説明

鎮痛活性および/または免疫賦活活性を有する3−ヘテロ環−3−ヒドロキシ−2−アミノプロピオン酸アミドおよび関連化合物

それらの構造式が明細書中に示される化合物は哺乳類において鎮痛活性および/または免疫賦活活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張:本出願は、2005年1月26日に出願した米国仮出願第60/647271号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、鎮痛活性およびある場合には免疫賦活活性を有する化合物に関する。
【0003】
また、本発明は、哺乳動物において疼痛を緩和もしくは除去するかつ/または哺乳動物において免疫系を賦活する活性成分として、これらの化合物を含有する医薬組成物、ならびに当該医薬組成物を鎮痛薬および/または免疫賦活薬として使用する方法にも関するものである。
【背景技術】
【0004】
「3−アリール−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミドの誘導体、3−ヘテロアリール−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミドの誘導体、1−アリール−1−ヒドロキシ−2,3−ジアミノ−プロピルアミンの誘導体、1−ヘテロアリール−1−ヒドロキシ−2,3−ジアミノ−プロピルアミン」としての一般的な定義の1種または複数に属するいくつかの化合物が、特許および科学文献で知られている。
【0005】
例えば、米国特許出願第2003/0153768号;第2003/0050299号は、上記の既知の化合物のいくつかの例を開示している。これらの参考文献のN−アシル化合物は、N−アシルスフィンゴシングルコシルトランスフェラーゼ阻害剤として有用であるといわれ、それらのアミドおよび還元化合物がそれらの調製における中間体として記載されている。これらの参考文献の化合物の例示的な特定の例を以下に示す。
【化1】

【0006】
出版物、Shinら, Tetrahedron Asymmetry, 2000, 11, 3293-3301は、以下の化合物を開示している。
【化2】

【0007】
本発明の方法で使用するL−トレオ−PDMPおよびいくつかのその他の既知の化合物は、純粋な鏡像異性体およびラセミ体で適用可能に、Matreya, LLC(Pleasant Gap、ペンシルベニア州)から市販されている。
【化3】

【0008】
米国特許第5945442号、第5952370号、第6030995号および第6051598号は、同一または関連の開示にも基づいていることから、いずれも相互に関連しているが、これらは、上記で示した既知の化合物に構造が類似している化合物を開示している。これらの米国特許の参考文献の化合物は、グルコシルセラミド(GlcCer)合成酵素の阻害剤であるといわれている。
【0009】
出版物、Journal of Labelled Compounds & Radiopharmaceuticals(1996), 38(3), 285-97は、以下の式の化合物を開示している。
【化4】

【0010】
公開されているPCT出願第WO01/38228号は、クロマトグラフィーの方法に関連して
【化5】

を開示している。
【0011】
Latvijas PSR Zinatnu Akademijas Vestis, Kimijas Serija(1965)(4), 474-7において、Kastronらは、以下の化合物を開示している。
【化6】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
重要なことには、本発明の発明者らの知る限りにおいては、従来技術の化合物のいずれもが、従来技術においては、鎮痛薬または免疫賦活薬としては開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、次式
【化7】

(R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキル);
【化8】

【化9】

(R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキル);
【化10】

(R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキル);
【化11】

(式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキル);
【化12】

(式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキル)
で表される化合物および該化合物の全ての製薬的に許容される塩に関する。
【0014】
また、本発明の対象は、上記の新規な化合物を含有する、哺乳動物において鎮痛薬および/または免疫賦活薬として使用する医薬組成物、ならびに当該医薬組成物を鎮痛薬または免疫賦活薬として使用する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の化合物の一般的な説明は、本特許出願の課題を解決するための手段で述べられている。本発明のいくつかの化合物は、1個または複数の不斉中心を含有し、そのため、そのような化合物には、鏡像異性体およびジアステレオ異性体が存在することができる。事実上、ほとんどの本発明の化合物は、互いに隣接する2個の不斉炭素を有し、したがって、エリトロ形またはトレオ形として存在することができ、これらの2種の形のそれぞれが、右旋性(D)または左旋性(L)の鏡像異性体を有する。本発明によれば、通常、鎮痛活性を得るには、トレオ形が好ましいが、特に別途述べない限り、本発明の範囲には、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、およびジアステレオ異性混合物またはラセミ混合物の全てを含む。上記に照らして、本出願においては、「DL」または「(+/−)」または「(±)」が指定されている場合には、純粋な右旋性鏡像異性体、純粋な左旋性鏡像異性体、および2種の鏡像異性体が均等または不均等な割合で存在する混合物を含む、全てのラセミ混合物を含むことを明確に理解されたい。さらに、簡素化のために、下記の例においてなど、構造式の多くにおいて、鏡像異性体の1種のみが実際に示されているが、「DL」または「(+/−)」または「(±)」が指定されている場合には、当該式で実際に示されている構造の鏡像異性体(鏡映像)も含まれる。
【0016】
例えば、
【化13】

である。
【0017】
したがって、上記の例では、鏡像異性体の1種のみが示されているが、「DL」(または「(+/−)」または「(±)」)が、式の下に指定されているので、その光学異性体
【化14】

