説明

電動制御弁及び電動アクチュエータ

【課題】弁開度の制御において電動モータや伝達ギアに加わる負荷トルクを検知して駆動トルクを切り替えることで、必要な駆動トルクを的確に与えることができる電動制御弁及び電動アクチュエータを提供する。
【解決手段】電動モータ3の駆動トルクが伝達される第1伝達ギアと、第1伝達ギアに隣接し、第1伝達ギアと噛み合う第2伝達ギアと、第2伝達ギアと噛み合って電動モータ3の駆動トルクを出力軸に伝達する第3伝達ギアと、電動モータのトルク切り替えを行う駆動制御部を制御するスイッチ13と、出力軸4の回転が規制された際に第1,第2伝達ギアを介して伝達されるトルクに対応する荷重で動作してスイッチ13をオンオフするアーム10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直動弁を開度調節して流体の流量制御を行う電動制御弁及びこれに用いる電動アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
グローブ弁等の直動弁の開度を操作するにあたり、全閉時には、内部リークを防ぐために一定以上の力で弁体を弁開口部に押し付ける必要がある。一方、中間開度での動作に必要な力は上記の力よりも小さくて済むのが一般的である。この全閉時に必要な押し付け力を与えるトルクを基にして、弁体の駆動用モータを選定すると、周囲温度環境や減速ギアユニットの効率のばらつき等から、高トルクの出力が可能なある程度大型のモータを選定することになる。また、このようなモータの出力に耐えられるように、アクチュエータのギアユニットも大型化する必要がある。これにより、電動制御弁全体の大型化やコスト面での不利が避けられなくなる。
【0003】
このため、弁体を駆動させる駆動用モータのトルクを可変とし、全閉時に最も高いトルクで弁体を駆動できることが望ましい。このような制御を行う電動制御弁としては、例えば特許文献1に開示されるものがある。特許文献1の流量制御弁では、流入孔と流出孔を有する弁体の回転操作により開度が調節されるボール弁等の回転弁を制御するにあたり、弁体が全閉位置にあることを検知し、全閉位置付近でモータの出力トルクを増加させる。このように制御することにより、全閉位置から弁体を駆動する際に全閉位置に弁体が固着するのを防止でき、弁動作を確実に行うことができる。
【特許文献1】特開平8−247323号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の流量制御弁では、全閉位置以外で流体などの影響により高トルク駆動が必要な場合に対応することができない。特に、直動弁では、上述したように内部リークを確実に防ぐため、弁体が弁開口部に接触した全閉状態になってから、さらに適切な回転トルクで弁体を押し付ける操作が必要であるが、特許文献1の構成では、これに対応することができない。
【0005】
さらに、特許文献1のように、開度認識にモータの駆動パルスを利用する構成では、実際にモータが駆動パルス通りに動作していなかった場合、適切な位置で弁体の駆動トルクが切り替えられない可能性がある。
【0006】
また、特許文献1の流量制御弁では、検知された全閉位置を登録しておくメモリや、ステッピングモータの駆動パルスの周波数制御を行うマイクロコンピュータが必要であり、アクチュエータの制御回路の複雑化や、高コスト化を招く場合がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、弁開度の制御において電動モータや伝達ギアに加わる負荷トルクを検知して駆動トルクを切り替えることで、必要な駆動トルクを的確に与えることができる電動制御弁及びこれに用いる電動アクチュエータを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電動制御弁は、電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクのいずれかに切り替える駆動制御部と、弁開度の制御において電動アクチュエータに加わる一定以上の負荷トルクを検知するトルク検知手段とを備え、駆動制御部が、トルク検知手段による負荷トルクの検知に応じて、電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクに切り替えるものである。
【0009】
この発明に係る電動制御弁は、弁本体が、流体の入出する弁開口部と、弁軸の端部に設けた弁体とを備え、弁軸が軸方向に移動して弁体が弁開口部を開閉する直動弁からなり、トルク検知手段が、弁開度が全閉状態又は全開状態となって出力軸の回転が規制された際に電動モータから伝達される駆動トルクを負荷トルクとして検知するものである。
【0010】
この発明に係る電動制御弁は、トルク検知手段が、電動モータの駆動トルクが伝達される第1伝達ギアと、第1伝達ギアに隣接し、第1伝達ギアと噛み合う第2伝達ギアと、第2伝達ギアと噛み合って電動モータの駆動トルクを出力軸に伝達する第3伝達ギアと、電動モータのトルク切替を行う駆動制御部を制御するスイッチと、出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して伝達された負荷トルクに対応する荷重で動作してスイッチをオンオフするスイッチ制御手段とを備えるものである。
【0011】
