遊技機
【課題】記憶領域が初期化されることによる不都合の発生を低減することができる遊技機を提供することである。
【解決手段】設定変更操作が行なわれると設定変更状態に制御するととも初期化1(RAMクリア)するスロットマシンにおいて、払出中やゲーム終了時などの特定タイミングにおいて判定され得る特定エラーが発生した後であって発生原因が解除されたことを確認でには、設定変更操作が行なわれたとしても設定変更状態に制御させずかつ初期化1させない(Sa27bでNO)。
【解決手段】設定変更操作が行なわれると設定変更状態に制御するととも初期化1(RAMクリア)するスロットマシンにおいて、払出中やゲーム終了時などの特定タイミングにおいて判定され得る特定エラーが発生した後であって発生原因が解除されたことを確認でには、設定変更操作が行なわれたとしても設定変更状態に制御させずかつ初期化1させない(Sa27bでNO)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、パチンコ機およびスロットマシンなどの遊技機に関する。詳しくは、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、このような遊技機の一例として、可変表示装置を含む各種装置やこれらの装置を制御するための制御回路が本体内部に組み込まれ、該本体の前面が前面扉により開閉自在とされており、当該前面扉を開放させて本体内部に組み込まれた特定の操作手段を操作することにより、遊技制御に用いるデータを記憶する記憶領域(たとえばRAM)を初期化するとともに、設定変更状態に制御させて、当該設定変更状態において複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択して設定することができるものがあった(たとえば、特許文献1参照)。設定値は、入賞(大当り、中当り、小当り、ボーナス、小役、再遊技役など)の発生を許容する確率(当選確率)を定めるものである。
【0003】
また、このような遊技機としては、遊技の進行における所定タイミングにおいて所定のエラー(たとえば、満タンエラー、払出エラーなど)が発生したか否かを判定し、エラーが発生したと判定したときに、エラー中である旨を示すエラー情報を記憶領域に記憶するとともに、エラー報知するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−198196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の遊技機では、エラー報知中において当該エラーを解除することなく特定の操作手段を操作することにより設定変更状態に制御させたときにも、記憶領域が初期化されてしまうため、エラー情報もクリアされてしまう。このため、エラー報知中に設定変更状態に制御させた後においては、実際にエラーが解除されていないにも関わらず、エラー報知することができない。その結果、エラーが解除されていないにも関わらず遊技が行なわれてしまった場合には、所定タイミングにおいて再び当該エラーが発生したと判定されてエラー報知されてしまい、すぐに遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまう虞があった。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、記憶領域が初期化されることによる不都合の発生を低減することができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 遊技者に対する有利度(たとえば設定値)を変更可能な遊技機(スロットマシン、パチンコ機など)であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(メイン制御部41、ゲーム処理)と、
遊技が進行することにより到達し得る特定タイミング(払出処理時、ゲーム終了時など)において、所定の異常(メダル切れエラー、払出メダル詰りエラー、満タンエラー)が発生しているか否かを判定する異常判定手段(図12のSf2〜Sf6)と、
所定の設定操作を検出する設定操作検出手段(電源スイッチ39、設定キースイッチ37)と、
前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態(たとえば、電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に設定キースイッチ37がON状態)であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(図6のSa11、Sa31、Sa27b、Sa28)と、
遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域(メイン制御部41のRAMの格納領域)に記憶し、前記設定変更状態に制御される場合には前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段(図6のSa27b、Sa27e)とを備え、
前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立(図12のSf15でYES、エラー原因が実際に解消されたことを特定)するまで異常判定データ(解除未確認フラグ)を前記記憶領域に記憶し、
前記設定変更状態制御手段は、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには、前記設定変更状態に制御することを規制する(図6のSa27cに移行)。
【0008】
このような構成によれば、異常判定データが記憶領域に記憶されているときには、設定操作検出手段の状態を特定するための信号を所定状態となるように設定操作しても、設定変更状態に制御されず初期化されない。すなわち、異常判定データが記憶領域に記憶されているときには初期化されない。これにより、異常判定データが記憶領域に記憶された後においては、解除条件が未だ成立していないにも関わらず、当該異常判定データが消去されてしまうことを防止できる。このため、たとえば、異常判定データが記憶されていたにも関わらず設定変更状態に制御されることにより初期化されてしまい、その後、特定タイミングとなったときに再び異常判定されてしまうといったような不都合の発生を低減することができる。その結果、設定変更前から発生していた異常が解除されていなかったことにより設定変更後の遊技においてすぐに異常が発生してしまい、遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまう不都合の発生を低減することができる。
【0009】
なお、遊技機は、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であればよく、1ゲームに対して賭数を設定することにより可変表示装置における表示状態を変化させ得る遊技が開始可能となるスロットマシン(実施の形態参照)、所定の遊技領域(遊技盤)に打ち込まれた遊技媒体(たとえばパチンコ球)が所定の始動領域(始動口)を通過することにより可変表示装置における表示状態を変化(変動)させ得るパチンコ機(変形例(2)(3)参照)などであってもよい。
【0010】
また、有利度とは、遊技者にとっての有利度合いの大きさに関わる値であればよく、特定表示結果(ボーナス、小役、再遊技役、大当り、中当り、小当りなど)の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段により特定表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を定めた値であってもよいし、遊技者にとって有利な情報が報知される確率、遊技者にとって有利な情報が報知される報知状態に移行する確率などを定めた値であってもよい。また、遊技者にとって有利な有利状態(ボーナス、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、大当り、確率変動状態など)に制御され得る確率が定められているものであってもよい(変形例(4)参照)。
【0011】
また、特定タイミングとは、1ゲームあるいは1変動における予め定められたタイミングをいい、1ゲーム毎あるいは1変動毎に到達し得るタイミングをいう。このため、特定タイミングは、遊技を継続して行なわれることにより、繰り返し到達し得るタイミングといえる。
【0012】
所定の異常とは、異常の発生原因を解消するために所定の作業をしなければ、所定のクリア操作をしただけでは再度特定タイミングに到達したときに異常発生と判定されてしまう異常をいう(変形例の[特定エラーについて]欄参照)。
【0013】
解除条件とは、異常の発生原因が解消したことを実際に特定すること(図12のSf15でYES)により成立する条件であってもよく、異常の発生原因を解消した後に操作される特定操作が行なわれること(図12のSf11でYES)により成立する条件であってもよい。
【0014】
設定操作検出手段は、一の操作を検出する一の操作手段であってもよく、第1の操作を検出する操作手段と当該第1の操作とは別の第2の操作を検出する操作手段とを含む複数種類の操作手段であってもよい。また、設定操作検出手段の状態とは、設定操作検出手段の操作部の状態(設定キースイッチの状態など)をいい、所定状態とは、設定操作検出手段の状態が予め定められた状態となっているときの信号の状態(設定キースイッチからの信号がON状態など)をいう。
【0015】
なお、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときに前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するように制御されるものであればよく、たとえば、データを初期化する条件は、設定変更状態に制御されることに限るものではない。すなわち、(1)に記載の構成を備える遊技機に限らず、たとえば、以下の構成を備える遊技機であってもよい。
【0016】
遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、特定操作を検出する特定操作検出手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記特定操作が検出されたことを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記特定操作が検出された場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい(変形例の[設定変更状態への制御と初期化1との関係について]欄参照)。
【0017】
また、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御されることを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記設定変更状態に制御される場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい(変形例の[設定変更状態への制御と初期化1との関係について]欄参照)。
【0018】
(2) (1)の遊技機において、特定条件下(たとえば、BET処理実行時)において、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であることに基づいて、前記異常判定データが、前記記憶領域に記憶されているときには選択されている設定値を報知可能な設定値報知状態に制御し(図9のSe21に移行)、前記記憶領域に記憶されていないときには前記設定値報知状態に制御することを規制する(図9のSe18bに移行)報知制御手段(Se18、Se18a、Se18b、Se19〜Se21)を備える。
【0019】
このような構成によれば、異常判定データが記憶領域に記憶されているときには設定値報知状態にも制御されない。これにより、異常が解除されていない虞があるときに設定値が報知されてしまうような不都合の発生を防止することができる。
【0020】
(3) (1)または(2)の遊技機において、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であるが、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されていることにより、前記設定変更状態に制御されていないことに応じた非制御情報を報知する報知手段(メイン制御部41によりエラーコードを遊技補助表示器12に表示するための処理、サブ制御部91により特別解除促進演出を実行するための処理)を備える。
【0021】
このような構成によれば、非制御情報が報知されることにより、遊技機の管理者に対して、設定変更状態に制御されていないことを把握させかつ異常判定データが記憶されていることを把握させることができる。このため、遊技機の管理者に対して異常が実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
【0022】
(4) (1)〜(3)のいずれかの遊技機において、前記所定の異常が発生していると前記異常判定手段により判定されたときに、異常が発生している旨を、当該所定の異常とは異なる種類の異常が発生しているときと異なる特殊な態様で報知する報知手段(メイン制御部41によりエラーコードを遊技補助表示器12に表示するための処理、サブ制御部91により特定解除促進演出を実行するための処理)を備える。
【0023】
このような構成によれば、異常が発生している旨を特殊な態様で報知されることにより、遊技機の管理者に対して、解除条件を成立させなければ設定変更状態に制御されないことを把握させ易くすることができる。このため、遊技機の管理者に対して異常が実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
【0024】
特殊な態様とは、所定の異常とは異なる種類の異常が発生しているときには報知されない態様であればよく、たとえば、解除条件が成立しなければ設定変更状態に制御されない旨を報知する態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明が適用された実施の形態のスロットマシンの正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図5】入賞として定められた役の構成および遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。
【図6】メイン制御部が起動時に実行する起動処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】メイン制御部が実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】メイン制御部が設定変更処理後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図9】メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図10】メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図12】メイン制御部が実行するエラー割込処理を示すフローチャートである。
【図13】エラー報知演出の一例を説明するための図である。
【図14】設定変更時におけるメインCPUおよびサブCPUの制御状況を示すタイミングチャートである。
【図15】設定確認時におけるメインCPUおよびサブCPUの制御状況を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。本実施の形態においては、遊技機としてスロットマシンを一例として説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図であり、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0027】
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0028】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0029】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0030】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0031】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
【0032】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0033】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
【0034】
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0035】
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0036】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)が設けられている。
【0037】
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が設けられている。
【0038】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0039】
電源ボックス100の前面には、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、電源投入時(起動時)に設定変更状態または設定確認状態に切替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0040】
また、ドア開放検出スイッチ25は、後述するように設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が搭載された電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面に設けられている。また、電源ボックス100は、筐体1a内部の下方位置に設けられているのに対し、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部の上方位置に設けられている。すなわち、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部において、電源ボックス100が設けられている位置に対し、対角する位置に設けられている。
【0041】
なお、ドア開放検出スイッチ25は、電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面あるいは電源ボックス100と対角する位置において、前面扉1bの開放状態を検出するものであれば、筐体1aに設けられているものに限らず、前面扉1bの内側に設けられているものであってもよい。
【0042】
本実施の形態におけるドア開放検出スイッチ25としては、反射型の光センサを採用している。たとえば、光センサは、光(可視光線、赤外線など)を発射する投光部と、該光を検出する受光部とを含み、投光部は所定方向に光を発射し、受光部は投光部から発射された光のうち前面扉1bが閉鎖状態であるときにのみ当該前面扉1bに設けられている反射部材によって反射された光を検出することにより、前面扉1bが閉鎖状態であることを特定可能に構成されている。なお、ドア開放検出スイッチ25は、前面扉1bの開閉状態を検出できるものであればよく、反射型の光センサに限るものではなく、透過型のものであってもよく、また前面扉1bの開閉状態に応じてON/OFFするスイッチであってもよい。
【0043】
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、或いはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態がRB(BB)では2枚、通常遊技状態では3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0044】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0045】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0046】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。
【0047】
また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
【0048】
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0049】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0050】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0051】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0052】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0053】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
【0054】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
【0055】
メイン制御部41は、メインCPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えた1チップマイクロコンピュータにて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を実行することにより遊技の制御を行なうとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0056】
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、所定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得(ラッチ)する。乱数発生回路42は、カウントする数値の範囲として0〜65535が定められている。
【0057】
メイン制御部41は、サンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メイン制御部41は、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
【0058】
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。
【0059】
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にリセット信号を与える。
【0060】
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
【0061】
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、外部マスカブル割込端子XINTが、前述した電断検出回路48と接続されており、メイン制御部41は電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて後述する電断割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、タイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
【0062】
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。本実施の形態では、タイマ割込処理(メイン)よりも電断割込処理(メイン)の方が優先順位が高く、これらの割込が同時に発生した場合には電断割込処理(メイン)が優先して実行される。
【0063】
なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。たとえば、タイマ割込処理(メイン)の実行中に電圧低下信号が入力された場合に、その時点で電断割込処理(メイン)が実行されることはないが、実行中のタイマ割込処理(メイン)が終了した時点で、電圧低下信号の入力が継続している場合には、その時点で電断割込処理(メイン)が実行されることとなる。
【0064】
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。
【0065】
なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0066】
メイン制御部41は、演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
【0067】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0068】
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
【0069】
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
【0070】
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時または電源遮断時にサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98が搭載されており、サブ制御部91は、メイン制御部から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0071】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブ制御部91は、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。
【0072】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。なお、電断割込処理(サブ)の実行中には、コマンド受信割込処理も禁止されるが、電断割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生した場合にはコマンド受信割込処理を優先して実行する。
【0073】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0074】
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0075】
設定値を変更するためには、前面扉1bを開放させ、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39および設定キースイッチ37を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。操作に応じて選択され設定された設定値は、メイン制御部41のRAMに記憶されている。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、電源スイッチ39を一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をONさせる操作を行なうことにより、設定変更状態に移行されるため、当該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
【0076】
本実施の形態においては、前面扉1bを開放状態とすることにより設定変更操作を行なうことが可能となるため、当該前面扉1bが開閉体であるといえる。また、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が開閉状態検出手段であるといえる。
【0077】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0078】
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41が電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するメイン制御部41のRAMのスタックに退避し、メイン制御部41のRAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、たとえば5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、メイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、メイン制御部41のRAMに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはメイン制御部41のRAMの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、メイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、メイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
【0079】
そして、メイン制御部41は、その起動時においてメイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、メイン制御部41のRAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0080】
なお、本実施の形態では、メイン制御部41のRAMに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてメイン制御部41のRAMのデータが正常であると判定した場合に、メイン制御部41のRAMの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、メイン制御部41のRAMに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
【0081】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0082】
また、サブ制御部91も電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
【0083】
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0084】
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブ制御部91は、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
【0085】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0086】
次に、メイン制御部41に搭載されているRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0087】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。
【0088】
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にメイン制御部41のRAMのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。
【0089】
未使用領域は、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0090】
メイン制御部41は、スロットマシンにおける遊技の進行に応じて、当該遊技を制御するためのデータを読み出しおよび書き込みが可能となるようにRAMの格納領域に格納する。
【0091】
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時においてメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
【0092】
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化1では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
【0093】
初期化1において初期化される情報には、たとえば、電断時にバックアップされていた情報(設定されていた賭数を特定するための情報、BB当選を特定するための情報など)が含まれる。これにより、初期化1が行なわれたときには、電断前に賭数が設定されていたとしても当該賭数が設定された状態に復帰されることがなく、また、電断前にBB当選していたとしてもBB当選状況に復帰されることがない。これにより、設定変更状態となる前の遊技状態を設定変更状態となった後に引き継がれることを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
【0094】
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
【0095】
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行なっているが、設定変更状態の終了時に行なったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定変更状態終了時の初期化では、設定値ワークの初期化は行なわれない。
【0096】
