説明

電動モーター、ロボット及び制動装置

【課題】制動ブレーキを一体化した電動モーターを提供する。
【解決手段】ローター121とステーター122を有する電動モーター100であって、
前記ローター121の一部は、運動軌跡となる、第1の摩擦部2121を有しており、
前記ステーターの少なくも一部には、前記第1の摩擦部2121と接触して機械的な摩擦力により前記ローターの回転を制動及び停止させる第2の摩擦部2110と、前記電動モーター100に電力が供給されているときには前記第2の摩擦部2110を前記第1の摩擦部2121から離間させて制動を実行させず、前記電動モーター100への電力供給が遮断されたときには前記第2の摩擦部2110を前記第1の摩擦部2121に押しつけて制動を実行させる制動アクチュエーター部2100を設けた電動モーター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モーターに関し、特に、電源供給が遮断した時の電動モーターの制動に関する。
【背景技術】
【0002】
直接駆動のDDモーター(電動モーター)は、電源供給が遮断されるなどの異常が生じると、駆動力が失われる。ここで、電動モーターが例えばロボットに用いられているときは、負荷の落下が起こる場合がある。従来、減速機を外付けにした電動モーターにより、制動を掛けて対応してきた。近年、特許文献1に示すように、減速機と電動モーターとを一体化し、電動モーターを小型化しようとする動きがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−282377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、減速機と電動モーターとを一体化した場合、さらに制動ブレーキを設けようとしても、制動ブレーキの設置スペースに制限があるという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、制動ブレーキを一体化した電動モーターを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
ローターとステーターを有する電動モーターであって、前記ローターの一部は、運動軌跡となる、第1の摩擦部を有しており、前記ステーターは、前記第1の摩擦部と接触して機械的な摩擦力により前記ローターの回転を制動及び停止させる第2の摩擦部と、前記電動モーターに電力が供給されているときには前記第2の摩擦部を前記第1の摩擦部から離間させて制動を実行させず、前記電動モーターへの電力供給が遮断されたときには前記第2の摩擦部を前記第1の摩擦部に押しつけて制動を実行させる制動アクチュエーター部と、を有する電動モーター。
この適用例によれば、制動ブレーキを一体化した電動モーターを実現することが可能となる。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載の電動モーターにおいて、前記ローターは、一方の底面が開放された中空円筒の形状をしており、前記第1の摩擦部は前記中空円筒の内面に形成されており、前記第2の摩擦部及び前記制動アクチュエーター部は、前記ローターの中空円筒の内部または前記開放側端部に設けられている、電動モーター。
この適用例によれば、第2の摩擦部と制動アクチュエーター部とを有する制動部が一方の底面が開放された中空円筒の形状をしたローターの内部または開放側端部に配置されているので、制動ブレーキの設置スペースを確保することが容易となる。
【0009】
[適用例3]
適用例2に記載の電動モーターにおいて、前記第1の摩擦部は、前記中空円筒の円筒側面の内側に設けられており、前記制動アクチュエーターは、前記第2の摩擦部を前記第1の摩擦部に対して放射方向に押しつける、電動モーター。
この適用例によれば、制動アクチュエーターと第2の摩擦部をローターの内部に配置できる。
【0010】
[適用例4]
適用例2に記載の電動モーターにおいて、前記第1の摩擦部は、前記中空円筒の開放されていない底面に設けられている、電動モーター。
この適用例によれば、第2の摩擦部をローターの内部に配置できる。
【0011】
[適用例5]
適用例3または4に記載の電動モーターにおいて、前記第1の摩擦部は、第2の摩擦部側に凸または凹となる形状を有しており、前記第2の摩擦部は、前記第1の摩擦部側に凹または凸となる形状を有している、電動モーター。
この適用例によれば、第1の摩擦部は、第2の摩擦部の接触面積を大きくできるので、第1,第2の摩擦部が小さくすることができる。
【0012】
[適用例6]
適用例1〜5のいずれか一つに記載の電動モーターにおいて、さらに、前記制動アクチュエーターの動作を制御するための制動制御部と、前記ステーターに設けられた電磁コイルと、を備え、前記制動制御部は、前記電動モーターへの供給電源の遮断後のあらかじめ定められた時間後に前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる遅延回路を有しており、
前記電動モーターへの供給電源の供給時には、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させずに前記ローターを回転させ、
前記電動モーターへの供給電源の遮断時に、前記電動モーターから生じる誘起電圧により回生電流を流して回生ブレーキとして前記ローターの制動を実行させ、
前記時間の経過後、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる、電動モーター。
この適用例によれば、電源が遮断された後、所謂発電ブレーキにより回転数が落ちてから制動を掛けるので、制動のための部材を小型化できる。
【0013】
[適用例7]
ローターとステーターを有する電動モーターであって、前記ローターの回転を制動するための制動部と、前記制動部を動作させる制動アクチュエーターと、前記制動アクチュエーターの動作を制御するための制動制御部と、を備え、前記制動制御部は、前記電動モーターへの電源遮断後、あらかじめ定められた時間の経過後に前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる遅延回路を有しており、前記電動モーターへの供給電源の供給時には、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させずに前記ローターを回転させ、前記電動モーターへの供給電源の遮断時には、前記電動モーターから生じる誘起電圧により回生電流を流して回生ブレーキとして制動させ、前記時間の経過後、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる、電動モーター。
【0014】
[適用例8]
ローターとステーターを有する電動モーターであって、前記ローターの回転を制動するための制動部と、前記制動部を動作させる制動アクチュエーターと、前記制動アクチュエーターの動作を制御するための制動制御部と、を備え、前記制動制御部は、前記電動モーターへの電源遮断後、あらかじめ定められた時間の経過後に前記制動アクチュエーターによる制動を実行させるための遅延回路を有しており、前記電動モーターへの供給電源の供給時には、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させずに前記ローターを回転させ、前記電動モーターへの供給電源の遮断時には、前記電動モーターの高速な回転数に応じた誘起電圧により回転数を検出し、前記制動アクチュエーターは制動を実行させずに前記ローターを回転させ、前記電動モーターから生じる誘起電圧により回生電流を流して回生ブレーキとして制動させ、前記電動モーターの低速な回転数に応じた誘起電圧により回転数を検出し、前記制動アクチュエーターで制動を実行させる、電動モーター。
