説明

遊技機

【課題】抽選テーブルに記憶された複数の抽選データから抽選条件に応じた抽選データを任意に選択することができ、抽選テーブルに記憶される複数の抽選データの全データ量の圧縮を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】演出抽選用設定データに含まれる演出抽選テーブル参照用データおよび初期インデックス番号を任意に設定することで、演出抽選テーブル674に記憶された複数の演出抽選データから役抽選結果に応じた演出抽選データを演出抽選データ選択手段により任意に選択することができる。また、演出抽選テーブル674の各演出抽選データから、演出抽選データを直接的に選択することができるため、演出抽選を行いたくない演出に対応する演出抽選データが演出抽選テーブルに記憶されている必要がないので、演出抽選テーブル674に記憶される複数の演出抽選データの全データ量の圧縮を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当選役や演出に関する抽選が行われる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段と、乱数発生手段が発生させた乱数値を抽出する乱数抽出手段と、予め設定された複数の抽選結果のいずれかの前記乱数の全範囲中での当選領域をそれぞれ指定する複数の抽選データを記憶する抽選テーブルとを備え、各抽選結果のいずれかに当選したかどうかの抽選が行われる遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような遊技機では、乱数抽出手段により抽出された乱数値が、抽選テーブルに記憶された各抽選データに基づいてそれぞれ決定される各当選領域のいずれかに属するかどうかが抽選判定手段により判定される。そして、乱数抽出手段により抽出された乱数値が、各当選領域のいずれかに属すると抽選判定手段により判定されれば、抽出された乱数値が属する当選領域に対応する抽選結果に当選したことが遊技機において設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−326206号公報(段落0045〜0055,0089,0125〜0139、図5〜7,27など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の遊技機では、各抽選結果それぞれに、「1」から連番で当選番号が対応付けられており、各抽選データは、対応する抽選結果に対応付けされた当選番号の順番に抽選テーブルに配列されている。そして、乱数抽出手段により乱数値が抽出されると、抽選テーブルに配列された順番に抽選データが選択されることで、各抽選データに基づく抽選判定手段による判定が、抽選データが抽選テーブルに配列された順番に行われる。
【0005】
このとき、抽選判定手段による判定処理が各抽選データについて順番に行われている途中で、抽出された乱数値が各抽選データにより決定される各当選領域のいずれかに属すると抽選判定手段により判定されれば、抽選判定手段による判定処理が終了する。そして、抽出された乱数値が属すると抽選判定手段により判定された当選領域に対応する抽選結果に当選したことが遊技機において設定される。また、抽出された乱数値が、各抽選データに基づいて決定される全ての当選領域に属さないと抽選判定手段により判定されれば、全ての抽選結果に当選していないことが遊技機において設定されて、抽選判定手段による判定処理が終了する。
【0006】
具体的には、予め設定された各抽選結果のいずれかに当選したかどうかの抽選が行われる際に、乱数抽出手段により乱数が抽出されると共に、遊技状態(抽選条件)が、一般遊技状態か、あるいは特別遊技状態かに応じて抽選判定手段による抽選回数が設定される。そして、設定された抽選回数と同一の値の当選番号に対応した抽選データが選択されて、選択された抽選データに基づいて決定される当選領域に、抽出された乱数値が属するかどうかが抽選判定手段により判定される。
【0007】
抽出された乱数値が当選領域に属すると抽選判定手段により判定されれば、抽選判定手段による判定が行われた抽選データに対応する当選番号の抽選結果に当選したことが遊技機において設定されて、抽選判定手段による判定処理が終了する。一方、抽出された乱数値が当選領域に属さないと抽選判定手段により判定されれば、抽選回数が1減算されて、減算された抽選回数と同一の値の当選番号に対応した抽選データが新たに選択されて、新たに選択された抽選データに基づいて決定される当選領域に、抽出された乱数値が属するかどうかが抽選判定手段により判定される。
【0008】
抽出された乱数値が、新たに選択された抽選データに基づいて決定される当選領域に属すると抽選判定手段により判定されれば、減算された抽選回数と同一の値の当選番号に対応する抽選結果に当選したことが遊技機において設定されて、抽選判定手段による判定処理が終了する。また、抽出された乱数値が、新たに選択された抽選データに基づいて決定される当選領域に属さないと抽選判定手段により判定されれば、抽選回数がさらに1減算されて、減算された抽選回数と同一の値の当選番号に対応した抽選データが新たに選択されて、新たに選択された抽選データに基づいて抽選判定手段による判定処理が同様に行われる。
【0009】
そして、抽出された乱数値が、各抽選データにより決定される各当選領域のいずれかに属すると抽選判定手段により判定されるか、もしくは、抽出された乱数値が各当選領域のいずれにも属さず、遊技状態に応じて設定された抽選回数、すなわち、抽選テーブルに配列された抽選データのうち、「1」から抽選回数と同一の値までの各当選番号にそれぞれ対応した全ての抽選データに基づいて抽選判定手段による判定処理が行われれば、抽選判定手段による判定処理が終了する。
【0010】
ところで、上記したように従来の遊技機では、遊技状態などの抽選条件に応じて抽選判定手段による抽選回数が設定される。そして、各抽選結果に連番で対応付けされた当選番号の順番に抽選テーブルに配列された複数の抽選データのうち、設定された抽選回数と同一の値から「1」までの各当選番号にそれぞれ対応した各抽選データにより当選領域が決定される各抽選結果のいずれかに当選したかどうかの抽選が行われる。このように、遊技状態などの抽選条件に応じて抽選判定手段による抽選回数が設定されるが、抽選条件に応じて、例えば、当選番号Mに対応付けされた抽選結果に当選したかどうかの抽選を行いたい場合には、当選番号が大きい抽選結果から当選番号が小さくなる順に対応する抽選データが選択されて抽選判定手段による判定が行われるので、抽選テーブルから当選番号Mに対応する抽選データが選択されるように、抽選回数として少なくともMよりも大きい回数が設定される必要がある。
【0011】
そして、当選番号Mに対応する抽選結果に当選しなかったときに、当選番号がMよりも小さい他の抽選結果に当選したかどうかが抽選判定手段により判定されるため、抽選テーブルには、当選番号がMの抽選結果に対応した抽選データを含む、少なくともM個の抽選データが必ず記憶される。
【0012】
このように、従来の遊技機では、抽選条件に応じて抽選判定手段による抽選回数が設定されるので、少なくとも、抽選回数分の抽選データが抽選テーブルに記憶される。ところが、抽選条件によっては、「1」から抽選回数と同一の値までの各当選番号にそれぞれ対応した各抽選結果のうち、所定の抽選結果については当選したかどうかの抽選を行いたくない場合がある。しかしながら、従来の遊技機では、抽出された抽選データが各当選領域のいずれかに属すると抽選判定手段により判定されなければ、抽選テーブルに記憶された抽選回数分の抽選データに基づく判定が抽選判定手段により行われる。したがって、抽選を行いたくない抽選結果については、当該抽選結果に当選しないように当選領域の幅が”0”と決定される抽選データが、当該抽選結果の抽選を行いたくないにも関わらず抽選テーブルに記憶されている必要があり、抽選テーブルに記憶される複数の抽選データの全データ量の圧縮を図る上で技術の改善が求められていた。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、抽選テーブルに記憶された複数の抽選データから抽選条件に応じた抽選データを任意に選択することができ、抽選テーブルに記憶される複数の抽選データの全データ量の圧縮を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明にかかる遊技機は、抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段と、前記乱数発生手段が発生させた乱数値を抽出する乱数抽出手段と、予め設定された複数の抽選結果いずれかの当選領域をそれぞれ指定する複数の抽選データを、それぞれ連番であるインデックス番号と関連付けて記憶する抽選テーブルと、前記抽選テーブルの中から、判定の対象とする前記抽選データを、選択抽選データとして選択する抽選データ選択手段と、前記選択抽選データに対応する前記インデックス番号を抽選結果算出用記憶領域に格納する抽選結果設定手段と、前記乱数抽出手段により抽出された乱数値が、前記選択抽選データに基づいて決定される前記当選領域に属するかどうかを判定する抽選判定手段と、前記乱数値が前記選択抽選データに基づいて決定される前記当選領域に属すると前記抽選判定手段により判定された場合に、前記抽選結果算出用記憶領域に格納された前記インデックス番号に対応する前記選択抽選データにより前記当選領域が決定される前記抽選結果が当選したとの当選情報を、抽選結果記憶領域に格納する抽選結果記憶手段とを備え、予め設定された複数の抽選条件それぞれに対応して、前記抽選テーブルを複数有する遊技機であって、前記抽選判定手段による判定の際に、前記各抽選データのうち最初の判定対象とする前記抽選データに対応する前記インデックス番号を初期インデックス番号として、前記各抽選テーブルのいずれかを参照するための参照用データおよび前記初期インデックス番号を含む抽選用設定データを、前記各抽選条件それぞれに対応して有する抽選テーブル選択用テーブルと、前記各抽選条件のいずれかを選択する抽選条件選択手段と、前記抽選条件選択手段により選択された前記抽選条件に対応した、前記参照用データおよび前記初期インデックス番号を含む前記抽選用設定データを、前記抽選テーブル選択用テーブルから選択する抽選テーブル選択手段とを備え、前記各抽選テーブルには、前記初期インデックス番号から昇順または降順で選択される前記インデックス番号にそれぞれ対応するように前記抽選データが順番に配列されており、前記抽選データ選択手段は、前記抽選テーブル選択手段に選択された前記抽選用設定データが含む前記参照用データに基づいて、前記抽選条件選択手段により選択された前記抽選条件に対応した前記抽選テーブルを参照し、前記抽選テーブル選択手段に選択された前記抽選用設定データが含む前記初期インデックス番号に対応する前記抽選データを最初に前記選択抽選データとして選択することを特徴としている(請求項1)。
【0015】
また、前記乱数値が前記選択抽選データに基づいて決定される前記当選領域に属さないと前記抽選判定手段により判定された場合に、前記抽選結果設定手段は、前記抽選結果算出用記憶領域に格納された前記インデックス番号を、前記抽選データ選択手段により新たに前記選択抽選データとして選択される前記抽選データに対応する前記インデックス番号に更新し、前記抽選データ選択手段は前記選択抽選データの次に配列された前記抽選データを新たに前記選択抽選データとして選択するとよい(請求項2)。
【0016】
また、前記各抽選テーブルがそれぞれ有する前記各抽選データそれぞれにより決定される当選確率の和が100%であるとよい(請求項3)。
【0017】
また、前記抽選条件として、第1、第2の抽選条件が予め設定されており、前記抽選テーブルとして、前記第1、第2の抽選条件それぞれに対応した第1、第2の抽選テーブルを備え、前記各抽選結果に前記インデックス番号が連番で対応付けされると共に、前記各抽選データには、対応する前記抽選結果に対応付けされた前記インデックス番号がそれぞれ関連付けられて、前記第1の抽選テーブルには、前記各抽選結果のうち、前記第1の抽選条件において前記抽選判定手段による判定が行われる前記抽選結果に対応する前記抽選データが、前記第1の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号に対応する前記抽選データから前記インデックス番号の順番に配列され、前記第2の抽選テーブルには、前記各抽選結果のうち、前記第2の抽選条件において前記抽選判定手段による判定が行われる前記抽選結果に対応する前記抽選データが、前記第2の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号に対応する前記抽選データから前記インデックス番号の順番に配列されているとよい(請求項4)。
【0018】
また、前記第2の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号は、前記第1の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号と異なる値であるとよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、予め設定された複数の抽選条件それぞれに対応して複数の抽選テーブルが設けられており、各抽選テーブルには、それぞれ、予め設定された複数の抽選結果いずれかの当選領域をそれぞれ指定する複数の抽選データが、それぞれ連番であるインデックス番号と関連付けて記憶されている。乱数抽出手段により乱数値が抽出されると、抽選テーブルの中から判定の対象とする抽選データが抽選データ選択手段により選択抽選データとして選択されると共に、選択抽選データに対応するインデックス番号が抽選結果算出用記憶領域に抽選結果設定手段により格納される。
【0020】