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施の形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、ビッグボーナス(以下ではBBと称す)、通常遊技状態があり、このうちRBやBBでは賭数の規定数として2が定められており、通常遊技状態では賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBやBBであれば、賭数として2が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、通常遊技状態であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、RBやBBでは賭数として2が定められた時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることなり、通常遊技状態では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
【0097】
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
【0098】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大別すると、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
【0099】
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0100】
このスロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてビッグボーナス(以下ではビッグボーナスをBBとする)、レギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
【0101】
チェリーは、いずれの遊技状態においても右リールについて入賞ラインのいずれかに「白チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、いずれの遊技状態においても1枚のメダルが払い出される。なお、「白チェリー」の図柄が右リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L5または入賞ラインL3、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、2枚のメダルが払い出されることとなる。
【0102】
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せまたは「スイカ−スイカ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では12枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では10枚のメダルが払い出される。
【0103】
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せ、「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せ、または「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せのうちいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0104】
RBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
【0105】
BBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せまたは「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
【0106】
BBが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
【0107】
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
【0108】
本実施の形態では、図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RBやBBであるか、によって内部抽選の対象となる役が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態においては、特別役の持越中であるか否かによっても内部抽選の対象となる役が異なる。
【0109】
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、BB、RB、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0110】
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0111】
遊技状態がRB(BB中を含む)では、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0112】
なお、本実施の形態においては、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類定められている例について説明したが、内部抽選では、図柄組合せ毎に対象役として読み出される。たとえば、BBについては、「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、「白7−白7−白7」の組合せが内部抽選の対象役として順に読み出される。リプレイやスイカについても、図柄組合せ毎に、対象役として順に読み出される。また、内部抽選で用いられる判定値数は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せ毎に定められている。すなわち、当選率は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せ毎に定められている。このため、内部抽選においては、設定値に対応して図柄組合せ毎に定められた当選率にしたがって、図柄組合せの導出(発生)が許容されることになる。
【0113】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークの値)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0114】
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをメイン制御部41のRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0115】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
【0116】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0117】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0118】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0119】
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。
【0120】
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0121】
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0122】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0123】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0124】
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
【0125】
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0126】
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
【0127】
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0128】
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
【0129】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。
【0130】
これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0131】
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行なっているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行なってもよい。
【0132】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0133】
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
【0134】
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0135】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
【0136】
本実施の形態では、メイン制御部41が演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0137】
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0138】
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0139】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0140】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
【0141】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
【0142】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行なわれる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
【0143】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
【0144】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0145】
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時およびゲームの終了時に送信される。
【0146】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0147】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0148】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、その後エラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0149】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0150】
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0151】
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
【0152】
これらコマンドのうち設定開始コマンド、RAM異常または乱数回路異常を示すエラーコマンド、復帰コマンドは、起動処理において割込が許可される前の段階で生成され、メイン制御部41のRAMの特別ワークに割り当てられた特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。
【0153】
設定開始コマンド、RAM異常または乱数回路異常を示すエラーコマンド、復帰コマンド以外のコマンドは、ゲーム処理においてゲームの進行状況に応じて生成され、メイン制御部41のRAMの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において実行するコマンド送信処理において送信される。
【0154】
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図6〜図12に基づいて以下に説明する。
【0155】
メイン制御部41は、リセット要因が発生すると、図6のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行なう。なお、リセット要因としては、電源投入時において外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するシステムリセットや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなどのユーザリセットがある。このため、起動処理(メイン)は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。
【0156】
起動処理(メイン)では、まず、メイン制御部41のCPUがROMから読み出したセキュリティチェックプログラムに基づき、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、メイン制御部41のROMに記憶されているゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
【0157】
メイン制御部41は、Sa1のセキュリティチェック処理の終了後、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、所定のレジスタの値を初期化する(Sa3)。レジスタの初期化により、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスや、メイン制御部41のRAMの格納領域を参照する際の基準アドレスなどが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
【0158】
次いで、メイン制御部41のRAMへのアクセスを許可し(Sa4)、メイン制御部41のRAMの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa5)、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa6)。
【0159】
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa7)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa7のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、メイン制御部41のRAMに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、設定キースイッチ37がONか否かを判定し(Sa31)、設定キースイッチ37がONであれば、プログラム管理エリアに記憶されている乱数初期設定を読み出して乱数回路設定処理を実行した後(Sa25)、乱数発生回路42における動作異常の有無を検査するための乱数回路異常検査処理を実行する(Sa26)。
【0160】
Sa26のステップにおける乱数回路異常検査処理の後、乱数発生回路42が異常であるか否か、すなわち乱数回路異常か否かを判定する(Sa27a)。乱数回路異常か否かは、乱数回路異常を示すエラーコードが設定されているか否かによって判定する。Sa27aのステップにおいて乱数異常と判定された場合には、乱数回路異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa22)、割込を許可して(Sa23)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
【0161】
Sa27aのステップにおいて乱数異常ではないと判定された場合には、解除未確認フラグがRAMの所定領域にセットされていないかが判定される(Sa27b)。解除未確認フラグとは、1ゲーム中における特定タイミングに実行されるエラー判定で、エラー発生と判定されたときにRAMの所定領域にセットされ、当該エラーの原因が実際に解消されたと判定されたときにクリアされるフラグをいう。このため、解除未確認フラグがセットされている状態とは、エラーが発生したが当該エラーの原因が実際に解消されたことを確認できていない状態(以下では、解除未確認状態ともいう)をいう。1ゲーム中における特定タイミングに実行されるエラー判定については、図12を用いて詳述する。
【0162】
Sa27bのステップにおいて解除未確認フラグがセットされていないと判定されなかったとき、すなわち解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定キースイッチがON状態であるが設定変更状態に制御できない設定変更不能を示すエラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する(Sa27c)。サブ制御部91は、設定変更不能を示すエラーコマンドを受信すると、後述する特別解除促進演出を実行させる。なお、設定変更不能を示すエラーコマンドは、特別コマンド送信用バッファに設定するようにしてもよい。
【0163】
また、設定キースイッチがON状態であるが、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、対応するエラーコードを設定する。これにより、対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。また、リセット/設定スイッチ38の操作またはリセットスイッチ23の操作が検出されると、エラーコードの表示が終了するとともに、対応するエラー解除コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する。
【0164】
このように、Sa27bでは、電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)であって、設定キースイッチ37がONを特定するための検出信号が出力されている所定状態(以下では、特定操作状態ともいう)となったときに、解除未確認フラグがセットされているか否かが判定され、セットされており解除未確認状態であると判定されたときには、RAMクリア(初期化1)されることなく、かつ設定変更状態に制御されることがない。すなわち、電源投入時において特定操作状態となったときであっても、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、RAMクリア(初期化1)されることが禁止され、かつ設定変更状態に制御されることが禁止される。
【0165】
一方、Sa27bのステップにおいて解除未確認フラグがセットされていないと判定されたとき、すなわちエラー原因が実際に解除されたことを確認済みであると判定されたときには、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1(いわゆるRAMクリア)を実行した後(Sa27e)、設定開始コマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する(Sa28)。次いで、割込を許可して(Sa29)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。設定変更処理では、前面扉1bの開閉状態に関わらず、設定キースイッチ37がOFFされるまで継続される。
【0166】
Sa31のステップにおいて設定キースイッチ37がOFFであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa32)、RAM異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa33)、割込を許可して(Sa34)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
【0167】
Sa7のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa8のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、メイン制御部41のRAMのデータが正常ではないので、Sa31のステップに移行して、設定キースイッチ37がONであれば、乱数回路設定処理(Sa25)、乱数回路異常検査処理(Sa26)を順次行ない、乱数回路異常であれば、乱数回路異常を示すエラーコマンドの送信(Sa22)の後、割込を許可して(Sa23)、エラー処理に移行する。
【0168】
一方、乱数回路異常でなければ、Sa27bに移行して、解除未確認フラグがセットされていないと判定されたときには、初期化1を実行した後(Sa27e)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信設定(Sa28)した後、割込を許可して(Sa29)、設定変更処理に移行するのに対し、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定変更不能を示すエラーコマンドを送信設定(Sa27c)して後述する特別解除促進演出を実行させるとともに、対応するエラーコードを表示しかつ対応するエラーフラグをセットし(Sa27d)、Sa16の処理へ移行する。図12のエラー割込処理で説明するように、エラーフラグがセットされてから所定のクリア操作がされてクリアされるまで、ゲームを進行させないように不能化する制御が行なわれる。
【0169】
また、Sa31のステップにおいて設定キースイッチ37がOFFであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa32)、RAM異常を示すエラーコマンドの送信(S33)の後、割込を許可して(Sa34)、エラー処理に移行する。
【0170】
Sa8のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、メイン制御部41のRAMのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa9)、メイン制御部41のRAMの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行なった後(Sa10)、設定キースイッチ37がONか否かを判定し(Sa11)、設定キースイッチ37がONであれば、乱数回路設定処理(Sa25)、乱数回路異常検査処理(Sa26)を順次行ない、乱数回路異常であれば、乱数回路異常を示すエラーコマンドの送信(Sa22)の後、割込を許可して(Sa23)、エラー処理に移行する。一方、乱数回路異常でなければ、Sa27bに移行して、解除未確認フラグがセットされていないと判定されたときには、初期化1を実行した後(Sa27e)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信設定(Sa28)した後、割込を許可して(Sa29)、設定変更処理に移行するのに対し、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定変更不能を示すエラーコマンドを送信設定(Sa27c)して特別解除促進演出を実行させるとともに、対応するエラーコードを表示し(Sa27d)、Sa16の処理へ移行する。
【0171】
Sa11のステップにおいて設定キースイッチ37がOFFであれば、Sa25のステップと同じ乱数回路設定処理(Sa13)、Sa26のステップと同じ乱数回路異常検査処理(Sa14)を実行し、乱数回路異常か否かを判定する(Sa15)。
【0172】
Sa15のステップにおいて乱数回路異常であると判定された場合には、乱数回路異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa22)、割込を許可して(Sa23)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
【0173】
Sa15のステップにおいて乱数回路異常ではないと判定された場合には、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa16)、復帰コマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する(Sa17)。そして、乱数ラッチフラグレジスタの値に基づいて乱数値がラッチされているか否かを判定し(Sa18)、乱数値がラッチされていなければSa20のステップに進み、乱数値がラッチされていれば、所定の乱数値レジスタから格納されている数値データを読み出し(Sa19)、Sa20のステップに進む。なお、Sa19のステップにおいて乱数値レジスタから数値データが読み出されると乱数ラッチフラグレジスタがクリアされ、新たな数値データの取込が許可されることとなる。また、Sa19のステップにおいては、数値データを読み出すものの、読み出した数値データを用いる訳ではなく、スタートスイッチ7の操作に応じて新たな数値データの取込を可能とするためにダミーとして読み出すものである。
【0174】
Sa20のステップでは、復帰コマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し、その後、割込を許可して(Sa21)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
【0175】
前述したエラー処理では、RAM異常エラーまたは乱数回路異常を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示し、遊技を不能動化させるための不能化フラグを設定し、いずれの処理も行なわないループ処理に移行する。これにより、RAM異常エラーまたは乱数回路異常エラーは、初期化1されない限り、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されず、元の状態に復帰することはない。一方、RAM異常、乱数回路異常以外によるエラーであれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除(後述するエラーフラグをクリア)してもとの処理に復帰する。
【0176】
図7は、メイン制御部41が実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0177】
設定変更処理では、まず、メイン制御部41のRAMの設定値ワークに格納されている設定値を読み出して、読み出した値を表示値とし(Sc1)、表示値が設定可能な範囲(1〜6)外か否かを判定し(Sc2)、表示値が設定可能な範囲内であればSc4のステップに進み、表示値が設定可能な範囲外であれば、表示値を1に補正し、Sc4のステップに進む。
【0178】
Sc4のステップでは、設定値表示器24に表示値を表示させた後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc5、Sc6)、Sc5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38のonが検出されると、操作スイッチの立上りを示す立上りエッジをクリアし(Sc7)、表示値を1加算し(Sc8)、Sc2のステップに戻る。なお、立上りエッジとは、該当する操作スイッチがOFFからONに変化した場合に、該当する操作スイッチがOFFからONに変化した旨を示すエッジデータである。よって、たとえばスタートスイッチ7の立上りエッジとは、スタートスイッチ7がOFFからONに変化した旨を示すエッジデータをいう。これに対して、立下りエッジとは、該当する操作スイッチがONからOFFに変化した場合に、該当する操作スイッチがONからOFFに変化した旨を示すエッジデータである。
【0179】
また、Sc6のステップにおいてスタートスイッチ7のonが検出された場合には、立上りエッジをクリアし(Sc9)、設定値表示器24に表示されている値を0に更新し(Sc10)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc11)。
【0180】
Sc11のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、表示値を設定値ワークに格納して(Sc12)、遊技状態コマンドを生成し、コマンド送信用バッファに設定する(Sc13)。Sc13のステップにおいて設定された遊技状態コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)にてサブ制御部91に対して送信される。
【0181】
Sc14のステップにおいては、遊技を不能動化させるための不能化フラグが設定されているか否か判定する。Sc14のステップにおいて当該フラグが設定されていないと判定されたときには、そのままゲーム処理に移行する。一方、Sc14のステップにおいて当該フラグが設定されていると判定されたときには、設定されている当該フラグをクリアし(Sc15)、ゲーム処理に移行する。これにより、不能化フラグが一旦設定されると設定変更状態に移行されるまで、当該フラグがクリアされないため、遊技を不能動化することができる。
【0182】
図8は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0183】
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
【0184】
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
【0185】
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた数値データに基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。
【0186】
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
【0187】
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
【0188】
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行なう。
【0189】
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
【0190】
また、ゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信されるようになっている。
【0191】
図9〜図11は、メイン制御部41がSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0192】
BET処理では、まず、メイン制御部41のRAMにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Se1)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では遊技状態に関わらず3)をメイン制御部41のRAMに設定し(Se2)、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Se3)。
【0193】
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、賭数が3加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド用送信バッファに設定し(Se4)、BETカウンタの値を1加算し(Se5)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Se6)、BETカウンタの値が規定数でなければSe5のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定し(Se7)、Se12のステップに進む。Se4のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0194】
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、投入待ち前の設定を行ない(Se8)、Se9のステップに進む。投入待ち前の設定では、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。
【0195】
Se9のステップでは、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し、BETカウンタの値が規定数でなければSe15のステップに進み、BETカウンタの値が規定数であれば、さらにいずれかのスイッチがOFFに変化したか否かを判定する(Se10)。Se10のステップでは、いずれかのスイッチの立下りを示す立下りエッジが設定されているか否かに基づいていずれかのスイッチがOFFに変化したか否かが判定される。さらに立下りエッジは、いずれかのスイッチがOFFに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、Se10のステップでは、いずれかのスイッチがOFFに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
