遊技台
【課題】停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現する遊技台を提供すること。
【解決手段】スロットマシン等の遊技台において、複数のリールに対する停止操作が同時に受け付けられた場合に、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段を備えたことを特徴とする。
【解決手段】スロットマシン等の遊技台において、複数のリールに対する停止操作が同時に受け付けられた場合に、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンに代表される遊技台では、複数のリールに対応して停止ボタンを設け、停止ボタンに対する遊技者の停止操作に応じて対応するリールを停止している。従来、一の停止操作から次の停止操作までの間に、所定の時間(例えば、200ms)だけ、停止操作を無効とする無効期間を設けたものが提案されている。しかし、無効期間を設けると、遊技者の連続的な停止操作が妨げられ、スムーズな遊技進行を害して遊技の興趣を減退させる場合がある。
【0003】
一方、無効期間をなくすことで、よりスムーズな遊技進行を図ることが可能となるが、複数の停止ボタンが同時に操作される場合がある。このような場合、いずれの停止操作も無効としてリールを停止させないようにすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−225963号公報
【特許文献2】特許第450344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、スロットマシンに代表される遊技台では、停止操作の操作順序を設定し、設定した操作順序を充足する場合に遊技者に利益を付与したり、或いは不利益を付与するなど、操作順序に応じて遊技者の有利度が異なるものが提案されている(例えば、特許文献2)。遊技者は、基本的には、設定された操作順序を知ることができないが、特定の遊技状態においては、設定された操作順序に報知することで、遊技者が有利となる機会を付与することができる。
【0006】
複数の停止ボタンが同時に操作された場合に、特許文献1のようにいずれの停止操作も無効としてしまうと、そもそもの目的である、スムーズな遊技進行の実現を害する場合がある。加えて、操作順序が設定される遊技において、いずれの停止操作も無効となると、その後の停止操作が第1停止操作となってしまい、遊技者が意図しない操作順序となり得る。この場合に、遊技者に不利な結果がもたらされると、遊技の興趣を減退させる。
【0007】
本発明の目的は、停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現する遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止操作受付手段と、前記停止操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて役の入賞を判定する入賞判定手段と、前記停止操作の操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技台において、前記停止操作受付手段により複数の前記リールに対する前記停止操作が同時に受け付けられた場合に、前記有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現する遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図。
【図2】スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図。
【図3】制御部の回路ブロック図。
【図4】各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
【図5】入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図。
【図6】スロットマシン100の遊技状態の変遷推移図及び移行条件を示す図。
【図7】各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図。
【図8】各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、再遊技役1、2、再遊技役3、4を詳細に記載した抽選テーブルを示す図。
【図9】各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、小役3aについて詳細に記載した抽選テーブルを示す図。
【図10】操作条件が小役3aの停止表示態様に影響を与えることの概要を時系列で示した図。
【図11】主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャート。
【図12】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャート。
【図13】入力ポート状態更新処理の流れを示すフローチャート。
【図14】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャート。
【図15】(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャート、(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャート。
【図16】操作順序の決定例を示す図。
【図17】操作順序の決定例を示す図。
【図18】操作順序の決定例を示す図。
【図19】操作順序の決定例を示す図。
【図20】S8のリール停止制御処理の例を示すフローチャート。
【図21】S45の演出制御処理の例を示すフローチャート。
【図22】S132の内部当選コマンド受付時処理のフローチャート。
【図23】S142の報知用演出データの読み出し処理のフローチャート。
【図24】S143のAT設定処理のフローチャート。
【図25】S144のAT抽選処理のフローチャート。
【図26】S134の停止コマンド受付時処理のフローチャート。
【図27】第2実施形態におけるリール停止制御処理の例を示すフローチャート。
【図28】停止制御例を示す図。
【図29】第3実施形態における各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
【図30】第3実施形態における入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図。
【図31】(a)及び(b)は操作順序による停止制御例を示す図。
【図32】(a)乃至(c)はリーチ目の一例を示す図。
【図33】(a)及び(b)は操作順序を考慮したリーチ目の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図面を用いて、本発明の第1実施形態に係る遊技台(ここではスロットマシン))について詳細に説明する。
【0012】
まず、図1および図2を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図である。
【0013】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0014】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され(それぞれを図柄表示領域と呼ぶ場合がある)、合計9つの図柄が見えるようになっている。
【0015】
図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼ぶ。
【0016】
各リール110乃至112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することになる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。別の表現をすれば、各リール110乃至112は、複数種類の図柄が施され、回転駆動されるようにスロットマシン100に設けられている。
【0017】
なお、このような表示装置としてはリール以外にも演出画像表示装置157等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0018】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。主制御部300は、このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判定し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0019】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。入賞ラインとは、後述する図5で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では、図2に示すように、左リール中段図柄、中リール中段図柄および右中段図柄で構成される中段ラインL1、左リール上段図柄、中リール上段図柄および右リール上段図柄で構成される上段ラインL2、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段ラインL3、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がりラインL4、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がりラインL5の5つの入賞ラインが設けられている。
【0020】
有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。それぞれ例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段ラインおよび下段ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右上りラインおよび右下がりラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。
【0021】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役)に内部当選していること、または、BB遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0022】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数投入するためのボタンである。本実施形態においては、1枚賭けベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、2枚賭けベットボタン131が押下されると2枚投入され、MAXベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。
【0023】
1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132は貯留手段に電子的に記憶されている遊技媒体を所定の投入指示操作を受け付ける操作部である。また、さらに限定すると、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132は遊技に用いるための遊技媒体を電子的に記憶する貯留手段に電子的に記憶されている遊技媒体を遊技に使用するための指示のための操作を受け付ける投入操作部である。
【0024】
なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0025】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。すなわち、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132を操作すること、および、メダル投入口141にメダルを投入することは投入操作にあたる。また、後述するが、投入操作が行われることで遊技の開始操作の受付が可能となるため、投入操作は遊技を進行するための複数種類の遊技操作の1つである。
【0026】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器である。
【0027】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作するか、再遊技役の入賞による自動投入がされたときに、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。
【0028】
なお、スタートレバー135に対する操作は遊技の開始を指示するものであり、開始操作にあたる。開始操作が行われることでリール110乃至112の回転が開始するため、開始操作は遊技を進行するための複数種類の遊技操作の1つである。また、スタートレバー135は遊技者の操作を受け付ける複数の操作部のうちの所定の操作部であり、特に、開始操作を受け付ける開始操作受付部である。換言すると、スタートレバー135は、遊技者による操作により各リール110乃至112を回転開始させる指示のための操作を受け付ける回転指示操作部である。
【0029】
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。
【0030】
より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール111を停止させることができる。
【0031】
以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、回転中の各リール110乃至112を停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を停止操作順序又は単に操作順序という。
【0032】
各ストップスイッチ137乃至139は、リール110乃至112のそれぞれに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、回転中の各リール110乃至112を個別に停止させるものであり、停止操作受付手段に相当する。換言すれば、各ストップスイッチ137乃至139は、複数のリールに一対一で対応して設けられ複数のリールの回転停止を指示するものであり、複数のストップスイッチに相当する。
【0033】
なお、再遊技役が入賞したときの第3停止操作は、この第3停止操作に基づいて再遊技役入賞の効果として後述する自動投入がなされるものであるから、再遊技役が入賞する際に第3停止操作としてストップボタン137乃至139のいずれかのストップボタンを操作することを投入操作と呼ぶ場合もある。
【0034】
各ストップボタン137乃至139の内部には発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0035】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0036】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0037】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0038】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。演出画像表示装置157は遊技に関する種々の情報を表示したり、演出画像を表示したりするものである。
【0039】
この報知の中にはストップボタン137乃至139の操作に関する報知も含まれる。すなわち、演出画像表示装置157はストップボタン137乃至139の操作に関する報知を実行する報知手段の一例に相当する。
【0040】
なお、シャッタ163によって遮蔽される表示部材は演出画像表示装置157でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、これらを報知手段としてもよい。
【0041】
なお、スピーカ272およびスピーカ277や各種ランプなども報知手段に該当する。つまり、報知手段とは、演出画像表示装置157、各種スピーカ、各種ランプなどを指す。また、後述する第1副制御部400や第2副制御部500は、これらの報知手段を制御する制御部(たとえば第1副制御部400、第2副制御部500など)である。すなわち、第1副制御部400または第2副制御部500は、報知手段を制御するものであり報知制御手段に相当する。
【0042】
なお、演出画像表示装置157を直接制御する制御部は第2副制御部500であるが、第1副制御部400は第2副制御部500に対してどのような演出画像を表示するかを指示するものであり、演出画像表示装置157を間接的に制御するものであるから、第1副制御部400が演出画像表示装置157を制御するというように表現してもよい。
【0043】
また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0044】
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、図3は制御部の回路ブロック図である。
【0045】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンドを受信し、コマンドに応じた処理を実行する副制御部(第1副制御部400、第2副制御部500)と、によって構成されている。本実施形態の場合、副制御部は、主制御部300からコマンドを受信して演出の制御に関わる処理を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0046】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0047】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0048】
また、主制御部300には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(メダル投入操作検出センサ、スタートレバー135センサ、ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダルセレクタのメダル検出センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110〜112の各インデックスセンサ等)の状態を監視している。CPU304は各センサの状態をI/O310の所定のポートから取得可能である。
【0049】
なお、スタートレバー135に対する開始操作を受け付け可能な状態で開始操作を検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0050】
なお、メダル投入操作検出センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者による開始操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者による停止操作を検出する。
【0051】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0052】
リール110〜116のインデックスセンサは、例えば、リールに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0053】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0054】
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0055】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0056】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0057】
主制御部300は第1副制御部400に対して情報を出力する(または出力可能にしている)が、第1副制御部400が主制御部300に対して情報を出力しない(または出力不可能にしている)理由(つまり一方向の通信にしている理由)は、外部装置や不正に改造された第1副制御部から主制御部300に対して不正な信号が入力されることで主制御部が行う入賞役の抽選などの処理において不正な処理が行われないようにするためである。また、別の理由としては一方向通信とすることで遊技台のプログラムを検査する検査機関の検査負担を軽減するという理由がある。本実施形態における主制御部300は第1副制御部400が行う処理の結果を入力することができないように設けられている。
【0058】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。
【0059】
基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0060】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0061】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0062】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0063】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0064】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0065】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0066】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0067】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
【0068】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM306に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0069】
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、図4は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0070】
<図柄配列>
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「セブン1」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0071】
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の役の種類について説明する。なお、図5は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
【0072】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と小役(小役1〜小役6)と、再遊技役(再遊技1〜再遊技7)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0073】
本実施形態における入賞役のうち、特別役1(BB(ビッグボーナス)1)および特別役2(BB(ビッグボーナス)2)はボーナス遊技(特別遊技)に移行する役とされ、再遊技役1〜再遊技役7は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、特別役および再遊技役が含まれる。
【0074】
また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役、再遊技役への入賞が含まれる。
【0075】
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「セブン1−セブン1−セブン1」、BB2が「セブン2−セブン2−セブン2」である。
【0076】
BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、BBに対応する図柄組み合わせ「セブン1−セブン1−セブン1」または「セブン2−セブン2−セブン2」が、揃って入賞する状態にある。
【0077】
