説明

難燃剤組成物およびこれらの使用方法

a)臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、および(b)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子およびフェニル基の間に配置されたアルキレン基中の1〜6個の範囲の炭素原子を有する少なくとも1つのポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンを含んでなる難燃剤組成物と、(a)と(b)を個別に、あるいは組み合わせでブレンドした特定の難燃化ポリマー組成物が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい極めて有効な難燃剤組成物と、本発明の難燃剤組成物をその中に含ませることにより有効に難燃化される熱可塑性ポリマーに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明によれば、難燃剤のしかるべき組み合わせは難燃剤として極めて有効であるのみならず、加えてスチレン系ポリマーなどの熱可塑性ポリマーに望ましい物理的性質をもたらすことができることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の難燃性組成物は、(a)臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーと(b)少なくとも1つのポリ−ar−臭素化ジフェニルアルカンを含んでなる。本発明に実施においては、このような難燃性組成物の性能を実質的に損なわない他の添加剤成分がこのような組成物と一緒に使用可能である。
【0004】
本発明の実施において成分(a)として使用される臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造において使用されるスチレン系ポリマー反応試剤は、アニオン的に開始される重合により製造される。このような臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、少なくとも1つの成分(b)の化合物と一緒に使用される場合、本発明により達成可能である有利な結果を得ることを可能とする。
【0005】
本発明の最も好ましい実施態様においては、(a)は臭素化アニオン重合ポリスチレンであり、そして(b)は市販のデカブロモジフェニルエタン製品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
成分(a)
本発明の組成物の成分(a)は少なくとも1つの臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーである。すなわち、成分(a)は(i)臭素化された少なくとも1つのアニオン的に製造されるスチレン系ホモポリマー、または(ii)臭素化された2つ以上のスチレン系モノマーの少なくとも1つのアニオン的に製造されるコポリマー、または(iii)(i)と(ii)の両方である。このようなポリマーの臭素含量は少なくとも約50重量パーセントでなければならない。好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、特に臭素化アニオン重合ポリスチレンは、少なくとも約60重量%の臭素含量を有し、そして更に好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、特に臭素化アニオン重合ポリスチレンは少なくとも約64重量%の臭素含量を有する。特に好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、特に臭素化アニオン重合ポリスチレンは67〜69重量%の範囲の臭素含量を有する。臭素化ポリスチレンなどの臭素化スチレン系ポリマーの臭素含量は約71重量%を超えることは稀である。通常、この臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、220℃および2.16kgで行われるASTMD1238−99試験法によって3〜40の範囲のメルトフローインデックスを有し、そして好ましくはこのようなメルトフローインデックスは5〜35の範囲にある。本発明の実施において使用される最も好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、これらの試験条件下で6〜30の範囲のメルトフローインデックスを有する。この関連において、成分(a)の物質は、固体から液体へと突然に変形する融点温度に到達するという意味において「融解」し得ない。むしろ、これらの物質は、非晶質物質となる傾向があり、加熱されると、温度を上昇させるに従って漸次軟化する傾向があり、そして漸次柔軟になり、そして液体の特性を帯びる傾向があり、慣用の混合あるいはブレンド法を使用することにより、他の物質をこれに分散させることができる。
臭素化されて、本発明により使用される臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーを形成するアニオン重合スチレン系ポリマーは、1つ以上のアニオン重合ホモポリマーおよび/または少なくとも1つのビニル芳香族モノマーのアニオン重合コポリマーである。好ましいビニル芳香族モノマーは、式
C=CR−Ar
を有する。式中、Rは水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてArは6〜10個の炭素原子の芳香族基(アルキル環で置換された芳香族基を含む)である。このようなモノマーの例は、スチレン、アルファ−メチルスチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ−エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、ジメチルスチレン、およびtert−ブチルスチレンである。ポリスチレンが好ましい反応試剤である。この臭素化スチレン系ポリマーを2つ以上のビニル芳香族モノマーのアニオン重合コポリマーの臭素化により製造する場合には、スチレンがこのモノマーの一つであること、そしてスチレンがこの共重合性ビニル芳香族モノマーの少なくとも50重量パーセント、好ましくは少なくとも約80重量パーセントを占めることが好ましい。用語「臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー」および「臭素化アニオン重合ポリスチレン」は、この明細書で使用されるように、アニオン重合ポリスチレンまたはスチレンと少なくとも1つの他のビニル芳香族モノマーのアニオン重合コポリマーなどの既存のアニオン重合スチレン系ポリマーの臭素化により製造される臭素化アニオン重合ポリマーを指すということを特記すべきであり、これは、1つ以上の臭素化スチレン系モノマーのオリゴマー化または重合により製造されるオリゴマーまたはポリマーとは区別され、後者のオリゴマーまたはポリマーの性質は臭素化アニオン重合ポリスチレンと多くの点でかなり異なる。または、用語「ビニル芳香族」および「スチレン系」は、モノマーまたはポリマーと関連してこの明細書では互換可能に使用される。
【0007】
このアニオン重合スチレン系ポリマーの芳香族ペンダント成分はアルキル置換可能であるか、あるいは臭素あるいは塩素原子により置換可能であるが、大多数の場合このようには置換されていない。通常、本発明の実施において使用される臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造に使用されるアニオン重合スチレン系ポリマーは、2000〜50,000の範囲の重量平均分子量(M)と1〜約10の範囲の多分散性を有する。本発明の実施において使用される好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、3000〜10,000の範囲の重量平均分子量(M)と1〜約4の範囲の多分散性を有するアニオン重合スチレン系ポリマーから製造され、そして最も好ましくはこれらの範囲はそれぞれ3500〜4500および1〜約4である。このMおよび多分散性の値は、両方ともこの明細書で後で述べられるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法に基づくものである。
