遊技データ表示装置及び遊技機
【課題】設定値判別の補助を強化して遊技の興趣を高めることが可能な遊技データ表示装置及び遊技機を提供する。
【解決手段】表示装置は、遊技者に遊技状態を推測させて設定値を予測させつつ、設定値の判別要素となる遊技状態の推測結果がどの程度合っていたかを示す一致度情報を遊技者に示す。これにより、遊技者に満足感を与えることができる。
【解決手段】表示装置は、遊技者に遊技状態を推測させて設定値を予測させつつ、設定値の判別要素となる遊技状態の推測結果がどの程度合っていたかを示す一致度情報を遊技者に示す。これにより、遊技者に満足感を与えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の設定値を推測するための目安となる遊技データを表示する遊技データ表示装置及び遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AT(アシストタイム)を発生可能なスロットマシンの遊技データとして、ATの発生回数を計数して表示することが周知である(例えば特許文献1参照)。このようなスロットマシンでは、設定値毎にATの発生確率が異なっているのが一般的であるため、併せて累計ゲーム数を表示することで設定値推測の目安となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−301194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ATの当選確率(初当たり確率)や発生確率は設定値だけでなく、高確状態であるか低確状態であるかによっても異なる機種がほとんどであり、従来の表示方法では設定値の推測が非常に困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、設定値判別の補助を強化して遊技の興趣を高めることが可能な遊技データ表示装置及び遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技データ表示装置は、図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、大当たりの当選確率を規定する複数の設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記設定値記憶手段が記憶する複数の設定値の中から1の設定値を決定する設定値決定手段と、前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて抽選処理を実行する抽選処理手段と、前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて異なる確率で遊技者にとって有利な特定状態を発生するか否かの抽選を行い、当選した場合に前記特定状態を発生する特定状態発生手段と、前記抽選処理の結果が前記特定抽選結果である場合に、前記特定状態が当選するか否かの抽選で当選する確率が高い状態である高確状態を発生する高確状態発生手段と、前記高確状態である可能性を遊技者に示唆する演出を実行することが可能な演出手段と、を有する遊技機に対応して設けられた遊技データ表示装置であって、
遊技者の操作に応じて前記高確状態を含む複数の遊技状態のうち何れか1の遊技状態を現在の遊技状態であると仮定する仮定手段と、前記抽選処理の結果に基づいて、前記仮定手段が仮定している遊技状態である仮定遊技状態毎の遊技データを仮定遊技データとして算出する仮定遊技データ算出手段と、前記抽選処理の結果に基づいて、実際の遊技状態である実遊技状態毎の遊技データを実遊技データとして算出する実遊技データ算出手段と、前記仮定遊技データ算出手段が算出した前記仮定遊技データと前記実データ算出手段が算出した前記実遊技データとの一致する度合いを示す情報である一致度情報を表示する表示手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1記載の遊技データ表示装置において、
前記特定状態は、通常状態よりも出玉率が高い状態及び/又は通常状態よりも大当たりの当選確率が高い状態であっても良い(請求項2)。
請求項1又は2記載の遊技データ表示装置において、
前記仮定遊技データ及び前記実遊技データは、遊技状態毎のゲーム回数の累計であっても良い(請求項3)。
請求項1ないし3の何れかに記載の遊技データ表示装置において、
前記表示手段は、当日のゲーム回数又は特定の遊技者による遊技のゲーム回数が所定ゲーム回数以上となったことを条件として前記一致度情報を表示するようにしても良い(請求項4)。
【0007】
本発明の遊技機は、請求項1ないし4の何れかに記載の遊技データ表示装置を備えたものである(請求項5)。
本発明の遊技機は、請求項4記載の遊技データ表示装置と、前記一致率に応じて前記特定状態を発生するか否かの抽選を実行する特定状態抽選手段と、を備え、
前記特定状態抽選手段は、前記一致率が高いほど前記特定状態の当選確率又は前記特定状態が当選した場合における当該特定状態の継続頻度が高くなるように抽選を実行するものである(請求項6)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、遊技者に遊技状態を推測させて設定値を予測させつつ、設定値の判別要素となる遊技状態の推測結果がどの程度合っていたかを示す一致度情報を遊技者に示すので、遊技者に満足感を与えることができる。また、一致度情報を示すことでより一致率を高めようとする向上心が高まり、稼動を高く維持することが可能となる。
請求項3の発明によれば、累計ゲーム数を実遊技データと一致させるのは非常に困難であるため、遊技者の競争心を煽ることができる。
請求項4の発明によれば、所定ゲーム回数以上とならなければ一致度情報が表示されないので、稼動を高く維持することができる。
請求項6の発明によれば、一致率が高いほど遊技者にとって有利な特定状態の抽選が実行される可能性が高くなるので、一致率を高めることにより熱が入り、遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態における表示装置の構成を示す機能ブロック図
【図2】遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示す図
【図3】スロットマシンの正面外観を概略的に示す図
【図4】リールの図柄を示す図
【図5】内部当選役と入賞図柄との関係を示す図
【図6】スロットマシンの電気的な構成を示す機能ブロック図
【図7】スロットマシンの遊技状態の遷移を示す図
【図8】スロットマシンの内部当選テーブルを示す図
【図9】非ボーナス状態での小役内部当選時のART抽選テーブルを示す図
【図10】BB状態における1枚役内部当選時のART抽選テーブルを示す図
【図11】演出抽選テーブルを示す図
【図12】ART信号受信時の表示画面を示す図
【図13】非ボーナス状態における表示画面の変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図2は遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数台のスロットマシン1(遊技機に相当)が設置されており、各スロットマシン2に対応して貸出装置2及び表示装置3(遊技データ表示装置に相当)が設置されている。これらスロットマシン1、貸出装置2及び表示装置3は中継装置4に接続されている。また、管理装置5は、LAN6により中継装置4にネットワーク接続されている。尚、図示しないが、遊技場内にはパチンコ機や計数装置なども設置されている。遊技者は貸出装置2からメダル(遊技媒体に相当)を借受けてスロットマシン1で遊技を行うようになっている。
【0011】
図3は、スロットマシン1の正面外観を概略的に示している。スロットマシン1の正面には表示窓7(図柄表示領域に相当)が設けられており、遊技者は表示窓7を通じて内部に設けられたリール8(図柄変動表示手段に相当)の図柄を視認可能となっている。
図4はリールの図柄を示している。図柄は、左リール8a、中リール8b及び右リール8cの各円周面に描かれており、それら各リール8a〜8cの停止状態では表示窓7の上段、中段及び下段に対応して図柄が表示される。表示窓7には図3に破線で示すように合計5本の入賞ラインが施されており、入賞図柄が何れかの入賞ラインのうちメダルの投入により有効となった有効ライン上に揃ったときに対応する入賞が発生するようになっている。
【0012】
