説明

遊技機

【課題】特別遊技の存在を強調することができ、単純な停止操作という遊技性を脱却して多くの遊技者に特別演出を楽しませることができる回胴式遊技機等の遊技機を提供する。
【解決手段】回胴式の遊技機1に設けられた3つのリール11,12,13とは別に補助表示部49が設けられている。補助表示部49はリール11,12,13の停止時に所定の図柄の組合せが成立し得ることを前もって報知するものである。また、補助表示部49は、リール11,12,13とは別の特別演出を行うことから、単純停止という遊技性を脱却することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきにリールに付されて構成された図柄列を可変表示した後に停止図柄を表示する可変表示手段を備えたスロットマシン等が知られている。この種の遊技機では、可変表示手段の所定領域である有効ラインに表示される停止図柄が特定図柄であることを必要条件として、例えばビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームといった遊技者に有利な所定のゲームが発生するものが多い。
【0003】
近年、この種の遊技機では、上記各ボーナスゲームとは別に、小役図柄の成立或いはリプレイ図柄の成立等の比較的低い遊技価値の付与機会を通常時よりも多くすることができるチャンスタイムの如き特別遊技が設定されているものがある。例えば、リプレイ図柄の成立確率を通常時よりも大幅に高めて無償再遊技を頻繁に行わせつつ小役が時折成立することによってメダルの消費を抑えるか或いはメダル獲得数を僅かに増加させることができるようにする等の特別遊技がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記リプレイ図柄を頻発させる特別遊技では、小役図柄の成立に基づくメダル払出が殆どなされず、単に無償再遊技が淡々と継続するだけであるため、遊技者にとっては面白味に欠けるものであった。また、フラグ成立の確率を変化させるものでは、実際にはそうでなくとも遊技者に対し不当な確率操作が存在するかもしれないという不信感を持たれかねないという事態も想定される。
【0005】
そこで、本発明は、かかる特別遊技に迫力をもたせることができる遊技機を提供することを目的とする。また、小役等の抽選確率を変化させることなく特別遊技と通常遊技とをつくりだす新たな方式によって特別遊技を実現することを目的とする。更に、遊技の公平性を担保できること等、特別遊技に関するその他の付随的な目的も有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、第1状態時と第2状態時とで当該所定の識別情報の前記所定領域への停止し易さが異なるように停止制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特別遊技に迫力をもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。
【図2】スロットマシンの左側面図。
【図3】各リールの図柄配列を示す説明図。
【図4】スロットマシンのブロック回路図。
【図5】リール及び補助表示部の表示演出を説明する説明図。
【図6】リール及び補助表示部の表示演出を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0010】
手段1.複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、第1状態時と第2状態時とで当該所定の特定識別情報の前記所定領域への停止し易さが異なるように停止制御する制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0011】
手段1によれば、所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際、第1状態時と第2状態時とでは、遊技者がたとえその特定識別情報に狙いを定めて停止操作手段を操作しても上手くその特定識別情報が所定領域に停止され易い場合と停止され難い場合(或いは停止される場合と停止されない場合)という相違が生じる。その結果、第1状態と第2状態との切換を所定条件下で行うことによって、所定の特定識別情報が頻繁に出現する状態や殆ど出現しない状態を作り出すことが可能となる。従って、例えば所定の特定識別情報として小役図柄を選定しておけば、通常遊技中は殆どその小役図柄が揃うことがない一方で、特別遊技中はその小役図柄が非常に揃い易いという状況を、何ら当該小役成立確率を変更することなく作り出すことが可能となる。
【0012】
手段2.複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、第1状態時と第2状態時とで当該所定の特定識別情報の前記所定領域への引き込み程度が異なるように停止制御する制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0013】
手段2によれば、所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際、第1状態時と第2状態時とでは、その特定識別情報の引き込み程度が異なることから、その特定識別情報が所定領域に停止され易い場合と停止され難い場合という相違が生じる。その結果、第1状態と第2状態との切換を所定条件下で行うことによって、所定の特定識別情報が頻繁に出現する状態や殆ど出現しない状態を作り出すことが可能となる。従って、例えば所定の特定識別情報として小役図柄を選定しておけば、通常遊技中は殆どその小役図柄が揃うことがない一方で、特別遊技中はその小役図柄が非常に揃い易いという状況を、何ら当該小役成立確率を変更することなく作り出すことが可能となる。
【0014】
手段3.複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、前記停止操作手段が操作されてから可変表示手段の可変表示が停止されるまでの識別情報滑り量が第1状態時と第2状態時とで異なるように設定されており、その設定に応じて識別情報を停止制御することを特徴とする遊技機。
【0015】
手段3によれば、所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際、第1状態時と第2状態時とでは、停止操作手段が操作されてから可変表示が停止されるまでの識別情報滑り量が異なることから、所定の特定識別情報が所定領域に停止され易い場合と停止され難い場合という相違が生じ得る。その結果、第1状態と第2状態との切換を所定条件下で行うことによって、所定の特定識別情報が頻繁に出現する状態や殆ど出現しない状態を作り出すことが可能となる。従って、例えば所定の特定識別情報として小役図柄を選定しておけば、通常遊技中は殆どその小役図柄が揃うことがない一方で、特別遊技中はその小役図柄が非常に揃い易いという状況を、何ら当該小役成立確率を変更することなく作り出すことが可能となる。
【0016】
手段4.複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、所定の特定識別情報を前記所定領域に停止させ得る前記停止操作手段の操作許容期間として、第1状態時と第2状態時とで許容期間に長短が設定されており、その設定に応じて識別情報を停止制御することを特徴とする遊技機。
【0017】
手段4によれば、所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際、第1状態時と第2状態時とでは、所定の特定識別情報を所定領域に停止させようとする場合における停止操作手段の操作に許容される期間が異なることから、所定の特定識別情報が所定領域に停止され易い場合と停止され難い場合という相違が生じ得る。なお、操作許容期間とは、その所定の特定識別情報を所定領域に停止させるために停止操作手段の操作タイミングとして許容される時間的範囲を意味し、その時間的範囲が広い方がその特定識別情報を所定領域に停止させることが容易になる一方、時間的範囲が狭い方(一時期だけしか許容しない場合も含む)ではその特定識別情報を所定領域に停止させることが困難となるのである。その結果、第1状態と第2状態との切換を所定条件下で行うことによって、所定の特定識別情報が頻繁に出現する状態や殆ど出現しない状態を作り出すことが可能となる。従って、例えば所定の特定識別情報として小役図柄を選定しておけば、通常遊技中は殆どその小役図柄が揃うことがない一方で、特別遊技中はその小役図柄が非常に揃い易いという状況を、何ら当該小役成立確率を変更することなく作り出すことが可能となる。
【0018】
手段5.複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、所定の特定識別情報を前記所定領域に停止させ得る前記停止操作手段の操作タイミングとして、第1状態時と第2状態時とで許容される時間誤差に大小が設定されており、その設定に応じて識別情報を停止制御することを特徴とする遊技機。
【0019】
手段5によれば、所定の特定識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際、第1状態時と第2状態時とでは、所定の特定識別情報を所定領域に停止させようとする場合における停止操作手段の操作タイミングの時間誤差について許容値に大小があることから、所定の特定識別情報が所定領域に停止され易い場合と停止され難い場合という相違が生じ得る。その結果、第1状態と第2状態との切換を所定条件下で行うことによって、所定の特定識別情報が頻繁に出現する状態や殆ど出現しない状態を作り出すことが可能となる。従って、例えば所定の特定識別情報として小役図柄を選定しておけば、通常遊技中は殆どその小役図柄が揃うことがない一方で、特別遊技中はその小役図柄が非常に揃い易いという状況を、何ら当該小役成立確率を変更することなく作り出すことが可能となる。
【0020】
手段6.手段1乃至5のいずれかにおいて、前記可変表示手段は複数種の識別情報を予め定めた順序で循環表示する識別情報列を複数列備えたものであることを特徴とする遊技機。
【0021】
手段6によれば、識別情報列が複数列存在することから、第1状態時と第2状態時とで、所定の特定識別情報が成立する可能性の大小が広がる。
【0022】
手段7.手段6において、前記可変表示手段は、機械的表示手段によって構成されていることを特徴とする遊技機。
【0023】
かかる機械的表示手段としては、リールが一般的である。なお、かかる表示手段に電気的表示を付随させることは可能である。例えば、リールの内部より発光手段によってリールに光を照射し、その透過光によって識別情報に変化を与えるようにする等である。
【0024】
手段8.手段1乃至7のいずれかにおいて、停止制御用テーブルを記憶した記憶手段を備え、記憶手段は前記第1状態と第2状態とに対応して異なる停止制御用テーブルを有しており、停止制御用テーブルの記憶内容に応じた停止制御を実行するものであることを特徴とする遊技機。
【0025】
手段8によれば、第1状態と第2状態に応じたそれぞれの停止制御用テーブルの記憶内容に従って停止制御が実行されることから、各停止制御用テーブルの設定が的確に行われることにより確実に予定した停止態様を実現でき、しかも停止制御は停止制御用テーブルの参照によって実行されることから当該制御が簡潔なものとなる。
【0026】
手段9.手段1乃至7のいずれかにおいて、第1状態と第2状態との切換を、停止操作手段の操作タイミングに応じて停止位置を決定するコントロール式制御の切換によって行うことを特徴とする遊技機。
【0027】
手段9によれば、停止制御用テーブルのみに頼らずにその都度停止位置を決定することから、記憶手段の記憶容量を削減することができる。
【0028】
手段10.手段1乃至9のいずれかにおいて、前記所定の特定識別情報が複数設定されていることを特徴とする遊技機。
【0029】
手段10によれば、複数種の特定識別情報について第1状態と第2状態とが存在することとなり、遊技形態を多様化させることが可能となる。
【0030】
手段11.手段1乃至9のいずれかにおいて、前記所定の特定識別情報が複数設定されており、そのうちの一の特定識別情報が所定領域に停止され得る場合にはそのうちの他の特定識別情報が所定領域に停止され得ないよう、各所定の特定識別情報の位置関係を設定したことを特徴とする遊技機。
【0031】
手段11によれば、所定の特定識別情報として複数種設定しておき、これらの一を遊技者が狙った場合には他が所定領域に停止されることがあり得なくなり、当該所定の特定識別情報が揃い難い場合において高度の技能によってその特定識別情報が所定領域に停止されてしまうということが防止される。
【0032】
手段12において、遊技価値とは、前記所定領域への特定識別情報(又はその組合せ)の停止に基づいて払い出される遊技媒体であることを特徴とする遊技機。
【0033】
手段12によれば、メダル等の遊技媒体の払出による利益を遊技者に付与することができる。
【0034】
