説明

電子ペン認証装置、電子ペン認証方法、及びプログラム

【課題】電子ペンを用いた細かい認証を行うことができる電子ペン認証装置を提供する。
【解決手段】ユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部31と、ユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペンを識別する電子ペン識別情報を受信する電子ペン識別情報受信部32と、ユーザが電子ペンを使用して名前を記載した際のその記載に関する記載情報を受信する記載情報受信部33と、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報とを少なくとも対応付ける対応情報が記憶される対応情報記憶部35と、対応情報を用いて、ユーザ識別情報を用いた認証と電子ペン識別情報を用いた認証と記載情報を用いた認証とを行う認証部36とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ識別情報や、電子ペン識別情報等を用いた認証を行う電子ペン認証装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イーラーニングシステムにおいて、不正防止の観点から受講生の認証が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−189558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来例のイーラーニングの方法では、受講者の認証において、正当であるか正当でないかを認証するのみであり、細かい認証を行うことができないという問題があった。例えば、ユーザIDやパスワードは正当であったとしても、その他の情報から、不正が行われている可能性が高いことを検知することができなかった。
【0004】
一般的に言うと、所定の入力デバイスを用いたデータ入力時(例えば、上記従来例の場合には回答の入力時)に、細かい認証を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、情報の入力を行う際に、電子ペンを用いた細かい認証を行うことができる電子ペン認証装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による電子ペン認証装置は、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペンを識別する情報である電子ペン識別情報を受信する電子ペン識別情報受信部と、前記ユーザが前記電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの電子ペンを識別する電子ペン識別情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部と、前記対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報を用いた認証と、前記電子ペン識別情報受信部が受信した電子ペン識別情報を用いた認証と、前記記載情報受信部が受信した記載情報を用いた認証とを行う認証部と、を備えたものである。
【0007】
このような構成により、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報ごとの認証を行うことができ、より細かい認証を行うことができうる。例えば、ユーザ識別情報と、電子ペン識別情報とを用いて正当であると認証されたとしても、記載情報を用いて正当でないと認証された場合には、不正の行われている可能性の高いことを検知することができうる。
【0008】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記ユーザ識別情報受付部は、ユーザ識別情報とパスワードとを受け付けるものであり、前記対応情報記憶部で記憶される対応情報は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応するパスワードとをも対応付ける情報であり、前記認証部は、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、パスワードとが前記対応情報において対応付けられている場合に、前記ユーザ識別情報に関する認証において正当であると認証し、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、前記電子ペン識別情報受信部が受信した電子ペン識別情報とが前記対応情報において対応付けられている場合に、前記電子ペン識別情報に関する認証において正当であると認証してもよい。
【0009】
このような構成により、パスワードを用いて、ユーザ識別情報に関する認証を行うことができる。その結果、ユーザ識別情報に関するより厳密な認証ができうることになる。
【0010】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記対応情報記憶部で記憶される対応情報は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とをも対応付ける情報であり、前記認証部は、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、前記記載情報受信部が受信した記載情報に一致する過去記載情報とが前記対応情報において対応付けられている場合に、前記記載情報に関する認証において正当であると認証してもよい。
【0011】
このような構成により、過去記載情報を用いて、記載情報に関する認証を行うことができる。その結果、記載情報に関するより厳密な認証ができうることになる。
【0012】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記認証部による認証の結果を示す情報である認証結果情報を出力する認証結果情報出力部をさらに備えてもよい。
このような構成により、例えば、出力された認証結果情報によって、ユーザ等が認証結果を知ることができるようになりうる。
【0013】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記記載情報は、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報であってもよい。
このような構成により、例えば、記載情報に含まれる画数等を用いることによって、記載情報に関する認証を行うことができるようになる。
【0014】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記記載情報は、電子ペンによる記載対象の座標値を少なくとも示す情報であり、前記記載情報から、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報を取得する情報取得部をさらに備え、前記認証部は、前記情報取得部が取得した情報を用いて記載情報に関する認証を行ってもよい。
【0015】
このような構成により、例えば、記載情報に含まれる座標値等から、画数等の情報を取得することができ、その取得された画数等の情報を用いることによって、記載情報に関する認証を行うことができるようになる。
【0016】
また、本発明による電子ペン認証装置では、ユーザ識別情報に関する認証結果を示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果を示す情報と、記載情報に関する認証結果を示す情報と、認証結果に応じて実行する処理を示す情報である処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が記憶される認証結果対応情報記憶部と、前記認証結果対応情報において、前記認証部によるユーザ識別情報に関する認証結果と、電子ペン識別情報に関する認証結果と、記載情報に関する認証結果とに対応する処理情報の示す処理を実行する実行部と、をさらに備えてもよい。
【0017】
このような構成により、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報のそれぞれの認証結果に応じた処理を実行することができるようになり、細かい認証結果を有効に利用することができうることになる。
【0018】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記認証結果対応情報記憶部では、ユーザ識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当でないことを示す情報と、記載情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペンの交換を要求する情報である交換要求情報を出力する処理を示す処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が少なくとも記憶されてもよい。
【0019】
このような構成により、ユーザ識別情報、記載情報に関する認証結果が正当であるが、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当でない場合には、電子ペンの交換を促すことができる。ユーザが自分の電子ペンを使用していないと考えられるからである。
【0020】
また、本発明による電子ペン認証装置では、前記実行部は、電子ペンの交換を要求する情報である交換要求情報を出力する処理を実行する場合に、正当でないと認証された電子ペン識別情報で識別される電子ペンに交換要求情報を送信してもよい。
このような構成により、例えば、電子ペンにおいて、交換要求情報が出力されることになり、電子ペンのユーザに確実に交換要求情報を認知させることができうることになる。
【0021】
また、本発明による電子ペン認証装置では、テスト問題を示す情報であるテスト問題情報が記憶されるテスト問題情報記憶部をさらに備え、前記認証結果対応情報記憶部では、ユーザ識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、記載情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、前記テスト問題情報を出力する処理を示す処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が少なくとも記憶されてもよい。
【0022】
このような構成により、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報に関する認証結果が正当である場合に、テストが実行されることになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による電子ペン認証装置等によれば、情報の入力を行う際に、電子ペンを用いた細かい認証を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明による電子ペン認証装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0025】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による電子ペン認証装置を含む電子ペン認証システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態による電子ペン認証システムの構成を示す図である。本実施の形態による電子ペン認証システムは、電子ペン1と、情報処理装置2と、電子ペン認証装置3とを備える。電子ペン1と、情報処理装置2とは、有線または無線の通信回線で接続されているものとする。この通信は、例えば、赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信であってもよい。また、情報処理装置2と、電子ペン認証装置3とは、有線または無線の通信回線500で接続されている。通信回線500は、例えば、インターネットやイントラネット、公衆電話回線網等である。
