説明

遊技機

【課題】所定の契機の発生を示唆する有限演出、例えば、所定の役の当選を示唆する有限演出の実行に伴い、少なくともその有限演出の抽選確率を変更可能としたことで、有限演出の発生頻度を変化させて、その有限演出による所定の契機の発生に対する期待感や、その有限演出の信頼性を変更し、演出の信頼性や演出による期待感を多様なものにする。
【解決手段】演出として、特定演出期間における演出の発生回数の上限を、所定の発生回数(最大演出回数)に制限した有限演出と、前記特定演出期間における演出の発生回数の制限が無い非有限演出とを有し、有限演出は、前記所定の契機の発生を示唆するものであり、演出決定手段(300)は、前記特定演出期間における最大演出回数の範囲での有限演出の実行に伴い、その有限演出を全演出から抽選するための前記抽選確率を変更可能に形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発生回数が有限である演出を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機は、遊技の内容に関する情報を遊技者に報知するための種々の演出を所定の抽選に基づいて実行可能に形成されている。例えば、演出の累積発生回数を記憶すると共に、その記憶数の所定の上限値を上回っているか及び所定の下限値を下回っているかを判断し、その判断結果に応じて演出抽選テーブルを選択するものが知られている(特許文献1。)。これにより、所定の演出の発生頻度に偏りが発生することを防止しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−265761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の技術では、所定の演出の発生頻度の偏りを調整するものであって、演出の発生回数の経過に伴う演出により生じる期待感や演出の信頼性を積極的に変化させるようなものではなく、面白みに欠けるといった問題点があった。
本発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定の契機の発生を示唆する有限演出、例えば、所定の役の当選を示唆する有限演出の実行に伴い、少なくともその有限演出の抽選確率を変更可能としたことで、有限演出の発生頻度を変化させて、その有限演出による所定の契機の発生に対する期待感や、信頼性を変更し、演出による期待感や信頼性を多様なものにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(請求項1)
請求項1記載の発明に係る遊技機(10)は、周囲に複数の図柄(61)が付された回転リール(40)と、回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(30)と、回転リール(40)の回転を停止させるためのストップスイッチ(50)と、回転リール(40)の図柄(61)の停止表示の態様により構成される役を抽選により決定するための役抽選手段(110)とを備え、遊技内容に関する情報を遊技者に報知するための演出が実行可能に形成され、演出の実行の有無及び演出を実行する場合の複数の演出のうちから実行する演出を所定の抽選確率により抽選で決定する演出決定手段(300)を備えている。
【0006】
そして、本発明に係る遊技機(10)は、所定数の遊技媒体をベットすることにより遊技開始可能状態となって遊技の開始を可能とし、この遊技開始可能状態におけるスタートスイッチ(30)の操作を条件として回転リール(40)の回転を開始させて遊技を開始し、役抽選手段(110)による所定の役に当選するか否かを決定する役抽選を行い、この役抽選の結果及びストップスイッチ(50)の操作に基づいて回転リール(40)の回転を停止させ、当選した役に係る図柄(61)の組み合わせが揃ったか否かの判定を行い、この判定の結果に応じて所定の利益を遊技者に付与する又は付与しないことで1回の遊技が終了するように形成されている。
【0007】
そして、遊技として、通常遊技と、所定の契機に移行可能な状態になると共に、通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技とを有している。
そして、演出として、所定期間(以下、「特定演出期間」とする)における演出の発生回数の上限を、所定の発生回数(以下、「最大演出回数」とする)に制限した有限演出と、前記特定演出期間における演出の発生回数の制限が無い非有限演出とを有し、有限演出は、前記所定の契機の発生を示唆するものである。
そして、演出決定手段(300)は、前記特定演出期間中、最大演出回数の範囲での有限演出の実行に伴い、その有限演出を全演出から抽選するための前記抽選確率を変更可能に形成したことを特徴とする。
【0008】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、演出決定手段(300)は、前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、演出を有限演出又は非有限演出のいずれかに分ける演出振分手段(320)と、前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、有限演出の最大演出回数を決定するための演出回数決定手段(340)とを備えたことを特徴とする。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、演出決定手段(300)は、最大演出回数から、前記特定演出期間における有限演出が実行された演出回数を減算した残りの演出回数(以下、「残演出回数」とする)に応じて、その有限演出を全演出から抽選するための前記抽選確率を決定するように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、演出決定手段は、特定演出期間中、最大演出回数の範囲での有限演出の実行に伴い、その有限演出を全演出から抽選するための抽選確率を変更可能に形成されている。このため、最大演出回数の範囲内において、有限演出が実行されると、その有限演出の実行に伴って、その有限演出の抽選確率が変更され得る。これにより、有限演出の実行に伴って有限演出の発生頻度を増加若しくは減少させることができる。所定の契機の発生を示唆する有限演出の発生頻度の増減が生じることにより、遊技者に対して、その所定の契機が発生しているかもしれないという期待感や、その有限演出による所定の契機が発生していることの信頼性を相対的に変更させることができ、演出による期待感や、演出の信頼性を多様なものにすることが可能となる。
【0010】
(請求項2)
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、演出振分手段が、前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、演出を有限演出又は非有限演出のいずれかに振り分ける。このため、前記特定演出期間毎に、各演出が、有限演出となるか、或いは、非有限演出となるか、変更可能となり、各演出が、有限演出や、非有限演出のいずれかに永久的に固定されてしまうことを回避することができる。これにより、演出のマンネリ化を防止し、演出に多様性を持たせることができる。
更に、特定演出期間が開始されたときに、遊技の進行に伴う演出の発生頻度を見ながら、いずれの演出が有限演出か、或いは非有限演出であるか、遊技者が推理することができる。そして、推理した有限演出の出現が変化することによって、所定の契機の発生が示唆されていることを認識することができる。このように、新たな遊技性を発生させることができる。
【0011】
また、演出回数決定手段が、前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、有限演出の最大演出回数を決定する。これにより、前記特定演出期間毎に、有限演出の最大演出回数を変更することができる。結果として、有限演出の最大演出回数が、永久的に固定されてしまうことを回避することができ、演出のマンネリ化を防止し、有限演出に多様性を持たせることができる。
このように、演出振分手段及び演出回数決定手段により、前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、有限演出の種別及びその最大演出回数の両方を変更することができる。これにより、前記特定演出期間毎に新たに決定された有限演出の種別及びその最大演出回数を用いることができ、演出の多様性を増すことができる。
【0012】
(請求項3)
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、以下のような効果を奏する。