この発明に係る電動制御弁は、スイッチ制御手段が、第2伝達ギアが回転自在に取り付けられた第1固定軸を有し、第3伝達ギアの回転中心となる第2固定軸に回転自在に取り付けられ、第2固定軸を中心とした回転が弾性体の付勢力により規制された部材からなり、出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重で弾性体を変形させながら、第2固定軸を中心に回転してスイッチをオンオフするものである。
【0012】
この発明に係る電動アクチュエータは、電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクのいずれかに切り替える駆動制御部と、弁開度の制御において加わる負荷トルクを検知するトルク検知手段とを備え、駆動制御部が、トルク検知手段による負荷トルクの検知に応じて、電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクに切り替えるものである。
【0013】
この発明に係る電動アクチュエータは、トルク検知手段が、電動モータの駆動トルクが伝達される第1伝達ギアと、第1伝達ギアに隣接し、第1伝達ギアと噛み合う第2伝達ギアと、第2伝達ギアと噛み合って電動モータの駆動トルクを出力軸に伝達する第3伝達ギアと、オンオフに応じて駆動制御部によるトルク切り替えを制御するスイッチと、出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して電動モータから伝達される駆動トルクである負荷トルクに対応する荷重で動作してスイッチをオンオフするスイッチ制御手段とを備えるものである。
【0014】
この発明に係る電動アクチュエータは、スイッチ制御手段が、第2伝達ギアが回転自在に取り付けられる第1固定軸を有し、第3伝達ギアの回転中心となる第2固定軸に回転自在に取り付けられ、第2固定軸を中心とした回転が弾性体の付勢力により規制された部材からなり、出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重で前記弾性体を変形させながら、第2固定軸を中心に回転してスイッチをオンオフするものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、弁開度の制御において電動アクチュエータに加わる負荷トルクを検知し、この負荷トルクの検知に応じて電動モータの駆動トルクを低トルクから高トルクに切り替えるので、通常時に低トルクで動作させ、必要に応じて高トルクに切り替えることができることから、出力トルクの高い大型のモータを用いることなく、安価に構成できる上、小型化を図ることも可能である。また、弁体の位置で駆動トルクを切り替えるのではなく、弁体の駆動に際して生じる負荷トルクを検知して駆動トルクを切り替えることから、必要なトルクを的確に与えることができるという効果がある。
【0016】
この発明によれば、直動弁の弁開度が全閉状態又は全開状態となって出力軸の回転が規制された際に電動モータから伝達される駆動トルクを負荷トルクとして検知するので、直動弁の全閉時に過大なトルクの荷重が弁体にかかることが防止され、さらに内部リークを防ぐのに必要な弁体の押し付け操作を確実に行うことができるという効果がある。
【0017】
この発明によれば、電動モータの駆動トルクが伝達される第1伝達ギアと、第1伝達ギアに隣接し、第1伝達ギアと噛み合う第2伝達ギアと、第2伝達ギアと噛み合って電動モータの駆動トルクを出力軸に伝達する第3伝達ギアと、オンオフに応じて駆動制御部によるトルク切り替えを制御するスイッチと、出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して伝達された負荷トルクに対応する荷重で動作してスイッチをオンオフするスイッチ制御手段とを備えるので、複雑な回路を必要とせず、簡易な構成で電動モータや伝達ギアに対する負荷トルクを検知することができるという効果がある。
【0018】
この発明によれば、スイッチ制御手段が、第2伝達ギアが回転自在に取り付けられる第1固定軸を有し、第3伝達ギアの回転中心となる第2固定軸に回転自在に取り付けられ、第2固定軸を中心とした回転が弾性体の付勢力により規制された部材からなり、出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重で弾性体を変形させながら、第1固定軸と共に第2固定軸を中心に回転してスイッチをオンオフするので、負荷トルクの検知を簡易な構成で実現することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電動制御弁の構成を示す図であり、内部構成の説明のため部分的に電動アクチュエータの出力軸及びこれに連結した弁軸の軸方向に沿った断面で表している。図1では、実施の形態1による電動制御弁を構成する電動アクチュエータ1及び弁本体2を示しており、電動アクチュエータ1の駆動制御部については図示を省略している。なお、電動アクチュエータ1の駆動制御部の詳細は後述する。
【0020】
電動アクチュエータ1は、ケーシング内に収納された支持プレート5a,5b、支持プレート5a上に配置された電動モータ3、支持プレート5a,5bを貫通して回転自在に設けられた出力軸4、リミットスイッチ13、リミットスイッチ13をオンオフするアーム10、及び電動モータ3の回転トルクを出力軸4まで伝達するギアユニットを備える。
【0021】
