説明

集積回路

【課題】 集積回路の端子間が短絡した場合の高電圧による破壊から出力回路を保護する。
【解決手段】 出力回路は、ソースが第1電源端子に接続されたPDMOSとソースが第2電源端子に接続されたNDMOSとで構成され、出力信号が出力端子から出力される第1CMOSインバータと、ソースが第1電源端子に接続された第1PMOSと第1NMOSとで構成され、出力信号がPDMOSのゲートに入力される第2CMOSインバータと、第2PMOSとソースが第2電源端子に接続された第2NMOSとで構成され、出力信号がNDMOSのゲートに入力される第3CMOSインバータと、第1PMOSおよび第1NMOSのソース間電圧をPDMOSのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第1クランプ回路と、第2PMOSおよび第2NMOSのソース間電圧をNDMOSのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第2クランプ回路と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどの電子機器で使用される直流電圧を生成する電源として、入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を生成するスイッチング電源が一般に知られている。
例えば、特許文献1の図16および17では、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によってスイッチング信号を生成するスイッチング電源が開示されている。また、例えば、特許文献1の図15では、ヒステリシス制御(リップル制御)によってスイッチング信号を生成するスイッチング電源が開示されている。
このようにして、PWM制御やヒステリシス制御によってスイッチング信号を生成し、所望の直流電圧を生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−110282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなスイッチング電源回路では、例えば図10に示すように、スイッチング制御回路12から出力されるスイッチング信号Saは、出力回路15(特許文献1においてはドライバ37)によってバッファリングされ、スイッチング素子3に供給される。そして、出力回路15は、例えば図10に示すように、1段以上のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)インバータで構成される。
【0005】
ところで、例えば図11に示すように、スイッチング電源回路を集積回路1cとして構成した場合、入力電圧Vin(例えば20V)が印加される端子91と、CMOSインバータのハイ・レベルの電圧VDD(例えば5V)が印加される端子95とが短絡する可能性があり得る。また、端子91と、CMOSインバータの出力端子96とが短絡する可能性もあり得る。
【0006】
そのため、CMOSインバータを構成する各MOSトランジスタは、印加される高電圧によって破壊されないよう、高耐圧特性を必要とする。しかしながら、出力回路を高耐圧特性のMOSトランジスタで構成した場合、回路面積が大きくなる。さらに、出力インピーダンスが高くなるため、入力容量の大きなスイッチング素子3を駆動することができない場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する主たる本発明は、出力端子と、第1の電圧が印加される第1の電源端子と、前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される第2の電源端子と、前記第1の電圧より高い、または前記第2の電圧より低い第3の電圧が印加される第3の電源端子と、論理信号を生成する信号生成回路と、前記論理信号をバッファリングして前記出力端子から出力する出力回路と、を有し、前記出力回路は、ソースが前記第1の電源端子に接続されたPチャネルDMOSトランジスタと、ソースが前記第2の電源端子に接続されたNチャネルDMOSトランジスタと、で構成され、出力信号が前記出力端子から出力される第1のCMOSインバータと、ソースが前記第1の電源端子に接続された第1のPチャネルMOSトランジスタと、第1のNチャネルMOSトランジスタと、で構成され、出力信号が前記PチャネルDMOSトランジスタのゲートに入力される第2のCMOSインバータと、第2のPチャネルMOSトランジスタと、ソースが前記第2の電源端子に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、で構成され、出力信号が前記NチャネルDMOSトランジスタのゲートに入力される第3のCMOSインバータと、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソースと前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースとの間の電圧を、前記PチャネルDMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第1のクランプ回路と、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのソースと前記第2のNチャネルMOSトランジスタのソースとの間の電圧を、前記NチャネルDMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第2のクランプ回路と、を含むことを特徴とする集積回路である。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回路面積の増大を抑制しつつ、集積回路の端子間が短絡した場合の高電圧による破壊から出力回路を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態における出力回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるスイッチング電源回路全体の構成の概略を示す回路ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態における出力回路の通常時の動作を説明する図である。