ここで、以下の各手段においては、第1状態を遊技者に比較的有利な状態とし、第2状態を遊技者に比較的不利な状態として説明する。即ち、例えば、手段1であれば、所定の識別情報が所定領域へ停止し易い方が第1状態であり、停止し難い方が第2状態であるとして説明する。
【0035】
手段13.手段1乃至12のいずれかにおいて、前記所定の特定識別情報が所定領域に停止し得る状態であることを遊技者に発想させる処理を実行する手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0036】
手段13によれば、遊技者に所定の特定識別情報が所定領域に停止し得る状態であることを発想させる処理を実行することで、遊技者はその遊技回において当該特定識別情報に狙いを定めて停止操作すればよいことがわかることとなる。その結果、特に第1状態時にあっては特定識別情報のフラグ等の成立を事前に察知してその利益を享受させることができる。
【0037】
手段14.手段13において、前記遊技者に発想させる処理を実行する手段は、第2状態時よりも第1状態時の方が多く実行されることを特徴とする遊技機。
【0038】
手段14によれば、第2状態時には所定の特定識別情報がもともと所定領域に停止され難いことに加え、遊技者にその旨知らせる機会も少ないことから、殆ど当該所定の特定識別情報を所定領域に停止させることができなくなるのに対し、第1状態時には所定の特定識別情報がもともと所定領域に停止され易いことに加え、遊技者にその旨知らせる機会も多いことから、当該所定の特定識別情報を所定領域に停止させることが一層容易になる。その結果、第1状態時と第2状態時とで遊技者に付与される遊技価値に大きな差をつけることができる。
【0039】
なお、第1状態時には前記所定の特定識別情報が所定領域に停止され得る状態となる度に毎回、前記遊技者に発想させる処理を実行することとしたり、第2状態時にはその処理を全く実行しないようにしてもよい。また、所定の抽選結果に応じて処理を実行することとし、第1状態時には抽選確率を第2状態時よりも高確率に設定しておいてもよい。
【0040】
手段15.手段13又は14において、前記遊技者に発想させる処理を実行する手段による処理は、当該発想させようとする特定識別情報を明示的に或いは暗示的に報知する処理であることを特徴とする遊技機。
【0041】
手段15によれば、発想処理として明示的又は暗示的な報知(表示、音等)によって行うようにすることで、その報知によって遊技者に対し思考すべき事態が生じたことが促され、補助遊技を一層強調することができる。ここで、明示的なものとすれば比較的熟練度の低い遊技者でもその意義を把握し易くなり、暗示的なものとすれば比較的熟練度の高い遊技者に満足感を付与させることができ、明示的なものと暗示的なものとを選択的に報知可能とすればあらゆる遊技者を楽しませることができるとともに意外性を付与し得る。
【0042】
手段16.手段13乃至15のいずれかにおいて、前記遊技者に発想させる処理を実行する手段による処理は、可変表示手段とは別途設けられた補助表示部によって実行されるものであることを特徴とする遊技機。
【0043】
手段16によれば、発想処理として、音声等によっても又可変表示手段中に含ませた表示等によっても実行可能であるところ、特に別途設けた補助表示部によって実行することとしたので、発想処理を一層遊技者にわかりやすく伝達することが可能となる。
【0044】
手段17.手段13乃至16のいずれかにおいて、前記遊技者に発想させる処理を実行する手段による処理は、可変表示手段に識別情報を可変表示する動作を実行すべく操作される始動操作手段の操作に起因して実行されるものであることを特徴とする遊技機。
【0045】
手段17によれば、始動操作手段の操作に起因して発想処理が実行されることから、各遊技回の区切りがわかりやすくなって、遊技者の混乱を回避することができる。
【0046】
手段18.手段13乃至17のいずれかにおいて、前記遊技者に発想させる処理を実行する手段による処理は、可変表示手段による可変表示の停止前に実行されるものであることを特徴とする遊技機。
【0047】
手段18によれば、可変表示手段の可変表示の停止前に発想処理が実行されることから、遊技者に対し事前に注意喚起を行うことができ、事後的に処理が行われることによる遊技者の不利益感を低下させることができる。
【0048】
手段19.手段1乃至18のいずれかにおいて、所定の特別識別情報が1種類である場合、所定領域に停止され得る状態となる確率を1/Nとするとともに、遊技価値として遊技媒体の払出が実行されその払出枚数をMとし、更に1遊技回の最大投入数をnとしたとき、n・NとMとがほぼ等しくなるように設定したことを特徴とする遊技機。
【0049】
手段19によれば、第1状態時(有利な状態)において所定の特別識別情報が所定領域に停止され得る状態となる場合に確実に停止させることができれば遊技媒体を減らすことなく遊技を継続することができる。
【0050】
手段20.手段1乃至18のいずれかにおいて、所定の特別識別情報が1種類である場合、所定領域に停止され得る状態となる確率を1/Nとするとともに、遊技価値として遊技媒体の払出が実行されその払出枚数をMとし、更に1遊技回の最大投入数をnとしたとき、n・N<Mとなるように設定したことを特徴とする遊技機。
【0051】
手段20によれば、第1状態時(有利な状態)において所定の特別識別情報が所定領域に停止され得る状態となる場合に確実に停止させることができれば、得られる遊技媒体を増加させつつ遊技を継続することができる。
【0052】
手段21.手段1乃至18のいずれかにおいて、所定の特別識別情報が所定領域に停止され得る状態となる確率を、その状態時に確実に当該所定の特別識別情報が所定領域に停止されるとした場合に遊技価値(メダル等の払出)と投資価値(メダル等の投入)の収支がほぼ一定となるように設定したことを特徴とする遊技機。
【0053】
手段21によれば、第1状態時(有利な状態)において所定の特別識別情報が所定領域に停止され得る状態となる場合に確実に停止させることができれば遊技価値と投資価値との収支をほぼ一定にしつつ遊技を継続することができる。
【0054】
手段22.手段1乃至18のいずれかにおいて、所定の特別識別情報が所定領域に停止され得る状態となる確率を、その状態時に確実に当該所定の特別識別情報が所定領域に停止されるとした場合に遊技価値(メダル等の払出)が投資価値(メダル等の投入)を上回るように設定したことを特徴とする遊技機。
【0055】
手段22によれば、第1状態時(有利な状態)において所定の特別識別情報が所定領域に停止され得る状態となる場合に確実に停止させることができれば遊技価値が投資価値を上回りつつ遊技を継続することができる。
【0056】
手段23.手段1乃至22のいずれかにおいて、前記可変表示手段は、複数列の表示部から構成されており、これらの表示部に表示される前記識別情報の組合せによって前記特定識別情報が構成されるものであることを特徴とする遊技機。
【0057】
但し、以上の各手段1乃至22のうち既に可変表示手段が複数列として説明されている部分については、本手段は一部重複した説明となっているが、複数列を各表示部として説明している点が相違する。表示部の数としては3つが一般的であり、その配列は横並びとするのが一般的である。但し、表示部の数を2又は4以上としてもよく、その配列を縦並びとすることも可能である。
【0058】
手段24.手段23において、停止操作手段は、各表示部に対応して複数設けられていることを特徴とする遊技機。
【0059】
かかる手段24によって、各表示部の停止操作を個別に設けられた停止操作手段の操作で個々に行うことができる。
【0060】
手段25.手段1乃至24のいずれかにおいて、識別情報は図柄であることを特徴とする遊技機。
【0061】
手段25のように、識別情報としては、数字、絵、文字、記号等による図柄とするのが、遊技者の判断の容易性の点で好ましい。また、種類の異なる図柄については、その大きさや色に変化を与えることが、変動中の図柄種別の判別を容易ならしめる上で好ましい。
【0062】
手段26.手段1乃至25のいずれかにおいて、第1状態(特別遊技)の始期を、ボーナスゲーム終了直後、所定確率によるフラグ成立、所定ゲーム数終了のいずれか又はそれらの2若しくは3の組合せ成立時としたことを特徴とする遊技機。
【0063】
手段26によれば、第1状態の始期として、ボーナスゲーム終了直後とすればボーナスゲームによる有利状態との相乗効果をもって遊技者に大量の遊技価値を付与することが可能となる。また、第1状態の始期として、所定確率によるフラグ成立時とすれば、第1状態の突入となるか否かの不確定要素によって遊技者にどきどき感を付与することができる。また、第1状態の始期として、所定ゲーム数終了時とすれば、ある一定ゲームを消化すれば第1状態の突入となるとの安心感を付与することができる。更に、これらを適宜組み合わせれば、複合的な要因を含めて遊技に多様性を付与することができる。
【0064】
手段27.手段1乃至26のいずれかにおいて、第1状態(特別遊技)の終期を、ボーナスゲームフラグ成立、所定確率によるフラグ成立、所定ゲーム数終了、所定遊技媒体数獲得のいずれか又はそれらの複数の組合せ成立時としたことを特徴とする遊技機。
【0065】
手段27によれば、第1状態の終期として、ボーナスゲームフラグ成立とすればボーナスゲームに突入するまでは第1状態が継続するという安心感を遊技者に付与することができるし、ボーナスゲームに突入しないことによる不満を低減することができ、もしも第1状態では遊技者に多くの遊技価値を付与できれば逆にボーナスゲームに突入しないことを願いつつ遊技が行われることとなって新たな遊技性を提供することができる。また、第1状態の終期として、所定確率によるフラグ成立時とすれば、第1状態がいつ終了するかという不確定要素によって遊技者にどきどき感を付与することができる。また、第1状態の終期として、所定ゲーム数終了時とすれば、ある一定ゲームを消化すれば第1状態が終了することを遊技者に予め了解させることができ、遊技に対する不満感を低減させることができる。また、第1状態の終期として、所定遊技媒体数獲得時とすれば、ある一定数の遊技媒体獲得によって特別遊技が終了することから、第1状態に突入することにより遊技者に与える利益を一定化することができ、遊技ホール側の調整が容易になる。更に、これらを適宜組み合わせれば、複合的な要因を含めて遊技に多様性を付与することができる。
【0066】
手段28.手段1乃至27のいずれかにおいて、前記所定の特定識別情報が前記所定領域に停止される位置或いはその直前位置にて停止操作手段が操作された際には、他の全ての特定識別情報が一切前記所定領域に停止されないように構成したことを特徴とする遊技機。
【0067】
手段28によれば、高度の技能を有する遊技者が所定の特定識別情報を狙って操作しようとすると、他の全ての特定識別情報の成立による利益を受けられなくなるように構成されていることから、高度の技能を有する遊技者といえども、通常時はその所定の特定識別情報を狙って停止させようとする試みを断念することとなる。従って、通常時の遊技機のベースを低く抑えることができる。なお、このための具体的態様としては、リール配列等の特定識別情報の配列を調整したり、滑り量の制御(テーブル制御等)によって調整したり、前記所定の特定識別情報の付近に限って滑りが殆どないという状況を作り出すこと等が挙げられる。
【0068】
以下に、遊技機を回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0069】
図1,2に示すように、スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面開閉扉としてのフロントパネル3が開閉自在に取り付けられている。フロントパネル3が閉状態となっている場合、フロントパネル3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖される。フロントパネル3は閉状態にある場合には図示しないロック機構によって開放不能な状態にロックされており、そのロック状態はフロントパネル3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ4に対する所定のキー操作によって解除される。
【0070】
フロントパネル3には、縦長の3つの表示窓5,6,7が横並びとなるように設けられている。表示窓5,6,7は透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓5,6,7を通して内部を視認可能な状態とされている。
【0071】
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リール11,中リール12,右リール13が収納されている。各リール11,12,13はそれぞれ円筒状(円環状)に形成されているが、少なくとも環状となっていればよい。各リール11,12,13の中心軸線が当該リール11,12,13の回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール11,12,13の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール11,12,13が各表示窓5,6,7と1対1で対応している。従って、各リール11,12,13の表面の一部はそれぞれ対応する表示窓5,6,7を通して視認可能な状態とされている。
