説明

遊技機

【課題】 面白さが高い遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技機10は、図柄列が図柄表示器(21、22、23)に変動表示された後に内部状態に基づいて図柄列の変動表示が停止され、停止図柄の組合せに応じて特典が付与されるとともに通常遊技中に停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合に特定遊技が行われる。
そして、通常遊技は第1の遊技状態と第2の遊技状態とを含む複数の遊技状態に切り替えられ、特定遊技は第1の特定遊技と第2の特定遊技のいずれかで行われ、第1の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第1の特定遊技に移行する確率が高く、第2の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第2の特定遊技に移行する確率が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
特に、遊技機の遊技状態の切り替えや、特定遊技への移行に係る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるスロットマシンは、3個の回転するリールを備えており、各リール面には図柄が列状に連なって描かれている。
遊技者がメダル(遊技媒体)を投入してから始動レバー(始動操作部)を操作すると、3個のリールが回転し、表示器にリール面上の図柄がスクロール表示される。
リールが回転されている状態で遊技者が各リールに対応したリール停止ボタン(停止操作部)を押すと、それぞれのリールの回転が停止される。
3個のリールの全てが停止されると、表示器に停止図柄が表示され、停止図柄の組合せに応じてメダルが払い出される。
また、停止図柄が所定の組合わせ(例えば「7・7・7」)である場合には、停止図柄の入賞確率が高くなるとともに、メダルの払い出し枚数が多くなるボーナスゲーム(特定遊技)に移行する。
ボーナスゲームには、スーパービッグ状態とノーマルビッグ状態に区分される。
スーパービッグ状態で行われるボーナスゲームは、ノーマルビッグ状態で行われるそれに比べて多くのメダルが払い出される。
ボーナスゲームが、スーパービッグ状態かノーマルビッグ状態のいずれで行われるかは抽選によって決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の遊技機(スロットマシン)は、スーパービッグ状態の方がノーマルビッグ状態よりも多くのメダルが払い出されるので、遊技者はボーナスゲームがスーパービッグ状態で行われることを期待する。
しかしながら、ボーナスゲームがスーパービッグ状態かノーマルビッグ状態のいずれで行われるかは抽選によって決定されるために、予測することができない。
このため、上記のスロットマシンは遊技者の期待感を盛り上げることができず、遊技の面白さに欠けていた。
【0004】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、面白さが高い遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の遊技機は、始動操作部が操作されると複数の図柄列が図柄表示器に変動表示され、図柄列に対応した停止操作部が操作されると抽選によって決定された内部状態に基づいて図柄列の変動表示が停止され、停止図柄の組合せに応じて特典が付与されるとともに通常遊技中に停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合に特定遊技が行われる。
そして、通常遊技は第1の遊技状態と第2の遊技状態とを含む複数の遊技状態に切り替えられ、特定遊技は第1の特定遊技と第2の特定遊技のいずれかで行われ、第1の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第1の特定遊技に移行する確率が高く、第2の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第2の特定遊技に移行する確率が高い。
上記の遊技機は、通常遊技中に停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合に特定遊技が行われる。
また、第1の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第1の特定遊技に移行する確率が高く、第2の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第2の特定遊技に移行する確率が高い。
このため、遊技者は、通常遊技が第1の遊技状態と第2の遊技状態のどちらの遊技状態にある間に、第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となり、特定遊技がこれらの遊技状態に対応する第1の特定遊技と第2の特定遊技のいずれに移行するかに期待感を高めつつ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
さらには、第1の特定遊技と第2の特定遊技へは高い確率で移行するが、必ず移行するものではないので、移行しないかもしれないというスリルも遊技者を楽しませる。
特定遊技とは、例えば、停止図柄の入賞確率が高くなるとともに、通常遊技に比較して払い出される遊技媒体が多くなる特殊な遊技状態を言い、停止図柄である第1の組合せ図柄とは、例えば、「7・7・7」である。
第1の特定遊技と第2の特定遊技とは、特定遊技の区分であり、例えば、第1の特定遊技をスーパービッグ状態と呼ばれる遊技とし、第2の特定遊技をノーマルビッグ状態と呼ばれる遊技とすることもできる。
【0006】
請求項1に記載の遊技機において、第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えは、停止図柄が第2の組合せ図柄となる毎に行われることが好ましい(請求項2)。
上記の遊技機によれば、遊技者は、停止図柄が第2の組合せ図柄となる毎に行われる第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えに興味を引き付けられ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
【0007】
請求項1に記載の遊技機において、第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えは、内部状態が第1の内部状態に決定される毎に行われることが好ましい(請求項3)。
上記の遊技機によれば、遊技者は、内部状態が第1の内部状態に決定される毎に行われる第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えに興味を引き付けられ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