【図4】本発明の第1実施形態における出力回路の端子間短絡時の動作を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施形態における出力回路のハイサイドへの適用例を示す回路ブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるスイッチング電源回路全体の構成の概略を示す回路ブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態における出力回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態における出力回路の通常時の動作を説明する図である。
【図9】本発明の第2実施形態における出力回路の端子間短絡時の動作を説明する図である。
【図10】CMOSインバータで構成された出力回路の一例を示す回路ブロック図である。
【図11】図10に示した出力回路の端子間短絡時の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
<第1実施形態>
===スイッチング電源回路全体の構成の概略===
以下、図2を参照して、本発明の第1の実施形態におけるスイッチング電源回路全体の構成の概略について説明する。
【0013】
図2に示されているスイッチング電源回路は、集積回路1a、スイッチング素子2、3、コイル4、コンデンサ5、C1、C2、抵抗6、7、およびダイオードD1を含んで構成されている。また、集積回路1aは、端子91ないし98を備え、電圧調整回路11、スイッチング制御回路12、および出力回路13a、13bを含んで構成されている。なお、本実施形態では、一例として、スイッチング素子2および3がいずれもNMOS(N-channel MOS:Nチャネル金属酸化膜半導体)トランジスタである場合について説明する。
【0014】
電圧調整回路11には、端子91を介して入力電圧Vin(第1の直流電圧)が入力されている。また、電圧調整回路11からは、電圧VDDが出力されている。
スイッチング制御回路12(信号生成回路)には、電圧VDDが供給されている。また、スイッチング制御回路12には、端子98を介して帰還電圧Vfbが入力されている。そして、スイッチング制御回路12からは、スイッチング信号SaおよびSb(論理信号)が出力されている。
【0015】
出力回路13aには、スイッチング信号Saが入力されている。また、出力回路13aからは、端子96を介して駆動信号Ldrvが出力されている。なお、出力回路13aは、端子95および97間の電圧を電源とし、端子95には、電圧VDDが印加され、端子97は、グランド(接地電圧GND)に接続されている。そして、端子95および97間には、コンデンサC2が接続されている。
【0016】
一方、出力回路13bには、スイッチング信号Sbが入力されている。また、出力回路13bからは、端子93を介して駆動信号Hdrvが出力されている。なお、出力回路13bは、端子92および94間の電圧を電源とし、端子92には、電圧Vbtが印加され、端子94には、電圧Vswが印加されている。そして、端子92および94間には、コンデンサC1が接続されている。さらに、端子95には、ダイオードD1のアノードが接続され、端子92には、ダイオードD1のカソードが接続されている。
【0017】
スイッチング素子2のドレインには、入力電圧Vinが入力され、ゲートには、端子93を介して駆動信号Hdrvが入力されている。また、スイッチング素子3のソースは、端子97に接続され、ドレインは、スイッチング素子2のソースに接続され、ゲートには、端子96を介して駆動信号Ldrvが入力されている。そして、スイッチング素子2および3の接続点は、端子94に接続されている。
【0018】
コイル4の一端は、スイッチング素子2および3の接続点に接続され、他端は、コンデンサ5の一端に接続されている。また、コンデンサ5の他端は、グランドに接続されている。そして、コイル4とコンデンサ5との接続点は、出力電圧Vout(第2の直流電圧)を出力する、当該スイッチング電源回路の出力ノードとなっている。
【0019】
抵抗6および7は、直列に接続され、抵抗6の一端が出力ノードに接続され、抵抗7の一端がグランドに接続されている。また、抵抗6および7の接続点は、端子98に接続され、当該接続点の電圧が帰還電圧Vfbとして集積回路1aに入力されている。
【0020】
===スイッチング電源回路全体の動作の概略===
次に、本実施形態におけるスイッチング電源回路全体の動作の概略について説明する。
【0021】
集積回路1aの電圧調整回路11は、入力電圧Vinから電圧VDDを生成し、電圧VDDは、スイッチング制御回路12および出力回路13aに供給され、電源として用いられる。また、コンデンサC1およびダイオードD1は、ブートストラップ回路を構成し、電圧VDDから、スイッチング素子2をオン・オフ制御するための電圧Vbt(ブートストラップ電圧)を生成する。
【0022】
ハイサイドのスイッチング素子2は、駆動信号Hdrvに応じてオン・オフ制御され、入力電圧Vinをスイッチングして交流電圧に変換する。また、ローサイドのスイッチング素子3は、駆動信号Ldrvに応じて、スイッチング素子2と相補的にオン・オフ制御される。そして、スイッチング素子3、コイル4、およびコンデンサ5は、整流平滑回路を構成し、上記交流電圧を整流および平滑化して、直流電圧である出力電圧Voutを出力する。なお、コイル4に流れる電流I3は、スイッチング素子2がオンの間に流れる電流I1と、スイッチング素子3がオンの間に流れる電流I2との和となる。
