説明

電子付着によって表面酸化物を除去するための方法

【課題】ターゲット領域内の基材表面の少なくとも一部において金属酸化物を除去し及び/又は半田接合を形成するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数の半田バンプを有する層を含む基材において金属酸化物を還元し及び半田接合を形成する方法及び装置であって、1つ又は複数の通電電極を用意し、前記層及び半田バンプの少なくとも一部を前記通電電極にさらすことによって金属酸化物を還元し及び半田接合を形成する方法及び装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
絶縁された基材を含む基材の表面から金属酸化物を除去するための方法が本明細書で記載される。さらに、基材の表面から金属酸化物を除去するための装置も本明細書で記載される。
【背景技術】
【0002】
ウェハバンピングは、インナーリードボンディングについてチップボンドパッド上に厚い金属バンプを作製するのに用いられる処理である。このバンプは、概してパッド上に半田を付着させ、次いでリフロー(第1リフローと本明細書で称される)させて、合金化を行い、マッシュルーム形状から半球体形状へ半田バンプの形状を変化させることによって作製される。第1リフローバンプを有するチップは、基材上の半田で濡れた端子のフットプリントに対応するよう「はじかれ」、次いで第2リフローを受けて半田接合を形成する。これらの半田接合は、本明細書でインナーリードボンドと称される。高融点の半田(例えば、>300℃)が、ウェハバンピング処理において用いられるのが通常である。なぜなら低融点の半田(例えば、<230℃)を用いて進行するアウターリードボンディングなどの以降の組み付け工程を、インナーリードボンドを破壊せずに可能とするからである。
【0003】
第1リフロー後の半田バンプ形状が重要である。例えば、バンプ高さが高いことは、より良好なボンディング及びより高い疲労抵抗のために好ましい。さらに、形成されるバンプは、平坦性を確実にするために、好ましくは実質的に均一であるべきである。比較的高いバンプ高さを有する実質的に均一な半田バンプは、第1リフローの際に酸化物のないバンプ表面と関連していると考えられる。現在、半田バンプ付きウェハの第1リフロー中に半田酸化物を除去するための2つの主なアプローチがある。1つのアプローチは、400〜450℃のリフロー温度において純粋な水素を用いたフラックスレス半田付けである。このアプローチの大きな課題は純粋水素の可燃性であり、これによってこのアプローチの適用が大きく制限される。第2のアプローチは、堆積した半田バンプの上に、又はバンプを形成するためにウェハ上に印刷された半田ペースト混合物中に有機フラックスを適用すること、並びにフラックスが半田表面上の初期酸化物を効果的に除去できるように、不活性環境においてバンプをリフローすることである。しかしながら、このアプローチには欠点がある。小さな空隙が、フラックスの分解によって半田バンプ中に形成することがある。これらの空隙は、形成された半田結合の電気的及び機械的性質を低下させるだけでなく、半田バンプ付きウェハの共平面性を破壊し、かつ以降のチップボンディングプロセスに影響を及ぼすこともある。分解したフラックスの揮発性物質がリフロー炉を汚染する場合もあり、それによってメンテナンスコストが増大することがある。加えて、金属の腐食を引き起こし、アセンブリの性能を低下させることのあるフラックス残留物がしばしばウェハ上に残る。
【0004】
上記のリフロープロセスからフラックス残留物を除去するために、洗浄剤としてクロロフルオロカーボン(CFC)を用いた後洗浄処理を採用することができる。しかしながら、後洗浄によって、新たな処理工程が加わり、製造処理の時間が増加する。さらには、洗浄剤としてのクロロフルオロカーボン(CFC)の使用は、地球を保護するオゾン層に対する潜在的なダメージのために禁止されている。少量の活性剤を用いて残留物を低減することによって無洗浄フラックスが開発されたが、フラックス残留物量のゲイン及びロスとフラックス活性との間で取引がある。それゆえ、高反応性H2ラジカルの生成を助長するための触媒方法、並びにしたがって水素濃度の効果的な範囲及び表面酸化物を還元する処理温度の低減が産業界で求められている。
【0005】
フラックスレス(乾式)半田付けは、幾つかの技術を用いて先行技術で実施されている。1つの技術は、レーザーを用いて除去すること又は金属酸化物をその気化温度に加熱することである。このような処理は、放出された汚染物質による再酸化を防ぐために、不活性又は還元性雰囲気のもとで実施されるのが典型的である。しかしながら、酸化物又はベース金属の融点又は沸点が同様である場合があり、ベース金属を溶融又は気化させることが望ましくない場合がある。それゆえ、このようなレーザー処理を実施することは困難である。レーザーは、典型的に高価でかつ操作するのに非能率的であり、酸化物層への直線的な照準を必要とする。これらのファクターによって、大部分の半田付け用途についてレーザー技術の有効性が制限される。
【0006】
表面酸化物は、高温で反応性ガス(例えば、H2)にさらすことによって化学的に(例えば、H2Oに)還元することができる。不活性キャリヤー(例えば、N2)中に5%以上の還元ガスを含有する混合物が典型的に用いられる。次いで、反応生成物(例えば、H2O)が、高温で脱着して表面から放出され、ガス流動域に運び去られる。典型的な処理温度は350℃を超える。しかしながら、この処理は、高温でさえゆっくりでかつ効果的でない場合がある。
【0007】
還元処理の速度及び有効性は、より活性な還元種を用いて向上させることができる。このような活性種は、通常のプラズマ技術を用いて製造できる。可聴周波、無線周波、又はマイクロ波周波でのガスプラズマは、表面脱酸素のための反応性ラジカルを生成するのに使用できる。このような処理においては、高強度の電磁放射線が、H2、O2、SF6、又はフッ素含有化合物を含む他の種を高い反応性のラジカルにイオン化及び解離するのに用いられる。表面処理は300℃未満の温度で実施できる。しかしながら、プラズマ形成の最適条件を得るために、このような処理は真空条件のもとで典型的に実施される。真空操作は高価な設備を必要とし、より速い連続プロセスよりはむしろゆっくりとしたバッチプロセスとして実施されなければならない。さらにプラズマは、典型的には処理チャンバー内に拡散して分散され、特定の領域に導くことは困難である。それゆえ、反応性種は、この処理において効率的には利用できない。プラズマはまた、スパッタリング処理によって処理チャンバーに損傷を与える場合があり、誘電体表面上の空間電荷を蓄積させる場合があって、マイクロ回路を損傷させる可能性がある。マイクロ波それ自体が、同様にマイクロ回路を損傷させる場合があり、基材の温度を処理の間制御することは困難な場合がある。プラズマはまた、潜在的に危険な紫外光を放出する場合がある。このようなプロセスはまた高価な電気設備を必要とし、かなりの電力を消費して、それによりその全体的なコストの有効性を低下させる。
【0008】
特許文献1は、熱フィラメントを用いて真空条件下で分子状水素を熱解離し、反応性水素種(すなわち、原子状水素)を生成する方法を開示している。エネルギーを与えられた水素は、基材表面を化学的に還元する。熱フィラメントの温度は、500℃〜2200℃であることができる。電気的にバイアスをかけたグリッドが、熱フィラメントから放出された過剰な自由電子を偏向又は捕獲するのに用いられる。反応性種又は原子状水素は、不活性キャリヤーガス中に2%〜100%の水素を含有する混合物から生成される。
【0009】
特許文献2は、熱電子カソードからの放電を用いて水素を活性化する方法を開示している。熱電子カソードから放出された電子は、活性種を生成する気相放電を作り出す。この放出プロセスは、加熱されたフィラメントを収容している独立又は遠隔チャンバーで実施される。イオン及び活性化された中性種が処理チャンバーに流れ、酸化された金属表面を化学的に還元する。しかしながら、このような高温のカソードプロセスは、最適な有効性及びフィラメント寿命のために真空条件を必要とする。真空操作は、半田付け用コンベヤーベルトシステムに組み込まなければならない高価な設備を必要とし、それによってその全体的なコストの有効性が低下する。
【0010】
非特許文献1及び特許文献3〜9は、放電によって活性化されたH2(又はCH4若しくはNH3などの他の還元ガス)を生成するための方法を説明している。還元ガスは、不活性なキャリヤーガス(N2)中に「パーセントレベル」で一般に存在する。放電は「数kV」の交流電圧源を用いて作り出される。遠隔チャンバー中の電極から放出された電子によって、実質的に帯電種のない励起した又は不安定な種が生成され、そうしてこれらの種が基材に流れる。結果として得られるプロセスによって、半田付けされるべきベース金属の上の酸化物が150℃付近の温度で還元される。しかしながら、このような遠隔放電チャンバーは、相当な設備コストを必要とし、既存の半田付け用コンベヤーベルトシステムに対して容易には更新されない。加えて、これらのプロセスは、半田酸化物を除去するよりむしろ半田付け前の金属表面を前処理するために典型的に利用される。
【0011】
特許文献10は、大気圧で高電圧(1kV〜50kV)電極からの放電又はプラズマを用いた表面処理方法を説明している。電極は遠隔チャンバーの中よりはむしろ基材の近くに配置される。電極から放出された自由電子によって、反応性水素ラジカル、つまり、原子状水素を含有するプラズマが作り出され、次いで、この反応性水素ラジカルが、酸化された基材の上に位置する誘電体シールドの開口を通過する。この誘電体シールドは、脱酸素を必要とする特定の表面位置に活性水素を集中させる。しかしながら、このような誘電体シールドは、電界を変化させ、正確なプロセス制御を妨げる場合がある表面電荷を蓄積することがある。説明されているプロセスは、ベース金属の表面を溶融するのに使用されるだけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,409,543号明細書
【特許文献2】米国特許第6,203,637号明細書
【特許文献3】米国特許第6,146,503号明細書
【特許文献4】米国特許第6,089,445号明細書
【特許文献5】米国特許第6,021,940号明細書
【特許文献6】米国特許第6,007,637号明細書
【特許文献7】米国特許第5,941,448号明細書
【特許文献8】米国特許第5,858,312号明細書
【特許文献9】米国特許第5,722,581号明細書
【特許文献10】米国特許第5,433,820号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Potierらの「Fluxless Soldering Under Activated Atmosphere at Ambient Pressure」,Surface Mount International Conference,1995,San Jose,CA
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、熱エネルギーを低減するよう比較的低い温度下において、半田バンプ付きウェハをフラックスレスリフローするための経済的かつ効率的な方法を提供することが当技術分野で必要とされている。真空設備を購入及び維持するのに費用をかけないように、周囲圧又は大気圧付近の条件下におけるフラックスレス半田リフローのための方法及び装置を提供することが当技術分野でさらに必要とされている。不燃性ガス環境を用いたフラックスレス半田リフロープロセスを提供することが当技術分野でさらに必要とされている。さらに、基材、例えば、電気的に絶縁された基材の表面から金属酸化物を除去することが当技術分野で必要とされている。電気的に絶縁された基材の例としては、特に限定されないが、硬質のエポキシガラス積層基材、軟質のポリマー膜(例えば、ポリイミド)、集積回路(IC)の相互接続スキームで用いられる絶縁基材、三次元又は積層ICパッケージング技術で用いられる絶縁基材、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書に記載される方法及び装置は、フラックスを使用しないで基材表面から金属酸化物を除去するための装置及び方法を提供することによって、当技術分野のニーズのすべてではないにしても幾つかを満足させる。1つの態様では、基材の処理表面から金属酸化物を除去する方法であって、接地電位を有するベース電極の近くに、金属酸化物を含む処理表面を有する基材を用意する工程;ベース電極及び基材の近くに通電電極を用意する工程であって、処理表面の少なくとも一部が通電電極にさらされ、ベース電極、通電電極及び基材がターゲット領域内にある工程を含む方法が提供される。
