説明

選別装置

【課題】被選別物を選別する精度の向上を図ることができる選別装置を得る。
【解決手段】選別装置1において、一体型検出装置9の第1検出部は、あらかじめ設定された第1検出領域7を被選別物2,3が通過することにより、被選別物2,3の状態を検出する。第1ガス噴射装置10は、除去すべき被選別物3を吹き飛ばすためのガスを、第1検出部による検出結果に応じて、第1噴射ノズル10aから選択的に噴射することにより、第1検出領域7を通過した被選別物のうち、一部の被選別物を除去する。第2ガス噴射装置12は、除去すべき被選別物3を吹き飛ばすためのガスを第2噴射ノズル12aから選択的に噴射することにより、第1噴射ノズル10aの位置を通った被選別物のうち、一部の被選別物を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の被選別物の中から、所望の被選別物を除去する選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンベヤで搬送される複数の角切り野菜の中から光学センサにより不良品を検出し、空気噴射口をそれぞれ有する多数のノズルが直線状に並べられたノズル集合体から空気を選択的に噴射させることにより、不良品を不良品排出室へ吹き飛ばして複数の角切り野菜の中から不良品を除去する角切り野菜の色彩選別機が知られている。このような従来の角切り野菜の色彩選別機では、ノズルからの空気の噴射によって不良品を吹き飛ばすときに、不良品だけでなく、不良品に近接する良品もまとめて吹き飛ばされることがあり、この結果、良品と不良品とを選別する精度が低下する問題があった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来、良品と不良品とを選別する精度を向上させるために、ノズル集合体の各空気噴射口の幅と、互いに隣り合う空気噴射口間の間隔とを従来よりも狭くすることにより、空気噴射口から不良品に向けて噴射された空気を、不良品に近接する良品に当たりにくくした粒状物色彩選別機が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−202206号公報
【特許文献2】特開2006−150177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2に示された従来の粒状物色彩選別機では、各空気噴射口から空気を個別に噴射させる複数の電磁弁や、各ノズルへ空気を供給する空気通路等をノズル集合体に設ける必要があるので、各空気噴射口間の間隔を狭くするには限界がある。従って、良品と不良品とを選別する精度をさらに向上させることができなくなってしまう。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、被選別物を選別する精度の向上を図ることができる選別装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る選別装置は、あらかじめ設定された第1検出領域を被選別物が通過することにより、被選別物の状態を検出する第1検出部、第1噴射ノズルを有し、除去すべき被選別物を吹き飛ばすためのガスを、第1検出部による検出結果に応じて、第1噴射ノズルから選択的に噴射することにより、第1検出領域を通過した被選別物のうち、一部の被選別物を除去する第1ガス噴射装置、及び第2噴射ノズルを有し、除去すべき被選別物を吹き飛ばすためのガスを第2噴射ノズルから選択的に噴射することにより、第1噴射ノズルの位置を通った被選別物のうち、一部の被選別物を除去する第2ガス噴射装置を備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る選別装置では、除去すべき被選別物を吹き飛ばすためのガスが、第1検出部による検出結果に応じて、第1噴射ノズルから選択的に噴射されることにより、第1検出領域を通過した被選別物のうち、一部の被選別物が除去され、この後、除去すべき被選別物を吹き飛ばすためのガスが第2噴射ノズルから選択的に噴射されることにより、第1噴射ノズルの位置を通った被選別物のうち、一部の被選別物が再び除去されるので、除去すべき被選別物を除去する工程を複数回設けることができる。これにより、除去すべき被選別物と除去したくない被選別物とに各被選別物を選別する精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による選別装置を示す構成図である。
【図2】図1のベルトコンベヤの後端部及びその近傍を示す上面図である。
【図3】この発明の実施の形態2による選別装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3による選別装置を示す構成図である。
【図5】図4の第1ガス噴射装置、第2ガス噴射装置及び第3ガス噴射装置を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による選別装置を示す構成図である。図において、選別装置1は、互いに混合した状態となっている複数の被選別物(例えば粒状物や小片等)を、除去したくない被選別物(良品)と、除去すべき被選別物(不良品)とに選別する装置である。選別装置1によって選別される被選別物としては、例えば、米粒(良品)と小石(不良品)とが混合した状態となっているものや、臭素を含まないプラスチック片(良品)と臭素を含むプラスチック片(不良品)とが混合した状態となっているもの等が挙げられる。
【0011】