および2種の光学異性体のラセミ混合物の全ても含まれる。
【0018】
本発明のいくつかの化合物の場合には、トレオ形、およびエリトロ形の一部において、一方の鏡像異性体が、同一の対の他方の鏡像異性体よりも、鎮痛薬として顕著に活性が高いことがある。このため、他方より顕著に活性が高い、単離された鏡像異性体を、たとえ同一の化合物のラセミ混合物または単一な1つの鏡像異性体が従来技術にすでに記載されている場合であっても、新規な発明組成物と見なすものとする。
【0019】
本発明の新規な化合物のいくつかは、3個以上の不斉中心を含有していてもよい。
【0020】
広い意味では、異性体、鏡像異性体およびラセミ混合物の全てが、本発明の範囲に属するが、読者である当業者には、上記の例を記憶にとどめれば、個々の記載されている例の範囲が容易に理解されるであろう。
【0021】
化合物の一般的な説明および定義における「アルキル」という用語には、直鎖および分枝鎖のアルキル基が含まれる。
【0022】
一般に、本発明の化合物は、薬学的に許容される酸または塩基と塩を形成することができ、化合物の薬学的に許容される塩も、本発明の範囲に属する。
【0023】
さて、本発明の新規な化合物について述べると、上でおよび特許請求の範囲に示したR4基は好ましくはHである。
【0024】
本明細書中、本発明の最も好ましい新規な化合物を以下の表中の構造式および/または例示的な化合物の、鎮痛薬として作用する能力に関する活性を示す説明を付けて開示する。
【0025】
生物学的活性、投与形態
本発明の新規な化合物は、哺乳動物において、鎮痛活性および/または免疫賦活活性を有する。背景技術に記載した化合物のいくつかは、当技術分野においては、それ自体が既知であるが、本発明の発明者らによって、哺乳動物において鎮痛効果も示すことが発見された。本発明の発明者らの知る限りにおいては、これらの既知の化合物の鎮痛活性または免疫賦活性の生物学的活性は、今回発見されるまでは知られていなかった。
【0026】
慢性の疼痛(特に、末梢性神経障害)における化合物の鎮痛効果の測定に用いる、当技術分野で認められているモデルまたはアッセイは、KimおよびChung 1992、Pain 150、pp 355−363(Chungモデル)として知られるモデルである。このモデルでは、実験動物の片側のL5(および所望によりL6)脊髄神経を外科的に結紮することになる。ラットは、手術から回復するにつれ、体重が増加し、正常なラットに類似する通常の活動のレベルを示す。しかし、これらのラットは、足においては異常を示すようになり、後足が中等度に裏返り、つま先が一緒になって離れなくなる。より重要な点は、手術を受けた側の後足では、機械的刺激に対する感受性の閾値が低下し、かすかな接触感の代わりに疼痛を感じるようになることである。正常であれば無痛性の接触に対するこのような感受性は、「接触性アロディニア」と呼ばれ、手術後1週間以内に発生し、少なくとも2ヶ月は持続する。アロディニア応答には、刺激から逃れるために手術を受けた後足を持ち上げること、足をなめること、および足を何秒間も空中に保つことが含まれる。これらの応答はいずれも、対照群では、通常認められない。
【0027】
接触性アロディニアを発生させるために、ラットに手術前に麻酔をかける。術部を剪毛し、ベタダインまたはノボケインのいずれかを用いて手術に備える。第8胸椎から仙骨に向かって下方に切開する。L4〜S2のレベルにおいて、脊椎(左側)から筋肉組織を分離させる。L6椎の位置を決定し、横突起を小型の骨鉗子を用いて注意深く取り除いて、L4〜L6脊髄神経を露出させる。L5およびL6脊髄神経を単離し、6−0絹糸を用いて、しっかりと結紮する。対照として、同一の処置を右側に施すが、脊髄神経の結紮は行なわない。
【0028】
止血が完全であることを確認した後、創部を縫合する。少量の抗生物質の軟膏を切開部に施用し、調節されている熱−温度ランプ下にある回復用のプラスチック製ケージに、ラットを移す。
【0029】
手術後少なくとも7日後である実験日には、通常、6匹のラットを各試験群に用い、試験薬剤を腹腔内注射(i.p.)または経口胃管栄養法(p.o.)によって投与する。i.p.投与では、化合物を水中で調製し、1ml/kg体重の容量で腹腔内に注射することによって投与する。p.o.投与では、化合物を水中で調製し、1ml/kg体重の容量で、食道を介して胃内にゆっくり挿入する18ゲージの、3インチ胃管栄養針を使用して投与する。
【0030】
接触性アロディニアをフォンフレイの触毛を介して評価する。これは、一連の硬度が少しずつ異なる細い毛である。金網製の底を有するプラスチック製のケージにラットを入れ、約30分かけて順応させる。投与前のベースラインを確立するために、フォンフレイの触毛をラットの後足の足底の中央部分に、わずかなバックリングに十分な力で、網を介して垂直に接触させ、6〜8秒間保持する。接触させる力は、0.41〜15.1グラムの範囲であるように計算されている。足が素早く引っ込む場合には、陽性の反応と見なされる。正常な動物は、この範囲の刺激には応答しないが、外科的に結紮した足は、1〜2グラムの毛に応答して引っ込む。足の引っ込め50%閾値を本明細書に参照によって組み入れられているDixon, W.J.,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.20:441-462(1980)の方法を用いて求める。投与前と投与15、30および60分後に、接触性アロディニアを測定する。投与後の閾値を投与前の閾値と比較し、15.1グラムの正常閾値に基づいて、接触感受性の低下率を計算する。
【0031】
以下の表1に、Chungモデルにおいて、本発明の例示的な化合物を用いて得られた疼痛の低下の程度を示す。化合物の腹腔内(i.p.)および/または静脈内(iv)投与の用量は、術後、1μg/kg〜300μg/kgまたは3mg/kgの範囲であり、アロディニアの低下率のピークを投与15、30または60分後に測定し、表に示した。ラットのChungモデルにおいては、アロディニアの低下は、最低でも20%とし、データは、(投与後15分、30分または60分の3時点のいずれかにおける)アロディニアの低下率の最大値として表した。群間(投薬処置群対食塩水処置群)の比較を両側独立2標本t検定を用いて行なった。300μg/kgを腹腔内投与した後、鎮痛性を統計的に示さなかった化合物は、示されていないが、これらにも鎮痛性がある場合がある。100mg/kgで有意な鎮痛性を示さない化合物は、鎮痛性があるとは見なさない。
【表1】