【0008】
請求項1に記載の遊技機において、停止図柄が第2の組合せ図柄の場合には引き続く1ゲームの間は第1の遊技状態となり、停止図柄が第2の組合せ図柄以外の場合には第2の遊技状態となることが好ましい(請求項4)。
上記の遊技機は、停止図柄が第2の組合せ図柄の場合には、引き続く1ゲーム中は遊技状態が第1の遊技状態となり、停止図柄が第2の組合せ図柄以外の場合には第2の遊技状態となる。
このように、遊技状態が第1の遊技状態となるのは、1ゲームの短い期間のみである。
このため、遊技者は、短い期間である第1の遊技状態にある間に、対応する第1の特定遊技に移行されるか否かに興味を引き付けられ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
なお、ここで1ゲームとは、始動操作部が操作されて図柄が変動表示されてから、停止操作部が操作されて図柄が停止するまでを言う。
【0009】
請求項1に記載の遊技機において、停止図柄が第3の組合せ図柄の場合には第1の遊技状態となり、停止図柄が第4の組合せ図柄の場合には第2の遊技状態となることが好ましい(請求項5)。
上記の遊技機によれば、遊技者は、停止図柄が第3の組合せ図柄の場合と第4の組合せ図柄の場合にそれぞれ行われる第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えに興味を引き付けられ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
【0010】
請求項1に記載の遊技機において、内部状態が第2の内部状態に決定されると第1の遊技状態となり、内部状態が第3の内部状態に決定されると第2の遊技状態となることが好ましい(請求項6)。
上記の遊技機によれば、遊技者は、内部状態が第2の内部状態と第3の内部状態に決定されるとそれぞれ行われる第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えに興味を引き付けられ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
【0011】
請求項2または4に記載の遊技機において、第2の組合せ図柄は、その組合せ図柄で停止すると遊技媒体を掛けなくても遊技を行うことができるリプレイ組合せ図柄であることが好ましい(請求項7)。
上記の遊技機によれば、遊技者は、停止図柄がリプレイ組合せ図柄となり、遊技状態が切り替えられることに興味を引き付けられ、遊技を楽しむことができる。
【0012】
請求項3に記載の遊技機において、第1の内部状態は、遊技媒体を掛けなくても遊技を行うことができるリプレイ組合せ図柄に停止させる内部状態であることが好ましい(請求項8)。
上記の遊技機によれば、遊技者は、内部状態がリプレイ組合せ図柄に停止させる第1の内部状態に決定され、遊技状態が切り替えられることに興味を引き付けられ。
遊技を楽しむことができる。
【0013】
請求項1〜8のいずれかに記載の遊技機において、通常遊技が第1の遊技状態と第2の遊技状態のいずれの状態にあるかを報知する報知手段が設けられていることが好ましい(請求項9)。
上記の遊技機によれば、通常遊技が第1の遊技状態と第2の遊技状態のいずれの状態にあるかを、報知手段によって遊技者に報知することができる。
このため、遊技者は、遊技状態を容易に把握しながら遊技を進行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るスロットマシンの正面図
【図2】本発明の実施の形態に係る図柄と有効ラインの模式図(有効ライン:1本)
【図3】本発明の実施の形態に係る図柄と有効ラインの模式図(有効ライン:3本)
【図4】本発明の実施の形態に係る図柄と有効ラインの模式図(有効ライン:5本)
【図5】本発明の実施の形態に係るリール帯に配される図柄列の図
【図6】本発明の実施の形態に係るリール回転装置の斜視図
【図7】本発明の実施の形態に係るリールの斜視図
【図8】本発明の実施の形態に係るメイン制御回路と表示/音制御回路の系統図
【図9】本発明の実施の形態に係る遊技処理のフローチャート図
【図10】本発明の実施の形態に係るリール停止制御処理のフローチャート図
【図11】本発明の実施の形態に係るスーパービッグ/ノーマルビッグ処理のフローチャート
【図12】本発明の実施の形態に係るビッグボーナスゲーム処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を遊技機の一種であるスロットマシン10に適用した実施の形態を、図1〜図12を参照しながら説明する。
スロットマシン10の前面パネル12には、図1に示されているように、中央に図柄表示部14、この図柄表示部14の上方に演出表示部16、図柄表示部14の下方に操作部18と払い出し部19が配置されている。
図柄表示部14には、横方向に3つ並んだ左表示窓21、中表示窓22、右表示窓23が設けられており、これらの表示窓(21、22、23)の裏側に円筒状の左リール24、中リール25、右リール26が装着されている。
これらのリール(24、25、26)の円筒表面には、複数の図柄が列状に描かれた左リール帯85、中リール帯86、右リール帯87が巻き付くように貼り付けられている。
リール(24、25、26)が停止した状態では、図1に示されているように、表示窓(21、22、23)にリール帯(85、86、87)の図柄が上段、中段、下段に3つ縦に並んで表示される。
操作部18に設けられている始動レバー61が操作されるとリール(24、25、26)が回転し、表示窓(21、22、23)に図柄が縦方向にスクロール変動して表示される。
リール(24、25、26)が回転中に、左リール停止ボタン62、中リール停止ボタン63、右リール停止ボタン64が操作されると、左リール24、中リール25、右リール26がそれぞれ個別に停止される。
これらのリール(24、25、26)やその駆動機構等については、後述にて詳細に説明する。
【0016】
以上説明した以外の前面パネル12の構成については、後述にて説明することとし、表示窓(21、22、23)に表示される図柄について、図2〜図5を参照しながら説明する。
スロットマシン10は、1回のゲームで掛けるメダル数(メダル掛数)に応じて有効ラインが設定される。
そして、この有効ライン上に所定の図柄が並ぶと、特典としてのメダルが払い出されたり、特定の遊技状態(例えば、後述するビッグボーナスゲーム)に移行したりする。
メダル掛数が1枚の場合には、図2に示されているように、表示窓(21、22、23)それぞれに表示される中段の図柄を水平に貫く有効ラインL1が有効化される(図2〜4において、○は図柄を示している)。