なお、主制御部300は、この図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態をRT4遊技状態(特別遊技状態のことであり、後述する図6で詳細に説明する)に移行させる。また、本実施形態では、複数のBBフラグ(BB1およびBB2)が存在し、それぞれのフラグに対して1つの図柄組合せが表示されるようにしたが、BBフラグが成立した場合に異なる2つの図柄組合せが表示されるようにしてもよい。
【0078】
再遊技役(再遊技役1〜再遊技役7)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。再遊技役が入賞した場合、主制御部300は、前回の賭け枚数と同じ賭け枚数を自動的に投入する。
【0079】
なお、対応する図柄組合せは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−リプレイ−ベル(準備リプレイ)」、再遊技役3は「リプレイ−リプレイ−スイカ(昇格リプレイ)」、再遊技役4は「ベル−リプレイ−リプレイ(降格リプレイ)」、再遊技役5は「セブン1−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ1)」、再遊技役6は「セブン2−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ2)」、再遊技役7は「BAR−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ3)」である。制御リプレイ1〜3は、遊技の制御上、形式的に役として設定されており、これらに入賞することはない。
【0080】
小役(小役1〜小役6)」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、小役1が「ANYー−チェリー−ANY(チェリー)」、小役2が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役3が「ANY−ベル−ANY(ベル)」、小役4が「セブン1−スイカ−ベル(制御小役1)」、小役5が「セブン2−スイカ−ベル(制御小役2)」、小役6が「BAR−スイカ−ベル(制御小役3)」であり、対応する払出枚数は同図に示す通りである。
【0081】
また、「ANY−チェリー−ANY」の場合、有効ラインのうちの中リールの図柄が「チェリー」であればよく、左リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。小役3のANYが示す意味もチェリーと同じ意味である。
【0082】
なお、小役4、小役5、小役6については、後述する小役3の入賞ラインをストップボタン137乃至139の操作順序に応じて変化させるために用いられる制御小役であり、入賞することはない入賞役である。
【0083】
<遊技状態の種類>
次に、図6および図7を用いて、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6はスロットマシン100の遊技状態の変遷推移図及び移行条件をまとめた図を示し、図7は各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。
【0084】
図6を参照して、本実施形態では遊技状態を、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率準備状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、特別遊技状態(RT4)の5つの遊技状態に大別した。なお、通常遊技状態(RT0〜RT3)と、特別遊技状態(RT4)と、に大別するような区分けを行う場合がある。
【0085】
各遊技状態間を結ぶ矢印上に示したアルファベットは、移行条件をまとめた図と対応し、この図に記載された条件が成立した場合に矢印方向に向かって遊技状態が遷移する。たとえば、RT0からRT1に移行する条件は再遊技役2の入賞である。
【0086】
なお、、再遊技低確率状態および特別役内部当選状態は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。
【0087】
また、再遊技高確率準備状態および再遊技高確率状態は獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超え得る遊技状態であり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。また、特別遊技状態は、遊技者にとって利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、特別遊技状態は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。
【0088】
なお、本実施形態では特別遊技状態は所定の払い出し枚数を払いだした場合に終了し、その間は遊技状態の移行をないとしたが、特別役1の入賞により開始され、他の特別な遊技状態(いわゆるRB遊技状態など)を連続して繰り返し実行可能にしてもよい。また、特別遊技状態は、特別遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0089】
図7は各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示すものである。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。内部当選確率は抽選値を65536で除算した値に100を乗算した値である。たとえば、RT3においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536*100≒8%である。
【0090】
こうして各々の役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた複数の設定(例えば設定1〜設定6)が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0091】
以下、各遊技状態について詳述する。
【0092】
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態は、通常遊技状態における、再遊技の内部当選確率が最も低い遊技状態であり、初期の遊技状態でもある。再遊技低確率状態では、図7に示す横軸の「RT0」の列の抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0093】
再遊技低確率状態において内部当選する条件装置(入賞役または入賞役の組み合わせ)には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、再遊技役1、2と、小役1と、小役2と、小役3aと、がある。なお、その他の場合はハズレに当選したことになり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。すなわち、ハズレも抽選結果の1つである。
【0094】
ここで再遊技役1、2とは再遊技役1および再遊技役2が同時に当選したことを示すものである。この場合、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。詳しくは後述する図8で詳細に説明する。
【0095】
また、小役3aについては、特定の停止操作順序で停止操作を行えば中リール中段図柄がベル図柄になるように停止制御され、3本の有効ライン上にベル図柄が揃うことから12枚が払いだされる。一方、特定の停止操作順序とは異なる停止操作順序で停止操作を行えば中リール上段図柄がベル図柄となるように停止制御され、1本の有効ライン上にベル図柄が揃うことから4枚が払いだされる。詳しくは後述する図9で詳細に説明する。
【0096】
また、図6に示すように、再遊技低確率状態において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合に再遊技高確率準備状態(RT1)に移行する。また、特別役1または特別役2に内部当選した場合は特別役内部当選状態(RT3)に移行し、特別役の入賞があった場合は特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0097】
<再遊技高確率準備状態(RT1)>
再遊技高確率準備状態は、再遊技低確率状態よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率準備状態では、図7に示す横軸の「RT1」の列の抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0098】
再遊技高確率準備状態において内部当選する条件装置(入賞役)には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、再遊技役3、4と、小役1と、小役2と、小役3aとがある。なお、その他の場合はハズレに当選したことになり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。再遊技役3、4については後述する図8で詳述する。
【0099】
また、図6に示すように、再遊技高確率準備状態において、再遊技役3が表示される可能性のある再遊技役に当選し、さらに再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合に再遊技高確率状態に移行する。一方、再遊技高確率準備状態(RT1)において、再遊技役4が表示される可能性のある再遊技役に当選し、さらに再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示されて入賞した場合に再遊技低確率状態(RT0)に移行する。また、特別役1または特別役2に内部当選した場合は特別役内部当選状態(RT3)に移行し、特別役の入賞があった場合は特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0100】
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態は、再遊技低確率状態よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。なお、再遊技高確率準備状態よりも再遊技役の内部当選確率が高い状態としてもよい。再遊技高確率状態では、図7に示す横軸の「RT2」の列の抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0101】
再遊技高確率状態において内部当選する条件装置(入賞役)には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、小役1と、小役2と、小役3aと、がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0102】
また、図6に示すように、再遊技高確率状態(RT2)において、上段ラインにベル図柄が停止表示された場合は再遊技低確率状態(RT0)に移行する。また、特別役1または特別役2に内部当選した場合は特別役内部当選状態(RT3)に移行し、特別役の入賞があった場合は特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0103】
<特別役1内部当選状態(RT3)>
RT0、RT1およびRT2にある場合に、特別役1または特別役2に内部当選すると、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
【0104】
特別役内部当選状態は、特別役1または特別役2を入賞することができる状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図7に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、再遊技役1と、小役1と、小役2と、小役3aと、がある。なお、特別役1または特別役2が常に内部当選している状態なので、特別役1および特別役2の抽選は行わない。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0105】
また、図6に示すように、特別役内部当選状態(RT3)において、特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合に後述する特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0106】
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態は、通常遊技状態よりも有利な遊技状態である。特別遊技状態では、図7に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別遊技状態において内部当選する入賞役には、小役3bがある。規定枚数が払いだされた場合には再遊技低確率状態に移行する。
【0107】
小役3bについては、どのような停止操作順序で操作しても中リール中段図柄がベル図柄になるように停止制御され、3本の有効ライン上にベル図柄が揃う入賞役である。すなわち、第1副制御部400は、小役3bが当選したときに、たとえば、第1停止操作を左ストップボタン137、第2停止操作を中ストップボタン138、第3停止操作を右ストップボタン139とする停止操作順序で停止操作を行った場合には、所定の停止態様(中リール中段にベル図柄を停止し、3本の有効ライン上で小役3に対応する図柄組み合わせが表示される停止態様)で各リール110乃至112を停止させるように制御する。
【0108】
そして、上記の停止操作順序と異なる停止操作順序にしたがって操作された場合にも、同様の停止態様で各リール110乃至112を停止させるように制御するものである。そして、主制御部300は、上記停止態様が停止表示された場合には、所定の利益(12枚の払出し)を付与する。
【0109】
<停止操作順序と遊技設定>
本実施形態では、所定の場合に、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行う。より具体的には、停止操作順序が、予め設定された操作条件を充足する場合に、遊技者に有利な設定を行う場合や不利な設定を行う場合がある。
【0110】
操作条件は、第1乃至第3停止操作の全てを規定してもよいし、第1停止操作のみを規定して第2及び第3停止操作は規定しない場合のように、いずれか1つの停止操作を規定してもよい。また、いずれか2つの停止操作を規定してもよい。
【0111】
本実施形態では、所定の再遊技役に内部当選した場合、小役3aに内部当選した場合、非AT遊技状態の場合、に停止操作順序に応じて遊技者の有利度が異なる遊技設定を行う。以下、はじめにAT遊技状態について説明し、各場合について順に説明する。
【0112】
<AT遊技状態>
。遊技者は、どの停止操作順序が遊技者にとって有利となる停止操作順序であるか、或いは、不利となる停止操作順序であるかについて、スロットマシン100がその停止操作順序を報知しない限り認識することができない。
【0113】
ここで、第1副制御部400および第2副制御部500は、所定の条件が成立した場合に、有利となる停止操作順序がどのような停止操作順序であるかの報知を行う。このような報知の演出を操作条件報知と呼ぶ場合がある。また、所定の開始条件が成立したタイミングで開始され、所定の終了条件が成立するまで継続する、操作条件報知が行われる報知遊技をAT遊技と呼び、このAT遊技が設定されている状態をAT遊技状態と呼び、AT遊技状態でない場合を非AT遊技状態と呼ぶ。
【0114】
AT遊技状態は、非AT遊技状態よりも遊技者にとって有利であり、かつ複数回の遊技にわたり継続可能な遊技状態である。本実施形態では、RT1〜RT3が設定されている場合において、小役1又は小役2に内部当選すると、AT遊技状態が設定され得る。
【0115】
AT遊技状態と非AT遊技状態があることで出玉の波を創出できるという意味がある。例えば、第1副制御部400は、非AT遊技状態である場合、RT0であれば再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止操作する停止操作順序の報知を行わない。RT1であれば再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行わず、かつ、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示しない停止操作順序の報知を行わない。RT2であれば、小役3aが内部当選した場合に中リール中段図柄にベル図柄に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行わない。
【0116】
AT遊技状態となった場合には、RT0であれば再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行い、RT1であれば再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行い、かつ、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示しない停止操作順序の報知を行う。RT2であれば小役3aが内部当選した場合に中リール中段図柄にベル図柄が停止表示する停止操作順序の報知を行う。
【0117】
これらのことから有利な状態と不利な状態の差を大きくし、出玉の波を創出することができるように設けられている。さらに、AT遊技状態と非AT遊技状態の切り換えは第1副制御部400が行うため、主制御部300が行う抽選プログラムの範囲内で様々な出玉管理を行うことができるというメリットがある。なお、AT遊技状態の場合は非AT遊技状態と比べて操作条件報知を行う確率が高いようにしてもよいし、AT遊技状態の場合は、操作条件報知を常に行うようにしてもよい。
【0118】
<再遊技役と停止操作順序>
図8を用いて、同時に内部当選する再遊技役について詳細に説明する。図8は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、図7の再遊技役1、2、再遊技役3、4を詳細に記載した抽選テーブルを示す図である。再遊技役1、2から詳細に説明する。
【0119】
再遊技役1、2は、より詳細には、再遊技役1、2、5、再遊技役1、2、6、再遊技役1、2、7、再遊技役1、2、5、6、再遊技役1、2、5、7、再遊技役1、2、5、6、7の6種類の同時当選役に細分化される。そして、それぞれの抽選値は一定であり、図の「備考」に示すように再遊技役2を表示する停止操作順序がそれぞれ異なるように操作条件が設定されている。
【0120】
たとえば、再遊技役1、2、5は停止操作順序として「左、中、右」(第1停止操作を左ストップボタン137、第2停止操作を中ストップボタン138、第3停止操作を右ストップボタン139とすること。以下、同様に記載する)とした場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示し、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示するようにしている。
【0121】
停止操作順序が再遊技2入賞の操作条件を満たす場合は、RT0からRT1へ移行できる点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、RT0からRT1へ移行できない点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0122】
このように、再遊技役2を表示する停止操作順序を「左、中、右」、「左、右、中」、「中、左、右」「中、右、左」、「右、左、中」、「右、中、左」の6択にすることで、AT遊技状態である場合は再遊技役2に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示する停止操作順序を報知し、RT0からRT1に変更させるような停止操作を遊技者に促すことができる。
【0123】
次に、再遊技役3、4について詳細に説明する。再遊技役3、4も、再遊技役1、2と同様に、6種類の入賞役に細分化される。そして、それぞれの抽選値は一定であり、図の「備考」に示すように再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示する停止操作順序がそれぞれ異なるように設けられている。
【0124】
停止操作順序が再遊技3入賞の操作条件を満たす場合は、RT1からRT2へ移行できる点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、RT1からRT2へ移行できないだけでなく、RT1からRT0へ移行する点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0125】
このように、再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示する停止操作順序を6択にすることで、AT遊技状態である場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示する停止操作順序を報知し、遊技状態をRT1からRT2に変更させるような停止操作を遊技者に促すことができる。
【0126】
一方、上記の場合以外は再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示するが、AT遊技状態でないにも関わらずRT1である場合には、再遊技役4の表示を避ける報知を行わないことで、遊技状態を遊技者がAT遊技状態ではないにもかかわらずRT1を維持することを困難にすることができる。
【0127】
<小役3aと非AT遊技状態での停止操作順序>
次に、図9および図10を用いて、小役3aについて詳細に説明する。図9は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、小役3aについて詳細に記載した抽選テーブルを示す図である。図11は、操作条件が小役3aの停止表示態様に影響を与えることの概要を時系列で示した図である。
【0128】
小役3aは、より詳細には、小役3、4、小役3、5、小役3、6、小役3、4、5、小役3、4、6、の5種類の同時当選役に細分化される。そして、それぞれの抽選値は図10に示す通りであり、図の「備考」に示すように中リール中段図柄にベル図柄を表示する停止操作順序がそれぞれ異なるように設けられている。
【0129】
たとえば、小役3、4は「左、中、右」という停止操作順序で停止操作をした場合に中リール中段にベル図柄を表示し、それ以外の場合は中リール上段にベル図柄を表示するようにしてる。
【0130】
停止操作順序が中リール上段にベル図柄を表示させる操作条件を満たす場合は、払出枚数の点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、払出枚数の点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0131】
このように、中リール中段にベル図柄を表示する停止操作順序を「左、中、右」、「左、右、中」、「中、左、右または中、右、左」、「右、左、中」、「右、中、左」5択にすることで、後述するAT状態である場合は中リール中段にベル図柄を表示する停止操作順序を報知し、報知をしなかった場合よりもより多くの利益を遊技者に付与することができる。
【0132】
また、小役3、4及び小役3、5の場合と、それ以外の小役3、6、小役3、4、5、小役3、4、6の場合と、では内部当選確率が異なっている。この結果、正解の操作順序が偏りを持つことになる。
【0133】
本実施形態の場合、操作順序の報知を行わない非AT遊技状態では、第1停止が左リール以外ではペナルティを設定する。ペナルティは、本実施形態では、操作順序の報知を行う期間の設定を行わない期間である(以下、ペナルティ期間という)。つまり、小役1又は小役2に内部当選しても、AT遊技状態が設定され得ない。なお、本実施形態ではペナルティの内容をこのようにしたが、遊技者に不利なものであればどのような内容であってもよい。
【0134】
停止操作順序が、第1停止操作が左リールであるという操作条件を満たす場合は、ペナルティ期間が設定されない点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、ペナルティ期間が設定される点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0135】
