遊技情報表示装置
【課題】通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を表示し、遊技の興趣を高めることが可能な遊技情報表示装置を提供する。
【解決手段】遊技情報表示装置は、スロットマシン側から出力される各種の遊技信号に基づいて個人の遊技データを集計及び記憶しており、マイゾーンデータ画面に、遊技者により設定された特定期間(ゾーン)毎の実行されたゲーム数(ゾーンG数)、発生した大当たりの発生回数であるBB回数及びRB回数を集計及び表示するとともに、ゲーム数と大当たりの発生回数とに基づいてそれらの比率であるBB確率及びRB確率を算出及び表示する。
【解決手段】遊技情報表示装置は、スロットマシン側から出力される各種の遊技信号に基づいて個人の遊技データを集計及び記憶しており、マイゾーンデータ画面に、遊技者により設定された特定期間(ゾーン)毎の実行されたゲーム数(ゾーンG数)、発生した大当たりの発生回数であるBB回数及びRB回数を集計及び表示するとともに、ゲーム数と大当たりの発生回数とに基づいてそれらの比率であるBB確率及びRB確率を算出及び表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーナス状態の終了後に実行されたゲーム数を表示する遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ台やスロットマシンなどの遊技機は、予め定められた一定の確率で大当たり(例えばビッグボーナス、レギュラーボーナスなど)を抽選しており、通常状態においては、大当たりの当選確率が変化することはない(ただし、所謂確変状態を発生可能なパチンコ台では確変状態に限り大当たりの当選確率が向上するものもある)。
【0003】
ところで、遊技者の中には、通常状態においても特定の条件を満たすと大当たりが当選しやすくなり、また逆に当選し難くなると考えている者が少なくない。具体的には、大当たり状態が終了してから特定のゲーム数(図柄変動回数)を消化すると、大当たりが当選しやすい状態へ変化すると考える遊技者が少なからず存在しているのが実情である。そのような遊技者は、例えば特許文献1に記載されているような大当たり後の消化ゲーム数を常に考慮しながらゲームを進行するのが普通である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−232041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1のように大当たりが発生した時点における消化ゲーム数を表示するだけでは、大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者の要望に応えられず、興趣が薄れるという問題がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を表示し、遊技の興趣を高めることが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、所定の抽選条件が成立したときに大当たりか否かを決定するための抽選を実行する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を表示する抽選結果表示手段と、前記抽選結果表示手段が表示した抽選結果が大当たりである場合に、遊技者にとって有利な大当たり状態を発生する大当たり発生手段と、を備えた遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置において、前記大当たり状態が終了した時点から前記抽選結果表示手段が抽選結果を表示した回数として、第1表示回数及びその第1表示回数よりも大きい第2表示回数を遊技者が任意に設定する表示回数設定手段と、前記抽選結果表示手段による抽選結果の表示回数が前記第1表示回数に達した時点から前記第2表示回数に達するまでの特定期間における前記抽選結果の表示回数を集計する抽選結果表示回数集計手段と、前記特定期間における大当たりの発生回数を集計する大当たり集計手段と、前記抽選結果の表示回数及び前記大当たりの発生回数を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記特定期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、特定期間大当たり比率として算出するとともに、前記特定期間を除く期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、非特定期間大当たり比率として算出する大当たり比率算出手段を備え、前記表示手段は、前記特定期間大当たり比率及び前記非特定期間大当たり比率を表示することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記表示回数設定手段により前記第1表示回数及び前記第2表示回数を設定した遊技者を特定する遊技者特定手段と、前記遊技者特定手段により特定された遊技者の特定情報と対応付けた状態で、前記抽選結果表示回数集計手段及び前記大当たり集計手段による集計結果を遊技者別に記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する遊技者別の集計結果を表示する遊技者別結果表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、特定期間における抽選結果の表示回数と大当たりの発生回数とを表示するので、通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を提供することができ、遊技の興趣を高めることができる。
請求項2に記載した発明によれば、特定期間における特定期間大当たり比率と、特定期間を除く期間における非特定期間大当たり比率とを表示するので、前述のような遊技者に対してより有益な情報を提供することができる。
請求項3に記載した発明によれば、特定期間大当たり比率と非特定期間大当たり比率とを遊技者毎に対応付けて集計し、その集計結果を表示するので、遊技者は、自身の考えが正しいか否かを容易且つ客観的に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による遊技情報表示装置を適用した遊技場用システムの概略を示す全体構成図
【図2】スロットマシンの正面図
【図3】スロットマシンの各リールの図柄配列を示す図
【図4】スロットマシンの役構成を示す図
【図5】スロットマシンの有効ラインを示す図
【図6】スロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図
【図7】遊技情報表示装置を示す図で、(A)は正面図、(B)は電気的構成を示す機能ブロック図
【図8】管理装置が記憶するマイゾーン設定の一例を示す図。
【図9】管理装置が集計するマイゾーンデータの一例を示す図。
【図10】遊技情報表示装置による通常データ画面の一例を示す図
【図11】遊技情報表示装置によるマイゾーンデータ画面の一例を示す図
【図12】遊技情報表示装置によるマイゾーン設定画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による遊技情報表示装置について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、遊技場用システム1は、遊技場内に設置された複数のスロットマシン2(遊技機に相当する)、各スロットマシン2にそれぞれ対応して設けられている貸出装置3、遊技情報表示装置4、及び中継端末5(呼出ランプ)などから構成されている。スロットマシン2は、図2に示すように正面に表示窓11が設けられており、この表示窓11を通じて内部に設けられたリール12(抽選結果表示手段に相当する)の図柄を視認可能となっている。各図柄は、図3に示すように、左リール12a、中リール12b及び右リール12cの円周面に描かれている。これらの図柄は、各リール12a〜12cが停止した状態では、表示窓11の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、スロットマシン2には、各リール12a〜12cそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0011】
スロットマシン2には、図4に示すように、ボーナス役、小役及びリプレイ役の3種類の役が内部当選役として設定されている。これらのうち、ボーナス役としてはBB役(ビッグボーナス役)およびRB役(レギュラーボーナス役)の2種類、小役としては1枚役、8枚役、15枚役及び2枚役の4種類が設定されている。スロットマシン2は、1回のゲームにおけるメダル(遊技媒体)の投入数(BET数)が、後述する通常状態では3枚(3BET)、後述するボーナス状態では2枚(2BET)にそれぞれ設定されている。
表示窓11の左方には、図2に示すように、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部13が設けられている。スロットマシン2には、図5に示すように合計5本(表示窓11の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本、及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜5が設けられている。これらの有効ライン1〜5のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞が発生する。
