説明

金属微細構造体の製造方法

【課題】機械的強度に優れた構造体を製造でき、しかも製造工程の簡素化とコストの低減が可能な金属微細構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる金属微細構造体の製造方法では、上層のレジスト膜14の露光が下層のレジスト膜12に影響を与えないように、積層されたレジスト膜12、14の間に遮光膜13を配置している。そして全てのレジスト膜12、14の露光が終了した後に、レジスト膜の現像を一括して行い、三次元の空隙15を形成する。その後、電鋳により空隙15内に金属を析出させることにより、金属微細構造体となるめっき膜16を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電鋳技術およびフォトリソグラフィ技術を用いた金属微細構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細な機械要素、電子部品、光学素子等を集積したデバイスはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれ、現在、数多くの応用が検討され、また一部は実用化されている。
【0003】
MEMSは半導体製造技術をベースにして製造されるものが多く、その一つとして、電鋳技術およびフォトリソグラフィ技術を用いて、めっき膜を積層することにより金属微細構造体を製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、「電鋳」は、金属イオン溶液を用いて導電性基板上にめっき膜を形成する技術であり、金属を緻密かつ高精度に析出できる特性を有する。また「フォトリソグラフィ」は、感光性材料を用いてマスクのパターンを基板に転写する技術であり、高精細のパターンを形成する技術として広く利用されている。
【0005】
図5(a)および(b)に、電鋳技術およびフォトリソグラフィ技術を用いて製造した金属微細構造体の断面を示す。図5(a)は少なくとも上面が導電性を有する基板(以降、「導電性基板」という)2上に金属微細構造体1aを形成したものである。金属微細構造体1aは、2層のめっき膜を積層したもので、上部のめっき膜の幅が下部のめっき膜の幅より狭くなっている。
【0006】
図5(b)の金属微細構造体1bも、金属微細構造体1aと同様に2層のめっき膜を積層したものであるが、上部のめっき膜の一部が下部のめっき膜から張り出して(オーバーハング)いる。
【0007】
図5(a)に示す金属微細構造体1aを製造する際の工程について簡単に説明する。最初に、スパッタリング等により絶縁性基板の上に導電膜を積層して導電性基板2を作製する。導電性基板2は電鋳処理の際の支持基板となる。
【0008】
次に、その上にスピンコート等によりポジ型のフォトレジストを塗布して1層目のレジスト膜を形成し、所定の形状の第1のマスクを用いて露光した後現像を行う。更にその上に2層目のレジスト膜を形成し、所定の形状の第2のマスクを用いて1層目と同様、露光と現像を行う。
【0009】
次に、レジスト膜の現像により形成された空隙内に、電鋳により金属を析出させてめっき膜を形成する。最後に不要なレジスト膜および導電膜を除去すると、図5(a)に示す金属微細構造体1aが完成する。なお、導電性基板2が不要な場合には、その後、金属微細構造体1aから剥離する処理を行う。
【0010】
一方、図5(b)に示すような上層のめっき膜の一部が下層のめっき膜より張り出した、オーバーハングのある金属微細構造体1bは、上述したレジスト膜の露光と現像を繰り返す方法では製造できない。その理由は、下層のレジスト膜のうちオーバーハング部分の下にある未露光状態のまま残すべき部分が、上層のレジスト膜を露光したときに露光されてしまうためである。
【0011】
この問題を解決するため、オーバーハングのある金属微細構造体1bを製造する際には、電鋳によりめっき膜を一層毎に形成し、得られためっき膜を積層していた。
【0012】
以下、図6および図7の断面図を参照し、金属微細構造体1bを製造する際の従来の方法について説明する。図6(a)〜(d)は前半の製造工程を示し、図7(a)〜(e)は後半の製造工程を示す。
【0013】
まず、図6(a)に示すように、絶縁性の基板20上に蒸着やスパッタリングにより導電膜21を形成して、導電性基板2を作製する。導電膜21は電鋳の際に通電用の電極として用いられる。