【0072】
また、リール11,12,13が回転すると、各表示窓5,6,7を通してリール11,12,13は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リール11,12,13はそれぞれステッピングモータ等のリールモータ15,16,17(図4参照)に連結されており、各リールモータ15,16,17の駆動により各リール11,12,13が個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る。
【0073】
各リール11,12,13の外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5,6,7を介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5,6,7の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール11,12,13毎に全体を視認可能な図柄数は3個ずつとされている。
【0074】
ここで、各リール11,12,13に付される図柄について説明する。図3には、左リール11,中リール12,右リール13のそれぞれについての図柄配列が示されている。同図は、各リール11,12,13表面の展開図とみても差し支えない。同図に示すように、各リール11,12,13にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール11,12,13に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付されたものであり、リール11,12,13に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0075】
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄がある。「7」図柄としては白色のもの(例えば、左リール第20番目。以下、適宜「白7」図柄と称す)と、赤色のもの(例えば、左リール第21番目。以下、適宜「赤7」図柄と称す)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左リール第19番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ図柄」(例えば、左リール第1番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左リール第4番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール第2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール第3番目)がある。そして、図3に示すように、各リール11,12,13において、各図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0076】
各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール11の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール12及び右リール13の「チェリー」図柄はメダル払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール11の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
【0077】
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「赤7」図柄又は「白7」図柄が同一色で有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出が行われる。
【0078】
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール11の「チェリー」図柄が停止せず、また左・中・右に同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
【0079】
また、本実施の形態では、更なる小役図柄の組合せとして、有効ライン上において左右リール11,13に「スイカ」図柄が、中リール12に「白7」図柄が揃った場合には9枚のメダル払出が行われるように設定されている(以下、これを第1小役図柄と称す)。
【0080】
なお、各リール11,12,13は識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器,ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0081】
フロントパネル3には、各表示窓5,6,7を結ぶように、横方向へ平行となるように3本、斜め方向へたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが付されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。これら各有効ラインに対応して、表示窓5,6,7群の正面から見て左側には有効ライン表示部21,22,23が設けられている。第1有効ライン表示部21は中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部22は上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部23は一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。
【0082】
フロントパネル3の表面のうち表示窓5,6,7の下方左側には、各リール11,12,13を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー25が設けられている。スタートレバー25は可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段を構成する。スタートレバー25の右側には、回転している各リール11,12,13を個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ27,28,29が設けられている。各ストップスイッチ27,28,29は停止対象となるリール11,12,13に対応する表示窓5,6,7の直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ27,28,29は可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
【0083】
フロントパネル3の前面のうち表示窓5,6,7の下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口31が設けられている。メダル投入口31は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口31が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
【0084】
フロントパネル3の表面のうち表示窓5,6,7の下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ32が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ32の下方には当該スイッチ32よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ33及び第3クレジット投入スイッチ34が設けられている。第2クレジット投入スイッチ33はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ34は仮想メダルを1枚ずつ投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ32〜34は前記メダル投入口31とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口31が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ32〜34は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
【0085】
なお、第1クレジット投入スイッチ32は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ32のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ32の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
【0086】
フロントパネル3の表面のうちメダル投入口31の左側には、ボタン状の切換スイッチ36が設けられている。切換スイッチ36は、メダル投入口31に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。即ち、例えば電源投入時には、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルはクレジットメダルとして貯留記憶するとともに獲得メダルもクレジットメダルとして貯留記憶するように設定しておく「クレジットモード」とし、切換スイッチ36が操作されると、クレジットメダルがある場合にはその分を現実のメダルとして払い出すとともに余剰の投入メダルや獲得メダルも現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」に切り換えられるようにしておく。そして、この切換スイッチ36が操作される度に「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを交互に切り換えるようにしておけば、遊技者は自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ36は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ36は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
【0087】
フロントパネル3には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部38と、獲得メダルの枚数を表示する獲得数表示部39とがそれぞれ設けられている。これら両表示部38,39は2桁の7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0088】
スロットマシン1の下部には、マシン本体2の内部に収納されたホッパ装置41からのメダルが排出されるメダル排出口42と、メダル排出口42から排出された現実のメダルが貯留される受皿43とが設けられている。ホッパ装置41は遊技価値たる現実のメダルを返還する出力手段を構成する。
【0089】
スロットマシン1の上部には、ビッグ報知部45,レギュラー報知部46,リプレイ報知部47,小役報知部48等の各種報知部が設けられている。これら各種報知部の配置場所は図示のものに限定されないし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。
【0090】
ビッグ報知部45は、各リール11,12,13の停止時に第1特別図柄としての「赤7」図柄又は「白7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。レギュラー報知部46は、各リール11,12,13の回転停止時に第2特別図柄としての「BAR」図柄が有効ライン上に揃った場合、レギュラーボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部47は、各リール11,12,13の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部48は、各リール11,12,13の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄或いは「ベル」図柄が有効ライン上に揃った場合又は「チェリー」図柄が左リール11の有効ライン上に停止した場合、所定数のメダルを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。
【0091】
また、本実施の形態において特別に設定された特別遊技状態中には、上記全ての報知部45〜48が点灯、点滅等することによって、特別遊技状態中であることを表示報知する。
