還元的アミノ化によって製造される、ヒドロキシアルキルデンプンとタンパク質とのコンジュゲート
本発明はヒドロキシアルキルデンプン(ヒドロキシエチルデンプンが好ましい)とタンパク質とのコンジュゲートに関し、ここで、これらのコンジュゲートはヒドロキシアルキルデンプンまたはヒドロキシアルキルデンプンの誘導体の少なくとも1個のアルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基と、該タンパク質の少なくとも1個のアミノ基との間の還元的アミノ化反応によって形成され、その結果、該ヒドロキシアルキルデンプンまたはその誘導体は、アゾメチン結合またはアミノ結合を介して該タンパク質と共有結合する。本発明はまた、これらのコンジュゲートを製造する方法、および該コンジュゲートの具体的な使用にも関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質およびポリマーを含有するコンジュゲートの製造方法であって、ここで、ポリマーはヒドロキシアルキルデンプンであり、
該方法は、
(a)(1)該ポリマー中に、開環酸化反応によって少なくとも1つのアルデヒド基を導入し、または、
(a)(2)該ポリマーを少なくとも二官能性である化合物と反応させ、ここで、該化合物は2個の官能基MおよびQを含有し、1つの官能基Mは該ポリマーと反応し、1つの官能基Qは、
(i)アルデヒド基、ケト基、もしくはヘミアセタール基であるか;または、
(ii)化学的に修飾されて、アルデヒド基、ケト基、もしくはヘミアセタール基で官能化されたポリマー誘導体を与える官能基であり;そして、
(b)還元的アミノ化によって、該ポリマーもしくはその誘導体の少なくとも1つのアルデヒド基、ケト基、もしくはヘミアセタール基で、該タンパク質の少なくとも1個のアミノ基と共有結合する、
ことを含む、該方法。
【請求項2】
ヒドロキシアルキルデンプンはヒドロキシエチルデンプンである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該ヒドロキシエチルデンプンは分子量が2〜200KDを有し、4〜130KDが好ましく、4〜70KDがより好ましい、請求項2記載の方法。
【請求項4】
該還元的アミノ化は水性媒質中で行なう、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
該還元的アミノ化はNaCNBH3の存在下で行なう、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
該還元的アミノ化はpHが7.5で、好ましくは7以下で行なう、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
pHは6以下である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
該還元的アミノ化は温度が0〜25℃で行なう、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
(a)(1)において、該ポリマーは過ヨウ素酸を用いる開環酸化反応を行なって、少なくとも1個のアルデヒド基を有するポリマー誘導体を与える、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
該開環酸化反応は水性媒質中で行なう、請求項9記載の方法。
【請求項11】
該開環酸化反応は温度が0〜5℃で行なう、請求項9または10のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項12】
該ポリマーは非酸化型形態の還元末端について使用する、請求項9〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
(a)(2)(i)において、官能基Mは、カルボキシ基または反応性カルボキシ基であり、そして官能基Qはアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
MおよびQを含有する該二官能性化合物は、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、および4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からなる群から選ばれる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
(a)(2)(ii)において、該官能基Mはアミノ基であり、そして該官能基Qはアミノ基である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
2個のアミノ基MおよびQを含有する該化合物は、炭素数が2〜20個の場合により置換されたジアミノアルカンである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
該ジアミノアルカンは、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、および1,4−ジアミノブタンからなる群から選ばれる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
更に、該ポリマー誘導体(該ポリマーと、2個のアミノ基MおよびQを含有する少なくとも二官能性である化合物とを、アミノ基Qにおいて、反応させることから得られる)と、カルボキシ基または反応性カルボキシ基、およびアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を含有する更なる二官能性化合物とを反応させて、アルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を有するポリマー誘導体を得ることを含む、請求項15〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
更なる二官能性化合物は、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、および4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からなる群から選ばれる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
2個のアミノ基MおよびQを含有する該化合物のアミノ基Qはベータヒドロキシアミノ基である、請求項15記載の方法。
【請求項21】
該ベータヒドロキシアミノ基は酸化されてアルデヒド基を与える、請求項20記載の方法。
【請求項22】