【0023】
抵抗6および7は、出力電圧Voutを分圧し、帰還電圧Vfbを生成する。また、スイッチング制御回路12は、帰還電圧Vfbに基づいて、出力電圧Voutが所望の目標電圧となるよう、PWM制御やヒステリシス制御によってスイッチング信号SaおよびSbを生成する。そして、出力回路13aは、スイッチング信号Saをバッファリングして、駆動信号Ldrvを端子96から出力する。一方、出力回路13bは、スイッチング信号Sbをバッファリングして、駆動信号Hdrvを端子93から出力する。
【0024】
なお、スイッチング素子2および3は、いずれもNMOSトランジスタであるので、それぞれ駆動信号HdrvおよびLdrvがハイ・レベルの間オンとなり、ロー・レベルの間オフとなる。したがって、出力電圧Voutが目標電圧より低い場合には、駆動信号Hdrvがハイ・レベルとなる時間、すなわち、スイッチング素子2のオン時間が相対的に長くなり、出力電圧Voutが上昇する。一方、出力電圧Voutが目標電圧より高い場合には、駆動信号Ldrvがハイ・レベルとなる時間、すなわち、スイッチング素子3のオン時間が相対的に長くなり、出力電圧Voutが低下する。
【0025】
このようにして、本実施形態のスイッチング電源回路は、出力電圧Voutに応じて生成されるスイッチング信号(Sa,Sb)を出力回路(13a,13b)によってバッファリングして、スイッチング素子(3,2)に供給する。
【0026】
===出力回路の構成===
以下、図1を参照して、本実施形態における出力回路の構成について説明する。ここでは、ローサイドの出力回路13aの構成について説明し、ハイサイドの出力回路13bの構成については後述するものとする。
【0027】
なお、図1においては、端子96が、出力端子に相当し、スイッチング素子3が、第3のNチャネルMOSトランジスタに相当する。また、電圧VDDが、第1の電圧に相当し、接地電圧GND(<VDD)が、第2の電圧に相当し、入力電圧Vin(>VDD)が、第3の電圧に相当する。したがって、端子95が、第1の電源端子に相当し、端子97が、第2の電源端子に相当し、端子91が、第3の電源端子に相当する。
【0028】
図1に示されている出力回路13aは、PDMOS(P-channel Double-diffused MOS:Pチャネル二重拡散金属酸化膜半導体)トランジスタPD、NDMOS(N-channel DMOS:Nチャネル二重拡散金属酸化膜半導体)トランジスタND、PMOS(P-channel MOS:Pチャネル金属酸化膜半導体)トランジスタP1ないしP3、NMOSトランジスタN1ないしN3、ツェナーダイオードZD1ないしZD3、および抵抗R1ないしR6を含んで構成されている。なお、抵抗R5およびR6は、ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)保護抵抗である。
【0029】
PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDは、直列に接続され、第1のCMOSインバータを構成している。また、PDMOSトランジスタPDのソースは、端子95に接続され、NDMOSトランジスタNDのソースは、端子97に接続されている。そして、当該第1のCMOSインバータから出力される駆動信号Ldrvは、端子96を介してスイッチング素子3のゲートに入力されている。
【0030】
PMOSトランジスタP1(第1のPチャネルMOSトランジスタ)およびNMOSトランジスタN1(第1のNチャネルMOSトランジスタ)は、直列に接続され、第2のCMOSインバータを構成している。また、PMOSトランジスタP1のソースは、抵抗R5を介して端子95に接続され、NMOSトランジスタN1のソースは、抵抗R1を介して端子97に接続されている。そして、当該第2のCMOSインバータの出力信号は、PDMOSトランジスタPDのゲートに入力されている。
【0031】
PMOSトランジスタP2(第2のPチャネルMOSトランジスタ)およびNMOSトランジスタN2(第2のNチャネルMOSトランジスタ)は、直列に接続され、第3のCMOSインバータを構成している。また、PMOSトランジスタP2のソースは、抵抗R2を介して端子95に接続され、NMOSトランジスタN2のソースは、抵抗R6を介して端子97に接続されている。そして、当該第3のCMOSインバータの出力信号は、NDMOSトランジスタNDのゲートに入力されている。
【0032】
PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3は、直列に接続され、第4のCMOSインバータを構成している。また、PMOSトランジスタP3のソースは、抵抗R2を介して端子95に接続され、NMOSトランジスタN3のソースは、抵抗R6を介して端子97に接続されている。そして、当該第4のCMOSインバータの出力信号は、抵抗R3を介して第2のCMOSインバータに入力されるとともに、抵抗R4を介して第3のCMOSインバータに入力されている。さらに、当該第4のCMOSインバータには、スイッチング信号Saが入力されている。
【0033】
ツェナーダイオードZD1のアノードは、NMOSトランジスタN1のソースと抵抗R1との接続点に接続され、カソードは、端子95に接続されている。また、ツェナーダイオードZD2のアノードは、端子97に接続され、カソードは、PMOSトランジスタP2のソースと抵抗R2との接続点に接続されている。さらに、ツェナーダイオードZD3のアノードは、PMOSトランジスタP1のゲートと抵抗R3との接続点に接続され、カソードは、PMOSトランジスタP1のソースに接続されている。
【0034】
===出力回路の動作===
以下、本実施形態における出力回路の動作について説明する。
