説明

道路情報通信システム、サーバコンピュータ、道路情報通信方法、道路情報通信プログラム。

【課題】遠隔地の状況の変化に応じて適切な標示を行う。
【解決手段】この道路情報通信システムは、遠隔地に配置された標示器89とPC11とセンタサーバ31とを備える。センタサーバ31は、PC11よりインターネット2を通じて受信されたログイン情報でユーザ認証を行い、標示指示のための画面をPC11へ送信する。センタサーバ31は、PC11によって所望の標示器89の標示を指示するための接続要求が行われた場合、予め登録された該当標示器89が接続されている通信ユニット81の接続情報にて携帯電話網6とのコネクションを確立する。コネクションを確立後、センタサーバ31は、TCPソケット通信により携帯電話網6および通信ユニット81を通じて所望の標示内容を指定するCH.番号を該当標示器89へ送信することで標示器89へ標示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば遠隔地の道路に設置された標示内容を可変可能な標示器を、現地の天候や交通事情などの状況によって遠隔操作してその標示内容をリアルタイムに変更することが可能な道路情報通信システム、サーバコンピュータ、道路情報通信方法、道路情報通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば道路に雪が降っているときに、時間がある程度経過すると、積雪で道路が滑り易くなる。
そこで、この場合、道路を管理する団体は、要注意箇所に積雪注意または通行注意などといった通行案内板(以下標示板と称す)を配置し、該当地域で案内や注意の標示を行い、現地の道路を走行する車両や通行者へ注意を促すことを行っている。
【0003】
現地の天候が雪から雨に変化した場合やさらに積雪が多くなり通行止めにする必要がでてきた場合、配置している標示板の標示内容を変えたり、現地から団体本部に現地の状況を連絡して道路を通行止めにするなどの対策を実施する必要がある。
【0004】
道路における標識の標示内容を変える技術としては、さまざまな標示内容を印刷したプラカードを複数用意しておき交換するなどといった技術から、無線通信を利用して円形の交通規制標識を回動させて規制標示内容を切り替える技術などが存在する(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−3730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現地の天候や交通状況などを団体本部に連絡することは、人が電話などを利用して行うしかなく、結局のところ、現地の状況を把握して適切な案内や標示を行うには、現地での人手の対応に頼るしかないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、遠隔地の状況の変化に応じて適切な対応を行うことのできる道路情報通信システム、サーバコンピュータ、道路情報通信方法、道路情報通信プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明の道路情報通信システムは、遠隔地の道路に設置され、現地において情報を取得または出力する現地機器と、前記現地機器と通信を行うサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータにネットワークを介してアクセスし、前記現地機器に対して情報を取得または出力するための指示を行うクライアント端末とを備えた道路情報通信システムにおいて、前記クライアント端末は、前記サーバコンピュータに蓄積されている現地の情報を前記ネットワークを通じて閲覧するための手段と、前記現地機器へ出力する出力情報の指定またはキー入力を受け付け前記サーバコンピュータへ送信する手段とを備え、前記現地機器は、現地の情報を取得する現地情報取得手段、および受け取った出力情報を出力する情報出力手段のうちの少なくとも1つの手段と、前記現地情報取得手段が存在する場合、イベントの発生によって携帯電話網と無線通信でコネクションを確立して前記現地情報取得手段により取得された現地情報を前記携帯電話網を通じて前記サーバコンピュータへ送信する手段と、前記情報出力手段が存在する場合、前記クライアント端末からの指示またはキー入力によって前記サーバコンピュータより前記携帯電話網を通じて受信された出力情報を前記情報出力手段へ送出する手段とを備え、前記サーバコンピュータは、前記クライアント端末により、前記現地機器へ出力する出力情報が前記ネットワークを介して指定またはキー入力された場合、前記携帯電話網とコネクションを確立して前記出力情報を前記携帯電話網を介して前記現地機器へ送信する手段と、前記現地機器より受信された現地情報を、前記クライアント端末より閲覧可能に蓄積する手段とを具備したことを特徴とする。
本発明の道路情報通信システムは、遠隔地の道路に配置された標示手段と、この標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末と、このクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータとを備えた道路情報通信システムにおいて、前記サーバコンピュータは、前記標示手段と無線通信を行う携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器の識別情報と標示器に標示する標示データを指定するための標示データ識別情報とを記憶する記憶手段と、前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記記憶手段に記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立する手段と、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含むパケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信する手段とを備え、前記標示手段は、前記携帯電話網との無線通信を行う無線通信手段と、入力された標示データを標示するLED標示部と、前記LED標示部に標示する少なくとも一つの標示データと標示データを識別するための標示データ識別情報とを対応させて記憶した記憶手段と、前記無線通信手段と前記携帯電話網との無線通信により前記サーバコンピュータより受信されたパケットに含まれる標示データ識別情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている該当標示データを読み出して前記LED標示部へ出力する標示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明の道路情報通信システムは、遠隔地の道路に配置された標示器に対してメッセージの標示を指示するクライアント端末とこのクライアント端末に対して標示器にメッセージを標示するための情報を公開するサーバコンピュータとがネットワークに接続された道路情報通信システムにおいて、ポートに前記標示器が接続され、携帯電話網の無線基地局と無線通信する通信ユニットを備え、前記サーバコンピュータは、前記標示器が接続された通信ユニットが前記携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、前記標示器に標示する少なくとも一つの標示データを指定するための標示データ識別情報と、前記クライアント端末がサーバコンピュータにアクセスするためのアクセス情報とを記憶する記憶手段と、前記クライアント端末よりネットワークを通じて受信されたアクセス情報と、前記記憶手段に記憶されているアクセス情報とに基づいてユーザ認証を行うユーザ認証手段と、前記ユーザ認証手段によりアクセス可能なユーザとして認証された場合、所望の標示器と標示データ識別情報の指定を促す手段と、前記クライアント端末より所望の標示器と標示データ識別情報が指定された場合、所望の標示器が接続された該当通信ユニットと通信するために前記携帯電話網との間にコネクションを確立する手段と、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて無線通信で該当通信ユニットへ送信し、通信パケットに含まれる標示データ識別情報を前記ポートより該当標示器へ出力させる手段とを備え、
前記標示器は、前記メッセージを標示するLED標示部と、前記LED標示部に標示する少なくとも一つの標示データを標示データ識別情報と対応させて記憶した記憶手段と、前記通信ユニットのポートより入力された標示データ識別情報を用いて前記記憶手段に記憶されている該当標示データを読み出して前記LED標示部へ出力する標示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】
上記の道路情報通信システムにおいて、通信ユニットの入力ポートに接続され、標示器が設置されている現地の状況を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された現地の画像情報を、所定のタイミングで携帯電話網を通じてサーバコンピュータへ送信する手段と、携帯電話網を通じて受信された画像情報を、サーバコンピュータがユーザ認証したクライアント端末へ閲覧可能に公開する現地情報公開手段とを備えることで、標示器が設置されている現地の状況をリアルタイムに把握できる。