選別装置1は、互いに混合された良品(除去したくない被選別物)2と不良品(除去すべき被選別物)3とを複数の被選別物として供給する供給装置4と、各被選別物を所定の速度で搬送するベルトコンベヤ(搬送装置)5と、供給装置4からの被選別物をベルトコンベヤ5へ導くすべり台6と、ベルトコンベヤ5の後端部近傍に配置され、互いに異なる位置にあらかじめ設定された第1検出領域7及び第2検出領域8のうち、第1検出領域7を通過する被選別物の状態と、第2検出領域8を通過する被選別物の状態とを個別に検出する一体型検出装置9と、第1検出領域7を通過した被選別物のうち、一部の被選別物を、一体型検出装置9による検出結果に応じて除去する第1ガス噴射装置10と、第1ガス噴射装置10により除去された被選別物を第2検出領域8へ導く案内装置11と、第2検出領域8を通過した被選別物のうち、一部の被選別物を、一体型検出装置9による検出結果に応じて除去する第2ガス噴射装置12と、第1ガス噴射装置10による除去を避けて第1ガス噴射装置10をそのまま通過した被選別物を回収する第1回収箱(第1回収部)13と、第2ガス噴射装置12による除去を避けて第2ガス噴射装置12をそのまま通過した被選別物を回収する第2回収箱(第2回収部)14と、第2ガス噴射装置12により除去された被選別物を回収する第3回収箱(第3回収部)15とを有している。
【0012】
供給装置4は、被選別物としての良品2及び不良品3を互いに混合した状態で収容するホッパ16と、所定量の被選別物をホッパ16からすべり台6へ順次供給する供給装置本体17とを有している。供給装置本体17は、ホッパ16内の被選別物に振動を加えることにより、被選別物をすべり台6へ順次送り出す。
【0013】
すべり台6には、振動装置が取り付けられている。すべり台6上の被選別物は、すべり台6が振動装置によって振動されることにより移動し、ベルトコンベヤ5へ順次送られる。これにより、ベルトコンベヤ5には、所定量の被選別物が一定の割合で供給される。
【0014】
ベルトコンベヤ5は、互いに離して配置された一対のローラ18,19と、各ローラ18,19間に巻かれた無端状のベルト20とを有している。ベルト20は、各ローラ18,19の少なくともいずれかが図示しない駆動機で回転されることにより周回移動される。ベルトコンベヤ5に供給された被選別物は、ベルト20の周回移動により、ベルトコンベヤ5の前端部から後端部へ所定の速度で搬送される。ベルトコンベヤ5の後端部に達した被選別物は、ベルトコンベヤ5の後端部から第1検出領域7に向けて飛び出すようになっている。
【0015】
ここで、図2は、図1のベルトコンベヤ5の後端部及びその近傍を示す上面図である。図1及び図2に示すように、第1検出領域7は、ベルトコンベヤ5の後端部から飛び出した被選別物が自然落下する経路上に設定されている。この例では、第1検出領域7は、ベルトコンベヤ5の後端部に対向する位置に設定されている。また、第1検出領域7の幅は、ベルト20の幅よりも広くなっている。従って、ベルトコンベヤ5から飛び出した被選別物のすべてが第1検出領域7を通過する。
【0016】
第2検出領域8は、ベルトコンベヤ5の後端部から飛び出した被選別物が自然落下する経路から外れた位置に設定されている。従って、ベルトコンベヤ5で搬送された被選別物は、ベルトコンベヤ5の後端部から第2検出領域8を避けて飛び出すこととなる。また、第2検出領域8は、第1検出領域7に隣接する位置に設定されている。この例では、第2検出領域8がベルトコンベヤ5の幅方向について第1検出領域7に隣接している。
【0017】
第1検出領域7及び第2検出領域8は、互いに平行に配置された照射源21及び受信器22間に設定された空間である。照射源21及び受信器22は、第1検出領域7及び第2検出領域8が並ぶ方向(この例では、ベルトコンベヤ5の幅方向)に沿って配置されている。
【0018】
照射源21は、第1検出領域7へ電磁波(例えば、可視光やX線等)を照射する第1照射部21aと、第2検出領域8へ電磁波(例えば、可視光やX線等)を照射する第2照射部21bとにより構成されている。第1照射部21a及び第2照射部21bは、互いに一体となっている。この例では、照射源21の第1検出領域7に接する部分が第1照射部21aとされ、照射源21の第2検出領域8に接する部分が第2照射部21bとされている。
【0019】
受信器22は、第1照射部21aから第1検出領域7を通過した電磁波を受ける第1受信部22aと、第2照射部21bから第2検出領域8を通過した電磁波を受ける第2受信部22bとにより構成されている。第1受信部22a及び第2受信部22bは、互いに一体となっている。この例では、照射源21と平行な直線に沿って並べられた複数の単位受信センサ(図示せず)により受信器22が構成されている。また、各単位受信センサのうち、第1検出領域7に接する単位受信センサが第1受信部22aとされ、第2検出領域8に接する単位受信センサが第2受信部22bとされている。
【0020】
即ち、第1検出領域7は第1照射部21aと第1受信部22aとの間に設定され、第2検出領域8は第2照射部21bと第2受信部22bとの間に設定されている。
【0021】
第1受信部22aで受ける電磁波は、良品2が第1検出領域7を通過するときと、不良品3が第1検出領域7を通過するときとで異なる。また、第2受信部22bで受ける電磁波は、良品2が第2検出領域8を通過するときと、不良品3が第2検出領域8を通過するときとで異なる。受信器22は、第1検出領域7及び第2検出領域8のそれぞれを被選別物が通過するときの電磁波の違いによって、被選別物の状態を検出する。
【0022】
例えば照射源21から照射される電磁波が可視光である場合には、被選別物の色や形が受信器22において検出される。また、照射源21から照射される電磁波がX線である場合には、被選別物のX線の透過率が受信器22において検出される。従って、例えば米粒と小石とが被選別物とされている場合には照射源21からの電磁波が可視光とされ、臭素を含まないプラスチック片と臭素を含むプラスチック片とが被選別物とされている場合には照射源21からの電磁波がX線とされる。受信器22で受けた電磁波の情報は、図示しない制御部(判別部)へ送られる。
【0023】