操作順序の報知を行うAT遊技状態では第1停止が左リール以外も許容するとともに、正解の操作順序を報知するようにする。こうして、操作順序の報知を行う期間と行わない期間における遊技者の獲得できる遊技媒体の期待量の差を大きくし、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0136】
具体的に、図10を用いて小役3、4または小役3、4、6が内部当選した場合を例にとり説明すると次のようになる。
【0137】
まず、小役3、4が内部当選した場合、小役3、4は「左、中、右」の停止操作順序で停止操作をした場合に、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示されるものであるから、「左、中、右」の停止操作順序で停止操作した場合は、図10(a)に示すように、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0138】
一方、「左、中、右」の停止操作順序で停止操作をしなかった場合は、図10(b)に示すように、中リール上段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0139】
次に、小役3、4、6が内部当選した場合、小役3、4、6は「右、中、左」の停止操作順序で停止操作をした場合に、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示されるものであるから、「右、中、左」の停止操作順序で停止操作した場合は、図10(c)に示すように、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0140】
一方、「右、中、左」の停止操作順序で停止操作をしなかった場合は、図11(b)に示すように、中リール上段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0141】
<主制御部の処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図11は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
【0142】
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、S1において各種の初期化処理が実行される。S2では、メダル投入・スタート操作に関する処理を行う。主制御部300はまず、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132による電子的なメダル投入操作、または、投入口141からの直接的なメダル投入操作があったか否かをセンサ回路320による検出によって判定し、投入操作があった場合は、受け付けたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。
【0143】
また、主制御部300は、賭け枚数が3枚になったことに伴ってスタートレバー135の操作がされたか否かをセンサ回路320による検出する状態に遊技を進行し、スタートレバー135の操作がなされたと判定した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、S3に進む。
【0144】
S3では、有効となる入賞ラインを確定する。S4では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、入賞役の内部抽選処理を行う。ここでは役の内部当選の当否を抽選する内部抽選を少なくとも行う。また、演出に関わる抽選(例えば、複数種類の中から演出内容を選択する抽選)を行ってもよい。
【0145】
役の内部抽選は、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの役に内部当選した場合、その役の内部当選フラグをONにする。
【0146】
S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。停止操作順序が問われる役のリール停止データについては、その操作条件も設定されており、これらに対応するリール停止データが選択されると、その操作条件も設定されたことになる。こうして特定の役に内部当選した場合に操作条件が設定されることになる。操作条件に反する停止操作がなされた場合は、対応図柄組み合わせが表示されないように制御されることになる。
【0147】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させるリール制御を行う。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止データに基づいて停止させる。
【0148】
つまり、リールの停止制御は、S5の役の内部抽選の結果と、停止操作のタイミングとに基づいたものとなる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した役がある場合は、その役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0149】
また、S7では第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作を受け付けるごとに、どのストップボタンが操作されたかに関する情報およびどのタイミングでストップボタンが操作されたかに関する情報を含むコマンドを送信する準備を行う。準備されたこれらのコマンドは後述する図12の主制御部タイマ割込処理のS266にて第1副制御部400に送信される。
【0150】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの役に対応する図柄組合せが表示された場合にその役に入賞したと判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0151】
S10では払い出しのある何らかの役に入賞していれば、その役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、特別役1が入賞した場合には次回の遊技から特別遊技状態を開始できるよう準備し、特別遊技状態において特定枚数以上の払出枚数を払い出した場合には、次回から再遊技低確率遊技状態が開始できるよう準備する。
【0152】
こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0153】
次に図12を用いて、主制御部300のCPU304にて実行されるタイマ割込処理について説明する。なお、図12は主制御部300が行うタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0154】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0155】
S21では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。S22ではWDT(ウォッチドッグタイマ)のリスタートを行う。
【0156】
S23では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、センサ回路320に接続された複数のセンサの検出結果をI/0310の入力ポートを介して監視し、監視結果をRAM308に各センサごとに区画して設けた信号状態記憶領域を記憶する。
【0157】
図13はS23の入力ポート状態更新処理の流れを示すフローチャートであり、特に、停止操作の検出に関する処理を中心に処理内容を説明した図である。S31ではI/0310の入力ポートのうち、ストップボタンセンサの検出結果が入力される入力ポートのデータを参照して全ストップボタン137〜139に対する停止操作の有無を検出する。
【0158】
S32では、信号状態記憶領域に記憶された、各ストップボタン137〜139に対する停止操作状態の情報を更新する。この情報は、遊技開始時には全て停止操作無しにリセットされ、停止操作が確認されると停止操作有りに更新される。この情報により、新たに停止操作されたストップボタン(リール)の特定や複数の停止操作が同時に行われたか否かを判断できる。
【0159】
S33では、停止操作が検出された、対応リール110〜112の図柄位置(リールの停止位置)を取得し、RAM308の所定の領域に記憶されるリール情報の一部として記憶する。リール情報にはこのほかに、各リールが回転中か停止中(停止制御中も含む)かの情報も含む。S34ではストップボタンセンサ以外の各センサについて、その検出結果の監視及び情報の更新を行う。以上により一単位の処理が終了する。
【0160】
図12に戻り、S24では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサからの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
【0161】
S25では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。S26では、コマンド設定送信処理を行い、設定された各種のコマンドが副制御部400に送信される。副制御部400では、受信したコマンドにより、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になる。S27では、外部信号設定処理を行う。ここでは、情報出力回路334から外部装置の情報入力回路652に対して所定の情報(たとえば遊技状態に関する情報など)を送信する。
【0162】
S28では、デバイス監視処理を行う。ここでは、メダルセレクタ170などの各種デバイスのエラー状態などを監視する。S29では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはS31に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはS30に進む。
【0163】
S30では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、S31で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。一方、S31では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
【0164】
<第1副制御部の処理>
図14を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図14は第1副制御部400が実行する処理のフローチャートであって、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0165】
第1副制御部400のメイン処理は第1副制御部400にリセット信号の入力があった場合に実行される。まず、同図(a)のS41では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS41で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0166】
S42では、第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域であるタイマ変数記憶領域に記憶されたタイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S43の処理に移行する。S43では、タイマ変数に0を代入する。
【0167】
S44では、第1副制御部コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別し、コマンドを受信した場合には、受信したコマンドに応じた所定の処理を行う。S45では、演出制御処理を行う。ここでは、S44にて実行された処理に基づいて演出データの設定など、演出制御に関する処理を行う。
【0168】
S46では、S45で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。S47では、S45で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。S48では、S45で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S42へ戻る。以上により一単位のメイン処理が終了する。
【0169】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
【0170】
S51では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。以上により一単位のコマンド受信割込処理が終了する。
【0171】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0172】
S61では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるS42において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、同図(a)のS32において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0173】
S62では、各種更新処理を行う。たとえば、第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値等の各種乱数の更新処理等を行う。以上により一単位のタイマ割込処理が終了する。
【0174】
<第2副制御部の処理>
次に図15を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。図15は第2副制御部500の処理のフローチャートである。同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0175】
まず、同図(a)のS71では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS1501で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0176】
S72では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S73の処理に移行する。
【0177】
S73では、タイマ変数に0を代入する。S74では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。S75では、演出制御処理を行う。例えば、S74で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0178】
S76では、S74で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。S77では、S74で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、S7へ戻る。たとえば、第1副制御部400から操作条件報知に関する画像制御命令(画像表示コマンド)があった場合には、この制御命令に基づいて画像による示唆報知または操作条件報知を実行する。以上により一単位のメイン処理が終了する。
【0179】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のS81では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。以上により一単位のコマンド受信割込処理が終了する。
【0180】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。S91では同図(a)のS72で参照されるタイマ変数をインクリメントする。S102では各種の更新処理を行う。以上により、一単位のタイマ割込み処理が終了する。
【0181】
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるS77の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0182】
S101では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0183】
S102では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はS103に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。S103では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、S101でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに記憶された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0184】
S104では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。S105では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はS106に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。S106では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して一単位の画像制御処理を終了する。
【0185】
<同時停止操作>
本実施形態では、第1乃至第3停止操作間に、操作を無効とする時間帯(無効期間)を設定せず、遊技者が第1乃至第3停止操作を素早く連続的に行うことを許容する。これにより、スムーズな遊技進行を実現することができる。
【0186】
この場合、遊技者の停止操作態様によっては、複数のリールに対する停止操作が同時に検出される場合がある。例えば、ストップボタン137とストップボタン138に対する操作が、制御上、同時に検出された場合である。本実施形態では、このような同時停止操作が検出された場合、これを受け付けることとした。これにより、更にスムーズな遊技進行を実現することができる。
【0187】
一方、本実施形態では、停止操作順序が遊技者の有利が異なる遊技設定に影響する場合があり、遊技設定のために一の停止操作順序を決定する必要がある。この点、本実施形態では、同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序のうち、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で停止操作が行われたとみなすこととし、この決定した操作順序に応じて遊技設定を行う。これにより、遊技者が最も不利な遊技設定が回避されるので、遊技の興趣が減退することを防止できる。
【0188】
同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序とは、例えば、ストップボタン137乃至139のうちの2つが同時に操作された場合、定義可能な操作順序は最大2通りとなる。また、3つが同時に操作された場合、定義可能な操作順序は最大6通りとなる。
【0189】
有利度が最も低い操作順序以外の操作順序としては、例えば、定義可能な操作順序が2通りの場合、相対的に遊技者に有利となる遊技設定が行われる操作順序である。上述したペナルティ期間の設定で言えば、例えば、非AT遊技状態において、第1停止操作と第2停止操作が同時になされ、左リール、中リールの対応ストップボタン137、138が同時に操作された場合は、左リールに対応するストップボタン137に対する操作を第1停止操作とする。
【0190】
図16はその説明図であり、第1及び第2停止操作がストップボタン137、138に対して同時に行われた例を示す。この場合、同図の左側の列に示す通り、左リールに対応するストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、中リールに対応するストップボタン138に対する第2停止操作とする。
【0191】
また、定義可能な操作順序が6通りの場合であって、そのうちの1つが最も遊技者に不利となる遊技設定が行われ、そのうちの1つが最も遊技者に有利となる遊技設定が行われ、残り4つがこれらの中間の遊技設定が行われる場合、後者の5つのうちのいずれかの操作順序である。
【0192】
このように、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序が複数ある場合は、抽選によりいずれか1つを決定してもよいし、遊技者に最も有利なものを決定してもよい。更に、操作順序と遊技者の有利度との組み合わせは有限であり、同時に停止操作されるパターンも有限であることから、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序が複数ある場合は、どれを決定するかを予め定めておき、その特定の操作順序としてもよい。予め定めておくことで、操作順序の決定を簡易に行える。
【0193】
操作順序を予め定めておく方法としては、同時に停止操作されるパターンと、特定の操作順序との関係をテーブル化したテーブルデータを記憶しておく方法が挙げられる。また、他の方法として、制御部が実行するプログラムにおける処理分岐による方法もある。例えば、同時に停止操作されるパターンとして、A、Bの2通りを想定され、対応する特定の操作順序がA1、B1であり、操作順序がA1に決定された場合の処理をA2、B1に決定された場合の処理がB2であるとする。この場合、プログラム上、パターンAが確認された場合は処理A2を行い、パターンBが確認された場合は処理B2を行うように処理を分岐することで、上記のようなテーブルデータを用意することなく、プログラムの内容のみで操作順序の決定が行えることになる。
【0194】
次に、同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序の全てが、互いに遊技設定の有利度の優劣がつかない場合も、同様に、抽選か予め定めた操作順序とすることができる。図17はその説明図であり、上述したペナルティ期間の設定の例を想定している。同図の例では、第1及び第2停止操作がストップボタン138、139に対して同時に行われた例を示す。この場合、いずれを第1停止操作としても、ペナルティ期間が設定され、優劣がつかない。よって、どちらを第1停止操作としてもよいが、同図の左側の列に示す通り、中リールに対応するストップボタン138に対する操作を第1停止操作とし、右リールに対応するストップボタン139に対する第2停止操作としている。
【0195】
また、既に行われた停止操作によって遊技者の有利度が確定しており、同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序の全てが、互いに遊技者の有利度の優劣がつかない場合も、同様に、抽選か予め定めた操作順序とすることができる。図18はその説明図であり、上述したペナルティ期間の設定の例を想定している。同図の例では、第1停止操作がストップボタン137に対して行われて左リールが停止した後、第2及び第3停止操作がストップボタン138、139に対して同時に行われた例を示す。この場合、いずれを第2停止操作としても、ペナルティ期間が設定され、優劣がつかない。よって、どちらを第2停止操作としてもよいが、同図の左側の列に示す通り、中リールに対応するストップボタン138に対する操作を第1停止操作とし、右リールに対応するストップボタン139に対する第2停止操作としている。
【0196】
図19の例は、上述したペナルティ期間の設定の例を想定しており、第1乃至第3停止操作が同時に行われた例を示す。この場合、左リール110に対する停止操作が第1停止操作となる場合以外は、一様に遊技者に不利な遊技設定(ペナルティ期間)がなされる。したがって、第1停止操作は同図の左側の列に示す通り、左リールに対応するストップボタン137に対する操作となる。第2及び第3停止操作は、中リール、右リールのどちらでもよく、同図の例では、中リール→右リールの順としている。
【0197】
上述した操作順序の決定は、特定の遊技設定についてのみ、行ってもよい。例えば、本実施形態では、上記のとおり、所定の再遊技役に内部当選した場合、小役3aに内部当選した場合、非AT遊技状態の場合(ペナルティ期間の設定)、に停止操作順序に応じて遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うが、このうち、非AT遊技状態の場合(ペナルティ期間の設定)についてのみ、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で停止操作が行われたとみなす一方、、所定の再遊技役に内部当選した場合、小役3aに内部当選した場合については、抽選とするか、予め定めた操作順序とするようにしてもよい。
