説明

道路通信システムおよび移動体側装置

【課題】高速走行中であっても運転者に警告情報を確実に伝えることが可能な道路通信システムを提供すること。
【解決手段】移動体側装置20は、路側装置40との間で通信を確立する移動体側確立手段と、車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、検出された車両情報を路側装置に送信する移動体側送信手段と、送信された車両情報に対応して、路側装置から送信されてきた警告情報を受信する移動体側受信手段と、受信された警告情報を呈示する呈示手段と、を有し、路側装置40は、移動体側装置との間で通信を確立する路側確立手段と、移動体側装置から送られてきた車両情報を受信する路側受信手段と、道路環境情報を取得する取得手段と、道路環境情報と車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、警告情報を移動体側装置に送信する路側送信手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路通信システムおよび移動体側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、速度超過の車両に対し、案内掲示板によって注意を促す技術が開示されている。
【0003】
当該技術では、走行中の車両を道路の上方に設置されたテレビカメラによって一定の時間間隔で撮影し、車両の車両登録番号を特定するとともに、撮影された画像間の車両の変位量から速度を求め、速度超過の場合には、案内掲示板に車両登録番号とともに速度超過である旨を表示する。
【0004】
【特許文献1】特開平6−28596号公報(要約書、段落0007〜0017)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示す技術では、案内掲示板に速度超過である旨とともに車両登録番号が表示されるが、高速走行中は案内掲示板を判読可能な範囲を短時間で通り過ぎるため、これらの情報を一瞬のうちに読み取ることが困難であるという問題点がある。すなわち、表示された内容を短時間に理解することが困難であるため、何が表示されたのか、また、誰に対する警告であるかを運転者が認識することが困難という問題点がある。
【0006】
また、複数の車両が走行している場合には、どの車両に対する警告であるのかが必ずしも明確でないという問題点もある。
【0007】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、高速走行中であっても運転者に警告情報を確実に伝えることが可能な道路通信システムおよび移動体側装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の道路通信システムは、車両に搭載された移動体側装置と、道路上またはその近傍に配置された路側装置と、を有する道路通信システムにおいて、移動体側装置は、路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、検出手段によって検出された車両情報を路側装置に送信する移動体側送信手段と、移動体側送信手段によって送信された車両情報に対応して、路側装置から送信されてきた警告情報を受信する移動体側受信手段と、移動体側受信手段によって受信された警告情報を呈示する呈示手段と、を有し、路側装置は、移動体側装置との間で通信を確立する路側確立手段と、移動体側装置から送られてきた車両情報を受信する路側受信手段と、道路環境に関する情報である道路環境情報を取得する取得手段と、道路環境情報と車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された警告情報を移動体側装置に送信する路側送信手段と、を有する。
【0009】
また、本発明の道路通信システムは、車両に搭載された移動体側装置と、道路上またはその近傍に配置された路側装置と、を有する道路通信システムにおいて、移動体側装置は、路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、検出手段によって検出された車両情報に関する情報であって、道路環境に関する情報である道路環境情報を路側装置から送信されて受信する移動体側受信手段と、道路環境情報と車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された警告情報を呈示する呈示手段と、を有し、路側装置は、移動体側装置との間で通信を確立する路側確立手段と、移動体側装置から要求された道路環境情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された道路環境情報を移動体側装置に送信する路側送信手段と、を有する。
【0010】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、車両情報は、車両の走行速度を示す情報であり、道路環境情報は、車両が走行している道路の制限速度を示す情報であり、呈示手段は、走行速度が制限速度を所定量だけ上回っている場合には、速度超過であることを警告するようにしている。
【0011】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、車両情報は、車両の走行速度を示す情報であり、道路環境情報は、車両が走行している道路の勾配を示す情報であり、呈示手段は、勾配が所定の範囲外にある場合に、車両の走行速度が所定の範囲内にない場合には、速度を調整するように警告するようにしている。