有限演出が実行されるに伴って、残演出回数が減少する。演出決定手段は、その有限演出の残演出回数に応じて、所定の契機の発生を示唆する有限演出の抽選確率を決定している。このため、有限演出の実行に伴って減少する残演出回数に応じて、その有限演出の抽選確率を変更することができ、その有限演出の発生頻度を増加若しくは減少することができる。結果として、その有限演出における所定の契機が発生していることの期待感や信頼性を相対的に変更することができ、有限演出による期待感や有限演出の信頼性を多様なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態であって、遊技機を示す外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、遊技機の入力、制御及び出力を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、回転リールのリールテープ上の図柄の配置を示す展開図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、役の内容を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、複数の演出から有限演出及びその最大演出回数を決定した一例を示す概念図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、有限演出Cの最大演出回数までの残演出回数と、有限演出Cが全演出から抽選で決定される抽選確率との関係の一例を示すテーブルである。
【図7】本発明の実施の形態であって、各演出が全演出から抽選で決定される抽選確率の求め方の一例を示すテーブルである。
【図8】本発明の実施の形態であって、遊技機の動作の概略を示すフローである。
【図9】本発明の実施の形態であって、演出処理の概略を示すフローである。
【図10】本発明の実施の形態であって、第N有限演出(ここで、Nは1、2又は3)の残演出回数に対応する抽選確率の決定処理の概略を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、遊技機において遊技を行う遊技者から見て、遊技機から遊技者の手前側に向かう方向を「前方向」とする。また、「左方向」や「右方向」等の左右方向も、かかる遊技機の方を向いて位置している遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。そして、遊技を行う遊技者が遊技機を前方向から見たときの遊技機の面を「遊技機の前面」とする。
本実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシンを、以下、図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する開口部を有する四角箱状の筐体11と、この筐体11の開口部を開閉自在に塞ぐ前扉14とを有する。前記前扉14は、開口部の上部を開閉自在に塞ぐ上扉3と、開口部の下部を開閉自在に塞ぐ下扉4とを備えている。
【0015】
また、上扉3の下部には、上パネル12aを備えている。そして、この上パネル12aの略中央には、三個の回転リール40の円周に貼付したリールテープ42上の図柄61、いわゆる停止図柄61を見ることができる表示窓13が形成されている。この表示窓13は、3個全ての回転リール40の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
前記表示窓13の奥には、3個の駆動モータによって図柄表示手段としての回転リール40を回転させるためのリールユニット60が配置されてある。前記回転リール40は、左端側に位置する左リール43と、右端側に位置する右リール45と、この左リール43及び右リール45の間に位置する中リール44とからなる。
【0016】
前記上扉3には、遊技者に役抽選の当選等を音や光や映像で報知させる報知手段66が形成されている。この報知手段66は、上扉3の左右のスピーカー67と、上扉3の上部中央に配置された液晶表示装置68と、上扉3の上部左右、下部左右等の合計7箇所に配置された報知ランプ69とを備えている。
そして、上パネル12aの前面に実際に描かれているものではないが、3個の回転リール40の各3個の所定図柄の停止位置を結んだ5本のライン(L1〜L5)が形成されている。このラインのうち、いずれかのライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される等の所定の利益を得ることが可能となるラインを「有効ライン」としている。
【0017】
前記下扉4の中央部には、下パネル12bを備えている。そして、下扉4は、その下パネル12bの上に位置して、下扉4の上部から前方向へ向けて突出する操作部12cを備えている。
前記操作部12cには、その操作部12cの右方向側に位置して遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口18と、このメダル投入口18の左方向に位置して貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるベットスイッチ16と、このベットスイッチ16の左方向に位置してクレジットしたメダルを払い出すための精算スイッチ17と、ベットスイッチ16の下方向に位置してメダルの投入若しくはベットスイッチ16の操作を条件に回転リール40の回転を開始させるためのスタートスイッチ30と、このスタートスイッチ30の右方向に位置して操作により対応する回転リール40の回転を停止させるためのストップスイッチ50とを備えている。
【0018】
前記下扉4の奥には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払い出し手段65と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ6を有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置5とが配置されている。
そして、下扉4の下部には、所定の役の図柄が有効ライン上に表示された場合に、貯留払い出し手段65からメダルが払い出される払い出し口32が形成され、この払い出し口32の下方には、払い出し口32から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状の払い出し皿33が形成されている。
【0019】
本実施の形態に係る遊技機10は、原則として、ベットスイッチ16の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技開始可能状態となって遊技の開始を可能とし、この遊技開始可能状態におけるスタートスイッチ30の押下操作により、回転リール40の回転を開始させて遊技を開始すると共に、役抽選を行い、各回転リール40に対応するストップスイッチ50の押下タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール40の回転を役抽選の結果に適合するように停止させ、停止時の図柄の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合に、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の特典(利益)を遊技者に付与する等の処理が終了することで1回の遊技が終了するスロットマシンである。
【0020】
なお、本遊技機10は、メダル投入口18からメダルを投入すると、最大で50枚のメダルを遊技機10内部に電子的に貯留する(クレジットする)ことが可能に形成されている。そして、この貯留(クレジット)したメダルを、ベットスイッチ16の押下操作によって、遊技開始の条件としてのメダル投入に代えることができる。
(リールユニット60)
前記リールユニット60は、横並びに設けた3個の回転リール40と、各回転リール40を回転させるためのものであって各回転リール40にそれぞれ対応している駆動モーターとしてのステッピングモーター64と、遊技制御装置21からのパルス信号が入力されることでステッピングモーター64を回転駆動させるためのモータードライバ62と、回転リール40の回転位置を検知するための回転位置検知装置46とを備えている。
【0021】
回転リール40は、21個の図柄を周囲に均等に配列した筒状のものである。具体的には、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるとともに、図3に示すように、複数個(21個)の図柄61が表示されているテープ状のリールテープ42とを備えている。
(制御装置20)
遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置20が形成されている。図2に示すように、前記制御装置20の入力側には、上述したベットスイッチ16、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50及び精算スイッチ17が接続され、出力側には、上述した貯留払い出し手段65、リールユニット60及び報知手段66が接続されている。
【0022】
前記制御装置20は、遊技を進行させて遊技状態を制御する遊技制御装置21(主基板23)と、この遊技制御装置21からの信号を受けて、遊技内容に関する情報を遊技者に報知するための演出を行うために演出状態を制御する演出制御装置22(サブ基板24)とを備えている。ここで、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
(遊技制御装置21)
前記遊技制御装置21は、スタートスイッチ30の遊技者による操作により、乱数抽選を行い、ストップスイッチ50の操作により、その抽選の結果を反映させた回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。
【0023】