この適用例によれば、制動制御部は、電源が遮断された後、電動モーターの回転数に応じた誘起電圧に基づいて回生ブレーキにより回転数が落ちてから制動を掛けるので、制動のための部材を小型化できる。
【0015】
[適用例9]
適用例1〜8のいずれか一項に記載の電動モーターを備えるロボット。
【0016】
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電動モーターの他、制動装置、ロボット、電動モーターの制動方法等様々な形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ロボットアーム10の内部構成を示す概略断面図である。
【図2】ロボットアーム10の変形態様を示す模式図である。
【図3】動力発生装置100の内部構成を示す概略断面図である。
【図4】ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121の形状のバリエーションを示す説明図である。
【図5】ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121の形状のバリエーションを示す説明図である。
【図6】ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121の形状のバリエーションを示す説明図である。
【図7】アクチュエーターの構成を示す説明図である。
【図8】本発明の第2実施例としての動力発生装置100Cの構成を示す概略図である。
【図9】第2の実施例の制動ブレーキを模式的に示す説明図である。
【図10】本発明の第3実施例としての動力発生装置100Eの構成を示す概略図である。
【図11】サイクロ機構を模式的に示す説明図である。
【図12】第3の実施例の制動ブレーキを模式的に示す説明図である。
【図13】本発明の各実施例に係るモーター部の構成を模式的に示す説明図である。
【図14】制動制御部1150の構成を示す説明図である。
【図15】電磁コイルに生じる電圧を示す説明図である。
【図16】モーター部120の別の構成を模式的に示す説明図である。
【図17】制動制御部の別の構成を模式的に示す説明図である。
【図18】制動制御部の別の構成を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.第1実施例:
図1は、ロボットアーム10の内部構成を示す概略断面図である。ロボットアーム10は、4つの基体部11〜14を備える。4つの基体部11〜14はそれぞれ、第1〜第3の関節部J1〜J3を介して、x方向に直列に連結されている。なお、図1には、互いに直交する3次元矢印x,y,zが図示されている。以後、ロボットアーム10において、第1の基体部11側を「後端側」と呼び、第4の基体部14側を「先端側」と呼ぶ。
【0019】
各基体部11〜14の内部は中空であり、各関節部J1〜J3の動力源である動力発生装置100と、動力発生装置100からの駆動力が伝達される2つのベベルギア(かさ歯車)21,22と、が収容されている。以下では、第1と第2の基体部11,12を連結する第1の関節部J1の構成について説明する。なお、第2と第3の基体部12,13を連結する第2の関節部J2および第3と第4の基体部13,14を連結する第3の関節部J3の構成は、第1の関節部J1の構成と同様であるため、その説明は省略する。
【0020】
第1の関節部J1は、動力発生装置100と、ベベルギア21,22とを有している。動力発生装置100は、電磁力により回転駆動力を発生するモーターを有している。動力発生装置100の詳細な内部構成については後述する。動力発生装置100は、第1の基体部11の先端側に配置されており、第1のベベルギア21の回転軸と接続されている。第1のベベルギア21は、その回転軸が第1と第2の基体部11,12の境界を貫通するように配置され、回転軸の先端に設けられた歯車部(ギア部)が第2の基体部12内に配置されている。
【0021】
第2のベベルギア22は、第2の基体部12の後端側において、そのギア部が第1のベベルギア21のギア部と連結するように、第2の基体部12の内壁面に固定的に取り付けられている。動力発生装置100から伝達された回転駆動力によって、第1のベベルギア21が回転する。第1のベベルギア21の回転により、第2のベベルギア22が回転し、第2の基体部12が回動する。
【0022】
ところで、ロボットアーム10の内部には、各動力発生装置100に電力や制御信号を送信するための導電線の束である導電線束25が挿通されている。具体的には、導電線束25は、後端側から第1の基体部11の内部に挿通され、その一部の導電線が分岐して第1の基体部11内の動力発生装置100の接続部に接続される。そして、残りの導電線束25は、動力発生装置100の中央を通る貫通孔(後述)と、第1のベベルギア21の中心軸を貫通する貫通孔(図示は省略)とを通って、第2の基体部12へと延びる。
【0023】
導電線束25は、第2の基体部12においても、同様に配設されている。即ち、第2の基体部12内部に挿通された導電線束25は、その一部が動力発生装置100に接続され、残りが、動力発生装置100および第1のベベルギア21の内部を通って、第3の基体部13へと挿通される。そして、第3の基体部13に挿通された導電線束25は、動力発生装置100に接続される。
【0024】
図2は、ロボットアーム10の変形態様を示す模式図である。図2では、ロボットアーム10の、変形前の状態、変形中の状態、及び変形中に電源供給が切れ制動が掛からずに変形が元に戻った状態、の3つの状態が図示されている。なお、図2には、図1と対応するように三次元矢印x,y,zが図示されており、図2は、図1を、x軸を中心に90°回転させた状態である。ロボットアーム10を駆動すると、例えば、ロボットアーム10は、各関節部J1〜J3における回動により、各基体部11〜14の連結角度が変わり、例えば、全体として湾曲状の形態に変形する。なお、図2の中図では、ロボットアーム10の変形後の一態様として、ロボットアーム10が紙面上側に向かって湾曲した状態が図示されている。この状態で動力発生装置100への電源供給が遮断された場合、動力発生装置100に制動機構がないと、図2の下図に示すように、ロボットアーム10は、基体部12〜14の重みで湾曲した状態から元の状態に戻ってしまう。
【0025】
図3は、動力発生装置100の内部構成を示す概略断面図である。なお、図3には、動力発生装置100に接続される第1のベベルギア21の回転軸が破線で図示されている。動力発生装置100は、中心軸110と、モーター部120と、回転機構部130とを備える。
【0026】
モーター部120と回転機構部130とは、後述するように、互いに勘合して一体化するように配置され、中心軸110は、一体化されたモーター部120と回転機構部130の中央を貫通するように配置される。中心軸110は、軸方向に延びる貫通孔111を有しており、貫通孔111には、導電線束25が挿通されている。
【0027】
モーター部120は、ローター121と、ケーシング122とを備える。モーター部120は、以下に説明するように、ラジアルギャップ型の構成を有している。ローター121は一方の底面が開放された円筒形状を有しており、その円筒の側面の外周面には、永久磁石123が円筒形に配列されている。永久磁石123の磁束の方向は、放射方向である。なお、永久磁石123の裏側の面(ローター121の側壁側の面)には、磁力効率を向上させるための磁石バックヨーク125が配置されている。
【0028】
ローター121は、その中央に中心軸110を挿通させるための貫通孔1211を有している。なお、貫通孔1211の内壁面と、中心軸110の外周面との間には、ローター121が中心軸110を中心に回転可能とするための軸受け部112が配置されている。軸受け部112としては、例えば、ボールベアリング構造を採用することができる。
【0029】