【0012】
表示窓11の上方には、図2に示すように、各種の情報を表示する表示パネル14及びスピーカ15が設けられている。表示窓11の下方には、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン16、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン17、メダルを投入するメダル投入口18が設けられている。それらの下方に、スタートレバー19、左ストップボタン20a、中ストップボタン20b及び右ストップボタン20cが設けられている。また、表示窓11の右方には、メダルの払出数を表示する払出数表示部21、メダルのクレジット数を表示するクレジット数表示部22及びボーナス役の内部当選を遊技者に告知するボーナス告知ランプ23が設けられている。スロットマシン2の正面最下部には受皿24が設けられ、正面最上部には装飾ランプ部25が設けられている。
【0013】
次に、スロットマシン2の電気的な構成について説明する。
図6は、スロットマシン2の電気的な構成を機能ブロックとして示している。制御部26(抽選手段、大当たり発生手段に相当する)は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、クレジットボタン16、精算ボタン17、スタートレバー19、左ストップボタン20a、中ストップボタン20b、右ストップボタン20c、投入メダル検知部27、設定値操作部28などから各種の操作信号や設定信号が入力される。制御部26は、メダル投入口18に投入されたメダルの真贋及び数量を判定する投入メダル検知部27から投入メダル検知信号が入力されると、その入力された信号の数に基づいて投入されたメダルの数を計数する。メダルの数が1ゲームに必要な規定数(通常状態では3枚)を超過した場合には、超過した分のメダルの数をクレジット数として例えばRAMなどに所定の上限値(例えば50枚)まで記憶するとともに、そのクレジット数をクレジット数表示部22に表示する。
【0014】
また、制御部26には、設定値操作部28から当選確率などの各種の設定信号が入力される。スロットマシン2には例えば1〜6の6段階で役の内部当選確率を設定するための設定値が設けられており、設定値操作部28は、このうち1つの設定値を有効化する。これにより、出玉率が理論値として設定される。設定値操作部28では、設定変更キー28aを挿入して設定変更が可能な状態とした上で、例えば図示しないDIPスイッチの切り替えなどによって設定値が変更される。また、制御部26は、表示パネル14、払出数表示部21、クレジット数表示部22などの各種表示部、装飾ランプ部25、各リール12a〜12cに対応するリール用モータを駆動するリール駆動部29、各リール12a〜12cに設けられた基準位置片の通過を検知するセンサからの検知信号に基づいて各リール12a〜12cの基準位置を検知する基準位置検出部30、スピーカ15を駆動する音声出力部31に接続している。また、メダルを払い出すメダル払出部32にも接続しており、精算ボタン17が操作されると、記憶しているクレジット数に対応するメダルを払い出すようにメダル払出部32を制御するとともに、クレジット数表示部22の表示を零にする。
【0015】
また、制御部26は、図示しない乱数発生部及び乱数抽出部を有している。制御部26は、規定数のメダルが投入された状態でスタートレバー19が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、各リール12a〜12cを始動(回転。図柄変動の開始)させる。続いて、乱数発生部が発生する乱数の中から1つの乱数を乱数抽出部で抽出することにより、内部抽選を実行するとともに、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させる。この状態で各ストップボタン20a〜20cが操作されると、対応するリール12a〜12cの回転を停止させる。このとき、内部当選役のフラグに応じて各リール12a〜12cの停止位置を決定するための図示しない停止テーブルに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール12a〜12cを内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。尚、停止テーブルは、内部当選役のフラグの種類毎にそれぞれ設定されている。
【0016】
この引込制御は、各ストップボタン20a〜20cの操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を有効ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が上記の引込範囲内に存在しないときは、その図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せず、いわゆる取りこぼしとなる。尚、内部当選役が上記したボーナス役である場合には、ゲームの終了時にボーナス告知ランプ23を点灯することにより、ボーナス役が内部当選した旨を遊技者に告知する。
【0017】
信号出力部33は、遊技の進行に伴って生成される各種の遊技信号を出力する。信号出力部33から出力される遊技信号は、中継端末5を介して遊技情報表示装置4や管理装置7などに入力される。遊技信号は、例えば以下のような信号である。
・アウト信号:消費したメダルの数(使用媒体数)を特定可能な投入メダル信号。ゲームが開始される毎に投入メダル1枚につき又はクレジットメダル1枚につき1パルス出力されるので、アウト信号の数が投入メダルの枚数(アウト)になる。
・セーフ信号:入賞の発生に伴って遊技者に付与されたメダルの数(払出媒体数)を特定可能な払出メダル信号。入賞が発生する毎に払出メダル1枚につき1パルス出力するので、セーフ信号の数が払出メダルの枚数(セーフ)になる。
・BB信号:後述するBB状態を特定可能なボーナス信号。BB状態中にレベル出力される。
・RB信号:後述するRB状態を特定可能なボーナス信号。RB状態中にレベル出力される。
【0018】
ここで、スロットマシン2に設けられている遊技状態について説明する。
スロットマシン2には、遊技状態として通常状態とボーナス状態(BB状態及びRB状態)とが設けられており、予め定められた条件の成立に応じてこれらの遊技状態が切り替わる。通常状態では、遊技者が入賞させた役に応じて対応する数のメダルが遊技者に付与される。例えば、通常状態において小役(1枚役、2枚役、8枚役、15枚役)が入賞した場合には、対応する数のメダルの払い出しという利益が遊技者に付与される。また、リプレイ役が入賞した場合には、新たにメダルを投入することなく再度ゲームを実行できるという利益が付与される。
【0019】
この通常状態においてボーナス役(BB役又はRB役)が入賞(大当たりの発生に相当する)した場合には、入賞したボーナス役に応じたボーナス状態(BB状態、RB状態。大当たり状態に相当する)に移行する。これにより、ボーナス状態の発生という利益が遊技者に付与される。ボーナス状態は、各小役の内部当選確率を大幅に高めた状態である。このボーナス状態では、全ての小役が15枚のメダルを払い出すように構成されている(図4参照)とともに、上記したようにBET数が2BETに削減される。そのため、ボーナス状態は、一気に大量のメダルを獲得することが可能であり、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。換言すると、通常状態は、ボーナス状態に比べて遊技者にとって不利な遊技状態であるといえる。ボーナス状態は、所定の終了条件が成立するまで継続する。例えば、BB状態は360枚のメダルが払い出しされた時点で終了し、RB状態は120枚のメダルが払い出しされた時点で終了する。即ち、本実施形態の場合、規定数のメダルの払い出しが終了することが所定の終了条件に相当する。スロットマシン2は、ボーナス状態が終了すると、通常状態へ移行する。
【0020】
このような構成のスロットマシン2は、それぞれ固有の番号(所謂台番)が付与されて遊技場内に多数(例えば数百台)設置されている。
貸出装置3は、図1に示すように、上部に貨幣投入口3a、下部にメダル払出口3bを備えている。貸出装置3は、遊技者が貨幣投入口3aに貨幣を投入すると、メダル払出口3bから貨幣に応じた数のメダルを払い出してスロットマシン2の受皿24に供給する。このとき、払い出したメダル数に応じた信号が中継端末5を介して遊技情報表示装置4及び管理装置7に送信される。また、貸出装置3の最上部には、動作状態を示す動作ランプ3cが設けられている。この動作ランプ3cは、不具合が生じた場合などに点灯し、従業員に不具合の発生などを報知する。
【0021】
遊技情報表示装置4は、図7(A)に示すように、稼動状態やエラー状態などを表示するための状態表示ランプ41、遊技場が発行した会員カード8が挿入されるカード挿入口42、会員カード8を排出するための排出ボタン43及び各種の遊技情報を表示する液晶表示部44(表示手段、遊技者別結果表示手段に相当する)を備えている。液晶表示部44には、遊技者の操作入力を受け付けるためのタッチパネル45が設けられている。遊技者は、このタッチパネル45を操作することにより、液晶表示部44に表示される情報の種類や表示態様などを切り替えることが可能となっている。つまり、タッチパネル45は、遊技者による操作入力を受け付けるための入力受付手段として機能する。