【0012】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、車両情報は、車両の走行速度を示す情報であり、道路環境情報は、車両が走行している道路近辺の天候を示す情報であり、呈示手段は、天候が予め定められた条件に合致する天候となった場合には、速度を下げるように警告するようにしている。
【0013】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、車両情報は、車両の前照灯の点灯状態を示す情報であり、道路環境情報は、車両が走行している道路近辺の天候または明るさを示す情報であり、呈示手段は、天候が予め定められた条件に合致する天候となった場合、または、明るさが所定の明るさ以下になった場合には、前照灯を点灯するように警告するようにしている。
【0014】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、呈示手段は、車両に搭載された車載機器が有する表示装置に所定の文字または画像情報を表示するようにしている。
【0015】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、呈示手段は、車両に搭載された車載機器が有するスピーカから所定の音声情報を出力するようにしている。
【0016】
また、他の発明の道路通信システムは、上述の発明に加えて、移動体側装置は車両の所定の部分を制御する制御手段をさらに有し、制御手段は、呈示手段によって警告情報が呈示された場合には、車両の該当する部分に対して、警告がなされる状態が回避できるように制御を行うようにしている。
【0017】
また、本発明の移動体側装置は、移動体としての車両に搭載されるとともに、道路上またはその近傍に配置された路側装置との間で通信を行う移動体側装置において、路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、検出手段によって検出された車両情報を路側装置に送信する移動体側送信手段と、移動体側送信手段によって送信された車両情報に対応して、路側装置から送信されてきた警告情報を受信する移動体側受信手段と、移動体側受信手段によって受信された警告情報を呈示する呈示手段と、を有する。
【0018】
また、本発明の移動体側装置は、移動体としての車両に搭載されるとともに、道路上またはその近傍に配置された路側装置との間で通信を行う移動体側装置において、路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、検出手段によって検出された車両情報に関する情報であって、道路環境に関する情報である道路環境情報を路側装置から送信されて受信する移動体側受信手段と、道路環境情報と車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された警告情報を呈示する呈示手段と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、高速走行中であっても運転者に警告情報を確実に伝えることが可能な道路通信システムおよび移動体側装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態の道路通信システムの構成例を示す図である。この図に示すように、道路通信システムは、車両10に搭載された移動体側装置20および車載機器30と、道路1側に設置された路側装置40を主要な構成要素としている。なお、路側装置40は、1つであっても複数であってもよい。
【0022】
移動体側装置20は、アンテナ21によって路側装置40との間でDSRC(Dedicated Short Range Communication)によって情報を授受する。ここで、DSRCとは、専用狭域通信と呼ばれ、数メートルから数百メートルの範囲で1対1の双方向通信を可能とする通信方式であり、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)等に用いられている通信方式である。なお、移動体側装置20の詳細については図2を参照して後述する。
【0023】
車載機器30は、例えば、ナビゲーション装置によって構成され、GPS(Global Positioning System)によって自車位置を検出するとともに、HDD(Hard Disk Drive)またはDVD(Digital Versatile Disk)等に格納されている地図情報に基づいて、目的地までの経路の案内を行う装置である。なお、車載機器30の詳細については図4を参照して後述する。
【0024】
路側装置40は、通信エリア内に車両10が入った場合には、移動体側装置20との間で通信を確立し、DSRCによって情報を授受する。なお、路側装置40の詳細については図3を参照して後述する。
【0025】
図2は、図1に示す移動体側装置20の詳細な構成例を示すブロック図である。この図に示すように、移動体側装置20は、アプリケーション22、データ処理部23、通信処理部24、無線部25、および、アンテナ21を主要な構成要素としている。
【0026】
ここで、アプリケーション22は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)通信を実現するためのプログラムであり、図示せぬオペレーティングシステムの下で起動されて動作する。なお、アプリケーション22は、上位のアプリケーション層としてのTCP/IP通信を行うネットワーク層に相当する。
【0027】
移動体側確立手段としてのデータ処理部23は、アプリケーション登録部23a、路側データ監視部23b、データ送受信部23c、送信問い合わせ処理部23d、車両情報データ23e、および、I/F部23fを主要な構成要素としており、中間のアダプティブ層としてのアプリケーションサブレイヤ(ASL)として動作する。