ローター121の回転機構部130と対向する側の面には、貫通孔1211を中心とする略円環状の溝として形成された凹部1212が設けられている。貫通孔1211と凹部1212とを隔てる略円筒状の隔壁1213の外側の壁面には、ギア歯121tが形成されている。以後、このローター121の中央に設けられたギア歯121tを有する隔壁1213を「ローターギア1213」と呼ぶ。後述するように、本実施例におけるローターギア1213は、遊星ギアのサンギアとして機能する。
【0030】
ケーシング122は、回転機構部130と対向する側の面が開放された略円筒形状の中空容体であり、ローター121を収容する。ケーシング122は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP;carbon fiber reinforced plastics)などの樹脂材料によって構成されるものとしても良い。これによって、動力発生装置100の軽量化が可能である。
【0031】
ケーシング122の底面の中央には、中心軸110を挿通するための貫通孔1221が形成されている。中心軸110とケーシング122とは互いに固定的に取り付けられる。なお、ケーシング122の外側には、中心軸110の保持性を向上させるための軸受けリング113が勘合的に取り付けられている。
【0032】
ケーシング122の内周面には、電磁コイル124が、ローター121の永久磁石123と間隔を有しつつ対向するように円筒形に配列されている。即ち、モーター部120では、電磁コイル124がステーターとして機能し、中心軸110を中心としてローター121を回転させる。なお、電磁コイル124とケーシング122との間には、磁力効率を向上させるためのコイルバックヨーク128が配置されている。
【0033】
ケーシング122の底面には、永久磁石123の位置を検出する位置検出部126と、ローター121の回転を制御するための回転制御回路127が設けられている。位置検出部126は、例えば、ホール素子によって構成され、永久の周回軌道の位置に対応するように配置されている。位置検出部126は、回転制御回路127と信号線を介して接続されている。
【0034】
回転制御回路127には、導電線束25から分岐した導電線が接続されている。また、回転制御回路127は、電磁コイル124と電気的に接続されている。回転制御回路127は、位置検出部126が出力する検出信号を動力発生装置100の駆動を制御する制御部(図示せず)に送信する。また、回転制御回路127は、制御部からの制御信号に従って、電磁コイル124に電力を供給して磁界を発生させ、ローター121を回転させる。
【0035】
回転機構部130は、ローター121のローターギア1213とともに遊星ギアを構成し、減速機として機能する。回転機構部130は、ギア固定部131と、3個のプラネタリーギア132と、負荷接続部133とを備える。なお、図3では便宜上、2個のプラネタリーギア132のみを図示してある。
【0036】
ギア固定部131は、内壁面にギア歯131tが設けられた略円環状のギアであるアウターギア1311と、アウターギア1311の外周に突出した鍔部1312とを有している。ギア固定部131は、鍔部1312と、モーター部120のケーシング122の側壁端面とを固定用ボルト114によって締結することにより、モーター部120に固定的に取り付けられる。
【0037】
ギア固定部131のアウターギア1311は、ローター121の凹部1212に収容される。また、アウターギア1311の内周面と、ローターギア1213の外周面との間には、3個のプラネタリーギア132が、ローターギア1213の外周に沿って、ほぼ等間隔で配置される。なお、プラネタリーギア132のギア歯132tと、アウターギア1311のギア歯131tおよびローターギア1213のギア歯121tとが互いに噛み合うことにより、これら3種のギア1213,132,1311は連結される。
【0038】
負荷接続部133は、プラネタリーキャリアとして機能する略円筒形状の部材である。負荷接続部133の底面の中央には、中心軸110を挿通する貫通孔1331が設けられている。貫通孔1331の内壁面と、中心軸110の外周面との間には、負荷接続部133が中心軸110を中心に回転可能とするための軸受け部112が配置されている。なお、負荷接続部133に取り付けられた軸受け部112と、ローター121に取り付けられた軸受け部112との間には、スペーサー115が配置される。
【0039】
ここで、ギア固定部131の中央部には、アウターギア1311の内周空間に連通する略円形形状の開口部1313が形成されており、負荷接続部133は、その開口部1313に配置される。負荷接続部133のモーター部120側(図3の紙面右側)の底面には、ローター121の凹部1212に収容されたプラネタリーギア132の回転軸132sを回転可能に保持するための軸孔1332が形成されている。
【0040】
負荷接続部133の外側(図3の紙面左側)の底面には、中心軸110の保持性を向上させるための軸受けリング113が勘合的に取り付けられている。負荷接続部133の外側の底面には、さらに、第1のベベルギア21の回転軸が、固定用ボルト114によって固定されている。
【0041】
第1の実施例において、動力発生装置100は、制動ブレーキを備えている。制動ブレーキは、第1の摩擦部2121と、制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110と、を有しており、それらは、以下に説明するように配置されている。ローター121は、上述したように、一方の面が開放された中空円筒形状をしており、開放されていない方の底面の内面に第1の摩擦部2121が配置されている。また、ステーターは、上述のように、ケーシング122と、ギア固定部131とを有している。ギア固定部131の鍔部1312はローター121の円筒形状の内部に挿入されており、鍔部1312の先端部に制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110とが配置されている。すなわち、制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110とは、ローター121の円筒形状の内部に収納されている。
【0042】
制動時には、制動アクチュエーター2100によりブレーキパッド2110がローター121の第1の摩擦部2121に押しつけられ、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121と、の間の摩擦力により、ローター121の回転を抑制する。第1の摩擦部2121は、ローター121と同一の材料で構成されていてもよく、異なる材料で構成されていてもよい。第1の摩擦部2121とローター121とが同一の材料で構成されている場合には、第1の摩擦部2121は、ローター121の他の部分と明確に区別されていなくてもよい。すなわち、ローター121のうち、ブレーキパッド2110が当たる部分が第1の摩擦部2121として機能する。また、制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110は、それぞれn個(nは2以上の整数)あってもよく、n個有る場合には、中心軸110を中心としたn回対称となる位置に配置されていることが好ましい。
【0043】
図4〜6は、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121の形状のバリエーションを示す説明図である。ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121の形状としては、様々な形状を採用可能である。図4に示す例では、ブレーキパッド2110のローター121側は平坦であり、第1の摩擦部2121も平坦である。この構成例では、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121とを平坦にすることによりブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121との接触面積を大きくできるので、制動力を大きくすることができる。
