説明

遊技機

【課題】取込装置を備え排出通路のゲート部材を手動操作可能とした遊技機において、遊技球の取り込みを支障なく行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は遊技に際して所定数の遊技球の取り込みを必要とし、当該所定数の遊技球の取り込みが完了すると遊技を開始する。この遊技球の取り込みは取込装置35〜37を連設してなる取込ユニット30により行われる。取込装置35〜37のハウジング内には、遊技球通路として上流通路、取込通路及び排出通路が形成されており、取込通路により上記遊技球の取り込みが行われる。一方、取込通路による取り込みが阻止されている遊技球は、排出通路を介して排出することが可能である。上記のような構成において、すべての取込装置35〜37を挿通するようにして排出用ゲート部材が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、複数の図柄が表面に付された円環状のリールを回転させることにより図柄の変動を行うリール装置を備えたスロットマシン(回胴式遊技機)が知られている。この種の遊技機としては、所定の有効ラインに表示される停止図柄が特定図柄の組合せである場合に、例えばビッグボーナスゲームのような遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生するものが提供されている。
【0003】
また近年、メダルの代わりに遊技球を用いてスロットマシンに類似した遊技を行うことのできる球使用回胴式遊技機が考えられている(例えば特許文献1参照)。かかる遊技機においては、取込装置が設けられており、当該取込装置により所定個数の遊技球が取り込まれた後にレバー操作が行われることでリールが周回され、図柄の変動表示が行われる。また、図柄の変動表示が終了したときの図柄の組合せに応じて所定個数の遊技球が払い出される。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、パチンコホール等の遊技ホールにおいて遊技球をパチンコ機と共通の遊技媒体として取り扱うことができるとともにスロットマシンの遊技性を維持することができる。またこの場合、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいて多く見られる、メダルと遊技球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得るし、パチンコ機の島に当該遊技機を設置したりする等の柔軟性が生じる利点がある。
【0004】
ここで、上述した取込装置にあっては、遊技の開始に際して所定個数の遊技球がカウントされて取り込まれる。また、遊技を終了する際等においては、取込装置内に貯留されていた遊技球が排出通路等を介して遊技者側に排出されるようになっている。かかる場合、排出通路にゲート部材を配設し、そのゲート部材を電気的に駆動して遊技球の排出を行うものが提案されている。しかしながら、上記構成では、例えば遊技機前面の操作ボタンを押圧操作するなど、簡単な操作だけでゲート部材を電気的に駆動させて遊技球の排出が行われるものの、電気的な駆動機構の故障が発生すると遊技球の排出に支障を来たすおそれがあった。また、遊技機の電源が切られた状態においては、電気的な駆動機構を駆動させることができないため、遊技球通路内に多数の遊技球が貯留されていても当該遊技球を簡易的に取り出すことができなくなってしまう。
【0005】
そこで、上記問題を解決すべく、ゲート部材を電気駆動ではなく手動操作可能とする構成が考えられる。この場合、遊技球の排出に支障を来たすおそれを低減することができ、さらには遊技機の電源が切られた状態であっても遊技球通路内に貯留されている遊技球を取り出すことができる。しかしながら、ゲート部材を手動操作可能な構成とすると、排出通路を介しての遊技球の排出をいつでも行うことができてしまう。従って、例えば、遊技球の取り込みと遊技球の排出とが同時に行われてしまい、遊技球の取り込みに支障を来たすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−81449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、取込装置を備え排出用ゲート部材を電気駆動ではなく手動操作可能とした遊技機において、遊技球の取り込みを支障なく行うことができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、遊技球を取り込む取込通路と、該取込通路から分岐する排出通路と、前記取込通路の遊技球の通過を阻止又は許容する取込用阻止許容部材と、前記排出通路の遊技球の通過を阻止又は許容する排出用阻止許容部材とを有する取込装置を備え、該取込装置により所定数の遊技球が取り込まれた場合に遊技の開始を許容する遊技機において、
遊技者によって手動操作可能に設けられ、手動操作に伴う動作を前記排出用阻止許容部材に伝達することで、前記排出通路の遊技球の通過を許容するように同排出用阻止許容部材を駆動する排出操作手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取込装置を備え排出用ゲート部材を電気駆動ではなく手動操作可能とした遊技機において、遊技球の取り込みを支障なく行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態における遊技機を示す斜視図である。
【図2】遊技機の正面図である。
【図3】前面枠の構成を示す正面図である。
【図4】図2のA―A線付近の内部構造を示す構成図である。
【図5】遊技機の背面図である。
【図6】上皿形成体の構成を示す斜視図である。
【図7】取込ユニットの全体を示す斜視図である。
【図8】上皿から取込ユニットへの遊技球の流れを簡略に示す図である。
【図9】取込装置の内部構造を示す断面図である。
【図10】取込装置を分解して示す斜視図である。
【図11】取込ユニットの一部を分解して示す斜視図である。
【図12】整流部の構成を示す断面図である。
【図13】カウントセンサによる遊技球検知の概要を示す説明図である。
【図14】排出用ゲート部材の動きを説明するための説明図である。
【図15】図13のB−B線断面図である。
【図16】ゲート部材による遊技球の貯留状態を示す平面図である。
【図17】排出用ゲート部材の駆動機構を説明するための平面図である。
【図18】図17におけるC−C線付近の内部構造を示す構成図である。
【図19】排出用ゲート部材の駆動態様を説明するための説明図である。
【図20】排出用ゲート部材の駆動態様を説明するための説明図である。
【図21】取込装置の動作を説明するための説明図である。
【図22】リールユニットの構成を示す斜視図である。
【図23】左リールの組立斜視図である。
【図24】各回転体のベルトの図柄配列を示す説明図である。
【図25】有効ラインの配列を説明するための図である。
【図26】遊技機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図27】メイン処理を示すフローチャートである。
【図28】通常処理を示すフローチャートである。
【図29】抽選処理を示すフローチャートである。
【図30】リール制御処理を示すフローチャートである。
【図31】遊技球投入処理を示すフローチャートである。
【図32】遊技球払出処理を示すフローチャートである。
【図33】別の排出用ゲート部材の駆動態様を説明するための説明図である。
【図34】別の排出用ゲート部材の駆動態様を説明するための説明図である。
【図35】別の排出用ゲート部材の駆動態様を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0012】
手段1.遊技球を取り込む取込通路(上流通路167、取込通路168)と、該取込通路から分岐する排出通路(排出通路169)と、前記取込通路の遊技球の通過を阻止又は許容する取込用ゲート部材(取込用ゲート部材175)と、前記排出通路の遊技球の通過を阻止又は許容する排出用ゲート部材(排出用ゲート部材190)とを有する取込装置(取込装置35〜37)を備え、該取込装置により所定数の遊技球が取り込まれた場合に遊技の開始を許容する遊技機において、
遊技者によって手動操作可能に設けられ、手動操作に伴う動作を前記排出用ゲート部材に伝達することで、前記排出通路の遊技球の通過を許容するように同排出用ゲート部材を駆動する排出操作手段(操作部材211、リンク機構215)と、
前記取込用ゲート部材により前記取込通路の遊技球の通過が許容されている場合に前記排出操作手段による前記排出用ゲート部材の駆動を阻止する操作阻止手段(ソレノイド221、投入払出制御基板136における遊技球投入処理)とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0013】
手段1の遊技機では、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容され、所定数の遊技球が取り込まれた場合に遊技の開始が許容される。また、取込通路から分岐するようにして排出通路が設けられており、排出用ゲート部材により排出通路の遊技球の通過が許容されることで取込用ゲート部材により取込通路の通過が阻止されている遊技球が排出される。
【0014】
この場合に、遊技者によって手動操作可能に排出操作手段が設けられている。そして、排出操作手段が遊技者等により手動操作された場合には、基本的にその動作が排出用ゲート部材に伝達され、排出通路の遊技球の通過が許容される。即ち、排出操作手段を介して排出用ゲート部材を手動操作可能な構成となっている。
【0015】
一方、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容されている場合に、排出操作手段によるゲート部材の駆動が操作阻止手段により阻止される。これにより、遊技球の取り込みが行われている状況下において遊技球の排出が許容されることが防止される。よって、上記のように操作手段を介して排出用ゲート部材を手動操作可能とした構成において、遊技球の取り込みに支障を来たすことを防止することができる。
【0016】
手段2.手段1において、前記排出操作手段は、遊技者によって直接手動操作される操作部材(操作部材211)と、該操作部材と前記排出用ゲート部材との間に位置し前記操作部材が非操作位置から操作位置へ操作された場合の動作を前記排出用ゲート部材に伝達する伝達部材(リンク機構215)とを備え、
前記操作阻止手段は、前記伝達部材を伝達可能状態から伝達不可状態に駆動することにより前記操作部材が手動操作された場合の前記動作を前記排出用ゲート部材に伝達しないようにしたことを特徴とする遊技機。
【0017】
手段2では、操作部材が直接手動操作されると、その動作が伝達部材を介して排出用ゲート部材に伝達される。これにより、排出用ゲート部材が駆動し排出通路を介しての遊技球の排出が許容される。本構成の場合、遊技者等により直接手動操作される部位と、動作を排出用ゲート部材に伝達する部位とが独立して設けられるので、排出操作手段の構成の自由度を高めることができる。
【0018】
この場合に、伝達部材が操作阻止手段により伝達可能状態から伝達不可状態に駆動されることによって、操作部材が手動操作された場合の排出用ゲート部材への動作の伝達が阻止される。即ち、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容されている状況下においても操作部材の操作は可能であるものの、操作部材が操作された場合の動作の伝達が阻止されることで排出通路の遊技球の通過が許容されなくなる。よって、操作部材が操作できなくなることはないので、操作部材に極端な力が加えられるのを抑制することができる。例えば、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容された場合に操作部材が操作できなくなる構成においては、操作部材を何とか操作しようとして極端な力が加えられるおそれがあるからである。そして、操作部材に極端な力が加えられると操作部材や伝達部材の故障等の原因になり得る。
【0019】
なお、本構成においては、操作阻止手段は、排出操作手段のうち伝達部材のみを駆動制御することで排出用ゲート部材の駆動が阻止することができるので、操作阻止手段における排出操作手段を駆動させる部分(ソレノイド221)にかかる重量負荷を軽減させることができる。
【0020】
手段3.手段2において、前記伝達部材を前記伝達可能状態に保持するよう付勢する付勢手段(バネ224)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段3によれば、伝達部材は伝達可能状態に保持されるよう付勢手段により付勢されている。これにより、操作阻止手段により駆動されていない状態では伝達部材は伝達可能状態となっている。また、操作阻止手段により駆動され伝達不可状態となった後に操作阻止手段による駆動が解除されると、伝達部材は伝達可能状態に戻ることとなる。従って、操作阻止手段は、伝達を阻止する場合及び伝達を許容する場合の両方において伝達部材を駆動する必要はなく、伝達を阻止する場合にのみ伝達部材を駆動すればよい。よって、操作阻止手段の伝達部材を駆動するためにかかる負荷を軽減することができる。
【0022】
手段4.手段2又は手段3において、前記伝達部材は複数の構成部材(第1リンク部材216、第2リンク部材217)からなり、これら構成部材が前記操作部材側から前記排出用ゲート部材側に向けて並び、前記操作部材が前記非操作位置から前記操作位置へ操作された場合の動作が前記操作部材側に位置する構成部材から前記排出用ゲート部材側に位置する構成部材へと伝達される構成とし、
前記操作阻止手段は、前記複数の構成部材のうちの一部を前記伝達可能状態から前記伝達不可状態に駆動することにより、前記排出用ゲート部材の駆動を阻止するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0023】
手段4によれば、伝達部材は複数の構成部材からなり、これら構成部材が操作部材側から排出用ゲート部材側に向けて並んでいる。そして、操作部材が非操作位置から操作位置へ操作された場合の動作が操作部材側に位置する構成部材から排出用ゲート部材側に位置する構成部材へと伝達されることで、最終的に排出用ゲート部材が駆動される。
【0024】
この場合に、操作阻止手段は複数の構成部材のうちの一部を伝達可能状態から伝達不可能状態に駆動することにより排出用ゲート部材の駆動を阻止する。当該構成とすることにより、操作阻止手段における伝達部材を駆動する部分にかかる重量負荷を軽減させることができる。
【0025】
なお、上記手段3を備えた構成においては、付勢手段により伝達部材を構成する複数の構成部材がまとめて付勢されることとなる。
【0026】
手段5.手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記排出用ゲート部材により前記排出通路の遊技球の通過が許容されている状態で前記取込用ゲート部材により前記取込通路の遊技球の通過が許容される場合には、前記操作阻止手段は、前記排出用ゲート部材が前記排出通路の遊技球の通過を阻止する初期状態となるように前記排出操作手段を駆動する構成としたことを特徴とする遊技機。
【0027】
手段5によれば、排出通路の遊技球の通過が許容されている状態で取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容される場合には、排出用ゲート部材が排出通路の遊技球の通過を阻止する初期状態となるように排出操作手段が駆動され、排出通路の遊技球の通過が阻止される。よって、遊技球の取り込みを優先して行わせることができる。
【0028】
なお、上記手段2を備えた構成においては、排出用ゲート部材により排出通路の遊技球の通過が許容されている状態で取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容される場合には、操作阻止手段は、伝達部材を伝達可能状態から伝達不可状態に駆動することにより、排出用ゲート部材が排出通路の遊技球の通過を阻止する初期状態となるようにする。本構成では、操作部材が手動操作されたことによる動作の伝達が阻止されることで排出用ゲート部材が初期状態に戻ることとなるので、遊技者等による操作部材の操作状況に拘らず、排出通路の遊技球の通過を阻止することができる。
【0029】
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記排出操作手段を非操作位置に保持するよう付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0030】
手段6によれば、排出操作手段は非操作位置に保持されるよう付勢手段により付勢されている。これにより、遊技者等による排出操作手段の操作後には当該排出操作手段は非操作位置に戻ることとなる。従って、排出通路を介しての遊技球の排出を阻止する場合及び許容する場合の両方において排出操作手段を操作する必要はなく、排出通路を介しての遊技球の排出を許容する場合にのみ排出操作手段を操作すればよいので、排出操作手段の操作を簡易化することができる。また、一般的には、排出通路を介して遊技球を排出させる場合は少なく、排出通路を介しての遊技球の排出を阻止した状態にしておく時間の方が圧倒的に長くなる。この場合に、本手段の構成を適用することにより、排出操作手段の操作をより簡易なものとすることができる。
【0031】
手段7.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記取込装置による遊技球の取り込みを開始させるべく操作されるベット操作手段(マックスベットスイッチ109)を設け、該ベット操作手段が操作されることにより前記取込用ゲート部材により前記取込通路の遊技球の通過が許容される構成とし、
前記操作阻止手段は、前記ベット操作手段が操作されたか否かを判定するベット操作判定手段(投入払出制御基板136の遊技球投入処理)と、前記排出操作手段による前記排出用ゲート部材の駆動を阻止すべく動作する電動アクチュエータ(ソレノイド221)と、前記ベット操作判定手段により前記ベット操作手段が操作されたと判定された場合に前記電動アクチュエータを駆動し前記排出操作手段による前記排出用ゲート部材の駆動を阻止する駆動制御手段(投入払出制御基板136の遊技球投入処理)とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0032】
手段7によれば、ベット操作手段が操作されることで取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容され、遊技球の取り込みが開始される。この場合に、操作阻止手段ではベット操作手段が操作されたか否かが判定され、操作されたと判定された場合に電動アクチュエータが駆動されることで、排出操作手段による排出用ゲート部材の駆動が阻止される。これにより、取込通路の遊技球の通過が許容されている状況下において排出通路の遊技球の通過が許容されることを確実に抑制することができる。
【0033】
なお、所定数の遊技球の取り込みが完了したか否かを判定する取込完了判定手段と、該取込完了判定手段により遊技球の取り込みが完了したと判定された場合に駆動制御手段による排出用ゲート部材の駆動の阻止を解除する阻止解除手段とを更に備える構成としても良い。この場合、遊技球の取り込み完了後には再度、排出操作手段による排出用ゲート部材の駆動が可能となる。
【0034】
また、上記手段5の構成を備えた場合には、排出用ゲート部材により排出通路の遊技球の通過が許容されている状態でベット操作手段が操作されたと判定されると、駆動制御手段は電動アクチュエータを駆動し排出用ゲート部材が排出通路の遊技球の通過を阻止する初期状態となるように排出操作手段を駆動する構成とする。
【0035】
手段8.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記取込装置による遊技球の取り込みを開始させるべく操作されるベット操作手段(マックスベットスイッチ109)を設け、該ベット操作手段が操作されることにより前記取込用ゲート部材により前記取込通路の遊技球の通過が許容される構成とし、