そして、乱数発生手段が発生させた乱数の全範囲中での当選領域が選択抽選データに基づいて決定され、乱数抽出手段により抽出された乱数値が、選択抽選データに基づいて決定された当選領域に属するかどうかが抽選判定手段により判定される。抽出された乱数値が当選領域に属すると抽選判定手段により判定されれば、抽選結果算出用記憶領域に格納されたインデックス番号に対応する選択抽選データにより当選領域が決定される抽選結果が当選したとの当選情報が、抽選結果記憶手段により抽選結果記憶領域に格納される。
【0021】
また、各抽選条件それぞれに対応する複数の抽選用設定データを有する抽選テーブル選択用テーブルが設けられており、各抽選用設定データには、抽選判定手段による判定の際に、抽選テーブルに記憶された各抽選データのうち最初の判定対象とする抽選データに対応するインデックス番号を初期インデックス番号として、各抽選テーブルのいずれかを参照するための参照用データおよび初期インデックス番号が含まれている。したがって、抽選条件選択手段により各抽選条件のうちのいずれかが選択されると、選択された抽選条件に対応する抽選用設定データが抽選テーブル選択手段により選択されるが、選択された抽選用設定データには、選択された抽選条件に対応した参照用データおよび初期インデックス番号が含まれている。
【0022】
また、各抽選テーブルには、初期インデックス番号から昇順または降順で選択される複数のインデックス番号にそれぞれ対応するように抽選データが順番に配列されている。そして、抽選条件選択手段に選択された抽選条件に応じて抽選テーブル選択手段に選択された抽選用設定データに含まれる参照用データに基づいて、選択された抽選条件に対応した抽選テーブルが抽選データ選択手段により参照されて、抽選テーブル選択手段に選択された抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号に対応する抽選データが最初に選択抽選データとして選択される。
【0023】
したがって、抽選条件選択手段に選択された抽選条件に応じて抽選テーブル選択手段に選択される抽選用設定データに含まれる参照用データおよび初期インデックス番号を任意に設定することで、抽選テーブルに記憶された複数の抽選データから抽選条件に応じた抽選データを抽選データ選択手段により任意に選択することができる。また、抽選テーブルに記憶された複数の抽選データから、抽選条件に応じて抽選を行いたい抽選結果に対応する抽選データを抽選データ選択手段により直接的に選択することができるため、抽選を行いたくない抽選結果に対応する抽選データが抽選テーブルに記憶されている必要がないので、抽選テーブルに記憶される複数の抽選データの全データ量の圧縮を図ることができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、乱数値が選択抽選データに基づいて決定される当選領域に属さないと抽選判定手段により判定された場合に、抽選結果算出用記憶領域に格納されたインデックス番号が、抽選データ選択手段により新たに選択抽選データとして選択される抽選データに対応するインデックス番号に抽選結果設定手段により更新され、選択抽選データの次に配列された抽選データが新たに選択抽選データとして抽選データ選択手段により選択されるので、初期インデックス番号に対応する抽選結果に当選しなかった場合に、連続して次の抽選結果についての抽選を行うことができるため、非常に実用的な構成の遊技機を提供することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、抽選条件選択手段に選択された抽選条件に対応する抽選テーブルを用いて抽選判定手段による判定処理が行われるが、各抽選テーブルがそれぞれ有する各抽選データそれぞれにより決定される当選確率の和が100%であるので、当該抽選テーブルに記憶された各抽選データそれぞれに対応する各抽選結果のいずれかに必ず当選させることができる。したがって、従来の遊技機では必要であった、抽選テーブルに記憶された各抽選データに対応する各抽選結果のいずれにも当選しなかったときの処理を簡略化することができるので効率がよい。
【0026】
請求項4の発明によれば、抽選条件として、第1、第2の抽選条件が予め設定されており、抽選テーブルとして、第1、第2の抽選条件それぞれに対応した第1、第2の抽選テーブルを備え、各抽選結果にインデックス番号が連番で対応付けされている。そして、各抽選データには、対応する抽選結果に対応付けされたインデックス番号がそれぞれ関連付けられて、第1の抽選テーブルには、各抽選結果のうち、第1の抽選条件において抽選判定手段による判定が行われる抽選結果に対応する抽選データが、第1の抽選条件に対応した抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号に対応する抽選データからインデックス番号の順番に配列され、第2の抽選テーブルには、各抽選結果のうち、第2の抽選条件において抽選判定手段による判定が行われる抽選結果に対応する抽選データが、第2の抽選条件に対応した抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号に対応する抽選データからインデックス番号の順番に配列されている。したがって、第1、第2の抽選条件において、それぞれ抽選判定手段による判定が行われる各抽選結果それぞれに対応する各抽選データのみを用いて第1、第2の抽選テーブルが形成されているため、各抽選テーブルに無駄な抽選データが記憶されておらず、各抽選テーブルに記憶される各抽選データ全体のデータ量が増大するのを防止することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、第2の抽選条件に対応した抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号は、第1の抽選条件に対応した抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号と異なる値であることから、第1、第2の抽選条件それぞれに対応する第1、第2の抽選テーブルそれぞれに記憶される抽選データを異なるものとすることができるので、非常に実用的である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明にかかる遊技機の一実施形態たるスロットマシンの斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す右側面図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】メイン制御基板およびサブ制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
【図6】演出決定手段の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】当選役とリールの図柄の入賞態様との関係を示す図である。
【図8】役抽選結果記憶領域を示す図である。
【図9】役抽選の結果に基づいて実行される演出態様について説明するための図であって、(a)はボーナスに非当選の場合の役抽選結果と演出態様との関係を示し、(b)はボーナスに当選の場合の役抽選結果と演出態様との関係を示す。
【図10】演出抽選テーブルを示す図である。
【図11】ボーナスに非当選の場合に参照される演出抽選テーブルのROMへの格納状態を示す図である。
【図12】ボーナスに当選の場合に参照される演出抽選テーブルのROMへの格納状態を示す図である。
【図13】演出抽選テーブル選択用テーブルを選択するためのテーブルを示す図である。
【図14】演出抽選テーブル選択用テーブルで示す図であって、(a)はボーナスに非当選の場合に参照される演出抽選テーブル選択用テーブルを示し、(b)はボーナスに当選の場合に参照される演出抽選テーブル選択用テーブルを示す。
【図15】メイン処理を示すフローチャートである。
【図16】演出決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1〜図16を参照して本発明にかかる遊技機の一実施形態たるスロットマシンについて説明する。
【0030】
(構成)
図1は本発明にかかる遊技機の一実施形態たるスロットマシン1の斜視図である。図2はスロットマシン1の内部構成を示す右側面図である。図3はリールの図柄配列を示す図である。この実施形態におけるスロットマシン1は、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば図1および図2に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0031】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には複数種類の図柄を可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「赤7」「白7」「BAR」「ベル(BE)」「Replay(RP)」「オレンジ(OR)」「チェリー(CH)」「ハナ(HA)」「ナマズ(NA)」の複数種類(この実施形態では9種類)の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。そして、リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。
【0032】
また、図2に示すように、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0033】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(この実施形態では、遊技状態に応じて1枚または3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させるための左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、ゲームに必要なメダル投入数は、1,3枚の2種類が設定されている。
【0034】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知する演出を行うための液晶表示器27が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、これら液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0035】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルの払出口39や、この払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0036】
図2に示すように、リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体47は、筐体3の後壁3aに固定されている。支持枠体47の下方には、メダルを払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。また、ホッパーユニット43の左側(図2の紙面奥側)には、操作ボックス49が筐体3の左側壁3bに固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り換える電源スイッチ50が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダ51および押しボタン式の設定変更ボタン52が設けられている。
【0037】
図4はスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図であり、図5はメイン制御基板63およびサブ制御基板73の機能を示す機能ブロック図であり、図6は演出決定手段106の機能を示す機能ブロック図であり、図7は当選役とリールの図柄の入賞態様との関係を示す図である。図8は役抽選結果記憶領域653を示す図であり、図9は役抽選の結果に基づいて実行される演出態様について説明するための図であって、(a)はボーナスに非当選の場合の役抽選結果と演出態様との関係を示し、(b)はボーナスに当選の場合の役抽選結果と演出態様との関係を示す。図10は演出抽選テーブル674を示す図である。
【0038】
図11はボーナスに非当選の場合に参照される演出抽選テーブル674のROM67への格納状態を示す図である。図12はボーナスに当選の場合に参照される演出抽選テーブル674のROM67への格納状態を示す図であり、図13は演出抽選テーブル選択用テーブル673を選択するためのテーブルを示す図であり、図14は演出抽選テーブル選択用テーブル673を示す図であって、(a)はボーナスに非当選の場合に参照される演出抽選テーブル選択用テーブル673aを示し、(b)はボーナスに当選の場合に参照される演出抽選テーブル選択用テーブル673bを示す図である。
【0039】
図4において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0040】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0041】
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダ51の内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダ51に挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。
【0042】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルを払出口39に向けて払い出すものである。
【0043】
また、このスロットマシン1では、遊技に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、遊技に関連する演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。
【0044】
