説明

適応露出印刷及びそのシステム

印刷動作用の色別モジュールを1個又は複数個有する1個又は複数個のプリンタ乃至印刷システムを走査器に接続する。そのプリンタを用い色別モジュール乃至色チャネル毎にターゲットを印刷し、印刷されたターゲットを走査器で走査する。任意角度だけターゲットを回動させた上で走査器で走査してもよい。走査で得られたラスタデータをコントローラで処理することで、1個又は複数個の均一濃度像から不整を検出してそのプリンタ用の補正プロファイルを一通り又は複数通り生成する。画像を印刷する際には、1個又は複数個のコントローラが画像データを受信し、当該一通り又は複数通りの補正プロファイルに従い不整を補正乃至補償しつつ露出プロセスを実行する。色別モジュールでは例えばLEDプリントヘッドを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディジタル制御印刷機の分野、特にそれらの印刷機で作成される印刷物の画質を向上させる装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商用印刷業界ではディジタル印刷がかつてなく重要な役割を演じ始めている。また、電子写真、ドロップオンデマンドインクジェット、コンティニュアスインクジェット等といったディジタル印刷技術を向上させ、高画質印刷を行えるようにすることも切望されている。しかしながら、空間域、時間域又は時空域で発生する種々の偽像(artifact)が画質の向上を妨げている。例えば、微視空間域内反射強度/色分布に非周期的不整(non-uniformity)があると粒状性が発生する。印刷機の経時安定性に問題があると色再現性が影響を受ける。そうした偽像のなかで多くのディジタル印刷システムが悩まされているのは巨視的一次元不整であり、これは、その性質が非周期的か周期的かに応じストリーク(縞状偽像)又はバンド(帯状偽像)と通称されている。発生するストリークやバンドの向きは、印刷プロセスが進行する方向(プロセス方向)に対し平行なことも直交することもその他の角度をなすこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5200765号明細書
【特許文献2】米国特許第5410414号明細書
【特許文献3】米国特許第5485289号明細書
【特許文献4】米国特許第5638107号明細書
【特許文献5】米国特許第5638110号明細書
【特許文献6】米国特許第5732162号明細書
【特許文献7】米国特許第5963244号明細書
【特許文献8】米国特許第6243100号明細書
【特許文献9】米国特許第6519055号明細書
【特許文献10】米国特許第6554388号明細書
【特許文献11】米国特許第6819352号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2002/0075379号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2004/0179090号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0252905号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0036705号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/0099446号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2005/0134624号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2005/0265739号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2006/0077488号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2006/0001911号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2006/0071185号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2006/0071963号明細書
【特許文献23】欧州特許第651560号明細書
【特許文献24】欧州特許第651552号明細書
【特許文献25】欧州特許第598104号明細書
【特許文献26】欧州特許第892549号明細書
【特許文献27】欧州特許第651558号明細書
【特許文献28】欧州特許第651559号明細書
