説明

遮熱コーティング系の施工方法

基材の被覆方法は、14〜20重量%のCr、5〜8重量%のAl、8〜12重量%のCo、3〜7重量%のTa、0.1〜0.6重量%のHf、0.1〜0.5重量%のY、約1重量%以下のSi、0.005〜0.020重量%のZr、0.04〜0.08重量%のC、0.01〜0.02重量%のBを含み、残部はニッケル(Ni)及び不可避不純物である、レニウムを実質的に含まないボンドコート組成物の内側ボンドコート層を、基材上に堆積させる工程と、内側ボンドコート層を覆うアルミニウム含有層を形成する工程と、適宜、アルミニウム含有層を覆う遮熱コーティング組成物を堆積させる工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して遮熱コーティング系の施工方法に関し、具体的には、所望の結果をもたらすように構成された堆積プロセスを使用して、遮熱コーティング系を施工する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジン、特に航空機用に開発されたガスタービンエンジンでは、高温作動部品は作動中に激しい酸化性条件に暴露される。かかる部品の代表例は、エンジンのタービンセクションに配置される動翼、静翼及び付属部品である。これらの製品の作動寿命を延ばすため、製品表面に施工されるコーティングが設計者によって特定される。
【0003】
かかるコーティングの一例は遮熱コーティング系である。一般に、遮熱コーティングはセラミック型コーティングであり、その例として、ジルコニアをイットリア、マグネシア又はカルシアで安定化したものがある。コーティング系は、基材とセラミック遮熱コーティングの間に設けられたボンドコーティングを含むことがある。ボンドコートには、いわゆるアルミナイド(拡散)又は「McrAlY」型のものがある。なお、Mは、コバルト、鉄、ニッケル及びそれらの混合物又は合金の1種以上を表す。かかるMcrAlY型合金には、所定の特性を向上させるため、Y、希土類元素、Pt、Rh、Pd、Hf及びこれらの組合せを始めとする他の元素が配合されてきた。
【0004】
ボンドコートは、アルミナイジングプロセスで形成されたアルミニウム含有層を含んでいてもよい。かかる中間層の一例が、Strangman他の米国特許第4880614号に記載されている。その例示的な実施形態では、アルミニウム含有層は約12重量%以上のアルミニウムを含む。
【0005】
米国特許第5236745号には、アルミナイド上層を有する強化ニッケル基オーバーレイボンドコートが開示されており、高温におけるエンジン部品の保護を向上させるため遮熱コーティングの下で利用される。このニッケル基オーバーレイボンドコートの公称組成は、18重量%のCr、6.5重量%のAl、10重量%のCo、6重量%のTa、2重量%のRe、0.5重量%のHf、0.3重量%のY、1重量%のSi、0.015重量%のZr、0.06重量%のC、0.015重量%のB、残部のNiと不可避不純物である。
【0006】
しかし、上述のボンドコートは、価格と稀少性が増しつつあるレニウムを合金元素として含んでいる。したがって、アルミナイド上層と適合性で、レニウムを実質的に含まない強化ボンドコートを提供することができれば望ましい。まあ、高温部品のための、レニウムを含まない強化ボンドコートを用いたコーティング系を提供することができれば望ましい。さらに、コーティングミクロ組織を制御して高温性能を向上させるため、基材を遮熱コーティングで被覆する方法を提供することができれば望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4880614号明細書
【特許文献2】米国特許第5236745号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1700931号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な実施形態には、基材の被覆方法が包含される。例示的な方法は、基材上に、14〜20重量%のCr、5〜8重量%のAl、8〜12重量%のCo、3〜7重量%のTa、0.1〜0.6重量%のHf、0.1〜0.5重量%のY、約1重量%以下のSi、0.005〜0.020重量%のZr、0.04〜0.08重量%のC、0.01〜0.02重量%のBを含み、残部がニッケル(Ni)及び不可避不純物であり、レニウムを実質的に含まないボンドコート組成物の内側ボンドコート層を堆積させる工程と、内側ボンドコート層を覆うアルミニウム含有層を形成する工程と、適宜、アルミニウム含有層を覆う遮熱コーティング組成物を堆積させる工程とを含む。
【0009】
本発明の要旨は、本明細書の後の特許請求の範囲に具体的かつ明瞭に記載されている。ただし、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、本発明に関する理解を深めることができよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的な遮熱コーティング系を有する金属物品の断面図。