【0028】
ここで、アプリケーション登録部23aは、アプリケーション22の起動または終了、実行状況を管理または監視する機能を有する。
【0029】
路側データ監視部23bは、路側装置40から送信されてくる「送信問い合わせ」を監視するとともに、路側装置40から送信されたデータを監視し、アプリケーションのプロトコル(例えば、TCP/IP)を監視する。
【0030】
検出手段、呈示手段の一部、および、生成手段としてのデータ送受信部23cは、アプリケーション22と通信処理部24との間でファイルデータ等のIPパケットデータの送受信を行うとともに、装置の各部を制御する役割を有する。
【0031】
送信問い合わせ処理部23dは、DSRCにおいて用いる「送信問い合わせ要求」を生成してブロックデータに付加し、または、生成した送信問い合わせ要求のみをブロックデータとして通信フレームにおけるMDS(Message Data Slot)の所定位置に割り付ける。また、この送信問い合わせ要求は、路側装置40に対して送信すべきデータがあるか否かを問い合わせるためのデータチェックの機能と、移動体側装置20が路側装置40の通信エリアにあるか否かを問い合わせるためのヘルスチェックの機能とを併せ有している。
【0032】
車両情報データ23eは、車両10に関する情報が格納されている。なお、車両情報としては、例えば、車両10の走行速度に関する情報、前照灯の点灯状態に関する情報、フォグランプの有無に関する情報、フォグランプの点灯状態に関する情報、および、冷却水の温度に関する情報等が格納されている。これらの情報は、車載機器30を介して収集されるか、車両10に配置されたセンサから直接に収集されるか、または、移動体側装置20を取り付ける際に、マニュアル操作によって入力された情報である。
【0033】
呈示手段の一部としてのI/F(Interface)部23fは、例えば、USB(Universal Serial Bus)等によって構成され、車載機器30と図示せぬ接続ケーブル等によって接続され、車載機器30との間で情報を授受するためのインターフェースである。
【0034】
移動体側受信手段および移動体側送信手段としての通信処理部24は、データ処理部管理部24aおよび送受信処理部24bによって構成され、下位の通信層としてのDSRC処理を実行する。
【0035】
ここで、データ処理部管理部24aは、通信相手の路側装置40のデータ処理部43の種別を把握し、データ処理部43のプロトコルの相違やデータ送受信処理の際に生じるエラーの発生を監視する。
【0036】
送受信処理部24bは、路側装置40との間で送受信するデータの通信フレームにおけるスロット割付や、パケット編成を行う。
【0037】
無線部25は、無線送受信部25aを有し、路側装置40との間で無線通信を行う。
【0038】
ここで、無線送受信部25aは、送受信する通信フレームの信号をASK(Amplitude Shift Keying)方式またはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式により変復調するとともに、路側装置40との間で無線通信を行う。
【0039】
アンテナ21は、無線送受信部25aから供給された電波を放射するとともに、路側装置40から放射された電波を捕捉する。
【0040】
図3は、路側装置40の詳細な構成例を示すブロック図である。この図において、図2と同一の名称を有するブロックは、図2と略同様の機能を有しているので、その説明は省略する。図3の例では、図2の路側データ監視部23bが移動体側データ監視部43bに置換されている。また、I/F部43fが他の路側装置40に通信可能に接続されている。さらに、車両情報データ23eが道路環境情報データ43eに置換されている。
【0041】
ここで、移動体側データ監視部43bは、移動体側装置20から送信されてくる「送信問い合わせ」を監視するとともに、移動体側装置20から送信されたデータを監視し、アプリケーションのプロトコルを監視する。
【0042】
道路環境情報データ43eは、路側装置40が配置されている道路の環境に関する情報を有している。なお、道路の環境に関する情報としては、例えば、道路の法定速度に関する情報、現在の天候に関する情報、道路の勾配に関する情報、および、道路周辺の明るさに関する情報等を有している。道路環境情報データ43eは、これらの情報の変化に応じて、随時更新される。
【0043】
I/F部43fは、図示せぬネットワークを介して他の路側装置40と相互に接続され、情報を授受するためのインターフェースである。
【0044】
なお、路側装置40において、データ処理部43は、路側確立手段として機能する。データ送受信部43cは、取得手段および生成手段として機能する。通信処理部44は、路側確立手段として機能する。
【0045】
図4は、車載機器30の詳細な構成例を示すブロック図である。この図に示すように、車載機器30は、制御部30a、地図DB(Data Base)30b、演算部30c、方位センサ30d、ジャイロセンサ30e、車速センサ30f、表示部30g、I/F30h、入力部30i、GPS受信部30j、および、音声処理部30kを主要な構成要素としている。
【0046】
ここで、制御部30aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置によって構成され、図示せぬ記憶装置(例えば、HDD)に格納されているプログラムを読み込んで実行することで、装置の各部を制御するとともに、各種の演算処理を実行する。
【0047】