【0092】
なお、これら各報知部45〜48は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、スロットマシン1に備えられるスピーカ50によって音声により報知してもよい。
【0093】
また、図示しないが、各リール11,12,13の内周側及び外周側に発光部材を設けてもよい。各リール11,12,13の内周側の発光部材は光を各リール11,12,13の内側から照射し、各リール11,12,13からの透過光を遊技者に見せるものである。一方、各リール11,12,13の外周側の発光部材は光を各リール11,12,13の外側から照射し、各リール11,12,13からの反射光を遊技者に見せるものである。そして、これら各発光部材の発光度合、発光タイミング、発光時間等によって各種演出効果を生じさせることも可能となる。
【0094】
図1に示すように、フロントパネル3における各リール11〜13の配設位置の右側には、補助表示部49が設けられている。補助表示部49は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。
【0095】
補助表示部49は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール11〜13による遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部49と称している。補助表示部49は遊技者に各種情報を与える等のナビゲーション的な機能を有する。なお、補助表示部49に表示される内容については追って説明する。
【0096】
図4に示すように、スロットマシン1には、遊技に関する各種の制御を行うための制御装置51が備えられている。制御装置51は、制御を司るCPU,遊技プログラムを記憶したROM,遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM,各種機器との連絡をとるポート,各種抽選の際に用いられる乱数発生器,時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む制御回路基板を有し、その制御回路基板をボックスに収納してなる制御基盤ボックスによって構成されている。
【0097】
制御装置51の入力側には、スタートレバー25の操作を検出するスタート検出センサ61、各ストップスイッチ27,28,29の操作を個別に検出するストップ検出センサ62,63,64、メダル投入口31から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ65、各クレジット投入スイッチ32〜34の操作を検出すべく各スイッチ32〜34に個々に対応する各クレジット投入検出センサ66,67,68、切換スイッチ36の操作を検出する切換検出センサ69、各リール11,12,13の回転位置(原点位置)を個別に検出するリール位置検出センサ71,72,73、ホッパ装置41から払い出されるメダルを検出するホッパ検出センサ74等の各種センサが接続されている。
【0098】
なお、投入メダル検出センサ65は実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口31からホッパ装置41に至るメダル通路は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、メダル通路には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接位置)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ65が設けられている。制御装置51は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはコイン詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、制御装置51は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみコインが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、メダル通路でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ65付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
【0099】
制御装置51の出力側には、各リールモータ15,16,17を駆動させるモータ駆動回路81、各種表示部21〜23,38,39,各種報知部45〜48及び補助表示部49を表示駆動させる表示駆動回路82、ホッパ装置41を駆動させるホッパ駆動回路83、スピーカ50を駆動させるスピーカ駆動回路84等が接続されている。
【0100】
制御装置51は、上述のとおりCPU,ROM,RAM等を備えているが、以下の説明では、それらの現実の構成自体に拘束されず、制御装置51を機能実現手段の集合体としてとらえて説明する。即ち、以下に説明する各種機能はCPUの制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施形態の利点を把握するのに必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
【0101】
制御装置51は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行う。本実施形態では小役として「スイカ」,「ベル」,「チェリー」等の複数種類が存在するので、小役抽選手段はどの種類の小役払出条件が成立したかの抽選を行い、各小役フラグの成立の有無が決定される。また、小役抽選手段によって、「スイカ・白7・スイカ」図柄の組合せとしての第1小役図柄の抽選も行われる。第1小役図柄の抽選は、本実施の形態ではメダル最大投入時(3枚投入時)において1/3の確率で成立するように設定されている。なお、他の抽選もメダル投入枚数に応じて変化するよう構成されており、概してメダル投入枚数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
【0102】
制御装置51は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
【0103】
制御装置51は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール11,12,13の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
【0104】
制御装置51は、「レギュラーボーナス抽選手段」を備えている。レギュラーボーナス抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、レギュラーボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってレギュラーボーナスフラグの成立の有無が決定される。
【0105】
制御装置51は、「レギュラーボーナス制御手段」を備えている。レギュラーボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記レギュラーボーナスフラグが成立している場合、各リール11,12,13の停止時に、レギュラーボーナス成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的に第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にレギュラーボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技状態からレギュラーボーナスゲームに移行させ、その後元の遊技状態に復帰させるものである。レギュラーボーナスゲーム中は、有効ラインが1ラインのみとされている。
【0106】
制御装置51は、「レギュラーボーナス中抽選手段」を備えている。レギュラーボーナス中抽選手段は、レギュラーボーナス中にのみ有効化され、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、例えばレギュラーボーナス中はリプレイ図柄が有効ライン上に揃った場合に所定枚数(例えば15枚)のメダルが払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄をメダル払出図柄として、当該メダル払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記レギュラーボーナス制御手段は、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、レギュラーボーナス用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記メダル払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール11,12,13を制御するものであり、しかもメダル払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくともレギュラーボーナスゲームを終了させる。
【0107】
制御装置51は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
【0108】
制御装置51は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各リール11,12,13の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的に第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定の遊技回数(ここでは30回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技からビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
【0109】
制御装置51は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナス中にのみ有効化され、スタート検出センサ61からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール11,12,13を半強制的に引き込み停止制御する。また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール11,12,13を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に上記したレギュラーボーナスゲームと同様のゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール11,12,13を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされると上記したレギュラーボーナスゲームと同様のゲームが実行される。
【0110】
ここで、ビッグボーナスゲームは、前記所定の遊技回数(30回)内で所定回数(例えば3回)を上限とするジャックインが可能であり、ビッグボーナスゲーム中のジャックイン中における遊技回数は前記30回の回数には加算されないようになっている。そして、ビッグボーナス制御手段は、前記所定の遊技回数(30回)内であっても、レギュラーボーナスゲームが所定回数(3回)終了した時点でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
【0111】
制御装置51は、「特別遊技制御手段」を備えている。特別遊技制御手段は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスとは異なる特別遊技の発生・消滅の決定を行う。その決定態様は各種考えられるが、本実施の形態では、ビッグボーナス終了によって1/2の確率で発生し、所定ゲーム(例えば100ゲーム)回を消化した時点で消滅するように設定されている。また、この特別遊技中にレギュラーボーナスが発生しても特別遊技は継続し、ビッグボーナスが発生すると特別遊技は終了するように設定されているが、このビッグボーナスやレギュラーボーナスに基づく終了の有無についても別の態様が考えられる。
【0112】
制御装置51は、「補助表示制御手段」を備えている。補助表示制御手段は、補助表示部49を表示制御するものである。補助表示制御手段は、補助表示部49に、少なくとも、小役フラグ或いはリプレイフラグの成立を報知する「ナビゲーション表示」と、ビッグボーナスフラグ或いはレギュラーボーナスフラグの成立時に小役フラグ等の成立と思わせる報知を行う「ナビゲーション外れ表示」とを行わせるように、当該補助表示部49を表示制御する。なお、ナビゲーション表示とナビゲーション外れ表示とは、当該補助表示部49の表示内容のみから区別することはできず、各リール11,12,13の停止内容との関係から理解されるものである。