【図2】遮熱コーティング系を有する物品の例示的なコーティング法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を通して、同じ符号は同じ構成要素を示す。図1は、ボンドコート内側層24とアルミニウム含有層26と遮熱コーティング30とを含む多層遮熱コーティング系を設けた超合金基材20を示す。ボンドコート内側層24とアルミニウム含有層26とが合同でボンドコート34をなす。ボンドコート34と遮熱コーティング30とが合同で遮熱コーティング系36をなす。遮熱コーティング30が存在しない場合、「ボンドコート」は「環境皮膜」とも呼ばれる。ある例示的な実施形態では、アルミナイド層26は、以下で詳細に説明する貴金属改質アルミナイド層であってもよい。
【0012】
例示的な実施形態では、基材20は、タービン動翼、静翼、シュラウド、ノズル、燃焼器その他の高温環境で使用されるガスタービンエンジン部品のような物品を表す。基材20には、ニッケル基又はコバルト基超合金からなるものがある。基材20は、単結晶(SX)、方向性凝固(DS)又は多結晶物品のいずれでもよい。
【0013】
基材20は、その少なくとも一部分がボンドコート内側層24で被覆される。本明細書に開示する実施形態では、強化オーバーレイボンドコート内側層24用の組成物を提供する。堆積時のボンドコート内側層24は、14〜20重量%のCr、5〜8重量%のAl、8〜12重量%のCo、3〜7重量%のTa、0.1〜0.6重量%のHf、0.1〜0.5重量%のY、約1重量%以下のSi、0.005〜0.020重量%のZr、0.04〜0.08重量%のC、0.01〜0.02重量%のBを含み、残部はニッケル(Ni)及び不可避不純物である。例示的な実施形態では、硫黄含有量は約0.001重量%未満である。例示的な公称組成は、18重量%のCr、6.5重量%のAl、10重量%のCo、6重量%のTa、0.5重量%のHf、0.3重量%のY、1重量%のSi、0.015重量%のZr、0.06重量%のC、0.015重量%のBを含み、残部はニッケル及び不可避不純物である。以下でさらに詳しく説明する通り、この例示的なボンドコート内側層24は、所望のミクロ組織、厚さその他の特性に応じて、様々な堆積技術で基材20上に堆積させることができる。ある例示的な実施形態では、内側層24の厚さは約1〜3ミル(25.4〜76.2μm)である。ある例示的な実施形態では、内側層24の厚さは約2ミル(50.8μm)である。別の例示的な実施形態では、内側層24の厚さは約6ミル(152μm)である。内側層24の厚さは、後で述べるように堆積法に関連していることもある。成膜した内側層24の相対的平滑さ(粗さ)も、堆積法に関連していることがある。
【0014】
ある例示的な実施形態では、ボンドコート内側層24は、アルミニウム含有層26で覆われている。アルミニウム含有層26は、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)又はパラジウム(Pd)のような「貴金属」で改質してもよい。
【0015】
ある例示的な実施形態では、アルミニウム含有層26は、「アルミナイジング」又は「アルミナイズ化」法で堆積させることができる。ある例示的な実施形態では、堆積時に、アルミニウム含有層は約12〜約30重量%のアルミニウム(Al)を含む。ある例示的な実施形態では、アルミニウム含有層は約15〜約25重量%のAlを含む。ある例示的な実施形態では、アルミニウム含有層は約12重量%以上のアルミニウムを含む。
【0016】
例示的なコーティング系36は、ボンドコート34を覆う遮熱コーティング30も含む。ある例示的な実施形態では、遮熱コーティングは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)組成物を含む。慣用のYSZは約8重量%のイットリアを含む。本明細書に開示した範囲内で、例えば熱伝導率の低下、耐エロージョン性の改善、耐衝撃性の向上などのため、本明細書に開示した強化ボンドコートと適合性の他の遮熱コーティング組成物も想定される。
【0017】
例示的なコーティング法100を図2に示す。一般的なプロセスは、基材を準備する工程(工程110)、基材の少なくとも一部分にボンドコート内側層を堆積させる工程(工程112)、適宜熱処理を実施する工程(工程114)、アルミニウム含有外側層を設ける工程(工程116)、適宜熱処理を実施する工程(工程118)、及び適宜、遮熱コーティングを施工する工程(工程120)を含む。
【0018】