【0198】
<リール停止制御例>
同時停止操作がなされた場合に操作順序を決定する処理を含めたS8のリール停止制御処理の例について図20を参照して説明する。図20はそのフローチャートである。S111では、停止操作が許容される状態か否かを判定する。例えば、リール110〜112の回転開始後、定速に至った場合に停止操作を許容する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合は待ちとなる。
【0199】
S112では図13のS32で更新される停止操作状態の情報を取得し、新たな停止操作があったか否かを判定する。該当する場合はS113へ進み、該当しない場合は待ちとなる。S113では更に、停止操作状態の情報から同時停止操作がなされたか否かを判定する。該当する場合はS114へ進み、該当しない場合はS115へ進む。
【0200】
S114では操作順序を決定する。決定方法は上記のとおりであり、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序を決定する。なお、停止操作順序が遊技者の有利度に関わらない、通常の停止操作の場合、抽選で操作順序を決定するか、予め定めた操作順序(例えば、左、中、右の順に優劣をつける。)とする。こうすることで、同時停止操作をどのような場合でも受け付けることができる。
【0201】
S115では、RAM308に記憶されたリール情報の停止対象リールの図柄位置を参照する。停止対象リールは、同時停止操作でない場合は停止操作の対象リール、同時停止操作の場合は、S114で決定した操作順序に従う未停止リールである。S116ではS115で参照した図柄位置とS6で設定した停止データとに基づき、停止対象リールを停止する。S117では停止対象リールについてリール情報を更新(回転中→停止中)する。
【0202】
S118では、停止対象リールを停止したことを示す停止コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う(停止コマンドはS26で送信される)。S119では、同時操作がなされて操作順序が決定されたリールのうち、未停止のリールがあるか否かを判定する。該当する場合、未停止のリールを停止対象リールとしてS115へ戻る。該当しない場合はS120へ進む。
【0203】
S120では全リールを停止したか否かを判定する。該当する場合は一単位の処理を終了し、該当しない場合はS112へ戻って未停止のリールに対する停止操作を待って同様の処理を繰り返す。
【0204】
<演出制御処理>
次に、停止操作に関わる演出について第1副制御部400が実行する処理について説明する。図21はS45の演出制御処理の例を示すフローチャートである。
【0205】
S131では、S44のコマンド処理の対象コマンドが内部当選コマンドか否かを判定する。該当する場合はS132へ進み、該当しない場合はS133へ進む。S132では内部当選コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。
【0206】
S133ではS44のコマンド処理の対象コマンドが停止コマンドか否かを判定する。該当する場合はS134へ進み、該当しない場合はS135へ進む。S134では停止コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。S135ではその他の処理を行う。以上により一単位の演出制御処理が終了する。
【0207】
<内部当選コマンド受付時処理>
図22はS132の内部当選コマンド受付時処理のフローチャートである。S141では、RAM408の所定のエリアに設定したATフラグを参照して、現在の遊技がAT遊技状態の遊技か否かを判定する。該当する場合はS142へ進み、該当しない場合はS143へ進む。S142では報知用演出データの読み出し処理を行う。詳細は後述する。S143ではAT設定処理を行う。詳細は後述する。S144ではAT抽選処理を行う。詳細は後述する。
【0208】
<報知用演出データの読み出し処理>
図23はS142の報知用演出データの読み出し処理のフローチャートである。S151では再遊技役1、2に内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS152へ進み、該当しない場合はS153へ進む。
【0209】
S152では再遊技役2を表示させる(入賞させる)操作順序を報知する演出データを読み出し、一単位の処理を終了する。この演出データはS46乃至S48の処理でセットされて報知演出がなされることになる。この報知通りに停止操作を行うことで、遊技者は再遊技役2の入賞を得られる。
【0210】
S153では再遊技役3、4に内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS154へ進み、該当しない場合はS155へ進む。S154では再遊技役3を表示させる(入賞させる)操作順序を報知する演出データを読み出し、一単位の処理を終了する。この演出データはS46乃至S48の処理でセットされて報知演出がなされることになる。この報知通りに停止操作を行うことで、遊技者は再遊技役3の入賞を得られる。
【0211】
S155では小役3aに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS156へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S1546は中リール中段にベル図柄を表示させる操作順序を報知する演出データを読み出し、一単位の処理を終了する。この演出データはS46乃至S48の処理でセットされて報知演出がなされることになる。この報知通りに停止操作を行うことで、遊技者は中リール中段にベル図柄を停止させ、小役3aの入賞を得られる。
【0212】
<AT設定処理>
図24はS143のAT設定処理のフローチャートである。S161では残AT回数があるか否かを判定する。残AT回数は、遊技者が遊技可能なAT遊技の回数である。残AT回数がある場合はS162へ進み、無い場合は一単位の処理を終了する。S162では、ペナルティゲーム数(自然数)が1以上設定されているか否かを判定する。該当する場合はATフラグをOFF(非AT遊技状態を示す)にして一単位の処理を終了する。この処理により、残AT回数があっても、ペナルティ期間にはAT遊技状態にはならないことになる。該当しない場合はS163へ進み、ATフラグをON(AT遊技状態を示す)にする。また、残AT回数を一つ減算する。以上により一単位の処理を終了する。
【0213】
<AT抽選処理>
図25はS144のAT抽選処理のフローチャートである。S171ではペナルティゲーム数が1以上設定されているか否かを判定する。該当する場合はS175へ進み、該当しない場合は、ペナルティ期間ではないのでAT遊技状態の設定に関わるS172へ進む。
【0214】
S172では小役1又は小役2に内部当選したか否かを判定する。該当する場合は、AT遊技状態を新規に或いは継続的に設定すべく、S173へ進む。該当しない場合は一単位の処理を終了する。S173ではAT遊技状態の遊技回数(AT回数)を設定する。ここでは抽選で設定するが、予め定めた回数であってもよい。また、0回に当選する場合を抽選に含め、0回に当選した場合は事実上、AT遊技状態が設定されない構成としてもよい。
【0215】
S174では残AT回数にS173で当選したAT回数を加算することにより、残AT回数を更新する。
【0216】
S175ではペナルティゲーム数を一つ減算する。以上により一単位の処理が終了する。本実施形態では、ペナルティ期間はAT回数の抽選を行わないように構成したが、例えば、ペナルティ期間はAT回数の当選確率が低い、或いは、当選するAT回数が少ない、といった構成も採用可能である。
【0217】
<停止コマンド受付時処理>
図26はS134の停止コマンド受付時処理のフローチャートである。S181では、今回の停止コマンドが第1停止操作の停止コマンドか否かを判定する。該当する場合はS182へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S182では停止コマンドにも度付き、第1停止操作が左リール110に対応するストップボタン137に対する操作か否かを判定する。該当する場合は一単位の処理を終了し、該当しない場合はS183へ進む。
【0218】
S183ではATフラグを参照して現在の遊技状態がAT遊技状態か否かを判定する。該当する場合は一単位の処理を終了し、該当しない場合(非AT遊技状態)の場合はS184へ進む。
【0219】
S184ではペナルティゲーム数を更新する。ここでは、追加ペナルティゲーム数を抽選又は予め定めた回数により決定し、現在のペナルティゲーム数に加算することで、その更新を行う。つまり、非AT遊技状態で、第1停止が左リール以外であるのでペナルティ期間を設定したことになる。以上により一単位の処理を終了する。
【0220】
<第2実施形態>
上記第1実施形態における第2、第3停止操作におけるリール停止データの選択方法としては、S6でリール停止データのグループを選択し、S8(図20)で先に停止したリールの図柄位置に基づいて次のリールの最終的なリール停止データを選択する方法が挙げられる。
【0221】
しかし、この方法では、同時停止操作がなされた場合に、先に停止すべきリールが停止しないと、次に停止すべきリールのリール停止データを最終決定できず、リールの停止が遅くなるおそれがある。
【0222】
一方、同時停止操作がなされた場合であっても操作順序が決定されると、先に停止すべきリールが停止するか否かを問わず、停止時のリールの図柄位置を確定できる。そこで、先に停止すべきリールが停止するか否かを問わず、停止時のリールの図柄位置を確定して次に停止すべきリールのリール停止データを最終決定すると共に、でCPU304はリールの停止処理(S116)を別ループの割込み処理か、モータの制御回路に行わせる。これにより、リールの停止を早めることができる。特に、同時停止操作がなされた場合に操作順序を予め定めた特定の操作順序で停止操作が行われた構成とした場合には、操作順序の決定を簡易に行えるだけでなく、CPU304の処理負担を軽減することができる。
【0223】
図27は本実施形態における、同時停止操作時のリール停止制御処理例を示し、図20の例のS114〜S119に相当する処理である。
【0224】
S191では操作順序を決定する。S114と同様の処理である。S192では、RAM308に記憶されたリール情報の停止対象リールの図柄位置を参照する。S115と同様の処理であって、S191で決定した操作順序に従う未停止リールである。
【0225】
S193では、S192で参照した図柄位置とS6で設定した停止データとに基づき、リール停止データを準備する。既に停止済み又は停止処理中のリールがある場合はその停止図柄位置に基づきリール停止データを選択して準備する。そして、停止対象リールの、停止後の停止図柄位置を決定する。S194ではS193で決定した停止図柄位置で停止するよう、指示を行う。指示の対象は、別ループの割込み処理でリールの停止処理を行う場合は、割込み処理に指示内容を渡し、モータの制御回路に行わせる場合はモータの制御回路に指示内容をセットして実行させる。
【0226】
S195では停止対象リールについてリール情報を更新(回転中→停止中)する。S196では、停止対象リールを停止したことを示す停止コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う(停止コマンドはS26で送信される)。その後、S192に戻り、移降、同時停止操作がなされたリールのうち、未処理のリールがなくなるまで、同様の処理を実行する。
【0227】
このように処理することで、先に停止することが予定されているリールの停止完了を待たずに、次に停止することが予定されているリールの停止処理に移ることができる。この結果、例えば、左リール→中リールの順に停止操作順序が決定された場合、左リールの滑り駒数が多いと中リールが先に停止を完了する場合がある。
【0228】
図28はその一例を示す。同図の例では、第1及び第2停止操作がストップボタン137、138に対して同時に行われている(最上段の図)。そして、操作順序の決定は、左リールに対応するストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、中リールに対応するストップボタン138に対する第2停止操作とした場合を想定している。
【0229】
このため、まず、左リール110が停止中になる(2段目の図)。但し、左リール110は滑り駒数が多く、中リール111がほとんど滑らずに停止した結果、左リール110の停止が完了する前に、中リール111の停止が完了し(3段目の図)、その後、左リール110の停止も完了する(最下段の図)。
【0230】
このように、見た目、操作順序の決定と異なる停止順序となるが、操作順序の決定自体は、S191の決定通りに取り扱われる。したがって、操作条件の充足判定はS191の決定が基準となる。
【0231】
<第3実施形態>
図柄配置上、停止操作順序によって役入賞の優劣がつく構成において、同時停止操作がなされた場合、有利度が最も低い操作順序、つまり、非入賞となり易い操作順序ではなく、入賞し易い操作順序を決定するようにしてもよい。図29は本実施形態における図柄配列を示す図である。図4の例と異なるのは、左リール110の番号18がチェリー図柄になっている点である。
【0232】
図30は本実施形態における入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。同図の例では、第1実施形態と異なり、再遊技役は1種類、小役は小役1’、小役2、小役3’の3種類となっている。遊技状態としては、RT0、RT3、RT4を想定し、RT1及びRT2は想定していないが、無論、RT1、RT2を含めてもよい。
【0233】
さて、本実施形態の場合、全リール110〜112における特定の入賞役(ここでは、小役3’)の図柄(ここではベル図柄)が、引き込み可能な範囲で複数配置されている(5駒以内)。また、特定のリール(ここでは左リール110)では、その図柄(ベル図柄)に隣接して、他のリールの図柄を問わない入賞役の(ここでは小役1’)の図柄(ここではチェリー図柄)が配置されている(番号18、番号19)。
【0234】
小役3’に内部当選した場合であって、第1停止操作が左リール110に対して行われた場合、ベル図柄の引き込み確率は100%となるが、その際、小役1’には内部当選していないので、番号18のチェリー図柄が表示されないように制御される。第2停止操作、第3停止操作はどのようなタイミングで行ってもベル図柄が揃う。よって、第1停止操作が、左リール110に対して行われた場合は100%小役3’に入賞することになる。
【0235】
図31(a)はその説明図である。同図の例では、第1停止操作が左リール110に対して行われ(2段目)、このとき、チェリー図柄が表示されないように停止制御される。第2停止操作が中リール111に対して行われ(3段目)、第3停止操作が右リール112に対して行われている(最下段)。いずれもベル図柄が引き込まれてベル図柄の組み合わせが揃って表示されている。
【0236】
次に、小役3’に内部当選した場合であって、第3停止操作が左リール110に対して行われた場合、停止操作のタイミング次第では、ベル図柄を引き込めない場合がある。
【0237】
図31(b)はその説明図である。同図の例では、第1、第2停止操作が右リール110、中リール111に対して行われている(2段目)。いずれもベル図柄が引き込まれてベル図柄の組み合わせが揃って表示されている。
【0238】
第3停止操作は左リール110に対して行われ、しかも、チェリー図柄(番号18)が表示されるタイミングで停止操作がなされたとする(3段目)。この場合、番号19のベル図柄が中段に位置しているものの、チェリー図柄が表示されると誤入賞になるので、この位置で左リール110を停止できない。よって、最下行に示すように1駒進めて左リール110を停止し、ベル図柄の組み合わせが揃わない状態となる。よって、第3停止操作が、左リール110に対して行われた場合は100%小役3’に入賞することにはならない。
【0239】
このような場合において、例えば、最初に、左リール110と、中リール111又は右リール112が同時に停止操作された場合、或いは、全リール110乃至112が同時に停止操作された場合、操作順序の決定は、第1停止操作を左リール110とする。こうして有利度が最も低い操作順序以外の操作順序を決定することができる。また、このように停止操作順序によって役入賞の優劣がつく小役(ここでは小役3’)の内部当選確率を小役の中で最も高い小役とすることで、遊技の興趣を更に向上することが可能となる。
【0240】
<第4実施形態>
ボーナス役に内部当選していることを遊技者に報知する手法として、いわゆるリーチ目を表示する手法がある。リーチ目はボーナス役の内部当選中であることを示す図柄の組み合わせである。
【0241】
図32(a)乃至(c)はリーチ目の一例を示す。図32(a)の例は、全リール110〜112の図柄組み合わせによるリーチ目であって、いずれの入賞ラインにも図柄が揃っていない例を示している。
【0242】
図32(b)の例は、全リール110〜112の図柄組み合わせによるリーチ目であって、一つの入賞ラインに図柄が揃っているが役を構成しない図柄(ブランク2図柄)が揃っている例を示している。
【0243】
図32(c)は、一つのリール(ここでは左リール110)の図柄組合せによるリーチ目であり、このリールが停止した時点(例えば第1停止)で、ボーナス役に内部当選していることを確定的に報知可能である。
【0244】
本実施形態では、ボーナス役である特別役1又は特別役2の内部当選中(特別役に内部当選した遊技及びRT3での遊技)に、他の役に内部当選しておらず、かつ、特別役の図柄組み合わせが成立しない場合に、停止操作のタイミング次第で、リーチ目を表示させる。その際、停止操作順序が所定の操作順序(以下、規定操作順序という。)である場合には、規定操作順序と異なる操作順序である場合よりも、高い割合でリーチ目が表示されるように、リールを停止させる制御を実行可能とする。
【0245】
高い割合とは、例えば、特別役の内部当選中(RT3)に、特別役の他の役に内部当選しておらず、かつ、特別役の図柄組み合わせが成立しない場合に表示可能な図柄組合せの全パターンのうち、リーチ目の図柄組合せのパターン数の割合が高いこと、と定義することができる。
【0246】
なお、非規定操作順序でリーチ目が表示されたとしても、それは、図柄組合わせがリーチ目と同じだけであって、本来のリーチ目ではなく、ボーナス役の内部当選を示すものではないものとして扱うことも可能である。図33は停止操作順序を考慮したリーチ目の説明図である。ここでは規定操作順序を左→中→右とした場合を想定している。
【0247】
図33(a)の例では、停止操作順序が左リール110→中リール111→右リール112であり、規定操作順序を満たしており、リーチ目が表示されている(最下段)。一方、図33(b)の例では、停止操作順序が右リール112→中リール111→左リール110であり、非規定操作順序で停止操作が行われている。最終的に、図33(a)と同じ図柄組合せが表示されているが(最下段)、これはリーチ目としては取り扱わないことも可能である。
【0248】
さて、このような構成の場合において、特別役の内部当選中に、停止操作が同時に行われた場合、これを受け付けると共に受け付けた同時停止操作から定義可能な操作順序に規定操作順序が含まれる場合は、規定操作順序で停止操作が行われたとみなし、規定操作順序に応じてリールの停止制御を行う。
【0249】
例えば、規定操作順序が左→中→右である場合に、左リール110と中リール111とに対して同時に停止操作がなされたとする。この場合は、左リール110に対して第1停止操作が、中リール111に対して第2停止操作が、それぞれなされたものとして操作順序を決定する。
【0250】
また、例えば、全リール110乃至112に対して同時に停止操作がなされたとする。この場合は、左リール110に対して第1停止操作が、中リール111に対して第2停止操作が、右リール113に対して第3停止操作が、それぞれなされたものとして操作順序を決定する。
【0251】
このようにすることで、リーチ目が出現し易くなるので、停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現することができる。
【0252】
なお、規定操作順序は複数種類あってもよい。また、同時停止操作時の操作順序の決定方法は、上記第1実施形態で述べた決定方法が適宜採用可能であり、例えば、どれを決定するかを予め定めておき、その特定の操作順序で停止操作が行われたと決定してもよく、これにより操作順序の決定を簡易に行える。また、本実施形態は上記第1乃至第3実施形態における遊技設定を行うものと組み合わせてもよいし、組み合わせなくてもよい。
【0253】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110〜112)と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止操作受付手段(例えば137〜139)と、前記停止操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段(例えばS8)と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて役の入賞を判定する入賞判定手段(例えばS9)と、を備え、前記停止操作の操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる(例えばS6、S184)遊技台において、前記停止操作受付手段により複数の前記リールに対する前記停止操作が同時に受け付けられた場合に、前記有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段(例えばS114、S191)を備えたことを特徴とする。
【0254】
この構成によれば、同時停止操作を受け付けることでスムーズな遊技進行を実現することができ、また、遊技者が最も不利になることが回避されるので、遊技の興趣が減退することを防止できる。更に、あえて同時停止操作を行う、という新たな遊技性を発揮できる。
【0255】
2.上記1の遊技台において、前記操作順序決定手段は、予め定めた特定の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする。
【0256】
この構成によれば、操作順序を予め定めておくことで、操作順序の決定を簡易に行える。
【0257】
3.上記1又は2の遊技台において、前記停止操作が所定の操作順序であった場合に、遊技者に不利なペナルティを設定するペナルティ設定手段(例えばS184)を備え、前記操作順序決定手段は、前記所定の操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする。
【0258】
この構成によれば、遊技者が最も不利になることが回避されるので、遊技の興趣が減退することを防止できる。更に、あえて同時停止操作を行う、という新たな遊技性を発揮できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンに代表される遊技台では、複数のリールに対応して停止ボタンを設け、停止ボタンに対する遊技者の停止操作に応じて対応するリールを停止している。従来、一の停止操作から次の停止操作までの間に、所定の時間(例えば、200ms)だけ、停止操作を無効とする無効期間を設けたものが提案されている。しかし、無効期間を設けると、遊技者の連続的な停止操作が妨げられ、スムーズな遊技進行を害して遊技の興趣を減退させる場合がある。
【0003】
一方、無効期間をなくすことで、よりスムーズな遊技進行を図ることが可能となるが、複数の停止ボタンが同時に操作される場合がある。このような場合、いずれの停止操作も無効としてリールを停止させないようにすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−225963号公報
【特許文献2】特許第450344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、スロットマシンに代表される遊技台では、停止操作の操作順序を設定し、設定した操作順序を充足する場合に遊技者に利益を付与したり、或いは不利益を付与するなど、操作順序に応じて遊技者の有利度が異なるものが提案されている(例えば、特許文献2)。遊技者は、基本的には、設定された操作順序を知ることができないが、特定の遊技状態においては、設定された操作順序に報知することで、遊技者が有利となる機会を付与することができる。