前記操作阻止手段は、前記ベット操作手段が操作されたか否かを判定するベット操作判定手段(投入払出制御基板136の遊技球投入処理)と、前記排出操作手段が手動操作されたか否かを判定する排出操作判定手段と、前記排出操作手段による前記排出用ゲート部材の駆動を阻止すべく動作する電動アクチュエータ(ソレノイド221)と、前記ベット判定手段により前記ベット操作手段が操作されたと判定され、且つ前記排出操作判定手段により前記排出操作手段が手動操作されたと判定された場合に前記電動アクチュエータを駆動させ前記排出操作手段による前記排出用ゲート部材の駆動を阻止する駆動制御手段(投入払出制御基板136の遊技球投入処理)とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0036】
手段8によれば、ベット操作手段が操作されることで取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容され、遊技球の取り込みが開始される。この場合に、操作阻止手段ではベット操作手段が操作されたか否かが判定され、さらに排出操作手段が操作されたか否かが判定される。そして、ベット操作手段及び排出操作手段が操作されたと判定された場合に電動アクチュエータが駆動されることで、排出操作手段による排出用ゲート部材の駆動が阻止される。これにより、取込通路の遊技球の通過が許容されている状況下において排出通路の遊技球の通過が許容されることを確実に抑制することができる。
【0037】
特に、本手段においては、ベット操作手段が操作されただけで電動アクチュエータが駆動されるのではなく、さらに排出操作手段が操作されることで電動アクチュエータが駆動される。従って、電動アクチュエータの駆動回数を極力抑えることができる。これにより、電動アクチュエータの故障等の発生を抑制することができる。
【0038】
なお、所定数の遊技球の取り込みが完了したか否かを判定する取込完了判定手段と、該取込完了判定手段により遊技球の取り込みが完了したと判定された場合に駆動制御手段による排出用ゲート部材の駆動の阻止を解除する阻止解除手段とを更に備える構成としても良い。この場合、遊技球の取り込み完了後には再度、排出操作手段による排出用ゲート部材の駆動が可能となる。
【0039】
また、上記手段5の構成を備えた場合には、排出用ゲート部材により排出通路の遊技球の通過が許容されている状態でベット操作手段及び排出操作手段が操作されたと判定されると、駆動制御手段は電動アクチュエータを駆動し排出用ゲート部材が排出通路の遊技球の通過を阻止する初期状態となるように排出操作手段を駆動する構成とする。
【0040】
手段9.手段7又は手段8において、前記駆動制御手段は、前記取込用ゲート部材による前記取込通路の遊技球の通過が許容される前に、前記電動アクチュエータを駆動し前記排出操作手段による前記排出用ゲート部材の駆動を阻止するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0041】
手段9によれば、取込用ゲート部材による取込通路の遊技球の通過が許容される前に、排出用ゲート部材による排出通路の遊技球の通過が阻止されることとなる。これにより、排出通路の遊技球の通過が許容されている状況下において、取込通路の遊技球の通過が許容されることを確実に阻止することができる。
【0042】
なお、上記手段5の構成を備えた場合には、排出用ゲート部材により排出通路の遊技球の通過が許容されている状態でベット操作手段(及び排出操作手段)が操作されたと判定されると、駆動制御手段は、取込用ゲート部材による取込通路の遊技球の通過が許容される前に電動アクチュエータを駆動し排出用ゲート部材が排出通路の遊技球の通過を阻止する初期状態となるように排出操作手段を駆動する構成とする。
【0043】
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記排出用ゲート部材は、所定方向の移動により、前記排出通路の遊技球の通過を阻止する阻止位置と、前記排出通路の遊技球の通過を許容する許容位置との間で切換配置可能な構成とし、
前記排出用ゲート部材を前記阻止位置に保持するよう付勢する付勢手段(バネ195)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0044】
手段10では、排出用ゲート部材は所定方向の移動により阻止位置と許容位置との間で切換配置される。この場合に、排出用ゲート部材は付勢手段により付勢されることにより、排出操作手段により駆動されていないときには阻止位置に配置され、排出操作手段が手動操作され付勢手段の付勢力に抗して所定方向に移動することにより許容位置に配置される。よって、本構成であれば、排出通路の遊技球の通過を阻止する場合及び許容する場合の両方において排出用ゲート部材を駆動させる必要はなく、排出通路の遊技球の通過を許容する場合にのみ排出用ゲート部材を駆動させればよいので、排出用ゲート部材の操作を簡易化することができる。また、一般的には、排出通路を介して遊技球を排出させる機会は少なく、排出通路の遊技球の通過を阻止した状態にしておく時間の方が圧倒的に長くなる。この場合に、本手段の構成を適用することにより、排出用ゲート部材の駆動をより簡易なものとすることができる。
【0045】
手段11.手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記取込用ゲート部材及び前記排出用ゲート部材を前記取込通路と前記排出通路との分岐部分に配置し、前記取込用ゲート部材により前記取込通路の遊技球の通過が阻止されている状況下においては同取込用ゲート部材が前記排出通路の通路壁となるとともに、前記排出用ゲート部材により前記排出通路の遊技球の通過が阻止されている状況下においては同排出用ゲート部材が前記取込通路の通路壁となるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0046】
手段11では、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が阻止されている状況下においては同取込用ゲート部材が排出通路の通路壁となり、排出用ゲート部材により排出通路の遊技球の通過が阻止されている状況下においては同排出用ゲート部材が取込通路の通路壁となる。当該構成とすることにより、各通路への遊技球の誘導を好適に行うことができる。
【0047】
但し、排出用ゲート部材が取込通路の通路壁となる構成においては、両ゲート部材が共に開放されると排出用ゲート部材が取込通路の通路壁としての機能を果たさないため、遊技球の取り込みが行われず遊技が開始されないといった不都合が生じるおそれがある。これに対して、上記手段1等の構成を備えていることにより、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容されている(許容される)状況下においては、排出通路の遊技球の通過が排出用ゲート部材により阻止されることとなる。よって、上記のような不都合が生じることはない。
【0048】
手段12.手段1乃至手段11のいずれかにおいて、複数の前記取込装置を並べて設け、上流より供給される遊技球を各取込装置の遊技球入口(遊技球入口35a,36a,37a)に案内する構成とし、さらに前記排出用ゲート部材により前記各取込装置の前記排出通路の遊技球の通過をまとめて阻止又は許容する構成としたことを特徴とする遊技機。
【0049】
手段12によれば、取込装置が複数設けられているので、遊技球の通過を複数の取込装置において同時に行われる。これにより、複数の遊技球を短時間で取り扱うことができる。この場合に、各取込装置の排出通路を介しての遊技球の排出が排出用ゲート部材によりまとめて阻止又は許容される。これにより、排出通路の排出用ゲート部材を各排出通路に対して個別に設ける必要がないので、取込装置を小型化することができる。また、構成の簡略化を図ることができ、さらには部品点数が減少することに伴って部材管理や製造コストという面から好適なものとなる。
【0050】
上記のような構成において、上記手段1等の構成を備えていることにより、取込用ゲート部材により取込通路の遊技球の通過が許容されている場合には排出用ゲート部材の駆動が阻止されるので、すべての排出通路において遊技球の通過が許容されるのを阻止することができる。
【0051】
手段13.手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記取込用ゲート部材を電気的に駆動することで前記取込通路の遊技球の通過を阻止又は許容させるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0052】
手段13によれば、取込用ゲート部材を電気的に駆動することで取込通路の遊技球の通過を阻止又は許容させる構成とすることで、取込通路の遊技球の通過の阻止又は許容が好適に行われる。これにより、所定数の遊技球の取り込みを確実に行うことができる。その一方で、排出通路を介して遊技球を排出する場合には、単に取り込みが阻止されている遊技球を取込装置の外部へと排出するために行われるので、所定数ごとに行う必要はない。従って、排出操作手段が手動操作された場合の動作を排出用ゲート部材に伝達する構成とすることにより、遊技球の排出を好適に行うことができる。この場合に、上記手段1等の構成を備えていることにより、遊技球の取り込みに支障を来たすことを抑制することができる。
【0053】
手段14.手段1乃至手段13のいずれかにおいて、複数の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール71〜73)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(透明パネル65)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー101)と、
前記各無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン102〜104)とを備え、
前記取込装置により所定数の遊技球の取り込みが行われ、且つ前記始動操作手段が操作されることにより前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に起因して又は該停止操作手段が操作されないまま所定時間経過したことに起因して前記各無端状ベルトの回転を停止させ、その停止後の停止絵柄又は停止絵柄の組合せに応じて遊技球の払い出しを行い又は特別遊技状態を発生させる構成としたことを特徴とする遊技機。
【0054】
手段14によれば、上記手段1等の効果を無端状ベルト式球使用遊技機において享受することができる。
【0055】
以下に、遊技球を受け入れた上で遊技が開始される遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0056】
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。なお、遊技球はパチンコ球に限られず、広義には鋼球であればよい。
【0057】
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は遊技機本体の前面構成を示す正面図、図4は図2におけるA―A線で示す位置の内部構造を簡略に示す構成図、図5は遊技機1の背面図である。
【0058】
図1〜図3に示すように、遊技機1は、本体枠としての外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。この場合、外枠2と前面枠3とは、その左端の上部及び下部においてヒンジ31,32により開閉可能に連結されている。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなす。また、前面枠3は、外形寸法が外枠2よりも僅かに小さな四角枠状の板材よりなり、外枠2の前面に当接するようにして設けられている。前面枠3には、その裏面から外枠2の内周面に沿って背面側に延びる裏セット盤16が取り付け固定されており、その裏セット盤16に、後述するリールユニットや、遊技球の取り込み又は払い出しのための装置(いわゆる裏セット)や、各種制御基板等が搭載されるようになっている。本実施の形態では、基本的に外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体が構成されている。
【0059】
前面枠3の前面側には、当該前面枠3に対して開閉可能な開閉扉としての前面扉4が設けられると共に、この前面扉4の下方に下皿ユニット5が設けられている。すなわち、前面枠3の前面側は前面扉4と下皿ユニット5とにより覆い隠されるようになっており、前面扉4が開放されることにより、下皿ユニット5よりも上方の前面枠3及びそれに搭載された各種機構(ベルトユニット等)が前方に露出されるようになっている。前面枠3と前面扉4とは、その左端の上部及び下部のヒンジ33,34により開閉自在に連結されている。従って、前面扉4は、前面枠3に対してその左側部を中心に右側部が回動される。
【0060】
前面扉4及び下皿ユニット5の前面は、遊技機全体として一体的な外観をなすよう連続的な立体形状にて形成されており、遊技機1の概ね外周全体で環状をなしかつ遊技機前面に突出する環状部6,7を有する。環状部6,7は遊技機正面から見てほぼ左右対称の形状をなす。これら環状部6,7には、発光ダイオード等よりなる発光体8,9が多数埋設されており(図2右下の一部破断部参照)、遊技に際しこの発光体8,9が発光することにより、例えば環状部6,7が一斉に又は遊技機外周を周回して光るようになっている。環状部6のうち、最上部に位置するトップ部6aは他の部位よりも一層前方に突出しており、トップ部6aには、左右一対のランプ表示部10が設けられると共に、同じく左右一対のスピーカ11が設けられている。また、環状部6において高さ方向中央部付近には、内側に括れた括れ部6bが設けられ、その括れ部6bにもランプ表示部12,13が設けられている。
【0061】
環状部6,7(発光体8,9)やランプ表示部10,12,13等は、表示内容の多様化や表示演出の重厚化等を意図しつつ遊技の際の補助演出を行うために設けられるものであって、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する。例えば、ビッグボーナスゲームを獲得しうる状態になったときに、環状部6,7(発光体8,9)を一斉に又は周回させるように発光させたり、全てのランプ表示部10,12,13を点灯又は点滅等させたりすることで、遊技者への告知が行われる。
【0062】
本実施の形態における遊技機1は、現実の遊技球の受入を必要条件として遊技が行われ、所定条件の成立に伴い所定個数の遊技球の払出が行われるよう構成されている。遊技媒体として遊技球を用いるための構成を以下に説明する。すなわち、図3に示すように、前面枠3に取り付け固定された裏セット盤16には、その前面側下方に上皿形成体17が着脱可能に取り付けられている。図6は、上皿形成体17の構成を示す斜視図である。
【0063】
上皿形成体17には貯留部としての上皿18が形成されており、その上皿18は、後述する取込ユニット30への投入口に通じる主上皿部18aと、その上流側に位置する副上皿部18bとを有する。基本的に、主上皿部18aは、後述する払出機構より払い出された遊技球を貯留するものである一方、副上皿部18bは、図示しない球貸し機のノズルから供給される遊技球を受け取り、主上皿部18aへ導くものであり、主上皿部18a内の遊技球は、球案内部19を通じて投入口に流れ込む。球案内部19は、遊技球を一列に整列させて投入口に供給することができるようになっており、球案内部19にはステンレスカバー(保護カバー)20が取り付けられている。主上皿部18a及び副上皿部18bは折り返すようにして前後に重複して設けられ、副上皿部18bは図6の左側に向けて幾分下方に傾斜し、主上皿部18aは図5の右側に向けて幾分下方に傾斜している。故に、主上皿部18a及び副上皿部18b内の遊技球は順序よく下流側に流れ、上述したように、投入口に流れ込む。
【0064】
上皿形成体17の左右両端部には装着固定部21が設けられており、この装着固定部21を裏セット盤16側に締結することにより、上皿形成体17が裏セット盤16に装着されるようになっている。装着固定部21の締結解除により、上皿形成体17が裏セット盤16から離脱される。装着固定部21は裏セット盤16に対して着脱自在であればその締結手法は任意でよく、裏セット盤16側に設けた被締結穴に締結具(例えばナイラッチ(登録商標))を押し込むワンプッシュ式の締結手法や、裏セット盤16側に設けたネジ穴に雄ネジを螺着する手法等が適用できる。
【0065】
そして、上皿形成体17が裏セット盤16に装着された状態で、前面扉4が閉じられると、裏セット盤16と前面扉4との間で上皿形成体17が固定される。上皿形成体17にはその長手方向に延びるフランジ22が設けられており、このフランジ22が前面扉4の裏面に挟持されるようになっている。すなわち、フランジ22を挟み込むように前面扉4の裏面の対応位置には挟持用凹所が形成されていることから、前面扉4の閉状態時において上皿形成体17の脱落が防止されるとともに、上皿18に貯留される大量の遊技球の重量をも支えることができる。また、図1や図2に示すように、前面扉4のうち、上皿形成体17に対応する部分(操作部100)は前面側に膨出しており、かつその膨出部の上面が開口している。このため、前面扉4が閉状態にあるときには、上皿形成体17の上皿18が膨出部(操作部100)の上方に開放されるようになる。以上の構成により、上皿形成体17を遊技機本体又は前面扉4から容易に取り外すことができるとともに、上皿形成体17を取り外した上で、上皿18(特に球案内部19)の清掃作業等が行いやすくなる。また、後述する操作部100等の点検、修理等が前面扉4の裏側から行いやすくなる。つまり、メンテナンス性の向上が図られる。前面扉4の膨出部分は操作部100となっており、前面扉4のうち、操作部100の直上には奥壁64が設けられている。これら操作部100及び奥壁64の構成については後述することとする。
【0066】
取込ユニット30(図3参照)は裏セット盤16に設けられており、遊技者による操作に基づき取込ユニット30を介して遊技球が所定個数ずつ取り込まれる。そして、所定個数分の遊技球が取り込まれることで遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、受け入れられた遊技球は、図示しない排出経路を介して遊技機1の外部に排出される。
【0067】
ここで、取込ユニット30の構成について説明する。取込ユニット30の全体が表された図7に示すように、取込ユニット30には3個の取込装置35,36,37が重なるようにして設けられており、取込ユニット30は全体として略立方体形状となっている(以下の説明では、図7において手前側に位置する取込装置35を「第1取込装置」、中央に位置する取込装置36を「第2取込装置」、奥側に位置する取込装置37を「第3取込装置37」とする)。この取込ユニット30は、第1取込装置35を遊技機前側、第3取込装置37を後側として配設されるようになっている。また、各取込装置35〜37の上面には、遊技球入口35a,36a,37aが形成されており、これら遊技球入口35a〜37aは前後方向に並んでいる。
【0068】
各取込装置35〜37には、図8に示すように、上皿18に貯留されている遊技球が球振分け通路38を介して流入することとなる。球振分け通路38は、上皿18の投入口に連通されており、取込ユニット30の上方へと延びている。また、球振分け通路38は、取込ユニット30側に向けて遊技球が流下していくように傾斜しており、その下流側が仕切板38a,38bにより分岐している。詳細には、球振分け通路38の下流側は、まず第1仕切板38aにより2方向に分岐し、さらにこの分岐した一方の通路の下流側で第2仕切板38bにより2方向に分岐している。この場合に、分岐した各通路への遊技球の振分けがスムーズに行われるように、各仕切板38a,38bの上流側端部は一方の通路又は両方の通路に向けて傾斜している。各仕切板38a,38bにより分岐された通路の下流側端部には、各遊技球入口35a〜37aに対応させて落下孔38cが形成されている。以上のような構成であることにより、上皿18に貯留されている遊技球は、球振分け通路38を流下し各仕切板38a,38bによりいずれかの落下孔38cへと誘導され、落下孔38cを介して各取込装置35〜37内に流入していくこととなる。なお、上記のように球振分け通路38により各取込装置35〜37への遊技球の振分けを行うのではなく、上皿18上で遊技球の振分けを行う構成としてもよい。この場合、上皿18上に仕切板及び落下孔を設ける構成となる。
