遊技機
【課題】遊技者の遊技意欲の低下を防いで、稼働率を安定させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】ＡＴ発動制御カウンタの記憶値が閾値に達すると演出状態がＡＴ状態に設定される遊技機において、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループが当選し、内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた停止操作が行われずにビッグボーナス（ＢＢ）が入賞しなかったことを第１のカウンタ更新条件として設定するとともに、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループに当選し、内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた停止操作が行われたことによってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞することを契機に行われる第２演出抽選に当選しなかったことを第２のカウンタ更新条件として設定し、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタの記憶値の更新量よりも第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタの記憶値の更新量が大きくなるようにＡＴ発動制御カウンタの記憶値の更新量を調整している。
【解決手段】ＡＴ発動制御カウンタの記憶値が閾値に達すると演出状態がＡＴ状態に設定される遊技機において、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループが当選し、内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた停止操作が行われずにビッグボーナス（ＢＢ）が入賞しなかったことを第１のカウンタ更新条件として設定するとともに、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループに当選し、内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた停止操作が行われたことによってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞することを契機に行われる第２演出抽選に当選しなかったことを第２のカウンタ更新条件として設定し、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタの記憶値の更新量よりも第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタの記憶値の更新量が大きくなるようにＡＴ発動制御カウンタの記憶値の更新量を調整している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機（回胴式遊技機、スロットマシン）が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行って、内部抽選の結果に基づいてリールを停止させることにより、遊技結果をリールに配列された図柄の組合せを用いて表示する機能や、遊技結果において役が入賞した場合に入賞役に応じてメダル等の払い出しなどを行う機能を備えている。
【０００３】
ところで、この種の遊技機では、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、いわゆるアシストタイム状態（特別演出状態）と呼ばれる演出状態では、演出の内容によって内部抽選の結果を遊技者に把握させて、内部抽選での役の当選確率を変動させることなく通常の遊技に対して役の入賞確率を変動させることができる技術が知られている（特許文献１参照）。
【０００４】
また、近年の遊技機では、遊技中に所定条件を成立させた回数をカウントして、所定回数のカウント値が閾値に達したことを契機として遊技者に特典を付与するといういわゆる天井機能を実現している機種も存在する（特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００７−３１２８５３号公報
【特許文献２】特開２００５−１９８８３１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そして近年では、予め定められた遊技区間で所定条件を成立させた回数によって天井機能を発動させて演出状態をアシストタイム状態へ変化させることができるようにした機種が数多く提供されている。しかしながら、このような遊技仕様を搭載した機種では、遊技者の遊技媒体の獲得状況が芳しくない場合に、天井機能が発動するまで遊技を続行することが億劫となって、遊技を止めてしまうという問題があった。このため遊技機の稼働率の低下が懸念されており、かかる事態を解消して遊技機を安定的に稼働させることができる技術が望まれている。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の低下を防いで、稼働率を安定させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
（１）本発明は、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、複数種類の特定小役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として前記複数のリールを前記内部抽選の結果に応じて停止させる制御を行うリール制御手段と、前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、前記特定小役が当選した遊技において所定のカウンタ更新条件が成立したことに基づいてカウンタの値を閾値に近づけるように更新するカウンタ更新手段と、前記特定小役が当選した遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて所定の演出抽選を行う演出抽選手段と、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、前記カウンタの値が閾値に達したこと、または前記所定の演出抽選に当選したことに基づいて、演出状態を特別演出状態に設定する演出状態設定手段と、前記特定小役が当選した遊技において演出状態が前記特別演出状態に設定されていることに基づいて、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた演出を演出装置に実行させる制御を行う演出実行制御手段とを備えた遊技機であって、前記特定小役が当選した遊技で行われた停止操作が内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作とは異なっていることが第１のカウンタ更新条件として設定されているとともに、前記特定小役の当選した遊技で前記所定の演出抽選に当選しなかったことが第２のカウンタ更新条件として設定されており、前記カウンタ更新手段が、前記第１のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量よりも前記第２のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量が大きくなるように前記カウンタの値の更新量を調整する遊技機に関するものである。
【０００８】
本発明では、演出状態が特別演出状態に設定されていると、特定小役が当選した場合に、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた演出が実行されることによって、遊技者が内部抽選で当選した特定小役の種類を把握することができるようになっている。そして本発明では、特定小役が当選した遊技で所定のカウンタ更新条件を満たすことによってカウンタの値が閾値に近づくように更新され、カウンタの値が閾値に達すると、演出状態が特別演出状態に設定される。また本発明では、遊技者による特定小役の種類の予想が的中して内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われた場合に行われる所定の演出抽選に当選すると、カウンタの値が閾値に達していなくとも演出状態が特別演出状態に設定される。すなわち内部抽選で当選した特定小役の種類の予想を的中させて、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作を行うことができた場合には、演出状態が特別演出状態に設定されることに対する遊技者の期待感が大きいといえる。そこで本発明では、辛くも演出抽選に外れてしまって演出状態が特別演出状態に設定される機会を失ってしまった場合に、内部抽選で当選した特定小役の種類の予想を的中させることができなかった場合よりもカウンタの値の更新量が大きくなるように調整することによって、遊技者の遊技意欲の低下を防いで、遊技機の稼働率を安定させることができるようになる。
【０００９】
（２）本発明の遊技機では、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段をさらに備え、前記内部抽選手段が、前記ボーナス状態の移行契機となる役であるボーナスが前記特定小役とともに当選している状態が存在するように内部抽選を行い、前記リール制御手段が、前記ボーナスが前記特定小役とともに当選している遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させる制御を行い、前記遊技状態移行制御手段が、前記通常状態での遊技において前記ボーナスが当選したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス成立状態へ移行させ、前記ボーナス成立状態での遊技において前記ボーナスが入賞したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス状態へ移行させる制御を行うようにしてもよい。
【００１０】
このようにすれば、演出状態が特別演出状態に設定されている場合に、特定小役が当選した場合には、当選した特定小役の種類に応じた演出が実行されることによって、ボーナスを入賞させるために必要な停止操作を遊技者が把握することができるようになり、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【００１２】
１．構成
図１は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【００１３】
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【００１４】
本実施形態の遊技機は、収納箱ＢＸ、前面上扉ＵＤ、および前面下扉ＤＤからなる箱形の筐体内に第１リールＲ１〜第３リールＲ３（複数のリール）からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット（図示省略）が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、ＣＰＵ、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、ＲＡＭ等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
【００１５】
図１に示す第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、それぞれ外周面が一定の間隔で２１の領域（各領域を「コマ」と称する）に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、ステップモータ（リール駆動手段：図示省略）に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位（所定の回転角度単位、所定の回転量単位）で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第１リールＲ１〜第３リールＲ３が停止する。
【００１６】
前面上扉ＵＤと前面下扉ＤＤとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉ＵＤには第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓ＤＷが設けられている。第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止状態では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている３つの図柄（上段図柄、中段図柄、下段図柄）を遊技機の正面から表示窓ＤＷを通じて観察できるようになっている。
【００１７】
また本実施形態の遊技機では、表示窓ＤＷを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４が設定されている。
【００１８】
そして遊技結果は表示窓ＤＷ内の４本の入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４のいずれかに停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、１回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が１枚あるいは３枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて４本の入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４の全てが有効化される。なお本実施形態の遊技機では、遊技状態に応じて規定投入数が異なっており、遊技状態が通常状態あるいはビッグボーナス成立状態に設定されている場合には、規定投入数が３枚に設定され、遊技状態がビッグボーナス状態に設定されている場合には、規定投入数が１枚に設定される。また本実施形態の遊技機のように、規定投入数が複数種類設定されている場合には、規定投入数に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。
【００１９】
また前面上扉ＵＤには、遊技情報表示部ＤＳが設けられている。遊技情報表示部ＤＳは、ＬＥＤ、ランプ、７セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、１回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
【００２０】
また前面上扉ＵＤには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイＬＣＤが設けられている。この液晶ディスプレイＬＣＤには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像（または画像）が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉ＵＤや前面下扉ＤＤに対して、遊技演出を行うためのスピーカ（図示省略）が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【００２１】
また前面下扉ＤＤには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット（貯留）されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン（投入操作手段）Ｂ０、第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬ、ステップモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３などが設けられている。
【００２２】
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口ＭＩに投入するか、ベットボタンＢ０を押下する操作を行うことで、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーＳＬを押下すると、制御基板において第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作が許可（有効化）される。
【００２３】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下していくと、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ（停止信号出力手段：例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど）がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
【００２４】
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンＢ１〜Ｂ３を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【００２５】
そして制御基板は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる。
【００２６】
また前面下扉ＤＤの下部には、メダル払い出し口ＭＯとメダル受け皿ＭＰとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口ＭＯからメダル受け皿ＭＰへ払い出されるようになっている。
【００２７】
図２は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
【００２８】
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段（制御基板）１００によって制御される。遊技制御手段１００は、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット３１０、ホッパーユニット３２０、表示装置３３０、音響装置３４０等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段１００の機能は各種のプロセッサ（ＣＰＵ、ＤＳＰなど）、ＡＳＩＣ（ゲートアレイなど）、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、あるいはＲＡＭなどのハードウェアや、ＲＯＭなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【００２９】
そして遊技制御手段１００は、投入受付手段１０５、乱数発生手段１１０、内部抽選手段１２０、リール制御手段１３０、入賞判定手段１４０、払出制御手段１５０、リプレイ処理手段１６０、遊技状態移行制御手段１７０、演出制御手段１８０、記憶手段１９０を含む。
【００３０】
投入受付手段１０５は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬに対する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転開始操作を許可する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、スタートレバーＳＬの押下操作が、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
【００３１】
また投入受付手段１０５は、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびビッグボーナス成立状態（ＢＢ成立状態）では規定投入数を３枚に設定し、ビッグボーナス状態（ＢＢ状態）では規定投入数を１枚に設定する。
【００３２】
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口ＭＩにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ２１０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンＢ０が押下されると、ベットスイッチ２２０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【００３３】
乱数発生手段１１０は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ（所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ）のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【００３４】
内部抽選手段１２０は、遊技者がスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬの押下操作により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【００３５】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段１９０の抽選テーブル記憶手段１９１１に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段１９１１に、図３に示すような３種類の抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値（例えば、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値）のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびビッグボーナス（ＢＢ：ボーナス）などの各種の役が対応づけられている。
【００３６】
なお本実施形態の遊技機では、小役として、ベル、チェリー、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、特殊小役Ｈが用意されており、図３における小役グループ１〜小役グループ８は、特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈのうちの７つの組合せを示している。
【００３７】
具体的には、図４に示すように、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ１として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ２として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ３として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ４として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ５として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ６として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、および特殊小役Ｈが小役グループ７として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、および特殊小役Ｇが小役グループ８として同一の乱数値に対応づけられている。
【００３８】
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ビッグボーナス成立状態（ＢＢ成立状態：ボーナス成立状態）、およびビッグボーナス状態（ＢＢ状態：ボーナス状態）が設定可能とされており、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのいずれか１つを内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択することにより役の当選確率を調整している。
【００３９】
特に本実施形態の遊技機では、通常状態での内部抽選において参照される抽選テーブルＡおよびＢＢ成立状態での内部抽選において参照される抽選テーブルＢにおいて、リプレイあるいは小役のいずれかが必ず当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。すなわち内部抽選手段１２０は、通常状態およびＢＢ成立状態での遊技において、必ず何らかの役が当選するように内部抽選を行っている。
【００４０】
乱数判定処理では、スタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段１１０から乱数値（抽選用乱数）を取得し、取得した乱数値について記憶手段１９０の抽選テーブル記憶手段１９１１に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【００４１】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態（第１のフラグ状態、オフ状態）から当選状態（第２のフラグ状態、オン状態）に設定する。本実施形態の遊技機では、２種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した２種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段１９０の抽選フラグ記憶手段１９１２に格納される。
【００４２】
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ（持越可能フラグ）と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ（持越不可フラグ）とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス（ＢＢ）があり、それ以外の役（例えば、小役、リプレイ）は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると、当選したビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態を、当選したビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段１２０は、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ビッグボーナス（ＢＢ）以外の役（小役およびリプレイ）についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）以外の役が当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグと内部抽選で当選したビッグボーナス（ＢＢ）以外の役の抽選フラグとからなる２種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【００４３】
リール制御手段１３０は、遊技者がスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬの押下操作（回転開始操作）により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステップモータにより回転駆動して、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定速度（約８０ｒｐｍ：１分間あたり約８０回転となる回転速度）に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作（停止操作）を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３を抽選フラグの設定状態（内部抽選の結果）に応じて停止させる制御を行う。
【００４４】
そしてリール制御手段１３０は、ストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３に対する押下操作（停止操作）が許可（有効化）された状態において、遊技者がストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下することによりストップスイッチ２４０が作動すると、ストップスイッチ２４０からのリール停止信号に基づいて、リールユニット３１０のステップモータへの駆動パルス（モータ駆動信号）の供給を停止することにより、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の各リールを停止させる制御を行う。
【００４５】
すなわちリール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンが押下される毎に、第１リールＲ１〜第３リールＲ３のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段１９０の停止制御テーブル記憶手段１９１３に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングや押下順序等（停止操作の態様）に応じた第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止位置を決定し、決定された停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンＢ１を押下することが第１リールＲ１の停止操作に対応し、ストップボタンＢ２を押下することが第２リールＲ２の停止操作に対応し、ストップボタンＢ３を押下することが第３リールＲ３の停止操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序が変化すると、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止順序が変化する。
【００４６】
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ２４０の作動時点（ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンの押下操作が検出された時点）における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の位置（押下検出位置）と、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の実際の停止位置（または押下検出位置からの滑りコマ数）との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、抽選フラグの設定状態に応じて、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。
【００４７】
なお本実施形態の遊技機では、リールユニット３１０がフォトセンサからなるリールインデックス３１５を備えており、リール制御手段１３０は、リールが１回転する毎にリールインデックス３１５で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置（リールインデックスによって検出されるコマ）からの回転角度（ステップモータの回転軸の回転ステップ数）を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段１３０は、ストップスイッチ２４０の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【００４８】