ある例示的な実施形態では、工程112は、被覆すべき部品、ボンドコート内側層の所望のミクロ組織又はその他の検討事項に応じて、2通り以上の別個の体積技術で実施してもよい。例えば、ある例示的な実施形態では、オーバーレイボンドコート内側層を、イオンプラズマ堆積法によって基材上に堆積させる(二次工程122)。イオンプラズマ堆積法では、比較的平滑なテクスチャをもつ「薄い」ボンドコート内側層(厚さ約1〜約3ミル(25.4〜76.2μm))を製造できる。ある例示的な実施形態では、薄いボンドコート層の厚さは約2ミル(50.8μm)である。イオンプラズマ堆積法は冷却孔が塞がれないように制御することができるので、イオンプラズマ堆積を用いた薄いボンドコート層の施工は、先進のタービン動翼設計に特に有利である。
【0019】
イオンプラズマ堆積法を用いて例示的なボンドコート内側層を堆積させた後、その上に、当技術分野で周知の気相成膜法又はパック法のような拡散プロセスを用いてアルミニウム含有外側層を設けてもよい(二次工程126)。例えばスプレイ法、化学気相成膜法、インパック法、レーザ法などの他の施工方法を用いてアルミニウム含有層を施工することもできる。
【0020】
適宜、アルミナイド層は貴金属改質アルミナイドであってもよい。例示的なプロセス(二次工程128)は、ボンドコート内側層上に電気メッキ(ただし、これに限定されるわけではない)のような適当な技術で貴金属の薄層(約0.1〜約0.2ミル、0.25〜0.51μm)を施工することを含む。次いで、貴金属層を拡散アルミナイドコーティングプロセス(上述)に付して、貴金属改質アルミナイド層を形成する。
【0021】
ある例示的な実施形態では、アルミナイジング工程の前に、被覆基材を約1600〜約2150°F(871〜1177℃)の温度での熱処理(工程114)に付してもよい。ある例示的な実施形態では、任意工程の熱処理の温度は約1850〜約1950°F(1010〜1066℃)である。熱処理の時間は約1〜約8時間とすることができる。例示的な熱処理の時間は約2〜約4時間である。
【0022】
ある例示的な実施形態では、同様の熱処理(工程118)をアルミナイジングプロセスの後で適宜行ってもよい。つまり、アルミナイジング工程の後、被覆基材を、約1600〜約2150°F(871〜1177℃)又は約1850〜約1950°F(1010〜1066℃)の温度で1〜8時間又は約2〜約6時間熱処理してもよい。
【0023】
ある例示的な実施形態では、電子ビーム物理蒸着(EB−PVD)のような物理気相成膜法(二次工程130)によって、ボンドコート上に柱状遮熱コーティングを堆積させる。特にタービン動翼の場合、イオンプラズマ堆積法で成膜した内側ボンドコート層と拡散アルミナイド層は、物理蒸着によるTBCとの組合せで、強度、耐クリープ性、耐酸化性及び耐破砕性を向上させることのできる制御されたコーティング系を与える。
【0024】
別の例示的な実施形態では、ボンドコート内側層の組成は同一又は類似であるが、基材上にボンドコート内側層を堆積させるのにプラズマ溶射のような溶射法(二次工程124)を用いる。堆積時のボンドコート内側層は、14〜20重量%のCr、5〜8重量%のAl、8〜12重量%のCo、3〜7重量%のTa、0.1〜0.6重量%のHf、0.1〜0.5重量%のY、約1重量%以下のSi、0.005〜0.020重量%のZr、0.04〜0.08重量%のC、0.01〜0.02重量%のBを含み、残部はニッケル(Ni)及び不可避不純物である。ある例示的な実施形態では、硫黄含有量は約0.001%未満である。例示的な公称組成は、18重量%のCr、6.5重量%のAl、10重量%のCo、6重量%のTa、0.5重量%のHf、0.3重量%のY、1重量%のSi、0.015重量%のZr、0.06重量%のC、0.015重量%のBを含み、残部はニッケル及び不可避不純物である。
【0025】
基材上に溶射法で堆積させたボンドコート内側層は、イオンプラズマ法で堆積させたボンドコート内側層よりも粗い表面を有する。例えば、米国特許第5236745号に教示されているように、プラズマ溶射のような溶射法で堆積させたボンドコート内側層は約200〜600マイクロインチ(約5.1〜15.3μm)の表面粗さRAを有する。さらに、溶射法で堆積させた例示的なボンドコート内側層は、イオンプラズマ法で堆積させた内側層よりも厚くなることがある。この例示的なボンドコート内側層は、約2〜15ミル(51〜381μm)の厚さで施工できる。ある例示的な実施形態では、溶射法によるボンドコート内側層の厚さは約8ミル(203μm)である。ノズル、シュラウド及び燃焼器のようなガスタービンエンジン部品は、溶射法によって例示的ボンドコート組成物で被覆できる。
【0026】
例示的なコーティング系のボンドコートは、ボンドコート内側層の上に、拡散アルミナイジングプロセス(二次工程126)によるアルミニウム含有外側層をさらに含む。ある例示的な実施形態では、アルミニウム含有層は、約12重量%〜約30重量%のAlを含む。別の例示的な実施形態では、アルミニウム含有層は約15〜約25重量%のAlを含む。
【0027】