なお、以下の説明においては、一例として、スイッチング信号Saのハイ・レベルおよびロー・レベルの電圧をそれぞれ電圧VDDおよび接地電圧GNDとし、Vin=20V、VDD=5V、GND=0Vとする。また、一例として、DMOSトランジスタのドレイン・ソース間耐圧VDSS(絶対値)を30V(>Vin−GND)とし、DMOSトランジスタを含むMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧VGSS(絶対値)を7.5V(<Vin−GND)とする。さらに、一例として、ツェナーダイオードのツェナー電圧(降伏電圧)VZを6V(<VGSS)とする。
【0035】
まず、図3を参照して、集積回路1aの端子間が短絡していない通常時の動作について説明する。この場合、ツェナーダイオードZD1ないしZD3は、いずれも降伏せず、MOSトランジスタP1、N1、P2、およびN2のそれぞれのソースに印加される電圧をv1ないしv4と表すこととすると、v1=v3=5V(=VDD)、v2=v4=0V(=GND)となる。
【0036】
第4のCMOSインバータ(P3,N3)は、スイッチング制御回路12から入力されるスイッチング信号Saを反転して出力する。また、第2のCMOSインバータ(P1,N1)および第3のCMOSインバータ(P2,N2)は、第4のCMOSインバータの出力信号を反転して出力する。したがって、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDのゲートには、いずれもスイッチング信号Saと同相の信号が入力され、第1のCMOSインバータ(PD,ND)は、スイッチング信号Saと逆相の駆動信号Ldrvを出力する。そして、スイッチング素子3は、駆動信号Ldrvに応じてオン・オフ制御される。
【0037】
このようにして、通常時には、出力回路13aは、スイッチング信号Saをバッファリングして、逆相の駆動信号Ldrvをスイッチング素子3に供給する。
【0038】
次に、図4を参照して、集積回路1aの端子間が短絡した場合(端子間短絡時)の動作について説明する。図4は、特に、端子91と端子95とが短絡した場合を示している。この場合、v1=20V(=Vin)、v4=0V(=GND)となる。
【0039】
ツェナーダイオードZD1および抵抗R1は、第1のクランプ回路を構成し、PMOSトランジスタP1のソースとNMOSトランジスタN1のソースとの間の電圧をツェナー電圧VZ(<VGSS)にクランプする。したがって、端子間短絡時には、ツェナーダイオードZD1が降伏し、v2=14V(=Vin−VZ)となる。
【0040】
一方、ツェナーダイオードZD2および抵抗R2は、第2のクランプ回路を構成し、PMOSトランジスタP2のソースとNMOSトランジスタN2のソースとの間の電圧をツェナー電圧VZ(<VGSS)にクランプする。したがって、端子間短絡時には、ツェナーダイオードZD2が降伏し、v3=6V(=VZ−GND)となる。
【0041】
PMOSトランジスタP3のソースには、電圧v3=6Vが印加され、NMOSトランジスタN3のソースには、電圧v4=0Vが印加されている。また、PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3のゲートには、スイッチング制御回路12からスイッチング信号Sa(0〜5V)が入力されている。したがって、PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3には、ゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、第4のCMOSインバータ(P3,N3)は、通常時と同様に、スイッチング信号Saを反転して出力する。
【0042】
ツェナーダイオードZD3および抵抗R3は、第3のクランプ回路を構成し、PMOSトランジスタP1のゲートとソースとの間の電圧をツェナー電圧VZ(<VGSS)にクランプする。したがって、端子間短絡時には、ツェナーダイオードZD3が降伏し、PMOSトランジスタP1のゲートに印加される電圧をv5と表すこととすると、v5=14V(=Vin−VZ)となる。
【0043】
PMOSトランジスタP1のソースには、電圧v1=20Vが印加され、NMOSトランジスタN1のソースには、電圧v2=14Vが印加されている。また、PMOSトランジスタP1およびNMOSトランジスタN1のゲートには、電圧v5=14Vが印加されている。したがって、PMOSトランジスタP1およびNMOSトランジスタN1には、ゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、PMOSトランジスタP1は常にオンとなり、NMOSトランジスタN1は常にオフとなり、第2のCMOSインバータ(P1,N1)の出力信号は、常にハイ・レベル(20V)となる。
【0044】
PMOSトランジスタP2のソースには、電圧v3=6Vが印加され、NMOSトランジスタN2のソースには、電圧v4=0Vが印加されている。また、PMOSトランジスタP2およびNMOSトランジスタN2のゲートには、第4のCMOSインバータの出力信号(0〜6V)が入力されている。したがって、PMOSトランジスタP2およびNMOSトランジスタN2には、ゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、第3のCMOSインバータ(P2,N2)は、通常時と同様に、第4のCMOSインバータの出力信号を反転して出力する。なお、抵抗R4は、第2および第3のCMOSインバータの入力インピーダンスを揃えるために用いられている。
【0045】