【0069】
次に、取込装置35〜37の構成を、図9〜図11を用いて説明する。但し、各取込装置35〜37は、概ね同様の構成をしているため、ここでは基本的に第3取込装置37を例に挙げて説明する。図9は、取込装置37の内部構造を示す断面図、図10は、取込装置37を分解して示す斜視図、図11は、取込ユニット30の一部を分解して示す斜視図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図9に示す状態で上下左右の各方向を記載する。
【0070】
第3取込装置37は、表裏一対のハウジング部材161,162を備えており、何れも樹脂成形品よりなる(以下、ハウジング部材161を「第1ハウジング」、ハウジング部材162を「第2ハウジング」という)。第1ハウジング161は略四角形状をしているのに対して、第2ハウジング162は第1ハウジング161に比べその右下側が切り欠かかれた形状となっている。そして、両ハウジング161,162がネジ等により結合されることにより前面の右側に開口を有する略四角箱状の筐体が構成されている。また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162の上面には、上述した遊技球入口37aを形成するための切欠161a,162aが形成されている。
【0071】
また、第3取込装置37には、遊技球を一列で通過させるための遊技球通路165が形成されている。詳しくは、第1ハウジング161には、第1ハウジング161の壁部W1からハウジング内側に向けて延びるほぼ等幅の通路壁161bが設けられるとともに、第2ハウジング162にも同様に通路壁(図示略)が設けられており、これらを含む四方の通路壁に囲まれて遊技球通路165が区画形成されている。本取込装置37の通路壁は、大部分が第1ハウジング161側に形成され、第2ハウジング162側には高さの低い通路壁が形成されるが、通路壁の全てを第1ハウジング161側に形成する構成であっても良い。即ち、遊技球通路167を通過する遊技球が、遊技球通路167における第1ハウジング161と第2ハウジング162との境界に接触しないような構成であればよい。このような境界には、埃などが貯まり易く、通過する遊技球がこの境界に接触するような構成であると、その埃などにより遊技球の通過が阻害されることとなるおそれがあるからである。また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162は、透明な樹脂材料で成形されている。これにより、両ハウジング161,162の接合を外すことなく、装置内部の遊技球通路165や後述するゲート駆動機構などの他、通路内に貯留された遊技球を視認することができる。
【0072】
遊技球通路165は、ハウジング161,162の中央付近にて二股に分岐されており、遊技球入口37aから通路分岐位置まで延びる上流通路167と、通路分岐位置から鉛直方向に延びる取込通路168と、通路分岐位置から左斜め下方に延びる排出通路169とからなる。なお、少なくとも排出通路169が上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側ではなく外側へと延びる構成であれば、取込通路168及び排出通路169の延びる方向が上記構成とは異なるものであってもよい。遊技の開始条件としての所定個数の遊技球は取込通路168を通じて取り込まれる。また、遊技終了時などにおける遊技球の精算の際には排出通路169を通じて上皿18及び第3取込装置37内などに貯留されている遊技球が下皿41に排出される。
【0073】
上流通路167は、ほぼ水平方向に設けられているが、詳細には若干下方に傾斜している。これにより、遊技球入口37aから第3取込装置37内に入ってきた遊技球は、上流通路167においてほぼ水平方向に並びつつ、下流側へと流下していく。また、上流通路167には、遊技球の流れを一定に整えるための整流部170が設けられている。この整流部170の構成について図12を用いて詳細に説明する。図12は整流部170の中央部を水平線で切断した平断面図であり、図の上側は第1ハウジング161の壁面(壁部W1)を示し、下側は第2ハウジング162の壁面(壁部W2)を示す。図12に示すように、整流部170において、第1ハウジング161には円弧状の凹部171が形成されるとともに、第2ハウジング162には、凹部171に対向して三角形山状の突起172が形成されている。かかる場合、上流通路167を下流に流れてくる遊技球Bが整流部170に達すると、遊技球Bが突起172に衝突し、流れの向きを矢印の如く変えた後、更に突起172に対向する凹部171の内壁に衝突する。こうして、遊技球Bは流れの向きを変えつつ凹部171側に迂回するようにして下流側に流れる。
【0074】
このとき、遊技球は整流部170を通過する毎に流れの勢いが消されその後の流下速度が低減されることから、その通過後における後述する遊技球検出の際の検出ミスが低減される。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって第3取込装置37に取り込まれた場合に、整流部170を通過すると、速度差によって隣接する遊技球間に間隔ができることから、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合もなくなる。すなわち、整流部170の存在により、その通過後の遊技球検出を確実なものとしている。また、整流部170は前後方向(第3取込装置37の厚さ方向)に迂回させるものであるため、第3取込装置37をコンパクトにしつつも十分な整流効果を遊技球に付与できるという相乗効果が得られる。なお、上記整流部170の構成として、ハウジング161,162に凹部171及び突起172を設けるのではなく、遊技球通路165を第3取込装置37の厚さ方向へとクランク状にする構成としてもよい。この場合においても、クランク状となっている部分の内壁に遊技球が衝突することで、その遊技球の流れの勢いが消されることとなり、上記整流部170と同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、上流通路167には、その最上流側から一筋の突条173が設けられており、当該突条173は取込通路168の最下流側まで設けられている(但し、整流部170における突条173の設置は任意である)。突条173は、上流通路167及び取込通路168を区画形成する四方の通路壁のうち少なくとも1つに形成され、本実施の形態では、第1ハウジング161において遊技球を横から保持する通路壁のほぼ中央部に突条173が形成されている。突条173の高さは0.5mm程度であり、これにより上流通路167及び取込通路168の通路幅が狭められるようになっている。つまり、上流通路167及び取込通路168は基本的に通路幅が12mm程度であるが、突条173を設けることにより、実質的な通路幅が11.5mm程度に狭められている。これにより、上流通路167内及び取込通路168内の遊びを減らすことができ、安定した状態で遊技球が流下することとなる。特に、取込通路168においては、後述するように、遊技球検出が行われるため、その検出ミスを低減させることができる。
【0076】
取込通路168には、前記分岐位置のすぐ下流に取込用ゲート部材175が設けられている。取込用ゲート部材175は、上下方向に延びる長尺状となっており、通路外に配設された支軸176により支持される基部175aと、通路壁に設けた切欠部179を介して取込通路168内に出没する爪部175bとを有する。取込用ゲート部材175は、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側の領域に配置され、爪部175bが取込通路168内に出没することにより、取込通路168内の遊技球の通過が阻止又は許容されるようになっている。
【0077】
ここで、取込用ゲート部材175の駆動機構について図9を用いて説明する。取込用ゲート部材175の駆動源としてソレノイド181が用いられている。ソレノイド181は、本体部181aと出力軸181bとを主要構成部品として備えており、本体部181aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸181bが伸縮方向に移動する。当該ソレノイド181は、取込用ゲート部材175の右方において、出力軸181bが下方へと突き出るように配設されている。そして、図11に示すように、ソレノイドカバー182によりハウジング161に固定されている。また、ソレノイド181の配設される位置は、第3取込装置37の右下部であるため、第2ハウジング162の切り欠かかれた位置に相当し、ソレノイド181は第2ハウジング162により覆われていない(図7参照)。この構成であることにより、第3取込装置37の薄型化が実現されている。ソレノイド181の本体部181aは、所定の大きさを有しているため、上記のように第2ハウジング162が切り欠かれていない構成においては、ハウジング161,162の厚みを増やす必要が生じるからである。また、ソレノイド181は、その駆動に応じて熱を発生させるため、ソレノイド181が第2ハウジング162に覆われない構成とすることで、放熱性を高めることができる。
【0078】
ソレノイド181の出力軸181bの先端部にはガイド183が取り付けられている。ガイド183には回動片184の一部が係合されており、同回動片184の他部が取込用ゲート部材175の後端に駆動連結されている。符号185は、出力軸180を常に伸長方向に付勢するコイルバネであり、符号186は、回動片184のほぼ中央部に設けられ同回動片184を回動可能に支持する支軸である。
【0079】
本構成によれば、ソレノイド181への通電がない場合には、図示の如くコイルバネ185の付勢力によって出力軸181bが伸長した状態で保持され、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出し取込通路168が閉鎖される。なおこのとき、取込用ゲート部材175の後端部分がストッパ187に当接しており、当該取込用ゲート部材175がそれ以上図の反時計回り方向に回動しないよう規制されている。つまり、実際の使用状態では、取込用ゲート部材175の爪部175bに遊技球がのりその状態で遊技球の通過が阻止されるが、取込用ゲート部材175は遊技球の重みにより図の反時計回り方向に力を受ける。この際、ストッパ187により取込用ゲート部材175の動きが制止される。
【0080】
そして、ソレノイド181の通電に伴い、コイルバネ185の付勢力に抗して出力軸181bが縮み方向に移動すると、ガイド183及び回動片184を介して取込用ゲート部材175が回動する(図9では時計回り方向に回動する)。このとき、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168外に引っ込んだ状態となる。また、ソレノイド181への通電を中止すると、コイルバネ185の付勢力によって出力軸181bが伸長方向に移動し、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出した状態となる。
【0081】
また、図9に示すように、取込通路168には、取込用ゲート部材175のすぐ下流側に上下一対のカウントセンサ201,202が設置されている。これらカウントセンサ201,202は、取込用ゲート部材175による取込通路168の開放時において当該取込通路168を通過する遊技球を検知するものであって、同センサ201,202により遊技の開始条件である所定個数の遊技球の取り込みが確認できるようになっている。
【0082】
ここで、カウントセンサ201,202の構成について図10を用いて説明する。各センサ201,202は、発光素子と受光素子とを備えた周知の光学式センサにて構成されている。詳細には、光学式センサは、第1ハウジング161の壁部W1側から第2ハウジング162の壁部W2側に向けて(前後方向に)延びるセンサ本体部205と、当該センサ本体部205の両端から両ハウジング161,162に沿って取込通路168側に延びるアーム部203,204とが一体形成されたセンサユニット200として設けられている。一方のアーム部203にはその先端側に、カウントセンサ201,202を構成する受光素子が上下に並ぶように配設されており、他方のアーム部204には受光素子の対向位置に同じくカウントセンサ201,202を構成する発光素子が配設されている。また、両アーム部203,204間の距離は、取込通路168の幅よりも若干長くなっている。そして、上流通路167と取込通路168とのコーナー部分の内側の領域であって取込用ゲート部材175とソレノイド181との間に設けられた貫通窓188にセンサ本体部205が挿通され、さらに両アーム部203,204が取込用ゲート部材175を跨ぎ、且つ取込通路168を挟んだ状態でセンサユニット200が配設されている。これにより、センサユニット200が取込用ゲート部材175やその他駆動機構と集約して配設された構成となっている。
【0083】
この場合に、センサ本体部205は、ハウジング161,162の厚さ方向(前後方向)の寸法が、当該ハウジング161,162の厚さと同程度となっているため、第3取込装置37のハウジング161,162の外面よりも外側にほとんど突出しない構成となっている。また、図9の破線で示すように、アーム部203,204は、排出用ゲート部材190の球案内部191cと接触しないように、その先端が取込通路168の中心付近に位置している。またこれに伴って、カウントセンサ201,202が取込通路168の中心線(突条173)よりも取込用ゲート部材175側に位置しているので、連続して流下してくる遊技球を確実に検知することができる。即ち、遊技球は球形状をなし、中心付近の位置よりも外寄りの位置の方が、各センサの前方を通過する際の通過時間(すなわち、センサによる遊技球検知時間)が短くなるため、カウントセンサ201,202の位置を取込通路168の中心線よりもずらすことで、1の遊技球を検知してから次の遊技球を検知するまでの時間を長く確保することができるからである。
【0084】
また、第1ハウジング161及び第2ハウジング162の外面には、それぞれアーム部203,204の厚さ(前後方向の長さ)と同程度の深さであって、アーム部203,204の上下方向の長さと同程度の幅の嵌合溝189が形成されており、アーム部203,204は当該嵌合溝189に収容された構成となっている。また、センサ本体部205には、発光素子及び受光素子を機能させるための機能回路を有する図示しないセンサ基板が収容されている。このようにハウジング161,162の厚さ方向に延びるセンサ本体部205にセンサ基板を収容させることにより、センサユニット200の厚さ方向の寸法をハウジング161,162の厚さと同程度とすることができる。また、センサ基板には、主基板131へと繋がる信号線が接続されるコネクタ部205aが設けられている。コネクタ部205aはソレノイド181と対面しており、ソレノイド181とセンサ本体部205とが近接しているのに伴ってコネクタ部205aもソレノイド181に近接している。なお、各取込装置35〜37のセンサユニット200からの信号線を、中継基板を介してまとめて主基板131へと接続する構成とすることにより、配線の容易化を行うことができる。
【0085】
このように発光素子と受光素子とがセンサユニット200として一体で設けられていることにより、発光素子と受光素子との位置合せ精度を高めることができ、検出精度を良好なものとすることができ、さらにはノイズの低減を実現することができる。また、センサユニット200内にセンサ基板が収容されていることで、カウントセンサ201,202の発光素子及び受光素子に繋がる信号線をセンサユニット200内で1つにまとめることができるので、当該信号線の配線の容易化を実現することができる。また、センサユニット200、取込用ゲート部材175及びその駆動機構が、上流通路167及び取込通路168のコーナー部分の内側に集約して配設されていることにより、第3取込装置37内の省スペース化を図ることができ、結果的に第3取込装置37の小型化が実現されている。特に、本実施の形態のように、取込ユニット30として3連の取込装置35〜37を備えた構成の場合には、取込ユニット30の奥行き方向の厚みを増加させることなく、さらに遊技球通路165の邪魔にならないようにセンサユニット200を配設する必要があり、この場合に、本実施の形態は最適な構成といえる。また、センサユニット200の信号線及び取込用ゲート部材175の駆動源としてのソレノイド181の信号線を、遊技球通路165を跨ぐことなく配線することができ、さらにはこれら信号線をまとめて一箇所から引き出すことができる。さらに、アーム部203,204が取込用ゲート部材175を跨ぐような構成となっているので、上記のように各種部材を上流通路167及び取込通路168のコーナー部分の内側に集約して配設した構成において、取込用ゲート部材167を取込通路168側に近付けることができる。これにより、取込用ゲート部材167の基部175a及び爪部175bの長さを極力短くすることができるので、爪部175bに遊技球の荷重がかかる際において取込用ゲート部材167に作用する曲げ応力(モーメント)を低減することができ、取込用ゲート部材167の強度を高めることができる。さらには取込用ゲート部材167が取込通路168側に近付くことで、取込用ゲート部材167の動作範囲が狭くなり、駆動機構(ソレノイド181等)の負担を軽減することができる。
【0086】
次に、図13を用い、カウントセンサ201,202による遊技球検知の概要を説明する。なお、図13(a)は各センサ201,202に対する遊技球の通過位置を示し、図中、B1,B2,B3の各通過課程での遊技球を示す。また、図13(b)は遊技球通過に伴う各センサ201,202の出力波形(波形整形後の矩形波形)を示し、便宜上遊技球の通過時にON出力となる論理を示す。
【0087】
遊技球が取込用ゲート部材175を通過した後、図13(a)のB1位置に達すると、上側のセンサ201の出力がONとなり(t1のタイミング)、続いてB2位置に達すると、下側のセンサ202の出力がONとなる(t2のタイミング)。その後、上側のセンサ201の出力がOFFになり(t3のタイミング)、更にB3位置に達すると下側のセンサ202の出力がOFFとなる(t4のタイミング)。この場合、所定の時間条件の下、上側のセンサ201→下側のセンサ202の順で各センサがONした時にのみ遊技球が正規に取り込まれたと判断される。すなわち、上側のセンサ201がONしてから下側のセンサ202がONするまでに所定時間を経過した場合や、通常時とは逆に下側のセンサ202→上側のセンサ201の順で各センサがONした場合には、エラーとなって、その旨が報知等されるとともに遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球にひも等を付けて上下させることにより、あたかも複数の遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
【0088】
排出通路169には、前記通路分岐位置のすぐ下流側に排出用ゲート部材190が設けられている。この排出用ゲート部材190について図11、図14、図15等を用いて説明する。図14は、排出用ゲート部材190を示す正面図である。また、図15は、排出用ゲート部材190を示す平面図である。なお、図15では、図の上側が排出通路169側であり、図の下側が上流通路167側である。
【0089】