メダル掛数が2枚の場合には、有効ラインL1に加えて、図3に示されているように、2本の水平な有効ライン(L2、L3)が有効化される。
メダル掛数が3枚の場合には、有効ライン(L1、L2、L3)に加えて、図4に示されているように、2本の斜めの有効ライン(L4、L5)が有効化される。
左リール帯85、中リール帯86、右リール帯87に描かれている図柄の配列について説明する。
図5の(a)、(b)、(c)は、それぞれ左リール帯85、中リール帯86、右リール帯87の図柄配列を図示している。
各図柄について、図5(a)の左リール帯85を参照しながら説明する。
数字の「7」はビッグボーナス図柄201であり、このビッグボーナス図柄201が有効ライン上に3つ揃うと、ビッグボーナスゲームが開始される。
なお、このビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームの内容については、後述にて詳細に説明する。
図柄が「BAR」であるレギュラーボーナス図柄202が有効ライン上に3つ揃うと、レギュラーボーナスゲームが開始される。
なお、レギュラーボーナスゲームは、ビッグボーナスゲーム中に行われる、後述するJACゲームと内容が同じなので、以下において両者を区別する必要がない場合には、ビッグボーナスゲームのみを説明する。
【0017】
チェリーを模した図柄であるチェリー図柄205は、いわゆる小役図柄である。
左リール24が回転(左リール帯85が変動表示される)後に停止し、左表示窓21の上段、中段、下段のいずれかにチェリー図柄205が表示されると、有効ライン毎に2枚のメダルが払い出される。
例えば、メダル掛数が3枚の状態で、チェリー図柄205が左表示窓21の上段に停止表示されると、チェリー図柄205は2本の有効ライン(図4のL2、L4)上にあるので、2枚+2枚の計4枚のメダルが払い出される。
チェリー図柄205は、左表示窓21に停止表示されればメダルが払い出され、有効ライン上に3つ揃うことを要しないので、単図柄とも呼ばれる。
【0018】
「R」を○で囲んだ図柄であるリプレイ図柄203が有効ライン上に停止表示されると、リプレイゲームが開始される。
リプレイゲームにおいては、メダルを掛けることなく前回のゲームと同じ有効ラインで、もう一度ゲームを行うことができる。
また、ビッグボーナスゲーム中の小役ゲームにおいてリプレイ図柄203が3つ有効ライン上に揃うと、JACゲームが開始される。
JACゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に3つ揃うと、15枚のメダルが払い出される。
なお、JAC図柄はリプレイ図柄203と兼用されているので、以降において用いるJAC図柄とはリプレイ図柄203を指す。
また、詳しくは後述するが、ビッグボーナスゲームは、スーパービッグ状態とノーマルビッグ状態のいずれかの状態で行われる。
スーパービッグ状態でのビッグボーナスゲームにおける小役ゲーム中に、リンゴを模した小役図柄であるリンゴ図柄204が有効ライン上に3つ揃うと15枚のメダルが払い出される。
通常のゲーム中、あるいはノーマルビッグ状態でのビッグボーナスゲームにおける小役ゲーム中に、リンゴ図柄204が有効ライン上に3つ揃うと10枚のメダルが払い出される。
なお、スーパービッグ状態とノーマルビッグ状態が、それぞれ請求項に記載の第1の特定遊技と第2の特定遊技に相当する。
また有効ライン上に左側からビッグボーナス図柄201(図柄「7」)、リンゴ図柄204、リンゴ図柄204が並んだ場合、あるいは、レギュラーボーナス図柄202(図柄「BAR」)、リンゴ図柄204、リンゴ図柄204が並んだ場合には、15枚のメダルが払い出される(これらの図柄の組合せは、いわゆる特別小役図柄と呼ばれる)。
なお、有効ライン上に同じ図柄が3つ揃うこと、左表示窓21に単図柄(チェリー図柄205)が表示されること、特別小役図柄で揃うことを、以下においては入賞と称する。
【0019】
前面パネル12の構成の細部を説明する。
図1に示されているように、図柄表示部14の左表示窓21の左側には、縦に並んで5つの有効ラインランプ(31、32、33、34、35)が設けられている。
有効ラインランプ(31、32、33、34、35)は、表示窓(21、22、23)に表示されるそれぞれの図柄の有効ラインを明示する。
右表示窓23の右側には、縦に並んでビッグボーナスランプ41、レギュラーボーナスランプ42、リプレイランプ43、メダル投入ランプ44、スタートランプ45が設けられている。
また、中表示窓22の下方にビッグボーナステンパイランプ48が設けられている。
ビッグボーナスランプ41、レギュラーボーナスランプ42は、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲームがそれぞれ行われているときに点灯する。
リプレイランプ43は、リプレイ図柄203が入賞したときに点灯し、リプレイゲーム中であることを報知する。
メダル投入ランプ44は、メダルが投入可能なときに点灯し、投入不可なときに消灯する。
メダルが投入不可なときとは、例えば、リプレイゲーム中、リール(24、25、26)が回転中等である。
スタートランプ45は、始動レバー61が操作可能なときに点灯し、操作不可なときに消灯する。
始動レバー61が操作不可なときとは、例えば、リール(24、25、26)が回転中、メダルが投入されていないとき等である。
ビッグボーナステンパイランプ48は、表示される2つの図柄がビッグボーナス図柄201で停止し、残りの1つの図柄がビッグボーナス図柄201で停止すればビッグボーナスゲームが開始される状態(ビッグボーナステンパイ状態)で点灯する。
【0020】
表示窓(21、22、23)の下方には、数字表示器であるクレジット表示器52、ゲーム数表示器53、払い出し枚数表記器54が設けられている。
クレジット表示器52は、メダル投入口56から投入されて貯留されているメダルの貯留枚数を表示する。
本実施の形態のスロットマシン10は、50枚までのメダルを貯留可能であり、メダルを貯留しておけば、ゲーム毎にメダルをメダル投入口56から投入する必要がない。
ゲーム数表示器53には、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームの残りゲーム数が表示される。
払い出し枚数表示器54は、入賞した場合に払い出されるメダル枚数を表示する。
【0021】
操作部18に設けられているMAXベッドボタン57は、貯留されているメダル枚数に応じて最大3枚のメダルを掛けるためのボタンである。
例えば、18枚のメダルが貯留されている状態でMAXベッドボタン57を操作すると3枚のメダルが掛けられ、2枚のメダルが貯留されている状態では、2枚のメダルが掛けられる。
1ベッドボタン58を操作すると、貯留されているメダルから1枚が掛けられる。
2ベッドボタン59を操作すると、貯留されているメダルから2枚が掛けられる。