【0113】
即ち、補助表示制御手段は、「ナビゲーション表示」として、小役フラグ或いはリプレイフラグ成立時には、そのゲームの終了前迄にフラグ成立に該当する小役又はリプレイに対応する図柄を補助表示部49に表示させ、遊技者に表示された図柄を停止させるように促すナビゲーション的な機能を発揮させる。一方、「ナビゲーション外れ表示」として、ビッグボーナスフラグ或いはレギュラーボーナスフラグ成立時には、本来フラグの成立していない小役或いはリプレイ図柄をそのゲームの終了前迄に補助表示部49に表示させ、同じく遊技者に表示された図柄を停止させるように促すナビゲーション的な機能を発揮させるが、それら表示された図柄は本来フラグ成立していないのであるから実際にはその表示された図柄が有効ライン上に揃うことはない点で上記ナビゲーション表示とは意味内容が異なる。
【0114】
補助表示制御手段は、更に特別遊技中には、少なくとも第1小役図柄のフラグが成立していることに関しては常に報知する機能を有している。
【0115】
制御装置51は、「リール制御手段」及び「記憶手段」を備えている。リール制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各リール11〜13を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール11〜13の停止位置を制御するものである。
【0116】
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグ(小役フラグにはベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄、第1小役図柄等の各小役に対応したそれぞれ異なるフラグが用意されている。)に対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」(以下、特に第1小役図柄のテーブルについて言及する場合は「第1小役成立テーブル」と称する)、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「赤7」図柄又は「白7」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」、レギュラーボーナスフラグに対応して「BAR」図柄を有効ライン上に揃えるための「レギュラー成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
【0117】
更に、第1小役成立テーブルに関しては、2種類の異なるテーブルが用意されており、一つは特別遊技でない場合に使用される「通常第1小役成立テーブル」であり、もう一つは特別遊技中に使用される「特別第1小役成立テーブル」である。これら両テーブルは同時に使用されることはなく、前記特別遊技制御手段によって選択的に使用される。即ち、特別遊技制御手段は、特別遊技でない場合には通常第1小役成立テーブルを参照テーブルとし、特別遊技に移行すると特別第1小役成立テーブルを選択して参照テーブルとし、更に特別遊技が終了すると通常第1小役成立テーブルを選択して参照テーブルとする。
【0118】
また、本実施の形態では、更にナビゲーション外れ演出のために特別に用意された「テンパイ外れテーブル」が記憶されている。
【0119】
勿論、補助表示部49に表示すべき表示データも記憶手段に記憶されており、その時々の条件に見合った表示データが補助表示制御手段によって抽出された上で補助表示部49に表示されることとなる。
【0120】
ここで、本実施の形態では、各リール11,12,13の回転速度は1周で750msとされており、各リール11,12,13にはそれぞれ21図柄が付されていることから、所定位置に次の図柄が到達するには36ms程度を要する。また、各ストップスイッチ27〜29の操作が検出されてから190ms以内に停止するように設定されている。従って、ストップスイッチ27〜29が操作された時点で有効ラインと図柄との位置ずれをも考慮すると、停止操作後に最大で4図柄分だけリール11,12,13を回転させた状態で停止させることが可能となる。
【0121】
そこで、上記各種テーブルは、停止操作後に4図柄までの滑りを許容できるという条件下で作成されている。例えば、滑りなしでの停止を「0」、1図柄分滑った後の停止を「1」、2図柄分滑った後の停止を「2」、3図柄分滑った後の停止を「3」、4図柄分滑った後の停止を「4」として、テーブルを作成することができる。また、これら各テーブルは、ストップスイッチ27〜29がどの図柄位置で又どの停止操作順序で操作されても対応できるように、各操作位置に対応したデータが蓄えられている。なお、念のために説明すると、「滑り」とは実際には各リール11,12,13の回転停止遅れを意味するものであるが、本業界の一般用語として浸透しているため、そのまま滑りと称することとしている。
【0122】
但し、ナビゲーション外れ演出のために特別に用意された「テンパイ外れテーブル」は、本実施の形態では、独立して全てのリール11,12,13の停止位置を決定付けるようなものではなく、小役成立テーブル又はリプレイ成立テーブルとともに利用される差し替え用のテーブルとして構成されている。
【0123】
即ち、まず小役成立テーブル又はリプレイ成立テーブルを参照して2つのリールについて小役又はリプレイ図柄のテンパイ目を成立させる。なお、テンパイ目とは、2つのリール停止時において残る1つのリールとの組合せ次第では有効ライン上に小役又はリプレイ図柄が成立する状態となるような2つのリール停止時の出目の組合せをいう。そして、最後に停止されるリールについては当該小役成立テーブル又はリプレイ成立テーブルの内容をテンパイ外れテーブルの内容に差し替えることによって、テンパイ外れ目(テンパイ目となったが最終的には外れ目となった状態)となるようにするのである。
【0124】
例えば、各リール11〜13が左から順に停止されるような所謂「順押し」の場合、小役成立テーブルに従って左中の各リール11,12についてベル図柄を有効ライン上に停止させ、右リール13についてはテンパイ外れテーブルに従ってベル図柄がテンパイしている有効ラインにベル図柄が揃わないように当該ベル図柄を有効ラインから外れた位置に停止させるように、テンパイ外れテーブルが構成されている。
【0125】
なお、本実施の形態では、上記例示のような順押しの場合と、左リール11,右リール13の順で停止した後に中リール12が停止される所謂「順挟み押し」の場合に上記演出が可能となるようにテンパイ外れテーブルが作成されている。従って、その他の停止順序で各リール11〜13が停止される場合には対応できず、その場合は「外れテーブル」が参照されることとなる。即ち、本実施の形態では、最初に左リール11が停止される場合にのみ、小役又はリプレイ図柄をテンパイさせた後に外れ目とするテンパイ外れ目が成立するように構成されている。但し、各リール11,12,13の停止順序として全てのパターン(3リールの場合は全部で6通り)についてテンパイ外れテーブルを用意しておいてもよく、このようにした場合にはどのような停止順序であってもテンパイ外れ目を出すことができるようになるが、その引き換えとしてデータ容量が大きくなる。
【0126】
上記のように「テンパイ外れテーブル」を小役成立テーブルやリプレイ成立テーブルの最終停止リールについて差し替えて使用することとしたのは、データ容量の削減のためである。即ち、本実施の形態のように、最終停止リールの停止データにつき差し替え方式とすることで、テンパイ外れテーブルには最終停止されるリールについてのみのデータを保有すればよいこととなるため、データ容量が大幅に削減される利点があるからである。
【0127】
勿論、「テンパイ外れテーブル」として、各リール11〜13の全ての組合せについてデータを作成してもよいが、この場合はデータ容量が大きくなってしまう。但し、この場合、「テンパイ外れテーブル」を小役成立テーブルやリプレイ成立テーブルと完全に分離して構成できることからテーブル作成が容易であるという利点がある。
【0128】
次いで、「通常第1小役成立テーブル」と「特別第1小役成立テーブル」との相違について説明する。特別第1小役成立テーブルは、他の小役成立テーブルと同様の考えのもとで作成されたものであり、最大4図柄の滑りが許容されていることを最大限利用して、第1小役図柄のフラグ成立時には有効ライン上に第1小役図柄の組合せが停止するようにテーブル構成されたものである。従って、特別第1小役成立テーブルが選択されている場合、即ち特別遊技中には、第1小役図柄が4図柄の滑りを許容した状態で成立しやすい状況となっている。一方、通常第1小役成立テーブルは、上記特別第1小役成立テーブルや他の小役成立テーブルとはその作成概念が異なる。即ち、通常第1小役成立テーブルは、最大4図柄の滑りを基本的には最大限利用することはなく、滑りは「0」を基調として作成されたテーブルである。そのため、たとえ第1小役図柄のフラグが成立していても、遊技者がその第1小役図柄を有効ライン上に成立させるには、当該第1小役図柄を狙って所定の有効ラインに位置するときに各ストップスイッチ27〜29を操作する必要があり、1図柄でも手前でストップスイッチ27〜29が操作された場合には第1小役図柄が有効ライン上に停止しないテーブル構成となっている。
【0129】
そして、リール制御手段は、成立フラグに応じたテーブルを参照して当該参照テーブルで定められた停止図柄となるように、各リール11,12,13を停止制御する。
【0130】
次に、以上の構成からなるスロットマシン1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
【0131】
遊技の開始に際し、遊技者は、メダル投入口31からメダルを投入するか、またはクレジット投入スイッチ32〜34を操作することにより貯留記憶に基づく仮想メダルを投入する。メダル投入口31に投入されたメダルは投入メダル検出センサ65によって検出され、その検出信号を受けて制御装置51はメダルの投入があったことを判断する。一方、クレジット投入スイッチ32〜34の操作はクレジット投入検出センサ66〜68によって検出され、その検出信号を受けて制御装置51は所定数の仮想メダルの投入があったことを判断する。
【0132】
これらのメダル投入枚数に応じて制御装置51は表示駆動回路82を介して有効ライン表示部21,22,23を点灯させる。ここで、1枚のメダル投入であれば有効ライン表示部21のみが点灯されて中央の横ラインのみが有効化され、2枚のメダル投入であれば有効ライン表示部21,22が点灯されて中央及び上下の横ラインが有効化され、3枚のメダル投入であれば全ての有効ライン表示部21,22,23が点灯されて全てのラインが有効化されたことを報知する。なお、クレジット投入スイッチ32〜34の操作によるメダル投入の場合には、制御装置51はクレジットされているメダルの貯留記憶数をその分減算し、その減算値に応じた表示を残数表示部38に行わせるように表示制御する。
【0133】
少なくとも1ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバー25を操作すると、その操作がスタート検出センサ61によって検出され、その検出信号を受けて制御装置51はスタートレバー25の操作があったことを判断する。すると、制御装置51は、全てのリール11,12,13を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、モータ駆動回路81を介して各リールモータ15,16,17を駆動制御する。その結果、各リール11,12,13は遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程の速度で一方向に回転し、各表示窓5,6,7を介して各図柄があたかも上から下へ向かって可変表示されているかのように映し出される。
【0134】
前記スタートレバー25の操作に基づく検出信号が制御装置51に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、レギュラーボーナス抽選手段、ビッグボーナス抽選手段による各抽選が行われる。
【0135】
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、レギュラーボーナス抽選手段による抽選結果がレギュラーボーナスフラグ成立を意味する場合は、レギュラーボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはレギュラーボーナスゲームへ移行するまで保持される。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行うするまで保持される。さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
【0136】