【0016】
別の態様では、通電電極は、突き出た導電チップの配列を含む電気的に絶縁されたプレートによって画定され、導電チップは導電ワイヤーによって電気的に接続され、突き出たチップの配列は、第1の電気的に接続されたグループと第2の電気的に接続されたグループに分けられ、第1又は第2の電気的に接続されたグループの一方は正にバイアスされているDC電圧源に接続され、第1又は第2の電気的に接続されたグループのもう一方は負にバイアスされているDC電圧源に接続され、正にバイアスされているDC電圧源と負にバイアスされているDC電圧源は、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源との間で交互にエネルギーを供給できる機能制御器に電気的に接続されており;還元ガスを含むガス混合物がターゲット領域を通過し;負にバイアスされているDC電圧源を起動することによって導電チップの列に通電してターゲット領域内に電子を発生させ、該電子の少なくとも一部が還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成し;処理表面を負に帯電した還元ガスと接触させて基材の処理表面上の金属酸化物を還元し;そして正にバイアスされているDC電圧源を起動することによって導電チップの列に通電して処理表面から余分な電子を回収し、負にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップの列と正にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップの列は同時には通電されない。
【0017】
更なる態様では、通電電極は、内部容積を有するチャンバー、ガス入口、及び下方に突き出た導電チップの配列を含む電気的に絶縁されたベースによって画定され、導電チップは細長いニードルから作製され、各細長いニードルはガスチャンバーの内部容積と流体連通して、チャンバーに流入する還元ガスを含むガス混合物を各細長いニードルから外へ噴射できるようにし、細長いニードルはすべて導電ワイヤーによって互いに電気的に接続され、そして負にバイアスされているDC電圧源に接続され、電子を各細長いニードルの先端から発生させることができるようにし、電子の少なくとも一部は、各細長いニードルの先端から流出する還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成し;処理表面を負に帯電した還元ガスと接触させて基材の処理表面上の金属酸化物を還元し;負に帯電した電子が基材から接地に流れることができるように、基材は導電性でありそして接地されている。
【0018】
さらに別の態様では、通電電極は、内部容積を有するチャンバー、ガス入口、及び下方に突き出た導電チップの配列を含む電気的に絶縁されたベースによって画定され、導電チップは、第1の電気的に接続されたグループと第2の電気的に接続されたグループに分けられ、導電チップの第1又は第2の電気的に接続されたグループの少なくとも一方はガスチャンバーの内部容積と流体連通して、チャンバーに流入する還元ガスを含むガス混合物を各細長いニードルから外へ噴射できるようにし、細長いニードルの少なくとも一方のグループは負にバイアスされているDC電圧源に接続され、第1又は第2の電気的に接続されたグループのもう一方は正にバイアスされているDC電圧源に接続され、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源は、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源との間で交互にエネルギーを供給できる機能制御器に電気的に接続されており;還元ガスを含むガス混合物をガスチャンバー及び各細長いニードルを通して流し;負にバイアスされているDC電圧源を起動することによって細長いニードルの少なくとも一方のグループに通電して、電子を各細長いニードルの先端から発生させることができるようにし、電子の少なくとも一部は、各細長いニードルの先端から流出する還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成し;処理表面を負に帯電した還元ガスと接触させて基材の処理表面上の金属酸化物を還元し;そして正にバイアスされているDC電圧源を起動することによって導電チップのもう一方のグループに通電して処理表面から余分な電子を回収し、負にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された細長いニードルの少なくとも一方のグループと正にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップのもう一方のグループは同時には通電されない。
【0019】
更なる態様では、複数の半田バンプを含む層を有する基材において半田接合を形成する方法であって、接地電位を有するベース電極の近くに、複数の半田バンプを含む層を有する基材を用意する工程;ベース電極及び基材の近くに通電電極を用意する工程であって、層及び半田バンプの少なくとも一部が通電電極にさらされ、ベース電極、通電電極及び基材がターゲット領域内にあり、通電電極が、突き出た導電チップの配列を含む絶縁プレートによって画定され、導電チップが導電ワイヤーによって電気的に接続されている工程;還元ガスを含むガス混合物をターゲット領域に通過させる工程;負にバイアスされているDC電圧源を起動することによって導電チップの列に通電してターゲット領域内に電子を発生させ、該電子の少なくとも一部が還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成する工程;及び処理表面を負に帯電した還元ガスと接触させて半田バンプをリフローし、それによって半田接合を形成する工程を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】a及びbはそれぞれ放出電極及びベース電極に関する電圧パルスを示す。
【図2a】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2b】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2c】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2d】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2e】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2f】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2g】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2h】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図2i】電子の放出及び/又は回収に好適な種々の電極形状の略図である。
【図3】複数のチップを用いた電子の放出及び/又は回収に好適な電極の1つの実施態様の例を与える。
【図4】セグメントに分かれたアセンブリを有する電子の放出及び/又は回収に好適な電極の1つの実施態様の例を与える。
【図5】ウェハバンピング用途における表面金属酸化物の除去を説明する本明細書に記載の方法の1つの実施態様の例を与える。
【図6】ウェハバンプのリフローの際に電極の極性を変化させることによって基材表面上の負に帯電したイオンを除去するための本明細書に記載の方法の特定の実施態様を示す。
【図7】2つの電極の極性が変化した場合の2つの電極間の荷電種の輸送を示す。
【図8】ベース電極に対して正のバイアスを有する追加の電極を用いることにより基材表面上の電子を除去するための本明細書に記載の方法の特定の実施態様の例を与える。
【図9】基材に対して少なくとも1つの電極を動かす本明細書に記載の方法及び装置の特定の実施態様の種々の例を与える。
【図10】a及びbはそれぞれ一方向性電圧パルス及び双方向性電圧パルスの例を与える。
【図11】本発明の電極アセンブリの実施態様の例である。
【図12】図11の実施態様の特定の特徴の例である。
【図13】図11の実施態様で用いられる導電チップの例である。
【図14】図11の実施態様で用いられる導電チップの電気的配置の図である。
【図15】本明細書に記載の通電電極アセンブリの実施態様の例である。
【図16】内部通路、角度をつけた先端及びフランジ状端部を有する導電チップの実施態様の例である。
【図17】本明細書に記載の電極アセンブリの別の実施態様の等角図を与える。
【図18】a及びbはそれぞれ図17の電極アセンブリの特定の特徴の側面図及び上面図を与える。
【図19】a及びbはそれぞれ図17の電極アセンブリの特定の特徴の側面図及び上面図を与える。
【図20】a及びbはそれぞれ、例えば、ダイ・トゥ・ダイ(die−to−die)接合において好適な電極アセンブリの特定の実施態様の上面図及び側面図を与える。
【図21】還元ガスがターゲット領域への導入前にチャンバーにおいて予備加熱される、図15の電極アセンブリの更なる実施態様の例を与える。
【図22】電極アセンブリが追加のカソードさらに含む本明細書に記載の電極アセンブリの1つの実施態様の側面図を与える。
【発明を実施するための形態】
【0021】
負に帯電したイオンにさらすことによって基材表面から金属酸化物を除去するための方法及び装置が本明細書で記載される。負に帯電したイオンは表面の金属酸化物と反応してそれを還元する。1つの態様では、本方法、本装置又はそれらの両方は、例えば、半田バンプ付きウェハのリフローに使用されるリフロー機器などの従来のリフロー及び半田付け設備を改良することによって利用することができる。この又は他の態様では、本方法はまた、金属メッキ(すなわち、印刷回路基板又は金属表面の一部を半田メッキして、以降の半田付けに対してそれらをより扱いやすくする)、アウターリードボンディングのためのリフロー及びウェーブ半田付け、表面洗浄、ろう付け、溶接、及びシリコンウェハ処理中に形成する酸化銅のような表面金属酸化物の除去など、しかしそれらに限定されない基材から表面の金属酸化物を除去することが望ましい他の処理にも適用することができる。本明細書に記載される方法及び装置を用いた金属酸化物の除去は、前述の処理又は有機フラックスを必要とせずに酸化物を除去することを望む他の任意の処理に等しく適用できる。
【0022】
本明細書で用いられる「基材」という語は、一般に、シリコン、二酸化ケイ素で被覆されたシリコン、アルミニウム−酸化アルミニウム、ヒ化ガリウム、セラミック、石英、銅、ガラス、エポキシ、又は電子デバイス内の使用に好適な任意の材料などの材料に関する。幾つかの実施態様では、基材は、その上に半田が配置された電気的に絶縁された基材又は半導体基材である。例示的な半田組成物としては、特に限定されないが、フラックスレスのスズ−銀、フラックスレスのスズ−銀−銅、フラックスレスのスズ−鉛、又はフラックスレスのスズ−銅が挙げられる。1つの実施態様では、基材は、電気的に絶縁された基材である。電気的に絶縁された基材の例としては、特に限定されないが、印刷回路基板で用いられる硬質のエポキシガラス(例えば、FR−4型)積層基材;フレキシブル回路で用いられる軟質のポリマー膜(例えば、ポリイミド)基材;集積回路の相互接続スキーム、ポリマー系BGA等の高密度相互接続、高密度相互接続などで用いられる絶縁基材;3D若しくは積層集積回路又は3D若しくは積層パッケージング技術で用いられる絶縁基材;及びそれらの組み合わせが挙げられる。しかしながら、本明細書に記載される方法及び装置は、種々の異なる基材及び半田組成物に好適である。特定の好ましい実施態様では、基材は、その上に複数の半田バンプが配置されたシリコンウェハである。この実施態様では、複数の半田バンプは、基材内、例えば、積層パッケージ内の少なくとも1つの層上に存在してもよい。
【0023】
