説明

金属積層体の形成方法及び液体噴射ヘッドの製造方法

【課題】基板へのエッチング残りを確実に防止することができる金属積層体の形成方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に第1金属層を形成した後、基板の一部に対向する領域の第1金属層上に第2金属層を形成し、第2金属層で覆われていない第1金属層をウェットエッチングにより除去する第1エッチング処理を行うと共に第2金属層上に形成される所定形状のレジスト膜を介して第2金属層をウェットエッチングにより除去する第2エッチング処理を行った後、第2金属層によって覆われていない第1金属層をウェットエッチングにより除去する第3エッチング処理を行って基板上に金属積層体を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属積層体の形成方法及び液体噴射ヘッド製造方法に関し、特に、金属積層体の形成方法を適用した工程を有するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成されるシリコン基板からなる流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この公報に開示されたインクジェット式記録ヘッドは、圧電素子の上電極から流路形成基板上に引き出されると共に第1リード電極と第2リード電極とを積層して形成されたリード電極を有する。このリード電極の端部は、ボンディングパッドとなっており、流路形成基板上に接合される保護基板上の駆動ICとワイヤボンディング接続されるようになっている。
【0003】
ここで、このようなリード電極を形成する工程では、流路形成基板の一方面側の全面に第1リード電極を形成すると共にこの上から第2リード電極を形成し、第2リード電極上に形成されるマスクパターンを介して第2リード電極をウェットエッチングして所定形状にパターニングした後、マスクパターン及び第2リード電極を介して第1リード電極をウェットエッチングして所定形状にパターニングし、最後に、マスクパターンを介して第2リード電極をサイドウェットエッチングすることで行われる。
【0004】
このようなインクジェット式記録ヘッドは、一枚のシリコンウェハに多数のチップを同時に形成し、最終的に1つのチップサイズの流路形成基板毎に分割することで製造される。また、第1リード電極及び第2リード電極は、例えば、スパッタリング法によりシリコンウェハ上に形成すると共に、上述した手順で所定形状にパターニングされる。
【0005】
ここで、例えば、Auからなる第2リード電極をNiCrからなる第1リード電極上に形成する際には、第2リード電極をシリコンウェハの周縁部に達するまで形成するとその周縁部近傍で剥がれ等の不具合が生じるため、シリコンウェハの周縁部をリング部材で覆った状態で、リング部材の内側に対応するシリコンウェハの領域内に第2リード電極を形成している。すなわち、シリコンウェハの周縁部をリング部材によって覆うことにより、第2リード電極がシリコンウェハの周縁部に対向する領域の第1リード電極上に形成されないようにしている。
【0006】
このようなリード電極の形成工程では、上述したように、マスクパターンを介して第2リード電極をウェットエッチング(Auエッチング処理)した後、マスクパターン及び第2リード電極を介して第1リード電極をウェットエッチング(NiCrエッチング処理)している。このNiCrエッチング処理においては、リング部材で覆われて第2リード電極が形成されていない領域の第1リード電極の方が、第2リード電極で覆われていた領域の第1リード電極よりもエッチング速度が遅くなり、シリコンウェハの周縁部において第1リード電極のエッチング残りが生じてしまうという問題がある。
【0007】
また、第1リード電極のエッチング残りを除去するため、第1リード電極のエッチング時間を延ばした場合、第1リード電極がサイドウェットエッチング、すなわち、オーバーエッチングとなって第2リード電極の外形よりも第1リード電極の外形が極端に小さくなり、これが原因となって、第2リード電極の浮きが発生してしまう。
【0008】
さらに、第2リード電極の浮きが生じている場合、すなわち、オーバーエッチングにより第2リード電極の外形よりも第1リード電極の外形が極端に小さくなっている場合には、最終的な第2リード電極のサイドウェットエッチング時において、エッチング液の回り込み量が多くなり、第2リード電極の端面が過剰にエッチングされて逆テーパ形状が顕著、具体的には、第2リード電極の外形が第1リード電極側から上面に向かって漸大して逆テーパ角が大きくなり、これが原因で場合によっては、ボンディング不良等に繋がってしまう。
【0009】
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液体を噴射する他の液体噴射ヘッド、或いは、上層側の金属層が下層側の金属層よりも外形を小さく形成し、その上層側の金属層をウェットエッチングによりパターニングした後、下層側の金属層をウェットエッチングによりパターニングして金属積層体を形成する場合においても、同様に存在する。
【0010】
【特許文献1】特開2005−178292号公報(第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような事情に鑑み、基板へのエッチング残りを確実に防止することができる金属積層体の形成方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板の少なくとも一方面上に金属材料からなる第1金属層を形成した後、前記基板の一部に対向する領域の前記第1金属層上に、前記第1金属層を形成する金属材料とは異なる金属材料からなる第2金属層を形成し、前記第2金属層で覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第1エッチング処理を行うと共に前記第2金属層上に形成される所定形状のレジスト膜を介して前記第2金属層をウェットエッチングにより除去する第2エッチング処理を行った後、前記第2金属層によって覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第3エッチング処理を行って前記基板上に前記第1金属層及び前記第2金属層からなる金属積層体を形成することを特徴とする金属積層体の形成方法にある。