【0196】
Se10のステップにおいていずれのスイッチもOFFに変化していないと判定された場合、またはいずれかのスイッチがOFFに変化したものの未だONが継続しているスイッチがある場合には、Se15のステップに進み、いずれかのスイッチがOFFに変化し、かつ全てのスイッチがOFFであると判定された場合には、立下りエッジをクリアし(Se11)、Se12のステップに進む。
【0197】
Se12のステップでは、乱数ラッチフラグレジスタの値に基づいて数値データがラッチされているか否か、すなわち乱数値レジスタに数値データが取り込まれているか否かを判定し、数値データがラッチされていなければSe15のステップに進み、数値データがラッチされていれば乱数値レジスタから数値データを読み出し(Se13)、Se15のステップに進む。なお、Se13のステップにおいて乱数値レジスタから数値データが読み出されると乱数ラッチフラグレジスタがクリアされ、新たな数値データの取込が許可されることとなる。また、Se13のステップにおいては、数値データを読み出すものの、読み出した数値データを用いる訳ではなく、スタートスイッチ7の操作に応じて新たな数値データの取込を可能とするためにダミーとして読み出すものである。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されている状態であるが、スタートスイッチ7以外のスイッチが操作されており、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、全てのスイッチがOFFの状態となり、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0198】
Se15のステップでは、メイン制御部41のRAMに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。Se15のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Se16)、Se18のステップに進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se17)、Se18のステップに進む。
【0199】
Se18のステップにおいては、設定キースイッチ37がonの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、解除未確認フラグがセットされていないか判定する(Se18a)。
【0200】
Se18aのステップにおいて解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定キースイッチがON状態であるが、設定確認処理に移行できず設定値を確認できない確認不能を示すエラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Se18b)、Sa22の処理へ移行する。これにより、サブ制御部91は、設定確認処理に移行できない旨を示す確認不能演出を実行する。なお、確認不能演出が実行されると、対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。また、リセット/設定スイッチ38の操作またはリセットスイッチ23の操作が検出されると、エラーコードの表示が終了するとともに、エラー解除コマンドがサブ制御部91に送信されて確認不能演出が終了される。
【0201】
一方、Se18aのステップにおいて解除未確認フラグがセットされておらず解除未確認状態でないと判定されたときには、BETカウンタの値が0か否かを判定する(Se19)。なお、設定確認処理に移行するためには、Se18においてYESと判定されかつSe19においてYESと判定されることが条件となる。このため、Se18aの判定処理は、Se18においてYESと判定されかつSe19においてYESと判定された後に実行するようにしてもよい。
【0202】
Se19のステップにおいてBETカウンタの値が0であれば、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se20)、設定確認処理(Se21)、すなわち設定確認状態に移行する。Se20のステップで設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。また、Se21のステップにおける設定確認処理が終了した後は、Se9のステップに戻る。
【0203】
設定確認処理では、まず、ペイアウト表示器13の表示値を待避し、RAM41cの設定値ワークから現在設定されている設定値を取得し、取得した設定値をペイアウト表示器13に表示する。その後、設定キースイッチ37がoffになるまで待機し、設定キースイッチ37がoffになると先に待避させていたペイアウト表示器13の表示値を復帰させた後、確認終了コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、設定確認処理を終了する。設定された確認終了コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブCPU91aに対して送信される。
【0204】
Se18のステップにおいて設定キースイッチ37がonではない場合またはSe19のステップにおいてBETカウンタの値が0ではない場合には、Se22dに進む。
【0205】
Se22dでは、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する。Se22dのステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Se33のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリアし(Se23)、メイン制御部41のRAMに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Se24)、メダルの投入が可能な状態でなければSe33のステップに進む。
【0206】
Se24のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Se20)、BETカウンタの値が規定数でなければ、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se26)、BETカウンタの値を1加算し(Se27)、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されたか否かを判定し(Se28)、BETカウンタの値が規定数でなければSe9のステップに戻る。Se26のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0207】
また、Se28のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定された場合には、Se12のステップに戻り、ゲームの開始条件となる賭数が設定される前に数値データがラッチされていれば、Sa13のステップにて数値データが読み出され、新たな数値データの取込が可能となる。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されておらず、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、ゲームの開始条件となる既定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0208】
Se25のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、現在のクレジットカウンタの値を示すクレジットコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se29)、メイン制御部41のRAMにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Se30)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Se31)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se9のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定し(Se32)、Se9のステップに戻る。Se29のステップで設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0209】
Se33のステップでは、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、Se33のステップでは、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
【0210】
Se33のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、Se39のステップに進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば、立上りエッジをクリアし(Se34)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Se35a)。
【0211】
Se35aのステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、Se9のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であればSe36のステップに進み、乱数値格納ワークの値を内部抽選用の乱数値として抽選用ワークに設定し(Se36)、投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se37)、ゲーム開始時の設定を行なう(Se38)。そして、Se38のステップの後、BET処理を終了して図8のフローチャートに復帰する。
【0212】
Se39のステップにおいては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。Se39のステップにおいて1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、Se47のステップに進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば立上りエッジをクリアし(Se40)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se41)。Se41のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe9のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se42)、クレジットカウンタの値が0であればSe9のステップに戻る。Se42のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se43)、クレジットカウンタの値を1減算し(Se44)、BETカウンタの値を1加算して(Se45)、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されたか否かを判定し(Se46)、BETカウンタの値が規定数でなければSe9のステップに戻る。Se43のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0213】
また、Se46のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定された場合には、Se12のステップに戻り、ゲームの開始条件となる賭数が設定される前に数値データがラッチされていれば、Sa13のステップにて数値データが読み出され、新たな数値データの取込が可能となる。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されておらず、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、ゲームの開始条件となる既定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0214】
Se47のステップにおいては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立上り示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。Se47のステップにおいてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、Se61のステップに進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、立上りエッジをクリアし(Se48)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se49)。Se49のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、Se53のステップに進み、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se50)、クレジットカウンタの値が0であれば、Se53のステップに進む。Se50のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se51)、BETカウンタの値を1加算して(Se52)、Se49のステップに戻る。Se53のステップでは、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければ、Se9のステップに戻り、BETカウンタが加算されていれば、加算された数分賭数が加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se54)、Se55のステップに進む。Se54のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0215】
Se55のステップでは、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されたか否かを判定し、BETカウンタの値が規定数でなければSe9のステップに戻る。また、Se55のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定された場合には、Se12のステップに戻り、ゲームの開始条件となる賭数が設定される前に数値データがラッチされていれば、Sa13のステップにて数値データが読み出され、新たな数値データの取込が可能となる。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されておらず、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、ゲームの開始条件となる既定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0216】
Se56のステップにおいては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。Se56のステップにおいて精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、Se9のステップに戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、立上りエッジをクリアし(Se57)、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se58)、当該ゲームがリプレイゲームであればSe9のステップに戻る。Se58のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が0か否かを判定し(Se59)、BETカウンタの値が0であればSe61のステップに進み、BETカウンタの値が0でなければ、既に設定済み賭数の精算を行なう旨を示す賭数精算フラグをメイン制御部41のRAMに設定し(Se60)、Se61のステップに進む。Se61のステップにおいては、ホッパーモータ34を駆動してクレジットカウンタまたはBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御、すなわちクレジットとして記憶されているメダルまたは賭数の設定に用いられたメダルを返却する制御が行なわれる精算処理を行なう。そして、Se61のステップにおける精算処理の後、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアして(Se62)、Se9のステップに戻る。
【0217】
図12は、一定時間間隔(たとえば、約0.56ms)毎にメイン制御部41が実行するエラー割込処理を示すフローチャートである。エラー割込処理においては、まず、Sf1において割込禁止に設定する。すなわち、エラー割込処理の開始に伴ってその他の割込処理の実行を禁止する。
【0218】
次に、ゲーム処理における払出処理を実行中であるか否かが判定される(Sf2)。Sf2において、払出処理実行中であると判定されたときには、Sf3またはSf4により、払出処理中に生じ得る特定エラーが発生したか否かが判定される。
【0219】
Sf3では、ホッパーモータ34bがON状態中であるときに、払出センサ34cからの払出検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りOFF状態であるか否かを判定する。これにより、ホッパータンクにメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル切れエラーであるか否かを判定することができる。
【0220】
ステップSf3においてホッパーモータ34bがON状態中であるときに、払出センサ34cからの払出検出信号が所定時間以上の期間に亘りOFF状態であると判定されたときには、メダル切れエラーであるため、ステップSf7の処理に進む。
【0221】
一方、ステップSf3においてホッパーモータ34bがON状態中でないと判定されたとき、または、払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態である期間が所定時間以上の期間に達していないと判定されたときには、メダルが払出されており、メダル切れでないため、ステップSf4の処理に進む。
【0222】
なお、ステップSf3における判定方法の一例を簡単に説明する。たとえば、まず、ホッパーモータ34bがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定された場合には、払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態であるか否かを判定する。払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態であると判定されたときには、メダル切れカウンタを1加算し、加算後のメダル切れカウンタの値が所定値(メダル切れ判定用時間内にエラー割込処理が行なわれる回数)に達したか否かを判定し、達していると判定されたときにステップSf7の処理に進み、達していないと判定されたときにステップSf4の処理に進む。一方、ホッパーモータ34bがON状態でない、または払出センサ34cからの払出検出信号がON状態であると判定された場合には、メダル切れカウンタの値をリセットしステップSf4の処理に進む。
【0223】
ステップSf4においては、払出センサ34cからの払出検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りON状態であるか否かを判定する。これにより、ホッパー内において払出されたメダルが詰まっているか否か、すなわち払出メダル詰りエラーを判定することができる。
【0224】
ステップSf4において払出センサ34cからの払出検出信号が所定時間以上の期間に亘りON状態であると判定されたときには、払出メダル詰りエラーであるため、ステップSf7の処理に進む。一方、ステップSf4において払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態である、またはON状態になってから所定時間以上経過していないと判定されたときには、ステップSf5の処理に進む。
【0225】
なお、ステップSf4における判定方法の一例を簡単に説明する。たとえば、まず、払出センサ34cからの払出検出信号がON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定された場合には、メダル詰り用カウンタを1加算し、加算後のメダル詰り用カウンタの値が所定値(メダル詰り判定用時間内にエラー割込処理が行なわれる回数)に達したか否かを判定し、達していると判定されたときにステップSf7の処理に進み、達していないと判定されたときにステップSf5の処理に進む。ON状態でないと判定された場合には、メダル詰り用カウンタの値をリセットしステップSf5の処理に進む。
【0226】
ステップSf5においては、ゲーム終了時処理を実行中であるか否かを判定する。ゲーム終了時処理実行中であると判定されたときには、Sf6により、ゲーム終了時処理中に生じ得る特定エラーが発生したか否かが判定される。すなわち、Sf6では、満タンセンサ35aからの検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りON状態であるか否かを判定する。これにより、オーバーフロータンク35内のメダルが満タンになっている満タンエラーが発生しているか否かを判定することができる。
【0227】
ステップSf6において満タンセンサ35aからの検出信号が所定時間以上の期間に亘りON状態であると判定されたときには、満タンエラーであるため、ステップSf7の処理に進む。一方、ステップSf6において満タンセンサ35aからの検出信号がOFF状態である、またはON状態になってから所定時間以上経過していないと判定されたときには、ステップSf8の処理に進む。
【0228】
なお、ステップSf6における判定方法の一例を簡単に説明する。たとえば、まず、満タンセンサ35aからの検出信号がON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定された場合には、満タン用カウンタを1加算し、加算後の満タン用カウンタの値が所定値(満タン判定用時間内にエラー割込処理が行なわれる回数)に達したか否かを判定し、達していると判定されたときにステップSf7の処理に進み、達していないと判定されたときにステップSf8の処理に進む。ON状態でないと判定された場合には、満タン用カウンタの値をリセットしステップSf8の処理に進む。
【0229】
本実施の形態では、特定エラーとして、メダル切れエラー、払出メダル詰りエラー、および満タンエラーを例示したが、特定エラーは、エラー原因を解消するために所定の作業(メダル補充作業、詰まったメダルを取り除く作業、オーバーフロータンク35内のメダルを取り除く作業など)をしなければ、クリア操作をしただけでは再度特定タイミングに到達したときにエラー発生と判定されてしまうエラーであればよく、これらに限るものではない。
【0230】
特定エラーが発生していると判定された場合、Sf7において特定エラー設定処理を行ない、Sf8に移行する。特定エラー設定処理では、発生したエラーの種類に対応して、エラーコードを設定して遊技補助表示器12に表示させるとともに、当該エラーを示す特定エラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、特定エラーコマンドを受信した場合、エラーの種類に対応して、エラーが発生した旨および解除を促進する旨を報知する特定解除促進演出を実行する。特定解除促進演出については、図13を用いて具体的に説明する。また、特定エラー設定処理では、エラーが発生した旨を示すエラーフラグおよび解除未確認フラグをセットする。エラーフラグがセットされている間、ゲーム(ゲーム処理)を進行させないように不能化する制御が行なわれる。
【0231】
Sf8では、Sf3、Sf4、およびSf6における判定対象となる特定エラーと異なる、その他のエラーが発生しているか否かが判定される。その他のエラーとは、たとえば、内部当選していない役に入賞する不正入賞エラー、ホッパーモータ34bがOFF状態中であるときに払出センサ34cからの払出検出信号がON状態となる払出異常エラー、回転中のリール2L〜2Rについて所定期間以上リールセンサ33L〜33Rによりリール基準位置が検出されないリール回転エラーなどである。
【0232】
Sf8によりその他のエラーが発生していると判定されたときには、Sf9において通常エラー設定処理を行ない、Sf10に移行する。通常エラー設定処理では、発生したエラーの種類に対応して、エラーコードを設定して遊技補助表示器12に表示させるとともに、当該エラーを示す通常エラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、通常エラーコマンドを受信した場合、エラーの種類に対応して、エラーが発生した旨を報知する演出を実行する。また、通常エラー設定処理では、エラーが発生した旨を示すエラーフラグをセットする。メイン制御部41では、エラーフラグがセットされている間、ゲームを進行させないように不能化する制御が行なわれる。
【0233】
Sf10においては、エラーフラグが記憶(セット)されているか否か判定する。エラーフラグがセットされていると判定されたときには、Sf11において所定のクリア操作がされたか否かが判定される。所定のクリア操作とは、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることをいう。
【0234】
Sf11においてクリア操作されたと判定されたときには、Sf12において、エラーフラグを消去(クリア)し、エラー解除コマンドをサブ制御部91に送信した後、割込禁止を解除しエラー割込処理を終了する。これにより、エラー発生時に行なっていた処理に復帰させて、ゲーム処理を再開させることができる。
【0235】
このため、たとえば、Sf3あるいはSf4においてYESと判定されセットされたエラーフラグがクリアされた場合には、払出処理に復帰させて再開される。このため、メダル切れエラーやメダル詰りエラーであった場合には、残りのメダルが払い出される。また、Sf6においてYESと判定されてセットされたエラーフラグがクリアされた場合には、ゲーム終了時処理に復帰させて再開される。さらに、再開後においてもSf3、Sf4、Sf6におけるエラー判定が行なわれる。その結果、エラー原因が実際に解消されていなければ再びSf7において特定エラー設定処理が行なわれる。Sf8におけるエラー判定についても同様である。
【0236】
Sf10あるいはSf11においてNOと判定されたとき(クリア操作後においてはSf7あるいは9においてエラーフラグが再びセットされなかったとき)には、Sf14において解除未確認フラグが記憶(セット)されているか否か判定する。解除未確認フラグが記憶されていると判定されたときには、Sf15において、対応するエラーフラグが消去済で、かつクリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより対応する解除条件が成立したか否かが判定される。
【0237】
解除条件とは、特定エラーの種類に応じて定められており、特定エラーの原因が実際に解消されたと判定されることにより成立する条件をいう。たとえば、メダル切れエラー発生時においては、クリア操作後に復帰される払出処理において、所定時間内にメダルが払出されて払出センサ34cからの検出信号がON状態となることにより成立し、払出メダル詰りエラー発生時においては、払出センサ34cによるメダル検出が解除され、払出センサ34cからの検出信号がOFF状態となることにより成立し、満タンエラー発生時においては、満タンセンサ35aからの検出信号がOFF状態となることにより成立する。このため、特定エラーについては、解除未確認フラグがセットされているか否かにより、当該特定エラーの原因が実際に解消されたか否かを特定することができる。
【0238】
Sf15において、エラーフラグが消去済でかつ解除条件が成立していると判定されたときには、Sf16において、解除未確認フラグを消去(クリア)して、Sf17に移行する。一方、Sf14あるいはSf15においてNOと判定されたときには、Sf16の処理を行なうことなく、Sf17に移行する。Sf17においては、割込禁止を解除しエラー割込処理を終了する。
【0239】
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、図6のSa27b〜Sa27dで示したように、設定変更操作が行なわれたときに、解除未確認フラグなどがセットされていることから特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、特別解除促進演出を実行させるとともに対応するエラーコードを表示し、かつ対応するエラーフラグをセットすることにより、クリア操作されるまでゲームの進行を不能化する制御を行ない、クリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより、図12のSa14で解除条件が成立したと判定されたときに解除未確認フラグをクリアして特定エラーの発生原因が実際に解除されたと判定されるように構成されている。
【0240】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0241】
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0242】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行なう。
【0243】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0244】
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0245】
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
【0246】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
【0247】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41からエラーコマンドを受信すると、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じた報知処理を行なう。報知処理では、エラーコマンドを受信してからエラー解除コマンドを受信するまでの間に亘り、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じたエラー報知演出を実行するための処理が行なわれる。図13は、エラー報知演出の一例を説明するための図である。図13では、エラー報知演出が液晶表示器51の表示領域に表示されることにより行なわれる例について説明するが、エラー報知演出はこれに限らず、液晶表示器51に表示することに替えてあるいは加えて、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
【0248】
図13(a)は、特定エラーが発生して図12のSf7で送信される特定エラーコマンドを受信したことにより実行される特定解除促進演出の一例を説明するための図である。図13(a)では、リール2L〜2Rが停止してスイカに入賞したが、メダル払出中においてメダル切れエラーが発生した場合の特定解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「メダル切れエラー!メダル補充して下さい!解除しなければ設定変更できません!」といったメッセージが表示されている。これにより、メダル切れエラーが発生している旨、およびメダル補充することにより解除できる旨が報知される。このように、特定エラーが発生した場合における特定解除促進演出では、発生している特定エラーの種類、および当該特定エラーを解除する方法が報知される。
【0249】
図13(b)は、通常エラーが発生して図12のSf9で送信される通常エラーコマンドを受信したことにより実行される通常解除促進演出の一例を説明するための図である。図13(b)では、リール2L〜2R回転中においてリール回転エラーが発生した場合の通常解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「リール回転エラー!クリア操作して下さい!」といったメッセージが表示されている。これにより、リール回転エラーが発生している旨、およびクリア操作することにより解除できる旨が報知される。このように、通常エラーが発生した場合における通常解除促進演出では、発生している通常エラーの種類、およびクリア操作により解除できる旨が報知される。
【0250】
図13(c)は、解除未確認フラグがセットされている状態で設定変更操作が行なわれ図6のSa27cで送信される設定変更不能を示すエラーコマンドを受信したことにより実行される特別解除促進演出の一例を説明するための図である。図13(c)では、ゲーム終了時において満タンエラーが発生していると判定されていた場合の特別解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「設定変更できません!満タンですのでタンク内のメダルを取り除いて下さい!」といったメッセージが表示されている。これにより、満タンエラーが発生している旨、およびオーバーフロータンク35内のメダルを取り除くことにより解除できる旨が報知される。このように、設定変更不能によるエラーが発生した場合における特別解除促進演出では、解除されたことが確認できていないエラーの種類、および当該エラーを解除する方法が報知される。