【0027】
電子ペン1は、ペンで紙などの媒体4に記載した文字や図形等をデジタル化するものである。例えば、ペン自体が文字等をデジタル化する技術を有してもよく、あるいは、タッチパネルやペンタブレットのように、ペン以外の方に文字等をデジタル化する技術が存在してもよい。前者の場合の例としては、アノト社の開発した電子ペンがある。これは、媒体4に特殊ドットパターンが印刷されており、その特殊ドットパターンを用いて電子ペン1が座標値を検出することによって、文字等をデジタル化するものである。一方、後者の場合の例としては、前述のペンタブレットや、電子ペン1が発生した超音波を、媒体4に固定した受信機で受信し、その超音波の伝搬する時間から電子ペン1の位置を取得するものなどがある。このように、電子ペン1は、手書きの筆跡をデジタル化できるものであればその手法を問わない。したがって、情報処理装置2が受信する手書きの筆跡に関する情報等は、電子ペン1から直接、情報処理装置2に入力されてもよく、あるいは、タブレットや、受信機等から情報処理装置2に入力されてもよい。本実施の形態では、アノト方式の電子ペン1であり、電子ペン1から直接、手書きの筆跡に関する情報等が情報処理装置2に送信される場合について説明する。
【0028】
なお、電子ペン1が有する筆記具の種類は問わない。その筆記具は、例えば、水性や油性のボールペンであってもよく、鉛筆であってもよく、シャープペンシルであってもよく、万年筆であってもよく、サインペンであってもよく、その他の筆記具であってもよい。また、媒体4は、例えば、テストの解答用紙であってもよく、選挙の投票用紙であってもよく、アンケートの回答用紙であってもよく、ビジネスで用いられる報告書(例えば、日報や月報など)であってもよく、その他の用途で用いられるものであってもよい。
【0029】
図2は、本実施の形態による電子ペン1の構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態による電子ペン1は、電子ペン識別情報記憶部11と、座標情報取得部12と、圧力情報取得部13と、記載情報構成部14と、送信部15と、受信部16と、出力部17とを備える。なお、この電子ペン1の構成は一例であって、ペンタブレット形式の電子ペン1などの場合には、図2と異なる構成であってもよい。
【0030】
電子ペン識別情報記憶部11では、電子ペンを識別する情報である電子ペン識別情報が記憶される。電子ペン識別情報は、例えば、電子ペン1の製造番号や、電子ペン1の通信で用いられるアドレス等の情報であってもよく、その他の情報であってもよい。電子ペン識別情報記憶部11に電子ペン識別情報が記憶される過程は問わない。例えば、電子ペン1の製造時に、あらかじめ電子ペン識別情報の記憶された記録媒体が電子ペン1に組み込まれてもよく、あるいは、電子ペン1の製造後に、通信回線等を介して送信された電子ペン識別情報や、入力デバイスを介して入力された電子ペン識別情報が電子ペン識別情報記憶部11で記憶されるようになってもよい。電子ペン識別情報記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。電子ペン識別情報記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0031】
座標情報取得部12は、媒体4の表面における座標を示す情報である座標情報を取得する。座標情報取得部12は、例えば、特殊ドットパターンが印刷されている媒体から、特殊ドットパターンによる座標検出技術を用いて座標情報を取得してもよい。具体的には、座標情報取得部12は、CCDカメラと、パターン認識及び解析を行うプロセッサとで構成されてもよい。そして、媒体4に印刷されている0.3mmピッチのグリッドに沿ってドットを示す特殊ドットパターンを1秒あたり60フレームで撮影する。プロセッサは、その撮影画像をパターン認識することによって、Right,Left,Up,Downの4パターンに振り分ける。そして、プロセッサは、その認識されたパターンを解析することによって、CCDカメラの移動、すなわち、撮影されたパターンの変化を検出し、座標値を取得することができる。なお、座標情報取得部12は、これ以外の方法によって座標情報を取得してもよい。例えば、媒体4に印刷されているバーコードを読み取り、そのバーコードを用いて座標情報を取得してもよい。この場合には、座標情報取得部12は、例えば、バーコードを読み取るバーコードリーダ等によって構成される。
【0032】
圧力情報取得部13は、電子ペン1の有する筆記具の媒体4に対する圧力を示す情報である圧力情報を取得する。圧力情報取得部13は、例えば、静電容量の変化や、歪みを検出する圧力センサ等によって実現されうる。
【0033】
記載情報構成部14は、電子ペン1を用いて媒体4に記載された際のその記載に関する情報である記載情報を構成する。この記載情報は、例えば、座標情報と圧力情報とを有する情報であってもよく、その情報から得られた、記載に関する特徴データであってもよい。特徴データとは、記載に関する特徴を示す情報であり、例えば、筆跡や、文字の画数、筆圧、記載時間、書き順等を示す情報であってもよい。記載情報が特徴データである場合には、座標情報や圧力情報から筆跡等の情報を取得する図示しない情報取得部を電子ペン1が有してもよい。本実施の形態では、記載情報構成部14が構成する記載情報は、座標情報と圧力情報とを有する情報であるとする。その記載情報のデータ構造等は問わない。
【0034】
送信部15は、記載情報構成部14が構成した記載情報と、電子ペン識別情報記憶部11で記憶されている電子ペン識別情報とを情報処理装置2に送信する。両者の送信のタイミングは問わない。両者が一緒に送信されてもよく、あるいは、別のタイミングで送信されてもよい。なお、送信部15は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、送信部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。本実施の形態では、送信部15が、Bluetooth(登録商標)を用いて情報を送信する場合について説明する。
【0035】
受信部16は、情報処理装置2から送信された情報を受信する。その情報は、例えば、後述する交換要求情報であってもよく、その他の情報であってもよい。なお、受信部16は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受信部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。本実施の形態では、受信部16が、Bluetooth(登録商標)を用いて情報を受信する場合について説明する。
【0036】
出力部17は、受信部16が受信した情報を出力する。例えば、受信部16が後述する交換要求情報を受信した場合に、その情報を出力してもよい。ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。なお、出力部17は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやスピーカなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、出力部17は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0037】
図3は、本実施の形態による情報処理装置2の構成を示すブロック図である。図3において、本実施の形態による情報処理装置2は、ユーザ識別情報受付部21と、電子ペン識別情報受信部22と、記載情報受信部23と、送信部24と、受信部25と、表示部26と、送信部27とを備える。
【0038】
ユーザ識別情報受付部21は、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付ける。なお、ユーザ識別情報受付部21は、ユーザ識別情報とパスワードとを受け付けるものであってもよい。本実施の形態では、パスワードも受け付けられる場合について説明する。
【0039】
ユーザ識別情報受付部21は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された情報を受け付けてもよい。本実施の形態では、ユーザ識別情報受付部21は、入力デバイスから入力されたユーザ識別情報を受け付けるものとする。なお、ユーザ識別情報受付部21は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、ユーザ識別情報受付部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0040】
電子ペン識別情報受信部22は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペン1を識別する情報である電子ペン識別情報を受信する。本実施の形態では、電子ペン識別情報受信部22が、Bluetooth(登録商標)を用いて電子ペン1から送信された電子ペン識別情報を受信する場合について説明する。
【0041】
なお、電子ペン識別情報受信部22は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、電子ペン識別情報受信部22は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0042】
記載情報受信部23は、ユーザが電子ペン1を使用した記載に関する情報である記載情報を受信する。本実施の形態では、記載情報受信部23は、Bluetooth(登録商標)を用いて電子ペン1から送信された記載情報を受信する場合について説明する。
【0043】
なお、記載情報受信部23は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、記載情報受信部23は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0044】
ここで、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、電子ペン識別情報受信部22が受信した電子ペン識別情報とが対応するものであること、すなわち、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペン1を識別する電子ペン識別情報が、電子ペン識別情報受信部22が受信したものであることを見分ける方法について簡単に説明する。例えば、あらかじめ決められた一定時間以内に、ユーザ識別情報受付部21がユーザ識別情報を受け付け、電子ペン識別情報受信部22が電子ペン識別情報を受信した場合に、両者が対応するものであると判断してもよい。また、電子ペン識別情報受信部22が電子ペン識別情報を受信したことに応じて、ユーザ識別情報の入力画面を出力し、その入力画面の出力に応じてユーザ識別情報が入力され、ユーザ識別情報受付部21で受け付けられた場合に、それらの電子ペン識別情報とユーザ識別情報とが対応するものであると判断してもよい。また、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、記載情報受信部23が受信した記載情報についても同様であるとする。また、後述する電子ペン認証装置3におけるユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、電子ペン識別情報受信部32が受信した電子ペン識別情報とについても同様であるとする。また、後述する電子ペン認証装置3におけるユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、記載情報受信部33が受信した記載情報についても同様であるとする。なお、電子ペン認証装置3での受信や受け付けの場合には、2以上の情報を同時に受信したり、受け付けたりしたことによって、その2以上の情報が対応するものであると判断してもよい。例えば、同一パケットに2以上の情報(例えば、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報など)が含まれていた場合などには、その2以上の情報が対応するものであると判断してもよい。