【特許文献29】国際公開第1993/026116号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうしたストリークやバンドの発生には、ディジタル印刷機を構成する数多くのサブシステムが関わっている。例えば、電子写真式の成像プロセスでは、帯電、露出、現像、転写、熔着及び清掃の六大工程がいずれも関わってくる。そのため、ディジタル印刷機におけるストリークやバンドの発生を抑える手法としては、個々のサブシステムを最適化しシステム全体で印刷物仕様の充足を図る手法が採られることが多い。サブシステム最適化はシステム全体の画質性能を向上させる上で必須であるが、システム全体として誤差が累積するため個別サブシステムに過重な条件乃至公差が課されることとなりかねない。更に、サブシステム最適化処理だけでは、サブシステム間相互作用で生じる問題には対処することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここに、本発明の一実施形態では、1個又は複数個のプリンタ乃至印刷システムを走査器に接続し、印刷動作用の色別モジュールを各プリンタに1個又は複数個設ける。プリンタでは色モジュール乃至色チャネル毎にターゲットを印刷し、走査器では印刷されたターゲットを走査する。印刷されたターゲットを、任意角度回動させてから走査器で走査するようにしてもよい。コントローラは、その走査で得られたラスタデータを処理することで、1個又は複数個の均一濃度像から不整を検出し、更にそのプリンタ向けの補正プロファイルを一通り又は複数通り生成する。画像印刷時には、1個又は複数個のコントローラが画像データを受信し、当該一通り又は複数通りの補正プロファイルに従い不整を補正乃至補償しつつ露出動作を実行させる。
【0006】
印刷システムを静電写真複製方式に従い構成するのであれば、そのシステムで使用するプリンタを、1個又は複数個の露出器付色別モジュールを有する構成にする。また、ある方向をプロセス方向と定める。コントローラは、そのプリンタに備わる1個又は複数個の色別モジュールにターゲットを印刷させる。ターゲットの構成は、複数個の位置揃え要素並びに1個又は複数個の均一濃度像を含み、その均一濃度像がそのプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びる構成とする。走査器は、印刷されたターゲットを、その色別モジュールに備わる露出器に相応しいグレースケール及び分解能にて走査することで、ターゲットを組成している位置揃え要素及び均一濃度像の印刷結果を示すラスタデータを取得する。コントローラは、取得したラスタデータを処理することで、位置揃え要素を検出しラスタデータの位置を露出器側の対応する画素位置に揃える。コントローラ(上述のものと同じものでも別のものでもよい)は、位置揃えが済んだラスタデータを処理することで、そのターゲットを構成する均一濃度像内に現れている不整のうち、そのプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びているものを検出する。コントローラ(上述のものと同じものでも別のものでもよい)は、その色別モジュールに備わる露出器における個別の画素位置及び露出レベルに対し、その不整の位置及び規模の関連付けがなされるよう、補正プロファイルを生成する。コントローラ(上述のものと同じものでも別のものでもよい)は、プリンタに備わる色別モジュールを印刷に使用するに当たり、ターゲットから検出される不整が補償されるよう補正プロファイルに従い露出器の個別露出レベルを修正する。
【0007】
本発明の他の実施形態に係る印刷方法は、プリンタに備わる色別モジュール毎にターゲットを印刷するステップと、印刷されたターゲット(群)を走査器で走査してラスタデータを生成するステップと、生成されたラスタデータを処理してターゲット内の不整を検出し補正プロファイルを生成するステップと、ターゲットから検出された不整をその補正プロファイルに従い補償しつつプリンタに備わる色別モジュールで印刷を実行するステップと、を有する。
【0008】
本発明の更に他の実施形態に係る印刷方法は、複数個の位置揃え要素並びに1個又は複数個の均一濃度像を含み、その均一濃度像がプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びるターゲットを、そのプリンタに備わる1個又は複数個の色別モジュールそれぞれで印刷させるステップと、印刷されたターゲットをその色別モジュールに備わる露出器に相応しいグレースケール及び分解能にて走査することで、位置揃え要素及び均一濃度像を含むターゲットの印刷結果を示すラスタデータを取得するステップと、取得したラスタデータを処理することで、位置揃え要素を検出しラスタデータの位置を露出器側の対応する画素位置に揃えるステップと、位置揃えが済んだラスタデータを処理することで、そのターゲットを構成する均一濃度像内に現れていてそのプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びる不整を検出するステップと、その色別モジュールに備わる露出器における個別の画素位置及び露出レベルに対し、その不整の位置及び規模の関連付けがなされるよう、補正プロファイルを生成するステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施に適する電子プリンタの一例を示す模式的側断面図である。
【図2】図1に示した電子プリンタのうち画像複製を担う部分を拡大して示す模式的側断面図である。
【図3】図1に示した電子プリンタを構成している印刷モジュールのうち一つを拡大した模式的側断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るシステムを示す概略ブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るシステムを示す概略ブロック図である。