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態やデータなどを一時的に記憶し、これにより、スロットマシン1の遊技状態に応じて設定された規定数まで、投入センサ53により検出されたメダルの枚数を記憶するベット枚数カウンタ651や、クレジットメダルの枚数を記憶するクレジット枚数カウンタ652、後述する役抽選手段105による役抽選結果を記憶するための役抽選結果記憶領域653などが形成される。
【0045】
また、メイン制御基板63のRAM65により、後述する演出決定手段106で一時的に生成されるデータを記憶するための演出抽選結果算出用記憶領域654(本発明の「抽選結果算出用記憶領域」に相当)や演出抽選結果記憶領域655(本発明の「抽選結果記憶領域」に相当)が形成される。
【0046】
また、メイン制御手段63のROM67は予め設定されたデータ(役抽選テーブル671、停止テーブル672、演出抽選テーブル選択用テーブル673、演出抽選テーブル674など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
【0047】
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1の遊技状態を示すデータ、エラー状態などのスロットマシン1の状態を示すデータ、後述する設定制御手段101により設定される設定値に関するデータ、投入センサ53によりメダルが検出されたり、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17が操作されたりすることにより生成され、メダルが投入されたことを示すデータ、ベット枚数カウンタ651に記憶されたメダルのベット枚数を示すデータ、役抽選手段105の役抽選結果に関するデータ、演出決定手段106により決定される演出に関するデータ、払出センサ54によりメダルが検出されたり、クレジット枚数カウンタ652が加算されたりすることにより生成され、メダルが払い出されたことを示すデータ、などの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0048】
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(スロットマシン1の遊技状態、メダルが投入されたか、役抽選手段105の役抽選により複数の役のいずれかに当選したか、演出決定手段106により演出が決定されたか、メダルが払い出されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
【0049】
<メイン制御基板>
次に、メイン制御基板63について詳細に説明する。図5に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0050】
(1)遊技制御手段100
遊技制御手段100は、スロットマシン1の遊技を制御するためのものであり、一般的な遊技である通常遊技および遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技を実行する。なお、後述するように、通常遊技が実行される通常遊技状態において、所定の特別役に入賞することにより、特別遊技が実行される特別遊技状態に移行する。
【0051】
スロットマシン1は、通常遊技状態では、3枚のメダルにより遊技が行われるように構成されており、ベット枚数カウンタ651は、投入メダルの数を3枚まで記憶する。
【0052】
投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17によりメダルの投入を検出すると、投入枚数に応じた本数の入賞ラインが有効になる。例えば、有効となる最大の入賞ライン数を5ラインとした場合、メダルの投入枚数が1枚の場合には、中央の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となり、メダルの投入枚数が2枚の場合には、前記センターラインに、上段の水平なラインと下段の水平なラインを加えた3本の入賞ラインが有効となり、メダルの投入枚数が3枚の場合には、前記3本の入賞ラインに、右上がりに傾斜したラインと右下がりに傾斜したラインを加えた5本のラインが有効となる。そして、規定数のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19が操作されたことを検出すると、役抽選手段105により予め設定された複数の役のいずれかに当選したかあるいはハズレかの役抽選が行われる。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、リール窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角に合わせて判別することを開始する。
【0053】
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速され、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rにより、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置が所定の基準位置であることが検出されると、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となる。すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リール13Lを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
【0054】
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が、有効となった入賞ライン上の所定の位置に停止すると、入賞となる。そして、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、または払出口39から払い出される。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
【0055】
図7に示すように、当選役としては、特別役(ボーナス)、第1小役(オレンジ(1))、第2小役(オレンジ(2))、第3小役(ベル)、第4小役(チェリー(1))、第5小役(チェリー(2))、第6小役(チェリー(3))、第7小役(チェリー(4))および再遊技役(Replay)が予め設定されている。そして、役抽選手段105の抽選結果には、特別役当選(ボーナス当選)と、第1小役当選〜第7小役当選と、再遊技役当選(Replay当選)と、ハズレとがある。
【0056】
また、入賞には、特別遊技(ボーナスゲーム)への移行に係る特別役入賞(ボーナス入賞)と、所定枚数(例えば5枚)のメダルの払い出しに係る第1小役入賞および第2小役入賞と、所定枚数(例えば10枚)のメダルの払い出しに係る第3小役入賞と、所定枚数(例えば1枚)のメダルの払い出しに係る第4小役入賞〜第7小役入賞と、再遊技(Replay)の実行に係る再遊技役入賞(Replay入賞)とがある。
【0057】
そして、例えば、「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞となって、ボーナスゲーム(特別遊技)が実行される。すなわち、特別役入賞となる図柄の組合せ(特別役の入賞態様)は「赤7−赤7−赤7」である。
【0058】
なお、この実施形態では、特別役入賞によるメダル払い出しはなく(特別役の規定払出枚数は0)、特別役に係る入賞態様が成立した遊技の後にボーナスゲームへ移行するように構成されているが、特別役に所定枚数(例えば10枚)の規定払出枚数を設定し、メダルを払い出した後にボーナスゲームへ移行するようにしてもよい。
【0059】
また、例えば、左・中・右リール13L,13M,13Rの各図柄が、「オレンジ−オレンジ−赤7」の状態で有効な入賞ライン上に揃うと、第1小役入賞となり、5枚のメダルが払い出される。また、例えば、左・中・右リール13L,13M,13Rの各図柄が、「オレンジ−オレンジ−白7」の状態で有効な入賞ライン上に揃うと、第2小役入賞となり、5枚のメダルが払い出される。また、例えば、「ベル」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第3小役入賞となり、10枚のメダルが払い出される。
【0060】
また、例えば、左・右リール13L,13Rの回転を停止させたときに、それぞれ「チェリー」「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第4小役入賞となり、1枚のメダルが払い出される。また、例えば、左・右リール13L,13Rの回転を停止させたときに、それぞれ「チェリー」「白7」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第5小役入賞となり、1枚のメダルが払い出される。また、例えば、左・右リール13L,13Rの回転を停止させたときに、それぞれ「チェリー」「BAR」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第6小役入賞となり、1枚のメダルが払い出される。また、例えば、左・右リール13L,13Rの回転を停止させたときに、それぞれ「チェリー」「ナマズ」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第7小役入賞となり、1枚のメダルが払い出される。
【0061】
また、例えば、「Replay」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、Replay入賞となり、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。なお、図7中の(ANY)は、どのような図柄が入賞ライン上に揃ってもよいことを示す。
【0062】
特別遊技(ボーナスゲーム)は、小役の当選確率が通常遊技状態に比べて高く設定されており、遊技メダルの払い出しを受けやすい遊技である。したがって、特別遊技は、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技であり、遊技者がより多くのメダルを獲得し得る遊技である。「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃い、特別役入賞となって、特別遊技状態に移行すると、スロットマシン1は、1枚のメダルにより遊技が行われるように構成されており、ベット枚数カウンタ651は、投入メダルの数を1枚まで記憶する。
【0063】
そして、特別遊技では、1本の有効な入賞ラインが設定されて、予め設定された当選役に当選したかあるいはハズレかの抽選が役抽選手段105により毎回行われ、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止した際に、当選した役に対応して予め定められた所定の図柄が所定の位置に停止しているか否かによって、入賞か否かの判定が行われる。
【0064】
なお、特別遊技では、役抽選手段105の抽選時の当選確率を規定する役抽選テーブル671が、通常遊技において選択される通常遊技用役抽選テーブルから、役抽選手段105の抽選時の当選確率が通常遊技の場合よりも高確率に規定された特別遊技用役抽選テーブルに切り換わることで、通常遊技中よりも、小役の当選確率が高くなるように設定されている。この結果、特別遊技は、通常遊技に比べて、遊技者に有利な遊技となる。
【0065】
また、この実施形態では、特別遊技は、特別遊技におけるメダル払出枚数が、所定の上限枚数を超えたときに、特別遊技(ボーナスゲーム)を終了して通常遊技へ移行するよう設けられている。例えば、特別遊技での上限枚数は払出上限枚数(300枚)と設定される。また、この実施形態では、特別遊技における払出上限枚数は全ての設定値で共通の値に設定されている。
【0066】
なお、役抽選手段105の役抽選結果が特別役当選となると、特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われるが、このとき、特別役の入賞態様の図柄配列(「赤7−赤7−赤7」)が引き当てられないと、この特別役当選は、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられるまで持ち越される。また、第1小役当選は、抽選結果が第1小役当選となった遊技で第1小役の入賞態様の図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されない。第2小役当選〜第7小役当選についても同様である。また、Replay当選の場合には、「Replay」が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに「Replay」の図柄が配置されているため、必ず再遊技役に入賞する。
【0067】
(2)ROM67
ROM67は、異なる抽選確率が設定された複数の役抽選テーブル671や、左・中・右リール13L,13M,13Rを停止制御するための複数の停止テーブル672、演出抽選を行うための演出抽選テーブル選択用テーブル673(本発明の「抽選テーブル選択用テーブル」に相当)および演出抽選テーブル674(本発明の「抽選テーブル」に相当)などを格納する。
【0068】
役抽選テーブル671は、予め定められた複数の役のいずれかへの当選かあるいはハズレかの抽選を行うためのものであって、後述する乱数発生手段103が発生させる乱数の全範囲中での、複数の役それぞれの当選領域が予め所定の割合(抽選確率)で定められている。
【0069】
また、役抽選テーブル671として、役抽選におけるメダル数増加の期待値が異なる複数種類の役抽選テーブルが設けられており、この実施形態では、期待値が最も低い設定1から期待値が最も高い設定6までの6種類の役抽選テーブルが設けられている。また、これらの複数種類の役抽選テーブルのそれぞれには、通常遊技用や特別遊技(ボーナスゲーム)用の役抽選テーブル、通常遊技状態において特別役当選が持ち越されている状態のときに使用される役抽選テーブルがさらに設けられている。
