説明

道路案内装置

【課題】 GPS衛星からの信号を用いず、最寄りの駅から目的地までの道路案内を携帯電話機の画面により安価に、精度よくリアルタイムに分かりやすく行う装置に関するものである。
【解決手段】目的地の設定とともに、目的地までの地図情報を携帯電話の電話帳に予め登録して目的地まで誘導する道路案内装置において、地図情報は地図情報サービス機関(ステップS113)または専門サイト(ステップS123)からインターネット検索により歩行者用地図を取得し、誘導は進行方向表示により行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機による道路案内装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機を用いてGPS衛星からの信号を受信し、目的地に係る情報を取得して道路案内を行うシステム、装置が特許文献1、特許文献2などにより提案されている。
【0003】
【特許文献1】 特開2007−040947号公報
【特許文献2】 特開2007−127428号公報
【0004】
しかし、GPSによる道路案内では位置検出が遅く、地図は常に通信状態下で見るために速度が遅く、コストも高くなる。また、地図情報は掲載されるが人の歩行範囲で得たい情報からして精度が粗いという問題がある。
【0005】
一方、インターネット検索によれば、地図会社などの地図情報サービス機関から目的地と最寄駅を含む人が歩行する範囲の地図情報の提供が成されている。また、住所を入力すると最寄りの駅からの地図情報の無料の提供、ホテル検索や飲食店検索などの専門サイトには最寄りの駅から専門サイトへの地図情報の提供がなされている。
【0006】
しかし、上記の地図情報においては北方向を上に表す地図表示のため、最寄りの駅から目的地までの道路案内としては使いにくいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、GPS衛星からの信号を用いず、最寄りの駅から目的地までの道路案内を携帯電話機の画面により安価に、精度よくリアルタイムに分かりやすく行う装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1にかかる道路案内装置は、目的地の設定とともに、目的地までの地図情報を携帯電話の電話帳に予め登録して目的地まで誘導する道路案内装置において、前記地図情報はインターネット検索により歩行者用地図を取得し、前記誘導は進行方向表示により行うことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる道路案内装置は請求項1の道路案内装置において、歩行者用地図はインターネットによる地図情報サービス機関から取得することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる道路案内装置は請求項1の道路案内装置において、歩行者用地図はインターネットにより専門サイトの案内地図から取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる道路案内装置は、請求項1乃至請求項3の道路案内装置において、進行方向表示は磁気センサを用いて行うことを特徴とする。
【0012】
従って、本発明は携帯電話の電話帳に登録された目的地付近の地図情報がリンク登録されている地図付きの携帯電話帳である。
本発明によれば、インターネット検索により最寄りの駅から目的地まで歩行経路を含む歩行範囲の地図情報を予め電話帳に登録してあるので、地図を通信状態下で見る必要がないために速度が速く、かつ、コストは入手時のみのため安価となる。また、地図情報は人の歩行範囲のみで十分であり、必要な場合には拡大・縮小により所定範囲内とすることもできる。
また、ヘッディングアップによる進行方向表示によって道路案内するので、最寄りの駅から目的地まで迷わずに容易に行くことができる。
【発明の実施の最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における道路案内装置10の構成要素の概略を示すブロック図である。この道路案内装置10は、電話帳/お気に入り11、地図サイト/地図情報12、専門サイト/地図情報13、道路案内部14および磁気検出部15から構成される。
【0014】
電話帳/お気に入り11は、電話帳に個人、顧客などの氏名・名称と電話番号、メールアドレス、住所などが登録されている。インターネット検索によりお気に入りの地図サイト12から個人、顧客などの電話番号または住所などを検索すると地図情報12を提供されるため、最寄りの駅と前記電話帳の電話番号または住所などで表示される目的地とを含む歩行範囲内の地図情報12を取得し、電話帳11に新たに追加登録をする。
これにより携帯電話の電話帳に登録された目的地付近の地図をクリック登録、すなわち地図付きの携帯電話帳が得られる。
【0015】
また、インターネット検索によりお気に入りの専門サイト13からホテル、飲食店などの目的地と最寄りの駅とを含む地図情報13を目的地の名称、電話番号などとともに電話帳11に新規登録する。すでに目的地が登録してある場合は、地図情報13を追加登録する。