【図6】従来技術に従い印刷されたターゲット及びそれに含まれる不整を示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態における印刷システム用補正プロファイル生成手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る手順のうち図7中のステップ704に相当する手順を示すフローチャートである。
【図9】その位置揃えマークを拡大し、本発明の一実施形態におけるターゲットを描いた図である。
【図10】本発明の一実施形態における画像印刷手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、上述のものを含め本発明の目的、構成及び効果をより明快に理解することができるよう、別紙図面を参照しつつ本発明について詳述する。なお、図面における部材寸法比が現物のそれに忠実であるとは限らない。
【0011】
また、本願明細書及び特許請求の範囲では、文脈に明白に反しない限り、次の意味で諸用語が使用されている。まず、「複数」との明示がなければ単数も包含される。「内」の語義には表面も包含される。「接続」の語義には部材間の直接的電気接続に限らず受動乃至能動部材(群)を介した間接的電気接続も包含される。「回路」の語義には、所望機能が提供されるよう複数個の受動乃至能動部品を相互接続したもののみならず、所望機能を提供する単体の受動乃至能動部品も包含される。「信号」の語義には電流信号、電圧信号及びデータ信号の諸形態が包含される。そして、「上」「下」「頂」「底」等の方向指示語は参照している図上での方向を基準に使用されている。本発明の諸実施形態を形成している諸部材は様々な向きで配置することが可能であり、説明の便宜上使用されているに過ぎない方向指示語により発明の要旨が限定されるわけではない。加えて、どの図でも、同様の部材には同一の参照符号を付してある。
【0012】
図1及び図2に、本発明の実施に適する電子プリンタの典型的構成100を示す。これらの模式的側立面図から読み取れるように、本プリンタ100を用い多色積層画像を印刷することができる。この例では単色像生成/印刷用印刷モジュールを5個タンデム配置して電子写真エンジンを形成し、更に付加的な仕上げアセンブリを設けてあるが、本発明を実施するに当たり5個未満又は5個超のモジュール乃至ステーションで同じ媒体上にトナーを堆積させる構成にすることや、或いは電子写真以外の方式による電子ライタ、印刷モジュール乃至仕上げアセンブリを使用する構成にすることもできる。
【0013】
本プリンタ100は、タンデム配置された複数個の静電画像生成用印刷モジュールM1〜M5及び仕上げアセンブリ102を有している。それ以外のモジュールを追加することもできる。個々の印刷モジュールで生成されるのは単色のトナー像であり、そのトナー像はモジュール間を順繰りに通過する媒体上に転写されていく。仕上げアセンブリ内の熔着器104は、熔着ローラ104と向かい合わせに加圧ローラ106を配置することで形成された熔着ニップ108を有している。仕上げアセンブリ102ににはこのほかラミネーション装置110を設けることができる。媒体Rは5個の印刷モジュールを一巡する間に位置を揃えて転写を受け、その上に最大5種類の単色トナー像からなる五色像が発生する。ここでいう「五色像」とは、媒体上の諸部位でそれら五色のトナーのうち一種類又は複数種類を使用し様々な色を発現させることで、その媒体R上に発生させた像のことである。それら五色があればプロセス色を発現させることができる。即ち、媒体上の個別部位にて五色のうちいずれかを他の何色かと混ぜ合わせることで、その部位で使用されたどのトナーの色とも異なる色を発現させることができる。
【0014】
例えば、印刷モジュールM1ではブラック(K)、M2ではイエロー(Y)、M3ではマゼンタ(M)、M4ではシアン(C)色の単色トナー像が生成される。周知の通り、これらC、M、Y及びKの四基本色を任意に組み合わせることで、代表的な色スペクトラムを全て発現させることができるが、使用されるトナーの素材及び色発現に使用されるプロセスによってその色域が制限を受けることとなる。そのため、本プリンタ100では、印刷モジュールM5にて第5色トナー像、例えばレッド、ブルー、グリーン等の単色像を生成することで色域の拡張を図っている。こうした色域拡張に限らず、第5色は、所有権者ロゴのような特別色トナー像の印刷や、画像保護用ラミネート層乃至膜Lのような透明トナー層乃至分離層の形成や、装飾乃至成像に役立つフォイル乃至フィルタの形成にも利用することができる。
【0015】