図2に示すように、前記遊技制御装置21は、遊技制御手段27と、役抽選手段110と、回転制御手段250と、ウェイト制御手段190と、停止制御手段130と、停止図柄判定手段140と、計時手段150と、回転位置判断手段161とを備えている。
なお、本スロットマシンにより行う遊技は、一般的(通常)に行われる通常遊技と、所定の契機に(具体的には、所定役の当選により)移行可能な状態になるとともに、ボーナス遊技と呼ばれて同一の遊技回数を基準とした遊技期間で比較した場合に、この通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技とを備えている。この特別遊技は、通常遊技中に予め定めた所定の役の図柄を有効ライン上に表示させたことにより移行すると共に通常遊技よりも単位時間あたりの獲得可能なメダル数が多くなることが可能に形成されている。この特別遊技は、具体的には、所定枚数までのメダルの獲得が可能なBBゲーム(ビッグボーナスゲーム)やRBゲーム(レギュラーボーナスゲーム)を備えている。
【0024】
ここで、「役」とは、図4に示すように、原則として図柄の組み合わせにより構成されるもので、予め定めた図柄の組み合わせを意味するものである。
そして、前記通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるために通常遊技に関する制御を行うものであり、前記特別遊技制御手段80は、特別遊技を行わせるために特別遊技に関する制御を行う。
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21からの信号を受けて、遊技内容に関する情報を遊技者に報知するための演出を行うために演出状態を制御するものであって、サブ基板24上に配設されているものである。図2に示すように、この演出制御装置22は、演出データ記憶手段230と、演出決定手段300と、演出制御手段240とを備えている。そして、演出決定手段300は、演出振分手段320と、演出回数決定手段340と、残演出回数演算手段305と、演出抽選確率決定手段350と、演出抽選手段310とを備えている。
【0025】
(通常遊技制御手段70)
通常遊技制御手段70は、通常遊技を制御するものである。
以下、遊技機10における通常遊技について説明する。通常遊技では、3枚のメダルを投入すると、遊技開始可能状態となり、5本のライン(L1〜L5)が有効ラインになる。
ここで、役には、有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技役と、有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないが特別遊技へ移行するボーナス役とがある。
【0026】
具体的には、小役には、図4に示すように、プラム役と、チェリー役と、ベル役とがある。そして、役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効ライン上に停止表示されることにより、当該役に応じた所定枚数のメダルが払い出される。
また、再遊技役は、いずれかの有効ライン上にこの再遊技役の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、次の遊技は、いわゆる「再遊技」の遊技状態となる。この再遊技になると、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件(前回のメダル投入枚数を維持した状態)で遊技を行うことができる。
また、ボーナス役には、BB役と、RB役とがある。有効ライン上にBB役の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、BBゲームへ移行する。また、RB役は、有効ライン上にRB役の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、RBゲームへ移行する。
【0027】
(特別遊技制御手段80)
特別遊技制御手段80は、特別遊技を制御するものである。特別遊技としては、BBゲームと、RBゲームとがある。BBゲームとは、所定の役の当選確率が通常遊技よりも高い遊技を複数回実行可能な遊技であって、所定枚数(例えば369枚以上)のメダルの払い出しにより終了する遊技である。また、RBゲームとは、BBゲームと同じく、所定の役の当選確率が通常遊技よりも高い遊技を複数回実行可能な遊技であって、BBゲームよりも少ない所定枚数(例えば99枚以上)のメダルの払い出しにより終了する遊技である。
また、本実施の形態では、特別遊技制御手段80は、特別遊技(BBゲーム及びRBゲーム)中のメダルの払い出し枚数をカウントする払出枚数カウンタを有している。
【0028】
具体的には、通常遊技において、役抽選によりBB役に当選すると、いずれかの有効ライン上に、BB役を構成する図柄の組み合わせが当選した役に応じて揃い得るようになり、その図柄の組み合わせが揃い、停止表示されると、BBゲームへ移行する。
そして、BBゲーム中のメダルの累計払い出し枚数が所定枚数(例えば369枚以上)に達すると、BBゲームは終了して、通常遊技へ移行する。
また、通常遊技において、役抽選によりRB役に当選すると、いずれかの有効ライン上に、RB役を構成する図柄の組み合わせが揃い得るようになり、その図柄の組み合わせが揃い、停止表示されると、RBゲームへ移行する。そして、RBゲーム中のメダルの累計払い出し枚数が所定枚数(例えば99枚以上)に達すると、RBゲームは終了して、通常遊技へ移行する。
【0029】
なお、本実施の形態では、特別遊技(BBゲーム及びRBゲーム)は、所定枚数のメダルの払い出しにより終了するものであるが、特別遊技の終了条件としては他の条件(例えば遊技回数や入賞回数)を設定することもできる。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、スタートスイッチ30の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又は外れかの役抽選を行うものである。この役抽選手段110による役抽選で、いずれかの役に当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。役抽選手段110は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。
【0030】
乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(具体的には、スタートスイッチ30の操作)で抽出するものである。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただ、スタートスイッチ30が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
また、役抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選か又は外れかをあらかじめ定めたものである。
【0031】
また、判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数と、役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選か又は外れかの判定を行うものである。具体的には、判定手段は、複数の役のいずれかに当選か又は外れかの判定を行う際に、その時点における遊技状態に対応する役抽選テーブルを適宜用いて、当該判定を行うものとなっている。
ここで、当選フラグには、役抽選手段110による抽選の結果が、各役の当選である場合にそれぞれ成立するプラム役当選フラグ、ベル役当選フラグ、チェリー役当選フラグ、再遊技役当選フラグ、BB役当選フラグ及びRB役当選フラグがある。
そして、プラム役当選フラグ、ベル役当選フラグ、チェリー役当選フラグ、及び再遊技役当選フラグは、成立した遊技においてのみ有効となるものの、BB役当選フラグ及びRB役当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっている。そして、各役の当選フラグは、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効ライン上に停止表示されることにより、停止表示した図柄に対応する役の当選フラグが消去されるものとなっている。
【0032】
ここで、役抽選テーブルは、1〜6の設定値(整数)に対応して、抽選確率を変更可能とするために、抽選確率を記憶したものを、複数個(具体的には、6個、もちろん、この6個に限定されることはない)、有している。そして、遊技機10内部に設けた設定変更スイッチ(図示せず)の操作により、設定値に対応する役抽選テーブルを選択することができるように形成されている。
(回転制御手段250)
回転制御手段250は、3個すべての回転リール40の回転を開始させるとともに、3個すべての回転リール40の回転駆動を制御するものである。
【0033】
また、本実施の形態では、回転リール40を所定の定常回転速度で回転させるための移行処理、いわゆる定常回転処理(速度調整処理)が終了してから、ストップスイッチ50の操作が有効となるように形成されている。
(ウェイト制御手段190)
ウェイト制御手段190は、1回の遊技における遊技時間が、予め定められた所定時間(以下、「ウェイト時間」と称す。)以下とならないように制御するものである。本実施の形態では、ウェイト時間は、4.1秒に設定されている。また、本実施の形態では、ウェイト制御手段190は、計時手段150によりウェイト時間を計時している。