【0070】
なお、演出抽選テーブル選択用テーブル673および演出抽選テーブル674については後で詳細に説明する。
【0071】
(3)設定制御手段101
設定制御手段101は、設定値(設定1〜設定6)を設定することで、後述するテーブル選択手段102により選択される役抽選テーブル671を選択するものであって、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値が対応付けられている。設定制御手段101は、電源投入時に変更処理開始スイッチ56のオンオフ状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源が投入されると所定の設定変更処理を開始する。
【0072】
この実施形態では、通常遊技の抽選における当選確率は複数種類の設定値(この実施形態では6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、役抽選テーブル671(通常遊技用役抽選テーブル)が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。
【0073】
この手順は例えば以下のようにして行われる。すなわち、管理者は、前面パネル5を開放して、電源スイッチ50がオフの状態で設定変更キー(図示省略)を操作ボックス49のキーシリンダ51に挿入して回転し、変更処理開始スイッチ56をオンにする。この状態で、電源スイッチ50をオンにすることで、設定変更処理が開始される。
【0074】
そして、管理者による設定変更ボタン52の操作ごとに当選確率の設定値が設定1〜設定6にサイクリックに切り換えられる。この設定値は、例えば7セグメント式の設定値表示用LEDにより1〜6を表示することで報知される。設定変更ボタン52の操作により当選確率の設定値が所望の値になった(設定値表示用LEDの表示値が所望の値になった)ときに、スタートスイッチ19を操作すると設定値が確定する。そして、キーシリンダ51に挿入されている設定変更キーを回転して変更処理開始スイッチ56をオフにすると設定変更処理が終了する。その後、メダル投入口25からメダルが投入されるとゲームが開始される。
【0075】
(4)テーブル選択手段102
テーブル選択手段102は、メイン制御基板63における遊技制御手段100により制御される遊技の種類(通常遊技や特別遊技など)、設定制御手段101により設定される設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブル671から1つの役抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段102は、役抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて、対応する役抽選テーブル671(通常遊技用役抽選テーブル)を選択する。
【0076】
(5)乱数発生手段103
乱数発生手段103は、抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させるものである。また、乱数発生手段103は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。なお、乱数発生手段103は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU61に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。また、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。また、この実施形態では、後述する役抽選手段105および演出決定手段106において用いられる2つの乱数を発生させる。
【0077】
(6)乱数抽出手段104
乱数抽出手段104は、乱数発生手段103が発生させた乱数値を抽出するもので、乱数発生手段103が発生させた乱数値を所定の条件で抽出する。この実施形態では、乱数抽出手段104は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、役抽選手段105用の乱数から乱数値を抽出し、演出決定手段106用の乱数から乱数値を抽出する。なお、乱数発生手段103は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段103が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ19が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、乱数抽出手段104が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
【0078】
(7)役抽選手段105
役抽選手段105は、予め設定された複数の役に当選したか否かの乱数抽選を行うもので、図5に示すように、役抽選判定手段105aを備えている。
【0079】
役抽選判定手段105aは、乱数抽出手段104が抽出した乱数値と、テーブル選択手段102が選択した役抽選テーブル671とを照合して、乱数抽選の結果の判定を行うものである。すなわち、この役抽選判定手段105aは、乱数抽出手段104が抽出した乱数値と、複数の役抽選テーブル671からテーブル選択手段102により選択された役抽選テーブル671とを照合して、乱数抽選の結果が、特別役当選か、第1小役当選か、第2小役当選か、第3小役当選か、第4小役当選か、第5小役当選か、第6小役当選か、第7小役当選か、再遊技役(Replay)当選か、あるいはハズレかを判定する。
【0080】
なお、図8に示すように、役抽選判定手段105aの判定結果は、RAM65に形成された役抽選結果記憶領域653に記憶される。この実施形態では、役抽選結果記憶領域653は、RAM65に2バイトのデータ領域として割当てられており、役抽選結果記憶領域653は、それぞれ1バイトのデータ領域が割当てられた、特別役に関する役抽選結果を記憶する上位記憶領域と、小役および再遊技役に関する役抽選結果を記憶する下位記憶領域とを備えている。
【0081】
また、図8に示すように、特別役(ボーナス)に当選した場合には、上位記憶領域に”01h”が記憶されるが、特別役に当選した遊技において特別役に入賞しなかった場合には、上記したように特別役が後に続く遊技に持ち越される。したがって、後に続く遊技において、第1小役〜第7小役または再遊技役に当選した場合であっても、特別役に入賞するまでは、上位記憶領域に”01h”が記憶される。また、この実施形態では、特別役に当選した遊技においては、上位記憶領域に”01h”が記憶される一方で、下位記憶領域にはハズレに相当する”00h”が記憶される。
【0082】
(8)演出決定手段106
演出決定手段106は、図6に示すように、演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aと、演出抽選用設定データ選択手段106b(本発明の「抽選条件選択手段」、「抽選テーブル選択手段」に相当)と、演出抽選テーブル選択手段106c(本発明の「抽選テーブル選択手段」に相当)と、演出抽選データ選択手段106d(本発明の「抽選データ選択手段」に相当)と、演出抽選判定手段106e(本発明の「抽選判定手段」に相当)と、演出抽選結果設定手段106f(本発明の「抽選結果設定手段」に相当)と、演出抽選結果記憶手段106g(本発明の「抽選結果記憶手段」に相当)とを備え、役抽選結果記憶領域653に記憶された役抽選手段105による役抽選の結果に応じて、演出抽選テーブル674に記憶された演出抽選データに基づく演出抽選を行うことにより、スロットマシン1で実行される演出の態様を決定するためのものである。
【0083】
図9(a),(b)に示すように、役抽選判定手段105aに判定された役抽選結果(抽選条件)に関連付けられて実行される、演出A〜演出Jの10種類の演出態様(抽選結果)が予め設定されており、演出A〜演出Jにはインデックス番号「0」〜「9」が連番で対応付けされている。また、乱数抽出手段104は、演出抽選判定手段106eによる判定用に乱数発生手段103が発生させた0〜255の範囲内の乱数値を抽出する。また、ROM67には、乱数発生手段103が発生させる乱数の全範囲(0〜255)中での、演出A〜演出Jのいずれかの当選領域を指定する複数の演出抽選データ(本発明の「抽選データ」に相当)を、それぞれ連番であるインデックス番号を関連付けて記憶する演出抽選テーブル674が格納されている。
【0084】
演出抽選テーブル674は、役抽選手段105の役抽選結果それぞれに対応して演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4を備えている。具体的には、図9(a)、図10および図14(a)に示すように、特別役(ボーナス)に非当選の場合に、役抽選結果が「ハズレ」、「第4小役(チェリー(1))」、「第5小役(チェリー(2))」である場合に演出抽選テーブルA−1が対応し、役抽選結果が「再遊技役(Replay)」、「第3小役(ベル)」である場合に演出抽選テーブルA−2が対応し、役抽選結果が「第1小役(オレンジ(1))」である場合に演出抽選テーブルA−3が対応し、役抽選結果が「第2小役(オレンジ(2)」である場合に演出抽選テーブルA−4が対応し、役抽選結果が「第6小役(チェリー(3))」である場合に演出抽選テーブルA−5が対応し、役抽選結果が「第7小役(チェリー(4)」である場合に演出抽選テーブルA−6が対応する。
【0085】
また、図9(b)、図10および図14(b)に示すように、特別役(ボーナス)に当選の場合に、役抽選結果が「ハズレ」、「第6小役(チェリー(3))」である場合に演出抽選テーブルB−1が対応し、役抽選結果が「再遊技役(Replay)」、「第3小役(ベル)」である場合に演出抽選テーブルB−2が対応し、役抽選結果が「第1小役(オレンジ(1))」、「第2小役(オレンジ(2))」である場合に演出抽選テーブルB−3が対応し、役抽選結果が「第7小役(チェリー(4))」である場合に演出抽選テーブルB−4が対応する。
【0086】
また、演出抽選テーブルA−1,A−2には、「0」〜「2」のインデックス番号に対応する演出A〜演出Cの当選領域をそれぞれ決定する複数の演出抽選データが記憶されている。したがって、演出決定手段106は、特別役(ボーナス)に非当選の場合に、役抽選結果が「ハズレ」、「再遊技役(Replay)」、「第3小役(ベル)」、「第4小役(チェリー(1))」、「第5小役(チェリー(2))」である場合に、役抽選結果に応じて演出抽選テーブルA−1,A−2のいずれかを選択すると共に、選択した演出抽選テーブル(A−1,A−2のいずれか)に記憶された各演出抽選データを用いた演出抽選を行うことにより、演出A〜演出Cのうちどの演出を行うかを決定する。
【0087】
また、演出抽選テーブルA−3,A−4には、「4」〜「9」のインデックス番号に対応する演出E〜演出Jの当選領域をそれぞれ決定する複数の演出抽選データが記憶されている。したがって、演出決定手段106は、特別役(ボーナス)が非当選の場合に、役抽選結果が「第1小役(オレンジ(1))」、「第2小役(オレンジ(2)」である場合に、役抽選結果に応じて演出抽選テーブルA−3,A−4のいずれかを選択すると共に、選択した演出抽選テーブル(A−3,A−4のいずれか)に記憶された各演出抽選データを用いた演出抽選を行うことにより、演出E〜演出Jのうちどの演出を行うかを決定する。
【0088】
また、演出抽選テーブルA−5には、「0」〜「6」のインデックス番号に対応する演出A〜演出Gの当選領域をそれぞれ決定する複数の演出抽選データが記憶されている。したがって、演出決定手段106は、特別役(ボーナス)が非当選の場合に、役抽選結果が「第6小役(チェリー(3))」である場合に、演出抽選テーブルA−5に記憶された各演出抽選データを用いた演出抽選を行うことにより、演出A〜演出Gのうちどの演出を行うかを決定する。
【0089】
また、演出抽選テーブルA−6には、「0」〜「9」のインデックス番号に対応する演出A〜演出Jの当選領域をそれぞれ決定する複数の演出抽選データが記憶されている。したがって、演出決定手段106は、特別役(ボーナス)が非当選の場合に、役抽選結果が「第7小役(チェリー(4)」である場合に、演出抽選テーブルA−6に記憶された各演出抽選データを用いた演出抽選を行うことにより、演出A〜演出Jのうちどの演出を行うかを決定する。
【0090】
また、演出抽選テーブルB−1〜B−4には、「3」〜「9」のインデックス番号に対応する演出D〜演出Jの当選領域をそれぞれ決定する複数の演出抽選データが記憶されている。したがって、演出決定手段106は、特別役(ボーナス)に当選の場合に、役抽選結果が「ハズレ」、「再遊技役(Replay)」、「第1小役(オレンジ(1))、「第2小役(オレンジ(2))」、「第3小役(ベル)」、「第6小役(チェリー(3))」、「第7小役(チェリー(4))」である場合に、役抽選結果に応じて演出抽選テーブルB−1〜B−4のいずれかを選択すると共に、選択した演出抽選テーブル(B−1〜B−4のいずれか)に記憶された各演出抽選データを用いた演出抽選を行うことにより、演出D〜演出Jのうちどの演出を行うかを決定する。
【0091】
以上のように、各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4には、演出A〜演出Jのうち、各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4にそれぞれ対応する役抽選結果(抽選条件)において演出決定手段106による演出抽選が行われる演出に対応する演出抽選データがそれぞれ記憶されている。また、スロットマシン1において実行される演出を演出A〜演出Jのいずれかに決定する演出決定手段106による演出抽選の抽選確率(%)は、演出抽選テーブル674に記憶された各演出抽選データにより、
抽選確率(%)=演出抽選データ/256