【0044】
図5に示す例では、ブレーキパッド2110の第1の摩擦部2121は円形の凸部2122を有しており、第1の摩擦部2121のブレーキパッド2110は凹部2112を有している。このように第1の摩擦部2121に凸部2122を設け、ブレーキパッド2110に凹部2112を設けることにより、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121との接触面積をより大きくし、より制動力を上げることができる。なお、ブレーキパッド2110の第1の摩擦部2121に円形の凹部を設け、第1の摩擦部2121のブレーキパッド2110に凸部を設けてもよい。
【0045】
図6に示す例では、ブレーキパッド2110のローター121側を平坦とし、第1の摩擦部2121を、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121との間隔D1が狭い部分2123と、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121との間隔D2が広い部分2124とを備えるようにうねらせている。なお、この間隔D1が狭い部分2123と間隔D2が広い部分2124は、制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110の数と同数有ることが好ましく、間隔D1が狭い部分2123どうし、間隔D2が広い部分2124どうしは、中心軸110に対してn回対称であることが好ましい。このような構成の場合、ブレーキパッド2110が第1の摩擦部2121の間隔D2が広い部分2124に押しつけられるとブレーキパッド2110とローター121の間隔D1が狭い部分2123とが接触するようにローター121が回転するためには、ローター121が、ブレーキパッド2110をローター121と反対側に押し戻す必要がある。ブレーキパッド2110とローター121との間の摩擦力に加えて、この押し戻す力が加わるので、ローター121の回転を抑制することができ、制動力を高めることができる。
【0046】
図7は、アクチュエーターの構成を示す説明図である。なお、図7では、ブレーキパッド2110の形状が上述した図5である場合を示しているが、ブレーキパッド2110と第1の摩擦部2121の形状が図4〜図6のいずれに示す形状であっても、同様の構成を採用することができる。制動アクチュエーター2100は、固定部2101と可動部2106とを備える。固定部2101は、コイル2102と、コイルバックヨーク2103と、バネ2104と、緩衝部2105と、を備える。可動部2106は、第1の摩擦部2121側の端部にブレーキパッド2110を備えており、ブレーキパッド2110が設けられた端部と反対側の端部に外周をN極、内周をS極に着磁された磁石2107を備えている。
【0047】
固定部2101は、中空の円筒形形状をしており、中空部に、バネ2104と、可動部2106と、を格納している。バネ2104は、可動部2106のブレーキパッド2110と反対の端部側に配置されている。固定部2101は、中空側の内壁にコイル2102を配置している。コイル2102は、ソレノイド状に巻かれており、電流が流されると電磁石として機能する。コイル2102の外壁側には、コイルバックヨーク2103を備える。コイルバックヨーク2103は、コイル2102が電磁石として機能するとき、その磁束を制動アクチュエーター2100の外部に漏れないようにする。固定部2101のブレーキパッド2110側端部には、緩衝部2105が配置されている。ブレーキパッド2110は、固定部2101中空の大きさよりも大きく形成されており、可動部2106及びブレーキパッド2110がバネ2104方向に移動すると、ブレーキパッド2110と固定部2101とが衝突する。緩衝部2105は、このブレーキパッド2110と固定部2101との衝突を緩和する。可動部2106は、ブレーキパッド2110が取り付けられている端部と反対側の端部に磁石2107を備える。
【0048】
以下、アクチュエーターの動作について説明する。本実施例では、動力発生装置100に電流が供給されている期間は、コイル2102にも電流が供給され、動力発生装置への電流供給が遮断すると、コイル2102への電流供給が遮断される。コイル2102に電流が流れているときは、コイル2102は電磁石として機能し、磁石2107をバネ2104の方に移動させる。これにより、ブレーキパッド2110は、ローター121(図3)から離れる。一方、動力発生装置100への電流供給が遮断されると、コイル2102への電流供給も遮断される。そうすると、コイル2102は電磁石として機能しなくなるため、バネ2104により可動部2106は、図面右方向に押される。そして、ブレーキパッド2110も、図面右方向に押され、ブレーキパッド2110は、ローター121(図3)に当たり、ローター121を止めようと制動をかける。コイル2102へ流す励磁電流量は、制動トルクと相関関係があり、励磁電流量を徐々減らすことでバネ2104のバネ力が働きだし、弱制動トルクから強制動トルクへと制動トルク制御を行うことができる。また、単に制動をon/offさせるだけの場合には、磁石2107を用いず軟磁性体に置き換えソレノイドとすることでもできる。なお、本実施例では、磁石2107の外周をN極、内周をS極となるように着磁しているが、磁石2107の外周をS極、内周をN極に着磁する構成であってもよい。この場合、コイル2102に流す電流の向きを逆向きとすればよい。
【0049】
以上、第1の実施例によれば、例えば、図2の中図に示すロボットアーム10が紙面上側に向かって湾曲した状態のときに動力発生装置100への電流供給が遮断された場合、制動ブレーキが機能し、図2の中図に示す状態を維持する。また、この実施例によれば、ローター121の内側に制動アクチュエーター2100とブレーキパッド2110とを収納できるので、制動ブレーキの設置スペースを確保する事が可能となる。
【0050】
B.第2実施例:
図8は、本発明の第2実施例としての動力発生装置100Cの構成を示す概略図である。第1の実施例の動力発生装置100は、回転機構部として遊星ギアを用いていたが、この動力発生装置100Cは、回転機構部としてハーモニックドライブ機構(「ハーモニックドライブ」は登録商標)とモーターとを一体化した構成を有しており、ベベルギア21に回転駆動力を伝達する。動力発生装置100Cは、以下の点が第1実施例の動力発生装置100(図3)と異なる。
【0051】
この動力発生装置100Cでは、ローター121の凹部1212に、回転機構部130Cとして、ハーモニックドライブ機構を構成するウェーブジェネレーター160と、フレックススプライン162と、サーキュラスプライン165とが収容される。ウェーブジェネレーター160は、底面が略長円形形状を有する略楕円筒形状の部材である。
【0052】
ウェーブジェネレーター160には、その中心軸方向(紙面左右方向)に貫通する貫通孔1601が設けられており、貫通孔1601の内壁面には、ギア歯160tが形成されている。ウェーブジェネレーター160は、貫通孔1601にローターギア1213を勘合的に収容した状態で、締結ボルトFBによってローター121と締結される。これによって、ウェーブジェネレーター160は、ローター121の回転に伴って回転する。
【0053】
ところで、ウェーブジェネレーター160の両端部には、外周方向に突出した鍔部1602が設けられている。この鍔部1602は、ウェーブジェネレーター160の外周に配置されるフレックススプライン162の脱落を防止するためのものである。
【0054】
フレックススプライン162は、ウェーブジェネレーター160の回転に合わせて変形可能なたわみを有する環状部材であり、その外周面にはギア歯162tが形成されている。また、フレックススプライン162の内周面には、ウェーブジェネレーター160の回転を円滑にするためのベアリング161が配置されている。