【0032】
免疫の賦活の測定に用いる、当技術分野で認められている方法は、化合物の全身投与を含み、恐らく血液リンパ細網系の上方制御によって、免疫系を賦活する能力を試験する。この上方制御によって、T細胞およびB細胞の両方の系列のリンパ球の数を増加させることが可能であると思われる。出願人は、免疫賦活のこの生物学的理論に縛られるつもりはないが、実験用のラットに試験化合物を投与し、それに応答する脾臓の大きさを試験することによって、化合物の実際の免疫賦活効力をin vivoにおいて実証することができる。このように、脾臓サイズの増大から、化合物が免疫賦活薬として有望であることが示される。一般に、200mg/kgまたはそれ以下の投与により脾臓を拡大させる化合物はいずれも、免疫賦活薬と見なすことができる。
【0033】
投与形態:
本発明の化合物を薬学的有効量で投与することができる。通常、そのような投与量は、所望の治療効果を達成するために必要とする最少の用量である。慢性疼痛の治療においては、この量は、およそ、疼痛によって生じる不快感を低減させるのに必要とする量であろう。一般に、ヒト成人では、そのような用量は、0.1〜5000mg/日の範囲であり、より好ましくは、1〜3000mg/日の範囲であり、さらにより好ましくは、10〜1000mg/日の範囲である。しかし、所与の症例において投与する化合物の実際の量は、疼痛の重症度、患者の年齢および体重、患者の全身状態、疼痛の原因、ならびに投与経路など、関連する状況を考慮して医師が決定するものとする。
【0034】
本化合物は、哺乳動物、特に、ヒトにおいて、疼痛の治療に有用である。好ましくは、本化合物は、錠剤、液剤、カプセル剤、散剤など、いずれかの許容される剤型で、経口的に患者に投与される。しかし、その他の経路が望ましい場合または必要である場合があり、特に、患者が悪心を訴える場合がそうである。そのようなその他の経路として、例外なしに、経皮、腹腔内、非経口、皮下、鼻腔内、くも膜下腔内、筋肉内、静脈内および直腸内による送達の形態があげられる。本発明の別の態様では、本発明の新規な化合物と、これらの化合物の薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む治療用組成物を対象とする。そのような賦形剤は、担体または希釈剤となることができる。多くの場合、これを活性のある化合物と混合する、またはこれで活性のある化合物を希釈もしくは封入する。希釈剤の場合、この担体は、活性のある化合物に対して、賦形剤またはビヒクルとして作用する固体、半固体、または液体の材料であることができる。処方は、湿潤剤、乳化剤、保存剤、甘味剤、および/または嬌味剤も含むことができる。眼科用または注入用の場合、多くの場合、処方の浸透圧を変化させるために、処方は、1種または複数の塩を含有するであろう。
【0035】
本発明の別の態様では、本発明の対象は、疼痛、特に、慢性疼痛を1種または複数の、本発明の新規な、もしくはそうでなければ既知の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩をそれを必要とする哺乳動物に投与することによって治療する方法である。上記で示したように、多くの場合、本化合物は、所望の送達形態に合致した剤型に製剤化される。
【0036】
免疫賦活薬である本発明の化合物は、鎮痛活性を有する化合物と同一の原理に基づいて、症例毎および/または種毎に、ヒトの場合には、時に、患者毎に、最適な用量で投与される。一般に、有効量は、10μg/kg〜200mg/kgの範囲であろう。
【0037】
本発明の化合物を得るための合成方法
本発明の化合物を以下の実験例に記載する合成方法、または本開示に照らせば当業者には容易に明らかになるであろう、以下に記載する実験的方法の変法を利用して合成することができる。より具体的には、本発明の各化合物の合成は、R4がHである具体的な化合物について記載する。当業者は、R4が、1〜6炭素のアルキルであるかまたはR5が1〜6炭素のアルキルであるCO−R5である化合物が、それぞれアルキル化またはアシル化等の当分野に周知の製造方法によって容易に製造することができることを容易に理解する。また、当業者は、ヒドロキシ基のアルキル化またはアシル化を実施するにあたり、アミノ基等の他の基が保護に必要であり得ること、この保護基を後に当分野で周知の方法によって脱離することができることを容易に理解する。ある場合においては、ヒドロキシ基のアルキル化またはアシル化を、本発明の化合物に導く合成の過程における中間体に対して行うことができる。
【0038】
一般論
Advance 300分光計(Bruker製)を用いて、室温で1H NMRスペクトルを記録した。Waters 2525ポンプ、Waters 2696フォトダイオードアレイ検出器およびXTerraカラム(特許第186000482号、5μm、C18、4.5×50mm)を備えるWaters Autopurification Systemを使用して、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、化合物を分析した。使用したHPLC法では、7分間で、溶媒Bの濃度を5%から100%に変化させた。溶媒Aは、0.05%TFAを有する水であり、溶媒Bは、0.05%TFAを有するCH3CNであった(方法A)。
Buchi B−545型融点測定装置を用いて、融点を測定したが、補正はしなかった。反応生成物を単離するために、回転式真空蒸発器を使用して溶媒を蒸発させて除去した。水浴の温度は、40℃以下とした。
【0039】
一般的な合成経路
本発明の化合物を一般的な意味では直下に、さらにより詳細には本出願の実験例の項に記載する合成法を利用することによって、または本開示に照らせば当業者には容易に明らかになるであろう、以下に記載する一般的なおよび実験例の方法の変法によって合成することができる。
【0040】
好ましい化合物の合成に関する詳細な説明(実験例)
化合物19の調製
2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098
イソシアノ酢酸メチル(96%、工業用グレード、5.0g、47.8mmol)に、冷却(0℃)および撹拌しながら、ピロリジン(6.5mL、78mmol)をゆっくり添加した。混合物を引き続き冷却しながら、1.5時間撹拌し、次いで、濃縮した。得られた油をCH2Cl2:ヘキサンから、2回にわたり共蒸発させて、残留しているピロリジンを除去した。2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098を黄色の固体(6.85g、収率98%)として得た後、精製せずに、次の工程で使用した。
【化15】

分子量:138.17;収率:98%;黄色の固体;融点(℃)=73.9
1H-NMR (CDCl3,δ): 1.81-2.08 (m, 4H, 2xCH2), 3.35-3.45 (m, 2H, -NCH2), 3.50-3.60 (m, 2H, -NCH2), 4.23 (s, 2H, CH2CO).
【0041】
一般的方法B:トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110Bの調製による例示
メタノール(10mL)中に水酸化カリウム(0.55g、9.80mmol)を含む溶液に、冷却(0℃)および撹拌しながら、3−ピリジンカルボキサルデヒド(1.03mL、10.84mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098(1.50g、10.86mmol)の混合物を添加した。溶液を0℃で3時間撹拌し、次いで、濃縮した。残滓を酢酸エチル(100mL)と水とに分配した。有機層を2回のさらなる酢酸エチル抽出液(100mL、2回)と合わせ、塩化ナトリウム水溶液で洗浄、MgSO4上で乾燥、ろ過後、蒸発させた。濃縮により粗生成物を得、これをシリカ上のカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=98:2)によって精製して、トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110Bを淡黄色の固体(0.95g、収率39%)として得た。
【化16】