PDMOSトランジスタPDのソースには、電圧v1=20Vが印加され、NDMOSトランジスタNDのソースには、電圧v4=0Vが印加されている。また、PDMOSトランジスタPDのゲートには、第2のCMOSインバータの出力信号(20V)が入力されている。一方、NDMOSトランジスタNDのゲートには、第3のCMOSインバータの出力信号(0〜6V)が入力されている。したがって、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDには、ドレイン・ソース間耐圧VDSSやゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、PDMOSトランジスタPDは常にオフとなり、第1のCMOSインバータ(PD,ND)から出力される駆動信号Ldrvは、常にロー・レベル(0V)となり、スイッチング素子3は、常にオフとなる。
【0046】
このようにして、端子91と端子95とが短絡した端子間短絡時には、出力回路13aは、駆動信号Ldrvを常にロー・レベルとし、スイッチング素子3を常にオフする。さらに、当該端子間短絡時において、出力回路13aは、各MOSトランジスタに耐圧を超える高電圧が印加されることはなく、高電圧による破壊から保護されている。
【0047】
なお、端子91と端子96とが短絡した場合、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDのドレインには、入力電圧Vin=20Vが印加されることとなる。しかしながら、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDのドレインとソースとの間の電圧は、いずれもドレイン・ソース間耐圧VDSSを超えることはなく、この場合も、出力回路13aは、高電圧による破壊から保護されている。
【0048】
また、ハイサイドの出力回路13bは、図5に示すように、ローサイドの出力回路13aと同様の構成とすることができる。図5においては、端子93が、出力端子に相当し、スイッチング素子2が、第3のNチャネルMOSトランジスタに相当する。また、電圧Vbtが、第1の電圧に相当し、電圧Vsw(<Vbt)が、第2の電圧に相当し、入力電圧Vin(>Vbt)が、第3の電圧に相当する。したがって、端子92が、第1の電源端子に相当し、端子94が、第2の電源端子に相当し、端子91が、第3の電源端子に相当する。
【0049】
<第2実施形態>
===スイッチング電源回路全体の構成の概略===
以下、図6を参照して、本発明の第2の実施形態におけるスイッチング電源回路全体の構成の概略について説明する。
【0050】
図6に示されているスイッチング電源回路は、集積回路1b、スイッチング素子3、8、コイル4、コンデンサ5、C1、C2、および抵抗6、7を含んで構成されている。また、集積回路1bは、端子91、93、95ないし99を備え、電圧調整回路11、スイッチング制御回路12、および出力回路13a、14を含んで構成されている。なお、本実施形態では、ハイサイドのスイッチング素子8がPMOSトランジスタであり、ローサイド側の構成は、第1実施形態のスイッチング電源回路と同様である。以下、主としてハイサイド側の構成について説明する。
【0051】
電圧調整回路11には、端子91を介して入力電圧Vinが入力されている。また、電圧調整回路11からは、電圧VDDおよびVin−5が出力されている。
スイッチング制御回路12には、電圧VDDおよびVin−5が供給されている。また、スイッチング制御回路12には、端子98を介して帰還電圧Vfbが入力されている。そして、スイッチング制御回路12からは、スイッチング信号SaおよびSbが出力されている。
【0052】
出力回路14には、スイッチング信号Sbが入力されている。また、出力回路14からは、端子93を介して駆動信号Hdrvが出力されている。なお、出力回路14は、端子91および99間の電圧を電源とし、端子91には、入力電圧Vinが印加され、端子99には、電圧Vin−5が印加されている。そして、端子91および99間には、コンデンサC1が接続されている。なお、本実施形態では、ブートストラップ電圧を生成するためのダイオードは不要である。
【0053】
スイッチング素子8のソースには、入力電圧Vinが入力され、ドレインは、スイッチング素子3のドレインに接続され、ゲートには、端子93を介して駆動信号Hdrvが入力されている。そして、スイッチング素子8および3の接続点には、コイル4の一端が接続されている。
【0054】
===スイッチング電源回路全体の動作の概略===
次に、本実施形態におけるスイッチング電源回路全体の動作の概略について説明する。
【0055】
集積回路1bの電圧調整回路11は、入力電圧Vinから電圧VDDおよびVin−5を生成する。また、電圧VDDは、スイッチング制御回路12および出力回路13aに供給され、電源として用いられる。一方、電圧Vin−5は、スイッチング制御回路12および出力回路14に供給され、電源として用いられる。
【0056】
スイッチング制御回路12は、帰還電圧Vfbに基づいてスイッチング信号SaおよびSbを生成する。また、出力回路13aは、スイッチング信号Saをバッファリングして、駆動信号Ldrvを端子96から出力する。一方、出力回路14は、スイッチング信号Sbをバッファリングして、駆動信号Hdrvを端子93から出力する。そして、スイッチング素子8および3は、それぞれ駆動信号Hdrvおよび駆動信号Ldrvに応じて、相補的にオン・オフ制御される。
【0057】
なお、スイッチング素子8は、PMOSトランジスタであるので、駆動信号Hdrvがハイ・レベルの間オフとなり、ロー・レベルの間オンとなる。一方、スイッチング素子3は、NMOSトランジスタであるので、駆動信号Ldrvがハイ・レベルの間オンとなり、ロー・レベルの間オフとなる。したがって、出力電圧Voutが目標電圧より低い場合には、駆動信号HdrvおよびLdrvがロー・レベルとなる時間、すなわち、スイッチング素子8のオン時間が相対的に長くなり、出力電圧Voutが上昇する。一方、出力電圧Voutが目標電圧より高い場合には、駆動信号HdrvおよびLdrvがハイ・レベルとなる時間、すなわち、スイッチング素子3のオン時間が相対的に長くなり、出力電圧Voutが低下する。
【0058】