第1照射部21a及び第1受信部22aは、第1検出領域7を通過する被選別物の状態を検出する第1検出部を構成している。第2照射部21b及び第2受信部22bは、第2検出領域8を通過する被選別物の状態を検出する第2検出部を構成している。一体型検出装置9は、第1検出部及び第2検出部を有している。
【0024】
制御部は、第1受信部22aからの情報に基づいて(即ち、一体型検出装置9の第1検出部による検出結果に基づいて)、第1検出領域7を通過した被選別物を良品2及び不良品3のいずれかとして判別し、第2受信部22bからの情報に基づいて(即ち、一体型検出装置9の第2検出部による検出結果に基づいて)、第2検出領域8を通過した被選別物を良品2及び不良品3のいずれかとして判別する。また、制御部は、第1受信部22aからの情報に基づく判別結果に応じて第1ガス噴射装置10を制御し、第2受信部22bからの情報に基づく判別結果に応じて第2ガス噴射装置12を制御する。
【0025】
第1ガス噴射装置10は、ベルトコンベヤ5の後端部から飛び出した被選別物の進行方向について第1検出領域7よりも下流側に配置された第1噴射ノズル10aを有している。第1噴射ノズル10aには、被選別物の進行方向に対して交差する方向(この例では、ベルトコンベヤ5の幅方向)へ互いに間隔を置いて配置された複数のガス噴射口(図示せず)が一列に設けられている。また、第1噴射ノズル10aには、各ガス噴射口へガスを導くガス通路と、各ガス噴射口からのガスの噴射を個別に行うための複数の電磁弁とが設けられている(いずれも図示せず)。
【0026】
第1ガス噴射装置10は、制御部の制御により、不良品3を吹き飛ばすためのガス(この例では、空気)を、一体型検出装置9の第1検出部による検出結果に応じて、第1噴射ノズル10aの各ガス噴射口から選択的に噴射する。即ち、第1ガス噴射装置10は、制御部の制御により、第1検出領域7を通過した被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングでガスを第1噴射ノズル10aの各ガス噴射口から選択的に噴射する。
【0027】
第1検出領域7を通過した被選別物のうち、一部の被選別物は、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射で吹き飛ばされることにより進行方向を変えて、案内装置11へ除去される。この例では、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により被選別物が吹き飛ばされることにより、被選別物の進行方向が下方へ変えられる。一方、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射による除去を避けて第1噴射ノズル10aの位置を通過した被選別物は、そのまま自然落下して第1回収箱13に回収される。
【0028】
ここで、例えば、単位空間当たりの被選別物の数が多い場合や、被選別物が比較的小さい場合等には、第1噴射ノズル10aから噴射されたガスにより、不良品3だけでなく、不良品3に近接する良品2もまとめて吹き飛ばされることがある。従って、第1噴射ノズルからのガスの噴射により除去された一部の被選別物には、不良品3だけでなく、良品2も含まれることがある。
【0029】
案内装置11は、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により除去された被選別物を回収する受け部23と、受け部23の下端部に設けられ、受け部23で回収した被選別物を、第1検出領域7を避けて第2検出領域8へ導く放出部24とを有している。
【0030】
受け部23は、第1噴射ノズル10aの下方に配置されている。また、受け部23は、下端部から上端部に向かって拡がって上端部で開放されたケースとなっている。受け部23の底面は、放出部24に向かって下方へ傾斜している。
【0031】
放出部24は、第2検出領域8に向かって下方へ傾斜する管状部材である。受け部23から放出部24に進入した被選別物は、放出部24の傾斜によって放出部24を滑りながら移動し、放出部24から第2検出領域8へ飛び出すようになっている。これにより、被選別物が放出部24から飛び出す方向は、被選別物がベルトコンベヤ5の後端部から飛び出す方向に対して略逆方向となる。即ち、第1検出領域7を通過した被選別物のうち、一部の被選別物の進行方向は、第1ガス噴射装置10及び案内装置11により、第2検出領域8に向かって反転される。
【0032】
第2ガス噴射装置12は、放出部24から飛び出した被選別物の進行方向について第2検出領域8よりも下流側に配置された第2噴射ノズル12aを有している。第2噴射ノズル12aには、第1噴射ノズル10aと同様に、被選別物の進行方向に対して交差する方向(この例では、ベルトコンベヤ5の幅方向)へ互いに間隔を置いて配置された複数のガス噴射口(図示せず)が一列に設けられている。また、第2噴射ノズル12aには、各ガス噴射口へガスを導くガス通路と、各ガス噴射口からのガスの噴射を個別に行うための複数の電磁弁とが設けられている(いずれも図示せず)。
【0033】
第2ガス噴射装置12は、制御部の制御により、不良品3を吹き飛ばすためのガス(この例では、空気)を、一体型検出装置9の第2検出部による検出結果に応じて、第2噴射ノズル12aの各ガス噴射口から選択的に噴射する。即ち、第2ガス噴射装置12は、制御部の制御により、第2検出領域8を通過した被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングでガスを第2噴射ノズル12aの各ガス噴射口から選択的に噴射する。この例では、第1噴射ノズル12aのガスの噴射方向が鉛直下向きとされている。
【0034】