Qはベータヒドロキシアミノ基である、2個のアミノ基MおよびQを含有する該化合物は、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンである、請求項20または21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
酸化反応は過ヨウ素酸を用いて行なう、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
該タンパク質は、EPO、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ、AT III、IL−2、IL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれ、好ましくはrhEPO、rhG−CSF、rhIFNアルファ、rhIFNベータ、rhAT III、rhIL−2、rhIL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれるか、またはA1AT、VII因子、VIII因子、IX因子、tPA、およびAPCからなる群から選ばれる、請求項1〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものである、タンパク質およびポリマーを含有するコンジュゲート。
【請求項26】
該ポリマーまたはその誘導体は、アゾメチンおよび/またはアミノ結合によって該タンパク質のN−末端アミノ基と優先的にカップリングして、該反応に使用するタンパク質はN−末端アミノ基、および少なくとも1つの更なるアミノ基、好ましくは更なるリシン基を含有する、請求項25記載のコンジュゲート。
【請求項27】
開環酸化反応によって、該ポリマー中に導入される少なくとも1個のアルデヒド基を含有する使用ポリマーは、式:
【化1】
[式中、
R1は、水素、または炭素数が2〜10個であるヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基、またはヒドロキシアルカリール基である]
で記載する少なくとも1個の構造式を含む、請求項25または26のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項28】
該タンパク質は、アゾメチンおよび/またはアミノ結合によって該ポリマー誘導体と共有結合し、ここで、該誘導体は、該ポリマーと、2個のアミノ基MおよびQを含有する化合物との官能基Mを介する反応から得られ、
該得られる化合物は更に、カルボキシ基または反応性カルボキシ基、およびアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を含有する更なる二官能性化合物とQを介して更に反応し、
該カルボキシ基または反応性カルボキシ基は、アミノ基Qとアミド結合を形成し、
該アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基は還元的アミノ化によって、該タンパク質のアミノ基と反応する、
請求項25または26のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項29】
カルボキシ基もしくは反応性カルボキシ基、およびアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を含有する更なる二官能性化合物は、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、および4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からなる群から選ばれる、請求項28記載のコンジュゲート。
【請求項30】
構造式:
【化2】
[式中、
該ポリマーはその酸化型還元末端を介して反応し、R1、R2およびR3は独立して水素またはヒドロキシアルキル基であり、nは2、3または4であり、R4は独立して水素またはメトキシ基であり、そしてR4が水素である場合にはmは0であり、そしてR4がメトキシである場合にはmは1である]
を有する、請求項29記載のコンジュゲート。
【請求項31】
該タンパク質は、該ポリマー誘導体とアゾメチンおよび/またはアミノ結合を介して共有結合し、
該誘導体は、該ポリマーと、Qがベータヒドロキシアミノ基である2個のアミノ基MおよびQを含有する化合物との反応、並びにアルデヒド基を与える該ベータヒドロキシアミノ基Qの酸化、から得られる、請求項25または26のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項32】
Qはベータヒドロキシアミノ基である2個のアミノ基MおよびQを含有する化合物は、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンである、請求項31記載のコンジュゲート。
【請求項33】
構造式:
【化3】
[式中、
該ポリマーはその酸化型還元末端で反応し、R1、R2およびR3は独立して水素またはヒドロキシアルキル基である]
を有する、請求項32記載のコンジュゲート。
【請求項34】
該タンパク質は、EPO、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ、AT III、IL−2、IL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれる、請求項25〜33のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項35】
該タンパク質は、rhEPO、rhG−CSF、rhIFNアルファ、rhIFNベータ、rhAT III、rhIL−2、rhIL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれる、請求項25〜33のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項36】
該タンパク質は、A1AT、VII因子、VIII因子、IX因子、tPA、およびAPCからなる群から選ばれる、請求項25〜33のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項37】
ヒトもしくは動物の身体の処置方法に使用するための、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲート。
【請求項38】
請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲート、の治療学的に有効な量を含有する、医薬組成物。
【請求項39】
更に、少なくとも1つの医薬的に許容し得る希釈剤、アジュバント、または担体を含有する、請求項38記載の医薬組成物。
【請求項40】