【0055】
サーキュラスプライン165は、ローター121の凹部1212に収容されるとともに、内側にフレックススプライン162を収容する前段部1651と、中心軸110が挿通されるとともに、ベベルギア21の回転軸が接続される後段部1652とを有している。前段部1651は、内周面にフレックススプライン162のギア歯162tと噛み合うギア歯165tが形成されている。後段部1652には、中心軸110との間に、サーキュラスプライン165を回動可能とするための軸受け部112が配置される。
【0056】
この第2の実施例の制動ブレーキは、第1の摩擦部2121と、制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110と、を備えており、それらは、以下の構成を有している。すなわち、ローター121は、上述したように、一方の面が開放された中空円筒形状をしている。ローター121は、円筒の内面に第1の摩擦部2121を備える。また、ステーターは、上述のように、ケーシング122と、サーキュラスプライン165とを有している。サーキュラスプライン165の前段部1651はローター121の円筒形状の内部に挿入されている。前段部1651は略円筒形をしており、前段部1651の外縁側に制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110を備えている。
【0057】
図9は、第2の実施例の制動ブレーキを模式的に示す説明図である。制動アクチュエーター2100とブレーキパッド2110とが、中空円筒形のローター121の内側に格納されている点は第1、第2の実施例と同じである。第1の実施例では、ブレーキパッド2110は、ローター121の底面と対抗していたが、第2の実施例では、ブレーキパッド2110は、ローター121の円筒面と対抗している点が異なっている。また、制動するときのブレーキパッド2110の移動方向は、第1の実施例では、中心軸110と平行な方向であるが、第2の実施例では、中心軸110を中心とした放射方向である。なお、制動アクチュエーター2100とブレーキパッド2110とをn個(nは2以上の整数)備え、制動アクチュエーター2100とブレーキパッド2110とは、中心軸110を中心としたn回対称の位置に配置されていることが好ましい。
【0058】
第2の実施例においても、第1の実施例と同様に制動アクチュエーター2100とブレーキパッド2110とを中空円筒形のローター121の内側に格納できるので、制動ブレーキの設置スペースを確保する事が可能となる。また、第2の実施例によれば、ローター121が各ブレーキパッド2110から受ける力のベクトルの総和がゼロとなる。したがって、ローター121が各ブレーキパッド2110から受ける力によってぶれることがないので、安定した制動を実行できる。
【0059】
第2の実施例のブレーキパッド2110や第1の摩擦部2121の形状については、第1の実施例で示した図4〜6と同様に様々な形状を採用することができる。
【0060】
C.第3実施例:
図10は、本発明の第3実施例としての動力発生装置100Eの構成を示す概略図である。この動力発生装置100Eは、サイクロ機構とモーターとを一体化した構成を有しており、負荷接続部133に回転駆動力を伝達する。動力発生装置100Eは、以下の点が第1実施例の動力発生装置100(図3)と異なる。すなわち、この動力発生装置100Eは、ローター121の凹部1212に、回転機構部130Eとして、サイクロ機構を備えている。
【0061】
図11は、サイクロ機構を模式的に示す説明図である。サイクロ機構は、偏心体180、185と、曲線板181と、外ピン182と、内ピン183と、ベアリング1814と、を備える。曲線板181は、略円盤形状を有しており、中心部に中心孔1810を有し、中心孔1810の周りに8個の内ピン孔1811を有する。内ピン孔1811は、円周上に45度間隔で配置されている。曲線板181の外周は、エピトコロイド平行線形状を有している。本実施例では、エピトコロイド平行線形状の山の数は9個であり、40度回転させるとエピトコロイド平行線形状が重なる。なお、本実施例では、図10に示すように、サイクロ機構は曲線板181を2つ備えており、180度ずれている。その結果、一方の曲線板181のエピトコロイド平行線形状の凸部が、他方の曲線板181のエピトコロイド平行線形状の凹部に位置する。なお、図11では、図面が見難くなるため、一方の曲線板181のみを記載している。
【0062】
外ピン182は、曲線板181側が略円形に形成されている部材である。外ピン182は、円柱形の棒であってもよい。外ピン182は、本実施例では、10本あり、円周上に36度間隔で配置されている。また、外ピン182は、曲線板181の外周に接するように配置されている。ここで、外ピン182のうちの外ピン1821が曲線板181のエピトコロイド平行線形状の凸部の頂点に接しているとき、外ピン1821の対称位置にある外ピン1822は、曲線板181のエピトコロイド平行線形状の凹部の底に接している。図10、11では、外ピン1822と曲線板181をギア歯の凹凸として接触した図として記載している。
【0063】
内ピン183は、円柱形の棒である。内ピン183は、内ピン孔1811の数と同じ数(8本)あり、円周上に45度間隔で配置されている。内ピン183の太さは内ピン孔1811の大きさよりも細く形成されており、内ピン183は内ピン孔1811の中に挿入されている。なお、内ピン183が配置される円周と、内ピン孔1811が配置される円周は、同じ大きさである。
【0064】
偏心体180、185は、それぞれ円柱形状を有している。偏心体180の中心1801は、偏心体180の回転中心1802とずれている。偏心体185の中心1851は、偏心体185の回転中心1852とずれている。なお、偏心体180の回転中心1802と偏心体185の回転中心1852は同じ点(軸)である。そして、偏心体180の中心1801と、偏心体185の中心1851の重心の位置に偏心体180の回転中心1802(偏心体185の回転中心1852)が位置している。偏心体180、185の太さは中心孔1810の大きさよりも細く形成されており、中心孔1810の中に挿入されている。中心孔1810と偏心体180、185との間には、中心孔1810と偏心体180、185との接触を滑らかにするためのベアリング1814が配置されている。偏心体180、185は、中心1801から見て回転中心1802、1852と反対側において、中心孔1810に配置されたベアリング1814と接触している。この点を接触点1803、1853と呼ぶ。
【0065】
図10に戻り、第3の実施例におけるサイクロ機構の接続関係について説明する。第3の実施例では、偏心体180、185は、ローター121と一体に形成されている。外ピン182は、ステーター(ケーシング122)と一体に形成されている。内ピン183は、負荷接続部133と一体に形成されている。すなわち、偏心体180が入力部であり、外ピン182が固定部であり、内ピン183が出力部である。
【0066】
図11を用いて、サイクロ機構が接続されている場合の動作について説明する。ローター121(図10)が回転すると、偏心体180も回転する。このとき偏心体180は、回転中心1802を中心に回転する。例えば、図11に示すように、偏心体180が時計回りに回転したとする。このとき、接触点1803の位置も時計回りに回転する。すると、曲線板181は、偏心体180よりベアリング1814を介して力を受けて、外ピン182が配置された円周に沿って反時計回りに公転すると共に、自転する。曲線板181が自転すると、内ピン孔1811の位置が、公転する。内ピン孔1811が公転すると、内ピン183を押すため、内ピン183は内ピン183が配置された円周に沿って公転する。本実施例では、偏心体180が一回転すると、曲線板181が1/9回転する。例えば、曲線板181のエピトコロイド平行線形状の凸部の数をn個、外ピンの数を(n+1)本とすると、偏心体180が一回転すると、曲線板181が1/n回転する。したがって、極めて大きな減速比を得ることが出来る。また、外ピン182によって滑り接触が転がり接触に変換されるので、機械的損失が非常に小さく、極めて高いギア効率を得ることが可能となる。