【0251】
また、サブ制御部91は、解除未確認フラグがセットされている状態で設定確認操作が行なわれ図9のSe18bで送信される確認不能を示すエラーコマンドを受信したことにより確認不能演出を実行する。確認不能演出では、たとえば、払出メダル詰りエラーにより当該解除未確認フラグがセットされているときには、液晶表示器51において「設定確認できません!払出メダルが詰まっていないか再確認して下さい!」といった、異常が実際に解除していることの確認を促進させるようなメッセージが表示される。
【0252】
本実施の形態においてメイン制御部41は、前面扉1bを開放させた状態で、図14に示すように、設定キースイッチ37がONの状態で起動すると、設定開始コマンドをサブ制御部91に送信し、設定変更状態の開始を通知するとともに、設定値を変更可能な設定変更状態に移行することとなる。設定変更状態では、スタートスイッチ7が操作されるまでは、任意に設定値を選択することが可能となるが、スタートスイッチ7が操作されると、その時点で選択されている設定値が確定し、以後設定値を変更できない設定確定状態となり、この状態で設定キースイッチ37がOFFの状態とすることで設定変更状態は終了し、サブ制御部91に対して遊技状態コマンドを送信して設定変更状態の終了を通知する。
【0253】
一方、サブ制御部91は、設定開始コマンドにより設定変更状態の開始が通知されることで、遊技履歴データをクリアしたり、遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行なうこと、すなわち遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御する。そしてこの管理者モードは、遊技状態コマンドにより設定変更状態の終了が通知されることで終了することとなる。管理者モードに制御されると、所定の管理者モード画面が液晶表示器51に表示されるようになっており、この管理者モード画面において、たとえば、遊技履歴データのクリアや遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行なうことが可能とされている。
【0254】
なお、設定変更状態において設定値が確定してもメイン制御部41からサブ制御部91に対して何らの通知もされず、サブ制御部91は、メイン制御部41側で設定値が確定した後も、遊技状態コマンドによって設定変更状態の終了が通知されるまでは、継続して管理者モードに制御されるようになっており、設定変更状態において設定値が確定した後も、電源を再投入して設定値の確定前の状態にわざわざ戻すことなく、管理情報へのアクセスが可能となる。
【0255】
また、メイン制御部41は、前面扉1bを開放させた状態で、図15に示すように、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がONの状態となると、確認開始コマンドをサブ制御部91に送信し、設定確認状態の開始を通知するとともに、設定値を確認可能な設定確認状態に移行することとなる。設定確認状態は、設定キースイッチ37がOFFの状態とすることで設定確認状態は終了し、サブ制御部91に対して確認終了コマンドを送信して設定確認状態の終了を通知する。
【0256】
そして、サブ制御部91は、確認開始コマンドにより設定確認状態の開始が通知された場合にも、設定開始コマンドを受信した場合と同様に、遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御する。そしてこの管理者モードは、確認終了コマンドにより設定確認状態の終了が通知されることで終了することとなる。
【0257】
設定キースイッチ37は、キーを挿入し、回転させることでON/OFFを変更することが可能なスイッチであるが、通常キーは、店員が所持するものであり、遊技者が任意に設定キースイッチ37を操作することはできない。すなわち遊技者が任意に操作することのできない設定キースイッチ37を操作した場合のみ遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御されることとなる。
【0258】
このように本実施の形態では、メイン制御部41が設定変更状態に制御された場合だけでなく、設定確認状態に制御された場合にも管理者モードに制御されるようになっており、設定変更状態に移行させることなく、管理情報へのアクセスが可能となっている。特に、本実施の形態のように電源を再投入しないと設定変更状態に移行しない場合でも、管理情報へアクセスするだけのために電源を落とす必要がなくなる。さらに、本実施の形態のように、設定変更状態への移行に伴ってRAM41cが初期化されてしまう場合でも、RAM41cの格納データを維持したままで管理情報へのアクセスが可能となる。
【0259】
なお、本実施の形態では、メインCPU91aから設定開始コマンドまたは確認開始コマンドを受信した場合に、そのまま管理者モードに制御されるようになっているが、設定開始コマンドまたは確認開始コマンドを受信した後、たとえば、MAXBETスイッチ6を一定時間以上操作するなど、一定の操作がなされた場合にのみ管理者モードに制御する構成としてもよく、このようにすることで設定変更または設定確認が目的で管理情報にアクセスする必要がないにも関わらず、管理者モードに制御されてしまうことを防止できる。
【0260】
以上のように、メイン制御部41が設定変更状態または設定確認状態に制御される場合に、管理者モード画面が表示され、当該画面において、たとえばストップスイッチ8L、8C、8Rなどを操作することにより、遊技履歴データのクリア、遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行なうことが可能となる。
【0261】
なお、本実施の形態では、遊技履歴データをクリアしても設定変更履歴のデータはクリアされないようになっているので、たとえば、不正に設定変更がなされた場合でも、その証拠を確実に残しておくことができるが、遊技履歴データのクリアとともに設定変更履歴データについてもクリアされるようにしてもよいし、遊技履歴データと、設定変更履歴データと、を別個の操作によりクリアできるようにしてもよい。
【0262】
また、本実施の形態では、管理情報の一例としての設定変更履歴が記憶され、遊技店設定用モードにおいて該設定変更履歴を確認できるようになっているが、たとえばスロットマシン1の前面扉の開放履歴(前面扉の開放に基づく開放時刻や開放回数情報)やエラーの発生履歴(エラーの発生時刻や発生したエラーの種類、エラーの発生回数)等を記憶し、管理者モードにおいてこれら前面扉の開放履歴やエラーの発生履歴を確認できるようにしてもよい。
【0263】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態では、図6のSa27bで示したように、解除未確認フラグがセットされているときには、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をOFFからONに切替える設定変更操作を行なったとしても、設定変更状態に制御されずかつメイン制御部41のRAMが初期化されない。これにより、特定エラーが発生して解除未確認フラグがセットされた後においては、エラー原因が実際に解消されたことが確認できていないにも関わらず、当該解除未確認フラグがクリアされてしまうことを防止できる。このため、たとえば、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であるにも関わらず設定変更状態に制御されてしまうことにより、メイン制御部41のRAMが初期化されてしまい、その後の、払出処理やゲーム終了時処理などが実行される特定タイミングにおいて再び特定エラーが発生していると判定されてしまうといったような不都合の発生を低減することができる。その結果、設定変更前から発生していた特定エラーが解除されていなかったことにより設定変更後の遊技においてすぐに特定エラーを発生させてしまい、遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
【0264】
また、図6のSa27bでは、特定エラーが発生したときにエラーフラグとは別にセットされる解除未確認フラグに基づいて判定される。このため、たとえば、特定エラーの原因を解消する作業を行なうことなくクリア操作のみをしてエラーフラグをクリアした直後に電源をOFFにし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をOFFからONに切替える設定変更操作をした場合であっても、設定変更状態に制御させずかつメイン制御部41のRAMを初期化させないようにすることができる。すなわち、エラーフラグとは別にフラグをセットしない場合には、クリア操作後において再びエラーフラグがセットされるまでにエラー判定のために所定時間を要する(エラー割込処理が所定回行なわれる必要がある)ところ、前述した実施の形態においては、別の解除未確認フラグに基づき判定されるため、電源投入直後において特定エラーの原因が解消したことを確認できていないときには確実に設定変更状態に制御させずかつメイン制御部41のRAMを初期化させないようにすることができる。
【0265】
(2) 前述した実施の形態においては、図9のSe18aで示したように、解除未確認フラグがセットされているときには、設定確認状態にも制御されない。これにより、特定エラーの原因が解消されていない虞があるときに設定値が報知されてしまうような不都合の発生を防止することができる。
【0266】
(3) 前述した実施の形態においては、設定変更操作時において解除未確認フラグがセットされているときには、Sa27dにより対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、Sa27cにより送信される設定変更不能を示すエラーコマンドに基づきサブ制御部91により図13(c)に示した特別解除促進演出が実行される。これにより、遊技場の管理者に対して、設定変更状態に制御されていないことを把握させかつ解除未確認状態であることを把握させることができる。このため、遊技場の管理者に対して特定エラーが実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
【0267】
(4) 前述した実施の形態において、特定エラーが発生したと判定されたときには、通常エラーが発生したときとは異なる特殊な態様で解除促進演出が実行される。すなわち、通常エラーが発生したときには、図13(b)で示した態様の通常解除促進演出が実行されるのに対し、特定エラーが発生したときにのみ、図13(a)で示した態様の特定解除促進演出が実行される。これにより、遊技場の管理者に対して、特定エラーの原因を実際に解消しなければ設定変更状態に制御されないことを把握させ易くすることができる。このため、遊技場の管理者に対して特定エラーの原因が実際に解消しているか否かの確認を促進させることができる。
【0268】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例などについて説明する。
【0269】
[クリア操作時の特定エラー解除判定について]
前述した実施の形態では、図12のSf3、Sf4、およびSf6のいずれかにおいて特定エラーが発生したと判定されたときに、Sf7においてエラーフラグと解除未確認フラグとをセットし、Sf11においてクリア操作がされたときには、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かに関わらず、エラーフラグをクリアし、設定変更操作が行なわれたときに特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを解除未確認フラグに基づき判定し、解除未確認フラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつメイン制御部41のRAMを初期化することを規制する例について説明した。しかし、特定エラー発生後において当該特定エラーの発生原因が解除されていないことを特定できる情報が格納されるものであればよく、特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグと解除未確認フラグとをセットするものに限るものではない。以下に、その他の具体例を説明する。
【0270】
第1の具体例
特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグをセットし(解除未確認フラグをセットしない)、Sf11においてクリア操作がされたときに、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを判定するための解消判定処理を行ない、当該解消判定処理において当該特定エラーの発生原因が解消されていないと判定されたときにはエラーフラグをクリアせず当該クリア操作を無視し、解消されていると判定されたときにのみエラーフラグをクリアするようにし、設定変更操作が行なわれたときには特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かをエラーフラグに基づき判定し、エラーフラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつメイン制御部41のRAMを初期化することを規制するように構成してもよい。
【0271】
この場合における解消判定処理では、たとえば以下の処理を行なうようにしてもよい。エラーフラグからメダル切れエラーが特定されるときには、ホッパーモータ34を駆動させて所定時間内にメダルが払出されたか否かを判定し、払出されたと判定されたときに解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、所定時間内にメダルが払出されなかったと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
【0272】
また、エラーフラグから払出メダル詰りエラーが特定されるときには、払出センサ34cからの検出信号がOFF状態となったか否かを判定し、OFF状態となったと判定されたときに払出メダル詰りエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、OFF状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
【0273】
また、エラーフラグから満タンエラーが特定されるときには、満タンセンサ35aからの検出信号がOFF状態となったか否かを判定し、OFF状態となったと判定されたときに満タンエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、OFF状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
【0274】
第2の具体例
エラーフラグをクリアするためには、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23を操作する必要がある。しかし、このリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23は、前面扉1bを開放状態としなければ操作できない。このため、遊技機が遊技場に設置されている場合、エラーフラグをクリアできるのは、遊技場の管理員となる。遊技場の管理員は、遊技場および遊技機の管理を業としているため、一般的にエラー解除方法を熟知している。その結果、遊技場に設置されている遊技機において特定エラーが発生したときに、当該特定エラーの発生原因を解消させる作業を行なうことなく、エラーフラグのみをクリアさせてしまう可能性は極めて低いといえる。
【0275】
このような遊技場の専門性に鑑みて、特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグをセットし(解除未確認フラグをセットしない)、Sf11においてクリア操作がされたときには、遊技場の管理員によって特定エラーの発生原因を解消させる作業が当然に行なわれているものと犠牲して当該エラーフラグをクリアするようにし、設定変更操作が行なわれたときには特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かをエラーフラグに基づき判定し、エラーフラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつメイン制御部41のRAMを初期化することを規制するように構成してもよい。
【0276】
[設定変更操作時の特定エラー解除判定について]
前述した実施の形態においては、図6のSa27b〜Sa27dで示したように、設定変更操作が行なわれたときに、解除未確認フラグなどがセットされていることから特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、特別解除促進演出を実行させるとともに対応するエラーコードを表示し、かつ対応するエラーフラグをセットすることにより、クリア操作されるまでゲームの進行を不能化する制御を行ない、クリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより、図12のSa14で解除条件が成立したと判定されたときに解除未確認フラグをクリアして特定エラーの発生原因が実際に解除されたと判定される例について説明した。すなわち、設定変更操作が行なわれたときに特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、エラーを発生させ、クリア操作によりクリアするとともに、事後的に特定エラーの発生原因が実際に解除されたか否かを判定する例について説明した。しかし、特定エラーの発生原因が実際に解除されたか否かを判定するタイミングは、これに限らず、クリア操作がされたときなどであってもよい。
【0277】
たとえば、設定変更操作が行なわれたときに特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるために発生したエラー中において、Sf11においてクリア操作されたときに、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを判定するための解消判定処理を行ない、当該解消判定処理において当該特定エラーの発生原因が解消されていないと判定されたときにはエラーフラグをクリアせず当該クリア操作を無視し、解消されていると判定されたときにのみエラーフラグをクリアするように構成してもよい。なお、解消判定処理としては、上記[クリア操作時の特定エラー解除判定について]欄の第1の具体例で記載した処理であってもよい。
【0278】
[設定変更状態への制御と初期化1との関係について]
前述した実施の形態では、図6のSa27e以降の処理において、設定変更状態に制御されるときに初期化1を実行する例について説明した。しかし、解除未確認フラグなどがセットされており、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合に初期化1することを規制するように制御されるものでありさえすればよく、たとえば、設定変更状態に制御される場合であっても初期化1を実行しないものであっても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0279】
第1の例として、設定変更操作と異なる特定の操作を行なうことにより初期化1を実行するようにしてもよい。この場合には、設定変更操作が行なわれた場合には、解除未確認フラグなどがセットされているか否か、すなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かに関わらず、設定変更状態に制御するようにし、特定の操作が行なわれた場合にのみ、解除未確認フラグなどがセットされているか否かすなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときに初期化1を実行せず、解除されていると判定されたときに初期化1を実行するように構成してもよい。
【0280】
すなわち、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、特定操作を検出する特定操作検出手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記特定操作が検出されたことを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記特定操作が検出された場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい。
【0281】
第2の例として、設定変更操作を行なうことにより設定変更状態に制御されるとともに初期化1を実行し得るものにおいて、設定変更操作が行なわれた場合に、解除未確認フラグなどがセットされているか否かすなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときには設定変更状態に制御するが初期化1を実行せず、解除されていると判定されたときに設定変更状態に制御するとともに初期化1を実行するように構成してもよい。
【0282】
すなわち、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御されることを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記設定変更状態に制御される場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい。
【0283】
なお、前述した実施の形態において、設定変更操作が行なわれた場合に、解除未確認フラグがセットされており、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があると判定されたときには、必ず、設定変更状態に制御することを禁止する例について説明したが、これに限らず、さらに所定条件が成立しているときには、初期化1のみを禁止し、設定変更状態には制御するようにしてもよい。すなわち、設定変更操作が行なわれた場合に、解除未確認フラグがセットされていると判定されたときに、初期化1を禁止するものであれば、設定変更状態に制御されにくくなるものであってもよい。この場合における所定条件とは、たとえば、解除未確認フラグがセットされている状態で設定変更操作が行なわれた後、当該解除未確認フラグをクリアするまでに再び設定変更操作が行なわれたことなど、すでに遊技場の管理者が解除未確認フラグがセットされていることを認識済であるときに成立するものであってもよい。
【0284】
[特定エラーについて]
前述した実施の形態においては、図12のSf2およびSf5で示したように、払出処理あるいはゲーム終了時処理が実行されているタイミングにおいて判定されるエラーを特定エラーとして説明した。しかし、特定エラーは、1ゲーム中における特定タイミングにおいて判定され、かつ所定の作業(クリア操作を除く)を行なって発生原因を解消しなければ当該特定タイミングに到達する度にエラー判定されるようなエラーであれば、払出処理あるいはゲーム終了時処理が実行されているタイミングにおいて判定されるエラーに限らずその他のタイミングにおいて判定されるエラーであってもよく、たとえば、BET処理が実行されているタイミングや内部抽選処理が実行されているタイミングなどであってもよい。
【0285】
[その他の変形例について]
(1) 前述した実施の形態においては、図6のSa27bの判定結果に応じて遊技が不能動化される例について説明した。しかし、Sa27bの処理は、電源投入されてから初期化1が実行されるまでの間に行なうものであればよい。
【0286】
(2) 上記の実施の形態では、遊技機の一例として、1ゲームに対してメダルやクレジットを用いて賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンを説明した。
【0287】
しかしながら、本発明を具現化する遊技機は、このようなスロットマシンに限定されるものではなく、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であればよい。遊技機としては、たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(たとえばパチンコ球)を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域(たとえば始動口)を通過(入賞)することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果(たとえば大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御するパチンコ機であってもよい。この場合、有利度を変更するとは、特定遊技状態(いわゆる大当り)に制御される確率が異なるように定められた複数種類の設定値のうちいずれかを設定することをいう。また、可変表示条件は、始動領域を通過したときに成立して乱数が読み出され、当該始動領域への通過を契機として可変表示を開始できるタイミングに到達したときに、設定されている設定値から特定される確率にしたがって、当該乱数を用いて特定表示結果を導出させるか否かを決定する。
【0288】
(3) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機で用いられている遊技球(パチンコ球)を用いて賭数を設定するいわゆるパロットや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
【0289】
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
【0290】
(4) 前述した実施の形態においては、有利度を設定するための設定値が、入賞の発生を許容する旨が決定される確率(当選率)を特定する値である例について説明した。しかし、設定値は、遊技者にとっての有利度を異ならせるものであればよく、たとえば、当選状況に応じた情報が報知されるナビ演出を実行、あるいは当該ナビ演出を実行するアシストタイム(AT)に制御するスロットマシンにおいては、当該ナビ演出を実行する確率、あるいはATに制御する確率を特定する値であってもよい。また、特定の図柄組合せにより、再遊技役の当選確率が向上するリプレイタイム(RT)に制御するスロットマシンにおいては、当該RTに制御する確率を特定する値であってもよい。このように、設定値に応じて遊技者にとっての有利度が異なるものであれば、当選率が同じであってもよい。
【0291】
また、パチンコ機に適用した場合、有利度を設定するための設定値は、大当りに当選する確率を特定する値であってもよい。また、遊技者にとって有利度が異なる当りの種類が複数種類(大当り、中当り、小当り)設けられているパチンコ機においては、設定値が、当りの種類毎に当選する確率を特定する値であってもよく、いずれかの当りに当選する合計確率を特定する値であってもよい。また、大当りとなる確率が向上する確率変動状態に制御するパチンコ機においては、設定値が、確率変動状態に制御する確率を特定する値であってもよい。
【0292】
(5) 前述した実施の形態においては、電源投入時において、設定キースイッチ37がON状態であるか否かを判定し、ON状態であるときに、解除未確認フラグなどに基づき、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときには初期化1を実行しない例について説明した。しかし、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定するタイミングは、これに限らず、たとえば、電源投入された後、設定キースイッチ37がON状態であるか否かを判定するまでのタイミングであってもよい。具体的には、図6におけるSa11やSa31の処理が行なわれるまでに、解除未確認フラグなどに基づき特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていると判定されたときにはSa11やSa31の処理に移行可能とし、解除されていないと判定されたときにはSa11やSa31の処理に移行させないことにより設定変更状態に制御されないことにより初期化1を実行させないように構成してもよい。
【0293】
(6) 電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に、設定キースイッチ37がONを特定するための検出信号が出力されている特定操作状態となったときにおいて、前面扉1bの開閉状態を判定し、前面扉1bが開放状態でないと判定されたときには、不正行為とみなし、RAMクリア(初期化1)を実行することなく、かつ設定変更状態に制御させないように構成してもよい。すなわち、本来であれば前面扉1bが開放状態でなければ、電源スイッチ39や設定キースイッチ37を操作できず特定操作状態にも成り得ないところ、特定操作状態となったときに前面扉1bが開放状態となっておらず不正行為が行なわれた可能性があるときには、初期化1を実行させることなく、かつ設定変更状態に制御されることがない。これにより、不正行為によって設定変更状態に制御されて、設定変更が行なわれることを確実に防止することができ、さらに不正行為によってRAMクリアされてしまうことを防止することができる。
【0294】
前面扉1bの開閉状態を判定するタイミングは、たとえば、電源投入時から図6のSa27bの判定が行なわれるまでのタイミングであってもよい。この場合、前面扉1bが開放状態となっていないと判定されたときにはSa27bのステップに移行させず、前面扉1bが開放状態となっていると判定されたときにSa27bのステップに移行させるようにすればよい。
【0295】
また、前面扉1bの開閉状態を判定するタイミングは、たとえば、図6のSa27bの判定が行なわれた後のタイミングであってもよい。この場合、図6のSa27bの判定において解除未確認フラグがセットされておらず特定エラーの発生原因が解消されていると判定されたときに前面扉1bの開閉状態を判定し、前面扉1bが開放状態となっていないと判定されたときにはSa27eのステップに移行させず、前面扉1bが開放状態となっていると判定されたときにSa27eのステップに移行させるようにすればよい。
【0296】
前面扉1bが開放状態でないと判定されたときに初期化1を実行することなく、かつ設定変更状態に制御させないように構成した場合において、一旦設定変更処理への制御が開始された後においては、前面扉1bの開閉状態に関わらず、設定キースイッチ37がOFFされるまで当該設定変更処理を継続させるようにしてもよい。すなわち、一旦設定変更処理に移行されてから、設定キースイッチ37がOFFされて設定終了条件が成立するまで、前面扉1bの開閉状態に関わらず、当該設定変更処理が維持されるようにしてもよい。これにより、不正行為ではなく正規に電源スイッチ39や設定キースイッチ37の操作が行なわれて設定変更状態に制御された後においては、設定変更途中において、たとえばドア開放検出スイッチに誤って手が触れるなどして前面扉1bが閉鎖状態であると誤検出されたとしても、当該設定変更状態を維持させて、確実に設定変更を行なうことができる。このため、誤操作によって再度、電源を落として最初から設定変更状態としなければならないといった煩わしさを遊技場管理者に抱かせてしまうことがない。
【0297】
すなわち、以下の構成を備えるものであってもよい。開閉可能に設けられた開閉体(前面扉1b、本体枠914)と、前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段(ドア開放検出スイッチ25、本体枠開放検出スイッチ925)と、前記開閉体が開放状態であるときに前記操作可能となる前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態(電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に設定キースイッチ37がON状態)であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには前記設定変更状態に制御可能とし、閉鎖状態であるときには前記設定変更状態に制御することを規制する状態制御手段とをさらに備え、データ制御手段は、前記操作手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化可能とし、閉鎖状態であるときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化せず、前記状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、所定の設定終了条件が成立(図7のSc11においてYES)するまで当該設定変更状態を維持する。
【0298】
(7) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0299】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、91 サブ制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、パチンコ機およびスロットマシンなどの遊技機に関する。詳しくは、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、このような遊技機の一例として、可変表示装置を含む各種装置やこれらの装置を制御するための制御回路が本体内部に組み込まれ、該本体の前面が前面扉により開閉自在とされており、当該前面扉を開放させて本体内部に組み込まれた特定の操作手段を操作することにより、遊技制御に用いるデータを記憶する記憶領域(たとえばRAM)を初期化するとともに、設定変更状態に制御させて、当該設定変更状態において複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択して設定することができるものがあった(たとえば、特許文献1参照)。設定値は、入賞(大当り、中当り、小当り、ボーナス、小役、再遊技役など)の発生を許容する確率(当選確率)を定めるものである。