貧血性障害もしくは造血性機能不全障害、またはそれらの関連疾患の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はEPOであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項41】
造血性機能または免疫機能の低下を特徴とする障害(該障害は、化学療法もしくは放射線療法の結果、感染性疾患、重度の慢性好中球減少症、または白血病であることが好ましい)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はG−CSFであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項42】
遺伝性欠損症、静脈閉塞症、冠動脈バイパス手術(CABG)における火傷およびヘパリン耐性、呼吸療法に関連するマイクロクロット形成の予防、外傷もしくは消化器系手術が原因の腸穿孔の処置;汎発性血管内凝固症候群(DIC)および/または敗血症の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はAT IIIであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項43】
血友病Aの処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はVIII因子であり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項44】
肺気腫、嚢胞性線維症、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および/または気管支炎の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はAIATであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項45】
心筋梗塞(心発作)、血栓症、血栓塞栓症、または閉塞性疾患(特に、閉塞性動脈性疾患)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はtPAであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項46】
重度の敗血症、血栓症、血栓塞栓症、または閉塞性疾患(特に、閉塞性動脈性疾患)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、
該タンパク質はAPCであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項47】
白血病(例えば、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫)、癌(例えば、カルチノイド腫瘍、悪性黒色腫)、および肝炎(例えば、B型肝炎およびC型肝炎)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、
該タンパク質はIFNアルファであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項48】
多発性硬化症、好ましくは多発性硬化症の再発性形態の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜54のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、
該タンパク質はIFNベータであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項49】
ヒドロキシアルキルデンプンおよびタンパク質を含有するコンジュゲートであって、ここで、該ヒドロキシアルキルデンプンは、第1の架橋化合物とアミド結合を介して、その酸化型還元末端とカップリングし、該架橋化合物は更に第2の架橋化合物とアミド結合を介して結合し、ここで、該第2架橋化合物はアゾメチンおよび/またはアミノ結合を介してタンパク質と結合し、ここで、該1架橋化合物はジアミノ官能化化合物として使用することが好ましく、そして該第2架橋化合物はカルボキシおよびアルデヒド、ケト、またはヘミアセタールとして使用することが好ましく、カルボキシおよびアルデヒド官能化化合物として使用することがより好ましい、該コンジュゲート。
【請求項50】
タンパク質、およびポリマーまたはその誘導体を含有するコンジュゲートであって、ここで、
該ポリマーは、式:
【化4】
[式中、
R1、R2およびR3は独立して、水素、または炭素数が1(2〜10が好ましい)であるヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基、またはヒドロキシアルカリール基であり、水素またはヒドロキシアルキル基が好ましく、水素またはヒドロキシエチル基がより好ましく、そして、
Lが、場合により少なくとも1個のヘテロ原子、1〜60個の炭素原子(1〜40個が好ましく、1〜20個がより好ましく、1〜10個がより好ましく、1〜6個がより好ましく、1〜2個がより好ましく、特に1個が好ましい(Lは、特にCH2である))を有する、場合により置換された直鎖、分枝および/または環状の炭化水素残基である]
で記載する構造式を有するヒドロキシアルキルデンプン(HAS)である、該コンジュゲート。
【請求項51】
タンパク質、およびポリマーまたはその誘導体を含有するコンジュゲートであって、ここで、
該ポリマーは、式:
【化5】
[式中、
R1、R2、およびR3は独立して、水素、または炭素数が1(2〜10個が好ましい)であるヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基、またはヒドロキシアルカリール基であり(水素またはヒドロキシアルキル基が好ましく、水素またはヒドロキシエチル基がより好ましい)、
L1およびL2は独立して、少なくとも1個のヘテロ原子、アルキル、アリール、アラルキルヘテロアルキル、および/またはヘテロアラルキル分子を含有する、場合により置換された直鎖、分枝および/または環状の炭化水素残基であり、該残基は炭素数が1〜60個(1〜40個が好ましく、1〜20個がより好ましく、1〜10個がより好ましい)を有し、そして、
Dは、結合(L1と結合した適当な官能基F2、およびL2と結合した適当な官能基F3によって形成する共有結合が好ましい)である]
で記載する構造式を有する、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)である、該コンジュゲート。
【請求項52】
L1は−(CH2)n−であり、nは2、3、4、5、6、7、8、9、10であり(2、3、4、5、6が好ましく、2、3、4がより好ましく、4が特に好ましい)である、請求項51に記載のコンジュゲート。
【請求項53】