排出用ゲート部材190は、合成樹脂製であり、図11に示すように、3つの通路遮蔽部191aと各通路遮蔽部191aの下側端部にてこれらを連結する連結部191bとを有している。また、連結部191bには通路遮蔽部191aと交互に並ぶように球案内部191cが3つ形成されている。さらに、連結部191bの手前側端部には、排出用ゲート部材190をハウジング161,162の厚さ方向の所定位置に保持させるべく力が加えられることとなる基端部192が形成されている。この基端部192とその隣りに位置する通路遮蔽部191aとの間、及び隣り合う2つの通路遮蔽部191a間は遊技球通過領域となっており、その間の長さは少なくとも遊技球の通過が可能となる長さ寸法となっている。
【0090】
各取込装置35〜37の両ハウジング161,162には排出通路169の入口部分に、排出用ゲート部材190の断面形状に対応した透孔193a,193bが形成されており、この透孔193a,193bを介して排出用ゲート部材169が全取込装置35〜37を貫通するようにして挿通されている。但し、基端部192は、ハウジング161,162内に位置しておらず、第1取込装置35の第2ハウジング162の外面に固定されているカバー194内に収容されている。カバー194には、透孔194aが形成されており、基端部192に一体形成された突起部192aは透孔194aから手前側に突出している(図7参照)。
【0091】
また、図11に示すように、基端部192と第2ハウジング162との間には、バネ195が介在しており、このバネ195により基端部192は常に前方へと付勢されている。この場合に、カバー194は基端部192の前方への移動を規制するストッパとしての役割を果たす。また、通路遮蔽部191a及び隣り合う通路遮蔽部191a間の距離とを合わせた長さは、取込装置のハウジング161,162の厚さと同じであり、そのため各取込装置35〜37のハウジング161,162内には通路遮蔽部191aと球案内部191cとが一組ずつ位置することとなる。
【0092】
そして、図14(a)に示すように、バネ195の付勢力により基端部192がカバー194と接触している状態(排出用ゲート部材190が阻止位置に配置されている状態)では、各取込装置35〜37の排出通路169には当該排出通路169の半分以上を塞ぐように通路遮蔽部191aが突出している。これにより、上流通路167から流れてきた遊技球の通過(排出通路169を介しての遊技球の排出)が阻止される。但し、通路遮蔽部191aは排出通路169の全体を塞がない構成となっている。これにより、排出通路169を開閉する際における排出用ゲート部材190のスライド移動の移動量が極力短くなるように設定されている。
【0093】
一方、図14(b)に示すように、基端部192の突起部192aが奥側へと押され、バネ195の付勢力に抗して排出用ゲート部材190が奥側へとスライド移動した状態(排出用ゲート部材190が許容位置に配置されている状態)では、各取込装置35〜37の排出通路169には球案内部191cが位置する。これにより、上流通路167から流下してきた遊技球の通過(排出通路169を介しての遊技球の排出)が許容される。
【0094】
ここで、球案内部191cは、図16に示すように、連結部191bから上流通路167側に向けて延びており、排出通路169が形成された角度に合わせるようにして設けられている。これにより、排出通路169への遊技球の流入がスムーズに行われることとなる。但し、球案内部191cが取込用ゲート部材175に接触しないようにするために、球案内部191cの上流通路167側に延びる方向の長さは、取込通路168の中心付近に到達しない程度となっている。
【0095】
また、図15(a)に示すように、通路遮蔽部191aにおける排出通路169に突出する側の先端部(図15の左側端部)は、先細り形状をしている。そして、その先細り部分は、上流通路167側の面が通路方向に対して垂直面となっており、排出通路169側の面が通路方向に対して傾斜面となっている。従って、図15(b)に示すように排出通路169の遊技球の通過が許容されている状態から、図15(c)に示すように排出通路169の遊技球の通過が阻止されている状態へと移行する際には、球案内部191c上に位置していた遊技球B1は通路遮蔽部191aにより排出通路169側へと押されることとなる。上流通路167及び排出通路169が重力落下方向に延びるように形成されている構成において、上記のように遊技球B1を排出通路169側へと押し出す構成とすることにより、前記状態の移行をスムーズに行うことができる。また、例えば、通路遮蔽部191aの先端が上記のように先細りしていない構成では、遊技球B1が通路壁と通路遮蔽部191aとの間に挟み込まれてしまうおそれがある。これに対して、上記構成であれば、このような不都合が生じるおそれはない。
【0096】
ここで、図16に示すように、取込用ゲート部材175の爪部175bが取込通路168内に突出しており、排出通路169の入口に排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191aが位置する場合、上流通路167内において先頭の遊技球Bが爪部175b及び通路遮蔽部191aに支えられた状態で多数の遊技球Bが貯留される。そして、この状態で爪部175bが取込通路168外に引き込まれると、遊技球Bが取込通路168側に流れ、これとは逆に排出通路169の入口に球案内部191cが位置することとなると、遊技球Bが排出通路169側に流れる。遊技球Bが取込通路168側に流れる際、通路遮蔽部191aはあたかも通路壁の一部を構成し、遊技球Bは通路遮蔽部191aに衝突して方向転換し下流側(鉛直方向)に流れる。また、遊技球Bが排出通路169側に流れる際、爪部175b及び球案内部191cはあたかも通路壁の一部を構成し、この爪部175b及び球案内部191c上を通過して下流側に流れる。
【0097】
次に、排出用ゲート部材190の駆動機構について図17及び図18を用いて説明する。図17は、排出用ゲート部材190の駆動機構を説明するための平面図である。図18は、図17におけるC−C線付近の内部構造を示す構成図である。
【0098】
前面扉4には、板状の操作部材211が設けられている。操作部材211の前面側には突起211aが設けられ、背面には片側に傾斜する傾斜面を有する押し出し部211bが設けられている。前面扉4には横長のスライド孔4aが形成されており、突起211aはスライド孔4aから前方に突出している。突起211aが指等によりスライド孔4aの長手方向に沿ってスライドされることにより、操作部材211が左右方向に移動する構成となっている。操作部材211の押し出し部211bの側方にはストッパ212が設けられており、操作部材211は押し出し部211bの側部(すなわち、図17の状態で右側端部)がストッパ212に当接する方向(すなわち、図17の右方)に、図示しない付勢手段により付勢されている。
【0099】
これにより、操作部材211は、指等により操作されていない状態では押し出し部211bがストッパ212に当接する位置で保持され(図17の状態)、指等により操作された状態では付勢力に抗して図17の左方に移動する。
【0100】
また、操作部材211の奥側の載置部214上には、操作部材211の動きを排出用ゲート部材190に伝達するためのリンク機構215が設けられている。リンク機構215は、前後方向に延び、操作部材211側に位置する第1リンク部材216及び排出用ゲート部材217側に位置する第2リンク部材217とを主要構成部品として備えている。第1リンク部材216と第2リンク部材217とは支軸ピン219により回動可能に連結されている。詳細には、両リンク部材216,217は凹凸で組み合わされ、両者を貫通させて支軸ピン219が設けられている。
【0101】
第1リンク部材216の操作部材211側の端部にはローラ部216aが設けられている。ローラ部216aは第1リンク部材216の厚み方向に延びる円柱状をしており、その中心を回転軸として回転可能に取り付けられている。また、図18に示すように、載置部214には直線状に延びる溝214aが形成されており、第1リンク部材216には溝214a側へと突出する付勢受け216bが形成されている。この付勢受け216bは溝214a内に設けられたバネ224により操作部材211側に付勢されている。これにより、第1リンク部材216が操作部材211側に付勢され、ローラ部216aは押し出し部211bの傾斜面に当接している。
【0102】
また、第2リンク部材217の排出用ゲート部材190側の端部は、当該排出用ゲート部材190の突起部192aと対向している。そして、この第2リンク部材217の端部には、当該第2リンク部材217から左右(図17の状態で見て)に突出するようにしてスライドピン217aが挿通されている。スライドピン217aは突起部192a及び第2リンク部材217を跨ぐようにして設けられたガイド222にも挿通されている。詳細には、ガイド222は、下方に開いた略コ字状をしており、その両側部には前後方向に延びるスリット222aが形成されている。このスリット222aにスライドピン217aの両端が挿通されている。なお、第2リンク部材217の排出用ゲート部材190側の端部は、上下方向断面で曲面状となっており、その曲率半径は支軸ピン219の中心から突起部192aまでの長さよりも小さい構成となっている。但し、この曲率半径が支軸ピン219の中心から突起部192aまでの長さと同程度とする構成としてもよい。
【0103】
ガイド222の上方にはソレノイド221が設けられている。ソレノイド221は、本体部221aと出力軸221bとを備えており、本体部221aが通電されることで、出力軸221bが縮み方向に移動する。当該ソレノイド221は、ガイド222の上方において、出力軸221bが下方へと突き出るように配設されている。そして、出力軸221bの先端部がガイド222に固定されている。但し、図17ではソレノイド221を省略して示している。
【0104】
従って、ソレノイド221への通電がない場合には、図18に示すように、出力軸221bが伸長した状態で保持され、ガイド222は第2リンク部材217と共に載置部214上に位置している。一方、ソレノイド221が通電された場合には、出力軸221bが縮み方向に移動し、ガイド222は第2リンク部材217と共に載置部214から上方に持ち上げられる。
【0105】
次に、操作部材211及びリンク機構215を介した排出用ゲート部材190の駆動態様について図19及び図20を用いて説明する。図19(a)及び図20(a)は、操作部材211が操作されていない状態を、図19(b)及び図20(b)は、操作部材211が操作された状態を示す。また、図20(c)は、操作部材211が操作されていない状況下でソレノイド221が通電された状態を示す。また、図20(d)は、操作部材211が操作された状況下でソレノイド221が通電された状態を示す。なお、これら図19及び図20においては、説明の便宜上、リンク機構215の構成を簡略に示す。
【0106】
取込装置35〜37による遊技球の取り込みを開始させ遊技を行おうとする場合においては、遊技者は基本的に操作部材211を操作しない。これにより、図19(a)及び図20(a)に示すように、第1リンク部材216は押し出し部211bの低位部に当接している。この場合、両リンク部材216,217は初期位置にあり、排出用ゲート部材190は阻止位置に配置されている。これにより、排出通路169を介しての遊技球の排出が阻止された状態となっている。
【0107】
また、遊技の終了時など、取込装置35〜37内に残った遊技球を排出しようとする場合においては、遊技者は操作部材211を操作する。これにより、図19(b)及び図20(b)に示すように、第1リンク部材216と押し出し部211bとの当接部位が押し出し部211bの低位部から高位部に移行するのに伴って、両リンク部材216,217が排出用ゲート部材190側に押し出される。そして、第2リンク部材217が排出用ゲート部材190の突起部192aを押し出すことにより、排出用ゲート部材190が駆動し、排出通路169を介しての遊技球の排出が許容された状態となる。
【0108】
但し、遊技球を取り込むべく遊技者等がマックスベットスイッチ109を操作した状態においては、操作部材211を操作したとしても上記のようにはならない。具体的には、取込通路168の遊技球の通過が許容された状態においては、図20(c)に示すように、ソレノイド221が通電されることにより第2リンク部材217が上方へ移動する。これにより、操作部材211が操作されたとしても、図20(d)に示すように、第2リンク部材217は突起部192aに当接せず、操作部材211の操作が排出用ゲート部材190に伝達されない。よって、取込通路168の遊技球の通過が許容されている状態においては、たとえ操作部材211が操作されたとしても排出通路169の遊技球の通過が許容されない。
【0109】
また、操作部材211が操作されている状況下においてマックスベットスイッチ109が操作された場合には、図19(b)及び図20(b)における状態において、ソレノイド221が通電され、第2リンク部材217が上方へ移動する。これにより、第2リンク部材217が排出用ゲート部材190と当接しない状態となり、図20(d)に示すように、排出用ゲート部材190はバネ195の付勢力により阻止位置へと戻り、排出通路169の遊技球の通過が阻止される。従って、排出通路169の遊技球の通過が許容されている状況下においてマックスベットスイッチ109が操作された場合には、取込通路168の遊技球の通過が優先して行われることとなる。そして、その後、遊技者が操作部材211の操作を止めることにより、図示しない付勢手段の付勢力により操作部材211が初期位置に復帰するとともに、バネ224(図18参照)の付勢力により第1リンク部材216が初期位置に復帰し、図20(c)の状態となる。
【0110】
なお、上述したとおり、第2リンク部材217の排出用ゲート部材190側の端部が上下方向断面で曲面状となっており、その曲率半径が支軸ピン219の中心から突起部192aまでの長さよりも短い構成となっていることにより、図20(b)の状態から図20(c)の状態へ移行する際に、第2リンク部材217が突起部192aに引っ掛かることはなく、状態の移行をスムーズに行うことができる。
【0111】
次に、図21を用い、第3取込装置37による実際の遊技球の取込動作を説明する。図21(a)は初期状態を示し、同(b)は遊技球Bの取込状態を示し、同(c)は遊技球Bの排出状態を示す。なお、実際の遊技に際し、上流通路167には続々と遊技球Bが入ってくるが、図21(a)〜(c)では、5個の遊技球Bのみを図示している。
【0112】
図21(a)に示す初期状態では、ソレノイド181が非通電の状態にあるため取込用ゲート部材175の爪部175bは取込通路168内に突出しており、さらに排出用ゲート部材190が初期位置にあるため排出通路169の入口には通路遮蔽部191aが位置する。故に、取込用ゲート部材175及び排出用ゲート部材190を通じての遊技球Bの通過は許容されていない。つまり、上流通路167内の複数の遊技球Bのうち、先頭の遊技球が爪部175b及び通路遮蔽部191aにて支持された状態となっている。
【0113】
また、図21(b)に示す遊技球Bの取込状態では、ソレノイド181の通電により爪部175bが取込通路168外に引っ込んだ状態となる。これにより、遊技球Bが取込通路168内を流れて遊技球の取込が行われる。なお、上流通路167内を流下してくる遊技球Bは、通路遮蔽部191aに衝突し、その際通路遮蔽部191aにて流れの勢いが吸収されると共に一瞬停止状態となり、その後取込通路168へと流れる。このとき、取込通路168では前後する遊技球が互いに離間した状態で流下し、カウントセンサ201,202にて確実に遊技球Bの通過が検知される。
【0114】
さらに、図21(c)に示す遊技球Bの排出状態では、操作部材211が操作されることにより突起部192aが奥側へと押され、排出用ゲート部材190が奥側へと移動し、排出通路169の入口には球案内部191cが位置する。これにより、遊技球Bが排出通路169内を下流側に流れて遊技球排出が行われる。このとき、遊技球Bは、爪部175b上及び球案内部191c上を転がりながら通過する。
【0115】
上記構成の取込ユニット30においては、各取込装置35〜37のそれぞれで遊技球の取り込みが行われる。具体的には、例えば、15個の遊技球の取り込みが行われる場合には、全ての取込装置35〜37において、同時に取込用ゲート部材175が開放位置に動作し、遊技球の取り込みが一斉に開始される。この場合に、3個の取込装置35〜37のうち何れかの取込装置に遊技球が充填されていないとき又はソレノイド181が故障しているときには、故障等していない取込装置のみにより遊技球の取り込みが行われる。例えば、第1取込装置35や第3取込装置37に遊技球が充填されていないとき又はこれら取込装置35,37のソレノイド181などが故障しているときには、第2取込装置36において15個の遊技球の取り込みが行われることとなる。
【0116】
一方、上皿18及び取込装置35〜37内に貯留されている遊技球を下皿41へと排出する場合には、操作部材211が手動操作されることにより、排出用ゲート部材190が奥側へと移動し、全ての取込装置35〜37の排出通路169の入口が開放されることとなる。これにより、全取込装置35〜37を介して遊技球の排出が行われることとなる。
【0117】
なお、上記構成では、取込ユニット30を構成する取込装置35〜37の数は3個であったが、各取込装置35〜37はほぼ同様の構成をしており、さらに排出用ゲート部材190という1つの部材により各取込装置35〜37における排出通路169への遊技球の通過が阻止及び許容される構成となっているので、同様の構成の取込装置を第1取込装置35と第3取込装置37との間に配設し、さらに排出用ゲート部材190の通路遮蔽部191a及び球案内部191cの数を増やすことで、取込装置35〜37の数を4個、5個、又は6個以上と容易に増やすことができる。
【0118】
裏セット盤16の裏側には、遊技中の所定条件の成立時において遊技球の払出を行う払出機構が設けられている。すなわち、図5に示すように、裏セット盤16の裏側の最上部にはタンク25が設けられており、このタンク25には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク25の下方にはタンクレール26が連結され、更にタンクレール26の下流側にはケースレール27が連結されている。払出装置28はケースレール27の下流側に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が行われる。そして、払出装置28より払い出された遊技球は遊技球通路ユニット29を通じて前記上皿18に供給される。
【0119】
タンクレール26、ケースレール27、払出装置28等の払出機構は、後述するリールユニット70(実際には、同リールユニット70を包囲する保護カバー135)を迂回するようにして配置されている。また、図5(遊技機1の背面図)では右端の上下部分で前面枠3が開閉可能に軸支されており、前述の払出機構は軸側に配置されている。この場合、払出機構には多数の遊技球が貯留されその重量は自ずと大きくなるが、払出機構が軸側に設けられるため、前面枠3の開閉を支障なく行うことができるようになる。またこのとき、軸部材(ヒンジ31,32)にかかる重量負担が軽減されるため、同軸部材(ヒンジ31,32)を保護する効果も併せて得られる。払出機構と同様に前記取込装置35〜37も軸側に設けられていることから、遊技球の取り扱いに関する機構が全て軸側にまとめられ、遊技球の流れに関する不具合時の対応が容易になり、さらに前面扉4を開き不正に遊技球の払い出しや取り込みを行わせるといった行為を抑制することができる。
【0120】
取込装置35〜37が作動すると、それに伴い上皿18にある遊技球が所定個数ずつ受け入れられる。また、遊技中に所定条件が成立した場合には、払出装置28が作動し、これによりタンク25に貯留されている遊技球が、遊技球通路ユニット29等を介して基本的には上皿18に払い出される。
【0121】
一方、図1等に示すように、前面扉4の前面下方に設けた下皿ユニット5には下皿41が形成され、下皿ユニット5の奥方の側面には下皿排出口42が形成されている。前記上皿18等に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置28から遊技球が払い出される場合には、下皿排出口42を介して下皿41に遊技球が払い出される。下皿41に隣接して灰皿44が形成されている。