【0010】
上記の道路情報通信システムにおいて、通信ユニットは、携帯電話網と無線接続するための接続情報が予め設定されており、所定のタイミングで接続情報を用いて携帯電話網へ無線通信でアクセスし、標示器または撮像手段からの情報を送信すると共に、携帯電話網の通信パケットと標示器へのデータまたは撮像手段からの通信パケットとの相互変換を行う通信モジュールを備えることで、標示器や撮像手段を能動的に動作させることができる。
【0011】
本発明のサーバコンピュータは、遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータにおいて、前記標示手段と無線通信を行う携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器の識別情報と標示器に標示する標示データを指定するための標示データ識別情報とを記憶する記憶手段と、前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記記憶手段に記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立する手段と、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信する手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
本発明の道路情報通信方法は、遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末とこのクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータとを備えた道路情報通信システムにおける道路情報通信方法において、前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記サーバコンピュータは、予め記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立するステップと、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記サーバコンピュータは、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ無線送信するステップと、前記標示手段は、前記携帯電話網との無線通信により前記サーバコンピュータより受信された通信パケットに含まれる標示データ識別情報に基づいて予め記憶されている該当標示データを読み出して標示するステップとを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の道路情報通信方法は、遠隔地に配置された標示器に対してメッセージの標示を指示するクライアント端末とこのクライアント端末に対して標示器にメッセージを標示するための情報を公開するサーバコンピュータとがネットワークに接続された道路情報通信システムにおける表示方法において、前記サーバコンピュータは、前記クライアント端末よりネットワークを通じて受信されたアクセス情報と、予め記憶されているアクセス情報とに基づいてユーザ認証を行うステップと、ユーザ認証ステップでアクセス可能なユーザとして認証された場合、前記サーバコンピュータが、所望の標示器と標示データ識別情報の指定を促すステップと、前記クライアント端末より所望の標示器と標示データ識別情報が指定された場合、前記サーバコンピュータは、所望の標示器が接続された該当通信ユニットと通信するために前記携帯電話網との間にコネクションを確立するステップと、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記サーバコンピュータは、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて無線通信で該当通信ユニットへ送信するステップと、前記通信ユニットは、前記携帯電話網との無線通信により、前記サーバコンピュータより受信した標示データ識別情報を含む通信パケットから標示データ識別情報を抽出し、該当ポートより前記標示器へ出力するステップと、前記標示器は、前記通信ユニットより入力された標示データ識別情報に基づいて予め記憶されている該当標示データを読み出して標示するステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の道路情報通信方法は、上記の道路情報通信方法において、通信ユニットは、所定のタイミングで、予め設定された携帯電話網と無線接続するための接続情報を用いて携帯電話網へ無線通信でアクセスし、入力ポートに接続された撮影手段により撮影された現地の画像情報を、携帯電話網を通じてサーバコンピュータへ送信するステップと、サーバコンピュータは、携帯電話網を通じて受信された前記画像情報を、ユーザ認証したクライアント端末へ閲覧可能に公開するステップとを有することで、クライアント端末のオペレータは、標示器が設置されている現地の状況を画像を見てリアルタイムに把握できる。
【0015】
本発明の道路情報通信方法は、遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータにおける道路情報通信方法において、前記クライアント端末により、所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、サーバコンピュータは、予め記憶された接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立するステップと、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記サーバコンピュータは、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信するステップとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の道路情報通信プログラムは、遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに処理を実行させる道路情報通信プログラムにおいて、前記サーバコンピュータを、前記標示手段と無線通信を行う携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器の識別情報と標示器に標示する標示データを指定するための標示データ識別情報とを記憶する記憶手段と、前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記記憶手段に記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立する手段と、前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信する手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
本発明では、クライアント端末により、遠隔地の現地機器へ出力する出力情報がネットワークを介して指定またはキー入力された場合、サーバコンピュータは、携帯電話網とコネクションを確立して出力情報を携帯電話網を介して現地機器へ送信する。現地機器は、サーバコンピュータより携帯電話網を通じて受信された出力情報を情報出力手段より出力する。
一方、現地機器では、イベントの発生によって携帯電話網と無線通信でコネクションを確立して現地情報取得手段が取得した現地の情報を携帯電話網を通じてサーバコンピュータへ送信する。サーバコンピュータは、現地機器より受信された現地情報を、クライアント端末より閲覧可能に蓄積し、クライアント端末がアクセスしてきたときにそれを閲覧させる。
このように携帯電話網を利用して現地機器とクライアント端末の設置場所とで双方向通信を実現することで、遠隔地の状況を確実に把握し、遠隔地の状況の変化に応じて適切な情報の出力を行うことができる。
また、本発明では、クライアント端末により、所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、予め登録されている接続情報を用いて携帯電話網との間でコネクションを確立し、標示データ識別情報を含む通信パケットを携帯電話網を通じて無線通信で該当標示手段へ送信する。一方、標示手段は、携帯電話網との無線通信によりサーバコンピュータより受信された通信パケットに含まれる標示データ識別情報に基づいて該当標示データをLED標示部に表示する。
すなわち、本発明は、広い無線通信エリアをカバーする携帯電話網を利用して遠隔地の撮像手段により取得された遠隔地の画像をクライアント端末に公開すると共に、遠隔地の標示手段へ標示データ識別情報を送信して該当標示手段に所望の標示内容を標示させる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、遠隔地の状況の変化に応じて適切な対応を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の道路情報通信システムに係る一つの実施形態のLED標識無線遠隔操作システムの構成を示す図、図2は図1のLED標識無線遠隔操作システムの標示器89の構成を示す図、図3は標示器89のメモリに記憶されているデータを示す図である。