【0045】
送信部24は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報やパスワード、電子ペン識別情報受信部22が受信した電子ペン識別情報、記載情報受信部23が受信した記載情報を電子ペン認証装置3に送信する。送信部24は、あらかじめ図示しない記録媒体において電子ペン認証装置3のアドレス等を保持していてもよく、あるいは、ユーザ識別情報等の送信時に、他の構成要素から電子ペン認証装置3のアドレス等を受け取ってもよい。また、送信部24が、ユーザ識別情報等の情報を送信するタイミングは問わない。送信部24は、それらの情報を一緒に送信してもよく、あるいは、別々のタイミングで送信してもよい。
【0046】
なお、送信部24は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、送信部24は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0047】
受信部25は、電子ペン認証装置3から送信された情報を受信する。その情報は、例えば、後述するテスト問題情報や交換要求情報であってもよい。なお、受信部25は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受信部25は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0048】
表示部26は、受信部25が受信した情報を表示する。表示部26が表示する情報は、例えば、後述するテスト問題情報であってもよい。なお、表示部26は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示部26は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0049】
送信部27は、受信部25が受信した情報を電子ペン1に送信する。送信部27が送信する情報は、例えば、後述する交換要求情報であってもよい。なお、送信部27は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、送信部27は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。本実施の形態では、送信部27が、Bluetooth(登録商標)を用いて情報を電子ペン1に送信する場合について説明する。
【0050】
図4は、本実施の形態による電子ペン認証装置3の構成を示すブロック図である。図4において、本実施の形態による電子ペン認証装置3は、ユーザ識別情報受付部31と、電子ペン識別情報受信部32と、記載情報受信部33と、情報取得部34と、対応情報記憶部35と、認証部36と、認証結果情報出力部37と、認証結果対応情報記憶部38と、テスト問題情報記憶部39と、実行部40とを備える。
【0051】
ユーザ識別情報受付部31は、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付ける。なお、ユーザ識別情報受付部31は、ユーザ識別情報とパスワードとを受け付けるものであってもよい。本実施の形態では、パスワードも受け付けられる場合について説明する。
【0052】
ユーザ識別情報受付部31は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された情報を受け付けてもよい。本実施の形態では、ユーザ識別情報受付部31は、情報処理装置2から送信されたユーザ識別情報等を受信するものとする。なお、ユーザ識別情報受付部31は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、ユーザ識別情報受付部31は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0053】
電子ペン識別情報受信部32は、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペン1を識別する情報である電子ペン識別情報を受信する。本実施の形態では、電子ペン識別情報受信部32が、情報処理装置2から送信された電子ペン識別情報を受信する場合について説明する。
【0054】
なお、電子ペン識別情報受信部32は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、電子ペン識別情報受信部32は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0055】
記載情報受信部33は、ユーザが電子ペン1を使用して名前を記載した際のその記載に関する情報である記載情報を受信する。なお、「名前」は、例えば、姓のみであってもよく、名のみであってもよく、姓名(氏名)であってもよい。また、「名前」は、個人を特定できる情報であればよく、例えば、受験番号等のように個人を識別するために用いられる情報であってもよい。また、記載情報受信部33は、名前の記載以外の場合における記載情報をも受信してもよい。本実施の形態では、記載情報受信部33が、情報処理装置2から送信された記載情報を受信する場合について説明する。この記載情報は、前述のように、電子ペン1による記載対象の座標値を少なくとも示す情報であってもよく、あるいは、その情報から得られた、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報であってもよい。前者の場合には、前述のように、記載情報は座標情報と圧力情報とを有するものであってもよい。さらに、記載情報は、座標情報によって示される位置への記載がなされた時間を示す時間情報をも含んでいてもよい。この時間情報は、電子ペン1によって構成されたものであってもよく、あるいは、電子ペン1から送信された座標情報等を受信した装置において付加されたものであってもよい。本実施の形態では、記載情報が、座標情報と圧力情報とを含むものである場合について説明する。記載情報が電子ペン1による記載対象の座標値を少なくとも示す情報である場合に、その記載情報は、電子ペン1から順次、リアルタイムで入力されてくるものであってもよく(この場合でも、情報処理装置2経由で入力されてもよい)、あるいは、一時的に情報処理装置2等で蓄積されて、まとめて入力されてくるものであってもよい。なお、記載情報が画数等を示す情報である場合に、座標情報等から画数等を示す情報への変換は、どこでなされてもよい。例えば、電子ペン1においてなされてもよく、情報処理装置2においてなされてもよく、その他の装置においてなされてもよい。
【0056】
なお、記載情報受信部33は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、記載情報受信部33は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0057】
情報取得部34は、電子ペン1による記載対象の座標値を少なくとも示す情報である記載情報から、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報を取得する。なお、情報処理部34は、その取得した画数等を示す情報を図示しない記録媒体において一時的に記憶してもよい。電子ペン1による記載に関する記載情報から、文字認識等を行う技術がすでに知られており、その技術を応用することによって、情報処理部34は、画数等を取得することができる。
【0058】
例えば、情報取得部34は、記載情報と、文字認識後の文字とを比較することによって、記載情報における文字の切れ目を認識することができる。そして、情報取得部34は、その文字の切れ目から次の文字の切れ目までの記載情報において、連続して記載された箇所(例えば、漢字の一画など)の数をカウントすることによって、文字ごとの画数を示す情報を取得することができる。なお、情報取得部34が、文字ごとの画数を取得するのではなく、複数の文字の全体の画数を取得する場合には、文字認識後の文字との比較を行わなくてもよい。
【0059】
また、情報取得部34は、記載情報の示す座標値をつなげることによって、筆跡を示す情報を取得することができる。この筆跡を取得する方法は、すでに知られているものである。また、情報取得部34は、記載情報に含まれる圧力情報を用いることによって、筆圧を示す情報を得ることができる。この筆圧を示す情報は、例えば、文字の一画ごとの圧力を示す情報であってもよく、時系列に沿った圧力を示す情報であってもよく、文字ごとあるいは複数の文字にわたった圧力の平均値であってもよい。
【0060】
また、情報取得部34は、複数の文字に関する記載の終了時間から開始時間を引くことにより、その複数の文字の記載時間を得ることができる。例えば、記載情報に含まれる各座標情報に時間を示す情報が対応付けられている場合には、その時間を示す情報を用いて開始時間、終了時間を得ることができる。その時間を示す情報は、電子ペン1において付加されたものであってもよく、情報処理装置2において付加されたものであってもよく、電子ペン認証装置3において付加されたものであってもよい。
【0061】
また、情報取得部34は、文字ごとの一画の記載順序を取得することによって、書き順を示す情報を取得することができる。例えば、あらかじめ図示しない記録媒体において文字と、その文字を構成する一画ごとの画像とが対応付けられており、情報取得部34は、記載情報を用いた文字認識後に、記載情報の示す文字の一画ごとの図形を、文字認識された文字に対応する、図示しない記録媒体で記憶されている一画ごとの画像と比較することによって、記載情報の示す一画ごとの図形が、どの一画の画像に該当するのかを決定し、その決定後の一画ごとの画像を識別する情報の並びを取得することによって、書き順を示す情報を取得してもよい。
【0062】
なお、ここで説明した方法は一例であって、その他の方法によって画数等を示す情報を取得することができるのであれば、情報取得部34は、その他の方法によって画数等を示す情報を取得してもよいことは言うまでもない。
【0063】
また、本実施の形態では、電子ペン認証装置3が情報取得部34を備える場合について説明するが、記載情報受信部33の受信する記載情報が、電子ペン1による記載対象の座標値を少なくとも示す情報から得られた、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報である場合には、電子ペン認証装置3は、情報取得部34を備えていなくてもよい。
【0064】