かかる第1の態様では、第2金属層をウェットエッチングする第2エッチング処理の前に、第2金属層で覆われていない第1金属層をウェットエッチングする第1エッチング処理を行うことにより、基板への第1金属層のエッチング残りが生じるのを確実に防止することができ、所定形状の金属積層体を高品質で良好に形成することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、前記第3エッチング処理の後、前記レジスト膜を介して前記第2金属層をサイドウェットエッチングにより一部除去する第4エッチング処理を行って前記第2金属層の外形を前記第1金属層の外形よりも小さい外形とすることを特徴とする第1の態様の金属積層体の形成方法にある。
かかる第2の態様では、第4エッチング処理時に第2金属層の端面が過剰にエッチングされて逆テーパ形状が顕著、具体的には、第2金属層の外形が第1金属層側から上面に向かって漸大して逆テーパ角が大きくなるのを有効に防止することができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、前記第1金属層を密着性金属材料により形成することを特徴とする第1又は2の態様の金属積層体の形成方法にある。
かかる第3の態様では、第2金属層の密着性を向上することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、前記第1金属層をNiCrにより形成し、前記第2金属層をAuにより形成することを特徴とする第1〜3の何れかの態様の金属積層体の形成方法にある。
かかる第4の態様では、第1金属層をNiCrにより形成することで、Auからなる第2金属層の密着性を向上することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成されると共に一方面側に前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧力発生手段が形成される流路形成基板の少なくとも前記一方面上に金属材料からなる第1金属層を形成した後、前記流路形成基板の一部に対向する領域の前記第1金属層上に、前記第1金属層を形成する金属材料とは異なる金属材料からなる第2金属層を形成し、前記第2金属層で覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第1エッチング処理を行うと共に前記第2金属層上に形成される所定形状のレジスト膜を介して前記第2金属層をウェットエッチングにより除去する第2エッチング処理を行った後、前記第2金属層によって覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第3エッチング処理を行って前記流路形成基板上に前記第1金属層及び前記第2金属層からなる前記金属積層体を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第5の態様では、第2金属層をウェットエッチングする第2エッチング処理の前に、第2金属層で覆われていない第1金属層をウェットエッチングする第1エッチング処理を行うことにより、流路形成基板への第1金属層のエッチング残りが生じるのを確実に防止することができ、所定形状の金属積層体を高品質で良好に形成することができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、前記圧力発生手段として前記流路形成基板の前記一方面上に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を形成し、前記金属積層体として前記圧電素子から引き出されるリード電極を形成することを特徴とする第5の態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第6の態様では、リード電極を所定形状で高品質に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。また、図2は、図1の要部を示す平面図及びA−A′断面図である。さらに、図3は、図2の要部を示す平面図及びB−B′断面図である。また、図4は、流路形成基板用ウェハの概略斜視図である。
【0019】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
【0020】
なお、このような流路形成基板10は、図4に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ100に複数個が一体的に形成され、詳しくは後述するが、この流路形成基板用ウェハ100に圧力発生室12等を形成した後、この流路形成基板用ウェハ100を分割することによって形成される。
【0021】
また、流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12を形成する際のマスクとなるマスク膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。
【0022】
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としてもよい。
【0023】
ここで、圧電体層70は、圧電性セラミックスの結晶であり、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その組成は、圧電素子300の特性、用途等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、PbTiO(PT)、PbZrO(PZ)、Pb(ZrTi1−x)O(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO(PZN−PT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O−PbTiO(PNN−PT)、Pb(In1/2Nb1/2)O−PbTiO(PIN−PT)、Pb(Sc1/2Ta1/2)O−PbTiO(PST−PT)、Pb(Sc1/2Nb1/2)O−PbTiO(PSN−PT)、BiScO−PbTiO(BS−PT)、BiYbO−PbTiO(BY−PT)等が挙げられる。
【0024】
また、このような圧電素子300のそれぞれには、異なる金属材料で形成された複数の金属層からなる金属積層体として、例えば、本実施形態では、図2(b)及び図3に示すように、第1リード電極91と第2リード電極92とからなるリード電極90が接続されている。具体的には、リード電極90は、上電極膜80の一端部近傍から圧力発生室12の周壁に対向する領域まで引き出されている。なお、このようなリード電極90の先端部、すなわち、圧電素子300側とは反対側の端部は、後述する駆動IC120から延設された接続配線130が接続される接続部90aとなっている。