L2は、場合により適当に置換されたアリール分子(炭素数が6であるアリール分子が好ましい)であり、L2はC6H4が特に好ましい、請求項51または52のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項54】
F2は、
C−C二重結合、C−C三重結合、もしくは芳香族性C−C結合;
チオ基もしくはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
1,2−アミノアルコール;
アミノ基−NH2、もしくは構造単位−NH−を含有するアミノ基の誘導体(例えば、アミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基、またはアルカリールアミノ基);
ヒドロキシアミノ基−O−NH2、もしくは構造単位−O−NH−を含有するヒドロキシアミノ基の誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアリールアミノ基、ヒドロキシアラルキルアミノ基、またはヒドロキシアルカリールアミノ基);
各々構造単位−NH−O−を含有する、アルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基、もしくはアルカアリールオキシアミノ基);
カルボニル基を有する残基、−Q−C(=G)−M
[ここで、
GはOまたはSであり、そしてMは例えば、
−OHもしくは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、もしくはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、もしくはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
活性化エステル、例えばイミド構造を持つヒドロキシルアミン(例えばN−ヒドロキシスクシンイミド)のエステル、もしくは構造単位O−Nを持ち、Nがヘテロアリール化合物の一部であるヒドロキシルアミンのエステル、またはG=OでありかつQが存在しない場合に、例えばペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルもしくはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を持つアリールオキシ化合物;
であり、Qは存在しないか、NHまたはSもしくはOなどのヘテロ原子である];
−NH−NH2もしくは−NH−NH−;
−NO2;
ニトリル基;
カルボニル基(例えば、アルデヒド基またはケト基);
カルボキシ基;
−N=C=O基もしくは−N=C=S基;
ビニルハライド基(例えば、ヨウ化ビニル基または臭化ビニル基)もしくはトリフレート;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−O−アルキル;
−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはIである);
−CH=CH−SO2−;
構造式−S−S−を含有するジスルフィド基;
【化6】
[式中、
F3はF2との化学結合を形成することができる官能基であり、上記の群から選ばれることが好ましく、
F2は、分子−NH−を含有することが好ましく、アミノ基を含有することがより好ましく、
F3は、分子−(C=G)−(−C(=O)−がより好ましく、−(C=G)−G−がより好ましく、−(C=O)−G−がより好ましく、−(C=O)−Oが特に好ましい)を含有することが好ましく、Dはアミド結合であることが特に好ましい]
からなる群から選ばれる、請求項51〜53のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項55】
構造式:
【化7】
(式中、
nは2、3または4であり、R4は独立して水素またはメトキシ基であり、そしてR4が水素である場合には、mは0であり、そしてR4がメトキシである場合には、mは1である)
を有する、請求項54記載のコンジュゲート。
【請求項56】
タンパク質、およびポリマーまたはその誘導体を含有するコンジュゲートであり、ここで、該ポリマーは式:
【化8】
で記載する構造式を有するヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、分子−CH2−NH−の炭素原子は、開環酸化反応によって該ポリマー中に導入されるアルデヒド基から誘導され、そして該窒素原子は該タンパク質のアミノ基から誘導される、該コンジュゲート。
【請求項57】
ヒドロキシアルキルデンプンはヒドロキシエチルデンプンである、請求項54〜71のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項58】
ヒドロキシエチルデンプンは、分子量が2〜200kD、好ましくは4〜130kD、より好ましくは4〜70kDである、請求項57記載のコンジュゲート。
【請求項59】
該タンパク質は、EPO、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ、AT III、IL−2、IL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群(rhEPO、rhG−CSF、rhIFNアルファ、rhIFNベータ、rhAT III、rhIL−2、rhIL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群が好ましい)および/またはA1AT、VII因子、VIII因子、IX因子、tPAおよびAPCからなる群、から選ばれる、請求項49〜58のいずれか1つに記載するコンジュゲート。
【請求項60】
VIII因子またはIX因子についての阻害因子を有する血友病AまたはBにおけるエピソードの処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、タンパク質はVII因子であり、そしてポリマーはHASであり、HESが好ましい、該使用。
【請求項61】
血友病Bを有する患者における出血性エピソード(先天性IX因子欠損症またはクリスマス疾患が好ましい)の制御および予防(外科的な状況における出血の制御および予防を含む)のための医薬の製造のための、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載する方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、タンパク質はVII因子であり、そしてポリマーはHASであり、HESが好ましい、該使用。
【請求項1】
タンパク質およびポリマーを含有するコンジュゲートの製造方法であって、ここで、ポリマーはヒドロキシアルキルデンプンであり、
該方法は、