理論に束縛されることを意図するものではないが、直流電圧源などのエネルギー源が少なくとも2つの電極の間に印加されると、2つの電極のうち他方の電極に対して負の電気バイアスを有する一方の電極(本明細書で「放出電極」と称される)から及び/又は2つの電極間の気相から電子が発生する。発生した電子は、電界に沿って接地された又は正の電気バイアスを有する他方の電極(本明細書で「ベース電極」と称される)の方へドリフフトする。その表面上に複数の半田バンプを有する基材は、ベース電極と放出電極によって画定される領域(本明細書で「ターゲット領域」と称される)内に配置され、半田バンプを形成した表面又は処理領域が放出電極にさらされる。幾つかの実施態様では、基材をベース電極に接続してターゲットアセンブリを形成することができる。還元ガスと任意選択でキャリヤーガスとを含むガス混合物を電極によって作り出した電界に通す。電子ドリフトの間に、還元ガスの一部は電子付着によって負イオンを形成し、次いで、この負イオンがターゲットアセンブリ、すなわち、ベース電極と基材表面の方へドリフトする。基材表面では、こうして、負に帯電したイオンが従来のフラックスを必要とせずに存在する酸化物を還元することができる。さらに、処理すべき表面上の活性種の吸着は、電界に沿った負に帯電したイオンのドリフトのために促進させることができる。
【0024】
還元ガスが水素を含む実施態様では、本発明の方法は以下のようにして行われると考えられる。
分子状H2の解離性付着: H2 + e' → H- + H (I)
水素原子の電子付着: e' + H → H- (II)
(I)と(II)の組み合わせ: 2e' + H2 → 2H- (III)
酸化物還元: 2H- + MO → M + H2O + 2e'(M=半田/ベース金属)
(IV)
【0025】
これらの実施態様では、本発明の電子付着法を用いた金属酸化物の還元の活性化エネルギーは分子状水素を使用する方法よりも低い。なぜなら、電子付着を用いた原子状水素イオンの形成は、分子状水素の結合破壊に関連するエネルギーを除いているからである。
【0026】
幾つかの実施態様では、放出電極から電子を発生させるのに十分なエネルギーが、電極の少なくとも一方、好ましくは放出電極に供給される。エネルギー源は、好ましくは電気エネルギー又は電圧源、例えばAC又はDC源である。他のエネルギー源、例えば電磁エネルギー源、熱エネルギー源又は光エネルギー源を単独で又は上記のエネルギー源のいずれかと組み合わせて使用することもできる。本発明の幾つかの実施態様では、放出電極は第1の電圧レベルに接続され、ベース電極は第2の電圧レベルに接続される。電圧レベルの差によって電位のバイアスが作り出される。第1又は第2の電圧レベルのうち一方は、2つの電極のうちいずれか一方が接地していることを示すゼロであることができる。
【0027】
電子付着により負に帯電したイオンを作り出すためには、大量の電子を生成することが必要である。この点について、電子は、陰極放出、ガス放電、又はそれらの組み合わせなど、しかしそれらに限定されないさまざまな方法によって生成できる。これら電子生成法の中では、方法の選択は、主として生成電子のエネルギーレベル及び効率に依存している。還元ガスが水素である実施態様については、4eVに近いエネルギーレベルを有する電子が好ましい。これらの実施態様では、このような低エネルギーレベルの電子は、ガス放電よりはむしろ陰極放出によって生成されることが好ましい。そうして、生成した電子は、放出電極から空間電荷を作り出すベース電極へドリフトすることができる。空間電荷は、水素が少なくとも2つの電極又はターゲット領域内を通過するときに、電子付着によって負に帯電した水素イオンを生成するための電子源を提供する。
【0028】
陰極放出による電子生成に関する実施態様については、これらの実施態様は、(本明細書で低温放出と称される)電界放出、(本明細書で高温放出と称される)熱放出、熱電界放出、光電子放出、及び電子又はイオンビーム放出を含むことができる。
【0029】
電界放出は、エネルギーバリヤーを克服して放出電極の表面から電子を放出させるよう強度の十分高い電界をベース電極に対して放出電極上に負バイアスで印加することを伴う。幾つかの好ましい実施態様では、0.1〜50kV、好ましくは2〜30kVのDC電圧が2つの電極間に印加される。これらの実施態様では、電極間の距離は0.1〜30cm、好ましくは0.5〜5cmであることができる。
【0030】
他方で、熱放出は、高温によって放出電極の電子を励磁し、放出電極材料の金属結合から電子を分離することを伴う。幾つかの好ましい実施態様では、放出電極の温度は、800〜3500℃、好ましくは800〜1500℃であることができる。放出電極は、AC又はDCを電極に通すことによる直接加熱;加熱部材、IR放射により加熱される電気絶縁された高温表面とカソード表面とを接触させるような間接加熱;又はそれらの組み合せなど、しかしそれらに限定されない種々の方法によって高温にするか及び/又はその高温を維持することができる。
【0031】
熱電界放出は、電界と高温の両方を適用する電子生成のための電界放出法と熱放出法を混成したものである。それゆえ、熱電界放出は、純粋な電界放出及び純粋な熱放出に比べて、同量の電子を生成するのにより低い電界とより低い電極温度を要求できる。熱電界放出は、放出表面上の汚染によって電子の放出が低下する傾向があること、及び放出表面の平坦性及び均一性に関する高い制限など、純粋な電界放出に関して直面する困難を最小限に抑えることができる。さらに熱電界放出によって、放出電極と気相の間で化学反応が起こる可能性が高いことなど、熱放出に関係した問題を回避することもできる。電子の生成に熱電界放出を用いる実施態様では、放出電極の温度は、周囲温度から3500℃、より好ましくは150〜1500℃であることができる。これらの実施態様では、電圧は、0.01〜30kV、より好ましくは0.1〜10kVであることができる。
【0032】
幾つかの好ましい実施態様では、熱放出又は熱電界放出法が電子の生成に用いられる。これらの実施態様では、これらの方法のいずれかで用いられる高温の放出電極は、以降のリフロープロセス工程についてガスを加熱するのに必要とされる熱エネルギーを低減することができるように、2つの電極によって作り出される電界を通過するガス混合物のための熱源として作用することもできる。
【0033】
本発明の幾つかの実施態様では、電子の生成は、陰極放出法とコロナ放電法の組み合わせによって達成される。これらの実施態様では、DC電圧などのエネルギー源が2つの電極間で印加され、放出電極(低温又は高温)と放出電極付近の気相(コロナ放電)の両方から電子を生成することができる。電子付着によって負に帯電したイオンを形成する効率を増加させかつ放出電極の寿命を向上させるために、コロナ放電はできる限り小さく抑えることが好ましい。
【0034】
電子の放出に陰極放出のメカニズムが用いられる実施態様では、2つの電極に印加される電圧は一定又はパルスであることができる。電圧パルスの周波数は0〜100kHzである。図1a及び1bは、それぞれ放出電極及びベース電極についての電圧パルスの図を与える。これらの実施態様では、電子の生成量を改善しかつ気相放電の傾向を低減するためには、一定電圧よりも図1a及び1bに示されるようなパルス電圧が好ましいと考えられる。
【0035】
ガス放電による電子の生成に関する実施態様について、これらの実施態様は、熱放電、光放電、並びにグロー放電、アーク放電、スパーク放電、及びコロナ放電を含む種々のアバランシェ放電を含むことができる。これらの実施態様では、電子は気相イオン化によって生成される。気相は還元ガスと不活性ガスを含むガス混合物である。気相イオン化の幾つかの実施態様では、電圧源が2つの電極間で印加され、電子が2つの電極間で不活性ガスからガス混合物中に生成し、次いで、ベース電極などの正バイアス電極にドリフトする。この電子ドリフトの間に、これら電子の一部は還元ガス分子に付着し、電子付着によって負に帯電したイオンを形成することができる。加えて、幾つかの正イオンもまた、不活性ガス中に生成し、次いで放出電極などの負バイアス電極へドリフトして電極表面で中性化される。
【0036】
前述のように、放出電極がベース電極に対して負バイアスを有する場合に、放出電極から電子を生成することができる。図2a〜2iについて言えば、放出電極は、例えば、細いワイヤー2a、尖ったチップを備えたロッド(棒)、コーム若しくは複数の尖ったチップを備えたロッド2c、スクリーン若しくはワイヤーメッシュ2d、ルースコイル2e、ずらりと並んだコーム2f、細いワイヤー若しくはフィラメントの束2g、その表面から突き出た鋭いチップを備えたロッド2h、又はぎざぎざのある表面を備えたプレート2iなど、種々の幾何学形状を有することができる。付加的な幾何学形状は、表面突起を備えたプレート若しくはロッド、巻き線若しくはフィラメントで包まれたロッド、細いワイヤーのコイル等のような上記幾何学形状の組み合わせを含むことができる。並直列又は交差グリッドに配置できる複数の電極を使用することができる。なお更なる幾何学形状としては、車輪の「スポーク」のように複数の電極が放射状に配置された「ワゴンホイール」形状を挙げることができる。電界放出が関係する実施態様など、幾つかの実施態様では、カソードは、好ましくは複数の鋭いチップなどの大きな表面の湾曲を有する幾何学形状から作製され、図3に示す幾何学形状のような電極表面の付近で電界を最大にする。図3で示すように、電極1は、その表面から出ている複数のチップ3とともに、電極表面上の溝内部にある一連の細いワイヤー2を有する。
【0037】
放出電極として作用する電極材料は、比較的低い電子放出エネルギー又は仕事関数を有する導電材料から構成されることが好ましい。この材料はまた、処理条件下で高い融点と比較的高い安定性を有することが好ましい。好適な材料の例としては、金属、合金、半導体、及び導電性基材上に被覆又は堆積された酸化物が挙げられる。更なる例としては、特に限定されないが、タングステン、グラファイト、ニッケルクロム合金などの高温用合金、並びに導電性基材上に堆積されたBaO及びAl23などの金属酸化物が挙げられる。
【0038】
ベース電極として作用する電極は、金属又は本明細書に記載される他の材料のいずれかのような導電材料から構成される。ベース電極は、用途に応じて種々の異なる幾何学形状を有することができる。
【0039】
熱電界放出に関する本発明の幾つかの実施態様では、放出電極は、図4に示される電極などのセグメントに分かれたアセンブリを含むことができる。この点については、放出電極のコア10は、高い電気抵抗を有する金属から作製できる。複数のチップ11がコア10から出ている。チップ11は、本明細書で開示される材料のいずれかのような比較的低い電子放出エネルギー又は仕事関数を有する導電材料から作製できる。コアは、AC又はDC電流(図示せず)をコア10に直接流して加熱することができる。熱伝導によってコアからチップ11へ熱を伝達する。高温のコア10及び複数のチップ11は筐体12内に封入され、次いで筐体12が支持フレームに挿入され、それによって示されるようなセグメントに分かれたアセンブリが形成される。チップ11は筐体12の外部に露出している。筐体12は絶縁材料から構成される。セグメントに分かれたアセンブリは、操作中のコアの熱膨張を可能にすることができる。この配置では、放出電極上にベース電極に対して負の電圧バイアスを印加することによって高温のチップ11から電子を発生させることができる。
【0040】
熱電界放出に関する本発明の別の好ましい実施態様では、放出電極の温度は、間接加熱によって上昇させることができる。これは、放出電極のコアとして加熱カートリッジを使用することで達成できる。加熱カートリッジの表面は、カートリッジ内部の加熱部材から電気絶縁した金属などの導電材料から構成できる。電子放出を促進するために、複数の分散された放出チップを、加熱カートリッジの表面上に取り付けることができる。カートリッジは、AC又はDC電流をカートリッジ内部の加熱部材に流して加熱することができる。第2電極に関連するカートリッジ表面に負電圧バイアスを印加することによってカートリッジの分散チップから電子を生成することができる。この配置において電圧バイアスを作り出すために、第2電極は、カートリッジに負バイアスをかけることができるよう接地することができるか、あるいはカートリッジは、第2電極に正バイアスをかけることができるよう接地することができる。幾つかの実施態様では、後者の場合が、例えば、一方の回路が加熱部材に沿ったAC又はDC電流であることができ、もう一方の回路がカートリッジ表面と第2電極との間の高い電圧バイアスであることができる2つの電気回路間の潜在的な干渉を排除するのに好ましい場合がある。これらの実施態様では、高温のカートリッジ電極はまた、リフロープロセス工程に必要とされる温度を達成するためのガス混合物の熱源として作用することもできる。
【0041】