表示窓7の上方には、ボーナス状態中のメダルの払出し進捗状態などの種々の情報を表示する液晶表示部9、各種のランプからなるランプ部10、各種の効果音などを出力するスピーカ11が設けられている。表示窓7の下方には、クレジットメダルを投入するMAXBETボタン12、クレジットメダルの精算を行うクレジット精算ボタン13、メダルを投入するメダル投入口14が設けられており、これらの下方にはゲーム開始操作手段としてのスタートレバー15、停止操作手段としての左ストップボタン16、中ストップボタン17及び右ストップボタン18が設けられている。表示窓7の右方位置には、払出メダルの枚数を表示する払出数表示部19、クレジットメダルの枚数を表示するクレジット表示部20が設けられている。又、スロットマシン1の正面最下部にはメダルが払出されるメダル払出口21、このメダル払出口21から払出されたメダルを受ける受皿22が設けられている。
【0013】
スロットマシン1は、一連のゲーム開始操作、つまり、遊技者がメダルをメダル投入口14に投入した状態、又はクレジットメダルをMAXBETボタン12の操作により投入した状態でスタートレバー15を操作すると、内部抽選を行うと共に各リール8a〜8cを始動させる(回転動作を開始させる)。スロットマシン1は、各リール8a〜8cを始動させた後では、各ストップボタン16〜18の操作に応じて各リール8a〜8cを停止して1ゲームを終了する。内部抽選の結果が当選であった場合には、内部抽選により当選した内部当選役に対応した内部当選フラグ(ボーナス役フラグ、小役フラグ及びリプレイ役フラグを「1」に設定し(成立させ)、その内部当選フラグに基づいて所謂すべり制御(引込制御)を含む停止制御(各リール8a〜8cを内部当選フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止させる制御)を行い、その入賞図柄に応じた枚数のメダルをメダル払出口21から払出す。引込制御は、各ストップボタン16〜18の操作を検出した時点から最大で4図柄までの図柄を入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。
【0014】
図5は内部当選役と入賞図柄との関係を示している。入賞図柄としては、BB役図柄、RB役図柄、6枚役図柄、5枚役A〜F図柄,2枚役図柄、1枚役図柄、通常リプレイ役図柄、昇格リプレイ役図柄、転落リプレイ役A〜C図柄が設定されている。BB状態は300枚を超えるメダルの払出により終了し、RB状態は4回の入賞により終了する。また、BB状態、RB状態中の投入枚数は2枚である。
【0015】
図6は、上記したスロットマシン1の電気的な構成を機能ブロック図として示している。スロットマシン1の制御部23(設定値記憶手段、設定値決定手段、抽選処理手段、特定状態発生手段、高確状態発生手段、演出手段、仮定手段、仮定遊技データ算出手段、実遊技データ算出手段に相当)は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、スロットマシン1の主要動作を実行する。
【0016】
制御部23は、スタートレバー15、左ストップボタン16、中ストップボタン17、右ストップボタン18、MAXBETボタン12及びクレジット精算ボタン13から各操作信号を入力し、メダル投入口14に投入されたメダルの真贋及び通過を判定する投入メダル検知部25から投入メダル検知信号を入力し、設定値操作部26から設定信号を入力する。又、制御部23は、上記した各リール8a〜8cに対応する各リール用モータ27a〜27cを駆動させるリール駆動部28、各リール8a〜8cに設けられた基準位置片の通過を検知する各センサ29a〜29cからの検知信号に基づいて基準位置を検知する基準位置検知部30、メダル払出口21からメダルを払出させるメダル払出部31、各種表示部19,20を接続している。
【0017】
制御部23は、各入力信号及びROMに記憶した制御プログラムに基づいて、リール駆動部28、メダル払出部31、各種表示部19,20、液晶表示部9、音声出力部(スピーカ)11及びランプ部10の動作を制御すると共に、アウト信号(1メダルの投入毎又は1クレジットメダルのベット毎に1パルス出力)、セーフ信号(1メダルの払出毎又は1クレジットメダルの払出毎に1パルス出力)、ゲーム信号(1ゲーム開始毎に1パルス出力)、及びRB信号(RB状態中にレベル信号出力)、及び状態信号(高確状態中にハイレベル信号、低確状態中にローレベル信号)の生成を制御する。
【0018】
図7はスロットマシン1の遊技状態の遷移を示している。スロットマシン1の遊技状態は非ボーナス状態のRT0状態、RT1状態、RT2状態と、ボーナス役が入賞して発生するボーナス状態(BB状態、RB状態)がある。RT0状態、RT1状態において非AT状態(通常状態、潜伏状態)、AT状態があり、RT2状態において非AT状態、AT(ART)状態(特定状態に相当)がある。
【0019】
電源投入時はRT0状態の通常状態である。RT0状態で1枚役を取りこぼすと、RT1状態を発生し、RT1状態で転落リプレイ役が入賞すると、RT0状態を発生し、昇格リプレイ役が入賞すると、RT2状態となる。このとき、ART信号を出力する。RT2状態で50ゲーム経過すると、RT1状態を発生する。
【0020】
図8はスロットマシン1の内部当選テーブルを示している。RT0状態では、1枚役、2枚役、6枚役、通常リプレイ役(図では「通常リプ」)が単独で内部当選するのに加えて、5枚役Aと5枚役B〜Fの何れか1つとが同時当選する。5枚役Aと5枚役B〜Fの何れか1つとが同時当選した場合は、その組み合わせと押し順に応じてベル図柄が中リール8bの上段か中段に停止するように制御され、上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)には5枚、中段に停止した場合(有効ライン3本で入賞)には15枚のメダルが払い出される。尚、5枚役Aの単独当選時は押し順に関わらずベル図柄が中リール8bの中段に停止する。
【0021】
以下の押し順の場合にベル図柄が中リール8bの中段で停止し、その他の場合に上段で停止する。
5枚役A+5枚役Bが同時当選……中リール8bを最初に停止(中リール8b⇒右リール8c⇒左リール8a、又は中リール8b⇒左リール8a⇒右リール8c)
5枚役A+5枚役Cが同時当選……左リール8a⇒中リール8b⇒右リール8c
5枚役A+5枚役Dが同時当選……左リール8a⇒右リール8c⇒中リール8b
5枚役A+5枚役Eが同時当選……中リール8b⇒右リール8c⇒左リール8a
5枚役A+5枚役Fが同時当選……中リール8b⇒左リール8a⇒右リール8c
従って、AT状態では、遊技者は、AT機能により報知された押し順でリール8a〜8cを停止することにより、メダルの獲得枚数を高めることができる。
【0022】
RT1状態では、RT0状態と同様に、AT機能によりメダルの減少を抑制しつつボーナスの抽選が行われる一方、リプレイ役は単独では当選せず、通常リプレイ役と2つの転落リプレイ役(図では「転落リプ」)、又は昇格リプレイ役(図では「昇格リプ」)と2つの転落リプレイ役が同時当選する。この場合、通常リプレイ役が2つの転落リプレイ役と同時当選する乱数値は5461×3=16383個であることから、その当選確率は、16383/65536≒1/4となる。同様に昇格リプレイ役が2つの転落リプレイ役と同時当選する確率は約1/30である。
【0023】
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)と2つの転落リプレイ役が同時当選した場合は、以下の条件が成立した場合に通常リプレイ役図柄(又は昇格リプレイ役図柄)が停止表示し、その他の場合に転落リプレイ役図柄が停止表示する。
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)+転落リプレイ役A+転落リプレイ役Bが同時当選……左リール8aを最初に停止
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)+転落リプレイ役B+転落リプレイ役Cが同時当選……右リール8cを最初に停止
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)+転落リプレイ役C+転落リプレイ役Aが同時当選……中リール8bを最初に停止