【0020】
図1に示すように、このLED標識無線遠隔操作システムは、クライアントシステム1と、このクライアントシステム1にインターネット2を介して接続されたセンタシステム3と、このセンタシステム3にINS回線4を介して接続されたIP−VPN網5と、このIP−VPN網5に接続された携帯電話網6と、この携帯電話網6に無線接続される現地機器8とから構成されている。インターネット2はオープンなネットワークの1つである。一方、LAN、INS回線4およびIP−VPN網5などは、ファイヤーウォール装置などで守られたクローズされたネットワークと言える。
【0021】
クライアントシステム1は、例えば道路を管理する団体の本部または管理部署などに設置されている。クライアントシステム1は、この場所から離れた遠隔地の現場、つまり案内や警告の標示が必要な道路などに配置された標示器89に対してメッセージの標示を指示するクライアント端末(以下PC11と称す)と、このPC11とインターネット2に接続するルータ12とを有している。
【0022】
PC11は、ハードウェアとして、例えばメモリ、CPU、ハードディスク装置、ネットワークインタフェースなどを備えたコンピュータである。ハードディスク装置には、オペレーティングシステム(以下OSと称す)、ブラウザソフトウェアなどのソフトウェア(プログラム)がインストールされており、これらソフトウェアとハードウェアが協動してWeb閲覧機能、標示器89への標示指示機能を実現する。つまりPC11は、センタサーバ31にアクセスして、標示された画面より所望の標示器89へ標示内容を指示する機能を有する。ブラウザソフトウェアは、センタサーバ31に蓄積されている現地の情報(静止画や動画)をインターネット2を通じて閲覧するための手段として機能する。また、ブラウザソフトウェアは、現地機器8へ出力する出力情報(CH.番号やテキストデータなど)の指定またはキー入力を受け付けセンタサーバ31へ送信する手段として機能する。
【0023】
センタシステム3は、インターネット2に接続するルータ33と、このルータ33を通じて行われるインターネット2からの不正なアクセスを防止するファイヤーウォール装置32(以下F/W32と称す)と、このF/W32とLAN35を通じて接続されたサーバコンピュータ31(以下センタサーバ31と称す)と、LAN35とINS回線4とを接続するルータ34とを備えている。
【0024】
センタサーバ31は、ハードウェアとして、例えばメモリ、CPU、ハードディスク装置、ネットワークインタフェースなどを備えたコンピュータである。ハードディスク装置には、オペレーティングシステム(以下OSと称す)、Webサーバソフトウェア、データベースソフトウェアなどのソフトウェア(プログラム)がインストールされており、これらソフトウェアとハードウェアが協動して本発明の各機能を実現する。
つまりセンタサーバ31は、Webサーバ機能、SMTPサーバ機能、データベースを管理するDB機能などを有している。
【0025】
DB機能は、このセンタサーバ31へアクセス可能なユーザの情報やコンテンツ情報をハードディスク装置上のデータベースに登録および管理する機能である。
【0026】
データベースには、標示器89が接続された通信ユニット81に対して要求を行うための接続情報(通信ユニット81のIPアドレス)と、標示器89に標示する少なくとも一つの標示コンテンツデータ(以下標示データと称す)を指定するための標示データ識別情報としてのチャネル番号(以下CH.番号と称す)と、このCH.番号を指定またはメッセージ自体を入力するためのコンテンツ情報(路線図画面など)と、ユーザがこのセンタサーバ31にログインするためのログイン情報(ユーザID、パスワード)などが記憶されている。標示データは、例えば雪氷注意、工事中などのメッセージデータである。
【0027】
Webサーバ機能は、インターネット2を通じてこのサーバへアクセス要求してきたPC11に対してデータベースに登録されたアクセス情報としてのログイン情報を用いてユーザ認証を行う機能と、ユーザ認証によりアクセスを許可したPC11へ標示器89の遠隔操作のためのコンテンツ(各種画面)を送信する機能を有している。
【0028】
つまり、Webサーバ機能は、PC11よりインターネット2を通じて受信されたログイン情報と、データベースに記憶されているログイン情報とを用いてユーザ認証した結果、このサーバにアクセス可能なユーザとして認証した場合、標示器89に標示する標示データを指定するための画面をPC11へ送信する手段として機能する。
【0029】
SMTPサーバ機能は、Webカメラ88からSMTP接続された場合、Webカメラ88を認証してWebカメラ88より送信された電子メールを受信し、電子メールに添付されていた画像ファイルをデータベースに登録および現地情報画面にアップする機能である。
【0030】
また、PC11において標示された画面のCH.番号が指定された場合、Webサーバ機能は、該当通信ユニット81のIPアドレスを含む接続要求パケットをIP−VPN網5および携帯電話網6へ送信し、携帯電話網6においてユーザ認証した後、通信ユニット81とのPPPセッション(コネクション)を確立した通知を受けて、TCPソケット通信によりCH.番号を含むパケットを通信ユニット81へ送信し、通信ユニット81においてパケットより取り出したCH.番号を含むLED標示コマンドを該当標示器89へ着信(受信)させる手段として機能する。
Webサーバ機能は、PC11により、現地機器8へ出力する出力情報(CH.番号やテキストデータなど)がインターネット2を介して指定またはキー入力された場合、携帯電話網6とコネクションを確立して出力情報を携帯電話網6を介して現地機器8へ送信する手段として機能する。
【0031】
Webサーバ機能は、Webカメラ88より得られたイメージデータを登録ユーザが閲覧可能な画面に公開する現地情報公開手段として機能する。Webサーバ機能は、クライアントシステム1のPC11(登録ユーザ)に対して現地の状況を静止画または動画の形態で公開する。Webサーバ機能は、現地機器8より受信された現地情報を、PC11より閲覧可能に蓄積する手段として機能する。
【0032】
すなわち、上記したセンタサーバ31は、標示手段としての現地機器8と無線通信を行う携帯電話網6との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器89の識別情報(No.01などの標識番号)と標示器89に標示する標示データを指定するためのCH.番号(表示データ識別番号)とを記憶する記憶手段としてのメモリと、PC11により、メモリに記憶されている識別情報の中で所望の標示器89の標識番号とCH.番号とが指定された場合、メモリに記憶されている接続情報を用いて携帯電話網6との間でコネクションを確立する手段と、携帯電話網6との間でコネクションが確立した場合、TCPソケット通信によりCH.番号を含むパケットを携帯電話網6を通じて該当現地機器8へ送信する手段を備えるものである。
【0033】
携帯電話網6は、パケット通信網である。この携帯電話網6には、認証代行サーバ61、IP中継装置62、無線基地局63などが設けられている。
認証代行サーバ61は、通信ユニット81からのアクセス要求に対して、ユーザ認証を行い、ユーザ認証されると、携帯電話網6内のプライベートなIPアドレスを固定的に割り当てる。
【0034】
センタサーバ31からルータ34、INS回線4およびIP−VPN網5を通じて通信対象の通信ユニット81に割り当てられているIPアドレスに対してIPパケットが送信され、それがIP中継装置62に受信されると、IP中継装置62は、指定されたIPパケットの宛先IPアドレスが割り当てられている通信ユニット81に対して端末起動信号(SMS)を送出する。
【0035】
無線基地局63は、全国の道路をほぼカバーする無線通信エリアを形成するように広い範囲に点在して設置されている情報通信インフラ(携帯電話網6の既存設備)である。無線基地局63は、通信ユニット81と無線通信を行う。
【0036】
現地機器8は、通信ユニット81、Webカメラ88、標示器89などを備えるものであり、例えば道路の状況を案内する案内車などの移動車両に載置されている。案内車は、その地域の天候や道路の状況の案内を行うために、その現地(現場)へ移動しその場所に適した案内や警告のメッセージを標示器89に標示させる。なお、現地機器8は、案内車に搭載する以外に、道路の路側部に任意の間隔で点在させて設置しても良い。
標示器89は、図2に示すように、通信I/F21、制御部22、標示データを標示するLED標示部26、記憶手段としてのメモリ23、標示メモリ24、LED標示出力部25などを備えている。
【0037】
通信I/F21は、RS485の通信プロトコルをサポートするシリアル通信インタフェースである。LAN/RS485C85からのシリアルケーブル87が接続される。
【0038】
LED標示部26は、多数のLEDがマトリクス状に配置された薄型の標示部を有するものであり、入力された文字や記号などのさまざまな標示データをカラー標示する。
メモリ23には、LED標示部26に標示する少なくとも一つの標示データ(雪氷注意、工事中などのメッセージデータ)とCH.番号とが対応して記憶されている。
【0039】
制御部22は、携帯電話網6とのコネクションの確立によってセンタサーバ31より通信ユニット81に受信されたIPパケットに含まれていたCH.番号を基に、図4に示す標示順テーブル43を作成し、メモリ23に記憶されている該当標示データを、作成した標示順テーブル43の標示順に従って標示メモリ24に順に読み出してLED標示出力部25へ出力する。