【0034】
そして、ウェイト制御手段190は、遊技の開始に係るスタートスイッチ30が操作された際における、計時手段150により計時される計時時間が4.1秒以下であった場合には、回転制御手段250による、3個すべての回転リール40の回転を開始させる処理の開始を一旦保留し、計時時間が4.1秒経過した後に、保留した回転制御手段250による当該処理を開始させる。
(停止制御手段130)
停止制御手段130は、役抽選手段110の抽選の結果と、各ストップスイッチ50が操作された際における対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、各回転リール40の回転を停止させるものである。
【0035】
具体的には、停止制御手段130は、各ストップスイッチ50が操作された際における対応する回転リール40の回転位置を、回転位置判断手段161が把握した結果から特定すると共に、ストップスイッチ50が操作された時点で、有効ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール40の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。
(停止図柄判定手段140)
停止図柄判定手段140は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効ライン上に停止表示されているか否かを判定するものである。
【0036】
(計時手段150)
計時手段150は、所定時間を計時するためのものであって、本実施の形態を実施するにあたって、種々の時間を計時するものであり、複数のタイマー機構を備えているものである。
(回転位置判断手段161)
回転位置判断手段161は、回転位置検知装置46からの所定のタイミングと、その時点からのステッピングモーター64へのパルス信号の入力数とに基づいて、各回転リール40の現在の回転位置を把握するためのものである。
【0037】
(演出データ記憶手段230)
演出データ記憶手段230は、実行する演出の演出データを予め記憶しているものである。演出データの内容は、表示装置68の表示、報知ランプ69の点灯・点滅、スピーカからの音声等により構成されている。
本実施の形態において、演出の種別(種類)は、図5に示すように、演出A、演出B、演出C、演出D、・・・、演出I、演出Jの10個の演出内容が異なるものが予め用意されている。これらの演出は、液晶表示装置としての表示装置68に表示される動画の内容が異なるものであって、その演出に対応する音声がスピーカー67から出力され、表示装置68に表示される動画に対応するタイミングで、報知ランプ69が点灯や点滅するように各演出毎に予め設定されている。具体的には、演出AではキャラクターAが表示装置68に表示され、演出BではキャラクターBが表示装置68に表示され、・・・、演出JではキャラクターJが表示装置68に表示されるように形成されている。そして、各演出では、各キャラクターの音声がスピーカー67から出力され、各キャラクターに対応する色及び点滅タイミングで報知ランプ69が点滅するように形成されている。
【0038】
もちろん、演出は、上述したものに限定されるものではなく、種々のものに設定してもよい。具体的には、例えば、演出Aでは、上部右側の報知ランプ69のみが点灯し、演出Bでは、上部左側の報知ランプ69のみが点灯するように、演出により、報知ランプ69の点灯位置が異なるもの等に設定してもよい。また、各演出毎に、報知ランプ69の点灯色や、点滅タイミング等が異なるものに設定してもよい。また、演出Aでは表示装置68のみによる演出、演出Bでは報知ランプ69のみによる演出のように、演出により、表示装置68や、報知ランプ69等の報知デバイスを変更するようなものでもよい。
ここで、本実施の形態に係る上記演出A、B、・・・I、Jは、特定演出期間における演出の発生回数の上限を、所定の発生回数(具体的には、最大演出回数)に制限した有限演出と、特定演出期間における演出の発生回数の制限が無い非有限演出とのいずれかに分類されるように形成されている。
【0039】
なお、本実施の形態では、上述した演出A〜Jは、その特定演出期間中のみしか発生しないように形成されている。もちろん、特定演出期間以外にも、演出A〜Jを発生させるように形成してもよい。
ここで、「特定演出期間」とは、ボーナス遊技(BBゲーム又はRBゲーム)が終了した遊技の次の通常遊技から、次のボーナス遊技(BBゲーム又はRBゲーム)に当選するまでの期間をいう。なお、特定演出期間は、上述したものに限定されるものではなく、所定期間であればよい。
また、ここで、前記有限演出は、所定の契機を示唆するものであって、具体的には、後述するようにボーナス役(BB役又はRB役)の当選を示唆するための演出である。
【0040】
なお、本実施の形態では、有限演出による当選を示唆する対象は、ボーナス役として、BB役及びRB役の両方であるが、これに限定されることなく、BB役と、RB役とのいずれか一方だけに限定してもよい。例えば、BB役だけを有限演出による当選を示唆する対象として設定してもよいものである。
更に、有限演出による当選を示唆する対象として、BBゲームやRBゲームに加えて、或いは、それらに代えて、いわゆるチャレンジボーナスゲーム(CBゲーム)を設定してもよい。このCBゲームは、抽選に関係なく小役の当選フラグを成立状態にして、いわゆるスベリコマ数を1又は2コマ等にしたものである。更に、ボーナス遊技として、そのCBゲームが連続して発生するようなものを含めてもよい。
【0041】
更に、有限演出により所定の契機を示唆する対象となるものは、必ずしも上述したようなボーナス遊技に限定するものではない。具体的に、例えば、ボーナス遊技の代わりに、所定の移行役に当選することで実行可能であり、所定の情報(当選した役や、ストップスイッチ50の停止操作の順番等の情報)を遊技者に報知することにより遊技をアシストする、いわゆるアシストタイムゲーム(ATゲーム)と呼ばれるような遊技にしてもよい。この場合には、有限演出は、ATゲームの所定の契機の発生を示唆する、具体的にはATゲームへ移行可能な役の当選を示唆するものとなる。この有限演出は、ATゲームが終了した遊技の次の遊技から、次のATゲームに当選するまでの遊技期間中における演出の発生回数の上限が制限される。そして、その他は、上述した実施の形態と略同様に実施するものである。これにより、上述した実施例のボーナス遊技のBBゲーム等の代わりにATゲームを採用しても、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0042】
更に、上述したATゲームの代わりに、再遊技の当選確率を変動させることができて、通常遊技よりも再遊技役の抽選確率を高く設定することが可能ないわゆるリプレイタイムゲーム(RTゲーム)を採用することもできる。なお、RTゲームを採用した場合の有限演出は、RTゲームへ移行可能な状態となる所定の契機の発生を示唆するものであり、具体的には、例えば、RTゲームへの移行が可能な状態となる所定の役の当選を示唆するものを含む。
(演出決定手段300)
演出決定手段300は、演出の種別や演出回数に関連する内容を決定すると共に、演出の実行の有無及び演出を実行する場合の複数の演出のうちから実行する演出を所定の手順により算出した抽選確率に基づいて抽選で決定するものである。具体的には、演出決定手段300は、有限演出の種別や有限演出の最大演出回数を決定する。実際に演出を行う際には、演出決定手段300は、演出Aと、演出Bと、演出Cと、・・・、演出Iと、演出Jと、演出無しとのうちから、抽選によりいずれかを選択するものである。これにより、全演出A〜Jのうちからいずれかの演出若しくは演出無しが決定される。
【0043】
演出決定手段300は、特定演出期間中、最大演出回数の範囲での有限演出の実行に伴い、この有限演出を全演出から抽選するための前記抽選確率を変更することができるように形成されている。具体的には、演出決定手段300は、有限演出毎に決定された最大演出回数から、特定演出期間におけるその有限演出が実行された演出回数を減算した残演出回数に応じて、その有限演出を全演出から抽選するための抽選確率を決定するように形成されているものである。
具体的には、演出決定手段300は、演出振分手段320と、演出回数決定手段340と、残演出回数演算手段305と、演出抽選確率決定手段350と、演出抽選手段310とを備えている。
【0044】
(演出振分手段320)
演出振分手段320は、特定演出期間に移行する前又は移行する時に、上述した10個の全演出A、B、・・・I、Jのうち、それぞれの演出を有限演出又は非有限演出のいずれかに振り分けるためのものである。
演出振分手段320は、ボーナス遊技(BBゲーム又はRBゲーム)が終了する遊技、すなわち、通常遊技に移行する前のボーナス遊技の最後の遊技において、上述した10個の全演出A、B、・・・I、Jのうち、それぞれの演出を有限演出又は非有限演出のいずれかに振り分けるための決定を抽選により実行している。
【0045】
