説明

部品圧着装置

【課題】リールの交換に伴う作業を容易に行うことができる部品圧着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】シート供給部23が、シートSTの供給を行うリール31a及びリール31aが供給するシートSTの送り動作を行うシート送りローラ31bから成る複数のシート搬送機構31と、これら複数のシート搬送機構31を収納するケース部材32を備え、各シート搬送機構31のリール31aはケース部材32に対して着脱自在なリール支持部材35から片持ち状態で延びたリール支持シャフト44にそのリール支持シャフト44の端部側から挿入されて取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に載置された電子部品をシートを介して基板に圧着する部品圧着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等のパネルのモジュール製造ラインを構成する部品圧着装置の一つである本圧着装置は、液晶パネル等の基板にACF(Anisotropic Conductive Film)と呼ばれる異方性導電テープを介して載置(仮圧着)された電子部品を圧着ツールで圧着(本圧着)する。電子部品を基板に圧着する際には、部品圧着装置が備えるシート供給部より電子部品の上方にシートを供給し、基板上の電子部品がシートを介して基板に押圧されるようにする(例えば、特許文献1)。
【0003】
シート供給部は、シートの供給を行うリール及びリールが供給するシートの送り動作を行うシート送り部から成る複数のシート搬送機構をケース部材に収納した構成となっており、各シート搬送機構のリールはケース部材に対して着脱自在なリール支持部材に両端が支持されたリール支持シャフトに取り付けられている。リールのシートがなくなってリールを新品のものと交換する場合には、オペレータはリールをリール支持シャフトごとリール支持部材から取り外し、新品のリールを挿入して取り付けたリール支持シャフトを改めてリール支持部材に取り付けるとともに、リールから引き出されたシートをガイドするガイドローラやシートに張力を与えるテンションローラにシートを掛け渡すようにしたうえで、そのリール支持部材をケース部材に取り付けるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−165571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、リール支持部材はリール支持シャフトの両端が支持される構成であり、リールの両側方にはリール支持シャフトを支持する一対の壁部が存在するため、オペレータはリールの交換に伴うシートの引き出し作業のほか、リールから引き出したシートをガイドローラやテンションローラに掛け渡す作業に時間がかかって作業コストが増大するという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、リールの交換に伴う作業を容易に行うことができる部品圧着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の部品圧着装置は、電子部品が載置された基板の位置決めを行う基板位置決め部と、基板に載置された電子部品の上方にシートを供給するシート供給部と、基板に載置された電子部品をシート供給部より供給されるシートを介して基板に押圧する圧着部とを備えた部品圧着装置であって、シート供給部は、シートの供給を行うリール及びリールが供給するシートの送り動作を行うシート送り部から成る複数のシート搬送機構と、これら複数のシート搬送機構を収納するケース部材とを備え、各シート搬送機構のリールはケース部材に対して着脱自在なリール支持部材から片持ち状態で延びたリール支持シャフトにそのリール支持シャフトの端部側から挿入されて取り付けられている。
【0008】
請求項2に記載の部品圧着装置は、請求項1に記載の部品圧着装置であって、各シート搬送機構において、リールから引き出されたシートをガイドするガイドローラ及びシートに張力を与えるテンションローラがリール支持部材から片持ち状態で延びたローラ支持シャフトに取り付けられている。
【0009】
請求項3に記載の部品圧着装置は、請求項1又は2に記載の部品圧着装置であって、リールが取り付けられたリール支持シャフトの端部に、リールがリール支持シャフトから抜け出ることを防止するリール抜け止め具が設けられた。
【0010】
請求項4に記載の部品圧着装置は、請求項1乃至3の何れかに記載の部品圧着装置であって、リール支持部材に、リール支持シャフトに取り付けられたリールのリール支持シャフトの軸方向に沿った方向の移動規制を行うスペーサ部材が設けられた。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、各シート搬送機構のシートの供給を行うリールが、ケース部材に対して着脱自在なリール支持部材から片持ち状態で延びたリール支持シャフトにそのリール支持シャフトの端部側から挿入されて取り付けられるようになっているので、オペレータはリールの交換に伴う作業を容易に行うことができる。また、ガイドローラやテンションローラを支持するローラ支持シャフトもリール支持部材から片持ち状態で延びた構成とすることにより、リールから引き出したシートをガイドローラやテンションローラに掛け渡す作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態におけるモジュール製造ラインの構成図
