残高情報が加算される。
【0300】
このため、所定の遊技が規定回数実行されるまでに遊技者が消費した遊技球に応じた残高情報を加算することができるので、釘の良し悪しや遊技者の技量等の差に関わらず、遊技球の消費における損失を補填することができる。したがって、遊技球の消費量に関わらず遊技者に還元される利益に隔たりが生じるのを防止することができ、遊技者に不公平感を与えないようにすることができる。
【0301】
また、カードユニット300A、300B、300Cが、パチンコ遊技機10A、10B、10Cを制御する主制御回路60にアクセスすることなく所定量の残高情報を加算することができるため、パチンコ遊技機10A、10B、10Cの主制御回路60によって制御される既存の大当り確率の制御や演出等の遊技状態の制御に影響を与えるのを防止することができ、パチンコ遊技機10A、10B、10Cの設計に負担をかけるのを防止することができる。
【0302】
また、本実施の形態では、所定の計数開始条件を成立させるか否かをカード発行機400のレスキューペイボタン414aによって選択するようにしたため、所定の計数開始条件を成立させた状態で遊技を行うことおよび計数開始条件を成立させない状態で遊技を行うこと、すなわち、レスキューペイモードの設定および非設定を選択することができ、多様な遊技を行うことができる。
【0303】
また、プリペイドカードの発行時に所定の計数開始条件を成立させるか否かを遊技者の選択操作に基づいて選択し、選択した情報をプリペイドカードに書き込んで遊技者に発行するので、遊技者はパチンコ遊技機10A、10B、10Cおよびカードユニット300A、300B、300Cを移る度に所定の計数開始条件の選択操作をやり直す必要がなくなり、遊技者の選択操作の手間を省くことができるとともに、所定の計数開始条件の設定処理を簡素化することができる。
【0304】
また、本実施の形態では、大当り遊技状態となることなく、規定回数に到達したときには、多くの遊技球を消費することになり、この場合において、それ以前における第1の大きさよりも小さい第2の大きさを遊技球の貸出単価として遊技球を貸し出すことになるため、それ以降の遊技球の貸出単価を小さくすることで、その遊技球の消費における損失を減少させることができ、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、健全な遊技を行わせることができる。
【0305】
また、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて、貸し出す遊技球の数量を変更させる等の設計変更を必要とせず、単に、カード発行機400において1度のカード発行操作にて使用する遊技用価値の大きさを条件により変更することによって遊技球の貸出単価を変化させることが実現可能であり、既存のパチンコ遊技機においても容易に適用させることができる。さらに、パチンコ遊技機10A、10B、10Cやカードユニット300A、300B、300Cに計数開始条件選択手段(例えば、入力部の設定ボタン)を設ける必要がなくなるので、機器の構成を簡素化してコストを抑制することができる。
【0306】
また、カードユニット300A、300B、300Cで規定回数到達を検出したことに基づいて遊技球の貸出単価が決定されることになるため、大当り遊技状態に移行することなく実行された所定の遊技の実行回数(所謂、「ハマリの深さ」)によって、遊技球の貸出単価が変化することになり、より一層、遊技者に対する不利益の度合いを小さくし、より健全な遊技を行わせることができる。
【0307】
また、本実施の形態では、複数のパチンコ遊技機10A、10B、10Cにそれぞれ併設された複数のカードユニット300A、300B、300C間で所定の遊技の遊技実行回数の計数値が引き継がれた場合、その計数値を引き継いだカードユニットは、受け付けたプリペイドカードから読み取った関連情報およびユニットIDをシステムコントローラ700に送信し、システムコントローラ700は、引き継ぎ前後のユニットIDに併設されたパチンコ遊技機に対応する遊技機特性を遊技機特性テーブルから検索し、双方の遊技特性の相違に基づいて規定回数を決定し、その計数値を引き継いだカードユニットに対して規定回数の設定命令を送信するので、例えば、ペイアウト率の低いパチンコ遊技機からペイアウト率の高いパチンコ遊技機に移った場合、後のパチンコ遊技機において規定回数を増加させることにより、還元利益の公平性を保つことができる。
【0308】
また、本実施の形態では、カードユニット300A、300B、300Cは、プリペイドカードの排出要求時における計数結果をそのプリペイドカードに書き込むとともにシステムコントローラ700に送信し、システムコントローラ700は、受信した計数結果(遊技実行回数カウンタ)と受信日時(更新情報)とカードID(発行カードIC)とを管理データテーブルに記憶し、所定時間内にそのプリペイドカードに書き込まれた新たな計数結果を受信した場合には、新たに受信した計数結果と受信日時とで当該カードIDに対応する遊技実行回数カウンタおよび更新情報を更新するので、所定時間を適宜設定することによって日時をまたいでレスキューペイモードの遊技実行回数を引き継ぐことができる。
