説明

鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム

【課題】 地震被災時において、鉄道に関する被災情報や支援情報を素早く利用者に提供することにより、利用者が安全に避難することを促進し、被災からの復旧対策をより円滑にする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムを提供する。
【解決手段】 鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムは、鉄道施設毎に設置される、この鉄道施設の被災時の通報先情報を予め記憶したQRコード5と、このQRコード5を読み取った利用者が被災情報を通報する中継局6と、この中継局6に通報された前記被災情報を総括するとともに、前記中継局6に避難情報を提供する被災支援本部7とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、以下のような災害時支援システムが開示されている。
【0003】
(1)災害が発生した場合に、これを適切に検知し、ユーザを保護する災害対処システム(下記特許文献1参照)。
【0004】
(2)建物の振動に関する危険対策支援システム、さらに地震等の災害に応じた避難経路を提示する支援システム(下記特許文献2参照)。
【0005】
(3)より細かい地域に密着した災害情報、ならびに安否確認情報などを迅速かつ正確に配信する災害支援システム(下記特許文献3参照)。
【0006】
(4)重点防災場所で災害が発生した場合、早期に災害発生場所近傍の危険物による周囲への影響を把握でき、早期に関係機関への通報及び地域住民の避難勧告ができる防災支援システム(下記特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2006−67030号公報
【特許文献2】特開2005−215998号公報
【特許文献3】特開2004−227245号公報
【特許文献4】特開2004−185546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、鉄道の地震被災時に焦点をあてた総合的なリスクマネジメントシステムは存在していない。
【0008】
特に、地震被災時には緊急な情報の発信・受信が必要であるが、通常の携帯電話システムを用いてもこのような被災時には通話中であるとして通信できないといった事態に陥ることが多い。
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて、地震被災時において、鉄道に関する被災情報や支援情報を素早く利用者に提供することにより、利用者が安全に避難することを促進し、被災からの復旧対策をより円滑にする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道施設毎に設置される、該鉄道施設の被災時の通報先情報を予め記憶したQRコードと、このQRコードを読み取った利用者が被災情報を通報する中継局と、この中継局に通報された前記被災情報を総括するとともに、前記中継局に避難情報を提供する被災対策本部とを具備することを特徴とする。
【0011】
〔2〕上記〔1〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記被災対策本部は、前記鉄道施設の前記被災情報に基づき、関係機関に通報し、復旧支援を行うことを特徴とする。
【0012】
〔3〕上記〔2〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記関係機関が消防、救急機関であることを特徴とする。
【0013】
〔4〕上記〔1〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記被災対策本部は、前記利用者本人の被災情報に基づき、前記関係機関に通報し、復旧支援を行うことを特徴とする。
【0014】
〔5〕上記〔4〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記関係機関が救急・避難支援機関であることを特徴とする。
【0015】
〔6〕上記〔1〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道施設としての地下駅構内又はトンネルには緊急時に蛍光または点滅する方向指示標識を設置することを特徴とする。
【0016】
〔7〕鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道施設毎に設置されるQRコードと、このQRコードを読み取った利用者が被災情報を通報し、この通報された前記被災情報に基づいて復旧を行う復旧支援機関とを具備することを特徴とする。
【0017】
〔8〕上記〔7〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記QRコードは、鉄道の踏切に配置されており、遮断かんが折損している場合には、該遮断かんの折損の発見者が前記QRコードを読み取り、前記QRコード中に記憶させてある前記復旧支援機関へ通報可能としたことを特徴とする。
【0018】
〔9〕上記〔7〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、軌道・道床毎にQRコードを用いた構造物情報を配置しておき、地震による被災時にデータベースの消失が起こった場合、前記QRコードを読み取って復旧支援機関に通信することで、構造物データの再構築を可能にすることを特徴とする。
【0019】
〔10〕上記〔7〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道の踏切の踏切警報機にQRコードを設置しておき、前記鉄道の踏切で踏切事故が生じたような場合には、前記QRコードを用いて広域避難場所や救急病院の位置・経路情報を取得できるようしたことを特徴とする。
【0020】
〔11〕上記〔7〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道のトンネル出口付近にQRコードを設置しておき、前記鉄道のトンネルで鉄道事故が生じたような場合には、前記QRコードを用いて広域避難場所や救急病院の位置・経路情報を取得できるようにしたことを特徴とする。