【0006】
複数の停止ボタンが同時に操作された場合に、特許文献1のようにいずれの停止操作も無効としてしまうと、そもそもの目的である、スムーズな遊技進行の実現を害する場合がある。加えて、操作順序が設定される遊技において、いずれの停止操作も無効となると、その後の停止操作が第1停止操作となってしまい、遊技者が意図しない操作順序となり得る。この場合に、遊技者に不利な結果がもたらされると、遊技の興趣を減退させる。
【0007】
本発明の目的は、停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現する遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止操作受付手段と、前記停止操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて役の入賞を判定する入賞判定手段と、前記停止操作の操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技台において、前記停止操作受付手段により複数の前記リールに対する前記停止操作が同時に受け付けられた場合に、前記有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現する遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図。
【図2】スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図。
【図3】制御部の回路ブロック図。
【図4】各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
【図5】入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図。
【図6】スロットマシン100の遊技状態の変遷推移図及び移行条件を示す図。
【図7】各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図。
【図8】各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、再遊技役1、2、再遊技役3、4を詳細に記載した抽選テーブルを示す図。
【図9】各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、小役3aについて詳細に記載した抽選テーブルを示す図。
【図10】操作条件が小役3aの停止表示態様に影響を与えることの概要を時系列で示した図。
【図11】主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャート。
【図12】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャート。
【図13】入力ポート状態更新処理の流れを示すフローチャート。
【図14】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャート。
【図15】(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャート、(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャート。
【図16】操作順序の決定例を示す図。
【図17】操作順序の決定例を示す図。
【図18】操作順序の決定例を示す図。
【図19】操作順序の決定例を示す図。
【図20】S8のリール停止制御処理の例を示すフローチャート。
【図21】S45の演出制御処理の例を示すフローチャート。
【図22】S132の内部当選コマンド受付時処理のフローチャート。
【図23】S142の報知用演出データの読み出し処理のフローチャート。
【図24】S143のAT設定処理のフローチャート。
【図25】S144のAT抽選処理のフローチャート。
【図26】S134の停止コマンド受付時処理のフローチャート。
【図27】第2実施形態におけるリール停止制御処理の例を示すフローチャート。
【図28】停止制御例を示す図。
【図29】第3実施形態における各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
【図30】第3実施形態における入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図。
【図31】(a)及び(b)は操作順序による停止制御例を示す図。
【図32】(a)乃至(c)はリーチ目の一例を示す図。
【図33】(a)及び(b)は操作順序を考慮したリーチ目の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図面を用いて、本発明の第1実施形態に係る遊技台(ここではスロットマシン))について詳細に説明する。
【0012】
まず、図1および図2を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図である。
【0013】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0014】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され(それぞれを図柄表示領域と呼ぶ場合がある)、合計9つの図柄が見えるようになっている。
【0015】
図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼ぶ。
【0016】
各リール110乃至112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することになる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。別の表現をすれば、各リール110乃至112は、複数種類の図柄が施され、回転駆動されるようにスロットマシン100に設けられている。
【0017】
なお、このような表示装置としてはリール以外にも演出画像表示装置157等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0018】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。主制御部300は、このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判定し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0019】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。入賞ラインとは、後述する図5で説明する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では、図2に示すように、左リール中段図柄、中リール中段図柄および右中段図柄で構成される中段ラインL1、左リール上段図柄、中リール上段図柄および右リール上段図柄で構成される上段ラインL2、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段ラインL3、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がりラインL4、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がりラインL5の5つの入賞ラインが設けられている。
【0020】
有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。それぞれ例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段ラインおよび下段ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右上りラインおよび右下がりラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。
【0021】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役)に内部当選していること、または、BB遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0022】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数投入するためのボタンである。本実施形態においては、1枚賭けベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、2枚賭けベットボタン131が押下されると2枚投入され、MAXベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。
【0023】
1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132は貯留手段に電子的に記憶されている遊技媒体を所定の投入指示操作を受け付ける操作部である。また、さらに限定すると、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132は遊技に用いるための遊技媒体を電子的に記憶する貯留手段に電子的に記憶されている遊技媒体を遊技に使用するための指示のための操作を受け付ける投入操作部である。
【0024】
なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0025】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。すなわち、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132を操作すること、および、メダル投入口141にメダルを投入することは投入操作にあたる。また、後述するが、投入操作が行われることで遊技の開始操作の受付が可能となるため、投入操作は遊技を進行するための複数種類の遊技操作の1つである。
【0026】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器である。
【0027】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作するか、再遊技役の入賞による自動投入がされたときに、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。
【0028】
なお、スタートレバー135に対する操作は遊技の開始を指示するものであり、開始操作にあたる。開始操作が行われることでリール110乃至112の回転が開始するため、開始操作は遊技を進行するための複数種類の遊技操作の1つである。また、スタートレバー135は遊技者の操作を受け付ける複数の操作部のうちの所定の操作部であり、特に、開始操作を受け付ける開始操作受付部である。換言すると、スタートレバー135は、遊技者による操作により各リール110乃至112を回転開始させる指示のための操作を受け付ける回転指示操作部である。
【0029】
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。
【0030】
より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール111を停止させることができる。
【0031】
以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、回転中の各リール110乃至112を停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を停止操作順序又は単に操作順序という。
【0032】
各ストップスイッチ137乃至139は、リール110乃至112のそれぞれに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、回転中の各リール110乃至112を個別に停止させるものであり、停止操作受付手段に相当する。換言すれば、各ストップスイッチ137乃至139は、複数のリールに一対一で対応して設けられ複数のリールの回転停止を指示するものであり、複数のストップスイッチに相当する。
【0033】
なお、再遊技役が入賞したときの第3停止操作は、この第3停止操作に基づいて再遊技役入賞の効果として後述する自動投入がなされるものであるから、再遊技役が入賞する際に第3停止操作としてストップボタン137乃至139のいずれかのストップボタンを操作することを投入操作と呼ぶ場合もある。
【0034】
各ストップボタン137乃至139の内部には発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0035】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0036】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0037】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0038】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。演出画像表示装置157は遊技に関する種々の情報を表示したり、演出画像を表示したりするものである。
【0039】
この報知の中にはストップボタン137乃至139の操作に関する報知も含まれる。すなわち、演出画像表示装置157はストップボタン137乃至139の操作に関する報知を実行する報知手段の一例に相当する。
【0040】
なお、シャッタ163によって遮蔽される表示部材は演出画像表示装置157でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、これらを報知手段としてもよい。
【0041】
なお、スピーカ272およびスピーカ277や各種ランプなども報知手段に該当する。つまり、報知手段とは、演出画像表示装置157、各種スピーカ、各種ランプなどを指す。また、後述する第1副制御部400や第2副制御部500は、これらの報知手段を制御する制御部(たとえば第1副制御部400、第2副制御部500など)である。すなわち、第1副制御部400または第2副制御部500は、報知手段を制御するものであり報知制御手段に相当する。
【0042】
なお、演出画像表示装置157を直接制御する制御部は第2副制御部500であるが、第1副制御部400は第2副制御部500に対してどのような演出画像を表示するかを指示するものであり、演出画像表示装置157を間接的に制御するものであるから、第1副制御部400が演出画像表示装置157を制御するというように表現してもよい。
【0043】
また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0044】
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、図3は制御部の回路ブロック図である。
【0045】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンドを受信し、コマンドに応じた処理を実行する副制御部(第1副制御部400、第2副制御部500)と、によって構成されている。本実施形態の場合、副制御部は、主制御部300からコマンドを受信して演出の制御に関わる処理を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0046】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0047】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0048】
また、主制御部300には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(メダル投入操作検出センサ、スタートレバー135センサ、ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダルセレクタのメダル検出センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110〜112の各インデックスセンサ等)の状態を監視している。CPU304は各センサの状態をI/O310の所定のポートから取得可能である。
【0049】
なお、スタートレバー135に対する開始操作を受け付け可能な状態で開始操作を検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0050】
なお、メダル投入操作検出センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者による開始操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者による停止操作を検出する。
【0051】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0052】
リール110〜116のインデックスセンサは、例えば、リールに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0053】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0054】
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0055】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0056】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0057】
主制御部300は第1副制御部400に対して情報を出力する(または出力可能にしている)が、第1副制御部400が主制御部300に対して情報を出力しない(または出力不可能にしている)理由(つまり一方向の通信にしている理由)は、外部装置や不正に改造された第1副制御部から主制御部300に対して不正な信号が入力されることで主制御部が行う入賞役の抽選などの処理において不正な処理が行われないようにするためである。また、別の理由としては一方向通信とすることで遊技台のプログラムを検査する検査機関の検査負担を軽減するという理由がある。本実施形態における主制御部300は第1副制御部400が行う処理の結果を入力することができないように設けられている。
【0058】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。
【0059】
基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0060】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0061】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0062】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0063】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0064】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0065】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0066】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0067】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
【0068】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM306に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0069】
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、図4は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0070】
<図柄配列>
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「セブン1」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0071】
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の役の種類について説明する。なお、図5は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
【0072】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と小役(小役1〜小役6)と、再遊技役(再遊技1〜再遊技7)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0073】
本実施形態における入賞役のうち、特別役1(BB(ビッグボーナス)1)および特別役2(BB(ビッグボーナス)2)はボーナス遊技(特別遊技)に移行する役とされ、再遊技役1〜再遊技役7は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、特別役および再遊技役が含まれる。
【0074】
また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役、再遊技役への入賞が含まれる。
【0075】
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「セブン1−セブン1−セブン1」、BB2が「セブン2−セブン2−セブン2」である。
【0076】
BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、BBに対応する図柄組み合わせ「セブン1−セブン1−セブン1」または「セブン2−セブン2−セブン2」が、揃って入賞する状態にある。
【0077】
なお、主制御部300は、この図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態をRT4遊技状態(特別遊技状態のことであり、後述する図6で詳細に説明する)に移行させる。また、本実施形態では、複数のBBフラグ(BB1およびBB2)が存在し、それぞれのフラグに対して1つの図柄組合せが表示されるようにしたが、BBフラグが成立した場合に異なる2つの図柄組合せが表示されるようにしてもよい。
【0078】
再遊技役(再遊技役1〜再遊技役7)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。再遊技役が入賞した場合、主制御部300は、前回の賭け枚数と同じ賭け枚数を自動的に投入する。
【0079】
なお、対応する図柄組合せは、再遊技役1は「リプレイ−リプレイ−リプレイ(通常リプレイ)」、再遊技役2は「リプレイ−リプレイ−ベル(準備リプレイ)」、再遊技役3は「リプレイ−リプレイ−スイカ(昇格リプレイ)」、再遊技役4は「ベル−リプレイ−リプレイ(降格リプレイ)」、再遊技役5は「セブン1−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ1)」、再遊技役6は「セブン2−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ2)」、再遊技役7は「BAR−リプレイ−リプレイ(制御リプレイ3)」である。制御リプレイ1〜3は、遊技の制御上、形式的に役として設定されており、これらに入賞することはない。
【0080】
小役(小役1〜小役6)」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、小役1が「ANYー−チェリー−ANY(チェリー)」、小役2が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役3が「ANY−ベル−ANY(ベル)」、小役4が「セブン1−スイカ−ベル(制御小役1)」、小役5が「セブン2−スイカ−ベル(制御小役2)」、小役6が「BAR−スイカ−ベル(制御小役3)」であり、対応する払出枚数は同図に示す通りである。