【0003】
また、このような遊技機としては、遊技の進行における所定タイミングにおいて所定のエラー(たとえば、満タンエラー、払出エラーなど)が発生したか否かを判定し、エラーが発生したと判定したときに、エラー中である旨を示すエラー情報を記憶領域に記憶するとともに、エラー報知するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−198196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の遊技機では、エラー報知中において当該エラーを解除することなく特定の操作手段を操作することにより設定変更状態に制御させたときにも、記憶領域が初期化されてしまうため、エラー情報もクリアされてしまう。このため、エラー報知中に設定変更状態に制御させた後においては、実際にエラーが解除されていないにも関わらず、エラー報知することができない。その結果、エラーが解除されていないにも関わらず遊技が行なわれてしまった場合には、所定タイミングにおいて再び当該エラーが発生したと判定されてエラー報知されてしまい、すぐに遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまう虞があった。
【0006】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、記憶領域が初期化されることによる不都合の発生を低減することができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 遊技者に対する有利度(たとえば設定値)を変更可能な遊技機(スロットマシン、パチンコ機など)であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(メイン制御部41、ゲーム処理)と、
遊技が進行することにより到達し得る特定タイミング(払出処理時、ゲーム終了時など)において、所定の異常(メダル切れエラー、払出メダル詰りエラー、満タンエラー)が発生しているか否かを判定する異常判定手段(図12のSf2〜Sf6)と、
所定の設定操作を検出する設定操作検出手段(電源スイッチ39、設定キースイッチ37)と、
前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態(たとえば、電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に設定キースイッチ37がON状態)であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(図6のSa11、Sa31、Sa27b、Sa28)と、
遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域(メイン制御部41のRAMの格納領域)に記憶し、前記設定変更状態に制御される場合には前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段(図6のSa27b、Sa27e)とを備え、
前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立(図12のSf15でYES、エラー原因が実際に解消されたことを特定)するまで異常判定データ(解除未確認フラグ)を前記記憶領域に記憶し、
前記設定変更状態制御手段は、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには、前記設定変更状態に制御することを規制する(図6のSa27cに移行)。
【0008】
このような構成によれば、異常判定データが記憶領域に記憶されているときには、設定操作検出手段の状態を特定するための信号を所定状態となるように設定操作しても、設定変更状態に制御されず初期化されない。すなわち、異常判定データが記憶領域に記憶されているときには初期化されない。これにより、異常判定データが記憶領域に記憶された後においては、解除条件が未だ成立していないにも関わらず、当該異常判定データが消去されてしまうことを防止できる。このため、たとえば、異常判定データが記憶されていたにも関わらず設定変更状態に制御されることにより初期化されてしまい、その後、特定タイミングとなったときに再び異常判定されてしまうといったような不都合の発生を低減することができる。その結果、設定変更前から発生していた異常が解除されていなかったことにより設定変更後の遊技においてすぐに異常が発生してしまい、遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまう不都合の発生を低減することができる。
【0009】
なお、遊技機は、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であればよく、1ゲームに対して賭数を設定することにより可変表示装置における表示状態を変化させ得る遊技が開始可能となるスロットマシン(実施の形態参照)、所定の遊技領域(遊技盤)に打ち込まれた遊技媒体(たとえばパチンコ球)が所定の始動領域(始動口)を通過することにより可変表示装置における表示状態を変化(変動)させ得るパチンコ機(変形例(2)(3)参照)などであってもよい。
【0010】
また、有利度とは、遊技者にとっての有利度合いの大きさに関わる値であればよく、特定表示結果(ボーナス、小役、再遊技役、大当り、中当り、小当りなど)の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段により特定表示結果の導出を許容する旨が決定される確率を定めた値であってもよいし、遊技者にとって有利な情報が報知される確率、遊技者にとって有利な情報が報知される報知状態に移行する確率などを定めた値であってもよい。また、遊技者にとって有利な有利状態(ボーナス、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、大当り、確率変動状態など)に制御され得る確率が定められているものであってもよい(変形例(4)参照)。
【0011】
また、特定タイミングとは、1ゲームあるいは1変動における予め定められたタイミングをいい、1ゲーム毎あるいは1変動毎に到達し得るタイミングをいう。このため、特定タイミングは、遊技を継続して行なわれることにより、繰り返し到達し得るタイミングといえる。
【0012】
所定の異常とは、異常の発生原因を解消するために所定の作業をしなければ、所定のクリア操作をしただけでは再度特定タイミングに到達したときに異常発生と判定されてしまう異常をいう(変形例の[特定エラーについて]欄参照)。
【0013】
解除条件とは、異常の発生原因が解消したことを実際に特定すること(図12のSf15でYES)により成立する条件であってもよく、異常の発生原因を解消した後に操作される特定操作が行なわれること(図12のSf11でYES)により成立する条件であってもよい。
【0014】
設定操作検出手段は、一の操作を検出する一の操作手段であってもよく、第1の操作を検出する操作手段と当該第1の操作とは別の第2の操作を検出する操作手段とを含む複数種類の操作手段であってもよい。また、設定操作検出手段の状態とは、設定操作検出手段の操作部の状態(設定キースイッチの状態など)をいい、所定状態とは、設定操作検出手段の状態が予め定められた状態となっているときの信号の状態(設定キースイッチからの信号がON状態など)をいう。
【0015】
なお、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときに前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するように制御されるものであればよく、たとえば、データを初期化する条件は、設定変更状態に制御されることに限るものではない。すなわち、(1)に記載の構成を備える遊技機に限らず、たとえば、以下の構成を備える遊技機であってもよい。
【0016】
遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、特定操作を検出する特定操作検出手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記特定操作が検出されたことを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記特定操作が検出された場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい(変形例の[設定変更状態への制御と初期化1との関係について]欄参照)。
【0017】
また、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御されることを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記設定変更状態に制御される場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい(変形例の[設定変更状態への制御と初期化1との関係について]欄参照)。
【0018】
(2) (1)の遊技機において、特定条件下(たとえば、BET処理実行時)において、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であることに基づいて、前記異常判定データが、前記記憶領域に記憶されているときには選択されている設定値を報知可能な設定値報知状態に制御し(図9のSe21に移行)、前記記憶領域に記憶されていないときには前記設定値報知状態に制御することを規制する(図9のSe18bに移行)報知制御手段(Se18、Se18a、Se18b、Se19〜Se21)を備える。
【0019】
このような構成によれば、異常判定データが記憶領域に記憶されているときには設定値報知状態にも制御されない。これにより、異常が解除されていない虞があるときに設定値が報知されてしまうような不都合の発生を防止することができる。
【0020】
(3) (1)または(2)の遊技機において、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であるが、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されていることにより、前記設定変更状態に制御されていないことに応じた非制御情報を報知する報知手段(メイン制御部41によりエラーコードを遊技補助表示器12に表示するための処理、サブ制御部91により特別解除促進演出を実行するための処理)を備える。
【0021】
このような構成によれば、非制御情報が報知されることにより、遊技機の管理者に対して、設定変更状態に制御されていないことを把握させかつ異常判定データが記憶されていることを把握させることができる。このため、遊技機の管理者に対して異常が実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
【0022】
(4) (1)〜(3)のいずれかの遊技機において、前記所定の異常が発生していると前記異常判定手段により判定されたときに、異常が発生している旨を、当該所定の異常とは異なる種類の異常が発生しているときと異なる特殊な態様で報知する報知手段(メイン制御部41によりエラーコードを遊技補助表示器12に表示するための処理、サブ制御部91により特定解除促進演出を実行するための処理)を備える。
【0023】
このような構成によれば、異常が発生している旨を特殊な態様で報知されることにより、遊技機の管理者に対して、解除条件を成立させなければ設定変更状態に制御されないことを把握させ易くすることができる。このため、遊技機の管理者に対して異常が実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
【0024】
特殊な態様とは、所定の異常とは異なる種類の異常が発生しているときには報知されない態様であればよく、たとえば、解除条件が成立しなければ設定変更状態に制御されない旨を報知する態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明が適用された実施の形態のスロットマシンの正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図5】入賞として定められた役の構成および遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。
【図6】メイン制御部が起動時に実行する起動処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】メイン制御部が実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】メイン制御部が設定変更処理後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図9】メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図10】メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】メイン制御部が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図12】メイン制御部が実行するエラー割込処理を示すフローチャートである。
【図13】エラー報知演出の一例を説明するための図である。
【図14】設定変更時におけるメインCPUおよびサブCPUの制御状況を示すタイミングチャートである。
【図15】設定確認時におけるメインCPUおよびサブCPUの制御状況を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。本実施の形態においては、遊技機としてスロットマシンを一例として説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図であり、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0027】
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0028】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0029】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0030】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0031】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
【0032】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態がRB(BB)の場合には2、通常遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0033】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
【0034】
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0035】
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0036】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)が設けられている。
【0037】
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が設けられている。
【0038】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0039】
電源ボックス100の前面には、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、電源投入時(起動時)に設定変更状態または設定確認状態に切替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0040】
また、ドア開放検出スイッチ25は、後述するように設定値を変更する際に操作される設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が搭載された電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面に設けられている。また、電源ボックス100は、筐体1a内部の下方位置に設けられているのに対し、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部の上方位置に設けられている。すなわち、ドア開放検出スイッチ25は、筐体1a内部において、電源ボックス100が設けられている位置に対し、対角する位置に設けられている。
【0041】
なお、ドア開放検出スイッチ25は、電源ボックス100が設けられた側面と対向する側面あるいは電源ボックス100と対角する位置において、前面扉1bの開放状態を検出するものであれば、筐体1aに設けられているものに限らず、前面扉1bの内側に設けられているものであってもよい。
【0042】
本実施の形態におけるドア開放検出スイッチ25としては、反射型の光センサを採用している。たとえば、光センサは、光(可視光線、赤外線など)を発射する投光部と、該光を検出する受光部とを含み、投光部は所定方向に光を発射し、受光部は投光部から発射された光のうち前面扉1bが閉鎖状態であるときにのみ当該前面扉1bに設けられている反射部材によって反射された光を検出することにより、前面扉1bが閉鎖状態であることを特定可能に構成されている。なお、ドア開放検出スイッチ25は、前面扉1bの開閉状態を検出できるものであればよく、反射型の光センサに限るものではなく、透過型のものであってもよく、また前面扉1bの開閉状態に応じてON/OFFするスイッチであってもよい。
【0043】
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、或いはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態がRB(BB)では2枚、通常遊技状態では3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0044】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0045】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0046】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。
【0047】
また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
【0048】
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0049】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0050】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0051】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0052】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0053】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
【0054】
遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
【0055】
メイン制御部41は、メインCPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えた1チップマイクロコンピュータにて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を実行することにより遊技の制御を行なうとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0056】
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、所定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得(ラッチ)する。乱数発生回路42は、カウントする数値の範囲として0〜65535が定められている。
【0057】
メイン制御部41は、サンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メイン制御部41は、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
【0058】
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。
【0059】
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にリセット信号を与える。
【0060】
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
【0061】
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、外部マスカブル割込端子XINTが、前述した電断検出回路48と接続されており、メイン制御部41は電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて後述する電断割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、タイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
【0062】
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。本実施の形態では、タイマ割込処理(メイン)よりも電断割込処理(メイン)の方が優先順位が高く、これらの割込が同時に発生した場合には電断割込処理(メイン)が優先して実行される。
【0063】
なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。たとえば、タイマ割込処理(メイン)の実行中に電圧低下信号が入力された場合に、その時点で電断割込処理(メイン)が実行されることはないが、実行中のタイマ割込処理(メイン)が終了した時点で、電圧低下信号の入力が継続している場合には、その時点で電断割込処理(メイン)が実行されることとなる。
【0064】
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。
【0065】
なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0066】
メイン制御部41は、演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
【0067】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0068】
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
【0069】
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
【0070】
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時または電源遮断時にサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98が搭載されており、サブ制御部91は、メイン制御部から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0071】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブ制御部91は、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。
【0072】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。なお、電断割込処理(サブ)の実行中には、コマンド受信割込処理も禁止されるが、電断割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生した場合にはコマンド受信割込処理を優先して実行する。
【0073】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0074】
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0075】
設定値を変更するためには、前面扉1bを開放させ、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39および設定キースイッチ37を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。操作に応じて選択され設定された設定値は、メイン制御部41のRAMに記憶されている。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、電源スイッチ39を一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をONさせる操作を行なうことにより、設定変更状態に移行されるため、当該操作をまとめて設定変更操作ともいう。
【0076】
本実施の形態においては、前面扉1bを開放状態とすることにより設定変更操作を行なうことが可能となるため、当該前面扉1bが開閉体であるといえる。また、前面扉1bの開放状態を検出するためのドア開放検出スイッチ25が開閉状態検出手段であるといえる。
【0077】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0078】
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41が電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するメイン制御部41のRAMのスタックに退避し、メイン制御部41のRAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、たとえば5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、メイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、メイン制御部41のRAMに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはメイン制御部41のRAMの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、メイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、メイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
【0079】
そして、メイン制御部41は、その起動時においてメイン制御部41のRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、メイン制御部41のRAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0080】
なお、本実施の形態では、メイン制御部41のRAMに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてメイン制御部41のRAMのデータが正常であると判定した場合に、メイン制御部41のRAMの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、メイン制御部41のRAMに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
【0081】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0082】
また、サブ制御部91も電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
【0083】
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0084】
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブ制御部91は、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
【0085】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0086】
次に、メイン制御部41に搭載されているRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0087】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。
【0088】
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にメイン制御部41のRAMのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。
【0089】
未使用領域は、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0090】
メイン制御部41は、スロットマシンにおける遊技の進行に応じて、当該遊技を制御するためのデータを読み出しおよび書き込みが可能となるようにRAMの格納領域に格納する。
【0091】
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時においてメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
【0092】
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化1では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
【0093】
初期化1において初期化される情報には、たとえば、電断時にバックアップされていた情報(設定されていた賭数を特定するための情報、BB当選を特定するための情報など)が含まれる。これにより、初期化1が行なわれたときには、電断前に賭数が設定されていたとしても当該賭数が設定された状態に復帰されることがなく、また、電断前にBB当選していたとしてもBB当選状況に復帰されることがない。これにより、設定変更状態となる前の遊技状態を設定変更状態となった後に引き継がれることを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
【0094】
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
【0095】
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行なっているが、設定変更状態の終了時に行なったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定変更状態終了時の初期化では、設定値ワークの初期化は行なわれない。
【0096】
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施の形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、ビッグボーナス(以下ではBBと称す)、通常遊技状態があり、このうちRBやBBでは賭数の規定数として2が定められており、通常遊技状態では賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBやBBであれば、賭数として2が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、通常遊技状態であれば、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、RBやBBでは賭数として2が定められた時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることなり、通常遊技状態では賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
【0097】
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
【0098】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大別すると、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
【0099】
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0100】
このスロットマシン1における役としては、図5に示すように、特別役としてビッグボーナス(以下ではビッグボーナスをBBとする)、レギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