第2検出領域8を通過した被選別物のうち、一部の被選別物は、第2噴射ノズル12aからのガスの噴射で吹き飛ばされることにより進行方向を変えて除去され、第3回収箱15に回収される。この例では、第2噴射ノズル12aからのガスの噴射により吹き飛ばされた被選別物の進行方向が下方へ変えられる。一方、第2噴射ノズル12aからのガスの噴射による除去を避けて第2噴射ノズル12aの位置を通過した被選別物は、そのまま自然落下して第2回収箱14に回収される。
【0035】
次に、動作について説明する。複数の被選別物が供給装置4からすべり台6を介してベルトコンベヤ5に供給されると、各被選別物は、ベルトコンベヤ5の前端部から後端部へ所定の速度で搬送される。ベルトコンベヤ5の後端部に達した被選別物は、ベルトコンベヤ5の後端部から飛び出して第1検出領域7を通過し、第1噴射ノズル10aの位置へ進む。
【0036】
各被選別物が第1検出領域7を通過すると、第1検出領域7を通過した被選別物の状態が一体型検出装置9の第1検出部によって検出される。この後、第1検出部による検出結果の情報が制御部へ送られ、制御部において、第1検出領域7を通過した被選別物が良品2であるのか不良品3であるのかが各被選別物について判別される。
【0037】
この後、各被選別物が第1噴射ノズル10aの位置に達すると、制御部による第1ガス噴射装置10の制御によって、各被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングで第1噴射ノズル10aの各ガス噴射口からガスが選択的に噴射される。これにより、第1検出領域7を通過した各被選別物のうち、一部の被選別物が吹き飛ばされて除去され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進む。このとき、第1噴射ノズル10aから噴射されたガスによって、不良品3だけでなく良品2もまとめて吹き飛ばされることがあるので、除去された被選別物には、不良品3だけでなく、良品2も含まれている。
【0038】
この後、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により除去された被選別物は受け部23に回収され、除去されずにそのまま進んだ被選別物は第1回収箱13に回収される。
【0039】
受け部23に回収された被選別物は、受け部23の底面の傾斜によって放出部24へ導かれ、放出部24から第2検出領域8へ飛び出す。放出部24から飛び出した被選別物は、第2検出領域8を通過し、第2噴射ノズル12aの位置へ進む。
【0040】
各被選別物が第2検出領域8を通過すると、第2検出領域8を通過した被選別物の状態が一体型検出装置9の第2検出部によって検出される。この後、第2検出部による検出結果の情報が制御部へ送られ、制御部において、第2検出領域8を通過した被選別物が良品2であるのか不良品3であるのかが各被選別物について判別される。
【0041】
この後、被選別物が第2噴射ノズル12aの位置に達すると、制御部による第2ガス噴射装置12の制御によって、各被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングで第2噴射ノズル12aの各ガス噴射口からガスが選択的に噴射される。これにより、第2検出領域8を通過した各被選別物のうち、一部の被選別物が吹き飛ばされて除去され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進む。
【0042】
この後、第2噴射ノズル12aからのガスの噴射により除去された被選別物は第3回収箱15に回収され、除去されずにそのまま進んだ被選別物は第2回収箱14に回収される。
【0043】
このような選別装置1では、不良品3を吹き飛ばすためのガスが、一体型検出装置9の第1検出部による検出結果に応じて第1噴射ノズル10aから選択的に噴射されることにより、第1検出領域7を通過した被選別物のうち、一部の被選別物が除去され、この後、不良品3を吹き飛ばすためのガスが第2噴射ノズル12aから選択的に噴射されることにより、第1噴射ノズル10aの位置を通った被選別物のうち、一部の被選別物が再び除去されるので、不良品3を除去する工程を複数回設けることができる。これにより、除去すべき被選別物(不良品)と除去したくない被選別物(良品)とに各被選別物を選別する精度を大幅に向上させることができる。
【0044】
また、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により除去された被選別物の状態が一体型検出装置9の第2検出部により検出され、第2噴射ノズル12aからのガスの噴射が、第2検出部による検出結果に応じて行われるので、第1噴射ノズル10aの位置だけでなく、第2噴射ノズル12aの位置においても、各被選別物から不良品3をより確実に除去することができる。
【0045】
また、一体型検出装置9において、第1照射部21a及び第2照射部21bが互いに一体となって照射源21が構成され、第1受信部22a及び第2受信部22bが互いに一体となって受信器22が構成されているので、一体型検出装置9を構成する部品点数を少なくすることができ、コストの低減を図ることができる。また、一体型検出装置9の小形化を図ることもできる。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態1では、第1検出領域7を通過する被選別物の状態を検出する第1検出部と、第2検出領域8を通過する被選別物の状態を検出する第2検出部とが一体となっているが、第1検出部と第2検出部とを別個独立にしてもよい。
【0047】
即ち、図3は、この発明の実施の形態2による選別装置を示す構成図である。図において、第1検出領域7は、実施の形態1と同様に、ベルトコンベヤ5の後端部に対向する位置に設定されている。第2検出領域8は、第1検出領域7から離れた位置に設定されている。また、第2検出領域8は、案内装置11の下方に設定されている。第1検出領域7を通過する被選別物の状態を検出する第1検出装置(第1検出部)31と、第2検出領域8を通過する被選別物の状態を検出する第2検出装置(第2検出部)32とは、互いに離して配置されている。