【0008】
アニオン重合ポリスチレンなどのアニオン重合スチレン系ポリマーの製造方法は当業界で既知であり、文献に報告されている。開示が引用により本明細書に組み込まれている、例えば米国特許第3,812,088号;第4,200,713号;第4,442,273号;第4,883,846号;第5,391,655号;第5,717,040号;および第5,902,865号を参照のこと。方法の開示が引用により本明細書に組み込まれている、2002年8月1日出願の共有の同時係属出願番号10/211,648に特に好ましい方法が述べられている。
【0009】
臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造に使用可能な臭素化方法は、開示が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,677,390号;第5,686,538号;第5,767,203号;第5,852,131号;第5,916,978号
;および第6,207,765号で開示されている。
【0010】
臭素化アニオン重合ポリスチレンはAlbemarle CorporationからSAYTEX(登録商標)HP3010の名称で市場において入手可能である。この製品の現在の典型的な性質は次のものを含む。
外観/形状:僅かに灰色がかった白(オフホワイト)顆粒
Tg(℃):162
比重(@23℃):2.22
かさ密度、ポンド/ガロン(kg/m):12.2
TGA(TA装置モデル2950、10℃/分N下):
1%重量減少、℃;342
5%重量減少、℃;360
10%重量減少、℃;368
50%重量減少、℃;393
90%重量減少、℃;423
【0011】
通常、アニオン重合スチレン系ポリマーまたは臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの化学分析および性質に関しては、信頼できる製造業者の仕様に頼ることができる。必要であるか、あるいは望ましいと考えられる場合には、文献に報告されているようないかなる信頼できる分析方法もこのような分析値または性質の決定に使用可能である。疑わしいか、あるいは問題になっている場合には、次の方法が推奨される。
【0012】
1)臭素含量:臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤中で良好な、あるいは少なくとも満足な溶解性を有するので、臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーに対する全臭素含量の定量は、慣用の蛍光X線法を使用することにより容易に行われる。分析される試料は希薄試料、例えば60mLのTHF中の0.1±0.05gの臭素化アニオン重合ポリスチレンである。XRF分光計はPhillips PW1480分光計であることができる。THF中のブロモベンゼンの標準化された溶液が較正標準として使用される。
【0013】
2)メルトフローインデックス:臭素化スチレン系ポリマーのメルトフローインデックスを求めるために、ASTM試験方法D1238−99の手順および試験装置が使用される。この押し出し可塑度計は270℃および2.16kgの印加圧力において操作される。この試験で使用される試料は、50重量部の酸化アンチモン、臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーのBr含量基準で15.0重量%のBrを含有する最終ブレンドを提供する計算された量の200〜250重量部の範囲の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、および全部で1000重量部を与えるのに充分なガラス充填されたナイロン6,6(Du PontからのZytelポリマー)からなる。
【0014】
3)重量平均分子量および多分散性:アニオン重合スチレン系ポリマーのM値は、Watersモデル510 HPLCポンプと、検出器として、Waters屈折率検出器モデル410およびPrecision Detectorの光散乱検出器モデルPD2000、または同等の装置を用いるGPCにより得られる。カラムは、WatersのμStyragel、500Å、10,000Åおよび100,000Åである。オートサンプラーはShimadzuモデルSil9Aである。光散乱データの精度を確認するには、ポリスチレン標準(Mw=185,000)が日常的に使用される。使用される溶剤はHPLCグレードのテトラヒドロフランである。使用される試験手順は0.015−0.020gの試料を10mLのTHFに溶解することを伴う。この溶液のアリコートが濾過され、そして50μLがカラムに注入される。分離物は、PD2000光散乱検出器用にPrecision Detectorにより提供されるソフトウエアを用いて分析される。この装置は、重量平均分子量の形で、そして数平均分子量の形でも結果を提供する。このように、多分散性の値を得るためには、重量平均分子量の値を数平均分子量の値で割る。
【0015】
成分(b)
種々のポリ臭素化ジフェニルアルカンが成分(b)として使用可能である。通常、これらの化合物は、(i)2つのフェニル基の間に配置される1〜6個の炭素原子の直鎖(すなわち、非分岐の)アルキレン基、および(ii)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子を有するアルファ−オメガジフェニルアルカン;または2つ以上のこのような化合物の混合物である。好ましいのは、(i)2つのフェニル基の間に配置される1〜4個の炭素原子の直鎖(すなわち、非分岐の)アルキレン基、および(ii)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも8個の臭素原子を有するアルファ−オメガジフェニルアルカンである。更に好ましいのは、(i)2つのフェニル基の間に配置される1あるいは2個の炭素原子の直鎖(すなわち、非分岐の)アルキレン基、および(ii)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも9個の臭素原子を有するアルファ−オメガジフェニルアルカン;または2つ以上のこのような化合物の混合物である。最も好ましいのはデカブロモジフェニルエタンである。例えば1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、ブチレン(−CHCHCHCH−)、ペンチレン(−CHCHCHCHCH−)、および/またはヘキシレン(−CHCHCHCHCHCH−)であるということが認識されるであろう。各々の場合、このブロモフェニル基の間の直鎖アルキレン橋もその上にいくつかの臭素置換を有し得るが、好ましくはこのアルキレン基はハロゲン置換を実質的に含まないか、あるいは全く含まない。
【0016】
このように、このポリブロモジフェニルアルカンは、式
【0017】
【化1】

【0018】
により表示可能な1つ以上の化合物である。式中、Rは、部分的にあるいは完全に臭素化され得るが、好ましくは臭素置換を実質的に含まない1〜6個の炭素原子の長さの直鎖アルキレン基であり;mは1〜5であり;そしてnは1〜5であり、mプラスnの和は少なくとも6に等しい。好ましくは、Rは1〜4個の炭素原子を、最も好ましくは2個の炭素原子を有する。mプラスnの合計は好ましくは少なくとも8であり、更に好ましくは9〜10の範囲にあり、そして最も好ましくは10である。
【0019】