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)の同時当選時は、以上のような押し順で通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)が入賞し、通常リプレイ役が入賞した場合はメダルを投入することなくゲームを実行可能となり、昇格リプレイ役が入賞した場合はRT2状態を発生する。以上のような押し順と異なる押し順で転落リプレイ役が入賞し、その場合はRT0状態が発生する。
従って、遊技者は、AT機能により報知された押し順により通常リプレイ役を確実に入賞させたり、昇格リプレイ役を確実に入賞させてRT2状態を発生させたりすることができる。
【0024】
RT2状態では、RT1状態と小役確率が同一であるが、通常リプレイ役の当選確率が約3倍に設定されている。また、RT0状態と同様に、ARTに当選していることを条件としてリールの押し順を報知するAT機能を実行する。
従って、遊技者は、RT機能によりメダルを減らすことがない一方、AT機能によりメダルの獲得枚数を高めることができる。
【0025】
制御部23は、以下の条件の成立に応じてARTが当選しにくい低確状態から当選しやすい高確状態へ移行したり、高確状態から低確状態へ移行したりする。
(1)低確状態から高確状態への移行
BB状態終了後……70%
RB状態終了後……50%
2枚役入賞時 …… 3%
6枚役入賞時 ……20%
これらのBB、RB、2枚役入賞、6枚役の内部当選が特定抽選結果に相当する。
(2)高確状態から低確状態への移行
毎ゲーム ……0.2%
リプレイ役入賞時……12%
【0026】
制御部23は、次の条件が成立した場合にARTに当選したとしてAT権利にART当選権利数を加算する。
(1)低確状態及び高確状態における非ボーナス状態での小役内部当選時のART抽選テーブルを示す図9に示すように、2枚役、6枚役が内部当選するのに応じて実行されるART抽選に当選すること。この場合、設定値に応じてART当選権利数毎の当選数が異なって設定されていることから、設定値毎にART当選確率及びART発生確率が異なって設定されていることになる。尚、図9では、設定値1と6の場合を示したが、実際には設定値2〜5も同様に設定されている。
(2)BB状態における1枚役内部当選時のART抽選テーブルを示す図10に示すように、BB状態中において1枚役が内部当選するのに応じて実行されるART抽選に当選すること。
(3)ART中にRB役、BB役が内部当選すること。この場合はART抽選に当選していないが、AT権利に1加算する。
(4)AT機能の補助なく自力で昇格リプレイ役に入賞すること。
【0027】
制御部23は、ゲーム毎に低確状態か高確状態かに応じた確率で演出を抽選し、当選した演出をランプ部10、液晶表示部9、音声出力部(スピーカ)11を制御することにより実行する。
図11は、低確状態及び高確状態における演出抽選テーブルを示している。演出A,Bは低確状態の可能性が高く、演出Cは高確状態の可能性が高く、演出Dは必ず高確状態である。従って、遊技者は、演出A〜Dが行われる確率で低確状態か高確状態かを推測することができる。
【0028】
さて、図9に示すようにARTの当選確率は内部当選役が2枚役及び6枚役かの違い、及びスロットマシン1の設定値に応じて異なり、累計ゲーム数に対する2枚役及び6枚役の入賞回数及びART回数に基づいて設定値を推測することが可能となることから、スロットマシン1に対応して表示装置3が設けられている。
図1は、表示装置3の構成を示す機能ブロック図である。表示装置3の制御部32は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、中継装置4を介して管理装置5から遊技情報を受信する。制御部32は、タッチパネル33に対する操作を検知し、それに応じてデータ表示部34(表示手段に相当)に表示している遊技データを切り替える。
【0029】
表示装置3は、次の機能を備えている。
(1)遊技者の選択操作に応じて遊技者が仮定した遊技状態(以下「仮定遊技状態」という)を高確状態と低確状態とで切り替える。
(2)ゲーム信号、払出信号(2枚、6枚)の受信に応じて、累計スタート回数、2枚役の入賞回数、6枚役の入賞回数を仮定遊技状態毎に計数して、その状態毎に表示する。
(3)累計ゲーム数が7000ゲームとなった時点で一致度情報を表示可能とする。
(4)仮定遊技状態における初当たりARTの回数を遊技者の選択操作に応じてカウントする。
【0030】
スロットマシン1では、図9に示したように抽選結果によりART当選権利数を決定し、当該当選のARTを実行する場合は、ARTを当選回数だけ連続して実行する。従って、ART当選回数を推測するには遊技者自身がARTの初当たりを判断して計数する必要があることから、表示装置3には遊技者が初当たり回数を計数するための機能が設けられている。
図12は、ART信号受信時の表示画面を示している。表示画面の左上部には現在の仮定遊技状態である「高確状態」という文字が表示され、中央には「ARTに当選しました。いずれかを選択して下さい。」というメッセージが表示され、その下方に「高確状態で初当たり」ボタン34a、「低確状態で初当たり」ボタン34b、「初当たりでない」ボタン34cが表示されている。
【0031】
遊技者は、スロットマシン1の演出及び入賞役に基づいて高確状態か低確状態かを判断し、高確状態での初当たりと判断した場合は、「高確状態で初当たり」ボタン34aを押下操作し、低確状態での初当たりと判断した場合は、「低確状態で初当たり」ボタン34bを押下操作し、初当たりでないと判断した場合は、「初当たりでない」ボタン34cを押下操作する。表示装置3は、「高確状態で初当たり」ボタン34aが押下げられた場合は、高確状態の初当たり回数に1加算し、「低確状態で初当たり」ボタン34bが押下げられた場合は、低確状態の初当たり回数に1加算し、「初当たりでない」ボタン34cが押下げられた場合は、何れの仮定遊技状態の初当たり回数にも加算しない。
従って、遊技者は、高確状態又は低確状態での初当たり回数と累計ゲーム数とを比較することにより設定値を推測することが可能となる。
尚、遊技者がボタン34a〜34cを選択せずに所定期間が経過した(例えば次回ゲームの開始)場合には、現在の仮定遊技状態で初当たりが発生したものとしてカウントするようにしても良い。またこの場合、現在の仮定遊技状態での初当たりは選択肢から除外して表示しないようにしても良い。
【0032】
図12は、ART信号受信時の表示画面を示している。表示画面の左上部には現在の仮定遊技状態である「高確状態」という文字が表示され、中央には「ARTに当選しました。いずれかを選択して下さい。」というメッセージが表示され、その下方に「高確状態で初当たり」ボタン34a、「低確状態で初当たり」ボタン34b、「初当たりでない」ボタン34cが表示されている。
遊技者は、スロットマシン1の演出に基づいて高確状態か低確状態かを判断し、高確状態での初当たりと判断した場合は、「高確状態で初当たり」ボタン34aを押下操作し、低確状態での初当たりと判断した場合は、「低確状態で初当たり」ボタン34bを押下操作し、初当たりでないと判断した場合は、「初当たりでない」ボタン34cを押下操作する。表示装置3は、「高確状態で初当たり」ボタン34aが押下げられた場合は、高確状態の初当たり回数に1加算し、低確状態で「初当たり」ボタン34bが押下げられた場合は、低確状態の初当たり回数に1加算し、「初当たりでない」ボタン34cが押下げられた場合は、何れの仮定遊技状態の初当たり回数にも加算しない。
従って、遊技者は、高確状態又は低確状態での初当たり回数と累計ゲーム数とを比較することにより設定値を推測することが可能となる。
尚、遊技者がボタン34a〜34cを選択せずに所定期間が経過した(例えば次回ゲームの開始)場合には、現在の遊技状態で初当たりが発生したものとしてカウントするようにしても良い。またこの場合、現在の遊技状態での初当たりは選択肢から除外して表示しないようにしても良い。
【0033】
図13は、非ボーナス状態における表示画面の変化を示している。表示装置3は、仮定遊技状態毎において入力する遊技信号に基づいて累計ゲーム数(図では「累計スタート」)、小役の入賞回数をカウントして表示すると共に、遊技者によるARTの初当たり回数をカウントして表示する。尚、遊技者の参考のために仮定遊技状態における2枚役と6枚役の設定値1,6の当選確率としてメーカー発表値を表示している。低確状態表示画面には、低確状態であることを示す「低確状態」の文字が表示されていると共に「低確累計スタート」の文字及びその回数が表示され、更に「高」ボタン34d、「修正」ボタン34eが表示されている。高確状態表示画面には、「低確状態」に代えて「高確状態」の文字が表示され、「低確累計スタート」に代えて「高確累計スタート」の文字が表示され、「高」ボタン34dに代えて「低」ボタン34fが表示されている。低確状態表示画面で「高」ボタン34dが押下げられた場合は高確状態表示画面を表示し、高確状態表示画面で「低」ボタン34fが押下げられた場合は低確状態表示画面を表示する。「修正」ボタン34eが表示された場合は、表示している回数を任意に修正することができる。