【0122】
前面扉4前面の膨出部よりなる操作部100は、その下面が台形状(凸状)に切り欠かれており(実際には、後述するストップボタン操作面113の下方部分が切り欠かれている)、この操作部100の下方空間(切り欠きによりできた空間)は、下皿41に貯まった遊技球を掻き出すために手を差し入れる空間でもある。
【0123】
下皿ユニット5には球抜き穴45が形成されており、球抜きボタン46を押すことで図示しない球抜き機構が連動し、下皿41に貯まった遊技球が球抜き穴45から下方に排出されるようになっている。
【0124】
環状部6のトップ部6aの下方には、上部パネル59が配設されている。上部パネル59は、透明性の合成樹脂により形成されており、その後面には機種名や遊技に関わるキャラクタなどが描かれた半透明性のフィルムが該キャラクタなどを遊技機前方から識別できるように貼り付けられている。そして、上部パネル59の内側には、該上部パネル59を内側から照らすための上部ライト59aが配設されており、この上部ライト59aの光によりフィルムに描かれたキャラクタなどが照らされるため、該キャラクタなどを遊技者が視認しやすい構成となっている。なお、透明性の上部パネル59に、上記機種名や遊技に関わるキャラクタなどが直接印刷されている構成であってもよい。また、上部パネル59は傾けて配設されていることにより、上部パネル59の前面は若干下方を向いた構成となっている。当該遊技機1で遊技を行う遊技者の目の高さは、上部パネル59の下縁付近に位置するので、上部パネル59の前面が下方に向いていると、当該上部パネル59の前面の視認性が向上する。
【0125】
上部パネル59の下方には、該上部パネル59よりも遊技機1の前方に張り出すようにして立体形状をなすケース体60が配設されている。当該ケース体60は、黒色に着色された合成樹脂により形成されており、また、その上端が上部パネル59の下端に沿うような形状となっており、左右両端が環状部6の左右の括れ部6bの内側部に沿うような形状となっており、さらに下端が上皿18の上端に沿うような形状となっている。そして、ケース体60は、上部パネル59、括れ部6b及び上皿18に囲まれる領域に配設されている。ケース体60は、上から順に上方傾斜部61と、枠部62と、下方傾斜部63と、奥壁64とからなり、枠部62が最も前方に張り出している。枠部62には、中央に開口が設けられており、当該開口には、透明性の合成樹脂により形成され、リールに付された図柄の一部を視認可能とする透明パネル65が配設されている。上述したように、ケース体60において枠部62が最も前方に張り出しているため、透明パネル65は上部パネル59よりも遊技機前方に位置する。ケース体60は、図4に示すように、リールユニット70のすぐ前方に位置しており、外枠2、前面枠3及び保護カバー135と共にリールユニット70の収容領域を形成している。そして、透明パネル65が上部パネル59よりも遊技機前方に張り出した構成であることにより、比較的サイズの大きいリールユニット70の配置が可能となっている。但し、透明パネル65が極端に遊技機前方に張り出した構成とならないようにするために、リールユニット70の奥側端部が保護カバー135の奥側端部付近に位置するようにリールユニット70が配置されており、さらに保護カバー135の奥側には制御基板などを配設していない。なお、リールユニット70の構成については、後に詳細に説明する。
【0126】
上方傾斜部61は、その上端が上部パネル59の下端に接しており、当該上部パネル59と枠部62及び当該枠部62に配設されている透明パネル65とを連結するような構成となっている。また、上方傾斜部61は、リールユニット70の手前側の上方に位置している。そして、黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、遊技ホールにおける天井照明や上部ライト59aなどからの光が上方傾斜部61により遮断される構成となっている。これにより、上記光がリールユニット70に照射され、その照射された位置にある図柄の視認性が低下するといったことが防止されている。仮に、このような光の透過を遮断する手段が不具備である構成の場合には、上記光がリールユニット70に照射され、その反射光により光が照射された位置の図柄の視認性が著しく低下することとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技者が透明パネル65を介して視認できる領域を通過する図柄を視認して、予め設定された有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべく所定のタイミングで図柄の変動を停止させることにより行われる。従って、図柄の視認性が低下することは、遊技興趣の低下を引き起こす要因となりかねない。これに対して、本実施の形態の構成であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、上方傾斜部61が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。また、上方傾斜部61の前面は、奥側から手前側に向けて下方に傾斜している。これにより、上部パネル59が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、当該上部パネル59に表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、上方傾斜部61の前面が上記のように傾斜しておらず、例えば、略水平である構成の場合には、上部パネル59の下縁と透明パネル65の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては上部パネル59に表示されている内容の一部が視認できなくなるおそれがあるからである。
【0127】
枠部62に配設されている透明パネル65は、平面状となっている。これにより、遊技ホールにおける天井照明などの光が透明パネル65において反射するのが防止されている。仮に、透明パネル65が曲面上の場合には、上記照明の光の反射が顕著に発生することとなり、図柄の視認性が著しく低下するおそれがあるが、本実施の形態では、このような不都合が生じるおそれはない。さらに、透明パネル65は、その前面が上方を向いている。これにより、図柄の視認性の向上が図られている。一方、枠部62は、上記のとおり黒色に着色された合成樹脂により形成されているので、リールユニット70周辺の構造が外部から視認できないようになっている。
【0128】
下方傾斜部63の前面は、枠部62の下端から奥側に向けて下方に傾斜している。そして、その奥側端部が奥壁64の上端に相当する。これにより、奥壁64を、透明パネル65に比してある程度奥側に配設することができる。即ち、図4に示すように、下方傾斜部63及び奥壁64の奥側には、リールユニット70の手前側下部が位置しており、当該部分は曲面状となっている。そして、当該曲面に合せるように下方傾斜部63を傾斜させることにより、奥壁64をリールユニット70に接触させない範囲で、できる限り奥側に配置することができる。また、下方傾斜部63の前面が上記のように傾斜していることにより、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、奥壁64に設けられている獲得数表示部122などに表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、下方傾斜部63の前面が、略水平である構成の場合には、透明パネル65の下縁と奥壁64の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては獲得数表示部122などに表示されている内容が視認できなくおそれがあるからである。また、下方傾斜部63が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。
【0129】
奥壁64は、下方傾斜部63の下端からほぼ鉛直下方に所定範囲に渡って延びており、その中央が開口されている。そして、この開口には、獲得数表示部122及び情報表示部123が設けられている。また、奥壁64の下方には、操作部100が前面に配設された上皿18が位置する。そして、奥壁64は、透明パネル65よりも奥側に位置し、さらに上皿18の奥行き方向の中央付近の上方に位置している。この構成であることにより、操作部100が遊技機前方へと突出するのを極力抑えつつ、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間が確保されている。仮に、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置しておらず、例えば、透明パネル65と同程度に遊技機前方に張り出している構成の場合には、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間を確保すべく、上皿18を遊技機前方へと膨出させる必要がある。この場合、上皿18の前方には操作部100が位置するので、結果的に操作部100を遊技機前方へと突出させることとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技機1の前方に配設された固定式の椅子に座っている遊技者が、遊技回毎に操作部100を操作することにより行われるので、操作部100を遊技機前方へと突出させると、遊技者の胴体と操作部100までの距離が短くなってしまい操作部100の各遊技回毎の操作が窮屈なものとなってしまう。これは、継続して遊技を行う遊技者にとっては大きな負担となるおそれがある。また、当該不都合を解消すべく、遊技機1と椅子との距離を長くすると、透明パネル65から遊技者の目までの距離が長くなってしまうので、図柄の視認性の低下を招くおそれがある。さらには、この場合、椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。また、操作部100が遊技機前方に突出すると、遊技ホールなどにおいて前面扉4を回動させたときの操作部100の先端の移動範囲が広くなってしまい、当該操作部100の先端が遊技者に当たってしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、奥壁64は、黒色に着色された合成樹脂により形成されている。これにより、遊技機1外部から内部構造が視認できないようになっている。
【0130】
また、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、ケース体60の背面には、これも同様にパネル状をなすフロントライト部材が重ね合わせるようにして取り付けられている。フロントライト部材は発光手段を構成するものであり、光源(ライト)と、光源からの光をパネル面に沿って導入しかつパネル面に略垂直な方向に反射させパネル外部へ発する透明な導光パネルとを有して構成されている。つまり、このフロントライト部材によればその後方に向けて略垂直に面発光が行われ、後述するベルトユニット70のベルト表面(図柄)が明るく照射されることとなる。この場合、透明パネル65による図柄の視認範囲に対して面発光が行われる。
【0131】
次に、表示装置としてのリールユニット70の構成を図3、図22、図23を用いて説明する。図22は、リールユニット70を遊技機本体から取り出して示す斜視図であり、同図には、当該リールユニット70の前面、すなわち図柄表示面を左手前側に示している。また、図23は、左リールの組立斜視図である。
【0132】
リールユニット70は、可変表示手段を構成し、前面扉4の裏側において前方より裏セット盤16に設置されている。即ち、ベルトユニット70は、金属製のベース80(ベース部材)を具備している。ベース80はリールユニット70の背面側の背面部80a、上側の上面部80b及び下側の下面部80cとよりなる。上面部80bの前側端部には、その端部の一部を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部81が2カ所設けられている。そして、それぞれの支持固定部81には、1個ずつ挿通孔81aが形成されている。一方、下面部80cの前側端部には、その端部の全体を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部82が設けられている。そして、当該支持固定部82には、両端に1個ずつ挿通孔82aが形成されている。リールユニット70の裏セット盤16への取り付け固定は、挿通孔81a,82aに挿通させたネジを裏セット盤16に螺着させることにより行われている。
【0133】
また、ベース80には、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール71、中リール72、右リール73が収容されている。各リール71,72,73は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール71,72,73の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール71,72,73の表面の一部は透明パネル65を介して視認可能な状態となっている。また、リール71,72,73が正回転すると、透明パネル65を介してリール71,72,73の表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0134】
これら各リール71,72,73は、それぞれがステッピングモータ74,75,76に連結されており、各ステッピングモータ74,75,76の駆動により各リール71,72,73が個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール71,72,73は同様の構成をしているため、ここでは左リール71を例に挙げて図23に基づいて説明する。
【0135】
左リール71は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ74の駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ74の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール71が円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
【0136】
左リール用ステッピングモータ74は、リールユニット70(図22)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール71と一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール71が1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主基板131に検出信号が出力される。従って、主基板131はこの検出信号に基づいて左リール71の角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
【0137】
ステッピングモータ74は例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ74の回転位置、すなわち左リール71の回転位置が制御される。
【0138】
各リール71,72,73の各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が透明パネル65から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を透明パネル65から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0139】
各リール71,72,73に付された図柄のうち、透明パネル65を介して全体を視認可能な図柄数は、主として透明パネル65の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール71,72,73がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
【0140】
さらに、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、本リールユニット70には、透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するためのバックライト(後方発光手段)が設けられている。このバックライトは蛍光ランプ等により構成され、各リールの内周側において透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するように配置される。
【0141】
ここで、各リール71,72,73に付される図柄について説明する。図24には、左リール71,中リール72,右リール73のそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール71,72,73にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール71,72,73に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール71,72,73に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0142】
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図24に示すように、各リール71,72,73に巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0143】
本実施の形態において、「7」図柄や「青年」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにビッグボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払い出しが行われるとともにレギュラーボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出は行われずリプレイゲームへの突入がなされるようになっている。
【0144】
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出が、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出が行われる。また、左リール71の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出が行われる。すなわち、中リール72及び右リール73の「チェリー」図柄は遊技球の払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係に遊技球の払出が行われるため、左リール71の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけの遊技球の払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では20個の遊技球の払出が行われる。
【0145】
図5に示すように、遊技機1の背面において裏セット盤16には、遊技に関する各種の制御を行うための主基板(制御装置)131が設置されている。主基板131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるIOポート、バッファとして機能する入出力ドライバ、各種抽選の際に用いられる乱数回路、リセット信号を出力するリセット回路等を含む制御回路基板より構成されている。
【0146】