【0040】
メモリ23には、図5に示すような割り込み標示フラグ45が設定されている。割り込み標示フラグ45としては、セット/解除の2つが設定される。
例えばこの標示器89に、携帯電話網6より通信ユニット81を通じて「緊急標示」などのLED標示コマンドが受信された場合、メモリ23の割り込み標示フラグ45がセットされる。制御部22は、割り込み標示フラグ45がセットされた場合、強制的に所定のチャネル、例えばCH.310だけを標示する。
【0041】
LED標示出力部25は、標示メモリ24より入力された標示コンテンツデータを制御部22によりタイミング制御を受けてLED標示部26へ出力する。
【0042】
制御部22は、各部を統括制御すると共に、LED標示出力部25による標示データの出力タイミングを制御する。
【0043】
つまり、制御部22は、メモリ23に設定されている標示順テーブルに基づきCH.番号をキーにメモリ23より標示データを読み出してLED標示部26に標示する。
【0044】
Webカメラ88は、標示器89が設置されている現地の状況を撮影する撮影手段であり、カメラ、メモリ、CPU、LANインタフェースなどを備えている。Webカメラ88は、ネットワークカメラとも言う。現地の状況とは、例えば道路の交通状況、天候状況、標示器89の標示内容などである。
【0045】
カメラは、光学系が向けられた方向の風景、つまり現地の画像情報(イメージデータ)を所定期間に所定の枚数取得しメモリに記憶する。カメラには、ズーミング可能な光学系と、光学系をパン、チルトする駆動部と、光学系より受光して30万画素程度のイメージデータを生成するCCD撮像素子とが設けられている。
【0046】
メモリには、カメラによって撮影されたイメージデータが順にバッファリングされる。カメラは、上記30万画素、つまり640×480ドット以外にも320×240ドット、160×120ドットなどのイメージデータを生成できる。LANインタフェースには、ハブ84からのLANケーブル86が接続される。
【0047】
CPUは、ネットワークからの指示を受けて駆動部を制御して光学系をズーミング、パン、チルトさせる。CPUは、メモリに記憶されたイメージデータ(画像ファイル)をWeb上に公開するWebサーバ機能とSMTPサーバ接続機能を有している。
Webサーバ機能は、メモリに記憶されたイメージデータ(画像ファイル)を外部からのアクセスで閲覧させる機能である。
【0048】
SMTPサーバ接続機能は、トリガの発生、つまりある所定のタイミングで携帯電話網6とのセッションを確立した後、センタサーバ31へSMTPサーバ接続を行い、メモリに記憶されたイメージデータ(画像ファイル)を添付した電子メールを、LANインタフェースより携帯電話網6およびIP−VPN網5を通じてセンタサーバ31へ送信する機能である。比較的短期間、例えば1秒間に数十枚のイメージデータを取得することを「動画を撮影する」とも言う。動画および静止画などは画像情報に含まれる。
【0049】
通信ユニット81は、アンテナ82が接続された通信モジュール83と、複数のLANポートを備えるハブ84と、LAN/RS485変換アダプタ85(以下LAN/RS485C85と称す)とを備えている。通信ユニット81は、標示器89と携帯電話網6間に接続されている。通信ユニット81のハブ84のLANポートの1つに、Webカメラ88が接続されている(Webカメラ88が存在する)場合、イベントの発生によって携帯電話網6と無線通信でコネクションを確立してWebカメラ88により取得された現地情報(画像情報)を携帯電話網6を通じてセンタサーバ31へ送信する手段として機能する。イベントの発生とは、例えばタイマ動作で数分毎または数時間毎などに出されるトリガ信号などである。
通信ユニット81のLAN/RS485C85の出力ポートに標示器89が接続されている(標示器89が存在する)場合、PC11からの指示またはキー入力によってセンタサーバ31より携帯電話網6を通じて受信された出力情報(指定されたCH.番号やキー入力されたテキストデータなど)を標示器89へ送出する手段として機能する。
【0050】
通信モジュール83には、メモリが設けられている。メモリには、携帯電話網6へのアクセス情報が予め記憶されている。アクセス情報は、この通信ユニット81を識別するための情報であり、携帯電話網6の認証代行サーバ61とパケット通信するための電話番号、ユーザ名(例えばユーザID@ドメインなど)、パスワード、認証代行サーバ61より固定的に割り当てられた携帯電話網6内のプライベートなIPアドレスなどである。
通信モジュール83は、所定のタイミングでメモリの電話番号、ユーザ名、パスワードなどで携帯電話網6の認証代行サーバ61へダイアルアップ接続(PPP接続)する。
【0051】
所定のタイミングとは、通信モジュール83が有する時計機能により計時された時間を基に所定時間経過時、例えば1時間が経過するごとに一度などである。またセンタサーバ31より現地画像の更新要求が受信されるときもある。
【0052】
つまり、通信モジュール83は、所定のタイミングで自身のメモリに設定されているアクセス情報を用いて携帯電話網6とのPPPセッション(コネクション)を確立し、センタサーバ31との間でIPパケットのやり取りを行う。
通信モジュール83は、携帯電話網6とのPPPセッションを確立した後、標示器89の現在の標示情報またはWebカメラ88からのイメージデータを携帯電話網6のIPパケットに変換してセンタサーバ31へ送信する。また、通信モジュール83は、センタサーバ31から携帯電話網6に受信されたIPパケットを標示器89またはWebカメラ88への通信パケット(LANのパケット)に変換して該当ポートより送出するパケット変換手段として機能する。通信モジュール83は、標示器89へPrivatePort:XXXXなどを利用してパケットを送出する。通信モジュール83は、TCPポートの80を利用してWebカメラ88とパケットの送受信を行う。
【0053】
ハブ84には、複数のLANポートが設けられており、通信モジュール83からのLANケーブル86の一端が1つのLANポート(アップリンク用のポート)に接続される。ハブ84は、LANをその他のLANポートで複数に分岐させる。その他のLANポートのうち1つはLANケーブル86でLAN/RS485C85に接続されている。また、その他のLANポートのうち1つはLANケーブル86でWebカメラ88に接続されている。
LAN/RS485C85は、ハブ84からLANケーブル86を通じて送られてきたパケットをRS485のシリアルデータへ変換して標示器89へ出力する。
【0054】
上記した現地機器8は、携帯電話網6との無線通信を行う無線通信手段(通信ユニット81)と、入力された標示データを標示するLED標示部26と、このLED標示部26に標示する少なくとも一つの標示データと標示データを識別するための標示データ識別情報としてのCH.番号とを対応させて記憶したメモリ23と、通信ユニット81と携帯電話網6との無線通信によりセンタサーバ31より受信されたIPパケットに含まれるCH.番号に基づいてメモリ23に記憶されている該当標示データを読み出してLED標示部26へ出力する標示制御手段(制御部22、LED標示出力部25など)とを備える標示手段として機能する。
また、現地機器8は、現地の情報を取得する現地情報取得手段としてのWebカメラ88、および受け取った出力情報を出力する情報出力手段としての標示器89のうちの少なくとも1つの手段を備える。
すなわち、このLED標識無線遠隔操作システムは、遠隔地の道路に設置され、現地において情報を取得または出力する現地機器8と、この現地機器8と通信を行うセンタサーバ31と、このセンタサーバ31にインターネット2などのネットワークを介してアクセスし、現地機器8より情報を取得または現地機器8へ情報を出力するための指示を行うPC11とを備えるものである。
【0055】
以下、図6〜12を参照してこの実施形態のLED標識無線遠隔操作システムの動作を説明する。
例えばある路線に雪が降っており、道路の管理団体は、雪が降っている地域に案内車を向かわせて、標示器89に案内標示を行うものとする。このLED標識無線遠隔操作システムの動作としては、LED標示制御動作、Webカメラ制御動作、画像ファイル定期送信動作などがある。
【0056】
まず、LED標示制御動作について説明する。
この場合、クライアントシステム1のオペレータは、PC11のブラウザソフトを起動して、ブラウザソフトの画面よりセンタサーバ31のUniform Resource Locator(URL)を入力する。すると、センタサーバ31より送られたログイン画面がPC11に標示される。
【0057】
ここで、オペレータが、キーボートより、ユーザID、パスワードなどを入力すると、センタサーバ31では、CPUが、入力されたログイン情報とデータベースに登録されているログイン情報とを比較して、ユーザ認証処理を実行する。
【0058】
ユーザ認証処理の結果、互いのログイン情報が合致し、このセンタサーバ31へログイン可能なユーザであることが判明すると、センタサーバ31のCPUは、このLED標識無線遠隔操作システムのポータル画面を送り、PC11に標示させる。