【0081】
また、「ANY−チェリー−ANY」の場合、有効ラインのうちの中リールの図柄が「チェリー」であればよく、左リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。小役3のANYが示す意味もチェリーと同じ意味である。
【0082】
なお、小役4、小役5、小役6については、後述する小役3の入賞ラインをストップボタン137乃至139の操作順序に応じて変化させるために用いられる制御小役であり、入賞することはない入賞役である。
【0083】
<遊技状態の種類>
次に、図6および図7を用いて、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6はスロットマシン100の遊技状態の変遷推移図及び移行条件をまとめた図を示し、図7は各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。
【0084】
図6を参照して、本実施形態では遊技状態を、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率準備状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、特別遊技状態(RT4)の5つの遊技状態に大別した。なお、通常遊技状態(RT0〜RT3)と、特別遊技状態(RT4)と、に大別するような区分けを行う場合がある。
【0085】
各遊技状態間を結ぶ矢印上に示したアルファベットは、移行条件をまとめた図と対応し、この図に記載された条件が成立した場合に矢印方向に向かって遊技状態が遷移する。たとえば、RT0からRT1に移行する条件は再遊技役2の入賞である。
【0086】
なお、、再遊技低確率状態および特別役内部当選状態は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。
【0087】
また、再遊技高確率準備状態および再遊技高確率状態は獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超え得る遊技状態であり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。また、特別遊技状態は、遊技者にとって利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、特別遊技状態は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。
【0088】
なお、本実施形態では特別遊技状態は所定の払い出し枚数を払いだした場合に終了し、その間は遊技状態の移行をないとしたが、特別役1の入賞により開始され、他の特別な遊技状態(いわゆるRB遊技状態など)を連続して繰り返し実行可能にしてもよい。また、特別遊技状態は、特別遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0089】
図7は各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示すものである。横軸はそれぞれの遊技状態を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。内部当選確率は抽選値を65536で除算した値に100を乗算した値である。たとえば、RT3においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536*100≒8%である。
【0090】
こうして各々の役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた複数の設定(例えば設定1〜設定6)が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0091】
以下、各遊技状態について詳述する。
【0092】
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態は、通常遊技状態における、再遊技の内部当選確率が最も低い遊技状態であり、初期の遊技状態でもある。再遊技低確率状態では、図7に示す横軸の「RT0」の列の抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0093】
再遊技低確率状態において内部当選する条件装置(入賞役または入賞役の組み合わせ)には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、再遊技役1、2と、小役1と、小役2と、小役3aと、がある。なお、その他の場合はハズレに当選したことになり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。すなわち、ハズレも抽選結果の1つである。
【0094】
ここで再遊技役1、2とは再遊技役1および再遊技役2が同時に当選したことを示すものである。この場合、遊技者の停止操作順序に応じてどの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。詳しくは後述する図8で詳細に説明する。
【0095】
また、小役3aについては、特定の停止操作順序で停止操作を行えば中リール中段図柄がベル図柄になるように停止制御され、3本の有効ライン上にベル図柄が揃うことから12枚が払いだされる。一方、特定の停止操作順序とは異なる停止操作順序で停止操作を行えば中リール上段図柄がベル図柄となるように停止制御され、1本の有効ライン上にベル図柄が揃うことから4枚が払いだされる。詳しくは後述する図9で詳細に説明する。
【0096】
また、図6に示すように、再遊技低確率状態において、再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合に再遊技高確率準備状態(RT1)に移行する。また、特別役1または特別役2に内部当選した場合は特別役内部当選状態(RT3)に移行し、特別役の入賞があった場合は特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0097】
<再遊技高確率準備状態(RT1)>
再遊技高確率準備状態は、再遊技低確率状態よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率準備状態では、図7に示す横軸の「RT1」の列の抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0098】
再遊技高確率準備状態において内部当選する条件装置(入賞役)には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、再遊技役3、4と、小役1と、小役2と、小役3aとがある。なお、その他の場合はハズレに当選したことになり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。再遊技役3、4については後述する図8で詳述する。
【0099】
また、図6に示すように、再遊技高確率準備状態において、再遊技役3が表示される可能性のある再遊技役に当選し、さらに再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合に再遊技高確率状態に移行する。一方、再遊技高確率準備状態(RT1)において、再遊技役4が表示される可能性のある再遊技役に当選し、さらに再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示されて入賞した場合に再遊技低確率状態(RT0)に移行する。また、特別役1または特別役2に内部当選した場合は特別役内部当選状態(RT3)に移行し、特別役の入賞があった場合は特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0100】
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態は、再遊技低確率状態よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。なお、再遊技高確率準備状態よりも再遊技役の内部当選確率が高い状態としてもよい。再遊技高確率状態では、図7に示す横軸の「RT2」の列の抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
【0101】
再遊技高確率状態において内部当選する条件装置(入賞役)には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、小役1と、小役2と、小役3aと、がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0102】
また、図6に示すように、再遊技高確率状態(RT2)において、上段ラインにベル図柄が停止表示された場合は再遊技低確率状態(RT0)に移行する。また、特別役1または特別役2に内部当選した場合は特別役内部当選状態(RT3)に移行し、特別役の入賞があった場合は特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0103】
<特別役1内部当選状態(RT3)>
RT0、RT1およびRT2にある場合に、特別役1または特別役2に内部当選すると、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
【0104】
特別役内部当選状態は、特別役1または特別役2を入賞することができる状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図7に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、再遊技役1と、小役1と、小役2と、小役3aと、がある。なお、特別役1または特別役2が常に内部当選している状態なので、特別役1および特別役2の抽選は行わない。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
【0105】
また、図6に示すように、特別役内部当選状態(RT3)において、特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合に後述する特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0106】
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態は、通常遊技状態よりも有利な遊技状態である。特別遊技状態では、図7に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別遊技状態において内部当選する入賞役には、小役3bがある。規定枚数が払いだされた場合には再遊技低確率状態に移行する。
【0107】
小役3bについては、どのような停止操作順序で操作しても中リール中段図柄がベル図柄になるように停止制御され、3本の有効ライン上にベル図柄が揃う入賞役である。すなわち、第1副制御部400は、小役3bが当選したときに、たとえば、第1停止操作を左ストップボタン137、第2停止操作を中ストップボタン138、第3停止操作を右ストップボタン139とする停止操作順序で停止操作を行った場合には、所定の停止態様(中リール中段にベル図柄を停止し、3本の有効ライン上で小役3に対応する図柄組み合わせが表示される停止態様)で各リール110乃至112を停止させるように制御する。
【0108】
そして、上記の停止操作順序と異なる停止操作順序にしたがって操作された場合にも、同様の停止態様で各リール110乃至112を停止させるように制御するものである。そして、主制御部300は、上記停止態様が停止表示された場合には、所定の利益(12枚の払出し)を付与する。
【0109】
<停止操作順序と遊技設定>
本実施形態では、所定の場合に、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行う。より具体的には、停止操作順序が、予め設定された操作条件を充足する場合に、遊技者に有利な設定を行う場合や不利な設定を行う場合がある。
【0110】
操作条件は、第1乃至第3停止操作の全てを規定してもよいし、第1停止操作のみを規定して第2及び第3停止操作は規定しない場合のように、いずれか1つの停止操作を規定してもよい。また、いずれか2つの停止操作を規定してもよい。
【0111】
本実施形態では、所定の再遊技役に内部当選した場合、小役3aに内部当選した場合、非AT遊技状態の場合、に停止操作順序に応じて遊技者の有利度が異なる遊技設定を行う。以下、はじめにAT遊技状態について説明し、各場合について順に説明する。
【0112】
<AT遊技状態>
。遊技者は、どの停止操作順序が遊技者にとって有利となる停止操作順序であるか、或いは、不利となる停止操作順序であるかについて、スロットマシン100がその停止操作順序を報知しない限り認識することができない。
【0113】
ここで、第1副制御部400および第2副制御部500は、所定の条件が成立した場合に、有利となる停止操作順序がどのような停止操作順序であるかの報知を行う。このような報知の演出を操作条件報知と呼ぶ場合がある。また、所定の開始条件が成立したタイミングで開始され、所定の終了条件が成立するまで継続する、操作条件報知が行われる報知遊技をAT遊技と呼び、このAT遊技が設定されている状態をAT遊技状態と呼び、AT遊技状態でない場合を非AT遊技状態と呼ぶ。
【0114】
AT遊技状態は、非AT遊技状態よりも遊技者にとって有利であり、かつ複数回の遊技にわたり継続可能な遊技状態である。本実施形態では、RT1〜RT3が設定されている場合において、小役1又は小役2に内部当選すると、AT遊技状態が設定され得る。
【0115】
AT遊技状態と非AT遊技状態があることで出玉の波を創出できるという意味がある。例えば、第1副制御部400は、非AT遊技状態である場合、RT0であれば再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止操作する停止操作順序の報知を行わない。RT1であれば再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行わず、かつ、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示しない停止操作順序の報知を行わない。RT2であれば、小役3aが内部当選した場合に中リール中段図柄にベル図柄に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行わない。
【0116】
AT遊技状態となった場合には、RT0であれば再遊技役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行い、RT1であれば再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示する停止操作順序の報知を行い、かつ、再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示しない停止操作順序の報知を行う。RT2であれば小役3aが内部当選した場合に中リール中段図柄にベル図柄が停止表示する停止操作順序の報知を行う。
【0117】
これらのことから有利な状態と不利な状態の差を大きくし、出玉の波を創出することができるように設けられている。さらに、AT遊技状態と非AT遊技状態の切り換えは第1副制御部400が行うため、主制御部300が行う抽選プログラムの範囲内で様々な出玉管理を行うことができるというメリットがある。なお、AT遊技状態の場合は非AT遊技状態と比べて操作条件報知を行う確率が高いようにしてもよいし、AT遊技状態の場合は、操作条件報知を常に行うようにしてもよい。
【0118】
<再遊技役と停止操作順序>
図8を用いて、同時に内部当選する再遊技役について詳細に説明する。図8は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、図7の再遊技役1、2、再遊技役3、4を詳細に記載した抽選テーブルを示す図である。再遊技役1、2から詳細に説明する。
【0119】
再遊技役1、2は、より詳細には、再遊技役1、2、5、再遊技役1、2、6、再遊技役1、2、7、再遊技役1、2、5、6、再遊技役1、2、5、7、再遊技役1、2、5、6、7の6種類の同時当選役に細分化される。そして、それぞれの抽選値は一定であり、図の「備考」に示すように再遊技役2を表示する停止操作順序がそれぞれ異なるように操作条件が設定されている。
【0120】
たとえば、再遊技役1、2、5は停止操作順序として「左、中、右」(第1停止操作を左ストップボタン137、第2停止操作を中ストップボタン138、第3停止操作を右ストップボタン139とすること。以下、同様に記載する)とした場合に再遊技役2に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示し、それ以外の場合は再遊技役1に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示するようにしている。
【0121】
停止操作順序が再遊技2入賞の操作条件を満たす場合は、RT0からRT1へ移行できる点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、RT0からRT1へ移行できない点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0122】
このように、再遊技役2を表示する停止操作順序を「左、中、右」、「左、右、中」、「中、左、右」「中、右、左」、「右、左、中」、「右、中、左」の6択にすることで、AT遊技状態である場合は再遊技役2に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示する停止操作順序を報知し、RT0からRT1に変更させるような停止操作を遊技者に促すことができる。
【0123】
次に、再遊技役3、4について詳細に説明する。再遊技役3、4も、再遊技役1、2と同様に、6種類の入賞役に細分化される。そして、それぞれの抽選値は一定であり、図の「備考」に示すように再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止を表示する停止操作順序がそれぞれ異なるように設けられている。
【0124】
停止操作順序が再遊技3入賞の操作条件を満たす場合は、RT1からRT2へ移行できる点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、RT1からRT2へ移行できないだけでなく、RT1からRT0へ移行する点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0125】
このように、再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示する停止操作順序を6択にすることで、AT遊技状態である場合は再遊技役3に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示する停止操作順序を報知し、遊技状態をRT1からRT2に変更させるような停止操作を遊技者に促すことができる。
【0126】
一方、上記の場合以外は再遊技役4に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に停止表示するが、AT遊技状態でないにも関わらずRT1である場合には、再遊技役4の表示を避ける報知を行わないことで、遊技状態を遊技者がAT遊技状態ではないにもかかわらずRT1を維持することを困難にすることができる。
【0127】
<小役3aと非AT遊技状態での停止操作順序>
次に、図9および図10を用いて、小役3aについて詳細に説明する。図9は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルのうち、小役3aについて詳細に記載した抽選テーブルを示す図である。図11は、操作条件が小役3aの停止表示態様に影響を与えることの概要を時系列で示した図である。
【0128】
小役3aは、より詳細には、小役3、4、小役3、5、小役3、6、小役3、4、5、小役3、4、6、の5種類の同時当選役に細分化される。そして、それぞれの抽選値は図10に示す通りであり、図の「備考」に示すように中リール中段図柄にベル図柄を表示する停止操作順序がそれぞれ異なるように設けられている。
【0129】
たとえば、小役3、4は「左、中、右」という停止操作順序で停止操作をした場合に中リール中段にベル図柄を表示し、それ以外の場合は中リール上段にベル図柄を表示するようにしてる。
【0130】
停止操作順序が中リール上段にベル図柄を表示させる操作条件を満たす場合は、払出枚数の点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、払出枚数の点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0131】
このように、中リール中段にベル図柄を表示する停止操作順序を「左、中、右」、「左、右、中」、「中、左、右または中、右、左」、「右、左、中」、「右、中、左」5択にすることで、後述するAT状態である場合は中リール中段にベル図柄を表示する停止操作順序を報知し、報知をしなかった場合よりもより多くの利益を遊技者に付与することができる。
【0132】
また、小役3、4及び小役3、5の場合と、それ以外の小役3、6、小役3、4、5、小役3、4、6の場合と、では内部当選確率が異なっている。この結果、正解の操作順序が偏りを持つことになる。
【0133】
本実施形態の場合、操作順序の報知を行わない非AT遊技状態では、第1停止が左リール以外ではペナルティを設定する。ペナルティは、本実施形態では、操作順序の報知を行う期間の設定を行わない期間である(以下、ペナルティ期間という)。つまり、小役1又は小役2に内部当選しても、AT遊技状態が設定され得ない。なお、本実施形態ではペナルティの内容をこのようにしたが、遊技者に不利なものであればどのような内容であってもよい。
【0134】
停止操作順序が、第1停止操作が左リールであるという操作条件を満たす場合は、ペナルティ期間が設定されない点で相対的に遊技者に有利となり、停止操作順序が操作条件を満たさない場合は、ペナルティ期間が設定される点で相対的に遊技者に不利であることから、停止操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うことになる。
【0135】
操作順序の報知を行うAT遊技状態では第1停止が左リール以外も許容するとともに、正解の操作順序を報知するようにする。こうして、操作順序の報知を行う期間と行わない期間における遊技者の獲得できる遊技媒体の期待量の差を大きくし、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0136】
具体的に、図10を用いて小役3、4または小役3、4、6が内部当選した場合を例にとり説明すると次のようになる。
【0137】
まず、小役3、4が内部当選した場合、小役3、4は「左、中、右」の停止操作順序で停止操作をした場合に、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示されるものであるから、「左、中、右」の停止操作順序で停止操作した場合は、図10(a)に示すように、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0138】
一方、「左、中、右」の停止操作順序で停止操作をしなかった場合は、図10(b)に示すように、中リール上段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0139】
次に、小役3、4、6が内部当選した場合、小役3、4、6は「右、中、左」の停止操作順序で停止操作をした場合に、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示されるものであるから、「右、中、左」の停止操作順序で停止操作した場合は、図10(c)に示すように、中リール中段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0140】
一方、「右、中、左」の停止操作順序で停止操作をしなかった場合は、図11(b)に示すように、中リール上段図柄がベル図柄として停止表示される。
【0141】