成分(b)として使用され得るアルファ−オメガポリブロモジフェニルアルカンの非限定的な例は、ヘキサブロモジフェニルメタン、ヘプタブロモジフェニルメタン、オクタブロモジフェニルメタン、ノナブロモジフェニルメタン、デカブロモジフェニルメタン、ヘキサブロモジフェニルエタン、ヘプタブロモジフェニルエタン、オクタブロモジフェニルエタン、ノナブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルエタン、ヘキサブロモジフェニルプロパン、ヘプタブロモジフェニルプロパン、オクタブロモジフェニルプロパン、ノナブロモジフェニルプロパン、デカブロモジフェニルプロパン、ヘキサブロモジフェニルブタン、ヘプタブロモジフェニルブタン、オクタブロモジフェニルブタン、ノナブロモジフェニルブタン、デカブロモジフェニルブタン、ヘキサブロモジフェニルペンタン、ヘプタブロモジフェニルペンタン、オクタブロモジフェニルペンタン、ノナブロモジフェニルペンタン、デカブロモジフェニルペンタン、ヘキサブロモジフェニルヘキサン、ヘプタブロモジフェニルヘキサン、オクタブロモジフェニルヘキサン、ノナブロモジフェニルヘキサン、デカブロモジフェニルヘキサン、オクタブロモジフェニル−l−ブロモエタン、ノナブロモジフェニル−1,2−ジブロモエタン、デカブロモジフェニル−1−ブロモエタン、デカブロモジフェニル−1,2−ジブロモエタン、および類似の化合物を含む。2つ以上のこのような化合物の混合物も成分(b)として使用可能である。最も好ましいのは、当業界でデカブロモジフェニルエタンとして普通に知られている1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタンである。
【0020】
アルファ−オメガポリブロモジフェニルアルカンの上記の例示においては、単純化された命名法が使用される。例示すると、ヘキサブロモジフェニルメタンは単一の化合物または化合物の混合物であることができる。名称「ヘキサブロモジフェニルメタン」は、フェニル基上に全部で6個の臭素原子を有するジフェニルメタンを表す。このように、このヘキサブロモジフェニルメタンが単一の化合物である場合には、(a)3個の臭素原子がこの2つのフェニル基の各々にあるか、あるいは(b)4個の臭素原子がこのフェニル基の一方にあり、そして2個の臭素原子が他方のフェニル基にあるか、あるいは(c)5個の臭素原子がフェニル基の一方にあり、そして1個の臭素原子が他方のフェニル基にあることができる。このヘキサブロモジフェニルメタンが混合物である場合には、分子当たりの平均臭素原子数が約6となるように、化合物(a)、(b)、および(c)の2つあるいは3つ全部を含んでなる。同じタイプの考慮がこの明細書で引用されている他のアルファ−オメガポリブロモジフェニルアルカンの大部分に当てはまる。例えば、名称「オクタブロモジフェニルエタン」は、フェニル基上に好適に分布された全部で8個の臭素原子を有する1,2−ジフェニルエタンを表す。ケミカルアブストラクトで使用される命名法は、この化合物を1,1’−(1,2−エタンジイル)ビスベンゼンのオクトブロモ誘導体と呼び、そしてこれの別名がオクタブロモジフェニルエタンであるということを注記している。この物質に与えられている登録番号は137563−34−9である。このフェニル基の各々が5個の臭素原子により置換されている化合物、例えばデカブロモジフェニルエタンの場合には、ケミカルアブストラクトで使用される命名法は、このような化合物を1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモベンゼン)と呼び、そしてこのタイプの化合物の別名がデカブロモジフェニルエタンあるということも示している。この物質に与えられている登録番号は84852−53−9である。
【0021】
アルファ−オメガポリブロモジフェニルアルカンの製造方法は文献に報告されている。方法の開示が引用により本明細書に組み込まれている、例えば米国特許第5,003,117号;第5,008,477号;第5,030,778号、第5,077,334号;および第6,518,468号で開示されている方法を参照のこと。
【0022】
成分(a)および(b)の比率
成分(a)および(b)の間の比率は変更可能であり、そしてすべての場合、基材またはホストポリマー中に存在するこれら2つの成分の全量が下記に述べるように難燃性量である限り、有効な難燃性が任意および全部の比率により得られる。成分(b)に対する成分(a)の比率を(a):(b)重量比1:99から99.9:0.1へ(好ましくは10:90から90:10の範囲へ)増加させるに従って、成分(a)は、難燃剤としての役目をすることに加えて、(b)に対するバインダーであることから成分(b)を広く分散させたホストポリマーであることまで進展することができる。
【0023】
基材ポリマー
本発明の他の実施態様は、分子中に重合性オレフィン型二重結合を有する1つ以上の重合されたモノマーを含んでなり、難燃剤量の上記の成分(a)および(b)の難燃性添加剤組成物をブレンドしたポリマーを含んでなる組成物である。このようなポリマーの3つの群が存在する。すなわち(i)1つ以上のビニル芳香族ホモポリマーあるいはコポリマー、好ましくは耐衝撃性ポリスチレン、(ii)ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレンまたはプロピレンと少なくとも1つの高級オレフィンとの、そして随意のジエンモノマーとのコポリマーなどの1つ以上の非環状オレフィン系炭化水素ホモポリマーあるいはコポリマー、および(iii)アクリロニトリル、アクリレートモノマー、またはメタクリレートモノマーなどの少なくとも1つのビニル芳香族モノマーと、少なくとも1つの官能基含有非ビニル芳香族モノマーの1つ以上の、そして随意のジエンモノマーのコポリマーである。群(ii)の例はABS、MBS、SAN、およびASAを含む。このようなブレンドの配合において、成分(a)および(b)はこのポリマーと個別にそして/あるいは任意の下位組み合わせで、あるいは成分(a)および(b)と任意の他の選択された随意の添加剤の部分的ブレンドとブレンド可能である。しかしながら、ブレンド誤差または配合物ごとの実質的な均一性の欠如の可能性を最少限とし、そしてこのような配合物の製造を容易とするために、成分が既に好適な比率となっている成分(a)および(b)からなる予め形成されたブレンドをこのポリマーと混合することが好ましい。
【0024】
上記の3つの群のポリマーのうちで、好ましいのは難燃剤量の成分(a)および(b)をブレンドしたビニル芳香族ポリマーである。
【0025】
本発明の実施において難燃化可能なビニル芳香族ポリマーは、ホモポリマー、コポリマーまたはブロックポリマーであり、そしてこのようなポリマーは、スチレン、置換基が1つ以上のC1−6アルキル基である環置換スチレン、アルファ−メチルスチレン、置換基が1つ以上のC1−6アルキル基である環置換アルファ−メチルスチレン、ビニルナフタレン、および類似の重合性スチレン系モノマーなどのビニル芳香族モノマー、すなわちペルオキシドまたは類似の触媒により熱可塑性樹脂に重合される能力のあるスチレン系化合物から形成可能である。単純なスチレン系モノマー(例えば、スチレン、p−メチル−スチレン、2,4−ジメチルスチレン、アルファ−メチル−スチレン、またはp−クロロ−スチレン)のホモポリマーおよびコポリマーがコストと入手しやすさの観点から好ましい。本発明により難燃化されるビニル芳香族ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであり、フリーラジカル重合、カチオン的に開始された重合、またはアニオン的に開始される重合により製造可能である。加えて、本発明の実施において難燃化されるビニル芳香族ポリマーは、発泡性、膨張性あるいは発泡ビニル芳香族ポリマー組成物であることができる。このビニル芳香族ポリマーは種々の構造的立体配置を有することができる。例えば、これらは、アイソタクチックポリマー、シンジオタクチックポリマー、またはアイソタクチックおよびシンジオタクチックポリマーの混合物であることができる。加えて、このビニル芳香族ポリマーは、ポリフェニレンエーテル−スチレン系ポリマーブレンドおよびポリカーボネート−スチレン系ポリマーブレンドなど他の熱可塑性ポリマーとのブレンドまたはアロイの形のものであることができる。このビニル芳香族ポリマーは衝撃変成された、あるいはゴム変成されたポリマーであることができる。