分子量:245.28;収率:39%;淡黄色の固体;融点(℃):107.0
1H-NMR (CDCl3,δ): 1.78-2.10 (m, 4H, 2xCH2), 3.40-3.61 (m, 3H, CH2N), 3.90-4.04 (m, 1H, CH2N), 4.59 (dd, 1H, J=7.7 Hz, J=2.2 Hz, CH-N), 6.21 (d, 1H, J=7.7 Hz, CH-O), 7.04 (d, 1H, J=2.2 Hz, O-CH=N), 7.33 (m, 1H, ArH), 7.64 (m, 1H, ArH), 8.59 (d, 2H, J=2.8 Hz, ArH).
13C-NMR (CDCl3,δ): 24.2, 26.0, 46.4, 46.6, 75.7, 79.3, 123.7, 133.5, 135.3, 147.6, 149.9, 155.2, 166.2.
【0042】
トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、化合物19
化合物19をピリジン−4−カルバルデヒド(1.88mL、19.76mmol)、メタノール(18mL)中のKOH(1.01g、18mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン、BLE 04098(2.73g、19.76mmol)を用いて、方法Bにしたがって調製した。残滓を酢酸エチル(200mL)と水(150mL)とに分配した。有機層をさらなる酢酸エチル抽出液(150mL、2回)と合わせ、塩化ナトリウム水溶液で洗浄(150mL、2回)、MgSO4上で乾燥、ろ過後、蒸発させた。トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、化合物19を白色の固体(4.32g、収率98%)として得た。
【化17】

分子量:245.28;収率:98%;白色の固体;融点(℃)=69.2
f:0.65(MeOH:CH2Cl2=10:90)
1H-NMR (CDCl3,δ): 1.78-2.06 (m, 4H, 2xCH2), 3.44-3.60 (m, 3H, CH2N), 3.90-4.01 (m, 1H, CH2N), 4.52 (dd, 1H, J=7.9 Hz, J=2.2 Hz, CH-N), 6.19 (d, J=7.9 Hz, 1H, CH-O), 7.03 (d, 1H, J=2.2 Hz, N=CH-O), 7.24 (dd, 2H, J=4.5 Hz, J=1.5 Hz, ArH), 8.61 (dd, 2H, J=4.5 Hz, J=1.5 Hz, ArH).
【0043】
化合物50の製造
一般的方法C:DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−3−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物20の調製による例示
メタノール(10mL)中のトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BLE 04110B(0.932g、3.80mmol)に、37%塩酸(1.2mL)を添加した。混合物を2.25時間加熱(50℃)した後、反応混合物を濃縮し、粗生成物を酢酸エチルと共に、2回にわたり共蒸発させた。酢酸エチルと共に粉砕し、ろ過および乾燥後、DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−3−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物20を白色の固体(1.10g、収率94%)として得た。
【化18】

分子量:308.2;収率:94%;白色の固体;融点(℃):123.4
1H-NMR (CD3OD,δ): 1.65-2.00 (m, 4H, 2xCH2), 2.82-3.11 (m, 1H, -CH2N), 3.30-3.57 (m, 2H, CH2N), 3.57-3.77 (m, 1H, CH2N), 4.54 (d, 1H, J=5.3 Hz, CH-N), 5.38 (d, 1H, J=5.3 Hz, CH-O), 8.15 (dd, 1H, J=7.6 Hz, J=5.0 Hz, ArH), 8.68 (d, 1H, J=7.6 Hz, ArH), 8.89 (d, 1H, J=7.6 Hz, ArH), 8.96 (s, 1H, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ): 24.9, 26.9, 47.7, 48.2, 58.1, 69.6, 128.7, 141.5, 141.6, 143.1, 146.5, 165.4.
【0044】
DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物22
化合物22をトランス−(4,5−ジヒドロ−5−(ピリジン−4−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、化合物19(0.750g、3.07mmol)、37%塩酸(1.0mL)およびメタノール(10mL)を用いて、方法Eにしたがって調製した。50℃で3.0時間加熱した後、精査して、DL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物22を白色の固体(0.935g、収率99%)として得た。
【化19】

分子量:308.28;収率:99%;白色の固体;融点(℃):117.0
1H-NMR (CD3OD,δ): 1.75-2.03 (m, 4H, 2xCH2), 2.93-3.08 (m, 1H, CHN), 3.32-3.75 (m, 3H, 2xCH2), 4.54 (d, 1H, J=5.9 Hz, CH-N), 5.40 (d, 1H, J=5.9 Hz, CH-O), 8.21 (d, 2H, J=5.8 Hz, ArH), 8.94 (d, 2H, J=5.8 Hz, ArH).
MS−ESI m/z(%rel.int.):236.1([MH]+,17)、219(25)、148(100)
HPLC:方法A、検出UV 254nm、化合物22 RT=0.8分、ピーク面積 96.3%
【0045】
tert−ブチル5−(DL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバモイル)ペンチルカルバメート、EBE06102
CH2Cl2(12mL)中のDL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩(化合物22)(0.60g,1.77mmol)の懸濁液に、TEA(0.739mL,5.32mmol)を加え、反応混合物を10分間攪拌し、氷浴中攪拌を続けながら冷却した。Boc−アミノヘキサン酸(0.451g,1.951mmol)およびBOP(1.05g,1.95mmol)の溶液をCH2Cl2中で予め調製し、5分間かけて滴加した。0℃にて反応混合物を2時間、室温で16時間攪拌した。揮発性成分を蒸発させた後,残留物をEtOAcに溶解し、NaH2PO4(pH7.2)、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。得られた白色の固体をEtOAc中10%EtOAcを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してtert−ブチル5−(DL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバモイル)ペンチルカルバメートEBE06102(0.41g,52%の収率)を白色の固体として得た。
【化20】