また停止制御テーブルでは、２種類以上の異なる役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ２４０の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、「リプレイ＞小役＞ビッグボーナス（ＢＢ）」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段１３０は、２種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお、２種類以上の小役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定される場合には、各小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位が設定され、メダルの払出数が多いほど優先順位が高くなるように設定することができる。
【００４９】
またリール制御手段１３０は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように（当選した役を入賞させることができるように）リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように（当選していない役を入賞させることができないように）リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置（表示図柄の種類）などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段１３０は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。
【００５０】
そして本実施形態の遊技機では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が、ストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下された時点から１９０ｍｓ以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下時点から各リールＲ１〜Ｒ３が停止するまでに要するコマ数が０コマ〜４コマの範囲（所定の引き込み範囲）で設定されている。そして、リール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置（上段、中段、下段）に対して０コマ〜４コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【００５１】
また本実施形態の遊技機では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３については、図５に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「ＲＰ」に関して、その間隔が４コマ以内となるように配列しており、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関係なくリプレイ図柄「ＲＰ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができる図柄配列を有している。
【００５２】
また本実施形態の遊技機では、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、図５に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３の外周面に複数配列されているベル図柄「ＢＬ」に関して、その間隔が４コマ以内となるように配列しており、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関係なくベル図柄「ＢＬ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができる図柄配列を有している。
【００５３】
また本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態の遊技においてビッグボーナス（ＢＢ）とともに当選している役の種類に応じてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞頻度をコントロールするべく以下のように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。
【００５４】
まずビッグボーナス（ＢＢ）とリプレイとがともに当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について図６を参照しながら説明する。
【００５５】
図６（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」とリプレイの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」とがともに０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができる状態にある。
【００５６】
このような場合、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）よりもリプレイの入賞を優先するように第１リールＲ１を停止させる。具体的には、図６（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で下段に位置する１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」を第１リールＲ１に関する下段の表示図柄とすべく、図６（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を滑らせずに停止させる。
【００５７】
すると、図６（Ｂ）に示す状態では、第１リールＲ１が停止した時点で既に赤７図柄「赤７」および白７図柄「白７」のいずれも入賞判定ライン上の表示位置に表示されていないことから、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞可能性は消失している。ここで図５に示すように、第１リールＲ１の外周面において、リプレイ図柄「ＲＰ」は、４コマ以内の間隔で配列されているため、如何なるタイミングでストップボタンＢ１が押下された場合でも、リプレイ図柄「ＲＰ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第１リールＲ１を停止させることができるようになっている。また図５に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３についてもストップボタンＢ２，Ｂ３が如何なるタイミングで押下された場合でも、リプレイ図柄「ＲＰ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができるようになっている。
【００５８】
このため、図６（Ｂ）に示す状況から、遊技者が回転中の第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させるべく、ストップボタンＢ２，Ｂ３を押下すると、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関わらず、例えば、図６（Ｃ）に示すように、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せ「ＲＰ・ＲＰ・ＲＰ」が入賞判定ライン上に表示されるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができる。
【００５９】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とリプレイとがともに当選している状態では、常に、リプレイが入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００６０】
次に、ビッグボーナス（ＢＢ）とベルとがともに当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について図７を参照しながら説明する。
【００６１】
図７（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）およびベルの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができる状態にある。
【００６２】
このような場合、本実施の形態では、図７（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で中段に位置する１０番の赤７図柄「赤７」を第１リールＲ１に関する下段の表示図柄とすべく、図７（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を１コマ分滑らせてから停止させる。
【００６３】
すると、図７（Ｂ）に示す状態では、第１リールＲ１が停止した時点で赤７図柄「赤７」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されていることから、ビッグボーナス（ＢＢ）およびベルの双方について入賞の可能性が残されている。ここで図５に示すように、第１リールＲ１の外周面において、ベルの入賞形態を構成する３番の赤７図柄「赤７」、６番のベル図柄「ＢＬ」、１０番の赤７図柄「赤７」、１３番のベル図柄「ＢＬ」、１７番の白７図柄「白７」、および２０番のベル図柄「ＢＬ」は、４コマ以内の間隔で配列されているため、如何なるタイミングでストップボタンＢ１が押下された場合でも、赤７図柄「赤７」、白７図柄「白７」、あるいはベル図柄「ＢＬ」のいずれかを択一的に任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第１リールＲ１を停止させることができるようになっている。また図５に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、ベル図柄「ＢＬ」が４コマ以内の間隔で配列されているため、ストップボタンＢ２，Ｂ３が如何なるタイミングで押下された場合でも、ベル図柄「ＢＬ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができるようになっている。
【００６４】
このため、図７（Ｂ）に示す状況から、遊技者が回転中の第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させるべく、ストップボタンＢ２，Ｂ３を押下すると、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関わらず、例えば、図７（Ｃ）に示すように、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示されるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができる。なお図７に示す例では、第１リールＲ１に関して赤７図柄「赤７」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されているため、ベルの入賞形態を示す図柄組合せとして、「赤７・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示されるが、第１リールＲ１に関して白７図柄「白７」が入賞判定ライン上に表示されている場合には、ベルの入賞形態を示す図柄組合せとして、「白７・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示され、第１リールＲ１に関してベル図柄「ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示されている場合には、ベルの入賞形態を示す図柄組合せとして、「ＢＬ・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示される。
【００６５】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とベルとがともに当選している状態では、常に、ベルが入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００６６】
次に、ビッグボーナス（ＢＢ）とチェリーとがともに当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について図８を参照しながら説明する。
【００６７】
図８（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」を０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができるともに、チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する７番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」を０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示させることができる状態にある。
【００６８】
このような場合、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）よりもチェリーの入賞を優先するように第１リールＲ１を停止させる。具体的には、図８（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で上段に対して２コマ先に位置する７番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」を第１リールＲ１に関する上段の表示図柄とすべく、図８（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を２コマ分滑らせてから停止させる。
【００６９】
すると、図８（Ｂ）に示す状態では、第１リールＲ１が停止した時点で既にチェリーの入賞が確定しているとともに、赤７図柄「赤７」および白７図柄「白７」のいずれも入賞判定ライン上の表示位置に表示されていないことから、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞可能性は消失している。ここで図５に示すように、チェリーの入賞形態を構成する０番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、７番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、および１４番の白チェリー図柄「白ＣＨ」は、６コマの間隔を空けて配列されている。そしてチェリーは、入賞形態を示す図柄組合せを見ても分かる通り、第１リールＲ１に関する入賞判定ライン上の表示位置に表示されている図柄によって入賞が確定する。このため、内部抽選でチェリーが当選した場合には、如何なるタイミングでストップボタンＢ１が押下された場合でも、赤チェリー図柄「赤ＣＨ」あるいは白チェリー図柄「白ＣＨ」のいずれか一方を第１リールＲ１に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段のいずれか一方に引き込むことができるようになっている。
【００７０】
そして、図８（Ｂ）に示す状況から、遊技者が回転中の第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させるべく、ストップボタンＢ２，Ｂ３を押下すると、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関わらず、例えば、図８（Ｃ）に示すように、チェリー以外の役の入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されないように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させる。
【００７１】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とチェリーとがともに当選している状態では、常に、チェリーが入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００７２】
次に、ビッグボーナス（ＢＢ）と特殊小役とが重複して当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について、図９を参照しながらビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１（特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、特殊小役Ｈ）とがともに当選している場合を例に取り説明する。
【００７３】
図９（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、および特殊小役Ｄの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができる状態にある。
【００７４】
このような場合、本実施の形態では、図９（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で中段に位置する１０番の赤７図柄「赤７」を第１リールＲ１に関する下段の表示図柄とすべく、図９（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を１コマ分滑らせてから停止させる。
【００７５】
続いて、図９（Ｃ）に示すように、回転中の第２リールＲ２に関して、上段に５番のリプレイ図柄「ＲＰ」、中段に６番のベル図柄「ＢＬ」、下段に７番の白チェリー図柄「白ＣＨ」が位置するタイミングでストップボタンＢ２が押下されたとすると、第２リールＲ２においてビッグボーナス（ＢＢ）および特殊小役Ｂの入賞形態を示す図柄組合せを構成する３番の赤７図柄「赤７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である中段あるいは下段に表示させることができる状態にある。
【００７６】
このような場合、本実施の形態では、図９（Ｃ）に示すストップボタンＢ２の押下が検出された時点で中段に対して３コマ先に位置する３番の赤７図柄「赤７」を第２リールＲ２に関する中段の表示図柄とすべく、図９（Ｄ）に示すように、第１リールＲ１を３コマ分滑らせてから停止させる。
【００７７】
すると、図９（Ｄ）に示す状態では、第１リールＲ１および第２リールＲ２が停止した時点で赤７図柄「赤７」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されていることから、ビッグボーナス（ＢＢ）および特殊小役Ｂの双方について入賞の可能性が残されている。このとき、ビッグボーナス（ＢＢ）については、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せとして、「赤７・赤７・赤７」と「赤７・赤７・白７」とが用意されているため、遊技者が赤７図柄「赤７」を第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることを狙ってストップボタンＢ３を押下する場合と、遊技者が白７図柄「白７」を第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることを狙ってストップボタンＢ３を押下する場合とが想定される。
【００７８】
そこで以下では、回転中の第３リールＲ３に関して、遊技者が赤７図柄「赤７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合と、遊技者が白７図柄「白７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合とに分けて説明を進める。
【００７９】
まず遊技者が赤７図柄「赤７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合について説明する。図９（Ｅ）に示すように、回転中の第３リールＲ３に関して、上段に４番のベル図柄「ＢＬ」、中段に５番のリプレイ図柄「ＲＰ」、下段に６番の白チェリー図柄「白ＣＨ」が位置するタイミングでストップボタンＢ３が押下されたとすると、第３リールＲ３においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する３番の赤７図柄「赤７」と特殊小役Ｂの入賞形態を示す図柄組合せを構成する２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」とがともに０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることができる状態にある。
【００８０】
ここで本実施形態の遊技機では、図５に示すように、第３リールＲ３の外周面において、４コマ以内の間隔で配列された２番および６番の白チェリー図柄「白ＣＨ」の間に３番の赤７図柄「赤７」が配列され、４コマ以内の間隔で配列された１０番および１４番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」の間に１１番の白７図柄「白７」が配列され、４コマ以内の間隔で配列された１８番および２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」の間に１９番の赤７図柄「赤７」が配列されている。また図５に示すように、第３リールＲ３の外周面において、２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」、６番の白チェリー図柄「白ＣＨ」、１０番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、１４番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、および１８番の白チェリー図柄「白ＣＨ」は、４コマ以内の間隔で配列されている。すなわち図５に示す図柄配列によれば、ストップボタンＢ３の押下時点で回転中の第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が存在する場合には、必ず上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に白チェリー図柄「白ＣＨ」が存在し、ストップボタンＢ３の押下時点で回転中の第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に白７図柄「白７」が存在する場合には、必ず上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に赤チェリー図柄「赤ＣＨ」が存在するようになっている。
【００８１】
そして、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）のみならず特殊小役Ｂも入賞可能な状況では、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を回避して特殊小役Ｂ入賞させるように第３リールＲ３を停止させる。具体的には、図９（Ｅ）に示すストップボタンＢ３の押下が検出された時点で第３リールＲ３の上段に対して２コマ先に位置する２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」を第３リールＲ３に関する上段の表示図柄とすべく、図９（Ｆ）に示すように、第３リールＲ３を２コマ分滑らせてから停止させる。
【００８２】
次に、遊技者が白７図柄「白７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合について説明する。図９（Ｇ）に示すように、回転中の第３リールＲ３に関して、上段に１２番のベル図柄「ＢＬ」、中段に１３番のリプレイ図柄「ＲＰ」、下段に１４番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」が位置するタイミングでストップボタンＢ３が押下されたとすると、第３リールＲ３においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する１１番の白７図柄「白７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることができるが、第３リールＲ３に配列されている２番、６番、および１８番の白チェリー図柄「白ＣＨ」はいずれも０コマ〜４コマの引き込み範囲内では入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることができない状態にある。なお図９（Ｇ）に示す状態では、第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段に対して２コマ先に特殊小役Ａの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」が存在しているが、本例では小役グループ１に属する特殊小役が当選していることから、特殊小役Ａは当選していない。
【００８３】
そこで、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができるが、ビッグボーナス（ＢＢ）とともに当選している状態にある小役グループに属する特殊小役をいずれも入賞させることができない場合には、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させるように第３リールＲ３を停止させる。具体的には、図９（Ｇ）に示すストップボタンＢ３の押下が検出された時点で第３リールＲ３の上段に対して１コマ先に位置する１１番の白７図柄「白７」を第３リールＲ３に関する上段の表示図柄とすべく、図９（Ｈ）に示すように、第３リールＲ３を１コマ分滑らせてから停止させる。
【００８４】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１〜小役グループ８のいずれかとが、ともに当選している状態では、当選している小役グループに属する特殊小役をビッグボーナス（ＢＢ）に優先して入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させるが、当選している小役グループに属する特殊小役をいずれも入賞させることができない場合に限ってビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができるように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００８５】
より具体的には、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・赤７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ２に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・赤７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ３に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・白７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ４に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・白７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ５に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・赤７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ６に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・赤７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ７に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・白７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ８に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・白７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。
【００８６】
また本実施形態の遊技機では、図３に示すように、通常状態での内部抽選で参照される抽選テーブルＡにおいて、ビッグボーナス（ＢＢ）が必ずベルあるいはチェリーと重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されているため、通常状態における内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選した遊技では、ベルあるいはチェリーの入賞が優先されることによって、如何なる態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されてもビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができないようになっている。
【００８７】
また本実施形態の遊技機では、図３に示すように、ビッグボーナス（ＢＢ）が当選することによって移行するＢＢ成立状態での内部抽選で参照される抽選テーブルＢにおいて、リプレイあるいは小役のいずれかが必ず当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。このため、ＢＢ成立状態では、リプレイ、ベル、チェリーが当選した場合には、如何なる態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されてもビッグボーナス（ＢＢ）の入賞させることができず、小役グループ１〜小役グループ８が当選した場合には、当選した小役グループに応じた態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されることを条件にビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができる。
【００８８】
以上に述べたように、本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とビッグボーナス（ＢＢ）以外の役とがともに当選している状態において、ビッグボーナス（ＢＢ）以外の役として特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈのうち７種類の特殊小役の組合せからなる小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した場合に限り、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができ、しかもビッグボーナス（ＢＢ）とともに当選している状態にある特殊小役の組合せの種類に応じて入賞判定ライン上に表示させることができるビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを変化させることができる。
【００８９】
入賞判定手段１４０は、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段１９０の入賞判定テーブル記憶手段１９１４に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【００９０】