尚、遊技者個人の遊技データのみを算出できるようにリセットボタンを表示するようにしても良い。
【0034】
さて、表示装置3は、当日のゲーム回数が累計で7000ゲームに達すると「一致率表示」ボタン34gを追加表示する。遊技者が「一致率表示」ボタン34gを押下操作すると、表示している各回数を仮定データとして表示すると共に、実際に入賞したものだけを計数した実データ及び一致度情報を仮定データに比較可能に表示する。一致度情報は、仮定データ及び実データのうち、(小さい方の値)÷(大きい方の値)を計算して求める。このとき、「一致率表示」ボタン34gに代えて「戻る」ボタン34hを表示する。遊技者が「戻る」ボタン34hを押下操作すると、元の遊技状態表示画面を表示する。
尚、個人データを表示可能な場合には、個人データにおける累計ゲーム数が所定ゲーム回数となったことを条件として当該個人データ分の一致率表示をするようにしても良い。また、一致率表示をするための条件としては累計ゲーム数に限らず、例えば、特定役(2枚役、5枚役、6枚役)の入賞回数、内部当選回数を基準としても良い。
【0035】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
表示装置3は、遊技者に遊技状態を推測させて設定値を予測させつつ、設定値の判別要素となる遊技状態の推測結果がどの程度合っていたかを示す一致度情報を遊技者に示すので、遊技者に満足感を与えることができる。また、一致度情報を示すことでより一致率を高めようとする向上心が高まり、稼動を高く維持することが可能となる。
累計ゲーム数を実遊技データと一致させるのは非常に困難であるため、遊技者の競争心を煽ることができる。
7000ゲーム回数以上とならなければ一致度情報が表示されないので、稼動を高く維持することができる。
【0036】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
本実施形態では、最終的な累計値のみから一致率を求めているが、ゲーム毎に一致しているか否かを判断してその一致率を求めても良い。
一致度情報は正確な数値による表示でなく、曖昧に表示しても良い。例えば、「高・中・低」の文字、図柄などで表示しても良い。
一致度情報は、仮定データと実データとの差であっても良い。
一致率の表示を省いて、単に仮定データと実データを並べて表示するようにしても良い。
一致度に応じて特典(AT抽選など)を付与するようにしても良い。
【0037】
一致度情報を表示した後に仮定データを修正した場合に、修正後の仮定データに基づいて一致度情報を表示するようにしても良い。また、所定回数以内の修正で一致率が所定値以上となった場合に特典(AT抽選など)を付与するようにしても良い。
特定状態はARTでなく、AT、RT、確変状態等であっても良い。また、特定状態はボーナスゲーム(大当たり)であっても良い(この場合、大当たり後に発生する確変状態が高確状態に相当)。
ゲーム回数の特定は、リールの回転中に出力されるリール信号や、アウト信号に基づいて行っても良い。
【0038】
本発明では、AT抽選役である2枚役と6枚役の当選確率が設定値1と6で同じとし、2枚役と6枚役当選時におけるAT当選確率を異ならせている。これに代えて、AT抽選役の当選確率を設定値毎に異ならせてAT抽選役当選時におけるAT当選確率を異なるようにしても良い。また、AT抽選役の当選確率及びAT抽選役当選時におけるAT当選確率の両方を設定値毎に異なるようにしても良い。
AT抽選は、特定小役の内部当選時に限らず、例えばハズレ時やゲーム毎にAT抽選をするようにしても良い。
表示装置を遊技機に設け、遊技機の表示装置に遊技データを表示するようにしても良い。
【0039】
遊技機はパチンコ遊技機でも良い。この場合、一致率に応じてARTを発生するか否かの抽選を実行する特定状態抽選手段を備え、特定状態抽選手段は、一致率が高いほどARTの当選確率又はARTが当選した場合における当該ARTの継続頻度が高くなるように抽選を実行するようにしても良い。このような構成によれば、一致率が高いほど遊技者にとって有利な特定状態の抽選が実行される可能性が高くなるので、一致率を高めることにより熱が入り、遊技の興趣を高めることができる。
【符号の説明】
【0040】
図面中、1はスロットマシン、2は貸出装置、3は表示装置(遊技データ表示装置)、4は中継装置、5は管理装置、7は表示窓(図柄表示領域)、8はリール(図柄変動表示手段)、23は制御部(設定値記憶手段、設定値決定手段、抽選処理手段、特定状態発生手段、高確状態発生手段、演出手段、仮定手段、仮定遊技データ算出手段、実遊技データ算出手段)、34はデータ表示部(表示手段)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の設定値を推測するための目安となる遊技データを表示する遊技データ表示装置及び遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AT(アシストタイム)を発生可能なスロットマシンの遊技データとして、ATの発生回数を計数して表示することが周知である(例えば特許文献1参照)。このようなスロットマシンでは、設定値毎にATの発生確率が異なっているのが一般的であるため、併せて累計ゲーム数を表示することで設定値推測の目安となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−301194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ATの当選確率(初当たり確率)や発生確率は設定値だけでなく、高確状態であるか低確状態であるかによっても異なる機種がほとんどであり、従来の表示方法では設定値の推測が非常に困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、設定値判別の補助を強化して遊技の興趣を高めることが可能な遊技データ表示装置及び遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技データ表示装置は、図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、大当たりの当選確率を規定する複数の設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記設定値記憶手段が記憶する複数の設定値の中から1の設定値を決定する設定値決定手段と、前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて抽選処理を実行する抽選処理手段と、前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて異なる確率で遊技者にとって有利な特定状態を発生するか否かの抽選を行い、当選した場合に前記特定状態を発生する特定状態発生手段と、前記抽選処理の結果が前記特定抽選結果である場合に、前記特定状態が当選するか否かの抽選で当選する確率が高い状態である高確状態を発生する高確状態発生手段と、前記高確状態である可能性を遊技者に示唆する演出を実行することが可能な演出手段と、を有する遊技機に対応して設けられた遊技データ表示装置であって、
遊技者の操作に応じて前記高確状態を含む複数の遊技状態のうち何れか1の遊技状態を現在の遊技状態であると仮定する仮定手段と、前記抽選処理の結果に基づいて、前記仮定手段が仮定している遊技状態である仮定遊技状態毎の遊技データを仮定遊技データとして算出する仮定遊技データ算出手段と、前記抽選処理の結果に基づいて、実際の遊技状態である実遊技状態毎の遊技データを実遊技データとして算出する実遊技データ算出手段と、前記仮定遊技データ算出手段が算出した前記仮定遊技データと前記実データ算出手段が算出した前記実遊技データとの一致する度合いを示す情報である一致度情報を表示する表示手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0006】