【0309】
このため、例えば、レスキューペイモードで遊技実行回数が規定回数に達する前に遊技時間が終了して還元利益が得られないという不都合を解消することができ、遊技者は遊技終了までの時間に関わらず、レスキューペイモードの設定を選択することができる。
【0310】
また、本実施の形態では、引き継ぎの発生回数に応じて当該カードIDを有するプリペイドカードにポイントが付与され、ポイント集計値が所定値に達した場合に規定回数が削減されるので、過度の投資に対する救済措置として機能することができる。
【0311】
[その他の実施の形態]
なお、本実施の形態においては、カードユニット300Aとシステムコントローラ700の双方に遊技実行回数計数手段を有する構成を示したが、これに限らず、システムコントローラ700のみに遊技実行回数計数手段を有するようにしてもよい。例えば、システムコントローラ700のCPU704が遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段を構成してもよい。この場合、システムコントローラ700が、カードユニット300A、300B、300Cから受信された遊技状態情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて大当り遊技状態になったことを検出し、受信された遊技実行情報に基づいて、パチンコ遊技機10A、10B、10Cにおいて所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数し、所定の計数開始条件が成立してから、大当り遊技状態となったことが検出されることなく、遊技実行回数が計数された結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたときに、このパチンコ遊技機10A、10B、10Cに併設されたユニットIDに対応するカードユニット300A、300B、300Cに指令信号を送信し、カードユニット300A、300B、300Cがこの指令信号に基づいて残高情報に所定量の残高情報を加算するようにしてもよい。
【0312】
この構成によれば、レスキューペイモードの残高加算についてもシステムコントローラ700が一元的に管理することになり、システムの信頼性が向上する。
【0313】
また、本実施の形態においては、25球の遊技球の貸出毎に、貸出モードに対応する残度数を減算させたが、これに限らず、例えば、残度数自体を変更することなく、貸し出しする遊技球の数を変化させるようにしてもよい。
【0314】
例えば、遊技球の貸出操作が行われる毎に、1度数だけ減算するとともに、"4円/1球"の場合には25球の遊技球を貸し出し、"2円/1球"の場合には50球の遊技球を貸し出し、"1円/1球"の場合には100球の遊技球を貸し出すようにしてもよい。
【0315】
また、本実施の形態においては、遊技球の貸出単価を、"4円/1球"、"2円/1球"、"1円/1球"の3段階で変化させたが、これに限らず、例えば、2段階、4段階以上であってもよい。また、大当りとなることなく、600回、900回を規定回数として所定の遊技が実行された場合に、遊技球の貸出単価を変化させたが、これに限らず、例えば、1つの規定回数だけであってもよく、さらには、3つ以上の規定回数だけであってもよい。
【0316】
また、例えば、プリペイドカードではなく、会員カードの使用を条件として、レスキューペイモードを実行するようにしてもよく、顧客獲得にもつながり、遊技場の売上にも寄与できる。
【0317】
さらには、本実施の形態においては、レスキューペイモードを開始する場合に、保険料を徴収したが、これに限らず、例えば、保険料を徴収しないようにしてもよい。また、レスキューペイボタン331の操作に応じて、レスキューペイモードを開始するようにしたが、これに限らず、例えば、レスキューペイボタン331の操作に関わらず、各種のカード等で遊技者を特定した場合に、レスキューペイモードを開始するようにしてもよい。また、この場合においては、保険料を徴収してもしなくてもよい。
【0318】
さらには、本実施の形態においては、レスキューペイモードが開始されてから規定回数の遊技が実行された場合に、レスキューペイモードが開始されてからそれまでに貸し出された遊技球に対応する残度数を計数し、その残度数に基づいて算出された加算残度数を決定するようにしたが、これに限らず、例えば、貸し出された遊技球に対応する残度数の範囲で加算残度数を決定するようにしてもよい。
【0319】
例えば、200〜250度数を消費した場合には50度数を、250〜300度数を消費した場合には62.5度数を、それぞれ加算残度数として決定してもよい。また、例えば、貸し出された遊技球に対応する残度数を計数せず、一定の加算残度数を加算するようにしてもよい。
【0320】