【0048】
第1検出装置31は、第1検出領域7へ電磁波(例えば、可視光やX線等)を照射する第1照射部33と、第1照射部33から離して配置され、第1照射部33から第1検出領域7を通過した電磁波を受ける第1受信部34とを有している。第1検出領域7は、第1照射部33及び第1受信部34間に設定されている。
【0049】
第1照射部33は、ベルトコンベヤ5の幅方向に沿って配置されている。第1受信部34は、第1照射部33と平行に配置されている。また、第1受信部34は、第1照射部33と平行な直線に沿って並べられた複数の単位受信センサ(図示せず)により構成されている。第1検出装置31は、第1検出領域7を被選別物が通過するときに第1受信部34が受ける電磁波の違いによって、被選別物の状態を検出する。
【0050】
第2検出装置32は、第2検出領域8へ電磁波(例えば、可視光やX線等)を照射する第2照射部35と、第2照射部35から離して配置され、第2照射部35から第2検出領域8を通過した電磁波を受ける第2受信部36とを有している。第2照射部35及び第2受信部36は、水平方向について第2検出領域8を介して互いに対向している。従って、第2検出領域8は、第2照射部35及び第2受信部36間に設定されている。
【0051】
第2照射部35は、ベルトコンベヤ5の幅方向に沿って配置されている。第2受信部36は、第2照射部35と平行に配置されている。また、第2受信部36は、第2照射部35と平行な直線に沿って並べられた複数の単位受信センサ(図示せず)により構成されている。第2検出装置32は、第2検出領域8を被選別物が通過するときに第2受信部36が受ける電磁波の違いによって、被選別物の状態を検出する。
【0052】
即ち、この例では、第1照射部33、第1受信部34、第2照射部35及び第2受信部36が互いに離して配置されている
【0053】
第1受信部34及び第2受信部36のそれぞれで受けた電磁波の情報は、制御部へ送られる。制御部は、第1受信部34からの情報に基づいて、第1検出領域7を通過した被選別物を良品2及び不良品3のいずれかとして判別し、第2受信部36からの情報に基づいて、第2検出領域8を通過した被選別物を良品2及び不良品3のいずれかとして判別する。また、制御部は、第1受信部34からの情報に基づく判別結果に応じて第1ガス噴射装置10を制御し、第2受信部36からの情報に基づく判別結果に応じて第2ガス噴射装置12を制御する。
【0054】
案内装置11は、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により除去された被選別物を回収する受け部37と、受け部37の下端部に設けられ、受け部37で回収した被選別物を、第1検出領域7を避けて第2検出領域8へ導く放出部38とを有している。
【0055】
受け部37は、第1噴射ノズル10aの下方に配置されている。また、受け部37は、下端部から上端部に向かって拡がって上端部で開放されたケースとなっている。
【0056】
放出部38は、受け部37の下端部から鉛直線に沿って下方へ突出した管状部材である。受け部37から放出部38に進入した被選別物は、放出部38内の細く絞られた範囲を移動し、放出部38から第2検出領域8へ飛び出すようになっている。これにより、被選別物が放出部38から飛び出す方向は、鉛直下向きとなる。この例では、被選別物が放出部38から第2検出領域8へ飛び出す範囲が、放出部38内の細く絞られた範囲に制限されることにより、第2検出領域8及び第2検出装置32のそれぞれの縮小化が図られている。
【0057】
なお、この例では、第2噴射ノズル12aのガスの噴射方向は、水平方向とされている。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0058】
次に、動作について説明する。被選別物がベルトコンベヤ5の後端部から飛び出して第1検出領域7を通過するまでの動作は、実施の形態1と同様である。被選別物が第1検出領域7を通過すると、第1検出領域7を通過した被選別物の状態が第1検出装置31によって検出される。この後、第1検出装置31による検出結果の情報が制御部へ送られ、制御部において、第1検出領域7を通過した被選別物が良品2であるのか不良品3であるのかが各被選別物について判別される。
【0059】
この後、各被選別物が第1噴射ノズル10aの位置に達すると、制御部による第1ガス噴射装置10の制御により、不良品3を吹き飛ばすタイミングでガスが第1噴射ノズル10aの各ガス噴射口から選択的に噴射される。これにより、被選別物のうち、一部の被選別物が除去されて受け部37に回収され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進んで第1回収箱13に回収される。
【0060】
受け部37に回収された被選別物は、受け部37の案内によって放出部38へ導かれる。受け部37から放出部38に導かれた被選別物は、放出部38内の細く絞られた範囲を移動し、放出部38から鉛直線に沿って下方へ飛び出す。放出部24から飛び出した被選別物は、第2検出領域8を通過し、第2噴射ノズル12aの位置へ進む。
【0061】
各被選別物が第2検出領域8を通過すると、被選別物の状態が第2検出装置32によって検出される。この後、第2検出装置32による検出結果の情報が制御部へ送られ、制御部において、第2検出領域8を通過した被選別物が良品2であるのか不良品3であるのかが各被選別物について判別される。
【0062】