なお、メダルが貯留されていて各ベッドボタン(57、58、59)を操作するとメダルを掛けることができる状態では、各ベッドボタン(57、58、59)は内蔵されているLEDによって点灯され、メダルを掛けることができない状態では、消灯されている。
この、メダルを掛けることができない状態とは、リプレイゲーム中やリール(24、25、26)が回転中等である。
なお、始動レバー61の左下方に設けられているクレジット精算ボタン65が操作されると、メダルの貯留(クレジット)が解除され、貯留されていたメダルが払い出される。
ベッドボタン(57、58、59)の上方に、払い出し配当表71が設けられている。
払い出し配当表71には、入賞図柄に対応したメダルの払い出し枚数等が表示されている。
【0022】
演出表示部16には、液晶表示器66が設けられている。
液晶表示器66には、ゲーム中に種々のキャラクタが表示される等の演出が行われるとともに、獲得したメダル数等も表示される。
また、液晶表記器66には、スーパービッグ状態、ノーマルビッグ状態に関連付けられたキャラクタも表示され、どちらの状態にあるかを遊技者に報知する。
前面パネル12の最下部に配置されている払い出し部19は、メダル払い出し口68、メダル受け皿69を備えている。
メダル払い出し口68を通してメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け皿69に受け止められて貯められる。
また、メダル払い出し口68の左右には、遊技中に種々の効果音や音楽等を発する2個のスピーカ47が装着されている。
【0023】
リール(24、25、26)を回転させるリール回転装置70について説明する。
図6に示されているように、並んで配置されている左リール24、中リール25、右リール26は、フレーム72に取り付けられている。
リール回転装置70は、矢印73の方向をスロットマシン10の前方側に向けた状態で、左表示窓21、中表示窓22、右表示窓23の裏側に装着されている。
フレーム72の後方壁72aに、横方向に並んで3つのブラケット(74、75、76)が固定されている。
ブラケット(74、75、76)には、任意の回転位置で停止可能なステッピングモータ78がそれぞれ装着され、このステッピングモータ78の回転軸に左リール24、中リール25、右リール26が取り付けられている。
このように構成されているので、ステッピングモータ78の回転にともなって、左リール24、中リール25、右リール26も回転する。
また、コネクタ29には、ステッピングモータ78駆動用の信号線が接続されている。
【0024】
リールの構成の細部を説明する。
なお、左リール24、中リール25、右リール26の構成は同様なので、左リール24で代表して説明する。
左リール24は、図7に示されているように、透明な円筒状の外周面24cと、この外周面24cと中心部24aを結ぶ複数のスポーク24b等から構成されている。
左リール24の中心部24aは、ステッピングモータ78の回転軸に取り付けられている。
左リール帯85は、既に述べたように、左リール24の外周面24cに巻き付くように装着されている。
スポーク24bの1つに、左リール24の軸方向に平行に板状の遮蔽板88が取り付けられている。
また、光学的センサであるフォトセンサ84が、ブラケット74に固定されて左リール24の内部に配置されている。
左リール24が回転して遮蔽板88がフォトセンサ84の前を横切り、その入射光が遮られると、これによってフォトセンサ84は左リール24の回転のタイミングを検知する。
フォトセンサ84が回転タイミングを検知することにより、左リール24の回転位置が検出される。
【0025】
ランプケース83は、ブラケット74に固定された状態で左リール24の内部に配置されている。
ランプケース83は、図7に示されているように、上下方向に並ぶ3つの部屋に分割されており、これらの部屋が左表示窓21に表示される3つの図柄に対応しており、それぞれにバックランプ(83a、83b、83c)が取り付けられている。
バックランプ(83a、83b、83c)が点灯されると、左表示窓21には図柄が明るく照らし出される。
【0026】
続いて、スロットマシン10の遊技動作を制御するメイン制御回路100、表示や音を制御する表示/音制御回路120、およびこれらに接続される周辺装置について説明する。
メイン制御回路100は、図8に示されているように、CPU101(中央演算装置)、ROM102(読み出し専用メモリ)、RAM103(読み書き可能メモリ)、入力制御回路105、出力制御回路106、およびこれらを接続するBUS(信号線)(図示省略)等から構成されている。
CPU101は、ROM102に格納されている遊技制御プログラム(例えば、リール(24、25、26)の停止制御ロジック等)を実行することにより、スロットマシン10の各種遊技の制御を行う。
RAM103には、メイン制御部100で実行される処理過程において生成される各種データ(例えば、取得した乱数値、リール(24、25、26)の回転位置情報等)が一時的に保存される。
入力制御回路105は、メダルセレクタ108、始動レバー61、リール停止ボタン(62、63、64)等からの出力された信号を受信し、その信号をメイン制御部100内で処理可能なデータ形式に変換する。
なお、メダルセレクタ108は、メダル投入口56にメダルが投入されたことを検出する検出器である。
【0027】
払い出しメダルセンサ131、フォトセンサ84もメイン制御回路100に接続されている。
払い出しメダルセンサ131は、ホッパー130が払い出すメダル枚数をカウントし、メダル払い出し信号をメイン制御回路100に出力する。
カウンタ104は、所定の数値を上限としたフリーランニングカウンタであり、CPU101からの信号を受信した際にカウントされている乱数値を取得してレジスタに記憶する機能を有している。
出力制御回路106は、表示/音制御回路120、ホッパー130、ステッピングモータ78等にコマンド信号を出力する。
ホッパー130は、コマンド信号を受けて各図柄の入賞に応じたメダルの払い出しを行う。
ステッピングモータ78は、コマンド信号を受けて、回転/停止の動作を行う。
【0028】
表示/音制御回路120は、CPU121、VDP122、ROM123、RAM124、入力制御回路125、出力制御回路126、およびこれらを接続するBUS(信号線)(図示省略)等から構成されている。
入力制御回路125は、メイン制御部100の出力制御回路106から送信されてきたコマンド信号を受信してCPU121に送信する。
CPU121は、ROM123に格納されている制御プログラムに従って、メイン制御部100から送信されてきたコマンドデータを処理してコマンド信号を出力する。
RAM124には、表示/音制御の処理過程で生成される各種データが一時的に保存される。
CPU121から出力されたコマンド信号は、出力制御回路126を経由して各種ランプ(ビッグボーナステンパイランプ48等)、各種表示部(クレジット表示器52等)、スピーカ47に送信され、これらの点灯、表示、音の発生が行われる。
