説明

電動パワーステアリング装置

【課題】 タイロッドから入力される外乱のステアリングへの影響を抑制することが出来る電動パワーステアリング装置の提供。
【解決手段】 トルク信号が有する周波数が、第1周波数より低いときは、減衰させて、第1周波数より高い第2周波数より高いときは、位相を進ませて、トルク信号を出力する進相フィルタ手段17と、進相フィルタ手段17が出力したトルク信号に応じた制御量を出力すると共に、不感帯を有する第2制御手段18と、トルク信号が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力する手段22と、操舵角速度が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力する手段23と、与えられた車速が所定速度以上であるときのみ、ゲインデータを出力する手段24と、前記各ゲインデータ及び制御量を乗算する手段19とを備え、その乗算した結果を第1制御手段12が出力した制御量に加算する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操舵部材に加えられたトルクを検出するトルク検出装置と、トルク検出装置が検出したトルクに応じた制御量を出力すると共に、制御量を出力しないトルクの不感帯を有する制御手段と、制御手段が出力した制御量に基づき駆動制御される操舵補助用の電動モータとを備える電動パワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に装備される電動パワーステアリング装置は、車両の操舵力を電動モータにより補助するものであり、操舵部材(ステアリング)と操舵軸とが連結された舵取機構に、操舵部材に加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、舵取機構の動作を補助する操舵補助用の電動モータとを設け、トルクセンサが検出した操舵トルクに応じた操舵補助力を得られるように、電動モータを駆動させることにより、操舵部材への操作力を軽減するように構成してある。また、車両の高速走行時に、操舵部材への操作力が軽くなり過ぎないように、車速に応じた操舵補助力を得られるようになっている。
【0003】
特許文献1には、目標電流値及び電動機の現在の電流値の差に基づく第1の制御信号を出力する第1の電流制御器と、目標電圧信号及び電流検出値から電動機に生じている外乱電圧に対応する外乱電圧推定値を推定する外乱電圧推定器と、外乱電圧推定器の出力に基づく第2の制御信号を出力する第2の電流制御器と、第1の電流制御器及び第2の電流制御器の出力を加算して目標電圧信号を出力する加算手段とを有し、外乱電圧推定器が、その入力側及び出力側の少なくとも一方に、2次以上のハイパスフィルタを有している電動パワーステアリング装置の電流制御装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、並列接続された第1及び第2のフィルタ手段により混合されフィルタされたトルク信号を提供し、第1のフィルタ手段が、混合周波数よりも小さなトルク周波数で第1の関数特性を有し、第2のフィルタ手段が、混合周波数よりも大きなトルク周波数で第2の関数特性を有する混合フィルタ手段と、混合フィルタ手段に動作的に接続され、混合されフィルタされたトルク信号に応答して、制御信号をステアリング・アシスト手段に提供する制御手段とを備え、混合フィルタ手段は、トルク信号をフィルタし、選択可能なシステムの帯域幅をシステムの動作中に維持する電気アシスト・ステアリング・システムの制御装置が記載されている。
【特許文献1】特開2002−249061号公報
【特許文献2】特許第2838053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブレーキ振動等の外乱が、車輪に連結するタイロッドから入力されるとき、その外乱は、ステアリングを介して操舵者に伝わるが、従来の電動パワーステアリング装置では、タイロッドから入力される外乱のステアリングへの影響を抑制する上流感度低減の為の制御は実現されていないという問題がある。また、実現しようとしても、周期的操舵による操舵トルク信号の周波数と、外乱による操舵トルク信号の周波数との境界である10Hz付近で、外乱を抑制する為の制御と操舵制御とを明確に切り換えることは、困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、タイロッドから入力される外乱を抑制する為の制御と操舵制御とを明確に切り換えることが出来、外乱のステアリングへの影響を抑制することが出来る電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられたトルクを検出するトルク検出装置と、該トルク検出装置が出力したトルク信号に応じた制御量を出力すると共に、該制御量を出力しない前記トルク信号の不感帯を有する第1制御手段と、該第1制御手段が出力した制御量に基づき駆動制御される操舵補助用の電動モータとを備える電動パワーステアリング装置において、与えられた前記トルク信号が有する周波数が、第1周波数より低いときは、前記トルク信号を減衰させて出力し、前記第1周波数より高い第2周波数より高いときは、位相を進ませて前記トルク信号を出力する進相フィルタ手段と、