【0067】
図10に戻り、第3の実施例の制動ブレーキについて説明する。第3の実施例でも、第1、第2の実施例と同様に、ローター121は、一方の面が開放された中空円筒形状をしている。ローター121は、円筒部分の開放端の内面に第1の摩擦部2121を備える。また、ステーターは、外ピン182の根元近傍に制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110を備えている。
【0068】
図12は、第3の実施例の制動ブレーキを模式的に示す説明図である。第3の実施例では、ブレーキパッド2110は、中空円筒形のローター121の内側に格納されており、この点は第1、第2の実施例と同じである。第3の実施例では、第1の摩擦部2121は、ローターの側面に形成されており、第2の摩擦部2110a、2110bは、第1の摩擦部2121を挟むように設けられている。ここで、第2の摩擦部2110aは、第1の摩擦部2121の内周側に配置されており、非制動時に第1の摩擦部2121と離間し、制動時に第1の摩擦部2121と接触するように、配置されている。第2の摩擦部2110bは、第1の摩擦部2121の外周側に、第1の摩擦部2121と、ギリギリ接しないように配置されている。制動アクチュエーター2100は、ピン2108によりステーター(図1)に接続されている。制動時には、第2の摩擦部2110aは、第1の摩擦部2121に押しつけられ、第1の摩擦部2121と、第2の摩擦部2110aとの摩擦で制動がかかる。このとき、制動アクチュエーター2100は、反力により、ローター121の中心側に移動し、第2の摩擦部2110bが第1の摩擦部2121と接触する。すなわち、本実施例によれば、第2の摩擦部2110a、2110bが第1の摩擦部2121を挟み込むようにして制動を掛けるため、ローター121の変形により、制動力が落ちることが起こりにくく、制動力を大きくすることができる。
【0069】
図13は、本発明の各実施例に係るモーター部の構成を模式的に示す説明図である。モーター部120は、駆動制御部1100と、H型ブリッジ回路1110と、電磁コイル124と、永久磁石123と、ローター121と、整流回路1140と、制動制御部1150を備える。H型ブリッジ回路1110は、直列に接続されたトランジスタTr1、Tr2と、直列に接続されたトランジスタTr3、Tr4を備える。駆動制御部1100からは2つの駆動信号DR1、DR2が出力されている。駆動信号DR1はトランジスタTr1、Tr4を駆動し、駆動信号DR2はトランジスタTr2、Tr3を駆動するために用いられる。電磁コイル124の両端はそれぞれ、トランジスタTr1、Tr2の中間のノードN1111と、トランジスタTr3、Tr4の中間のノードN1112とに接続されている。永久磁石123は、電磁コイル124の内側に配置され、ローター121と接続されている。整流回路1140の入力端は、電磁コイル124の両端、すなわちノードN1111とN1112に接続されている。制動制御部1150は、整流回路1140の出力端(ノードN1141、N1142)と接続されている。
【0070】
図14は、制動制御部1150の構成を示す説明図である。制動制御部1150は、トランジスタTr5と、光学アイソレータ1152を備える。トランジスタTr5は、エミッタとコレクタがそれぞれノードN1141、N1142に接続されたPNP型パワートランジスタである。光学アイソレータ1152は、フォトダイオードD1とフォトトランジスタTr6を備える。フォトトランジスタTr6のエミッタは、抵抗R1を介してトランジスタTr5のベースと接続され、さらに、抵抗R2を介してトランジスタTr5のコレクタと接続されている。また、フォトトランジスタTr6のコレクタは、トランジスタTr5のエミッタと接続されている。
【0071】
モーター部120への電源の供給が遮断されたときの動作について説明する。図13において、モーター部120への電源の供給が遮断されると、駆動制御部1100から出力される駆動信号DR1、DR2の出力はゼロとなる。また、H型ブリッジ回路1110の電源とグランドもゼロとなる。したがって、トランジスタTr1〜Tr4はオフとなる。
【0072】
一方、電源の供給が遮断されても、ローター121は、慣性力により回転運動を維持しようとする。その結果、永久磁石123の回転が維持され、フレミング右手の法則により電磁コイル124に逆誘起電力電流I1、I2が発生する。この逆誘起電力電流は、電磁コイル124では永久磁石123の位相によりI1の向きとI2の向きに交互に流れるが、整流回路1140により整流され、制動制御部1150には同じ向きの電流が供給される。
【0073】
図14において、電源の供給が遮断されると、フォトダイオードD1はオン状態からオフ状態となり、発光しなくなる。その結果、フォトトランジスタTr6はオン状態からオフ状態になる。一方、ノードN1142からは整流回路1140を介して電磁コイル124に向かって電流が流れるため、フォトトランジスタTr6のエミッタ(ノードN1151)の電位が下がり、トランジスタTr5のベース−エミッタ間に電位差が生じる。この電位差がトランジスタTr5の閾値を超えると、ベース−エミッタ間に電流が流れ、トランジスタTr5がオン状態となり、エミッタ−コレクタ間に電流が流れる。この状態では、電磁コイル124、整流回路1140、トランジスタTr5は、閉回路を形成しており、モーター部120は、発電ブレーキとして機能する。すなわち、発生した逆誘起電力は、例えばトランジスタTr5により消費され、モーター部120に回転抵抗を生じさせる。この回転抵抗が、モーター部120に対する制動力となり、モーター部120の回転運動を制動することが可能となる。一般に発電ブレーキは、抵抗が小さい方が、制動力が大きいので、トランジスタTr5は、オン抵抗が小さい方が好ましい。
【0074】
図15は、電磁コイルに生じる電圧を示す説明図である。電源の供給が遮断されるまでは、電磁コイル124には、駆動制御部1100からの駆動により、ほぼ正弦波の電圧波形が生じている。その後、電源の供給が遮断されると、電磁コイル124には、ほぼ正弦波の誘起電圧波形が生じる。誘起電圧の大きさは、ローター121の回転速度に依存する。電源の供給が遮断されると、上述したように発電ブレーキがかかるため、ローター121の回転速度が少なくなる。したがって、誘起電圧波形は、段々と減衰していく。また、正弦波の周期も長くなる。
【0075】
以上、本実施例によれば、電源の供給が遮断されると、制動制御部1150のトランジスタTr5が導通して、電磁コイル124と整流回路1140とともに閉回路を形成する。その結果、モーター部120は発電ブレーキとして機能するので、モーター部120の制動を行うことが可能となる。
【0076】
また、本実施例では整流回路1140として全波整流回路を用いているため、閉回路を流れる逆誘起電力電流を大きくすることが可能である。その結果、制動力を大きくすることが可能となる。なお、本実施例では、整流回路1140として全波整流回路を用いているが、半波整流回路や他の整流回路を用いてもよい。ただし、電源供給が遮断されたときの制動力は、全波整流回路を用いた方が大きいため、全波整流回路を用いた方が好ましい。
【0077】
また、本実施例では、電源の供給が遮断されたときに導通するスイッチとして、トランジスタTr5を用いている。このように半導体のスイッチを用いることにより、機械的接点が無くなるため、動作の信頼性を向上させることが可能となる。
【0078】