地図DB30bは、図示せぬHDDまたはDVDに格納されており、各種縮尺の地図、道路、および、各種施設を示す情報によって構成されている。制御部30aは、GPS受信部30jによって受信されたGPS情報によって自車の位置を特定し、当該位置を中心とする所定の範囲の地図情報を地図DB30bから読み出して表示部30gに表示する。運転者は当該情報を参照することにより、自車の地図上での位置を確認することができる。
【0048】
演算部30cは、例えば、数値演算等を専門に処理するプロセッサであり、制御部30aから供給されたコマンドに対応する演算処理を実行し、得られた演算結果を制御部30aに供給する。
【0049】
方位センサ30dは、例えば、磁気素子等によって構成されており、地磁気を検出することによって、車両10が向いている方向(あるいは進んでいる方向)を検出することができる。
【0050】
ジャイロセンサ30eは、例えば、機械式または振動式のセンサによって構成されており、車両10の、例えば、ロール軸、ピッチ軸、ヨー軸の角速度を検出して対応するデータを出力する。
【0051】
車速センサ30fは、車両10の速度を検出するためのセンサであり、例えば、車速に応じたパルス密度を有する車速パルス信号を生成する。
【0052】
表示部30gは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成され、制御部30aから供給された画像を表示する。
【0053】
I/F30hは、例えば、USBインターフェースであり、移動体側装置20と接続ケーブルによって接続され、移動体側装置20との間で情報を授受する。
【0054】
入力部30iは、例えば、操作ボタン、リモートコントローラ、および/または、表示部30gに重畳されたタッチパネルであり、運転者の操作に応じた情報を生成して出力する。
【0055】
つぎに、以上の実施の形態の動作を説明する。
【0056】
図5は、路側装置40と移動体側装置20との間の通信処理の流れを示すフロー図である。車両10が道路1を走行中に、路側装置40が提供する通信エリア(路側装置40を中心とする、例えば、半径数メートルから数百メートルの範囲)内に入ったとすると、両者の間で通信確立処理(ステップS10,S20)が実行され、DSRCが確立される。すなわち、路側装置40は、通信フレームの時分割された複数のスロットにおいて移動体側装置20の割り当てを行う。また、路側装置40は、移動体側装置20に対して送信問い合わせメッセージ(以下、送信問い合わせ要求という)を送信し、この送信問い合わせ要求を受信した移動体側装置20は、路側装置40に対して送信問い合わせ応答メッセージ(以下、送信問い合わせ応答という)を送信する。この路側装置40からの送信問い合わせ要求、および、移動体側装置20からの送信問い合わせ応答は、それぞれ通常のデータ送信と同一のチャネルで行われる。このとき、移動体側装置20は、自装置に割り当てられたスロットでのみデータの送受信が可能であり、移動体側装置20から路側装置40へデータを送信する場合は、路側装置40からの送信問い合わせ要求を受信して送信問い合わせ応答を送信するタイミングにおいてのみ、この送信問い合わせ応答に付加して行うことができる。
【0057】
図6は、路側装置40と移動体側装置20との間で授受される情報のデータ構造の一例を示す図である。なお、この図の例は、STD−T55方式の場合のデータ構造(スロットの構成)を示している。図6(A)は、ダウンリンク(路側装置40から移動体側装置20への方向)のデータ構造を示し、図6(B)は、アップリンク(移動体側装置20から路側装置40への方向)のデータ構造を示している。1つのフレームは、スロット割り当てを行うFCMS(Frame Control Message Slot)、データ転送用のMDS(Message Data Slot)、リンク接続用のACTS(Activation Slot)から構成される。移動体側装置20は、起動時に決定する32ビットのLID(Link Address)を持ち、ACTSにおいて路側装置40に対してスロット割り当て要求を行う。路側装置40は、MDSを移動体側装置20に割り当て、どのLIDの移動体側装置20がどのMDSを使用できるのかを、FCMSを用いて報知する。移動体側装置20は、割り当てられたMDSのタイミングで受信または送信を行うことができる。これにより1対1の通信が確立される。
【0058】
以上のようにして、路側装置40と移動体側装置20との間でDSRC方式の通信が確立すると、移動体側装置20は、独自の判断により、または、路側装置40からの要求に基づいて、車速を検出する処理を実行する(ステップS21)。すなわち、データ送受信部23cは、I/F部23fを介して車載機器30に対して車速を検出するように要求する。その結果、I/F部30hを介してこの要求を受信した車載機器30の制御部30aは、車速センサ30fから出力される車速に関する情報を取得し、必要に応じて時速を示す情報に変換した後、I/F部30hを介して移動体側装置20に供給する。移動体側装置20は、I/F部23fを介してこの情報を受け取る。なお、移動体側装置20のデータ送受信部23cが、車両情報データ23eから車速に関するデータを取得するようにしてもよい。
【0059】
データ送受信部23cは、路側装置40に対して、送信問い合わせ要求を行う。路側装置40のデータ送受信部43cは、移動体側装置20から送信問い合わせ要求がなされていることを認識し、送信問い合わせ応答を生成する。データ送受信部43cは、生成された送信問い合わせ応答を通信フレームの割り当てされたMDSに割り付ける。そして、通信処理部44および無線部45によって変調処理した後、アンテナ41を介して移動体側装置20に送信する。この結果、送信問い合わせ応答を受け取った移動体側装置20は、ステップS21において検出した車速情報を、割り当てられたMDSに格納し、路側装置40に送信する(ステップS22)。