同じく裏セット盤16には、保護カバー135に収容される形で各種ランプ8〜10,12,13やスピーカ11の制御を行うためのサブ制御基板132が設置されている。サブ制御基板132も同様に、CPU、ROM、RAM等を具備しており、主基板131からの制御信号を受信するが主基板131側には信号を送信しない一方向通信構成を採っている。裏セット盤16には主基板131と並ぶようにして投入払出制御基板136が設置されている。投入払出制御基板136もCPU、ROM、RAM等を備え、入出力バッファを介して主基板131と双方向通信構成を採っている。主基板131、サブ制御基板132及び投入払出制御基板136は、何れも透明又は非透明な制御基板ボックスに収容されており、かつ制御基板ボックスが封印された状態でそれぞれ裏セット盤16に固定されている。なお、リールユニット70は、ケース部材としての無色透明な保護カバー135内に収容されて一体化されている。
【0147】
裏セット盤16には、保護カバー135(リールユニット70)の側面に接するようにして、電源装置133が設置されている。電源装置133は、前述した主基板131、サブ制御基板132、投入払出制御基板136等の制御装置やその他払出装置28等に必要な電源を供給するための電源基板と、該電源基板を収容する無色透明な基板ボックスと、電源基板の内外で生じたノイズを排除するためのノイズ対策用の金属板とを具備し、それらが一体的に組み付けられて構成される。なお、裏セット盤16には、リールユニット70のすぐ横に縦長の凹部134が設けられており、この凹部134に電源装置133の側部が収容されるようになっている。これにより、電源装置133は、遊技機1の奥行き方向に延びる向きに縦長に配置された状態で取り付けられる。
【0148】
なお、主基板131、サブ制御基板132、電源基板133、投入払出制御基板136等の配置は、以上説明した配置に限定されるものではない。
【0149】
電源装置133には、電源スイッチやリセットスイッチや設定キー挿入孔などが設けられている。なお、電源スイッチは、主基板131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチは、遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。本遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。設定キー挿入孔は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔へ挿入して操作することにより、遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を例えば「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
【0150】
図25に示すように、本遊技機1の透明パネル65には、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。なお、遊技者に有効ラインを一層理解し易くするために、ベット数に応じて有効化されるラインを明示的に表示するライン表示部を設けてもよい。
【0151】
図1,図2に示すように、前記前面扉4の膨出部分に設けられた操作部100の左側には、各リール71〜73を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー101が設けられている。スタートレバー101は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。また、スタートレバー101の下側には操作部材211の操作片211aが配置されている。
【0152】
スタートレバー101の右側にはストップボタン操作面113が設けられ、そのストップボタン操作面113には、回転中の各リール71〜73を個別に停止させるためのストップボタン102,103,104が設けられている。各ストップボタン102〜104は、停止対象となるリール71〜73毎にそれぞれ設けられている。ストップボタン102〜104は、可変表示を停止させる停止手段、及び可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。なお、本実施の形態では、前記ストップボタン102〜104が押圧操作されないまま所定時間経過すると、前記リール71〜73が停止させられるよう構成されている。
【0153】
操作部100(前面扉4の膨出部分)の上面には平坦状の操作補助面105が形成されている。この操作補助面105は、その背後の上皿18を取り囲むようにしてアーチ状に設けられ、遊技機前面との間に上皿18と略同形状の開口部106が形成されている。前面扉4を閉じた状態では、この開口部106を介して上皿18が上方に開口する構造となっている。また、操作補助面105は、前方(手前側)に向けて下降するよう僅かに傾斜して設けられている。但し、その傾斜はなくてもよいし、逆に後方に向けて下降する傾斜であってもよい。
【0154】
ここで、操作補助面105においてストップボタン102〜104(ストップボタン操作面113)の直上部分は、その前後方向の幅が略均一であり、操作補助面105の後方縁部(図1のL部)は直線状に構成されている。この場合、遊技者が各ストップボタン102〜104を親指で押圧操作することを想定すると、人差し指や中指など他の指を操作補助面105の後方縁部(L部)にかけるようにするとよい。その状態で手を左右に移動することにより、操作補助面105上を沿うようにして、各ストップボタン102〜104を連続的に押圧操作することができるようになる。言い換えれば、上皿部分に指をかけて上記押圧操作を行うことができる。要するに、操作補助面105が平坦でありかつその後方縁部が直線であるため、その操作補助面105を利用し、各ストップボタン102〜104の連続的な押圧操作を素早くかつスムーズに実施することができる。
【0155】
また、上皿18(本実施の形態では特に図5等に示す副上皿部18b)には、操作補助面105側を幾分高くするようにして段差や傾斜を設けておくようにしてもよい。すなわち、上皿18の前方が高く、後方が低くなるよう高低差を設けておく。これによれば、上皿18内に遊技球が貯留されたとしても多くは上皿18の低い部位(すなわち、操作補助面105から離れた部位)に貯まることとなる。それ故、上皿18を指かけ部として利用する場合に、指と遊技球とが干渉するといった不都合が回避できる。
【0156】
スタートレバー101の上方(すなわち、遊技者にとっては左手側)において、操作部100の操作補助面105には、遊技球を受け入れるための入力操作手段を構成するボタン状のベットスイッチが設けられている。本実施の形態では、ベットスイッチとしてマックスベットスイッチ109が設けられている。
【0157】
マックスベットスイッチ109には、操作が有効に受け付けられる状態であることを報知する発光体(発光部材)が設けられている。発光体はマックスベットスイッチ109のボタン押圧部に内蔵されており、発光体の発光に伴い当該ボタン押圧部が発光する構成となっている。発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に点灯(又は点滅)し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に消灯する。或いは、発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に赤色で発光し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に青色で発光するものであっても良い。
【0158】
マックスベットスイッチ109は、1回押圧操作される毎に、上皿18の遊技球が「15個」ずつ取込装置35〜37により受け入れられる。これにより、前記5本の有効ラインがすべて有効化される。そして、この状態が最大ベット状態である。つまり、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の遊技球の受け入れは行われないようになっている。従って、本実施の形態では最大ベット状態となった上で、さらにマックスベットスイッチ109が押圧操作された場合には、該操作が無効化されるようになっている。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のジャックインゲームにあっては、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が受け入れられるようになっている。この場合、前記5本の有効ラインのうちの中央ラインのみが有効化される。
【0159】
さらに、前面扉4の表示部63には、獲得遊技球の個数を表示する獲得数表示部122と、ビッグボーナスゲーム中の情報(例えばゲーム回数等)を表示するための情報表示部123とがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、これら各表示部122,123は3桁の7セグメント表示器によって構成されているが、桁数は特に限定されるものではないし、液晶表示器等によって代替することも当然可能である。
【0160】
なお、遊技機1(前面扉4)の上部には、ビッグ報知部、リプレイ報知部、小役報知部等の各種報知部(図示略)が適宜設けられるとよい。これら各種報知部は遊技機1の上部以外の場所に設けてもよいし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。また、かかる報知部として環状部6,7を利用してもよい。例えば、ビッグ報知部は、各リール71〜73の停止時に「7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部は、各リール71〜73の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部は、各リール71〜73の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄等が有効ライン上に揃った場合、所定数の遊技球を獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。なお、これら各報知部は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、遊技機1(前面扉4の上部)に備えられるスピーカ11によって音声により報知してもよい。
【0161】
図26は、主基板131等の電気的構成を説明するブロック図である。同図に示すように、電源装置133(電源基板)からの電源は、主基板131へ供給される。また、サブ制御基板132、投入払出制御基板136その他にも直接又は間接的に電源が供給される。なお、電源装置133に設けられたリセットスイッチ138の操作に基づく各種信号は主基板131及び投入払出制御基板136に送信され、これにより、前記した球抜き処理等が実行される。
【0162】
主基板131の入力側には、マックスベットスイッチ109の押圧操作を検出するマックスベット検出センサ109a、スタートレバー101の操作を検出するスタート検出センサ101a、各ストップボタン102〜104の操作を個別に検出するストップ検出センサ102a,103a,104a、各リール71〜73の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55等の各種センサが接続されている。
【0163】
主基板131の出力側には、リールユニット70に搭載されたステッピングモータ74〜76並びに表示部63に設けられた獲得数表示部122及び情報表示部123が接続されている。
【0164】
また、主基板131と投入払出制御基板136とは、双方向通信することができるように接続されている。従って、主基板131からのコマンドを投入払出制御基板136が受信したり、投入払出制御基板136からの信号を主基板131が受信することができる。また、投入払出制御基板136には取込装置35〜37、払出装置28が接続されている。なお、取込装置35〜37に設けられているソレノイド181,221は、投入払出制御基板136から信号を入力することで本体部181a,221aが通電され、出力軸181b,221bが駆動することとなる。
【0165】
さらに、主基板131の出力側には、サブ制御基板132が接続されている。サブ制御基板132の出力側には、発光体8,9、各ランプ表示部10,12,13、スピーカ11が接続されている。主基板131からは、サブ制御基板132に対しその時々の遊技情報が信号として送信されるようになっている。各遊技情報に関する信号を入力したサブ制御基板132では、各種信号に基づき、自身の制御プログラムに基づき、種々の演出を実行する。なお本実施の形態では、サブ制御基板132により、「発光体制御手段」、「フロントライト制御手段」、「バックライト制御手段」、「音声制御手段」等が構成される。因みに、発光体制御とは、環状部6,7内の発光体8,9を一方向又は双方向に周回させたり、同発光体8,9を一斉に点灯させたりする制御を言う。また、バックライト制御とは、バックライトを遊技状況に合わせて点灯させたり点滅させる制御を言う。また、音声制御とは、スピーカ11に所定の音声を発生させる制御を言う。
【0166】
次いで、遊技機1における通常の遊技を実現する手段について説明する。この説明においては、主基板131等が備える機能実現手段の集合体としてとらえて説明する。すなわち、以下に説明する各種機能は主基板131のCPUを中心とした制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施の形態の遊技内容を把握する上で必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
【0167】
主基板131は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行い、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役の抽選は、他の抽選とともに、遊技球の受入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して受入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
【0168】
主基板131は、「小役制御手段」を備えている。小役制御手段は、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御(スベリ制御とも言う)を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる。
【0169】
主基板131は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
【0170】
主基板131は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール71〜73の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
【0171】
主基板131は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
【0172】
主基板131は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各リール71〜73の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定の遊技回数(ここでは30回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技から特別遊技状態たるビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
【0173】
主基板131は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナスゲーム中にのみ有効化され、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄(例えば「スイカ」図柄)を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。
【0174】
また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のボーナスゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
【0175】
ここで、ジャックインゲームについて説明する。ジャックイン図柄が有効ラインに停止すると、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のうちの特殊なゲームであるジャックインゲームに移行し、その後元のビッグボーナスゲームに復帰する。該ジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。該ジャックインゲーム中においては、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール71〜73を制御するものであり、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のボーナスゲームは終了する。
【0176】
ここで、ビッグボーナスゲームは、前記所定の遊技回数(30回)内で所定回数(例えば3回)を上限とするジャックインが可能であり、ビッグボーナスゲーム中のジャックイン中における遊技回数は前記30回の回数には加算されないようになっている。そして、ビッグボーナス制御手段は、前記所定の遊技回数(30回)内であっても、前記所定のボーナスゲームが所定回数(3回)終了した時点(3回目のジャックインによる所定のボーナスゲーム終了時点)でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
【0177】
主基板131は、「リール制御手段」及び「記憶手段」を備えている。リール制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各リール71〜73を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール71〜73の停止位置を制御するものである。
【0178】
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。
【0179】
具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄又は「BAR」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
【0180】
次に、以上の構成からなる遊技機1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
【0181】
遊技の開始に際し、上皿18に遊技球が十分にあることを条件に、遊技者がマックスベットスイッチ109を押圧操作することにより実際の遊技球が受け入れられる。すなわち、マックスベットスイッチ109の有効操作が可能な状態(具体的には、マックスベットスイッチ109に設けた発光体が点灯した状態)で、当該スイッチ109が押圧操作されると、それがマックスベット検出センサ109aにより検出され、その検出信号が主基板131に入力される。そして、主基板131がマックスベット検出センサ109aの検出信号を有効に受け付けることにより、主基板131は投入払出制御基板136に対してその旨のコマンドを出力し、当該投入払出制御基板136は取込装置35〜37に対してその時のベット数相当の遊技球を受け入れるよう指令する。これにより、取込装置35〜37が駆動されて上皿18から遊技球が受け入れられる。例えば、15個以上の遊技球が上皿18にある場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されると、上皿18上の15個の遊技球が取込装置35〜37によって取り込まれる。そして、マックスベットスイッチ109の押圧操作により上下ライン、中央ライン及び左右の斜めラインからなる5ラインが有効化される。但し、ビッグボーナス時のジャックインゲームにおいては、マックスベットスイッチ109が押圧操作されても、5個の遊技球のみが取込装置35〜37によって取り込まれ、中央ラインの1ラインのみが有効化される。