対応情報記憶部35では、対応情報が記憶される。対応情報は、ユーザ識別情報と、そのユーザ識別情報で識別されるユーザの電子ペン1を識別する電子ペン識別情報とを少なくとも対応付ける情報である。また、対応情報は、ユーザ識別情報と、そのユーザ識別情報に対応するパスワードとをも対応付ける情報であってもよい。また、対応情報は、ユーザ識別情報と、そのユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に電子ペンを使用して名前を記載した際のその記載に関する情報である過去記載情報とをも対応付ける情報であってもよい。ここで、過去記載情報は、過去の記載情報であり、例えば、座標値を少なくとも示す情報であってもよく、あるいは、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報であってもよい。
【0065】
ここで、例えば、「ユーザ識別情報と、電子ペン識別情報とを対応付ける」とは、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報の一方の情報から、他方の情報を取得できればよいという意味である。したがって、対応情報がユーザ識別情報と、電子ペン識別情報とを対応付ける場合に、対応情報は、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報とを組として含む情報を有してもよく、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報とをリンク付ける情報であってもよい。後者の場合には、対応情報は、例えば、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報の格納されている位置を示すポインタやアドレスとを対応付ける情報であってもよい。本実施の形態では、前者の場合について説明する。また、この場合に、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報とは、直接対応付けられていなくてもよい。例えば、ユーザ識別情報に、第3の情報が対応しており、その第3の情報に電子ペン識別情報が対応していてもよい。対応情報における他の組合せについても同様であるとする。また、後述する認証結果対応情報においても同様であるとする。
【0066】
対応情報記憶部35に対応情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して対応情報が対応情報記憶部35で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された対応情報が対応情報記憶部35で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された対応情報が対応情報記憶部35で記憶されるようになってもよい。対応情報記憶部35での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。対応情報記憶部35は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0067】
認証部36は、対応情報記憶部35で記憶されている対応情報を用いて、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報を用いた認証と、電子ペン識別情報受信部22が受信した電子ペン識別情報を用いた認証と、記載情報受信部23が受信した記載情報を用いた認証とを行う。認証部36は、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報のそれぞれについて、正当であるか、あるいは正当でないかの認証の判断を行うものとする。なお、記載情報の場合には、さらに詳細に、画数や、筆跡、筆圧、記載時間、書き順等の記載に関する特徴データごとに認証を行ってもよく、記載情報の全体として認証を行ってもよい。本実施の形態では、後者の場合について説明する。
【0068】
対応情報が、ユーザ識別情報とパスワードとをも対応付ける情報である場合に、認証部36は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、パスワードとが対応情報において対応付けられている際に、ユーザ識別情報に関する認証において正当であると認証し、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、電子ペン識別情報受信部22が受信した電子ペン識別情報とが対応情報において対応付けられている際に、電子ペン識別情報に関する認証において正当であると認証してもよい。
【0069】
また、対応情報が、ユーザ識別情報と過去記載情報とをも対応付ける情報である場合に、認証部36は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、記載情報受信部23が受信した記載情報に一致する過去記載情報とが対応情報において対応付けられている際に、記載情報に関する認証において正当であると認証してもよい。ここで、記載情報と、過去記載情報とが一致するとは、両者が厳密な意味で一致する場合であってもよく、両者の類似度が高い場合であってもよい。両者の類似度が高いとは、例えば、両者の類似度があらかじめ決められたしきい値以上であることであってもよく、あるいは、両者の類似度が、その記載情報と、他の過去記載情報との類似度よりも高いことであってもよい。認証部36は、情報取得部34が取得した情報を用いて記載情報に関する認証を行ってもよい。
【0070】
ここで、認証部36による認証の手順について簡単に説明する。認証部36は、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、名前に関する記載情報のうちのいずれを基準としてそれぞれの認証を行ってもよい。なお、以下の説明における認証方法は一例であって、それ以外の方法で認証を行ってもよいことは言うまでもない。
【0071】
[ユーザ識別情報を基準として認証を行う場合]
認証部36は、まず、ユーザ識別情報を用いた認証を行う。パスワードの入力がない場合には、認証部36は、受け付けられたユーザ識別情報が対応情報に含まれる場合に、ユーザ識別情報に関する認証が正当であるとする。一方、パスワードも受け付けられた場合には、認証部36は、受け付けられたユーザ識別情報とパスワードとの組合せが対応情報に存在する場合に、ユーザ識別情報に関する認証が正当であるとする。
【0072】
次に、認証部36は、正当であると認証されたユーザ識別情報と、受信された電子ペン識別情報との組合せが対応情報に存在する場合に、電子ペン識別情報に関する認証が正当であるとする。
【0073】
また、認証部36は、正当であると認証されたユーザ識別情報と、受信された名前の記載情報と一致する過去記載情報との組合せが対応情報に存在する場合に、記載情報に関する認証が正当であるとする。
【0074】
[電子ペン識別情報を基準として認証を行う場合]
認証部36は、まず、電子ペン識別情報を用いた認証を行う。認証部36は、受信された電子ペン識別情報が対応情報に存在する場合に、電子ペン識別情報に関する認証が正当であるとする。
【0075】
次に、認証部36は、正当であると認証された電子ペン識別情報と、受け付けられたユーザ識別情報との組合せが対応情報に存在する場合に、ユーザ識別情報に関する認証が正当であるとする。なお、パスワードも受け付けられた場合には、認証部36は、正当であると認証された電子ペン識別情報と、受け付けられたユーザ識別情報と、パスワードとの組合せが対応情報に存在するときに、ユーザ識別情報に関する認証が正当であるとする。
【0076】
また、認証部36は、正当であると認証された電子ペン識別情報と、受信された名前の記載情報と一致する過去記載情報との組合せが対応情報に存在する場合に、記載情報に関する認証が正当であるとする。
【0077】
[記載情報を基準として認証を行う場合]
認証部36は、まず、名前の記載情報を用いた認証を行う。認証部36は、受信された名前の記載情報と一致する過去記載情報が対応情報に存在する場合に、記載情報に関する認証が正当であるとする。
【0078】
次に、認証部36は、正当であると認証された記載情報と一致する過去記載情報と、受け付けられたユーザ識別情報との組合せが対応情報に存在する場合に、ユーザ識別情報に関する認証が正当であるとする。なお、パスワードも受け付けられた場合には、認証部36は、正当であると認証された記載情報と一致する過去記載情報と、受け付けられたユーザ識別情報と、パスワードとの組合せが対応情報に存在するときに、ユーザ識別情報に関する認証が正当であるとする。
【0079】
また、認証部36は、正当であると認証された記載情報と一致する過去記載情報と、受信された電子ペン識別情報との組合せが対応情報に存在する場合に、電子ペン識別情報に関する認証が正当であるとする。
【0080】
認証結果情報出力部37は、認証部36による認証の結果を示す情報である認証結果情報を出力する。この認証結果情報は、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報のそれぞれの認証結果を示す情報であってもよく、あるいは、その複数の認証結果が統合された最終的な認証結果であってもよい。その複数の認証結果が統合された最終的な認証結果は、「正当」「正当でない」の2段階であってもよく、あるいは、3段階以上であってもよい。後者の場合には、細かい認証を行うことができうる。3段階以上の認証結果情報は、例えば、「正当」「やや正当」「どちらでもない」「やや正当でない」「正当でない」というように、中間的な(あいまいな)認証結果をも示しうるものであってもよい。
【0081】
ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。なお、認証結果情報出力部37は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、認証結果情報出力部37は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0082】
認証結果対応情報記憶部38では、ユーザ識別情報に関する認証結果を示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果を示す情報と、記載情報に関する認証結果を示す情報と、認証結果に応じて実行する処理を示す情報である処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が記憶される。
【0083】
認証結果対応情報記憶部38では、例えば、ユーザ識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当でないことを示す情報と、記載情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペンの交換を要求する情報である交換要求情報を出力する処理を示す処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が少なくとも記憶されてもよい。
【0084】
また、認証結果対応情報記憶部38では、ユーザ識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、記載情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、テスト問題情報を出力する処理を示す処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が少なくとも記憶されてもよい。
【0085】