媒体Rn〜R(n-6)は不図示の給紙ユニットから送り込まれ、印刷モジュールM1〜M5を通るよう図2中のR方向に沿い輸送されていく(n:同図における印刷モジュールの個数)。それらはコロナタックダウン帯電器114,115の働きでエンドレス輸送ウェブ116に静電吸着されており、そのウェブ116は装荷先のローラ118、中間転写ローラ124及び転写バックアップローラ126によって駆動されている。単色像は光導電性成像ローラ122上に生成される。従って、印刷モジュールM1ではK色トナー像が光導電性成像ローラPC1上に生成され、中間転写ローラITM1上に転写され、更に転写ステーション内を通過中の媒体上に再転写される。再転写の場は中間転写ローラITM1と転写バックアップローラTR1の間に形成される加圧ニップである。同様に、印刷モジュールM2〜M5も、光導電性成像ローラPC2〜PC5、中間転写ローラITM2〜ITM5及び転写バックアップローラTR2〜TR5で構成されている(符号同順)。また、ローラ118上に示されている媒体Rnは、給紙ユニットからやってきて初段印刷モジュールM1内転写ステーションに向かいつつある媒体であり、初段印刷モジュールM1内転写ステーションには先行する媒体R(n-1)が示されている。同様に、R(n-2)〜R(n-5)は印刷モジュールM2〜M5内転写ステーションを通過中である(符号同順)。未熔着の像を載せて移動中の媒体R(n-6)は、図1に示した仕上げアセンブリ(群)102に向かっている。そこには熔着器、例えば周知構成のフューザがある。図1に示したラミネーション装置110等を備える別の仕上げアセンブリを、その仕上げアセンブリ102に対し並列又は直列に設けてもよい。同様のラミネーション装置110をいずれかの印刷モジュールMn、例えば第5段印刷モジュールM5と一体に設けてもよい。
【0016】
電源ユニット128は、転写バックアップローラTR1〜TR5に対し個別に転写電流を供給している。コントローラたる図1中の論理制御ユニット(LCU)130は、本プリンタ100に接続されている種々のセンサから信号を受信し、該当する部材にタイミング信号及び制御信号を供給することで、周知且つ自明な手法に従い、本プリンタ100の諸構成部材を制御しまた諸プロセス管理パラメタを操作している。エンドレス輸送ウェブ116用の清掃ステーション132も、その継続使用を可能とするため通常通り設けられている。
【0017】
図3に印刷モジュールの典型的な構成を示す。図1に示した電子プリンタ100に備わる個々の印刷モジュール、例えばM1〜M5のうちM1では、このように複数個の電子成像サブシステムを使用し、多色像の成分たる単色像乃至パターンを幾つか発生させる仕組みが採られている。各印刷モジュール内のサブシステムのうち一次帯電サブシステム134では、光導電成像部材たる成像シリンダ138の表面136を静電的に均等帯電させる。露出サブシステム140では、その光導電成像部材を光に露出させることで、均等分布している電荷に像状変調を施し、対応する成分色に係る静電潜像を発生させる。現像ステーションサブシステム142では、露出による像状変調を受けた光導電成像部材に現像を施す。中間転写部材144では、光導電成像部材からその表面148へと転写ニップ146越しに色成分別単色像の転写を受け、その色成分別単色像を更に転写ニップ152越しに媒体へと再転写させる。図中の150は転写ニップ152に入る前の媒体、154は転写ニップ152でその上に色成分別単色像156が転写された媒体、158はその繰返しで媒体上に生成された多色像、160はその上に付加層162例えばラミネート層Lが転写された媒体である。
【0018】
印刷モジュールM1〜M5にて単色像が一層ずつ位置を揃えながら転写され、それによって多色像が生成された後、媒体は図1に示した仕上げアセンブリ102へと進んでいく。そこにある熔着器(群)170では、多色像をその媒体に熔着させる(省略可)。これにより印刷物、即ち最終的な多色積層印刷物が得られる。仕上げアセンブリ102には、このほかセンサ172、エネルギ源174、ラミネーション装置(群)110等を設けることができる。これらを使用する際には、各色トナー像を層状に堆積させる際に使用される位置揃え基準子176等の基準子を活用することができる。個々のトナー像がそうした基準子(群)例えば位置揃えパターンを基準にして形成されているからである。
【0019】
なお、図3中のLCU130は、然るべきルックアップテーブルが組み込まれたマイクロプロセッサで構成されている。LCU130で実行可能な制御用ソフトウェアは、例えば、そのLCU130に接続されているメモリ内に格納されている。熔着器に設けられているセンサ群は相応の信号をLCU130に供給している。LCU130は、その信号に応じコマンドや制御信号を発行又は供給する。これにより、図1に示したに示した熔着ニップ108における加熱、加圧又はその双方を調整する等、図1に示した仕上げアセンブリ102の諸動作パラメタを全体として安定化乃至最適化させることで、印刷物用の媒体上に多色像158を印刷させる。
【0020】
図4に、本発明の第1実施形態に係るシステムの概略ブロック構成を示す。このシステム400は電子写真式のプリンタ100、走査器402及びコントローラ404を備えており、そのプリンタ100内にはLCU130、露出サブシステム140、ライタマーキングプロセス406及び1個又は複数個の色別モジュールM1〜Mnが組み込まれている。露出サブシステム140内の露出コントローラ408は、露出器410に対しタイミング信号及び制御信号を供給している。本実施形態では、走査器402を用いオフライン走査を実行することができる。
【0021】
後に図7〜図10を参照して詳述する通り、本システム400では不整(群)を補正乃至補償しつつ画像を印刷することができる。プリンタ100では色チャネル毎にターゲットを印刷し、走査器402では印刷されたターゲットを走査し、コントローラ404ではその走査で得られたラスタデータに基づき一通り又は複数通りのプリンタ100用補正プロファイルを生成し、システム400内に設けられたメモリ412はその補正プロファイルを記憶する。