適宜、上述のプロセス(二次工程128)によって、例示的なボンドコート内側層を、貴金属改質アルミナイド層で被覆してもよい。溶射法によるボンドコート内側層とアルミニウム含有層(アルミナイド又は貴金属改質アルミナイド)とが合同で、後に施工されるTBCのためのボンドコートをなすか、或いはTBCを施工しない場合には環境皮膜をなす。
【0028】
ある例示的な実施形態では、ボンドコート上に、米国特許第5236745号(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)に記載されているように、大気プラズマ溶射(APS)のようなプラズマ溶射法(二次工程132)によって遮熱コーティングを堆積させる。ある例示的な実施形態では、溶射法によるボンドコート内側層の表面粗さは、アルミナイジングプロセスの際も維持され、遮熱コーティングの足場(アンカー)として役立つ。
【0029】
ある例示的なコーティング法では、上述のように、ボンドコート内側層を施工した後、適切な熱処理(工程114)を行ってもよい。或いは又はさらに、アルミナイジング工程の後、適切な熱処理(工程118)を行ってもよい。
【実施例】
【0030】
実施例1
2つの試料群を用意した。第1の群では、直径1インチ(2.54cm)、厚さ0.125インチ(3.2mm)のRene N5(イットリウムなし)超合金試料の上に、約0.006インチ(0.15mm)の公知のボンドコート組成物を堆積させた。ボンドコート組成は、公称、18重量%Cr、6.5重量%Al、10重量%Co、6重量%Ta、2重量%Re、0.3重量%Y、1重量%Si、0.015重量%Zr、0.06重量%C、0.5重量%Hf、0.015重量%Bであり、残部はニッケル及び不可避不純物であった。Rene N5(イットリウムなし)の組成は、公称、7重量%Cr、6.2重量%Al、7.5重量%Co、6.5重量%Ta、5重量%W、3重量%Re、1.5重量%Mo、0.05重量%C、0.15重量%Hf、0.004重量%Bであり、残部はニッケル及び不可避不純物であった。
【0031】
第2の群では、直径1インチ(2.54cm)、厚さ0.125インチ(3.2mm)のRene N5(イットリウムなし)超合金試料の上に、ボンドコート組成物(本発明のもの)を約0.006インチ(0.15mm)堆積させた。このボンドコート組成物は、公称、18重量%Cr、6.5重量%Al、10重量%Co、6重量%Ta、0.3重量%Y、1重量%Si、0.015重量%Zr、0.06重量%C、0.5重量%Hf、0.015重量%Bを含み、残部はニッケル及び不可避不純物であった。
【0032】
2種類のボンドコート組成物の粒度分布は実質的に同じであった。これらのボンドコート組成物は共に堆積時に約400マイクロインチ(約10.6μm)の表面粗さを有していた。
【0033】
両群の試料に、次いで、気相拡散アルミナイドコーティングを約1975°F(1079℃)で4時間堆積させた。しかる後、両群の試料の片面に、約0.012インチ(約0.3mm)の遮熱コーティング(約8重量%のイットリアで安定化したジルコニア)を大気プラズマ溶射法で堆積させた。
【0034】
これらの試料を温度サイクリング法で試験して、遮熱コーティングの耐久性を求めた。この試験法では、試料を、8分間で約2000°F(1093℃)の温度まで加熱して45分間保持し、次いで約10分間で200°F(93℃)未満まで冷却して、1サイクルとする。このサイクル試験に付した試料は20サイクル毎に検査した。
【0035】
100サイクルの試験後、両群の試料共に、遮熱コーティングの損失は全く認められなかった。したがって、本発明に係るボンドコート組成物は、公称約2重量%のReを含む公知のボンドコート組成物の許容できる代替物を提供すると思料される。
【0036】
本明細書に開示した例示的な実施形態は、遮熱コーティングで被覆された物品であって、良好な機械的特性、良好な高温環境耐性及びコーティング系の下層又は物品の基材からのTBCの破砕耐性を有するコーティング系を含むものを提供する。被覆物品は、かかる性質及び特性の組合せによってさらに高い作動温度で使用できる。
【0037】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0038】
20 基材
24 ボンドコート内側層
26 アルミニウム含有層
30 遮熱コーティング
34 ボンドコート
36 遮熱コーティング系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の被覆方法であって、
基材上に、14〜20重量%のCr、5〜8重量%のAl、8〜12重量%のCo、3〜7重量%のTa、0.1〜0.6重量%のHf、0.1〜0.5重量%のY、約1重量%以下のSi、0.005〜0.020重量%のZr、0.04〜0.08重量%のC、0.01〜0.02重量%のBを含み、残部がニッケル(Ni)及び不可避不純物であり、レニウムを実質的に含まないボンドコート組成物の内側ボンドコート層を堆積させる工程と、