本実施形態では、図５に示すように、リールユニット３１０を構成する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の外周面に対して、赤７図柄「赤７」、白７図柄「白７」、ベル図柄「ＢＬ」、赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、白チェリー図柄「白ＣＨ」、リプレイ図柄「ＲＰ」、ダミー図柄「ＤＵＭ」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって、図１０に示すように、ビッグボーナス（ＢＢ）、リプレイ、ベル、チェリー、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、特殊小役Ｈの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図１０に示すチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ＡＮＹ」とは、リールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
【００９１】
すなわち本実施形態では、図１０に示すように、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・赤７」の図柄組合せ、「赤７・赤７・白７」の図柄組合せ、「赤７・白７・赤７」の図柄組合せ、「赤７・白７・白７」の図柄組合せ、「白７・赤７・赤７」の図柄組合せ、「白７・赤７・白７」の図柄組合せ、「白７・白７・赤７」の図柄組合せ、あるいは「白７・白７・白７」の図柄組合せのいずれかが表示された場合に、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＲＰ・ＲＰ・ＲＰ」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＢＬ・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せ、「赤７・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せ、あるいは「白７・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せのいずれかが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤ＣＨ・ＡＮＹ・ＡＮＹ」の図柄組合せ、あるいは「白ＣＨ・ＡＮＹ・ＡＮＹ」の図柄組合せのいずれかが表示された場合、チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ａが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｂが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・白７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｃが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・白７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｄが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・赤７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｅが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・赤７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｆが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・白７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｇが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・白７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｈが入賞したと判定される。
【００９２】
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段１４０の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段１５０によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段１６０によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には遊技状態移行制御手段１７０によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【００９３】
払出制御手段１５０は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット３２０（払出装置）に払い出させる制御を行う。
【００９４】
なお本実施形態の遊技機では、払出制御手段１５０が、複数種類の小役が１回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計を、遊技におけるメダルの払出数として決定し、１種類の小役が複数の入賞判定ラインにおいて重複して入賞した場合には、入賞した小役の配当に当該小役が入賞した入賞判定ラインの数を乗算した結果を、遊技におけるメダルの払出数として決定することができる。
【００９５】
ここで本実施形態の遊技機では、遊技状態に応じて規定投入数が異なっており、図１０に示すように、規定投入数に応じて各小役の配当が定められている。より具体的には、遊技状態が通常状態およびＢＢ成立状態である場合には、規定投入数が３枚に設定されることに基づいて、ベルおよび特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈの配当は１枚に設定され、チェリーの配当は３枚に設定される。また遊技状態がＢＢ状態である場合には、規定投入数が１枚に設定されることに基づいて、ベルおよび特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈの配当は１２枚に設定され、チェリーの配当は６枚に設定される。なお本実施形態の遊技機では、図１に示すように第１リールＲ１における入賞判定ライン上の表示位置である上段および下段が２種類の入賞判定ライン上の表示位置となっているため、チェリーが入賞する場合には、必ず２種類の入賞判定ライン上において重複して入賞することとなっており、規定投入数が３枚である通常状態やＢＢ成立状態での遊技におけるチェリー入賞時のメダルの払出数は６枚となり、規定投入数が１枚であるＢＢ状態での遊技におけるチェリー入賞時のメダルの払出数は１２枚となる。
【００９６】
ホッパーユニット３２０は、払出制御手段１５０によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット３２０には、メダルを１枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ３２５が備えられており、払出制御手段１５０は、払出メダル検出スイッチ３２５からの入力信号に基づいてホッパーユニット３２０から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
【００９７】
なおメダルのクレジット（内部貯留）が許可されている場合には、ホッパーユニット３２０によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段１９０のクレジット記憶領域（図示省略）に記憶されているクレジット数（クレジットされたメダルの数）に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイや、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には、図１０に示すように、リプレイおよびビッグボーナス（ＢＢ）に対して配当が設定されていないため、ホッパーユニット３２０からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に０枚のメダルを払い出したとする処理（０枚処理）が行われる。
【００９８】
リプレイ処理手段１６０は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理（再遊技処理）を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル（クレジットメダルを含む）を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作（遊技者によるスタートレバーＳＬの押下操作）を待機する状態に設定される。
【００９９】
遊技状態移行制御手段１７０は、通常状態、ＢＢ成立状態、ＢＢ状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、１の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち１の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【０１００】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはＢＢ成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、図３に示す抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのうち、ビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象の１つとして設定され、かつビッグボーナス（ＢＢ）が必ずチェリーあるいはベルのいずれかと重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている抽選テーブルＡを参照した内部抽選が行われる。
【０１０１】
ＢＢ成立状態は、内部抽選でＢＢに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ＢＢ成立状態では、図３に示す抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのうち、リプレイおよび小役の当選確率が通常状態と同一に設定され、ビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象から除外された抽選テーブルＢを参照した内部抽選が行われる。そして抽選テーブルＢでは、８種類の特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈ（複数種類の特定小役）のうち、７種類の特殊小役が対応づけられた複数の乱数値からなる第１当選区間Ｂ１と、リプレイ（複数種類の特定小役とは異なる役）あるいは特殊小役以外の小役（ベル、チェリー：複数種類の特定小役とは異なる役）が対応づけられた複数の乱数値からなる第２当選区間Ｂ２とが設けられている。特に抽選テーブルＢにおける第１当選区間Ｂ１では、７種類の特殊小役から構成される小役グループ１〜小役グループ８に関して、図４に示すように、各小役グループを構成する特殊小役の種類が互いに異なっている。
【０１０２】
またＢＢ成立状態では、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまでビッグボーナス（ＢＢ）に対応する抽選フラグが当選状態に維持される。そしてＢＢ成立状態でビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す８種類の図柄組合せ（「赤７・赤７・赤７」、「赤７・赤７・白７」、「赤７・白７・赤７」、「赤７・白７・白７」、「白７・赤７・赤７」、「白７・赤７・白７」、「白７・白７・赤７」、「白７・白７・白７」）のいずれかが入賞判定ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段１７０は、遊技状態をＢＢ成立状態からＢＢ状態へ移行させる制御を行う。
【０１０３】
ＢＢ状態は、ＢＢ成立状態においてＢＢの入賞形態を示す８種類の図柄組合せ（「赤７・赤７・赤７」、「赤７・赤７・白７」、「赤７・白７・赤７」、「赤７・白７・白７」、「白７・赤７・赤７」、「白７・赤７・白７」、「白７・白７・赤７」、「白７・白７・白７」）のいずれかが入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ＢＢ状態では、図３に示す抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのうち、ＢＢおよびリプレイが内部抽選の対象から除外され、小役の当選確率が抽選テーブルＡや抽選テーブルＢよりも高く設定された抽選テーブルＣを参照した内部抽選が行われる。すなわちＢＢ状態では、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【０１０４】
またＢＢ状態は、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数が、予め定められた払出上限数（例えば、１００枚）を超えるまで継続し、払出上限数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段１７０は、ＢＢ状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
【０１０５】
演出制御手段１８０は、演出データ記憶手段１９２１に記憶されている演出データに基づいてランプ、ＬＥＤ、液晶ディスプレイ等の表示装置３３０（演出装置の一例）を用いて行う表示演出や音響装置３４０（演出装置の一例）を用いて行う音響演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンＢ０、スタートレバーＳＬ、ストップボタンＢ１〜Ｂ３に対する操作、遊技状態の変動など、各種の遊技イベントの発生に応じてランプやＬＥＤを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイＬＣＤの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
【０１０６】
また演出制御手段１８０は、カウンタ更新手段１８１、演出抽選手段１８２、演出状態設定手段１８３、演出実行制御手段１８４を含んで構成されている。
【０１０７】
カウンタ更新手段１８１は、遊技状態がＢＢ成立状態に設定されているとともに、演出状態がＡＴ状態に設定されていない遊技において、内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技（特定小役が当選した遊技）において所定のカウンタ更新条件が成立したことに基づいてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値を閾値に近づけるように更新する。
【０１０８】
特に本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態における内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技でストップボタンＢ１〜Ｂ３に対して行われた押下操作の態様が内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた押下操作の態様とは異なっていることが第１のカウンタ更新条件として設定されているとともに、ＢＢ成立状態における内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技で後述する演出抽選手段１８２が実行した第２演出抽選に当選しなかったことが第２のカウンタ更新条件として設定されており、カウンタ更新手段１８２は、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量よりも第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるようにＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を調整している。
【０１０９】
またカウンタ更新手段１８１は、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技で行われたストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作によってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞しなかった場合には、第１のカウンタ更新条件が成立したことに基づいて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１（第１の値）を減算し、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技で行われたストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作によってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞し、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時点におけるＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が０である場合であって、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時に後述する演出抽選手段１８２によって行われる第２演出抽選の結果が不当選であった場合には、第２のカウンタ更新条件が成立したことに基づいて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１０（第２の値）を減算する。すなわち本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技においてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値を更新しているが、内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技でＢＢが入賞したか否かに応じて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を変化させている。
【０１１０】
演出抽選手段１８２は、通常状態における内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選したことを契機として第１演出抽選を行う。第１演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第１演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応づけられた０〜１０のいずれかのセット数に相当する値を選択して、選択された値をＡＴセット数カウンタ１９２４に書き込む処理を行う。
【０１１１】
また演出抽選手段１８２は、内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技において内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されたことによってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合に第２演出抽選（所定の演出抽選）を行う。第２演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第２演出抽選テーブルを参照して、取得乱数値が当選あるいは不当選のいずれに対応付けられているかを判定する。本実施の形態では、第２演出抽選テーブルにおいて、０〜６５５３５までの乱数値に０〜１０のいずれかのセット数に相当する値が対応付けられており、演出抽選手段１８２は、取得乱数値が１〜１０のいずれかの値に対応付けられている場合には当選と判定し、取得乱数値が０である場合には不当選と判定する。また第２演出抽選が行われた場合においても、第１演出抽選が行われた場合と同様に、演出抽選手段１８２が、第２演出抽選において選択された値をＡＴセット数カウンタ１９２４に書き込む処理を行う。
【０１１２】
また演出抽選手段１８２は、ＡＴ状態の終了を契機として第３演出抽選を行う。第３演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第３演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応づけられた１０（回）、５０（回）、および１００（回）の中から選択される値をＡＴ発動制御カウンタ１９２６に書き込む処理を行う。なお遊技機の初回起動時などにおいては、１０（回）、５０（回）、および１００（回）の中から予め定められた値がＡＴ発動制御カウンタ１９２６に書き込まれる。
【０１１３】
また演出抽選手段１８２は、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグが設定されている状態でビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合に、第２演出抽選の代わりに第４演出抽選を行う。第４演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第４演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応づけられた１〜１０のいずれかのセット数に相当する値を選択、選択された値をＡＴセット数カウンタ１９２４に書き込む処理を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグが設定されている状態でビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると、そのビッグボーナス（ＢＢ）の当選時において行われた第１演出抽選で選択されたセット数が０であった場合にも、第４演出抽選の結果に基づき、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が１以上となっているため、必ず演出状態がＡＴ状態に設定されるようになっている。
【０１１４】
演出状態設定手段１８３は、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、所定条件下で演出状態をアシストタイム状態（ＡＴ状態：特別演出状態）に設定する。
【０１１５】
まず演出状態設定手段１８３は、遊技状態がＢＢ成立状態へ移行する際に、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値をチェックし、ＡＴセット数カウンタ１９２４に１以上のセット数が設定されていることに基づいて演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定する。
【０１１６】
また演出状態設定手段１８３は、カウンタ更新手段１８１によって更新されるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の値がＢＢ成立状態での遊技において閾値である０に達すると、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定することによって演出状態をＡＴ状態に設定する。ただし本実施形態の遊技機では、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が閾値に達することによって演出状態がＡＴ状態に設定される場合には、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定するのみならず、特殊フラグも設定する。なおビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時に行われた第２演出抽選に当選しなかったことに基づいて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値がデクリメント更新された結果、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が閾値に達した場合、演出状態設定手段１８３は、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグのみを設定し、ＢＢ状態の終了時に特殊フラグが設定されていることに基づいて、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定する。
【０１１７】
そして演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグが設定されている場合には、ＡＴセット数カウンタ１９２４およびＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を更新する処理、ならびにＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に基づいてＡＴ状態の終了条件を判断する処理は省略され、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで演出状態をＡＴ状態に維持することができるようになっている。
【０１１８】
また演出状態設定手段１８３は、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時に演出抽選手段１８２によって行われる第２演出抽選（所定の演出抽選）に当選した場合にも、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定する。
【０１１９】
そして本実施形態の遊技機では、演出状態がＡＴ状態に設定されると、ＡＴ状態における１セットの開始時に、カウンタ更新手段１８１が、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値から１セット分に相当する値として１を減算するデクリメント更新を行うとともに、１セット分に対応する遊技回数として３０回分に相当する値として３０をＡＴゲーム数カウンタ１９２５に書き込む処理を行う。そしてＡＴ状態での遊技が開始されると、カウンタ更新手段１８１は、スタートレバーＳＬの押下操作を契機として、１回の遊技が行われる毎に１回分の遊技回数に相当する値として１をＡＴゲーム数カウンタ１９２５から減算するデクリメント更新を行う。
【０１２０】
そして演出状態設定手段１８３は、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が閾値である０に達すると、１セットが終了したと判断して、次回のセットが実行可能であるか否かをＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に基づいて判断する。具体的には、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が１以上である場合には、次回のセットが実行可能であると判断される。そしてＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が閾値である０に達した状態で、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値がしきい値である０に達していると判断されると、演出状態設定手段１８３は、ＡＴ状態の終了条件が成立したものとしてＡＴフラグをクリアすることによりＡＴ状態を終了させる。
【０１２１】
また本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞することに伴って遊技状態がＢＢ状態へ移行する場合においても、演出状態設定手段１８３が、ＡＴ状態の終了条件が成立したものとしてＡＴフラグをクリアすることによりＡＴ状態を終了させる。なおビッグボーナス（ＢＢ）が入賞することを契機としてＡＴ状態が終了する場合、カウンタ更新手段１８１は、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を０にクリアするが、ＡＴセット数カウンタ１９２５の記憶値は０にクリアせずに維持させる。このように本実施形態の遊技機では、未消化のセット数が残存したままＡＴ状態が終了する場合には、次回のビッグボーナス当選時における第１演出抽選で選択されたセット数が０であってもＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定することができるようになっている。またビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時にＡＴフラグのみならず特殊フラグも設定されていた場合には、ＡＴフラグとともに特殊フラグもクリアされる。
【０１２２】
演出実行制御手段１８４は、内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技において、遊技状態がＢＢ成立状態に設定されているとともに演出状態がＡＴ状態に設定されていることに基づいて、内部抽選で当選した小役グループに属する特殊小役の種類に態様でビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を補助する特別演出を表示装置３３０や音響装置３４０に実行させる制御を行う。
【０１２３】
本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させるためには、遊技者が内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選したことを感知しなければならないだけでなく、いずれの小役グループが当選しているのかまでを把握していなければならず、いずれの小役グループが当選しているのかが把握できていない場合には、８種類のビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せの中から表示可能な図柄組合せを予想してストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下しなければならない。また遊技機が実行する内部抽選の結果を遊技者には知り得ないのが一般的である。そこで、本実施形態の遊技機では、所定の契機で演出状態をＡＴ状態に設定して、内部抽選で当選した小役グループに応じた特別演出を行うことによってビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を補助することができるようにしている。
【０１２４】
特に本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応づけられた乱数値が取得されると、演出実行制御手段１８４が、取得乱数値に対応づけられた小役グループに属する特殊小役の種類に応じて、入賞判定ライン上に表示可能なビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを報知する演出画像を液晶ディスプレイＬＣＤに表示する演出を特別演出として行っている。例えば、図９に示す場合のように、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１に属する７種類の特殊小役とがともに当選している状態では、図１１に示すように、現在の遊技において入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せを報知する演出画像を液晶ディスプレイＬＣＤを表示させることにより、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を補助することができる。なお特別演出を実行する際に液晶ディスプレイＬＣＤに表示させる演出画像としては、遊技者が各リールについて狙うべき図柄の色を指定することによって、現在の遊技において入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せを示唆する画像であってもよい。また特別演出としては、入賞判定ライン上に表示可能なビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを報知するランプを点灯させるようにしてもよいし、入賞判定ライン上に表示可能なビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを報知する音声をスピーカから出力させるようにしてもよい。