【0022】
プリンタ100による画像印刷の際には、LCU130が画像データを受領し、露出コントローラ408が一通り又は複数通りの補正プロファイルに従い不整を補正又は補償しつつ露出器に露出プロセスを実行させ、ライタマーキングプロセス406に則り色別モジュールM1〜Mnが画像を印刷する。
【0023】
なお、図4ではLCU130と露出コントローラ408が別体に描かれているが、本発明は両者を単一のコントローラにまとめた形態でも実施することができる。更に、コントローラ404は様々な種類のコントローラ、例えばプロセッサ、情報処理デバイス、コンピュータ、サーバ等の形態で実現することができる。そして、システム400内の走査器402を用いオフライン走査を実行する形態で本発明を実施することもできる。
【0024】
図5に、本発明の第2実施形態に係るシステムの概略ブロック構成を示す。本システム500では複数個の印刷システム502,504,506が一種類又は複数種類のネットワーク接続512を介し走査ステーション508及びコントローラ510に接続されている。印刷システム502,504,506は電子写真プリンタ等のプリンタで実現されている。
【0025】
本実施形態では、個々の印刷システム502,504,506にて対応する色チャネルに係るターゲットが印刷され、それらが走査ステーション508によって走査される。コントローラ510は、その走査で得られたラスタデータに基づき、対応する印刷システム用に一通り又は複数通りの補正プロファイルを生成する。印刷システムによる画像印刷の際には、コントローラ510が画像データを受領し、メモリ514に格納されている一通り又は複数通りの補正プロファイルに従い不整を補正乃至補償する。
【0026】
なお、この図ではコントローラが集中化されているが、印刷システム毎にコントローラを分けた形態で本発明を実施することもできる。更に、コントローラ510は様々な種類のコントローラ、例えばプロセッサ、情報処理デバイス、コンピュータ、サーバ等の形態で実現することができる。そして、メモリ514を設ける代わりに各印刷システム内にメモリを設け、それらに一通り又は複数通りの補正プロファイルを記憶させる形態でも、本発明を実施することができる。
【0027】
図6に、従来技術に従い印刷されたターゲット内に現れる不整のあらましを示す。この図では、プリンタ600で印刷された画像602に現れる不整604の例として、印刷方向に対して平行なストリークが示されている。ストリークの方向は印刷方向に対し他の角度で交わること、例えば直交することもある。従来技術で発生しうる不整にはこのほかにも様々な種類がある。例えば、左右方向濃度不整、光沢不整、色間重なり不整、斑文状不整等である。
【0028】
図7に、本発明の一実施形態における印刷システム用補正プロファイル生成手順の流れを示す。これは、印刷される画像に不整が発生することを防ぎ又は抑えるのに役立つプリンタ用補正プロファイル(群)を生成する手順である。その手始めには、そのプリンタで使用される色別モジュール毎にターゲットを印刷させる(ステップ700)。プリンタがCMYKプリンタであれば、C色、M色、Y色及びK色のそれぞれに対応して1個、都合4個のターゲットが印刷される。本実施形態で生成されるターゲットは、そのプリンタのプロセス方向に交差する方向に延びる1個又は複数個の均一濃度像と、一種類又は複数種類の位置揃えマークとを含むものである。
【0029】
次に、個々のターゲットをある角度に亘り回動させ更に走査器を用い走査する(ステップ702)。回動させる角度は任意に設定可能であり、本実施形態では90°にしてある。
【0030】
次いで、走査器からもたらされるターゲット毎のラスタデータを解析し、そのプリンタ用の補正プロファイルを生成する(ステップ704)。このステップ704については、後に図8を参照して詳述する。生成した補正プロファイルは、そのプリンタの内部、そのプリンタにネットワーク接続経由で接続されているプリントサーバ内、そのプリンタに接続されているメモリ内等に保存しておく(ステップ706)。
【0031】
図8に、本発明の一実施形態に係る手順のうち図7中のステップ704に係る手順の流れを示す。図示の通り、まずは個々の印刷済ターゲットから一種類又は複数種類の位置揃えマークを検出し、走査器から得られているラスタデータの位置をその位置揃えマークに従い揃えてプリンタ内画素位置に対応させる(ステップ800)。更に、補正プロファイル毎の最適濃度コード値決定に備えスキュー(捩れ)角を判別乃至推定する(ステップ802)。
【0032】
次に、そのラスタデータに関しデスクリーニングプロセスを実行すべきか否かを判別し(ステップ804;省略可)、実行すべきならデスクリーニングプロセスを実行する(ステップ806)。デスクリーニングプロセスとしては任意の従来型デスクリーニングプロセスを適用することができる。例えば、そのラスタデータをデスクリーニング用ガウシアンフィルタに入力すればよい。
【0033】
次いで、ステップ802で判別乃至推定されたスキュー角に基づきモーションフィルタで処理することで、そのラスタデータから多レベルプロファイルを抽出する(ステップ808)。更に、不均一ノット配置を有するスプライン関数を用い個々の濃度レベルにおける全体的な濃度揺らぎをモデリングすることで、そのラスタデータから多レベルストリーク信号を抽出する(ステップ810)。本実施形態でストリーク信号として抽出されるのは、そのスプライン関数と当て嵌め先の多レベルプロファイルとの差分であり、その値はコード値空間又はその対数空間にて表記することができる。