ここで、オペレータが、PC11に対してマウス操作などにより、例えばLED標示を変更する指示を行うと、LED標示接続開始要求をインターネット2を通じてセンタサーバ31へ送信する(図6のステップ101)。なお、以降ステップをSと表記する。
【0059】
センタサーバ31では、LED標示接続開始要求を受信すると、CPUは、データベースの接続情報を参照して通信ユニット接続要求を生成し(S102)、通信ユニット向けのUDPパケット(ダミー)をIP中継装置62へ送信する(S103)。通信ユニット接続要求には、通信ユニット81のIPアドレスが含まれている。
【0060】
IP中継装置62は、UDPパケット(ダミー)が受信されると、UDPパケットの宛先IPアドレスが割り当てられている通信ユニット81に対して端末起動信号(SMS)を送信する(S104)。
【0061】
通信ユニット81では、IP中継装置62から送られてきた端末起動信号(SMS)を通信モジュール83が受信すると、通信モジュール83は、レシーブ・インジケータ(以下RIと称す)をオンし(S105)、認証代行サーバ61へダイアルアップ接続(PPP接続)を行う。
【0062】
認証代行サーバ61は、通信ユニット81より受信された電話番号、ユーザ名、パスワードと、自身に予め登録されている端末情報とを比較して端末認証を行い、互いの情報が合致して登録端末であることが認証されると、携帯電話網6への接続を許可する。これにより、通信ユニット81と携帯電話網6との間でPPPセッション(コネクション)が確立される(S106)。
【0063】
セッションが確立した後、センタサーバ31から送信したUDPパケットが通信ユニット81に受信されると(S107)、センタサーバ31のCPUは、PPPセッション(コネクション)が確立したことを検知する(通信ユニット接続完了)(S108)。
【0064】
そして、PC11より標示データを識別するCH.番号が指定されるなどしてLED標示制御されると(S109)、センタサーバ31のCPUは、指示された情報をIPパケットにして、PrivatPort:XXXXXを利用したTCPソケット通信により(S110)、通信ユニット81を通じてLAN/RS485C85へ送り、LAN/RS485C85において、CH.番号を含むLED標示コマンドが標示器89へシリアル出力される(S111)。
【0065】
標示器89では、LED標示コマンドが通信I/F21に受信されると、制御部22が、LED標示コマンドに含まれていたCH.番号をキーにして、メモリ23より該当標示データを読み出して標示メモリ24へ出力し、標示メモリ24から順にLED標示出力部25を通じてLED標示部26へ出力され、LED標示部26により標示データが標示される。
【0066】
その後、通信ユニット81は、センタサーバ31からのUDPパケットが一定時間以上送られなくなると、携帯電話網6との間で確立されているPPPセッションを開放(コネクションを切断)する(S112)。
【0067】
続いて、Webカメラ制御動作について説明する。
この場合、上記のLED標示接続開始要求に代えて、PC11は、Webカメラ接続要求をインターネット2を通じてセンタサーバ31へ送信する(図7のS201)。
【0068】
センタサーバ31では、Webカメラ接続要求を受信すると、CPUは、データベースの接続情報を参照して通信ユニット接続要求を生成し(S202)、通信ユニット向けのUDPパケット(ダミー)をIP中継装置62へ送信する(S203)。通信ユニット接続要求には、通信ユニット81のIPアドレスが含まれている。
【0069】
IP中継装置62は、UDPパケット(ダミー)が受信されると、UDPパケットの宛先IPアドレスが割り当てられている通信ユニット81に対して端末起動信号(SMS)を送信する(S204)。
【0070】
通信ユニット81では、IP中継装置62から送られてきた端末起動信号(SMS)を通信モジュール83が受信すると、通信モジュール83は、リシーブ・インジケータ(以下RIと称す)をオンし(S205)、認証代行サーバ61へダイアルアップ接続(PPP接続)を行う。
【0071】
認証代行サーバ61は、通信ユニット81より受信された電話番号、ユーザ名、パスワードと、自身に予め登録されている端末情報とを比較して端末認証を行い、互いの情報が合致して登録端末であることが認証されると、携帯電話網6への接続を許可する。これにより、通信ユニット81と携帯電話網6との間でPPPセッション(コネクション)が確立される(S206)。
【0072】
セッションが確立した後、センタサーバ31から送信したUDPパケットが通信ユニット81に受信されると(S207)、センタサーバ31のCPUは、PPPセッション(コネクション)が確立したことを検知する(通信ユニット接続完了)(S208)。
【0073】
そして、PC11より、Webカメラ88をズーム動作、チルト動作、パン動作、撮像動作などを実行させる指示が行われるなどして、Webカメラ制御が行われると(S209)、センタサーバ31のCPUは、その指示情報をIPパケットにして、TCPポート:80を利用したHTTP通信により(S209)、通信ユニット81を通じてWebカメラ88へ送信する(S210)。これにより、Webカメラ88は、受信した指示情報に対する動作を実行する。
【0074】
その後、通信ユニット81は、センタサーバ31からの通信が一定時間以上なくなると、携帯電話網6との間で確立されているPPPセッションを開放(コネクションを切断)する(S211)。
【0075】
次に、Webカメラ88が能動的に動作する画像ファイル定期送信動作について説明する。
この場合、Webカメラ88のCPUは、時計機能で時間を計時する中で、所定時間が経過する毎にSMTPサーバ接続要求を通信ユニット81へ発行する(図8のS301)。
【0076】
通信ユニット81では、SMTPサーバ接続要求を受信すると、携帯電話網6の認証代行サーバ61へダイアルアップ接続(PPP接続)を行う。
【0077】
認証代行サーバ61は、通信ユニット81より受信された電話番号、ユーザ名、パスワードと、自身に予め登録されている端末情報とを比較して端末認証を行い、互いの情報が合致して登録端末であることが認証されると、携帯電話網6への接続を許可する。これにより、通信ユニット81と携帯電話網6との間でPPPセッション(コネクション)が確立される(S302)。
【0078】
セッションが確立した後、Webカメラ88のCPUは、センタサーバ31に対してSMTPサーバ接続を行い、メモリに記憶されていた画像ファイルを添付した電子メールを送信する(S303)。
【0079】
センタサーバ31では、CPUが、SMTPサーバ機能により、Webカメラ88を認証して、TCPポート:80を利用してHTTP通信を行い(S304)、Webカメラ88より送信された電子メールを受信し、電子メールに添付されていた画像ファイルを抽出してデータベースに登録し(S305)、その画像ファイルを現地情報画面にアップする。
【0080】
SMTPサーバ接続後、通信ユニット81は、HTTP通信が一定時間以上なくなると、携帯電話網6との間で確立されているPPPセッションを開放(コネクションを切断)する(S306)。
【0081】
クライアントシステム1のオペレータは、PC11のブラウザソフトウェアでセンタサーバ31へアクセスして現地情報画面を標示することで(S307)、常に更新された現地の画像をWeb閲覧することができ、標示器89の標示内容を現地の状況に合わせるよう変更することができる。
【0082】
次に、PC11の操作に応じたセンタサーバ31のコンテンツ(画面)の変化について説明する。PC11よりセンタサーバ31にアクセス要求を出すと、センタサーバ31は、ログイン画面をPC11へ送信し、PC11のブラウザソフトウェアの画面に、図9に示すように、IDの入力欄とPWの入力欄とログインボタンが設けられたログイン画面91が標示される。
【0083】
ログイン画面91のIDの入力欄とPWの入力欄にそれぞれユーザIDとパスワードを入力してログインボタンをクリック操作すると、これらのデータがセンタサーバ31に送られて、センタサーバ31においてCPUによってユーザ認証処理が実行される。
【0084】
ユーザ認証処理の結果、CPUによりユーザのログインが許可されると、センタサーバ31より路線一覧画面がPC11へ送信されて、PC11のブラウザソフトウェアの画面に、図10に示すような路線一覧画面92が標示される。この路線一覧画面92には、管理団体が管理する道路の路線、例えば路線A〜路線Cと、各路線内を区分するポイントA1〜A4、ポイントB1〜B3、ポイントC1〜C3と、路線同士の合流点Sなどが示されている。
【0085】
路線一覧画面92の所望のポイントまたは路線をクリック操作すると、その位置にリンクされた路線図の画面がセンタサーバ31よりPC11へ送信され、PC11のブラウザソフトウェアの画面に、図11に示すような路線詳細画面93が標示される。
この路線詳細画面93は、例えば路線Aなどがクリック操作された場合に標示される画面であり、ポイントA1〜A4間に配置されている☆印とその上の番号とで路線Aにおける標示器89の所在位置を示している。
【0086】
この路線詳細画面93の例えばNo.01など標識番号の☆印をクリック操作すると、その☆印にリンクされた現地情報画面がセンタサーバ31よりPC11へ送信され、PC11のブラウザソフトウェアの画面に、図12に示すような現地情報画面94が標示される。