該進相フィルタ手段が出力したトルク信号に応じた制御量を出力すると共に、該制御量を出力しない不感帯を有する第2制御手段と、前記トルク検出装置が検出したトルク信号が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力するトルクゲイン出力手段と、前記操舵部材の操舵角速度を検出する手段と、該手段が検出した操舵角速度が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力する角速度ゲイン出力手段と、与えられた車速が所定速度以上であるときのみ、ゲインデータを出力する車速ゲイン出力手段と、前記トルクゲイン出力手段、角速度ゲイン出力手段及び車速ゲイン出力手段が出力した各ゲインデータ、及び前記第2制御手段が出力した制御量を乗算する手段と、該手段が乗算した結果を前記第1制御手段が出力した制御量に加算する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記第1周波数は7.5Hzであり、前記第2周波数は10Hzであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、進相フィルタ手段が、与えられたトルク信号が有する周波数が、第1周波数より低いときは、トルク信号を減衰させて出力し、第1周波数より高い第2周波数より高いときは、位相を進ませてトルク信号を出力する。第2制御手段が、進相フィルタ手段が出力したトルク信号に応じた制御量を出力すると共に、制御量を出力しない不感帯を有し、トルクゲイン出力手段が、トルク検出装置が検出したトルク信号が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力する。
【0010】
角速度ゲイン出力手段が、操舵角速度が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力し、車速ゲイン出力手段が、与えられた車速が所定速度以上であるときのみ、ゲインデータを出力する。乗算する手段が、トルクゲイン出力手段、角速度ゲイン出力手段及び車速ゲイン出力手段が出力した各ゲインデータ、及び第2制御手段が出力した制御量を乗算し、加算する手段が、その乗算した結果を第1制御手段が出力した制御量に加算する。
これにより、タイロッドから入力される外乱を抑制する為の制御と操舵制御とを明確に切り換えることが出来、外乱のステアリングへの影響を抑制することが出来る電動パワーステアリング装置を実現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態を、それを示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、図示しない操舵部材(ステアリング、ハンドル)に加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサ21が出力した操舵トルク信号が、インタフェース20によりサンプリングされ、サンプリングされた操舵トルク信号Tsが位相補償部11に与えられる。位相補償部11は、操舵トルク信号Tsの位相補償を行う。位相補償部11により位相補償された操舵トルク信号Tは、関数発生部12(第1制御手段)に与えられる。
関数発生部12には、車両の走行速度を検出する車速センサ3が出力し、インタフェース4がサンプリングした車速信号Vも与えられている。
【0012】
関数発生部12では、図中で示すように、操舵トルク信号Tが所定の不感帯を超えると、操舵トルク信号Tの増加に従って目標電流I(制御量)が比例的に増加し、さらに操舵トルク信号Tが所定値以上になると目標電流Iが飽和するような関数が、車速信号Vに応じて可変的に定められている。前記関数は車速信号Vが大となるに従って操舵トルク信号Tに対する目標電流Iの比が小となると共に、目標電流Iの飽和値が小となるようになっている。
関数発生部12が定めた目標電流Iは加算手段13へ与えられる。
【0013】
一方、サンプリングされた操舵トルク信号Tsは、3次ハイパスフィルタ17(進相フィルタ手段;例えばRCフィルタを3段重ねたフィルタ)へも与えられる。3次ハイパスフィルタ17は、操舵トルク信号Tsが有する周波数に応じた、図2のボード線図に示すような入出力特性を有している。例えば、与えられた操舵トルク信号Tsが有する周波数(3次成分を含む)が、7.5Hzより低いときは、操舵トルク信号Tsを減衰させて出力し、これにより、操舵したときの粘性感の増加を防止する。
【0014】
また、操舵トルク信号Tsが有する周波数(3次成分を含む)が、10Hzより高いときは、操舵トルク信号Tsを1以上のゲインで増幅すると共に、操舵トルク信号Tsの位相を90〜0deg進ませて出力する。これにより、後述する制御量マップ18が出力した目標電流Ic(制御量)が、外乱の影響を抑制するように、目標電流Iに加算され、外乱によるステアリングへの影響を低減する。尚、3次ハイパスフィルタ17の代わりに、2次ハイパスフィルタもしくは4次以上の高次のハイパスフィルタを使用しても良い。
【0015】
3次ハイパスフィルタ17が出力した操舵トルク信号Tsは、制御量マップ18(第2制御手段)へ与えられる。制御量マップ18は、図3に示すように、不感帯が大きい関数を有しており、操舵トルク信号Tsに応じた目標電流Ic(制御量)を出力する。制御量マップ18の操舵トルク信号Tsの不感帯を大きくすることにより、通常のゆっくりと操舵したときの粘性感の増加を防止する。