以上の各抽選手段による抽選が終了した後、遊技者がストップスイッチ27,28,29を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ62,63,64によって個別に検出され、各検出信号を受けて制御装置51は各ストップスイッチ27,28,29の操作があったことを判断する。すると、制御装置51は、操作された各ストップスイッチ27,28,29に対応したリール11,12,13を個別に停止させるべく、モータ駆動回路81を介して各リールモータ15,16,17を停止制御する。
【0137】
これら各リール11,12,13の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。従って、有効ラインからリール回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる。その結果、遊技者が熟練していなくとも制御装置51によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。
【0138】
各リール11,12,13の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せ、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである場合、制御装置51は表示駆動回路82を介して各停止図柄の組合せに応じて払い出されるメダル数を獲得数表示部39に表示させる。
【0139】
制御装置51は、獲得数表示部39への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数のメダルを遊技価値として払い出すための払出制御を行う。かかるメダルの払出は、制御装置51がホッパ駆動回路83を介してホッパ装置41を駆動することにより、メダル排出口42から受皿43へ直接的に現実のメダルとして払い出される。ただし、切換スイッチ36の操作を切換検出センサ69が検出し、制御装置51がクレジットモードであると判断した場合において貯留記憶できる最大値(50枚分)に達していない場合には、その分が直接ホッパ装置41を駆動することなく、クレジットメダルとして貯留記憶される。この場合、制御装置51はクレジットされているメダルの貯留記憶数に今回獲得したメダル数分を加算し、その加算値に応じた表示を残数表示部38に行わせるように表示制御する。勿論、この場合でも貯留記憶できる最大値である50枚分を越えた分はホッパ装置41より直接メダルが払い出される。
【0140】
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがレギュラーボーナス図柄の組合せである場合にはレギュラーボーナス制御手段によってレギュラーボーナスゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。
【0141】
なお、小役図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介して小役報知部48を表示制御して小役成立を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御して小役成立を音声報知する。また、リプレイ図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介してリプレイ報知部47を表示制御してリプレイゲームへの移行を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御してリプレイゲームへの移行を音声報知する。
【0142】
また、レギュラーボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介してレギュラー報知部46を表示制御してレギュラーボーナスゲームへの移行を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御してレギュラーボーナスゲームへの移行を音声報知する。
【0143】
また、ビッグボーナス図柄が有効ライン上に揃った場合、制御装置51は、表示駆動回路82を介してビッグ報知部45を表示制御してビッグボーナスゲームへの移行を表示報知するとともに、スピーカ駆動回路84を介してスピーカ50を駆動制御してビッグボーナスゲームへの移行を音声報知する。
【0144】
これらスピーカ50による音声報知は、遊技者への遊技価値返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部45〜48の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲームではめまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
【0145】
次いで、補助表示部49のナビゲーション表示演出及びナビゲーション外れ表示演出と関連する部分について説明する。
【0146】
まず、「ナビゲーション表示」演出について説明すると、小役フラグ或いはリプレイフラグ成立時に、補助表示制御手段は記憶手段の記憶内容をもとにその成立フラグに相対する図柄を抽出し、補助表示部49に表示させる。かかる表示は、スタートレバー25の操作が検出されたことに応答して行われる。即ち、遊技者がストップスイッチ27〜29を操作する前に補助表示部49に所定の図柄が表示されることとなり、遊技者はその図柄を参照することで、今回のゲームで成立し得る図柄を把握することができる。例えば、リプレイフラグが成立している場合には、図5に示すように、リプレイ図柄を補助表示部49に表示させる。
【0147】
このリプレイ図柄を補助表示部49に表示した状態について説明すると、図5に示すように、リプレイゲーム制御手段は、リプレイフラグの成立に応答して、記憶手段のリプレイ成立テーブルを参照しつつストップスイッチ27〜29の操作に応答して、リプレイ図柄を所定の有効ライン(図5では右上がりライン)に停止させる。
【0148】
従って、遊技者は、補助表示部49による表示内容と実際に各リール11,12,13停止時の有効ライン上の成立図柄とが対応していることを知ることができる。
【0149】
次に、「ナビゲーション外れ表示」演出について説明すると、ビッグボーナスフラグ或いはレギュラーボーナスフラグ成立時に、補助表示制御手段は記憶手段の記憶内容をもとにその成立フラグに相対する図柄を抽出するのではなく、これら図柄とは別の小役或いはリプレイ図柄を抽出し、補助表示部49に表示させる。かかる表示は、「ナビゲーション表示」演出の場合と同様、スタートレバー25の操作が検出されたことに応答して行われる。即ち、遊技者がストップスイッチ27〜29を操作する前に補助表示部49に所定の図柄が表示される。例えば、補助表示制御手段がリプレイ図柄を抽出した場合には、リプレイ図柄を補助表示部49に表示させる。従って、補助表示部49に図柄表示がなされた時点では遊技者はナビゲーション表示なのかナビゲーション外れ表示なのかは理解できないので、もしも表示図柄に対応する小役等の図柄が有効ライン上に揃えばナビゲーション表示演出であったことが事後的に判断でき、表示図柄に対応する小役等の図柄が有効ライン上に揃わなければナビゲーション外れ表示演出であったことが事後的に判断できる。
【0150】
ここで、本実施の形態では、ナビゲーション外れ表示演出を行う場合には、補助表示部49にて表示されている図柄を強制的にテンパイさせるための処理を行い、本来フラグ成立しているビッグボーナス図柄等を揃わせないようにする。具体的には、ビッグボーナスフラグが成立した状態で上述のようにリプレイ図柄が補助表示部49に表示されているとき、リール制御手段はリプレイ成立テーブルを参照して、第1番目と第2番目のリールを、有効ライン上にリプレイ図柄がテンパイするように停止させる。例えば、図6では順押しの場合を説明しているが、左リール11,中リール12にはリプレイ図柄がテンパイするように停止制御される。このように、ビッグボーナスフラグが成立しているにもかかわらず本来成立していないリプレイ成立テーブルを参照する処理を行うことによって、ビッグボーナス図柄は有効ライン上に引き込まれず、補助表示部49に表示された図柄であるリプレイ図柄が有効ライン上に引き込まれることとなる。
【0151】
その後、第3番目即ち最後のリールが停止するときは、上記リプレイ成立テーブルは参照しない。もしも、リプレイ成立テーブルを参照するとすれば、結果的にリプレイ図柄が有効ライン上に停止してしまってナビゲーション外れ表示演出とはならないためであり、またリプレイフラグが成立していないにもかかわらずリプレイ図柄の組合せが有効ライン上に停止することはスロットマシン1の制御上不都合だからである。即ち、最後のリールについては、別途設けたテンパイ外れテーブルを参照することとなる。その結果、図6に示すように、最後に停止する右リール13には右上がりライン上にリプレイ図柄が停止することがなく、テンパイ外れ目となる。
【0152】
このように、2つのリール11,12を停止させた状況では、未だナビゲーション表示演出なのかナビゲーション外れ表示演出なのかが判然とせず、最後のリールが停止した時点で図6のようにリプレイ図柄が外れることで初めてナビゲーション外れ表示演出であったことがわかる。
【0153】
以上のナビゲーション表示及びナビゲーション外れ表示演出については、リプレイ図柄とビッグボーナスフラグとの関係について説明したが、補助表示部49に他の表示図柄、例えば小役図柄が表示される場合もあり、またレギュラーボーナスフラグ成立時にも同様の演出が可能であることはいうまでもない。
【0154】
また、ビッグボーナスフラグ成立以降、上記のようなナビゲーション外れ表示演出を毎回行うとすればビッグボーナス図柄を揃えることができなくなってしまうため、ナビゲーション外れ表示演出の回数等に所定の制限が必要となる。そこで、本実施形態では、ビッグボーナスフラグ成立時及びレギュラーボーナスフラグ成立時に1回だけ行うこととする。このような条件設定はこれらフラグ成立時にのみ演出するというだけのものであるから制御装置51のプログラム設計上容易である。
【0155】
このような動作によって、ビッグボーナスフラグやレギュラーボーナスフラグが成立していても、強制的にナビゲーション表示された図柄がテンパイすることから、補助表示部49による「ナビゲーション外れ表示」の演出を遊技者に存分に味合わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0156】
また、この場合、ビッグボーナス図柄やレギュラーボーナス図柄がフラグ成立にもかかわらず揃い難く或いは揃わないように構成されているので、常に或いは頻繁にビッグボーナス図柄やレギュラーボーナス図柄を狙ってストップスイッチ27〜29を操作している遊技者に対しても「ナビゲーション外れ表示」演出を楽しませることができることとなり、遊技に重厚性を付与することができる利点がある。
【0157】
しかも、「ナビゲーション外れ表示」演出とリンクして、各リール11,12,13の停止時にナビゲーション表示された図柄をテンパイさせるのに既存の小役成立テーブルやリプレイ成立テーブルを利用しつつ、最後に停止するリールについてのみ、別途設けたテンパイ外れテーブルの内容を差し替えて使用することとしたので、本実施形態のナビゲーション外れ表示演出を実行するために別途設ける必要のあるテーブルについてデータ容量を削減することができる。
【0158】
次いで、本実施の形態における特別遊技の制御及び遊技の進行について説明する。
【0159】
特別遊技中でない場合、第1特別図柄に関しては、参照テーブルとして通常第1小役成立テーブルが選択されている。この通常第1小役成立テーブルは、既述のとおり、滑りが「0」を基調として作成されたテーブルである。
【0160】
一方、第1小役図柄のフラグは1/3の確率で成立するのであるから、確率上は常に第1小役図柄を狙ってストップスイッチ27〜29を停止操作することで有効ライン上に第1小役図柄が停止される可能性がある。
【0161】
しかしながら、滑りが基本的に「0」であることから、少しでも停止タイミングがずれてしまうと、第1小役図柄を有効ライン上に停止させることができない。そもそも、本実施の形態におけるスロットマシン1ではリール11,12,13の一回転に要する時間が750msであり、各リール11,12,13には21図柄付されているのであるから、所定の図柄を所定位置に停止させるのに許容される時間的誤差は僅か36ms程度となる。そのため、遊技者が第1小役図柄に的を絞って所定位置に停止させることは甚だ困難であり、しかも、それを3つの全てのリール11,12,13について行わなければならず、更にはそれを毎回の遊技で実行することとなると、遊技者の負担は過大なものとなる。それにもかかわらず、許容誤差(36ms)が小さいという制限下で3回(3リール)分クリアする必要から、たとえ第1小役図柄のフラグが成立していても結果的に有効ライン上に第1小役図柄を停止させることができないという事態が想定される。
【0162】