【0060】
路側装置40は、ステップS22において移動体側装置20から送信された情報を受信する(ステップS11)。すなわち、路側装置40のデータ送受信部43cは、割り当てられたMDSに格納されている車速情報を抽出する。
【0061】
つぎに、路側装置40のデータ送受信部43cは、道路環境情報データ43eから制限速度情報を取得する(ステップS12)。なお、制限速度情報としては、例えば、天候等に拘わらず常に一定である法定速度や、高速道路のように悪天候(例えば、大雨時)場合に速度が遅く設定される法定速度(例えば、悪天候以外は80km/hであり、悪天候時には60km/hであるような場合)がある。
【0062】
路側装置40のデータ送受信部43cは、ステップS11において受信した車速情報と、ステップS12で取得した制限速度情報を比較し、車両10が速度超過であるか否かを判定する(ステップS13)。なお、制限速度を少し超過した状態で走行している場合に警告が頻繁になされるのは運転者にとって集中力を削がれて煩雑であるので、所定の閾値(例えば、時速10km/h)を予め定め、当該閾値+制限速度(例えば、閾値10km/h+制限速度80km/h=90km/h)を超過した場合に、速度超過と判断するようにしてもよい。そして、速度超過と判定した場合には、ステップS15に進み、それ以外の場合には処理を終了する(ステップS14)。なお、閾値を含めた判断については、ステップS24において実行するようにしてもよい。すなわち、閾値については、移動体側装置20側で設定可能としてもよい。そのような方法によれば、例えば、運転者の運転レベル等に応じた警告を行うことができる。
【0063】
ステップS14において速度超過と判定した場合には、送受信部43cは、警告情報を移動体側装置20に対して送信する(ステップS15)。すなわち、送受信部43cは、移動体側装置20に割り当てられているMDSに対して、速度超過である旨を示す情報を格納し、移動体側装置20に送信する。
【0064】
移動体側装置20では、路側装置40から送信された電波を受信し、MDSに格納されている警告情報を取得する(ステップS23)。そして、データ送受信部23cは、受信した警告情報を参照して速度超過に関する警告であるか否かを判定し(ステップS24)、速度超過に関する警告である場合にはステップS25に進み、それ以外の場合には処理を終了する。
【0065】
ステップS24において、速度超過に関する警告と判定した場合には、データ送受信部23cは、I/F部23fを介して、車載機器30に対して、警告情報を表示するように指示する(ステップS25)。なお、警告情報は、路側装置40から送信されてくる情報の中に含めておいて、これを車載機器30に供給して呈示させるようにしてもよいし、移動体側装置20または車載機器30にいくつかのパターンを予め準備しておき、路側装置40から供給される警告情報に基づいて所定のパターンを選択するようにしてもよい。
【0066】
車載機器30は、I/F部30hを介して、当該指示を受け取る。車載機器30の制御部30aは、受け取った警告情報に対応する情報を表示部30gに対して表示させる。図7は、このとき表示部30gに表示される情報の一例を示す図である。この例では、表示部30gには、メッセージとして「警告!!!15km/h速度オーバーです。減速してください。」が表示されている。また、このとき、音声処理部30kから警告音を出力したり、速度超過を示す音声メッセージを出力するようにしたりしてもよい。
【0067】
このような警告表示は、所定の時間が経過するか、または、減速がなされるまで継続して呈示される。
【0068】
なお、車両が移動して、所定の路側装置40の通信エリア外に出た場合であっても、他の路側装置40との間で同様の処理が繰り返されるので、速度超過している間は警告情報が提示され続けることになる。運転者は減速を余儀なくされる。
【0069】
以上の実施の形態によれば、移動体側装置20において車速を検出し、路側装置40に送信して制限速度と比較し、速度超過である場合には、移動体側装置20に警告情報を送信して、表示部30gに表示するとともに、音声等によって警告するようにした。したがって、運転者の側近に情報を呈示することができることから、運転者に速度超過であることを確実に知らせることが可能になる。
【0070】
また、路側装置40と移動体側装置20とは1対1の通信であるので、複数の車両が走行している場合であっても、路側装置40は速度超過の車両を検出し、当該車両に対してのみ警告を行うことができる。このため、複数の車両が走行している場合であっても速度超過の車両に確実に警告を行うことができる。また、運転者に対して、当該警告が自己に対するものであることを確実に知らせることができる。
【0071】
また、路側装置40は、IC化して小型化することができるので、特許文献1に記載されている大型の掲示板を使用する技術に比較すると、コストを削減することができる。また、消費電力も削減することができる。
【0072】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0073】
例えば、以上の実施の形態では、移動体側装置20側で車速を検出して路側装置40に送信し、路側装置40が制限速度と比較して速度超過か否かを判定するようにしたが、例えば、路側装置40において制限速度を取得して移動体側装置20に送信し、移動体側装置20において速度超過か否かを判定するようにしてもよい。その場合、路側装置40の負荷を軽減することができる。
【0074】