【図2】本発明の一実施の形態におけるモジュール製造ラインによるパネルのモジュール製造過程を示す図
【図3】本発明の一実施の形態における本圧着装置の斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部の斜視図
【図5】本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部及び圧着部の側面図
【図6】本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部を構成するリール支持部材の斜視図
【図7】(a)(b)本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部を構成するリール支持部材の分解斜視図
【図8】本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部を構成するリール支持部材の一部の(a)側面図(b)背面図
【図9】本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部を構成するケース部材の斜視図
【図10】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における本圧着装置のシート供給部のケース部材にリール支持部材を取り付ける手順を示す図
【図11】本発明の一実施の形態における本圧着装置の制御系統を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示す液晶パネルのモジュール製造ライン1は、基板としての長方形のパネル2の長辺及び短辺それぞれの端部に設けられた複数の端子2aのそれぞれに駆動回路等の電子部品3(図2も参照)を装着するモジュール製造工程を実行するものであり、端子洗浄装置11、ACF貼付装置12、仮圧着装置13、2台の本圧着装置14(第1の本圧着装置14aと第2の本圧着装置14b)及び検査装置15の複数の装置がこの順で連結されて成る。これらの装置11,12,13,14a,14b,15はホストコンピュータ16によって統合制御されて動作し、ホストコンピュータ16から生産指令が出されているとき、上記装置11,12,13,14a,14b,15の各々はモジュール製造工程の中における各担当分の生産工程を実行する。
【0014】
モジュール製造ライン1を構成する端子洗浄装置11は、外部から投入されたパネル2を受け取り、各端子2aの洗浄を行ったうえで、そのパネル2を下流側のACF貼付装置12に搬出する。
【0015】
ACF貼付装置12は、上流側の端子洗浄装置11から搬出されたパネル2を受け取り、各端子2aに図2に示すようにACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)4を貼付したうえで、そのパネル2を下流側の仮圧着装置13に搬出する。
【0016】
仮圧着装置13は、ACF貼付装置12から搬出されたパネル2を受け取り、各端子2aに貼付されたACF4上に電子部品3を装着(仮圧着)したうえで、そのパネル2を下流側の第1の本圧着装置14aに搬出する。
【0017】
第1の本圧着装置14aは、仮圧着装置13から搬出されたパネル2を受け取り、パネル2の長辺側の各端子2aに仮圧着された電子部品3を熱圧着(本圧着)したうえで、そのパネル2を下流側の第2の本圧着装置14bに搬出する。
【0018】
第2の本圧着装置14bは、第1の本圧着装置14aから搬出されたパネル2を受け取り、パネル2の短辺側の各端子2aに仮圧着された電子部品3を熱圧着(本圧着)したうえで、そのパネル2を下流側の検査装置15に搬出する。
【0019】
検査装置15は、第2の本圧着装置14bから搬出されたパネル2を受け取り、パネル2の各端子2aに本圧着された電子部品3の外観検査を行ったうえで、パネル2を外部に搬出する。
【0020】
次に、上記モジュール製造ライン1を構成する本圧着装置14(第1の本圧着装置14a及び第2の本圧着装置14b)の構成について詳述する。図3において本圧着装置14は、基台21上に、上流側の装置(第1の本圧着装置14aであれば仮圧着装置13、第2の本圧着装置14bであれば第1の本圧着装置14a)から送られてきたパネル2を保持して位置決めを行うパネル位置決め部22、パネル位置決め部22により位置決めされたパネル2に載置(仮圧着)されている電子部品3の上方にシートSTを供給するシート供給部23及びパネル2に載置されている電子部品3をシート供給部23より供給されるシートSTを介してパネル2に押圧する圧着部24を備えている。以下、説明の便宜上、オペレータOP(図3)から見て基台21の左右方向をX軸方向、オペレータOPから見て基台21の前後方向をY軸方向、基台21の上下方向をZ軸方向とする。また、オペレータOPから見て基台21の右側を右方、左側を左方と称し、オペレータOPから見て基台21の手前側を前方、奥側を後方と称する。