電動モータ3としては、高トルク出力が可能な大型なモータではなく、回転数、供給電流や供給電圧を変えることで容易に出力トルクを変更できるステッピングモータを使用する。支持プレート5aと支持プレート5bは、ケーシング内に一定の間隔で平行に配置される。電動モータ3の回転軸9aは、支持プレート5aを貫通して配置されており、回転軸9aには伝達ギア6aが取り付けられる。電動アクチュエータ1の出力軸4は、図1の下方に取り付けられる弁本体2の弁軸15に連結され、ボールベアリング14を介して回転する。
【0022】
ギアユニットは、電動モータ3の回転軸9aに取り付けられた伝達ギア(第1伝達ギア)6a、伝達ギア6aと噛み合う伝達ギア部6d、伝達ギア部6dと同軸に一体に形成された伝達ギア部6e、支持プレート5bに形成された固定軸(第2固定軸)9bに取り付けられ、伝達ギア部6eと噛み合う伝達ギア部6b、伝達ギア部6bと同軸に形成されて一体に回転する伝達ギア部6c、出力軸4と一体に回転する伝達ギア7を備える。
【0023】
伝達ギア部6bは、伝達ギア部6bより小径の伝達ギア部6eと噛み合っており、支持プレート5b側に同軸に伝達ギア部6bより小径の伝達ギア部6cが一体に形成される。また、伝達ギア部6b,6cは、支持プレート5bに形成された固定軸9bを中心に回転自在に取り付けられる。この伝達ギア部6b,6cが第3伝達ギアを構成する。
【0024】
伝達ギア部6dは、電動モータ3の回転軸9aに取り付けられた小径の伝達ギア6aと噛み合っており、支持プレート5b側に同軸に伝達ギア部6dより小径の伝達ギア部6eが一体に形成される。また、伝達ギア部6d,6eは、アーム10に形成された固定軸(第1固定軸)8を中心にアーム10とは独立して回転自在に取り付けられる。この伝達ギア部6d,6eが第2伝達ギアを構成する。
【0025】
アーム10は、固定軸9bが挿通される基部10a、基部10aとアーム部10cを接続する梁部10b、及びリミットスイッチ13を押下するアーム部10cからなり、基部10aを介して固定軸9bを中心に回転自在である。梁部10bには固定軸8が形成され、伝達ギア部6d,6eが取り付けられる。
【0026】
アーム部10cは、支持プレート5aに設けた貫通孔を通して支持プレート5a上に突出しており、アーム10の固定軸9bを中心とした回転に伴ってリミットスイッチ13を押下する。また、固定軸8の図1紙面垂直方向の両側には、スプリング止め部12がそれぞれ形成されており、このスプリング止め部12と固定軸8の間にコイルスプリング11が配置されている。
【0027】
リミットスイッチ13は、支持プレート5a上に設けられ、アーム10の移動により押下されてオン状態になる。このリミットスイッチ13のオンオフに応じて、後述する駆動制御部が、電動モータ3の出力トルクを切り替え、例えば弁体17が弁開口部に着座して全閉状態になった後、通常より高い駆動トルクで弁体17を押し付ける操作が行われる。
【0028】
上述したギアユニット、アーム10及びリミットスイッチ13を含む構成が、弁体17が弁開口部に着座して出力軸4の回転がロックされた際における電動モータ3や伝達ギアへの一定以上の負荷トルクを検知するトルク検知手段を構成する。
【0029】
また、図1の例では、直動弁であるグローブ弁を弁本体2として使用しており、図1に示すように、流体通路18,19を備えたブロックと、弁軸15が摺動孔16を挿通するブロックとから構成される。これらブロックの連結部分の周縁には、リング状のガスケット21とダイヤフラム押さえ22が載置されている。また、ブロックの連結部分の内空間は、ダイヤフラム押さえ22を介して設置された円板状のダイヤフラム20によって弁体17側の空間と弁軸15の他端側の空間とに分離されている。
【0030】
弁軸15の上端は、電動アクチュエータ1の出力軸4に連結され、出力軸4の回転に伴って摺動孔16内を上下方向に摺動する。弁軸15の下端には、弁体17が取り付けられており、この弁体17の下端周縁には、全閉時に弁開口部のシートリング17bに接触するシール部材17aが設けられる。弁軸15は、出力軸4の回転に伴って昇降し、弁体17により流体通路18の開口端である弁開口部を開放させたり、閉塞させたりする。これにより、流体通路18から流体通路19への流体の流れが制御される。
【0031】
摺動孔16を挿通した弁軸15には、シール部材23が当接して設けられ、シール部材23は、リング状の軸支持部材24によって保持される。軸支持部材24は、止めねじ26により弁本体2の筐体に固定されており、止めねじ26による固定箇所と弁本体2の内部との間を軸支持部材24の外周に設けたO−リング25でシールしている。
【0032】
また、軸支持部材24の下面と弁軸15の下端部付近とは、ステンレスなどからなるベローズ27により上下端が密着固定されている。このベローズ27は、弁軸15の摺動孔16側の部分と弁本体2の内部とをシールしている。
【0033】
次に動作について説明する。
図2は、図1中のアームの動作を説明するための図であり、図2(a)は中間開度での状態を示し、図2(b)は全閉でリミットスイッチをオンにした状態を示している。なお、図2は、図1に示す電動アクチュエータ1の支持プレート5b側から見た図であり、内部構造を視認し易くするために支持プレート5bを透かし、支持プレート5a上のリミットスイッチ13は破線で記載している。また、図1で示した構成を適宜説明する。
【0034】