【０１２５】
このように本実施形態の遊技機では、演出状態がＡＴ状態に設定されている場合に、小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選すると、当選した小役グループの種類に応じた特別演出が実行されることによって、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させるために必要な停止操作を遊技者が把握することができるようになり、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【０１２６】
なお本実施形態の遊技機では、図３の抽選テーブルＡおよび抽選テーブルＢに示すように、通常状態およびＢＢ成立状態での遊技において内部抽選が行われるとビッグボーナス（ＢＢ）以外の役であるリプレイあるいは小役のいずれかが必ず当選するようになっているため、小役グループ１〜小役グループ８が内部抽選で当選しない限りビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができないようになっている。
【０１２７】
このため本実施形態の遊技機では、上述した特別演出が実行されるか否かによって遊技者が現在の遊技において入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せを的確に把握できるかどうかが決まるため、結果として、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞頻度をＡＴ状態の設定頻度によって調整することができ、ＡＴ状態に設定される頻度が高いほど、少ない遊技回数で何回もビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させてメダルを大量に獲得することができるようになる。
【０１２８】
従って本実施形態の遊技機によれば、演出状態が特別演出の実行が許可されるＡＴ状態に設定されているか否かによって、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞難易度が大きく変化することから、ＡＴ状態の設定頻度によってビッグボーナス（ＢＢ）の入賞確率を制御することができる遊技仕様を実現することによって、メダルの獲得状況を大きく変動させる機能を実現して遊技者の遊技意欲の減退を防ぐことができる。
【０１２９】
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム（ゲームシステムを含む）に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段１００としてコンピュータを機能させるプログラムを、ＣＤ、ＤＶＤ等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のＷｅｂサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等は、キーボードやポインティングデバイス（マウス等）、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット３１０、ホッパーユニット３２０などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ（表示装置３３０）に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【０１３０】
２．本実施形態の手法
続いて本実施形態の遊技機で採用されている演出状態の制御手法について図１２〜図１４を参照しながら説明する。
【０１３１】
まず本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）の当選を契機として、図１２に示す処理がおこなわれる。
【０１３２】
具体的に説明すると、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると（ステップＳ１００でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグがセットされているか否かをチェックする（ステップＳ１０１）。このとき特殊フラグが設定されている場合には（ステップＳ１０１でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグをセットして演出状態をＡＴ状態に設定する（ステップＳ１０５）。
【０１３３】
一方、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグがセットされていない場合には（ステップＳ１０１でＮ）、第１演出抽選を実行して（ステップＳ１０２）、第１演出抽選によって選択された０〜１０のいずれかのセット数に相当する値をＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に加算するインクリメント更新を行う（ステップＳ１０３）。
【０１３４】
続いて、更新後のＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に基づいて、セット数が１以上であるか否かをチェックする（ステップＳ１０４）。このときセット数が１以上である場合には（ステップＳ１０４でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定し（ステップＳ１０５）、セット数が０である場合には（ステップＳ１０４でＮ）、ステップＳ１０５の処理をバイパスして一連の処理を終了する。
【０１３５】
次に、本実施形態の遊技機では、演出状態がＡＴ状態に設定されると、図１３に示す処理が行われる。
【０１３６】
具体的に説明すると、ＡＴ状態での最初の遊技が開始する際に、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値から１セットに相当する値（例えば、１）を減算するデクリメント更新を行うとともに（ステップＳ２００）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５に１セット分のゲーム数（遊技回数）に相当する値（例えば、３０）を書き込む処理を行う（ステップＳ２０１）。
【０１３７】
そして、ＡＴ状態での遊技が１回行われる毎に、スタートレバーＳＬの操作を契機としてＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値から１回の遊技に相当する値（例えば、１）を減算していくデクリメント更新を行っていき（ステップＳ２０２）、ＡＴ状態での遊技においてビッグボーナス（ＢＢ）が入賞すると（ステップＳ２０３でＹ）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を初期値である０にクリアし（ステップＳ２０４）、ＡＴ状態を終了させるべくＡＴフラグをクリアする（ステップＳ２０７）。
【０１３８】
またビッグボーナス（ＢＢ）が入賞していない場合には（ステップＳ２０３でＮ）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が閾値である０に達したか否かをチェックし（ステップＳ２０５）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が０に達していない場合には（ステップＳ２０５でＮ）、ステップＳ２０２に復帰してビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するか、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が０に達するまで、遊技毎にＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を減算していくデクリメント更新を行っていく。
【０１３９】
またＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が０に達した場合には（ステップＳ２０５でＹ）、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が閾値である０に達したか否かをチェックし（ステップＳ２０６）、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が０に達していない場合には、ステップＳ２００に復帰して新たな１セット分のＡＴ状態の遊技を開始させる。またＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が０に達している場合には（ステップＳ２０６でＹ）、ＡＴ状態を終了させるべくＡＴフラグをクリアする（ステップＳ２０７）。
【０１４０】
そして本実施形態の遊技機では、ＡＴフラグがクリアされてＡＴ状態が終了することを契機として、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の初期値を選択するための第３演出抽選を行い（ステップＳ２０８）、第３演出抽選によって選択される１０（回）、５０（回）、あるいは１００（回）のいずれかの遊技回数に相当する値をＡＴ発動制御カウンタ１９２６に書き込む処理を行う（ステップＳ２０９）。
【０１４１】
また、本実施形態の遊技機では、遊技状態がＢＢ成立状態に設定されている場合において図１４に示す処理が行われる。
【０１４２】
具体的に説明すると、内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選すると（ステップＳ３００でＹ）、その遊技における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止態様に基づきビッグボーナス（ＢＢ）が入賞したか否かをチェックする（ステップＳ３０１）。このときビッグボーナス（ＢＢ）が入賞しなかった場合には（ステップＳ３０１でＮ）、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１を減算するデクリメント更新を行う（ステップＳ３０２）。
【０１４３】
そして更新後のＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値に基づいて、当該記憶値が閾値である０に達しているか否かをチェックし（ステップＳ３０３）、記憶値が閾値に達していると判断される場合には（ステップＳ３０３でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグをセットするとともに（ステップＳ３０４）、ＡＴフラグをセットすることによって演出状態をＡＴ状態に設定する（ステップＳ３０５）。このＡＴ状態においては、特殊フラグがセットされていることによって、当選中のビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで演出状態がＡＴ状態に維持される。
【０１４４】
一方、内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技においてビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には（ステップＳ３０１でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグがセットされているか否かをチェックし（ステップＳ３０６）、特殊フラグがセットされている場合には（ステップＳ３０６でＹ）、第４演出抽選を実行し（ステップＳ３０７）、第４演出抽選によって選択される１〜１０のいずれかのセット数に相当する値をＡＴセット数カウンタ１９２４に加算するインクリメント更新を行い（ステップＳ３０８）、ＡＴフラグおよび特殊フラグの双方をクリアする（ステップＳ３０９）。この場合には、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）が当選すると、図１２に示したように、ＡＴセット数カウンタ１９２４に１以上の値が書き込まれていることによって第１演出抽選の結果に関わらず、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグがセットされ、演出状態が必ずＡＴ状態に設定される。
【０１４５】
またビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した時点において特殊フラグがセットされていない場合には（ステップＳ３０６でＮ）、第２演出抽選を実行して（ステップＳ３１０）、第２演出抽選によって選択された０〜１０のいずれかのセット数に相当する値をＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に加算するインクリメント更新を行う（ステップＳ３１１）。
【０１４６】
そして本実施の形態では、第２演出抽選において取得された乱数値に対応付けられているセット数に基づき、第２演出抽選に当選したか否かを判定する（ステップＳ３１２）。例えば、第２演出抽選における取得乱数値が１〜１０のいずれかに対応付けられていた場合には、第２演出抽選に当選したと判定し（ステップＳ３１２でＹ）、ステップＳ３１３〜ステップＳ３１５の処理をバイパスして一連の処理を終了する。この場合にも、第４演出抽選が行われた場合と同様に、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）が当選すると、図１２に示したように、ＡＴセット数カウンタ１９２４に１以上の値が書き込まれていることによって第１演出抽選の結果に関わらず、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグがセットされ、演出状態が必ずＡＴ状態に設定される。
【０１４７】
また例えば、第２演出抽選における取得乱数値が０に対応付けられていた場合には、第２演出抽選に当選しなかったと判定し（ステップＳ３１２でＮ）、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１０を減算するデクリメント更新を行う（ステップＳ３１３）。
【０１４８】
そして更新後のＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値に基づいて、当該記憶値が閾値である０に達しているか否かをチェックし（ステップＳ３１４）、記憶値が閾値に達していると判断される場合には（ステップＳ３１４でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグをセットして一連の処理を終了する（ステップＳ３１５）。この場合には、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）が当選すると、図１２に示すように、特殊フラグがセットされていることに基づいて演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグがセットされ、当選中のビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで演出状態がＡＴ状態に維持される。
【０１４９】
以上に述べた本実施形態の制御手法では、ビッグボーナス（ＢＢ）が当選しているＢＢ成立状態において内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した場合に、当選した小役グループの種類の予想が的中してビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させたことに伴って行われる第２演出抽選に当選すると、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が閾値に達していなくとも演出状態がＡＴ状態に設定される。すなわち内部抽選で当選した小役グループの種類の予想を的中させて、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができた場合には、演出状態がＡＴ状態に設定されることに対する遊技者の期待感が大きいといえる。そこで本実施形態の制御手法では、辛くも第２演出抽選に外れてしまって演出状態がＡＴ状態に設定される機会を失ってしまった場合に、内部抽選で当選した小役グループの種類の予想を的中させることができなかった場合よりもＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるように調整することによって、遊技者の遊技意欲の低下を防いで、遊技機の稼働率を安定させることができるようになる。
【０１５０】
ところで本実施形態の遊技機では、図３における通常状態での内部抽選で参照される抽選テーブルＡによれば、小役が当選する際には、必ずビッグボーナス（ＢＢ）が重複して当選するようになっており、通常状態では数回程度の遊技でビッグボーナス（ＢＢ）が当選してＢＢ成立状態に移行するようになっているので、通常状態の遊技回数に比べてＢＢ成立状態での遊技回数が相対的に多くなる傾向にあると推察できる。このためＢＢ成立状態での遊技においても小役が頻繁に当選することとなると、小役の配当次第では、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させずとも遊技者が所有メダルを増やすことができるようになってしまうという不都合が生じうる。
【０１５１】
しかしながら本実施形態の遊技機では、通常状態やＢＢ成立状態での遊技においてベルあるいは特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈが入賞した場合には、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数以下となり、チェリーが入賞した場合には、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数より多くなるように各小役の配当が定められている。そしてＢＢ成立状態では、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数である３枚以下となるベルおよび特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈが、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数である３枚より多いチェリーに比べて高確率で当選するようになっているため、ＢＢ成立状態でビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させなくても遊技者の所有するメダルが増えてしまうという不都合を解消することができる。
【０１５２】
３．変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【０１５３】
上記実施形態では、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量と第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量とがともに固定されている場合を例に取り説明をしたが、いずれか一方のカウンタ更新条件の成立時、あるいは双方のカウンタ更新条件の成立時においてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を変動させるようにしてもよい。
【０１５４】
例えば、第１のカウンタ更新条件の成立時に抽選によってＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を決定するようにしてもよい。このとき上記実施形態のように第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が１０である場合には、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、１〜３の範囲で抽選によって変動させ、第１のカウンタ更新条件の成立時に直前のＢＢ状態の終了後から所定回数（例えば、３００回）の遊技が行われている場合には、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、４〜６の範囲で抽選によって変動させ、さらに第１のカウンタ更新条件の成立時に直前のＢＢ状態の終了後からの第１のカウンタ更新条件の成立回数が所定回数（例えば、１０回）に達している場合には、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、７〜９の範囲で抽選によって変動させるようにしてもよい。すなわち遊技者にとって不利な状況で第１のカウンタ更新条件が成立するほどＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるように調整することができる。
【０１５５】
また例えば、第２のカウンタ更新条件の成立時に抽選によってＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を決定するようにしてもよい。このとき上記実施形態のように第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が１である場合には、第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、２〜５の範囲で抽選によって変動させ、所定回数（例えば、２回）の第２のカウンタ更新条件の成立によっても演出状態がＡＴ状態に設定されない場合には、第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、６〜１０の範囲で抽選によって変動させるようにしてもよい。すなわち遊技者が内部抽選で当選した小役グループの種類の予想を連続的に的中させて複数回ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させたにも関わらず演出状態をＡＴ状態へ移行させることができなかった場合に、遊技者への救済措置としてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるように調整することができる。
【０１５６】
また上記実施形態では、第１のカウンタ更新条件の成立時と第２のカウンタ更新条件の成立時とにおいてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が更新される場合を例に取り説明をしたが、他のカウンタ更新条件が設定されていてもよい。例えば、ＢＢ成立状態において小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選したことを契機として、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値を更新するとともに、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が停止した結果、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞したか否かによってＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が変動するように制御してもよい。
【０１５７】
また上記実施形態では、通常状態においてビッグボーナス（ＢＢ）が必ず小役と重複して当選するように内部抽選を行う場合を例に取り説明をしたが、ビッグボーナス（ＢＢ）が単独で当選する場合もあるように内部抽選を行ってもよいし、ビッグボーナス（ＢＢ）がリプレイと重複して当選する場合もあるように内部抽選を行ってもよい。なお上記実施形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）がベルやチェリーと重複して当選するように通常状態での内部抽選が行われているが、ビッグボーナス（ＢＢ）が小役グループ１〜小役グループ８と重複して当選するように内部抽選を行うようにしてもよい。
【０１５８】
また上記実施形態では、通常状態およびＢＢ成立状態においてビッグボーナス（ＢＢ）以外の役が必ず当選するように内部抽選を行う場合を例に取り説明をしたが、通常状態およびＢＢ成立状態の少なくとも一方における内部抽選で参照される抽選テーブルにおいて、いずれの役にも対応づけられていない乱数値からなる不当選区間（いわゆるハズレ）を設定するようにしてもよい。なおＢＢ成立状態での内部抽選で参照される抽選テーブルにおいて不当選区間を設定する場合には、不当選区間に属する乱数値の数が、第１当選区間に属する乱数値の数よりも少ないことが好ましい。
【０１５９】
また上記実施形態では、本発明の特定小役に相当する特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈの入賞形態を示す図柄組合せと、本発明のボーナスに相当するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せとが共通する図柄を含んでいる場合を例に取り説明をしたが、特定小役の入賞形態を示す図柄組合せとボーナスの入賞形態を示す図柄組合せとの間に共通する図柄が必ずしも含まれていなくてもよい。
【０１６０】
また上記実施形態では、８種類の特殊小役のうちの７種類の組合せが重複して当選するように内部抽選を行うことによって、８種類のビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうちの１種類の図柄組合せのみが入賞判定ライン上に表示可能となる場合を例に取り説明をしたが、重複して当選する特殊小役の種類を減らすことによってビッグボーナス（ＢＢ）の入賞難易度を下げることもできる。例えば、８種類の特殊小役のうちの４種類の組合せが重複して当選するように内部抽選を行えば、８種類のビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態示す図柄組合せのうちの４種類の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能となり、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させやすくすることができる。
【０１６１】
また上記実施形態では、ＢＢ状態でのボーナス遊技において小役の当選確率を通常状態やＢＢ成立状態よりも高くすることによって小役の入賞確率を高めてメダルを獲得しやすくするようにした場合を例に取り説明をしたが、ＢＢ状態でのボーナス遊技において内部抽選の結果に関わらず全ての小役の抽選フラグを強制的に当選状態に設定することによって小役の入賞確率を高めるようにしてもよい。なお、内部抽選の結果に関わらず全ての小役の抽選フラグを強制的に当選状態に設定する場合には、第１リールＲ１〜第３リールＲ３のうち一部のリールについて、通常状態やＢＢ成立状態よりも引き込み範囲が狭くなるようにリールを停止させる制御を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【０１６２】
【図１】本実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【図２】本実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【図３】本実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を説明する図である。
【図４】本実施形態の遊技機における特殊小役の組合せの例を説明する図である。
【図５】本実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
【図６】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図７】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図８】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図９】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図１０】本実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
【図１１】本実施形態の遊技機における演出画像の例を説明する図である。
【図１２】本実施形態の遊技機における処理の例を示すフローチャートである。
【図１３】本実施形態の遊技機における処理の例を示すフローチャートである。
【図１４】本実施形態の遊技機における処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【０１６３】
ＢＸ 収納箱、ＵＤ 前面上扉、ＤＤ 前面下扉、ＤＷ 表示窓、
Ｌ１〜Ｌ４ 入賞判定ライン、ＤＳ 遊技情報表示部、ＬＣＤ 液晶ディスプレイ、
Ｒ１ 第１リール、Ｒ２ 第２リール、Ｒ３ 第３リール、
Ｂ０ ベットボタン、ＳＬ スタートレバー、Ｂ１〜Ｂ３ ストップボタン、
ＭＩ メダル投入口、ＭＯ メダル払い出し口、ＭＰ メダル受け皿、
１００ 遊技制御手段、１０５ 投入受付手段、１１０ 乱数発生手段、
１２０ 内部抽選手段、１３０ リール制御手段、１４０ 入賞判定手段、
１５０ 払出制御手段、１６０ リプレイ処理手段、１７０ 遊技状態移行制御手段、
１８０ 演出制御手段、１８１ カウンタ更新手段、１８２ 演出抽選手段、
１８３ 演出状態設定手段、１８４ 演出実行制御手段、
１９０ 記憶手段、１９１１ 抽選テーブル記憶手段、
１９１２ 抽選フラグ記憶手段、１９１３ 停止制御テーブル記憶手段、
１９１４ 入賞判定テーブル記憶手段、１９２１ 演出データ記憶手段、
１９２２ 演出用フラグ記憶手段、１９２３ 演出抽選テーブル記憶手段、
１９２４ ＡＴセット数カウンタ、１９２５ ＡＴゲーム数カウンタ、
１９２６ ＡＴ発動制御カウンタ、
２１０ メダル投入スイッチ、２２０ ベットスイッチ、２３０ スタートスイッチ、
２４０ ストップスイッチ、３１０ リールユニット、３１５ リールインデックス、
３２０ ホッパーユニット、３２５ 払出メダル検出スイッチ、
３３０ 表示装置、３４０ 音響装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機（回胴式遊技機、スロットマシン）が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の操作に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行って、内部抽選の結果に基づいてリールを停止させることにより、遊技結果をリールに配列された図柄の組合せを用いて表示する機能や、遊技結果において役が入賞した場合に入賞役に応じてメダル等の払い出しなどを行う機能を備えている。
【０００３】
ところで、この種の遊技機では、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、いわゆるアシストタイム状態（特別演出状態）と呼ばれる演出状態では、演出の内容によって内部抽選の結果を遊技者に把握させて、内部抽選での役の当選確率を変動させることなく通常の遊技に対して役の入賞確率を変動させることができる技術が知られている（特許文献１参照）。
【０００４】
また、近年の遊技機では、遊技中に所定条件を成立させた回数をカウントして、所定回数のカウント値が閾値に達したことを契機として遊技者に特典を付与するといういわゆる天井機能を実現している機種も存在する（特許文献２参照）。
【特許文献１】特開２００７−３１２８５３号公報