具体的には、演出振分手段320は、10個の演出A〜Jから各演出の抽選確率が10分の1の確率で1個の演出を抽選で決定し、その決定した演出を第1有限演出として設定する。そして、その残りの9個の演出から抽選確率9分の1の確率で1個の演出を抽選で決定し、その決定した演出を第2有限演出として設定する。そして、その残りの8個の演出から抽選確率8分の1の確率で1個の演出を抽選で決定し、その決定した演出を第3有限演出として設定する。これにより、例えば、図5に示すように、10個の演出A〜Jのうちから3個の有限演出(例えば、第1有限演出C、第2有限演出F,第3有限演出I)を決定することができ、残りの7個の演出を非有限演出として決定する。
【0046】
もちろん、抽選方法は、これに限定されることなく、上述した3個の有限演出を決定することができるものであれば、他の手順によるものでもよい。具体的には、例えば、(第1有限演出、第2有限演出、第3有限演出)を決定するため、(A、B、C)、(A、B、D)、(A、B、E)、(A、B、F)、・・・のように、有限演出の全ての組み合わせを予め作成しておいたものから、抽選により1つの組み合わせ、例えば、(C、F、I)が有限演出として決定され、残りの演出A、B、D,E,G,H,Jを非有限演出として決定されるようなものでもよい。
なお、演出振分手段320は、予め全演出を非有限演出として設定し、その中から抽選等により有限演出として選択したものを、非有限演出から有限演出に変更するものを含む。
【0047】
また、各演出の抽選確率は、同時に抽選を行う各演出間で均一になるように設定されているが、演出によって抽選確率に差を設けるように設定して、有限演出になりやすい演出を設けるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、有限演出の個数を3個に設定しているが、特にこれに限定されるものではなく他の個数に設定してもよい。
また、演出振分手段320は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、抽選テーブルと、判定手段とを備えると共に、役抽選手段110と略同様の構成及び手順により抽選を行っている。具体的には、乱数発生手段が発生した乱数から、所定の契機で、乱数抽出手段が乱数を抽出し、その抽出した乱数が、予め定めた抽選テーブルの抽選確率(10分の1等)に基づく乱数領域のデータに基づいて、どの乱数領域に含まれるかによって、いずれの演出が有限演出となるかを判定手段により判定するものである。
【0048】
また、演出振分手段320は、所定時、具体的には、ボーナス遊技が終了する際、そのボーナス遊技の開始前の特定演出期間で用いた有限演出の種別等のデータのリセットと、当該ボーナス遊技が終了した後の特定演出期間で用いる有限演出の種別等のデータの決定(有限演出又は非有限演出への前記振り分け)とを行うように形成されている。
本実施の形態では、演出振分手段320は、特定演出期間に移行する前に、前記振り分け等を行っているが、これに限定されるものではない。具体的には、演出振分手段320は、特定演出期間に移行する時に、例えば、特定演出期間の開始時に、前記リセット及び前記有限演出の種別等のデータの決定(有限演出又は非有限演出への前記振り分け)を行うようにしてもよい。
【0049】
(演出回数決定手段340)
演出回数決定手段340は、特定演出期間に移行する前又は移行する時に、有限演出の最大演出回数を決定するためのものである。本実施の形態に係る演出回数決定手段340は、演出振分手段320により決定された3個の有限演出のうち、いずれか1つの有限演出の最大演出回数を、抽選により20回に決定し、残りの有限演出からいずれか1つの有限演出の最大演出回数を抽選により100回に決定し、残りの有限演出の最大演出回数を5回に決定している。もちろん、演出回数決定手段340の抽選方法は、これに限定されることなく、各有限演出の最大演出回数を決定することができるものであれば、他の方法によるものでもよい。
【0050】
具体的には、例えば、(第1有限演出の最大演出回数、第2有限演出の最大演出回数、第3有限演出の最大演出回数)を、(20回、100回、5回)、(20回、5回、100回)、(100回、20回、5回)、・・・のように、各有限演出の最大演出回数の全ての組み合わせを予め作成しておいたものから、抽選により1つの組み合わせ、例えば、(20回、100回、5回)を選択するようなものでもよい。
更に、演出回数決定手段340は、後述する抽選確率に基づく区分P、Q、Rに対して、予め記憶したデータに基づいて、残演出回数を3つの区分に設定する。
具体的には、演出回数決定手段340は、有限演出Cの最大演出回数が20回の場合、図6及び図7に示すように、区分Pに残演出回数の20回〜11回、区分Qに残演出回数の10回〜6回、区分Rに残演出回数の5回〜1回を設定する。
【0051】
また、演出回数決定手段340は、有限演出Fの最大演出回数が100回の場合、図7に示すように、区分Pに残演出回数の100回〜51回、区分Qに残演出回数の50回〜11回、区分Rに残演出回数の10回〜1回を設定する。
また、演出回数決定手段340は、有限演出Iの最大演出回数が5回の場合、図7に示すように、区分Pに残演出回数の5回〜3回、区分Qに残演出回数の2回、区分Rに残演出回数の1回を設定する。
なお、上述したように、残演出回数を、後述する抽選確率に基づいて区分P、Q、Rの3つの区分に分類しているが、この区分の分類の数や、分類するための残演出回数の区切りとなる演出回数の数値は、上述したものに限定されるものではない。例えば、後述する抽選確率に基づいて区分の数を2つに設定してもよく、また、区分の数を4つ以上に細かく設定してもよく、また、区分の分類の区切りとなる演出回数の数値も上述したものと異なる他の数値に設定してもよい。
【0052】
また、最大演出回数も上記した20回、100回、5回に限定されるものではなく、他の数値に設定してもよい。また、各有限演出の最大演出回数を予め定めた所定範囲、例えば、2回〜100回のうちから、抽選により、毎回、ランダムに決定するようにしてもよい。
なお、演出回数決定手段340は、所定時、具体的には、ボーナス遊技が終了する際、そのボーナス遊技の開始前の特定演出期間で用いた最大演出回数のデータのリセットと、当該ボーナス遊技が終了した後の特定演出期間で用いる最大演出回数の決定とを行うように形成されている。
【0053】
なお、演出回数決定手段340は、特定演出期間に移行する時に、例えば、特定演出期間の開始時に、前記リセット及び前記最大演出回数の決定を行うようにしてもよい。
(残演出回数演算手段305)
残演出回数演算手段305は、特定演出期間における各有限演出の残演出回数を算出するための演算処理を行うものである。残演出回数演算手段305は、特定演出期間において、所定の有限演出(例えば、第1有限演出C)が1回、実行されると、演出回数決定手段340が決定した最大演出回数(例えば、20回)から1を減算し、その減算後の数値を、残演出回数(本例では19回)として設定記憶する。そして、残演出回数演算手段305は、更に、その後、特定演出期間において、その有限演出(本例では第1有限演出C)が再度、実行されると、その残演出回数(本例では19回)から、1を減算し、その減算後の数値を、残演出回数(本例では18回)として設定記憶する。以後、同様の手順で残演出回数が算出される。残演出回数演算手段305は、第1有限演出の残演出回数と、第2有限演出の残演出回数と、第3有限演出の残演出回数とのそれぞれを別個独立に演算して決定する。そして、残演出回数演算手段305は、算出した最新の残演出回数を記憶する。
【0054】
なお、残演出回数演算手段305は、所定時、具体的には、ボーナス遊技が終了する際、そのボーナス遊技の開始前の特定演出期間で用いた残演出回数のデータのリセットを行うように形成されている。
(演出抽選確率決定手段350)
演出抽選確率決定手段350は、演出の抽選確率を決定するものである。この演出抽選確率決定手段350は、特定演出期間中、残演出回数演算手段305により算出した各有限演出の残演出回数に応じて、各有限演出の抽選確率を決定する。更に、演出抽選確率決定手段350は、その各有限演出の抽選確率に基づいて、非有限演出の抽選確率を算出するものである。
【0055】
具体的には、演出抽選確率決定手段350は、第1有限演出の区分(P、Q、R)の抽選確率のデータとして、(1/20、1/10、1/2)の抽選確率を要素とするデータを予め記憶している。また、同様に、演出抽選確率決定手段350は、第2有限演出の区分(P、Q、R)の抽選確率のデータとして、(1/40、1/20、1/5)のデータを予め記憶している。また、同様に、演出抽選確率決定手段350は、第3有限演出の区分(P、Q、R)の抽選確率のデータとして、(1/70、1/40、1/10)のデータを予め記憶している。この抽選確率データは、有限演出の種別や、最大演出回数が変化しても固定した数値として予め設定されている。もちろん、この抽選確率データも、最大演出回数等と同様に抽選により変動させるようにしてもよい。
【0056】
演出抽選確率決定手段350は、演出振分手段320により決定された演出の種別のデータと、演出回数決定手段340により決定された最大演出回数及びその最大演出回数に対応する区分のデータを取得している。
図7を用いて、各有限演出の抽選確率の求め方を説明すると、以下のようになる。
演出抽選確率決定手段350は、演出振分手段320及び演出回数決定手段340の決定に基づいて、例えば、第1有限演出の種別Cについて、区分P(残演出回数20〜11回)のときの抽選確率が1/20であり、区分Q(残演出回数10回〜6回)のときの抽選確率が1/10であり、区分R(残演出回数5〜1回)のときの抽選確率が1/2となるように設定されている。