前述のように、還元ガスを含むガス混合物は、少なくとも2つの電極によって作り出される電界に通される。ガス混合物中に含まれる還元ガスは、以下のカテゴリー、すなわち、1)本質的に還元体のガス、2)金属酸化物との反応によりガス状酸化物を形成する活性種を生成できるガス、又は3)金属酸化物との反応により液状若しくは水性酸化物を形成する活性種を生成できるガスのうちの1つ又は複数に分類することができる。
【0042】
ガスの第1カテゴリー、すなわち、本質的に還元体のガスは、除去されるべき酸化物に対して還元体として熱力学的に作用する任意のガスを含む。本質的に還元体のガスの例としては、H2、CO、SiH4、Si26、ギ酸、アルコール、例えば、メタノール、エタノール等、及び以下の化学式(III)を有する幾つかの酸性蒸気が挙げられる。
【化1】

【0043】
化学式(III)において、置換基Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール又は置換アリール基であることができる。本明細書で用いられる「アルキル」という語は、好ましくは1〜20個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含有する直鎖、分枝又は環状のアルキル基を含む。これは、ハロアルキル、アルカリール又はアラルキルなどの他の基に含まれるアルキル部分にも適用する。「置換アルキル」という語は、O、N、S若しくはハロゲン原子などのヘテロ原子;OCH3;OR(RはC1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール);C1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール;NO2;SO3R(RはC1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール);又はNR2(RはH、C1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール)を含む置換基を有するアルキル部分に適用する。本明細書で用いられる「ハロゲン」という語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。本明細書で用いられる「アリール」という語は、芳香族の性質を有する6〜12員の炭素環を含む。本明細書で用いられる「置換アリール」という語は、O、N、S若しくはハロゲン原子などのヘテロ原子;OCH3;OR(RはC1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール);C1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール;NO2;SO3R(RはC1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール);又はNR2(RはH、C1-10のアルキル若しくはC6-10のアリール)を含む置換基を有するアリール環を含む。幾つかの好ましい実施態様では、ガス混合物は水素を含有する。
【0044】
還元ガスの第2カテゴリーは、本質的に還元性ではないが、ガス分子上における電子の解離性付着によって、例えば、H、C、S、H’、C’及びS’などの活性種を生成でき、かつ当該活性種と除去されるべき金属酸化物との反応によってガス状酸化物を形成できる任意のガスを含む。このタイプのガスの例としては、NH3、H2S、C1〜C10の炭化水素、例えば、限定されないが、CH4、C24、化学式(III)を有する酸性蒸気、及び以下の化学式(IV)を有する有機蒸気が挙げられる。
【化2】

【0045】
化学式(III)及び(IV)において、置換基Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基であることができる。
【0046】
還元ガスの第3カテゴリーは、本質的に還元性ではないが、ガス分子上における電子の解離性付着によって、例えば、F、Cl、F’及びCl’などの活性種を形成でき、かつ当該活性種と金属酸化物との反応によって液状又は水性酸化物を形成できる任意のガスを含む。このタイプのガスの例としては、フッ素及び塩素含有ガス、例えば、CF4、SF6、CF2Cl2、HCl、BF3、WF6、UF6、SiF3、NF3、CClF3及びHFが挙げられる。
【0047】
還元ガスの上記カテゴリーのうち1つ又は複数を含むことに加えて、ガス混合物は、1つ又は複数のキャリヤーガスをさらに含有できる。キャリヤーガスは、例えば、還元ガスを希釈するか又は衝突の安定化を与えるのに使用できる。ガス混合物中で使用されるキャリヤーガスは、ガス混合物中の1つ又は複数の還元ガスよりも小さい電子親和力を有する任意のガスであることができる。幾つかの好ましい実施態様では、キャリヤーガスは不活性ガスである。好適な不活性ガスの例としては、特に限定されないが、N2、Ar、He、Ne、Kr、Xe及びRnが挙げられる。
【0048】
幾つかの好ましい実施態様では、ガス混合物は、その比較的低いコストと排ガスの放出が環境にやさしいことにより、還元ガスとして水素をそしてキャリヤーガスとして窒素を含む。これらの実施態様では、ガス混合物は、0.1〜100vol%、好ましくは1〜50vol%、より好ましくは0.1〜4vol%の水素を含む。4%未満の水素量が好ましく、ガス混合物が不燃性になる。
【0049】
幾つかの実施態様では、ガス混合物は、周囲温度から450℃、より好ましくは100〜350℃の温度で少なくとも2つの電極によって作り出される電界に通される。ガス混合物の圧力は、好ましくは周囲の大気圧、すなわち、プロセス領域に存在する圧力である。真空等の特別な圧力は必要ない。ガス混合物が加圧される実施態様では、圧力は、10〜20psia、好ましくは14〜16psiaであることができる。
【0050】
酸化物を除去すべき基材表面は、放出電極と当該放出電極に対面する表面を備えたベース電極との間に配置されることが好ましい。本発明の幾つかの好ましい実施態様では、基材は、ターゲットアセンブリを提供するようベース金属に接続することができ、放出電極に対面している。これらの実施態様では、放出電極とウェハ及び/又はターゲットアセンブリの上面との間の距離は、0.1〜30cm、好ましくは0.5〜5cmであることができる。
【0051】
図5は、基材がシリコンウェハ20であるウェハバンピング用途に用いられるプロセスの図を与える。図5を参照すると、第2電極24がウェハ20の上に配置され、複数の半田バンプ(図示せず)を含むウェハ20が第1電極22上に配置されてターゲットアセンブリを形成している。複数の半田バンプを含むウェハ20の表面の少なくとも一部が第2電極にさらされている。ウェハ20は第1電極22上に配置するよう示されているが、ウェハ20は電極22と電極24の間の任意の場所に配置することができる。パルス電圧25が第1電極22と第2電極24に印加され、電界が作り出される。水素と窒素を含むガス混合物26がこの電界に通される。低エネルギーの電子28が電界内に生成し、第1電極22及びその上に配置されるウェハ20の方へドリフトする。加えて、ガス混合物26中の水素の一部は電子付着によって水素イオン30を形成し、これも同様に第1電極22及びその上に配置されるウェハ20の方へドリフトする。その上にウェハ20が配置された電極22への負に帯電した水素イオン30及び電子28のドリフトは、ウェハ20の表面上へのイオン30の吸着を促進させ、そして(本明細書で表面脱酸素と称される)ウェハ表面の脱酸素を促進させる。
【0052】
基材の導電性に依存して、表面脱酸素からの反応副生成物として生成した電子の一部を基材表面上に蓄積させることができる。加えて、自由電子の一部は、電界に沿ったドリフトにより基材上に直接吸着することができる。基材表面上へのこの電子の蓄積は、負に帯電したイオンの更なる吸着を妨げ、そして表面脱酸素の平衡に不利に影響する場合がある。表面脱酸素プロセスをより効率的にするためには、基材表面上の電子は定期的に除去する必要がある。
【0053】
基材表面上の電子を除去する1つの方法は、電極の両方の極性を互いに対して変更することであることができる。極性の変更の際、各電極の電圧レベルは必ずしも同じでない場合がある。1つの実施態様では、極性の変更は、図10bに示されるような少なくとも2つの電極間に双方向性電圧パルスを印加することによって達成できる。図6は、電極が電圧パルス(すなわち、負バイアス)の一方の相において電子を発生することができ、そして電圧パルス(すなわち、正バイアス)のもう一方の相において電子を回収することができる極性変更の例を与える。図6では、電極110は、電子放出電極と電子回収電極の両方として使用され、そして電極120はベース電極として使用される。この配置により、表面脱酸素の効率を最大にすることができる。複数の鋭いチップ101を含む電極110はウェハ103の上に配置される。電極110は、AC電源104に接続することによって加熱される。別の電極120はウェハ103の下に配置される。電極110及び120の極性の変更は、例えば、双方向性パルスのDC電源105によって得ることができる。双方向性電圧パルスの例は図10bに示されている。電極110が負にバイアスされている場合には、チップ101から発生した電子の少なくとも一部は、還元ガス及びウェハ103の方へドリフトする新たに作り出された還元ガスイオンの少なくとも一部に付着する。極性が逆転した場合には、電子は、ウェハ103の表面から放出されそしてチップ101に戻って回収される。図7a及び7bは、電圧パルスの各サイクルの間の荷電種の輸送を示している。2つの電極の極性を変更する周波数は、0〜100kHzであることができる。
【0054】
他の実施態様では、基材表面上の余分な電子は、1つ又は複数の追加の電極を用いることで除去することができる。図8は、ウェハが基材であるこのような例を与える。図8を参照すると、ウェハ200は、接地したベース電極201の上に配置されている。2つの電極、ベース電極201に対して負の電圧バイアスを有する電極202及びベース電極201に対して正の電圧バイアスを有する電極203が、ウェハ表面200より上に設置されている。この配置では、電子は、電極202から持続的に発生しそして電極203で回収される。1つの特定の実施態様では、電極202及び電極203の極性は、ベース電極201に対して正の電圧バイアスから負の電圧バイアスに周期的に変更することができ、逆もまた同様である。
【0055】
さらに別の実施態様では、電子又は残留する表面電荷は、表面脱酸素の後に中和剤を用いることによって基材表面から除去することができる。残っていて未処理の場合、残留する電荷の汚染によってセンシティブな電子部品に静電放電のダメージが生じる場合がある。これらの実施態様では、N2等の高純度ガスを商業的に入手可能な中和装置、次いで基材表面に流すことで、ウェハ表面の残留電荷を中和することができる。ガス中に存在する正イオンは、任意の残留電子を中和しそして電気的に中性の表面を与える。好適な電荷中和装置は、例えば、ガス中に正イオンと負イオンの等しい密度を作り出すKr−85放射能源からなることができる。ガスがウェハを通って流れるにつれて正イオン及び負イオンがガス中に生成され、一方で、ガス流の正味電荷はゼロである。
【0056】
幾つかの実施態様では、基材又はターゲットアセンブリは、放出電極として作用する電極に対して動かすことができる。この点について、放出電極を固定位置にして基材を動かすことができるか、放出電極を動かして基材を固定位置にすることができるか、又は放出電極と基材の両方を動かすことができる。この動作は、垂直、水平、回転又は円弧に沿っていることができる。これらの実施態様では、表面脱酸素は、基材表面の局所的な領域内で起こることができる。
【0057】