【0025】
ここで、このようなリード電極90は、上電極膜80から絶縁体膜55上まで引き出された第1リード電極91と、第1リード電極91上にこの第1リード電極91よりも狭い幅で形成された第2リード電極92とを有する。また、本実施形態では、第2リード電極92が第1リード電極91の幅方向中央部に設けられている。すなわち、第1リード電極91は、第2リード電極92との接合領域からその外側に所定量突出した突出領域を有する。
【0026】
ここで、第1リード電極91の材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケルクロム合金(NiCr)、チタンタングステン合金(TiW)等が挙げられる。一方、第2リード電極92の材料としては、例えば、金(Au)、アルミニウム合金等が挙げられる。例えば、本実施形態では、リード電極90は、NiCrからなる第1リード電極91と、Auからなる第2リード電極92とで形成されている。なお、第1リード電極91には、第2リード電極92の密着層としての役割と、第1リード電極91と上電極膜80とを形成する金属同士が化学的に反応するのを防止するバリア層としての役割とがある。
【0027】
また、圧電素子300は、絶縁性を有する材料からなる絶縁膜110によって覆われている。例えば、圧電素子300を構成する各層及びリード電極90のパターン領域が、リード電極90の接続部90aに対向する領域を除いて、絶縁膜110によって覆われている。そして、第2リード電極92が第1リード電極91よりも狭い幅となっているため、このような絶縁膜110によって第1リード電極91及び第2リード電極92が良好に被覆される(図3(b)参照)。
【0028】
例えば、第1リード電極が第2リード電極よりも狭い幅で形成されていると、第1リード電極の周縁には第2リード電極と絶縁体膜とで挟まれた隙間(空間)が形成されてしまう。そして、この上から例えば、CVD法(化学蒸着法)等によって絶縁膜を形成すると、第1リード電極の周縁には絶縁膜が形成され難く、この部分から水分が透過して圧電体層が破壊され易くなってしまう。しかしながら、本発明のように、第2リード電極92を第1リード電極91よりも狭い幅で形成することによって、このような絶縁膜110が形成され難い部分が無くなるため、圧電素子300及びリード電極90を絶縁膜110によって確実に覆うことができる。また、第1リード電極91が絶縁膜110によって確実に覆われるため、水分がリード電極90の接続部90a側から第1リード電極91の外縁に沿って圧電素子300側に達するのを防止することができる。したがって、水分(湿気)等による圧電体層70の破壊を確実に防止することができ、ヘッドの信頼性を向上することができる。
【0029】
ここで、このような圧電素子300及びリード電極90を覆う絶縁膜110の材料としては、無機絶縁材料であるのが好ましい。この無機絶縁材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化ケイ素(SiO)等が挙げられるが、これら無機絶縁材料の中でも特に水分透過率の低い材料である酸化アルミニウムを用いるのが好ましい。すなわち、酸化アルミニウムを用いた場合、絶縁膜110が、100nm以下の薄膜で形成されていても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。本実施形態では、絶縁膜110を酸化アルミニウムにより形成した。
【0030】
なお、絶縁膜の材料として、例えば、樹脂等の有機絶縁材料を用いるとなると、上記無機絶縁材料の絶縁膜と同程度の薄さでは、水分透過を十分に防ぐことができない。また、水分透過を防ぐために絶縁膜の膜厚を厚くすると、圧電素子の運動を妨げるという事態を招く虞がある。このような無機絶縁材料、特に、酸化アルミニウムからなる絶縁膜110は、薄膜でも水分の透過性が極めて低いため、この絶縁膜110によって、下電極膜60、圧電体層70、上電極膜80及びリード電極90を覆うことにより、圧電体層70の水分に起因する破壊を防止することができる。
【0031】
また、流路形成基板10上の圧電素子300側の面には、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接着されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。なお、圧電素子保持部31は、密封されていてもよいし密封されていなくてもよい。
【0032】
さらに、保護基板30には、流路形成基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ140を構成している。
【0033】
また、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、この貫通孔33内に上述したリード電極90の接続部90aが露出されている。そして、これら接続部90aには、保護基板30上に実装された駆動IC120の端子に一端が接続されたボンディングワイヤ等からなる接続配線130の他端が接続されている。
【0034】
なお、保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0035】
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ140に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ140の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0036】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ140からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電素子300及び振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインクが吐出する。
【0037】
ここで、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図5〜図8を参照して説明すると共に、従来の製造プロセスの一例を図9に示して説明する。なお、図5〜図8は、インクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。図9は、従来技術に係るインクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。