また、以上の実施の形態では、速度超過である旨の警告を行うようにしたが、当該警告と併せて、刑罰の内容についても表示するようにしてもよい。具体的には、「90kmスピードオーバーです。このままでは、運転免許停止となります。」のような警告を表示するようにしてもよい。そのような実施の形態によれば、刑罰の内容も明確になるので、運転者に強い警告を与えることになり、減速を余儀なくされる。なお、このような警告を行う場合には、速度超過の範囲と、刑罰の内容とを対応付けしたテーブルを、路側装置40または移動体側装置20に準備しておき、速度超過と判断された場合には、当該テーブルを参照して、刑罰の内容を特定し、当該刑罰の内容を併せて表示するようにすればよい。
【0075】
また、警告を行う場合に、表示装置30gに文字または画像情報として表示するのみならず、音声として警告情報を出力する場合、速度超過の状況に応じて、音声のボリュームを自動的に調整するようにしてもよい。具体的には、速度超過が、例えば、10km/h未満である場合には、通常の音声で再生し、10km/h以上20km/h未満である場合には、ボリュームを、例えば、6dBだけ上げて再生し、30km/h以上では、12dBだけ上げて再生するといった具合である。なお、ユーザが車載オーディオ等によって音楽を再生している場合には、その再生音量を一時的に下げて警告を行うようにしてもよい。
【0076】
また、以上の実施の形態では、法定速度に基づいて警告を行うようにしたが、法定速度だけではなく、地形等を考慮して警告を行うようにしてもよい。例えば、急勾配の道路の場合には、アクセルを一定に保ったままでは減速または加速してしまい、一定速度を保てなくなってしまうので、所定の範囲外の勾配の道路の場合(例えば、所定の勾配以上の上り坂、または、所定の勾配以下の下り坂)であって、車速が所定の速度の範囲を逸脱した場合には、警告を与えるようにしてもよい。具体的には、急な登り坂である場合に、車の速度が所定の速度を下回る場合には、「速度が落ちています。もう少し加速してください。」のような警告を与えるようにしてもよい。また、車速は考慮せずに、急な下り坂の場合には、「下り坂です。スピードの出過ぎに注意してください。」のような警告を行うようにしてもよい。
【0077】
また、法定速度だけでなく、天候または路面の状態を考慮して警告を行うようにしてもよい。例えば、雨が降っている場合には、スリップの危険が増加することから、雨が降っている場合には通常よりも低めの閾値を設定し、「路面が濡れているのでスリップする危険があります。減速してください。」等の警告を行うようにしてもよい。具体的には、路面が乾燥している場合には、閾値を15km/hとし、雨が降っている場合または路面が濡れている場合には閾値を5km/hとするようにしてもよい。さらに、雪が降っている場合、または、路面が凍結している場合には、閾値を−20km/hとするようにしてもよい。特に、橋の上または日陰等では、路面が凍結している場合があるため、ローカルな路面情報に基づいて警告を行うことにより、よりきめ細かな情報を運転者に呈示することができる。
【0078】
また、以上の実施の形態では、車速を減速するように警告を行うようにしたが、それ以外の警告を行うようにしてもよい。例えば、道路が暗くなった場合には前照灯を点灯するように警告するようにしてもよい。具体的には、路側装置40が周囲の明るさを光センサによって検出し、所定の明るさ以下になった場合には、警告を行うようにしてもよい。また、濃霧の場合には前照灯またはフォグランプを点灯させるように警告を行うようにしてもよい。なお、フォグランプについては、装備されている車両とそうでない車両が存在することから、移動体側装置20にフォグランプの有無を登録しておき、フォグランプが装備されている場合にはフォグランプを点灯するように警告し、フォグランプが装備されていない場合には前照灯を点灯するように警告してもよい。また、ラジエターの水温が上昇している場合には、その旨の警告を行うことも可能である。そのような方法によれば、エンジンのオーバーヒートに基づく事故を未然に防止できる。
【0079】
また、以上の実施の形態では、路側装置40と移動体側装置20とが1対1の通信を行う場合を例に挙げて説明したが、DSRCでは1台の路側装置40は同時に複数の移動体側装置20と通信が可能である。すなわち、前述のように、移動体側装置20は、起動時に決定する32ビットのユニークなLIDを持っており、これに基づいてスロット割り当てが行われるので、1台の路側装置40の通信エリア内に複数の車両が同時に入ってきた場合であっても、路側装置40はどの車両であるかを判別することができる。従って、車両毎に適切な警告を行うことができる。
【0080】
また、DSRCでは、車両が所定の路側装置40の通信エリアを脱した場合であっても、ハングオーバー処理を行うことにより、次の路側装置40との間で通信を引き継ぐことができる。その場合には、路側装置40の上位に位置する装置(例えば、サーバ装置)と、移動体側装置20との間で継続的に通信を行うとともに、ここの車両の運転状況等を管理することができるので、例えば、所定の速度以上で所定の時間以上継続して運転していることが検出された場合には、「運転開始から3時間が経過しようとしています。そろそろ休憩しませんか。」のような警告を呈示するようにしてもよい。
【0081】
また、複数の路側装置40が相互に通信を行って情報を共有することにより、所定のポイントに接近する前に警告を行うことができる。例えば、橋等のように凍結しやすいポイントに配置された路側装置40が路面凍結を検出した場合には、当該情報をそれよりも前に設置されている路側装置40に事前に通知すれば、例えば、「この先の橋は凍結しています。減速するとともに、ブレーキ操作に注意してください。」のような警告を行うことができる。
【0082】