【0021】
図3において、パネル位置決め部22は、図示しないパネル保持テーブル移動機構により水平面内方向(X軸方向、Y軸方向及びZ軸回り方向)に移動されるパネル保持テーブル22aを有して成る。
【0022】
図4及び図5において、シート供給部23は、シートSTの供給を行うリール31a及びリール31aが供給するシートSTの送り動作を行う前後2つのシート送りローラ31bから成る複数(ここでは5つ)のシート搬送機構31と、これら複数のシート搬送機構31を収納するケース部材32を備えており、ケース部材32は基台21上に設けられた左右の台座部21aに着脱自在に取り付けできるようになっている。
【0023】
図4において、シート送りローラ31bはケース部材32に取り付けられたシート送りローラ駆動モータ34によって駆動され、リール31aが供給するシートSTの送り動作を行う。これにより各シート搬送機構31において、リール31aとシート送りローラ31bの間でY軸方向にシートSTが搬送される。
【0024】
図4及び図5において、ケース部材32内には、各シート搬送機構31に対応してリール支持部材35が設けられている。図5及び図6に示すように、各リール支持部材35はY軸方向に延びた垂直壁部41を有し、この垂直壁部41の前端部には片持ち状態で水平に延びた前方支持部42が設けられるとともに、垂直壁部41の後端部には片持ち状態で水平に延びた後方支持部43が設けられている。ここで、前方支持部42は前方に開口する開口部42aを有した断面「コ」の字状の部材から成り、後方支持部43は水平部43a及び水平部43aの前端部より前方斜め下方に延びた斜め部43bを有して成る。
【0025】
図6、図7(a),(b)及び図8(a),(b)において、垂直壁部41の後部には片持ち状態で水平に延びたリール支持シャフト44が設けられており、リール支持シャフト44には、外面にシートSTがロール状に巻き付けられた状態のリール31a(このリール31aの外面に巻き付けられたロール状のシートSTをシートロールSRと称する)がリール支持シャフト44の端部から挿入されて取り付けられている。
【0026】
図6、図7(a),(b)及び図8(a),(b)に示すように、リール31aが取り付けられたリール支持シャフト44の先端部にはリール抜け止め具45が着脱自在に設けられており、これによりリール31aがリール支持シャフト44から抜け出ることが防止されるようになっている。
【0027】
このリール抜け止め具45は、図6及び図7(a),(b)に示すように、リール支持シャフト44の直径とほぼ同じ大きさの直径の円孔をリール抜け止め具45の中心に配置したときに形成される第1の孔縁46aと、第1の孔縁46aの直径よりも大きい直径の円孔をリール抜け止め具45の中心からずれた位置に配置したときに形成される第2の孔縁46bとを繋げた孔縁を有する孔部46を備えている。
【0028】
リール31aを取り付けたリール支持シャフト44にリール抜け止め具45を取り付けるには、リール抜け止め具45の孔部46の第2の孔縁46b側にリール支持シャフト44を通過させてリール抜け止め具45をリール31aの側面に当接させた後、リール抜け止め具45をリール支持シャフト44に対してリール支持シャフト44の軸方向と直交する方向にスライドさせ、リール抜け止め具45の孔部46の第1の孔縁46aにリール支持シャフト44の端部を嵌め込む(係止させる)ことによって行う(図7(b)中に示す矢印A)。
【0029】
図6及び図7(a),(b)において、垂直壁部41の前後方向(Y軸方向)の中間部の下方には片持ち状態で水平に延びた2つのガイドローラ支持シャフト47が設けられている。各ガイドローラ支持シャフト47にはガイドローラ48が回転自在に取り付けられている。
【0030】
図6及び図7(a),(b)において、垂直壁部41の後部には揺動軸49が設けられており、この揺動軸49には前後方向に延びたアーム部材50の後端部が枢支されている。アーム部材50の前端部には片持ち状態で水平に延びたテンションローラ支持シャフト51が設けられており、このテンションローラ支持シャフト51にはテンションローラ52が回転自在に取り付けられている。アーム部材50が揺動軸49を支点にして上下方向に揺動すると、これに伴ってテンションローラ52が前後2つのガイドローラ48の間の上方領域を昇降する。なお、アーム部材50は、図示しないばね部材によって常時前端部が上方に引き上げられる方向(テンションローラ52が2つのガイドローラ48から離間する方向)に付勢されている。
【0031】
図6及び図8(a),(b)において、リール支持部材35の垂直壁部41の後方上縁部には板状部材から成るスペーサ部材53が設けられている。このスペーサ部材53は、リール支持シャフト44に取り付けられたリール31aのリール支持シャフト44の軸方向に沿った方向(X軸方向)の移動規制を行うものである。