図7(B)は、遊技情報表示装置4の電気的構成を示す機能ブロック図である。遊技情報表示装置4の制御部46(表示回数設定手段、抽選結果表示回数集計手段、大当たり集計手段、比率算出手段、遊技者特定手段、記憶手段に相当する)は、CPU、制御プログラムなどを記憶したROM、ワーキングエリア用のRAM、信号を入出力するための入出力部(I/O)などを備えたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部46は、制御プログラムに従って液晶表示部44への各種情報の表示、タッチパネル45からの操作入力の受付、状態表示ランプ41の点灯又は消灯などを制御する。
【0022】
カードリーダ47は、カード挿入口42の奥側に設置されており、カード挿入口42に挿入された会員カード8から会員番号などの会員情報を読取り、制御部46にその情報を出力する。送受信部48は、中継端末5に接続されており、中継端末5を介して、スロットマシン2や貸出装置3との間或いは管理装置7との間で上記した遊技信号などの各種の情報や信号の送受信を行う。また、送受信部48は、挿入された会員カード8に記憶されている会員情報も送信する。これにより、当該遊技情報表示装置4に対応するスロットマシン2で遊技中の遊技者が特定される。
【0023】
この様な構成の遊技情報表示装置4では、会員カード8の挿入によりタッチパネル45の操作、即ち液晶表示部44への各種情報の表示が可能になる。つまり、液晶表示部44は、会員カード8が挿入されると、各種の遊技情報の表示を開始する。例えば、遊技者により会員カード8が挿入されると、中継端末5からスロットマシン2(自台)の稼動データを受信するとともに、その稼動データを液晶表示部44に表示する。また、タッチパネル45から特定のスロットマシン2(他台)が指定された場合には、そのスロットマシン2の稼動データを管理装置7から受信して表示する。また、その会員カード8を所有する遊技者を特定し、会員カード8を所有する遊技者個人の遊技データ(後述するマイゾーンデータを含む)を管理装置7から受信して表示することも可能になっている。一方、会員カード8の未挿入状態では、会員カード8の挿入を促すメッセージを繰り返し表示する。尚、会員カード8が未挿入の場合であっても、自台の稼動データなど一部の機能を利用可能にしてもよい。
【0024】
また、遊技情報表示装置4は、図示しない光センサを備えており、スロットマシン2のボーナス告知ランプ23の点灯を検出する。この場合、光センサは、ボーナス告知ランプ23が点灯したことを検出できるように、ボーナス告知ランプ23の近傍に設けられている。これにより、ボーナス役が内部当選したか否かを判定することが可能になる。
これらスロットマシン2、貸出装置3及び遊技情報表示装置4は、中継端末5に接続されている。中継端末5は、スロットマシン2から出力される各種の遊技信号を受信して遊技データを集計及び記憶するとともに、その遊技データを遊技情報表示装置4や管理装置7へ転送する。また、中継端末5は、スロットマシン2に設けられているボーナス告知ランプ23の点灯を検知する図示しない光センサを備えている。この光センサは、ボーナス告知ランプ23の近傍に配置されている。中継端末5は、光センサによってボーナス告知ランプ23の点灯即ちボーナス役の内部当選を検知すると遊技情報表示装置4や管理装置7などに対してその旨を信号や情報として出力する。
【0025】
管理装置7は、図示しないCPU、ROM、RAM、及びHDDなどの記憶装置からなるコンピュータで構成されており、例えばROMやHDDなどに記憶されている制御プログラムに従って作動する。管理装置7は、例えば遊技場内の事務所などに設置され、中継端末5及びLAN6を介して、スロットマシン2、貸出装置3及び遊技情報表示装置4との間で各種の遊技情報や遊技信号の送受信を行う。管理装置7は、スロットマシン2側の機器から送信される上記したような各種の遊技信号に基づいて稼動データを集計し、例えば以下のような情報を遊技データとして算出及び記憶する。尚、管理装置7が集計、算出、記憶する遊技データは、以下のものに限定されず、例えば会員毎の遊技データなども含まれる。
・差枚数=払出媒体数−投入媒体数(セーフ−アウト)
・出玉率=払出媒体数÷投入媒体数(セーフ÷アウト)
・ボーナス確率=ボーナス入賞回数÷通常状態で実行された累計のゲーム数
【0026】
管理装置7は、遊技情報表示装置4などからの要求に応じて、指定されたスロットマシン2(特定の台番、機種など)の遊技データを送信する。また、管理装置7は、遊技情報表示装置4から会員データを受信し、会員毎の遊技データを集計管理する。
また、管理装置7は、図8に示すマイゾーン設定を遊技者毎に対応付けて記憶するとともに、図9に示すマイゾーンデータを集計及び記憶する。マイゾーン設定は、会員カード8を挿入した遊技者の会員IDと対応付けて設定される設定であり、本実施形態では遊技者毎に3つの設定が設定されている。このマイゾーン設定に設定される設定範囲は、直近の大当たり状態の終了後に抽選結果が表示された回数即ちリール12が停止表示された回数であり、直近の大当たり終了後に実行されたゲーム数(消化ゲーム数)に相当する。本実施形態では、図8に示すように、例えば会員ID=0001の遊技者に対して、ゾーン1として1−100ゲームの範囲、ゾーン2として200−350ゲームの範囲、ゾーン3として500−600ゲームの範囲が設定されている。ここで、ゾーン1の場合、「1」が第1表示回数に相当し、その第1表示回数よりも大きい「100」が第2表示回数に相当する。また、ゾーン2及びゾーン3も同様である。つまり、各ゾーン1〜3は、抽選結果表示手段による抽選結果の表示回数が第1表示回数に達した時点から第2表示回数に達するまでの期間であり、特定期間に相当する。なお、特定期間の途中でボーナス状態が発生したときには、そのボーナス状態が発生するまでの期間が特定期間となる。すなわち、特定期間の終点は、第2表示回数に達した時点、及びボーナス状態が発生した時点の何れか早い方になる。
【0027】
管理装置7は、マイゾーン設定がなされた遊技者毎に、図9に示すマイゾーンデータを遊技データとして集計及び記憶する。具体的には、会員ID=0001の遊技者の場合、ゾーン1(1−100)では、累計のゲーム数が1153、ゾーン1においてBB状態となった回数を示すBB回数が3、ゾーン1においてRB状態となった回数を示すRB回数が2であることが集計及び記憶されている。また、これらのマイゾーンデータに基づいて、ゾーン1においてBB状態となった割合を示すBB確率が384.3(=3/1153=1/384.3)、及びゾーン1においてRB状態となった割合を示すRB確率が576.5(=2/1153=1/576.5)のように算出及び記憶されている。尚、ゾーン2とゾーン3、及び他の会員IDについても同様に各ゾーン1〜3における遊技データの集計、算出及び記憶が行われている。
【0028】
次に、上記した遊技情報表示装置4の作用について説明する。
通常、遊技情報表示装置4は、中継端末5を介して受信するスロットマシン2側からの遊技信号や管理装置7からの遊技データに基づいて、各種の遊技データを表示する周知の処理を実行している。具体的には、遊技情報表示装置4は、会員カード8が挿入されると、会員カード8から会員IDを読み出して自店の会員であるかを判定する処理などを実行し、自店の会員である場合には、液晶表示部44に各種の遊技データを表示するとともに、管理装置7へ会員IDを送信する。これにより、遊技者が特定される。
【0029】
遊技情報表示装置4は、遊技者が遊技を開始すると、ゲームの進行に応じて稼動データを集計し、図10に示す通常データ画面を液晶表示部44に表示する。この通常データ画面には、スロットマシン2の台番及び機種名を示す台番表示部M1、直近のボーナス状態が終了した時点から実行されたゲーム数である只今ゲーム数を表示する只今ゲーム数表示部M2、遊技者の個人遊技データを示す個人データ表示部M3、周知のボーナス状態間のゲーム数を示すボーナス間ゲーム数表示部M4、個人遊技データを初期化する個人データリセットボタンM5、上記したマイゾーンデータを表示するためのMyゾーンボタンM6、及び、遊技場からの知らせなどを表示するメッセージ表示部M7が設けられている。図10の場合、台番が「123番台」、機種名が「○○○○○○」であり、直近のボーナス状態が終了してから実行されたゲーム数が256ゲームであり、当日に実行された累計のゲーム数が3456ゲームであり、そのうち現在の遊技者により実行されたゲーム数が1123ゲームであることなどが示されている。また、BB回数やRB回数などのデータも累計値及び個人遊技データとして表示されている。
【0030】
さて、遊技情報表示装置4は上記のように遊技データを表示しているものの、遊技者の中には前述のように通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている者が存在する。そのような遊技者にとっては、図10のようにBB回数やRB回数だけを表示するだけではそのBB状態やRB状態が特定の期間に発生したのか否かを判断することができず、興趣が薄れてしまうことがある。
【0031】
そこで、遊技情報表示装置4は、遊技者毎に設定されているマイゾーン設定(図8参照)に基づいて、以下に説明するようにマイゾーンデータを表示する。