【0021】
〔12〕上記〔7〕記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、復旧の迅速化、データの補助機能のため、鉄道の高架や橋脚の構造物自体に構造物データを格納したQRコードを設置しておき、地震による緊急時にデータベースが消失していた場合でも前記QRコードを読み取ることにより前記構造物データの再構築を可能としたことを特徴とする。
【0022】
ここで、QRコード(Quick Response コード)とは、マトリックス型二次元コードの一種であり、デンソーウェーブの登録商標となっている。縦横に情報を持ちバーコードなどに比べて格納できる情報量が多く、数字だけでなく英字や漢字のデータも格納できる。また、本発明の実施例では、横方向にしか情報を持たないバーコードもQRコードに含まれるものとしている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0024】
(1)地震被災時において、利用者本人は鉄道施設に配置された情報をよりどころとして通報機関への通報や避難先の探索を行うことができ、利用者の避難を支援し、安全性を確保することができる。
【0025】
(2)地震対策本部などに鉄道に関する被災情報を提供することにより、円滑な対策支援を行う。これらの支援を通し、地震被災からのより効率的な復旧を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施例を示す鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムの模式図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す被災地域における新幹線、在来線、駅にいる乗客などの利用客数の推定のための説明図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す地下にある建造物やトンネルなどでの緊急時の方向指示標識を示す図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムの模式図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す軌道、道床とその管理の模式図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す鉄道の踏切の踏切警報機とその管理の模式図である。
【図7】本発明の第6実施例を示す鉄道駅構内とその管理の模式図である。
【図8】本発明の第7実施例を示す鉄道のトンネルとその管理の模式図である。
【図9】本発明の第8実施例を示す鉄道の高架や橋脚の管理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムは、鉄道施設毎に設置される、この鉄道施設の被災時の通報先情報を予め記憶したQRコードと、このQRコードを読み取った利用者が被災情報を通報する中継局と、この中継局に通報された前記被災情報を総括するとともに、前記中継局に避難情報を提供する被災支援本部とを具備する。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の第1実施例を示す鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムの模式図、図2は被災地域における駅にいる乗客、新幹線、在来線などの利用客数の推定のための説明図である。
【0030】
これらの図において、1は地震源となる火山、2は鉄道施設としての地上の駅、3は鉄道施設としての地下鉄の駅、4は鉄道施設としての鉄道の踏切である。これらの鉄道施設にはQRコード(登録商標)(バーコード)5が配置されている。このQRコード5には、被災時を想定して通報先情報などが記憶されており、被災者は、携帯情報読み取り端末(携帯電話機)により、QRコード5を読み取り、その情報に基づいて、携帯情報読み取り端末(携帯電話機)により中継局(当該管理所)6へ通報する。この中継局(当該管理所)6では、被災者からの通報を収集する。7は複数の中継局6からの情報を統括する被災対策本部(指令所)、8は被災対策本部7からの指令により活動を行う支援機関、9は被災対策本部7からの指令により被災者を受け入れる避難所である。
【0031】
地震被災時における鉄道の乗客は、携帯情報読み取り端末(携帯電話機)を携帯していれば、鉄道施設である地上又は地下鉄の駅2,3に配置されているQRコード5を読み取って通報先情報を取得し、中継局6へ通報することができる。同様に、鉄道施設である鉄道の踏切4等においても、利用者はQRコード5を携帯情報読み取り端末(携帯電話機)により読み取って、取得した通報先情報から中継局6へ鉄道施設の被災情報および利用者本人の被災情報を通報することができる。中継局6への通報は被災対策本部7で統括され、被災対策本部7はその情報に応じて、支援機関8および避難所9へ連絡して被災者の救済にあたるようにする。特に、各鉄道施設のQRコード5を利用して乗客が通報した情報を総括することにより、被災対策本部7では、要救助者情報である被災人数や被害の規模を把握することができる。
【0032】
被災地域において、被災地域の中継局6では、図2(a)に示すような被災地域の駅にいる乗客数、図2(b)に示すような新幹線の乗客数、図2(c)に示すような在来線の乗客数等被災地域の鉄道施設の利用客数の総数をSuicaの利用情報や乗車券の発行情報から推定し、被災対策本部へ通報する。被災対策本部7は、この利用客数情報を被害情報と組み合わせて被災者数などの推定を行う。
【0033】
被災対策本部で得た駅施設などの被災情報や推定された被災者数などの情報は、支援機関8による救急支援や避難所9への避難案内に利用することができる。例えば、各支援機関6では、火災被害の拡大を抑えるための消防車や、救急支援のための救急車の出動を行うようにすることができる。
【0034】
また、避難所9が満杯か空きかの情報を被災対策本部7で常に管理して、救助者への対応を十全にする。
【0035】
また、鉄道列車内に携帯情報読み取り端末(携帯電話機)を配備することにより、鉄道列車を情報端末として中継局6へ通報し、被災支援本部7において被災の広がりや規模を把握することもできる。