弁が全閉になるまでの中間開度では、伝達ギア部6d,6eの固定軸8がコイルスプリング11により両側から支持されて、図2(a)に示す中間位置にある。このとき、後述する駆動制御部は、通常時の駆動トルクとして高速かつ低トルクで弁体17を移動させる。この場合、伝達ギア部6d,6eは、電動モータ3からの回転トルクに応じて固定軸8を中心に回転し、このトルクが伝達されて出力軸4及び弁軸15が回転し、弁体17が弁開口部の方向に移動する。
【0035】
弁体17の移動が進み、弁開口部に着座して全閉状態になると、弁体17の弁軸15の軸方向の移動限界に達して出力軸4の回転がロック(規制)され、これに伴って伝達ギア7、伝達ギア部6c,6bの回転がロックされる。この状態でさらに加えられる回転トルクは、電動モータ3や伝達ギアへの負荷トルクとなり、この負荷トルクに対応する荷重が一定以上となると、電動モータ3や伝達ギアへ過大な負荷を及ぼす可能性がある。
【0036】
そこで、本発明では、全閉状態となって出力軸4や伝達ギア部6bの回転がロックされた後に伝達ギア6aを介してさらに伝達ギア部6d,6eに回転トルクが加わると、この回転トルク(負荷トルク)に比例した荷重によって、図2(b)において符号Aを付す矢印方向に固定軸9bを中心としてアーム10が回転する。
【0037】
このとき、負荷トルクに対応する荷重が、固定軸8を支持するコイルスプリング11の付勢力より大きい一定以上の値に達すると、これに伴って固定軸8がコイルスプリング11を変形(図2(b)中の符号Bを付した方向に収縮)させながら、伝達ギア部6d,6eが伝達ギア部6bの周りを公転する。
【0038】
このように、全閉状態となって出力軸4や伝達ギア部6bの回転がロックされた後に加わる一定以上の負荷トルクに対応する荷重は、コイルスプリング11を変形(収縮)することで消費される。換言すると、本発明では、全閉状態でロックされた伝達ギアや電動モータに対して加えられる負荷トルクが、コイルスプリング11の変形、すなわちコイルスプリング11の変位により検知される。
【0039】
この後、伝達ギア部6d,6eの公転に伴うアーム10のA方向への移動が進むと、貫通孔5cを通して支持プレート5a上に突出したアーム部10cが、リミットスイッチ13のスイッチ部13aを押下する。これにより、後述する駆動制御部が、通常の駆動トルクからより高い駆動トルクに切り替え、全閉状態において適切なトルクで弁体17を弁開口部に押し付ける操作を行うことができる。
【0040】
なお、上記説明では、アーム10を支持する弾性体としてコイルスプリング11を例に挙げたが、本発明の趣旨に従うものであれば、コイルスプリングに限定されるものではない。
【0041】
図3は、実施の形態1による電動制御弁の駆動制御部の構成を示す図であり、図3(a)は電動モータ3を含む各構成を示し、図3(b)は(a)中の発振回路の構成を示している。図3(a)に示すように、この駆動制御部は、電源回路28、回転方向制御回路29、発振回路30、及び励磁回路31を備える。
【0042】
上述したように、本実施の形態1では、電動モータ3として、コストが安価で回転数、供給電流や供給電圧を変えることで、容易に出力トルクを変更できるステッピングモータを用いる。励磁回路31は、電源回路28からの駆動電源信号を入力して励磁信号を生成し、この励磁信号により電動モータ3内の励磁コイルを励磁して駆動させる。
【0043】
回転方向制御回路29は、電動モータ3内の回転磁界の回転方向を規定する信号を生成して励磁回路31に出力する。これにより、励磁回路31が、回転方向制御回路29からの信号に応じた回転方向の回転磁界を発生させる励磁信号を電動モータ3に出力することで、所望の回転方向で電動モータ3を回転させることができる。
【0044】
発振回路30は、電動モータ3の回転数を決定する周波数信号を生成し、励磁回路31に出力する。励磁回路31は、発振回路30からの周波数信号に同期して励磁信号を電動モータ3に出力する。これにより、電動モータ3は、当該周波数信号に応じた回転数で回転する。
【0045】
また、発振回路30は、図3(b)に示すように、2つのRC回路33a,33bと、リミットスイッチ13のオンオフに応じてRC回路33a,33bのいずれかに切り替えるスイッチ32を有する。RC回路33aは、抵抗34aとコンデンサ35aを直列に接続したRC発振回路である。また、RC回路33bは、抵抗34bとコンデンサ35bを直列に接続したRC発振回路であり、RC回路33aの半分の周波数信号を発振する。
【0046】
実施の形態1による電動制御弁において、全閉以外の開度では、RC回路33aが発振する周波数信号で電動モータ3を動作させる。つまり、リミットスイッチ13がオフ状態のとき、スイッチ32がRC回路33aを選択し、励磁回路31には、RC回路33aからのRC回路33bより高周波数の周波数信号が入力される。
【0047】
励磁回路31は、発振回路30のRC回路33aからの周波数信号に同期して励磁信号を電動モータ3に出力する。これにより、電動モータ3は、RC回路33aからの周波数信号に応じた回転数で回転する。この回転数でのトルクを、リミットスイッチ13がオフ状態において弁体17を駆動させるのに必要な通常の駆動トルクとする。
【0048】