このようにして、本実施形態のスイッチング電源回路は、出力電圧Voutに応じて生成されるスイッチング信号(Sa,Sb)を出力回路(13a,14)によってバッファリングして、スイッチング素子(3,8)に供給する。
【0059】
===出力回路の構成===
以下、図7を参照して、本実施形態における出力回路の構成について説明する。ここでは、ハイサイドの出力回路14の構成について説明する。
【0060】
なお、図7においては、端子93が、出力端子に相当し、スイッチング素子8が、第3のPチャネルMOSトランジスタに相当する。また、入力電圧inが、第1の電圧に相当し、電圧Vin−5(<Vin)が、第2の電圧に相当し、接地電圧GND(<Vin−5)が、第3の電圧に相当する。したがって、端子91が、第1の電源端子に相当し、端子99が、第2の電源端子に相当し、端子97が、第3の電源端子に相当する。
【0061】
図7に示されている出力回路14は、PDMOSトランジスタPD、NDMOSトランジスタND、PMOSトランジスタP1ないしP3、NMOSトランジスタN1ないしN3、ツェナーダイオードZD1ないしZD3、および抵抗R1ないしR6を含んで構成されている。なお、出力回路14において、第1ないし第3のCMOSインバータの構成は、接続される端子を除いて、出力回路13aおよび13bと同様である。
【0062】
PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3は、直列に接続され、第4のCMOSインバータを構成している。また、PMOSトランジスタP3のソースは、抵抗R5を介して端子91に接続され、NMOSトランジスタN3のソースは、抵抗R1を介して端子99に接続されている。そして、当該第4のCMOSインバータの出力信号は、抵抗R3を介して第3のCMOSインバータ(P2,N2)に入力されるとともに、抵抗R4を介して第2のCMOSインバータ(P1,N1)に入力されている。さらに、当該第4のCMOSインバータには、スイッチング信号Sbが入力されている。
【0063】
ツェナーダイオードZD1およびZD2は、出力回路13aおよび13bと同様に接続されている。また、ツェナーダイオードZD3のアノードは、NMOSトランジスタN2のソースに接続され、カソードは、NMOSトランジスタN2のゲートと抵抗R3との接続点に接続されている。
【0064】
===出力回路の動作===
以下、本実施形態における出力回路の動作について説明する。
なお、以下の説明においては、一例として、スイッチング信号Sbのハイ・レベルおよびロー・レベルの電圧をそれぞれ入力電圧Vinおよび電圧Vin−5とし、Vin=20V、Vin−5=15V、GND=0Vとする。また、ドレイン・ソース間耐圧VDSS、ゲート・ソース間耐圧VGSS、およびツェナー電圧VZとして、第1実施形態と同様の一例を用いることとする。
【0065】
まず、図8を参照して、集積回路1bの端子間が短絡していない通常時の動作について説明する。この場合、ツェナーダイオードZD1ないしZD3は、いずれも降伏せず、MOSトランジスタP1、N1、P2、およびN2のそれぞれのソースに印加される電圧をv6ないしv9と表すこととすると、v6=v8=20V(=Vin)、v7=v9=15V(=Vin−5)となる。
【0066】
第4のCMOSインバータ(P3,N3)は、スイッチング制御回路12から入力されるスイッチング信号Sbを反転して出力する。また、第2のCMOSインバータ(P1,N1)および第3のCMOSインバータ(P2,N2)は、第4のCMOSインバータの出力信号を反転して出力する。したがって、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDのゲートには、いずれもスイッチング信号Sbと同相の信号が入力され、第1のCMOSインバータ(PD,ND)は、スイッチング信号Sbと逆相の駆動信号Hdrvを出力する。そして、スイッチング素子8は、駆動信号Hdrvに応じてオン・オフ制御される。
【0067】
このようにして、通常時には、出力回路14は、スイッチング信号Sbをバッファリングして、逆相の駆動信号Hdrvをスイッチング素子8に供給する。
【0068】
次に、図9を参照して、集積回路1bの端子間が短絡した場合(端子間短絡時)の動作について説明する。図9は、特に、端子97と端子99とが短絡した場合を示している。この場合、v6=20V(=Vin)、v9=0V(=GND)となる。
【0069】
ツェナーダイオードZD1および抵抗R1は、第1のクランプ回路を構成し、PMOSトランジスタP1のソースとNMOSトランジスタN1のソースとの間の電圧をツェナー電圧VZ(<VGSS)にクランプする。したがって、端子間短絡時には、ツェナーダイオードZD1が降伏し、v7=14V(=Vin−VZ)となる。
【0070】
一方、ツェナーダイオードZD2および抵抗R2は、第2のクランプ回路を構成し、PMOSトランジスタP2のソースとNMOSトランジスタN2のソースとの間の電圧をツェナー電圧VZ(<VGSS)にクランプする。したがって、端子間短絡時には、ツェナーダイオードZD2が降伏し、v8=6V(=VZ−GND)となる。
【0071】
PMOSトランジスタP3のソースには、電圧v6=20Vが印加され、NMOSトランジスタN3のソースには、電圧v7=14Vが印加されている。また、PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3のゲートには、スイッチング制御回路12からスイッチング信号Sb(15〜20V)が入力されている。したがって、PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3には、ゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、第4のCMOSインバータ(P3,N3)は、通常時と同様に、スイッチング信号Sbを反転して出力する。
【0072】