ここで、登録する地図情報は人の歩行範囲内の情報量からなるため、次の道路案内部14において容易にヘッディングアップできる。
【0016】
道路案内部14は、電話帳11から目的地設定し、登録している地図情報12または地図情報13を表示し、かつ、磁気検出部15で得られた地磁気方位により最寄りの駅を出発して目的地に至る地図情報13には進行方向表示として常に上を進行方向となるように道路案内を行う。
【0017】
磁気検出部15は、少なくとも2軸からなる地磁気センサを用いて地磁気方位を検出する。この得られた地磁気方位により、地図情報をヘッディングアップすることができる。
【0018】
図2に地図情報の登録に関するフロー図を示し、(2A)は地図情報サービス機関から取得した地図情報の登録について、また(2B)は専門サイトの案内地図から取得した地図情報の登録についてそれぞれ示す。
まず、地図情報サービス機関から取得した地図情報の登録について、(2A)のフロー図により説明する。
【0019】
ステップS111において、携帯電話機の電源を投入し、携帯電話機の画面上で友人、知人などの個人や顧客など目的地を設定(S112)し、次いでインターネットに接続してお気に入りの地図サイトの呼び出し(S113)を行う。
【0020】
そして、目的地の電話番号または住所などから地図検索を行うと地図情報が画面に表示されると最寄りの駅と目的地を含む歩行範囲内の地図情報を取得(S114)し、この地図情報を電話帳の電話番号欄に追加登録して終了する(S115、S116)。
【0021】
次に、専門サイトの案内地図から取得した地図情報の登録について(2B)のフロー図により説明する。
ステップS121において、携帯電話機の電源を投入し、携帯電話機の画面上でインターネット検索によりお気に入りの専門サイトを呼び出し(S122)、ホテル、飲食店などの目的地とするサイトを設定(S123)する。
【0022】
目的地と最寄りの駅とを含む地図情報を取得(S124)し、目的地の名称、電話番号などとともに地図情報を電話帳に新規登録をして終了する(S125、S126)。
【0023】
なお、すでに目的地が登録してある場合は、地図情報を追加登録する。
【0024】
図3は道路案内を行うフロー図を示し、以下に説明する。
ステップS201において、最寄りの駅に到着すると携帯電話機の電源を投入し、目的地を設定(S202)して携帯電話機の画面に地図情報の表示(S203)を行う。
【0025】
携帯電話機の画面に表示されている地図は進行方向を上にして表示されている(S204)。よって、携帯電話機の画面により常に画面の上方向が進行方向となり、目的地まで誘導される。
【0026】
目的地に到着する(S205)と道路案内は終了する(S206)。
【発明の効果】
【0027】
インターネット検索により入手した最寄りの駅から目的地までの歩行範囲内の地図情報を予め携帯電話機の電話帳に登録し、道路案内においては磁気センサを用いたヘッディングアップによる目的地までの進行方向を表示することにより、安価に精度よく、リアルタイムに分かりやすく道路案内が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の道路案内装置における構成要素の概略を示すブロック図である。
【図2】地図情報の登録に関するフロー図を示し、(2A)は地図情報サービス機関から取得した地図情報の登録について、また(2B)は専門サイトの案内地図から取得した地図情報の登録についてそれぞれ示す図である。
【図3】道路案内を行うフロー図である。
【符号の説明】
【0030】
10 道路案内装置
11 電話帳/お気に入り
12 地図サイト/地図情報
13 専門サイト/地図情報
14 道路案内部
15 磁気検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地の設定とともに、目的地までの地図情報を携帯電話の電話帳に予め登録して目的地まで誘導する道路案内装置において、
前記地図情報はインターネット検索により歩行者用地図を取得し、
前記誘導は進行方向表示により行うことを特徴とする道路案内装置。
【請求項2】
請求項1の道路案内装置において、歩行者用地図はインターネットによる地図情報サービス機関から取得することを特徴とする道路案内装置。
【請求項3】
請求項1の道路案内装置において、歩行者用地図はインターネットにより専門サイトの案内地図から取得することを特徴とする道路案内装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の道路案内装置において、進行方向表示は磁気センサを用いて行うことを特徴とする道路案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−92635(P2009−92635A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286696(P2007−286696)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(501034106)アイチ・マイクロ・インテリジェント株式会社 (42)
【Fターム(参考)】