【0057】
先ず、演出抽選確率決定手段350は、残演出回数演算手段305により記憶されている第1有限演出の残演出回数を取得する。そして、演出抽選確率決定手段350は、取得した第1有限演出の残演出回数が、3つの区分P、Q、Rのいずれに含まれるか判断する。そして、その区分に対応する抽選確率を、今回の遊技における第1有限演出の抽選確率cとして決定するものである。
例えば、特定演出期間に移行して、250回の遊技が行われたときに、第1有限演出Cが15回、第2有限演出Fが7回、第3有限演出Iが3回、演出されたとする。このとき、残演出回数演算手段305により記憶されている第1有限演出の残演出回数は5回となり、図7に示すように、区分Rに属するため、この区分に対応する1/2が第1有限演出Cの抽選確率cとなる。
【0058】
そして、演出抽選確率決定手段350は、第2有限演出Fの抽選確率も同様の手順により算出する。第2有限演出Fの残演出回数は93回となり、図7に示すように、区分Pに属するため、演出抽選確率決定手段350により、この区分に対応する1/40が第2有限演出Fの抽選確率fとして決定される。
そして、演出抽選確率決定手段350は、第3有限演出Iの抽選確率も同様の手順により算出する。第3有限演出Iの残演出回数は、2回となり、図7に示すように、区分Qに属するため、演出抽選確率決定手段350により、この区分に対応する1/40が第3有限演出Iの抽選確率iとして決定される。
【0059】
上述した手順により、上述した例では、第1有限演出Cの抽選確率cが1/2に決定され、第2有限演出Fの抽選確率fが1/40に決定され、第3有限演出Iの抽選確率iが1/40に決定される。
そして、演出抽選確率決定手段350により、これらの有限演出の抽選確率を用いて、非有限演出の抽選確率が算出されるものである。具体的には、図7に示すように、非有限演出A、B、D、E、G、H及びJの抽選確率a、b、d、e、g、h及びjは、抽選確率1から、演出無しの抽選確率19/100と、有限演出の抽選確率の合計(c+f+i)とを減算し、非有限演出の総数7で除算することにより、各非有限演出が13/350として算出される。
【0060】
これにより、全ての演出A〜Jの抽選確率a〜jが算出される。なお、算出した各演出の抽選確率は、後述する演出抽選手段310の演出抽選テーブル設定手段303により、乱数範囲として変換され、演出抽選テーブルとして記憶される。
ここで、今回の遊技において所定の有限演出が実行されて、残演出回数演算手段305の演算処理により、その有限演出の残演出回数が0回になったと算出された場合、演出抽選確率決定手段350は、それ以降の遊技から次のボーナス遊技に当選するまでの期間中、残演出回数が0回になった有限演出の抽選確率を0にする処理を行う。例えば、3個の有限演出C、F、Iのうち、有限演出Cの残演出回数が0回に到達した場合、演出抽選確率決定手段350は、有限演出Cの抽選確率cを0とし、演出A〜Jの10個の演出のうちから、演出抽選を実行するものである。また、例えば、3個の有限演出C、F、Iのうち、有限演出C及びIの残演出回数が0回に到達した場合、演出抽選確率決定手段350は、有限演出Cの抽選確率c及び有限演出Iの抽選確率iを0とし、演出A〜Jの10個の演出のうちから、演出抽選を実行するものである。
【0061】
なお、演出抽選確率決定手段350は、所定時、具体的には、ボーナス遊技が終了する際、そのボーナス遊技の開始前の特定演出期間で用いた演出の抽選対象となる種別や最大演出回数や残演出回数等のデータ(各有限演出毎に予め記憶している抽選確率を除く)をリセットし、初期化するように形成されている。
なお、本実施の形態では、図7に示すように、区分P、Q、Rと順に移行するに伴って、各有限演出の予め記憶した各区分に対応する抽選確率も、順に高くなる(増加する)ように形成されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、区分P、Q、Rと順に移行するに伴って、有限演出の抽選確率を、順に低くなる(減少する)ように形成してもよい。具体的には、例えば、演出抽選確率決定手段350が、第1有限演出の区分(P、Q、R)の抽選確率のデータとして、(1/2、1/10、1/20)の抽選確率のデータを予め記憶し、同様に、第2有限演出の区分(P、Q、R)の抽選確率のデータとして、(1/5、1/20、1/40)の抽選確率のデータを予め記憶し、同様に、第3有限演出の区分(P、Q、R)の抽選確率のデータとして、(1/10、1/40、1/70)の抽選確率のデータを予め記憶するものである。これにより、区分P、Q、Rと順に移行するに伴って、各有限演出の抽選確率を順に減少させることができる。結果として、各有限演出の発生頻度が減少するほど、ボーナス役の当選への期待度を増加させることができる。
【0062】
(演出抽選手段310)
演出抽選手段310は、上述した手順で求めた抽選確率により作成された演出抽選テーブルにより、演出の実行の有無及び演出を実行する場合の種別を抽選で決定するものである。この演出抽選手段310は、演出乱数発生手段301と、演出乱数抽出手段302と、演出抽選テーブル設定手段303と、演出判定手段304とを備えている。
演出乱数発生手段301は、役抽選手段110の乱数発生手段と同様に、カウンタ回路などによって、演出抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。また、演出乱数抽出手段302は、演出乱数発生手段301が発生させた乱数を、所定の契機(具体的には、スタートスイッチ30の操作)で抽出するものである。また、演出抽選テーブル設定手段303は、演出抽選確率決定手段350により決定された全ての演出の抽選確率を、乱数範囲として変換した演出抽選テーブルを作成している。この演出抽選テーブルには、演出抽選確率決定手段350により決定された抽選確率に基づいて、各演出A〜Jの各抽選確率a〜jに対応する当たりの乱数領域と、外れの乱数領域とが設定されている。また、演出判定手段304は、演出乱数抽出手段302が抽出した乱数を、演出抽選テーブルの各乱数領域と照合して、抽出した乱数が、演出抽選テーブルのどの乱数領域に含まれるかによって、演出を実行するか否か、また、演出を実行する場合には、複数の演出A〜Jのうち、いずれの演出を実行するかの判定を行うものである。
【0063】
(演出制御手段240)
演出制御手段240は、演出決定手段300により決定された演出を、報知手段66により実行するものである。本実施の形態では、演出制御手段240は、演出決定手段300の決定により選択された演出に対応する演出データを、演出データ記憶手段230から抽出して、報知手段66の表示装置68等により実行するように形成されている。
(遊技機10の動作)
以下、図8に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係る遊技機10の遊技の動作の概略を説明する。
【0064】
ステップ119において、回転リール40の回転前処理が行われる。具体的には、メダル投入口18からの直接投入又はベットスイッチ16の操作により、メダル投入処理が行われる。なお、前回の遊技で再遊技の図柄が有効ライン上に停止表示されていた場合には、クレジット数を減らすことなく遊技開始の条件としてのメダルが、自動的に内部投入される。これらにより、遊技を開始することが可能な状態となり、ステップ120に進む。
ステップ120において、役抽選処理が行われる。具体的には、スタートスイッチ30の操作により、役抽選手段110による役抽選が行われる。そして、次のステップ121に進む。
【0065】
ステップ121において、演出処理が行われる。そして、次のステップ122に進む。
ステップ122において、回転リール40の回転処理が行われる。具体的には、回転リール40の回転が開始される。なお、ウェイト制御手段190により所定時間を経過していない場合には、所定時間経過後に回転リール40の回転が開始される。そして、次のステップ123に進む。なお、本実施の形態では、上述したように役抽選処理(ステップ120)、演出処理(ステップ121)、回転処理(ステップ122)の順で行っているが、役抽選処理、回転処理、演出処理の順で行うようにしてもよい。
ステップ123において、回転リール40の回転停止処理が行われる。具体的には、遊技者による回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作に基づいて、各回転リール40の停止制御が、停止制御手段130により行われる。そして、全ての回転リール40の停止処理終了後、次のステップ124に進む。
【0066】
ステップ124において、判定処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段140により、いずれかの役を構成する図柄の組み合わせが、いずれかの有効ライン上に停止表示されたか否が判定され、停止表示された図柄に応じた処理、例えば、所定枚数のメダルの払い出し処理等が行われる。そして、ステップ125に進む。