【0032】
リール支持シャフト44は片持ち状態で支持されているので、オペレータOPはリール31aの交換時にリール支持シャフト44に挿入した新品のリール31aを垂直壁部41の方向に押し付けてしまいがちであり、このためリール31aがアーム部材50に当接してアーム部材50の動きを阻害してしまう不都合が起き易いところであるが、スペーサ部材53のX軸方向(リール支持シャフト44の延びる方向)の厚さを、リール支持シャフト44に挿入したリール31aの側面がアーム部材50に当接する前にスペーサ部材53に当接するような寸法に設定しておくことにより、上記不都合の発生を防ぐことができる(図8(b))。なお、ここではスペーサ部材53は板状部材としているが、スペーサ部材53は必ずしも板状部材でなくてもよい。
【0033】
図9において、ケース部材32は底面部32a、左右の側面部32b、前面部32c及び後面部32dを備えて上方に開口した有底の箱状部材から成る。ケース部材32の前後方向(Y軸方向)の中間部には、左右の側面部32bによって両端が支持された第1のビーム部材62が設けられており、ケース部材32の後方には、左右の側面部32bによって両端が支持された第2のビーム部材63が設けられている。
【0034】
図9において、ケース部材32の前方には前後2つのシート送りローラ支持シャフト64がそれぞれ左右の側面部32bに両端が支持されて水平に延びて設けられており(図9には2つのシート送りローラ支持シャフト64の端部のみが見えている)、これら2つのシート送りローラ支持シャフト64にはそれぞれシート送りローラ31bが回転自在に取り付けられている。
【0035】
図9において、ケース部材32の前方には揺動シャフト65が設けられており(図9には揺動シャフト65の端部のみが見えている)、この揺動シャフト65には前後方向に延びた左右の揺動アーム66(図9には左側の揺動アーム66のみが見えている)の後端部が枢支されており、これら左右の揺動アーム66の前端部には前後2つの押さえローラ67の両端が支持されている。左右の揺動アーム66はばね部材68(図5)によって常時後端側が(すなわち前後の押さえローラ67が)引き上げられる方向に付勢されているが、ケース部材32に設けられたシート押さえシリンダ69の作動により、上記ばね部材68の付勢力に抗して左右の揺動アーム66をその後端側が押し下げられる方向に押圧することができる。
【0036】
シート搬送機構31のリール支持部材35がケース部材32に取り付けられた状態では、図5に示すように、リール支持シャフト44に取り付けられたシートロールSRから引き出されたシートSTは後方のガイドローラ48、テンションローラ52、前方のガイドローラ48の順に掛け渡されて前方に延びた後、シート押さえシリンダ69によって押し下げた揺動アーム66に支持される前後2つの押さえローラ67の下面に接触し、前後2つのシート送りローラ31bの間を延びた状態となっている。シートSTは常時上方に付勢されるアーム部材50に取り付けられたテンションローラ52によって適度な張力が与えられ、前後2つの押さえローラ67によって前方のガイドローラ48と後方のシート送りローラ31bの間の部分が上方に付勢される。
【0037】
リール支持部材35をケース部材32に取り付けるには、リール支持部材35の垂直壁部41に片持ち状態に支持されたリール支持シャフト44にリール31aを挿入して取り付けた後(リール支持シャフト44の端部にはリール抜け止め具45を取り付ける)、リール31aからシートSTを引き出して一方のガイドローラ48、テンションローラ52、他方のガイドローラ48の順に掛け渡す(図8(a))。リール支持部材35の左右の一側方には垂直壁部41があるものの、左右の他側方は開放状態になっているので、オペレータOPは、これらリール支持部材35の取り付け及びガイドローラ48とテンションローラ52へのシートSTの掛け渡し作業を容易に行うことができる。
【0038】
上記の作業が終わったら、リール支持部材35の全体をその前部が後部よりも低くなる傾斜姿勢にしたうえで、リール支持部材35の前方支持部42の開口部42a内に設けられた上下の溝部42b(図6)を、第1のビーム部材62の外周に設けられた複数の円筒状の突起62a(図6及び図8(a))のひとつに嵌入させる(図10(a)。図中に示す矢印B)。そして、リール支持部材35の全体を上記突起62a回りに回転させ、リール支持部材35の垂直壁部41に設けられた後方支持部43を第2のビーム部材63上に降ろす(図10(b)中に示す矢印C)。これによりリール支持部材35の全体が水平姿勢になり、リール支持部材35のケース部材32への取り付けが完了する。
【0039】
リール支持部材35をケース部材32に取り付けたら、前後2つのガイドローラ48及びテンションローラ52に掛け渡されたシートSTを引っ張って前後2つの押さえローラ67の下方を通し、更に前後2つのシート送りローラ31bの間を通過させるようにする(図10(c))。
【0040】