【0036】
このように、被災対策本部7では、(1)多地点での被害状況を把握し、集約することにより、(2)リスクマネジメントの観点から支援の優先度の判断を行い、(3)被災者の救助の要請・避難指示を行うようにする。
【0037】
なお、本発明では、各種鉄道施設にQRコードを配置して、緊急時は避難場所、現在地、避難経路などの案内情報を提供するように構成しているが、通常時は、駅の構内や駅周辺の案内情報、広告、ウォークラリーなどのイベント情報の提供、施設管理などに使用することができる。
【0038】
次いで、ローカルな鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムについて説明する。
【0039】
ローカルな鉄道の場合には、上記したように中継局及び被災対策本部を配置するまでもなく、支援機関に直接被災情報が集約されるように構成し、地震被災時の支援を行うようにする。
【0040】
図3は本発明の第2実施例を示す地下にある建造物やトンネルなどでの緊急時の方向指示標識を示す図である。
【0041】
地下駅構内11には、図3(a)に示すような、緊急時に蛍光表示または点滅する方向指示標識12が、同様に鉄道のトンネル13には、図3(b)に示すような緊急時に蛍光表示または点滅する方向指示標識14が設置されている。被災時に地下鉄構内11またはトンネル13内に配置されたQRコードの通報先情報を用いて通報があった場合、これらの方向指示標識12,14が蛍光表示または点滅し、乗客は、この方向指示標識を辿って出口へと向かうことができる。
【0042】
地下にある建造物や鉄道のトンネルなどでは、火災時の煙などにより、避難方向がわからなくなる可能性が高い。そこで、上記したように、蛍光表示または点滅する方向指示標識12,14を床面または低い位置に設置することによって利用客の安全な避難を促すことができる。
【0043】
図4は本発明の第3実施例を示す鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムの模式図である。
【0044】
この実施例では、鉄道の踏切21にQRコード(バーコード)22が配置されており、地震などにより遮断かん23が折損した場合には、遮断かん23の折損の発見者が携帯読み取り端末(携帯電話機)24でQRコード22を読み取り、QRコード22中に記憶させてある緊急連絡先情報に基づいて遮断かん23の折損を当該復旧支援機関25に通報する。復旧支援機関25は、復旧のための技術者を搭乗させた復旧車27を遮断かん23が折損している鉄道の踏切21へ出向かせて、遮断かん23の復旧を行わせるよう復旧手配を行う。
【0045】
図5は本発明の第4実施例を示す軌道、道床とその管理の模式図である。
【0046】
この実施例では、被災時の復旧の迅速化、データの補助機能のため、レールなどの構造物自体に構造物データ(レールの曲率や長さなどの構造情報や周辺関連物、例えばまくらぎや道床の情報など)を格納したQRコード31,32,33を設置しておく。
【0047】
地震による被災時にデータベースの消失が起こった場合、携帯情報読み取り端末34により、QRコード31,32,33を読み取って復旧支援機関35に通信することで、構造物データの再構築が可能となる。
【0048】
また、本発明のリスクマネジメントシステムを鉄道施設の保安管理に用いることもできる。軌道・道床毎にQRコード(バーコード)31,32,33を用いて構造物情報を配置しておく。この構造物情報としては、例えば、(1)修繕履歴、(2)事故・トラブル履歴、(3)作業の進捗管理などの情報がある。
【0049】
そこで、携帯情報読み取り端末34によりQRコード31,32,33を読み取ってそれらの情報を当該保線区の復旧支援機関35に通信して、復旧支援機関35に保存されている情報と照合して作業状況を判断する。
【0050】
図6は本発明の第5実施例を示す鉄道の踏切の踏切警報機とその管理の模式図である。
【0051】
この実施例では、鉄道の踏切41の踏切警報機42に携帯読み取り端末(携帯電話機)で読み取り可能なQRコード(バーコード)43を設置しておき、鉄道の踏切41で踏切事故を生じたような場合には、そのQRコード43を用いて広域避難場所44や救急病院45の位置・経路情報を取得できるようにした。
【0052】
図7は本発明の第6実施例を示す鉄道駅構内とその管理の模式図である。
【0053】
この実施例では、駅構内51に携帯読み取り端末(携帯電話機)で読み取り可能なQRコード(バーコード)52を設置しておき、駅構内51で鉄道事故が発生したような場合には、そのQRコード52を用いて広域避難場所53や救急病院54の位置・経路情報を取得できるようにした。
【0054】
図8は本発明の第7実施例を示す鉄道のトンネルとその管理の模式図である。
【0055】
この実施例では、鉄道のトンネル61出口付近に携帯読み取り端末(携帯電話機)で読み取り可能なQRコード(バーコード)62を設置しておき、鉄道のトンネル61内で鉄道事故が発生したような場合には、そのQRコード62を用いて広域避難場所63や救急病院64の位置・経路情報を取得できるようにした。
【0056】
上記したように、各種の鉄道施設または構造物に、携帯読み取り端末(携帯電話機)で読み取り可能なQRコード(バーコード)を予め設置し、その設置施設の周辺の情報(緊急避難場所や救急病院など)または構造物データをQRコードを用いて提示する。
【0057】
図9は本発明の第8実施例を示す鉄道の高架や橋脚の管理の模式図である。
【0058】
この実施例では、復旧の迅速化、データの補助機能のため、鉄道の高架71や橋脚72などの構造物自体に構造物データ(構造物の長さや重さなどの構造情報)を格納したQRコード(バーコード)73,74を設置しておき、地震などの緊急時にデータベースが消失していた場合でも携帯読み取り端末(携帯電話機)75によってQRコード73,74を読み取ることにより構造物データの再構築を可能とした。
【0059】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムは、地震被災時において、鉄道に関する被災情報や支援情報を素早く利用者に提供することにより、利用者が安全に避難することを促し、被災からの復旧対策をより円滑にする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムとして利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 地震源となる火山