ステップ125において、今回の遊技がボーナス遊技(BBゲーム又はRBゲーム)中であり、且つボーナス遊技の終了となるか否かが判定される。具体的には、現在の遊技がボーナス遊技中で、今回の遊技がボーナス遊技の終了条件(例えばBBゲームの場合は369枚以上、RBゲームの場合は99枚以上のメダル払い出し)を満足してボーナス遊技が終了する場合には、ボーナス遊技の終了と判定される。なお、現在の遊技はボーナス遊技だが、ボーナス遊技の終了条件を満足しておらずボーナス遊技が終了しない場合、或いは、現在の遊技はボーナス遊技ではなく、例えば通常遊技中であって今回の遊技ではボーナス遊技の終了とはならない場合には、ボーナス遊技の終了とは判定されない。そして、今回の遊技がボーナス遊技中であり、且つボーナス遊技の終了になると判定された場合、次のステップ126に進む。一方、今回の遊技がボーナス遊技中且つボーナス遊技の終了にならないと判定された場合、当該遊技は終了する。
【0067】
ステップ126において、各有限演出の種別、最大演出回数及び残演出回数のデータや、残演出回数が0回となって抽選確率が0に設定された有限演出の抽選確率等のデータが全てリセットされる。そして、次のステップ127に進む。
ステップ127において、演出振分手段320により、全演出A〜Jのうちから、次の特定演出期間における第1有限演出、第2有限演出、第3有限演出となる演出が決定される。そして、次のステップ128に進む。
ステップ128において、演出回数決定手段340により、次の特定演出期間における第1〜第3有限演出のそれぞれの最大演出回数が決定される。なお、演出回数決定手段340により、最大演出回数が決定されると、予め記憶されたデータに基づいて、各最大演出回数に対応して、区分P、Q、Rの演出回数データも決定される。そして、当該遊技が終了する。
【0068】
なお、本実施の形態では、決定された第1〜第3有限演出の種別や、それぞれの最大演出回数を、遊技者に報知しておらず、遊技者に推理させるように形成しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、これらの情報を、ステップ128の後に、表示装置68を介して遊技者に報知するように形成することもできる。更に、同時に、各有限演出の残演出回数の区分毎の抽選確率の増減に関するような更に詳しい情報を遊技者に報知してもよい。また、ボーナス遊技が終了する際だけでなく、特定演出期間中における毎回の遊技において、有限演出の種別や、最大演出回数や、残演出回数等の詳細な情報を遊技者に報知するように形成してもよい。
【0069】
なお、本実施の形態では、特定演出期間中に実施される演出のうち、少なくとも1つの演出は、特定演出期間中の発生回数が制限されている有限演出として設定されている旨と、特定演出期間中、その有限演出の抽選確率が変更される旨と、特定演出期間毎に有限演出の種別や最大演出回数が変更される旨とは、予め、表示装置68により、また、遊技機10の前扉14の前面に貼付したシール(図示せず)や、当該遊技機10が設置される遊技ホール等に通常、置かれる冊子等により遊技者に報知されている(図示せず)。もちろん、かかる情報も全く報知せず、全ての内容を遊技者に推理させるようにしてもよい。
次に、ステップ121の演出処理について、図9を用いて説明する。
【0070】
ステップ200において、今回の遊技は、ボーナス役(BB役又はRB役)の当選フラグ(BB役当選フラグ又はRB役当選フラグ)が成立中であるか、又は、ボーナス遊技中であるか否かが判定される。そして、今回の遊技は、ボーナス役の当選フラグが成立中である、又は、ボーナス遊技中であると判定された場合、当該処理は終了する。一方、今回の遊技は、ボーナス役の当選フラグ成立中又はボーナス遊技中でないと判定された場合、次のステップ211に進む。
ステップ211において、第1有限演出の残演出回数に対応する抽選確率の決定処理が行われる。そして、次のステップ212に進む。
【0071】
ステップ212において、第2有限演出の残演出回数に対応する抽選確率の決定処理が行われる。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、第3有限演出の残演出回数に対応する抽選確率の決定処理が行われる。そして、次のステップ214に進む。
ステップ214において、ステップ211〜213により決定された有限演出の抽選確率に基づいて、非有限演出の抽選確率の算出処理が行われる。そして、全ての演出の抽選確率に基づいて、演出抽選テーブル設定手段303により乱数領域に変換した演出抽選テーブルが算出される。そして、次のステップ215に進む。
【0072】
ステップ215において、演出抽選手段310により演出抽選が行われ、実行される演出が抽選により決定される。そして、次のステップ216に進む。
ステップ216において、決定された演出が実行される。そして、次のステップ217に進む。
ステップ217において、第1〜第3有限演出のうち、いずれかの有限演出が実行されたか否かが判定される。そして、いずれかの有限演出が実行されたと判定された場合、次のステップ218に進む。一方、いずれの有限演出も実行されていないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0073】
ステップ218において、残演出回数演算手段305により、今回の遊技において実行された有限演出の残演出回数の減算処理が行われる。なお、今回の遊技において実行されていない有限演出の残演出回数は現状、記憶されている残演出回数がそのまま保持される。そして、次のステップ219に進む。
ステップ219において、今回の遊技において、実行された有限演出の残演出回数が0回に到達したか否かが判定される。今回の遊技において、実行された有限演出の残演出回数が0回に到達したと判定された場合、次のステップ220に進む。一方、今回の遊技において、実行された有限演出の残演出回数が0回に到達していないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0074】
ステップ220において、演出抽選確率決定手段350により、今回の遊技において残演出回数が0回に到達した有限演出の抽選確率を、0に設定する処理が行われる。なお、一度、抽選確率が0に設定された有限演出は、今回の特定演出期間中、すなわち次のボーナス遊技に当選するまでの演出抽選では、抽選確率が0に設定された状態で演出抽選が行われる。そして、当該処理が終了する。
ステップ211、212、213の第1〜第3有限演出の残演出回数に対応する抽選確率の決定処理について、図10を用いて説明する。なお、これらのフローは、第1〜第3有限演出において、共通しているため、第N有限演出(Nは1、2又は3)と記載して図10により説明する。
【0075】
ステップ309において、演出抽選確率決定手段350により、残演出回数演算手段305が記憶している第N有限演出の残演出回数が取得される。そして、次のステップ310に進む。
ステップ310において、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の残演出回数は、区分Pの残演出回数か否かが判定される。例えば、図7に示すように設定されている場合、第1有限演出Cでは、残演出回数が、区分Pの残演出回数20回〜11回に含まれるか否かが判定される。そして、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の残演出回数は、区分Pの残演出回数に含まれると判定された場合、次のステップ311に進む。一方、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の残演出回数は、区分Pの残演出回数に含まれないと判定された場合、次のステップ312に進む。
【0076】
ステップ311において、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の抽選確率として、第N有限演出の区分Pに対応する抽選確率が設定される。例えば、図7に示すように設定されている場合、第1有限演出Cでは、抽選確率cが「低い」の1/20に設定される。そして、当該処理が終了する。
ステップ312において、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の残演出回数は、区分Qの残演出回数か否かが判定される。例えば、図7に示すように設定されている場合、第1有限演出Cでは、残演出回数が区分Qの残演出回数である10回〜6回に含まれるか否かが判定される。そして、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の残演出回数が、区分Qの残演出回数に含まれると判定された場合、次のステップ313に進む。一方、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の残演出回数が、区分Qの残演出回数に含まれないと判定された場合、次のステップ314に進む。
【0077】
ステップ313において、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の抽選確率として、第N有限演出の区分Qに対応する抽選確率が設定される。例えば、図7に示すように設定されている場合、第1有限演出Cでは、抽選確率cが「中間」の1/10に設定される。そして、当該処理が終了する。
ステップ314において、演出抽選確率決定手段350により、第N有限演出の抽選確率として、第N有限演出の区分Rに対応する抽選確率が設定される。例えば、図7に示すように設定されている場合、第1有限演出Cでは、抽選確率cが「高い」の1/2に設定される。そして、当該処理が終了する。
【0078】