【0182】
上記の如く遊技球の取り込みが行われ、5ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバー101を操作すると、その操作がスタート検出センサ101aによって検出され、その検出信号が主基板131に入力される。このとき、スタートレバー101の有効操作が可能な状態であれば、主基板131はスタート検出センサ101aの検出信号を有効に受け付け、スタートレバー101の操作があったことを判断する。また、これとともに、その旨の情報をサブ基板132へと送信する。そして、主基板131は、全てのリール71〜73を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、ステッピングモータ74〜76を駆動制御する。その結果、各リール71〜73は、遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程度の速度で一方向に回転し、透明パネル65を介して各図柄が上から下へ向かって可変表示されているよう映し出される。
【0183】
また、前記スタートレバー101の操作に基づく検出信号が主基板131に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、ビッグボーナス抽選手段による各抽選が行われる。
【0184】
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。すなわち、小役フラグ及びリプレイフラグは次ゲーム以降に持ち越されることはない。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
【0185】
以上の各抽選手段による抽選が終了した後、遊技者がストップボタン102〜104を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ102a〜104aによって個別に検出され、各検出信号を受けて主基板131は各ストップボタン102〜104の操作があったことを判断する。すると、主基板131は、操作された各ストップボタン102〜104に対応したリール71〜73を個別に停止させるべく、各ステッピングモータ74〜76を停止制御する。
【0186】
これら各リール71〜73の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、主基板131の記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインからリール回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる(引き込み停止制御)。その結果、遊技者が熟練していなくとも主基板131によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。
【0187】
なお、所定のタイミング(例えば第1番目のストップボタン102、103又は104が押圧されたタイミング)において、サブ基板132は、発光体8,9、ランプ表示部10,12,13、スピーカ11等を用いて各種の補助表示を行い、リーチ演出表示等を実行する。
【0188】
各リール71〜73の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、主基板131は各停止図柄の組合せに応じて払い出される遊技球数を獲得数表示部122に表示させる。
【0189】
また、主基板131は、獲得数表示部122への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球を遊技価値として払い出すための払出制御を行う。かかる場合、原則として主基板131が投入払出制御基板136にコマンドを送信し、当該コマンドに基づいて投入払出制御基板136が払出装置28を駆動制御することにより、上皿18等へ直接的に現実の遊技球として遊技球の払出が行われる。
【0190】
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。ここで、本実施の形態の遊技機1では、ビッグボーナスゲームの終了条件として、所定回の遊技(30ゲームの終了又は3回のジャックインゲームの終了)の他、払出遊技球数が上限値(具体的には2250個)に達したか否かという条件も含まれるように構成されている。従って、30ゲーム又は3回のジャックインゲームの終了を待たずして払出遊技球数が上限値である2250個に達すると、そこでビッグボーナスゲームが終了されるようにして、必要以上に射幸性をあおらないようにしている。
【0191】
なお、小役図柄、リプレイ図柄、ビッグボーナス図柄等が有効ライン上に揃った場合、サブ基板132は、発光体8,9や、各ランプ表示部10,12,13等を表示制御して小役成立や、リプレイゲームへの移行や、ボーナスゲーム成立を表示報知するとともに、スピーカ11を適宜駆動制御して音声報知する。なお、これらスピーカ11による音声報知は、遊技者への遊技価値返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲームではめまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
【0192】
次に、主基板131内のCPUにより実行される各制御処理を説明する。かかる主基板131の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。ここでは、まずNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを簡単に説明し、その後メイン処理を詳細に説明する。
【0193】
停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置133から主基板131のCPUに設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号が出力される。これに伴い、主基板131がNMI割込み処理を起動する。NMI割込み処理において、主基板131は、使用レジスタのデータをRAMのバックアップエリアに退避させる退避処理や、停電フラグをRAMの停電フラグ格納エリアにセットするフラグセット処理等を実行する。
【0194】
また、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。このタイマ割込みにおいて、主基板131は、先ず停電フラグがセットされているか否かを判別し、セットされていれば停電時処理を実行する。この停電時処理として、主基板131は、CPUのスタックポインタの値やRAM判定値をRAMのバックアップエリアに保存する。なお、RAM判定値とは、具体的にはRAMの作業領域アドレスにおけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAMのチェックサムは0となる。RAMのチェックサムを0とすることによりそれ以後のRAMアクセスが禁止される。
【0195】
また同じくタイマ割込処理において、主基板131は、以下の処理を順次実行する。すなわち、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理、各リール71〜73を回転させるためのモータ制御処理、各種センサ(図26参照)の状態を監視するセンサ監視処理、各種カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理、ベット数や払出数をカウントするカウンタ処理、サブ基板132へコマンドなどを送信するコマンド出力処理、獲得数表示部122や情報表示部123にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理、該セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理などを順次実行する。
【0196】
次に、電源投入後に実行される主基板131でのメイン処理を、図27に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された際に実行される。
【0197】
先ずステップS101では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
【0198】
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS102ではリセットスイッチ138がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ138がオン操作されている場合にはステップS103に進み、RAMクリア処理としてRAMに記憶されたデータを全てクリアする。
【0199】
その後、ステップS104では設定キーが設定キー挿入孔に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS105に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAMに記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された複数段階の設定状態(例えば「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
【0200】
ステップS106では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS103又はステップS105にてRAMのデータがクリアされている場合には、後述する通常処理に進み、本処理を終了する。
【0201】
ステップS106において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS108以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS103のRAMクリア処理、ステップS105の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAMのデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAMのデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。そのためにまず、ステップS108ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAMのチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAMのデータは正常であると判定する。
【0202】
ステップS108においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値がゼロでなかったときには、RAMのデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS109にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチがON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0203】
ステップS108においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS110に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPUのスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS111において、復電処理時に使用する復電コマンドをサブ基板132に送信する。その後、ステップS112にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS113にてスタート検出センサ101a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS114にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、前記タイマ割込みのウォッチドッグタイマクリア処理が実行されることとなる。
【0204】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図28のフローチャートに基づき説明する。
【0205】
先ずステップS201では、マックスベットスイッチ109が操作されたか否かを判定する。マックスベットスイッチ109が操作されたときには、続いてステップS202にてスタートレバー101が操作されたか否かを判定する。ステップS201,S202が共にYESの場合には、ステップS203の抽選処理、ステップS204のリール制御処理、ステップS205の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS201に戻る。一方、ステップS201にてマックスベットスイッチ109が操作されていない、またはステップS202にてスタートレバー101が操作されていない場合には、ステップS201に戻る。
【0206】
以下、ステップS203の抽選処理、ステップS204のリール制御処理を、図29、図30のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS206の特別遊技状態処理では、ビッグボーナスフラグの成立に伴いビッグボーナスゲームが実行されるが、その遊技内容については概ね既述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0207】
先ずステップS203の抽選処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
【0208】
ステップS301では、遊技機1の現在の設定状態や小役確率の高低等に基づき、当否判定用の乱数テーブルを選択する。ここで、遊技機1の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。なお、当否判定用の乱数テーブルは、上述した以外のものが設定されている構成であってもよく、また、設定状態に基づくテーブルのみが設定されている構成であってもよい。
【0209】
ステップS302では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー101が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS303にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS304に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS305ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAMのスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン102〜104が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリール71〜73をどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
【0210】
次に、ステップS204のリール制御処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。
【0211】
リール制御処理では、先ずステップS401においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、マックスベットスイッチ109の操作後にスタートレバー101が操作されたとしても、直ちに各リール71〜73が回転しないことがある。
【0212】
ウエイト処理に続いてステップS402のリール始動処理を行い、各リール71〜73を回転させる。その後、ステップS403では、ストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS404に進み、予め定められた各リール71〜73の最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS403に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS405に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
【0213】
一方、ステップS403にてストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS406に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップボタンに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAMのスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS405の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
【0214】
続いて、ステップS407では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS408に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「ベル」図柄を揃えようとしたときに左リール71にて「チェリー」図柄が中ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0215】
一方、ステップS407で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS409に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップボタンが押圧操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS410に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ11から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。
【0216】
そして、ステップS405の強制停止処理の後、ステップS408のスベリテーブル変更処理の後、ステップS409にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS410の停止目判定処理を行った後には、ステップS411にて全てのリール71〜73の回転が停止したか否かを判定する。ステップS411がNOの場合にはステップS403に戻り、YESの場合には続くステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときには払出予定数が0である旨のコマンドを投入払出制御基板136に対して出力し、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときにはランプ表示部10等によりエラー表示を行うと共に払出予定数が0である旨のコマンドを投入払出制御基板136に対して出力する。一致しているときには当選役に対応した払出予定数(本実施の形態では、最大75個)の情報が内在したコマンドを投入払出制御基板136に対して出力する。投入払出制御基板136は主基板131から上記コマンドを入力すると、当該コマンドをRAMに格納する。このコマンドにより投入払出制御基板136は、払出予定数を判断する。
【0217】
次に、投入払出制御基板136のCPUにおいて実行される遊技球投入処理について、図31のフローチャートに基づき説明する。
【0218】