PMOSトランジスタP1のソースには、電圧v6=20Vが印加され、NMOSトランジスタN1のソースには、電圧v7=14Vが印加されている。また、PMOSトランジスタP1およびNMOSトランジスタN1のゲートには、第4のCMOSインバータの出力信号(14〜20V)が入力されている。したがって、PMOSトランジスタP1およびNMOSトランジスタN1には、ゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、第2のCMOSインバータ(P1,N1)は、通常時と同様に、第4のCMOSインバータの出力信号を反転して出力する。
【0073】
ツェナーダイオードZD3および抵抗R3は、第3のクランプ回路を構成し、NMOSトランジスタN2のゲートとソースとの間の電圧をツェナー電圧VZ(<VGSS)にクランプする。したがって、端子間短絡時には、ツェナーダイオードZD3が降伏し、NMOSトランジスタN2のゲートに印加される電圧をv10と表すこととすると、v10=6V(=VZ−GND)となる。
【0074】
PMOSトランジスタP2のソースには、電圧v8=6Vが印加され、NMOSトランジスタN2のソースには、電圧v9=0Vが印加されている。また、PMOSトランジスタP2およびNMOSトランジスタN2のゲートには、電圧v10=6Vが印加されている。したがって、PMOSトランジスタP2およびNMOSトランジスタN2には、ゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、PMOSトランジスタP2は常にオフとなり、NMOSトランジスタN2は常にオンとなり、第3のCMOSインバータ(P2,N2)の出力信号は、常にロー・レベル(0V)となる。
【0075】
PDMOSトランジスタPDのソースには、電圧v6=20Vが印加され、NDMOSトランジスタNDのソースには、電圧v9=0Vが印加されている。また、PDMOSトランジスタPDのゲートには、第2のCMOSインバータの出力信号(14〜20V)が入力されている。一方、NDMOSトランジスタNDのゲートには、第3のCMOSインバータの出力信号(0V)が入力されている。したがって、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDには、ドレイン・ソース間耐圧VDSSやゲート・ソース間耐圧VGSSを超える高電圧が印加されることはない。そして、NDMOSトランジスタNDは常にオフとなり、第1のCMOSインバータ(PD,ND)から出力される駆動信号Hdrvは、常にハイ・レベル(20V)となり、スイッチング素子8は、常にオフとなる。
【0076】
このようにして、端子97と端子99とが短絡した端子間短絡時には、出力回路14は、駆動信号Hdrvを常にハイ・レベルとし、スイッチング素子8を常にオフする。さらに、当該端子間短絡時において、出力回路14は、各MOSトランジスタに耐圧を超える高電圧が印加されることはなく、高電圧による破壊から保護されている。
【0077】
なお、端子97と端子93とが短絡した場合、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDのドレインには、接地電圧GND=0Vが印加されることとなる。しかしながら、PDMOSトランジスタPDおよびNDMOSトランジスタNDのドレインとソースとの間の電圧は、いずれもドレイン・ソース間耐圧VDSSを超えることはなく、この場合も、出力回路14は、高電圧による破壊から保護されている。
【0078】
前述したように、集積回路1aおよび1bにおいて、出力回路の出力段をDMOSトランジスタで構成された第1のCMOSインバータとし、各DMOSトランジスタのゲートに接続された第2および第3のCMOSインバータのソース間の電圧を、DMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧VGSSより低い電圧にクランプすることによって、論理信号の出力端子や論理レベルの電圧が印加される第1および第2の電源端子と、ハイ・レベルより高いまたはロー・レベルより低い電圧が印加される第3の電源端子とが短絡した場合の高電圧による破壊から出力回路を保護することができる。そして、このように、ゲート・ソース間耐圧VGSSは高くないものの、ドレイン・ソース間耐圧VDSSが高いDMOSトランジスタを用いることによって、高耐圧特性のMOSトランジスタを用いた場合に比べて、回路面積の増大を抑制することができる。
【0079】
また、出力回路13a(13b)において、PMOSトランジスタP1のゲートとソースとの間の電圧を、ゲート・ソース間耐圧VGSSより低い電圧にクランプすることによって、入力電圧Vinが印加される端子91とハイ・レベルの電圧VDD(Vbt)が印加される端子95(92)とが短絡した場合の高電圧による破壊から保護しつつ、NMOSトランジスタ3(2)に駆動信号Ldrv(Hdrv)を供給することができる。
【0080】
また、出力回路14において、NMOSトランジスタN2のゲートとソースとの間の電圧を、ゲート・ソース間耐圧VGSSより低い電圧にクランプすることによって、接地電圧GNDが印加される端子97とロー・レベルの電圧Vin−5が印加される端子99とが短絡した場合の高電圧による破壊から保護しつつ、PMOSトランジスタ8に駆動信号Hdrvを供給することができる。
【0081】
また、スイッチング信号Sa(Sb)が入力される第4のCMOSインバータの出力信号を第2および第3のCMOSインバータに入力することによって、通常時には、スイッチング信号Sa(Sb)をバッファリングして、逆相の駆動信号Ldrv(Hdrv)をスイッチング素子に供給することができる。
【0082】
また、出力回路13aおよび13b(14)をスイッチング電源回路用の集積回路1a(1b)に用いることによって、高耐圧特性のMOSトランジスタを用いた場合に比べて、出力インピーダンスの増加を抑制することができ、入力容量の大きなスイッチング素子を駆動することができる。