この現地情報画面94には、識別番号が例えばNo.01などの標示器89が接続されている通信ユニット81に接続されているWebカメラ88より受信された映像95、No.01の標示器89の現在の標示番号と標示内容、変更標示番号の入力欄96とその標示番号に対する標示内容の標示欄97、自由テキストの入力欄98、送信ボタン99、標示番号に対する標示内容のリスト100が設けられている。つまり路線詳細画面93は、所望の標示器89とCH.番号の指定を促す手段として機能する。
この路線詳細画面93で、各入力欄に情報が入力されて変更または更新された場合、標示器89の識別情報(No.01)と標示番号(001などのCH.番号:標示データ識別情報)がセンタサーバ31へ送信される。
自由テキストの入力欄は、リスト以外に標示させたいメッセージがあるときに、オペレータがキー入力するためのものである。
【0087】
オペレータは、この現地情報画面94を標示させることで、現在の現地の状況と標示器89の標示内容が一目で分かり、また標示の変更も容易に行える。
【0088】
このようにこの実施形態のLED標識無線遠隔操作システムによれば、道路の管理団体のオペレーションセンタなどに配置されたクライアントシステムのPC11より、インターネット2を通じてセンタサーバ31にアクセスし、ブラウザソフトウェアの画面に標示された路線詳細画面93より所望の標示器89を選択すれば、現地情報画面94が標示されて、標示器89が配置された現地の標示器89の標示内容と現地の様子(状況)がひと目で確認でき、標示内容と現地の様子(状況)に違和感があれば、リストからCH.番号を指定するだけで、標示内容を即座に変更し現地の様子(状況)に合わせることができる。
【0089】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、PC11からインターネット2を通じてセンタサーバ31にアクセスする例について説明したが、この他、インターネット接続機能を有する携帯端末(携帯電話機、PDAなど)でも利用できるように、それぞれの携帯端末の画面やアクセス形態に合わせたWebコンテンツをセンタサーバ31に用意することで、上記実施形態と同様の機能をモバイル形態で実現できる。
また、上記実施形態では、センタサーバ31と携帯電話網6とをIP−VPN網5やINS回線4を介して接続したが、秘匿性を保持して携帯電話網6へ接続できれば、他のネットワークを利用しても良く、IP−VPN網5やINS回線4は必須ではない。また、通信モジュール83に所定の数のLANポートを用意できれば、LAN接続機器の増設などがない場合、ハブ84などは必須ではない。
また、上記実施形態では、通信ユニット81に接続するいくつかの現地機器として、標示器89、Webカメラ88などを例示したが、この他、例えばマイク&スピーカー、スピードセンサー、進入警報装置(ホーススイッチ)、温度計、風速計、重量計、トラフィックカウンター、GPS受信機などの情報入出力装置も通信ユニット81に接続可能であり、双方向通信を利用してさまざまな情報を現地より取得、または現地へ出力することができる。
さらに、上記実施形態では、現地機器8について、通信ユニット81と標示器89およびWebカメラ88を別個のハードウェアとした一例を説明したが、これらの機器は、一体であってもよく、さらに細分化しても良い。
また、上記実施形態では、Webカメラ88との通信を行うポートとして80番を例示したが、本発明はこのポートのみに限定されるものでなく、他のポートを利用しても良い。
【0090】
次に、図13〜図15を参照して上記実施形態の変形例(他の実施形態)について説明する。上記図1に示した実施形態の場合、現地機器8は、携帯電話網6と接続するための通信モジュール83を必須構成としたが、現地に複数の現地機器8を設置しそれぞれの標示器89に表示を行う場合、センタサーバ31は、それぞれの現地機器8にダイアルアップして携帯電話網6との間にセッションを張る必要があり、通信コストがかさむ。
そこで、以下に示す変形例では、複数の現地機器8を設置する上で通信コストを削減する例について説明する。なお上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0091】
図13に示すように、この変形例のLED標識無線遠隔操作システムは、現地機器として、現地機器(親機)8aと現地機器(子機)8bとを有している。
現地機器(親機)8aは、無線LANアクセスポイント70およびメモリ80などを有している。
【0092】
無線LANアクセスポイント70は、ハブ84の一つのLANポートにLANケーブル86を介して接続されている。無線LANアクセスポイント70は、アンテナ71を備えており、IEEE802.1Xに準拠して無線通信を行う。IEEE802.1Xとしては、例えばIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11gなどがある。
【0093】
無線LANアクセスポイント70は、携帯電話網6と通信モジュール83との間でPPPセッション(コネクション)を確立した場合に、現地機器(子機)8bの無線LANクライアント74と自身との間で無線LANを構築し、センタサーバ31との情報のやり取りを中継する。
アンテナ71に無指向性アンテナを使用することで、無線LANアクセスポイント70は、例えばIEEE802.11bによる現地機器(子機)8bとの無線LAN接続では、見通しの良い野外などにおいて例えば半径数百m〜約1Km程度の無線通信が可能である。またアンテナ71に指向性アンテナを使用することで、無線LANアクセスポイント70は、直線距離で数百m〜数Km程度の無線通信が可能である。
【0094】
現地機器(親機)8aのLAN/RS485C85には、ローカルのIPアドレスが設定されている。
メモリ80は、通信モジュール83内に備えられている。メモリ80には、図14に示すように、通信ユニット側のローカルのIPアドレスと無線側のIPアドレスとが対応付けられたアドレス変換テーブル80aが設定されている。
【0095】
通信モジュール83は、センタサーバ31から受信されたIPパケットの宛先アドレスを、メモリ80のアドレス変換テーブル80aを参照してアドレス変換しIPパケットをローカルの機器へ送信する。通信モジュール83では、例えば無線側アドレス172.10.1.100から、通信ユニット側のIPアドレス192.168.1.xに変換される。
【0096】
一方、センタサーバ31のメモリには、図15に示すように、通信モジュールの電話番号毎に無線側のIPアドレスである接続IPアドレス、ポート、現地機器情報などが登録された機器管理テーブル36が記憶されている。現地機器情報の欄には、それぞれのポートに接続された機器名と機器番号が対応して書き込まれている。
【0097】
現地機器(子機)8bは、無線LANクライアント74およびLAN/RS485C85からなる通信ユニット73と、この通信ユニット73にシリアルケーブル87を介して接続された標示器89とを備えている。無線LANクライアント74は、アンテナ72を有している。LAN/RS485C85には、ローカルのIPアドレスが設定されている。なおこの例では、通信ユニット73に標示器89のみが接続されているが、図1の例と同様にWebカメラ88などの機器を接続しても良い。
【0098】
無線LANクライアント74は、携帯電話網6とPPPセッション(コネクション)を確立した無線LANアクセスポイント70を備える他の現地機器(親機)8aとの間で無線LANを構築し、無線LANアクセスポイント70を通じてセンタサーバ31と情報のやり取りを行う。
このように現地機器(親機)8aと現地機器(子機)8bとの間で無線LANを構築することで、ハブ接続の場合に比べてハードウェアとしてのポート数に制限がないため、一台の現地機器(親機)8aに対して多数の現地機器(子機)8bが接続可能である。
【0099】
この変形例のLED標識無線遠隔操作システムでは、例えばPC11から認証処理を経てセンタサーバ31にアクセスし、所望の標示器89、例えば現地機器8bの標示器89に「走行注意」と表示させる場合、図10に示す路線一覧画面、図11に示す路線図Aとたどり、所望のNoを選択操作すると、図12に示すように、選択したNoの標示器の現地情報画面94が表示される。
【0100】
ここで、現在標示Noの欄に所望の表示内容のCH.番号として例えば「012」を入力すると、標示内容として、「走行注意」が表示されるので、この標示で正しい場合、オペレータは、送信ボタン99を選択操作する。
【0101】
すると、センタサーバ31のCPUは、選択されたNoの標示器が接続されている通信モジュールの電話番号をメモリより読み出して、携帯電話網6へダイアルアップを行う。
これにより、携帯電話網6と該当通信ユニット81との間でPPPセッション(コネクション)が確立される。
【0102】
コネクションが確立されると、センタサーバ31のCPUは、PC11より指定されたCH.番号にてLED標示を制御するため、メモリの機器管理テーブル36を参照して宛先の接続IPアドレスおよびポートなどを読み出して、指示された情報をIPパケットにして、PrivatPort:XXXXXを利用したTCPソケット通信により通信ユニット81に送る。
通信ユニット81は、IPパケットを受信すると、メモリ80のアドレス変換テーブル80aを参照して受信パケットのIPアドレスを通信ユニット側のアドレスに変換してLED標示制御のためのIPパケットをLAN/RS485C85へ送る。