(a)(1)該ポリマー中に、開環酸化反応によって少なくとも1つのアルデヒド基を導入し、または、
(a)(2)該ポリマーを少なくとも二官能性である化合物と反応させ、ここで、該化合物は2個の官能基MおよびQを含有し、1つの官能基Mは該ポリマーと反応し、1つの官能基Qは、
(i)アルデヒド基、ケト基、もしくはヘミアセタール基であるか;または、
(ii)化学的に修飾されて、アルデヒド基、ケト基、もしくはヘミアセタール基で官能化されたポリマー誘導体を与える官能基であり;そして、
(b)還元的アミノ化によって、該ポリマーもしくはその誘導体の少なくとも1つのアルデヒド基、ケト基、もしくはヘミアセタール基で、該タンパク質の少なくとも1個のアミノ基と共有結合する、
ことを含む、該方法。
【請求項2】
ヒドロキシアルキルデンプンはヒドロキシエチルデンプンである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該ヒドロキシエチルデンプンは分子量が2〜200KDを有し、4〜130KDが好ましく、4〜70KDがより好ましい、請求項2記載の方法。
【請求項4】
該還元的アミノ化は水性媒質中で行なう、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
該還元的アミノ化はNaCNBH3の存在下で行なう、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
該還元的アミノ化はpHが7.5で、好ましくは7以下で行なう、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
pHは6以下である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
該還元的アミノ化は温度が0〜25℃で行なう、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
(a)(1)において、該ポリマーは過ヨウ素酸を用いる開環酸化反応を行なって、少なくとも1個のアルデヒド基を有するポリマー誘導体を与える、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
該開環酸化反応は水性媒質中で行なう、請求項9記載の方法。
【請求項11】
該開環酸化反応は温度が0〜5℃で行なう、請求項9または10のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項12】
該ポリマーは非酸化型形態の還元末端について使用する、請求項9〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
(a)(2)(i)において、官能基Mは、カルボキシ基または反応性カルボキシ基であり、そして官能基Qはアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
MおよびQを含有する該二官能性化合物は、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、および4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からなる群から選ばれる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
(a)(2)(ii)において、該官能基Mはアミノ基であり、そして該官能基Qはアミノ基である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
2個のアミノ基MおよびQを含有する該化合物は、炭素数が2〜20個の場合により置換されたジアミノアルカンである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
該ジアミノアルカンは、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、および1,4−ジアミノブタンからなる群から選ばれる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
更に、該ポリマー誘導体(該ポリマーと、2個のアミノ基MおよびQを含有する少なくとも二官能性である化合物とを、アミノ基Qにおいて、反応させることから得られる)と、カルボキシ基または反応性カルボキシ基、およびアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を含有する更なる二官能性化合物とを反応させて、アルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を有するポリマー誘導体を得ることを含む、請求項15〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
更なる二官能性化合物は、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、および4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からなる群から選ばれる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
2個のアミノ基MおよびQを含有する該化合物のアミノ基Qはベータヒドロキシアミノ基である、請求項15記載の方法。
【請求項21】
該ベータヒドロキシアミノ基は酸化されてアルデヒド基を与える、請求項20記載の方法。
【請求項22】
Qはベータヒドロキシアミノ基である、2個のアミノ基MおよびQを含有する該化合物は、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンである、請求項20または21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
酸化反応は過ヨウ素酸を用いて行なう、請求項21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
該タンパク質は、EPO、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ、AT III、IL−2、IL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれ、好ましくはrhEPO、rhG−CSF、rhIFNアルファ、rhIFNベータ、rhAT III、rhIL−2、rhIL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれるか、またはA1AT、VII因子、VIII因子、IX因子、tPA、およびAPCからなる群から選ばれる、請求項1〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものである、タンパク質およびポリマーを含有するコンジュゲート。