【0026】
好ましくは使用される衝撃変成ポリスチレン(IPS)は、中衝撃ポリスチレン(MIPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、またはHIPSとGPPS(時には、クリスタルポリスチレンと呼ばれる)のブレンドであり得る。これらはすべて慣用の材料である。衝撃変成の実施において使用されるゴムは、最も多くにはブタジエンゴムであるが、その必要はない。耐衝撃性ポリスチレン、あるいは少量(50重量%未満)のクリスタルポリスチレンと一緒に主要量(50重量%以上)の耐衝撃性ポリスチレンを含有するブレンドは、基材またはホストポリマーとして特に好ましい。
【0027】
ビニル芳香族ポリマーの形成に使用される好適なビニル芳香族モノマーのうちには、式HC=CR−Ar
を有するモノマーがある。式中、Rは水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてArは6〜10個の炭素原子の芳香族基(アルキルで環置換された芳香族基を含む)である。このようなモノマーの例は、スチレン、アルファ−メチルスチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ−エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、ジメチルスチレン、およびtert−ブチルスチレンである。ポリスチレンが好ましい反応試剤である。本発明により難燃化されるビニル芳香族ポリマーの重量平均分子量は、低分子量ポリマーから非常に高分子量のポリマーまで広く変わることができる。汎用ポリスチレン、衝撃変成ポリスチレン、発泡あるいは発泡性ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、およびスチレン系ポリマーの他の熱可塑性ポリマーとのブレンドまたはアロイなどのスチレン系ポリマーの製造方法は文献に報告されている。例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Technology,copyright 1970 by John Wiley & Sons,Inc.,Volume 13、特にスチレンポリマーという表題の項、およびそこで引用されている参考文献;Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,copyright 1997 by John Wiley & Sons,Inc.、特にスチレンプラスチックという表題の項;米国特許第4,173,688号;第4,174,425号;第4,287,318号;第4,367,320号;第4,393,171号;第4,425,459号;第4,940,735号;第4,978,730号;第5,045,517号;第5,169,893号;第5,189,125号;第5,196,490号;第5,252、693号;第5,352,727号;第5,446,117号;第5,502,133号;第5,741,837号;第5,777,028号;第5,902,865号;第6,008,293号;第6,031,049号;第6,048,932号;第6,593,428号;およびそこで引用されている参考文献を参照のこと。任意のこのようなビニル芳香族ポリマーの製造に関するか、あるいは他の物質との混合物、ブレンド、またはアロイに関する前出の文献における開示は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0028】
本発明の好ましい耐衝撃性ポリスチレン組成物は、少なくともUL94V2試験に合格する1.6および3.2ミリメートルの厚さ(1/16および1/8インチの厚さ)の成形試料を形成する能力を有する。
【0029】
本発明により他の好適な添加剤を共用して、あるいは共用せずに成分(a)および(b)を含めることにより効果的に難燃化され得る熱可塑性ポリマーのもう一つの群はポリオレフィンである。好適なポリオレフィンの非限定的な例は、ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリ−(1−ブテン);エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−l−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどの1つ以上の高級ビニルオレフィンとのコポリマー;プロピレンと1つ以上の高級ビニルオレフィンとのコポリマー;エチレン、プロピレンおよび1つ以上のジエンモノマーのコポリマー;および前出の任意のブレンドまたは混合物を含む。このようなポリマーの製造方法は既知であり、文献に報告されている。例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Interscience Publishers,a division of John Wiley & Sons,Inc.New York、特にエチレンポリマー;プロピレンポリマー;ブチレンポリマー;およびオレフィンポリマーという表題の項、およびそこで引用されている参考文献;Kirk−Othmer Encyclopedia ofChemical Technology,John Wiley & Sons,Inc.;米国特許第4,288,579号;第4,619,981号;第4,752,597号;第4,980,431号;第5,324,800号;第5,644,008号;第5,684,097号;第5,714,555号;第5,618,886号;第5,804,679号;第6,034,188号;第6,121,182号;第6,121,402号;第6,204,345号;第6,437,063号;第6,458,900号;第6,486,275号;第6,555,494号;およびそこで引用されている参考文献を参照のこと。ポリオレフィンポリマーあるいは樹脂の製造に関する前出の文献における開示は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0030】
本発明により他の好適な添加剤を共用する、あるいは共用しない成分(a)および(b)の難燃剤の組み合わせもABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー)、SAN(スチレン−アクリロニトリルポリマー)、ASA(アクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレートコポリマー)、MBS(メタアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー)、および類似のポリマー、樹脂、およびポリブレンドなどのポリマーまたは樹脂に難燃性を付与するために使用され得る。これらのポリマーのうちABSが好ましい。このタイプのポリマー物質の製造方法は文献に報告されている。例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,copyright 1997 by John Wiley & Sons,Inc.,特にスチレンプラスチックという表題の項;米国特許第3,957,912号;第4,064,116号;第4,141,932号;第4,141,932号;第4,141,933号;第4,206,293号;第4,252,911号;第4,262,096号;第4,277,574号;第4,341,695号;第4,385,157号;第4,421,895号;第4,598,124号;第4,640,959号;第4,740,560号;第5,807,928号;第5,955,540号;第6,391,965号;第6,403,723号;およびそこで引用されている参考文献を参照のこと。スチレンが別のスチレン系モノマー以外の少なくとも1つの共重合性モノマーと共にコポリマーの形成に使用されるモノマーの一つであるこの一般的なタイプのポリマーあるいは樹脂の製造に関する前出の文献における開示は、引用により本明細書に組み込まれている。