分子量:448.56;収率:52.0%;白色の固体
f:0.10(EtOAc:MeOH=90:10).
1H−NMR:(CDCl3,δ):1.10−1.12(m,2H,CH2),1.35−1.55(m,11H,(CH33&CH2),1.72−1.92(m,4H,CH2),2.05−2.22(m,2H,CH2),2.40(d,2H,J=9.3Hz,CH2),3.05(q,2H,J=6.6Hz,CH2),3.20−3.28(m,1H,NCH2),3.32−3.50(m,2H,NCH2),3.62−3.72(m,1H,NCH2),4.79(bs,1H,NH),4.97(dd,1H,J=8.7,4.1Hz,NCH),5.07(d,1H,J=4.1Hz,OCH),5.40(bs,1H,NH),6.74(d,1H,J=8.4Hz,OH),7.35(d,2H,J=6.0Hz,ArH),8.56(d,2H,J=6.0Hz,ArH).
13C−NMR(CDCl3,δ):24.0,25.0,26.1,28.4,29.6,35.9,36.9,40.3,46.1,46.9,54.9,72.9,79.0,121.3,148.8,149.6,156.1,169.0,173.2.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):449.1([MH]+,20).
HPLC:方法A,検出UV254nm,EBE06102RT=4.1min,ピーク面積99.9%.
【0046】
6−(5−((3aR,6S,6aS)−ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタンアミド)−N−((1R,2S)−&(1S,2R)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)ヘキサンアミド、化合物50
MeOH(1mL)中の5−(DL−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバモイル)ペンチルカルバメートEBE06102(0.370g,0.824mmol)の溶液に、EtOAc(10mL)中のHCl(4.2M)の溶液を加えた。反応混合物を室温で2に時間攪拌し、揮発性成分を蒸発させて粗製の褐色の油状物EBE06104(0.221g,63%粗製収率)を得、これを精製せずに次の工程で用いた。CH2Cl2(5mL)中のEBE06104(0.221g,0.522mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.217mL,1.57mmol)を加え、反応混合物を10分間攪拌し、攪拌を続けながら氷浴中で冷却した。ビオチン(0.14g,0.574mmol)およびBOP(0.309g,0.574mmol)の溶液をCH2Cl2(1mL)中で予め調製し、5分間かけて滴加した。混合物を0℃で2時間、室温で16時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾燥し、NaH2PO4とn−ブタノールの間に分離した。n−ブタノール相を飽和Na2CO3で洗浄し、蒸発乾燥した。所望の生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:MeOH:NH4OH=70:28:2)を用いて精製し、化合物50(1:1の比率のジアステレオ異性体の混合物,0.160g,53%の収率)を白色の固体として得た。
【化21】

分子量:574.74;収率:53%;白色の固体;Mp(℃):64.3.
f:0.2(EtOAc:MeOH:NH4OH=70:28:2).
1H−NMR(CDCl3,δ):1.17−1.32(m,2H),1.40−1.60(m,4H),1.60−1.90(m,6H),1.90−2.10(m,4H),2.15−2.30(m,4H),2.74(d,1H,J=12.6Hz),2.91(dd,J=4.8Hz,12.8Hz),2.95−3.10(m,1H),3.10−3.45(m,4H),3.60−3.72(m,1H),4.34(dd,1HJ=4.4HzJ=7.5Hz),4.50−4.58(m,1H),4.85−4.95(m,1H),5.02−5.08(m,1H),6.12(s,1H),6.50−6.15(m,1H),6.68(s,1H),7.36(m,2H),7.67(q,1H,J=8.12Hz),8.55(d,2H,J=5.8Hz).
MS−ESIm/z(%rel.Int.):575.3([MH]+,70).
HPLC:方法A,検出UV254nm,化合物50RT=3.61min,ピーク面積97.2%.
【0047】
化合物49の製造
トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(2−メトキシピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BAL01014
BAL01014は、方法Dにしたがい、2−メトキシ−3−ピリジンカルボキシアルデヒド(0.64ml,5.43mmol)、メタノール(5mL)中のKOH(0.305mg,5.43mmol)および2−イソシアノ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノンBLE04098(0.75g,5.43mmol)を用いて製造した。処理の後、トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(2−メトキシピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノンBAL01014(0.74mg,50%の収率)を白色の固体として得た。
【化22】

分子量:275.30;収率:50%;白色の固体;Mp(℃):110.1.
Rf:0.25(EtOAc).
1HNMR(CDCl3,δ):1.82−2.10(m,4H,2xCH2),3.40−3.62(m,3H,CH2N),3.80−3.90(m,3H,CH2N),3.93(s,3H,OMe),4.61(dd,1H,J=7Hz,J=2Hz,CH−N),6.14(d,1H,J=7Hz,CH−O),6.90(dd,1H,J=7.3Hz,J=5Hz,ArH),7.02(d,1H,J=2Hz,OCH=N),7.60(dd,1H,J=7.3Hz,J=1.7Hz,ArH),8.13(dd,1H,J=5Hz,J=1.8Hz,ArH).
13C−NMR(CDCl3,δ):24.3,26.1,46.3,46.6,53.5,73.5,78.1,116.8,122.2,135.2,146.5,155.3,160.5および167.4.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):276.1([MH]+,42).
HPLC:方法A,検出UV254nm,BAL01014RT=3.63min,ピーク面積97.2%.
【0048】
3−(DL−トレオ−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩、化合物49
トランス−(4,5−ジヒドロ−5−(2−メトキシピリジン−3−イル)オキサゾール−4−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、BAL 01014(0.684g、2.487mmol)をメタノール(10mL)に溶解した。塩酸溶液(37%、0.6mL)を室温で注射器を介して添加した。混合物を還流しながら、22時間撹拌した。残滓を濃縮した後、EtOAcと共に粉砕し、ろ過して、淡黄色の固体である、3−(DL−トレオ−2−アミノ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩、化合物49を得た(136mg、収率19.0%)。
【化23】

分子量:287.74;収率:19.0%;淡黄色の固体;融点(℃):180
1H NMR (CD3OD,δ): 1.82-2.09 (m, 4H, 2xCH2), 3.35-3.80 (m, 4H, 2xCH2N), 4.63 (s, 1H, CH-N), 5.17 (s, 1H, CH-O), 6.56 (t, 1H, ArH) ), 7.5 (d, 1H, J=6.1 Hz, ArH), 7.86 (d, 1H, J=6.5 Hz, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ): 24.2, 26.0, 46.6, 46.6, 75.8, 79.7, 127.3, 127.5, 127.9, 129.4, 130.0, 132.3, 133.2, 148.1, 148.4, 155.3, 166.2.
MS−ESI m/z(%rel.Int.):252.1([MH]+,18)、163.0(100)
HPLC:方法A、検出UV 254nm、化合物49 RT=1.13分、ピーク面積 84.0%
【0049】
化合物300の製造
(±)−トレオ−2−フタルイミド−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩、化合物300
(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩化合物22(0.51g,1.64mmol)をK2CO3の1N水溶液20mLにより処理し、CH2Cl2:MeOH=90:10の混合物で抽出した(5x40mL)。溶液MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて化合物22の遊離塩基(0.323g,82.5%の収率)を白色の固体として得た。
10mL容の丸底フラスコ中、無水フタル酸(0.203mg,1.373mmol)を化合物22の遊離塩基(0.323g,1.37mmol)に加え、混合物を65℃から145℃に加熱し、145℃で5分間攪拌した。冷却後、イエローブラックのゴム状物質を粗製物として得た。この粗製物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,EtOAc:MeOH=100:0〜90::10)により精製した。溶媒を留去した後、白色の固体(±)−トレオ−2−フタルイミド−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オンBLE04156A(0.15g,30%の収率)を白色の固体として得た。(±)−トレオ−2−フタルイミド−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オンBLE04156A(0.135g,0.37mmol)に、イソプロパノール(10mL)中のHClの0.1N溶液を加え、混合物を28℃でロータリーエバポレーター、次いで高真空ポンプにて蒸発乾燥させた。(±)−トレオ−2−フタルイミド−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン塩酸塩化合物300(0.147g,24.5%の収率)を白色の固体として得た。
【化24】