【特許文献２】特開２００５−１９８８３１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そして近年では、予め定められた遊技区間で所定条件を成立させた回数によって天井機能を発動させて演出状態をアシストタイム状態へ変化させることができるようにした機種が数多く提供されている。しかしながら、このような遊技仕様を搭載した機種では、遊技者の遊技媒体の獲得状況が芳しくない場合に、天井機能が発動するまで遊技を続行することが億劫となって、遊技を止めてしまうという問題があった。このため遊技機の稼働率の低下が懸念されており、かかる事態を解消して遊技機を安定的に稼働させることができる技術が望まれている。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲の低下を防いで、稼働率を安定させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
（１）本発明は、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、複数種類の特定小役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として前記複数のリールを前記内部抽選の結果に応じて停止させる制御を行うリール制御手段と、前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、前記特定小役が当選した遊技において所定のカウンタ更新条件が成立したことに基づいてカウンタの値を閾値に近づけるように更新するカウンタ更新手段と、前記特定小役が当選した遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて所定の演出抽選を行う演出抽選手段と、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、前記カウンタの値が閾値に達したこと、または前記所定の演出抽選に当選したことに基づいて、演出状態を特別演出状態に設定する演出状態設定手段と、前記特定小役が当選した遊技において演出状態が前記特別演出状態に設定されていることに基づいて、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた演出を演出装置に実行させる制御を行う演出実行制御手段とを備えた遊技機であって、前記特定小役が当選した遊技で行われた停止操作が内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作とは異なっていることが第１のカウンタ更新条件として設定されているとともに、前記特定小役の当選した遊技で前記所定の演出抽選に当選しなかったことが第２のカウンタ更新条件として設定されており、前記カウンタ更新手段が、前記第１のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量よりも前記第２のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量が大きくなるように前記カウンタの値の更新量を調整する遊技機に関するものである。
【０００８】
本発明では、演出状態が特別演出状態に設定されていると、特定小役が当選した場合に、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた演出が実行されることによって、遊技者が内部抽選で当選した特定小役の種類を把握することができるようになっている。そして本発明では、特定小役が当選した遊技で所定のカウンタ更新条件を満たすことによってカウンタの値が閾値に近づくように更新され、カウンタの値が閾値に達すると、演出状態が特別演出状態に設定される。また本発明では、遊技者による特定小役の種類の予想が的中して内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われた場合に行われる所定の演出抽選に当選すると、カウンタの値が閾値に達していなくとも演出状態が特別演出状態に設定される。すなわち内部抽選で当選した特定小役の種類の予想を的中させて、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作を行うことができた場合には、演出状態が特別演出状態に設定されることに対する遊技者の期待感が大きいといえる。そこで本発明では、辛くも演出抽選に外れてしまって演出状態が特別演出状態に設定される機会を失ってしまった場合に、内部抽選で当選した特定小役の種類の予想を的中させることができなかった場合よりもカウンタの値の更新量が大きくなるように調整することによって、遊技者の遊技意欲の低下を防いで、遊技機の稼働率を安定させることができるようになる。
【０００９】
（２）本発明の遊技機では、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段をさらに備え、前記内部抽選手段が、前記ボーナス状態の移行契機となる役であるボーナスが前記特定小役とともに当選している状態が存在するように内部抽選を行い、前記リール制御手段が、前記ボーナスが前記特定小役とともに当選している遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させる制御を行い、前記遊技状態移行制御手段が、前記通常状態での遊技において前記ボーナスが当選したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス成立状態へ移行させ、前記ボーナス成立状態での遊技において前記ボーナスが入賞したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス状態へ移行させる制御を行うようにしてもよい。
【００１０】
このようにすれば、演出状態が特別演出状態に設定されている場合に、特定小役が当選した場合には、当選した特定小役の種類に応じた演出が実行されることによって、ボーナスを入賞させるために必要な停止操作を遊技者が把握することができるようになり、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【００１２】
１．構成
図１は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【００１３】
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【００１４】
本実施形態の遊技機は、収納箱ＢＸ、前面上扉ＵＤ、および前面下扉ＤＤからなる箱形の筐体内に第１リールＲ１〜第３リールＲ３（複数のリール）からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット（図示省略）が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、ＣＰＵ、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、ＲＡＭ等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
【００１５】
図１に示す第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、それぞれ外周面が一定の間隔で２１の領域（各領域を「コマ」と称する）に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第１リールＲ１〜第３リールＲ３は、ステップモータ（リール駆動手段：図示省略）に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位（所定の回転角度単位、所定の回転量単位）で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第１リールＲ１〜第３リールＲ３が停止する。
【００１６】
前面上扉ＵＤと前面下扉ＤＤとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉ＵＤには第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓ＤＷが設けられている。第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止状態では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている３つの図柄（上段図柄、中段図柄、下段図柄）を遊技機の正面から表示窓ＤＷを通じて観察できるようになっている。
【００１７】
また本実施形態の遊技機では、表示窓ＤＷを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４が設定されている。
【００１８】
そして遊技結果は表示窓ＤＷ内の４本の入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４のいずれかに停止表示された図柄組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、１回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が１枚あるいは３枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて４本の入賞判定ラインＬ１〜Ｌ４の全てが有効化される。なお本実施形態の遊技機では、遊技状態に応じて規定投入数が異なっており、遊技状態が通常状態あるいはビッグボーナス成立状態に設定されている場合には、規定投入数が３枚に設定され、遊技状態がビッグボーナス状態に設定されている場合には、規定投入数が１枚に設定される。また本実施形態の遊技機のように、規定投入数が複数種類設定されている場合には、規定投入数に応じて有効化される入賞判定ラインの数が異なっていてもよい。
【００１９】
また前面上扉ＵＤには、遊技情報表示部ＤＳが設けられている。遊技情報表示部ＤＳは、ＬＥＤ、ランプ、７セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、１回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
【００２０】
また前面上扉ＵＤには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイＬＣＤが設けられている。この液晶ディスプレイＬＣＤには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像（または画像）が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉ＵＤや前面下扉ＤＤに対して、遊技演出を行うためのスピーカ（図示省略）が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【００２１】
また前面下扉ＤＤには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット（貯留）されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン（投入操作手段）Ｂ０、第１リールＲ１〜第３リールＲ３を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬ、ステップモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３などが設けられている。
【００２２】
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口ＭＩに投入するか、ベットボタンＢ０を押下する操作を行うことで、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーＳＬを押下すると、制御基板において第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステップモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作が許可（有効化）される。
【００２３】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下していくと、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ（停止信号出力手段：例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど）がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
【００２４】
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンＢ１〜Ｂ３を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【００２５】
そして制御基板は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる。
【００２６】
また前面下扉ＤＤの下部には、メダル払い出し口ＭＯとメダル受け皿ＭＰとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口ＭＯからメダル受け皿ＭＰへ払い出されるようになっている。
【００２７】
図２は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
【００２８】
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段（制御基板）１００によって制御される。遊技制御手段１００は、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット３１０、ホッパーユニット３２０、表示装置３３０、音響装置３４０等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段１００の機能は各種のプロセッサ（ＣＰＵ、ＤＳＰなど）、ＡＳＩＣ（ゲートアレイなど）、ＲＯＭ（情報記憶媒体の一例）、あるいはＲＡＭなどのハードウェアや、ＲＯＭなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【００２９】
そして遊技制御手段１００は、投入受付手段１０５、乱数発生手段１１０、内部抽選手段１２０、リール制御手段１３０、入賞判定手段１４０、払出制御手段１５０、リプレイ処理手段１６０、遊技状態移行制御手段１７０、演出制御手段１８０、記憶手段１９０を含む。
【００３０】
投入受付手段１０５は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬに対する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転開始操作を許可する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、スタートレバーＳＬの押下操作が、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
【００３１】
また投入受付手段１０５は、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびビッグボーナス成立状態（ＢＢ成立状態）では規定投入数を３枚に設定し、ビッグボーナス状態（ＢＢ状態）では規定投入数を１枚に設定する。
【００３２】
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口ＭＩにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ２１０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンＢ０が押下されると、ベットスイッチ２２０が作動することに伴って、投入受付手段１０５が、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【００３３】
乱数発生手段１１０は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ（所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ）のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【００３４】
内部抽選手段１２０は、遊技者がスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬの押下操作により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【００３５】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段１９０の抽選テーブル記憶手段１９１１に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段１９１１に、図３に示すような３種類の抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値（例えば、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値）のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびビッグボーナス（ＢＢ：ボーナス）などの各種の役が対応づけられている。
【００３６】
なお本実施形態の遊技機では、小役として、ベル、チェリー、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、特殊小役Ｈが用意されており、図３における小役グループ１〜小役グループ８は、特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈのうちの７つの組合せを示している。
【００３７】
具体的には、図４に示すように、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ１として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ２として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ３として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ４として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ５として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｇ、および特殊小役Ｈが小役グループ６として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、および特殊小役Ｈが小役グループ７として同一の乱数値に対応づけられ、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、および特殊小役Ｇが小役グループ８として同一の乱数値に対応づけられている。
【００３８】
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ビッグボーナス成立状態（ＢＢ成立状態：ボーナス成立状態）、およびビッグボーナス状態（ＢＢ状態：ボーナス状態）が設定可能とされており、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのいずれか１つを内部抽選で使用する抽選テーブルとして選択することにより役の当選確率を調整している。
【００３９】
特に本実施形態の遊技機では、通常状態での内部抽選において参照される抽選テーブルＡおよびＢＢ成立状態での内部抽選において参照される抽選テーブルＢにおいて、リプレイあるいは小役のいずれかが必ず当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。すなわち内部抽選手段１２０は、通常状態およびＢＢ成立状態での遊技において、必ず何らかの役が当選するように内部抽選を行っている。
【００４０】
乱数判定処理では、スタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段１１０から乱数値（抽選用乱数）を取得し、取得した乱数値について記憶手段１９０の抽選テーブル記憶手段１９１１に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【００４１】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態（第１のフラグ状態、オフ状態）から当選状態（第２のフラグ状態、オン状態）に設定する。本実施形態の遊技機では、２種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した２種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段１９０の抽選フラグ記憶手段１９１２に格納される。
【００４２】
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ（持越可能フラグ）と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ（持越不可フラグ）とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス（ＢＢ）があり、それ以外の役（例えば、小役、リプレイ）は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると、当選したビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態を、当選したビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段１２０は、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ビッグボーナス（ＢＢ）以外の役（小役およびリプレイ）についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）以外の役が当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス（ＢＢ）の抽選フラグと内部抽選で当選したビッグボーナス（ＢＢ）以外の役の抽選フラグとからなる２種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【００４３】
リール制御手段１３０は、遊技者がスタートレバー（回転開始操作手段）ＳＬの押下操作（回転開始操作）により作動するスタートスイッチ２３０からのスタート信号に基づいて、第１リールＲ１〜第３リールＲ３をステップモータにより回転駆動して、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の回転速度が所定速度（約８０ｒｐｍ：１分間あたり約８０回転となる回転速度）に達した状態において回転中のリールに対応するストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作（停止操作）を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第１リールＲ１〜第３リールＲ３を抽選フラグの設定状態（内部抽選の結果）に応じて停止させる制御を行う。
【００４４】
そしてリール制御手段１３０は、ストップボタン（停止操作手段）Ｂ１〜Ｂ３に対する押下操作（停止操作）が許可（有効化）された状態において、遊技者がストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下することによりストップスイッチ２４０が作動すると、ストップスイッチ２４０からのリール停止信号に基づいて、リールユニット３１０のステップモータへの駆動パルス（モータ駆動信号）の供給を停止することにより、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の各リールを停止させる制御を行う。
【００４５】
すなわちリール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンが押下される毎に、第１リールＲ１〜第３リールＲ３のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段１９０の停止制御テーブル記憶手段１９１３に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングや押下順序等（停止操作の態様）に応じた第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止位置を決定し、決定された停止位置で第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンＢ１を押下することが第１リールＲ１の停止操作に対応し、ストップボタンＢ２を押下することが第２リールＲ２の停止操作に対応し、ストップボタンＢ３を押下することが第３リールＲ３の停止操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下順序が変化すると、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止順序が変化する。
【００４６】
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ２４０の作動時点（ストップボタンＢ１〜Ｂ３の各ボタンの押下操作が検出された時点）における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の位置（押下検出位置）と、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の実際の停止位置（または押下検出位置からの滑りコマ数）との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、抽選フラグの設定状態に応じて、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。
【００４７】
なお本実施形態の遊技機では、リールユニット３１０がフォトセンサからなるリールインデックス３１５を備えており、リール制御手段１３０は、リールが１回転する毎にリールインデックス３１５で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置（リールインデックスによって検出されるコマ）からの回転角度（ステップモータの回転軸の回転ステップ数）を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段１３０は、ストップスイッチ２４０の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【００４８】
また停止制御テーブルでは、２種類以上の異なる役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ２４０の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、「リプレイ＞小役＞ビッグボーナス（ＢＢ）」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段１３０は、２種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。なお、２種類以上の小役に対応づけられている抽選フラグが当選状態に設定される場合には、各小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位が設定され、メダルの払出数が多いほど優先順位が高くなるように設定することができる。
【００４９】
またリール制御手段１３０は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように（当選した役を入賞させることができるように）リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように（当選していない役を入賞させることができないように）リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置（表示図柄の種類）などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段１３０は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。
【００５０】
そして本実施形態の遊技機では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が、ストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下された時点から１９０ｍｓ以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下時点から各リールＲ１〜Ｒ３が停止するまでに要するコマ数が０コマ〜４コマの範囲（所定の引き込み範囲）で設定されている。そして、リール制御手段１３０は、ストップボタンＢ１〜Ｂ３のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置（上段、中段、下段）に対して０コマ〜４コマの範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄が入賞判定ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【００５１】
また本実施形態の遊技機では、第１リールＲ１〜第３リールＲ３については、図５に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「ＲＰ」に関して、その間隔が４コマ以内となるように配列しており、ストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関係なくリプレイ図柄「ＲＰ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができる図柄配列を有している。
【００５２】
また本実施形態の遊技機では、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、図５に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３の外周面に複数配列されているベル図柄「ＢＬ」に関して、その間隔が４コマ以内となるように配列しており、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関係なくベル図柄「ＢＬ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込むことができる図柄配列を有している。
【００５３】
また本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態の遊技においてビッグボーナス（ＢＢ）とともに当選している役の種類に応じてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞頻度をコントロールするべく以下のように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御を行っている。
【００５４】