難燃性ビニル芳香族ポリマーが好ましい、本発明の難燃剤組成物のいずれかから成形される成形物品または押し出し物品も本発明により提供される。本発明の更にもう一つの局面は、本発明のビニル芳香族組成物の溶融ブレンドを250℃までの温度で鋳型あるいは押し出しすることを含んでなる、難燃化ビニル芳香族ポリマー物品を製造する方法である。
【0031】
他の成分
本発明の実施においては、種々の他の成分は、難燃性組成物全体の性能を実質的に損なわない前提で、成分(a)および(b)と一緒に使用可能である。これらの他の成分は、本発明の難燃剤添加剤組成物中に、あるいは本発明の難燃性ポリマー組成物中に、あるいはこの両方に含まれ得る。
【0032】
使用可能であり、好ましくは使用される一つの随意のタイプの添加剤は、難燃剤助剤または相乗剤、特に五酸化アンチモン、特に三酸化アンチモンなどの1つ以上の酸化アンチモンである。アンチモン酸ナトリウムなどのアルカリ金属アンチモン酸塩も酸化アンチモンと一緒に、あるいはその代わりに使用可能である。1つ以上の酸化アンチモンおよび/または1つ以上のアンチモン酸アルカリの使用量は変わることができるが、通常、このような相乗剤は臭素化難燃剤:アンチモン相乗剤の重量比が0.5:1〜10:1の範囲にあるような量で使用される。好ましくは、この重量比は2:1〜5:1の範囲にあり、最も好ましくは3:1である。
【0033】
1つ以上の酸化アンチモンおよび/または1つ以上のアルカリ金属アンチモン酸塩の代わりに、あるいはこれに加えて、他の難燃剤助剤あるいは相乗剤が使用可能である。この目的で使用可能なこのような他の好適な材料は、1つ以上のホウ酸亜鉛(ホウ素と亜鉛の混合酸化物を含む)、ホウ酸カルシウム(ホウ素とカルシウムの混合酸化物を含む)、硫酸バリウム、スズ酸亜鉛および類似の既知の難燃剤助剤あるいは相乗剤を含む。これらの材料は上記に示したものと同一の比率で使用可能である。このように、使用量は変わることができるが、通常、これらの相乗剤は、臭素化難燃剤:相乗剤の重量比が0.5:1〜10:1の範囲にあるような量で使用される。好ましくは、この重量比は2:1〜5:1の範囲にあり、最も好ましくは3:1である。
【0034】
使用可能な酸化防止剤は、所望ならば、多くが商品として入手可能であるフェノール系酸化防止剤およびこれも市販されている有機ホスファイトエステルを含む。成分(a)および(b)の組み合わせ物の使用によりもたらされる難燃性の有効性と望ましい性能特性が実質的に損なわれない限り、他のハロゲン含有および/またはリン含有難燃剤を使用することも可能である。別の難燃剤が使用され、そしてそれが臭素を含有する場合には、下記に議論されるようにそれにより供給される臭素の量を基材ポリマーに供給される臭素の全量と関連して考慮に入れなければならない。使用される場合には、ハロゲン含有であれ、あるいはリン含有であれ、このような他の難燃剤の量は変わることができるが、基材ポリマー中の難燃性添加剤からの全臭素の少なくとも約50重量%、更に好ましくは少なくとも75重量%は成分(a)および(b)により提供されることが好ましい。通常、本発明の組成物においていかなる他のハロゲン含有あるいはリン含有の難燃剤を使用することも避けることが最も好ましい。本発明の最も好ましい難燃剤添加剤組成物、および最も好ましい難燃性ポリマー組成物は、いかなる他のハロゲン含有難燃性添加剤およびリン含有難燃剤も含まない。他の金属不活性化剤、UV安定剤、顔料と染料、加工助剤、充填剤、酸掃去剤、熱安定剤、発泡剤、潤滑剤、核形成剤、静電防止剤、可塑剤、衝撃変成剤、および関連の材料などの他の随意の添加剤が適切なものとして本発明の組成物中に包含可能である。これらの添加剤の使用量は、使用される場合には、通常、添加剤が使用される特別な性質の増進を得るのに製造業者により推奨されるであろう。
【0035】
ポリマー中の難燃剤の量
本発明の実施においては、成分(a)および(b)は、難燃剤量で、すなわちこのポリマー組成物を供する意図の特定の最終用途に適用され得る試験法に対する少なくとも最小の要求を充たす組成物を生成する量で、基材ポリマーと別々に、あるいは好ましくは組み合わせてブレンドされる。一般に、本発明の難燃剤ポリマー組成物は、少なくともV2 UL94試験法に合格する試験試料を提供しなければならない。通常、上述のように相互に対して配分されたポリマーと難燃剤成分(a)および(b)の完成されたブレンドは、成分(a)および(b)と基材ポリマーの重量基準で2〜25重量%の範囲の、好ましくは5〜20重量%の範囲の、そして最も好ましくは8〜18重量%の範囲の全臭素含量を提供するものでなければならない。言い換えれば、これらの量は、随意の他の臭素含有難燃剤を除いて、ブレンド時にこのポリマーの中に導入され得るいかなる他の添加剤成分の重量も排除し、この臭素の寄与は上記のように考慮に入れられるべきである。これらの難燃剤量は、存在する基材またはホストポリマーのタイプに依って前出の範囲内で変わる。例えばHIPSについては、8〜12重量%の範囲の全臭素の量が望ましく、約10重量%の量が特に望ましい。ポリオレフィンポリマー(ノルボルナジエンなどの脂環式コモノマーを使用した場合を除いて非環式の炭化水素ポリマーである)の場合には、10〜30重量%の範囲の全臭素の量が望ましく、15〜25重量%の範囲の量が特に望ましい。官能化されたモノマーとの、そして随意のジエンとのスチレン系コポリマー(ABS、SAN、MBS、ASA)の場合には、9〜15重量%の範囲の全臭素の量が望ましく、10〜13重量%の範囲の量が特に望ましい。
【0036】
所望の難燃性を得る(例えば、完成された組成物の意図された使用に対して他の所望の物理的性質を得ながら、少なくともUL V−2等級に合格する)ためには、いかなる与えれた状況でも必要、適切あるいは望ましいとみなされる場合にはいつでも、この明細書中で与えられる範囲の1つ以上のずれは許容され得るので、この明細書中のどこかで特定の成分または物質に対して与えられる比率は、通常であるがそれにも拘わらず近似的なものであるということは認識されるであろう。このように、難燃性、強度性質、および他の性質の最適の組み合わせを得るためには、使用対象の材料についてのいくつかの予備的な試験は、通常、この明細書で引用される特別の配合物の最適の組成物が手元の材料について既に確立されたものでない与えられた状況で前に進める望ましい方法である。
【0037】
ブレンドおよび成形方法
本発明の難燃剤添加剤組成物は、成分(a)および(b)と他の選択された随意の成分を含んでなる粉末ブレンドとして形成可能である。成分(a)および(b)のブレンドは、成分(a)がそれ自身ポリマー系材料であるために、成分(b)および所望ならば他の選択された成分を加熱軟化された成分(a)と緊密に混合することにより成形可能である。本発明の難燃剤添加剤組成物のもう一つの製造方法は、成分(a)および(b)が相互に対して好適に配分されているが、完成された難燃性ポリマー中で使用される難燃剤量よりも高い濃度のものである、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの基材またはホストポリマー中の成分(a)および(b)のブレンドまたはマスターバッチを形成することである。すべての場合、1つ以上の他の随意の成分を含むか、あるいは含まずに、成分(a)および(b)を含んでなる難燃剤添加剤組成物をペレット化し、それによりこの添加剤をダストの無い、容易に取り扱い可能な形で提供することが好ましい。この目的で、本発明の難燃性ポリマー組成物の溶融ストランドを押し出し、そしてストランドをペレットに切断する市販のペレットミルおよび関連装置が使用可能である。