【0029】
VDP122は、CPU121からの信号を処理し、ROM123に格納されている表示データから表示用のコマンド信号を作成する。
VDP122から出力されたコマンド信号は、出力制御回路126を経由して液晶表示器66に送信され、液晶表示器66に各種の表示が行われる。
なお、表示/音制御回路120から出力されるコマンド信号を受信して点灯あるいは表示を行うランプや表示器としては、上述した以外に有効ラインランプ(31、32、33、34、35)、ベッドボタン(57、58、59)、リプレイランプ43、ゲーム数表示器53、払い出し枚数表示器54等があるが、図8においてはこれらの図示は省略されている。
【0030】
続いて、スロットマシン10でゲームが進行する過程で行われる各種の処理手順について、フローチャートを参照しながら説明する。
メイン制御部100で実行される処理手順について、図9を用いながら説明する。
まず最初に、メダルが掛けられたか否かの判別が行われる(S2)。
この判別は、メダルセレクタ108がメダル投入口56へのメダルの投入を検知し、あるいはベッドボタン(57、58、59)が操作されてメダルが掛けられたことが検知され、その検知信号をCPU101が受信すれば「YES」、受信しなければ「NO」とすることによって行われる。
S2で「NO」の場合には、メダルが投入される、あるいは掛けられるまで待機する。
S2で「YES」の場合には、始動レバー61が操作されたか否かの判別が行われる(S4)。
この判別は、始動レバー61からの出力信号をCPU101が受信すれば「YES」、受信しなければ「NO」とされる。
S4で「NO」の場合には、S2の処理に戻る。
S4で「YES」の場合には、引き続くS6で乱数の取得が行われる。
この乱数の取得は、CPU101がカウンタ104に信号を出力し、信号を受信したカウンタ104がその時にカウントしている乱数値を取得してレジスタに記憶し、この乱数値をCPU101が読み込むことにより行われる。
【0031】
このようにして取得された乱数値は、S8で小役、特別小役、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、リプレイの当たり値か否かの判別が行われる。
この判別は、具体的には乱数値がROM102に格納されているテーブルデータの当たり値と一致すれば「YES」、一致しなければ「NO」とすることにより行われる。
なお、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム等の遊技状態によってCPU101が読み込むデータテーブルは変更され、これによって入賞確率が変化する。
S8で「YES」と判別されると、引き続くS10で対応するフラグが「ON」にされる。
このフラグ「ON」は、取得した乱数値がビッグボーナス、レギュラーボーナス等の当たり値であった旨の情報をRAM103が記憶することによって行われる。
S10でフラグが「ON」にされた後、あるいはS8で「NO」と判別された場合にはフラグを「ON」にすることなく、メイン制御回路100からステッピングモータ78に駆動パルスが出力され、リール(24、25、26)が回転される(S12)。
【0032】
続くS14では、リール停止信号を受信したか否かの判別が行われる。
この判別は、CPU101がリール停止ボタン(62、63、64)が操作されることによって出力されるリール停止信号を受信したか否かによって行われる。
S14で「NO」の場合には、リール停止信号を受信するまで待機する。
リール停止信号を受信した場合(S14で「YES」の場合)には、S16に移行してリール停止制御が行われる。
【0033】
S16のリール停止制御について、図10を参照しながら説明する。
最初に、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等のフラグが「ON」か否かの判別が行われる(S30)。
この判別は、CPU101がRAM103にフラグ「ON」の情報が記憶されているか否かを確認することによって行われる。
フラグが「ON」の場合(S30でYESの場合)には、引き続くS32でフラグによって指示される図柄(入賞図柄)で停止表示が可能か否かの判別が行われる。
【0034】
このS32で行われる判別を具体的に詳述する。
メイン制御回路100は、フォトセンサ84からのリール(24、25、26)の回転タイミング(遮蔽板88がフォトセンサ84の入射光を遮るタイミング)を検出している。
そして、回転タイミングの検出からリール停止信号受信までにステッピングモータ78に出力した駆動パルス信号のパルス数との比較からリール停止信号受信時のリール(24、25、26)の回転位置を判断することができる。
リールの回転位置が判断されれば、リール停止信号受信時に表示窓(21、22、23)に表示されている図柄を知ることができる。
表示窓(21、22、23)に表示されている図柄を知ることができると、この図柄よりも後の所定数内(本実施の形態の場合は4図柄)にフラグで指示されている図柄が含まれているか否かが判断される。
フラグで指示される図柄が含まれている場合には、S32で停止表示可能(YES)と判断し、含まれていない場合(NOの場合)には停止表示不可と判断する。
すなわち、リール停止信号受信時に表示窓(21、22、23)に表示されている図柄から4図柄以内にフラグで指示されている図柄が配されていない場合には、指示されている図柄を停止表示させることができない。
【0035】
S32で「YES」の場合には、フラグで指示された図柄(入賞図柄)で停止するようにステッピングモータ78に信号を出力して、リール(24、25、26)の回転を停止させる(S33)。
フラグが「ON」でない場合(S30で「NO」の場合)、フラグで指示される図柄が停止表示不可の場合(S32で「NO」の場合)には、入賞しない図柄でリール(24、25、26)が停止される(S34)。
S33またはS34終了後、リターンして図9のS18に移行する。
【0036】
上述したように、スロットマシン10は、リール停止ボタン(62、63、64)操作時に表示窓(21、22、23)に表示されている図柄から後の4図柄以内にフラグで指示された図柄がある場合には、リール(24、25、26)は入賞図柄で停止される。
図5に示されているように、リール帯(85、86、87)の図柄配列においては、小役図柄であるリンゴ図柄204は、その1つ後(図5の上方向)の図柄から数えて4図柄以内にリンゴ図柄204が必ず配されている。
従って、リンゴ図柄204のフラグが「ON」の場合には、どのようなタイミングでリール停止ボタン(62、63、64)を操作しても、リンゴ図柄204で入賞するようにリール(24、25、26)の停止制御が行われる。
例えば、図5(a)に示されている左リール帯85のリプレイ図柄203aが表示されている状態で左リール停止ボタン62が操作された場合、その4図柄後に配されているリンゴ図柄204aが入賞する。