以下の図9a〜9eについて、基材は、接地しているベース電極の上に配置されたシリコンウェハである。複数の半田バンプ(図示せず)を含むウェハ表面の少なくとも一部は、放出電極と回収電極の両方として作用する(すなわち、例えば、電位において負のバイアスから正のバイアスに極性を変化させる)第2の電極にさらされる。図9aは、0〜100KHzの周波数範囲で循環しそれによって306として示されるイオン領域を生成することができるベース電極304に対し、双方向性のパルス電圧が印加される加熱される線形電極302の下で回転して動かされるシリコンウェハ300を示している。処理チャンバー(図示せず)の外側に位置するモーターによってウェハが回転する。このような回転は、ウェハ表面を著しく汚染することなしに半導体処理においてしばしば達成される。汚染は、高い清浄度、回転フィードスルー及び流れパターンの制御によって回避することができる。図9bは、ベース電極314に対して双方向性のパルス電圧が印加され、それによって316として示されるイオン領域を生成する加熱される線形電極312の下で直線的に動かされるシリコンウェハ310を示している。この配置は、管状バンピング炉を通してウェハを動かす、例えば、リフロー炉を通して印刷回路基板を動かすのにコンベヤーベルトが使用される用途に好適であることができる。図9cは、一対の加熱線形放出電極324及び326の下で回転して動かされるシリコンウェハ320を示している。電子をウェハ表面に発生させ、そしてそれをウェハ表面から戻って回収でき、それによって328として示されるイオン領域を生成できるように、ベース電極322は固定された正のバイアスを有し、放出電極324及び326はベース電極322に対して固定された負のバイアスを有する。処理チャンバー(図示せず)の外側に位置するモーターによってウェハが回転する。図9dは、電子を放出しそして別々に回収し、それによって338として示されるイオン領域を生成するために、ベース電極332に対して固定されかつ反対の極性で保持される加熱された一対の線形電極334及び336の下で直線的に動かされるシリコンウェハ330を示している。最後に、図9eでは、回転アーム346の端部に位置する比較的より小さな電極344が用いられる。電極344の極性はしばしばベース電極342に対して変更され、それによって348として示されるイオン領域を生成する。このアームは、例えば、アーチ状の動きにおいて回転ウェハ340の上をスイングされ、ウェハ表面全体の完全で均一な処理に作用する。
【0058】
本明細書で記載される方法は、例えば、表面洗浄、金属メッキ、ろう付け、溶接、並びにアウターリードボンディングのためのリフロー及びウェーブ半田付けなどの半田バンプ付きウェハのリフローに加えて、マイクロエレクトロニクス製造の幾つかの分野において使用することできる。本明細書で記載される方法に適したリフロー及びウェーブ半田付け装置の例は、本発明の譲受人に譲渡されそしてその参照により全体として本明細書に含められる係属中の米国特許出願第09/949,580号の図1〜3にある。1つの特定の態様では、本明細書で記載される方法は、シリコンウェハの処理又は薄膜の脱酸素の際に形成される酸化銅のような表面金属酸化物を還元するのに使用することができる。このような酸化物は、ウェハ上にマイクロ電子デバイスを形成するのに使用される化学機械平坦化などの種々の湿式処理工程の結果として形成しうる。これらの表面酸化物は、デバイスの歩留まり及びデバイスの信頼性を低下させる。本方法では、水性の還元剤を使用することを要しない十分に乾燥した環境に優しいやり方で表面酸化物を除去することが可能である。さらに、本方法は比較的低い温度で行われるため、処理の間にデバイスの熱収支に重大な影響を及ぼさない。対照的に、より高い温度では、ドーパント及び酸化物の拡散が生じてデバイスの歩留まり及び信頼性が低下する傾向があり、それによってデバイスの性能が低下する。幾つかの実施態様では、本明細書で記載される方法は単一のウェハ上で実施されるので、本方法は、他の単一のウェハ処理と統合し、それによって他の製造工程とより良い適合性を提供することができる。
【0059】
本明細書で記載される方法及び装置は、ウェハバンピング及び薄膜の脱酸素の用途に特に適している。本明細書で記載される方法及び装置をウェハバンピング及び薄膜の脱酸素に使用する利点は数多くある。第一に、アウターリードボンディングのための典型的なリフロー半田付けプロセスと比較して、ウェハバンピング及び薄膜の脱酸素は両方とも単一面の処理である。これに関連して、脱酸素されるべき表面より上の空間は1cm程度であることができ、それによってイオンの生成及び輸送の両方に関して効率的なプロセスとなる。第二に、ウェハバンピングにおけるリフローのための処理温度は、典型的なリフロー半田付けプロセスの温度よりもかなり高い。このより高い温度では、電子付着によって負に帯電したイオンの形成が促進される。第三に、ウェハバンピング及び薄膜の脱酸素プロセスでは、半田バンプ及び薄膜は完全に露出しており、それによって表面脱酸素の際の如何なる「シャドー(影)」効果も最小限に抑えられる。さらに、半田が濡れそして部品表面にわたって広がる必要のある他の半田付けプロセスと比較して、ウェハ上に堆積された半田バンプは、第1のリフローにおいて半田ボールの形成を示すことのみ必要である。
【0060】
図11〜14は、本発明による基材の処理表面から金属酸化物を除去するのに用いられる好ましい電極アセンブリ装置を示している。図11を参照すると、電極アセンブリは、導電ワイヤー(図示せず)によって電気的に接続されている突き出た導電チップ506の配列を有する通電電極501と、接地電位を有するベース電極502とを含む。本明細書で用いられる場合には、「通電電極」という語は、接地(ゼロ)に対して正又は負の電位を有する電極である電極を言うものである。通電電極501は、ベース電極502の近くにある。好ましくは、ベース電極502と通電電極501は、約0.5cm〜約5.0cmの距離で互いに離れて配置されている。好ましい実施態様では、ベース電極502と通電電極501は1.0cmの距離で互いに離れて配置されている。
【0061】
基材503はベース電極502の近くにある。基材503は、絶縁部分504と金属酸化物を含む処理表面505を含む。好ましくは、処理表面505の少なくとも一部は、通電電極501及びベース電極502にさらされ、そして通電電極501及び基材503はすべてターゲット領域内にある。
【0062】
次に、図11及び12aを参照すると、通電電極501は、導電ワイヤー(図示せず)によって電気的に接続されている突き出た導電チップ506の配列を有する絶縁プレートによって画定される。好ましくは、絶縁プレートは、例えば、石英、セラミック材料、ポリマー及びそれらの混合物等の絶縁材料から選択される材料を含む。1つの実施態様では、絶縁プレートは石英を含む。別の実施態様では、絶縁プレートはセラミック材料を含む。
【0063】
1つの特定の実施態様では、突き出た導電チップはベースプレートに取り外し可能に接続されている。例えば、図12aを参照すると、絶縁プレートの下側は「鍵穴」に似た穴507を有する。穴507のそれぞれは導電ワイヤー508によって接続されており、導電ワイヤー508は、導電チップ506が穴507に挿入されると、導電チップ506と電気的に接触する。図12bは3つの穴507の配置の拡大図を示す。好ましくは、穴507(したがって導電チップ506)は、約2mm〜約10mm、約5mm〜約8mm、又は約5mmの距離で互いに離間している。穴507は、例えば、レーザー穴あけ等の当業者に公知の任意の手段によって形成することができる。
【0064】
図13は、上端部508が穴507の1つに適合し、導電ワイヤー508と接触して、例えば、ひねる動作によってロックする単一の導電チップ506を示している。導電チップのそれぞれは、例えば、導電チップ506をロックするために行われるのと反対方向にひねることで、ロックを解除しそして取り外すことができる。好ましくは、導電チップ506は、例えば、黄銅、ステンレス鋼、ニッケル−クロム合金、及び比較的低い電子放出エネルギーを有する他の金属などの金属から形成される。別の実施態様では、導電チップ506は、例えば、カーボンナノチューブ等のナノチューブから構成することができる。
【0065】
次に、図14に記載された実施態様を参照すると、突き出た導電チップ506の配列は、第1の電気的に接続されたグループ510と第2の電気的に接続されたグループ512に分けられており、当該第1又は第2の電気的に接続されたグループの一方が正にバイアスされているDC電圧源516に接続され、当該第1又は第2の電気的に接続されたグループのもう一方が負にバイアスされているDC電圧源518に接続されている。正にバイアスされているDC電圧源及び負にバイアスされているDC電圧源は、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源との間に交互にエネルギーを供給できる機能制御器514に電気的に接続されている。機能制御器514と正及び負のDC電圧源のそれぞれとの間には、それぞれ正及び負のDC電圧源と連通している正のパルス発生器520及び負のパルス発生器522がある。パルス発生器520及び522は実際には切り替わる。各パルス発生器が機能制御器514からパルス信号(例えば、0〜5vのパルスの低電圧信号)を受信すると、(例えば、0vとDC電圧の設定点との間の)対応する高電圧パルスが作り出され、対応する高電圧源に出力される。機能制御器514はデュアル出力を有する。一方の出力は対応するパルス発生器に接続され、もう一方の出力は他のパルス発生器とは接続されておらず、したがって交互に機能する。典型的には、機能制御器のパルス信号の2つの調整可能な変数、すなわち、パルス周波数及び電圧のオン/オフ比がある。
【0066】
運転において、還元ガスを含むガス混合物がターゲット領域に通されると、機能制御器514は、負のパルス発生器522と共同して、負にバイアスされているDC電圧源を起動することによって導電チップの列に通電してターゲット領域内に電子を発生させ、電子の少なくとも一部を還元ガスの少なくとも一部に付着させ、それによって負に帯電した還元ガスを形成し、次に、この負に帯電した還元ガスが処理表面と接触して基材の処理表面上の金属酸化物を還元する。次いで、機能制御器514は、負にバイアスされているDC電圧源の動作を停止し、そして正のパルス発生器520と共同して、正にバイアスされているDC電圧源を起動し、導電チップの残りの組の列に通電して処理表面から余分な電子を回収する。好ましくは、負にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップの列及び正にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップの列は同時には通電されない。操作において、機能制御器514は、高周波数のパルスで負にバイアスされたDC電圧と正にバイアスされたDC電圧との間で切り替えることができる。好ましい実施態様では、電圧のパルス周波数は、好ましくは約0〜約50kHz、より好ましくは約10kHz〜約30kHzである。電圧パルスの振幅は好ましくは約1kV〜約3kVである。
【0067】
図11〜14によって示される実施態様には幾つかの利点がある。第一に、このような実施態様は、例えば、セラミック基材などの絶縁基材上の、例えば、酸化銅などの金属酸化物の低温還元を可能にする。絶縁基材の例としては、例えば、印刷回路基板で用いられる硬質のエポキシガラス積層基材;フレキシブル回路で用いられる軟質の屈曲ポリマー膜(例えば、ポリイミド)基材;集積回路の相互接続スキーム、ポリマー系BGA(ボール・グリッド・アレー)等の高密度相互接続、高密度相互接続で用いられる絶縁基材;及び3D若しくは積層集積回路又は3D若しくは積層パッケージング技術で用いられる絶縁基材が挙げられる。次に、図11〜14に示される実施態様は、各導電チップ上の電界を強化することができる構造及び電気配置を提供し、それによって反対の電位の隣接チップ間でアークが発生することなしに、チップ間の均一な電子放出のための閾値電圧を大きく低下させる。本明細書で記載される方法及び装置の更なる利点は、石英又はセラミック等の絶縁材料が金属の代わりに使用され、したがって電極の熱たわみを高温、例えば300℃超の高温で取り除くことができる場合には、電極プレートの熱膨張が概して最小限に抑えられるということである。さらに追加の利点は、導電ピンが、損傷又は破損した場合に、電極プレートから取り外して交換できるということである。
【0068】
図15に記載された別の実施態様では、電極アセンブリは、導電ワイヤー(図示せず)によって電気的に接続されている突き出た導電チップ605の配列を有する通電電極600と、接地電位を有するベース電極606とを含む。通電電極600はベース電極606の近くにある。チャンバーに流入する還元ガスを含むガス混合物を、導電チップ605の少なくとも一部からターゲット領域609であって、当該ターゲット領域609内にある処理されるべき表面又は処理表面608を有する基材607を含むターゲット領域609に導入できるように、突き出た導電チップ605の配列の少なくとも一部は、チャンバー601の内部容積602と流体連通している内部通路(図15において図示せず)を有する。幾つかの実施態様では、ベース電極606と通電電極600のベースプレート604は、約0.5cm〜約5.0cmの距離で互いに離れて配置されているか、あるいはまた1.0cmの距離で互いに離れて配置されている。