認証結果対応情報記憶部38に認証結果対応情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して認証結果対応情報が認証結果対応情報記憶部38で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された認証結果対応情報が認証結果対応情報記憶部38で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された認証結果対応情報が認証結果対応情報記憶部38で記憶されるようになってもよい。認証結果対応情報記憶部38での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。認証結果対応情報記憶部38は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0086】
テスト問題情報記憶部39では、テスト問題を示す情報であるテスト問題情報が記憶される。テスト問題情報記憶部39にテスト問題情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してテスト問題情報がテスト問題情報記憶部39で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたテスト問題情報がテスト問題情報記憶部39で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたテスト問題情報がテスト問題情報記憶部39で記憶されるようになってもよい。テスト問題情報記憶部39での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。テスト問題情報記憶部39は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0087】
実行部40は、認証結果対応情報において、認証部36によるユーザ識別情報に関する認証結果と、電子ペン識別情報に関する認証結果と、記載情報に関する認証結果とに対応する処理情報を特定し、その特定した処理情報の示す処理を実行する。例えば、その処理情報が電子ペン1の交換を要求する情報である交換要求情報を出力する処理を示す情報である場合に、実行部40は、正当でないと認証された電子ペン識別情報で識別される電子ペン1に交換要求情報を送信してもよい。この送信は、直接的な送信であってもよく、あるいは、情報処理装置2を介した送信であってもよい。本実施の形態では、後者の場合について説明する。なお、実行部40は、情報の表示や、情報の送信、情報の音声出力等を行いうるものであるため、実行部40は、複数の構成要素(例えば、表示部や送信部、音声出力部等)から構成されるものであってもよい。
【0088】
なお、対応情報記憶部35と、認証結果対応情報記憶部38と、テスト問題情報記憶部39との任意の2以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、対応情報を記憶している領域が対応情報記憶部35となり、認証結果対応情報を記憶している領域が認証結果対応情報記憶部38となる。
【0089】
次に、本実施の形態による電子ペン1の動作について、簡単に説明する。
電子ペン1の送信部15は、電子ペン1が起動されたタイミングで、電子ペン識別情報記憶部11から電子ペン識別情報を読み出して、情報処理装置2に送信するものとする。また、電子ペン1による筆記が行われると、座標情報や圧力情報を取得し、それらを用いて記載情報を構成して、情報処理装置2に送信する。また、情報処理装置2から情報を受信すると、その情報を出力する。なお、これは一例であって、電子ペン1は、他の動作を行うものであってもよい。また、前述のように、電子ペン1以外から座標情報や圧力情報が情報処理装置2に入力されてもよい。
【0090】
次に、本実施の形態による情報処理装置2の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)電子ペン識別情報受信部22は、電子ペン識別情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS101の処理を繰り返す。なお、受信された電子ペン識別情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0091】
(ステップS102)ユーザ識別情報受付部21は、ユーザ識別情報やパスワードを受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS103に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS102の処理を繰り返す。なお、あらかじめ決められた時間が経過してもユーザ識別情報等を受け付けない場合には、タイムアウトであるとしてステップS101に戻ってもよい。また、受け付けられたユーザ識別情報等は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0092】
(ステップS103)記載情報受信部23は、名前の記載情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS103の処理を繰り返す。なお、あらかじめ決められた時間が経過しても記載情報を受信しない場合には、タイムアウトであるとしてステップS101に戻ってもよい。また、受信した名前の記載情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0093】
(ステップS104)送信部24は、電子ペン識別情報と、ユーザ識別情報と、パスワードと、名前の記載情報とを電子ペン認証装置3に送信する。なお、送信部24は、これらの情報をまとめて送信してもよく、あるいは、別々に送信してもよい。本実施の形態では、後者の場合について説明する。
【0094】
(ステップS105)受信部25は、テスト問題情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS107に進む。
【0095】
(ステップS106)表示部26は、受信部25が受信したテスト問題情報をモニタに表示する。そして、ステップS105に戻る。
【0096】
(ステップS107)受信部25は、交換要求情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS108に進み、そうでない場合には、ステップS109に進む。
【0097】
(ステップS108)送信部27は、受信部25が受信した交換要求情報を電子ペン1に送信する。そして、ステップS105に戻る。
【0098】
(ステップS109)記載情報受信部23は、記載情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS110に進み、そうでない場合には、ステップS111に進む。
【0099】
(ステップS110)送信部24は、記載情報受信部23が受信した記載情報を電子ペン認証装置3に送信する。そして、ステップS105に戻る。
【0100】
(ステップS111)情報処理装置2の図示しない制御部は、一連の処理を終了するかどうか判断する。そして、終了する場合には、ステップS101に戻り、そうでない場合には、ステップS105に戻る。
【0101】
なお、図5のフローチャートでは、電子ペン1に関係する処理を主に記載したが、それ以外の処理を情報処理装置2が行ってもよい。例えば、電子ペン認証システムにおいて、イーラーニングを行う際に、電子ペン1を使用しないで、そのイーラーニングの処理を行う場合には、例えば、キーボード等で受け付けた情報を電子ペン認証装置3やその他の装置に送信する処理等を情報処理装置2が実行してもよい。また、図5のフローチャートにおいて、これ以外の処理を行ってもよいことは言うまでもない。例えば、受信部25は、テストを受験することができないことを示す情報であるテスト受験不許可情報を受信したかどうか判断し、受信した場合には、表示部26が、そのテスト受験不許可情報をモニタに表示してもよい。
【0102】
また、図5のフローチャートのステップS101〜S103において、電子ペン1や、入力デバイス等から、電子ペン識別情報、ユーザ識別情報、名前の記載情報の順で情報が入力される場合について説明したが、それ以外の順番でも各情報を受け付けたり受信したりできるようにしてもよい。
【0103】
次に、本実施の形態による電子ペン認証装置3の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)電子ペン識別情報受信部32は、電子ペン識別情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS201の処理を繰り返す。なお、受信された電子ペン識別情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0104】
(ステップS202)ユーザ識別情報受付部31は、ユーザ識別情報やパスワードを受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS202の処理を繰り返す。なお、あらかじめ決められた時間が経過してもユーザ識別情報等を受け付けない場合には、タイムアウトであるとしてステップS201に戻ってもよい。また、受け付けられたユーザ識別情報等は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0105】
(ステップS203)記載情報受信部33は、名前の記載情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS204に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS203の処理を繰り返す。なお、あらかじめ決められた時間が経過しても記載情報を受信しない場合には、タイムアウトであるとしてステップS201に戻ってもよい。また、受信した名前の記載情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0106】
(ステップS204)情報取得部34は、記載情報受信部33が受信した名前の記載情報から、画数等の情報を取得する。その取得した情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0107】
(ステップS205)認証部36は、ユーザ識別情報やパスワード、電子ペン識別情報、記載情報から取得された画数等の情報を用いて、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報ごとの認証を行う。この処理の詳細の一例については、図7のフローチャートを用いて後述する。
【0108】
(ステップS206)認証結果情報出力部37は、ステップS205での認証の結果を示す認証結果情報を出力する。
【0109】
(ステップS207)実行部40は、認証結果対応情報記憶部38で記憶されている認証結果対応情報を参照し、ステップS205での認証の結果に応じた処理情報を取得する。
【0110】
(ステップS208)実行部40は、取得した処理情報の示す処理を実行する。その処理の実行には、例えば、情報処理装置2から送信された記載情報を用いた筆跡等のデジタル化の処理や、その筆跡等を用いた文字認識の処理等が含まれてもよい。その場合には、その実行の処理は、記載情報受信部33等をも用いて行われることになる。そして、ステップS201に戻る。
【0111】