【0038】
本発明の難燃性ポリマー組成物は、二軸押し出し機、ブラベンダーミキサー、または類似の装置などの慣用のブレンド装置を使用することにより製造可能である。上記のように、ベースポリマーに本発明の難燃剤組成物のいくつかの成分を個別に、あるいは組み合わせて添加することが可能である。しかしながら、好ましくは、本発明の予め形成された添加剤組成物またはマスターバッチがベース熱可塑性樹脂とブレンドされる。
【0039】
射出成形、押し出し、または類似の既知の方法などの慣用の成形法が完成された物品の製造において本発明の熱可塑性ポリマーブレンドを用いて実施可能である。このように成形された物品は、臭素化脂環式難燃剤により難燃化されたGPPSまたはIPSに対してこのような手法を使用する場合にしばしば経験される著しい色および粘度低下を示すものであってはならない。同様に、本発明の難燃化ポリオレフィン組成物を加工時に高い温度で維持する場合には、通常、粘度低下を生じるポリプロピレンなどのポリオレフィンの熱劣化は、無くすことはなくとも低減されなければならない。
【0040】
本発明の難燃性の発泡あるいは発泡性ポリマー組成物の製造には、本発明の難燃剤の組み合わせ物は、発泡あるいは発泡性製品が形成される前、間そしてある場合には後に包含可能である。例えば、XPSなどの難燃性押し出されたスチレン系ポリマーの製造には、少なくとも(i)ビニル芳香族ポリマー、(ii)本発明の予め形成された難燃剤添加剤組成物または相互に対して好適に配分されている少なくとも別々の量の成分(a)および(b)、それに加えて本発明によるすべての任意の他の随意の成分、および(iii)発泡剤が押し出し機中で混合され、そして得られる混合物がダイから押し出され、種々の厚さおよび幅の板などの所望の寸法の製品を提供する。EPSなどの本発明の難燃性の発泡性スチレン系ポリマーを製造する通常の方法は、少なくとも(i)スチレンモノマーと、(ii)本発明の予め形成された難燃剤添加剤組成物または相互に対して好適に配分され
ている少なくとも別々の量の成分(a)および(b)、それに加えて本発明によるすべての任意の他の随意の成分の混合物を水中で懸濁重合させ、それによりスチレン系ポリマーのビーズを形成することを包含する。次に、このように形成された小ビーズ(例えば、平均約1mmの直径である)は、水蒸気により予備発泡され、次に水蒸気により再度鋳型され、高さが数メートルで、幅2〜3メートルであることができる大きなブロックが製造され、所望の寸法に切断される。
【0041】
本発明の相乗的組成物
臭素化アニオン重合ポリスチレン(Saytex(登録商標)HP−3010難燃剤;Albemarle Corporation)、デカブロモジフェニルエタン(Saytex(登録商標)8010難燃剤;Albemarle Corporation)、およびHIPS(Dow F200 HIPS)のブレンドの高温(250℃)における毛管レオメーター法の粘度のコンピューターで生成させた回帰を用いるプロットは、メルトフローにおける相乗的増加が達成可能であり、温度、剪断速度、および成分(a)および(b)の臭素含量に依って変わる領域が存在するということを示す。250℃における毛管レオメーター法の粘度の相乗的増加を生じる成分(a)および(b)の比率の使用は、本発明の好ましい実施態様を構成する。
【0042】
本発明の実施および有利な特徴は次の実施例より例示されるが、そこで開示されている主題事項のみに本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
【実施例】
【0043】
[実施例1〜9および比較例A〜F]
実施例1〜9および比較例A〜Fにおいては、HIPSを含有する配合物を作製し、そして試験片を鋳型し、そして種々の試験にかけて、それぞれの組成物の性質を求めた。これらの組成物の形成においては、この粉末と樹脂ペレットを押し出し前にプラスチックの袋中で手で混合した。この配合物の混練をWerner & Pfleiderer ZSK30二軸押し出し機により175rpmで行った。この温度プロフィールは210−210−210−220−220℃であった。チョップドストランド法を使用することにより、ペレット化を行った。すべての材料は14秒の保持時間、15秒の冷却時間、および2秒の金型開放時間を有していた。次の条件を用いてこのコンパウンドを鋳型した。
温度プロフィール=199−210−216−229℃
成形温度=38℃
射出圧力=ラム上で1250psi
保持圧力=ラム上で900psi
【0044】
この試料について、引っ張り強度(D638)試験片タイプ1;曲げ強度(D790)方法1;荷重撓み温度(D648)264psiにおいて1/8”;アイゾット衝撃強度(D256)方法A;ガードナー衝撃強度(D3029);キセノンアークUV安定性試験(D4459−86)(色測定を100、200、および300時間で行った);およびメルトフローインデックス(D1238)法A、230℃/3.8KgのASTM試験方法をこの試料について行った。また、UL−94燃焼性試験を行った。Hunter Labスケール、D65光源、10゜観察者、および積分球の構成を用いて、色測定を行った。Kayness L−6000毛管レオメーターによる毛管レオメーター法によりメルト安定性を6分の予備加熱により250℃において500/秒の剪断速度で行った。
【0045】
各々の群において5つの試験試料の群を用いて、この試験作業を行った。試験された組成物の構成と、これについて得られる試験結果を表1〜3に要約する。これらの表中で、使用されたアニオン重合ポリスチレンはSaytex(登録商標)HP−3010難燃剤(Albemarle Corporation)であった。各表は、使用されたアニオ
ン重合ポリスチレンの特定のロットのメルトフローインデックスを示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
比較例Bにより示されるように、HP−3010を含まない組成物は1/8インチ試験片についてV−2等級を与えるのみであったが、本発明の組成物(実施例1−3)は1/8インチ試験片についてV−0等級を有するということが表1中のデータから判るであろう。各場合において、比較例Bに比較して実施例1において著しい粘度低下が起こったということを毛管レオメーター法の粘度データから注目すべきである。加えて、図1A−1E中にプロットした毛管レオメーター法の粘度データは、各場合において、成分(a):成分(b)96:4〜60:40の範囲の重量比を有する混合物について粘度の相乗的低下が起こったということを示す。表1中のデータを点検することにより、他の望ましい特性を見ることができる。
【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
比較例CおよびDと比較して、実施例4〜6の各々において、1/8インチ試験片によるUL−94試験における難燃剤の有効性が卓越しているということが表2から判るであろう。メルト安定性データにおいても、比較例Dと比較して実施例4において著しい粘度低下が存在する。加えて、図2A−2E中にプロットした毛管レオメーター法の粘度データは、各場合において、成分(a):成分(b)93:7〜53:47の範囲の重量比を有する混合物について粘度の相乗的低下が起こったということを示す。表2中の他のデータは、表1に示した結果と一般に軌を一にする。
【0052】
【表5】

【0053】
【表6】

【0054】
表3中のデータは、1/8インチ試験片によるUL−94試験において卓越した難燃性が得られるということを示す。比較例Fにおいては等級は僅かV−2であったが、実施例7−9はV−0等級を与えた。ここでは、比較例Fと比較して実施例7において粘度の低下を得た。加えて、図3A〜3E中にプロットした毛管レオメーター法の粘度データは、各場合において、成分(a):成分(b)87:13〜15:85の範囲の重量比を有する混合物について粘度の相乗的低下が起こったということを示す。