【0069】
図15を再び参照すると、通電電極600は、内部容積602、当該内部容積602と流体連通しているガス入口603、及び図15に示されているような電気的に絶縁されたベースプレート604を有するチャンバー601をさらに含む。絶縁されたベースプレート604の断面は円形として示されているが、他の断面、例えば、限定されないが、正方形、長方形、楕円又はそれらの組み合わせが使用できると考えられる。絶縁されたベースプレート604は、例えば、石英、セラミック材料、ポリマー、及びそれらの混合物等の絶縁材料から選択された材料を含むことができる。1つの特定の実施態様では、絶縁ベースプレート604は石英を含む。別の特定の実施態様では、絶縁ベースプレートはセラミック材料を含む。図15を再び参照すると、通電電極600は、突き出た導電チップ605の配列をさらに含み、各導電チップ605は、チャンバーに流入する還元ガスを含むガス混合物を導電チップ605の少なくとも一部からターゲット領域609に導入できるように、チャンバー601の内部容積602と流体連通している内部通路(図15において図示せず)を有する。導電チップ605は、電子を伝導する材料、例えば、限定されないが、金属、例えば、黄銅、ステンレス鋼、ニッケル−クロム合金等、及び比較的低い電子放出エネルギーを有する他の材料、例えば、限定されないが、グラファイト、炭素、カーボンナノチューブから構成することができる。
【0070】
図16は、導電チップ605の1つの実施態様の側面図を与える。図16によって示されるように、導電チップ605は、チャンバー601(図15で示される)の内部容積602及び処理領域609(図15で示される)と流体連通している内部通路611(破線で示される)を含む本体610を有する。運転では、還元ガスの少なくとも一部は、通電電極601の内部チャンバー602を通過し、内部通路611を通って処理領域又はターゲット領域609に入ることができる。図16に示される実施態様では、導電チップ605は、導電チップ605の本体610の外径の直径よりも大きな直径を有するフランジ状端部613をさらに含み、これによって導電チップ605をチャンバー601(図15で示される)の絶縁プレート604上に取り付けることができる。図16で示される実施態様では、導電チップ605はまた、フランジ状端部613と反対側にある角度をつけたチップ612を有する。導電チップ605の角度をつけたチップ612に関して他の幾何学形状も使用できると考えられ、例えば、限定されないが、尖っていない端部、テーパー状の端部、ピラミッド形の端部、又は円錐形の端部を使用できると考えられる。
【0071】
他の実施態様では、導電チップ605は、絶縁材料から作製された管、導電材料から作製された管又はそれらの組み合わせに挿入された導電ワイヤーであることができ、還元ガスの一部がこの管の内部容積を通ってターゲット領域へ進む。
【0072】
幾つかの実施態様では、導電チップ605はすべて導電ワイヤーによって互いに接続され、そうして負にバイアスされたDC電圧源に接続されて、電子が各導電性ニードルチップから発生できるようにされており、電子の少なくとも一部は各導電チップから流出する還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成する。次いで、処理表面と負に帯電した還元ガスが接触して処理表面上の金属酸化物が還元される。この又は他の実施態様では、負に帯電した電子が基材から接地に流れることができるように、基材は導電性でありそして接地されている。
【0073】
他の実施態様では、通電電極アセンブリは、第1の電気的に接続されたグループと第2の電気的に接続されたグループに分けられた導電チップ605を有し、当該導電チップの第1又は第2の電気的に接続されたグループの少なくとも一方は、チャンバー601に流入する還元ガスを含むガス混合物を各導電チップ605から外へ噴射できるように、チャンバー601の内部容積602と流体連通している内部通路を有する導電チップから作製され、導電チップ605の少なくとも一方のグループは、負にバイアスされているDC電圧源に接続され、そして第1又は第2の電気的に接続されたグループの他方は、正にバイアスされているDC電圧源に接続されており、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源は、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源との間に交互にエネルギーを供給できる機能制御器に電気的に接続されている。次いで、還元ガスを含むガス混合物はチャンバー601を通り、そして内部通路611を有する各導電チップ605を通って流れ、導電チップ605の少なくとも一方のグループは、電子が各導電チップ605から発生できるように、負にバイアスされているDC電圧源を介して活性化され、電子の少なくとも一部は、各導電チップ605から流出する還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成する。この又は他の実施態様では、突き出た導電チップの配列は、内部通路を有する導電チップと、内部通路を有さない導電チップとの混合体であることができる。後者の導電チップすなわち内部通路を有さない導電チップは、余分な電子の少なくとも一部を回収するのに使用することができる。次いで、導電チップ605の他のグループは、正にバイアスされているDC電圧源を起動することによって通電され、基材606の処理表面から余分な電子を回収し、負にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップ605の少なくとも一方のグループと正にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップ605のもう一方のグループは同時には通電されない。
【0074】
幾つかの実施態様では、還元ガス混合物の少なくとも一部は、導電チップ605の内部通路611を通って流れるか、ターゲット領域609内に直接的に流れるか、又はそれらの組み合わせによって流れることができる。次いで、負に帯電した還元ガスは、基材607の処理表面608と接触し、基材607の処理表面608上の金属酸化物を還元する。この又は他の実施態様では、還元ガスの一部は、内部通路を有する導電チップ605を通って流れることができ、そして還元ガス混合物の残り又はN2等の成分は、ターゲット領域609内に直接流れて、その場(in situ)で還元ガス混合物を形成することができる。
【0075】
図21は、図15に記載される電極アセンブリの更なる実施態様600’を与える。図21では、電極アセンブリ600’は、内部容積602’を有するチャンバー601’を含み、還元ガス又はその成分を、内部容積602’を通り、そして複数の中空の導電チップ605’を有するカソード604’を通って流し、アノード606’の近くにある基材(図示せず)上の表面酸化物を還元できるようにしている。幾つかの実施態様では、還元ガス分子への解離性電子付着の効率は、還元ガス又はその1つ若しくは複数の成分の温度を特定の処理温度範囲、例えば、限定されないが200〜800℃まで予備加熱することによって改善することができる。例えば、予備加熱された還元ガスは、複数の中空導電チップ605’を通って、囲まれたターゲット領域609’に導入することができ、96%N2などのキャリヤーガスが、囲まれたターゲット領域609’に室温で直接導入され、H2とN2のガス流の温度が合わさって予想される処理温度に達することができる。1つの特定の実施態様では、中空導電チップ605’は、図16で記載される符号611の内部通路と類似の内部通路(図21では図示せず)を有することができる。図21はまた、ガス入口611’及び613’並びにガス出口615’を介して、内部容積602’、囲まれたターゲット領域609’又は内部容積602’と囲まれたターゲット領域609’の両方に流入又はそこから流出することができる流入ガス又は流出ガスの例を与える。図21に記載される実施態様では、還元ガスは4%のH2と96%のN2を含み、水素が流体入口611’を通って内部容積602’に、そして窒素が流体入口613’を通って囲まれたターゲット領域609’にそれぞれ別々に導入される。しかしながら、他の実施態様では、混合物を、内部容積、囲まれたターゲット領域及び/又は内部容積と囲まれたターゲット領域の両方において一緒に導入することができるか又は予備混合することができる。
【0076】
本明細書で記載される電極アセンブリのさらに別の実施態様が図17に記載されている。図17は、内部容積702と、ガス入口703と、絶縁プレート704と、導電チップ706及び溝707を有する導電ピンプレート705とを有するチャンバー701を含む通電電極アセンブリ700の実施態様の等角図を与える。図17に記載される実施態様の絶縁プレート704は、チャンバー701から導電ピンプレート705を隔てるよう機能し、還元ガス、不活性ガス、キャリヤーガス、及びそれらの組み合わせを含むガスが、内部容積702を通り、そしてターゲット領域(図示せず)へ流れ出ることを可能にする。通電電極700は、一体的なアセンブリであることができるか、あるいはまた、部品交換、ガス分布の制御などを容易に行うことができるように連続して配置された複数のモジュールのアセンブリであることができる。チャンバー701のより詳細な図は、それぞれ側面図及び上面図を与える図18a及び18bに提供されている。導電ピンプレート705のより詳細な図は、それぞれ側面図及び上面図を与える図19a及び19bに提供されている。
【0077】
図18a及び18bを参照すると、通電電極700は、穴708の配列をさらに有するチャンバー701を含み、それにより、ガスは、絶縁プレート704及び導電ピンプレート705の縦溝707(図示せず)を通る前にガス入口703を通ることができる。ガスのバランスのとれた流れをチャンバー701に提供する一対のガス入口を有するガス分配ブロック701が図16、17a及び18bに記載されている。穴708は、ガス入口703及び縦溝707と流体連通している。側面図18aでは、穴708は、面取りされるか又は「漏斗状」として示されている。しかしながら、チャンバー701を通って穴708に入り、そして縦溝707(図示せず)を通ってターゲット領域(図示せず)に入るガスの流れを最適化できる穴708のための他の形状を使用することもできる。側面図16bでは、穴708の上面図が正方形として示されている。しかしながら、例えば、円形、楕円形、三角形などの穴708のために他の形状を使用することもできる。ガス入口703を通ってチャンバー701の内部容積702に入り、絶縁層704及び縦溝707を通るガスの流れが最適化されるように、穴708の配置を選択することができる。
【0078】
図19a及び19bは、導電ピンプレート705の更なる態様の側面図及び上面図を与える。図19aは、導電ピンプレート705上の複数の導電チップ706の配置を示している。導電チップ706の少なくとも一部は、チャンバー701の内部容積702と流体連通する内部通路、又はそれらの組み合わせを有する固体であることができる。図19bは、導電ピンプレート705の上面図を与え、導電チップ706の2つの列の間にあるように示されている溝707をさらに図示している。導電ピンプレート705は、導電チップ706の配列へのエネルギーの流れを制御するための中央演算処理装置に電気的に連通している1つ又は複数の電源コネクター709をさらに含む。反応性ガス、キャリヤーガス、不活性ガス及びそれらの組み合わせなどのガスは、縦溝709を通ってターゲット領域(図示せず)内に流れることができる。導電ピンプレート603を通るガスの流れは、チャンバー701におけるバッフリングシステムによって制御することができ(図18a及び18bを参照されたい)、また、ガス分配ブロックと電源コネクター709を介して電気的に連通している流量計又は質量流量制御器によって制御することができる。導電ピンプレート705、絶縁プレート704上の縦溝707の寸法及びガス流の開口708の寸法は、最適なガス流量パラメータを達成するためにコンピューターモデリング又はガス分布モデリングによって決定することができる。この又は他の実施態様では、1つ又は複数の補助的なガスをガス混合物に加えることができるか又はガス混合物と代えることができ、リフロー炉において一般的に見られる標準的なガスプレート又は反応性ガス若しくは活性種を希釈しない他の方法を介してターゲット領域(図示せず)に導入することができる。
【0079】