分子量:401.84;収率:24.5%;白色の固体;Mp(℃):201.8
1H−NMR(CD3OD,δ):1.60−1.90(m,4H,2xCH2),2.95−3.09(m,1H,CH2N),3.30−3.47(m,3H,CH2N),5.30(d,1H,J=7.9Hz,CH),5.82(d,1H,J=7.9Hz,CH),7.80(m,4H,ArH),8.25(d,2H,J=5.4Hz,ArH),8.81(d,2H,J=5.2Hz,ArH).
13C−NMR(CD3OD,δ):24.7,27.1,47.7,47.8,58.0,70.6,124.8(2xC),127.5(2xC),132.6(2xC),136.1(2xC),142.5(2xC),164.9,166.5,168.8.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):366.0([MH]+,22),219.1(100),148.0(47).
HPLC:方法A,検出UV254nm,RT=3.88min,ピーク面積98.7%.
【0050】
化合物301の調製
tert−ブチル5−((±)−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバモイル)ペンチルカルバメート、化合物237
N−Boc−アミノヘキサン酸(342mg,1.48mmol)のTHF(10mL)溶液にn−メチルモルホリン(163μL,1.48mmol)を加えた。溶液を5分間攪拌し、−15℃に冷却し、イソブチルクロロホルメート(211μL,1.48mmol)を滴加することにより処理した。この溶液をステンレススチールカニューレを用いて−15℃のTHF(10mL)中の(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩化合物22(500mg,1.48mmol)およびN−メチル−モルホリン(489mg,1.47mmol)の溶液に加えた。反応混合物を−15℃に0.5時間保った後、25℃にて2時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物をEtOAcとH2Oの間に分配し、NaH2PO4、NaHCO3飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、0%〜10%[v/v]MeOH(EtOAc中)のグラジェントを用いるカラムクロマトグラフィー(SiO2)により精製してtert−ブチル5−((±)−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバモイル)ペンチルカルバメート化合物237(455mg,69%の収率)を白色の固体として得た。
【化25】

分子量:448.6;収率:69%;白色の固体.
f:0.20(EtOAc:MeOH=90:10).
1H−NMR(CD3OD,δ):1.05−1.15(m,2H,CH2),1.35−1.55(m,13H,2×CH2+C(CH33),1.75−1.95(m,4H,2×CH2),2.00−2.20(m,2H,O=CCH2),3.05(q,2H,J=6.7Hz,n−CH2),3.20−3.35(m,1H,n−CH),3.38−3.50(m,2H,n−CH2),3.65−3.75(m,1H,n−CH),4.72(bs,1H,NH),4.98(dd,1H,J=8.8Hz,J=3.6Hz),5.08(d,1H,J=3.3Hz,OCH),5.23(bs,1H,OH),6.50(d,1H,J=8.7Hz,NH),7.35(d,2H,J=6.0Hz,ArH),8.58(d,2H,J=4.6Hz,J=1.4Hz,ArH).
MS−ESIm/z(%rel.Int.):449.2([MH]+,30),349.2(100).
HPLC:方法A,検出(254nm),RT=4.03min,ピーク面積99.9%
【0051】
6−アミノ−N−((±)−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)ヘキサンアミド、化合物238
tert−ブチル5−((±)−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバモイル)ペンチルカルバメート化合物237(81mg,0.181mmol)のCH2Cl2(8mL)溶液に0℃のTFA(2mL)を加え、0℃で2時間攪拌した。揮発性成分を蒸発させ残留物をMeOH中のAmberlite−400(OH-)懸濁液で処理した。濾過後、濾液を蒸発させて生成物をCH2Cl2:MeOH:NH4OH=10:5:0.4を用いるカラムクロマトグラフィー(SiO2)により単離して6−アミノ−N−((±)−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)ヘキサンアミド化合物238(40mg,64%の収率)を白色の固体として得た。
【化26】

分子量:448.6;収率:64%;白色の固体;Mp(℃):134.4
f:0.30(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=10:5:0.4).
1HNMR(CDCl3,δ):1.12−1.30(m,2H,CH2),1.30−1.50(m,2H,CH2),1.50−1.65(m,2H,CH2),1.65−1.95(m,4H,CH2),2.10−2.30(m,2H,CH2),2.55−2.70(t,2H,J=6.9Hz,CH2),3.10−3.20(m,2H,CH2),3.28−3.50(m,2H,CH2),3.60−3.70(m,1H,CH),4.95(dd,1H,J=5.1Hz,J=8.4Hz,O−CH),5.02(d,1H,J=5.0Hz,OH),7.11Hz(d,J=8.48Hz,1H,ArH),7.35(dd,2H,J=4.4Hz,J=1.5Hz,ArH),8.55(dd,J=1.5Hz,J=4.6Hz,2H,ArH).
13C NMR(CDCl3,δ):24.0,25.1,25.8,25.9,32.5,35.8,41.7,46.0,46.9,55.6,72.6,121.3(2×C),149.2,149.5(2×C),168.9,173.7
【0052】
(±)−トレオ−{3−[3−(3−{5−[1−(ヒドロキシ−ピリジン−4−イル−メチル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルカルバモイル]−ペンチルカルバモイル}−プロピルカルバモイル)−プロピルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル、TTA08156
Boc−GABA−GABA−GABA−OH(354mg,0.95mmol)をCHCl3(40mL)中、Et3N(0.3mL,2.1mmol)およびHOBT(145mg,1.05mmol)と共に窒素下で4℃にて5分間攪拌した。EDC(205mg,1.05mmol)を加え、混合物を4℃にて15分間攪拌した。6−アミノ−N−((±)−トレオ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)ヘキサンアミド(333mg,0.95mmol)のCHCl3(20mL)溶液を滴加し、混合物を窒素下、4℃にて2時間および室温で15時間攪拌した。ブライン(30mL)を加え、生成物をCH2Cl2(200mL)により抽出した。有機層を2N NaOHの溶液、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。濾過後、溶液を蒸発させ、乾燥させて粗製の黄色の油(420mg)を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO2,CH2Cl2:MeOH=85:15)による精製後、(±)−トレオ−{3−[3−(3−{5−[1−(ヒドロキシ−ピリジン−4−イル−メチル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルカルバモイル]−ペンチルカルバモイル}−プロピルカルバモイル)−プロピルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルTTA08156(260mg,39%の収率)を淡黄色の油状物として得た。
【化27】