【0101】
チェリーは、いずれの遊技状態においても右リールについて入賞ラインのいずれかに「白チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、いずれの遊技状態においても1枚のメダルが払い出される。なお、「白チェリー」の図柄が右リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L5または入賞ラインL3、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、2枚のメダルが払い出されることとなる。
【0102】
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せまたは「スイカ−スイカ−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では12枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBやBBでは15枚のメダルが払い出され、通常遊技状態では10枚のメダルが払い出される。
【0103】
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せ、「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せ、または「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せのうちいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0104】
RBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
【0105】
BBは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せまたは「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
【0106】
BBが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
【0107】
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
【0108】
本実施の形態では、図5に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RBやBBであるか、によって内部抽選の対象となる役が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態においては、特別役の持越中であるか否かによっても内部抽選の対象となる役が異なる。
【0109】
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、BB、RB、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0110】
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0111】
遊技状態がRB(BB中を含む)では、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0112】
なお、本実施の形態においては、BBに対応する図柄組合せが3種類、リプレイに対応する図柄組合せが3種類、スイカに対応する図柄組合せが2種類定められている例について説明したが、内部抽選では、図柄組合せ毎に対象役として読み出される。たとえば、BBについては、「黒7−黒7−黒7」の組合せ、「網7−網7−網7」の組合せ、「白7−白7−白7」の組合せが内部抽選の対象役として順に読み出される。リプレイやスイカについても、図柄組合せ毎に、対象役として順に読み出される。また、内部抽選で用いられる判定値数は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せ毎に定められている。すなわち、当選率は、設定値1〜6に対応して、図柄組合せ毎に定められている。このため、内部抽選においては、設定値に対応して図柄組合せ毎に定められた当選率にしたがって、図柄組合せの導出(発生)が許容されることになる。
【0113】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークの値)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0114】
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをメイン制御部41のRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0115】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
【0116】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0117】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0118】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0119】
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。
【0120】
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0121】
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0122】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0123】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0124】
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
【0125】
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0126】
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
【0127】
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0128】
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
【0129】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。
【0130】
これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0131】
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行なっているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行なってもよい。
【0132】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0133】
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
【0134】
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0135】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
【0136】
本実施の形態では、メイン制御部41が演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0137】
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0138】
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0139】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0140】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
【0141】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
【0142】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行なわれる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
【0143】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
【0144】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0145】
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時およびゲームの終了時に送信される。
【0146】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0147】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0148】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、その後エラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0149】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0150】
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0151】
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
【0152】
これらコマンドのうち設定開始コマンド、RAM異常または乱数回路異常を示すエラーコマンド、復帰コマンドは、起動処理において割込が許可される前の段階で生成され、メイン制御部41のRAMの特別ワークに割り当てられた特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。
【0153】
設定開始コマンド、RAM異常または乱数回路異常を示すエラーコマンド、復帰コマンド以外のコマンドは、ゲーム処理においてゲームの進行状況に応じて生成され、メイン制御部41のRAMの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において実行するコマンド送信処理において送信される。
【0154】
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図6〜図12に基づいて以下に説明する。
【0155】
メイン制御部41は、リセット要因が発生すると、図6のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行なう。なお、リセット要因としては、電源投入時において外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するシステムリセットや、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなどのユーザリセットがある。このため、起動処理(メイン)は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。
【0156】
起動処理(メイン)では、まず、メイン制御部41のCPUがROMから読み出したセキュリティチェックプログラムに基づき、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、メイン制御部41のROMに記憶されているゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
【0157】
メイン制御部41は、Sa1のセキュリティチェック処理の終了後、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、所定のレジスタの値を初期化する(Sa3)。レジスタの初期化により、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスや、メイン制御部41のRAMの格納領域を参照する際の基準アドレスなどが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
【0158】
次いで、メイン制御部41のRAMへのアクセスを許可し(Sa4)、メイン制御部41のRAMの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa5)、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa6)。
【0159】
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa7)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa7のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、メイン制御部41のRAMに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、設定キースイッチ37がONか否かを判定し(Sa31)、設定キースイッチ37がONであれば、プログラム管理エリアに記憶されている乱数初期設定を読み出して乱数回路設定処理を実行した後(Sa25)、乱数発生回路42における動作異常の有無を検査するための乱数回路異常検査処理を実行する(Sa26)。
【0160】
Sa26のステップにおける乱数回路異常検査処理の後、乱数発生回路42が異常であるか否か、すなわち乱数回路異常か否かを判定する(Sa27a)。乱数回路異常か否かは、乱数回路異常を示すエラーコードが設定されているか否かによって判定する。Sa27aのステップにおいて乱数異常と判定された場合には、乱数回路異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa22)、割込を許可して(Sa23)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
【0161】
Sa27aのステップにおいて乱数異常ではないと判定された場合には、解除未確認フラグがRAMの所定領域にセットされていないかが判定される(Sa27b)。解除未確認フラグとは、1ゲーム中における特定タイミングに実行されるエラー判定で、エラー発生と判定されたときにRAMの所定領域にセットされ、当該エラーの原因が実際に解消されたと判定されたときにクリアされるフラグをいう。このため、解除未確認フラグがセットされている状態とは、エラーが発生したが当該エラーの原因が実際に解消されたことを確認できていない状態(以下では、解除未確認状態ともいう)をいう。1ゲーム中における特定タイミングに実行されるエラー判定については、図12を用いて詳述する。
【0162】
Sa27bのステップにおいて解除未確認フラグがセットされていないと判定されなかったとき、すなわち解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定キースイッチがON状態であるが設定変更状態に制御できない設定変更不能を示すエラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する(Sa27c)。サブ制御部91は、設定変更不能を示すエラーコマンドを受信すると、後述する特別解除促進演出を実行させる。なお、設定変更不能を示すエラーコマンドは、特別コマンド送信用バッファに設定するようにしてもよい。
【0163】
また、設定キースイッチがON状態であるが、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、対応するエラーコードを設定する。これにより、対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。また、リセット/設定スイッチ38の操作またはリセットスイッチ23の操作が検出されると、エラーコードの表示が終了するとともに、対応するエラー解除コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する。
【0164】
このように、Sa27bでは、電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)であって、設定キースイッチ37がONを特定するための検出信号が出力されている所定状態(以下では、特定操作状態ともいう)となったときに、解除未確認フラグがセットされているか否かが判定され、セットされており解除未確認状態であると判定されたときには、RAMクリア(初期化1)されることなく、かつ設定変更状態に制御されることがない。すなわち、電源投入時において特定操作状態となったときであっても、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、RAMクリア(初期化1)されることが禁止され、かつ設定変更状態に制御されることが禁止される。
【0165】
一方、Sa27bのステップにおいて解除未確認フラグがセットされていないと判定されたとき、すなわちエラー原因が実際に解除されたことを確認済みであると判定されたときには、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1(いわゆるRAMクリア)を実行した後(Sa27e)、設定開始コマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する(Sa28)。次いで、割込を許可して(Sa29)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。設定変更処理では、前面扉1bの開閉状態に関わらず、設定キースイッチ37がOFFされるまで継続される。
【0166】
Sa31のステップにおいて設定キースイッチ37がOFFであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa32)、RAM異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa33)、割込を許可して(Sa34)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
【0167】
Sa7のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa8のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、メイン制御部41のRAMのデータが正常ではないので、Sa31のステップに移行して、設定キースイッチ37がONであれば、乱数回路設定処理(Sa25)、乱数回路異常検査処理(Sa26)を順次行ない、乱数回路異常であれば、乱数回路異常を示すエラーコマンドの送信(Sa22)の後、割込を許可して(Sa23)、エラー処理に移行する。
【0168】
一方、乱数回路異常でなければ、Sa27bに移行して、解除未確認フラグがセットされていないと判定されたときには、初期化1を実行した後(Sa27e)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信設定(Sa28)した後、割込を許可して(Sa29)、設定変更処理に移行するのに対し、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定変更不能を示すエラーコマンドを送信設定(Sa27c)して後述する特別解除促進演出を実行させるとともに、対応するエラーコードを表示しかつ対応するエラーフラグをセットし(Sa27d)、Sa16の処理へ移行する。図12のエラー割込処理で説明するように、エラーフラグがセットされてから所定のクリア操作がされてクリアされるまで、ゲームを進行させないように不能化する制御が行なわれる。
【0169】
また、Sa31のステップにおいて設定キースイッチ37がOFFであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa32)、RAM異常を示すエラーコマンドの送信(S33)の後、割込を許可して(Sa34)、エラー処理に移行する。
【0170】
Sa8のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、メイン制御部41のRAMのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa9)、メイン制御部41のRAMの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行なった後(Sa10)、設定キースイッチ37がONか否かを判定し(Sa11)、設定キースイッチ37がONであれば、乱数回路設定処理(Sa25)、乱数回路異常検査処理(Sa26)を順次行ない、乱数回路異常であれば、乱数回路異常を示すエラーコマンドの送信(Sa22)の後、割込を許可して(Sa23)、エラー処理に移行する。一方、乱数回路異常でなければ、Sa27bに移行して、解除未確認フラグがセットされていないと判定されたときには、初期化1を実行した後(Sa27e)、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信設定(Sa28)した後、割込を許可して(Sa29)、設定変更処理に移行するのに対し、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定変更不能を示すエラーコマンドを送信設定(Sa27c)して特別解除促進演出を実行させるとともに、対応するエラーコードを表示し(Sa27d)、Sa16の処理へ移行する。
【0171】
Sa11のステップにおいて設定キースイッチ37がOFFであれば、Sa25のステップと同じ乱数回路設定処理(Sa13)、Sa26のステップと同じ乱数回路異常検査処理(Sa14)を実行し、乱数回路異常か否かを判定する(Sa15)。
【0172】
Sa15のステップにおいて乱数回路異常であると判定された場合には、乱数回路異常を示すエラーコマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Sa22)、割込を許可して(Sa23)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
【0173】
Sa15のステップにおいて乱数回路異常ではないと判定された場合には、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa16)、復帰コマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する(Sa17)。そして、乱数ラッチフラグレジスタの値に基づいて乱数値がラッチされているか否かを判定し(Sa18)、乱数値がラッチされていなければSa20のステップに進み、乱数値がラッチされていれば、所定の乱数値レジスタから格納されている数値データを読み出し(Sa19)、Sa20のステップに進む。なお、Sa19のステップにおいて乱数値レジスタから数値データが読み出されると乱数ラッチフラグレジスタがクリアされ、新たな数値データの取込が許可されることとなる。また、Sa19のステップにおいては、数値データを読み出すものの、読み出した数値データを用いる訳ではなく、スタートスイッチ7の操作に応じて新たな数値データの取込を可能とするためにダミーとして読み出すものである。
【0174】
Sa20のステップでは、復帰コマンドを特定コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し、その後、割込を許可して(Sa21)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
【0175】
前述したエラー処理では、RAM異常エラーまたは乱数回路異常を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示し、遊技を不能動化させるための不能化フラグを設定し、いずれの処理も行なわないループ処理に移行する。これにより、RAM異常エラーまたは乱数回路異常エラーは、初期化1されない限り、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されず、元の状態に復帰することはない。一方、RAM異常、乱数回路異常以外によるエラーであれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除(後述するエラーフラグをクリア)してもとの処理に復帰する。
【0176】
図7は、メイン制御部41が実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0177】
設定変更処理では、まず、メイン制御部41のRAMの設定値ワークに格納されている設定値を読み出して、読み出した値を表示値とし(Sc1)、表示値が設定可能な範囲(1〜6)外か否かを判定し(Sc2)、表示値が設定可能な範囲内であればSc4のステップに進み、表示値が設定可能な範囲外であれば、表示値を1に補正し、Sc4のステップに進む。
【0178】
Sc4のステップでは、設定値表示器24に表示値を表示させた後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc5、Sc6)、Sc5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38のonが検出されると、操作スイッチの立上りを示す立上りエッジをクリアし(Sc7)、表示値を1加算し(Sc8)、Sc2のステップに戻る。なお、立上りエッジとは、該当する操作スイッチがOFFからONに変化した場合に、該当する操作スイッチがOFFからONに変化した旨を示すエッジデータである。よって、たとえばスタートスイッチ7の立上りエッジとは、スタートスイッチ7がOFFからONに変化した旨を示すエッジデータをいう。これに対して、立下りエッジとは、該当する操作スイッチがONからOFFに変化した場合に、該当する操作スイッチがONからOFFに変化した旨を示すエッジデータである。
【0179】
また、Sc6のステップにおいてスタートスイッチ7のonが検出された場合には、立上りエッジをクリアし(Sc9)、設定値表示器24に表示されている値を0に更新し(Sc10)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc11)。
【0180】
Sc11のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、表示値を設定値ワークに格納して(Sc12)、遊技状態コマンドを生成し、コマンド送信用バッファに設定する(Sc13)。Sc13のステップにおいて設定された遊技状態コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)にてサブ制御部91に対して送信される。
【0181】
Sc14のステップにおいては、遊技を不能動化させるための不能化フラグが設定されているか否か判定する。Sc14のステップにおいて当該フラグが設定されていないと判定されたときには、そのままゲーム処理に移行する。一方、Sc14のステップにおいて当該フラグが設定されていると判定されたときには、設定されている当該フラグをクリアし(Sc15)、ゲーム処理に移行する。これにより、不能化フラグが一旦設定されると設定変更状態に移行されるまで、当該フラグがクリアされないため、遊技を不能動化することができる。
【0182】
図8は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0183】
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
【0184】
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
【0185】
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた数値データに基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。
【0186】
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
【0187】
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
【0188】
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行なう。
【0189】
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
【0190】
また、ゲーム処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信されるようになっている。
【0191】
図9〜図11は、メイン制御部41がSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0192】
BET処理では、まず、メイン制御部41のRAMにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Se1)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では遊技状態に関わらず3)をメイン制御部41のRAMに設定し(Se2)、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Se3)。
【0193】
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、賭数が3加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド用送信バッファに設定し(Se4)、BETカウンタの値を1加算し(Se5)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Se6)、BETカウンタの値が規定数でなければSe5のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定し(Se7)、Se12のステップに進む。Se4のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0194】
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、投入待ち前の設定を行ない(Se8)、Se9のステップに進む。投入待ち前の設定では、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。
【0195】
Se9のステップでは、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し、BETカウンタの値が規定数でなければSe15のステップに進み、BETカウンタの値が規定数であれば、さらにいずれかのスイッチがOFFに変化したか否かを判定する(Se10)。Se10のステップでは、いずれかのスイッチの立下りを示す立下りエッジが設定されているか否かに基づいていずれかのスイッチがOFFに変化したか否かが判定される。さらに立下りエッジは、いずれかのスイッチがOFFに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、Se10のステップでは、いずれかのスイッチがOFFに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
【0196】
Se10のステップにおいていずれのスイッチもOFFに変化していないと判定された場合、またはいずれかのスイッチがOFFに変化したものの未だONが継続しているスイッチがある場合には、Se15のステップに進み、いずれかのスイッチがOFFに変化し、かつ全てのスイッチがOFFであると判定された場合には、立下りエッジをクリアし(Se11)、Se12のステップに進む。
【0197】
Se12のステップでは、乱数ラッチフラグレジスタの値に基づいて数値データがラッチされているか否か、すなわち乱数値レジスタに数値データが取り込まれているか否かを判定し、数値データがラッチされていなければSe15のステップに進み、数値データがラッチされていれば乱数値レジスタから数値データを読み出し(Se13)、Se15のステップに進む。なお、Se13のステップにおいて乱数値レジスタから数値データが読み出されると乱数ラッチフラグレジスタがクリアされ、新たな数値データの取込が許可されることとなる。また、Se13のステップにおいては、数値データを読み出すものの、読み出した数値データを用いる訳ではなく、スタートスイッチ7の操作に応じて新たな数値データの取込を可能とするためにダミーとして読み出すものである。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されている状態であるが、スタートスイッチ7以外のスイッチが操作されており、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、全てのスイッチがOFFの状態となり、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0198】