本実施の形態に係るステップ200〜220の演出処理は、本実施の形態の場合も含めて、図8の(イ)ステップ119の回転前処理からステップ120の役抽選処理に移行するまでの間、(ロ)ステップ120の役抽選処理中、(ハ)ステップ120の役抽選処理後からステップ122の回転処理に移行するまでの間、(ニ)ステップ122の回転処理中、(ホ)ステップ122の回転処理後からステップ123の回転停止処理に移行するまでの間、(へ)ステップ123の回転停止処理中、(ト)ステップ123の回転停止処理後からステップ124の判定処理に移行するまでの間、(チ)ステップ124の判定処理中、(リ)ステップ124の判定処理後から次の遊技に移行するまでの上記(イ)〜(リ)のうちの1つ、或いは、複数に渡って、実行可能なものである。なお、本実施の形態に係る演出処理におけるステップ215の演出抽選での乱数を抽出する契機として、メダル投入、ベットスイッチ16の押下操作、スタートスイッチ30の押下操作、ストップスイッチ50の押下操作等のうち利用可能なものを適宜、使用することができる。具体的には、例えば、ステップ215の演出抽選での乱数を抽出する契機として、上記(イ)では、メダル投入やベットスイッチ16の押下操作を採用することができ、上記(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)では、それに加えて、スタートスイッチ30の押下操作を採用することができ、上記(ヘ)〜(リ)では、それに加えてストップスイッチ50の押下操作を採用することができる。
【0079】
本実施の形態では、ボーナス遊技が終了する際、有限演出の種別や、最大演出回数等のリセットを行い、且つ新たな有限演出の種別や最大演出回数等を抽選により決定しているが、これに加えて、設定変更スイッチによる設定変更を行った際にも、上記リセットを行い、且つ新たな有限演出の種別や最大演出回数等の抽選を行うように形成されている(図示せず)。なお、設定変更の際に、上記リセットや有限演出の種別の抽選等を全く行わずに、有限演出の種別や最大演出回数や残演出回数等のデータをそのまま引き継ぐように形成してもよい。
(作用)
演出決定手段300は、特定演出期間中、最大演出回数の範囲での有限演出の実行に伴い、この有限演出を全演出から抽選で決定する抽選確率を変更可能に形成されている。これにより、最大演出回数の範囲での有限演出の実行回数に基づいて、その有限演出の発生頻度が変更され、有限演出の発生頻度を増加若しくは減少させることができる。
【0080】
具体的には、演出決定手段300は、各有限演出の各区分の残演出回数に対応して、その有限演出の抽選確率を、例えば、順に、1/20、1/10、1/2のように予め設定している。その予め設定されている抽選確率は、各有限演出の区分が、区分P、Q、Rと順に変更されるに伴い、その予め設定されている各区分に対応する有限演出の抽選確率が増加するように設定されている。これにより、残演出回数が減少して(但し、残演出回数が1回以上残っている範囲内、すなわち残演出回数0回を除く範囲内)、区分が区分P、Q、Rと変更されるに伴い、その有限演出の発生頻度を増加させることができる。
このため、特定演出期間中、前回のボーナス遊技終了から遊技回数があまり経過しておらず、所定の有限演出の残遊技回数が区分Pに該当するときには、その有限演出の抽選確率は、その有限演出の他の区分の抽選確率と比較して低く、その有限演出の発生頻度も、その有限演出の他の区分の発生頻度と比較して少ない。この場合、遊技者は、ボーナス役が当選しているかもしれないという期待感が増えず、遊技者が感じる有限演出の信頼性は低いものとなる。
【0081】
一方、前回のボーナス遊技終了から遊技回数が経過するに伴って所定の有限演出の残遊技回数が区分Rに該当するときには、その有限演出の抽選確率は、その有限演出の他の区分の抽選確率と比較して高く、その有限演出の発生頻度も、その有限演出の他の区分の発生頻度と比較して多くなる。この場合、遊技者は、その有限演出の発生頻度が増加したことで、その有限演出の発生頻度が少なかった場合と比較して、ボーナス役が当選しているかもしれないという期待感が増す。その結果として、遊技者が感じる有限演出に対する信頼性は相対的に高くなる。
したがって、ボーナス役が当選しているかもしれないという期待感や、遊技者が感じる有限演出に対する信頼性を、その有限演出の発生具合で相対的に変更させることができる。結果として、演出により生じる期待感や、演出の信頼性を多様なものにすることができる。
【0082】
更に、演出振分手段320が、ボーナス遊技が終了する毎(特定演出期間に移行する前)に、全演出のそれぞれの演出を、有限演出又は非有限演出のいずれかに振り分ける。これにより、特定演出期間毎に、各演出が、有限演出となるか、或いは、非有限演出となるか、変更可能となる。このため、各演出が、有限演出や、非有限演出のいずれかに永久的に固定されてしまうことを回避することができ、演出のマンネリ化を防止し、演出に多様性を持たせることができる。更に、特定演出期間が開始されたときに、遊技の進行に伴う演出の発生頻度を見ながら、演出A〜Jのうち、いずれの演出が有限演出か、或いは非有限演出であるか、遊技者が推理することができる。そして、有限演出の発生頻度が増加して、推理した有限演出が度々、出現することによって、ボーナス役の当選が示唆されていることを認識し、当選を予想することができる。このように、新たな遊技性を発生させることができる。
【0083】
更に、演出回数決定手段340が、ボーナス遊技が終了する毎(特定演出期間に移行する前)に、有限演出の最大演出回数を決定する。これにより、特定演出期間毎に、有限演出の最大演出回数を変更することができる。結果として、有限演出の最大演出回数が、永久的に固定されてしまうことを回避することができ、演出のマンネリ化を防止し、有限演出に多様性を持たせることができる。
このように、演出振分手段320及び演出回数決定手段340により、ボーナス遊技が終了する毎に、有限演出の種別及びその最大演出回数の両方を変更することができる。これにより、遊技者にとって当選の期待感が薄い演出、いわゆる捨て演出のようなものが固定されてしまうことを回避することができ、演出の多様性を増すことができる。
【符号の説明】
【0084】
10 遊技機 30 スタートスイッチ
40 回転リール 50 ストップスイッチ
110 役抽選手段 300 演出決定手段
320 演出振分手段 340 演出回数決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に複数の図柄が付された回転リールと、
回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、
回転リールの図柄の停止表示の態様により構成される役を抽選により決定するための役抽選手段とを備え、
遊技内容に関する情報を遊技者に報知するための演出が実行可能に形成され、
演出の実行の有無及び演出を実行する場合の複数の演出のうちから実行する演出を所定の抽選確率により抽選で決定する演出決定手段を備え、
所定数の遊技媒体をベットすることにより遊技開始可能状態となって遊技の開始を可能とし、この遊技開始可能状態におけるスタートスイッチの操作を条件として回転リールの回転を開始させて遊技を開始し、役抽選手段による所定の役に当選するか否かを決定する役抽選を行い、この役抽選の結果及びストップスイッチの操作に基づいて回転リールの回転を停止させ、当選した役に係る図柄の組み合わせが揃ったか否かの判定を行い、この判定の結果に応じて所定の利益を遊技者に付与する又は付与しないことで1回の遊技が終了するように形成された遊技機であって、
遊技として、通常遊技と、所定の契機に移行可能な状態になると共に、通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技とを有し、
演出として、所定期間(以下、「特定演出期間」とする)における演出の発生回数の上限を、所定の発生回数(以下、「最大演出回数」とする)に制限した有限演出と、前記特定演出期間における演出の発生回数の制限が無い非有限演出とを有し、
有限演出は、前記所定の契機の発生を示唆するものであり、
演出決定手段は、前記特定演出期間中、最大演出回数の範囲での有限演出の実行に伴い、その有限演出を全演出から抽選するための前記抽選確率を変更可能に形成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
演出決定手段は、
前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、演出を有限演出又は非有限演出のいずれかに分ける演出振分手段と、
前記特定演出期間に移行する前又は移行する時に、有限演出の最大演出回数を決定するための演出回数決定手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
演出決定手段は、最大演出回数から、前記特定演出期間における有限演出が実行された演出回数を減算した残りの演出回数(以下、「残演出回数」とする)に応じて、その有限演出を全演出から抽選するための前記抽選確率を決定するように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−205820(P2012−205820A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74717(P2011−74717)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】