【0037】
これに対して、ビッグボーナス図柄(図柄「7」)201、レギュラーボーナス図柄(図柄「BAR」)202、小役図柄であるチェリー図柄205、リプレイ図柄203は5図柄以上離れて配されている部分があるので、フラグが「ON」になっていても、リール停止ボタン(62、63、64)が操作されるタイミングによっては、入賞図柄でリール(24、25、26)が停止しない場合がある。
例えば、図5(a)に示されているように、左リール帯85のリプレイ図柄203bとリプレイ図柄203は7図柄離れて配されているので、リプレイのフラグが「ON」になっていても、リール停止ボタン62を操作してリプレイ図柄で入賞しないように操作することができる。
このように操作することを、いわゆる「リプレイ外し」と呼ぶ。
【0038】
図9に示されているS18では、リール(24、25、26)が全て停止したか否かの判別が行われる。
この判別は、メイン制御部100がステッピングモータ78への駆動パルス信号を「OFF」にしたか否かによって行われる。
全てのリール(24、25、26)が停止している場合(S18で「YES」の場合)には、S20に移行する。
全てのリール(24、25、26)が停止していない場合(S18で「NO」の場合)には、S14の処理に戻る。
S20においては、停止した図柄が入賞したか否かの判別が行われる。
図柄が入賞している場合(S20で「YES」の場合)には、図11に示されている、スーパービッグ/ノーマルビッグ制御処理に移行する(S21)。
S20で図柄が入賞していないと判別された場合には、S21とS22がスキップされる。
【0039】
スーパービッグ/ノーマルビッグ制御処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
スーパービッグ/ノーマルビッグ制御処理では、まず最初にリプレイ図柄203で入賞したか否かが判別される(S35)。
S35でリプレイ図柄203で入賞したと判別された場合(YESの場合)には、S36に移行してスーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えが行われる。
すなわち、リプレイ図柄203で入賞する毎に、スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えが行われる。
このスーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態それぞれが、請求項に記載の第1の遊技状態と第2の遊技状態に相当する。
なお、遊技状態がスーパービッグ待機状態かノーマルビッグ待機状態のいずれにあるかは、液晶表示器66にそれぞれの待機状態と関連付けられたキャラクタが表示されることにより、遊技者に報知される。
S35でリプレイ図柄203で入賞していないと判別された場合(「NO」の場合)には、S36がスキップされ、スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えは行われない。
【0040】
このように、本実施の形態のスロットマシン10は、リプレイ図柄203で入賞すると、リプレイできることに付加して、スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えが行われる。
従来のスロットマシンにおいては、リプレイ図柄203での入賞は、単にリプレイできる状態になるだけであり、遊技者にとってそれほど面白いものではなかったが、スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えが付加されたことにより、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができるようになる。
【0041】
続くS37では、ビッグボーナス図柄201で入賞したか否かの判別が行われる。
ビッグボーナス図柄201で入賞したと判別された場合(「YES」の場合)には、S36で切り替えられたスーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態に対応して、スーパービッグ状態かノーマルビッグ状態のいずれかの選択が行われる。
なお、スーパービッグ待機状態に切り替えられていた場合であっても、高い確率でスーパービッグ状態が選択されるが、必ずスーパービッグ状態が選択されるわけではなく、ノーマルビッグ状態が選択される場合もある。
同様に、ノーマルビッグ待機状態に切り替えられていた場合であっても、高い確率でノーマルビッグ状態が選択されるが、必ずノーマルビッグ状態が選択されるわけではなく、スーパービッグ状態が選択される場合もある。
これらの確率は、乱数値に基づいて読み込まれるデータテーブルによって決定される。
S37においてビッグボーナス図柄で入賞していないと判別された場合(「NO」の場合)には、S38がスキップされる。
以上でスーパービッグ/ノーマルビッグ制御処理は終了し、図9に示されている遊技制御に戻り、S22の入賞処理が行われる。
【0042】
S22で行われる入賞処理について説明する。
ビッグボーナス図柄201、レギュラーボーナス図柄202で入賞した場合には、ビッグボーナスゲーム(図12のフローチャートを用いて、後述にて詳細に説明する)、レギュラーボーナスゲームがそれぞれ開始される。
小役図柄、特別小役図柄で入賞した場合には、上述した所定枚数のメダルが払い出される。
メダルの払い出しは、メイン制御部100からのコマンド信号によってホッパー130が駆動されることによって行われる。
リプレイ図柄203で入賞した場合には、メダル掛数に応じて有効ラインを有効化してリプレイに備えて待機するとともに、リプレイランプ43が点灯される。
引き続くS24においては、小役、特別小役、リプレイのフラグ「OFF」が行われる。
具体的には、RAM103に記憶されているフラグ情報がクリアされる。
なお、S24では、ビッグボーナス、レギュラーボーナスのフラグ「OFF」は実行されない。
従って、ビッグボーナスとレギュラーボーナスのフラグは、ボーナス図柄が入賞するまでは継続してRAM103に記憶されている。
【0043】
続いて、ビッグボーナスゲーム移行後の処理手順を図12のフローチャートを用いて説明する。
ビッグボーナスゲームが開始されると、ビッグボーナス初期化処理が行われる(S40)。
このビッグボーナス初期化処理とは、ビッグボーナスのフラグを「OFF」にし、小役回数カウンタ、JACゲームカウンタの数値をクリアすることである(これらのカウンタについては、後述する)。
なお、S42からS78までの処理から、JACゲームに係るS66とS74を除いた処理が行われるゲーム状態をビッグボーナスゲームにおける小役ゲームと言う。
S40に続いて、メダルが掛けられたか(S42)、始動レバーが操作されたか(S44)の判別と、乱数の取得が行われる(S46)。