請求項1記載の遊技データ表示装置において、
前記特定状態は、通常状態よりも出玉率が高い状態及び/又は通常状態よりも大当たりの当選確率が高い状態であっても良い(請求項2)。
請求項1又は2記載の遊技データ表示装置において、
前記仮定遊技データ及び前記実遊技データは、遊技状態毎のゲーム回数の累計であっても良い(請求項3)。
請求項1ないし3の何れかに記載の遊技データ表示装置において、
前記表示手段は、当日のゲーム回数又は特定の遊技者による遊技のゲーム回数が所定ゲーム回数以上となったことを条件として前記一致度情報を表示するようにしても良い(請求項4)。
【0007】
本発明の遊技機は、請求項1ないし4の何れかに記載の遊技データ表示装置を備えたものである(請求項5)。
本発明の遊技機は、請求項4記載の遊技データ表示装置と、前記一致率に応じて前記特定状態を発生するか否かの抽選を実行する特定状態抽選手段と、を備え、
前記特定状態抽選手段は、前記一致率が高いほど前記特定状態の当選確率又は前記特定状態が当選した場合における当該特定状態の継続頻度が高くなるように抽選を実行するものである(請求項6)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、遊技者に遊技状態を推測させて設定値を予測させつつ、設定値の判別要素となる遊技状態の推測結果がどの程度合っていたかを示す一致度情報を遊技者に示すので、遊技者に満足感を与えることができる。また、一致度情報を示すことでより一致率を高めようとする向上心が高まり、稼動を高く維持することが可能となる。
請求項3の発明によれば、累計ゲーム数を実遊技データと一致させるのは非常に困難であるため、遊技者の競争心を煽ることができる。
請求項4の発明によれば、所定ゲーム回数以上とならなければ一致度情報が表示されないので、稼動を高く維持することができる。
請求項6の発明によれば、一致率が高いほど遊技者にとって有利な特定状態の抽選が実行される可能性が高くなるので、一致率を高めることにより熱が入り、遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態における表示装置の構成を示す機能ブロック図
【図2】遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示す図
【図3】スロットマシンの正面外観を概略的に示す図
【図4】リールの図柄を示す図
【図5】内部当選役と入賞図柄との関係を示す図
【図6】スロットマシンの電気的な構成を示す機能ブロック図
【図7】スロットマシンの遊技状態の遷移を示す図
【図8】スロットマシンの内部当選テーブルを示す図
【図9】非ボーナス状態での小役内部当選時のART抽選テーブルを示す図
【図10】BB状態における1枚役内部当選時のART抽選テーブルを示す図
【図11】演出抽選テーブルを示す図
【図12】ART信号受信時の表示画面を示す図
【図13】非ボーナス状態における表示画面の変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図2は遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数台のスロットマシン1(遊技機に相当)が設置されており、各スロットマシン2に対応して貸出装置2及び表示装置3(遊技データ表示装置に相当)が設置されている。これらスロットマシン1、貸出装置2及び表示装置3は中継装置4に接続されている。また、管理装置5は、LAN6により中継装置4にネットワーク接続されている。尚、図示しないが、遊技場内にはパチンコ機や計数装置なども設置されている。遊技者は貸出装置2からメダル(遊技媒体に相当)を借受けてスロットマシン1で遊技を行うようになっている。
【0011】
図3は、スロットマシン1の正面外観を概略的に示している。スロットマシン1の正面には表示窓7(図柄表示領域に相当)が設けられており、遊技者は表示窓7を通じて内部に設けられたリール8(図柄変動表示手段に相当)の図柄を視認可能となっている。
図4はリールの図柄を示している。図柄は、左リール8a、中リール8b及び右リール8cの各円周面に描かれており、それら各リール8a〜8cの停止状態では表示窓7の上段、中段及び下段に対応して図柄が表示される。表示窓7には図3に破線で示すように合計5本の入賞ラインが施されており、入賞図柄が何れかの入賞ラインのうちメダルの投入により有効となった有効ライン上に揃ったときに対応する入賞が発生するようになっている。
【0012】
表示窓7の上方には、ボーナス状態中のメダルの払出し進捗状態などの種々の情報を表示する液晶表示部9、各種のランプからなるランプ部10、各種の効果音などを出力するスピーカ11が設けられている。表示窓7の下方には、クレジットメダルを投入するMAXBETボタン12、クレジットメダルの精算を行うクレジット精算ボタン13、メダルを投入するメダル投入口14が設けられており、これらの下方にはゲーム開始操作手段としてのスタートレバー15、停止操作手段としての左ストップボタン16、中ストップボタン17及び右ストップボタン18が設けられている。表示窓7の右方位置には、払出メダルの枚数を表示する払出数表示部19、クレジットメダルの枚数を表示するクレジット表示部20が設けられている。又、スロットマシン1の正面最下部にはメダルが払出されるメダル払出口21、このメダル払出口21から払出されたメダルを受ける受皿22が設けられている。
【0013】
スロットマシン1は、一連のゲーム開始操作、つまり、遊技者がメダルをメダル投入口14に投入した状態、又はクレジットメダルをMAXBETボタン12の操作により投入した状態でスタートレバー15を操作すると、内部抽選を行うと共に各リール8a〜8cを始動させる(回転動作を開始させる)。スロットマシン1は、各リール8a〜8cを始動させた後では、各ストップボタン16〜18の操作に応じて各リール8a〜8cを停止して1ゲームを終了する。内部抽選の結果が当選であった場合には、内部抽選により当選した内部当選役に対応した内部当選フラグ(ボーナス役フラグ、小役フラグ及びリプレイ役フラグを「1」に設定し(成立させ)、その内部当選フラグに基づいて所謂すべり制御(引込制御)を含む停止制御(各リール8a〜8cを内部当選フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止させる制御)を行い、その入賞図柄に応じた枚数のメダルをメダル払出口21から払出す。引込制御は、各ストップボタン16〜18の操作を検出した時点から最大で4図柄までの図柄を入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。
【0014】
図5は内部当選役と入賞図柄との関係を示している。入賞図柄としては、BB役図柄、RB役図柄、6枚役図柄、5枚役A〜F図柄,2枚役図柄、1枚役図柄、通常リプレイ役図柄、昇格リプレイ役図柄、転落リプレイ役A〜C図柄が設定されている。BB状態は300枚を超えるメダルの払出により終了し、RB状態は4回の入賞により終了する。また、BB状態、RB状態中の投入枚数は2枚である。
【0015】
図6は、上記したスロットマシン1の電気的な構成を機能ブロック図として示している。スロットマシン1の制御部23(設定値記憶手段、設定値決定手段、抽選処理手段、特定状態発生手段、高確状態発生手段、演出手段、仮定手段、仮定遊技データ算出手段、実遊技データ算出手段に相当)は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、スロットマシン1の主要動作を実行する。
【0016】
制御部23は、スタートレバー15、左ストップボタン16、中ストップボタン17、右ストップボタン18、MAXBETボタン12及びクレジット精算ボタン13から各操作信号を入力し、メダル投入口14に投入されたメダルの真贋及び通過を判定する投入メダル検知部25から投入メダル検知信号を入力し、設定値操作部26から設定信号を入力する。又、制御部23は、上記した各リール8a〜8cに対応する各リール用モータ27a〜27cを駆動させるリール駆動部28、各リール8a〜8cに設けられた基準位置片の通過を検知する各センサ29a〜29cからの検知信号に基づいて基準位置を検知する基準位置検知部30、メダル払出口21からメダルを払出させるメダル払出部31、各種表示部19,20を接続している。
【0017】