と決定され、各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4がそれぞれ有する各演出抽選データそれぞれにより決定される当選確率の和が100%となるように、すなわち、各演出抽選データの和が256となるように各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4それぞれに複数の演出抽選データが記憶されている。
【0092】
したがって、役抽選結果に応じて演出決定手段106により各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4のいずれかが選択されて演出抽選が行われた場合に、選択された演出抽選テーブルに記憶された各演出抽選データが順番に用いられて演出抽選が行われることにより、各演出抽選データに対応する各演出のいずれかに必ず当選し、当選した演出をスロットマシン1において実行することが演出決定手段106により決定される。
【0093】
また、この実施形態では、各演出抽選データは、それぞれ、乱数発生手段103が発生させる演出抽選用の乱数(0〜255)の全範囲中での出現回数を表している。各演出抽選データに基づいて決定される乱数の全範囲中での当選領域について、演出抽選テーブルA−1を例に挙げて具体的に説明する。演出抽選テーブルA−1には、「0」〜「2」のインデックス番号に対応する演出A〜演出Cの当選領域を決定する演出抽選データが”253”、”2”、”1”に設定されており、これらの演出抽選データに基づいて、演出A〜演出Cに対応する乱数の全範囲中での当選領域を”0〜252(演出A)”、”253〜254(演出B)”、”255(演出C)”として導出することができる。その他の演出抽選テーブルについても、各演出抽選テーブルに格納された複数の演出抽選データに基づいて、同様にして、乱数の全範囲中での各演出の当選領域を導出することができる。
【0094】
また、図10に示すように、役抽選結果記憶領域653に記憶された役抽選結果に応じて演出決定手段106により各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4のいずれかが選択されて演出抽選が行われる際に、選択された演出抽選テーブル674に記憶された各演出抽選データのうち、最初の演出抽選の対象となる演出抽選データに対応するインデックス番号を初期インデックス番号として、各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4には、初期インデックス番号に対応する演出抽選データから昇順に、各インデックス番号の順番に各演出抽選データが配列されている(図14(a),(b)参照)。
【0095】
すなわち、役抽選結果に応じて演出決定手段106により各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4のいずれかが選択されて演出抽選が行われる際には、選択された演出抽選テーブル674に記憶された各抽選データのうち、初期インデックス番号に対応する演出抽選データを用いた演出抽選が演出決定手段106により最初に実行される。そして、初期インデックス番号に対応する演出抽選データを用いた演出抽選に当選した場合には、当該演出抽選データに対応するインデックス番号(初期インデックス番号)に対応する演出を実行することが演出決定手段106により決定されて、演出決定手段106による演出抽選が終了する。
【0096】
一方、初期インデックス番号に対応する演出抽選データを用いた演出抽選に当選しなかった場合には、初期インデックス番号に対応する演出抽選データの次に演出抽選テーブルに配列された演出抽選データが新たに用いられて、演出決定手段106による演出抽選が実行される。新たに用いられた演出抽選データによる演出抽選に当選した場合には、新たに用いられた演出抽選データに対応するインデックス番号に対応する演出を実行することが演出決定手段106により決定されて、演出決定手段106による演出抽選が終了する。また、新たに用いられた演出抽選データによる演出抽選に当選しなかった場合には、さらに次に演出抽選テーブル674に配列された演出抽選データが新たに用いられて、演出決定手段106による演出抽選が同様に実行される。
【0097】
そして、選択された演出抽選テーブル674に記憶された各演出抽選データに対応する各演出のいずれかに当選するまで、演出抽選テーブルに配列された順番に演出抽選データが用いられて演出決定手段106による演出抽選が実行され、各演出のうちのいずれかに当選すれば演出決定手段106による演出抽選が終了する。
【0098】
なお、図11に示すように、各演出抽選テーブルA−1〜A−6にそれぞれ記憶された各演出抽選データは、それぞれ、初期インデックス番号に対応する演出抽選データから昇順に、インデックス番号の順番にROM67の所定の記憶領域に、演出抽選テーブルA−1から演出抽選テーブルA−6の順番に格納されている。また、図12に示すように、各演出抽選テーブルB−1〜B−4にそれぞれ記憶された各演出抽選データは、それぞれ、初期インデックス番号に対応する演出抽選データから昇順に、インデックス番号の順番にROM67の所定の記憶領域に、演出抽選テーブルB−1から演出抽選テーブルB−4の順番に格納されている。
【0099】
次に、演出決定手段106が備える各機能について詳細に説明する。
【0100】
a)演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106a
演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aは、図8に示すように、役抽選結果記憶領域653に記憶された役抽選手段105による役抽選結果(抽選条件)に基づいて、ROM67に格納された演出抽選テーブル674の各演出抽選データを参照するためのデータが設定された演出抽選テーブル選択用テーブル673を選択するためのものである。
【0101】
演出抽選テーブル選択用テーブル673は、役抽選結果記憶領域653の下位記憶領域に記憶されている役抽選結果と、演出抽選の際に、役抽選結果に応じて演出抽選テーブル674から各演出抽選データを参照するための情報が格納された演出抽選用設定データ(本発明の「抽選用設定データ」に相当)との対応関係が定められたものであり、図14(a)に示すボーナスに非当選の場合に参照される演出抽選テーブル選択用テーブル673aと、図14(b)に示すボーナスに当選の場合に参照される演出抽選テーブル選択用テーブル673bとを備えている。
【0102】
演出抽選用テーブル選択用テーブル673に格納された各演出抽選用設定データは1バイトのデータであって、上位の3ビットに、各役抽選結果に対応した演出抽選テーブルの初期インデックス番号が設定され、下位の5ビットに、各役抽選結果にそれぞれ対応した各演出抽選テーブルをROM67から参照するための演出抽選テーブル参照用データ(本発明の「参照用データ」に相当)が設定されている。具体的には、各演出抽選テーブル参照用データには、各役抽選結果にそれぞれ対応した各演出抽選テーブル674の初期インデックス番号に対応する演出抽選データをROM67から参照するためのデータが設定されている。
【0103】
すなわち、ボーナスに非当選の場合に、演出抽選テーブル参照用データとして、ROM67のアドレス”&hXXXX”に格納された演出抽選テーブルA−1の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hXXXX+3”に格納された演出抽選テーブルA−2の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hXXXX+6”に格納された演出抽選テーブルA−3の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hXXXX+12”に格納された演出抽選テーブルA−4の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hXXXX+18”に格納された演出抽選テーブルA−5の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hXXXX+25”に格納された演出抽選テーブルA−6の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、のいずれかが各役抽選結果にそれぞれ対応して設定されている。
【0104】
また、ボーナスに当選の場合に、演出抽選テーブル参照用データとして、ROM67のアドレス”&hYYYY”に格納された演出抽選テーブルB−1の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hYYYY+7”に格納された演出抽選テーブルB−2の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hYYYY+14”に格納された演出抽選テーブルB−3の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、アドレス”&hYYYY+21”に格納された演出抽選テーブルB−4の初期インデックス番号に対応した演出抽選データを参照するためのデータ、のいずれかが各役抽選結果にそれぞれ対応して設定されている。
【0105】
また、ROM67には、図13に示す演出抽選テーブル選択用テーブル673a,673bのいずれかを選択するためのテーブルが格納されている。そして、演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aは、役抽選結果記憶領域653に格納された役抽選結果を参照して、ボーナスに非当選であれば、すなわち、上位記憶領域に”00h”が格納されていれば、図14(a)に示す、ボーナス非当選用の演出抽選テーブル選択用テーブル673aを選択する。また、演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aは、役抽選結果記憶領域653に格納された役抽選結果を参照して、ボーナスに当選であれば、すなわち、上位記憶領域に”01h”が格納されていれば、図14(b)に示す、ボーナス当選用の演出抽選テーブル選択用テーブル673bを選択する。
【0106】
なお、上記したように、ボーナス(特別役)に当選した場合には、上位記憶領域に”01h”が記憶されるが、特別役に入賞するまでは、上位記憶領域に”01h”が記憶されたままとなる。したがって、ボーナスが持ち越されている状態では、図14(b)に示す、ボーナス当選用の演出抽選テーブル選択用テーブル673bが演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aにより選択される。
【0107】
b)演出抽選用設定データ選択手段106b
演出抽選用設定データ選択手段106bは、役抽選結果記憶領域653の下位記憶領域を参照することにより役抽選手段105による役抽選結果(抽選条件)を特定すると共に、特定した役抽選結果に記憶されている役抽選結果に基づいて、演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aにより選択された演出抽選テーブル選択用テーブル673から演出抽選用設定データを選択するものである。すなわち、演出抽選用設定データ選択手段106bは、役抽選結果記憶領域653の下位記憶領域を参照することにより特定した役抽選手段105による役抽選結果に対応した、初期インデックス番号および演出抽選テーブル参照用データを含む演出抽選用設定データを、演出抽選テーブル選択用テーブル選択手段106aにより選択された演出抽選テーブル選択用テーブル673から選択する。
【0108】
c)演出抽選テーブル選択手段106c
演出抽選テーブル選択手段106cは、演出抽選用設定データ選択手段106bにより選択された演出抽選用設定データの演出抽選テーブル参照用データに基づき、ROM67に格納された各演出抽選テーブルA−1〜A−6,B−1〜B−4のいずれかを選択するものである。
【0109】
なお、上記したように、役抽選手段105による役抽選結果が特別役(ボーナス)当選であった場合には、役抽選結果記憶領域653の上位記憶領域に”01h”が記憶される一方で、下位記憶領域にはハズレに相当する”00h”が記憶される。しかしながら、役抽選結果記憶領域653の上位記憶領域に”01h”が記憶されているため、演出抽選テーブル選択手段106cにより、ボーナス当選用の「ハズレ」に対応した演出抽選テーブルB−1が選択される。
【0110】
図9(a),(b)に示すように、ボーナス当選用の「ハズレ」に対応した演出抽選テーブルB−1には、ボーナス非当選用の「ハズレ」に対応した演出抽選テーブルA−1とは異なる演出についての演出抽選データが格納されている。したがって、ボーナス当選用の「ハズレ」に対応した演出抽選テーブルB−1が選択された場合には、ボーナス非当選用の「ハズレ」に対応した演出抽選テーブルA−1を用いた場合とは、異なる演出が実行されるため、遊技者に「ボーナスに当選しているのかもしれない」との期待感を抱かせることができ、遊技者に興趣を与えることができる。
【0111】
d)演出抽選データ選択手段106d
演出抽選データ選択手段106dは、演出抽選テーブル選択手段106cにより選択された演出抽選テーブル674に記憶されている各演出抽選データから、判定の対象とする演出抽選データを、選択演出抽選データ(本発明の「選択抽選データ」に相当)として選択するものである。また、演出抽選データ選択手段106dは、演出抽選テーブル選択手段106cにより選択された演出抽選テーブル674に記憶されている各演出抽選データから、演出抽選用設定データ選択手段106bにより選択された演出抽選テーブル参照用データに含まれる初期インデックス番号に対応する演出抽選データを最初に選択演出抽選データとして選択する。なお、演出抽選データ選択手段106dは、各演出抽選データにそれぞれ対応する各演出のいずれかに当選するまで、選択された演出抽選テーブル674に配列された順番、すなわち、ROM67に配列された順番に演出抽選データを選択演出抽選データとして選択する。