この後、被選別物が第2噴射ノズル12aの位置に達すると、制御部による第2ガス噴射装置12の制御により、不良品3を吹き飛ばすタイミングでガスが第2噴射ノズル12aの各ガス噴射口から選択的に噴射される。これにより、第2検出領域8を通過した被選別物のうち、一部の被選別物が除去されて第3回収箱15に回収され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進んで第2回収箱14に回収される。
【0063】
このような選別装置1では、第1照射部33、第1受信部34、第2照射部35及び第2受信部36が互いに離して配置されているので、第2検出領域8を第1検出領域7から離れた位置に設定することができる。これにより、第1検出装置31に対する第2検出装置32のレイアウトの自由度の向上を図ることができる。
【0064】
なお、実施の形態1及び2では、被選別物を強制的に移動させる装置が案内装置11に設けられていないが、例えば、被選別物に振動を加えることにより被選別物を強制的に移動させる振動装置を案内装置11に設けたり、ベルトコンベヤを案内装置11としたりしてもよい。
【0065】
また、実施の形態1及び2では、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により除去された被選別物が案内装置11に一旦回収された後に第2検出領域8へ導かれるようになっているが、第1噴射ノズル10aからのガスの噴射により除去された被選別物の進行方向が第2検出領域8に向かう方向となっているのであれば、案内装置11で被選別物を一旦回収しなくても第2検出領域8に被選別物をそのまま通過させることができるので、案内装置11はなくてもよい。
【0066】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3による選別装置を示す構成図である。図において、第1検出領域7よりもベルトコンベヤ5の後端部から離れた位置には、第1検出領域7を通過した被選別物のうち、一部の被選別物を除去するガス噴射装置群41が設けられている。ガス噴射装置群41によって除去された被選別物は不良品回収箱42に回収され、ガス噴射装置群41による除去を避けて残った被選別物は良品回収箱43に回収される。
【0067】
ガス噴射装置群41には、第1噴射ノズル44aを有する第1ガス噴射装置44と、第2噴射ノズル45aを有する第2ガス噴射装置45と、第3噴射ノズル46aを有する第3ガス噴射装置46とが含まれている。第1噴射ノズル44aは、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aのそれぞれの位置よりも第1検出領域7に近い位置に配置されている。第2噴射ノズル45aは、第3噴射ノズル46aの位置よりも第1検出領域7に近い位置に配置されている。第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aのそれぞれは、ガスを噴射して被選別物を吹き飛ばすことにより、被選別物の中から一部の被選別物を除去する。
【0068】
図5は、図4の第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aを示す下面図である。図4及び図5において、第2噴射ノズル45aは、第1噴射ノズル44aからのガスによる除去を避けて第1噴射ノズル44aの位置を通過した被選別物の進行方向へ第1噴射ノズル44aに対して間隔を置いて配置されている。第3噴射ノズル46aは、第2噴射ノズル45aからのガスによる除去を避けて第2噴射ノズル45aの位置を通過した被選別物の進行方向へ第2噴射ノズル45aに対して間隔を置いて配置されている。即ち、第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aは、第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aのそれぞれで除去されずにそのまま進む被選別物の進行方向(図5の矢印の方向)へ互いに間隔を置いて配置されている。また、第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aのそれぞれは、被選別物の進行方向に対して交差する方向(この例では、ベルトコンベヤ5の幅方向)に長さを持つノズルである。第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aは、互いに平行に配置されている。
【0069】
第1噴射ノズル44aには、第1噴射ノズル44aの長さ方向へ互いに間隔を置いて配置された複数のガス噴射口47が一列に設けられている。また、第1噴射ノズル44aには、各ガス噴射口47へガスを導くガス通路と、各ガス噴射口47からのガスの噴射を個別に行うための複数の電磁弁とが設けられている(いずれも図示せず)。
【0070】
第2噴射ノズル45aには、第2噴射ノズル45aの長さ方向へ互いに間隔を置いて配置された複数のガス噴射口48が一列に設けられている。また、第2噴射ノズル45aには、各ガス噴射口48へガスを導くガス通路と、各ガス噴射口48からのガスの噴射を個別に行うための複数の電磁弁とが設けられている(いずれも図示せず)。
【0071】
第3噴射ノズル46aには、第3噴射ノズル46aの長さ方向へ互いに間隔を置いて配置された複数のガス噴射口49が一列に設けられている。また、第3噴射ノズル46aには、各ガス噴射口49へガスを導くガス通路と、各ガス噴射口49からのガスの噴射を個別に行うための複数の電磁弁とが設けられている(いずれも図示せず)。
【0072】
各ガス噴射口47,48,49の断面の大きさ及び形状は、それぞれ同一とされている。また、各ガス噴射口47,48,49の断面形状は、長方形とされている。
【0073】