制御部23は、各入力信号及びROMに記憶した制御プログラムに基づいて、リール駆動部28、メダル払出部31、各種表示部19,20、液晶表示部9、音声出力部(スピーカ)11及びランプ部10の動作を制御すると共に、アウト信号(1メダルの投入毎又は1クレジットメダルのベット毎に1パルス出力)、セーフ信号(1メダルの払出毎又は1クレジットメダルの払出毎に1パルス出力)、ゲーム信号(1ゲーム開始毎に1パルス出力)、及びRB信号(RB状態中にレベル信号出力)、及び状態信号(高確状態中にハイレベル信号、低確状態中にローレベル信号)の生成を制御する。
【0018】
図7はスロットマシン1の遊技状態の遷移を示している。スロットマシン1の遊技状態は非ボーナス状態のRT0状態、RT1状態、RT2状態と、ボーナス役が入賞して発生するボーナス状態(BB状態、RB状態)がある。RT0状態、RT1状態において非AT状態(通常状態、潜伏状態)、AT状態があり、RT2状態において非AT状態、AT(ART)状態(特定状態に相当)がある。
【0019】
電源投入時はRT0状態の通常状態である。RT0状態で1枚役を取りこぼすと、RT1状態を発生し、RT1状態で転落リプレイ役が入賞すると、RT0状態を発生し、昇格リプレイ役が入賞すると、RT2状態となる。このとき、ART信号を出力する。RT2状態で50ゲーム経過すると、RT1状態を発生する。
【0020】
図8はスロットマシン1の内部当選テーブルを示している。RT0状態では、1枚役、2枚役、6枚役、通常リプレイ役(図では「通常リプ」)が単独で内部当選するのに加えて、5枚役Aと5枚役B〜Fの何れか1つとが同時当選する。5枚役Aと5枚役B〜Fの何れか1つとが同時当選した場合は、その組み合わせと押し順に応じてベル図柄が中リール8bの上段か中段に停止するように制御され、上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)には5枚、中段に停止した場合(有効ライン3本で入賞)には15枚のメダルが払い出される。尚、5枚役Aの単独当選時は押し順に関わらずベル図柄が中リール8bの中段に停止する。
【0021】
以下の押し順の場合にベル図柄が中リール8bの中段で停止し、その他の場合に上段で停止する。
5枚役A+5枚役Bが同時当選……中リール8bを最初に停止(中リール8b⇒右リール8c⇒左リール8a、又は中リール8b⇒左リール8a⇒右リール8c)
5枚役A+5枚役Cが同時当選……左リール8a⇒中リール8b⇒右リール8c
5枚役A+5枚役Dが同時当選……左リール8a⇒右リール8c⇒中リール8b
5枚役A+5枚役Eが同時当選……中リール8b⇒右リール8c⇒左リール8a
5枚役A+5枚役Fが同時当選……中リール8b⇒左リール8a⇒右リール8c
従って、AT状態では、遊技者は、AT機能により報知された押し順でリール8a〜8cを停止することにより、メダルの獲得枚数を高めることができる。
【0022】
RT1状態では、RT0状態と同様に、AT機能によりメダルの減少を抑制しつつボーナスの抽選が行われる一方、リプレイ役は単独では当選せず、通常リプレイ役と2つの転落リプレイ役(図では「転落リプ」)、又は昇格リプレイ役(図では「昇格リプ」)と2つの転落リプレイ役が同時当選する。この場合、通常リプレイ役が2つの転落リプレイ役と同時当選する乱数値は5461×3=16383個であることから、その当選確率は、16383/65536≒1/4となる。同様に昇格リプレイ役が2つの転落リプレイ役と同時当選する確率は約1/30である。
【0023】
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)と2つの転落リプレイ役が同時当選した場合は、以下の条件が成立した場合に通常リプレイ役図柄(又は昇格リプレイ役図柄)が停止表示し、その他の場合に転落リプレイ役図柄が停止表示する。
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)+転落リプレイ役A+転落リプレイ役Bが同時当選……左リール8aを最初に停止
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)+転落リプレイ役B+転落リプレイ役Cが同時当選……右リール8cを最初に停止
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)+転落リプレイ役C+転落リプレイ役Aが同時当選……中リール8bを最初に停止
通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)の同時当選時は、以上のような押し順で通常リプレイ役(又は昇格リプレイ役)が入賞し、通常リプレイ役が入賞した場合はメダルを投入することなくゲームを実行可能となり、昇格リプレイ役が入賞した場合はRT2状態を発生する。以上のような押し順と異なる押し順で転落リプレイ役が入賞し、その場合はRT0状態が発生する。
従って、遊技者は、AT機能により報知された押し順により通常リプレイ役を確実に入賞させたり、昇格リプレイ役を確実に入賞させてRT2状態を発生させたりすることができる。
【0024】
RT2状態では、RT1状態と小役確率が同一であるが、通常リプレイ役の当選確率が約3倍に設定されている。また、RT0状態と同様に、ARTに当選していることを条件としてリールの押し順を報知するAT機能を実行する。
従って、遊技者は、RT機能によりメダルを減らすことがない一方、AT機能によりメダルの獲得枚数を高めることができる。
【0025】
制御部23は、以下の条件の成立に応じてARTが当選しにくい低確状態から当選しやすい高確状態へ移行したり、高確状態から低確状態へ移行したりする。
(1)低確状態から高確状態への移行
BB状態終了後……70%
RB状態終了後……50%
2枚役入賞時 …… 3%
6枚役入賞時 ……20%
これらのBB、RB、2枚役入賞、6枚役の内部当選が特定抽選結果に相当する。
(2)高確状態から低確状態への移行
毎ゲーム ……0.2%
リプレイ役入賞時……12%
【0026】
制御部23は、次の条件が成立した場合にARTに当選したとしてAT権利にART当選権利数を加算する。
(1)低確状態及び高確状態における非ボーナス状態での小役内部当選時のART抽選テーブルを示す図9に示すように、2枚役、6枚役が内部当選するのに応じて実行されるART抽選に当選すること。この場合、設定値に応じてART当選権利数毎の当選数が異なって設定されていることから、設定値毎にART当選確率及びART発生確率が異なって設定されていることになる。尚、図9では、設定値1と6の場合を示したが、実際には設定値2〜5も同様に設定されている。
(2)BB状態における1枚役内部当選時のART抽選テーブルを示す図10に示すように、BB状態中において1枚役が内部当選するのに応じて実行されるART抽選に当選すること。
(3)ART中にRB役、BB役が内部当選すること。この場合はART抽選に当選していないが、AT権利に1加算する。
(4)AT機能の補助なく自力で昇格リプレイ役に入賞すること。
【0027】
制御部23は、ゲーム毎に低確状態か高確状態かに応じた確率で演出を抽選し、当選した演出をランプ部10、液晶表示部9、音声出力部(スピーカ)11を制御することにより実行する。
図11は、低確状態及び高確状態における演出抽選テーブルを示している。演出A,Bは低確状態の可能性が高く、演出Cは高確状態の可能性が高く、演出Dは必ず高確状態である。従って、遊技者は、演出A〜Dが行われる確率で低確状態か高確状態かを推測することができる。
【0028】
さて、図9に示すようにARTの当選確率は内部当選役が2枚役及び6枚役かの違い、及びスロットマシン1の設定値に応じて異なり、累計ゲーム数に対する2枚役及び6枚役の入賞回数及びART回数に基づいて設定値を推測することが可能となることから、スロットマシン1に対応して表示装置3が設けられている。
図1は、表示装置3の構成を示す機能ブロック図である。表示装置3の制御部32は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、中継装置4を介して管理装置5から遊技情報を受信する。制御部32は、タッチパネル33に対する操作を検知し、それに応じてデータ表示部34(表示手段に相当)に表示している遊技データを切り替える。
【0029】
表示装置3は、次の機能を備えている。
(1)遊技者の選択操作に応じて遊技者が仮定した遊技状態(以下「仮定遊技状態」という)を高確状態と低確状態とで切り替える。