【0112】
e)演出抽選判定手段106e
演出抽選判定手段106eは、乱数抽出手段104により演出抽選用に抽出された乱数値が、演出抽選データ選択手段106dにより選択された選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属するかどうかを判定するものである。また、演出抽選用に抽出された乱数値が、演出抽選データ選択手段106dにより選択された選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属さないと演出抽選判定手段106eより判定された場合には、演出抽選データ選択手段106dは、選択演出抽選データの次に配列された演出抽選データを新たに選択演出抽選データとして選択する。そして、演出抽選判定手段106eは、演出抽選用に抽出された乱数値が、新たな選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属するかどうかを判定する。
【0113】
f)演出抽選結果設定手段106f
演出抽選結果設定手段106fは、選択演出抽選データに対応するインデックス番号を、演出抽選判定手段106eによる判定結果を算出するためのデータとして、RAM65に形成された演出抽選結果算出用記憶領域654に格納するものである。演出抽選結果設定手段106fは、最初に、演出抽選用設定データ選択手段106bにより選択された演出抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号を、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納する。
【0114】
また、演出抽選用に抽出された乱数値が、演出抽選データ選択手段106dにより選択された選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属さないと演出抽選判定手段106eより判定された場合には、演出抽選結果設定手段106fは、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたインデックス番号を、演出抽選データ選択手段106dにより選択演出抽選データとして新たに選択される演出抽選データに対応するインデックス番号に更新する。
【0115】
具体的には、この実施形態では、演出抽選テーブル674に格納された各演出抽選データは、初期インデックス番号に対応する演出抽選データから、昇順にインデックス番号の順番に演出抽選データ選択手段106dにより選択される。したがって、演出抽選用に抽出された乱数値が、演出抽選データ選択手段106dにより選択された選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属さないと演出抽選判定手段106eより判定された場合には、演出抽選結果設定手段106fは、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたインデックス番号に1を加算することにより、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたインデックス番号を、演出抽選データ選択手段106dにより選択演出抽選データとして新たに選択される演出抽選データに対応するインデックス番号に更新する。
【0116】
g)演出抽選結果記憶手段106g
演出抽選結果記憶手段106gは、乱数抽出手段104により演出抽選用に抽出された乱数値が、演出抽選データ選択手段106dにより選択された選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属すると演出抽選判定手段106eにより判定された場合に、演出A〜演出Jのうち、演出抽選結果算出用記憶領域654に演出抽選結果設定手段106fにより格納されたインデックス番号に対応する演出が当選したとの当選情報を、RAM65に形成された演出抽選結果記憶領域655に格納するものである。
【0117】
また、演出抽選結果記憶領域655は、例えば、RAM65の2バイトの記憶領域により形成されており、2バイトのデータサイズの演出抽選結果記憶領域655の下位の0ビット〜9ビットを、インデックス番号が「0」である演出A〜インデックス番号が「9」である演出Jにそれぞれ対応させることで、演出抽選のために抽出された乱数値が当選領域に属すると演出抽選判定手段106eにより判定された場合に、演出抽選結果記憶手段106gは、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたインデックス番号に対応する演出抽選結果記憶領域655のビットにフラグを立てる、すなわち、当該ビットを”1”に設定することにより、インデックス番号に対応する演出が当選したとの当選情報を演出抽選結果記憶領域655に格納することができる。
【0118】
(9)演出実行手段107
演出実行手段107は、演出抽選結果記憶領域655に記憶された演出決定手段106による演出抽選の結果に基づいて演出を実行するものである。この実施形態では、演出実行手段107は、演出抽選結果記憶領域655に記憶された演出抽選の結果に基づいて左・中・右リールモータ14L,14M,14Rを制御することにより、所謂、リール演出を実行する。
【0119】
(10)検出手段108
検出手段108は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。すなわち、この検出手段108は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
【0120】
(11)停止制御手段109
停止制御手段109は、役抽選手段105の役抽選結果に基づき、停止テーブル672を用いてリール13L,13M,13Rの停止制御を行って、リール13L,13M,13Rによる図柄の表示結果を制御するものである。すなわち、停止制御手段109は、遊技毎に、役抽選判定手段105aによる判定結果に基づきリール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
【0121】
停止テーブル672は、役抽選手段105の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。この停止テーブル672は、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するためのものであって、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものである。停止テーブル672は、例えば、すべてのリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を一括して定めた全リール用停止テーブルからなる。なお、停止テーブル672は、すべてのリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を一括して定めた全リール用停止テーブルに限られず、例えば、左リール13Lのみの滑りコマ数を定めたもの(左リール用停止テーブル)と、中・右リール13M,13Rの滑りコマ数を定めたもの(中・右リール用停止テーブル)とを備えるようにしてもよい。また、停止テーブル672は、例えば左リール13Lが1番目に停止(第1停止)されたときと、2番目に停止(第2停止)されたときと、3番目に停止(第3停止)されたときとで滑りコマ数(テーブルデータ)を異なるようにするなど、各リール13L,13M,13Rの停止操作順序に対応して定めてもよい。
【0122】
そして、停止制御手段109は、まず、役抽選手段105の役抽選結果に基づいて、複数の停止テーブル672の中から一の停止テーブル672を選択する。次に、この選択した一の停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定する。
【0123】
ここで、滑りコマ数が0と決定されれば、直ちにリール13L,13M,13Rの回転を停止させる。すなわち、滑りコマ数が0と決定されると、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、そのまま表示窓11の上段に停止表示される。また、滑りコマ数が1と決定されれば、1コマ分だけリール13L,13M,13Rを回転させて停止させる。すなわち、滑りコマ数が1と決定されると、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、リール13L,13M,13Rの回転方向に1コマずれて、表示窓11の中段に停止表示される。
【0124】
また、この実施形態の停止制御手段109は、役抽選手段105の役抽選結果が複数の役のいずれかの当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選した役に入賞するようにリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。また、この実施形態の停止制御手段109は、役抽選手段105による役抽選結果がハズレであれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないようにリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
【0125】
ところで、滑りコマ数には上限が設けられており、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、停止制御手段109は、たとえ役抽選手段105による役抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であっても、表示窓11に表示される図柄が当選役に対応した入賞態様で停止表示されるようにリール13L,13M,13Rを停止制御することができない。したがって、この実施形態では、役抽選手段105の役抽選結果が複数の役のうち、対応する図柄が「赤7」である特別役への当選である場合には、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、停止制御手段109は、これらの当選役に入賞するようにリール13L,13M,13Rを停止制御することができない。
【0126】
換言すれば、停止制御手段109は、役抽選手段105の役抽選結果が複数の役のうち、特別役への当選である場合、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることを条件にして、表示窓11に表示される図柄が特別役に対応した入賞態様で停止表示されるようにリール13L,13M,13Rを停止制御する。
【0127】
(12)入賞判定手段110
入賞判定手段110は、検出手段108により所定の図柄が所定の位置に停止したことが検出されると、すなわち、停止制御手段109により、予め定められた入賞態様で図柄が停止表示されたことが検出されると、入賞したと判定するものである。
【0128】
具体的には、入賞判定手段110は、「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞と判定し、左・中・右リール13L,13M,13Rの各図柄が、「オレンジ−オレンジ−赤7」の状態で有効な入賞ライン上に揃うと、第1小役入賞と判定し、左・中・右リール13L,13M,13Rの各図柄が、「オレンジ−オレンジ−白7」の状態で有効な入賞ライン上に揃うと、第2小役入賞と判定し、「ベル」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第3小役入賞と判定する。
【0129】
また、入賞判定手段110は、左・右リール13L,13Rの回転が停止したときに、それぞれ「チェリー」「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第4小役入賞と判定し、左・右リール13L,13Rの回転が停止したときに、それぞれ「チェリー」「白7」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第5小役入賞と判定し、左・右リール13L,13Rの回転が停止したときに、それぞれ「チェリー」「BAR」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第6小役入賞と判定し、左・右リール13L,13Rの回転が停止したときに、それぞれ「チェリー」「ナマズ」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中リール13Mに表示されている図柄にかかわらず、第7小役入賞と判定する。
【0130】
また、入賞判定手段110は、「Replay」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、Replay入賞と判定する。
【0131】
(13)払出制御手段111
払出制御手段111は、入賞判定手段110により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。また、払出制御手段111は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させるものである。
【0132】
(14)メダル制御手段112
メダル制御手段112は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。また、メダル制御手段112は、メダルセレクタ48がメダル受入可のときに、投入センサ53からメダル検出信号が出力されれば、ベット枚数カウンタ651またはクレジット枚数カウンタ652を更新する。
【0133】
具体的には、メダル制御手段112は、ベット枚数カウンタ651の値が0の状態で、投入センサ53からメダル検出信号が出力されると、ベット枚数カウンタ651に1加算する。その後、1遊技あたりのメダルの最大投入枚数に達するまで、投入センサ53からメダル検出信号が出力される度に、ベット枚数カウンタ651に1加算する。また、遊技制御手段100は、ベット枚数カウンタ651を参照することにより、メダルの投入枚数に応じて入賞ラインを有効化する。