また、加算残度数の目安について具体的な一例を挙げると、10度数あたり所定の遊技が30回行われるとすると、所定の遊技が600回実行には、200度数が消費されることになる。そして、実際には"4円/1球"であり、1000円で250球の遊技球が貸し出されたが、"3円/1球"に割引すると750円で250球の遊技球が貸し出されることになる。そして、上述したように、200度数を消費した場合には、"3円/1球"に割引すると150度数となり、その差分である50度数がチャージバックされることになる。このように、実際に消費された残度数に基づくことなく、一定の加算残度数を決定してもよい。
【0321】
さらには、本実施の形態においては、所定の遊技が規定回数(例えば、600回)に到達する直前(例えば、598回等)に大当りとなった場合には、遊技者に特別有利な制御を行わないが、これに限らず、例えば、遊技者に有利な制御を行ってもよい。例えば、595〜599回に到達している場合に、所定数量の残度数をチャージバックしてもよい。
【0322】
さらには、本実施の形態においては、プリペイドカードに対応する残度数に、加算残度数を加算することによって、大ハマリに対する補填を行ったが、これに限らず、例えば、現金を返却したり、遊技球の払出を行ったり、他の方法で大ハマリに対する補填を行ってもよい。
【0323】
さらには、本実施の形態においては、レスキューペイモードを開始してから、大当りとなることなく所定の遊技を規定回数行った場合に、それ以降、遊技球の貸出単価を小さく変更したが、これに限らず、例えば、遊技球の貸出単価を変更しなくてもよい。
【0324】
さらには、本実施の形態においては、カード発行機400、システムコントローラ700、売上管理コンピュータ800等を備えるシステム構成であったが、これに限らず、カード発行機400と売上管理コンピュータ800の機能を一体としても、分散しても問題ない。また、例えば、遊技情報を閲覧する機能や、遊技者を特定する機能、会員情報に関する制御を行う機能を備えてもよい。
【0325】
また、例えば、カード発行機400、売上管理コンピュータ800等の少なくともいずれかを備えないシステム構成であってもよい。
【0326】
さらには、本実施の形態においては、受け付けられた貨幣の種類に対応する遊技用価値の大きさ分だけ残高情報を加算したが、これに限らず、例えば、貨幣を受付不可能としてもよい。この場合においては、遊技者の入れ替えと同一遊技者による離席とをそれぞれ特定可能に検知できる構成とすることが好ましく、同一遊技者である場合には、カウンタ等を継続させ、異なる遊技者である場合には、カウンタ等の初期化を行うことになる。
【0327】
なお、本実施の形態においては、遊技場に設置する遊技機としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、これに限らず、例えば、スロット遊技機(パチスロ遊技機を含む)等、少なくとも遊技の結果を決定する機能を有する遊技機であればよい。上述したようなパチンコ遊技機において大当り遊技状態に移行することが特定遊技状態となることであったが、スロット遊技機においては、変動表示された図柄が所定のボーナス図柄として停止表示され、その後に、メダル(遊技媒体)の払出が行われる所定の図柄が停止表示され易いBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)となる。このBBやRBが特定遊技状態の一例に相当する。また、図柄が変動表示されてから停止表示されるまでが所定の遊技の一例に相当する。
【0328】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0329】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊技システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るカードユニットの外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機およびカードユニットを示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るカード発行機を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るシステムコントローラを示すブロック図である。
【図7】(A)は本発明の一実施の形態に係るシステムコントローラにおけるプリペイドカードデータテーブルを示す説明図、(B)はシステムコントローラにおける管理データテーブルを示す説明図、(C)はシステムコントローラにおける遊技機特性テーブルを示す説明図、(D)はシステムコントローラにおけるポイントテーブルを示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るカードユニットにおける制御内容を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るカード発行機における表示画面を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態に係る遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態に係る遊技システムにおいて実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態に係るカード発行機において実行される保険実行処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態に係るカードユニットにおいて実行される保険実行処理を示すフローチャートである。