なお、図6のフローチャートでは、電子ペン1に関係する処理を主に記載したが、それ以外の処理を電子ペン認証装置3が行ってもよい。例えば、電子ペン認証システムにおいて、イーラーニングを行う際に、電子ペン1を用いて認証を行い、その後に電子ペン1を使用しないで、マウスやキーボード等を用いてイーラーニングの処理を行う場合には、例えば、情報処理装置2から送信された問題への解答を示す情報を用いた採点の処理や、情報処理装置2へのイーラーニングの画像・音声を送信する処理等を電子ペン認証装置3が実行してもよい。
【0112】
また、図6のフローチャートのステップS201〜S203において、情報処理装置2から電子ペン識別情報、ユーザ識別情報、名前の記載情報の順で情報が送信される場合について説明したが、それ以外の順番でも各情報を受信できるようにしてもよい。
【0113】
図7は、図6のフローチャートにおける認証の処理(ステップS205の処理)の詳細の一例を示すフローチャートである。
(ステップS301)認証部36は、対応情報記憶部35で記憶されている対応情報を参照し、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報に対応するパスワードを特定する。
【0114】
(ステップS302)認証部36は、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたパスワードが、ステップS301で特定したパスワードと一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS303に進み、そうでない場合には、ステップS304に進む。
【0115】
(ステップS303)認証部36は、ユーザ識別情報に関する認証が正当であると判断する。
【0116】
(ステップS304)認証部36は、ユーザ識別情報に関する認証が正当でないと判断する。
【0117】
(ステップS305)認証部36は、対応情報記憶部35で記憶されている対応情報を参照し、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報に対応する電子ペン識別情報を特定する。
【0118】
(ステップS306)認証部36は、電子ペン識別情報受信部32が受信した電子ペン識別情報が、ステップS305で特定した電子ペン識別情報と一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS307に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。
【0119】
(ステップS307)認証部36は、電子ペン識別情報に関する認証が正当であると判断する。
【0120】
(ステップS308)認証部36は、電子ペン識別情報に関する認証が正当でないと判断する。
【0121】
(ステップS309)認証部36は、対応情報記憶部35で記憶されている対応情報を参照し、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定する。
【0122】
(ステップS310)認証部36は、記載情報受信部33が受信した名前の記載情報から情報取得部34によって取得された画数等の情報が、ステップS309で特定された過去記載情報の示す画数等の情報と一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS311に進み、そうでない場合には、ステップS312に進む。
【0123】
(ステップS311)認証部36は、記載情報に関する認証が正当であると判断する。
【0124】
(ステップS312)認証部36は、記載情報に関する認証が正当でないと判断する。そして、図6のフローチャートに戻る。
【0125】
なお、この図7のフローチャートは、認証の処理の一例を示すものであって、これ以外の方法によっても認証を行うことができることは言うまでもない。ここでは、ユーザ識別情報を基準として認証を行う場合について説明したが、前述のように、パスワードを用いないで認証を行ってもよく、電子ペン識別情報を基準として認証を行ってもよく、記載情報を基準として認証を行ってもよい。
【0126】
次に、本実施の形態による情報処理装置2や電子ペン認証装置3の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、ユーザが電子ペン1を用いてテストを受験する場合について説明する。
【0127】
また、この具体例において、対応情報記憶部35では、図8で示される対応情報が記憶されているものとする。図8で示される対応情報において、ユーザ識別情報と、パスワードと、電子ペン識別情報と、過去記載情報とが対応付けられている。過去記載情報には、筆跡を示す情報と、画数を示す情報と、記載時間(秒)を示す情報とが含まれる。筆跡は、画像情報によって示される。画数は、画数を示す数字によって示される。カンマによって文字ごとの画数に区切られている。また、記載時間は、名前を記載し始めてから、記載し終わるまでの時間を示す情報である。
【0128】
また、この具体例において、認証結果対応情報記憶部38では、図9で示される認証結果対応情報が記憶されているものとする。図9で示される認証結果対応情報において、ユーザ識別情報の認証結果と、電子ペン識別情報の認証結果と、記載情報の認証結果と、処理情報とが対応付けられている。認証結果において、「○」は、正当であると認証されたことを示し、「×」は、正当でないと認証されたことを示している。処理情報は、説明の便宜上、処理内容をテキストで示す情報であるとしているが、例えば、処理に対応したコマンドの識別情報等であってもよい。認証結果対応情報において、ユーザ識別情報に関する認証結果が「×」である場合には、電子ペン識別情報と記載情報との認証結果について記載されていないが、その電子ペン識別情報と記載情報との認証結果は、どちらでもよいという意味である。
【0129】
まず、ユーザが、電子ペン1を起動したとする。すると、電子ペン1から電子ペン識別情報「P001」が情報処理装置2に送信され、情報処理装置2の電子ペン識別情報受信部22によって受信される(ステップS101)。その受信を検知すると、情報処理装置2の図示しない表示部は、図10で示されるユーザ識別情報等の入力を要求する画面を図示しないモニタに表示する。この表示において、ユーザがキーボードやマウス等を操作して、ユーザ識別情報「U001」と、パスワード「ABCD」とを入力し、「OK」ボタンをクリックしたとする。すると、それらの情報が情報処理装置2のユーザ識別情報受付部21で受け付けられる(ステップS102)。
【0130】
ユーザ識別情報等が受け付けられたことを検知すると、図示しない表示部は、図11で示される解答用紙への記名を要求する画面を図示しないモニタに表示する。この表示に対応して、図12で示されるように、ユーザが電子ペン1を用いて解答用紙に氏名を記入したとする。すると、その名前に関する座標情報と圧力情報とが座標情報取得部12と圧力情報取得部13とによって取得される。また、記載情報構成部14によって、座標情報と圧力情報とから記載情報が構成され、情報処理装置2に送信される。情報処理装置2の記載情報受信部23は、図13で示されるような記載情報を順次、受信する(ステップS103)。図13において、(x1,y1)等によって座標情報が示され、z1等によって圧力情報が示されるものとする。記載情報受信部23による名前の記載情報の受信が終了すると、送信部24は、ユーザ識別情報「U001」、パスワード「ABCD」、電子ペン識別情報「P001」、名前の記載情報が電子ペン認証装置3に送信される(ステップS104)。
【0131】
電子ペン認証装置3の電子ペン識別情報受信部32は、情報処理装置2から送信された電子ペン識別情報「P001」を受信する(ステップS201)。また、ユーザ識別情報受付部31は、情報処理装置2から送信されたユーザ識別情報「U001」と、パスワード「ABCD」とを受信する(ステップS202)。また、記載情報受信部33は、情報処理装置2から送信された記載情報を受信する(ステップS203)。そして、情報取得部34による、画数等の取得の処理が実行される(ステップS204)。ここでは、対応情報において、筆跡、画数、記載時間のみが存在するため、情報取得部34も、それと同じ情報のみを取得するものとする。ここでは、「和尾太郎」の筆跡と、画数「8,7,4,8」と、記載時間7.0秒とが取得されたものとする。すると、認証部36は、ユーザ識別情報等を用いた認証を実行する(ステップS205)。
【0132】
具体的には、認証部36は、図8で示される対応情報を参照し、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報「U001」に対応するパスワード「ABCD」を特定する(ステップS301)。そして、その特定したパスワードと、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたパスワードとが一致するため(ステップS302)、ユーザ識別情報に関する認証が正当であると判断する(ステップS303)。
【0133】
次に、認証部36は、図8で示される対応情報を参照し、ユーザ識別情報「U001」に対応する電子ペン識別情報「P001」を特定する(ステップS305)。そして、その特定した電子ペン識別情報と、電子ペン識別情報受信部32が受信した電子ペン識別情報とが一致するため(ステップS306)、電子ペン識別情報に関する認証が正当であると判断する(ステップS307)。
【0134】
次に、認証部36は、図8で示される対応情報を参照し、ユーザ識別情報「U001」に対応する過去記載情報を特定する(ステップS309)。そして、その特定した過去記載情報と、記載情報受信部33によって受信され、情報取得部34によって取得された情報とが一致するかどうか判断する。ここで、両者が一致するとは、両者の類似度が8割以上であることであると設定されているものとする。また、認証部36によって、受信された記載情報から取得された筆跡と、過去記載情報の示す筆跡とが、9割類似すると判断され、両画数が、10割類似すると判断され、両記載時間が9.7割類似すると判断されたとする。すると、平均して9.6割類似することになるため、全体としては、受信された記載情報と、特定された過去記載情報とが一致すると認証部36によって判断され、記載情報に関する認証が正当であると判断される(ステップS311)。
【0135】
したがって、認証結果情報出力部37は、図14で示される認証結果情報を図示しないモニタに表示する(ステップS206)。この表示を見ることによって、電子ペン認証装置3のオペレータ等は、すべての情報に関して正当であると認証されたことを知ることができる。
【0136】
また、実行部40は、認証結果対応情報記憶部38で記憶されている認証結果対応情報を参照し、ユーザ識別情報、電子ペン識別情報、記載情報のすべてが正当であると判断された場合の処理情報「テスト問題情報の送信」を取得する(ステップS207)。そして、実行部40は、その処理情報に応じて、テスト問題情報記憶部39からテスト問題情報を読み出し、情報処理装置2に送信する(ステップS208)。
【0137】
情報処理装置2の受信部25は、そのテスト問題情報を受信し、表示部26に渡す(ステップS105)。そして、表示部26によって、図15で示されるテスト問題情報が図示しないモニタに表示される(ステップS106)。ユーザは、その問題を見て、解答を解答用紙に順次書き込んでいく。その書き込まれた解答に応じた記載情報は、記載情報受信部23で受信され(ステップS109)、電子ペン認証装置3に送信される(ステップS110)。電子ペン認証装置3の記載情報受信部33は、その記載情報を受信し、実行部40に渡す。すると、実行部40は、その記載情報に対応した画像データを形成し、その画像データをユーザ識別情報「U001」に対応付けて順次、図示しない記録媒体に蓄積する。このようして、解答情報が電子ペン認証装置3において蓄積されていくことになる。