【0016】
操舵トルク信号Tsは、トルクゲインマップ22(トルクゲイン出力手段)へも与えられる。トルクゲインマップ22は、図4に示すように、与えられた操舵トルク信号Tsが例えば−1.0〜+1.0N・mにあるときのみ、ゲインデータ(例えば、−1.0〜−0.9N・m;0〜1、−0.9〜+0.9N・m;1、0.9〜1.0N・m;1〜0)を出力する。これにより、大きく操舵したとき(例えば、−1.0〜+1.0N・m以外)の外乱抑制効果を排除して、粘性感の増加を防止する。
【0017】
操舵角速度センサ8が出力し、インタフェース9がサンプリングした操舵角速度信号が、操舵角速度ゲインマップ23(角速度ゲイン出力手段)に与えられる。操舵角速度ゲインマップ23は、図5に示すように、与えられた操舵角速度信号が例えば−100〜+100deg/sにあるときのみ、ゲインデータ(例えば、−100〜−90deg/s;0〜1、−90〜+90deg/s;1、90〜100deg;1〜0)を出力する。これにより、速く操舵したとき(例えば、−100〜+100deg/s以外)の外乱抑制効果を排除して、粘性感の増加を防止する。
【0018】
車速センサ3が出力し、インタフェース4がサンプリングした車速信号が、車速ゲインマップ24(車速ゲイン出力手段)に与えられる。車速ゲインマップ24は、図6に示すように、与えられた車速信号が例えば60km/s以上であるときのみ、ゲインデータ(例えば、60〜80km/h;0〜1、80km/h〜;1)を出力する。
【0019】
制御量マップ18が出力した目標電流Icと、トルクゲインマップ22、操舵角速度ゲインマップ23及び車速ゲインマップ24が出力した各ゲインデータとは、乗算手段19に与えられ乗算される。乗算された結果は、加算手段13に与えられ、関数発生部12が定めた目標電流Iに加算される。加算手段13の加算結果は、減算手段15へ与えられる。
【0020】
減算手段15には、操舵補助を行う電動モータ6に流れる電流を検出するモータ電流検出回路7が出力したモータ電流検出信号Isも与えられている。
減算手段15は、加算手段13の加算結果からモータ電流検出信号Isを減算し、その減算結果を、モータ電圧演算部16に与える。モータ電圧演算部16は、与えられた減算結果に対してPID演算を行い、その演算結果に基づくPWM信号をモータ駆動回路5へ与える。モータ駆動回路5は、与えられたPWM信号により電動モータ6を駆動する。
【0021】
上述した位相補償部11、関数発生部12、3次ハイパスフィルタ17、制御量マップ18、トルクゲインマップ22、操舵角速度ゲインマップ23、車速ゲインマップ24、乗算手段19、加算手段13、減算手段15及びモータ電圧演算部16は、制御部1を構成している。制御部1は、例えば、マイクロコンピュータでソフトウェア的に構成されるが、マイクロコンピュータを使用せずに、ハードウェア的に構成することも可能である。
【0022】
以下に、このような構成の電動パワーステアリング装置の動作を説明する。
制御部1は、先ず、サンプリングされた操舵トルク信号Ts、操舵角速度信号、車速信号V及びモータ電流検出信号Isをそれぞれ読込む。操舵トルク信号Tsは、3次ハイパスフィルタ17及びトルクゲインマップ22に与えられる。位相補償部11は、読込んだ操舵トルク信号Tsに位相補償を施し、位相補償を施された操舵トルク信号Tは、関数発生部12に与えられる。
【0023】
関数発生部12は、位相補償部11から与えられた操舵トルク信号Tと車速信号Vとに基づいて、上述した関数により目標電流Iを決定し出力する。
3次ハイパスフィルタ17は、サンプリングされた操舵トルク信号Tsを、上述した周波数特性(図2)により処理して、制御量マップ18(第2制御手段)へ与える。
制御量マップ18は、上述した関数(図3)により、操舵トルク信号Tsに応じた目標電流Ic(制御量)を決定し出力する。
【0024】
トルクゲインマップ22は、読込んだ操舵トルク信号Tsに基づき、上述した特性(図4)を有するゲインデータを出力する。
操舵角速度ゲインマップ23は、読込んだ操舵角速度信号に基づき、上述した特性(図5)を有するゲインデータを出力する。
車速ゲインマップ24は、読込んだ車速信号に基づき、上述した特性(図6)を有するゲインデータを出力する。
【0025】
乗算手段19は、制御量マップ18が出力した目標電流Icと、トルクゲインマップ22、操舵角速度ゲインマップ23及び車速ゲインマップ24が出力した各ゲインデータとを乗算し、乗算した結果Ic*を加算手段13に与える。
乗算手段19が乗算した結果は、操舵トルク信号Tsの周波数(3次成分を含む)が、外乱による操舵トルク信号Tsの周波数である10Hz以上である場合、
(0〜90deg進んだ制御量)×(トルクゲイン×操舵角速度ゲイン=1)
=(0〜90deg進んだ制御量)
となる。
【0026】
操舵トルク信号Tsの周波数(3次成分を含む)が、通常の操舵による操舵トルク信号Tsの周波数である0〜7.5Hzである場合、
ゆっくりと操舵し(操舵周波数=0.1〜1Hz)、操舵トルク信号Tsの周波数が0.1〜3Hz(3次成分)であるとき、
(制御量マップの不感帯により制御量=0)×