遊技情報表示装置4は、図10に示す通常データ画面においてMyゾーンボタンM6が操作されると、図11に示すマイゾーンデータ画面を表示する。このマイゾーンデータ画面には、遊技者毎のマイゾーン設定に基づいて管理装置7が集計したマイゾーンデータを表示するマイゾーンデータ表示部M9、マイゾーン設定(図8参照)を行うためのMyゾーン設定ボタンM10、及び通常データ画面に表示を切り替える戻るボタンM11が設けられている。図11の場合、マイゾーンデータとして、遊技者個人の合計の遊技データ、及び、各ゾーン1〜3に対するゾーン毎の遊技データが表示されている。合計の遊技データには、累計のゲーム数(累計G数)が35671ゲームであり、BB回数が116回(その確率が116/35671=1/307.5)であり、RB回数が79回(その確率が79/35671=1/451.5)であることが示されている。また、ゾーン毎の遊技データとしては、例えばゾーン1(1−100)の場合、実行されたゲーム数(ゾーンG数)が10234ゲームであり、BB回数が45回、その確率(ゲーム数に対する大当たり発生回数の比率)が45/10234=1/269.3であり、RB回数が21回(その確率が21/10234=1/487.3)であることが示されている。同様に、ゾーン2については、ゲーム数が4126ゲーム、BB回数が13回(その確率が13/4126=1/317.4)、RB回数が10回(その確率が10/4126=1/412.6)であること、及び、ゾーン3については、ゲーム数が2287ゲーム、BB回数が10回(その確率が10/2287=1/228.7)、RB回数が6回(その確率が6/2287=1/381.2)であることが示されている。
【0032】
これにより、遊技者は、例えばゾーン1は合計のBB確率よりも高い確率でBB状態が発生している一方で、RB確率は合計のRB確率よりも低いことから、BB役が当選しやすくRB役が当選しにくい期間であると判断することができる。尚、図11では個別のマイゾーンデータを表示したが、例えばゾーン1〜3を合算したデータ、ゾーン1〜3を除外したデータ、ゾーン1〜3のゲーム数割合やゲーム回数割合など、他のデータを表示するようにしてもよい。
【0033】
このようなマイゾーンデータを表示するためのマイゾーン設定は、遊技情報表示装置4から設定することができる。遊技情報表示装置4は、会員カード8が挿入された状態(会員を特定可能な状態)において、図11に示すMyゾーン設定ボタンM10が操作されると、図12に示すマイゾーン設定画面を表示する。このマイゾーン設定画面には、遊技者が操作入力するための入力表示部M12が設けられている。図12の場合、ゾーン1に対する設定入力画面が示されており、遊技者は、「開始ゲーム数」及び「終了ゲーム」の何れかを選択し、テンキー部から数値を入力し、「設定」ボタンを操作することにより、ゾーン1に対するマイゾーン設定を実行する。また、「次」ボタンを操作することにより、ゾーン2、ゾーン3に対する設定を行うことができる。このようにマイゾーン設定が行われると、遊技情報表示装置4は、その設定値を管理装置7に送信する。これにより、遊技者は、自身が所望するマイゾーンを設定することができる。ゾーン設定が変更された場合には、記憶している過去のマイゾーンデータを初期化(ゼロクリア)する。尚、ゾーン設定の変更をキャンセルする場合、或いはゾーン設定を終了する場合には、「終了」ボタンを操作すればよい。
【0034】
このように、遊技情報表示装置4は、遊技者が設定したマイゾーン毎にBB状態やRB状態の発生回数即ち大当たり回数を集計し、その確率などを演算し、液晶表示部44に表示する。これにより、遊技者は、各ゾーン1〜3における遊技データを容易に把握可能となる。
【0035】
以上説明した本実施形態の遊技情報表示装置4によれば、次のような効果を奏する。
ボーナス状態が終了した後に実行されたゲーム数がゾーン1〜3の範囲にあるときに発生したボーナス状態の回数を各ゾーン1〜3に対応付けて表示するので、通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を提供することができ、遊技の興趣を高めることができる。
ボーナス状態の発生回数だけでなく、その比率を算出して表示するので、遊技者はどの程度ボーナス状態が発生するのかを容易に把握することができるようになる。
遊技者は各ゾーン1〜3を任意に設定できるので、自身の判断が適切であるのか否かを客観的に判定できるようになる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した一実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張することができる。
一実施形態では特定期間における個別のマイゾーンデータを表示する例を示したが、特定期間における特定期間大当たり比率と、特定期間を除く期間における非特定期間大当たり比率とを対比して表示してもよい。その場合、遊技者毎に対応付けて集計し、その集計結果を表示するようにしてもよい。これらにより、遊技者に対してより有益な情報を提供することができるとともに、自身の考えが正しいか否かを容易且つ客観的に判断できるようになる。
マイゾーンとして設定できる期間(ゾーン)を3つとしたが、設定可能な期間の数は限定されない。
各遊技者がマイゾーンとして設定した期間を一覧表示する設定期間表示手段を設けるようにしてもよい。これにより、他の遊技者がマイゾーンとして設定した期間を参考にすることができる。
【0037】
各遊技者のマイゾーンデータ(例えばBB回数/確率)を一覧表示する特定期間データ表示手段を設けるようにしてもよい。これにより、他の遊技者のマイゾーンデータと自分自身のマイゾーンデータとを比較し、自分自身のマイゾーン設定が適切なのか否かを判断することができる。
各遊技者のマイゾーンデータをランキング形式(例えばBB確率が高い順に並べたランキング)で一覧表示してもよい。
会員カード8に基づいて遊技者を特定するようにしたが、遊技者の生体情報(指紋、声紋など)に基づいて特定するようにしてもよい。あるいは、カメラで撮像した画像を認識することにより特定することもできる。
遊技媒体として玉を用いるスロットマシンに適用することもできる。
遊技情報表示装置4をスロットマシン2と別体で設けるようにしたが、スロットマシン2と一体的に設けるようにしてもよい。この場合、遊技機の制御装置と、遊技情報表示装置の制御装置とを共通化してもよい。
【0038】
管理装置7にてマイゾーン設定及びマイゾーンデータを集計及び記憶する構成を示したが、遊技者を特定した時点で過去の遊技データを管理装置7から取得し、その後は遊技情報表示装置4にて遊技データの集計及び記憶をする構成としてもよい。即ち、管理装置の制御の一部を遊技情報表示装置4にて行うようにしてもよいし、管理装置7の記憶部を記憶手段として用いてもよい。
一実施形態では遊技機としてスロットマシン2を例示したが、遊技機はパチンコ遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
図面中、2はスロットマシン(遊技機)、4は遊技情報表示装置、12はリール(抽選結果表示手段)、26は制御部(抽選手段、大当たり発生手段)、44は液晶表示部(表示手段、遊技者別結果表示手段)、46は制御部(表示回数設定手段、抽選結果表示回数集計手段、大当たり集計手段、大当たり比率算出手段、遊技者特定手段、記憶手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーナス状態の終了後に実行されたゲーム数を表示する遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ台やスロットマシンなどの遊技機は、予め定められた一定の確率で大当たり(例えばビッグボーナス、レギュラーボーナスなど)を抽選しており、通常状態においては、大当たりの当選確率が変化することはない(ただし、所謂確変状態を発生可能なパチンコ台では確変状態に限り大当たりの当選確率が向上するものもある)。
【0003】
ところで、遊技者の中には、通常状態においても特定の条件を満たすと大当たりが当選しやすくなり、また逆に当選し難くなると考えている者が少なくない。具体的には、大当たり状態が終了してから特定のゲーム数(図柄変動回数)を消化すると、大当たりが当選しやすい状態へ変化すると考える遊技者が少なからず存在しているのが実情である。