図20a及び20bは、それぞれ、例えば、ダイ・トゥ・ダイ(die−to−die)接合において好適なカソードエミッターチップ806の配列として記載される電極アセンブリ805の特定の実施態様の上面図及び側面図を与える。幾つかの実施態様では、処理されるべき基材800又は3D積層パッケージは、アノードとして作用する導電プレート810の上又はその近くに配置される。図20a及び20bは、例えば、還元ガス混合物中の活性化された水素イオンをダイ・トゥ・ダイ接合の2つの積み重ねられた層の間のギャップに最大限に通すのに使用できる電極アセンブリの実施態様を与える。より具体的には、カソードエミッターチップ806は、積層801を含む積層パッケージ800の少なくとも一部を囲むことができ、そして積層801の間のギャップ803に対面することができる。図20bに記載される実施態様では、積層801は導電性又は半導電性であり(例えば、積層の少なくとも一部は導電性であり)、802として示される複数の半田バンプを有する。図20bを再び参照すると、積層パッケージ800の底部ダイの表面は、アノードプレート810の表面に直接触れている。カソードエミッティングチップ806を含むカソードアセンブリ805は、積層パッケージ800の少なくとも2つの側の周りに配置することができ、ギャップ803に対面することができる。図20bにおいて示される実施態様では、カソードエミッティングチップ806は、処理されるべき積層パッケージの幾何学形状に応じて上下に角度をつけることができる。還元ガス混合物の圧力は、好ましくは周囲圧又は周囲圧付近であり、真空等の特別な圧力は必要ない。他の実施態様では、還元ガス混合物は、10〜20psia又は14〜16psiaであることができる。電圧は、カソードエミッターチップ806と積層パッケージ800との間の距離に依存することができる。幾つかの実施態様では、電圧のレベルは0.1〜10kVであることができる。
【0080】
複数の電極表面が比較的大きな実施態様では、例えば、電極アセンブリのカソードとアノードの間の引力により、カソードが導電プレートから作製される場合には、電極が大きく偏向することがある。このアノードの偏向は、2つの電極間の不均一な空間のためにアークが発生する傾向を非常に増大させる。アノードの偏向をなくすために、アノードは、印刷された金属のグリッド線を有する絶縁プレートによって作製することができる。面積の大きな導電基材、例えば、ウェハ表面等を処理するために、ウェハは、アノードとして直接使用することができる。電子付着プロセスの際のウェハの偏向を最小限に抑えるために、追加のカソードプレートをウェハの近く又はその下に加えて、上部のカソードエミッターとウェハの間の引力に対抗することができる。図22は、対抗カソードを含むこのような実施態様の例を与える。図22では、複数の半田バンプ901を含むウェハ900は、カソードエミッターチップ906の配列を含むカソードアセンブリ905と対面している。ウェハ900は接地され、アノードとして作用する。カソードアセンブリは、電圧源(図示せず)と電気的に連通している。対抗電極910は、ウェハ900の近く又はその下に配置され、カソードアセンブリ905と釣り合いを取るよう作用する。
【0081】
本明細書で記載される方法及び装置は、以下の例を参照してより詳細に説明されるが、本方法及び装置はそれらに限定されないと解されるべきである。
【実施例】
【0082】
[例1]
ラボスケールの炉を用いて第1実験を行った。用いた試料は、接地した銅プレート(アノード)上のフラックスレスのスズ−鉛半田予備成形物(融点183℃)であり、それを炉の内部に装填し、N2中5%H2のガス流下で250℃まで加熱した。試料温度が平衡になると、陰極(カソード)と接地試料(アノード)の間にDC電圧を印加し、電流0.3mAで以って約2kVまで徐々に増加させた。2つの電極間の距離は約1cmであった。圧力は周囲の大気圧であった。半田は、実際、銅表面上で十分に濡れていることが見出された。電圧を印加せずに、銅表面上のフラックスレス半田の良好な濡れを達成することは、このような低温では、純粋なH2でさえも決してできない。なぜなら、スズに基づく半田上のスズ酸化物を除去するのに効果的な純粋H2の温度は350℃よりも高いからである。それゆえ、この結果は、電子付着法がH2のフラックスレス半田付けを促進するのに効果的であることを立証している。
【0083】
[例2]
例1と同じ設定条件を用いた電界放出メカニズムを使用することにより、電子付着支援の水素フラックスレス半田付けについて、幾つかのカソード材料を調べた。調査の結果を表1に与える。
【0084】
表1に示すように、最良の結果は、Ni/Crカソードを用いることによって得られた。それは最も高い溶融効率を与え、したがって最短の濡れ時間が得られた。Ni/Crカソードは、比較的より多量の電子を生成し、他のカソード材料に比べて好適な電子のエネルギーレベルを有すると考えられる。
【0085】
【表1】

【0086】
[例3]
本例は、電子を生成するための熱電界放出法の有効性を調べるために行った。その表面から突き出た複数の1mm長さに機械加工されたチップを有する直径3mmのグラファイト棒をカソードとして作用させ、それは図2iに示したものと同様の幾何学形状であった。突き出た機械加工チップのそれぞれは25°の先端角であった。グラファイト棒を5%H2と95%N2のガス混合物中でAC電源を用いた抵抗加熱により約400〜500℃に加熱した。グラファイトカソードと、アノードとして作用し、グラファイトカソードとの間に1.5cmのギャップを有する銅プレートとの間で5KVのDC電圧源を印加した。グラファイト棒上のチップすべてが明るくなり、それによってグラファイト棒上の分散チップから一様に電子を生成できることが示された。グラファイト棒を加熱しなければ、カソードからの電子放出がないか又はチップの1つとアノードプレートとの間にアークが発生するかのいずれかであったろう。このことは、多数のチップを有するカソードの使用と高温との組み合わせ、すなわち、熱電界放出法が、統合された放出システムから一様な電子生成を得るのに効果的であることを示している。
【0087】
[例4]
本例は、図4に示す電極のような2枚の機械加工したAl23耐火性プレートの間で水平に固定した直径0.04インチのニッケル−クロム合金の加熱ワイヤーを用いて行った。それぞれがワイヤーの一方の端部に鋭いチップ(12.5°)を有する一連の5本のニッケル−クロム合金の放出用ワイヤーが、ニッケル−クロムの加熱ワイヤーから垂直に突き出ており、2枚の耐火性プレート間に垂直に配置された。ニッケル−クロムの加熱ワイヤー及びチップを、5%H2と95%N2のガス混合物中でAC電源を用いて約870℃に加熱した。カソードと、アノードとして作用し、2つの電極間に6mmのギャップを有する銅プレートとの間で2.6KVのDC電圧を印加した。5つのチップすべてが明るくなり、合計の放出電流は2.4mAに達した。ワイヤーを加熱しなければ、カソードからの電子放出がないか又はチップの1つとアノードプレートとの間にアークが発生するかのいずれかであったろう。例3と同様に、例4は、熱で支援された電界放出が一様な電子放出を提供することを示している。さらには、放出電極がより高い温度であるために、それはまた、所与の電位で電子の放出量を増大させる。
【0088】
[例5]
本例は、陰極放出に関する2つの電極間の電圧パルスの効果を実証するために行った。単一チップのニッケル−クロム合金のワイヤーを放出電極として使用し、接地した銅プレートをベース電極として作用させた。銅プレートを放出電極のチップより3mm下に配置した。スズ/鉛の半田予備成形物を銅プレートの上に配置した。ニッケル−クロムワイヤー、予備成形物、及び銅プレートを炉において4%のH2と残りがN2のガス混合物中で周囲温度に維持した。種々の周波数及び振幅のパルスの一方向電圧を2つの電極間に印加した。これに関連して、放出電極の電位は、接地したベース電極に対してマイナスから0まで変化し、それによって電子をチップ電極から発生させた。結果を表2に与える。
【0089】
表2の結果は、より高いパルス周波数及び振幅の電圧パルスが印加された場合に、より大きな量の電子が放出電極から発生することを示している。
【0090】
【表2】

【0091】
[例6]
本例は、例5と同じ設定条件を用いて2つの電極の極性を変えることにより表面放電を示すために行った。
【0092】
3.4kV(例えば、+1.7kV〜−1.7kV)の全パルス振幅を有する双方向性電圧パルスを2つの電極間に印加した。双方向性電圧パルスの間、2つの電極の極性を変化させた。すなわち、放出電極のチップを接地したベース電極に対して正の電気バイアスから負の電気バイアスに変化させ、それによってチップ電極からの電子の発生及びチップ電極への電子の回収を可能にした。
【0093】
表3は、極性変化の各周波数に関するベース電極からのリーク電流を与える。表3に示すように、極性変化の周波数が高くなると、電荷の蓄積が小さくなり、これは銅のベース電極を通過するリーク電流を観察することによってなされる。
【0094】
【表3】

【0095】
[例7]
本例は、追加の電極を使用して離れた表面放電を示すために行った。305℃の融点を有する90鉛/10スズの半田予備成形物を、電気的に絶縁されたウェハ上にセットされた銅基材の小片上に配置した。接地した銅プレートをウェハの下に配置し、ベース電極として作用させた。一方が負の電圧を有し、もう一方が正の電圧を有する2本の単一チップのニッケル−クロムワイヤーを、半田予備成形物を有するベース電極より1cm上に配置した。2つの単一チップの電極間の距離は1.5cmであった。このように配置したものをN2中に4%のH2を含有するガス混合物中で室温から半田の融点よりも高い所与のリフロー温度まで加熱した。リフロー温度が平衡に達すると、正及び負の電圧を2つの単一チップの電極に印加することによって電子付着を開始し、半田予備成形物が球状のボールを形成するのに要する時間を記録した。球状の半田ボールの形成は、酸化物のない半田表面を示すものである。表4に示すように、表面脱酸素は、半田の融点よりも5〜15℃だけ高い310〜330℃の温度範囲でかなり効率的であった。
【0096】
【表4】

【0097】
[例8]
石英プレートに基づく電極を炉内に設置した。石英プレート上の金属ピンの間隔は0.5cmであった。基材はセラミック基材上の銅プレートであり、それを接地した電極(すなわち、ベース電極)上に置いた。石英プレート上の金属ピンの先端と銅表面との間のギャップは1cmであった。炉をN2バランスの5%H2でパージした。10kHzのパルス周波数を有する0〜−3.12kVのパルス電圧を石英電極に印加した。すべての放出ピンからの均一な電子放出を観察した。それぞれの放出ピンからの平均の放出電流は約0.3mAであった。有意には、放出チップの間隔が0.5cm程度であるこの実施態様では、アークの発生は観察されなかった。この結果は、石英プレートに基づく電極から均一に電子を放出させるための閾値電圧が、ガスのイオン化よりもはるかに低いレベルまで低下することを示している。
【0098】
[例9]
石英プレートに基づく電極を炉内に設置した。石英プレート上の金属ピンの間隔は1.0cmであった。処理表面は、空気中150℃で2時間予備酸化した銅プレートであって、その色が元の銅プレートと比較すると暗くなっている銅プレートであった。酸化物の厚さはオージェ分析により約400Åであると推定した。予備酸化した銅プレートをセラミック基材の上に置き、次いで接地した電極上に配置した。石英プレート上の金属ピンの先端と予備酸化した銅プレートの表面との間のギャップは1cmであった。炉をN2バランスの5%H2でパージし、200℃に加熱した。正及び負の電圧をそれぞれ+1.2kVと−1.2kVの振幅で2つの異なる金属ピンのグループに交互に印加した。交流周波数は15KHzであった。均一な電子放出を観察した。上記の条件下におけるこのような電子付着処理の15分後、銅プレートを炉から取り出した。処理した銅表面の色が元の銅プレートの色に変化しているのが観察された。本明細書で記載される電子付着プロセスを適用しないと、予備酸化した銅表面の酸化物の還元は、同じ加熱プロセスにおいて効率的でないことがわかった。
【0099】
[例10]