これら、S42、S44、S46の処理については、上述した図9のS2、S4、S6と同じであるので、説明は省略する。
【0044】
次に、S46で所得した乱数値が小役(リンゴ図柄204のみ。
チェリー図柄205は含まない)か、リプレイの当たり値か否かの判別が行われる(S48)。
この判別は、取得した乱数値がROM102に格納されているテーブルデータの小役またはリプレイの当たり値と一致するか否かによって行われる。
テーブルデータには、小役(リンゴ図柄204)とリプレイの当たり値のみが格納されている。
従って、ビッグボーナスゲーム中の小役ゲームでは、リンゴ図柄204とリプレイ図柄203で入賞するか、外れにしかなり得ない。
また、テーブルデータには、小役の当たり値が通常の遊技状態のテーブルデータよりも多く設定されている。
このため、ビッグボーナスゲーム中の小役ゲームは、リンゴ図柄204で入賞する確率が高くなり、より多くのメダルの払い出しが行われる。
【0045】
乱数値が小役、リプレイの当たり値の場合(S48で「YES」の場合)には、S50に移行してフラグが「ON」にされる。
S48で「NO」の場合には、S50がスキップされる。
続くS52では、リール(24、25、26)が回転される。
なお、S52からS58までの処理は、上述した図9のS12からS18までと同じであるので、ここでの説明は省略する。
回転したリール(24、25、26)が全て停止した場合(S58で「YES」の場合)には、S60に移行して小役回数カウンタの加算処理が行われる。
この加算処理は、RAM103に記憶されている小役回数カウンタ値を+1することによって行われる。
小役回数カウンタの加算処理が行われた後、リプレイ図柄203で入賞したか否かの判別が行われる(S62)。
リプレイ図柄203で入賞した場合(S62で「YES」の場合)には、S66に移行してJACゲームが開始される。
【0046】
JACゲーム中に掛けることができるメダル数は1枚のみであり、有効ラインは、図2に示した、L1のライン1本のみである。
また、JACゲームにおいて取得した乱数値が当たりか否かを判別するために用いるテーブルデータには、リプレイの当たり値のみが格納されている。
従って、JACゲーム中には、JAC図柄での入賞、あるいは外れにしかなり得ない。
JACゲーム中にJAC図柄で入賞すると、15枚のメダルが払い出される。
1回のJACゲームは、JAC図柄で8回入賞するか、12回のゲームを行うかのいずれかを満足したときに終了する。
S66で行われたJACゲームが終了すると、JACゲームカウンタの加算処理に移行する(S74)。
この加算処理は、RAM103に記憶されているJACゲームカウンタ値を+1することによって行われる。
【0047】
一方、S62においてリプレイ図柄203で入賞していないと判別された場合(「NO」の場合)には、小役図柄であるリンゴ図柄204で入賞しているか否かの判別が行われる(S64)。
そして、リンゴ図柄204で入賞している場合(S64で「YES」の場合)には、メダルの払い出しが行われる(S68)。
このメダルの払い出し枚数は、上述した図11のS38において、スーパービッグ状態かノーマルビッグ状態のいずれが選択されていたかによって異なる。
スーパービッグ状態が選択されていた場合には15枚のメダルが払い出され、ノーマルビッグ状態が選択されていた場合には10枚のメダルが払い出される。
S64においてリンゴ図柄204で入賞していない場合(「NO」の場合)には、リプレイフラグが「ON」か否かの判別が行われる(S70)。
この判別は、取得した乱数値がリプレイの当たり値と一致したことをRAM103が記憶していれば「YES」、記憶していなければ「NO」とすることによって行われる。
すなわち、この判別で「YES」とされるのは、リプレイフラグが「ON」であるにもかかわらずリプレイ図柄203で入賞しなかった場合であり、上述したリプレイ外しが行われたことになる。
【0048】
S74とS68の終了後、あるいはS70で「YES」と判別された場合には、S76に移行してフラグの「OFF」が行われる。
なお、S70で「NO」と判別された場合には、フラグが「ON」となっていない状態であるため、フラグを「OFF」にするS76はスキップされる。
S76でのフラグ「OFF」終了後、S78に移行してビッグボーナスゲームの終了条件を満たすか否かの判別が行われる。
ビッグボーナスゲームの終了条件は、JACゲームが3回行われるか、小役ゲームが30回行われるかである。
従って、S78においては、S60で加算処理された小役回数カウンタの値が30に達している場合、あるいは、S74で加算処理されたJACゲームカウンタの値が3に達している場合には「YES」とされ、これらの値に達していない場合には「NO」とされる。
S78で「NO」と判別された場合には、S42に戻り再びビッグボーナスゲームが行われる。
【0049】
上述したように、スーパービッグ待機状態においてビッグボーナス図柄201で入賞してスーパービッグ状態でビッグボーナスゲームが行われる方が、ノーマルビッグ状態においてビッグボーナス図柄201で入賞してノーマルビッグ状態でビッグボーナスゲームが行われるよりも多くのメダルの払い出しを受けることができる。
また、スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えはリプレイ図柄203で入賞する毎に行われる。
このため、スーパービッグ待機状態にある間は、上述したリプレイ外しを実行してスーパービッグ待機状態を引き延ばしてビッグボーナス図柄201の入賞を待ち、スーパービッグ状態でビッグボーナスゲームが行われるチャンスを増やす技術的介入が可能となり、遊技者を楽しませる。
【0050】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合わせに限定されるものではない。
また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0051】
従って、例えば、以下に示す形態で実施することができる。
(1)ビッグボーナスゲームあるいはレギュラーボーナスゲームがスーパービッグ状態とノーマルビッグ状態のいずれで行われるかの決定は、ビッグボーナス図柄あるいはレギュラーボーナス図柄が入賞した時に限られない。
例えば、ビッグボーナスゲームのフラグが「ON」になった時でもよい。
(2)スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えを行うのは、リプレイ図柄等の入賞図柄に限られるものではなく、遊技機の内部状態の変化を契機としての行われてもよい。
例えば、リプレイ図柄に停止させるフラグが決定されたことによって、スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態の切り替えが行われる。
(3)スーパービッグ待機状態への切り替えは、1ゲーム間のみ行われるようにしてもよい。