被選別物の進行方向に沿って第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aを見たときの各ガス噴射口49の中心は、各ガス噴射口47及び各ガス噴射口48のそれぞれの中心に対して、第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aの長さ方向へずれている。また、被選別物の進行方向に沿って第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aを見たときの各ガス噴射口48の中心は、各ガス噴射口47の中心に対して、第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aの長さ方向へずれている。
【0074】
被選別物の進行方向に沿って第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aを見たときのガス噴射口47は、その一端部でガス噴射口48と重なり、その他端部でガス噴射口49と重なっている。被選別物の進行方向に沿って第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aを見たときのガス噴射口48は、その一端部でガス噴射口47と重なり、その他端部でガス噴射口49と重なっている。被選別物の進行方向に沿って第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aを見たときのガス噴射口49は、その一端部でガス噴射口47と重なり、その他端部でガス噴射口48と重なっている。即ち、被選別物の進行方向に沿って第1〜第3噴射ノズル44a、45a、46aを見たときに、ガス噴射口47及びガス噴射口48のそれぞれの一部同士、ガス噴射口48及びガス噴射口49のそれぞれの一部同士、及び、ガス噴射口47及びガス噴射口49のそれぞれの一部同士が、それぞれ重なっている。
【0075】
第1検出領域7を通過した被選別物の状態は、実施の形態2と同様の構成とされた第1検出装置31により検出される。第1検出装置31からの情報は、図示しない制御部へ送られる。制御部は、第1検出装置31の第1受信部34からの情報に基づいて、第1検出領域7を通過した被選別物を良品2及び不良品3のいずれかとして判別する。また、制御部は、第1受信部34からの情報に基づく判別結果に応じて、第1ガス噴射装置44、第2ガス噴射装置45及び第3ガス噴射装置46のそれぞれを制御する。
【0076】
第1ガス噴射装置44、第2ガス噴射装置45及び第3ガス噴射装置46のそれぞれは、制御部の制御により、不良品3を吹き飛ばすためのガス(この例では、空気)を、第1検出装置31による検出結果に応じて、第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aのそれぞれから選択的に噴射する。
【0077】
なお、この例では、実施の形態2による案内装置11、第2検出装置32、第2ガス噴射装置12、第1回収箱13、第2回収箱14及び第3回収箱15は設けられていない。他の構成は実施の形態2と同様である。
【0078】
次に、動作について説明する。制御部において、第1検出領域7を通過した被選別物が良品2であるのか不良品3であるのかが各被選別物について判別されるまでの動作は、実施の形態2と同様である。
【0079】
被選別物が第1噴射ノズル44aの位置に達すると、制御部による第1ガス噴射装置44の制御によって、各被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングで第1噴射ノズル44aの各ガス噴射口47からガスが選択的に噴射される。これにより、第1検出領域7を通過した各被選別物のうち、一部の被選別物が吹き飛ばされて除去され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進む。
【0080】
第1噴射ノズル44aの位置で除去されずにそのまま進んだ被選別物は、第2噴射ノズル45aの位置に達する。被選別物が第2噴射ノズル45aの位置に達すると、制御部による第2ガス噴射装置45の制御によって、各被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングで第2噴射ノズル45aの各ガス噴射口48からガスが選択的に噴射される。これにより、第1噴射ノズル44aの位置を通過した各被選別物のうち、一部の被選別物が吹き飛ばされて除去され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進む。
【0081】
第2噴射ノズル45aの位置で除去されずにそのまま進んだ被選別物は、第3噴射ノズル46aの位置に達する。被選別物が第3噴射ノズル46aの位置に達すると、制御部による第3ガス噴射装置46の制御によって、各被選別物の中から不良品3を吹き飛ばすタイミングで第3噴射ノズル46aの各ガス噴射口49からガスが選択的に噴射される。これにより、第2噴射ノズル45aの位置を通過した各被選別物のうち、一部の被選別物が吹き飛ばされて除去され、残りの被選別物が除去されずにそのまま進む。
【0082】
第1噴射ノズル44a、第2噴射ノズル45a及び第3噴射ノズル46aのそれぞれの位置で除去された被選別物は、不良品回収箱42に回収される。第3噴射ノズル46aの位置に除去されずにそのまま進んだ被選別物は、良品回収箱43に回収される。
【0083】
このような選別装置1では、第1噴射ノズル44a及び第2噴射ノズル45aが、第1噴射ノズル44aによる除去を避けてそのまま進む被選別物の進行方向へ互いに間隔を置いて配置され、被選別物の進行方向に沿って第1噴射ノズル44a及び第1噴射ノズル44aを見たときに、各ガス噴射口48の中心が各ガス噴射口47の中心に対してずれており、かつ、ガス噴射口47及びガス噴射口48のそれぞれの一部同士が重なっているので、被選別物が各ガス噴射口47の間を通過することにより第1噴射ノズル44aによっては除去できない不良品3を、第2噴射ノズルの各ガス噴射口48からのガスの噴射により除去することができる。これにより、被選別物の中から不良品3をより確実に除去することができ、被選別物を選別する精度の向上を図ることができる。