そのような遊技者は、例えば特許文献1に記載されているような大当たり後の消化ゲーム数を常に考慮しながらゲームを進行するのが普通である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−232041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1のように大当たりが発生した時点における消化ゲーム数を表示するだけでは、大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者の要望に応えられず、興趣が薄れるという問題がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を表示し、遊技の興趣を高めることが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、所定の抽選条件が成立したときに大当たりか否かを決定するための抽選を実行する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を表示する抽選結果表示手段と、前記抽選結果表示手段が表示した抽選結果が大当たりである場合に、遊技者にとって有利な大当たり状態を発生する大当たり発生手段と、を備えた遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置において、前記大当たり状態が終了した時点から前記抽選結果表示手段が抽選結果を表示した回数として、第1表示回数及びその第1表示回数よりも大きい第2表示回数を遊技者が任意に設定する表示回数設定手段と、前記抽選結果表示手段による抽選結果の表示回数が前記第1表示回数に達した時点から前記第2表示回数に達するまでの特定期間における前記抽選結果の表示回数を集計する抽選結果表示回数集計手段と、前記特定期間における大当たりの発生回数を集計する大当たり集計手段と、前記抽選結果の表示回数及び前記大当たりの発生回数を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記特定期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、特定期間大当たり比率として算出するとともに、前記特定期間を除く期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、非特定期間大当たり比率として算出する大当たり比率算出手段を備え、前記表示手段は、前記特定期間大当たり比率及び前記非特定期間大当たり比率を表示することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記表示回数設定手段により前記第1表示回数及び前記第2表示回数を設定した遊技者を特定する遊技者特定手段と、前記遊技者特定手段により特定された遊技者の特定情報と対応付けた状態で、前記抽選結果表示回数集計手段及び前記大当たり集計手段による集計結果を遊技者別に記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する遊技者別の集計結果を表示する遊技者別結果表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、特定期間における抽選結果の表示回数と大当たりの発生回数とを表示するので、通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を提供することができ、遊技の興趣を高めることができる。
請求項2に記載した発明によれば、特定期間における特定期間大当たり比率と、特定期間を除く期間における非特定期間大当たり比率とを表示するので、前述のような遊技者に対してより有益な情報を提供することができる。
請求項3に記載した発明によれば、特定期間大当たり比率と非特定期間大当たり比率とを遊技者毎に対応付けて集計し、その集計結果を表示するので、遊技者は、自身の考えが正しいか否かを容易且つ客観的に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による遊技情報表示装置を適用した遊技場用システムの概略を示す全体構成図
【図2】スロットマシンの正面図
【図3】スロットマシンの各リールの図柄配列を示す図
【図4】スロットマシンの役構成を示す図
【図5】スロットマシンの有効ラインを示す図
【図6】スロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図
【図7】遊技情報表示装置を示す図で、(A)は正面図、(B)は電気的構成を示す機能ブロック図
【図8】管理装置が記憶するマイゾーン設定の一例を示す図。
【図9】管理装置が集計するマイゾーンデータの一例を示す図。
【図10】遊技情報表示装置による通常データ画面の一例を示す図
【図11】遊技情報表示装置によるマイゾーンデータ画面の一例を示す図
【図12】遊技情報表示装置によるマイゾーン設定画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による遊技情報表示装置について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、遊技場用システム1は、遊技場内に設置された複数のスロットマシン2(遊技機に相当する)、各スロットマシン2にそれぞれ対応して設けられている貸出装置3、遊技情報表示装置4、及び中継端末5(呼出ランプ)などから構成されている。スロットマシン2は、図2に示すように正面に表示窓11が設けられており、この表示窓11を通じて内部に設けられたリール12(抽選結果表示手段に相当する)の図柄を視認可能となっている。各図柄は、図3に示すように、左リール12a、中リール12b及び右リール12cの円周面に描かれている。これらの図柄は、各リール12a〜12cが停止した状態では、表示窓11の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、スロットマシン2には、各リール12a〜12cそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0011】
スロットマシン2には、図4に示すように、ボーナス役、小役及びリプレイ役の3種類の役が内部当選役として設定されている。これらのうち、ボーナス役としてはBB役(ビッグボーナス役)およびRB役(レギュラーボーナス役)の2種類、小役としては1枚役、8枚役、15枚役及び2枚役の4種類が設定されている。スロットマシン2は、1回のゲームにおけるメダル(遊技媒体)の投入数(BET数)が、後述する通常状態では3枚(3BET)、後述するボーナス状態では2枚(2BET)にそれぞれ設定されている。
表示窓11の左方には、図2に示すように、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部13が設けられている。スロットマシン2には、図5に示すように合計5本(表示窓11の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本、及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜5が設けられている。これらの有効ライン1〜5のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞が発生する。
【0012】
表示窓11の上方には、図2に示すように、各種の情報を表示する表示パネル14及びスピーカ15が設けられている。表示窓11の下方には、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン16、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン17、メダルを投入するメダル投入口18が設けられている。それらの下方に、スタートレバー19、左ストップボタン20a、中ストップボタン20b及び右ストップボタン20cが設けられている。また、表示窓11の右方には、メダルの払出数を表示する払出数表示部21、メダルのクレジット数を表示するクレジット数表示部22及びボーナス役の内部当選を遊技者に告知するボーナス告知ランプ23が設けられている。スロットマシン2の正面最下部には受皿24が設けられ、正面最上部には装飾ランプ部25が設けられている。
【0013】
次に、スロットマシン2の電気的な構成について説明する。
図6は、スロットマシン2の電気的な構成を機能ブロックとして示している。制御部26(抽選手段、大当たり発生手段に相当する)は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、クレジットボタン16、精算ボタン17、スタートレバー19、左ストップボタン20a、中ストップボタン20b、右ストップボタン20c、投入メダル検知部27、設定値操作部28などから各種の操作信号や設定信号が入力される。制御部26は、メダル投入口18に投入されたメダルの真贋及び数量を判定する投入メダル検知部27から投入メダル検知信号が入力されると、その入力された信号の数に基づいて投入されたメダルの数を計数する。メダルの数が1ゲームに必要な規定数(通常状態では3枚)を超過した場合には、超過した分のメダルの数をクレジット数として例えばRAMなどに所定の上限値(例えば50枚)まで記憶するとともに、そのクレジット数をクレジット数表示部22に表示する。
【0014】
また、制御部26には、設定値操作部28から当選確率などの各種の設定信号が入力される。スロットマシン2には例えば1〜6の6段階で役の内部当選確率を設定するための設定値が設けられており、設定値操作部28は、このうち1つの設定値を有効化する。これにより、出玉率が理論値として設定される。設定値操作部28では、設定変更キー28aを挿入して設定変更が可能な状態とした上で、例えば図示しないDIPスイッチの切り替えなどによって設定値が変更される。また、制御部26は、表示パネル14、払出数表示部21、クレジット数表示部22などの各種表示部、装飾ランプ部25、各リール12a〜12cに対応するリール用モータを駆動するリール駆動部29、各リール12a〜12cに設けられた基準位置片の通過を検知するセンサからの検知信号に基づいて各リール12a〜12cの基準位置を検知する基準位置検出部30、スピーカ15を駆動する音声出力部31に接続している。また、メダルを払い出すメダル払出部32にも接続しており、精算ボタン17が操作されると、記憶しているクレジット数に対応するメダルを払い出すようにメダル払出部32を制御するとともに、クレジット数表示部22の表示を零にする。