【0055】
[実施例10〜11および比較例G]
更に簡略化された一連の標準試験評価用の試験片を上述したように作製し、そしてこのような試験にかけた。試験された組成物とこれらの試験の結果を表4に要約する。
【0056】
【表7】

【0057】
比較例Gと比較して実施例10および11において、1/8インチ試験片を用いるUL−94試験で改善された難燃剤性能が得られるということが再度判るであろう。また、比較例Gと比較して実施例10および11において改善されたメルトフロー性能が得られた。
【0058】
この明細書またはこのクレーム中のどこであれ化学名または式により呼ばれる化合物
は、単数あるいは複数で呼ばれようとも、化学名または化学型(例えば、別の成分、または溶剤)により呼ばれる別の物質との接触前にこれらが存在する通りに識別されることを理解するべきである。生成する混合物または溶液においてどのような化学的な変化は、この特定された物質を本開示により要求される条件下に合体することの自然の結果であるので、このような変化は生成する混合物または溶液においてどのような化学的な変化が起こっても問題でない。
【0059】
また、この特許請求は、物質を現在形(「含んでなる」、「である」、など)で呼ぶかもしれないが、本開示による1つ以上の他の物質とそれを最初にブレンドあるいは混合した直前にそれが存在した通りに、この物質を参照する。
【0060】
特記しない限り、単数表示の物品は、この物品が参照する単一の要素に説明または特許請求を限定するように意図されたものでなく、そして限定的とみなされるべきでない。むしろ、単数表示の物品は、特記しない限り、1つ以上のこのような要素を網羅するように意図されたものである。
【0061】
本発明は実際にはかなりの変更を受け易い。それゆえ、前出の説明は、発明を上記に提示した特定の例示に限定することを意図したものでなく、そして限定的であると考えられるべきでない。
【0062】
各々の図において、曲線は、それぞれの図の表題において引用された表に示された試験データを表す。各々の図の中に組み込まれた直線は、それぞれの図に対して与えられた試験データのデータ点に適用された線に対する最少二乗法の一致に基づくグラフィックソフトウエアプロブラムにより計算された直線の傾向線を表す。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A−1E】図1A−1Eは、表1に示したように、それぞれ6.5、13、19.5、25.9、および32.4分で測定された実施例1の組成物の毛管レオメーター法の粘度データ(250℃におけるパスカル・秒)のコンピューターで生成させた回帰プロットである。
【図2A−2E】図2A−2Eは、表2に示したように、それぞれ6.5、13、19.5、25.9、および32.4分で測定された実施例2の組成物の毛管レオメーター法の粘度データ(250℃におけるパスカル・秒)のコンピューターで生成させた回帰プロットである。
【図3A−3E】図3A−3Eは、表3に示したように、それぞれ6.5、13、19.5、25.9、および32.4分で測定された実施例3の組成物の毛管レオメーター法の粘度データ(250℃におけるパスカル・秒)のコンピューターで生成させた回帰プロットである。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーおよび(b)このフェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子およびこのフェニル基の間に配置されたアルキレン基中の1〜6個の範囲の炭素原子を有する少なくとも1つのポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンを含んでなる難燃剤組成物であって、前記アルキレン基が直鎖のアルキレン基である難燃剤組成物。
【請求項2】
前記ポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンがこのフェニル環に直接に結合した全部で少なくとも8個の臭素原子を有し、そして
前記アルキレン基が1〜4個の範囲の炭素原子を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンがこのフェニル環に直接に結合した全部で少なくとも9個の臭素原子を有し、そして前記アルキレン基が1あるいは2個の範囲の炭素原子を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンがデカブロモジフェニルエタンである請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが少なくとも約50重量%の臭素を含有する
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが少なくとも約60重量%の臭素を含有する
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが少なくとも約64重量%の臭素を含有する
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが少なくとも67〜69重量%の範囲の臭素を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが多くとも約71重量%の臭素を含有する請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが多くとも約71重量%の臭素を含有する請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが多くとも約71重量%の臭素を含有する請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの酸化アンチモンまたはアルカル金属アンチモン酸塩を更に含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが少なくとも約60重量%の臭素を含有し、そして前記組成物が少なくとも1つの酸化アンチモンまたはアルカル金属アンチモン酸塩を更に含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが少なくとも67〜69重量%の範囲の臭素を含有し、そして前記組成物が少なくとも1つの酸化アンチモンまたはアルカル金属アンチモン酸塩を更に含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
分子中に重合性オレフィン系二重結合を有する1つ以上の重合されたモノマーを含んでなるポリマーと、難燃剤量のa)臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーおよび(b)このフェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子およびこのフェニル基の間に配置されたアルキレン基中の1〜6個の範囲の炭素原子を有し、前記アルキレン基が直鎖のアルキレン基である少なくとも1つのポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンがこのポリマーとブレンドされている難燃性組成物。
【請求項16】
ポリマーが1つ以上のビニル芳香族ホモポリマーあるいはコポリマーである請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
ポリマーが1つ以上の衝撃変成ビニル芳香族ポリマーである請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
ポリマーが耐衝撃性ポリスチレンである請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