Se15のステップでは、メイン制御部41のRAMに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。Se15のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Se16)、Se18のステップに進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se17)、Se18のステップに進む。
【0199】
Se18のステップにおいては、設定キースイッチ37がonの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、解除未確認フラグがセットされていないか判定する(Se18a)。
【0200】
Se18aのステップにおいて解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であると判定されたときには、設定キースイッチがON状態であるが、設定確認処理に移行できず設定値を確認できない確認不能を示すエラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信し(Se18b)、Sa22の処理へ移行する。これにより、サブ制御部91は、設定確認処理に移行できない旨を示す確認不能演出を実行する。なお、確認不能演出が実行されると、対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。また、リセット/設定スイッチ38の操作またはリセットスイッチ23の操作が検出されると、エラーコードの表示が終了するとともに、エラー解除コマンドがサブ制御部91に送信されて確認不能演出が終了される。
【0201】
一方、Se18aのステップにおいて解除未確認フラグがセットされておらず解除未確認状態でないと判定されたときには、BETカウンタの値が0か否かを判定する(Se19)。なお、設定確認処理に移行するためには、Se18においてYESと判定されかつSe19においてYESと判定されることが条件となる。このため、Se18aの判定処理は、Se18においてYESと判定されかつSe19においてYESと判定された後に実行するようにしてもよい。
【0202】
Se19のステップにおいてBETカウンタの値が0であれば、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se20)、設定確認処理(Se21)、すなわち設定確認状態に移行する。Se20のステップで設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。また、Se21のステップにおける設定確認処理が終了した後は、Se9のステップに戻る。
【0203】
設定確認処理では、まず、ペイアウト表示器13の表示値を待避し、RAM41cの設定値ワークから現在設定されている設定値を取得し、取得した設定値をペイアウト表示器13に表示する。その後、設定キースイッチ37がoffになるまで待機し、設定キースイッチ37がoffになると先に待避させていたペイアウト表示器13の表示値を復帰させた後、確認終了コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、設定確認処理を終了する。設定された確認終了コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブCPU91aに対して送信される。
【0204】
Se18のステップにおいて設定キースイッチ37がonではない場合またはSe19のステップにおいてBETカウンタの値が0ではない場合には、Se22dに進む。
【0205】
Se22dでは、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する。Se22dのステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Se33のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリアし(Se23)、メイン制御部41のRAMに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Se24)、メダルの投入が可能な状態でなければSe33のステップに進む。
【0206】
Se24のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Se20)、BETカウンタの値が規定数でなければ、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se26)、BETカウンタの値を1加算し(Se27)、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されたか否かを判定し(Se28)、BETカウンタの値が規定数でなければSe9のステップに戻る。Se26のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0207】
また、Se28のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定された場合には、Se12のステップに戻り、ゲームの開始条件となる賭数が設定される前に数値データがラッチされていれば、Sa13のステップにて数値データが読み出され、新たな数値データの取込が可能となる。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されておらず、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、ゲームの開始条件となる既定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0208】
Se25のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、現在のクレジットカウンタの値を示すクレジットコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se29)、メイン制御部41のRAMにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Se30)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Se31)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se9のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定し(Se32)、Se9のステップに戻る。Se29のステップで設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0209】
Se33のステップでは、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、Se33のステップでは、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
【0210】
Se33のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、Se39のステップに進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば、立上りエッジをクリアし(Se34)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Se35a)。
【0211】
Se35aのステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、Se9のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であればSe36のステップに進み、乱数値格納ワークの値を内部抽選用の乱数値として抽選用ワークに設定し(Se36)、投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se37)、ゲーム開始時の設定を行なう(Se38)。そして、Se38のステップの後、BET処理を終了して図8のフローチャートに復帰する。
【0212】
Se39のステップにおいては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。Se39のステップにおいて1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、Se47のステップに進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば立上りエッジをクリアし(Se40)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se41)。Se41のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe9のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se42)、クレジットカウンタの値が0であればSe9のステップに戻る。Se42のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、賭数が1加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se43)、クレジットカウンタの値を1減算し(Se44)、BETカウンタの値を1加算して(Se45)、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されたか否かを判定し(Se46)、BETカウンタの値が規定数でなければSe9のステップに戻る。Se43のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0213】
また、Se46のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定された場合には、Se12のステップに戻り、ゲームの開始条件となる賭数が設定される前に数値データがラッチされていれば、Sa13のステップにて数値データが読み出され、新たな数値データの取込が可能となる。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されておらず、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、ゲームの開始条件となる既定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0214】
Se47のステップにおいては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立上り示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。Se47のステップにおいてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、Se61のステップに進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、立上りエッジをクリアし(Se48)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se49)。Se49のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、Se53のステップに進み、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se50)、クレジットカウンタの値が0であれば、Se53のステップに進む。Se50のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se51)、BETカウンタの値を1加算して(Se52)、Se49のステップに戻る。Se53のステップでは、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければ、Se9のステップに戻り、BETカウンタが加算されていれば、加算された数分賭数が加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(Se54)、Se55のステップに進む。Se54のステップで設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0215】
Se55のステップでは、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されたか否かを判定し、BETカウンタの値が規定数でなければSe9のステップに戻る。また、Se55のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定された場合には、Se12のステップに戻り、ゲームの開始条件となる賭数が設定される前に数値データがラッチされていれば、Sa13のステップにて数値データが読み出され、新たな数値データの取込が可能となる。このため、ゲームの開始条件となる賭数が設定されておらず、スタートスイッチ7の操作が無効化されている状態でスタートスイッチ7が操作されたために数値データがラッチされ、新たな数値データの取込が禁止されている状態であっても、ゲームの開始条件となる既定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7の操作が有効化された時点でラッチされている数値データがダミーとして読み出され、その後のスタートスイッチ7が操作されたタイミングで新たに数値データをラッチすることが可能となる。
【0216】
Se56のステップにおいては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。Se56のステップにおいて精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、Se9のステップに戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、立上りエッジをクリアし(Se57)、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se58)、当該ゲームがリプレイゲームであればSe9のステップに戻る。Se58のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が0か否かを判定し(Se59)、BETカウンタの値が0であればSe61のステップに進み、BETカウンタの値が0でなければ、既に設定済み賭数の精算を行なう旨を示す賭数精算フラグをメイン制御部41のRAMに設定し(Se60)、Se61のステップに進む。Se61のステップにおいては、ホッパーモータ34を駆動してクレジットカウンタまたはBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御、すなわちクレジットとして記憶されているメダルまたは賭数の設定に用いられたメダルを返却する制御が行なわれる精算処理を行なう。そして、Se61のステップにおける精算処理の後、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアして(Se62)、Se9のステップに戻る。
【0217】
図12は、一定時間間隔(たとえば、約0.56ms)毎にメイン制御部41が実行するエラー割込処理を示すフローチャートである。エラー割込処理においては、まず、Sf1において割込禁止に設定する。すなわち、エラー割込処理の開始に伴ってその他の割込処理の実行を禁止する。
【0218】
次に、ゲーム処理における払出処理を実行中であるか否かが判定される(Sf2)。Sf2において、払出処理実行中であると判定されたときには、Sf3またはSf4により、払出処理中に生じ得る特定エラーが発生したか否かが判定される。
【0219】
Sf3では、ホッパーモータ34bがON状態中であるときに、払出センサ34cからの払出検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りOFF状態であるか否かを判定する。これにより、ホッパータンクにメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル切れエラーであるか否かを判定することができる。
【0220】
ステップSf3においてホッパーモータ34bがON状態中であるときに、払出センサ34cからの払出検出信号が所定時間以上の期間に亘りOFF状態であると判定されたときには、メダル切れエラーであるため、ステップSf7の処理に進む。
【0221】
一方、ステップSf3においてホッパーモータ34bがON状態中でないと判定されたとき、または、払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態である期間が所定時間以上の期間に達していないと判定されたときには、メダルが払出されており、メダル切れでないため、ステップSf4の処理に進む。
【0222】
なお、ステップSf3における判定方法の一例を簡単に説明する。たとえば、まず、ホッパーモータ34bがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定された場合には、払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態であるか否かを判定する。払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態であると判定されたときには、メダル切れカウンタを1加算し、加算後のメダル切れカウンタの値が所定値(メダル切れ判定用時間内にエラー割込処理が行なわれる回数)に達したか否かを判定し、達していると判定されたときにステップSf7の処理に進み、達していないと判定されたときにステップSf4の処理に進む。一方、ホッパーモータ34bがON状態でない、または払出センサ34cからの払出検出信号がON状態であると判定された場合には、メダル切れカウンタの値をリセットしステップSf4の処理に進む。
【0223】
ステップSf4においては、払出センサ34cからの払出検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りON状態であるか否かを判定する。これにより、ホッパー内において払出されたメダルが詰まっているか否か、すなわち払出メダル詰りエラーを判定することができる。
【0224】
ステップSf4において払出センサ34cからの払出検出信号が所定時間以上の期間に亘りON状態であると判定されたときには、払出メダル詰りエラーであるため、ステップSf7の処理に進む。一方、ステップSf4において払出センサ34cからの払出検出信号がOFF状態である、またはON状態になってから所定時間以上経過していないと判定されたときには、ステップSf5の処理に進む。
【0225】
なお、ステップSf4における判定方法の一例を簡単に説明する。たとえば、まず、払出センサ34cからの払出検出信号がON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定された場合には、メダル詰り用カウンタを1加算し、加算後のメダル詰り用カウンタの値が所定値(メダル詰り判定用時間内にエラー割込処理が行なわれる回数)に達したか否かを判定し、達していると判定されたときにステップSf7の処理に進み、達していないと判定されたときにステップSf5の処理に進む。ON状態でないと判定された場合には、メダル詰り用カウンタの値をリセットしステップSf5の処理に進む。
【0226】
ステップSf5においては、ゲーム終了時処理を実行中であるか否かを判定する。ゲーム終了時処理実行中であると判定されたときには、Sf6により、ゲーム終了時処理中に生じ得る特定エラーが発生したか否かが判定される。すなわち、Sf6では、満タンセンサ35aからの検出信号が予め定められた所定時間以上の期間に亘りON状態であるか否かを判定する。これにより、オーバーフロータンク35内のメダルが満タンになっている満タンエラーが発生しているか否かを判定することができる。
【0227】
ステップSf6において満タンセンサ35aからの検出信号が所定時間以上の期間に亘りON状態であると判定されたときには、満タンエラーであるため、ステップSf7の処理に進む。一方、ステップSf6において満タンセンサ35aからの検出信号がOFF状態である、またはON状態になってから所定時間以上経過していないと判定されたときには、ステップSf8の処理に進む。
【0228】
なお、ステップSf6における判定方法の一例を簡単に説明する。たとえば、まず、満タンセンサ35aからの検出信号がON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定された場合には、満タン用カウンタを1加算し、加算後の満タン用カウンタの値が所定値(満タン判定用時間内にエラー割込処理が行なわれる回数)に達したか否かを判定し、達していると判定されたときにステップSf7の処理に進み、達していないと判定されたときにステップSf8の処理に進む。ON状態でないと判定された場合には、満タン用カウンタの値をリセットしステップSf8の処理に進む。
【0229】
本実施の形態では、特定エラーとして、メダル切れエラー、払出メダル詰りエラー、および満タンエラーを例示したが、特定エラーは、エラー原因を解消するために所定の作業(メダル補充作業、詰まったメダルを取り除く作業、オーバーフロータンク35内のメダルを取り除く作業など)をしなければ、クリア操作をしただけでは再度特定タイミングに到達したときにエラー発生と判定されてしまうエラーであればよく、これらに限るものではない。
【0230】
特定エラーが発生していると判定された場合、Sf7において特定エラー設定処理を行ない、Sf8に移行する。特定エラー設定処理では、発生したエラーの種類に対応して、エラーコードを設定して遊技補助表示器12に表示させるとともに、当該エラーを示す特定エラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、特定エラーコマンドを受信した場合、エラーの種類に対応して、エラーが発生した旨および解除を促進する旨を報知する特定解除促進演出を実行する。特定解除促進演出については、図13を用いて具体的に説明する。また、特定エラー設定処理では、エラーが発生した旨を示すエラーフラグおよび解除未確認フラグをセットする。エラーフラグがセットされている間、ゲーム(ゲーム処理)を進行させないように不能化する制御が行なわれる。
【0231】
Sf8では、Sf3、Sf4、およびSf6における判定対象となる特定エラーと異なる、その他のエラーが発生しているか否かが判定される。その他のエラーとは、たとえば、内部当選していない役に入賞する不正入賞エラー、ホッパーモータ34bがOFF状態中であるときに払出センサ34cからの払出検出信号がON状態となる払出異常エラー、回転中のリール2L〜2Rについて所定期間以上リールセンサ33L〜33Rによりリール基準位置が検出されないリール回転エラーなどである。
【0232】
Sf8によりその他のエラーが発生していると判定されたときには、Sf9において通常エラー設定処理を行ない、Sf10に移行する。通常エラー設定処理では、発生したエラーの種類に対応して、エラーコードを設定して遊技補助表示器12に表示させるとともに、当該エラーを示す通常エラーコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、サブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、通常エラーコマンドを受信した場合、エラーの種類に対応して、エラーが発生した旨を報知する演出を実行する。また、通常エラー設定処理では、エラーが発生した旨を示すエラーフラグをセットする。メイン制御部41では、エラーフラグがセットされている間、ゲームを進行させないように不能化する制御が行なわれる。
【0233】
Sf10においては、エラーフラグが記憶(セット)されているか否か判定する。エラーフラグがセットされていると判定されたときには、Sf11において所定のクリア操作がされたか否かが判定される。所定のクリア操作とは、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることをいう。
【0234】
Sf11においてクリア操作されたと判定されたときには、Sf12において、エラーフラグを消去(クリア)し、エラー解除コマンドをサブ制御部91に送信した後、割込禁止を解除しエラー割込処理を終了する。これにより、エラー発生時に行なっていた処理に復帰させて、ゲーム処理を再開させることができる。
【0235】
このため、たとえば、Sf3あるいはSf4においてYESと判定されセットされたエラーフラグがクリアされた場合には、払出処理に復帰させて再開される。このため、メダル切れエラーやメダル詰りエラーであった場合には、残りのメダルが払い出される。また、Sf6においてYESと判定されてセットされたエラーフラグがクリアされた場合には、ゲーム終了時処理に復帰させて再開される。さらに、再開後においてもSf3、Sf4、Sf6におけるエラー判定が行なわれる。その結果、エラー原因が実際に解消されていなければ再びSf7において特定エラー設定処理が行なわれる。Sf8におけるエラー判定についても同様である。
【0236】
Sf10あるいはSf11においてNOと判定されたとき(クリア操作後においてはSf7あるいは9においてエラーフラグが再びセットされなかったとき)には、Sf14において解除未確認フラグが記憶(セット)されているか否か判定する。解除未確認フラグが記憶されていると判定されたときには、Sf15において、対応するエラーフラグが消去済で、かつクリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより対応する解除条件が成立したか否かが判定される。
【0237】
解除条件とは、特定エラーの種類に応じて定められており、特定エラーの原因が実際に解消されたと判定されることにより成立する条件をいう。たとえば、メダル切れエラー発生時においては、クリア操作後に復帰される払出処理において、所定時間内にメダルが払出されて払出センサ34cからの検出信号がON状態となることにより成立し、払出メダル詰りエラー発生時においては、払出センサ34cによるメダル検出が解除され、払出センサ34cからの検出信号がOFF状態となることにより成立し、満タンエラー発生時においては、満タンセンサ35aからの検出信号がOFF状態となることにより成立する。このため、特定エラーについては、解除未確認フラグがセットされているか否かにより、当該特定エラーの原因が実際に解消されたか否かを特定することができる。
【0238】
Sf15において、エラーフラグが消去済でかつ解除条件が成立していると判定されたときには、Sf16において、解除未確認フラグを消去(クリア)して、Sf17に移行する。一方、Sf14あるいはSf15においてNOと判定されたときには、Sf16の処理を行なうことなく、Sf17に移行する。Sf17においては、割込禁止を解除しエラー割込処理を終了する。
【0239】
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、図6のSa27b〜Sa27dで示したように、設定変更操作が行なわれたときに、解除未確認フラグなどがセットされていることから特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、特別解除促進演出を実行させるとともに対応するエラーコードを表示し、かつ対応するエラーフラグをセットすることにより、クリア操作されるまでゲームの進行を不能化する制御を行ない、クリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより、図12のSa14で解除条件が成立したと判定されたときに解除未確認フラグをクリアして特定エラーの発生原因が実際に解除されたと判定されるように構成されている。
【0240】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0241】
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0242】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行なう。
【0243】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0244】
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0245】
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
【0246】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
【0247】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41からエラーコマンドを受信すると、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じた報知処理を行なう。報知処理では、エラーコマンドを受信してからエラー解除コマンドを受信するまでの間に亘り、当該エラーコマンドから特定されるエラーの種類に応じたエラー報知演出を実行するための処理が行なわれる。図13は、エラー報知演出の一例を説明するための図である。図13では、エラー報知演出が液晶表示器51の表示領域に表示されることにより行なわれる例について説明するが、エラー報知演出はこれに限らず、液晶表示器51に表示することに替えてあるいは加えて、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
【0248】
図13(a)は、特定エラーが発生して図12のSf7で送信される特定エラーコマンドを受信したことにより実行される特定解除促進演出の一例を説明するための図である。図13(a)では、リール2L〜2Rが停止してスイカに入賞したが、メダル払出中においてメダル切れエラーが発生した場合の特定解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「メダル切れエラー!メダル補充して下さい!解除しなければ設定変更できません!」といったメッセージが表示されている。これにより、メダル切れエラーが発生している旨、およびメダル補充することにより解除できる旨が報知される。このように、特定エラーが発生した場合における特定解除促進演出では、発生している特定エラーの種類、および当該特定エラーを解除する方法が報知される。
【0249】
図13(b)は、通常エラーが発生して図12のSf9で送信される通常エラーコマンドを受信したことにより実行される通常解除促進演出の一例を説明するための図である。図13(b)では、リール2L〜2R回転中においてリール回転エラーが発生した場合の通常解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「リール回転エラー!クリア操作して下さい!」といったメッセージが表示されている。これにより、リール回転エラーが発生している旨、およびクリア操作することにより解除できる旨が報知される。このように、通常エラーが発生した場合における通常解除促進演出では、発生している通常エラーの種類、およびクリア操作により解除できる旨が報知される。
【0250】
図13(c)は、解除未確認フラグがセットされている状態で設定変更操作が行なわれ図6のSa27cで送信される設定変更不能を示すエラーコマンドを受信したことにより実行される特別解除促進演出の一例を説明するための図である。図13(c)では、ゲーム終了時において満タンエラーが発生していると判定されていた場合の特別解除促進演出の一例を示す。液晶表示器51では、「設定変更できません!満タンですのでタンク内のメダルを取り除いて下さい!」といったメッセージが表示されている。これにより、満タンエラーが発生している旨、およびオーバーフロータンク35内のメダルを取り除くことにより解除できる旨が報知される。このように、設定変更不能によるエラーが発生した場合における特別解除促進演出では、解除されたことが確認できていないエラーの種類、および当該エラーを解除する方法が報知される。
【0251】
また、サブ制御部91は、解除未確認フラグがセットされている状態で設定確認操作が行なわれ図9のSe18bで送信される確認不能を示すエラーコマンドを受信したことにより確認不能演出を実行する。確認不能演出では、たとえば、払出メダル詰りエラーにより当該解除未確認フラグがセットされているときには、液晶表示器51において「設定確認できません!払出メダルが詰まっていないか再確認して下さい!」といった、異常が実際に解除していることの確認を促進させるようなメッセージが表示される。
【0252】
本実施の形態においてメイン制御部41は、前面扉1bを開放させた状態で、図14に示すように、設定キースイッチ37がONの状態で起動すると、設定開始コマンドをサブ制御部91に送信し、設定変更状態の開始を通知するとともに、設定値を変更可能な設定変更状態に移行することとなる。設定変更状態では、スタートスイッチ7が操作されるまでは、任意に設定値を選択することが可能となるが、スタートスイッチ7が操作されると、その時点で選択されている設定値が確定し、以後設定値を変更できない設定確定状態となり、この状態で設定キースイッチ37がOFFの状態とすることで設定変更状態は終了し、サブ制御部91に対して遊技状態コマンドを送信して設定変更状態の終了を通知する。
【0253】