まずビッグボーナス（ＢＢ）とリプレイとがともに当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について図６を参照しながら説明する。
【００５５】
図６（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」とリプレイの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」とがともに０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができる状態にある。
【００５６】
このような場合、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）よりもリプレイの入賞を優先するように第１リールＲ１を停止させる。具体的には、図６（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で下段に位置する１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」を第１リールＲ１に関する下段の表示図柄とすべく、図６（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を滑らせずに停止させる。
【００５７】
すると、図６（Ｂ）に示す状態では、第１リールＲ１が停止した時点で既に赤７図柄「赤７」および白７図柄「白７」のいずれも入賞判定ライン上の表示位置に表示されていないことから、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞可能性は消失している。ここで図５に示すように、第１リールＲ１の外周面において、リプレイ図柄「ＲＰ」は、４コマ以内の間隔で配列されているため、如何なるタイミングでストップボタンＢ１が押下された場合でも、リプレイ図柄「ＲＰ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第１リールＲ１を停止させることができるようになっている。また図５に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３についてもストップボタンＢ２，Ｂ３が如何なるタイミングで押下された場合でも、リプレイ図柄「ＲＰ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができるようになっている。
【００５８】
このため、図６（Ｂ）に示す状況から、遊技者が回転中の第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させるべく、ストップボタンＢ２，Ｂ３を押下すると、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関わらず、例えば、図６（Ｃ）に示すように、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せ「ＲＰ・ＲＰ・ＲＰ」が入賞判定ライン上に表示されるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができる。
【００５９】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とリプレイとがともに当選している状態では、常に、リプレイが入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００６０】
次に、ビッグボーナス（ＢＢ）とベルとがともに当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について図７を参照しながら説明する。
【００６１】
図７（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）およびベルの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができる状態にある。
【００６２】
このような場合、本実施の形態では、図７（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で中段に位置する１０番の赤７図柄「赤７」を第１リールＲ１に関する下段の表示図柄とすべく、図７（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を１コマ分滑らせてから停止させる。
【００６３】
すると、図７（Ｂ）に示す状態では、第１リールＲ１が停止した時点で赤７図柄「赤７」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されていることから、ビッグボーナス（ＢＢ）およびベルの双方について入賞の可能性が残されている。ここで図５に示すように、第１リールＲ１の外周面において、ベルの入賞形態を構成する３番の赤７図柄「赤７」、６番のベル図柄「ＢＬ」、１０番の赤７図柄「赤７」、１３番のベル図柄「ＢＬ」、１７番の白７図柄「白７」、および２０番のベル図柄「ＢＬ」は、４コマ以内の間隔で配列されているため、如何なるタイミングでストップボタンＢ１が押下された場合でも、赤７図柄「赤７」、白７図柄「白７」、あるいはベル図柄「ＢＬ」のいずれかを択一的に任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第１リールＲ１を停止させることができるようになっている。また図５に示すように、第２リールＲ２および第３リールＲ３については、ベル図柄「ＢＬ」が４コマ以内の間隔で配列されているため、ストップボタンＢ２，Ｂ３が如何なるタイミングで押下された場合でも、ベル図柄「ＢＬ」を任意の入賞判定ライン上の表示位置に引き込んで第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができるようになっている。
【００６４】
このため、図７（Ｂ）に示す状況から、遊技者が回転中の第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させるべく、ストップボタンＢ２，Ｂ３を押下すると、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関わらず、例えば、図７（Ｃ）に示すように、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せ「赤７・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示されるように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させることができる。なお図７に示す例では、第１リールＲ１に関して赤７図柄「赤７」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されているため、ベルの入賞形態を示す図柄組合せとして、「赤７・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示されるが、第１リールＲ１に関して白７図柄「白７」が入賞判定ライン上に表示されている場合には、ベルの入賞形態を示す図柄組合せとして、「白７・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示され、第１リールＲ１に関してベル図柄「ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示されている場合には、ベルの入賞形態を示す図柄組合せとして、「ＢＬ・ＢＬ・ＢＬ」が入賞判定ライン上に表示される。
【００６５】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とベルとがともに当選している状態では、常に、ベルが入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００６６】
次に、ビッグボーナス（ＢＢ）とチェリーとがともに当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について図８を参照しながら説明する。
【００６７】
図８（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」を０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができるともに、チェリーの入賞形態を示す図柄組合せを構成する７番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」を０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段に表示させることができる状態にある。
【００６８】
このような場合、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）よりもチェリーの入賞を優先するように第１リールＲ１を停止させる。具体的には、図８（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で上段に対して２コマ先に位置する７番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」を第１リールＲ１に関する上段の表示図柄とすべく、図８（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を２コマ分滑らせてから停止させる。
【００６９】
すると、図８（Ｂ）に示す状態では、第１リールＲ１が停止した時点で既にチェリーの入賞が確定しているとともに、赤７図柄「赤７」および白７図柄「白７」のいずれも入賞判定ライン上の表示位置に表示されていないことから、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞可能性は消失している。ここで図５に示すように、チェリーの入賞形態を構成する０番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、７番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、および１４番の白チェリー図柄「白ＣＨ」は、６コマの間隔を空けて配列されている。そしてチェリーは、入賞形態を示す図柄組合せを見ても分かる通り、第１リールＲ１に関する入賞判定ライン上の表示位置に表示されている図柄によって入賞が確定する。このため、内部抽選でチェリーが当選した場合には、如何なるタイミングでストップボタンＢ１が押下された場合でも、赤チェリー図柄「赤ＣＨ」あるいは白チェリー図柄「白ＣＨ」のいずれか一方を第１リールＲ１に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段あるいは下段のいずれか一方に引き込むことができるようになっている。
【００７０】
そして、図８（Ｂ）に示す状況から、遊技者が回転中の第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させるべく、ストップボタンＢ２，Ｂ３を押下すると、ストップボタンＢ２，Ｂ３の押下タイミングや押下順序に関わらず、例えば、図８（Ｃ）に示すように、チェリー以外の役の入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されないように第２リールＲ２および第３リールＲ３を停止させる。
【００７１】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とチェリーとがともに当選している状態では、常に、チェリーが入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００７２】
次に、ビッグボーナス（ＢＢ）と特殊小役とが重複して当選している状態における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止制御について、図９を参照しながらビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１（特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、特殊小役Ｈ）とがともに当選している場合を例に取り説明する。
【００７３】
図９（Ａ）に示すように、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が全て回転している状態において、回転中の第１リールＲ１に関して、上段に９番のダミー図柄「ＤＵＭ」、中段に１０番の赤７図柄「赤７」、下段に１１番のリプレイ図柄「ＲＰ」が位置するタイミングでストップボタンＢ１が押下されたとすると、第１リールＲ１においてビッグボーナス（ＢＢ）、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、および特殊小役Ｄの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤７図柄「赤７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である下段に表示させることができる状態にある。
【００７４】
このような場合、本実施の形態では、図９（Ａ）に示すストップボタンＢ１の押下が検出された時点で中段に位置する１０番の赤７図柄「赤７」を第１リールＲ１に関する下段の表示図柄とすべく、図９（Ｂ）に示すように、第１リールＲ１を１コマ分滑らせてから停止させる。
【００７５】
続いて、図９（Ｃ）に示すように、回転中の第２リールＲ２に関して、上段に５番のリプレイ図柄「ＲＰ」、中段に６番のベル図柄「ＢＬ」、下段に７番の白チェリー図柄「白ＣＨ」が位置するタイミングでストップボタンＢ２が押下されたとすると、第２リールＲ２においてビッグボーナス（ＢＢ）および特殊小役Ｂの入賞形態を示す図柄組合せを構成する３番の赤７図柄「赤７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である中段あるいは下段に表示させることができる状態にある。
【００７６】
このような場合、本実施の形態では、図９（Ｃ）に示すストップボタンＢ２の押下が検出された時点で中段に対して３コマ先に位置する３番の赤７図柄「赤７」を第２リールＲ２に関する中段の表示図柄とすべく、図９（Ｄ）に示すように、第１リールＲ１を３コマ分滑らせてから停止させる。
【００７７】
すると、図９（Ｄ）に示す状態では、第１リールＲ１および第２リールＲ２が停止した時点で赤７図柄「赤７」が入賞判定ライン上の表示位置に表示されていることから、ビッグボーナス（ＢＢ）および特殊小役Ｂの双方について入賞の可能性が残されている。このとき、ビッグボーナス（ＢＢ）については、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せとして、「赤７・赤７・赤７」と「赤７・赤７・白７」とが用意されているため、遊技者が赤７図柄「赤７」を第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることを狙ってストップボタンＢ３を押下する場合と、遊技者が白７図柄「白７」を第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることを狙ってストップボタンＢ３を押下する場合とが想定される。
【００７８】
そこで以下では、回転中の第３リールＲ３に関して、遊技者が赤７図柄「赤７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合と、遊技者が白７図柄「白７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合とに分けて説明を進める。
【００７９】
まず遊技者が赤７図柄「赤７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合について説明する。図９（Ｅ）に示すように、回転中の第３リールＲ３に関して、上段に４番のベル図柄「ＢＬ」、中段に５番のリプレイ図柄「ＲＰ」、下段に６番の白チェリー図柄「白ＣＨ」が位置するタイミングでストップボタンＢ３が押下されたとすると、第３リールＲ３においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する３番の赤７図柄「赤７」と特殊小役Ｂの入賞形態を示す図柄組合せを構成する２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」とがともに０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることができる状態にある。
【００８０】
ここで本実施形態の遊技機では、図５に示すように、第３リールＲ３の外周面において、４コマ以内の間隔で配列された２番および６番の白チェリー図柄「白ＣＨ」の間に３番の赤７図柄「赤７」が配列され、４コマ以内の間隔で配列された１０番および１４番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」の間に１１番の白７図柄「白７」が配列され、４コマ以内の間隔で配列された１８番および２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」の間に１９番の赤７図柄「赤７」が配列されている。また図５に示すように、第３リールＲ３の外周面において、２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」、６番の白チェリー図柄「白ＣＨ」、１０番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、１４番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、および１８番の白チェリー図柄「白ＣＨ」は、４コマ以内の間隔で配列されている。すなわち図５に示す図柄配列によれば、ストップボタンＢ３の押下時点で回転中の第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に赤７図柄「赤７」が存在する場合には、必ず上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に白チェリー図柄「白ＣＨ」が存在し、ストップボタンＢ３の押下時点で回転中の第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に白７図柄「白７」が存在する場合には、必ず上段または下段に対して０コマ〜４コマの引き込み範囲内に赤チェリー図柄「赤ＣＨ」が存在するようになっている。
【００８１】
そして、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）のみならず特殊小役Ｂも入賞可能な状況では、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を回避して特殊小役Ｂ入賞させるように第３リールＲ３を停止させる。具体的には、図９（Ｅ）に示すストップボタンＢ３の押下が検出された時点で第３リールＲ３の上段に対して２コマ先に位置する２番の白チェリー図柄「白ＣＨ」を第３リールＲ３に関する上段の表示図柄とすべく、図９（Ｆ）に示すように、第３リールＲ３を２コマ分滑らせてから停止させる。
【００８２】
次に、遊技者が白７図柄「白７」を狙ってストップボタンＢ３を押下した場合について説明する。図９（Ｇ）に示すように、回転中の第３リールＲ３に関して、上段に１２番のベル図柄「ＢＬ」、中段に１３番のリプレイ図柄「ＲＰ」、下段に１４番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」が位置するタイミングでストップボタンＢ３が押下されたとすると、第３リールＲ３においてビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを構成する１１番の白７図柄「白７」が０コマ〜４コマの引き込み範囲内で入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることができるが、第３リールＲ３に配列されている２番、６番、および１８番の白チェリー図柄「白ＣＨ」はいずれも０コマ〜４コマの引き込み範囲内では入賞判定ライン上の表示位置である上段に表示させることができない状態にある。なお図９（Ｇ）に示す状態では、第３リールＲ３に関する入賞判定ライン上の表示位置である上段に対して２コマ先に特殊小役Ａの入賞形態を示す図柄組合せを構成する１０番の赤チェリー図柄「赤ＣＨ」が存在しているが、本例では小役グループ１に属する特殊小役が当選していることから、特殊小役Ａは当選していない。
【００８３】
そこで、本実施の形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができるが、ビッグボーナス（ＢＢ）とともに当選している状態にある小役グループに属する特殊小役をいずれも入賞させることができない場合には、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させるように第３リールＲ３を停止させる。具体的には、図９（Ｇ）に示すストップボタンＢ３の押下が検出された時点で第３リールＲ３の上段に対して１コマ先に位置する１１番の白７図柄「白７」を第３リールＲ３に関する上段の表示図柄とすべく、図９（Ｈ）に示すように、第３リールＲ３を１コマ分滑らせてから停止させる。
【００８４】
このように本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１〜小役グループ８のいずれかとが、ともに当選している状態では、当選している小役グループに属する特殊小役をビッグボーナス（ＢＢ）に優先して入賞するように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させるが、当選している小役グループに属する特殊小役をいずれも入賞させることができない場合に限ってビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができるように第１リールＲ１〜第３リールＲ３を停止させる制御が行われる。
【００８５】
より具体的には、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・赤７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ２に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・赤７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ３に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・白７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ４に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「赤７・白７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ５に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・赤７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ６に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・赤７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ７に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・白７・白７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。また、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ８に属する特殊小役とがともに当選している状態では、８種類存在するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうち、「白７・白７・赤７」の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せとなる。
【００８６】
また本実施形態の遊技機では、図３に示すように、通常状態での内部抽選で参照される抽選テーブルＡにおいて、ビッグボーナス（ＢＢ）が必ずベルあるいはチェリーと重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されているため、通常状態における内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選した遊技では、ベルあるいはチェリーの入賞が優先されることによって、如何なる態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されてもビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができないようになっている。
【００８７】
また本実施形態の遊技機では、図３に示すように、ビッグボーナス（ＢＢ）が当選することによって移行するＢＢ成立状態での内部抽選で参照される抽選テーブルＢにおいて、リプレイあるいは小役のいずれかが必ず当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている。このため、ＢＢ成立状態では、リプレイ、ベル、チェリーが当選した場合には、如何なる態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されてもビッグボーナス（ＢＢ）の入賞させることができず、小役グループ１〜小役グループ８が当選した場合には、当選した小役グループに応じた態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されることを条件にビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができる。
【００８８】
以上に述べたように、本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）とビッグボーナス（ＢＢ）以外の役とがともに当選している状態において、ビッグボーナス（ＢＢ）以外の役として特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈのうち７種類の特殊小役の組合せからなる小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した場合に限り、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができ、しかもビッグボーナス（ＢＢ）とともに当選している状態にある特殊小役の組合せの種類に応じて入賞判定ライン上に表示させることができるビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを変化させることができる。
【００８９】
入賞判定手段１４０は、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段１９０の入賞判定テーブル記憶手段１９１４に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第１リールＲ１〜第３リールＲ３の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【００９０】
本実施形態では、図５に示すように、リールユニット３１０を構成する第１リールＲ１〜第３リールＲ３の外周面に対して、赤７図柄「赤７」、白７図柄「白７」、ベル図柄「ＢＬ」、赤チェリー図柄「赤ＣＨ」、白チェリー図柄「白ＣＨ」、リプレイ図柄「ＲＰ」、ダミー図柄「ＤＵＭ」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって、図１０に示すように、ビッグボーナス（ＢＢ）、リプレイ、ベル、チェリー、特殊小役Ａ、特殊小役Ｂ、特殊小役Ｃ、特殊小役Ｄ、特殊小役Ｅ、特殊小役Ｆ、特殊小役Ｇ、特殊小役Ｈの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図１０に示すチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ＡＮＹ」とは、リールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
【００９１】
すなわち本実施形態では、図１０に示すように、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・赤７」の図柄組合せ、「赤７・赤７・白７」の図柄組合せ、「赤７・白７・赤７」の図柄組合せ、「赤７・白７・白７」の図柄組合せ、「白７・赤７・赤７」の図柄組合せ、「白７・赤７・白７」の図柄組合せ、「白７・白７・赤７」の図柄組合せ、あるいは「白７・白７・白７」の図柄組合せのいずれかが表示された場合に、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＲＰ・ＲＰ・ＲＰ」の図柄組合せが表示された場合、リプレイが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「ＢＬ・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せ、「赤７・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せ、あるいは「白７・ＢＬ・ＢＬ」の図柄組合せのいずれかが表示された場合、ベルが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤ＣＨ・ＡＮＹ・ＡＮＹ」の図柄組合せ、あるいは「白ＣＨ・ＡＮＹ・ＡＮＹ」の図柄組合せのいずれかが表示された場合、チェリーが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ａが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・赤７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｂが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・白７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｃが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「赤７・白７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｄが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・赤７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｅが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・赤７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｆが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・白７・赤ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｇが入賞したと判定され、入賞判定ライン上に「白７・白７・白ＣＨ」の図柄組合せが表示された場合、特殊小役Ｈが入賞したと判定される。
【００９２】