【0034】
そして、補正プロファイル及び補正利得を生成する(ステップ812)。本実施形態では、特異値分解によってストリーク信号を分解し、その第1成分を補正プロファイルとして抽出し、そして微細且つ精細なエッジに対しより好適に対処可能なものとなるようその補正プロファイルを残りの成分に基づき微調整する。
【0035】
補正利得は、抽出した補正プロファイルに対し対数空間内でストリーク信号を線形当て嵌めすることで生成する。その勾配を補正利得係数として使用する。
【0036】
次に、ディジタル印刷モジュール内ライタを調整し一次元不整を決定論的に補正する手法の例を詳細に説明する。まず、反射性のある媒体上にグレースケール画像やカラー画像を発生させる手法には連続階調印刷と中間階調印刷の二種類があり、光と媒体や着色剤との相互作用である混色の仕組みがそれら二者間で僅かに異なっている。例えば、ユール・ニールセンのモデルが中間階調印刷向けのモデルであるところ、ベール・ブーゲの法則で想定されているのは均質で吸光量が光強度に比例する媒体である。均一濃度パッチの反射強度をDsとした場合、ユール・ニールセンのモデルでは中間階調ドットの面積Ahと中間階調パッチにおける反射強度計測値Dが次の式
h={1−10(−D/n)}/{1−10(−Ds/n)} (1)
で関連付けられることや(nは実際の印刷プロセスで決定される数値)、ベール・ブーゲの法則に従いDが着色剤濃度c、吸収係数K(λ)及び着色剤内全光路長wの線形関数
D=K(λ)wc/2.3026 (2)
で与えられることからすると、反射強度不整ΔDを引き起こすのは中間階調印刷サンプル上ではドット面積の乱れΔAh、連続階調印刷サンプル上では(着色剤濃度cが均一なら)光路長差Δwであると推量することができる。Ahを校正しA〜hにすることを妨げる事情がないので、式(1)に示したユール・ニールセンのモデルが
A〜h=D/Ds (3)
と簡略化されるよう、ここでの解析対象をn→∞の極限に絞ることができる。結局、ΔDは中間階調印刷プロセスではΔA〜h、連続階調印刷プロセスではΔwに対し直線的な関係を有することとなるので、その一般性を損なうことなく、解析対象を中間階調印刷プロセスに絞ることができる。
【0037】
ここで、個々の中間階調ドットの半径をrで表すこととする(即ちA〜h=πr2)。印刷システムにて何らかの未知外乱Θiが発生すると、色空間内想定位置例えば目標反射強度に対し、位置xiにおける反射強度Diがずれることがある。推量できるように、Θiはxiに存する中間階調ドットの半径riに僅かなずれδriをもたらす。即ち
i→ri+δri (4)
である。δriはriの関数であり、次のテイラー展開式
δri(ri)=Σk=0 to ∞αikik (5)
で表すことができる。{αikk=0 to ∞は外乱Θiで決まる係数である。通常、δriは非常に小さいので、式(3)から次の式
ΔDi=DsΔA〜h=Ds2πriδri
=Σk=0 to ∞(2πDsαik)rik=1 (6)
を導出することができる。δrが
δri=αi1i (7)
の如く現在の半径rに比例するものと仮定すると、式(6)を
ΔDi=2πDsαi1i2=2Dsαi1A〜h (8)
の如く簡略化することができる。この式(8)は、位置xiにおけるストリーク信号(ΔDi)の強度が、線形化された着色剤付着面積A〜hiに対し直線的に増加することを示唆している。そこで、ストリーク又はバンドと直交する方向に沿い平均的な着色剤付着域(面積Ahj)の全幅に亘って求めた反射強度不整推定値をφj、それに対応するストリーク係数をαで表すこととする(但しj=1,…,J)。このとき、単独の解φjからαを推定するとノイズが多く信頼できない値となるため、そのディジタル印刷モジュール向けに得られる補償パラメタが低質なものとなってしまう。しかし、そうした問題は、反射強度不整推定値を複数通りの濃度レベルに亘り相互に関連付けたもの、即ち
φ=[φ1φ2…φJ]=2Ds[Ah1h2…AhJ]α (9)
を使用することで大きく軽減することができる。式(9)に示すφの次元は1であり、残りのJ−1次元は計測/印刷ノイズで組成されるヌル空間となっているので、φの第1特異ベクトルηを用いα=|α|ηと表すことができる。そして、φ及びαをη上に射影することで、式(9)を
|φ|=2Ds|α|Ah=mhh (10)
の如く簡略化することができる。即ち、式(10)中で|α|は勾配推定値mhに比例している。αがrの関数で与えられる場合はこの解析法を更に拡張すればよい。一定厚みの着色剤層を複数層を形成するのであれば、A〜hiは単位面積当たり着色剤付着量M/A(ディジタル印刷モジュール内ライタで制御可能な値)に比例するものと見なすことができる。例えば、導電性を有する磁性ブラシを用い現像された電子写真についての理論的解析結果を
h∝M/A={(CtυVp)/(Q/M)}(ρc/ρt)(8ε0/ri
=αDV=αDΓ(ω-) (11)
で一次近似することができる。この式中、Ctはトナー濃度、υはローラ・光導電体間の速度比を示す係数値、Vは光導電体への印加電圧、pはキャリア粒子延長表面積、Q/Mは電荷対質量比、ρcはキャリア比質量、ρtはトナー比質量、ε0は自由空間誘電率、riはトナー粒子半径、Γ(ω-)はディジタル印刷モジュール内ライタのパワーω-を印加電圧Vに関連付けるマッピング関数である。この式から、次の関係