上記の作業では、リール支持部材35の左右の一側方には垂直壁部41があるものの、左右の他側方は開放状態になっているので、オペレータOPは、ケース部材32へのリール支持部材35の取り付け及びガイドローラ48とテンションローラ52へのシートSTの掛け渡し作業を容易に行うことができる。
【0041】
図3及び図5において、本圧着装置14の圧着部24は、基台21上に設けられた門型フレーム71、門型フレーム71に設けられた昇降モータ72により回転駆動されるボール螺子機構73によって昇降される昇降ベース74、昇降ベース74に設けられた複数の加圧シリンダ75によって昇降される複数の圧着ツール76及びこれら複数の圧着ツール76の下方の基台21上に設置されたバックアップステージ77を有して構成されている。
【0042】
パネル位置決め部22によるパネル2の位置決め動作(前述の図示しないパネル保持テーブル移動機構によるパネル保持テーブル22aの水平面内方向への移動動作)は、本圧着装置14が備える制御装置80(図11)が図示しないアクチュエータ等から成るパネル位置決め部駆動機構81(図11)の作動制御を行うことによってなされる。
【0043】
シート供給部23を構成する各シート搬送機構31によるシートSTの搬送動作は、制御装置80が前述のシート送りローラ駆動モータ34の作動制御を行うことによってなされる。
【0044】
圧着部24における昇降ベース74の昇降動作は、制御装置80が前述の昇降モータ72等から成る昇降ベース昇降機構82(図11)の作動制御を行うことによってなされる。また、各圧着ツール76による圧着動作は、制御装置80が各圧着ツール76に対応して設けられた加圧シリンダ75等から成る圧着ツール駆動機構83(図11)の作動制御を行うことによってなされる。
【0045】
このような構成を有する本圧着装置14により、パネル2に載置(仮圧着)された電子部品3をパネル2上に本圧着する作業を行うには、オペレータOPは先ず、前述の要領で各シート搬送機構31をケース部材32に取り付ける。そして、シート搬送機構31が取り付けられたケース部材32を基台21上の左右の台座部21aに取り付ける。ケース部材32の台座部21aへの取り付けは、左右の台座部21aに前後方向に延びて設けられたガイド部21b(図3)に、ケース部材32の左右の側面に設けられたレール部32f(図9)を基台21の前方より挿入することによって行う。このように本実施の形態における本圧着装置14では、シート供給部23全体が基台21に対して取り外し可能になっているので、リール31a交換に伴う作業を容易に行うことができる。
【0046】
上記のようにしてシート搬送機構31が取り付けられたケース部材32を基台21に装着したら、本圧着装置14によるパネル2への電子部品3の圧着動作を行うことができるようになる。本圧着装置14の制御装置80は、上流側の装置(第1の本圧着装置14aであれば仮圧着装置13、第2の本圧着装置14bであれば第1の本圧着装置14a)からパネル2が送られてきたことを検知したら、そのパネル2を図示しないパネル移載部によって受け取り、パネル保持テーブル22aに載置する。そして、パネル保持テーブル22aにパネル2を保持させたうえでパネル保持テーブル22aを移動させ、パネル2の端部に載置(仮圧着)された電子部品3がバックアップステージ77の直上に位置するようにする。これにより各シート搬送機構31によって前後方向に搬送されるシートSTのうち、前後2つの押さえローラ67によって下方に押さえ付けられた部分が電子部品3の直上に位置するようになる。
【0047】
本圧着装置14の制御装置80は、パネル2の端部に載置された電子部品3がバックアップステージ77の直上に位置するようにしたら、昇降ベース74を下降させて各圧着ツール76を各シート搬送機構31のシートSTの上方に位置させ、そのうえで各圧着ツール76を下降させる。これによりシートSTを介して電子部品3がパネル2に押圧され、電子部品3がパネル2に圧着(本圧着)される。
【0048】
制御装置80は、上記のような電子部品3のパネル2への圧着を行ったら、パネル保持テーブル22aを移動させてまだ圧着を行っていない電子部品3がバックアップステージ77の直上に位置するようにして同様の圧着(本圧着)を行うが、その前にシート送りローラ31bを回転させてシートSTを搬送し、シートSTの圧着ツール76及び電子部品3と接触する面の更新を行う。
【0049】
制御装置80は、パネル2上の圧着すべき電子部品3の圧着作業が全て終了したら、上述の図示しないパネル搬出部によってパネル2を下流側の装置(第1の本圧着装置14aであれば第2の本圧着装置14b、第2の本圧着装置14bであれば検査装置15)に搬出する。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態における部品圧着装置としての本圧着装置14は、電子部品3が載置されたパネル2(基板)の位置決めを行うパネル位置決め部22と、パネル2に載置された電子部品3の上方にシートSTを供給するシート供給部23と、パネル2に載置された電子部品3をシート供給部23より供給されるシートSTを介してパネル2に押圧する圧着部24とを備えたものであり、シート供給部23は、シートSTの供給を行うリール31a及びリール31aが供給するシートSTの送り動作を行うシート送りローラ31b(シート送り部)から成る複数のシート搬送機構31と、これら複数のシート搬送機構31を収納するケース部材32を備え、各シート搬送機構31のリール31aはケース部材32に対して着脱自在なリール支持部材35から片持ち状態で延びたリール支持シャフト44にそのリール支持シャフト44の端部側から挿入されて取り付けられたものとなっている。このためオペレータOPはリール31aの交換に伴う作業を容易に行うことができる。