全閉状態となってアーム10によりリミットスイッチ13がオンされると、スイッチ32は、発振回路30においてRC回路33aからRC回路33bに接続を切り替える。このとき、励磁回路31には、RC回路33bからのRC回路33aより低周波数の周波数信号が入力される。励磁回路31は、発振回路30のRC回路33bからの周波数信号に同期して励磁信号を電動モータ3に出力する。
【0049】
これにより、電動モータ3は、RC回路33bからの低周波数信号に応じた回転数で回転する。この回転数でのリミットスイッチ13がオフ状態における駆動トルクよりも高い駆動トルクは、ギアユニットを介して出力軸4に伝達され、全閉状態から弁体17を弁開口部に押し付ける動作が行われる。
【0050】
図4は、実施の形態1による電動制御弁の駆動制御部の他の構成例を示す図である。図4に示す駆動制御部は、図3に示した構成と異なり、電源回路28から励磁回路31への電流経路として、抵抗R1が連結された経路と、抵抗R1の半分の抵抗値を有する抵抗R2が連結された経路とを備え、スイッチ32aにより両経路のうちいずれかが励磁回路31に接続する経路として選択される。
【0051】
ステッピングモータは、図5に示すように、電源回路28からの供給電流値が大きい場合、励磁回路31から電流値に応じた励磁信号が生成されて高い出力トルクとなる。このステッピングモータの一般的性能を利用して、リミットスイッチ13がオフ状態のときは、スイッチ32aが、抵抗R1の連結された経路を選択し、リミットスイッチ13がオンされると、抵抗R2の連結された経路を選択して励磁回路31に電流を供給する。
【0052】
これにより、リミットスイッチ13がオンされると、励磁回路31に供給される電流は、抵抗R2の連結された経路を介してリミットスイッチ13のオフ状態よりも増加し、この電流値に応じた励磁信号が電動モータ3に出力される。このように構成することでも、弁体17を駆動するのに必要な通常の駆動トルクよりも高いトルクで全閉状態から弁体17を弁開口部に押し付ける動作を行うことができる。
【0053】
なお、本発明による駆動制御部は、図3及び図4に示した構成に限定されるものではなく、電動モータ3の出力トルクを切り替えることができる既存の技術を用いた他の構成を採用してもよい。
【0054】
図6は、リミットスイッチの制御機構の他の構成を示す図であり、図6(a)は伝達ギア部6d,6e側からみた図であり、図6(b)は(a)中のa−a線で支持プレート、伝達ギア及びアームの断面をとった部分断面図であり、図6(c)は(a)中のb方向からみた上面図である。
【0055】
図6(b)に示すように、伝達ギア部6a1は、支持プレート5bに形成された固定軸9を中心として回転自在に設けられ、支持プレート5b側に小径の伝達ギア部6b1が同軸に一体に形成されている。伝達ギア部6a1又は伝達ギア部6b1のいずれかと、不図示の電動モータの回転軸に取り付けた伝達ギア(図1中の伝達ギア6aに相当するギア)とが噛み合って、電動モータの駆動トルクが伝達される。なお、伝達ギア部6a1,6b1が、第1伝達ギアを構成する。
【0056】
伝達ギア部6fは、支持プレート5b側に小径の伝達ギア部6c1が同軸に一体に形成されており、固定軸9を中心として、伝達ギア部6a1,6b1とは独立して回転自在に設けられる。伝達ギア部6f又は伝達ギア部6c1のいずれかと、不図示の出力軸に取り付けた伝達ギア(図1中の伝達ギア7に相当するギア)とが噛み合って、電動モータの駆動トルクが出力軸に伝達される。なお、伝達ギア部6f,6c1により第3伝達ギアが構成される。
【0057】
伝達ギア部6dは、支持プレート5b側に小径の伝達ギア部6eが同軸に一体に形成されており、固定軸8を中心として、アーム10とは独立して回転自在に設けられる。伝達ギア部6eと、伝達ギア部6fとが噛み合って、電動モータの駆動トルクが出力軸側に伝達される。なお、伝達ギア部6d,6eにより第2伝達ギアが構成される。
【0058】
アーム10は、図6(b)に示すように、基部が固定軸9を中心として回転自在に取り付けられる。また、固定軸8は、図6(a)に示すように、左右両側にスプリング止め部12がそれぞれ形成されており、スプリング止め部12と固定軸8の間にコイルスプリング11が配置される。これにより、出力軸及び伝達ギア部6fが回転している間は、固定軸8はコイルスプリング11によって両側から支持され、アーム10は中間位置に停止している。
【0059】
固定軸8の上端部(支持プレート5a側の端部)は、支持プレート5aに形成した貫通孔5cを通して支持プレート5a上に突出しており、アーム10の回転に伴ってリミットスイッチ13のスイッチ部13aを押下する。
【0060】
次に動作について説明する。
不図示の電動モータの回転による回転トルクは、弁体の駆動トルクとして、伝達ギア部6a1に伝達され、伝達ギア部6a1と一体に回転する伝達ギア部6b1を介して伝達ギア部6dに伝達される。さらに、伝達ギア部6dに伝わった駆動トルクは、一体に回転する伝達ギア部6eを介して伝達ギア部6fに伝達され、出力軸が回転する。
【0061】
弁体の移動が進み、弁開口部に着座して全閉状態になると、弁軸の移動限界に達して出力軸の回転がロックされ、これに伴って、伝達ギア部6f,6c1の回転がロックされる。この後、電動モータから、さらに伝達ギア部6f,6c1に回転トルクが加わると、この回転トルクに比例した荷重で固定軸8がコイルスプリング11を変形させながら、アーム10が固定軸9を中心として回転し、伝達ギア部6d,6eが伝達ギア部6fの周りを公転する。
【0062】