ΔAh/Ah=2δr/r=2α∝δV/V=δΓ(ω-)/Γ(ω-) (12)
を導出することができる。式(12)は、ディジタル印刷モジュール内ライタの調整によって一次元不整を決定論的に補正する手法の理論的根拠を総括的に表している。
【0038】
図9に、その位置揃えマークの寸法を拡大し、本発明の一実施形態におけるターゲットの外観を示す。図示の通り、ターゲット900は複数個の均一濃度像及び二種類の位置揃えマークを含んでいる。均一濃度像としては、暗めの均一濃度像902から明るめの均一濃度像904まで様々な階調値の像が生成されている。また、位置揃えマーク906,908(見やすくするため拡大してある)は、その印刷位置を調べることで、図4に示した露出器410による画素の位置がわかるように生成されている。露出器410が例えばLEDプリントヘッドであるなら、マーク906,908を参照し、プリントヘッド上におけるLEDアレイの厳密な位置を特定することができる。補正量は任意且つ所与の階調濃度、例えば中庸の階調濃度向けに調製すればよい。
【0039】
図10に、本発明の一実施形態における画像印刷手順の流れを示す。この手順では、まず画像印刷の要否を判別する(ステップ1000)。印刷所要なら、その画像の印刷に使用する補正プロファイルを現在又はデフォルトのものから別のものに切り替えるか否かを判別する(ステップ1002)。切り替えるなら当該別の補正プロファイルを指定しそれに従い画像を印刷させる(ステップ1004,1006)。露出コントローラ(例えば図4中の408)では、その補正プロファイルに従い露出器(例えば図4中の410)の動作を変調することで、印刷される画像の濃度を変化させる。
【0040】
別の補正プロファイルに切り替えないときは、現在又はデフォルトの補正プロファイルを画像印刷に使用すべきか否かを判別する(ステップ1008)。使用するのならその補正プロファイルに従い画像を印刷し(ステップ1006)、使用しないのならその補正プロファイルの使用を無効化し補正プロファイル無しで画像を印刷する(ステップ1010,1012)。
【0041】
翻って画像印刷不要ならば(ステップ1000)、補正プロファイルの更新要否を判別し(ステップ1014)、更新所要ならば更新して(ステップ1016)手順を終了する。
【0042】
以上、具体的な実施形態を参照しつつ本発明について説明してきたが、自明な通り、本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)であれば、本発明の技術的範囲から逸脱することなく変形や修正を施すことができる。更に、本願には本発明の具体的な実施形態が記載されているが、それらの実施形態へと本発明が限定されるわけではないことにご注意頂きたい。例えば、支障ない限り、いずれかの実施形態との関係で説明した部材を他の実施形態にて使用することや、構成要素を実施形態間で入れ替えることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷動作用の色別モジュールを1個又は複数個備えるプリンタで印刷を実行する方法であって、
プリンタに備わる色別モジュール毎にターゲットを印刷するステップと、
印刷されたターゲットを走査してラスタデータを生成する走査ステップと、
生成されたラスタデータを処理してターゲット内の不整を検出し補正プロファイルを生成するステップと、
ターゲットから検出された不整をその補正プロファイルに従い補償しつつプリンタに備わる色別モジュールで印刷を実行する印刷ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、上記走査ステップが、
印刷されたターゲットを所定角度に亘り回動させるサブステップと、
回動されたターゲットを走査してラスタデータを生成するサブステップと、
を含む方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の方法であって、上記印刷ステップが、パルス幅変調又は電流変調を受けグレースケール印刷能を呈する露出器を備えた色別モジュールを用い印刷を実行するサブステップを含む方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、上記印刷ステップが、グレースケール印刷能を呈するLEDプリントヘッドを備えた色別モジュールを用い印刷を実行するサブステップを含む方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項記載の方法であって、ターゲット内のストリークを不整の一種として検出する方法。
【請求項6】
印刷動作用の色別モジュールを1個又は複数個有するプリンタと、
プリンタに備わる色別モジュールにターゲットの印刷を行わせる手段と、
印刷されたターゲットを走査する走査器と、
ターゲットの走査結果を処理してターゲット内の不整を検出し補正プロファイルを生成する手段と、
プリンタに備わる色別モジュールに印刷を行わせる際に、そのターゲットから検出された不整が補償されるようプリンタに補正プロファイルを供給する手段と、
を備える印刷システム。
【請求項7】