【0138】
次に、電子ペン識別情報に関する認証で正当でないと判断され、それ以外の認証では正当であると判断された場合について簡単に説明する。その場合には、実行部40は、図9で示される認証結果対応情報を参照し、処理情報「交換要求情報の送信」を取得する(ステップS207)。そして、その処理情報に応じて、交換要求情報を情報処理装置2に送信する。なお、この交換要求情報は、図示しない記録媒体において記憶されていてもよい。また、この交換要求情報は、「これはあなたのペンではありません。自分のペンを使ってください」という音声信号であるとする。
【0139】
その交換要求情報は、情報処理装置2の受信部25で受信され、送信部27に渡される(ステップS107)。送信部27は、その交換要求情報を電子ペン1に送信する(ステップS108)。その交換要求情報は、電子ペン1の受信部16で受信され、出力部17は、その交換要求情報の音声信号を図示しないスピーカから出力する。その結果、図16で示されるように、ユーザの使用しているペンが本人のものでないことを示す音声が電子ペン1から出力されることになる。なお、この具体例では、図9で示されるように、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当でない場合に、テスト問題情報が送信されないが、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当でなくても、テスト問題情報を送信し、受験者がテストを受験できるようにしてもよい。
【0140】
また、この具体例では、図9で示される認証結果対応情報から分かるように、ユーザ識別情報の認証結果と、電子ペン識別情報の認証結果が正当であり、記載情報の認証結果が正当でない場合にも、不正であることの注意を喚起するためのフラグは設定されるが(このフラグは、テストの主催者が見ることができ、テストの受験者は見ることができないものとする)、テスト問題情報自体は送信され、テスト自体は行われることになる。したがって、テストの主催者は、テストの終了後にテストの受験者から事情を聞くことなどによって、本当に不正が行われていたのかどうかを判断することができうる。例えば、テストの受験者が、利き手のケガによって利き手でない方の手で名前や解答を記載している場合には、後からそのような事情を聞くことによって、不正が行われていなかったと判断することもできうる。
【0141】
なお、この具体例では、解答用紙に認証用の名前が記入される場合について説明したが、テストやイーラーニング等の処理自体が電子ペン1を用いて実行されない場合には、例えば、図17で示されるように、個人を認証するために氏名を記載する専用のシートに名前を記入するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザ識別情報とパスワードのみを用いた認証よりも、より厳密な認証を行うことができるようになる。このように、認証のみに電子ペン1が用いられてもよく、認証後の処理にも電子ペン1が用いられてもよい。
【0142】
また、実行部40が実行する、認証結果に対応した処理情報の示す処理は、この具体例で説明したものに限定されるものではなく、各種のものがありうる。例えば、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報に関する認証が正当であり、記載情報に関する認証のうち、筆跡は正当であるが、記載時間が正当でない場合には、オペレータにその旨の警告を出力する処理を示す処理情報が、認証結果対応情報において対応付けられていてもよい。
【0143】
また、この具体例では、認証部36が、過去記載情報を用いて記載情報に関する認証を行う場合について説明したが、認証部36は、過去記載情報を用いないで記載情報に関する認証を行ってもよい。この場合には、例えば、認証部36は、記載情報に含まれている記載時間、あるいは、記載情報から取得された記載時間を用いて、その記載時間があらかじめ設定されているしきい値の時間よりも長い場合には、正当でないと判断し、そのしきい値よりも短い場合には、正当であると判断してもよい。本人になりすましてテストを受験しようとするユーザは、本人の筆跡にできるだけ似せるように名前を記載するが、その場合には、記載時間が通常よりも長くなると考えられるからである。
【0144】
また、この具体例では、実行部40がテスト問題情報を出力しうる場合について説明したが、実行部40がテスト問題情報を出力しない場合には、電子ペン認証装置3は、テスト問題情報記憶部39を備えていなくてもよい。
【0145】
以上のように、本実施の形態による電子ペン認証システムによれば、電子ペン1を用いた細かい認証を行うことができ、その認証結果に応じた処理を実行することができうる。従来であれば、正当であるのか、正当でないのかの認証のみを行っており、例えば、認証結果に応じてユーザがテストを受験できるかどうかが決定されるのみであったが、本実施の形態による電子ペン認証システムを用いることによって、「テストの受験可能」「テストの受験が可能であるが不正の可能性の高いこと示す情報を設定しておく」「テストの受験不可能」等の3段階以上の決定を行うことができるようになる。その結果、よりきめの細かい対応が可能となる。
【0146】
なお、本実施の形態では、電子ペン認証装置3の実行部40が交換要求情報を送信する場合について説明したが、実行部40は、交換要求情報を、表示部に表示してもよく、音声出力してもよく、送信以外の交換要求情報の出力を行ってもよい。
【0147】
また、本実施の形態では、電子ペン認証装置3が認証結果対応情報を用いて、処理情報の示す処理を実行する場合について説明したが、電子ペン認証装置3は、認証の処理を行うのみの装置であってもよい。その場合には、電子ペン認証装置3は、例えば、認証結果対応情報記憶部38と、テスト問題情報記憶部39と、実行部40とを備えていなくてもよい。
【0148】
また、本実施の形態では、電子ペン認証装置3が情報処理装置2からユーザ識別情報や電子ペン識別情報、記載情報等を受信する場合について説明したが、電子ペン認証装置3は、それらの情報を情報処理装置2以外から受信したり、受け付けたりしてもよい。例えば、電子ペン認証装置3は、電子ペン識別情報と記載情報を電子ペン1から直接受信してもよく、また、ユーザ識別情報やパスワードをユーザから直接受け付けてもよい。
【0149】
また、本実施の形態では、認証の処理において、ユーザ識別情報やパスワード、電子ペン識別情報等が一致するかどうかを判断する場合について説明したが、それ以外の判断によって認証の処理を行ってもよい。例えば、受信した電子ペン識別情報と、対応情報に含まれている電子ペン識別情報とがあらかじめ決められている関係を有する場合に、認証部36は、その電子ペン識別情報が正当であると認証してもよい。あらかじめ決められている関係とは、例えば、一方の情報にあらかじめ決められている演算(例えば、1を足す、ハッシュ値をとる、逆数をとる等の演算)を行えば、他方の情報となる関係などである。
【0150】
また、本実施の形態において、過去の認証結果を保存しておき、例えば、正当でないと認証されることがあらかじめ決められている回数以上、続いた場合には、それに応じた処理を行うようにしてもよい。例えば、あるユーザや、ある電子ペン1について、所定の回数(例えば、3回など)以上、正当でないと認証されることが続いた場合には、その認証に対応する電子ペン1の認証を行わないようにしてもよく、その認証に対応するユーザの認証を行わないようにしてもよく、あるいは、管理者等にその旨を通知してもよい。過去の認証結果は、例えば、ユーザ識別情報や、電子ペン識別情報に対応付けられて、図示しない記録媒体において記憶されていてもよい。また、実行部40は、認証部36による認証結果が正当でない旨である場合に、過去の認証結果を示す情報を参照し、それがあらかじめ決められている回数を超えるだけ続いているかどうか判断し、続いている場合には、図示しない記録媒体で記憶されている、所定回数以上正当でないと認証されたことが続いた場合に実行する処理を示す処理情報を読み出して、その処理を実行してもよい。このようにすることは、不正防止の観点から効果的である。
【0151】
また、上記実施の形態では、電子ペン認証装置3がサーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置である場合について説明したが、電子ペン認証装置3は、スタンドアロンの装置であってもよい。
【0152】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0153】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0154】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0155】
また、上記実施の形態において、電子ペン認証装置3に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0156】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における電子ペン認証装置3を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペンを識別する情報である電子ペン識別情報を受信する電子ペン識別情報受信部と、前記ユーザが前記電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、対応情報記憶部で記憶される、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの電子ペンを識別する電子ペン識別情報とを対応付ける情報である対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報を用いた認証と、前記電子ペン識別情報受信部が受信した電子ペン識別情報を用いた認証と、前記記載情報受信部が受信した記載情報を用いた認証とを行う認証部として動作させるためのものである。
【0157】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0158】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0159】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0160】
図18は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による電子ペン認証装置3を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0161】
図18において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0162】
図19は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図19において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0163】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による電子ペン認証装置3の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0164】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による電子ペン認証装置3の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0165】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0166】