【0015】
また、制御部26は、図示しない乱数発生部及び乱数抽出部を有している。制御部26は、規定数のメダルが投入された状態でスタートレバー19が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、各リール12a〜12cを始動(回転。図柄変動の開始)させる。続いて、乱数発生部が発生する乱数の中から1つの乱数を乱数抽出部で抽出することにより、内部抽選を実行するとともに、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させる。この状態で各ストップボタン20a〜20cが操作されると、対応するリール12a〜12cの回転を停止させる。このとき、内部当選役のフラグに応じて各リール12a〜12cの停止位置を決定するための図示しない停止テーブルに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール12a〜12cを内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。尚、停止テーブルは、内部当選役のフラグの種類毎にそれぞれ設定されている。
【0016】
この引込制御は、各ストップボタン20a〜20cの操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を有効ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が上記の引込範囲内に存在しないときは、その図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せず、いわゆる取りこぼしとなる。尚、内部当選役が上記したボーナス役である場合には、ゲームの終了時にボーナス告知ランプ23を点灯することにより、ボーナス役が内部当選した旨を遊技者に告知する。
【0017】
信号出力部33は、遊技の進行に伴って生成される各種の遊技信号を出力する。信号出力部33から出力される遊技信号は、中継端末5を介して遊技情報表示装置4や管理装置7などに入力される。遊技信号は、例えば以下のような信号である。
・アウト信号:消費したメダルの数(使用媒体数)を特定可能な投入メダル信号。ゲームが開始される毎に投入メダル1枚につき又はクレジットメダル1枚につき1パルス出力されるので、アウト信号の数が投入メダルの枚数(アウト)になる。
・セーフ信号:入賞の発生に伴って遊技者に付与されたメダルの数(払出媒体数)を特定可能な払出メダル信号。入賞が発生する毎に払出メダル1枚につき1パルス出力するので、セーフ信号の数が払出メダルの枚数(セーフ)になる。
・BB信号:後述するBB状態を特定可能なボーナス信号。BB状態中にレベル出力される。
・RB信号:後述するRB状態を特定可能なボーナス信号。RB状態中にレベル出力される。
【0018】
ここで、スロットマシン2に設けられている遊技状態について説明する。
スロットマシン2には、遊技状態として通常状態とボーナス状態(BB状態及びRB状態)とが設けられており、予め定められた条件の成立に応じてこれらの遊技状態が切り替わる。通常状態では、遊技者が入賞させた役に応じて対応する数のメダルが遊技者に付与される。例えば、通常状態において小役(1枚役、2枚役、8枚役、15枚役)が入賞した場合には、対応する数のメダルの払い出しという利益が遊技者に付与される。また、リプレイ役が入賞した場合には、新たにメダルを投入することなく再度ゲームを実行できるという利益が付与される。
【0019】
この通常状態においてボーナス役(BB役又はRB役)が入賞(大当たりの発生に相当する)した場合には、入賞したボーナス役に応じたボーナス状態(BB状態、RB状態。大当たり状態に相当する)に移行する。これにより、ボーナス状態の発生という利益が遊技者に付与される。ボーナス状態は、各小役の内部当選確率を大幅に高めた状態である。このボーナス状態では、全ての小役が15枚のメダルを払い出すように構成されている(図4参照)とともに、上記したようにBET数が2BETに削減される。そのため、ボーナス状態は、一気に大量のメダルを獲得することが可能であり、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。換言すると、通常状態は、ボーナス状態に比べて遊技者にとって不利な遊技状態であるといえる。ボーナス状態は、所定の終了条件が成立するまで継続する。例えば、BB状態は360枚のメダルが払い出しされた時点で終了し、RB状態は120枚のメダルが払い出しされた時点で終了する。即ち、本実施形態の場合、規定数のメダルの払い出しが終了することが所定の終了条件に相当する。スロットマシン2は、ボーナス状態が終了すると、通常状態へ移行する。
【0020】
このような構成のスロットマシン2は、それぞれ固有の番号(所謂台番)が付与されて遊技場内に多数(例えば数百台)設置されている。
貸出装置3は、図1に示すように、上部に貨幣投入口3a、下部にメダル払出口3bを備えている。貸出装置3は、遊技者が貨幣投入口3aに貨幣を投入すると、メダル払出口3bから貨幣に応じた数のメダルを払い出してスロットマシン2の受皿24に供給する。このとき、払い出したメダル数に応じた信号が中継端末5を介して遊技情報表示装置4及び管理装置7に送信される。また、貸出装置3の最上部には、動作状態を示す動作ランプ3cが設けられている。この動作ランプ3cは、不具合が生じた場合などに点灯し、従業員に不具合の発生などを報知する。
【0021】
遊技情報表示装置4は、図7(A)に示すように、稼動状態やエラー状態などを表示するための状態表示ランプ41、遊技場が発行した会員カード8が挿入されるカード挿入口42、会員カード8を排出するための排出ボタン43及び各種の遊技情報を表示する液晶表示部44(表示手段、遊技者別結果表示手段に相当する)を備えている。液晶表示部44には、遊技者の操作入力を受け付けるためのタッチパネル45が設けられている。遊技者は、このタッチパネル45を操作することにより、液晶表示部44に表示される情報の種類や表示態様などを切り替えることが可能となっている。つまり、タッチパネル45は、遊技者による操作入力を受け付けるための入力受付手段として機能する。
図7(B)は、遊技情報表示装置4の電気的構成を示す機能ブロック図である。遊技情報表示装置4の制御部46(表示回数設定手段、抽選結果表示回数集計手段、大当たり集計手段、比率算出手段、遊技者特定手段、記憶手段に相当する)は、CPU、制御プログラムなどを記憶したROM、ワーキングエリア用のRAM、信号を入出力するための入出力部(I/O)などを備えたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部46は、制御プログラムに従って液晶表示部44への各種情報の表示、タッチパネル45からの操作入力の受付、状態表示ランプ41の点灯又は消灯などを制御する。
【0022】
カードリーダ47は、カード挿入口42の奥側に設置されており、カード挿入口42に挿入された会員カード8から会員番号などの会員情報を読取り、制御部46にその情報を出力する。送受信部48は、中継端末5に接続されており、中継端末5を介して、スロットマシン2や貸出装置3との間或いは管理装置7との間で上記した遊技信号などの各種の情報や信号の送受信を行う。また、送受信部48は、挿入された会員カード8に記憶されている会員情報も送信する。これにより、当該遊技情報表示装置4に対応するスロットマシン2で遊技中の遊技者が特定される。
【0023】
この様な構成の遊技情報表示装置4では、会員カード8の挿入によりタッチパネル45の操作、即ち液晶表示部44への各種情報の表示が可能になる。つまり、液晶表示部44は、会員カード8が挿入されると、各種の遊技情報の表示を開始する。例えば、遊技者により会員カード8が挿入されると、中継端末5からスロットマシン2(自台)の稼動データを受信するとともに、その稼動データを液晶表示部44に表示する。また、タッチパネル45から特定のスロットマシン2(他台)が指定された場合には、そのスロットマシン2の稼動データを管理装置7から受信して表示する。また、その会員カード8を所有する遊技者を特定し、会員カード8を所有する遊技者個人の遊技データ(後述するマイゾーンデータを含む)を管理装置7から受信して表示することも可能になっている。一方、会員カード8の未挿入状態では、会員カード8の挿入を促すメッセージを繰り返し表示する。尚、会員カード8が未挿入の場合であっても、自台の稼動データなど一部の機能を利用可能にしてもよい。
【0024】
また、遊技情報表示装置4は、図示しない光センサを備えており、スロットマシン2のボーナス告知ランプ23の点灯を検出する。この場合、光センサは、ボーナス告知ランプ23が点灯したことを検出できるように、ボーナス告知ランプ23の近傍に設けられている。これにより、ボーナス役が内部当選したか否かを判定することが可能になる。
これらスロットマシン2、貸出装置3及び遊技情報表示装置4は、中継端末5に接続されている。中継端末5は、スロットマシン2から出力される各種の遊技信号を受信して遊技データを集計及び記憶するとともに、その遊技データを遊技情報表示装置4や管理装置7へ転送する。また、中継端末5は、スロットマシン2に設けられているボーナス告知ランプ23の点灯を検知する図示しない光センサを備えている。この光センサは、ボーナス告知ランプ23の近傍に配置されている。中継端末5は、光センサによってボーナス告知ランプ23の点灯即ちボーナス役の内部当選を検知すると遊技情報表示装置4や管理装置7などに対してその旨を信号や情報として出力する。