遊技球投入処理では、先ずステップS501にて主基板131からマックスベットスイッチ109が押圧操作された旨のコマンドを入力したかどうかを判定する。その結果、当該コマンドを入力していなかった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、上記コマンドを入力していた場合には、ステップS502に進み、排出用ゲート部材190のリンク機構215を駆動制御するソレノイド221に信号を出力する。これにより、ソレノイド221が通電され、操作部材211が操作された場合における排出用ゲート部材190への動作の伝達が阻止される。その後、ステップS503にて取込用ゲート部材175の駆動源であるソレノイド181に信号を出力する。これにより、取込用ゲート部材175が駆動し、遊技球の取り込みが許可される。
【0219】
その後、ステップS504に進み、取込カウンタがカウントした取込数と、RAMに格納したコマンドから判断される取込予定数とが一致しているか否かを判定する。取込数と取込予定数とが一致していないときには、ステップS505にて主基板131からセンサユニット200が遊技球を検知した旨のコマンドを入力したかどうかを判定する。その結果、当該コマンドを入力していなかった場合には、当該コマンドを入力するまで待機する。一方、当該コマンドを入力していた場合には、ステップS506に進み、取込数を1インクリメントする。その後、ステップS504に戻る。ステップS504で取込数と取込予定数とが一致していたときには、ステップS507にてソレノイド181への信号の出力を停止する。これにより、遊技球の取り込みが阻止される。そしてその後、ステップS508にてソレノイド221への信号の出力を停止する。これにより、排出用ゲート部材190への動作の伝達が許容される。その後、本処理を終了する。
【0220】
また、投入払出制御基板136においては、上記遊技球投入処理と並行して遊技球払出処理を実行する。そこで、以下に遊技球払出処理について図32を用いて説明する。
【0221】
遊技球払出処理では、先ずステップS601にて払出数カウンタがカウントした払出数と、RAMに格納されたコマンドから判断される払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS602にて払出装置28を駆動して遊技球を上皿18に払い出す。このとき、ステップS602では払出装置28に設けられた払出検出センサの検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。また、この際、主基板131に対して払出数を1インクリメントした旨のコマンドが出力され、主基板131は獲得数表示部122の表示数を1インクリメントする。そしてその後、ステップS601に戻る。ステップS601で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS604にて払出装置28を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数は払出予定数分の遊技球を払い出したときにリセットされる。また、この際、払出数をリセットした旨のコマンドが主基板131に対して出力され、主基板131は獲得数表示部122の表示をリセットする。
【0222】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0223】
取込装置35〜37内における排出通路169の遊技球の通過を阻止又は許容する排出用ゲート部材190を、操作部材211及びリンク機構215により遊技機1の外側から手動操作可能な構成とすることにより、排出通路169を介しての遊技球の排出を好適に行うことができる。即ち、排出用ゲート部材190の駆動機構を電気的に設けた構成においては、例えば、当該駆動機構に故障等が発生した場合には遊技球の排出を行うことができなくなってしまう。また、遊技機1の電源が切られた状態においては、電気的な駆動機構を駆動させることができないため、取込装置35〜37内に遊技球が残っていても当該遊技球を簡易的に取り出すことができない。
【0224】
なお、排出用ゲート部材190を手動操作する操作手段として操作部材211及びリンク機構215を設ける構成とすることにより、操作手段の設計や配置位置などといった構成の自由度を高めることができる。また、操作部材211が左右方向に操作されるのに対してリンク機構215が前後方向にスライド動作する構成とすることにより、操作部材211が手動操作される距離に対するリンク機構215をスライド動作させる距離の設定を好適に行うことができる。
【0225】
上記のような構成において、リンク機構215を駆動制御するソレノイド221が設けられており、取込通路168の遊技球の通過が許容されている場合にはソレノイド221を駆動させ操作部材211の動作が排出用ゲート部材190に伝達されない構成となっている。これにより、取込通路168の遊技球の通過が許容されている場合に、排出通路169の遊技球の通過が許容されることが防止される。よって、排出用ゲート部材190を手動操作可能とした構成において、遊技球の取り込みを好適に行うことができる。例えば、取込通路168の遊技球の通過が許容されている場合に排出通路169の遊技球の通過が許容されると、遊技者によりマックスベットスイッチ109が操作されているにも拘らず遊技球の取り込みが行われないといった不都合が発生し得る。また、本実施の形態では、遊技球が取込通路168側に流れる際には、通路遮蔽部191aはあたかも通路壁の一部を構成する。この構成において、遊技球の取り込みが許容されている場合に排出通路169を介しての遊技球の排出が許容されると、遊技球の流れが不安定になり取込通路168を通過する遊技球の検知を精度良く行うことができなくなってしまう。
【0226】
また、ソレノイド221がリンク機構215を駆動することにより、操作部材211の動作の伝達を阻止する構成とすることにより、遊技球の取り込みが許容されている状況下においても操作部材211を操作位置に移動させることはできる。これにより、操作部材211に極端な負荷が加えられるのを抑制することができる。即ち、遊技球の取り込みが許容された場合に操作部材211を操作位置に移動させることができなくなる構成においては、操作部材211を何とか操作しようとして極端な負荷が加えられるおそれがあるからである。そして、操作部材211に極端な負荷が加えられると操作部材211の破損等の原因になり得る。
【0227】
また、リンク機構215は第1リンク部材216と第2リンク部材217とを主要構成部品として備えており、遊技球の取り込みが許容された場合には、ソレノイド221が第2リンク部材217を上方へと回動させることで操作部材211の動作の伝達を阻止する構成となっている。これにより、ソレノイド221にかかる重量負荷を軽減することができる。
【0228】
また、排出通路169の遊技球の通過が許容されているときに、遊技者等によりマックスベットスイッチ109の操作が行われた場合には、操作部材211の動作の伝達を阻止することで排出通路169の遊技球の通過を阻止する構成とすることにより、遊技球の取り込みを優先して行わせることができる。
【0229】
また、取込装置35〜37(遊技球通路165)を複数設ける構成とすることにより、各遊技回毎の遊技球の取り込みに要する時間を短縮化することができる。当該遊技機1においては、所定個数(例えば、15個)の遊技球の取り込みが完了したことを条件としてリール71〜73の回転が許容されるので、遊技球の取り込みに要する時間は遊技の強制的な中断時間となってしまう。そして、この遊技の強制的な中断時間が長くなると、遊技者に退屈感を与える要因となるおそれがあり、さらには当該遊技機の単位時間当たりの遊技回数(遊技の進行速度)が減少してしまうおそれがある。これに対して、本構成であれば、この強制的な中断時間を短くすることができるのできる。
【0230】
また、取込装置35〜37が複数設けられている構成において、排出用ゲート部材190により各取込装置35〜37の排出通路169を介した遊技球の排出をまとめて阻止又は許容する構成とすることにより、各取込装置35〜37内に配設される部材数を減少させることができる。排出通路169を介した遊技球の排出を阻止又は許容する部材を、各取込装置35〜37に対して個別に設ける必要がないからである。これにより、各取込装置35〜37が小型化されるので、複数の取込装置35〜37を設ける構成において、遊技機1内部における取込装置35〜37を配置するための空間の縮小化を実現することができる。また、構成の簡略化を図ることができ、さらには部材数が減少することに伴って部材管理や製造コストという面から好適なものとなる。
【0231】
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
【0232】
(1)排出用ゲート部材190の駆動機構の構成を変更してもよい。ここでは、図33、図34及び図35を用いながら上記実施の形態との相違点についてのみ説明する。図33は、排出用ゲート部材190の駆動機構の別の構成を側方から見た場合の説明図であり、図34及び図35は、排出用ゲート部材190の駆動機構の別の構成を上方から見た場合の説明図である。
【0233】
上記実施の形態では、伝達部材としての第1,第2リンク部材216,217のうち排出用ゲート部材190側のリンク部材を電動アクチュエータ(ソレノイド221)で上方に持ち上げることで操作部材211の動作の伝達を阻止する構成としたが、この構成に代えて、図33(a),(b)に示す構成では、操作部材211側のリンク部材を電動アクチュエータで上方に持ち上げることで操作部材211の動作の伝達を阻止する構成とする。即ち、伝達部材としての第1リンク部材231及び第2リンク部材232のうち、操作部材211側に位置する第1リンク部材231の上方にソレノイド233が設けられている。また、ソレノイド233の出力軸233bの先端には上記実施の形態と同様に断面略コ字状のガイド234が設けられている。そして、ガイド234に第1リンク部材231が保持されている。この場合に、図33(a)に示す状態において取込通路168の遊技球の通過が許容されると、ソレノイド233の本体部233aが通電され、図33(b)に示すように、出力軸233bが上方へと移動する。そして、これに伴って第1リンク部材231が上方へと移動する。従って、操作部材211が操作されたとしても、その動作が排出用ゲート部材190へと伝達されず、排出通路169を介しての遊技球の排出は阻止された状態に保持される。
【0234】
また、図34(a),(b)に示す構成では、伝達部材としての第1,第2リンク部材216,217が支軸ピン219により連結されている構成に代えて、第1,第2リンク部材236,237が連結されていない構成とする。そして、ソレノイド238は、出力軸238bが図の左右方向に伸縮するようにして、第2リンク部材237の横に配置されている。ソレノイド238の先端にはガイド239が設けられており、第2リンク部材237はガイド239に保持されている。この場合に、図34(a)に示す状態において取込通路168の遊技球の通過が許容された場合には、ソレノイド238の本体部238aが通電され、図34(b)に示すように、出力軸238bが図の右方へと移動することで第2リンク部材237も右方へと移動する。従って、操作部材211が操作されたとしても、その動作が排出用ゲート部材190へと伝達されず、排出通路169を介しての遊技球の排出は阻止された状態に保持される。本構成であれば、ソレノイド238の出力軸238bが左右方向に動作する構成であるので、上記実施の形態よりもソレノイド238の駆動負荷を軽減することができる。
【0235】
また、図35に示す構成では、操作部材211がスライド式に設けられている構成に代えて、押し出し式に設けられている構成とする。即ち、前面扉4よりも遊技機外側に突出するようにして設けられる操作部材241と、この操作部材241に対して回動可能に連結して設けられ操作部材241の動作を排出用ゲート部材190に伝達する伝達部材242とから排出操作手段を構成する。そして、操作部材241を遊技機奥側へと押圧操作することにより、排出通路169を介しての遊技球の排出が行われる。また、伝達部材242の上方にはソレノイド221が設けられており、ソレノイド221の先端に設けられたガイドに伝達部材242が保持されている。そして、取込通路168の遊技球の通過が許容された場合には、ソレノイド221が駆動することで伝達部材242が上方へと移動する。従って、操作部材241が操作されたとしても、その動作が排出用ゲート部材190へと伝達されず、排出通路169を介しての遊技球の排出は阻止された状態に保持される。本構成であれば、排出用ゲート部材190の操作手段の構成を上記実施の形態よりも簡略化することができる。
【0236】
(2)第1リンク部材216と第2リンク部材217とが一体もののリンク部材として設けられている構成であってもよい。この場合、ソレノイド221がリンク部材を持ち上げることにより、操作部材211の動作の伝達を阻止する構成となる。
【0237】
(3)上記実施の形態では、第2リンク部材217の位置を変化させることで操作部材211の動作が伝達可能な状態から伝達不可能な状態に切替えられる構成であったが、これを変更してもよい。例えば、第2リンク部材を載置部214上で上下方向を軸線として回転可能な構成とし、さらに第2リンク部材に凹部を形成する。そして、伝達可能状態においては操作部材211が操作されると第1リンク部材が第2リンク部材の凹部以外の部分に当接し操作部材211の動作が排出用ゲート部材190に伝達される構成とする。一方、伝達不可状態においては凹部が第1リンク部材と対向するよう第2リンク部材が回転し、操作部材211が操作されると第1リンク部材が凹部内に入り込み、操作部材211の動作が排出用ゲート部材190に伝達されない構成とする。
【0238】
(4)上記実施の形態では、第2リンク部材217を回動させる手段がソレノイド221であったが、それ以外にステッピングモータ等、他の駆動手段を用いることも可能である。
【0239】
(5)上記実施の形態では、取込装置35〜37が複数連設されている構成であったが、取込装置が1個のみ設けられている構成であってもよい。この場合であっても上記実施の形態のように排出用ゲート部材を操作手段を介して手動操作可能とすることにより、排出通路を介しての遊技球の排出が好適に行われる。また、取込装置の数が少なくなると、上記実施の形態よりも所定数の遊技球の取り込みに要する時間が長くなる。そして、当該時間が長くなると、遊技球の取り込みが行われている状況下において操作手段が操作される可能性が高くなる。この場合に、操作阻止手段が設けられていることにより、遊技球の取り込みを支障なく行わせることができる。
【0240】
また、取込装置が2個、4個又は5個以上設けられている構成であってもよい。この場合においても、操作手段及び操作阻止手段を設けることにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0241】
(6)取込通路168の遊技球の通過が許容されたときに排出通路169の遊技球の通過が阻止される構成であれば、図31に示す遊技球投入処理のフローチャートは上記実施の形態とは異なるものであってもよい。例えば、操作部材211が操作されたことを検知するセンサ装置を設ける。また、遊技球投入処理では、ステップS501の後に操作部材211が操作されたことをセンサ装置が検知したか否かを判定する。そして、検知していた場合にはステップ502以降の処理を行い、検知していなかった場合にはそのまま遊技球投入処理を終了する。本構成であれば、遊技者等によりマックスベットスイッチ109が操作される度にソレノイド221を駆動させる必要がないので、ソレノイド221の駆動頻度が低減される。よって、ソレノイド221の故障等の発生を抑制することができる。
【0242】
(7)上記実施の形態では、取込装置35〜37が投入払出制御基板136により制御される構成であったが、主基板131により制御される構成としてもよい。
【0243】
(8)上記実施の形態の遊技機1では、ベット操作手段としてマックスベットスイッチ109のみが配設されている構成であったが、1ベットスイッチや2ベットスイッチも配設されている構成であってもよい。つまり、通常遊技において、1ベット遊技や2ベット遊技を行うことができる構成とする。
【0244】
(9)上記実施の形態の遊技機1は、クレジット機能(仮想遊技媒体の記憶機能)を持たない構成としたが、このクレジット機能を持つ構成としても良い。
【0245】
(10)補助演出用の情報付与手段を遊技機1に設置する構成としてもよい。同情報付与手段は、例えば、リールユニット70の前面側にて当該リールユニット70に一体化して設置したり、ケース体60において透明パネル65の近傍(左右上下のいずれか)に設置したり、ケース体60よりも上方に設置したり、環状部6のうちトップ部6aに設置したりすればよい。情報付与手段としては、電気的表示装置の一種たる液晶表示装置を用いることが可能であり、さらに他の電気的表示装置、例えばCRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。また、電気的表示装置以外にも、スピーカ等の音声発生装置を用いてもよく、これにより遊技者に対してダイナミックな音声演出が可能となる。さらに、音声発生装置たるスピーカ11と表示装置との組み合わせとして情報付与手段を構成してもよい。
【0246】
(11)上記実施の形態では、リール71〜73は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材であり、その外周面に図示しない帯状のベルトが巻回される構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。また、円筒骨格部材を設けずに外周面に図柄が付された帯状のベルトをリール71〜73の変わりに用いる構成としてもよい。
【0247】
(12)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの受入数(所定数)、最大受入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0248】
1…遊技機、2…外枠、3…前面枠、4…前面扉、35〜37…取込装置、28…払出装置、70…リールユニット、71〜73…リール、101…スタートレバー、102〜104…ストップボタン、109…マックスベットスイッチ、131…主基板、161,162…ハウジング部材、167…導入通路としての上流通路、168…取込通路、169…排出通路、175…取込用ゲート部材、181…ソレノイド、190…排出用ゲート部材、195…付勢手段としてのバネ、200…センサユニット、211…操作部材、211a…突起、211b…押し出し部、215…伝達部材としてのリンク機構、216…第1伝達部材としての第1リンク部材、217…第2伝達部材としての第2リンク部材、221…操作阻止手段を構成するソレノイド、222…ガイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を取り込む取込通路と、該取込通路から分岐する排出通路と、前記取込通路の遊技球の通過を阻止又は許容する取込用阻止許容部材と、前記排出通路の遊技球の通過を阻止又は許容する排出用阻止許容部材とを有する取込装置を備え、該取込装置により所定数の遊技球が取り込まれた場合に遊技の開始を許容する遊技機において、
遊技者によって手動操作可能に設けられ、手動操作に伴う動作を前記排出用阻止許容部材に伝達することで、前記排出通路の遊技球の通過を許容するように同排出用阻止許容部材を駆動する排出操作手段を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−17855(P2013−17855A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238809(P2012−238809)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2011−224479(P2011−224479)の分割
【原出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】