更に、補助表示制御手段は、特別遊技中でない場合(通常遊技中)にあっては、第1小役図柄のフラグが成立しているのか否かを補助表示部49に全く或いは殆ど表示しないように、当該補助表示部49を表示制御する。その結果、ただでさえ第1小役図柄を有効ライン上に揃えることが技術的に困難な上に、第1小役図柄のフラグが成立しているか否かを知らないまま遊技者が第1小役図柄を狙ってストップスイッチ27〜29を操作しなければならなくなる。これによって遊技者に与える精神的な苦痛は耐え難いものがある。
【0163】
その結果、特別遊技中でない場合には、遊技者が第1小役図柄を正確に狙って停止させる操作を諦めることが期待される。従って、通常遊技中は、第1小役図柄のフラグが成立していても、実際の遊技の場面ではあたかも第1小役図柄のフラグが成立していないかのような状況を作り出すことができる。そして、通常遊技中には殆ど第1小役図柄が揃うことがないということによって、スロットマシン1の通常時のベースを下げる効果が得られる。
【0164】
なお、ベースとはメダルの投入枚数に対する払出枚数の割合(%)であり、例えば投入100枚に対し払出30枚であればベースが30であるということになる。そして、通常時においてベースを下げることができれば、特別な状態でメダルを大量に獲得させても、全体としてのベースを、遊技者と遊技ホールとの間で調和のとれば所望のベースとすることができることとなる。このメダル大量獲得を期待させるのが、次に述べる特別遊技である。
【0165】
即ち、ビッグボーナスゲームが終了すると、特別遊技制御手段は、特別遊技を開始するか否かの決定を行う。このうち開始するとの決定は、1/2の確率で抽選することによって行われるが、この抽選処理はビッグボーナスゲームのフラグ成立時やビッグボーナスゲーム中の所定の時期やビッグボーナスゲームの終了時点等のいずれの時期に行われてもよい。この抽選処理によって特別遊技フラグが成立した場合には特別遊技制御手段は特別遊技を開始する決定を行う一方、特別遊技フラグが成立していない場合には特別遊技制御手段は特別遊技を開始しない決定を行う。
【0166】
特別遊技を開始しない決定がなされると、特別遊技制御手段による制御は一旦終了し、通常遊技が開始される。
【0167】
一方、特別遊技を開始する決定がなされると、特別遊技制御手段によって特別遊技を開始するための処理が実行される。具体的には、全ての報知部45〜48を点灯、点滅等させる処理を実行することで、特別遊技状態中であることを遊技者に表示報知する。また、これと並行して、第1特別図柄のための参照テーブルを、通常第1小役成立テーブルから特別第1小役成立テーブルに切り換える選択処理が実行される。
【0168】
この状況下においても、第1小役図柄のフラグ成立確率は通常時と何ら変わらず、1/3の確率であるから、確率上は常に第1小役図柄を狙ってストップスイッチ27〜29を停止操作することで有効ライン上に第1小役図柄が停止される可能性がある。
【0169】
そして、特別第1小役成立テーブルは、4図柄の滑りが許容されていることを最大限利用して、第1小役図柄のフラグ成立時には有効ライン上に第1小役図柄の組合せが停止され易くなっている。
【0170】
更に、補助表示制御手段は、特別遊技中の場合にあっては、第1小役図柄のフラグが成立しているのか否かを補助表示部49に常に表示するように、当該補助表示部49を表示制御する。即ち、第1小役図柄のフラグ成立時には補助表示部49に第1小役図柄を明示的に表示したり又は間接的に或いは暗示的に表示することとなる。また、この表示報知は、ストップスイッチ27〜29の操作前、例えばスタートレバー25の操作と同時或いはその直後に行われるように制御されるものであり、これによってストップスイッチ27〜29の操作前に第1小役図柄のフラグ成立が遊技者に知らされることとなる。
【0171】
その結果、毎回第1小役図柄を有効ライン上に揃えるべくストップスイッチ27〜29を操作しなくとも、補助表示部49に第1小役図柄のフラグ成立が表示報知された遊技回においてのみ、遊技者は左リール11及び右リール13に「スイカ」図柄を、中リール12に「白7」図柄を狙って停止操作すれば、ほぼ確実に第1小役図柄を有効ライン上に停止させることができ、9枚のメダル払出を得ることができる。勿論、第1小役図柄を狙って停止操作する場合も、最大4図柄の滑り(190msの時間誤差)が許容されているのであるから、遊技者は、比較的容易に第1小役図柄を有効ライン上に停止させることができる。
【0172】
そして、もしも第1小役図柄のフラグ成立時に補助表示部49のナビゲーションに従って第1小役図柄を有効ライン上に停止させることができれば、9枚の払出が3遊技回に1度行われることとなって、この第1小役図柄に基づくメダル払出だけみても、メダルを全く消費することなく遊技を進行することができる。
【0173】
更に、この特別遊技中であっても、他の小役抽選が行われているので、第1小役図柄が揃わない場合にあっても他の小役図柄が有効ライン上に停止してメダル払出が行われる状況が作り出される。その結果、特別遊技中のベースは100を越えることとなり、遊技者にとってみれば、徐々にメダルが増加していくこととなる。しかも、この特別遊技中にはレギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選も並行して実行されていることから、もしもレギュラーボーナスゲームに突入した場合にはより多くのメダル払出が行われるとともに、特別遊技も継続されることとなる。なお、ビッグボーナスゲームに突入した場合には特別遊技は終了することとなるが、ビッグボーナスゲームによってより多くのメダル払出が行われる結果、遊技者にとっては不利益が殆どない。
【0174】
なお、特別遊技制御手段は、ビッグボーナス終了後からゲーム回数をカウントしており、カウント数が100となると、特別遊技を消滅させる処理を実行する。消滅処理を具体的に説明すると、まず、全ての報知部45〜48を消灯させる処理を実行することで、特別遊技状態でなくなったことを遊技者に表示報知する。また、これと並行して、第1特別図柄のための参照テーブルを、特別第1小役成立テーブルから通常第1小役成立テーブルに切り換える選択処理が実行される。
【0175】
ここで、特別遊技中における特別第1小役成立テーブルが選択されている場合と、通常遊技中における通常第1小役成立テーブルが選択されている場合について、第1小役図柄の揃え易さの程度の違いを、図3のリール配列表をもとに説明する。なお、説明の便宜上、中央の横ラインが有効ラインである場合について説明する。
【0176】
まず、特別第1小役成立テーブル選択時に第1小役図柄を有効ライン(ここでは中央ライン)に停止させる場合について説明する。この場合、左リール11については「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させればよいのであるが、4図柄の滑りが許容されていることから、第10番目〜第16番目、第21番目〜第6番目の図柄が有効ライン上にある場合にストップスイッチ27を操作すればよい。また、中リール12については「白7」図柄を有効ライン上に停止させればよいのであるが、4図柄の滑りが許容されていることから、第6番目〜第10番目の図柄が有効ライン上にある場合にストップスイッチ28を操作すればよい。また、右リール13については「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させればよいのであるが、4図柄の滑りが許容されていることから、第20番目〜第16番目(即ち、第17番目〜第19番目の図柄以外)の図柄が有効ライン上にある場合にストップスイッチ29を操作すればよい。このように、特別第1小役成立テーブルに従った場合には、多数図柄からなる帯域(連続する図柄により構成される図柄群)を狙えばよいこととなり、遊技者にとっては帯域内となる位置で曖昧に停止操作すればよく、比較的容易に第1小役図柄を有効ライン上に停止させることができいる。
【0177】
通常第1小役成立テーブル選択時に第1小役図柄を有効ライン(ここでは中央ライン)に停止させる場合について説明する。この場合、左リール11については「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させればよいのであるが、滑りが「0」であるから、第4,6,14,16番目の図柄が有効ライン上にある場合にストップスイッチ27を操作しなければならない。また、中リール12については「白7」図柄を有効ライン上に停止させればよいのであるが、滑りが「0」であるから、第10番目の図柄が有効ライン上にある場合にストップスイッチ28を操作しなければならない。また、右リール13については「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させればよいのであるが、滑りが「0」であることから、第3,8,12,16番目の図柄が有効ライン上にある場合にストップスイッチ29を操作しなければならない。このように、通常第1小役成立テーブルに従った場合には、「スイカ」図柄なり「白7」図柄なりの所定の図柄が有効ライン上に差し掛かった際、その瞬間にストップスイッチ27〜29が操作されない限り、第1小役図柄を有効ライン上に停止させることができず、特別第1小役成立テーブルに従った場合のように多数図柄からなる帯域を狙う場合に比べ、第1小役図柄を有効ライン上に停止させることが極めて困難であることがわかる。
【0178】
以上のとおり、本実施の形態によれば、第1小役図柄のフラグ成立の確率を何ら変更することなく、第1小役図柄の揃い易さを変更して通常遊技と特別遊技の切換を行うことができる。
【0179】
しかも、通常遊技時には遊技者が第1小役図柄を狙ってストップスイッチ27〜29を操作するような技術介入を諦める程に第1小役図柄が有効ライン上に揃い難くなっているので、結果として通常遊技時には殆ど第1小役図柄が有効ライン上に揃うことがなくなり、通常遊技時のベースを大幅に低くすることができる。その反射的効果として、スロットマシン1の遊技全体としてのベースを所定のバランスに維持したとしても、特別遊技時のメダル払出枚数を多くする等によって大量のメダル払出時期を作り出すことができることとなって、遊技に抑揚を与えることができる。
【0180】
また、通常遊技時には熟練した遊技者といえども第1小役図柄を狙うことを諦める程の設定であるため、極めて高度な技能と根気を有していない限りは通常遊技時に第1小役図柄を狙って停止操作されることがなくなり、遊技に一定の公平性を持たせることができる。勿論、その付随的効果として、遊技ホール側の立場からすれば、遊技者の技能の高低にあまり左右されない収支を見込むことができるため、ホール全体での収支管理を比較的容易なものとすることができる。
【0181】
ここで、より好ましい形態について付加的に説明する。第1小役図柄を有効ラインの中でも中ライン限定の小役図柄とし、当該第1小役図柄が有効ライン上で操作される場合には、図柄滑り量が殆どない(0又は1程度)ように構成しておくことが好ましい。このように構成すれば、第1小役図柄を狙って停止操作できるような熟練した遊技者にあっては、他の全ての小役図柄が成立することがなくなる。即ち、第1小役図柄を狙って操作する限り、スイカ図柄やベル図柄やチェリー図柄の成立に基づくメダル獲得の可能性がなくなる。こうなると、遊技者にとっては、結局総合的には得られるメダル数が低減する可能性が高く、しかも上述のとおり第1小役図柄が非常に揃い難いことも相俟って、ほぼ間違いなく熟練した遊技者が通常遊技時に第1小役図柄を狙うことを諦める結果となる。従って、熟練者によって意図的に第1小役図柄が狙われて必要以上の技術介入によるメダル収支の差異を生じさせることがなくなり、遊技の公平性を担保することができる。
【0182】
また、上記のように有効ラインの限定や滑り量の限定をしなくとも、図柄のリール配列によって対処することも可能である。即ち、第1小役図柄の近辺に他の小役図柄が成立しないようなリール配列とすることでも他の全ての小役の不成立を実現することができる。
【0183】
以下、他の実施形態について説明する。
【0184】
(a)第1小役図柄は、1/3の確率でフラグ成立し9枚のメダル払出としたが、1/2の確率で6枚のメダル払出としたり、1/4の確率でフラグ成立し12枚のメダル払出としたり、1/5の確率で15枚のメダル払出としてもよい。この場合も、理論上は、特別遊技中に第1小役図柄のみでメダルの収支を一定にすることが可能であり、他の小役図柄の成立によってメダルを若干増加させることができる。また、以上のように第1小役図柄のフラグ成立確率を1/NとするとともにN枚の払出とせず、1/Nの確率でM枚の払出としてもよい。3N>Mの場合には理論上は特別遊技中に第1小役図柄のみではメダルが減少傾向となり、3N<Mの場合には理論上は特別遊技中に第1小役図柄のみでもメダルが増加傾向となる。ここで、通常遊技中の第1小役図柄の有効ライン上の成立が殆ど期待できないことから、スロットマシン1全体のベースを適正値に維持しつつ、3N<Mとして特別遊技中のベースを上げることが可能である。なお、3Nとしたのは、1遊技回に使用される最大メダル数が3枚であることに基づく。
【0185】