例えば、リプレイ図柄で入賞するとスーパービッグ待機状態に切り替えられ、1ゲームが行われるとノーマルビッグ待機状態に切り替えられる。
このようにすると、遊技者は短い期間である1ゲーム間に、ボーナス図柄で入賞してスーパービッグ状態に移行することができるか否かに興味を引き付けられ、高い面白さを感じながら遊技を楽しむことができる。
(4)スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態を切り替える停止図柄が複数個存在してもよい。
例えば、リプレイ図柄で入賞するとスーパービッグ待機状態に切り替えられ、「リンゴ・リンゴ・リンゴ」で入賞すると、ノーマルビッグ待機状態に切り替えられる。
例えば、リプレイ図柄と「チェリー・リンゴ・BAR」で入賞するとスーパービッグ待機状態に切り替えられ、「リンゴ・リンゴ・リンゴ」で入賞すると、ノーマルビッグ待機状態に切り替えられる。
(「」内の記載は、停止図柄の組合せを示している、以下の(5)においても同じ)
(5)スーパービッグ待機状態とノーマルビッグ待機状態を切り替える内部状態が複数個存在してもよい。
例えば、リプレイ図柄に入賞させるフラグが決定されるとスーパービッグ待機状態に切り替えられ、「リンゴ・リンゴ・リンゴ」に入賞させるフラグが決定されるとノーマルビッグ待機状態に切り替えられる。
【符号の説明】
【0052】
10:スロットマシン
12:前面パネル
14:図柄表示部
16:演出表示部
18:操作部
19:払い出し部
21:左表示窓
22:中表示窓
23:右表示窓
24:左リール、24a:中心部、24b:スポーク、24c:外周面
25:中リール
26:右リール
29:コネクタ
31、32、33、34、35:有効ラインランプ
41:ビッグボーナスランプ
42:レギュラーボーナスランプ
43:リプレイランプ
44:メダル投入ランプ
45:スタートランプ
47:スピーカ
48:ビッグボーナステンパイランプ
52:クレジット表示器
53:ゲーム数表示器
54:払い出し枚数表示器
56:メダル投入口
57:MAXベッドボタン
58:1ベッドボタン
59:2ベッドボタン
61:始動レバー
62:左リール停止ボタン
63:中リール停止ボタン
64:右リール停止ボタン
65:クレジット精算ボタン
66:液晶表示器
68:メダル払い出し口
69:メダル受け皿
70:リール回転装置
71:払い出し配当表
72:フレーム、72a:後方壁
73:スロットマシンの前方側を示す矢印
74、75、76:ブラケット
78:ステッピングモータ
83:ランプケース、83a、83b、83c:バックランプ
84:フォトセンサ
85:左リール帯
86:中リール帯
87:右リール帯
88:遮蔽板
100:メイン制御回路
101:CPU
102:ROM
103:RAM
104:カウンタ
105:入力制御回路
106:出力制御回路
108:メダルセレクタ
120:表示/音制御回路
121:CPU
122:VDP
123:ROM
124:RAM
125:入力制御回路
126:出力制御回路
130:ホッパー
131:払い出しメダルセンサ
201:ビッグボーナス図柄
202:レギュラーボーナス図柄
203、203a:リプレイ図柄
204:リンゴ図柄
205:チェリー図柄
L1、L2、L3、L4、L5:有効ライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動操作部が操作されると複数の図柄列が図柄表示器に変動表示され、図柄列に対応した停止操作部が操作されると抽選によって決定された内部状態に基づいて図柄列の変動表示が停止され、停止図柄の組合せに応じて特典が付与されるとともに通常遊技中に停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合に特定遊技が行われる遊技機であって、
通常遊技は第1の遊技状態と第2の遊技状態とを含む複数の遊技状態に切り替えられ、特定遊技は第1の特定遊技と第2の特定遊技のいずれかで行われ、第1の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第1の特定遊技に移行する確率が高く、第2の遊技状態において第1の組合せ図柄となる内部状態に決定および/または停止図柄が第1の組合せ図柄となった場合には第2の特定遊技に移行する確率が高いことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えは、停止図柄が第2の組合せ図柄となる毎に行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
第1の遊技状態と第2の遊技状態の切り替えは、内部状態が第1の内部状態に決定される毎に行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
停止図柄が第2の組合せ図柄の場合には引き続く1ゲームの間は第1の遊技状態となり、停止図柄が第2の組合せ図柄以外の場合には第2の遊技状態となることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
停止図柄が第3の組合せ図柄の場合には第1の遊技状態となり、停止図柄が第4の組合せ図柄の場合には第2の遊技状態となることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
内部状態が第2の内部状態に決定されると第1の遊技状態となり、内部状態が第3の内部状態に決定されると第2の遊技状態となることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項7】
第2の組合せ図柄は、その組合せ図柄で停止すると遊技媒体を掛けなくても遊技を行うことができるリプレイ組合せ図柄であることを特徴とする請求項2または4に記載の遊技機。
【請求項8】
第1の内部状態は、遊技媒体を掛けなくても遊技を行うことができるリプレイ組合せ図柄に停止させる内部状態であることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項9】
通常遊技が第1の遊技状態と第2の遊技状態のいずれの状態にあるかを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−297550(P2009−297550A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223402(P2009−223402)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【分割の表示】特願2001−229301(P2001−229301)の分割
【原出願日】平成13年7月30日(2001.7.30)
【出願人】(000148922)株式会社大一商会 (3,262)
【Fターム(参考)】