一方、サブ制御部91は、設定開始コマンドにより設定変更状態の開始が通知されることで、遊技履歴データをクリアしたり、遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行なうこと、すなわち遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御する。そしてこの管理者モードは、遊技状態コマンドにより設定変更状態の終了が通知されることで終了することとなる。管理者モードに制御されると、所定の管理者モード画面が液晶表示器51に表示されるようになっており、この管理者モード画面において、たとえば、遊技履歴データのクリアや遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行なうことが可能とされている。
【0254】
なお、設定変更状態において設定値が確定してもメイン制御部41からサブ制御部91に対して何らの通知もされず、サブ制御部91は、メイン制御部41側で設定値が確定した後も、遊技状態コマンドによって設定変更状態の終了が通知されるまでは、継続して管理者モードに制御されるようになっており、設定変更状態において設定値が確定した後も、電源を再投入して設定値の確定前の状態にわざわざ戻すことなく、管理情報へのアクセスが可能となる。
【0255】
また、メイン制御部41は、前面扉1bを開放させた状態で、図15に示すように、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がONの状態となると、確認開始コマンドをサブ制御部91に送信し、設定確認状態の開始を通知するとともに、設定値を確認可能な設定確認状態に移行することとなる。設定確認状態は、設定キースイッチ37がOFFの状態とすることで設定確認状態は終了し、サブ制御部91に対して確認終了コマンドを送信して設定確認状態の終了を通知する。
【0256】
そして、サブ制御部91は、確認開始コマンドにより設定確認状態の開始が通知された場合にも、設定開始コマンドを受信した場合と同様に、遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御する。そしてこの管理者モードは、確認終了コマンドにより設定確認状態の終了が通知されることで終了することとなる。
【0257】
設定キースイッチ37は、キーを挿入し、回転させることでON/OFFを変更することが可能なスイッチであるが、通常キーは、店員が所持するものであり、遊技者が任意に設定キースイッチ37を操作することはできない。すなわち遊技者が任意に操作することのできない設定キースイッチ37を操作した場合のみ遊技店が管理するサブ制御部91側の管理情報にアクセス可能な管理者モードに制御されることとなる。
【0258】
このように本実施の形態では、メイン制御部41が設定変更状態に制御された場合だけでなく、設定確認状態に制御された場合にも管理者モードに制御されるようになっており、設定変更状態に移行させることなく、管理情報へのアクセスが可能となっている。特に、本実施の形態のように電源を再投入しないと設定変更状態に移行しない場合でも、管理情報へアクセスするだけのために電源を落とす必要がなくなる。さらに、本実施の形態のように、設定変更状態への移行に伴ってRAM41cが初期化されてしまう場合でも、RAM41cの格納データを維持したままで管理情報へのアクセスが可能となる。
【0259】
なお、本実施の形態では、メインCPU91aから設定開始コマンドまたは確認開始コマンドを受信した場合に、そのまま管理者モードに制御されるようになっているが、設定開始コマンドまたは確認開始コマンドを受信した後、たとえば、MAXBETスイッチ6を一定時間以上操作するなど、一定の操作がなされた場合にのみ管理者モードに制御する構成としてもよく、このようにすることで設定変更または設定確認が目的で管理情報にアクセスする必要がないにも関わらず、管理者モードに制御されてしまうことを防止できる。
【0260】
以上のように、メイン制御部41が設定変更状態または設定確認状態に制御される場合に、管理者モード画面が表示され、当該画面において、たとえばストップスイッチ8L、8C、8Rなどを操作することにより、遊技履歴データのクリア、遊技者により閲覧可能な遊技履歴データの設定、設定変更履歴の閲覧を行なうことが可能となる。
【0261】
なお、本実施の形態では、遊技履歴データをクリアしても設定変更履歴のデータはクリアされないようになっているので、たとえば、不正に設定変更がなされた場合でも、その証拠を確実に残しておくことができるが、遊技履歴データのクリアとともに設定変更履歴データについてもクリアされるようにしてもよいし、遊技履歴データと、設定変更履歴データと、を別個の操作によりクリアできるようにしてもよい。
【0262】
また、本実施の形態では、管理情報の一例としての設定変更履歴が記憶され、遊技店設定用モードにおいて該設定変更履歴を確認できるようになっているが、たとえばスロットマシン1の前面扉の開放履歴(前面扉の開放に基づく開放時刻や開放回数情報)やエラーの発生履歴(エラーの発生時刻や発生したエラーの種類、エラーの発生回数)等を記憶し、管理者モードにおいてこれら前面扉の開放履歴やエラーの発生履歴を確認できるようにしてもよい。
【0263】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態では、図6のSa27bで示したように、解除未確認フラグがセットされているときには、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をOFFからONに切替える設定変更操作を行なったとしても、設定変更状態に制御されずかつメイン制御部41のRAMが初期化されない。これにより、特定エラーが発生して解除未確認フラグがセットされた後においては、エラー原因が実際に解消されたことが確認できていないにも関わらず、当該解除未確認フラグがクリアされてしまうことを防止できる。このため、たとえば、解除未確認フラグがセットされており解除未確認状態であるにも関わらず設定変更状態に制御されてしまうことにより、メイン制御部41のRAMが初期化されてしまい、その後の、払出処理やゲーム終了時処理などが実行される特定タイミングにおいて再び特定エラーが発生していると判定されてしまうといったような不都合の発生を低減することができる。その結果、設定変更前から発生していた特定エラーが解除されていなかったことにより設定変更後の遊技においてすぐに特定エラーを発生させてしまい、遊技を中断せざるを得なくなり遊技者に不満を感じさせてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
【0264】
また、図6のSa27bでは、特定エラーが発生したときにエラーフラグとは別にセットされる解除未確認フラグに基づいて判定される。このため、たとえば、特定エラーの原因を解消する作業を行なうことなくクリア操作のみをしてエラーフラグをクリアした直後に電源をOFFにし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をOFFからONに切替える設定変更操作をした場合であっても、設定変更状態に制御させずかつメイン制御部41のRAMを初期化させないようにすることができる。すなわち、エラーフラグとは別にフラグをセットしない場合には、クリア操作後において再びエラーフラグがセットされるまでにエラー判定のために所定時間を要する(エラー割込処理が所定回行なわれる必要がある)ところ、前述した実施の形態においては、別の解除未確認フラグに基づき判定されるため、電源投入直後において特定エラーの原因が解消したことを確認できていないときには確実に設定変更状態に制御させずかつメイン制御部41のRAMを初期化させないようにすることができる。
【0265】
(2) 前述した実施の形態においては、図9のSe18aで示したように、解除未確認フラグがセットされているときには、設定確認状態にも制御されない。これにより、特定エラーの原因が解消されていない虞があるときに設定値が報知されてしまうような不都合の発生を防止することができる。
【0266】
(3) 前述した実施の形態においては、設定変更操作時において解除未確認フラグがセットされているときには、Sa27dにより対応するエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、Sa27cにより送信される設定変更不能を示すエラーコマンドに基づきサブ制御部91により図13(c)に示した特別解除促進演出が実行される。これにより、遊技場の管理者に対して、設定変更状態に制御されていないことを把握させかつ解除未確認状態であることを把握させることができる。このため、遊技場の管理者に対して特定エラーが実際に解除しているか否かの確認を促進させることができる。
【0267】
(4) 前述した実施の形態において、特定エラーが発生したと判定されたときには、通常エラーが発生したときとは異なる特殊な態様で解除促進演出が実行される。すなわち、通常エラーが発生したときには、図13(b)で示した態様の通常解除促進演出が実行されるのに対し、特定エラーが発生したときにのみ、図13(a)で示した態様の特定解除促進演出が実行される。これにより、遊技場の管理者に対して、特定エラーの原因を実際に解消しなければ設定変更状態に制御されないことを把握させ易くすることができる。このため、遊技場の管理者に対して特定エラーの原因が実際に解消しているか否かの確認を促進させることができる。
【0268】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例などについて説明する。
【0269】
[クリア操作時の特定エラー解除判定について]
前述した実施の形態では、図12のSf3、Sf4、およびSf6のいずれかにおいて特定エラーが発生したと判定されたときに、Sf7においてエラーフラグと解除未確認フラグとをセットし、Sf11においてクリア操作がされたときには、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かに関わらず、エラーフラグをクリアし、設定変更操作が行なわれたときに特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを解除未確認フラグに基づき判定し、解除未確認フラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつメイン制御部41のRAMを初期化することを規制する例について説明した。しかし、特定エラー発生後において当該特定エラーの発生原因が解除されていないことを特定できる情報が格納されるものであればよく、特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグと解除未確認フラグとをセットするものに限るものではない。以下に、その他の具体例を説明する。
【0270】
第1の具体例
特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグをセットし(解除未確認フラグをセットしない)、Sf11においてクリア操作がされたときに、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを判定するための解消判定処理を行ない、当該解消判定処理において当該特定エラーの発生原因が解消されていないと判定されたときにはエラーフラグをクリアせず当該クリア操作を無視し、解消されていると判定されたときにのみエラーフラグをクリアするようにし、設定変更操作が行なわれたときには特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かをエラーフラグに基づき判定し、エラーフラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつメイン制御部41のRAMを初期化することを規制するように構成してもよい。
【0271】
この場合における解消判定処理では、たとえば以下の処理を行なうようにしてもよい。エラーフラグからメダル切れエラーが特定されるときには、ホッパーモータ34を駆動させて所定時間内にメダルが払出されたか否かを判定し、払出されたと判定されたときに解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、所定時間内にメダルが払出されなかったと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
【0272】
また、エラーフラグから払出メダル詰りエラーが特定されるときには、払出センサ34cからの検出信号がOFF状態となったか否かを判定し、OFF状態となったと判定されたときに払出メダル詰りエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、OFF状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
【0273】
また、エラーフラグから満タンエラーが特定されるときには、満タンセンサ35aからの検出信号がOFF状態となったか否かを判定し、OFF状態となったと判定されたときに満タンエラーが解除されていると判定してエラーフラグをクリアするのに対し、OFF状態となっていないと判定されたときには解除されていないとしてエラーフラグを維持する。
【0274】
第2の具体例
エラーフラグをクリアするためには、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23を操作する必要がある。しかし、このリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23は、前面扉1bを開放状態としなければ操作できない。このため、遊技機が遊技場に設置されている場合、エラーフラグをクリアできるのは、遊技場の管理員となる。遊技場の管理員は、遊技場および遊技機の管理を業としているため、一般的にエラー解除方法を熟知している。その結果、遊技場に設置されている遊技機において特定エラーが発生したときに、当該特定エラーの発生原因を解消させる作業を行なうことなく、エラーフラグのみをクリアさせてしまう可能性は極めて低いといえる。
【0275】
このような遊技場の専門性に鑑みて、特定エラーが発生したと判定されたときにエラーフラグをセットし(解除未確認フラグをセットしない)、Sf11においてクリア操作がされたときには、遊技場の管理員によって特定エラーの発生原因を解消させる作業が当然に行なわれているものと犠牲して当該エラーフラグをクリアするようにし、設定変更操作が行なわれたときには特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かをエラーフラグに基づき判定し、エラーフラグがセットされていると判定されたときには設定変更状態に制御せずかつメイン制御部41のRAMを初期化することを規制するように構成してもよい。
【0276】
[設定変更操作時の特定エラー解除判定について]
前述した実施の形態においては、図6のSa27b〜Sa27dで示したように、設定変更操作が行なわれたときに、解除未確認フラグなどがセットされていることから特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、特別解除促進演出を実行させるとともに対応するエラーコードを表示し、かつ対応するエラーフラグをセットすることにより、クリア操作されるまでゲームの進行を不能化する制御を行ない、クリア操作後においてゲーム処理が実行されることにより、図12のSa14で解除条件が成立したと判定されたときに解除未確認フラグをクリアして特定エラーの発生原因が実際に解除されたと判定される例について説明した。すなわち、設定変更操作が行なわれたときに特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合には、エラーを発生させ、クリア操作によりクリアするとともに、事後的に特定エラーの発生原因が実際に解除されたか否かを判定する例について説明した。しかし、特定エラーの発生原因が実際に解除されたか否かを判定するタイミングは、これに限らず、クリア操作がされたときなどであってもよい。
【0277】
たとえば、設定変更操作が行なわれたときに特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるために発生したエラー中において、Sf11においてクリア操作されたときに、特定エラーの発生原因が実際に解消されているか否かを判定するための解消判定処理を行ない、当該解消判定処理において当該特定エラーの発生原因が解消されていないと判定されたときにはエラーフラグをクリアせず当該クリア操作を無視し、解消されていると判定されたときにのみエラーフラグをクリアするように構成してもよい。なお、解消判定処理としては、上記[クリア操作時の特定エラー解除判定について]欄の第1の具体例で記載した処理であってもよい。
【0278】
[設定変更状態への制御と初期化1との関係について]
前述した実施の形態では、図6のSa27e以降の処理において、設定変更状態に制御されるときに初期化1を実行する例について説明した。しかし、解除未確認フラグなどがセットされており、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞がある場合に初期化1することを規制するように制御されるものでありさえすればよく、たとえば、設定変更状態に制御される場合であっても初期化1を実行しないものであっても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0279】
第1の例として、設定変更操作と異なる特定の操作を行なうことにより初期化1を実行するようにしてもよい。この場合には、設定変更操作が行なわれた場合には、解除未確認フラグなどがセットされているか否か、すなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かに関わらず、設定変更状態に制御するようにし、特定の操作が行なわれた場合にのみ、解除未確認フラグなどがセットされているか否かすなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときに初期化1を実行せず、解除されていると判定されたときに初期化1を実行するように構成してもよい。
【0280】
すなわち、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、特定操作を検出する特定操作検出手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記特定操作が検出されたことを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記特定操作が検出された場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい。
【0281】
第2の例として、設定変更操作を行なうことにより設定変更状態に制御されるとともに初期化1を実行し得るものにおいて、設定変更操作が行なわれた場合に、解除未確認フラグなどがセットされているか否かすなわち特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときには設定変更状態に制御するが初期化1を実行せず、解除されていると判定されたときに設定変更状態に制御するとともに初期化1を実行するように構成してもよい。
【0282】
すなわち、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御されることを条件として前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、前記データ制御手段は、前記設定変更状態に制御される場合であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化することを規制するものであってもよい。
【0283】
なお、前述した実施の形態において、設定変更操作が行なわれた場合に、解除未確認フラグがセットされており、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があると判定されたときには、必ず、設定変更状態に制御することを禁止する例について説明したが、これに限らず、さらに所定条件が成立しているときには、初期化1のみを禁止し、設定変更状態には制御するようにしてもよい。すなわち、設定変更操作が行なわれた場合に、解除未確認フラグがセットされていると判定されたときに、初期化1を禁止するものであれば、設定変更状態に制御されにくくなるものであってもよい。この場合における所定条件とは、たとえば、解除未確認フラグがセットされている状態で設定変更操作が行なわれた後、当該解除未確認フラグをクリアするまでに再び設定変更操作が行なわれたことなど、すでに遊技場の管理者が解除未確認フラグがセットされていることを認識済であるときに成立するものであってもよい。
【0284】
[特定エラーについて]
前述した実施の形態においては、図12のSf2およびSf5で示したように、払出処理あるいはゲーム終了時処理が実行されているタイミングにおいて判定されるエラーを特定エラーとして説明した。しかし、特定エラーは、1ゲーム中における特定タイミングにおいて判定され、かつ所定の作業(クリア操作を除く)を行なって発生原因を解消しなければ当該特定タイミングに到達する度にエラー判定されるようなエラーであれば、払出処理あるいはゲーム終了時処理が実行されているタイミングにおいて判定されるエラーに限らずその他のタイミングにおいて判定されるエラーであってもよく、たとえば、BET処理が実行されているタイミングや内部抽選処理が実行されているタイミングなどであってもよい。
【0285】
[その他の変形例について]
(1) 前述した実施の形態においては、図6のSa27bの判定結果に応じて遊技が不能動化される例について説明した。しかし、Sa27bの処理は、電源投入されてから初期化1が実行されるまでの間に行なうものであればよい。
【0286】
(2) 上記の実施の形態では、遊技機の一例として、1ゲームに対してメダルやクレジットを用いて賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンを説明した。
【0287】
しかしながら、本発明を具現化する遊技機は、このようなスロットマシンに限定されるものではなく、遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であればよい。遊技機としては、たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(たとえばパチンコ球)を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域(たとえば始動口)を通過(入賞)することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果(たとえば大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御するパチンコ機であってもよい。この場合、有利度を変更するとは、特定遊技状態(いわゆる大当り)に制御される確率が異なるように定められた複数種類の設定値のうちいずれかを設定することをいう。また、可変表示条件は、始動領域を通過したときに成立して乱数が読み出され、当該始動領域への通過を契機として可変表示を開始できるタイミングに到達したときに、設定されている設定値から特定される確率にしたがって、当該乱数を用いて特定表示結果を導出させるか否かを決定する。
【0288】
(3) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機で用いられている遊技球(パチンコ球)を用いて賭数を設定するいわゆるパロットや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
【0289】
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
【0290】
(4) 前述した実施の形態においては、有利度を設定するための設定値が、入賞の発生を許容する旨が決定される確率(当選率)を特定する値である例について説明した。しかし、設定値は、遊技者にとっての有利度を異ならせるものであればよく、たとえば、当選状況に応じた情報が報知されるナビ演出を実行、あるいは当該ナビ演出を実行するアシストタイム(AT)に制御するスロットマシンにおいては、当該ナビ演出を実行する確率、あるいはATに制御する確率を特定する値であってもよい。また、特定の図柄組合せにより、再遊技役の当選確率が向上するリプレイタイム(RT)に制御するスロットマシンにおいては、当該RTに制御する確率を特定する値であってもよい。このように、設定値に応じて遊技者にとっての有利度が異なるものであれば、当選率が同じであってもよい。
【0291】
また、パチンコ機に適用した場合、有利度を設定するための設定値は、大当りに当選する確率を特定する値であってもよい。また、遊技者にとって有利度が異なる当りの種類が複数種類(大当り、中当り、小当り)設けられているパチンコ機においては、設定値が、当りの種類毎に当選する確率を特定する値であってもよく、いずれかの当りに当選する合計確率を特定する値であってもよい。また、大当りとなる確率が向上する確率変動状態に制御するパチンコ機においては、設定値が、確率変動状態に制御する確率を特定する値であってもよい。
【0292】
(5) 前述した実施の形態においては、電源投入時において、設定キースイッチ37がON状態であるか否かを判定し、ON状態であるときに、解除未確認フラグなどに基づき、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていないと判定されたときには初期化1を実行しない例について説明した。しかし、特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定するタイミングは、これに限らず、たとえば、電源投入された後、設定キースイッチ37がON状態であるか否かを判定するまでのタイミングであってもよい。具体的には、図6におけるSa11やSa31の処理が行なわれるまでに、解除未確認フラグなどに基づき特定エラーの発生原因が実際に解除されていない虞があるか否かを判定し、解除されていると判定されたときにはSa11やSa31の処理に移行可能とし、解除されていないと判定されたときにはSa11やSa31の処理に移行させないことにより設定変更状態に制御されないことにより初期化1を実行させないように構成してもよい。
【0293】
(6) 電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に、設定キースイッチ37がONを特定するための検出信号が出力されている特定操作状態となったときにおいて、前面扉1bの開閉状態を判定し、前面扉1bが開放状態でないと判定されたときには、不正行為とみなし、RAMクリア(初期化1)を実行することなく、かつ設定変更状態に制御させないように構成してもよい。すなわち、本来であれば前面扉1bが開放状態でなければ、電源スイッチ39や設定キースイッチ37を操作できず特定操作状態にも成り得ないところ、特定操作状態となったときに前面扉1bが開放状態となっておらず不正行為が行なわれた可能性があるときには、初期化1を実行させることなく、かつ設定変更状態に制御されることがない。これにより、不正行為によって設定変更状態に制御されて、設定変更が行なわれることを確実に防止することができ、さらに不正行為によってRAMクリアされてしまうことを防止することができる。
【0294】
前面扉1bの開閉状態を判定するタイミングは、たとえば、電源投入時から図6のSa27bの判定が行なわれるまでのタイミングであってもよい。この場合、前面扉1bが開放状態となっていないと判定されたときにはSa27bのステップに移行させず、前面扉1bが開放状態となっていると判定されたときにSa27bのステップに移行させるようにすればよい。
【0295】
また、前面扉1bの開閉状態を判定するタイミングは、たとえば、図6のSa27bの判定が行なわれた後のタイミングであってもよい。この場合、図6のSa27bの判定において解除未確認フラグがセットされておらず特定エラーの発生原因が解消されていると判定されたときに前面扉1bの開閉状態を判定し、前面扉1bが開放状態となっていないと判定されたときにはSa27eのステップに移行させず、前面扉1bが開放状態となっていると判定されたときにSa27eのステップに移行させるようにすればよい。
【0296】
前面扉1bが開放状態でないと判定されたときに初期化1を実行することなく、かつ設定変更状態に制御させないように構成した場合において、一旦設定変更処理への制御が開始された後においては、前面扉1bの開閉状態に関わらず、設定キースイッチ37がOFFされるまで当該設定変更処理を継続させるようにしてもよい。すなわち、一旦設定変更処理に移行されてから、設定キースイッチ37がOFFされて設定終了条件が成立するまで、前面扉1bの開閉状態に関わらず、当該設定変更処理が維持されるようにしてもよい。これにより、不正行為ではなく正規に電源スイッチ39や設定キースイッチ37の操作が行なわれて設定変更状態に制御された後においては、設定変更途中において、たとえばドア開放検出スイッチに誤って手が触れるなどして前面扉1bが閉鎖状態であると誤検出されたとしても、当該設定変更状態を維持させて、確実に設定変更を行なうことができる。このため、誤操作によって再度、電源を落として最初から設定変更状態としなければならないといった煩わしさを遊技場管理者に抱かせてしまうことがない。
【0297】
すなわち、以下の構成を備えるものであってもよい。開閉可能に設けられた開閉体(前面扉1b、本体枠914)と、前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段(ドア開放検出スイッチ25、本体枠開放検出スイッチ925)と、前記開閉体が開放状態であるときに前記操作可能となる前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態(電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に設定キースイッチ37がON状態)であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには前記設定変更状態に制御可能とし、閉鎖状態であるときには前記設定変更状態に制御することを規制する状態制御手段とをさらに備え、データ制御手段は、前記操作手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化可能とし、閉鎖状態であるときには前記記憶領域に記憶されたデータを初期化せず、前記状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、所定の設定終了条件が成立(図7のSc11においてYES)するまで当該設定変更状態を維持する。
【0298】
(7) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0299】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、91 サブ制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、
所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、
前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、
遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御される場合には前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、
前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、
前記設定変更状態制御手段は、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには、前記設定変更状態に制御することを規制することを特徴とする、遊技機。
【請求項1】
遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技が進行することにより到達し得る特定タイミングにおいて、所定の異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、
所定の設定操作を検出する設定操作検出手段と、
前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が所定状態であることに基づいて、複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段と、
遊技の進行を制御するためのデータを読み出し及び書き込みが可能に所定の記憶領域に記憶し、前記設定変更状態に制御される場合には前記記憶領域に記憶されたデータを初期化するデータ制御手段とを備え、
前記データ制御手段は、前記異常判定手段により前記異常が発生していると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで異常判定データを前記記憶領域に記憶し、
前記設定変更状態制御手段は、前記設定操作検出手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であっても、前記異常判定データが前記記憶領域に記憶されているときには、前記設定変更状態に制御することを規制することを特徴とする、遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−66612(P2013−66612A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207847(P2011−207847)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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