【0014】
次に、図6(b)に示すように、導電膜21の上にスピンコート等によりネガ型のフォトレジストを塗布して第1のレジスト膜22を形成する。
【0015】
引き続いて、所定の形状のマスク(図示せず)を用いて第1のレジスト膜22を露光した後、加熱および現像を行い、図6(c)に示す空隙23を形成する。
【0016】
次に、図6(d)に示すように、電鋳により空隙23内に金属を析出させ、第1のめっき膜24を形成する。この際、空隙23が金属で完全に埋まるように、めっき膜にオーバーハングができるように析出させる。その後、CMP等の手段を用いて、第1のめっき膜24および第1のレジスト膜22の表面を破線で示す位置まで研磨し、表面を平滑にする。
【0017】
次に、図7(a)に示すように、表面が平滑になった第1のめっき膜24の上に、スピンコート等によりフォトレジストを塗布して第2のレジスト膜を形成する。その後、図7(b)に示すように、図6(c)で示したのと同様の方法で、第2のレジスト膜25に空隙26を形成する。
【0018】
更に、図7(c)に示すように、電鋳により空隙26内に金属を析出させて第2のめっき膜27を形成する。この際、図6(d)の工程とは異なり、めっき膜27の高さが第2のレジスト膜25の高さと等しくなる程度に金属を析出させる。この場合、めっき膜27の上部は中心部が若干凹んだ形状となる。
【0019】
次に、図7(d)に示すように、めっき膜24および27を、レジスト膜22および25と共に、機械的手段によって導電性基板2(絶縁性基板20および導電膜21)から剥離する。
【0020】
最後に、図7(e)に示すように、不要なレジスト膜22および25を、めっき膜24および27から剥離すると、金属微細構造体1bが完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2008−30152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上述した従来の製造方法では、めっき膜24および27を積層して金属微細構造体1bを製造しているため、めっき膜同士の接続強度が弱く、剥離が起きやすい。そのため、完成品の機械的強度が弱いという問題があった。
【0023】
更に、めっき膜を形成する毎に表面を研磨して平坦にする必要があるため、製造工程が複雑になり、また製造コストが高くなる原因となっていた。
【0024】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、機械的強度に優れた金属微細構造体を製造でき、しかも製造工程の簡素化とコストの低減が可能な金属微細構造体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題を解決するため、本発明にかかる金属微細構造体の製造方法は、
少なくとも上面が導電性を有する基板の上に第1のレジスト膜を形成する工程と、
所定の形状の第1のマスクを用いて前記第1のレジスト膜を露光する工程と、
下記(a)、(b)および(c)の小工程を1回もしくは繰り返し行う工程と、
(a)前記第1のレジスト膜上に金属製の遮光膜を形成する小工程、
(b)前記遮光膜上に第2のレジスト膜を形成する小工程、
(c)所定の形状の第2のマスクを用いて前記第2のレジスト膜を露光する小工程、
前記各工程で積層された複数のレジスト膜を一括して現像して空隙を形成する工程と、
前記空隙内に金属を析出させてめっき膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明にかかる金属微細構造体の製造方法は、
前記めっき膜を前記複数のレジスト膜と共に前記導電性基板から剥離する工程と、
前記めっき膜から前記複数のレジスト膜を剥離する工程と、を更に含んでいてもよい。
【0027】
ここで、前記遮光膜を無電解めっきにより形成することが好ましい。
【0028】
前記めっき膜の材料としてニッケルもしくはニッケルの合金を用いてもよい。また、前記めっき膜の上面を研磨する工程を更に含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明にかかる金属微細構造体の製造方法では、上層のレジスト膜の露光が下層のレジスト膜に影響を与えないように、積層されたレジスト膜の間に遮光膜を配置している。そして全てのレジスト膜の露光が終了した後に、レジスト膜の現像を一括して行い、三次元の空隙を形成している。その後、電鋳により空隙内に金属を析出させることにより金属微細構造体を製造している。結果として、めっき膜の研磨工程を省略できるため、製造工程の簡素化と製造コストの低減が図れる。