【請求項26】
該ポリマーまたはその誘導体は、アゾメチンおよび/またはアミノ結合によって該タンパク質のN−末端アミノ基と優先的にカップリングして、該反応に使用するタンパク質はN−末端アミノ基、および少なくとも1つの更なるアミノ基、好ましくは更なるリシン基を含有する、請求項25記載のコンジュゲート。
【請求項27】
開環酸化反応によって、該ポリマー中に導入される少なくとも1個のアルデヒド基を含有する使用ポリマーは、式:
【化1】
[式中、
R1は、水素、または炭素数が2〜10個であるヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基、またはヒドロキシアルカリール基である]
で記載する少なくとも1個の構造式を含む、請求項25または26のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項28】
該タンパク質は、アゾメチンおよび/またはアミノ結合によって該ポリマー誘導体と共有結合し、ここで、該誘導体は、該ポリマーと、2個のアミノ基MおよびQを含有する化合物との官能基Mを介する反応から得られ、
該得られる化合物は更に、カルボキシ基または反応性カルボキシ基、およびアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を含有する更なる二官能性化合物とQを介して更に反応し、
該カルボキシ基または反応性カルボキシ基は、アミノ基Qとアミド結合を形成し、
該アルデヒド基、ケト基またはヘミアセタール基は還元的アミノ化によって、該タンパク質のアミノ基と反応する、
請求項25または26のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項29】
カルボキシ基もしくは反応性カルボキシ基、およびアルデヒド基、ケト基、またはヘミアセタール基を含有する更なる二官能性化合物は、ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸ペンタフルオロフェニルエステル、4−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、および4−(4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェノキシ)酪酸からなる群から選ばれる、請求項28記載のコンジュゲート。
【請求項30】
構造式:
【化2】
[式中、
該ポリマーはその酸化型還元末端を介して反応し、R1、R2およびR3は独立して水素またはヒドロキシアルキル基であり、nは2、3または4であり、R4は独立して水素またはメトキシ基であり、そしてR4が水素である場合にはmは0であり、そしてR4がメトキシである場合にはmは1である]
を有する、請求項29記載のコンジュゲート。
【請求項31】
該タンパク質は、該ポリマー誘導体とアゾメチンおよび/またはアミノ結合を介して共有結合し、
該誘導体は、該ポリマーと、Qがベータヒドロキシアミノ基である2個のアミノ基MおよびQを含有する化合物との反応、並びにアルデヒド基を与える該ベータヒドロキシアミノ基Qの酸化、から得られる、請求項25または26のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項32】
Qはベータヒドロキシアミノ基である2個のアミノ基MおよびQを含有する化合物は、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンである、請求項31記載のコンジュゲート。
【請求項33】
構造式:
【化3】
[式中、
該ポリマーはその酸化型還元末端で反応し、R1、R2およびR3は独立して水素またはヒドロキシアルキル基である]
を有する、請求項32記載のコンジュゲート。
【請求項34】
該タンパク質は、EPO、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ、AT III、IL−2、IL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれる、請求項25〜33のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項35】
該タンパク質は、rhEPO、rhG−CSF、rhIFNアルファ、rhIFNベータ、rhAT III、rhIL−2、rhIL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群から選ばれる、請求項25〜33のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項36】
該タンパク質は、A1AT、VII因子、VIII因子、IX因子、tPA、およびAPCからなる群から選ばれる、請求項25〜33のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項37】
ヒトもしくは動物の身体の処置方法に使用するための、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲート。
【請求項38】
請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲート、の治療学的に有効な量を含有する、医薬組成物。
【請求項39】
更に、少なくとも1つの医薬的に許容し得る希釈剤、アジュバント、または担体を含有する、請求項38記載の医薬組成物。
【請求項40】
貧血性障害もしくは造血性機能不全障害、またはそれらの関連疾患の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はEPOであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項41】
造血性機能または免疫機能の低下を特徴とする障害(該障害は、化学療法もしくは放射線療法の結果、感染性疾患、重度の慢性好中球減少症、または白血病であることが好ましい)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はG−CSFであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項42】
遺伝性欠損症、静脈閉塞症、冠動脈バイパス手術(CABG)における火傷およびヘパリン耐性、呼吸療法に関連するマイクロクロット形成の予防、外傷もしくは消化器系手術が原因の腸穿孔の処置;汎発性血管内凝固症候群(DIC)および/または敗血症の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はAT IIIであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項43】