【0103】
LAN/RS485C85は、受け取ったIPパケットを無線LANアクセスポイント70を通じて現地機器(子機)8bへ無線通信する。
現地機器(子機)8bでは、無線LANクライアント74がIPパケットを受信すると、LAN/RS485C85へ渡す。
LAN/RS485C85は、渡されたIPパケットが、自身を宛先としたIPアドレスを持つIPパケットであった場合、IPパケットからLED標示コマンドを抽出して標示器89へシリアル出力する。
【0104】
標示器89では、LED標示コマンドが通信I/F21により受信されると、制御部22が、LED標示コマンドに含まれていたCH.番号をキーにして、メモリ23より該当標示データを読み出して標示メモリ24へ出力し、標示メモリ24から順にLED標示出力部25を通じてLED標示部26へ出力され、LED標示部26により標示データの「走行注意」が標示される。
【0105】
このようにこの変形例のLED標識無線遠隔操作システムによれば、道路上の所望の位置に複数の現地機器8を設置して現場に適した標示を行う上で、現地機器の中の少なくとも一台を、無線LANアクセスポイント70を搭載した現地機器(親機)8aとし、この親機8aに対して無線LAN接続する無線LANクライアント74を搭載した現地機器(子機)8bを現地に複数配置することで、一台の親機8aが携帯電話網6とコネクションを張るだけで、その親機8aの配下の多数の子機8bへ情報を無線伝送可能になり、現地機器台数分のコネクションを張るよりも通信コストを大幅に削減することができる。
【0106】
現地機器(親機)8aと現地機器(子機)8bとを無線LANで接続する例が最良の形態ではあるものの、秘匿性を保持する無線接続環境が構築できれば、他の無線ネットワークを利用しても良く、例えばWiMAX(Worldwide interoperability Microwave Accessなどを利用してもよく、通信距離では無線LANに及ばないものの、例えばブルートゥースなどを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一つの実施形態のLED標識無線遠隔操作システムの構成を示す図。
【図2】図1のLED標識無線遠隔操作システムの標示器の構成を示す図。
【図3】標示器のメモリに記憶されている標示コンテンツデータを示す図。
【図4】標示器のメモリに記憶されている標示順テーブルを示す図。
【図5】標示器のメモリに設定される割り込み標示フラグの一例を示す図。
【図6】このLED標識無線遠隔操作システムのLED標示制御動作を示す通信シーケンス図。
【図7】このLED標識無線遠隔操作システムのWebカメラ制御動作を示す通信シーケンス図。
【図8】このLED標識無線遠隔操作システムの画像ファイル定期送信動作を示す通信シーケンス図。
【図9】クライアントシステムに提供されるログイン画面を示す図。
【図10】クライアントシステムに提供される路線一覧画面を示す図。
【図11】クライアントシステムに提供される路線詳細画面を示す図。
【図12】クライアントシステムに提供される現地情報画面を示す図。
【図13】変形例のLED標識無線遠隔操作システムの構成を示す図。
【図14】通信ユニットのメモリに記憶されているアドレス変換テーブルを示す図。
【図15】センタサーバのメモリに記憶されている機器管理テーブルを示す図。
【符号の説明】
【0108】
1…クライアントシステム
2…インターネット
3…センタシステム
4…INS回線
5…IP−VPN網
6…携帯電話網
8…現地機器
11…PC
12…ルータ
21…通信インタフェース(通信I/F)
22…制御部
23…メモリ
24…標示メモリ
25…LED標示出力部
26…LED標示部
31…サーバコンピュータ(センタサーバ)
32…ファイヤーウォール装置(F/W)
33,34…ルータ
36…機器管理テーブル
43…標示順テーブル
45…割り込み標示フラグ
61…認証代行サーバ
62…IP中継装置
63…無線基地局
80…メモリ
80a…アドレス変換テーブル
81…通信ユニット
82…アンテナ
83…通信モジュール
84…ハブ
85…LAN/RS485変換アダプタ(LAN/RS485C)
86…LANケーブル
87…シリアルケーブル
88…Webカメラ
89…標示器
91…ログイン画面
92…路線一覧画面
93…路線詳細画面
94…現地情報画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地の道路に設置され、現地において情報を取得または出力する現地機器と、前記現地機器と通信を行うサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータにネットワークを介してアクセスし、前記現地機器に対して情報を取得または出力するための指示を行うクライアント端末とを備えた道路情報通信システムにおいて、
前記クライアント端末は、
前記サーバコンピュータに蓄積されている現地の情報を前記ネットワークを通じて閲覧するための手段と、
前記現地機器へ出力する出力情報の指定またはキー入力を受け付け前記サーバコンピュータへ送信する手段とを備え、
前記現地機器は、
現地の情報を取得する現地情報取得手段、および受け取った出力情報を出力する情報出力手段のうちの少なくとも1つの手段と、
前記現地情報取得手段が存在する場合、イベントの発生によって携帯電話網と無線通信でコネクションを確立して前記現地情報取得手段により取得された現地情報を前記携帯電話網を通じて前記サーバコンピュータへ送信する手段と、
前記情報出力手段が存在する場合、前記クライアント端末からの指示またはキー入力によって前記サーバコンピュータより前記携帯電話網を通じて受信された出力情報を前記情報出力手段へ送出する手段とを備え、
前記サーバコンピュータは、
前記クライアント端末により、前記現地機器へ出力する出力情報が前記ネットワークを介して指定またはキー入力された場合、前記携帯電話網とコネクションを確立して前記出力情報を前記携帯電話網を介して前記現地機器へ送信する手段と、
前記現地機器より受信された現地情報を、前記クライアント端末より閲覧可能に蓄積する手段と
を具備したことを特徴とする道路情報通信システム。
【請求項2】
遠隔地の道路に配置された標示手段と、この標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末と、このクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータとを備えた道路情報通信システムにおいて、
前記サーバコンピュータは、
前記標示手段と無線通信を行う携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器の識別情報と標示器に標示する標示データを指定するための標示データ識別情報とを記憶する記憶手段と、
前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記記憶手段に記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立する手段と、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含むパケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信する手段とを備え、
前記標示手段は、
前記携帯電話網との無線通信を行う無線通信手段と、
入力された標示データを標示するLED標示部と、
前記LED標示部に標示する少なくとも一つの標示データと標示データを識別するための標示データ識別情報とを対応させて記憶した記憶手段と、
前記無線通信手段と前記携帯電話網との無線通信により前記サーバコンピュータより受信されたパケットに含まれる標示データ識別情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている該当標示データを読み出して前記LED標示部へ出力する標示制御手段と
を具備したことを特徴とする道路情報通信システム。
【請求項3】
遠隔地の道路に配置された標示器に対してメッセージの標示を指示するクライアント端末とこのクライアント端末に対して標示器にメッセージを標示するための情報を公開するサーバコンピュータとがネットワークに接続された道路情報通信システムにおいて、
ポートに前記標示器が接続され、携帯電話網の無線基地局と無線通信する通信ユニットを備え、
前記サーバコンピュータは、
前記標示器が接続された通信ユニットが前記携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、前記標示器に標示する少なくとも一つの標示データを指定するための標示データ識別情報と、前記クライアント端末がサーバコンピュータにアクセスするためのアクセス情報とを記憶する記憶手段と、
前記クライアント端末よりネットワークを通じて受信されたアクセス情報と、前記記憶手段に記憶されているアクセス情報とに基づいてユーザ認証を行うユーザ認証手段と、
前記ユーザ認証手段によりアクセス可能なユーザとして認証された場合、所望の標示器と標示データ識別情報の指定を促す手段と、