ポリマーが1つ以上のアクリルオレフィン炭化水素ポリマーあるいはコポリマーである請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
ポリマーが(i)ポリエチレン、(ii)ポリプロピレン、(iii)アイソタクチックポリプロピレン、(iv)シンジオタクチックポリプロピレン、(v)アイソタクチックポリプロピレンとシンジオタクチックポリプロピレンの混合物、または(vi)エチレンまたはプロピレンと、約10個までの炭素原子の少なくとも1つの高級オレフィン、そして場合によってはジエンモノマー、との少なくとも1つのコポリマー、または(i)から(vi)の任意の2つ以上の混合物である請求項15に記載の組成物。
【請求項21】
ポリマーが少なくとも1つのビニル芳香族モノマーと、官能基を含有する少なくとも1つの非ビニル芳香族モノマーの1つ以上のコポリマーである請求項15に記載の組成物。
【請求項22】
前記官能基を含有する非ビニル芳香族モノマーが(i)アクリロニトリル、(ii)少なくとも1つのアクリレートモノマー、または(iii)少なくとも1つのメタクリレートモノマー、または(iv)(i)から(iii)の任意の2つ以上の混合物である請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
ポリマーが少なくとも1つのジエンモノマーも含む請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
成分(b)がフェニル環に直接に結合した全部で少なくとも8個の臭素原子を有するポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンであり、そして(1)このような少なくとも1つのジフェニルアルカンが単一化合物である場合には、このアルファ−オメガジフェニルアルカンのアルキレン基が1〜4個の範囲の炭素原子を有するか、あるいは(2)このような少なくとも1つのジフェニルアルカンが2つ以上のジフェニルアルカンである場合には、それぞれのアルファ−オメガジフェニルアルカンのアルキレン基が、独立に、1〜4個の範囲の炭素原子を有する請求項15〜23のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
成分(b)がこのフェニル環に直接に結合した全部で少なくとも9個の臭素原子を有する少くとも1個のポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンであり、そして(1)このような少なくとも1つのジフェニルアルカンが単一化合物である場合には、アルファ
−オメガジフェニルアルカンのアルキレン基が1〜2個の範囲の炭素原子を有するか、あるいは(2)このような少なくとも1つのジフェニルアルカンが2つ以上のジフェニルアルカンである場合には、それぞれのアルファ−オメガジフェニルアルカンのアルキレン基が、独立に、1〜2個の範囲の炭素原子を有する請求項15〜23のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
成分(b)がデカブロモジフェニルエタンである請求項15〜23のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
成分(a)が少なくとも約50重量%の臭素を含有する臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーであり、そして前記組成物が少なくとも1つの酸化アンチモンまたはアルカル金属アンチモン酸塩を更に含んでなる請求項15〜23のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
成分(a)が少なくとも約60重量%の臭素を含有する臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーであり、そして前記組成物が少なくとも1つの酸化アンチモンまたはアルカル金属アンチモン酸塩を更に含んでなる請求項15〜23のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
前記臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが67〜69重量%の範囲の臭素を含有し、そして前記組成物が少なくとも1つの酸化アンチモンまたはアルカル金属アンチモン酸塩を更に含んでなる請求項15〜23のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
請求項15〜23のいずれかに記載の組成物から形成される鋳型物品あるいは型。
【請求項31】
1つ以上のビニル芳香族ホモポリマーあるいはコポリマーと、難燃剤量のa)臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーおよび(b)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子およびフェニル基の間に配置されたアルキレン基中の1〜6個の範囲の炭素原子を有し、前記アルキレン基が直鎖のアルキレン基である少なくとも1つのポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンから形成される発泡性の、あるいは発泡された物品あるいは型。
【請求項32】
前記1つ以上のビニル芳香族ホモポリマーあるいはコポリマーがポリスチレンである請求項31に記載の物品あるいは型。
【請求項33】
難燃剤量のa)臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーおよび(b)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子およびフェニル基の間に配置されたアルキレン基中の1〜6個の範囲の炭素原子を有し、前記アルキレン基が直鎖のアルキレン基である少なくとも1つのポリ臭素化アルファ−オメガジフェニルアルカンがブレンドされている
シンジオタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンとアイソタクチックポリプロピレンのブレンドを含んでなる難燃性組成物。
【請求項34】
成分(b)がデカブロモジフェニルエタンである請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
a)臭素化前のこのアニオン重合スチレン系ポリマーが2000〜50,000の範囲のGPC重量平均分子量(M)と1〜約10の範囲のGPC多分散性を有する臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーと、(b)フェニル環に直接に結合した全部で少なくとも6個の臭素原子およびフェニル基の間に配置されたアルカン基中の1〜6個の範囲の炭素原子を有する少なくとも1つのポリ臭素化ジフェニルアルカンを含んでなる難燃剤組成物。
【請求項36】
前記重量平均分子量(M)が3000〜10,000の範囲にあり、そして前記多分散性が1〜約4の範囲にある請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記重量平均分子量(M)が3500〜4500の範囲にある請求項36に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−514851(P2007−514851A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545550(P2006−545550)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/042772
【国際公開番号】WO2005/063869
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】