<主制御部の処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図11は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
【0142】
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、S1において各種の初期化処理が実行される。S2では、メダル投入・スタート操作に関する処理を行う。主制御部300はまず、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132による電子的なメダル投入操作、または、投入口141からの直接的なメダル投入操作があったか否かをセンサ回路320による検出によって判定し、投入操作があった場合は、受け付けたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。
【0143】
また、主制御部300は、賭け枚数が3枚になったことに伴ってスタートレバー135の操作がされたか否かをセンサ回路320による検出する状態に遊技を進行し、スタートレバー135の操作がなされたと判定した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、S3に進む。
【0144】
S3では、有効となる入賞ラインを確定する。S4では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、入賞役の内部抽選処理を行う。ここでは役の内部当選の当否を抽選する内部抽選を少なくとも行う。また、演出に関わる抽選(例えば、複数種類の中から演出内容を選択する抽選)を行ってもよい。
【0145】
役の内部抽選は、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの役に内部当選した場合、その役の内部当選フラグをONにする。
【0146】
S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。停止操作順序が問われる役のリール停止データについては、その操作条件も設定されており、これらに対応するリール停止データが選択されると、その操作条件も設定されたことになる。こうして特定の役に内部当選した場合に操作条件が設定されることになる。操作条件に反する停止操作がなされた場合は、対応図柄組み合わせが表示されないように制御されることになる。
【0147】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させるリール制御を行う。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止データに基づいて停止させる。
【0148】
つまり、リールの停止制御は、S5の役の内部抽選の結果と、停止操作のタイミングとに基づいたものとなる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した役がある場合は、その役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0149】
また、S7では第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作を受け付けるごとに、どのストップボタンが操作されたかに関する情報およびどのタイミングでストップボタンが操作されたかに関する情報を含むコマンドを送信する準備を行う。準備されたこれらのコマンドは後述する図12の主制御部タイマ割込処理のS266にて第1副制御部400に送信される。
【0150】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの役に対応する図柄組合せが表示された場合にその役に入賞したと判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0151】
S10では払い出しのある何らかの役に入賞していれば、その役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、特別役1が入賞した場合には次回の遊技から特別遊技状態を開始できるよう準備し、特別遊技状態において特定枚数以上の払出枚数を払い出した場合には、次回から再遊技低確率遊技状態が開始できるよう準備する。
【0152】
こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0153】
次に図12を用いて、主制御部300のCPU304にて実行されるタイマ割込処理について説明する。なお、図12は主制御部300が行うタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0154】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0155】
S21では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。S22ではWDT(ウォッチドッグタイマ)のリスタートを行う。
【0156】
S23では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、センサ回路320に接続された複数のセンサの検出結果をI/0310の入力ポートを介して監視し、監視結果をRAM308に各センサごとに区画して設けた信号状態記憶領域を記憶する。
【0157】
図13はS23の入力ポート状態更新処理の流れを示すフローチャートであり、特に、停止操作の検出に関する処理を中心に処理内容を説明した図である。S31ではI/0310の入力ポートのうち、ストップボタンセンサの検出結果が入力される入力ポートのデータを参照して全ストップボタン137〜139に対する停止操作の有無を検出する。
【0158】
S32では、信号状態記憶領域に記憶された、各ストップボタン137〜139に対する停止操作状態の情報を更新する。この情報は、遊技開始時には全て停止操作無しにリセットされ、停止操作が確認されると停止操作有りに更新される。この情報により、新たに停止操作されたストップボタン(リール)の特定や複数の停止操作が同時に行われたか否かを判断できる。
【0159】
S33では、停止操作が検出された、対応リール110〜112の図柄位置(リールの停止位置)を取得し、RAM308の所定の領域に記憶されるリール情報の一部として記憶する。リール情報にはこのほかに、各リールが回転中か停止中(停止制御中も含む)かの情報も含む。S34ではストップボタンセンサ以外の各センサについて、その検出結果の監視及び情報の更新を行う。以上により一単位の処理が終了する。
【0160】
図12に戻り、S24では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサからの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
【0161】
S25では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。S26では、コマンド設定送信処理を行い、設定された各種のコマンドが副制御部400に送信される。副制御部400では、受信したコマンドにより、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になる。S27では、外部信号設定処理を行う。ここでは、情報出力回路334から外部装置の情報入力回路652に対して所定の情報(たとえば遊技状態に関する情報など)を送信する。
【0162】
S28では、デバイス監視処理を行う。ここでは、メダルセレクタ170などの各種デバイスのエラー状態などを監視する。S29では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはS31に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはS30に進む。
【0163】
S30では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、S31で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。一方、S31では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
【0164】
<第1副制御部の処理>
図14を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図14は第1副制御部400が実行する処理のフローチャートであって、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0165】
第1副制御部400のメイン処理は第1副制御部400にリセット信号の入力があった場合に実行される。まず、同図(a)のS41では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS41で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0166】
S42では、第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域であるタイマ変数記憶領域に記憶されたタイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S43の処理に移行する。S43では、タイマ変数に0を代入する。
【0167】
S44では、第1副制御部コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別し、コマンドを受信した場合には、受信したコマンドに応じた所定の処理を行う。S45では、演出制御処理を行う。ここでは、S44にて実行された処理に基づいて演出データの設定など、演出制御に関する処理を行う。
【0168】
S46では、S45で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。S47では、S45で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。S48では、S45で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S42へ戻る。以上により一単位のメイン処理が終了する。
【0169】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
【0170】
S51では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。以上により一単位のコマンド受信割込処理が終了する。
【0171】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0172】
S61では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるS42において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、同図(a)のS32において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0173】
S62では、各種更新処理を行う。たとえば、第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値等の各種乱数の更新処理等を行う。以上により一単位のタイマ割込処理が終了する。
【0174】
<第2副制御部の処理>
次に図15を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。図15は第2副制御部500の処理のフローチャートである。同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0175】
まず、同図(a)のS71では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS1501で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0176】
S72では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S73の処理に移行する。
【0177】
S73では、タイマ変数に0を代入する。S74では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。S75では、演出制御処理を行う。例えば、S74で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0178】
S76では、S74で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。S77では、S74で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、S7へ戻る。たとえば、第1副制御部400から操作条件報知に関する画像制御命令(画像表示コマンド)があった場合には、この制御命令に基づいて画像による示唆報知または操作条件報知を実行する。以上により一単位のメイン処理が終了する。
【0179】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のS81では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。以上により一単位のコマンド受信割込処理が終了する。
【0180】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。S91では同図(a)のS72で参照されるタイマ変数をインクリメントする。S102では各種の更新処理を行う。以上により、一単位のタイマ割込み処理が終了する。
【0181】
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるS77の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0182】
S101では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0183】
S102では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はS103に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。S103では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、S101でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに記憶された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0184】
S104では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。S105では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はS106に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。S106では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して一単位の画像制御処理を終了する。
【0185】
<同時停止操作>
本実施形態では、第1乃至第3停止操作間に、操作を無効とする時間帯(無効期間)を設定せず、遊技者が第1乃至第3停止操作を素早く連続的に行うことを許容する。これにより、スムーズな遊技進行を実現することができる。
【0186】
この場合、遊技者の停止操作態様によっては、複数のリールに対する停止操作が同時に検出される場合がある。例えば、ストップボタン137とストップボタン138に対する操作が、制御上、同時に検出された場合である。本実施形態では、このような同時停止操作が検出された場合、これを受け付けることとした。これにより、更にスムーズな遊技進行を実現することができる。
【0187】
一方、本実施形態では、停止操作順序が遊技者の有利が異なる遊技設定に影響する場合があり、遊技設定のために一の停止操作順序を決定する必要がある。この点、本実施形態では、同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序のうち、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で停止操作が行われたとみなすこととし、この決定した操作順序に応じて遊技設定を行う。これにより、遊技者が最も不利な遊技設定が回避されるので、遊技の興趣が減退することを防止できる。
【0188】
同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序とは、例えば、ストップボタン137乃至139のうちの2つが同時に操作された場合、定義可能な操作順序は最大2通りとなる。また、3つが同時に操作された場合、定義可能な操作順序は最大6通りとなる。
【0189】
有利度が最も低い操作順序以外の操作順序としては、例えば、定義可能な操作順序が2通りの場合、相対的に遊技者に有利となる遊技設定が行われる操作順序である。上述したペナルティ期間の設定で言えば、例えば、非AT遊技状態において、第1停止操作と第2停止操作が同時になされ、左リール、中リールの対応ストップボタン137、138が同時に操作された場合は、左リールに対応するストップボタン137に対する操作を第1停止操作とする。
【0190】
図16はその説明図であり、第1及び第2停止操作がストップボタン137、138に対して同時に行われた例を示す。この場合、同図の左側の列に示す通り、左リールに対応するストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、中リールに対応するストップボタン138に対する第2停止操作とする。
【0191】
また、定義可能な操作順序が6通りの場合であって、そのうちの1つが最も遊技者に不利となる遊技設定が行われ、そのうちの1つが最も遊技者に有利となる遊技設定が行われ、残り4つがこれらの中間の遊技設定が行われる場合、後者の5つのうちのいずれかの操作順序である。
【0192】
このように、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序が複数ある場合は、抽選によりいずれか1つを決定してもよいし、遊技者に最も有利なものを決定してもよい。更に、操作順序と遊技者の有利度との組み合わせは有限であり、同時に停止操作されるパターンも有限であることから、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序が複数ある場合は、どれを決定するかを予め定めておき、その特定の操作順序としてもよい。予め定めておくことで、操作順序の決定を簡易に行える。
【0193】
操作順序を予め定めておく方法としては、同時に停止操作されるパターンと、特定の操作順序との関係をテーブル化したテーブルデータを記憶しておく方法が挙げられる。また、他の方法として、制御部が実行するプログラムにおける処理分岐による方法もある。例えば、同時に停止操作されるパターンとして、A、Bの2通りを想定され、対応する特定の操作順序がA1、B1であり、操作順序がA1に決定された場合の処理をA2、B1に決定された場合の処理がB2であるとする。この場合、プログラム上、パターンAが確認された場合は処理A2を行い、パターンBが確認された場合は処理B2を行うように処理を分岐することで、上記のようなテーブルデータを用意することなく、プログラムの内容のみで操作順序の決定が行えることになる。
【0194】
次に、同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序の全てが、互いに遊技設定の有利度の優劣がつかない場合も、同様に、抽選か予め定めた操作順序とすることができる。図17はその説明図であり、上述したペナルティ期間の設定の例を想定している。同図の例では、第1及び第2停止操作がストップボタン138、139に対して同時に行われた例を示す。この場合、いずれを第1停止操作としても、ペナルティ期間が設定され、優劣がつかない。よって、どちらを第1停止操作としてもよいが、同図の左側の列に示す通り、中リールに対応するストップボタン138に対する操作を第1停止操作とし、右リールに対応するストップボタン139に対する第2停止操作としている。
【0195】
また、既に行われた停止操作によって遊技者の有利度が確定しており、同時に受け付けられた停止操作から定義可能な操作順序の全てが、互いに遊技者の有利度の優劣がつかない場合も、同様に、抽選か予め定めた操作順序とすることができる。図18はその説明図であり、上述したペナルティ期間の設定の例を想定している。同図の例では、第1停止操作がストップボタン137に対して行われて左リールが停止した後、第2及び第3停止操作がストップボタン138、139に対して同時に行われた例を示す。この場合、いずれを第2停止操作としても、ペナルティ期間が設定され、優劣がつかない。よって、どちらを第2停止操作としてもよいが、同図の左側の列に示す通り、中リールに対応するストップボタン138に対する操作を第1停止操作とし、右リールに対応するストップボタン139に対する第2停止操作としている。
【0196】
図19の例は、上述したペナルティ期間の設定の例を想定しており、第1乃至第3停止操作が同時に行われた例を示す。この場合、左リール110に対する停止操作が第1停止操作となる場合以外は、一様に遊技者に不利な遊技設定(ペナルティ期間)がなされる。したがって、第1停止操作は同図の左側の列に示す通り、左リールに対応するストップボタン137に対する操作となる。第2及び第3停止操作は、中リール、右リールのどちらでもよく、同図の例では、中リール→右リールの順としている。
【0197】
上述した操作順序の決定は、特定の遊技設定についてのみ、行ってもよい。例えば、本実施形態では、上記のとおり、所定の再遊技役に内部当選した場合、小役3aに内部当選した場合、非AT遊技状態の場合(ペナルティ期間の設定)、に停止操作順序に応じて遊技者の有利度が異なる遊技設定を行うが、このうち、非AT遊技状態の場合(ペナルティ期間の設定)についてのみ、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で停止操作が行われたとみなす一方、、所定の再遊技役に内部当選した場合、小役3aに内部当選した場合については、抽選とするか、予め定めた操作順序とするようにしてもよい。
【0198】
<リール停止制御例>
同時停止操作がなされた場合に操作順序を決定する処理を含めたS8のリール停止制御処理の例について図20を参照して説明する。図20はそのフローチャートである。S111では、停止操作が許容される状態か否かを判定する。例えば、リール110〜112の回転開始後、定速に至った場合に停止操作を許容する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合は待ちとなる。
【0199】
S112では図13のS32で更新される停止操作状態の情報を取得し、新たな停止操作があったか否かを判定する。該当する場合はS113へ進み、該当しない場合は待ちとなる。S113では更に、停止操作状態の情報から同時停止操作がなされたか否かを判定する。該当する場合はS114へ進み、該当しない場合はS115へ進む。
【0200】
S114では操作順序を決定する。決定方法は上記のとおりであり、有利度が最も低い操作順序以外の操作順序を決定する。なお、停止操作順序が遊技者の有利度に関わらない、通常の停止操作の場合、抽選で操作順序を決定するか、予め定めた操作順序(例えば、左、中、右の順に優劣をつける。)とする。こうすることで、同時停止操作をどのような場合でも受け付けることができる。
【0201】
S115では、RAM308に記憶されたリール情報の停止対象リールの図柄位置を参照する。停止対象リールは、同時停止操作でない場合は停止操作の対象リール、同時停止操作の場合は、S114で決定した操作順序に従う未停止リールである。S116ではS115で参照した図柄位置とS6で設定した停止データとに基づき、停止対象リールを停止する。S117では停止対象リールについてリール情報を更新(回転中→停止中)する。
【0202】