【0038】
まず、図5(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ100を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜52を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ100として、膜厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
【0039】
次いで、図5(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を形成する。具体的には、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、例えば、スパッタ法等によりジルコニウム(Zr)層を形成後、このジルコニウム層を、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化することにより酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。次いで、図5(c)に示すように、例えば、白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜60を形成した後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。次に、図5(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板10の全面に形成後、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。例えば、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成した。
【0040】
次に、図6(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ100上にNiCr合金からなる第1リード電極91とAuからなる第2リード電極92とをこの順で積層すると共に所定形状にパターニングしてリード電極90を形成する。ここで、図8を参照し、このリード電極90を形成する工程について説明する。なお、図8は、リード電極の形成工程を説明する概略図である。
【0041】
まず、図8(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ100の絶縁体膜55上に、例えば、スパッタリング法により、NiCr合金からなる第1リード電極91を形成すると共に、この上からAuからなる第2リード電極92を形成する。なお、本実施形態では、図8(a)に示すように第1リード電極91を流路形成基板用ウェハ100の全面に亘って形成しているが、勿論これに限定されず、第1リード電極を流路形成基板用ウェハ上の所定領域だけに部分的に形成するようにしてもよい。そして、第2リード電極92を形成する際には、Auからなる第2リード電極92を流路形成基板用ウェハ100の周縁部に達するまで形成するとその周縁部近傍で剥がれ等の不具合が生じてしまうため、本実施形態では、図8(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ100の一方面の周縁部に対応する領域を周方向に亘ってリング部材200で覆った後、その状態で、リング部材200の内側に対応する領域内においてスパッタリング法により第2リード電極92で形成する。これにより、流路形成基板用ウェハ100の一部に対向する領域、ここでは第1リード電極91の周縁部に対向する領域の内側の領域上に第2リード電極92が部分的に形成される。
【0042】
次いで、図8(b)に示すように、リング部材200を撤去した後、第2リード電極92をマスクパターンとして、第2リード電極92で覆われていない第1リード電極91を所定のエッチング液によって選択的にウェットエッチングして除去する(第1エッチング処理)。この第1エッチング処理後の状態では、第1リード電極91と第2リード電極92とは略同一形状となっている。次に、図8(c)に示すように、第2リード電極92上に、例えば、所定パターン形状のレジスト層400を形成し、このレジスト層400を介して第2リード電極92を所定のエッチング液によって選択的にウェットエッチングして所定形状にパターニングする(第2エッチング処理)。この第2エッチング処理後の状態では、第2リード電極92の一部をエッチング除去するので、第1リード電極91の上面が一部露出することになる。次いで、図8(d)に示すように、レジスト層400及び第2リード電極92をマスクとして、第2リード電極92で覆われていない第1リード電極91、すなわち、上記第2エッチング処理により露出した部分の第1リード電極91を所定のエッチング液によってウェットエッチングして除去する(第3エッチング処理)。
【0043】
なお、その後は、図8(e)に示すように、レジスト層400を介して第2リード電極92を所定のエッチング液によってサイドウェットエッチング、詳細には、第2リード電極92の周囲から所定のエッチング液を回り込ませて第2リード電極92の端面側から内方に向かってウェットエッチングして一部除去する(第4エッチング処理)。そして、レジスト層400を除去することにより、第2リード電極92の外形が第1リード電極91の外形よりも小さい外形、詳細には、例えば、第1リード電極91の幅寸法が第2リード電極92の幅寸法よりも大きくなった構成のリード電極90が形成される。
【0044】
ここで、上記図9を参照し、従来技術のリード電極の形成工程について説明する。なお、図9は、従来のリード電極の形成工程を説明する概略図である。従来のリード電極は、上記図8(a)と同様にして第1リード電極91及び第2リード電極92を積層した後、図9(a)に示すように、上記第2エッチング処理に相当するAuエッチング処理を先に行い、その後、図9(b)に示すように、上記第1エッチング処理に相当するNiCrエッチング処理を行うと、NiCrエッチング処理において、流路形成基板用ウェハ100の周縁部に第1リード電極91のエッチング残り(NiCr残り)910が発生してしまう(図9(b)参照)。