【0025】
管理装置7は、図示しないCPU、ROM、RAM、及びHDDなどの記憶装置からなるコンピュータで構成されており、例えばROMやHDDなどに記憶されている制御プログラムに従って作動する。管理装置7は、例えば遊技場内の事務所などに設置され、中継端末5及びLAN6を介して、スロットマシン2、貸出装置3及び遊技情報表示装置4との間で各種の遊技情報や遊技信号の送受信を行う。管理装置7は、スロットマシン2側の機器から送信される上記したような各種の遊技信号に基づいて稼動データを集計し、例えば以下のような情報を遊技データとして算出及び記憶する。尚、管理装置7が集計、算出、記憶する遊技データは、以下のものに限定されず、例えば会員毎の遊技データなども含まれる。
・差枚数=払出媒体数−投入媒体数(セーフ−アウト)
・出玉率=払出媒体数÷投入媒体数(セーフ÷アウト)
・ボーナス確率=ボーナス入賞回数÷通常状態で実行された累計のゲーム数
【0026】
管理装置7は、遊技情報表示装置4などからの要求に応じて、指定されたスロットマシン2(特定の台番、機種など)の遊技データを送信する。また、管理装置7は、遊技情報表示装置4から会員データを受信し、会員毎の遊技データを集計管理する。
また、管理装置7は、図8に示すマイゾーン設定を遊技者毎に対応付けて記憶するとともに、図9に示すマイゾーンデータを集計及び記憶する。マイゾーン設定は、会員カード8を挿入した遊技者の会員IDと対応付けて設定される設定であり、本実施形態では遊技者毎に3つの設定が設定されている。このマイゾーン設定に設定される設定範囲は、直近の大当たり状態の終了後に抽選結果が表示された回数即ちリール12が停止表示された回数であり、直近の大当たり終了後に実行されたゲーム数(消化ゲーム数)に相当する。本実施形態では、図8に示すように、例えば会員ID=0001の遊技者に対して、ゾーン1として1−100ゲームの範囲、ゾーン2として200−350ゲームの範囲、ゾーン3として500−600ゲームの範囲が設定されている。ここで、ゾーン1の場合、「1」が第1表示回数に相当し、その第1表示回数よりも大きい「100」が第2表示回数に相当する。また、ゾーン2及びゾーン3も同様である。つまり、各ゾーン1〜3は、抽選結果表示手段による抽選結果の表示回数が第1表示回数に達した時点から第2表示回数に達するまでの期間であり、特定期間に相当する。なお、特定期間の途中でボーナス状態が発生したときには、そのボーナス状態が発生するまでの期間が特定期間となる。すなわち、特定期間の終点は、第2表示回数に達した時点、及びボーナス状態が発生した時点の何れか早い方になる。
【0027】
管理装置7は、マイゾーン設定がなされた遊技者毎に、図9に示すマイゾーンデータを遊技データとして集計及び記憶する。具体的には、会員ID=0001の遊技者の場合、ゾーン1(1−100)では、累計のゲーム数が1153、ゾーン1においてBB状態となった回数を示すBB回数が3、ゾーン1においてRB状態となった回数を示すRB回数が2であることが集計及び記憶されている。また、これらのマイゾーンデータに基づいて、ゾーン1においてBB状態となった割合を示すBB確率が384.3(=3/1153=1/384.3)、及びゾーン1においてRB状態となった割合を示すRB確率が576.5(=2/1153=1/576.5)のように算出及び記憶されている。尚、ゾーン2とゾーン3、及び他の会員IDについても同様に各ゾーン1〜3における遊技データの集計、算出及び記憶が行われている。
【0028】
次に、上記した遊技情報表示装置4の作用について説明する。
通常、遊技情報表示装置4は、中継端末5を介して受信するスロットマシン2側からの遊技信号や管理装置7からの遊技データに基づいて、各種の遊技データを表示する周知の処理を実行している。具体的には、遊技情報表示装置4は、会員カード8が挿入されると、会員カード8から会員IDを読み出して自店の会員であるかを判定する処理などを実行し、自店の会員である場合には、液晶表示部44に各種の遊技データを表示するとともに、管理装置7へ会員IDを送信する。これにより、遊技者が特定される。
【0029】
遊技情報表示装置4は、遊技者が遊技を開始すると、ゲームの進行に応じて稼動データを集計し、図10に示す通常データ画面を液晶表示部44に表示する。この通常データ画面には、スロットマシン2の台番及び機種名を示す台番表示部M1、直近のボーナス状態が終了した時点から実行されたゲーム数である只今ゲーム数を表示する只今ゲーム数表示部M2、遊技者の個人遊技データを示す個人データ表示部M3、周知のボーナス状態間のゲーム数を示すボーナス間ゲーム数表示部M4、個人遊技データを初期化する個人データリセットボタンM5、上記したマイゾーンデータを表示するためのMyゾーンボタンM6、及び、遊技場からの知らせなどを表示するメッセージ表示部M7が設けられている。図10の場合、台番が「123番台」、機種名が「○○○○○○」であり、直近のボーナス状態が終了してから実行されたゲーム数が256ゲームであり、当日に実行された累計のゲーム数が3456ゲームであり、そのうち現在の遊技者により実行されたゲーム数が1123ゲームであることなどが示されている。また、BB回数やRB回数などのデータも累計値及び個人遊技データとして表示されている。
【0030】
さて、遊技情報表示装置4は上記のように遊技データを表示しているものの、遊技者の中には前述のように通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている者が存在する。そのような遊技者にとっては、図10のようにBB回数やRB回数だけを表示するだけではそのBB状態やRB状態が特定の期間に発生したのか否かを判断することができず、興趣が薄れてしまうことがある。
【0031】
そこで、遊技情報表示装置4は、遊技者毎に設定されているマイゾーン設定(図8参照)に基づいて、以下に説明するようにマイゾーンデータを表示する。
遊技情報表示装置4は、図10に示す通常データ画面においてMyゾーンボタンM6が操作されると、図11に示すマイゾーンデータ画面を表示する。このマイゾーンデータ画面には、遊技者毎のマイゾーン設定に基づいて管理装置7が集計したマイゾーンデータを表示するマイゾーンデータ表示部M9、マイゾーン設定(図8参照)を行うためのMyゾーン設定ボタンM10、及び通常データ画面に表示を切り替える戻るボタンM11が設けられている。図11の場合、マイゾーンデータとして、遊技者個人の合計の遊技データ、及び、各ゾーン1〜3に対するゾーン毎の遊技データが表示されている。合計の遊技データには、累計のゲーム数(累計G数)が35671ゲームであり、BB回数が116回(その確率が116/35671=1/307.5)であり、RB回数が79回(その確率が79/35671=1/451.5)であることが示されている。また、ゾーン毎の遊技データとしては、例えばゾーン1(1−100)の場合、実行されたゲーム数(ゾーンG数)が10234ゲームであり、BB回数が45回、その確率(ゲーム数に対する大当たり発生回数の比率)が45/10234=1/269.3であり、RB回数が21回(その確率が21/10234=1/487.3)であることが示されている。同様に、ゾーン2については、ゲーム数が4126ゲーム、BB回数が13回(その確率が13/4126=1/317.4)、RB回数が10回(その確率が10/4126=1/412.6)であること、及び、ゾーン3については、ゲーム数が2287ゲーム、BB回数が10回(その確率が10/2287=1/228.7)、RB回数が6回(その確率が6/2287=1/381.2)であることが示されている。
【0032】
これにより、遊技者は、例えばゾーン1は合計のBB確率よりも高い確率でBB状態が発生している一方で、RB確率は合計のRB確率よりも低いことから、BB役が当選しやすくRB役が当選しにくい期間であると判断することができる。尚、図11では個別のマイゾーンデータを表示したが、例えばゾーン1〜3を合算したデータ、ゾーン1〜3を除外したデータ、ゾーン1〜3のゲーム数割合やゲーム回数割合など、他のデータを表示するようにしてもよい。
【0033】
このようなマイゾーンデータを表示するためのマイゾーン設定は、遊技情報表示装置4から設定することができる。遊技情報表示装置4は、会員カード8が挿入された状態(会員を特定可能な状態)において、図11に示すMyゾーン設定ボタンM10が操作されると、図12に示すマイゾーン設定画面を表示する。このマイゾーン設定画面には、遊技者が操作入力するための入力表示部M12が設けられている。図12の場合、ゾーン1に対する設定入力画面が示されており、遊技者は、「開始ゲーム数」及び「終了ゲーム」の何れかを選択し、テンキー部から数値を入力し、「設定」ボタンを操作することにより、ゾーン1に対するマイゾーン設定を実行する。また、「次」ボタンを操作することにより、ゾーン2、ゾーン3に対する設定を行うことができる。このようにマイゾーン設定が行われると、遊技情報表示装置4は、その設定値を管理装置7に送信する。これにより、遊技者は、自身が所望するマイゾーンを設定することができる。ゾーン設定が変更された場合には、記憶している過去のマイゾーンデータを初期化(ゼロクリア)する。尚、ゾーン設定の変更をキャンセルする場合、或いはゾーン設定を終了する場合には、「終了」ボタンを操作すればよい。