以上より、本発明による電子ペン認証装置等によれば、電子ペンを用いた細かい認証を行うことができるという効果が得られ、例えば、電子ペンを用いたイーラーニングシステム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の実施の形態1による電子ペン認証システムの構成を示す図
【図2】同実施の形態による電子ペンの構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態による情報処理装置の構成を示すブロック図
【図4】同実施の形態による電子ペン認証装置の構成を示すブロック図
【図5】同実施の形態による情報処理装置の動作を示すフローチャート
【図6】同実施の形態による電子ペン認証装置の動作を示すフローチャート
【図7】同実施の形態による電子ペン認証装置の動作を示すフローチャート
【図8】同実施の形態における対応情報の一例を示す図
【図9】同実施の形態における認証結果対応情報の一例を示す図
【図10】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図11】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図12】同実施の形態における解答用紙の一例を示す図
【図13】同実施の形態における記載情報の一例を示す図
【図14】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図15】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図16】同実施の形態における交換要求情報の出力について説明するための図
【図17】同実施の形態における氏名記入欄を有する個人認証シートの一例を示す図
【図18】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図19】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【符号の説明】
【0168】
1 電子ペン
2 情報処理装置
3 電子ペン認証装置
4 媒体
11 電子ペン識別情報記憶部
12 座標情報取得部
13 圧力情報取得部
14 記載情報構成部
15、24、27 送信部
16、25 受信部
17 出力部
21、31 ユーザ識別情報受付部
22、32 電子ペン識別情報受信部
23、33 記載情報受信部
26 表示部
34 情報処理部
34 情報取得部
35 対応情報記憶部
36 認証部
37 認証結果情報出力部
38 認証結果対応情報記憶部
39 テスト問題情報記憶部
40 実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、
前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペンを識別する情報である電子ペン識別情報を受信する電子ペン識別情報受信部と、
前記ユーザが前記電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、
ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの電子ペンを識別する電子ペン識別情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部と、
前記対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報を用いた認証と、前記電子ペン識別情報受信部が受信した電子ペン識別情報を用いた認証と、前記記載情報受信部が受信した記載情報を用いた認証とを行う認証部と、を備えた電子ペン認証装置。
【請求項2】
前記ユーザ識別情報受付部は、ユーザ識別情報とパスワードとを受け付けるものであり、
前記対応情報記憶部で記憶される対応情報は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応するパスワードとをも対応付ける情報であり、
前記認証部は、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、パスワードとが前記対応情報において対応付けられている場合に、前記ユーザ識別情報に関する認証において正当であると認証し、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、前記電子ペン識別情報受信部が受信した電子ペン識別情報とが前記対応情報において対応付けられている場合に、前記電子ペン識別情報に関する認証において正当であると認証する、請求項1記載の電子ペン認証装置。
【請求項3】
前記対応情報記憶部で記憶される対応情報は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とをも対応付ける情報であり、
前記認証部は、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、前記記載情報受信部が受信した記載情報に一致する過去記載情報とが前記対応情報において対応付けられている場合に、前記記載情報に関する認証において正当であると認証する、請求項1または請求項2記載の電子ペン認証装置。
【請求項4】
前記認証部による認証の結果を示す情報である認証結果情報を出力する認証結果情報出力部をさらに備えた、請求項1から請求項3のいずれか記載の電子ペン認証装置。
【請求項5】
前記記載情報は、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報である、請求項1から請求項4のいずれか記載の電子ペン認証装置。
【請求項6】
前記記載情報は、電子ペンによる記載対象の座標値を少なくとも示す情報であり、
前記記載情報から、画数、筆跡、筆圧、記載時間、書き順のうちの1以上のものを示す情報を取得する情報取得部をさらに備え、
前記認証部は、前記情報取得部が取得した情報を用いて記載情報に関する認証を行う、請求項1から請求項4のいずれか記載の電子ペン認証装置。
【請求項7】
ユーザ識別情報に関する認証結果を示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果を示す情報と、記載情報に関する認証結果を示す情報と、認証結果に応じて実行する処理を示す情報である処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が記憶される認証結果対応情報記憶部と、
前記認証結果対応情報において、前記認証部によるユーザ識別情報に関する認証結果と、電子ペン識別情報に関する認証結果と、記載情報に関する認証結果とに対応する処理情報の示す処理を実行する実行部と、をさらに備えた、請求項1から請求項6のいずれか記載の電子ペン認証装置。
【請求項8】
前記認証結果対応情報記憶部では、ユーザ識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当でないことを示す情報と、記載情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペンの交換を要求する情報である交換要求情報を出力する処理を示す処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が少なくとも記憶される、請求項7記載の電子ペン認証装置。
【請求項9】
前記実行部は、電子ペンの交換を要求する情報である交換要求情報を出力する処理を実行する場合に、正当でないと認証された電子ペン識別情報で識別される電子ペンに交換要求情報を送信する、請求項8記載の電子ペン認証装置。
【請求項10】
テスト問題を示す情報であるテスト問題情報が記憶されるテスト問題情報記憶部をさらに備え、
前記認証結果対応情報記憶部では、ユーザ識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、電子ペン識別情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、記載情報に関する認証結果が正当であることを示す情報と、前記テスト問題情報を出力する処理を示す処理情報とを対応付ける認証結果対応情報が少なくとも記憶される、請求項7記載の電子ペン認証装置。
【請求項11】
ユーザ識別情報受付部と、電子ペン識別情報受信部と、記載情報受信部と、対応情報記憶部と、認証部とを用いて処理される電子ペン認証方法であって、
前記ユーザ識別情報受付部が、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付ステップと、
前記電子ペン識別情報受信部が、前記ユーザ識別情報受付ステップで受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペンを識別する情報である電子ペン識別情報を受信する電子ペン識別情報受信ステップと、
前記記載情報受信部が、前記ユーザが前記電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信ステップと、
前記認証部が、前記対応情報記憶部で記憶される、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの電子ペンを識別する電子ペン識別情報とを対応付ける情報である対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付ステップで受け付けたユーザ識別情報を用いた認証と、前記電子ペン識別情報受信ステップで受信した電子ペン識別情報を用いた認証と、前記記載情報受信ステップで受信した記載情報を用いた認証とを行う認証ステップと、を備えた電子ペン認証方法。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、
前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが使用している電子ペンを識別する情報である電子ペン識別情報を受信する電子ペン識別情報受信部と、
前記ユーザが前記電子ペンを使用して名前を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、
対応情報記憶部で記憶される、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの電子ペンを識別する電子ペン識別情報とを対応付ける情報である対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報を用いた認証と、前記電子ペン識別情報受信部が受信した電子ペン識別情報を用いた認証と、前記記載情報受信部が受信した記載情報を用いた認証とを行う認証部として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−211340(P2009−211340A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52826(P2008−52826)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(398063593)株式会社ワオ・コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】