(b)特別遊技の発生始期について、ビッグボーナス終了後の1/2の確率を条件として1/2の確率で発生することとしたが、特別遊技発生の始期としては別の決定方式又は別の時期とすることが可能である。例えば、ビッグボーナス終了のみを条件としたり、確率を1/2以外に設定して特別遊技を発生し易くしたり発生し難くすることもできる。また、レギュラーボーナス終了を条件とすることも可能であるし、所定の小役図柄が成立することを条件としたり、所定のリプレイ図柄が成立することを条件としたり、所定のゲーム回を消化することを条件としたり、所定の時間が経過することを条件としたり、所定の時刻になることを条件としたり、所定のメダル収支となることを条件とすることも可能である。更に、これらのうち所定の複数の条件を満たすことを必要条件として複合的に用いたり、これらのうち所定の複数の条件を選択的に用いていずれかの条件を満たせば特別遊技を発生するようにしてもよい。
【0186】
(c)特別遊技について、その状態の終期を決定付けるのがビッグボーナスの発生又は100ゲームの消化のいずれかを満たした場合としたが、特別遊技の終期としては別の決定方式又は別の時期とすることが可能である。例えば、ビッグボーナス発生のみを条件としたり、消化ゲーム数を100ゲーム以外に設定して特別遊技を終了し易くしたり終了し難くすることもできる。また、レギュラーボーナス発生を条件とすることも可能であるし、所定の小役図柄が成立することを条件としたり、所定のリプレイ図柄が成立することを条件としたり、所定の確率でフラグ成立することを条件としたり、所定の時間が経過することを条件としたり、所定の時刻になることを条件としたり、所定のメダル収支となることを条件とすることも可能である。更に、これらのうち所定の複数の条件を満たすことを必要条件として複合的に用いたり、これらのうち所定の複数の条件を選択的に用いていずれかの条件を満たせば特別遊技を終了するようにしてもよい。
【0187】
(d)ナビゲーション表示演出及びナビゲーション外れ表示演出に関し、補助表示部49にはスタートレバー25の操作に応答してリール回転開始に相前後する時期に表示されることとしたが、リール回転後、例えば第1番目のリール停止後、第2番目のリール停止後、第3番目即ち全てのリール停止後、所定時間経過後等のように表示時期を適宜変更してもよいし、その都度変更してもよい。即ち、ナビゲーション表示及びナビゲーション外れ表示演出は事後報知であってもよい。但し、特別遊技に際して、第1小役図柄をナビゲーション表示する場合には当該表示をリール停止操作前に行うようにすることで、遊技者に予め第1小役図柄を狙わせることができる。
【0188】
(e)リール制御に関して、本実施の形態では、特別遊技と通常遊技とで第1小役図柄の有効ライン上への揃い易さの程度を変化させるため、特別第1小役成立テーブルと通常第1小役成立テーブルの切換に基づくテーブル式制御を行うようにしたが、これに代えて、逐一リールの停止位置を制御装置51(リール制御手段)が判断しながらリール停止位置を決定していくコントロール式制御としてもよい。また、コントロール式とテーブル式とが混在した制御としてもよい。
【0189】
(f)通常遊技時には第1小役図柄のフラグ成立を補助表示部49にて一切報知しないようにしたが、所定の確率で当該フラグ成立を報知することとしてもよい。
【0190】
(g)第1小役図柄とともに第2小役図柄を設定してもよい。例えば、第2小役図柄として、有効ライン上において左右リール11,13に「スイカ」図柄が、中リール12に「BAR」図柄が揃う組合せとする。これにより、左右リール11,13については第1小役図柄も第2小役図柄も同じであるが、中リール12については「白7」図柄と「BAR」図柄といった異なる図柄となり、特に着目すべきは、中リール12で「白7」図柄が第10番目であるのに対して「BAR」図柄は第19,21番目にしか存在しないことから、一方の図柄を狙って他方の図柄が有効ライン上に揃う可能性は全くない点である。また、この場合、第1小役図柄と第2小役図柄のフラグ成立確率をそれぞれ1/4としてメダル払出数を6枚としておくことができる。また、第1小役図柄及び第2小役図柄のフラグが両方たつことのないように設定しておく。その結果、たとえ通常遊技中に滑り「0」であっても所定の図柄を目標位置に停止させるだけの技能がある遊技者であっても、第1小役図柄のフラグ成立時に第2小役図柄を揃えることはできず、その逆の場合も同様であるから、熟練した遊技者によって第1小役図柄及び第2小役図柄を通常時に有効ライン上に成立させられることがなくなり、遊技の公平性を高めることができる。勿論、上記確率1/4及び払出メダル6枚という数字は例示であって、この確率及び枚数であれば第1及び第2の小役図柄のみに着目すれば特別遊技中にはメダルの収支を一定にできるというだけであるから、成立確率及び払出メダル数は適宜設定することができる。当然、補助表示部49には特別遊技時において第1小役図柄と第2小役図柄とを識別できるようにナビゲーション表示されることとなる。なお、第3小役図柄を更に設定する等のように3種類以上の特別小役を設定することも可能であり、この場合はより一層公平性を増すことができる。
【0191】
(h)ナビゲーション外れ表示演出をビッグボーナスフラグ或いはレギュラーボーナスフラグが成立したゲーム時に1回だけ行うこととしたが、他の条件で行ってもよい。例えば、それらのフラグ成立後所定の複数ゲーム回行ったり、それらのフラグ成立時には当該演出を行わずに所定ゲーム回目に行うことが可能である。
【0192】
(i)一旦強制的に小役等のテンパイ目を引き込むナビゲーション外れ表示演出を行った後は、通常のナビゲーション外れ表示演出を行うようにしてもよい。通常のナビゲーション外れ表示演出とは、小役等のテンパイ目を強制的に引き込むのではなく、ビッグボーナス成立テーブル等に基づきビッグボーナス図柄を積極的に引き込む制御を実行することをいう。
【0193】
(j)ナビゲーション表示演出やナビゲーション外れ表示演出は、所定の抽選結果をもとに実行されるようにしてもよい。例えば、ビッグボーナスフラグが成立したら必ずナビゲーション外れ表示演出を行うのではなく、ビッグボーナスフラグ成立時に抽選によって当該外れ表示演出を実行するようにしてもよい。その抽選は、例えば、ナビゲーション表示やナビゲーション外れ表示に係る演出を行うか否かを決定するテーブル(ナビゲーションテーブル)を記憶手段に記憶させておき、そのテーブルの抽選結果に応じて演出実行の有無を決定することができる。
【0194】
(k)補助表示部49には、ナビゲーション表示演出及びナビゲーション外れ表示演出を実行するための表示がなされるものとして説明したが、これに加えて、他の表示を行うようにしてもよい。例えば遊技者が遊技をしていない状況下では遊技方法を解説する表示を行ったり、ビッグボーナスフラグ成立の告知を行ったり、キャラクタ等の演出用図柄を表示して表示内容に重み付けをするようにしてもよい。
【0195】
(l)補助表示部49は、主表示部たる各リール11,12,13の制御を行う制御装置51にて制御されるようにしたが、別途サブ基板を設けて制御装置51と独立したものとして制御してもよい。このようにすれば、補助表示部49による表示演出の多様化等に容易に対応し得る。しかも、サブ基板側では直接ビッグボーナス等の遊技価値付与に関与するわけではないので、サブ基板ではセキュリティ上の制約がなくなってプログラム設計が容易になる等の利点がある。
【0196】
(m)ナビゲーションのために液晶表示器,ドットマトリックス表示器等による補助表示部49を用いたが、フロントパネル3にリール11,12,13に付された図柄と同様の図柄を付しておき、その図柄をバックライト点灯等によって明るくして報知するようにしたもよい。また、以上例示した電気的表示器に代えて、ナビゲーション用リール等の機械的表示器を用いてもよい。更に、「スイカ」図柄を緑色,「ベル」図柄を黄色といったように遊技者に直感でどの図柄を示しているかを理解させることができる複数色を発光可能な構成としておき、その色によってナビゲーションの状況を判別させるようにしてもよい。更に又、以上例示した表示報知に代えて或いはそれに加えて、音声によって報知するようにしたもよい。この場合、スピーカ50がそのナビゲーション機能を有することとなる。
【0197】
(n)ナビゲーション外れ表示演出時にはビッグボーナスフラグが成立していてもビッグボーナス図柄が有効ライン上に成立しないように記憶手段のテーブル構成がなされていたが、当該テーブルとして、ビッグボーナス図柄は有効ライン上に成立し得るものの成立させにくくするような構成としてもよい。即ち、ナビゲーション外れ表示演出時には、ビッグボーナス図柄の滑り量を「0」又は「1」程度に抑えるテーブル構成とする等により、所定の有効ライン上にほぼ合致した位置で停止操作されない限り、ビッグボーナス図柄の組合せとならないようにしてもよい。但し、この場合、全体のテーブル構成を上記実施の形態とは異ならせる必要が生じる。即ち、テンパイ外れテーブルの採用に代えて、テンパイ外れ目やビッグボーナス成立目を混在させた新たなテーブルを採用し、当該新たなテーブルをナビゲーション外れ表示演出時に参照することが必要である。
【0198】
(o)ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームを有するスロットマシン1について説明したが、これ以外のスロットマシンに適用してもよい。例えば、ビッグボーナスゲームについて、ゲーム中の遊技内容が異なり期待される獲得メダル数の異なる複数種のビッグボーナスゲームを有するものであってもよく、この場合、上記実施形態における「赤7」図柄と「白7」図柄とで異ならせること等によって識別可能とすればよい。また、レギュラーボーナスゲームを省略したものとしてもよく、逆にビッグボーナスゲームを省略したものとしてもよい。更に、ビッグボーナスゲーム後に所定条件成立(所定ゲーム回数の終了、所定フラグ成立等)までメダルの消費を抑えてゲームを進行し得るチャンスゲーム機能等の各種付加価値を設けたものとしてもよい。
【0199】
(p)各リール11,12,13の図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0200】
(q)遊技機として回胴式遊技機、特にスロットマシン1について具体化した例を示したが、ストップスイッチ等の停止操作機能を有するパチンコ機に具体化してもよい。また、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【符号の説明】
【0201】
1…遊技機としての回胴式遊技機たるスロットマシン、2…マシン本体、3…フロントパネル、5,6,7…表示窓、11…可変表示手段を構成する左リール、12…可変表示手段を構成する中リール、13…可変表示手段を構成する右リール、15…可変表示手段を構成する左リールモータ、16…可変表示手段を構成する中リールモータ、17…可変表示手段を構成する右リールモータ、21,22,23…有効ライン表示部、25…始動操作手段としてのスタートレバー、27,28,29…停止操作手段としてのストップスイッチ、31…入力手段としてのメダル投入口、32,33,34…入力手段としてのクレジット投入スイッチ、36…切換スイッチ、38…残数表示部、39…獲得数表示部、41…出力手段としてのホッパ装置、45…表示報知手段としてのビッグ報知部、46…表示報知手段としてのレギュラー報知部、47…表示報知手段としてのリプレイ報知部、48…表示報知手段としての小役報知部、49…報知手段としての補助表示部、51…各種制御手段及び記憶手段を構成する制御装置、61…始動操作検出手段としてのスタート検出センサ、62,63,64…停止操作検出手段としてのストップ検出センサ、65…入力検出手段としての投入メダル検出センサ、66,67,68…入力検出手段としてのクレジット投入検出センサ、69…切換検出センサ、71,72,73…リール位置検出手段としてのリール位置検出センサ、74…出力検出手段としてのホッパ検出センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の識別情報を可変表示するとともに停止操作手段の操作に起因して可変表示を停止する可変表示手段を備え、該可変表示手段にて所定領域に停止された識別情報が特定識別情報である場合には所定の遊技価値を付与するように構成し、その特定識別情報として、付与される遊技価値の異なる複数種のものが設定されている遊技機において、
所定の識別情報が前記所定領域に停止し得る条件が整った際であっても、第1状態時と第2状態時とで当該所定の識別情報の前記所定領域への停止し易さが異なるように停止制御する制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−62555(P2011−62555A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290920(P2010−290920)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【分割の表示】特願2000−372374(P2000−372374)の分割
【原出願日】平成12年12月7日(2000.12.7)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】