【0034】
このように、遊技情報表示装置4は、遊技者が設定したマイゾーン毎にBB状態やRB状態の発生回数即ち大当たり回数を集計し、その確率などを演算し、液晶表示部44に表示する。これにより、遊技者は、各ゾーン1〜3における遊技データを容易に把握可能となる。
【0035】
以上説明した本実施形態の遊技情報表示装置4によれば、次のような効果を奏する。
ボーナス状態が終了した後に実行されたゲーム数がゾーン1〜3の範囲にあるときに発生したボーナス状態の回数を各ゾーン1〜3に対応付けて表示するので、通常状態においても大当たりに当選しやすい特定の期間が存在すると考えている遊技者にとって有益な情報を提供することができ、遊技の興趣を高めることができる。
ボーナス状態の発生回数だけでなく、その比率を算出して表示するので、遊技者はどの程度ボーナス状態が発生するのかを容易に把握することができるようになる。
遊技者は各ゾーン1〜3を任意に設定できるので、自身の判断が適切であるのか否かを客観的に判定できるようになる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した一実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張することができる。
一実施形態では特定期間における個別のマイゾーンデータを表示する例を示したが、特定期間における特定期間大当たり比率と、特定期間を除く期間における非特定期間大当たり比率とを対比して表示してもよい。その場合、遊技者毎に対応付けて集計し、その集計結果を表示するようにしてもよい。これらにより、遊技者に対してより有益な情報を提供することができるとともに、自身の考えが正しいか否かを容易且つ客観的に判断できるようになる。
マイゾーンとして設定できる期間(ゾーン)を3つとしたが、設定可能な期間の数は限定されない。
各遊技者がマイゾーンとして設定した期間を一覧表示する設定期間表示手段を設けるようにしてもよい。これにより、他の遊技者がマイゾーンとして設定した期間を参考にすることができる。
【0037】
各遊技者のマイゾーンデータ(例えばBB回数/確率)を一覧表示する特定期間データ表示手段を設けるようにしてもよい。これにより、他の遊技者のマイゾーンデータと自分自身のマイゾーンデータとを比較し、自分自身のマイゾーン設定が適切なのか否かを判断することができる。
各遊技者のマイゾーンデータをランキング形式(例えばBB確率が高い順に並べたランキング)で一覧表示してもよい。
会員カード8に基づいて遊技者を特定するようにしたが、遊技者の生体情報(指紋、声紋など)に基づいて特定するようにしてもよい。あるいは、カメラで撮像した画像を認識することにより特定することもできる。
遊技媒体として玉を用いるスロットマシンに適用することもできる。
遊技情報表示装置4をスロットマシン2と別体で設けるようにしたが、スロットマシン2と一体的に設けるようにしてもよい。この場合、遊技機の制御装置と、遊技情報表示装置の制御装置とを共通化してもよい。
【0038】
管理装置7にてマイゾーン設定及びマイゾーンデータを集計及び記憶する構成を示したが、遊技者を特定した時点で過去の遊技データを管理装置7から取得し、その後は遊技情報表示装置4にて遊技データの集計及び記憶をする構成としてもよい。即ち、管理装置の制御の一部を遊技情報表示装置4にて行うようにしてもよいし、管理装置7の記憶部を記憶手段として用いてもよい。
一実施形態では遊技機としてスロットマシン2を例示したが、遊技機はパチンコ遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
図面中、2はスロットマシン(遊技機)、4は遊技情報表示装置、12はリール(抽選結果表示手段)、26は制御部(抽選手段、大当たり発生手段)、44は液晶表示部(表示手段、遊技者別結果表示手段)、46は制御部(表示回数設定手段、抽選結果表示回数集計手段、大当たり集計手段、大当たり比率算出手段、遊技者特定手段、記憶手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の抽選条件が成立したときに大当たりか否かを決定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果を表示する抽選結果表示手段と、
前記抽選結果表示手段が表示した抽選結果が大当たりである場合に、遊技者にとって有利な大当たり状態を発生する大当たり発生手段と、を備えた遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置において、
前記大当たり状態が終了した時点から前記抽選結果表示手段が抽選結果を表示した回数として、第1表示回数及びその第1表示回数よりも大きい第2表示回数を遊技者が任意に設定する表示回数設定手段と、
前記抽選結果表示手段による抽選結果の表示回数が前記第1表示回数に達した時点から前記第2表示回数に達するまでの特定期間における前記抽選結果の表示回数を集計する抽選結果表示回数集計手段と、
前記特定期間における大当たりの発生回数を集計する大当たり集計手段と、
前記抽選結果の表示回数及び前記大当たりの発生回数を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記特定期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、特定期間大当たり比率として算出するとともに、前記特定期間を除く期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、非特定期間大当たり比率として算出する大当たり比率算出手段を備え、
前記表示手段は、前記特定期間大当たり比率及び前記非特定期間大当たり比率を表示することを特徴とする請求項1記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記表示回数設定手段により前記第1表示回数及び前記第2表示回数を設定した遊技者を特定する遊技者特定手段と、
前記遊技者特定手段により特定された遊技者の特定情報と対応付けた状態で、前記抽選結果表示回数集計手段及び前記大当たり集計手段による集計結果を遊技者別に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する遊技者別の集計結果を表示する遊技者別結果表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の遊技情報表示装置。
【請求項1】
所定の抽選条件が成立したときに大当たりか否かを決定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果を表示する抽選結果表示手段と、
前記抽選結果表示手段が表示した抽選結果が大当たりである場合に、遊技者にとって有利な大当たり状態を発生する大当たり発生手段と、を備えた遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置において、
前記大当たり状態が終了した時点から前記抽選結果表示手段が抽選結果を表示した回数として、第1表示回数及びその第1表示回数よりも大きい第2表示回数を遊技者が任意に設定する表示回数設定手段と、
前記抽選結果表示手段による抽選結果の表示回数が前記第1表示回数に達した時点から前記第2表示回数に達するまでの特定期間における前記抽選結果の表示回数を集計する抽選結果表示回数集計手段と、
前記特定期間における大当たりの発生回数を集計する大当たり集計手段と、
前記抽選結果の表示回数及び前記大当たりの発生回数を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記特定期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、特定期間大当たり比率として算出するとともに、前記特定期間を除く期間における前記抽選結果の表示回数に対する大当たりの発生回数の比率を、非特定期間大当たり比率として算出する大当たり比率算出手段を備え、
前記表示手段は、前記特定期間大当たり比率及び前記非特定期間大当たり比率を表示することを特徴とする請求項1記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記表示回数設定手段により前記第1表示回数及び前記第2表示回数を設定した遊技者を特定する遊技者特定手段と、
前記遊技者特定手段により特定された遊技者の特定情報と対応付けた状態で、前記抽選結果表示回数集計手段及び前記大当たり集計手段による集計結果を遊技者別に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する遊技者別の集計結果を表示する遊技者別結果表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の遊技情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−125392(P2012−125392A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279250(P2010−279250)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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