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段１４０の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段１５０によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段１６０によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には遊技状態移行制御手段１７０によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【００９３】
払出制御手段１５０は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット３２０（払出装置）に払い出させる制御を行う。
【００９４】
なお本実施形態の遊技機では、払出制御手段１５０が、複数種類の小役が１回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計を、遊技におけるメダルの払出数として決定し、１種類の小役が複数の入賞判定ラインにおいて重複して入賞した場合には、入賞した小役の配当に当該小役が入賞した入賞判定ラインの数を乗算した結果を、遊技におけるメダルの払出数として決定することができる。
【００９５】
ここで本実施形態の遊技機では、遊技状態に応じて規定投入数が異なっており、図１０に示すように、規定投入数に応じて各小役の配当が定められている。より具体的には、遊技状態が通常状態およびＢＢ成立状態である場合には、規定投入数が３枚に設定されることに基づいて、ベルおよび特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈの配当は１枚に設定され、チェリーの配当は３枚に設定される。また遊技状態がＢＢ状態である場合には、規定投入数が１枚に設定されることに基づいて、ベルおよび特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈの配当は１２枚に設定され、チェリーの配当は６枚に設定される。なお本実施形態の遊技機では、図１に示すように第１リールＲ１における入賞判定ライン上の表示位置である上段および下段が２種類の入賞判定ライン上の表示位置となっているため、チェリーが入賞する場合には、必ず２種類の入賞判定ライン上において重複して入賞することとなっており、規定投入数が３枚である通常状態やＢＢ成立状態での遊技におけるチェリー入賞時のメダルの払出数は６枚となり、規定投入数が１枚であるＢＢ状態での遊技におけるチェリー入賞時のメダルの払出数は１２枚となる。
【００９６】
ホッパーユニット３２０は、払出制御手段１５０によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット３２０には、メダルを１枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ３２５が備えられており、払出制御手段１５０は、払出メダル検出スイッチ３２５からの入力信号に基づいてホッパーユニット３２０から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
【００９７】
なおメダルのクレジット（内部貯留）が許可されている場合には、ホッパーユニット３２０によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段１９０のクレジット記憶領域（図示省略）に記憶されているクレジット数（クレジットされたメダルの数）に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイや、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には、図１０に示すように、リプレイおよびビッグボーナス（ＢＢ）に対して配当が設定されていないため、ホッパーユニット３２０からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に０枚のメダルを払い出したとする処理（０枚処理）が行われる。
【００９８】
リプレイ処理手段１６０は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理（再遊技処理）を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル（クレジットメダルを含む）を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作（遊技者によるスタートレバーＳＬの押下操作）を待機する状態に設定される。
【００９９】
遊技状態移行制御手段１７０は、通常状態、ＢＢ成立状態、ＢＢ状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、１の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち１の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【０１００】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはＢＢ成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、図３に示す抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのうち、ビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象の１つとして設定され、かつビッグボーナス（ＢＢ）が必ずチェリーあるいはベルのいずれかと重複して当選するように役と乱数値との対応関係が設定されている抽選テーブルＡを参照した内部抽選が行われる。
【０１０１】
ＢＢ成立状態は、内部抽選でＢＢに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ＢＢ成立状態では、図３に示す抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのうち、リプレイおよび小役の当選確率が通常状態と同一に設定され、ビッグボーナス（ＢＢ）が抽選対象から除外された抽選テーブルＢを参照した内部抽選が行われる。そして抽選テーブルＢでは、８種類の特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈ（複数種類の特定小役）のうち、７種類の特殊小役が対応づけられた複数の乱数値からなる第１当選区間Ｂ１と、リプレイ（複数種類の特定小役とは異なる役）あるいは特殊小役以外の小役（ベル、チェリー：複数種類の特定小役とは異なる役）が対応づけられた複数の乱数値からなる第２当選区間Ｂ２とが設けられている。特に抽選テーブルＢにおける第１当選区間Ｂ１では、７種類の特殊小役から構成される小役グループ１〜小役グループ８に関して、図４に示すように、各小役グループを構成する特殊小役の種類が互いに異なっている。
【０１０２】
またＢＢ成立状態では、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまでビッグボーナス（ＢＢ）に対応する抽選フラグが当選状態に維持される。そしてＢＢ成立状態でビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す８種類の図柄組合せ（「赤７・赤７・赤７」、「赤７・赤７・白７」、「赤７・白７・赤７」、「赤７・白７・白７」、「白７・赤７・赤７」、「白７・赤７・白７」、「白７・白７・赤７」、「白７・白７・白７」）のいずれかが入賞判定ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段１７０は、遊技状態をＢＢ成立状態からＢＢ状態へ移行させる制御を行う。
【０１０３】
ＢＢ状態は、ＢＢ成立状態においてＢＢの入賞形態を示す８種類の図柄組合せ（「赤７・赤７・赤７」、「赤７・赤７・白７」、「赤７・白７・赤７」、「赤７・白７・白７」、「白７・赤７・赤７」、「白７・赤７・白７」、「白７・白７・赤７」、「白７・白７・白７」）のいずれかが入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ＢＢ状態では、図３に示す抽選テーブルＡ〜抽選テーブルＣのうち、ＢＢおよびリプレイが内部抽選の対象から除外され、小役の当選確率が抽選テーブルＡや抽選テーブルＢよりも高く設定された抽選テーブルＣを参照した内部抽選が行われる。すなわちＢＢ状態では、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【０１０４】
またＢＢ状態は、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数が、予め定められた払出上限数（例えば、１００枚）を超えるまで継続し、払出上限数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段１７０は、ＢＢ状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
【０１０５】
演出制御手段１８０は、演出データ記憶手段１９２１に記憶されている演出データに基づいてランプ、ＬＥＤ、液晶ディスプレイ等の表示装置３３０（演出装置の一例）を用いて行う表示演出や音響装置３４０（演出装置の一例）を用いて行う音響演出に関する制御を行う。具体的には、メダルの投入やベットボタンＢ０、スタートレバーＳＬ、ストップボタンＢ１〜Ｂ３に対する操作、遊技状態の変動など、各種の遊技イベントの発生に応じてランプやＬＥＤを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイＬＣＤの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
【０１０６】
また演出制御手段１８０は、カウンタ更新手段１８１、演出抽選手段１８２、演出状態設定手段１８３、演出実行制御手段１８４を含んで構成されている。
【０１０７】
カウンタ更新手段１８１は、遊技状態がＢＢ成立状態に設定されているとともに、演出状態がＡＴ状態に設定されていない遊技において、内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技（特定小役が当選した遊技）において所定のカウンタ更新条件が成立したことに基づいてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値を閾値に近づけるように更新する。
【０１０８】
特に本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態における内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技でストップボタンＢ１〜Ｂ３に対して行われた押下操作の態様が内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた押下操作の態様とは異なっていることが第１のカウンタ更新条件として設定されているとともに、ＢＢ成立状態における内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技で後述する演出抽選手段１８２が実行した第２演出抽選に当選しなかったことが第２のカウンタ更新条件として設定されており、カウンタ更新手段１８２は、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量よりも第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるようにＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を調整している。
【０１０９】
またカウンタ更新手段１８１は、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技で行われたストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作によってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞しなかった場合には、第１のカウンタ更新条件が成立したことに基づいて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１（第１の値）を減算し、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技で行われたストップボタンＢ１〜Ｂ３の押下操作によってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞し、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時点におけるＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が０である場合であって、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時に後述する演出抽選手段１８２によって行われる第２演出抽選の結果が不当選であった場合には、第２のカウンタ更新条件が成立したことに基づいて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１０（第２の値）を減算する。すなわち本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技においてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値を更新しているが、内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技でＢＢが入賞したか否かに応じて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を変化させている。
【０１１０】
演出抽選手段１８２は、通常状態における内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選したことを契機として第１演出抽選を行う。第１演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第１演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応づけられた０〜１０のいずれかのセット数に相当する値を選択して、選択された値をＡＴセット数カウンタ１９２４に書き込む処理を行う。
【０１１１】
また演出抽選手段１８２は、内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技において内部抽選で当選した小役グループの種類に応じた態様でストップボタンＢ１〜Ｂ３が押下されたことによってビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合に第２演出抽選（所定の演出抽選）を行う。第２演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第２演出抽選テーブルを参照して、取得乱数値が当選あるいは不当選のいずれに対応付けられているかを判定する。本実施の形態では、第２演出抽選テーブルにおいて、０〜６５５３５までの乱数値に０〜１０のいずれかのセット数に相当する値が対応付けられており、演出抽選手段１８２は、取得乱数値が１〜１０のいずれかの値に対応付けられている場合には当選と判定し、取得乱数値が０である場合には不当選と判定する。また第２演出抽選が行われた場合においても、第１演出抽選が行われた場合と同様に、演出抽選手段１８２が、第２演出抽選において選択された値をＡＴセット数カウンタ１９２４に書き込む処理を行う。
【０１１２】
また演出抽選手段１８２は、ＡＴ状態の終了を契機として第３演出抽選を行う。第３演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第３演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応づけられた１０（回）、５０（回）、および１００（回）の中から選択される値をＡＴ発動制御カウンタ１９２６に書き込む処理を行う。なお遊技機の初回起動時などにおいては、１０（回）、５０（回）、および１００（回）の中から予め定められた値がＡＴ発動制御カウンタ１９２６に書き込まれる。
【０１１３】
また演出抽選手段１８２は、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグが設定されている状態でビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合に、第２演出抽選の代わりに第４演出抽選を行う。第４演出抽選では、０〜６５５３５の６５５３６個の乱数値のいずれかを取得し、演出抽選テーブル記憶手段１９２３に記憶されている第４演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応づけられた１〜１０のいずれかのセット数に相当する値を選択、選択された値をＡＴセット数カウンタ１９２４に書き込む処理を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグが設定されている状態でビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると、そのビッグボーナス（ＢＢ）の当選時において行われた第１演出抽選で選択されたセット数が０であった場合にも、第４演出抽選の結果に基づき、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が１以上となっているため、必ず演出状態がＡＴ状態に設定されるようになっている。
【０１１４】
演出状態設定手段１８３は、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、所定条件下で演出状態をアシストタイム状態（ＡＴ状態：特別演出状態）に設定する。
【０１１５】
まず演出状態設定手段１８３は、遊技状態がＢＢ成立状態へ移行する際に、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値をチェックし、ＡＴセット数カウンタ１９２４に１以上のセット数が設定されていることに基づいて演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定する。
【０１１６】
また演出状態設定手段１８３は、カウンタ更新手段１８１によって更新されるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の値がＢＢ成立状態での遊技において閾値である０に達すると、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定することによって演出状態をＡＴ状態に設定する。ただし本実施形態の遊技機では、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が閾値に達することによって演出状態がＡＴ状態に設定される場合には、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定するのみならず、特殊フラグも設定する。なおビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時に行われた第２演出抽選に当選しなかったことに基づいて、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値がデクリメント更新された結果、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が閾値に達した場合、演出状態設定手段１８３は、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグのみを設定し、ＢＢ状態の終了時に特殊フラグが設定されていることに基づいて、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定する。
【０１１７】
そして演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグが設定されている場合には、ＡＴセット数カウンタ１９２４およびＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を更新する処理、ならびにＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に基づいてＡＴ状態の終了条件を判断する処理は省略され、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで演出状態をＡＴ状態に維持することができるようになっている。
【０１１８】
また演出状態設定手段１８３は、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時に演出抽選手段１８２によって行われる第２演出抽選（所定の演出抽選）に当選した場合にも、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定する。
【０１１９】
そして本実施形態の遊技機では、演出状態がＡＴ状態に設定されると、ＡＴ状態における１セットの開始時に、カウンタ更新手段１８１が、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値から１セット分に相当する値として１を減算するデクリメント更新を行うとともに、１セット分に対応する遊技回数として３０回分に相当する値として３０をＡＴゲーム数カウンタ１９２５に書き込む処理を行う。そしてＡＴ状態での遊技が開始されると、カウンタ更新手段１８１は、スタートレバーＳＬの押下操作を契機として、１回の遊技が行われる毎に１回分の遊技回数に相当する値として１をＡＴゲーム数カウンタ１９２５から減算するデクリメント更新を行う。
【０１２０】
そして演出状態設定手段１８３は、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が閾値である０に達すると、１セットが終了したと判断して、次回のセットが実行可能であるか否かをＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に基づいて判断する。具体的には、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が１以上である場合には、次回のセットが実行可能であると判断される。そしてＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が閾値である０に達した状態で、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値がしきい値である０に達していると判断されると、演出状態設定手段１８３は、ＡＴ状態の終了条件が成立したものとしてＡＴフラグをクリアすることによりＡＴ状態を終了させる。
【０１２１】
また本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞することに伴って遊技状態がＢＢ状態へ移行する場合においても、演出状態設定手段１８３が、ＡＴ状態の終了条件が成立したものとしてＡＴフラグをクリアすることによりＡＴ状態を終了させる。なおビッグボーナス（ＢＢ）が入賞することを契機としてＡＴ状態が終了する場合、カウンタ更新手段１８１は、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を０にクリアするが、ＡＴセット数カウンタ１９２５の記憶値は０にクリアせずに維持させる。このように本実施形態の遊技機では、未消化のセット数が残存したままＡＴ状態が終了する場合には、次回のビッグボーナス当選時における第１演出抽選で選択されたセット数が０であってもＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定することができるようになっている。またビッグボーナス（ＢＢ）の入賞時にＡＴフラグのみならず特殊フラグも設定されていた場合には、ＡＴフラグとともに特殊フラグもクリアされる。
【０１２２】
演出実行制御手段１８４は、内部抽選で図３に示す小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応付けられた乱数値が取得された遊技において、遊技状態がＢＢ成立状態に設定されているとともに演出状態がＡＴ状態に設定されていることに基づいて、内部抽選で当選した小役グループに属する特殊小役の種類に態様でビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を補助する特別演出を表示装置３３０や音響装置３４０に実行させる制御を行う。
【０１２３】
本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させるためには、遊技者が内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選したことを感知しなければならないだけでなく、いずれの小役グループが当選しているのかまでを把握していなければならず、いずれの小役グループが当選しているのかが把握できていない場合には、８種類のビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せの中から表示可能な図柄組合せを予想してストップボタンＢ１〜Ｂ３を押下しなければならない。また遊技機が実行する内部抽選の結果を遊技者には知り得ないのが一般的である。そこで、本実施形態の遊技機では、所定の契機で演出状態をＡＴ状態に設定して、内部抽選で当選した小役グループに応じた特別演出を行うことによってビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を補助することができるようにしている。
【０１２４】
特に本実施形態の遊技機では、ＢＢ成立状態における内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかに対応づけられた乱数値が取得されると、演出実行制御手段１８４が、取得乱数値に対応づけられた小役グループに属する特殊小役の種類に応じて、入賞判定ライン上に表示可能なビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを報知する演出画像を液晶ディスプレイＬＣＤに表示する演出を特別演出として行っている。例えば、図９に示す場合のように、ビッグボーナス（ＢＢ）と小役グループ１に属する７種類の特殊小役とがともに当選している状態では、図１１に示すように、現在の遊技において入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せを報知する演出画像を液晶ディスプレイＬＣＤを表示させることにより、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞を補助することができる。なお特別演出を実行する際に液晶ディスプレイＬＣＤに表示させる演出画像としては、遊技者が各リールについて狙うべき図柄の色を指定することによって、現在の遊技において入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せを示唆する画像であってもよい。また特別演出としては、入賞判定ライン上に表示可能なビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを報知するランプを点灯させるようにしてもよいし、入賞判定ライン上に表示可能なビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せを報知する音声をスピーカから出力させるようにしてもよい。
【０１２５】
このように本実施形態の遊技機では、演出状態がＡＴ状態に設定されている場合に、小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選すると、当選した小役グループの種類に応じた特別演出が実行されることによって、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させるために必要な停止操作を遊技者が把握することができるようになり、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【０１２６】
なお本実施形態の遊技機では、図３の抽選テーブルＡおよび抽選テーブルＢに示すように、通常状態およびＢＢ成立状態での遊技において内部抽選が行われるとビッグボーナス（ＢＢ）以外の役であるリプレイあるいは小役のいずれかが必ず当選するようになっているため、小役グループ１〜小役グループ８が内部抽選で当選しない限りビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができないようになっている。
【０１２７】
このため本実施形態の遊技機では、上述した特別演出が実行されるか否かによって遊技者が現在の遊技において入賞判定ライン上に表示可能な図柄組合せを的確に把握できるかどうかが決まるため、結果として、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞頻度をＡＴ状態の設定頻度によって調整することができ、ＡＴ状態に設定される頻度が高いほど、少ない遊技回数で何回もビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させてメダルを大量に獲得することができるようになる。
【０１２８】
従って本実施形態の遊技機によれば、演出状態が特別演出の実行が許可されるＡＴ状態に設定されているか否かによって、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞難易度が大きく変化することから、ＡＴ状態の設定頻度によってビッグボーナス（ＢＢ）の入賞確率を制御することができる遊技仕様を実現することによって、メダルの獲得状況を大きく変動させる機能を実現して遊技者の遊技意欲の減退を防ぐことができる。
【０１２９】
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム（ゲームシステムを含む）に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段１００としてコンピュータを機能させるプログラムを、ＣＤ、ＤＶＤ等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のＷｅｂサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ２１０、ベットスイッチ２２０、スタートスイッチ２３０、ストップスイッチ２４０等は、キーボードやポインティングデバイス（マウス等）、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット３１０、ホッパーユニット３２０などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ（表示装置３３０）に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【０１３０】
２．本実施形態の手法
続いて本実施形態の遊技機で採用されている演出状態の制御手法について図１２〜図１４を参照しながら説明する。
【０１３１】
まず本実施形態の遊技機では、ビッグボーナス（ＢＢ）の当選を契機として、図１２に示す処理がおこなわれる。
【０１３２】
具体的に説明すると、内部抽選でビッグボーナス（ＢＢ）に当選すると（ステップＳ１００でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグがセットされているか否かをチェックする（ステップＳ１０１）。このとき特殊フラグが設定されている場合には（ステップＳ１０１でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグをセットして演出状態をＡＴ状態に設定する（ステップＳ１０５）。