また、本実施例では、トランジスタTr5のオン・オフの制御に光学アイソレータ1152を用いている。これにより、簡単な構成でトランジスタTr5のオン・オフの制御をすることができ、動作の信頼性を向上させることが可能となる。
【0079】
図16は、モーター部120の別の構成を模式的に示す説明図である。この構成では、モーター部120が、3相モーターである点が異なる。このように3相モーターであっても、電源の供給が遮断されたときに、制動制御部1150のトランジスタTr5が導通させ、電磁コイル124と整流回路1140とともに閉回路を形成することができる。そして、同様に、モーター部120を発電ブレーキとして機能させて、モーター部120を制動させることが可能である。なお、3相モーターの場合、電磁コイル124を図16(a)のようにY結線(スター結線、星形結線)で結線してもよく、図16(b)のようにΔ結線(三角結線、デルタ結線)で結線してもよい。
【0080】
図17は、制動制御部の別の構成を模式的に示す説明図である。この構成では、電源の供給が遮断されたときに、すぐにブレーキパッド2110による制動を掛けず、電磁コイル124に生じる逆起電力による発電ブレーキで制動し、一定時間経過後にブレーキパッド2110による物理的制動を掛ける。この構成では、図14に示した構成に加えて、ローター停止部1160と、光学アイソレータ1162と、遅延回路1180とを備える。ローター停止部1160は、電流が流れなくなると、ローター121を物理的に制動する制動装置であり、図4に示す、第1の摩擦部2121と、制動アクチュエーター2100と、ブレーキパッド2110とを含んでいる。光学アイソレータ1162は、フォトダイオードD2とフォトトランジスタTr7を備える。光学アイソレータ1162のフォトダイオードD2は、光アイソレータ1152のフォトダイオードD2と直列に接続されている。フォトトランジスタTr7は、ローター停止部1160とグランドとの間に配置されている。ローター停止部1160は、図7に示した制動アクチュエーター2100を含んでおり、このフォトトランジスタTr7は、図7に示した制動アクチュエーター2100のコイル2103と直列に接続されている。遅延回路1180は、ダイオードD3と、抵抗R3と、コンデンサC1を備える。遅延回路1180のダイオードのカソードは、ローター停止部1160と接続されている。
【0081】
電源の供給が遮断されると、フォトダイオードD2がオン状態からオフ状態となり、発光しなくなる。その結果、フォトトランジスタTr7はオン状態からオフ状態になる。一方、電源の供給が遮断されても、コンデンサC1が充電されている。したがって、時定数(R3・C1)で定まる一定時間は、コンデンサC1からの放電によりローター停止部1160に電流が流れる。図7に示した制動アクチュエーター2100のコイル2103に電流が流れるので、電源の供給が遮断されても、直ぐには制動が開始されない。なお、この間は、電磁コイル124と永久磁石123(例えば図1)の間に発電ブレーキが働く。しばらくすると、コンデンサC1の充電量が少なくなるため、制動アクチュエーター2100のコイル2103に流れる電流が少なくなり、バネ2104により、ブレーキパッド2110が、第1の摩擦部2121に押しつけられる。すなわち、本実施例では、電源の供給が遮断されたのち、一定時間経過してからローター停止部1160による制動が開始する。そのため、ローター121の回転数が少なくなってから制動を掛けるため、制動アクチュエーター2100、ブレーキパッド2110を小型化することができる。また、減速機である回転機構部130を有しているので、制動が開始されるまでのローター121が回転しても、負荷の落下にはほとんど影響がない。なお、ダイオードD3は、コンデンサC1からの放電電流をダイオードD1により消費されないようにしている。
【0082】
図18は、制動制御部の別の構成を模式的に示す説明図である。図17の制動制御部と比較すると、光学アイソレータ1162のフォトダイオードD2は、光アイソレータ1152のフォトトランジスタTr6と直列に接続されている。さらに、光アイソレータ1152のフォトトランジスタTr6と電源との間にダイオードD4が設けられている。
【0083】
この実施例では、電源供給時には、フォトダイオードD1に電流が流れるため、光アイソレータ1152のフォトトランジスタTr6がオンする。ダイオードD4、フォトトランジスタTr6、フォトダイオードD2は電源から直列に接続されているため、フォトダイオードD2もオンする。そして、光アイソレータ1162のフォトトランジスタTr7がオンする。ローター停止部1160に含まれている制動アクチュエーター2100のコイル2103に電流が流れるので、制動がかからない。
【0084】
一方、電源が遮断されたときには、フォトダイオードD1はオフするため、フォトトランジスタTr6もオフする。しかし、電動モーター100の回転数が高い間では、高い誘起電圧が生じ、この電圧は、トランジスタTr6のエミッタ−ベース間、及びエミッタ−コレクタ間に掛かる。その結果、エミッタからベースへはPN方向であり順方向電流が流れるので、フォトトランジスタD2はオンのままである。したがって、フォトトランジスタTr7はオンのままであり、ローター停止部1160に電流が流れる。ここで、電源が遮断されていると、ローター停止部1160への電流供給源は、コンデンサC1のみである。コンデンサC1の充電量が少なくなると、ローター停止部1160中の制動アクチュエーター2100のコイル2103に流れる電流が少なくなり、バネ2104により、ブレーキパッド2110が、第1の摩擦部2121に押しつけられ、制動が実行される。即ち、図18で電源が遮断されると、モーター部120内で回転しているローター121により図16(a)の電磁コイル124に生じる誘起電圧は、整流回路1140を経由し、トランジスタTr5のON状態により回生電流(短絡電流)が流れ、回転しているローター121の回転数は停止状態へと向かい、停止直前の回転数になると電磁コイル124に生じる誘起電圧は低電圧となりフォトダイオードD2に流れる順電流がOFF状態となり、フォトトランジスタTr7をOFF状態にし、ローター停止部1160は、未励磁状態となり制動アクチュエーター2100でブレーキ状態となる。そのため、ブレーキ機構は、停止付近で動作させるために大掛かりなブレーキ機構を必要としない。尚、フォトダイオードD2の順電流特性により動作させたが、フォトダイオードD2と直列にゼナーダイオード(定電圧ダイオード)を設けることで、ゼナー電圧で動作電圧を高めることでブレーキ状態を早めたブレーキ状態にすることも出来る。
【0085】
すなわち、本実施例によれば、モーター部120への供給電源の遮断時には、ローター121の回転数があらかじめ定められた値よりも高回転の場合には、誘起電圧が大きいためフォトトランジスタD2はオンであり、フォトトランジスタTr7がオンのため、制動アクチュエーター2100に対して制動を実行させずにローター121を回転させる。このとき、モーター部120に生じる誘起電圧により回生電流が生じ回生ブレーキが掛かるので、ローター121の回転数が少なくなっていく。そして、回生ブレーキによりローター121の回転数が定められた値よりも低回転(例えば停止直前の回転数)になると、誘起電圧が小さいためフォトトランジスタD2がオフとなり、フォトトランジスタTr7もオフする。そうすると、制動アクチュエーター2100が制動を実行させる。
【0086】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0087】
10…ロボットアーム
11…第1の基体部
12…第2の基体部
13…第3の基体部
14…第4の基体部
21…第1のベベルギア
22…第2のベベルギア
25…導電線束
100…動力発生装置
100C…動力発生装置
100E…動力発生装置
110…中心軸
111…貫通孔
112…部
113…リング