【0134】
また、メダル制御手段112は、ベット枚数カウンタ651の値が最大投入枚数の状態で投入センサ53からメダル投入信号が出力されると、クレジット枚数カウンタ652に1加算する。また、メダル制御手段112は、クレジット枚数カウンタ652の値が最大貯留枚数(本実施例では50枚)に達すると、メダルセレクタ48をメダル受入不可の状態に切換える。
【0135】
また、メダル制御手段112は、精算スイッチ23が操作されると、ベット枚数カウンタ651およびクレジット枚数カウンタ652を“0”に初期化する。また、このとき、遊技制御手段100は、払出制御手段111を制御して、ベット枚数カウンタ651およびクレジット枚数カウンタ652に記憶されていたメダル枚数と同数のメダルを払い出す。また、メダル制御手段112は、再遊技役に入賞したときは、ベット枚数カウンタ651に対して加算処理を行う。
【0136】
また、メダル制御手段112は、ベットスイッチ15が操作されたときに、クレジット枚数カウンタ652の値が1以上であれば、クレジット枚数カウンタ652の値を1減算して、ベット枚数カウンタ651の値に1加算する。また、遊技制御手段100は、ベット枚数カウンタ651の値が、1遊技あたりの最大投入枚数に達した場合には、以降のベットスイッチ15の操作を無効化する。
【0137】
また、メダル制御手段112は、最大ベットスイッチ17が操作されたときに、ベット枚数カウンタ651の値が、1遊技あたりの最大投入枚数に達するように、クレジット枚数カウンタ652の値を減算し、ベット枚数カウンタ651の値を加算する。また、遊技制御手段100は、ベット枚数カウンタ651の値が、1遊技あたりの最大投入枚数に達すると、以降の最大ベットスイッチ17の操作を無効化する。
【0138】
また、メダル制御手段112は、1遊技(ゲーム)が終了したときに、ベット枚数カウンタ651の値を0に設定する。また、メダル制御手段112は、1遊技が終了したときに、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17を有効化する。
【0139】
(15)サブ制御コマンド送信手段113
サブ制御コマンド送信手段113は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、種々のデータを含む通信コマンドを一方通行で送信するものである。すなわち、サブ制御コマンド送信手段113は、設定制御手段101により設定される設定値、通常遊技状態および特別遊技状態などの遊技状態、役抽選手段105の役抽選結果、入賞判定手段110による入賞状態、リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段11によるメダルの払出状態、前面パネル5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態など、スロットマシン1の状態を表すデータをサブ制御基板73へ送信する。
【0140】
また、サブ制御コマンド送信手段113は、投入センサ53により投入メダルが検出されたとき、ベットスイッチ15が操作されたとき、最大ベットスイッチ17が操作されたとき、再遊技役の入賞による再遊技に係る遊技を開始するとき、ベット枚数カウンタ651に格納されるベット枚数分のメダル投入が行われたことを表すデータをサブ制御基板73に送信する。
【0141】
また、サブ制御コマンド送信手段113は、払出制御手段111により払い出されるメダル数を表すデータをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段113は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータをサブ制御基板73に送信する。
【0142】
また、サブ制御コマンド送信手段113は、サブ制御基板73に対して、演出決定手段106により決定された演出態様を通知するために、演出抽選結果記憶領域655に演出抽選結果記憶手段106gにより記憶された演出に関するデータをサブ制御基板73に送信する。
【0143】
<サブ制御基板>
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信された通信コマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。図5に示すように、サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0144】
(16)サブ制御コマンド受信手段114
サブ制御コマンド受信手段114は、メイン制御基板63のサブ制御コマンド送信手段113により送信された種々のデータを含む通信コマンドを受信するものである。サブ制御コマンド受信手段114は、メイン制御基板63から送信される通信コマンドを受信し、通信コマンドを受信すれば、通信コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
【0145】
(17)演出内容決定手段115
演出内容決定手段115は、サブ制御コマンド受信手段114により受信された通信コマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段105の役抽選結果および演出決定手段106の演出抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
【0146】
また、演出内容決定手段115は、サブ制御コマンド受信手段114により受信されたベット枚数を通知するコマンドに含まれるベット枚数カウンタ651に記憶された投入メダルの数を表すデータに基づいて、投入メダルの数に応じた演出を決定する。具体的には、演出内容決定手段115は、サブ制御コマンド受信手段114によりベット枚数を通知するコマンドが受信されたときに、この通知コマンドが含むパラメータを参照することにより、ベット数に応じて、ベット数が0〜2枚(パラメータが1または2)のときには、
“まだベットする事ができる”
旨の演出を決定し、ベット数が3枚(パラメータが3)のときには、この実施形態における1遊技の最大賭け数(投入数)に達しているので、
“スタートスイッチを操作すべき”
旨の演出を決定する。
【0147】
そして、演出内容決定手段115は、決定した演出態様に関するデータを含む信号を表示制御手段116および音声制御手段117に送信する。
【0148】
(18)表示制御手段116
表示制御手段116は、演出内容決定手段115から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行するものである。
【0149】
(19)音声制御手段117
音声制御手段117は、演出内容決定手段115から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行するものである。
【0150】
<動作>
次に、図15および図16を参照して、この実施形態における動作の一例について説明する。なお、以下で説明する動作は、上記した種々の機能および手段と、説明は省略したが、メイン制御基板63のメインCPU61およびサブ制御基板73のサブCPU71が種々のプログラムを実行することにより実現されるその他の機能とにより実行される処理である。
【0151】
1.メイン処理
図15はメイン処理を示すフローチャートである。スロットマシン1の電源がオンされれば、メイン制御基板63が備えるRAM65およびサブ制御基板73が備えるメモリ75の状態がチェックされ、各メモリにエラーが生じていないかどうかが判定されて、各種の初期設定が行われる(ステップS100)。
【0152】
次に、各メモリのチェックが終了し、異常が無ければ通常遊技状態へ移行して、規定数のメダルが投入されたかどうかが判定されて(ステップS101)、規定数のメダルの投入があるまで待機する(ステップS101でNO)。そして、規定数のメダルの投入があると判定されれば(ステップS101でYES)、スタートスイッチ19が操作されたかどうかが判定される(ステップS102)。
【0153】
スタートスイッチ19が操作されるまで待機し(ステップS102でNO)、スタートスイッチ19が操作されたと判定されれば(ステップS102でYES)、役抽選手段105による役抽選処理が行われ(ステップS103)、後で図16を参照して説明する「演出決定処理」が演出決定手段106により実行されて(ステップS104)、各リール13L,13M,13Rの回転が開始される(ステップS105)。
【0154】
次に、回転中の各リール13L,13M,13Rにそれぞれ対応する各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されるまで待機し(ステップS106でNO)、各ストップスイッチ21L,21M,21Rのいずれかが操作されれば(ステップS105でYES)、操作されたストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれに対応するリール13L,13M,13Rいずれかの回転が停止される(ステップS107)。
【0155】
そして、全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止されるまでステップS106〜ステップS108までの処理を繰返して実行し(ステップS108でNO)、全てのリール13L,13M,13Rが停止されれば(ステップS108でYES)、入賞判定手段110により入賞したかどうかの判定が行われる(ステップS109)。入賞判定手段110による判定結果が、いずれかの当選役への入賞であれば、入賞態様に応じたメダルが払出制御手段111により払い出されて(ステップS110)、メイン処理が終了する。
【0156】
2.演出決定処理
図16を参照して「演出決定処理」について説明する。図16は演出決定処理を示すフローチャートである。まず、スタートスイッチ19の操作時に乱数抽出手段104により抽出された演出抽選用の乱数値が初期値としてRAM65に形成された抽選データ格納領域(図示省略)に設定され(ステップS200)、役抽選結果記憶領域653に格納された役抽選結果に基づいて演出抽選用設定データ選択手段106bにより選択された演出抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号が、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納される(ステップS201)。
【0157】
次に、演出抽選用設定データ選択手段106bにより選択された演出抽選用設定データに含まれる演出抽選テーブル参照用データに基づいて演出テーブル選択手段106cにより選択された演出抽選テーブル674から、初期インデックス番号に対応した演出抽選データが演出抽選データ選択手段106dにより選択される(ステップS202)。そして、演出抽選判定手段106eにより、選択された演出抽選データの値と、乱数値とが比較され(ステップS203)、乱数値が演出抽選データの値よりも小さいと判定されれば(ステップS203でYES)、抽選データに対応する演出に当選したと判定されて、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたデータ(インデックス番号)が、演出抽選結果記憶手段106gにより演出抽選結果記憶領域655に格納されて(ステップS204)、演出決定処理が終了する。
【0158】
一方、ステップS203においてNOと判定されれば、抽選データ格納領域に格納されている乱数値が、
「乱数値」←「現在の乱数値」−「演出抽選データの値」
として更新される(ステップS205)。
そして、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたデータ(インデックス番号)
に1が加算されてステップS202からの処理を実行する。
【0159】
以上説明したように、この実施形態によれば、予め設定された複数の役抽選結果(抽選条件)それぞれに対応して複数の演出抽選テーブル674が設けられており、各演出抽選テーブル674には、それぞれ、予め設定された演出A〜演出Jいずれかの当選領域をそれぞれ指定する複数の演出抽選データが、それぞれ連番であるインデックス番号と関連付けて記憶されている。乱数抽出手段104により演出抽選用の乱数値が抽出されると、演出抽選テーブル674の中から判定の対象とする演出抽選データが演出抽選データ選択手段106dにより選択演出抽選データとして選択されると共に、選択演出抽選データに対応するインデックス番号が演出抽選結果算出用記憶領域654に演出抽選結果設定手段106fにより格納される。
【0160】
そして、乱数発生手段103が発生させた演出抽選用の乱数(0〜255)の全範囲中での当選領域が選択演出抽選データに基づいて決定され、乱数抽出手段104により抽出された演出抽選用の乱数値が、選択演出抽選データに基づいて決定された当選領域に属するかどうかが演出抽選判定手段106eにより判定される。抽出された乱数値が当選領域に属すると演出抽選判定手段106eにより判定されれば、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたインデックス番号に対応する選択演出抽選データにより当選領域が決定される演出が当選したとの当選情報が、演出抽選結果記憶手段106gにより演出抽選結果記憶領域655に格納される。
【0161】
また、各役抽選結果それぞれに対応する複数の演出抽選用設定データを有する演出抽選テーブル選択用テーブル673が設けられており、各演出抽選用設定データには、演出抽選判定手段106eによる判定の際に、演出抽選テーブル674に記憶された各演出抽選データのうち最初の判定対象とする演出抽選データに対応するインデックス番号を初期インデックス番号として、各演出抽選テーブル674のいずれかを参照するための演出抽選テーブル参照用データおよび初期インデックス番号が含まれている。したがって、役抽選手段105により役抽選結果が決定されると、役抽選結果に対応する演出抽選用設定データが演出抽選用設定データ選択手段106bにより選択されるが、選択された演出抽選用設定データには、役抽選結果に対応した演出抽選テーブル参照用データおよび初期インデックス番号が含まれている。