(2)ゲーム信号、払出信号(2枚、6枚)の受信に応じて、累計スタート回数、2枚役の入賞回数、6枚役の入賞回数を仮定遊技状態毎に計数して、その状態毎に表示する。
(3)累計ゲーム数が7000ゲームとなった時点で一致度情報を表示可能とする。
(4)仮定遊技状態における初当たりARTの回数を遊技者の選択操作に応じてカウントする。
【0030】
スロットマシン1では、図9に示したように抽選結果によりART当選権利数を決定し、当該当選のARTを実行する場合は、ARTを当選回数だけ連続して実行する。従って、ART当選回数を推測するには遊技者自身がARTの初当たりを判断して計数する必要があることから、表示装置3には遊技者が初当たり回数を計数するための機能が設けられている。
図12は、ART信号受信時の表示画面を示している。表示画面の左上部には現在の仮定遊技状態である「高確状態」という文字が表示され、中央には「ARTに当選しました。いずれかを選択して下さい。」というメッセージが表示され、その下方に「高確状態で初当たり」ボタン34a、「低確状態で初当たり」ボタン34b、「初当たりでない」ボタン34cが表示されている。
【0031】
遊技者は、スロットマシン1の演出及び入賞役に基づいて高確状態か低確状態かを判断し、高確状態での初当たりと判断した場合は、「高確状態で初当たり」ボタン34aを押下操作し、低確状態での初当たりと判断した場合は、「低確状態で初当たり」ボタン34bを押下操作し、初当たりでないと判断した場合は、「初当たりでない」ボタン34cを押下操作する。表示装置3は、「高確状態で初当たり」ボタン34aが押下げられた場合は、高確状態の初当たり回数に1加算し、「低確状態で初当たり」ボタン34bが押下げられた場合は、低確状態の初当たり回数に1加算し、「初当たりでない」ボタン34cが押下げられた場合は、何れの仮定遊技状態の初当たり回数にも加算しない。
従って、遊技者は、高確状態又は低確状態での初当たり回数と累計ゲーム数とを比較することにより設定値を推測することが可能となる。
尚、遊技者がボタン34a〜34cを選択せずに所定期間が経過した(例えば次回ゲームの開始)場合には、現在の仮定遊技状態で初当たりが発生したものとしてカウントするようにしても良い。またこの場合、現在の仮定遊技状態での初当たりは選択肢から除外して表示しないようにしても良い。
【0032】
図12は、ART信号受信時の表示画面を示している。表示画面の左上部には現在の仮定遊技状態である「高確状態」という文字が表示され、中央には「ARTに当選しました。いずれかを選択して下さい。」というメッセージが表示され、その下方に「高確状態で初当たり」ボタン34a、「低確状態で初当たり」ボタン34b、「初当たりでない」ボタン34cが表示されている。
遊技者は、スロットマシン1の演出に基づいて高確状態か低確状態かを判断し、高確状態での初当たりと判断した場合は、「高確状態で初当たり」ボタン34aを押下操作し、低確状態での初当たりと判断した場合は、「低確状態で初当たり」ボタン34bを押下操作し、初当たりでないと判断した場合は、「初当たりでない」ボタン34cを押下操作する。表示装置3は、「高確状態で初当たり」ボタン34aが押下げられた場合は、高確状態の初当たり回数に1加算し、低確状態で「初当たり」ボタン34bが押下げられた場合は、低確状態の初当たり回数に1加算し、「初当たりでない」ボタン34cが押下げられた場合は、何れの仮定遊技状態の初当たり回数にも加算しない。
従って、遊技者は、高確状態又は低確状態での初当たり回数と累計ゲーム数とを比較することにより設定値を推測することが可能となる。
尚、遊技者がボタン34a〜34cを選択せずに所定期間が経過した(例えば次回ゲームの開始)場合には、現在の遊技状態で初当たりが発生したものとしてカウントするようにしても良い。またこの場合、現在の遊技状態での初当たりは選択肢から除外して表示しないようにしても良い。
【0033】
図13は、非ボーナス状態における表示画面の変化を示している。表示装置3は、仮定遊技状態毎において入力する遊技信号に基づいて累計ゲーム数(図では「累計スタート」)、小役の入賞回数をカウントして表示すると共に、遊技者によるARTの初当たり回数をカウントして表示する。尚、遊技者の参考のために仮定遊技状態における2枚役と6枚役の設定値1,6の当選確率としてメーカー発表値を表示している。低確状態表示画面には、低確状態であることを示す「低確状態」の文字が表示されていると共に「低確累計スタート」の文字及びその回数が表示され、更に「高」ボタン34d、「修正」ボタン34eが表示されている。高確状態表示画面には、「低確状態」に代えて「高確状態」の文字が表示され、「低確累計スタート」に代えて「高確累計スタート」の文字が表示され、「高」ボタン34dに代えて「低」ボタン34fが表示されている。低確状態表示画面で「高」ボタン34dが押下げられた場合は高確状態表示画面を表示し、高確状態表示画面で「低」ボタン34fが押下げられた場合は低確状態表示画面を表示する。「修正」ボタン34eが表示された場合は、表示している回数を任意に修正することができる。
尚、遊技者個人の遊技データのみを算出できるようにリセットボタンを表示するようにしても良い。
【0034】
さて、表示装置3は、当日のゲーム回数が累計で7000ゲームに達すると「一致率表示」ボタン34gを追加表示する。遊技者が「一致率表示」ボタン34gを押下操作すると、表示している各回数を仮定データとして表示すると共に、実際に入賞したものだけを計数した実データ及び一致度情報を仮定データに比較可能に表示する。一致度情報は、仮定データ及び実データのうち、(小さい方の値)÷(大きい方の値)を計算して求める。このとき、「一致率表示」ボタン34gに代えて「戻る」ボタン34hを表示する。遊技者が「戻る」ボタン34hを押下操作すると、元の遊技状態表示画面を表示する。
尚、個人データを表示可能な場合には、個人データにおける累計ゲーム数が所定ゲーム回数となったことを条件として当該個人データ分の一致率表示をするようにしても良い。また、一致率表示をするための条件としては累計ゲーム数に限らず、例えば、特定役(2枚役、5枚役、6枚役)の入賞回数、内部当選回数を基準としても良い。
【0035】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
表示装置3は、遊技者に遊技状態を推測させて設定値を予測させつつ、設定値の判別要素となる遊技状態の推測結果がどの程度合っていたかを示す一致度情報を遊技者に示すので、遊技者に満足感を与えることができる。また、一致度情報を示すことでより一致率を高めようとする向上心が高まり、稼動を高く維持することが可能となる。
累計ゲーム数を実遊技データと一致させるのは非常に困難であるため、遊技者の競争心を煽ることができる。
7000ゲーム回数以上とならなければ一致度情報が表示されないので、稼動を高く維持することができる。
【0036】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
本実施形態では、最終的な累計値のみから一致率を求めているが、ゲーム毎に一致しているか否かを判断してその一致率を求めても良い。
一致度情報は正確な数値による表示でなく、曖昧に表示しても良い。例えば、「高・中・低」の文字、図柄などで表示しても良い。
一致度情報は、仮定データと実データとの差であっても良い。
一致率の表示を省いて、単に仮定データと実データを並べて表示するようにしても良い。
一致度に応じて特典(AT抽選など)を付与するようにしても良い。
【0037】
一致度情報を表示した後に仮定データを修正した場合に、修正後の仮定データに基づいて一致度情報を表示するようにしても良い。また、所定回数以内の修正で一致率が所定値以上となった場合に特典(AT抽選など)を付与するようにしても良い。
特定状態はARTでなく、AT、RT、確変状態等であっても良い。また、特定状態はボーナスゲーム(大当たり)であっても良い(この場合、大当たり後に発生する確変状態が高確状態に相当)。
ゲーム回数の特定は、リールの回転中に出力されるリール信号や、アウト信号に基づいて行っても良い。
【0038】
本発明では、AT抽選役である2枚役と6枚役の当選確率が設定値1と6で同じとし、2枚役と6枚役当選時におけるAT当選確率を異ならせている。これに代えて、AT抽選役の当選確率を設定値毎に異ならせてAT抽選役当選時におけるAT当選確率を異なるようにしても良い。また、AT抽選役の当選確率及びAT抽選役当選時におけるAT当選確率の両方を設定値毎に異なるようにしても良い。