【０１３３】
一方、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグがセットされていない場合には（ステップＳ１０１でＮ）、第１演出抽選を実行して（ステップＳ１０２）、第１演出抽選によって選択された０〜１０のいずれかのセット数に相当する値をＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に加算するインクリメント更新を行う（ステップＳ１０３）。
【０１３４】
続いて、更新後のＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に基づいて、セット数が１以上であるか否かをチェックする（ステップＳ１０４）。このときセット数が１以上である場合には（ステップＳ１０４でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグを設定して演出状態をＡＴ状態に設定し（ステップＳ１０５）、セット数が０である場合には（ステップＳ１０４でＮ）、ステップＳ１０５の処理をバイパスして一連の処理を終了する。
【０１３５】
次に、本実施形態の遊技機では、演出状態がＡＴ状態に設定されると、図１３に示す処理が行われる。
【０１３６】
具体的に説明すると、ＡＴ状態での最初の遊技が開始する際に、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値から１セットに相当する値（例えば、１）を減算するデクリメント更新を行うとともに（ステップＳ２００）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５に１セット分のゲーム数（遊技回数）に相当する値（例えば、３０）を書き込む処理を行う（ステップＳ２０１）。
【０１３７】
そして、ＡＴ状態での遊技が１回行われる毎に、スタートレバーＳＬの操作を契機としてＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値から１回の遊技に相当する値（例えば、１）を減算していくデクリメント更新を行っていき（ステップＳ２０２）、ＡＴ状態での遊技においてビッグボーナス（ＢＢ）が入賞すると（ステップＳ２０３でＹ）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を初期値である０にクリアし（ステップＳ２０４）、ＡＴ状態を終了させるべくＡＴフラグをクリアする（ステップＳ２０７）。
【０１３８】
またビッグボーナス（ＢＢ）が入賞していない場合には（ステップＳ２０３でＮ）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が閾値である０に達したか否かをチェックし（ステップＳ２０５）、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が０に達していない場合には（ステップＳ２０５でＮ）、ステップＳ２０２に復帰してビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するか、ＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が０に達するまで、遊技毎にＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値を減算していくデクリメント更新を行っていく。
【０１３９】
またＡＴゲーム数カウンタ１９２５の記憶値が０に達した場合には（ステップＳ２０５でＹ）、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が閾値である０に達したか否かをチェックし（ステップＳ２０６）、ＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が０に達していない場合には、ステップＳ２００に復帰して新たな１セット分のＡＴ状態の遊技を開始させる。またＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値が０に達している場合には（ステップＳ２０６でＹ）、ＡＴ状態を終了させるべくＡＴフラグをクリアする（ステップＳ２０７）。
【０１４０】
そして本実施形態の遊技機では、ＡＴフラグがクリアされてＡＴ状態が終了することを契機として、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の初期値を選択するための第３演出抽選を行い（ステップＳ２０８）、第３演出抽選によって選択される１０（回）、５０（回）、あるいは１００（回）のいずれかの遊技回数に相当する値をＡＴ発動制御カウンタ１９２６に書き込む処理を行う（ステップＳ２０９）。
【０１４１】
また、本実施形態の遊技機では、遊技状態がＢＢ成立状態に設定されている場合において図１４に示す処理が行われる。
【０１４２】
具体的に説明すると、内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選すると（ステップＳ３００でＹ）、その遊技における第１リールＲ１〜第３リールＲ３の停止態様に基づきビッグボーナス（ＢＢ）が入賞したか否かをチェックする（ステップＳ３０１）。このときビッグボーナス（ＢＢ）が入賞しなかった場合には（ステップＳ３０１でＮ）、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１を減算するデクリメント更新を行う（ステップＳ３０２）。
【０１４３】
そして更新後のＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値に基づいて、当該記憶値が閾値である０に達しているか否かをチェックし（ステップＳ３０３）、記憶値が閾値に達していると判断される場合には（ステップＳ３０３でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグをセットするとともに（ステップＳ３０４）、ＡＴフラグをセットすることによって演出状態をＡＴ状態に設定する（ステップＳ３０５）。このＡＴ状態においては、特殊フラグがセットされていることによって、当選中のビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで演出状態がＡＴ状態に維持される。
【０１４４】
一方、内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した遊技においてビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した場合には（ステップＳ３０１でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグがセットされているか否かをチェックし（ステップＳ３０６）、特殊フラグがセットされている場合には（ステップＳ３０６でＹ）、第４演出抽選を実行し（ステップＳ３０７）、第４演出抽選によって選択される１〜１０のいずれかのセット数に相当する値をＡＴセット数カウンタ１９２４に加算するインクリメント更新を行い（ステップＳ３０８）、ＡＴフラグおよび特殊フラグの双方をクリアする（ステップＳ３０９）。この場合には、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）が当選すると、図１２に示したように、ＡＴセット数カウンタ１９２４に１以上の値が書き込まれていることによって第１演出抽選の結果に関わらず、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグがセットされ、演出状態が必ずＡＴ状態に設定される。
【０１４５】
またビッグボーナス（ＢＢ）が入賞した時点において特殊フラグがセットされていない場合には（ステップＳ３０６でＮ）、第２演出抽選を実行して（ステップＳ３１０）、第２演出抽選によって選択された０〜１０のいずれかのセット数に相当する値をＡＴセット数カウンタ１９２４の記憶値に加算するインクリメント更新を行う（ステップＳ３１１）。
【０１４６】
そして本実施の形態では、第２演出抽選において取得された乱数値に対応付けられているセット数に基づき、第２演出抽選に当選したか否かを判定する（ステップＳ３１２）。例えば、第２演出抽選における取得乱数値が１〜１０のいずれかに対応付けられていた場合には、第２演出抽選に当選したと判定し（ステップＳ３１２でＹ）、ステップＳ３１３〜ステップＳ３１５の処理をバイパスして一連の処理を終了する。この場合にも、第４演出抽選が行われた場合と同様に、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）が当選すると、図１２に示したように、ＡＴセット数カウンタ１９２４に１以上の値が書き込まれていることによって第１演出抽選の結果に関わらず、演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグがセットされ、演出状態が必ずＡＴ状態に設定される。
【０１４７】
また例えば、第２演出抽選における取得乱数値が０に対応付けられていた場合には、第２演出抽選に当選しなかったと判定し（ステップＳ３１２でＮ）、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値から１０を減算するデクリメント更新を行う（ステップＳ３１３）。
【０１４８】
そして更新後のＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値に基づいて、当該記憶値が閾値である０に達しているか否かをチェックし（ステップＳ３１４）、記憶値が閾値に達していると判断される場合には（ステップＳ３１４でＹ）、演出用フラグ記憶手段１９２２に特殊フラグをセットして一連の処理を終了する（ステップＳ３１５）。この場合には、ＢＢ状態の終了後に再びビッグボーナス（ＢＢ）が当選すると、図１２に示すように、特殊フラグがセットされていることに基づいて演出用フラグ記憶手段１９２２にＡＴフラグがセットされ、当選中のビッグボーナス（ＢＢ）が入賞するまで演出状態がＡＴ状態に維持される。
【０１４９】
以上に述べた本実施形態の制御手法では、ビッグボーナス（ＢＢ）が当選しているＢＢ成立状態において内部抽選で小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選した場合に、当選した小役グループの種類の予想が的中してビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させたことに伴って行われる第２演出抽選に当選すると、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が閾値に達していなくとも演出状態がＡＴ状態に設定される。すなわち内部抽選で当選した小役グループの種類の予想を的中させて、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させることができた場合には、演出状態がＡＴ状態に設定されることに対する遊技者の期待感が大きいといえる。そこで本実施形態の制御手法では、辛くも第２演出抽選に外れてしまって演出状態がＡＴ状態に設定される機会を失ってしまった場合に、内部抽選で当選した小役グループの種類の予想を的中させることができなかった場合よりもＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるように調整することによって、遊技者の遊技意欲の低下を防いで、遊技機の稼働率を安定させることができるようになる。
【０１５０】
ところで本実施形態の遊技機では、図３における通常状態での内部抽選で参照される抽選テーブルＡによれば、小役が当選する際には、必ずビッグボーナス（ＢＢ）が重複して当選するようになっており、通常状態では数回程度の遊技でビッグボーナス（ＢＢ）が当選してＢＢ成立状態に移行するようになっているので、通常状態の遊技回数に比べてＢＢ成立状態での遊技回数が相対的に多くなる傾向にあると推察できる。このためＢＢ成立状態での遊技においても小役が頻繁に当選することとなると、小役の配当次第では、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させずとも遊技者が所有メダルを増やすことができるようになってしまうという不都合が生じうる。
【０１５１】
しかしながら本実施形態の遊技機では、通常状態やＢＢ成立状態での遊技においてベルあるいは特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈが入賞した場合には、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数以下となり、チェリーが入賞した場合には、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数より多くなるように各小役の配当が定められている。そしてＢＢ成立状態では、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数である３枚以下となるベルおよび特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈが、入賞に伴うメダルの払出数が規定投入数である３枚より多いチェリーに比べて高確率で当選するようになっているため、ＢＢ成立状態でビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させなくても遊技者の所有するメダルが増えてしまうという不都合を解消することができる。
【０１５２】
３．変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【０１５３】
上記実施形態では、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量と第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量とがともに固定されている場合を例に取り説明をしたが、いずれか一方のカウンタ更新条件の成立時、あるいは双方のカウンタ更新条件の成立時においてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を変動させるようにしてもよい。
【０１５４】
例えば、第１のカウンタ更新条件の成立時に抽選によってＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を決定するようにしてもよい。このとき上記実施形態のように第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が１０である場合には、第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、１〜３の範囲で抽選によって変動させ、第１のカウンタ更新条件の成立時に直前のＢＢ状態の終了後から所定回数（例えば、３００回）の遊技が行われている場合には、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、４〜６の範囲で抽選によって変動させ、さらに第１のカウンタ更新条件の成立時に直前のＢＢ状態の終了後からの第１のカウンタ更新条件の成立回数が所定回数（例えば、１０回）に達している場合には、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、７〜９の範囲で抽選によって変動させるようにしてもよい。すなわち遊技者にとって不利な状況で第１のカウンタ更新条件が成立するほどＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるように調整することができる。
【０１５５】
また例えば、第２のカウンタ更新条件の成立時に抽選によってＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を決定するようにしてもよい。このとき上記実施形態のように第１のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が１である場合には、第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、２〜５の範囲で抽選によって変動させ、所定回数（例えば、２回）の第２のカウンタ更新条件の成立によっても演出状態がＡＴ状態に設定されない場合には、第２のカウンタ更新条件の成立時におけるＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量を、例えば、６〜１０の範囲で抽選によって変動させるようにしてもよい。すなわち遊技者が内部抽選で当選した小役グループの種類の予想を連続的に的中させて複数回ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させたにも関わらず演出状態をＡＴ状態へ移行させることができなかった場合に、遊技者への救済措置としてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が大きくなるように調整することができる。
【０１５６】
また上記実施形態では、第１のカウンタ更新条件の成立時と第２のカウンタ更新条件の成立時とにおいてＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値が更新される場合を例に取り説明をしたが、他のカウンタ更新条件が設定されていてもよい。例えば、ＢＢ成立状態において小役グループ１〜小役グループ８のいずれかが当選したことを契機として、ＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値を更新するとともに、第１リールＲ１〜第３リールＲ３が停止した結果、ビッグボーナス（ＢＢ）が入賞したか否かによってＡＴ発動制御カウンタ１９２６の記憶値の更新量が変動するように制御してもよい。
【０１５７】
また上記実施形態では、通常状態においてビッグボーナス（ＢＢ）が必ず小役と重複して当選するように内部抽選を行う場合を例に取り説明をしたが、ビッグボーナス（ＢＢ）が単独で当選する場合もあるように内部抽選を行ってもよいし、ビッグボーナス（ＢＢ）がリプレイと重複して当選する場合もあるように内部抽選を行ってもよい。なお上記実施形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）がベルやチェリーと重複して当選するように通常状態での内部抽選が行われているが、ビッグボーナス（ＢＢ）が小役グループ１〜小役グループ８と重複して当選するように内部抽選を行うようにしてもよい。
【０１５８】
また上記実施形態では、通常状態およびＢＢ成立状態においてビッグボーナス（ＢＢ）以外の役が必ず当選するように内部抽選を行う場合を例に取り説明をしたが、通常状態およびＢＢ成立状態の少なくとも一方における内部抽選で参照される抽選テーブルにおいて、いずれの役にも対応づけられていない乱数値からなる不当選区間（いわゆるハズレ）を設定するようにしてもよい。なおＢＢ成立状態での内部抽選で参照される抽選テーブルにおいて不当選区間を設定する場合には、不当選区間に属する乱数値の数が、第１当選区間に属する乱数値の数よりも少ないことが好ましい。
【０１５９】
また上記実施形態では、本発明の特定小役に相当する特殊小役Ａ〜特殊小役Ｈの入賞形態を示す図柄組合せと、本発明のボーナスに相当するビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せとが共通する図柄を含んでいる場合を例に取り説明をしたが、特定小役の入賞形態を示す図柄組合せとボーナスの入賞形態を示す図柄組合せとの間に共通する図柄が必ずしも含まれていなくてもよい。
【０１６０】
また上記実施形態では、８種類の特殊小役のうちの７種類の組合せが重複して当選するように内部抽選を行うことによって、８種類のビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態を示す図柄組合せのうちの１種類の図柄組合せのみが入賞判定ライン上に表示可能となる場合を例に取り説明をしたが、重複して当選する特殊小役の種類を減らすことによってビッグボーナス（ＢＢ）の入賞難易度を下げることもできる。例えば、８種類の特殊小役のうちの４種類の組合せが重複して当選するように内部抽選を行えば、８種類のビッグボーナス（ＢＢ）の入賞形態示す図柄組合せのうちの４種類の図柄組合せが入賞判定ライン上に表示可能となり、ビッグボーナス（ＢＢ）を入賞させやすくすることができる。
【０１６１】
また上記実施形態では、ＢＢ状態でのボーナス遊技において小役の当選確率を通常状態やＢＢ成立状態よりも高くすることによって小役の入賞確率を高めてメダルを獲得しやすくするようにした場合を例に取り説明をしたが、ＢＢ状態でのボーナス遊技において内部抽選の結果に関わらず全ての小役の抽選フラグを強制的に当選状態に設定することによって小役の入賞確率を高めるようにしてもよい。なお、内部抽選の結果に関わらず全ての小役の抽選フラグを強制的に当選状態に設定する場合には、第１リールＲ１〜第３リールＲ３のうち一部のリールについて、通常状態やＢＢ成立状態よりも引き込み範囲が狭くなるようにリールを停止させる制御を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【０１６２】
【図１】本実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【図２】本実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
【図３】本実施形態の遊技機における抽選テーブルの構成を説明する図である。
【図４】本実施形態の遊技機における特殊小役の組合せの例を説明する図である。
【図５】本実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
【図６】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図７】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図８】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図９】本実施形態の遊技機におけるリールの停止制御の例を説明する図である。
【図１０】本実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
【図１１】本実施形態の遊技機における演出画像の例を説明する図である。
【図１２】本実施形態の遊技機における処理の例を示すフローチャートである。
【図１３】本実施形態の遊技機における処理の例を示すフローチャートである。
【図１４】本実施形態の遊技機における処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【０１６３】
ＢＸ 収納箱、ＵＤ 前面上扉、ＤＤ 前面下扉、ＤＷ 表示窓、
Ｌ１〜Ｌ４ 入賞判定ライン、ＤＳ 遊技情報表示部、ＬＣＤ 液晶ディスプレイ、
Ｒ１ 第１リール、Ｒ２ 第２リール、Ｒ３ 第３リール、
Ｂ０ ベットボタン、ＳＬ スタートレバー、Ｂ１〜Ｂ３ ストップボタン、
ＭＩ メダル投入口、ＭＯ メダル払い出し口、ＭＰ メダル受け皿、
１００ 遊技制御手段、１０５ 投入受付手段、１１０ 乱数発生手段、
１２０ 内部抽選手段、１３０ リール制御手段、１４０ 入賞判定手段、
１５０ 払出制御手段、１６０ リプレイ処理手段、１７０ 遊技状態移行制御手段、
１８０ 演出制御手段、１８１ カウンタ更新手段、１８２ 演出抽選手段、
１８３ 演出状態設定手段、１８４ 演出実行制御手段、
１９０ 記憶手段、１９１１ 抽選テーブル記憶手段、
１９１２ 抽選フラグ記憶手段、１９１３ 停止制御テーブル記憶手段、
１９１４ 入賞判定テーブル記憶手段、１９２１ 演出データ記憶手段、
１９２２ 演出用フラグ記憶手段、１９２３ 演出抽選テーブル記憶手段、
１９２４ ＡＴセット数カウンタ、１９２５ ＡＴゲーム数カウンタ、
１９２６ ＡＴ発動制御カウンタ、
２１０ メダル投入スイッチ、２２０ ベットスイッチ、２３０ スタートスイッチ、
２４０ ストップスイッチ、３１０ リールユニット、３１５ リールインデックス、
３２０ ホッパーユニット、３２５ 払出メダル検出スイッチ、
３３０ 表示装置、３４０ 音響装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
複数種類の特定小役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として前記複数のリールを前記内部抽選の結果に応じて停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
前記特定小役が当選した遊技において所定のカウンタ更新条件が成立したことに基づいてカウンタの値を閾値に近づけるように更新するカウンタ更新手段と、
前記特定小役が当選した遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて所定の演出抽選を行う演出抽選手段と、
複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、前記カウンタの値が閾値に達したこと、または前記所定の演出抽選に当選したことに基づいて、演出状態を特別演出状態に設定する演出状態設定手段と、
前記特定小役が当選した遊技において演出状態が前記特別演出状態に設定されていることに基づいて、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた演出を演出装置に実行させる制御を行う演出実行制御手段とを備えた遊技機であって、
前記特定小役が当選した遊技で行われた停止操作が内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作とは異なっていることが第１のカウンタ更新条件として設定されているとともに、前記特定小役の当選した遊技で前記所定の演出抽選に当選しなかったことが第２のカウンタ更新条件として設定されており、
前記カウンタ更新手段が、
前記第１のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量よりも前記第２のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量が大きくなるように前記カウンタの値の更新量を調整することを特徴とする遊技機。
【請求項２】
請求項１において、
通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段をさらに備え、
前記内部抽選手段が、
前記ボーナス状態の移行契機となる役であるボーナスが前記特定小役とともに当選している状態が存在するように内部抽選を行い、
前記リール制御手段が、
前記ボーナスが前記特定小役とともに当選している遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させる制御を行い、
前記遊技状態移行制御手段が、
前記通常状態での遊技において前記ボーナスが当選したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス成立状態へ移行させ、前記ボーナス成立状態での遊技において前記ボーナスが入賞したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項１】
外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、
複数種類の特定小役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として前記複数のリールを前記内部抽選の結果に応じて停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記複数のリールが停止した状態で、役毎に予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、
前記特定小役が当選した遊技において所定のカウンタ更新条件が成立したことに基づいてカウンタの値を閾値に近づけるように更新するカウンタ更新手段と、
前記特定小役が当選した遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて所定の演出抽選を行う演出抽選手段と、
複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させ、前記カウンタの値が閾値に達したこと、または前記所定の演出抽選に当選したことに基づいて、演出状態を特別演出状態に設定する演出状態設定手段と、
前記特定小役が当選した遊技において演出状態が前記特別演出状態に設定されていることに基づいて、内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた演出を演出装置に実行させる制御を行う演出実行制御手段とを備えた遊技機であって、
前記特定小役が当選した遊技で行われた停止操作が内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作とは異なっていることが第１のカウンタ更新条件として設定されているとともに、前記特定小役の当選した遊技で前記所定の演出抽選に当選しなかったことが第２のカウンタ更新条件として設定されており、
前記カウンタ更新手段が、
前記第１のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量よりも前記第２のカウンタ更新条件の成立時における前記カウンタの値の更新量が大きくなるように前記カウンタの値の更新量を調整することを特徴とする遊技機。
【請求項２】
請求項１において、
通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行う遊技状態移行制御手段をさらに備え、
前記内部抽選手段が、
前記ボーナス状態の移行契機となる役であるボーナスが前記特定小役とともに当選している状態が存在するように内部抽選を行い、
前記リール制御手段が、
前記ボーナスが前記特定小役とともに当選している遊技において内部抽選で当選した特定小役の種類に応じた停止操作が行われたことに基づいて、前記ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが入賞判定ライン上に表示されるように前記複数のリールを停止させる制御を行い、
前記遊技状態移行制御手段が、
前記通常状態での遊技において前記ボーナスが当選したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス成立状態へ移行させ、前記ボーナス成立状態での遊技において前記ボーナスが入賞したことに基づいて、遊技状態を前記ボーナス状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１０−１４８８２６（Ｐ２０１０−１４８８２６Ａ）
【公開日】平成２２年７月８日（２０１０．７．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−３３３１３１（Ｐ２００８−３３３１３１）
【出願日】平成２０年１２月２６日（２００８．１２．２６）
【出願人】（３９００３１７７２）株式会社オリンピア (2,719)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年７月８日（２０１０．７．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１２月２６日（２００８．１２．２６）
【出願人】（３９００３１７７２）株式会社オリンピア (2,719)
【Ｆターム（参考）】
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