【0083】
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0084】
上記実施形態では、スイッチング電源回路用の集積回路1aおよび1bについて説明したが、これに限定されるものではない。出力回路13a、13b、および14は、例えばモータ駆動回路用のプリドライバなど、外付けのMOSトランジスタを駆動する他の集積回路にも用いることができる。さらに、MOSトランジスタを駆動する集積回路以外にも、論理信号を出力する集積回路であって、論理レベルの電圧が印加される端子に加えて、ハイ・レベルより高いまたはロー・レベルより低い電圧が印加される端子を備えた集積回路に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0085】
1a〜1c 集積回路
2、3、8 スイッチング素子
4 コイル
5 コンデンサ
6、7 抵抗
11 電圧調整回路
12 スイッチング制御回路
13a、13b、14、15 出力回路
91〜99 端子
PD PDMOS(Pチャネル二重拡散金属酸化膜半導体)トランジスタ
ND NDMOS(Nチャネル二重拡散金属酸化膜半導体)トランジスタ
P1〜P6 PMOS(Pチャネル金属酸化膜半導体)トランジスタ
N1〜N6 NMOS(Nチャネル金属酸化膜半導体)トランジスタ
C1、C2 コンデンサ
D1 ダイオード
ZD1〜ZD3 ツェナーダイオード
R1〜R6 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子と、
第1の電圧が印加される第1の電源端子と、
前記第1の電圧より低い第2の電圧が印加される第2の電源端子と、
前記第1の電圧より高い、または前記第2の電圧より低い第3の電圧が印加される第3の電源端子と、
論理信号を生成する信号生成回路と、
前記論理信号をバッファリングして前記出力端子から出力する出力回路と、
を有し、
前記出力回路は、
ソースが前記第1の電源端子に接続されたPチャネルDMOSトランジスタと、ソースが前記第2の電源端子に接続されたNチャネルDMOSトランジスタと、で構成され、出力信号が前記出力端子から出力される第1のCMOSインバータと、
ソースが前記第1の電源端子に接続された第1のPチャネルMOSトランジスタと、第1のNチャネルMOSトランジスタと、で構成され、出力信号が前記PチャネルDMOSトランジスタのゲートに入力される第2のCMOSインバータと、
第2のPチャネルMOSトランジスタと、ソースが前記第2の電源端子に接続された第2のNチャネルMOSトランジスタと、で構成され、出力信号が前記NチャネルDMOSトランジスタのゲートに入力される第3のCMOSインバータと、
前記第1のPチャネルMOSトランジスタのソースと前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースとの間の電圧を、前記PチャネルDMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第1のクランプ回路と、
前記第2のPチャネルMOSトランジスタのソースと前記第2のNチャネルMOSトランジスタのソースとの間の電圧を、前記NチャネルDMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第2のクランプ回路と、
を含むことを特徴とする集積回路。
【請求項2】
前記出力端子には、第3のNチャネルMOSトランジスタであるスイッチング素子のゲートが接続され、
前記第2の電源端子には、前記スイッチング素子のソースが接続され、
前記第3の電圧は、前記第1の電圧より高く、
前記出力回路は、
前記第1のPチャネルMOSトランジスタのゲートとソースとの間の電圧を、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第3のクランプ回路をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記出力端子には、第3のPチャネルMOSトランジスタであるスイッチング素子のゲートが接続され、
前記第1の電源端子には、前記スイッチング素子のソースが接続され、
前記第3の電圧は、前記第2の電圧より低く、
前記出力回路は、
前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲートとソースとの間の電圧を、前記第2のNチャネルMOSトランジスタのゲート・ソース間耐圧より低い電圧にクランプする第3のクランプ回路をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記出力回路は、
出力信号が前記第2のCMOSインバータおよび前記第3のCMOSインバータに入力される第4のCMOSインバータをさらに含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記スイッチング素子は、第1の直流電圧をスイッチングし、
前記信号生成回路は、前記スイッチング素子の出力電圧を整流および平滑化した第2の直流電圧に応じてスイッチング信号を生成し、
前記出力回路は、前記スイッチング信号をバッファリングして前記出力端子から出力することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−130135(P2012−130135A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278423(P2010−278423)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(311003743)オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド (166)
【Fターム(参考)】