血友病Aの処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はVIII因子であり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項44】
肺気腫、嚢胞性線維症、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および/または気管支炎の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はAIATであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項45】
心筋梗塞(心発作)、血栓症、血栓塞栓症、または閉塞性疾患(特に、閉塞性動脈性疾患)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、
該タンパク質はtPAであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項46】
重度の敗血症、血栓症、血栓塞栓症、または閉塞性疾患(特に、閉塞性動脈性疾患)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、
該タンパク質はAPCであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項47】
白血病(例えば、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫)、癌(例えば、カルチノイド腫瘍、悪性黒色腫)、および肝炎(例えば、B型肝炎およびC型肝炎)の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、
該タンパク質はIFNアルファであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項48】
多発性硬化症、好ましくは多発性硬化症の再発性形態の処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜54のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、
該タンパク質はIFNベータであり、そして該ポリマーはHAS、好ましくはHESである、該使用。
【請求項49】
ヒドロキシアルキルデンプンおよびタンパク質を含有するコンジュゲートであって、ここで、該ヒドロキシアルキルデンプンは、第1の架橋化合物とアミド結合を介して、その酸化型還元末端とカップリングし、該架橋化合物は更に第2の架橋化合物とアミド結合を介して結合し、ここで、該第2架橋化合物はアゾメチンおよび/またはアミノ結合を介してタンパク質と結合し、ここで、該1架橋化合物はジアミノ官能化化合物として使用することが好ましく、そして該第2架橋化合物はカルボキシおよびアルデヒド、ケト、またはヘミアセタールとして使用することが好ましく、カルボキシおよびアルデヒド官能化化合物として使用することがより好ましい、該コンジュゲート。
【請求項50】
タンパク質、およびポリマーまたはその誘導体を含有するコンジュゲートであって、ここで、
該ポリマーは、式:
【化4】
[式中、
R1、R2およびR3は独立して、水素、または炭素数が1(2〜10が好ましい)であるヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基、またはヒドロキシアルカリール基であり、水素またはヒドロキシアルキル基が好ましく、水素またはヒドロキシエチル基がより好ましく、そして、
Lが、場合により少なくとも1個のヘテロ原子、1〜60個の炭素原子(1〜40個が好ましく、1〜20個がより好ましく、1〜10個がより好ましく、1〜6個がより好ましく、1〜2個がより好ましく、特に1個が好ましい(Lは、特にCH2である))を有する、場合により置換された直鎖、分枝および/または環状の炭化水素残基である]
で記載する構造式を有するヒドロキシアルキルデンプン(HAS)である、該コンジュゲート。
【請求項51】
タンパク質、およびポリマーまたはその誘導体を含有するコンジュゲートであって、ここで、
該ポリマーは、式:
【化5】
[式中、
R1、R2、およびR3は独立して、水素、または炭素数が1(2〜10個が好ましい)であるヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシアラルキル基、またはヒドロキシアルカリール基であり(水素またはヒドロキシアルキル基が好ましく、水素またはヒドロキシエチル基がより好ましい)、
L1およびL2は独立して、少なくとも1個のヘテロ原子、アルキル、アリール、アラルキルヘテロアルキル、および/またはヘテロアラルキル分子を含有する、場合により置換された直鎖、分枝および/または環状の炭化水素残基であり、該残基は炭素数が1〜60個(1〜40個が好ましく、1〜20個がより好ましく、1〜10個がより好ましい)を有し、そして、
Dは、結合(L1と結合した適当な官能基F2、およびL2と結合した適当な官能基F3によって形成する共有結合が好ましい)である]
で記載する構造式を有する、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)である、該コンジュゲート。
【請求項52】
L1は−(CH2)n−であり、nは2、3、4、5、6、7、8、9、10であり(2、3、4、5、6が好ましく、2、3、4がより好ましく、4が特に好ましい)である、請求項51に記載のコンジュゲート。
【請求項53】
L2は、場合により適当に置換されたアリール分子(炭素数が6であるアリール分子が好ましい)であり、L2はC6H4が特に好ましい、請求項51または52のいずれかに記載のコンジュゲート。
【請求項54】
F2は、
C−C二重結合、C−C三重結合、もしくは芳香族性C−C結合;
チオ基もしくはヒドロキシ基;
アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド;
1,2−ジオール;
1,2−アミノ−チオアルコール;
アジド;
1,2−アミノアルコール;
アミノ基−NH2、もしくは構造単位−NH−を含有するアミノ基の誘導体(例えば、アミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基、またはアルカリールアミノ基);
ヒドロキシアミノ基−O−NH2、もしくは構造単位−O−NH−を含有するヒドロキシアミノ基の誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアリールアミノ基、ヒドロキシアラルキルアミノ基、またはヒドロキシアルカリールアミノ基);