【0045】
このように第1リード電極91のエッチング残り910が生じる原因としては、次のようなことが考えられる。例えば、第1リード電極91上に第2リード電極92を積層する際、流路形成基板用ウェハ100の周縁部に対向する部分の第1リード電極91上にリング部材200を用いて第2リード電極を形成しないようにした関係で、その後にNiCrエッチング処理を行う際、第1リード電極91の表面には、リング部材200を用いて第2リード電極92を元々形成していない外側領域と、第2リード電極92をウェットエッチングして除去した後の内側領域とが形成されてしまう。そして、第1リード電極91の外側領域に対応する部分は、第1リード電極91の内側領域に対応する部分よりもエッチング速度が遅くなり、その結果、第1リード電極91の外周領域に対応する部分にエッチング残り910が発生していると考えられる。一方、このような第1リード電極91のエッチング残り910を取り除くために、エッチング時間を延ばすと、第1リード電極91のオーバーエッチングとなり、外形が所定の外形寸法よりも小さくなってしまう。具体的には、第1リード電極91が端面から内方に向かってウェットエッチングされ、第1リード電極91の周縁において、第2リード電極と絶縁体膜55とで挟まれた隙間(空間)が大きくなってしまう。
【0046】
本実施形態では、上述した従来プロセスに係るエッチング残り等の問題を解決するため、第2リード電極92をウェットエッチングする第2エッチング処理(Auエッチング処理)の前に、第2リード電極92で覆われていない第1リード電極91をウェットエッチングする第1エッチング処理(NiCrエッチング処理)を行うようにした。これにより、第2エッチング処理する際には、第1リード電極91の表面において、リング部材200を用いて第2リード電極92を元々形成していない外側領域と、第2リード電極92をウェットエッチングして除去した後の内側領域とが形成されることがない。これにより、第2エッチング処理後に流路形成基板用ウェハ100の周縁部への第1リード電極91のエッチング残りが生じるのを確実に防止することができ、所定形状のリード電極90を高品質で良好に形成することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上述したように流路形成基板用ウェハ100の周縁部への第1リード電極91のエッチング残り910(図9(b)参照)が生じるのを確実に防止することができるため、エッチング残り910を取り除くためのエッチングを行わなくてもよいので、第1リード電極91の過剰なサイドウェットエッチングを有効に防止することができる。これにより、上述した図8(e)に示す第4エッチング処理時においては、第2リード電極92の端面が過剰にエッチングされて逆テーパ形状が顕著、具体的には、第2リード電極92の外形が第1リード電極91側から上面に向かって漸大して逆テーパ角が大きくなるのを有効に防止することができる。
【0048】
次に、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ100の圧電素子300側に、シリコンウェハであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハ150を接着剤35を介して接合する。なお、この保護基板用ウェハ150は、例えば、400μm程度の厚さを有するため、保護基板用ウェハ150を接合することによって流路形成基板用ウェハ100の剛性は著しく向上することになる。
【0049】
次いで、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ100をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらにフッ硝酸によってウェットエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ100を所定の厚み、例えば、本実施形態では、約70μm厚になるように流路形成基板用ウェハ100をエッチング加工した後、流路形成基板用ウェハ100上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜51を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、流路形成基板用ウェハ100をマスク膜51を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。
【0050】
なお、実際には、上述した一連の膜形成及び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割する。その後は、流路形成基板10にマスク膜51を介してノズルプレート20を接合し、保護基板30上に駆動IC120を実装すると共にコンプライアンス基板40を接合した後、ワイヤボンディングによって駆動IC120と各圧電素子300とを接続配線130を介して接続することにより、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとなる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、第2リード電極92をウェットエッチングする第2エッチング処理の前に、第2リード電極92で覆われていない第1リード電極91をウェットエッチングする第1エッチング処理を行うようにしたので、流路形成基板用ウェハ100の周縁部への第1リード電極91のエッチング残り910(図9(b)参照)が生じるのを確実に防止することができ、所定形状のリード電極90を高品質で良好に形成することができる。そして、このようにリード電極90を構成する第1リード電極91及び第2リード電極92の外形を所定形状に形成することができるため、圧電素子300と駆動IC120とを接続するワイヤボンディング接続の際には、リード電極90の端部(ボンディングパッド部)である接続部90aと接続配線130とを確実に接続することができ、ヘッドの品質に対する信頼性を向上することができる。