伝達ギア部6d,6eの公転に伴ってアーム10の移動が進むと、図6(c)に示すように、貫通孔5cを通して支持プレート5a上に突出したアーム10が、リミットスイッチ13のスイッチ部13aを押下する。これにより、前述した駆動制御部が、通常の駆動トルクからより高い駆動トルクに切り替える。これにより、全閉状態において、適切なトルクで弁体を弁開口部に押し付ける操作が行われる。
【0063】
図6の例では、伝達ギア部6d,6eの固定軸8がリミットスイッチ13をオンオフするアーム部の機能を兼ねたものであり、図1及び図2で示した構成より少ないスペースでリミットスイッチの制御機構を構成することができる。
【0064】
なお、上記説明では、伝達ギア部6f又は伝達ギア部6c1と、不図示の出力軸に取り付けた伝達ギアとが噛み合って出力軸を駆動する例を示したが、図6中の固定軸9を出力軸で代替し、当該出力軸と一体に回転するように伝達ギア部6f,6c1を構成し、伝達ギア部6a1,6b1を当該出力軸及び伝達ギア部6f,6c1と独立に回転自在に設けることで、さらに省スペース化を実現することができる。
【0065】
さらに、リミットスイッチの制御機構は、以下のような構成でもよい。
図7は、リミットスイッチの制御機構の他の構成を示す図であり、図7(a)は伝達ギア部6d,6e側からみた図であり、図7(b)は(a)中のc−c線で支持プレート、伝達ギア及びアームの断面をとった部分断面図であり、図7(c)は(a)中のc方向からみた上面図である。図7の例では、リミットスイッチ13が支持プレート5b上に設けられている。
【0066】
図7(b)に示すように、伝達ギア部6a1は、支持プレート5bに形成された固定軸9を中心として回転自在に設けられ、支持プレート5b側に小径の伝達ギア部6b1が同軸に一体に形成されている。伝達ギア部6a1又は伝達ギア部6b1のいずれかと、不図示の電動モータの回転軸に取り付けた伝達ギア(図1中の伝達ギア6aに相当するギア)とが噛み合って、電動モータの駆動トルクが伝達される。なお、伝達ギア部6a1,6b1が、第1伝達ギアを構成する。
【0067】
伝達ギア部6fは、支持プレート5b側に小径の伝達ギア部6c1が同軸に一体に形成されており、固定軸9を中心として、伝達ギア部6a1,6b1とは独立して回転自在に設けられる。伝達ギア部6f又は伝達ギア部6c1のいずれかと、不図示の出力軸に取り付けた伝達ギア(図1中の伝達ギア7に相当するギア)とが噛み合って、電動モータの駆動トルクが出力軸に伝達される。なお、伝達ギア部6f,6c1により第3伝達ギアが構成される。
【0068】
伝達ギア部6dは、支持プレート5b側に小径の伝達ギア部6eが同軸に一体に形成されており、固定軸8を中心として、アーム10とは独立して回転自在に設けられる。伝達ギア部6eと、伝達ギア部6fとが噛み合って、電動モータの駆動トルクが出力軸側に伝達される。なお、伝達ギア部6d,6eにより第2伝達ギアが構成される。
ここまでの構成は、図6と同様である。
【0069】
図7に示すアーム10は、基部が固定軸9に回転自在に取り付けられ、アーム10の長手方向に基部から延びた延長部10dが形成される。この延長部10dに対して、図7(c)に示すように、左右両側にスプリング止め部12がそれぞれ形成されており、スプリング止め部12と固定軸8の間にコイルスプリング11が配置される。これにより、出力軸及び伝達ギア部6fが回転している間は、延長部10dがコイルスプリング11によって両側から支持され、アーム10が中間位置に停止している。
【0070】
また、アーム10のもう一方の端部に形成した当接部10eの両側には、図7(a)に示すように、リミットスイッチ13がそれぞれ配置される。これにより、アーム10の回転に伴って、当接部10eがリミットスイッチ13のスイッチ部13aを押下する。
【0071】
次に動作について説明する。
不図示の電動モータの回転による回転トルクは、弁体の駆動トルクとして、伝達ギア部6a1に伝達され、伝達ギア部6a1と一体に回転する伝達ギア部6b1を介して伝達ギア部6dに伝達される。さらに、伝達ギア部6dに伝わった駆動トルクは、一体に回転する伝達ギア部6eを介して伝達ギア部6fに伝達され、出力軸が回転する。
【0072】
弁体の移動が進み、弁開口部に着座して全閉状態になると、弁軸の移動限界に達して出力軸の回転がロックされ、これに伴って、伝達ギア部6f,6c1の回転がロックされる。この後、電動モータから、さらに伝達ギア部6f,6c1に回転トルクが加わると、この回転トルクに比例した荷重でアーム10の延長部10dがコイルスプリング11を変形させながら、アーム10が固定軸9を中心として回転し、伝達ギア部6d,6eが伝達ギア部6fの周りを公転する。
【0073】
伝達ギア部6d,6eの公転に伴ってアーム10の移動が進むと、図7(b)に示すように、アーム10の当接部10eがリミットスイッチ13のスイッチ部13aを押下する。これにより、前述した駆動制御部が、通常の駆動トルクからより高い駆動トルクに切り替える。これにより、全閉状態において、適切なトルクで弁体を弁開口部に押し付ける操作を行うことができる。
【0074】
図7の例では、支持プレート5a上にリミットスイッチ13を設けず、アーム10に近い支持プレート5b上にリミットスイッチ13を配置し、アーム10の各端部でコイルスプリング11による支持と、リミットスイッチ13のオンオフとをそれぞれ行っている。このように構成することで、図1及び図2で示した例より簡易な構成で、かつ省スペースなリミットスイッチの制御機構を実現することができる。