【0162】
また、各演出抽選テーブルには、初期インデックス番号に対応する演出抽選データから昇順に、各インデックス番号にそれぞれ対応する演出抽選データが順番に配列されている。そして、役抽選結果に応じて演出抽選用設定データ選択手段106bに選択された演出抽選用設定データに含まれる演出抽選テーブル参照用データに基づいて、役抽選結果に対応した演出抽選テーブル674が演出抽選テーブル選択手段106cに選択され、選択された演出抽選テーブル674が演出抽選データ選択手段106dにより参照されて、演出抽選用設定データ選択手段106bに選択された演出抽選用設定データに含まれる初期インデックス番号に対応する演出抽選データが最初に選択演出抽選データとして選択される。
【0163】
したがって、役抽選手段105の役抽選結果に応じて演出抽選用設定データ選択手段106bに選択される演出抽選用設定データに含まれる演出抽選テーブル参照用データおよび初期インデックス番号を任意に設定することで、演出抽選テーブル674に記憶された複数の演出抽選データから役抽選結果に応じた演出抽選データを演出抽選データ選択手段106dにより任意に選択することができる。また、演出抽選テーブル674に記憶された複数の演出抽選データから、役抽選結果に応じて演出抽選を行いたい演出に対応する演出抽選データを演出抽選データ選択手段106dにより直接的に選択することができるため、演出抽選を行いたくない演出に対応する演出抽選データが演出抽選テーブル674に記憶されている必要がないので、演出抽選テーブル674に記憶される複数の演出抽選データの全データ量の圧縮を図ることができる。
【0164】
また、演出抽選用に抽出された乱数値が選択演出抽選データに基づいて決定される当選領域に属さないと演出抽選判定手段106eにより判定された場合に、演出抽選結果算出用記憶領域654に格納されたインデックス番号が、演出抽選データ選択手段106dにより新たに選択演出抽選データとして選択される演出抽選データに対応するインデックス番号に演出抽選結果設定手段106fにより更新され、選択演出抽選データの次に配列された演出抽選データが新たに選択演出抽選データとして演出抽選データ選択手段106dにより選択されるので、初期インデックス番号に対応する演出に当選しなかった場合に、連続して次の演出についての演出抽選を行うことができるため、非常に実用的な構成のスロットマシン1を提供することができる。
【0165】
また、役抽選手段105の役抽選結果に対応する演出抽選テーブル674を用いて演出抽選判定手段106eによる判定処理が行われるが、各演出抽選テーブル674がそれぞれ有する各演出抽選データそれぞれにより決定される当選確率の和が100%であるので、当該演出抽選テーブル674に記憶された各演出抽選データそれぞれに対応する各演出のいずれかに必ず当選させることができる。したがって、従来の遊技機では必要であった、演出抽選テーブル674に記憶された各演出抽選データに対応する各演出のいずれにも当選しなかったときの処理を簡略化することができるので効率がよい。
【0166】
また、役抽選結果として、例えば、再遊技役および第1小役(オレンジ(1))が予め設定されているが、再遊技役および第1小役それぞれに演出抽選テーブルA−2および演出抽選テーブルA−3が対応しており、演出A〜演出Jにはインデックス番号が連番で対応付けされて、そして、各演出抽選データには、対応する演出に対応付けされたインデックス番号がそれぞれ関連付けられて、演出抽選テーブルA−2には、演出A〜演出Jのうち、役抽選結果が再遊技役であるときに演出抽選判定手段106eによる判定が行われる演出A〜演出Cに対応する演出抽選データが、初期インデックス番号「0」に対応する演出抽選データからインデックス番号の順番に配列され、演出抽選テーブルA−3には、演出A〜演出Jのうち、役抽選結果が第1小役であるときに演出抽選判定手段106eによる判定が行われる演出E〜演出Jに対応する演出抽選データが、初期インデックス番号「4」に対応する演出抽選データからインデックス番号の順番に配列されている。
【0167】
したがって、役抽選手段105による役抽選結果が再遊技役または第1小役である場合に、それぞれ演出抽選判定手段106eによる判定が行われる各演出それぞれに対応する各演出抽選データのみを用いて、演出抽選テーブルA−1,A−3が形成されているため、各演出抽選テーブルA−1,A−3に無駄な演出抽選データが記憶されておらず、各演出抽選テーブル674に記憶される各演出抽選データ全体のデータ量が増大するのを防止することができる。
【0168】
また、各役抽選結果に対応した演出抽選用設定データにそれぞれ含まれる初期インデックス番号を異ならせることにより、各役抽選結果に対応する各演出抽選テーブル674それぞれに記憶される演出抽選データに対応する演出を異なるものとすることができるので、非常に実用的である。
【0169】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、各演出抽選テーブル674に、初期インデックス番号から昇順に、インデックス番号の順番に各演出抽選データを配列したが、各演出抽選テーブル674に、初期インデックス番号から降順に、インデックス番号の順番に各演出抽選データを配列してもよい。この場合、初期インデックス番号に対応する演出抽選データから降順に、インデックス番号の順番に各演出抽選データを演出抽選データ選択手段106dにより選択するとよい。
【0170】
また、上記した実施形態では、各演出抽選テーブル674は、それぞれに対応する役抽選結果において演出決定手段106による判定が行われる複数の演出にそれぞれ対応する演出抽選データのみが格納されているが、演出決定手段106による判定が行われない演出に対応する演出抽選データを各演出抽選テーブル674に格納してもよい。この場合、各役抽選結果にそれぞれ初期インデックス番号および演出抽選回数を設定し、役抽選結果に応じて各演出抽選テーブル674のいずれかを選択すると共に、役抽選結果に設定された初期インデックス番号に対応する演出抽選データから昇順または降順に、インデックス番号の順番に役抽選結果に設定された演出抽選回数、各演出抽選データを選択して演出抽選を行うとよい。
【0171】
また、上記した実施形態では、役抽選および演出抽選において、同一の乱数発生手段103および乱数抽出手段104を使用したが、役抽選および演出抽選にそれぞれ対応して個別に設けられた乱数発生手段および乱数抽出手段を用いてもよい。
【0172】
また、演出A〜演出Jそれぞれに予め設定されている演出態様として、「何もしない」という演出態様が設定されていてもよい。
【0173】
また、上記した実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組合わせた遊技機(所謂、パロット)に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用すれば、遊技媒体としてのパチンコ球を採用すればよい。また、本発明の遊技機として、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームを採用してもよい。
【0174】
また、上記した実施形態では、本発明を演出抽選に適用したが、本発明を役抽選に適用してもよく、抽選データを用いた抽選が行われる遊技機に本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0175】
1…スロットマシン(遊技機)、103…乱数発生手段、104…乱数抽出手段、106b…演出抽選用設定データ選択手段(抽選条件選択手段、抽選テーブル選択手段)、106c…演出抽選テーブル選択手段(抽選テーブル選択手段)、106d…演出抽選データ選択手段(抽選データ選択手段)、106e…演出抽選判定手段(抽選判定手段)、106f…演出抽選結果設定手段(抽選結果設定手段)、106g…演出抽選結果記憶手段(抽選結果記憶手段)、654…演出抽選結果算出用記憶領域(抽選結果算出用記憶領域)、655…演出抽選結果記憶領域(抽選結果記憶領域)、673…演出抽選テーブル選択用テーブル(抽選テーブル選択用テーブル)、674…演出抽選テーブル(抽選テーブル)、A〜J…演出(抽選結果)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段と、
前記乱数発生手段が発生させた乱数値を抽出する乱数抽出手段と、
予め設定された複数の抽選結果いずれかの当選領域をそれぞれ指定する複数の抽選データを、それぞれ連番であるインデックス番号と関連付けて記憶する抽選テーブルと、
前記抽選テーブルの中から、判定の対象とする前記抽選データを、選択抽選データとして選択する抽選データ選択手段と、
前記選択抽選データに対応する前記インデックス番号を抽選結果算出用記憶領域に格納する抽選結果設定手段と、
前記乱数抽出手段により抽出された乱数値が、前記選択抽選データに基づいて決定される前記当選領域に属するかどうかを判定する抽選判定手段と、
前記乱数値が前記選択抽選データに基づいて決定される前記当選領域に属すると前記抽選判定手段により判定された場合に、前記抽選結果算出用記憶領域に格納された前記インデックス番号に対応する前記選択抽選データにより前記当選領域が決定される前記抽選結果が当選したとの当選情報を、抽選結果記憶領域に格納する抽選結果記憶手段とを備え、
予め設定された複数の抽選条件それぞれに対応して、前記抽選テーブルを複数有する遊技機であって、
前記抽選判定手段による判定の際に、前記各抽選データのうち最初の判定対象とする前記抽選データに対応する前記インデックス番号を初期インデックス番号として、
前記各抽選テーブルのいずれかを参照するための参照用データおよび前記初期インデックス番号を含む抽選用設定データを、前記各抽選条件それぞれに対応して有する抽選テーブル選択用テーブルと、
前記各抽選条件のいずれかを選択する抽選条件選択手段と、
前記抽選条件選択手段により選択された前記抽選条件に対応した、前記参照用データおよび前記初期インデックス番号を含む前記抽選用設定データを、前記抽選テーブル選択用テーブルから選択する抽選テーブル選択手段とを備え、
前記各抽選テーブルには、前記初期インデックス番号から昇順または降順で選択される前記インデックス番号にそれぞれ対応するように前記抽選データが順番に配列されており、
前記抽選データ選択手段は、
前記抽選テーブル選択手段に選択された前記抽選用設定データが含む前記参照用データに基づいて、前記抽選条件選択手段により選択された前記抽選条件に対応した前記抽選テーブルを参照し、前記抽選テーブル選択手段に選択された前記抽選用設定データが含む前記初期インデックス番号に対応する前記抽選データを最初に前記選択抽選データとして選択する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記乱数値が前記選択抽選データに基づいて決定される前記当選領域に属さないと前記抽選判定手段により判定された場合に、
前記抽選結果設定手段は、
前記抽選結果算出用記憶領域に格納された前記インデックス番号を、前記抽選データ選択手段により新たに前記選択抽選データとして選択される前記抽選データに対応する前記インデックス番号に更新し、
前記抽選データ選択手段は、
前記選択抽選データの次に配列された前記抽選データを新たに前記選択抽選データとして選択する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記各抽選テーブルがそれぞれ有する前記各抽選データそれぞれにより決定される当選確率の和が100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記抽選条件として、第1、第2の抽選条件が予め設定されており、前記抽選テーブルとして、前記第1、第2の抽選条件それぞれに対応した第1、第2の抽選テーブルを備え、
前記各抽選結果に前記インデックス番号が連番で対応付けされると共に、前記各抽選データには、対応する前記抽選結果に対応付けされた前記インデックス番号がそれぞれ関連付けられて、
前記第1の抽選テーブルには、前記各抽選結果のうち、前記第1の抽選条件において前記抽選判定手段による判定が行われる前記抽選結果に対応する前記抽選データが、前記第1の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号に対応する前記抽選データから前記インデックス番号の順番に配列され、
前記第2の抽選テーブルには、前記各抽選結果のうち、前記第2の抽選条件において前記抽選判定手段による判定が行われる前記抽選結果に対応する前記抽選データが、前記第2の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号に対応する前記抽選データから前記インデックス番号の順番に配列されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記第2の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号は、前記第1の抽選条件に対応した前記抽選用設定データに含まれる前記初期インデックス番号と異なる値であることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−78558(P2013−78558A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−46184(P2012−46184)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【出願人】(390026620)山佐株式会社 (108)
【Fターム(参考)】