【0030】
更に本発明にかかる金属微細構造体の製造方法では、めっき膜が積層された構造体ではなく、めっき膜が一回の電鋳により形成されるため、継ぎ目のない機械的強度に優れた金属微細構造体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる金属微細構造体の製造方法の前半の工程を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる金属微細構造体の製造方法の後半の工程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる金属微細構造体の製造方法により製造されたマイクロ歯車の斜視図である。
【図4】図3のマイクロ歯車をA−A線で切断した断面図である。
【図5】電鋳技術およびリソグラフィ技術を用いて製造した金属微細構造体の断面図である。
【図6】従来の金属微細構造体の製造方法の前半の工程を示す断面図である。
【図7】従来の金属微細構造体の製造方法の後半の工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明にかかる金属微細構造体の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の実施の形態にかかる金属微細構造体の製造方法を、前述の金属微細構造体1bの製造に適用した場合の各工程を示す断面図である。図1(a)〜(f)は前半の製造工程を示し、図2(a)〜(d)は後半の製造工程を示す。
【0034】
まず、図1(a)に示すように、絶縁性基板10上に蒸着やスパッタリングにより導電膜11を形成して導電性基板2を作製する。本実施の形態では、絶縁性基板10にガラスを用い、この絶縁性基板10の上に銅をスパッタして厚さ1μm弱の導電膜11を形成した。導電膜11は電鋳の際に通電用の電極として用いられる。
【0035】
絶縁性基板10としては、ガラス以外にシリコンウェハを用いることができる。また導電膜11としては銅以外にニッケルが用いられる。なお、導電性基板2として、銅板、ニッケル板、黄銅板、SUS板などの、それ自体電気伝導性を有する基板を用いてもよい。
【0036】
次に、図1(b)に示すように、スピンコートにより導電膜11上にフォトレジストを塗布した後、加熱・乾燥させて第1のレジスト膜12を形成する。本実施の形態では、フォトレジストとしてネガ型のKMPR(日本化薬製)を用いた。乾燥後のレジスト膜12の厚みは約60μmであった。
【0037】
次に、図1(c)に示すように、所定の形状の第1のマスク(図示せず)を用いてレジスト膜12の露光を行い、その後加熱処理する。図中、符号12aは、露光によりレジスト膜12が変質した部分を示す。
【0038】
次に、図1(d)に示すように、第1のレジスト膜12の上に、無電解めっきにより遮光膜13を形成する。本実施の形態では、遮光膜13として厚さ1μm弱のニッケル膜を形成した。なお、無電解めっきの前処理として、通常、パラジウムの核を吸着させるためのコンディショニングと、パラジウム触媒を付与する処理を行う。
【0039】
次に、図1(e)に示すように、第1のレジスト膜12と同様の方法および材料により、遮光膜13の上にフォトレジストを塗布した後、加熱乾燥させて第2のレジスト膜14を形成する。
【0040】
次に、図1(f)に示すように、所定の形状の第2のマスク(図示せず)を用いてレジスト膜14の露光を行い、その後加熱処理する。図中、符号14aは、露光により第2のレジスト膜14が変質した部分を示す。
【0041】
次に、図2(a)に示すように、露光した第1および第2のレジスト膜12、14を現像液に浸し、変質部分12aおよび14aを除去して空隙15を形成する。この空隙15は、完成品である金属微細構造体1bに対応した形状をしている。
【0042】
本実施の形態では、現像液としてSU−8Developer(日本化薬製)を用いた。上層の変質部分14aが現像液によって溶解すると、現像液は遮光膜13を通じて下層の変質部分12aまで浸透し、下層の変質部分12aが溶解する。この際、遮光膜13のうち変質部分12aおよび14aで挟まれた部分は、レジスト膜の溶解と共に流出する。