各々構造単位−NH−O−を含有する、アルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基、もしくはアルカアリールオキシアミノ基);
カルボニル基を有する残基、−Q−C(=G)−M
[ここで、
GはOまたはSであり、そしてMは例えば、
−OHもしくは−SH;
アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、もしくはアルカリールオキシ基;
アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、もしくはアルカリールチオ基;
アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリールカルボニルオキシ基;
活性化エステル、例えばイミド構造を持つヒドロキシルアミン(例えばN−ヒドロキシスクシンイミド)のエステル、もしくは構造単位O−Nを持ち、Nがヘテロアリール化合物の一部であるヒドロキシルアミンのエステル、またはG=OでありかつQが存在しない場合に、例えばペンタフルオロフェニル、パラニトロフェニルもしくはトリクロロフェニルなどの置換アリール残基を持つアリールオキシ化合物;
であり、Qは存在しないか、NHまたはSもしくはOなどのヘテロ原子である];
−NH−NH2もしくは−NH−NH−;
−NO2;
ニトリル基;
カルボニル基(例えば、アルデヒド基またはケト基);
カルボキシ基;
−N=C=O基もしくは−N=C=S基;
ビニルハライド基(例えば、ヨウ化ビニル基または臭化ビニル基)もしくはトリフレート;
−C≡C−H;
−(C=NH2Cl)−O−アルキル;
−(C=O)−CH2−Hal(ここで、HalはCl、BrまたはIである);
−CH=CH−SO2−;
構造式−S−S−を含有するジスルフィド基;
【化6】
[式中、
F3はF2との化学結合を形成することができる官能基であり、上記の群から選ばれることが好ましく、
F2は、分子−NH−を含有することが好ましく、アミノ基を含有することがより好ましく、
F3は、分子−(C=G)−(−C(=O)−がより好ましく、−(C=G)−G−がより好ましく、−(C=O)−G−がより好ましく、−(C=O)−Oが特に好ましい)を含有することが好ましく、Dはアミド結合であることが特に好ましい]
からなる群から選ばれる、請求項51〜53のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項55】
構造式:
【化7】
(式中、
nは2、3または4であり、R4は独立して水素またはメトキシ基であり、そしてR4が水素である場合には、mは0であり、そしてR4がメトキシである場合には、mは1である)
を有する、請求項54記載のコンジュゲート。
【請求項56】
タンパク質、およびポリマーまたはその誘導体を含有するコンジュゲートであり、ここで、該ポリマーは式:
【化8】
で記載する構造式を有するヒドロキシアルキルデンプン(HAS)であり、分子−CH2−NH−の炭素原子は、開環酸化反応によって該ポリマー中に導入されるアルデヒド基から誘導され、そして該窒素原子は該タンパク質のアミノ基から誘導される、該コンジュゲート。
【請求項57】
ヒドロキシアルキルデンプンはヒドロキシエチルデンプンである、請求項54〜71のいずれか1つに記載のコンジュゲート。
【請求項58】
ヒドロキシエチルデンプンは、分子量が2〜200kD、好ましくは4〜130kD、より好ましくは4〜70kDである、請求項57記載のコンジュゲート。
【請求項59】
該タンパク質は、EPO、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ、AT III、IL−2、IL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群(rhEPO、rhG−CSF、rhIFNアルファ、rhIFNベータ、rhAT III、rhIL−2、rhIL−3、ミオグロビン、SOD、およびBSAからなる群が好ましい)および/またはA1AT、VII因子、VIII因子、IX因子、tPAおよびAPCからなる群、から選ばれる、請求項49〜58のいずれか1つに記載するコンジュゲート。
【請求項60】
VIII因子またはIX因子についての阻害因子を有する血友病AまたはBにおけるエピソードの処置のための医薬の製造における、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、タンパク質はVII因子であり、そしてポリマーはHASであり、HESが好ましい、該使用。
【請求項61】
血友病Bを有する患者における出血性エピソード(先天性IX因子欠損症またはクリスマス疾患が好ましい)の制御および予防(外科的な状況における出血の制御および予防を含む)のための医薬の製造のための、請求項25〜36もしくは49〜58のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または請求項1〜24のいずれか1つに記載する方法によって得ることができるものであるコンジュゲートの使用であって、ここで、タンパク質はVII因子であり、そしてポリマーはHASであり、HESが好ましい、該使用。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公表番号】特表2007−527892(P2007−527892A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502307(P2007−502307)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002653
【国際公開番号】WO2005/092928
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(505344029)フレゼニウス・カビ・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】FRESENIUS KABI DEUTSCHLAND GmbH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002653
【国際公開番号】WO2005/092928
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(505344029)フレゼニウス・カビ・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】FRESENIUS KABI DEUTSCHLAND GmbH
【Fターム(参考)】
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