分子量:703.87;収率:39%;淡黄色の油.
f:0.20(CH2Cl2:MeOH=9:1).
1H−NMR(CDCl3,δ):1.17−1.25(m,2H,CH2),1.40−1.56(m,13H,2xCH2,3xCH3)1.73−1.85(m,10H,5xCH2),2.13−2.29(m,8H,4xCH2CO),2.40(s,1H,OH),3.09−3.67(m,12H,6xCH2−N),4.91(dd,1H,J=4.9Hz,J=8.5Hz,CH−N),5.05(d,1H,J=5.1Hz,CH−O),5.15(t,1H,J=5.8Hz,NH),7.01−7.04(m,1H,NH),7.14(t,1H,J=5.6Hz,NH),7.33(t,1H,J=5.6Hz,NH),7.37(d,2H,J=6.0Hz,ArH),8.55(d,2H,J=6.0Hz,ArH).
13C−NMR(CD3OD, δ):24.0,24.9,25.6,25.8,26.1,26.5,28.4(3xC),29.0,33.5,33.7,35.8,38.6,38.8,39.1,39.6,46.1,46.8,55.6,72.7,79.5,121.5(x2),149.1,149.5(x2),156.7,168.8,173.1,173.3,173.4,173.5.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):704.3([MH]+,100).
HPLC:方法A,検出UV254nm,TTA08156RT=3.90min,ピーク面積99.0%.
【0053】
6−(5−((3aR,6S,6aS)−ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)−ペンタノイルアミノ)−ブチリルアミノ−ブチリルアミノ−ブチリルアミノ−N−((1R,2S)−&(1S,2R)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)ヘキサンアミド、化合物301
(±)−トレオ−{3−[3−(3−{5−[1−(ヒドロキシ−ピリジン−4−イル−メチル)−2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルカルバモイル]−ペンチルカルバモイル}−プロピルカルバモイル)−プロピルカルバモイル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルTTA08156(260mg,0.37mmol)をMeOH(5mL)中、37%HCl(0.3mL,3.70mmol)と共に40℃にて15分間攪拌した。MeOHを蒸発させ残留物を真空乾燥させた。AmberliteIRA−400(Cl-)(6mL、8.4mmol)を水(2x10mL)、0.5N NaOH(3x20mL)、水(2x10mL)およびMeOH(3x10mL)で順次洗浄した。前に得られた残留物と洗浄したAmberliteをMeOH(30mL)中室温で5分間攪拌した。濾過後、MeOHを蒸発させてアミンを遊離塩基の形態で得た(210mg、94%の収率)。ビオチン(95mg、0.38mmole)をCHCl3/DMF(40mL/10mL)およびEt3N(0.11mL、0.77mmol)、HOBT(53mg、0.38mmol)の混合物に溶解し、EDC(75mg、0.38mmol)を加え、溶液を窒素下、室温で2時間攪拌した。CHCl3(10mL)中の前に得られたアミン(210mg,0.35mmol)を滴加し、混合物を窒素下室温で24時間攪拌した。ブライン(40mL)、2NNaOH(10mL)、CHCl3(50mL)を加え、生成物をCHCl3/DMF(50mL/10mL)でさらに3回抽出することにより抽出した。集めた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、留去して粗製の黄色の油(160mg,52%の収率)を得た。粗製の油をカラムクロマトグラフィー(SiO2,CH2Cl2:MeOH:NH3=95:5:0.1〜85:15:0.3)により精製し、留去後6−(5−((3aR,6S,6aS)−ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)−ペンタノイルアミノ)−ブチリルアミノ−ブチリルアミノ−ブチリルアミノ−N−((1R,2S)−&(1S,2R)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1−(ピリジン−4−イル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル)ヘキサンアミド(ジアステレオ異性体混合物比1:1)を淡黄色の油状物として得た(45mg,15%の収率).
【化28】

分子量:830.05;収率:15%;淡黄色の油.
f:0.30(CH2Cl2:MeOH:NH3=85:15:0.3).
1H−NMR(CD3OD,δ):1.26−1.82(m,22H,11xCH2),2.18−2.25(m,10H,5xCH2CO),2.70(d,1H,J=12.7Hz,CH2−S),2.92(dd,1H,J=4.8Hz,J=12.7Hz,CH2S),3.06−3.80(m,13H,6xCH2−N,CH−S),4.29(dd,1H,J=4.4Hz,J=7.8Hz,CH−N),4.48(dd,1H,J=4.9Hz,J=7.8Hz,CH−N),4.82(d,1H,J=6.4Hz,CH−N),5.01(d,1H,J=6.4Hz,CH−O),7.49(d,2H,J=5.5Hz,ArH),8.5(d,2H,J=4.6Hz,ArH).
13C−NMR(CD3OD,δ):25.0,26.5,26.8,(2xC),26.9(2xC),27.5,29.5,29.8,30.1,34.3,34.4(2xC),36.4,36.8,39.8,39.9,40.1,41.1,47.2,47.3,57.1,58.3,61.6,63.4,73.1,74.2,123.5(2xC),149.9(2xC),152.8,166.1,170.0,175.3,175.4(2xC),176.0,176.1.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):830.2.([MH]+,85),219.1(100).
HPLC:方法A,検出UV254nm,RT=3.70min,ピーク面積99.8%.
【0054】
化合物302の調製
(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピペリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩、化合物302
(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩化合物22(500mg,1.61mmol)を、水素雰囲気下、PtO2水和物(Pt含量79−84%,100mg)と共にAcOH(10mL)中、室温にて24時間攪拌した。セライト(登録商標)545にて濾過後、濾液を蒸発させ残留物を減圧下で乾燥させてベージュ色の固体(450mg,88.2%の収率)を得た。粗製物をMeOH(50mL)中Amberlite(Cl−)IRA−400(9mL,12.7mmol、予め0.5NNaOH次いで水およびMeOHで洗浄)と共に室温にて15分間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、遊離塩基の形態をカラムクロマトグラフィー(SiO2,CH2Cl2:MeOH:20%NH3(H2O中)=70:30:8)により精製して(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピペリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オンTTA08144A(226mg,58%収率)を得た。MeOH中HCl処理して(±)−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピペリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩化合物302(190mg,28%の収率)を白色の固体として得た。
【化29】