内側ボンドコート層を覆うアルミニウム含有層を形成する工程と、
適宜、アルミニウム含有層を覆う遮熱コーティング組成物を堆積させる工程とを含む方法。
【請求項2】
内側ボンドコート層を堆積させる工程が、イオンプラズマ堆積法及び溶射堆積法から選択される堆積法を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
アルミニウム含有層を形成する工程が、ボンドコート層の外側部分にアルミニウム又はアルミニウム合金を拡散させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
遮熱コーティング組成物を堆積させる工程が、物理蒸着法及び大気プラズマ溶射法から選択される堆積法を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
基材上にボンドコート内側層を堆積させた後、アルミニウム含有層を形成する前に、被覆された基材を適切な熱処理に付す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
アルミニウム含有層を形成した後、被覆された基材を適切な熱処理に付す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
選択した堆積法がイオンプラズマ堆積法であり、遮熱コーティング組成物を堆積させる工程が物理蒸着法を含む、請求項2記載の方法。
【請求項8】
選択した堆積法が溶射堆積法であり、遮熱コーティング組成物を堆積させる工程が大気プラズマ溶射法を含む、請求項2記載の方法。
【請求項9】
内側ボンドコート層を堆積させる工程が、約18重量%のCr、約6.5重量%のAl、約10重量%のCo、約6重量%のTa、約0.5重量%のHf、約0.3重量%のY、約1重量%以下のSi、約0.015重量%のZr、約0.06重量%のC、約0.015重量%のBを含み、残部がニッケル(Ni)及び不可避不純物であり、レニウムを実質的に含まないボンドコート組成物を堆積させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
内側ボンドコート層を堆積させる工程が、約18重量%のCr、約6.5重量%のAl、約10重量%のCo、約6重量%のTa、約0.5重量%のHf、約0.3重量%のY、約1重量%のSi、約0.015重量%のZr、約0.06重量%のC、約0.015重量%のB、残部のニッケル及び不可避不純物からなり、レニウムを実質的に含まないボンドコート組成物を堆積させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
内側ボンドコート層を堆積させる工程が、イオンプラズマを利用して十分な量のボンドコート組成物を堆積させて内側ボンドコート層の厚さを約1〜3ミルとすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
遮熱コーティング組成物を堆積させる工程が物理蒸着法を利用することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
内側ボンドコート層を堆積させる工程が溶射堆積法を利用して十分な量のボンドコート組成物を堆積させて内側ボンドコート層の厚さを約2〜15ミルとすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
遮熱コーティング組成物を堆積させる工程が大気プラズマ溶射法を利用することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
アルミニウム合金を拡散させる前に、ボンドコート内側層の上に金属層を施工する工程を含み、金属が、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)又はパラジウム(Pd)からなる群から選択される1種以上の元素である、請求項3記載の方法。
【請求項16】
アルミニウム含有層を形成する工程が、ボンドコート層全体にアルミニウム又はアルミニウム合金を拡散させることを含む、請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−509346(P2011−509346A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540758(P2010−540758)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/086355
【国際公開番号】WO2009/082628
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】