114…固定用ボルト
115…スペーサー
120…モーター部
121…ローター
121t…ギア歯
122…ケーシング
123…永久磁石
124…電磁コイル
125…磁石バックヨーク
126…位置検出部
127…回転制御回路
128…コイルバックヨーク
130…回転機構部
130C…回転機構部
130E…回転機構部
131…ギア固定部
131t…ギア歯
132…プラネタリーギア
132s…回転軸
132t…ギア歯
133…負荷接続部
160…ウェーブジェネレーター
160t…ギア歯
161…ベアリング
162…フレックススプライン
162t…ギア歯
165…サーキュラスプライン
165t…ギア歯
180…偏心体
181…曲線板
182…外ピン
183…内ピン
185…偏心体
1100…駆動制御部
1140…整流回路
1150…制動制御部
1152…光学アイソレータ
1160…ローター停止部
1162…光学アイソレータ
1180…遅延回路
1211…貫通孔
1212…凹部
1213…ローターギア
1221…貫通孔
1311…アウターギア
1312…鍔部
1313…開口部
1331…貫通孔
1332…軸孔
1601…貫通孔
1602…鍔部
1651…前段部
1652…後段部
1801…中心
1802…回転中心
1803…接触点
1810…中心孔
1811…内ピン孔
1814…ベアリング
1821…外ピン
1822…外ピン
1851…中心
1852…回転中心
2100…制動アクチュエーター
2101…固定部
2102…コイル
2103…コイルバックヨーク
2104…バネ
2105…緩衝部
2106…可動部
2107…磁石
2108…ピン
2110…ブレーキパッド
2112…凹部
2121…第1の摩擦部
2122…凸部
2123…部分
2124…部分
C1…コンデンサ
D1…フォトダイオード
D2…フォトダイオード
D3…ダイオード
DR1…駆動信号
DR2…駆動信号
FB…締結ボルト
I1…逆誘起電力電流
J1…第1の関節部
J2…第2の関節部
J3…第3の関節部
N1111…ノード
N1112…ノード
N1141…ノード
N1142…ノード
N1151…ノード
R1…抵抗
R2…抵抗
R3…抵抗
Tr1…トランジスタ
Tr2…トランジスタ
Tr3…トランジスタ
Tr5…トランジスタ
Tr6…フォトトランジスタ
Tr7…フォトトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローターとステーターを有する電動モーターであって、
前記ローターの一部は、運動軌跡となる、第1の摩擦部を有しており、
前記ステーターは、
前記第1の摩擦部と接触して機械的な摩擦力により前記ローターの回転を制動及び停止させる第2の摩擦部と、
前記電動モーターに電力が供給されているときには前記第2の摩擦部を前記第1の摩擦部から離間させて制動を実行させず、前記電動モーターへの電力供給が遮断されたときには前記第2の摩擦部を前記第1の摩擦部に押しつけて制動を実行させる制動アクチュエーター部と、を有する電動モーター。
【請求項2】
請求項1に記載の電動モーターにおいて、
前記ローターは、
一方の底面が開放された中空円筒の形状をしており、
前記第1の摩擦部は前記中空円筒の内面に形成されており、
前記第2の摩擦部及び前記制動アクチュエーター部は、前記ローターの中空円筒の内部または前記開放側端部に設けられている、電動モーター。
【請求項3】
請求項2に記載の電動モーターにおいて、
前記第1の摩擦部は、前記中空円筒の円筒側面の内側に設けられており、
前記制動アクチュエーターは、前記第2の摩擦部を前記第1の摩擦部に対して放射方向に押しつける、電動モーター。
【請求項4】
請求項2に記載の電動モーターにおいて、
前記第1の摩擦部は、前記中空円筒の開放されていない底面に設けられている、電動モーター。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電動モーターにおいて、
前記第1の摩擦部は、第2の摩擦部側に凸または凹となる形状を有しており、
前記第2の摩擦部は、前記第1の摩擦部側に凹または凸となる形状を有している、電動モーター。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動モーターにおいて、さらに、
前記制動アクチュエーターの動作を制御するための制動制御部を備え、
前記制動制御部は、
前記電動モーターへの供給電源の遮断後のあらかじめ定められた時間後に前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる遅延回路を有しており、
前記電動モーターへの供給電源の供給時には、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させずに前記ローターを回転させ、
前記電動モーターへの供給電源の遮断時に、前記電動モーターから生じる誘起電圧により回生電流を流して回生ブレーキとして前記ローターの制動を実行させ、
前記時間の経過後、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる、電動モーター。
【請求項7】
ローターとステーターを有する電動モーターであって、
前記ローターの回転を制動するための制動部と、
前記制動部を動作させる制動アクチュエーターと、
前記制動アクチュエーターの動作を制御するための制動制御部と、
を備え、
前記制動制御部は、
前記電動モーターへの電源遮断後、あらかじめ定められた時間の経過後に前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる遅延回路を有しており、
前記電動モーターへの供給電源の供給時には、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させずに前記ローターを回転させ、
前記電動モーターへの供給電源の遮断時には、
前記電動モーターから生じる誘起電圧により回生電流を流して回生ブレーキとして制動させ、
前記時間の経過後、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させる、電動モーター。
【請求項8】
ローターとステーターを有する電動モーターであって、
前記ローターの回転を制動するための制動部と、
前記制動部を動作させる制動アクチュエーターと、
前記制動アクチュエーターの動作を制御するための制動制御部と、
を備え、
前記制動制御部は、
前記電動モーターへの電源遮断後、あらかじめ定められた時間の経過後に前記制動アクチュエーターによる制動を実行させるための遅延回路を有しており、
前記電動モーターへの供給電源の供給時には、前記制動アクチュエーターによる制動を実行させずに前記ローターを回転させ、
前記電動モーターへの供給電源の遮断時には、
前記電動モーターの高速な回転数に応じた誘起電圧により回転数を検出し、前記制動アクチュエーターは制動を実行させずに前記ローターを回転させ、
前記電動モーターから生じる誘起電圧により回生電流を流して回生ブレーキとして制動させ、前記電動モーターの低速な回転数に応じた誘起電圧により回転数を検出し、前記制動アクチュエーターで制動を実行させる、電動モーター。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電動モーターを備えるロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−200045(P2012−200045A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60812(P2011−60812)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.サイクロ
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】