(トルクゲイン×操舵角速度ゲイン=0〜1)=(制御量=0)
となる。
【0027】
速く操舵し(操舵周波数=1〜2.5Hz)、操舵トルク信号Tsの周波数が1〜7.5Hz(3次成分)であるとき、
(120〜240deg進み少し減衰した制御量)×
(トルクゲイン×操舵角速度ゲイン=0〜1)=(制御量=0)
となる。
【0028】
以上より、乗算手段19が乗算した結果は、操舵トルク信号Tsに外乱による影響が存在する場合は、0〜90deg進んだ制御量となり、操舵トルク信号Tsに外乱の影響が存在しない場合は0となる。
これにより、加算手段13の加算結果は、操舵トルク信号Tsに外乱による影響が存在する場合は、0〜90deg進んだ目標電流Icにより、外乱による影響が抑制される。操舵トルク信号Tsに外乱の影響が存在しない場合は、関数発生部12が定めた目標電流Iは影響を受けず、操舵フィーリングへの影響は無い。
【0029】
加算手段13の加算結果は、減算手段15へ与えられ、減算手段15は、加算手段13の加算結果からモータ電流検出信号Isを減算し、その減算結果を、モータ電圧演算部16に与える。モータ電圧演算部16は、与えられた減算結果に対してPID演算を行い、その演算結果に基づくPWM信号をモータ駆動回路5へ与える。モータ駆動回路5は、与えられたPWM信号により電動モータ6を駆動する。
【0030】
図7は、以上のような電動パワーステアリング装置をラック&ピ二オン方式のステアリング装置に適用し、ラックと一体化された車軸の端部から外乱を加える(329N・m加振)ベンチ試験の試験結果を示す特性図である。
図7の特性図から、10Hz以上のステアリング周方向の加速度が4m/s2
以下となり、望ましい外乱抑制性能を達成したことが確認出来た。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】3次ハイパスフィルタの入出力特性を示すボード線図である。
【図3】制御量マップの入出力特性を示す特性図である。
【図4】トルクゲインマップの入出力特性を示す特性図である。
【図5】操舵角速度ゲインマップの入出力特性を示す特性図である。
【図6】車速ゲインマップの入出力特性を示す特性図である。
【図7】本発明に係る電動パワーステアリング装置のベンチ試験の試験結果を示す特性図である。
【符号の説明】
【0032】
1 制御部
3 車速センサ
5 モータ駆動回路
6 電動モータ
8 操舵角速度センサ
12 関数発生部(第1制御手段)
13 加算手段
15 減算手段
16 モータ電圧演算部
17 3次ハイパスフィルタ(進相フィルタ手段)
18 制御量マップ(第2制御手段)
19 乗算手段
21 トルクセンサ
22 トルクゲインマップ(トルクゲイン出力手段)
23 操舵角速度ゲインマップ(角速度ゲイン出力手段)
24 車速ゲインマップ(車速ゲイン出力手段)
Ic 目標電流(制御量)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵部材に加えられたトルクを検出するトルク検出装置と、該トルク検出装置が出力したトルク信号に応じた制御量を出力すると共に、該制御量を出力しない前記トルク信号の不感帯を有する第1制御手段と、該第1制御手段が出力した制御量に基づき駆動制御される操舵補助用の電動モータとを備える電動パワーステアリング装置において、
与えられた前記トルク信号が有する周波数が、第1周波数より低いときは、前記トルク信号を減衰させて出力し、前記第1周波数より高い第2周波数より高いときは、位相を進ませて前記トルク信号を出力する進相フィルタ手段と、該進相フィルタ手段が出力したトルク信号に応じた制御量を出力すると共に、該制御量を出力しない不感帯を有する第2制御手段と、前記トルク検出装置が検出したトルク信号が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力するトルクゲイン出力手段と、前記操舵部材の操舵角速度を検出する手段と、該手段が検出した操舵角速度が所定範囲にあるときのみ、ゲインデータを出力する角速度ゲイン出力手段と、与えられた車速が所定速度以上であるときのみ、ゲインデータを出力する車速ゲイン出力手段と、前記トルクゲイン出力手段、角速度ゲイン出力手段及び車速ゲイン出力手段が出力した各ゲインデータ、及び前記第2制御手段が出力した制御量を乗算する手段と、該手段が乗算した結果を前記第1制御手段が出力した制御量に加算する手段とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記第1周波数は7.5Hzであり、前記第2周波数は10Hzである請求項1記載の電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−137341(P2006−137341A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329388(P2004−329388)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(302066630)株式会社ファーベス (138)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【出願人】(000003470)豊田工機株式会社 (198)
【Fターム(参考)】