【0043】
次に、図2(b)に示すように、空隙15が形成された導電性基板2を金属イオンの溶液に浸し、電鋳により空隙15内に金属を析出させてめっき膜16を形成する。本実施の形態では、導電性基板2をスルファミン酸ニッケルめっき液に浸し、100A/m2の電流を約5時間印加することにより、約60μm厚のめっき膜16を形成した。
【0044】
次に、図2(c)に示すように、導電性基板2(絶縁性基板10および導電膜11)からめっき膜16を、レジスト膜12および14と共に機械的に剥離する。最後に、図2(d)に示すように、剥離液を用いて不要なレジスト膜12および14を、めっき膜16から剥離する。
【0045】
本実施の形態では、剥離液として、Remover PG(日本化薬製)を用い、レジスト膜12および14を70℃の剥離液に30分浸漬した。このようにして金属微細構造体1bが完成する。
【0046】
以下、本発明の製造方法の効果を、従来の製造方法のそれと比較して説明する。前述した従来の製造方法では、レジスト膜を積層して形成する際の問題点を解決するため、電鋳によりめっき膜を一層毎に形成し、得られためっき膜を積層することによって金属微細構造体1bを製造していた。
【0047】
しかしこの方法では、金属微細構造体を構成するめっき膜同士の接続強度が弱くて剥離が起きやすいため、製造された構造体の機械的強度が弱い。また、一層のめっき膜を形成する毎に表面を研磨して平坦にする必要があるため、工程が複雑になると共に製造コストが高くなる。
【0048】
本発明の製造方法では、レジスト膜12と14の間に遮光膜13を配置することによって、上層のレジスト膜14を露光する際に下層のレジスト膜12に影響を与えないようにしている。実験の結果、無電解めっきにより形成したニッケル膜の厚みが0.15μm以上であれば、十分な遮光性を有することが分かった。
【0049】
そしてレジスト膜12および14の露光が終了した後に、レジスト膜の現像を一括して行い、三次元の空隙15を形成する。その後、電鋳により空隙15内に金属を析出させてめっき膜16を形成することにより、金属微細構造体を製造している。
【0050】
このように、本発明の製造方法は、従来の製造方法のようなめっき膜を積層して金属微細構造体を形成するのではなく、金属微細構造体1bとなるめっき膜16を一回の電鋳処理により形成しているため、継ぎ目のない機械的強度に優れた構造体を実現できる。また、レジスト膜毎の研磨工程が不要となるため、製造工程の簡素化と製造コストの低減が図れる。
【0051】
遮光膜を形成する方法としては、無電解めっき以外に、ドライプロセスを使用して銅やアルミニウムの膜を形成する方法がある。しかし、ドライプロセスは真空中で行われるため、高価な装置が必要となり、コスト高となる。また無電解めっきに比べて使用できる基板のサイズが小さいため、1枚の基板で製造できる構造体の数が制限される。
【0052】
また、本実施の形態では、電鋳によりニッケルのめっき膜16を形成したが、それ以外に、ニッケル合金(ニッケルにマンガン、コバルト、タングステンのいずれかを加えたもの)、銅、銅合金、金、金合金などのめっき膜で金属微細構造体を形成してもよい。このうちニッケルおよびニッケル合金は、他の金属に比べて安価であり、しかも高硬度であるため機械的強度に優れためっき膜を実現できる。
【0053】
なお、図2(b)に示す工程でめっき膜16を形成する際、めっき膜16の高さが第2のレジスト膜14の高さと等しくなるように形成すると、めっき膜16の中央部が若干凹む。凹みが生ずるのを避けたい場合、めっき膜16を、レジスト膜14との境界にオーバーハングができる程度に厚めに形成した後、上面を研磨して平坦にすればよい。
【0054】
(実施の形態2)
本発明の製造方法を、マイクロ歯車の製造に適用した実施の形態について、図3および図4を参照して説明する。図3はマイクロ歯車3の斜視図、図4は図3のマイクロ歯車3をA−A線で切断した断面図である。
【0055】
マイクロ歯車3は3層の金属膜が積層された構造をしており、円盤状の本体部31の上下両面に、円盤の中心軸が一致した状態で、円盤状の軸部32が配置されている。本体部31の外周面には複数の歯が形成されている。本体部31の厚みは、軸部32の厚みの約2倍である。
【0056】