【0075】
なお、上記説明では、伝達ギア部6f又は伝達ギア部6c1と、不図示の出力軸に取り付けた伝達ギアとが噛み合って出力軸を駆動する例を示したが、図7中の固定軸9を出力軸で代替し、当該出力軸と一体に回転するように伝達ギア部6f,6c1を構成し、伝達ギア部6a1,6b1を当該出力軸及び伝達ギア部6f,6c1と独立に回転自在に設けることで、さらに省スペース化を実現することができる。
【0076】
以上のように、この実施の形態1によれば、弁開度の制御において電動アクチュエータ1に加わる一定以上の負荷トルクを検知し、負荷トルクの検知に応じて電動モータ3の駆動トルクを低トルク又は高トルクに切り替えるので、通常時に低トルクで動作させ、必要に応じて通常トルクより高いトルクに切り替えることができることから、出力トルクの高い大型のモータを用いることなく、安価に構成できる上、小型化を図ることも可能である。また、弁体の位置で駆動トルクを切り替えるのではなく、弁体17の駆動に際して生じる負荷トルクを検知して駆動トルクを切り替えることから、必要なトルクを的確に与えることができる。
【0077】
また、この実施の形態1によれば、弁本体2が直動弁であり、弁本体2の全閉状態に弁軸15が移動限界に達して出力軸4の回転が規制された際に電動モータ3から伝達される駆動トルクを負荷トルクとして検知するので、直動弁の全閉時に過大なトルクの荷重が弁体17にかかることが防止され、さらに内部リークを防ぐのに必要な弁体の押し付け操作を確実に行うことができる。
【0078】
さらに、この実施の形態1によれば、電動アクチュエータ1が、電動モータ3の駆動トルクが伝達される第1伝達ギアである伝達ギア6aと、伝達ギア6aに隣接し、伝達ギア6aと噛み合う伝達ギア部6d及び同軸に一体で形成された伝達ギア部6eからなる第2伝達ギアと、伝達ギア部6eと噛み合う伝達ギア部6b及びこれと同軸に一体で形成された伝達ギア部6cからなり、伝達ギア部6cを介して電動モータ3の駆動トルクを出力軸4に伝達する第3伝達ギアと、オンオフに応じて駆動制御部によるトルク切り替えを制御するリミットスイッチ13と、出力軸4の回転が規制された際に伝達ギア6a及び伝達ギア部6d,6eを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重で動作してリミットスイッチ13をオンオフするアーム10とを備えるので、複雑な回路を必要とせず、簡易な構成で弁開度の制御に際して生じた電動モータ3や伝達ギアに対する負荷トルクを検知して駆動トルクを切り替えることができる。
【0079】
さらに、この実施の形態1によれば、アーム10が、伝達ギア部6d,6eからなる第2伝達ギアが回転自在に取り付けられる固定軸8を有し、伝達ギア部6b,6c(又は伝達ギア部6f,6c1)からなる第3伝達ギアの回転中心となる固定軸9b(又は固定軸9)に回転自在に取り付けられ、固定軸9b(又は固定軸9)を中心とした回転がコイルスプリング11の付勢力により規制された部材からなり、出力軸4の回転が規制された際に第1伝達ギア及び第2伝達ギアを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重でコイルスプリング11を変形させながら、固定軸8と共に固定軸9b(又は固定軸9)を中心に回転してリミットスイッチ13をオンオフするので、負荷トルクの検知を簡易な構成で実現することができる。
【0080】
なお、上記実施の形態1では、弁が全閉状態になったとき、電動モータ3のトルク切り替えを行う例を示したが、全閉状態でオンされるリミットスイッチ13に対向して設けた全開状態でオンされるリミットスイッチ13のオンオフに応じて、電動モータ3のトルク切り替えを行ってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態1では、全閉側と全開側とに対向するようにリミットスイッチ13を配置する例を示したが、さらに中間開度の位置における固定軸8やアーム10の当接部10eを検知するセンサやスイッチを設け、中間開度における固定軸8やアーム10の当接部10eの位置を検知してトルク制御するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明の実施の形態1による電動制御弁の構成を示す図である。
【図2】図1中のアームの動作を説明するための図である。
【図3】実施の形態1による電動制御弁の駆動制御部の構成を示す図である。
【図4】駆動制御部の他の構成例を示す図である。
【図5】ステッピングモータにおける駆動電流値に応じた出力トルクと回転数との関係を示すグラフである。
【図6】リミットスイッチの制御機構の他の構成を示す図である。
【図7】リミットスイッチの制御機構の他の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 電動アクチュエータ
2 弁本体
3 電動モータ
4 出力軸
5a,5b 支持プレート
5c 貫通孔
6a,7 伝達ギア
6b〜6f,6a1,6b1,6c1, 伝達ギア部
8,9,9b 固定軸
9a 回転軸
10 アーム
10a 基部
10b 梁部
10c アーム部
10d 延長部
10e 当接部
11 コイルスプリング
12 スプリング止め部
13 リミットスイッチ
13a スイッチ部
14 ボールベアリング