【0084】
なお、上記の例では、3つのガス噴射装置44、45、46がガス噴射装置群41に含まれているが、ガス噴射装置群41に含まれるガス噴射装置の数は、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0085】
また、上記の例におけるガス噴射装置群41を実施の形態1又は2の選別装置1に適用してもよい。
【0086】
また、各上記実施の形態では、被選別物を強制的に移動させる振動装置がすべり台6に設けられているが、すべり台6をベルトコンベヤとしてもよい。また、すべり台6の傾斜によって被選別物が滑りながら自然に移動するのであれば、振動装置をすべり台6に設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 選別装置、7 第1検出領域、8 第2検出領域、9 一体型検出装置、10 第1ガス噴射装置、10a 第1噴射ノズル、11 案内装置、12 第2ガス噴射装置、12a 第2噴射ノズル、21a 第1照射部、21b 第2照射部、22a 第1受信部、22b 第2受信部、31 第1検出装置(第1検出部)、32 第2検出装置(第2検出部)、33 第1照射部、34 第1受信部、35 第2照射部、36 第2受信部、44 第1ガス噴射装置、44a 第1噴射ノズル、45 第2ガス噴射装置、45a 第2噴射ノズル、47,48,49 ガス噴射口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ設定された第1検出領域を被選別物が通過することにより、上記被選別物の状態を検出する第1検出部、
第1噴射ノズルを有し、除去すべき上記被選別物を吹き飛ばすためのガスを、上記第1検出部による検出結果に応じて、上記第1噴射ノズルから選択的に噴射することにより、上記第1検出領域を通過した上記被選別物のうち、一部の上記被選別物を除去する第1ガス噴射装置、及び
第2噴射ノズルを有し、除去すべき上記被選別物を吹き飛ばすためのガスを上記第2噴射ノズルから選択的に噴射することにより、上記第1噴射ノズルの位置を通った上記被選別物のうち、一部の上記被選別物を除去する第2ガス噴射装置
を備えていることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
上記第1噴射ノズルからのガスの噴射により除去された上記被選別物が、上記第1検出領域と異なる位置に設定された第2検出領域を通過することにより、上記被選別物の状態を検出する第2検出部
をさらに備え、
上記第2ガス噴射装置は、除去すべき上記被選別物を吹き飛ばすためのガスを、上記第2検出装置による検出結果に応じて、上記第2噴射ノズルから選択的に噴射することにより、上記第2検出領域を通過した上記被選別物のうち、一部の上記被選別物を除去することを特徴とする請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
上記第1噴射ノズルからのガスの噴射により除去された上記被選別物を上記第2検出領域へ導く案内装置
をさらに備え、
上記第1検出領域及び上記第2検出領域は、互いに隣接する位置に設定され、
上記第1検出部は、第1照射部と、上記第1照射部から上記第1検出領域を通過した電磁波を受ける第1受信部とを有し、
上記第2検出部は、第2照射部と、上記第2照射部から上記第2検出領域を通過した電磁波を受ける第2受信部とを有しており、
上記第1照射部及び上記第2照射部は、互いに一体に構成され、
上記第1受信部及び上記第2受信部は、互いに一体に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の選別装置。
【請求項4】
上記第1噴射ノズルからのガスの噴射により除去された上記被選別物を上記第2検出領域へ導く案内装置
をさらに備え、
上記第1検出部は、第1照射部と、上記第1照射部から上記第1検出領域を通過した電磁波を受ける第1受信部とを有し、
上記第2検出部は、第2照射部と、上記第2照射部から上記第2検出領域を通過した電磁波を受ける第2受信部とを有しており、
上記第1照射部、上記第2照射部、上記第1受信部及び上記第2受信部は、互いに離して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の選別装置。
【請求項5】
上記第2噴射ノズルは、上記第1噴射ノズルからのガスの噴射による除去を避けて上記第1噴射ノズルの位置を通過した上記被選別物の進行方向へ上記第1噴射ノズルに対して間隔を置いて配置され、
上記第1噴射ノズル及び上記第2噴射ノズルには、上記被選別物の進行方向に対して交差する方向へ互いに間隔を置いて配置された複数のガス噴射口がそれぞれ設けられ、
上記被選別物の進行方向に沿って上記第1噴射ノズル及び上記第2噴射ノズルを見たときに、上記第2噴射ノズルの上記ガス噴射口の中心が、上記第1噴射ノズルの上記ガス噴射口の中心に対してずれており、かつ、上記第1噴射ノズル及び上記第2噴射ノズルのそれぞれの上記ガス噴射口の一部同士が重なっていることを特徴とする請求項1に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−55859(P2012−55859A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203363(P2010−203363)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、経済産業省、産業技術研究開発委託費(プラスチック高度素材別分別技術開発)、委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】