AT抽選は、特定小役の内部当選時に限らず、例えばハズレ時やゲーム毎にAT抽選をするようにしても良い。
表示装置を遊技機に設け、遊技機の表示装置に遊技データを表示するようにしても良い。
【0039】
遊技機はパチンコ遊技機でも良い。この場合、一致率に応じてARTを発生するか否かの抽選を実行する特定状態抽選手段を備え、特定状態抽選手段は、一致率が高いほどARTの当選確率又はARTが当選した場合における当該ARTの継続頻度が高くなるように抽選を実行するようにしても良い。このような構成によれば、一致率が高いほど遊技者にとって有利な特定状態の抽選が実行される可能性が高くなるので、一致率を高めることにより熱が入り、遊技の興趣を高めることができる。
【符号の説明】
【0040】
図面中、1はスロットマシン、2は貸出装置、3は表示装置(遊技データ表示装置)、4は中継装置、5は管理装置、7は表示窓(図柄表示領域)、8はリール(図柄変動表示手段)、23は制御部(設定値記憶手段、設定値決定手段、抽選処理手段、特定状態発生手段、高確状態発生手段、演出手段、仮定手段、仮定遊技データ算出手段、実遊技データ算出手段)、34はデータ表示部(表示手段)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
大当たりの当選確率を規定する複数の設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記設定値記憶手段が記憶する複数の設定値の中から1の設定値を決定する設定値決定手段と、
前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて抽選処理を実行する抽選処理手段と、
前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて異なる確率で遊技者にとって有利な特定状態を発生するか否かの抽選を行い、当選した場合に前記特定状態を発生する特定状態発生手段と、
前記抽選処理の結果が前記特定抽選結果である場合に、前記特定状態が当選するか否かの抽選で当選する確率が高い状態である高確状態を発生する高確状態発生手段と、
前記高確状態である可能性を遊技者に示唆する演出を実行することが可能な演出手段と、を有する遊技機に対応して設けられた遊技データ表示装置であって、
遊技者の操作に応じて前記高確状態を含む複数の遊技状態のうち何れか1の遊技状態を現在の遊技状態であると仮定する仮定手段と、
前記抽選処理の結果に基づいて、前記仮定手段が仮定している遊技状態である仮定遊技状態毎の遊技データを仮定遊技データとして算出する仮定遊技データ算出手段と、
前記抽選処理の結果に基づいて、実際の遊技状態である実遊技状態毎の遊技データを実遊技データとして算出する実遊技データ算出手段と、
前記仮定遊技データ算出手段が算出した前記仮定遊技データと前記実データ算出手段が算出した前記実遊技データとの一致する度合いを示す情報である一致度情報を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする遊技データ表示装置。
【請求項2】
前記特定状態は、通常状態よりも出玉率が高い状態及び/又は通常状態よりも大当たりの当選確率が高い状態であることを特徴とする請求項1記載の遊技データ表示装置。
【請求項3】
前記仮定遊技データ及び前記実遊技データは、遊技状態毎のゲーム回数の累計であることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技データ表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、当日のゲーム回数又は特定の遊技者による遊技のゲーム回数が所定ゲーム回数以上となったことを条件として前記一致度情報を表示することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技データ表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れかに記載の遊技データ表示装置を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項4記載の遊技データ表示装置と、
前記一致率に応じて前記特定状態を発生するか否かの抽選を実行する特定状態抽選手段と、を備え、
前記特定状態抽選手段は、前記一致率が高いほど前記特定状態の当選確率又は前記特定状態が当選した場合における当該特定状態の継続頻度が高くなるように抽選を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項1】
図柄表示領域において複数種類の図柄を所定の配列に従って変動表示する図柄変動表示手段と、
大当たりの当選確率を規定する複数の設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記設定値記憶手段が記憶する複数の設定値の中から1の設定値を決定する設定値決定手段と、
前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて抽選処理を実行する抽選処理手段と、
前記設定値決定手段が決定した設定値に応じて異なる確率で遊技者にとって有利な特定状態を発生するか否かの抽選を行い、当選した場合に前記特定状態を発生する特定状態発生手段と、
前記抽選処理の結果が前記特定抽選結果である場合に、前記特定状態が当選するか否かの抽選で当選する確率が高い状態である高確状態を発生する高確状態発生手段と、
前記高確状態である可能性を遊技者に示唆する演出を実行することが可能な演出手段と、を有する遊技機に対応して設けられた遊技データ表示装置であって、
遊技者の操作に応じて前記高確状態を含む複数の遊技状態のうち何れか1の遊技状態を現在の遊技状態であると仮定する仮定手段と、
前記抽選処理の結果に基づいて、前記仮定手段が仮定している遊技状態である仮定遊技状態毎の遊技データを仮定遊技データとして算出する仮定遊技データ算出手段と、
前記抽選処理の結果に基づいて、実際の遊技状態である実遊技状態毎の遊技データを実遊技データとして算出する実遊技データ算出手段と、
前記仮定遊技データ算出手段が算出した前記仮定遊技データと前記実データ算出手段が算出した前記実遊技データとの一致する度合いを示す情報である一致度情報を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする遊技データ表示装置。
【請求項2】
前記特定状態は、通常状態よりも出玉率が高い状態及び/又は通常状態よりも大当たりの当選確率が高い状態であることを特徴とする請求項1記載の遊技データ表示装置。
【請求項3】
前記仮定遊技データ及び前記実遊技データは、遊技状態毎のゲーム回数の累計であることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技データ表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、当日のゲーム回数又は特定の遊技者による遊技のゲーム回数が所定ゲーム回数以上となったことを条件として前記一致度情報を表示することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の遊技データ表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れかに記載の遊技データ表示装置を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項4記載の遊技データ表示装置と、
前記一致率に応じて前記特定状態を発生するか否かの抽選を実行する特定状態抽選手段と、を備え、
前記特定状態抽選手段は、前記一致率が高いほど前記特定状態の当選確率又は前記特定状態が当選した場合における当該特定状態の継続頻度が高くなるように抽選を実行することを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−240024(P2011−240024A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116252(P2010−116252)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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