15 弁軸
16 摺動孔
17 弁体
17a シール部材
17b シートリング
18,19 流体通路
20 ダイヤフラム
21 ガスケット
22 ダイヤフラム押さえ
23 シール部材
24 軸支持部材
25 O−リング
26 止めねじ
27 ベローズ
28 電源回路
29 回転方向制御回路
30 発振回路
31 励磁回路
32,32a スイッチ
33a,33b RC回路
34a,34b 抵抗
35a,35b コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁軸の駆動で弁開度が制御される弁本体と、前記弁軸に出力軸が連結され、電動モータの回転による駆動トルクで前記出力軸を介して前記弁軸を駆動することにより前記弁本体の弁開度を制御する電動アクチュエータとを備えた電動制御弁において、
前記電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクのいずれかに切り替える駆動制御部と、
前記弁開度の制御において前記電動アクチュエータに加わる一定以上の負荷トルクを検知するトルク検知手段とを備え、
前記駆動制御部は、前記トルク検知手段による負荷トルクの検知に応じて、前記電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクに切り替えることを特徴とする電動制御弁。
【請求項2】
弁本体は、流体の入出する弁開口部と、弁軸の端部に設けた弁体とを備え、前記弁軸が軸方向に移動して前記弁体が前記弁開口部を開閉する直動弁からなり、
トルク検知手段は、弁開度が全閉状態又は全開状態となって前記出力軸の回転が規制された際に電動モータから伝達される駆動トルクを負荷トルクとして検知することを特徴とする請求項1記載の電動制御弁。
【請求項3】
トルク検知手段は、
電動モータの駆動トルクが伝達される第1伝達ギアと、
前記第1伝達ギアに隣接し、前記第1伝達ギアと噛み合う第2伝達ギアと、
前記第2伝達ギアと噛み合って前記電動モータの駆動トルクを出力軸に伝達する第3伝達ギアと、
前記電動モータのトルク切替を行う駆動制御部を制御するスイッチと、
前記出力軸の回転が規制された際に前記第1伝達ギア及び前記第2伝達ギアを介して伝達された負荷トルクに対応する荷重で動作して前記スイッチをオンオフするスイッチ制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の電動制御弁。
【請求項4】
スイッチ制御手段は、
第2伝達ギアが回転自在に取り付けられた第1固定軸を有し、
前記第3伝達ギアの回転中心となる第2固定軸に回転自在に取り付けられ、
前記第2固定軸を中心とした回転が弾性体の付勢力により規制された部材からなり、
出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び前記第2伝達ギアを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重で前記弾性体を変形させながら、前記第2固定軸を中心に回転してスイッチをオンオフすることを特徴とする請求項3記載の電動制御弁。
【請求項5】
電動モータの回転による駆動トルクで出力軸を回転させて弁開度を制御する電動アクチュエータにおいて、
前記電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクのいずれかに切り替える駆動制御部と、
弁開度の制御で加わる一定以上の負荷トルクを検知するトルク検知手段とを備え、
前記駆動制御部は、前記トルク検知手段による負荷トルクの検知に応じて、前記電動モータの駆動トルクを低トルク又は高トルクに切り替えることを特徴とする電動アクチュエータ。
【請求項6】
トルク検知手段は、
電動モータの駆動トルクが伝達される第1伝達ギアと、
前記第1伝達ギアに隣接し、前記第1伝達ギアと噛み合う第2伝達ギアと、
前記第2伝達ギアと噛み合って前記電動モータの駆動トルクを出力軸に伝達する第3伝達ギアと、
オンオフに応じて駆動制御部によるトルク切り替えを制御するスイッチと、
前記出力軸の回転が規制された際に前記第1伝達ギア及び前記第2伝達ギアを介して前記電動モータから伝達される駆動トルクである負荷トルクに対応する荷重で動作して前記スイッチをオンオフするスイッチ制御手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
スイッチ制御手段は、
第2伝達ギアが回転自在に取り付けられる第1固定軸を有し、
前記第3伝達ギアの回転中心となる第2固定軸に回転自在に取り付けられ、
前記第2固定軸を中心とした回転が弾性体の付勢力により規制された部材からなり、
出力軸の回転が規制された際に第1伝達ギア及び前記第2伝達ギアを介して伝達される負荷トルクに対応する荷重で前記弾性体を変形させながら、前記第2固定軸を中心に回転してスイッチをオンオフすることを特徴とする請求項6記載の電動アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−151293(P2008−151293A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341247(P2006−341247)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】