【0051】
また、本実施の形態における本圧着装置14では、各シート搬送機構31において、リール31aから引き出されたシートSTをガイドするガイドローラ48及びシートSTに張力を与えるテンションローラ52がリール支持部材35から片持ち状態で延びたローラ支持シャフト(ガイドローラ支持シャフト47及びテンションローラ支持シャフト51)に取り付けられた構成となっているので、リール31aから引き出されたシートSTをガイドローラ48やテンションローラ52に掛け渡す作業も容易となっている。
【0052】
また、本実施の形態における本圧着装置14では、リール31aが取り付けられたリール支持シャフト44の端部に、リール31aがリール支持シャフト44から抜け出ることを防止するリール抜け止め具45が設けられているので、リール支持シャフト44が片持ち支持になったことによって生じ得る弊害を防止することができる。
【0053】
また、本実施の形態における本圧着装置14は、リール支持部材35に、リール支持シャフト44に取り付けられたリール31aのリール支持シャフト44の軸方向に沿った方向の移動規制を行うスペーサ部材53が設けられているので、リール支持シャフト44が片持ち状態で支持されており、リール31aの交換時にリール支持シャフト44に挿入した新品のリール31aを垂直壁部41の方向に押し付けてしまった場合であっても、垂直壁部41に設けられた可動部(ここではアーム部材50)の動きを阻害してしまうことがない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
リールの交換に伴う作業を容易に行うことができる部品圧着装置を提供する。
【符号の説明】
【0055】
2 パネル(基板)
3 電子部品
14 本圧着装置(部品圧着装置)
22 パネル位置決め部(基板位置決め部)
23 シート供給部
24 圧着部
31 シート搬送機構
31a リール
31b シート送りローラ(シート送り部)
32 ケース部材
35 リール支持部材
44 リール支持シャフト
45 リール抜け止め具
47 ガイドローラ支持シャフト(ローラ支持シャフト)
48 ガイドローラ
51 テンションローラ支持シャフト(ローラ支持シャフト)
52 テンションローラ
53 スペーサ部材
ST シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が載置された基板の位置決めを行う基板位置決め部と、基板に載置された電子部品の上方にシートを供給するシート供給部と、基板に載置された電子部品をシート供給部より供給されるシートを介して基板に押圧する圧着部とを備えた部品圧着装置であって、
シート供給部は、シートの供給を行うリール及びリールが供給するシートの送り動作を行うシート送り部から成る複数のシート搬送機構と、これら複数のシート搬送機構を収納するケース部材とを備え、各シート搬送機構のリールはケース部材に対して着脱自在なリール支持部材から片持ち状態で延びたリール支持シャフトにそのリール支持シャフトの端部側から挿入されて取り付けられていることを特徴とする部品圧着装置。
【請求項2】
各シート搬送機構において、リールから引き出されたシートをガイドするガイドローラ及びシートに張力を与えるテンションローラがリール支持部材から片持ち状態で延びたローラ支持シャフトに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の部品圧着装置。
【請求項3】
リールが取り付けられたリール支持シャフトの端部に、リールがリール支持シャフトから抜け出ることを防止するリール抜け止め具が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の部品圧着装置。
【請求項4】
リール支持部材に、リール支持シャフトに取り付けられたリールのリール支持シャフトの軸方向に沿った方向の移動規制を行うスペーサ部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の部品圧着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−233615(P2011−233615A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100593(P2010−100593)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】