【0052】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、本発明は、上述した実施形態1に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、第1リード電極91及び第2リード電極92からなる2層のリード電極90を例示したが、これに限定されず、第2リード電極上に、例えば、第3、第4リード電極等を設けて3層以上のリード電極としてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態1では、上電極膜80の面上から引き出されたリード電極90(上電極用リード電極)に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されず、下電極膜から保護基板の貫通孔内に引き出されるリード電極(下電極用リード電極)に本発明を適用するようにしてもよい。
【0054】
なお、上述した実施形態1においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【0055】
また、本発明は、上述したインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドの製造方法に限定されず、例えば、基板の少なくとも一方面上の全面に亘って金属材料からなる第1金属層を形成した後、基板の一部に対向する領域の第1金属層上に、第1金属層を形成する金属材料とは異なる金属材料からなる第2金属層を形成し、これら第1金属層及び第2金属層をパターニングして所定形状の積層電極を形成するのにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る記録ヘッドの要部を示す平面図及びA−A′断面図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッドの要部を示す平面図及びB−B′断面図である。
【図4】実施形態1に係る流路形成基板用ウェハの概略斜視図である。
【図5】実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。
【図6】実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。
【図7】実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。
【図8】実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。
【図9】従来技術に係る記録ヘッドの製造工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0057】
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 33 貫通孔、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 91 第1リード電極、 92 第2リード電極、 100 流路形成基板用ウェハ、 110 絶縁膜、 120 駆動IC、 130 接続配線、 140 リザーバ、 150 保護基板用ウェハ、 200 リング部材、 300 圧電素子、 910 エッチング残り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の少なくとも一方面上に金属材料からなる第1金属層を形成した後、前記基板の一部に対向する領域の前記第1金属層上に、前記第1金属層を形成する金属材料とは異なる金属材料からなる第2金属層を形成し、前記第2金属層で覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第1エッチング処理を行うと共に前記第2金属層上に形成される所定形状のレジスト膜を介して前記第2金属層をウェットエッチングにより除去する第2エッチング処理を行った後、前記第2金属層によって覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第3エッチング処理を行って前記基板上に前記第1金属層及び前記第2金属層からなる金属積層体を形成することを特徴とする金属積層体の形成方法。
【請求項2】
前記第3エッチング処理の後、前記レジスト膜を介して前記第2金属層をサイドウェットエッチングにより一部除去する第4エッチング処理を行って前記第2金属層の外形を前記第1金属層の外形よりも小さい外形とすることを特徴とする請求項1記載の金属積層体の形成方法。
【請求項3】
前記第1金属層を密着性金属材料により形成することを特徴とする請求項1又は2記載の金属積層体の形成方法。
【請求項4】
前記第1金属層をNiCrにより形成し、前記第2金属層をAuにより形成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の金属積層体の形成方法。
【請求項5】
液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成されると共に一方面側に前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧力発生手段が形成される流路形成基板の少なくとも前記一方面上に金属材料からなる第1金属層を形成した後、前記流路形成基板の一部に対向する領域の前記第1金属層上に、前記第1金属層を形成する金属材料とは異なる金属材料からなる第2金属層を形成し、前記第2金属層で覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第1エッチング処理を行うと共に前記第2金属層上に形成される所定形状のレジスト膜を介して前記第2金属層をウェットエッチングにより除去する第2エッチング処理を行った後、前記第2金属層によって覆われていない前記第1金属層をウェットエッチングにより除去する第3エッチング処理を行って前記流路形成基板上に前記第1金属層及び前記第2金属層からなる前記金属積層体を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記圧力発生手段として前記流路形成基板の前記一方面上に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を形成し、前記金属積層体として前記圧電素子から引き出されるリード電極を形成することを特徴とする請求項5記載の液体噴射ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−245365(P2007−245365A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67940(P2006−67940)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】