2 地上の駅(鉄道施設)
3 地下鉄の駅(鉄道施設)
4,21,41 鉄道の踏切(鉄道施設)
5,22,31,32,33,43,52,62,73,74 QRコード(バーコード)
6,35 中継局(当該管理所)
7 被災対策本部(指令所)
8 支援機関
9 避難所
11 地下駅構内
12,14 緊急時に蛍光表示または点滅する方向指示標識
13,61 鉄道のトンネル
23 遮断かん
24,34,75 携帯読み取り端末(携帯電話機)
25,35 復旧支援機関
26 復旧車
42 踏切警報機
44,53,63 広域避難場所
45,54,64 救急病院
51 駅構内
71 鉄道の高架
72 橋脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)鉄道施設毎に設置される、該鉄道施設の被災時の通報先情報を予め記憶したQRコードと、
(b)該QRコードを読み取った利用者が被災情報を通報する中継局と、
(c)該中継局に通報された前記被災情報を総括するとともに、前記中継局に避難情報を提供する被災対策本部とを具備することを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項2】
請求項1記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記被災対策本部は、前記鉄道施設の前記被災情報に基づき、関係機関に通報し、復旧支援を行うことを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項3】
請求項2記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記関係機関が消防、救急機関であることを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項4】
請求項1記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記被災対策本部は、前記利用者本人の被災情報に基づき、前記関係機関に通報し、復旧支援を行うことを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項5】
請求項4記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記関係機関が救急・避難支援機関であることを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項6】
請求項1記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道施設としての地下駅構内又はトンネルには緊急時に蛍光または点滅する方向指示標識を設置することを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項7】
(a)鉄道施設毎に設置されるQRコードと、
(b)該QRコードを読み取った利用者が被災情報を通報し、該通報された前記被災情報に基づいて復旧を行う復旧支援機関とを具備することを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項8】
請求項7記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、前記QRコードは、鉄道の踏切に配置されており、遮断かんが折損している場合には、該遮断かんの折損の発見者が前記QRコードを読み取り、前記QRコード中に記憶させてある前記復旧支援機関へ通報可能としたことを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項9】
請求項7記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、軌道・道床毎にQRコードを用いた構造物情報を配置しておき、地震による被災時にデータベースの消失が起こった場合、前記QRコードを読み取って復旧支援機関に通信することで、構造物データの再構築を可能にすることを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項10】
請求項7記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道の踏切の踏切警報機にQRコードを設置しておき、前記鉄道の踏切で踏切事故を生じたような場合には、前記QRコードを用いて広域避難場所や救急病院の位置・経路情報を取得できるようしたことを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項11】
請求項7記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、鉄道のトンネル出口付近にQRコードを設置しておき、前記鉄道のトンネルで鉄道事故が生じたような場合には、前記QRコードを用いて広域避難場所や救急病院の位置・経路情報を取得できるようにしたことを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。
【請求項12】
請求項7記載の鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステムにおいて、復旧の迅速化、データの補助機能のため、鉄道の高架や橋脚の構造物自体に構造物データを格納したQRコードを設置しておき、地震による緊急時にデータベースが消失していた場合でも前記QRコードを読み取ることにより前記構造物データの再構築を可能としたことを特徴とする鉄道の地震被災時のリスクマネジメントシステム。

【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−225113(P2010−225113A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74658(P2009−74658)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】