【図15】図14に後続する制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施の形態に係るカードユニットにおいて実行される信号入力処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態に係るシステムコントローラにおいて実行される保険実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0330】
1 遊技システム
10A、10B、10C パチンコ遊技機(遊技機)
133 CPU(遊技実行情報送信手段、遊技状態情報送信手段)
139 外部出力端子板(遊技実行情報送信手段、遊技状態情報送信手段)
300A、300B、300C カードユニット
308 カード挿入口(受付手段)
310 CPU(貸出制御手段、残高情報加算手段、遊技実行回数計数手段、計数開始条件成立手段、遊技実行回数検出手段、規定回数設定手段、排出要求手段)
312 RAM(残高情報記憶手段)
313 カードR/W(計数結果書込手段、読取手段)
314 紙幣識別装置(有価価値受付手段)
315 硬貨投入検知センサ(有価価値受付手段)
318 遊技機接続用I/O(カードユニットID情報送信手段、遊技実行情報受信手段、遊技状態情報受信手段、計数結果送信手段)
321 表示装置
402 制御部(遊技用価値設定手段)
404 CPU(遊技用価値設定手段)
406 メモリ(遊技用価値設定手段)
414 操作部(選択手段)
416 通信制御部(関連情報送信手段)
418 カード発行部(書込手段、記録媒体発行手段)
700 システムコントローラ(管理装置)
702 制御部(遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段、規定回数決定手段、計数結果更新手段、ポイント付与手段、ポイント集計手段)
704 CPU(遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段、規定回数決定手段、計数結果更新手段、ポイント付与手段、ポイント集計手段)
706 メモリ(遊技実行回数計数手段、遊技実行回数検出手段、規定回数決定手段、計数結果更新手段、ポイント付与手段、ポイント集計手段)
710 記憶部(情報蓄積手段、計数結果記憶手段)
716 通信制御部(管理受信手段、設定命令送信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用される遊技用価値を特定可能な遊技用価値情報および所定の遊技者情報が記録された記録媒体を発行するカード発行機と、併設された遊技機に遊技媒体の貸し出しを行う複数のカードユニットと、によって構築される遊技システムであって、
前記カード発行機は、
所定の有価価値を受け付ける有価価値受付手段と、
遊技者の操作に基づいて前記有価価値受付手段が受け付けた所定の有価価値の範囲内で前記記録媒体に書き込む遊技用価値情報を設定する遊技用価値設定手段と、
所定の計数開始条件を成立させるか否かを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記所定の計数開始条件を成立させることが選択された場合、前記所定の計数開始条件が成立したことを示す条件成立情報および前記遊技用価値設定手段によって設定された遊技用価値情報を前記記録媒体に書き込む書込手段と、
前記書込手段によって書き込みが行われた前記記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
を備え、
前記カードユニットは、
併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段と、
併設された遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段と、
前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段と、
前記記録媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段と、
前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段と、