また、路側装置40または路側装置40群を経由して、車両同士が情報を交換可能とすれば、例えば、前方を走行している車両においてブレーキ操作がなされた場合には、その後方を走行している車両に対して「前方の車両がブレーキ操作しました。ご注意ください。」のような警告を行うことができる。
【0083】
また、以上の実施の形態では、警告のみを行うようにしたが、移動体側装置20と車両10の図示せぬ制御装置とを連動させることにより、警告のみならず車両10の自動的な制御を行うことも可能となる。例えば、速度超過の場合には、エンジンへの燃料の供給量を制御する制御手段としてのEFIS(Electronic Fuel Injection System)に対して制御信号を送り、エンジンへの燃料の供給量を一時的に減少させることにより、車両10の速度を法定速度近くまで強制的に減速させるようにしてもよい。また、電子的に制御するのではなく、アクチュエータによってスロットルの開度を調整することにより、車両10の速度を法定速度近くまで減速させるようにしてもよい。なお、そのような強制的な減速を行う場合、例えば、後続車両が存在する場合には、減速によって車間距離が不十分になって危険を招く虞があるので、後続車両が存在する場合には減速を中止したり、減速の割合を少なくしたりするようにしてもよい。具体的には、後続車両が100m以上離れている場合には、法定速度近くまで、例えば、単位時間(秒)あたり5km/hの割合で減速し、100m未満50m以上である場合には単位時間あたり2.5km/hの割合で減速するといった具合である。なお、減速制御については、例えば、事故が発生した場合には、法定速度の如何によらず全て車両に警告を与えるとともに、車速を減速させ、二次的な事故を防止するようにしてもよい。例えば、多重衝突事故またはトンネル内の火災等が発生した場合には、法定速度を遵守している車両についても、その事故現場の手前で強制的に減速させたり、停車させたりするようにしてもよい。
【0084】
また、速度を減速させるだけではなく、例えば、前述のように道路の明るさと連動させることにより、道路の明るさが所定の明るさを下回った場合には制御手段としての制御ユニット(不図示)によって前照灯を自動的に点灯させるようにしたり、あるいは、霧等が発生して視界が悪くなった場合には、同じく制御手段としての制御ユニットによりフォグランプを自動的に点灯させるようにしたりしてもよい。そのような方法によれば、運転者の利便性を向上できる。
【0085】
また、以上の実施の形態では、移動体側装置20と車載機器30とは別体として構成するようにしたが、これらを同一の筐体内に併置するようにしてもよい。すなわち、移動体側装置20を車載機器30であるナビゲーション装置内に設けるようにしてもよい。
【0086】
また、以上の実施の形態では、移動体側装置20は、車載機器30から車速等に関する情報を取得するようにしたが、このような情報を車載機器30を介さずに直接取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば、自動車と道路との間の通信に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態に係る道路通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す路側装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す移動体側装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す車載機器の構造例を示すブロック図である。
【図5】図1に示す路側装置と移動体側装置との間における通信の流れを説明するフロー図である。
【図6】図1に示す路側装置と移動体側装置との間において授受されるデータの構造を示す図であり、(A)はダウンリンクを示し、(B)はアップリンクを示す。
【図7】図1に示す車載機器の表示装置に表示される情報の一例である。
【符号の説明】
【0089】
10 車両,20 移動体側装置,23 データ処理部(移動体側確立手段),23c データ送受信部(検出手段、呈示手段の一部、生成手段),23f I/F部(呈示手段の一部),24 通信処理部(移動体側送信手段、移動体側受信手段),30 車載機器,40 路側装置,43 データ処理部(路側確立手段),43c データ送受信部(取得手段、生成手段),44 通信処理部(路側送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された移動体側装置と、道路上またはその近傍に配置された路側装置と、を有する道路通信システムにおいて、
上記移動体側装置は、
上記路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、
上記車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、
上記検出手段によって検出された上記車両情報を上記路側装置に送信する移動体側送信手段と、
上記移動体側送信手段によって送信された上記車両情報に対応して、上記路側装置から送信されてきた警告情報を受信する移動体側受信手段と、
上記移動体側受信手段によって受信された警告情報を呈示する呈示手段と、
を有し、
上記路側装置は、
上記移動体側装置との間で通信を確立する路側確立手段と、
上記移動体側装置から送られてきた上記車両情報を受信する路側受信手段と、
道路環境に関する情報である道路環境情報を取得する取得手段と、
上記道路環境情報と上記車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、
上記生成手段によって生成された上記警告情報を上記移動体側装置に送信する路側送信手段と、
を有することを特徴とする道路通信システム。