請求項6記載の印刷システムであって、プリンタに補正プロファイルを供給する手段が、補正プロファイルを有効化及び無効化する機能を有する印刷システム。
【請求項8】
請求項6又は7記載の印刷システムであって、そのプリンタが、ネットワークを介し走査器に接続されている複数個のプリンタのうち一つである印刷システム。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項記載の印刷システムであって、その色別モジュールが、グレースケール印刷能を呈するLEDプリントヘッドを有する印刷システム。
【請求項10】
露出器を有する印刷動作用の色別モジュールを1個又は複数個備えるプリンタを用い、ある方向をプロセス方向として静電写真複製を行う方法であって、
複数個の位置揃え要素並びに1個又は複数個の均一濃度像を含み、その均一濃度像がプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びるターゲットを、そのプリンタに備わる色別モジュール毎に印刷させるステップと、
印刷されたターゲットをその色別モジュールに備わる露出器に相応しいグレースケール及び分解能にて走査することで、位置揃え要素及び均一濃度像を含むターゲットの印刷結果を示すラスタデータを取得するステップと、
取得したラスタデータを処理することで、位置揃え要素を検出しラスタデータの位置を露出器内の対応する画素位置に揃えるステップと、
位置揃えが済んだラスタデータを処理することで、そのターゲットを構成する均一濃度像内に現れていてそのプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びる不整を検出するステップと、
その色別モジュールに備わる露出器における個別の画素位置及び露出レベルに対し、その不整の位置及び規模の関連付けがなされるよう、補正プロファイルを生成するステップと、
を有する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、ターゲットから検出される不整が補償されるよう補正プロファイルに従い露出器の個別露出レベルを修正しつつ、そのプリンタに備わる色別モジュールで印刷を実行するステップを有する方法。
【請求項12】
請求項10又は11記載の方法であって、印刷されたターゲットをその色別モジュールに備わる露出器に相応しいグレースケール及び分解能にて走査することで、位置揃え要素及び均一濃度像を含むターゲットの印刷結果を示すラスタデータを取得するステップが、
印刷されたターゲットを所定角度に亘り回動させるサブステップと、
回動したターゲットをその色別モジュールに備わる露出器に相応しいグレースケール及び分解能にて走査することで、位置揃え要素及び均一濃度像を含むターゲットの印刷結果を示すラスタデータを取得するサブステップと、
を含む方法。
【請求項13】
請求項10、11又は12記載の方法であって、ターゲット内のストリークを不整の一種として検出する方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか一項記載の方法であって、グレースケール印刷能を呈するLEDプリントヘッドを備えた露出器における個別露出レベルを修正しつつ、色別モジュールで印刷を実行するステップを含む方法。
【請求項15】
露出器付の色別モジュールを1個又は複数個有しある方向をプロセス方向とするプリンタと、
複数個の位置揃え要素並びに1個又は複数個の均一濃度像を含み、その均一濃度像がプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びるターゲットの印刷を、そのプリンタに備わる色別モジュールに行わせる手段と、
印刷されたターゲットをその色別モジュールに備わる露出器に相応しいグレースケール及び分解能にて走査することで、位置揃え要素及び均一濃度像を含むターゲットの印刷結果を示すラスタデータを取得する走査器と、
取得したラスタデータを処理することで、位置揃え要素を検出しラスタデータの位置を露出器内の対応する画素位置に揃える手段と、
位置揃えが済んだラスタデータを処理することで、そのターゲットを構成する均一濃度像内に現れていてそのプリンタのプロセス方向に対し交差する方向に延びる不整を検出する手段と、
その色別モジュールに備わる露出器における個別の画素位置及び露出レベルに対し、その不整の位置及び規模の関連付けがなされるよう、補正プロファイルを生成する手段と、
プリンタに備わる色別モジュールを印刷に使用するに当たり、ターゲットから検出される不整が補償されるよう補正プロファイルに従い露出器の個別露出レベルを修正しつつ、その色別モジュールでの印刷を行わせる手段と、
を備える静電写真複製システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−505779(P2012−505779A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532076(P2011−532076)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/005583
【国際公開番号】WO2010/044841
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】