S118では、停止対象リールを停止したことを示す停止コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う(停止コマンドはS26で送信される)。S119では、同時操作がなされて操作順序が決定されたリールのうち、未停止のリールがあるか否かを判定する。該当する場合、未停止のリールを停止対象リールとしてS115へ戻る。該当しない場合はS120へ進む。
【0203】
S120では全リールを停止したか否かを判定する。該当する場合は一単位の処理を終了し、該当しない場合はS112へ戻って未停止のリールに対する停止操作を待って同様の処理を繰り返す。
【0204】
<演出制御処理>
次に、停止操作に関わる演出について第1副制御部400が実行する処理について説明する。図21はS45の演出制御処理の例を示すフローチャートである。
【0205】
S131では、S44のコマンド処理の対象コマンドが内部当選コマンドか否かを判定する。該当する場合はS132へ進み、該当しない場合はS133へ進む。S132では内部当選コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。
【0206】
S133ではS44のコマンド処理の対象コマンドが停止コマンドか否かを判定する。該当する場合はS134へ進み、該当しない場合はS135へ進む。S134では停止コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。S135ではその他の処理を行う。以上により一単位の演出制御処理が終了する。
【0207】
<内部当選コマンド受付時処理>
図22はS132の内部当選コマンド受付時処理のフローチャートである。S141では、RAM408の所定のエリアに設定したATフラグを参照して、現在の遊技がAT遊技状態の遊技か否かを判定する。該当する場合はS142へ進み、該当しない場合はS143へ進む。S142では報知用演出データの読み出し処理を行う。詳細は後述する。S143ではAT設定処理を行う。詳細は後述する。S144ではAT抽選処理を行う。詳細は後述する。
【0208】
<報知用演出データの読み出し処理>
図23はS142の報知用演出データの読み出し処理のフローチャートである。S151では再遊技役1、2に内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS152へ進み、該当しない場合はS153へ進む。
【0209】
S152では再遊技役2を表示させる(入賞させる)操作順序を報知する演出データを読み出し、一単位の処理を終了する。この演出データはS46乃至S48の処理でセットされて報知演出がなされることになる。この報知通りに停止操作を行うことで、遊技者は再遊技役2の入賞を得られる。
【0210】
S153では再遊技役3、4に内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS154へ進み、該当しない場合はS155へ進む。S154では再遊技役3を表示させる(入賞させる)操作順序を報知する演出データを読み出し、一単位の処理を終了する。この演出データはS46乃至S48の処理でセットされて報知演出がなされることになる。この報知通りに停止操作を行うことで、遊技者は再遊技役3の入賞を得られる。
【0211】
S155では小役3aに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS156へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S1546は中リール中段にベル図柄を表示させる操作順序を報知する演出データを読み出し、一単位の処理を終了する。この演出データはS46乃至S48の処理でセットされて報知演出がなされることになる。この報知通りに停止操作を行うことで、遊技者は中リール中段にベル図柄を停止させ、小役3aの入賞を得られる。
【0212】
<AT設定処理>
図24はS143のAT設定処理のフローチャートである。S161では残AT回数があるか否かを判定する。残AT回数は、遊技者が遊技可能なAT遊技の回数である。残AT回数がある場合はS162へ進み、無い場合は一単位の処理を終了する。S162では、ペナルティゲーム数(自然数)が1以上設定されているか否かを判定する。該当する場合はATフラグをOFF(非AT遊技状態を示す)にして一単位の処理を終了する。この処理により、残AT回数があっても、ペナルティ期間にはAT遊技状態にはならないことになる。該当しない場合はS163へ進み、ATフラグをON(AT遊技状態を示す)にする。また、残AT回数を一つ減算する。以上により一単位の処理を終了する。
【0213】
<AT抽選処理>
図25はS144のAT抽選処理のフローチャートである。S171ではペナルティゲーム数が1以上設定されているか否かを判定する。該当する場合はS175へ進み、該当しない場合は、ペナルティ期間ではないのでAT遊技状態の設定に関わるS172へ進む。
【0214】
S172では小役1又は小役2に内部当選したか否かを判定する。該当する場合は、AT遊技状態を新規に或いは継続的に設定すべく、S173へ進む。該当しない場合は一単位の処理を終了する。S173ではAT遊技状態の遊技回数(AT回数)を設定する。ここでは抽選で設定するが、予め定めた回数であってもよい。また、0回に当選する場合を抽選に含め、0回に当選した場合は事実上、AT遊技状態が設定されない構成としてもよい。
【0215】
S174では残AT回数にS173で当選したAT回数を加算することにより、残AT回数を更新する。
【0216】
S175ではペナルティゲーム数を一つ減算する。以上により一単位の処理が終了する。本実施形態では、ペナルティ期間はAT回数の抽選を行わないように構成したが、例えば、ペナルティ期間はAT回数の当選確率が低い、或いは、当選するAT回数が少ない、といった構成も採用可能である。
【0217】
<停止コマンド受付時処理>
図26はS134の停止コマンド受付時処理のフローチャートである。S181では、今回の停止コマンドが第1停止操作の停止コマンドか否かを判定する。該当する場合はS182へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S182では停止コマンドにも度付き、第1停止操作が左リール110に対応するストップボタン137に対する操作か否かを判定する。該当する場合は一単位の処理を終了し、該当しない場合はS183へ進む。
【0218】
S183ではATフラグを参照して現在の遊技状態がAT遊技状態か否かを判定する。該当する場合は一単位の処理を終了し、該当しない場合(非AT遊技状態)の場合はS184へ進む。
【0219】
S184ではペナルティゲーム数を更新する。ここでは、追加ペナルティゲーム数を抽選又は予め定めた回数により決定し、現在のペナルティゲーム数に加算することで、その更新を行う。つまり、非AT遊技状態で、第1停止が左リール以外であるのでペナルティ期間を設定したことになる。以上により一単位の処理を終了する。
【0220】
<第2実施形態>
上記第1実施形態における第2、第3停止操作におけるリール停止データの選択方法としては、S6でリール停止データのグループを選択し、S8(図20)で先に停止したリールの図柄位置に基づいて次のリールの最終的なリール停止データを選択する方法が挙げられる。
【0221】
しかし、この方法では、同時停止操作がなされた場合に、先に停止すべきリールが停止しないと、次に停止すべきリールのリール停止データを最終決定できず、リールの停止が遅くなるおそれがある。
【0222】
一方、同時停止操作がなされた場合であっても操作順序が決定されると、先に停止すべきリールが停止するか否かを問わず、停止時のリールの図柄位置を確定できる。そこで、先に停止すべきリールが停止するか否かを問わず、停止時のリールの図柄位置を確定して次に停止すべきリールのリール停止データを最終決定すると共に、でCPU304はリールの停止処理(S116)を別ループの割込み処理か、モータの制御回路に行わせる。これにより、リールの停止を早めることができる。特に、同時停止操作がなされた場合に操作順序を予め定めた特定の操作順序で停止操作が行われた構成とした場合には、操作順序の決定を簡易に行えるだけでなく、CPU304の処理負担を軽減することができる。
【0223】
図27は本実施形態における、同時停止操作時のリール停止制御処理例を示し、図20の例のS114〜S119に相当する処理である。
【0224】
S191では操作順序を決定する。S114と同様の処理である。S192では、RAM308に記憶されたリール情報の停止対象リールの図柄位置を参照する。S115と同様の処理であって、S191で決定した操作順序に従う未停止リールである。
【0225】
S193では、S192で参照した図柄位置とS6で設定した停止データとに基づき、リール停止データを準備する。既に停止済み又は停止処理中のリールがある場合はその停止図柄位置に基づきリール停止データを選択して準備する。そして、停止対象リールの、停止後の停止図柄位置を決定する。S194ではS193で決定した停止図柄位置で停止するよう、指示を行う。指示の対象は、別ループの割込み処理でリールの停止処理を行う場合は、割込み処理に指示内容を渡し、モータの制御回路に行わせる場合はモータの制御回路に指示内容をセットして実行させる。
【0226】
S195では停止対象リールについてリール情報を更新(回転中→停止中)する。S196では、停止対象リールを停止したことを示す停止コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う(停止コマンドはS26で送信される)。その後、S192に戻り、移降、同時停止操作がなされたリールのうち、未処理のリールがなくなるまで、同様の処理を実行する。
【0227】
このように処理することで、先に停止することが予定されているリールの停止完了を待たずに、次に停止することが予定されているリールの停止処理に移ることができる。この結果、例えば、左リール→中リールの順に停止操作順序が決定された場合、左リールの滑り駒数が多いと中リールが先に停止を完了する場合がある。
【0228】
図28はその一例を示す。同図の例では、第1及び第2停止操作がストップボタン137、138に対して同時に行われている(最上段の図)。そして、操作順序の決定は、左リールに対応するストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、中リールに対応するストップボタン138に対する第2停止操作とした場合を想定している。
【0229】
このため、まず、左リール110が停止中になる(2段目の図)。但し、左リール110は滑り駒数が多く、中リール111がほとんど滑らずに停止した結果、左リール110の停止が完了する前に、中リール111の停止が完了し(3段目の図)、その後、左リール110の停止も完了する(最下段の図)。
【0230】
このように、見た目、操作順序の決定と異なる停止順序となるが、操作順序の決定自体は、S191の決定通りに取り扱われる。したがって、操作条件の充足判定はS191の決定が基準となる。
【0231】
<第3実施形態>
図柄配置上、停止操作順序によって役入賞の優劣がつく構成において、同時停止操作がなされた場合、有利度が最も低い操作順序、つまり、非入賞となり易い操作順序ではなく、入賞し易い操作順序を決定するようにしてもよい。図29は本実施形態における図柄配列を示す図である。図4の例と異なるのは、左リール110の番号18がチェリー図柄になっている点である。
【0232】
図30は本実施形態における入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。同図の例では、第1実施形態と異なり、再遊技役は1種類、小役は小役1’、小役2、小役3’の3種類となっている。遊技状態としては、RT0、RT3、RT4を想定し、RT1及びRT2は想定していないが、無論、RT1、RT2を含めてもよい。
【0233】
さて、本実施形態の場合、全リール110〜112における特定の入賞役(ここでは、小役3’)の図柄(ここではベル図柄)が、引き込み可能な範囲で複数配置されている(5駒以内)。また、特定のリール(ここでは左リール110)では、その図柄(ベル図柄)に隣接して、他のリールの図柄を問わない入賞役の(ここでは小役1’)の図柄(ここではチェリー図柄)が配置されている(番号18、番号19)。
【0234】
小役3’に内部当選した場合であって、第1停止操作が左リール110に対して行われた場合、ベル図柄の引き込み確率は100%となるが、その際、小役1’には内部当選していないので、番号18のチェリー図柄が表示されないように制御される。第2停止操作、第3停止操作はどのようなタイミングで行ってもベル図柄が揃う。よって、第1停止操作が、左リール110に対して行われた場合は100%小役3’に入賞することになる。
【0235】
図31(a)はその説明図である。同図の例では、第1停止操作が左リール110に対して行われ(2段目)、このとき、チェリー図柄が表示されないように停止制御される。第2停止操作が中リール111に対して行われ(3段目)、第3停止操作が右リール112に対して行われている(最下段)。いずれもベル図柄が引き込まれてベル図柄の組み合わせが揃って表示されている。
【0236】
次に、小役3’に内部当選した場合であって、第3停止操作が左リール110に対して行われた場合、停止操作のタイミング次第では、ベル図柄を引き込めない場合がある。
【0237】
図31(b)はその説明図である。同図の例では、第1、第2停止操作が右リール110、中リール111に対して行われている(2段目)。いずれもベル図柄が引き込まれてベル図柄の組み合わせが揃って表示されている。
【0238】
第3停止操作は左リール110に対して行われ、しかも、チェリー図柄(番号18)が表示されるタイミングで停止操作がなされたとする(3段目)。この場合、番号19のベル図柄が中段に位置しているものの、チェリー図柄が表示されると誤入賞になるので、この位置で左リール110を停止できない。よって、最下行に示すように1駒進めて左リール110を停止し、ベル図柄の組み合わせが揃わない状態となる。よって、第3停止操作が、左リール110に対して行われた場合は100%小役3’に入賞することにはならない。
【0239】
このような場合において、例えば、最初に、左リール110と、中リール111又は右リール112が同時に停止操作された場合、或いは、全リール110乃至112が同時に停止操作された場合、操作順序の決定は、第1停止操作を左リール110とする。こうして有利度が最も低い操作順序以外の操作順序を決定することができる。また、このように停止操作順序によって役入賞の優劣がつく小役(ここでは小役3’)の内部当選確率を小役の中で最も高い小役とすることで、遊技の興趣を更に向上することが可能となる。
【0240】
<第4実施形態>
ボーナス役に内部当選していることを遊技者に報知する手法として、いわゆるリーチ目を表示する手法がある。リーチ目はボーナス役の内部当選中であることを示す図柄の組み合わせである。
【0241】
図32(a)乃至(c)はリーチ目の一例を示す。図32(a)の例は、全リール110〜112の図柄組み合わせによるリーチ目であって、いずれの入賞ラインにも図柄が揃っていない例を示している。
【0242】
図32(b)の例は、全リール110〜112の図柄組み合わせによるリーチ目であって、一つの入賞ラインに図柄が揃っているが役を構成しない図柄(ブランク2図柄)が揃っている例を示している。
【0243】
図32(c)は、一つのリール(ここでは左リール110)の図柄組合せによるリーチ目であり、このリールが停止した時点(例えば第1停止)で、ボーナス役に内部当選していることを確定的に報知可能である。
【0244】
本実施形態では、ボーナス役である特別役1又は特別役2の内部当選中(特別役に内部当選した遊技及びRT3での遊技)に、他の役に内部当選しておらず、かつ、特別役の図柄組み合わせが成立しない場合に、停止操作のタイミング次第で、リーチ目を表示させる。その際、停止操作順序が所定の操作順序(以下、規定操作順序という。)である場合には、規定操作順序と異なる操作順序である場合よりも、高い割合でリーチ目が表示されるように、リールを停止させる制御を実行可能とする。
【0245】
高い割合とは、例えば、特別役の内部当選中(RT3)に、特別役の他の役に内部当選しておらず、かつ、特別役の図柄組み合わせが成立しない場合に表示可能な図柄組合せの全パターンのうち、リーチ目の図柄組合せのパターン数の割合が高いこと、と定義することができる。
【0246】
なお、非規定操作順序でリーチ目が表示されたとしても、それは、図柄組合わせがリーチ目と同じだけであって、本来のリーチ目ではなく、ボーナス役の内部当選を示すものではないものとして扱うことも可能である。図33は停止操作順序を考慮したリーチ目の説明図である。ここでは規定操作順序を左→中→右とした場合を想定している。
【0247】
図33(a)の例では、停止操作順序が左リール110→中リール111→右リール112であり、規定操作順序を満たしており、リーチ目が表示されている(最下段)。一方、図33(b)の例では、停止操作順序が右リール112→中リール111→左リール110であり、非規定操作順序で停止操作が行われている。最終的に、図33(a)と同じ図柄組合せが表示されているが(最下段)、これはリーチ目としては取り扱わないことも可能である。
【0248】
さて、このような構成の場合において、特別役の内部当選中に、停止操作が同時に行われた場合、これを受け付けると共に受け付けた同時停止操作から定義可能な操作順序に規定操作順序が含まれる場合は、規定操作順序で停止操作が行われたとみなし、規定操作順序に応じてリールの停止制御を行う。
【0249】
例えば、規定操作順序が左→中→右である場合に、左リール110と中リール111とに対して同時に停止操作がなされたとする。この場合は、左リール110に対して第1停止操作が、中リール111に対して第2停止操作が、それぞれなされたものとして操作順序を決定する。
【0250】
また、例えば、全リール110乃至112に対して同時に停止操作がなされたとする。この場合は、左リール110に対して第1停止操作が、中リール111に対して第2停止操作が、右リール113に対して第3停止操作が、それぞれなされたものとして操作順序を決定する。
【0251】
このようにすることで、リーチ目が出現し易くなるので、停止操作が同時になされた場合であっても、遊技の興趣が減退することを防止し、スムーズな遊技進行を実現することができる。
【0252】
なお、規定操作順序は複数種類あってもよい。また、同時停止操作時の操作順序の決定方法は、上記第1実施形態で述べた決定方法が適宜採用可能であり、例えば、どれを決定するかを予め定めておき、その特定の操作順序で停止操作が行われたと決定してもよく、これにより操作順序の決定を簡易に行える。また、本実施形態は上記第1乃至第3実施形態における遊技設定を行うものと組み合わせてもよいし、組み合わせなくてもよい。
【0253】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110〜112)と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止操作受付手段(例えば137〜139)と、前記停止操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段(例えばS8)と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて役の入賞を判定する入賞判定手段(例えばS9)と、を備え、前記停止操作の操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる(例えばS6、S184)遊技台において、前記停止操作受付手段により複数の前記リールに対する前記停止操作が同時に受け付けられた場合に、前記有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段(例えばS114、S191)を備えたことを特徴とする。
【0254】
この構成によれば、同時停止操作を受け付けることでスムーズな遊技進行を実現することができ、また、遊技者が最も不利になることが回避されるので、遊技の興趣が減退することを防止できる。更に、あえて同時停止操作を行う、という新たな遊技性を発揮できる。
【0255】
2.上記1の遊技台において、前記操作順序決定手段は、予め定めた特定の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする。
【0256】
この構成によれば、操作順序を予め定めておくことで、操作順序の決定を簡易に行える。
【0257】
3.上記1又は2の遊技台において、前記停止操作が所定の操作順序であった場合に、遊技者に不利なペナルティを設定するペナルティ設定手段(例えばS184)を備え、前記操作順序決定手段は、前記所定の操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする。
【0258】
この構成によれば、遊技者が最も不利になることが回避されるので、遊技の興趣が減退することを防止できる。更に、あえて同時停止操作を行う、という新たな遊技性を発揮できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止操作受付手段と、
前記停止操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて役の入賞を判定する入賞判定手段と、
を備え、前記停止操作の操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技台において、
前記停止操作受付手段により複数の前記リールに対する前記停止操作が同時に受け付けられた場合に、前記有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記操作順序決定手段は、
予め定めた特定の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技台において、
前記停止操作が所定の操作順序であった場合に、遊技者に不利なペナルティを設定するペナルティ設定手段を備え、
前記操作順序決定手段は、
前記所定の操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする遊技台。
【請求項1】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止操作受付手段と、
前記停止操作に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて役の入賞を判定する入賞判定手段と、
を備え、前記停止操作の操作順序に応じて、遊技者の有利度が異なる遊技台において、
前記停止操作受付手段により複数の前記リールに対する前記停止操作が同時に受け付けられた場合に、前記有利度が最も低い操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなす操作順序決定手段を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記操作順序決定手段は、
予め定めた特定の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技台において、
前記停止操作が所定の操作順序であった場合に、遊技者に不利なペナルティを設定するペナルティ設定手段を備え、
前記操作順序決定手段は、
前記所定の操作順序以外の操作順序で前記停止操作が行われたとみなすことを特徴とする遊技台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図4】
【図5】
【図10】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図4】
【図5】
【図10】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2013−66568(P2013−66568A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206538(P2011−206538)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【特許番号】特許第4928010号(P4928010)
【特許公報発行日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【特許番号】特許第4928010号(P4928010)
【特許公報発行日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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