【請求項2】
車両に搭載された移動体側装置と、道路上またはその近傍に配置された路側装置と、を有する道路通信システムにおいて、
上記移動体側装置は、
上記路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、
車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、
上記検出手段によって検出された上記車両情報に関する情報であって、道路環境に関する情報である道路環境情報を上記路側装置から送信されて受信する移動体側受信手段と、
上記道路環境情報と上記車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、
上記生成手段によって生成された警告情報を呈示する呈示手段と、
を有し、
上記路側装置は、
上記移動体側装置との間で通信を確立する路側確立手段と、
上記移動体側装置から要求された上記道路環境情報を取得する取得手段と、
上記取得手段によって取得された上記道路環境情報を上記移動体側装置に送信する路側送信手段と、
を有することを特徴とする道路通信システム。
【請求項3】
前記車両情報は、前記車両の走行速度を示す情報であり、
前記道路環境情報は、前記車両が走行している道路の制限速度を示す情報であり、
前記呈示手段は、前記走行速度が前記制限速度を所定量だけ上回っている場合には、速度超過であることを警告する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項4】
前記車両情報は、前記車両の走行速度を示す情報であり、
前記道路環境情報は、前記車両が走行している道路の勾配を示す情報であり、
前記呈示手段は、前記勾配が所定の範囲外にある場合に、前記車両の走行速度が所定の範囲内にない場合には、速度を調整するように警告する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項5】
前記車両情報は、前記車両の走行速度を示す情報であり、
前記道路環境情報は、前記車両が走行している道路近辺の天候を示す情報であり、
前記呈示手段は、前記天候が予め定められた条件に合致する天候となった場合には、速度を下げるように警告する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項6】
前記車両情報は、前記車両の前照灯の点灯状態を示す情報であり、
前記道路環境情報は、前記車両が走行している道路近辺の天候または明るさを示す情報であり、
前記呈示手段は、前記天候が予め定められた条件に合致する天候となった場合、または、明るさが所定の明るさ以下になった場合には、前照灯を点灯するように警告する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項7】
前記呈示手段は、前記車両に搭載された車載機器が有する表示装置に所定の文字または画像情報を表示することを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項8】
前記呈示手段は、前記車両に搭載された車載機器が有するスピーカから所定の音声情報を出力することを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項9】
前記移動体側装置は車両の所定の部分を制御する制御手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記呈示手段によって警告情報が呈示された場合には、前記車両の該当する部分に対して、警告がなされる状態が回避できるように制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の道路通信システム。
【請求項10】
移動体としての車両に搭載されるとともに、道路上またはその近傍に配置された路側装置との間で通信を行う移動体側装置において、
上記路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、
上記車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、
上記検出手段によって検出された上記車両情報を上記路側装置に送信する移動体側送信手段と、
上記移動体側送信手段によって送信された上記車両情報に対応して、上記路側装置から送信されてきた警告情報を受信する移動体側受信手段と、
上記移動体側受信手段によって受信された警告情報を呈示する呈示手段と、を有することを特徴とする移動体側装置。
【請求項11】
移動体としての車両に搭載されるとともに、道路上またはその近傍に配置された路側装置との間で通信を行う移動体側装置において、
上記路側装置との間で通信を確立する移動体側確立手段と、
上記車両に関する情報としての車両情報を検出する検出手段と、
上記検出手段によって検出された上記車両情報に関する情報であって、道路環境に関する情報である道路環境情報を上記路側装置から送信されて受信する移動体側受信手段と、
上記道路環境情報と上記車両情報を比較し、必要に応じて警告情報を生成する生成手段と、
上記生成手段によって生成された警告情報を呈示する呈示手段と、を有することを特徴とする移動体側装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−264774(P2007−264774A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85887(P2006−85887)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】