前記クライアント端末より所望の標示器と標示データ識別情報が指定された場合、所望の標示器が接続された該当通信ユニットと通信するために前記携帯電話網との間にコネクションを確立する手段と、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて無線通信で該当通信ユニットへ送信し、通信パケットに含まれる標示データ識別情報を前記ポートより該当標示器へ出力させる手段とを備え、
前記標示器は、
前記メッセージを標示するLED標示部と、
前記LED標示部に標示する少なくとも一つの標示データを標示データ識別情報と対応させて記憶した記憶手段と、
前記通信ユニットのポートより入力された標示データ識別情報を用いて前記記憶手段に記憶されている該当標示データを読み出して前記LED標示部へ出力する標示制御手段と
を具備したことを特徴とする道路情報通信システム。
【請求項4】
請求項3記載の道路情報通信システムにおいて、
前記通信ユニットの入力ポートに接続され、前記標示器が設置されている現地の状況を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された現地の画像情報を、所定のタイミングで携帯電話網を通じてサーバコンピュータへ送信する手段と、
前記携帯電話網を通じて受信された画像情報を、前記サーバコンピュータがユーザ認証したクライアント端末へ閲覧可能に公開する現地情報公開手段と
を具備したことを特徴とする道路情報通信システム。
【請求項5】
請求項3または4いずれか記載の道路情報通信システムにおいて、
前記通信ユニットは、
前記携帯電話網と無線接続するための接続情報が予め設定されており、所定のタイミングで接続情報を用いて携帯電話網へ無線通信でアクセスし、前記標示器または撮像手段からの情報を送信すると共に、前記携帯電話網の通信パケットと標示器へのデータまたは撮像手段からの通信パケットとの相互変換を行う通信モジュールを具備したことを特徴とする道路情報通信システム。
【請求項6】
遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータにおいて、
前記標示手段と無線通信を行う携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器の識別情報と標示器に標示する標示データを指定するための標示データ識別情報とを記憶する記憶手段と、
前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記記憶手段に記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立する手段と、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信する手段と
を具備したことを特徴とするサーバコンピュータ。
【請求項7】
遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末とこのクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータとを備えた道路情報通信システムにおける道路情報通信方法において、
前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記サーバコンピュータは、予め記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立するステップと、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記サーバコンピュータは、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ無線送信するステップと、
前記標示手段は、前記携帯電話網との無線通信により前記サーバコンピュータより受信された通信パケットに含まれる標示データ識別情報に基づいて予め記憶されている該当標示データを読み出して標示するステップと
を有することを特徴とする道路情報通信方法。
【請求項8】
遠隔地に配置された標示器に対してメッセージの標示を指示するクライアント端末とこのクライアント端末に対して標示器にメッセージを標示するための情報を公開するサーバコンピュータとがネットワークに接続された道路情報通信システムにおける表示方法において、
前記サーバコンピュータは、前記クライアント端末よりネットワークを通じて受信されたアクセス情報と、予め記憶されているアクセス情報とに基づいてユーザ認証を行うステップと、
ユーザ認証ステップでアクセス可能なユーザとして認証された場合、前記サーバコンピュータが、所望の標示器と標示データ識別情報の指定を促すステップと、
前記クライアント端末より所望の標示器と標示データ識別情報が指定された場合、前記サーバコンピュータは、所望の標示器が接続された該当通信ユニットと通信するために前記携帯電話網との間にコネクションを確立するステップと、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記サーバコンピュータは、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて無線通信で該当通信ユニットへ送信するステップと、
前記通信ユニットは、前記携帯電話網との無線通信により、前記サーバコンピュータより受信した標示データ識別情報を含む通信パケットから標示データ識別情報を抽出し、該当ポートより前記標示器へ出力するステップと、
前記標示器は、前記通信ユニットより入力された標示データ識別情報に基づいて予め記憶されている該当標示データを読み出して標示するステップと
を有することを特徴とする道路情報通信方法。
【請求項9】
請求項8記載の道路情報通信方法において、
前記通信ユニットは、所定のタイミングで、予め設定された前記携帯電話網と無線接続するための接続情報を用いて前記携帯電話網へ無線通信でアクセスし、入力ポートに接続された撮影手段により撮影された現地の画像情報を、携帯電話網を通じてサーバコンピュータへ送信するステップと、
前記サーバコンピュータは、前記携帯電話網を通じて受信された前記画像情報を、ユーザ認証したクライアント端末へ閲覧可能に公開するステップと
を有することを特徴とする道路情報通信方法。
【請求項10】
遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータにおける道路情報通信方法において、
前記クライアント端末により、所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、サーバコンピュータは、予め記憶された接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立するステップと、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記サーバコンピュータは、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信するステップと
を有することを特徴とする道路情報通信方法。
【請求項11】
遠隔地に配置された標示手段に対して標示データの標示を指示するクライアント端末にネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに処理を実行させる道路情報通信プログラムにおいて、
前記サーバコンピュータを、
前記標示手段と無線通信を行う携帯電話網との間でコネクションを確立するための接続情報と、標示データを標示可能な少なくとも1つの標示器の識別情報と標示器に標示する標示データを指定するための標示データ識別情報とを記憶する記憶手段と、
前記クライアント端末により、前記記憶手段に記憶されている識別情報の中で所望の標示器の識別情報と標示データ識別情報とが指定された場合、前記記憶手段に記憶されている接続情報を用いて前記携帯電話網との間でコネクションを確立する手段と、
前記携帯電話網とのコネクションが確立した場合、前記標示データ識別情報を含む通信パケットを前記携帯電話網を通じて該当標示手段へ送信する手段
として機能させることを特徴とする道路情報通信プログラム。
【請求項12】
請求項1記載の道路情報通信システムにおいて、
前記現地機器は、前記携帯電話網と自機との間でコネクションが確立された場合、他の現地機器との間で無線LANを構築し、前記他の現地機器と前記サーバコンピュータとの情報のやり取りを中継する無線LANアクセスポイントを具備したことを特徴とする道路情報通信システム。
【請求項13】
請求項1記載の道路情報通信システムにおいて、
前記現地機器は、前記携帯電話網とコネクションを確立した無線LANアクセスポイントを備える他の現地機器との間で無線LANを構築し、前記無線LANアクセスポイントを通じて前記サーバコンピュータと情報のやり取りを行う無線LANクライアントを具備したことを特徴とする道路情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−285948(P2006−285948A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344558(P2005−344558)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
【出願人】(000220963)セフテック株式会社 (8)
【出願人】(000103138)エムケー精工株式会社 (174)
【Fターム(参考)】