前記読取手段によって前記記録媒体から前記条件成立情報が読み取られたことを条件として前記所定の計数開始条件を成立させる計数開始条件成立手段と、
前記計数開始条件成立手段によって前記所定の計数開始条件が成立されてから、前記遊技状態情報受信手段によって特定遊技状態となったことが検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された計数結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、
前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段と、
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記カード発行機および前記複数のカードユニットを一元的に管理する管理装置を備え、
前記カード発行機は、
前記書込手段によって前記条件成立情報が前記記録媒体に書き込まれたことに基づいて、前記条件成立情報と前記所定の遊技者情報とを関連付けた関連情報を前記管理装置に送信する関連情報送信手段を備え、
前記カードユニットは、
前記読取手段によって前記記録媒体から前記関連情報が読み取られた場合に、前記関連情報および各々のカードユニットを特定するカードユニットID情報を前記管理装置に送信するカードユニットID情報送信手段と、
前記規定回数を設定する規定回数設定手段と、
を備え、
前記管理装置は、
前記複数のカードユニットおよび併設された遊技機から送信された情報を受信する管理受信手段と、
前記カードユニットID情報と前記遊技機の特性を示す遊技機特性情報とを対応付けて蓄積する情報蓄積手段と、
前記管理受信手段によって受信された前記関連情報および前記カードユニットID情報に基づいて前記規定回数を決定する規定回数決定手段と、
前記規定回数決定手段によって決定された前記規定回数に基づいて前記規定回数設定手段に前記規定回数の設定命令を送信する設定命令送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記カードユニットは、
遊技者の排出要求操作に基づいて前記受付手段に前記記録媒体の排出要求を行う排出要求手段と、
前記排出要求手段によって排出要求が行われたときの前記計数結果を前記受付手段に受け付けられた前記記録媒体に書き込む計数結果書込手段と、
前記排出要求手段によって排出要求が行われた場合に、前記記録媒体に書き込まれた排出要求時の前記計数結果を第1の計数結果情報として前記管理装置に送信する計数結果送信手段と、
を備え、
前記管理装置は、
前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記第1の計数結果情報に受信日時情報および遊技者情報を付与したものを第2の計数結果情報として記憶する計数結果記憶手段と、
前記計数結果記憶手段に前記第2の計数結果情報が記憶された後、所定時間内に前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記所定時間内に受信した前記第1の計数結果情報に受信日時情報および遊技者情報を付与したものに基づいて前記計数結果記憶手段に記憶された前記第2の計数結果情報を更新する計数結果更新手段と、
前記所定時間内に前記計数結果更新手段による更新が行われなかったことに基づいて前記第2の計数結果情報に対するポイント値を付与するポイント付与手段と、
前記ポイント付与手段によって付与されたポイント値を集計するポイント集計手段と、
を備え、
前記規定回数決定手段は、前記ポイント集計手段によって集計されたポイント値が特定値に達したことに基づいて前記規定回数を削減することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技システム。
【請求項1】
遊技に使用される遊技用価値を特定可能な遊技用価値情報および所定の遊技者情報が記録された記録媒体を発行するカード発行機と、併設された遊技機に遊技媒体の貸し出しを行う複数のカードユニットと、によって構築される遊技システムであって、
前記カード発行機は、
所定の有価価値を受け付ける有価価値受付手段と、
遊技者の操作に基づいて前記有価価値受付手段が受け付けた所定の有価価値の範囲内で前記記録媒体に書き込む遊技用価値情報を設定する遊技用価値設定手段と、
所定の計数開始条件を成立させるか否かを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記所定の計数開始条件を成立させることが選択された場合、前記所定の計数開始条件が成立したことを示す条件成立情報および前記遊技用価値設定手段によって設定された遊技用価値情報を前記記録媒体に書き込む書込手段と、
前記書込手段によって書き込みが行われた前記記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
を備え、
前記カードユニットは、
併設された遊技機から出力され、所定の遊技が実行されたことが特定可能な遊技実行情報を受信する遊技実行情報受信手段と、