分子量:314.25;収率:28.0%;白色の固体;Mp(℃):197.5
f:0.20(CH2Cl2:MeOH:20%NH3(H2O中)=70:30:8,遊離塩基).
1H−NMR(CD3OD,δ):1.57−2.00(m,9H,4xCH2&CH),2.94−3.08(m,2H,CH2−N),3.46−3.77(m,7H,3xCH2−N,CH−N),4.33(s,1H,CH−O).
13C−NMR(CD3OD, δ):22.5,23.4,24.1,24.7,35.2,42.2,42.5,45.4,45.5,52.0,69.8,164.6.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):242.2([MH]+,45),129.1(100).
HPLC:方法A,検出UV214nm,RT=0.70min,ピーク面積98.0%.
【0055】
化合物70の調製
方法D(CH2Cl2中):
+4℃の10mLのCH2Cl2中のDL−トレオ−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン二塩酸塩化合物22(0.15g,0.49mmol)の攪拌した溶液にトリエチルアミン(200μL,1.45mmol)を加え、CH2Cl23mL中の酸クロリドをゆっくりと加えた。混合物を窒素下、室温にて一晩攪拌した後、CH2Cl2と1N炭酸ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を蒸発させ、得られた残留物をシリカのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:MeOH=95:5)により精製した。0℃のMeOH中、ジエチルエーテル中の0.3MHClを加え、溶媒を留去し、アシル化化合物を乾燥して塩酸塩を得た。
【0056】
DL−トレオ−3−ヒドロキシ−1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル塩酸塩、化合物58
化合物をベンジルクロロホルマート(91mg、0.53mmol)を用いて、方法Gにしたがって調製した。精査して、DL−トレオ−3−ヒドロキシ−1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバミン酸ベンジル塩酸塩、化合物58を白色の固体(90mg、収率46%)として得た。
【化30】

分子量:405.9;収率:46.0%;白色の固体;融点(℃):185.3
f:0.38(MeOH:EtOAc=10:90)、遊離の塩基
1H-NMR (CD3OD,δ): 1.87-2.03 (m, 4H, 2xCH2), 3.40-3.48 (m, 2H, CH2N), 3.56-3.62 (m, 2H, CH2N), 4.85-5.04 (m, 3H, CH2O, CHO), 5.39 (d, 1H, J=2.8 Hz, NH), 7.26-7.36 (m, 5H, ArH), 8.12 (d, 2H, J=6.0 Hz, ArH), 8.69 (d, 2H, J=6.0 Hz, ArH).
13C-NMR (CD3OD,δ): 25.0, 27.0, 47.5, 48.0, 58.8, 67.9, 72.7, 126.6 (2xC), 129.1, 129.2, 129.5, 138.1, 141.9 (2xC), 158.1, 164.4, 169.2.
MS−ESI m/z(%rel.Int.):370.1([MH]+,15)、219.0(100)
HPLC:方法A、検出UV 254nm、化合物58 RT=4.10分、ピーク面積 99.8%
【0057】
トランス−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−カルボニル)−オキサゾリジン−2−オン塩酸塩化合物70
6℃のDMSO:DMF(2mL:0.2mL)混合物中のDL−トレオ−3−ヒドロキシ−1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバメート化合物58遊離塩基(0.10g,0.27mmol)の攪拌した溶液に、tert−BuOK(38mg,0.33mmol)および硫酸ジメチル(26μL,0.27mmol)をゆっくりと加えた。窒素下、室温で15時間混合物を攪拌し、氷水(5mL)、1M Na2CO3(2mL)および酢酸エチル(100mL)の間に分配した。有機相をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。酢酸エチルを留去した後、粗製物を乾燥して粗製の遊離塩基を油として得た。0℃のMeOH中、ジエチルエーテル中0.3MHCl溶液を用いて塩酸塩を得た。ジエチルエーテル中で沈殿させて、トランス−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−4−(ピロリジン−1−カルボニル)−オキサゾリジン−2−オン塩酸塩を淡黄色の固体(80mg,95%の収率)として得た。EtOAc:MeOH(10:1)中でさらに結晶化させて化合物70を白色の固体(16mg,20%の収率)として得た。
【化31】

分子量:311.76;収率:20%;白色の固体;Mp(℃):168.6.
f:0.15(EtOAc:MeOH=95:5),遊離塩基.
1H−NMR(CD3OD,δ):1.90−2.10(m,4H,2xCH2),2.84(s,3H,CH3),3.47−3.70(m,4H,CH2N),4.82(m,1H,CH),5.89(m,1H,CH),8.17(m,2H,ArH),8.97(m,2H,ArH).
13C−NMR(CD3OD, δ):24.9,27.1,30.2,48.1,64.9,76.3,125.6(2xC),143.8(2xC),159.1,160.1,167.3.
MS−ESIm/z(%rel.Int.):276.1([MH]+,25),177.1(100).
HPLC:方法A,検出UV254nm,化合物70RT=2.00min,ピーク面積97.0%.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式
【化1】

で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項2】
式(i)または(ii)
【化2】

[式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキルである]
で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項3】
4がHである請求項2記載の化合物。
【請求項4】
次式
【化3】

で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項5】
次式
【化4】

[式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキルである]
で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項6】
4がHである請求項5記載の化合物。
【請求項7】
次式
【化5】

[式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキルである]
で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項8】
4がHである請求項7記載の化合物。
【請求項9】
式(i)または(ii)
【化6】

[式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキルである]
で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項10】
4がHである請求項9記載の化合物。
【請求項11】
次式
【化7】

[式中、R4はH、1〜6炭素のアルキルまたはCO−R5であり、R5は1〜6炭素のアルキルである]
で示される化合物または該化合物の製薬的に許容される塩。
【請求項12】
4がHである請求項11記載の化合物。
【請求項13】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項1記載の化合物を含有する方法。
【請求項14】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項2記載の化合物を含有する方法。
【請求項15】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項4記載の化合物を含有する方法。
【請求項16】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項5記載の化合物を含有する方法。
【請求項17】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項7記載の化合物を含有する方法。
【請求項18】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項9記載の化合物を含有する方法。
【請求項19】
鎮痛効果を有する医薬組成物を用いてそのような処置を必要とする哺乳類を処置する方法であって、該組成物が請求項11記載の化合物を含有する方法。

【公表番号】特表2008−528602(P2008−528602A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553193(P2007−553193)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/002580
【国際公開番号】WO2006/081280
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】