マイクロ歯車3は、医療用カテーテル、内視鏡、施術機器等の微細部品として使用されており、更には、医療や分析機器用途の微量液体搬送のマイクロポンプの部品としても使用されている。
【0057】
ちなみに、本実施の形態で製造したマイクロ歯車3の寸法は、本体部31の直径が1mm、厚みが約60μmであり、歯数は8枚である。また軸部32の直径は0.7mm、厚みは約30μmである。
【0058】
本実施の形態では、実施の形態1で説明した金属微細構造体の製造方法とほぼ同様の工程によりマイクロ歯車3を製造している。実施の形態1と異なるのは、遮光膜13の形成と、それに続くレジスト膜14の形成を、2度繰り返した点である。
【0059】
具体的には、図1(f)に示す工程の後、更にその上に遮光膜13およびレジスト膜14を積層した後、図2(a)に示す工程で説明した方法で、変質したレジスト膜部分を除去して、3層のレジスト膜を貫通する空隙15を形成する。その後、図2(b)〜(d)の工程で説明した方法でめっき膜16を形成した後、不要な導電性基板2、および3層のレジスト膜12、14、14をめっき膜16から剥離する。
【0060】
このように本発明の製造方法によれば、上層の金属膜の一部が下層の金属膜より張り出した複雑な形状の金属微細構造体を、遮光膜およびレジスト膜の形成を繰り返すことにより、研磨工程を経ることなく製造することができる。
【0061】
本実施の形態では、遮光膜の形成とレジスト膜の形成を2度繰り返した例について説明したが、繰り返しの数を増やせば、多層の金属膜が積層された、更に複雑な形状の金属微細構造体を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明にかかる金属微細構造体の製造方法は、MEMSの分野で必要とされる機械要素、電子部品、光学素子等の製造に広く適用できるものである。
【符号の説明】
【0063】
1a、1b 金属微細構造体
2 導電性基板
3 マイクロ歯車
4 コンタクトプローブ
10、40 絶縁性基板
11 導電膜
12、14 レジスト膜
13 遮光膜
15 空隙
16 めっき膜
31 本体部
32 軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上面が導電性を有する基板の上に第1のレジスト膜を形成する工程と、
所定の形状の第1のマスクを用いて前記第1のレジスト膜を露光する工程と、
下記(a)、(b)および(c)の小工程を1回もしくは繰り返し行う工程と、
(a)前記第1のレジスト膜上に金属製の遮光膜を形成する小工程、
(b)前記遮光膜上に第2のレジスト膜を形成する小工程、
(c)所定の形状の第2のマスクを用いて前記第2のレジスト膜を露光する小工程、
前記各工程で積層された複数のレジスト膜を一括して現像して空隙を形成する工程と、
前記空隙内に金属を析出させてめっき膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする金属微細構造体の製造方法。
【請求項2】
前記めっき膜を前記複数のレジスト膜と共に前記導電性基板から剥離する工程と、
前記めっき膜から前記複数のレジスト膜を剥離する工程と、を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の金属微細構造体の製造方法。
【請求項3】
前記遮光膜を無電解めっきにより形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の金属微細構造体の製造方法。
【請求項4】
前記めっき膜の材料としてニッケルもしくはニッケルの合金を用いることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
【請求項5】
前記めっき膜の上面を研磨する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−56645(P2011−56645A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211710(P2009−211710)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(391006371)太洋工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】