併設された遊技機から出力され、遊技者に有利な特定遊技状態であることを特定可能な遊技状態情報を受信する遊技状態情報受信手段と、
前記遊技実行情報受信手段によって受信された遊技実行情報に基づいて、前記遊技機において所定の遊技が実行された遊技実行回数を計数する遊技実行回数計数手段と、
前記記録媒体を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた記録媒体から情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさである残高情報を記憶する残高情報記憶手段と、
前記読取手段によって読み取られた情報から特定される遊技用価値の大きさの範囲内において、遊技に使用するための遊技媒体を貸し出すための制御を行う貸出制御手段と、
前記読取手段によって前記記録媒体から前記条件成立情報が読み取られたことを条件として前記所定の計数開始条件を成立させる計数開始条件成立手段と、
前記計数開始条件成立手段によって前記所定の計数開始条件が成立されてから、前記遊技状態情報受信手段によって特定遊技状態となったことが検出されることなく、前記遊技実行回数計数手段によって計数された計数結果に基づいて所定の遊技が規定回数実行されたことを検出する遊技実行回数検出手段と、
前記遊技実行回数検出手段によって所定の遊技が規定回数実行されたと検出されたときに、前記残高情報記憶手段に記憶された残高情報に所定量の残高情報を加算する残高情報加算手段と、
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記カード発行機および前記複数のカードユニットを一元的に管理する管理装置を備え、
前記カード発行機は、
前記書込手段によって前記条件成立情報が前記記録媒体に書き込まれたことに基づいて、前記条件成立情報と前記所定の遊技者情報とを関連付けた関連情報を前記管理装置に送信する関連情報送信手段を備え、
前記カードユニットは、
前記読取手段によって前記記録媒体から前記関連情報が読み取られた場合に、前記関連情報および各々のカードユニットを特定するカードユニットID情報を前記管理装置に送信するカードユニットID情報送信手段と、
前記規定回数を設定する規定回数設定手段と、
を備え、
前記管理装置は、
前記複数のカードユニットおよび併設された遊技機から送信された情報を受信する管理受信手段と、
前記カードユニットID情報と前記遊技機の特性を示す遊技機特性情報とを対応付けて蓄積する情報蓄積手段と、
前記管理受信手段によって受信された前記関連情報および前記カードユニットID情報に基づいて前記規定回数を決定する規定回数決定手段と、
前記規定回数決定手段によって決定された前記規定回数に基づいて前記規定回数設定手段に前記規定回数の設定命令を送信する設定命令送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記カードユニットは、
遊技者の排出要求操作に基づいて前記受付手段に前記記録媒体の排出要求を行う排出要求手段と、
前記排出要求手段によって排出要求が行われたときの前記計数結果を前記受付手段に受け付けられた前記記録媒体に書き込む計数結果書込手段と、
前記排出要求手段によって排出要求が行われた場合に、前記記録媒体に書き込まれた排出要求時の前記計数結果を第1の計数結果情報として前記管理装置に送信する計数結果送信手段と、
を備え、
前記管理装置は、
前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記第1の計数結果情報に受信日時情報および遊技者情報を付与したものを第2の計数結果情報として記憶する計数結果記憶手段と、
前記計数結果記憶手段に前記第2の計数結果情報が記憶された後、所定時間内に前記第1の計数結果情報を受信した場合に、前記所定時間内に受信した前記第1の計数結果情報に受信日時情報および遊技者情報を付与したものに基づいて前記計数結果記憶手段に記憶された前記第2の計数結果情報を更新する計数結果更新手段と、
前記所定時間内に前記計数結果更新手段による更新が行われなかったことに基づいて前記第2の計数結果情報に対するポイント値を付与するポイント付与手段と、
前記ポイント付与手段によって付与されたポイント値を集計するポイント集計手段と、
を備え、
前記規定回数決定手段は、前記ポイント集計手段によって集計されたポイント値が特定値に達したことに基づいて前記規定回数を削減することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−233151(P2009−233151A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84016(P2008−84016)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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