内部容積を有するパイレックス(登録商標)ガラスチャンバーと、当該内部容積と流体連通しているガス入口と、それぞれが当該内部容積と流体連通している内部通路を有する複数の導電チップを取り付けたセラミックベースである絶縁ベースとを含む通電電極を以下のようにして作製した。ガラスチャンバーは、形状が円筒形であり、直径が6.0cmそして高さが8.0cmであった。セラミックのベースプレートに、それぞれが0.65mmの直径を有し、5mmの間隔で離れて配置された97個の穴の配列で以ってドリルで穴を開けた。各導電チップは、チャンバーの内部容積と流体連通している内部通路を有し、外径が0.64、内径が0.32であり、チップは12°の角度に傾斜した端部を有し、外径が0.9mmのフランジ状端部を有していた。97個すべての導電チップをセラミックのベースプレートに挿入し、フランジ状端部で所定の位置に保持した。0.0035インチの直径を有するニッケルクロムワイヤーを用いて、高温の半田を使用した半田付けによって97個すべての導電チップを電気的に接続した。組み立てられた通電電極を実験室規模の炉内に設置した。183℃の融点℃並びに直径2mm及び高さ1mmの寸法を有する5つのフラックスレスのスズ−鉛半田予備成形物を、ベース電極として作用する接地した正方形(10cm×10cm)の銅プレートの異なる場所に置いた。その上面に半田予備成形物を有する銅プレートを炉内の通電電極の導電チップの終点より1cm下に配置した。5%H2と95%N2の還元ガス混合物を加熱の際に炉内に導入した。220℃の平衡温度に達すると、10kHzのパルス周波数で0〜−3kVのパルス電圧を通電電極に印加した。すべてのニードルチップから均一な電子放出が観察された。各ニードルチップからの平均の放出電流は約0.3mAであった。30秒の電子放出後、実験を停止し、試料を炉が冷えた後に炉から取り出した。すべての半田予備成形物が銅プレート上で十分に濡れていることが見出された。比較として、同様の放出電極アセンブリを同じ炉に置いたが、それはガラスチャンバーの内部容積と流体連通している内部通路を有する同一の導電チップではなかった。内部通路を有するこれらの導電チップを使用しないと、炉の温度が250℃より上でかつ放出時間が1分より長くない限り、エリアアレイ放出チップのもとで同じ半田の濡れを得ることはできなかった。この比較は、内部容積を含む通電電極であって、当該内部容積と流体連通している内部通路を有する導電チップ含む通電電極を使用することで、水素含有還元ガスの流れによって電子付着プロセスの効率を改善することができることを示すものである。
【0100】
[例11]
本例は、図20a及び20bに記載の実施態様で示されたものに類似の配置を用いて、フリップチップと基材の間に半田接合を形成するための方法及びアセンブリを示すものである。フリップチップアセンブリ又は積層パッケージは、アノードとして作用する銅プレートの上に複数の半田バンプを有する1層又はシリコンウェハから構成した。本例のギャップが2つの層の間よりはむしろシリコンウェハと銅プレートの間にあることを除いて、図20bに記載のものと同様に、カソード電極を積層パッケージの2つの相反する側に置き、それらは水平で、シリコンウェハと銅プレートの間のギャップ内の半田バンプに対面している。次いで、フリップチップアセンブリとカソード電極アセンブリを実験室規模の管状炉内に置いた。(接地に対して)約−2.5kVの電圧をカソードアセンブリに印加した。本例では、フリップチップは、直径200μmの共晶のスズ−鉛半田(融点183℃)バンプを含む。半田のリフローは、4vol%のH2と96vol%のN2中でピーク温度250℃まで行い、本明細書で記載される電子付着を150℃から250℃まで加熱する間に約1分間適用した。温度が250℃に達すると、炉の火力とカソードアセンブリへの高電圧の両方を止めた。目視観察と走査電子顕微鏡写真により半田接合がうまく形成されていることが示された。
【0101】
対照的に、電子付着を適用しないと、同様のフリップチップアセンブリは、十分な酸化物の還元と半田のリフローを確実にするために、純粋なH2中で400℃に近い温度において行うことが必要であった。
【符号の説明】
【0102】
20 シリコンウェハ
22 第1電極
24 第2電極
25 パルス電圧
26 ガス混合物
28 電子
30 水素イオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の処理表面から金属酸化物を除去する方法であって、
接地電位を有するベース電極の近くに、金属酸化物を含む処理表面を有する基材を用意する工程;
前記ベース電極及び前記基材の近くに通電電極を用意する工程であって、前記処理表面の少なくとも一部が前記通電電極にさらされ、前記ベース電極、前記通電電極及び前記基材がターゲット領域内にあり、前記通電電極が、突き出た導電チップの配列を含む絶縁プレートによって画定され、前記導電チップが導電ワイヤーによって電気的に接続され、前記配列の一部が、第1の電気的に接続されたグループと第2の電気的に接続されたグループに分けられ、前記第1又は第2の電気的に接続されたグループの一方が正にバイアスされているDC電圧源に接続され、前記第1又は第2の電気的に接続されたグループのもう一方が負にバイアスされているDC電圧源に接続され、正にバイアスされているDC電圧源と負にバイアスされているDC電圧源が、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源との間で交互にエネルギーを供給できる機能制御器に電気的に接続されている工程;
還元ガスを含むガス混合物を前記ターゲット領域に通過させる工程;
負にバイアスされているDC電圧源を起動することによって前記導電チップの列に通電して前記ターゲット領域内に電子を発生させ、該電子の少なくとも一部が前記還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成する工程;
前記処理表面を前記負に帯電した還元ガスと接触させて前記基材の処理表面上の前記金属酸化物を還元する工程;及び
正にバイアスされているDC電圧源を起動することによって前記導電チップの列に通電して前記処理表面から余分な電子を回収する工程であって、負にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップの列と正にバイアスされているDC電圧源に電気的に接続された導電チップの列が同時には通電されない工程
を含み、前記通電電極が、内部容積、及び該内部容積と流体連通しているガス入口をさらに含み、前記導電チップの少なくとも一部が、前記内部容積と流体連通している内部通路を有し、前記還元ガスの少なくとも一部が前記ガス入口を通って前記内部容積に入り、そして前記内部通路を通って前記ターゲット領域に入る、方法。
【請求項2】
前記還元ガスの少なくとも一部が、該還元ガスを前記ターゲット領域に導入する前に200〜800℃の温度に予備加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材、前記ベース電極、及び/又は前記通電電極の近くに対抗電極をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記還元ガスが、H2、CO、SiH4、Si26、CF4、SF6、CF2Cl2、HCl、BF3、WF6、UF6、SiF3、NF3、CClF3、HF、NH3、H2S、直鎖、分枝又は環状のC1〜C10炭化水素、ギ酸、アルコール、以下の式(III)、すなわち、
【化1】

を有する酸性蒸気、以下の式(IV)、すなわち、
【化2】

を有する有機蒸気、及びそれらの混合物からなる群より選択されたガスであり、式(III)及び(IV)中の置換基Rが、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記還元ガスがH2を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記還元ガス中のH2の濃度が0.1〜100vol%である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ガス混合物が、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン及びそれらの混合物からなる群より選択されたキャリヤーガスをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ベース電極と前記通電電極が1.0cmの距離で互いに離れて配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
電圧が0.1〜30kVである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
周波数が0〜30kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基材の温度が100〜400℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電圧がアークの発生を防ぐために0〜50kHzの周波数のパルスである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記絶縁プレートが、石英、セラミック材料、ポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記絶縁プレートが石英プレートである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記絶縁プレートがポリマーを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマーがエポキシポリマーである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記処理表面が半田バンプをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記基材が、硬質のエポキシガラス積層基材、軟質の屈曲ポリマー基材、集積回路の相互接続スキーム、高密度相互接続で用いられる基材、積層集積回路で用いられる基材、及び積層パッケージで用いられる基材からなる群より選択された絶縁基材である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ターゲット領域にある基材の処理表面から金属酸化物を除去するための装置であって、
接地電位を有するベース電極と、
該ベース電極及び前記基材の近くにある通電電極と
を含み、前記通電電極が導電チップの配列を含む絶縁プレートを含み、前記導電チップが導電ワイヤーによって電気的に接続され、前記配列の一部が、第1の電気的に接続されたグループと第2の電気的に接続されたグループに分けられ、前記第1又は第2の電気的に接続されたグループの一方が正にバイアスされているDC電圧源に接続され、前記第1又は第2の電気的に接続されたグループのもう一方が負にバイアスされているDC電圧源に接続され、正にバイアスされているDC電圧源と負にバイアスされているDC電圧源が、負にバイアスされているDC電圧源と正にバイアスされているDC電圧源との間で交互にエネルギーを供給できる機能制御器に電気的に接続され、
前記導電チップの少なくとも一部が負にバイアスされているDC電圧源によって活性化されて前記ターゲット領域内に電子を発生させ、該電子の少なくとも一部が前記ターゲット領域中に存在する還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成し、該負に帯電した還元ガスが前記処理表面と接触して前記基材の処理表面上の前記金属酸化物を還元し、
前記通電電極が、内部容積、及び該内部容積と流体連通しているガス入口をさらに含み、前記導電チップの少なくとも一部が、前記内部容積と流体連通している内部通路を有し、還元ガス混合物の少なくとも一部が前記ガス入口を通って前記内部容積に入り、そして前記内部通路を通って前記ターゲット領域に入る、装置。
【請求項20】
前記基材、前記ベース電極、及び/又は前記通電電極の近くに対抗電極をさらに含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
複数の半田バンプを含む層を有する基材において金属酸化物を還元し及び半田接合を形成する方法であって、
接地電位を有するベース電極の近くに、複数の半田バンプを含む層を有する基材を用意する工程;
前記ベース電極及び前記基材の近くに通電電極を用意する工程であって、前記層及び半田バンプの少なくとも一部が前記通電電極にさらされ、前記ベース電極、前記通電電極及び前記基材がターゲット領域内にあり、前記通電電極が、突き出た導電チップの配列を含む絶縁プレートによって画定され、前記導電チップが導電ワイヤーによって電気的に接続されている工程;
還元ガスを含むガス混合物を前記ターゲット領域に通過させる工程;
負にバイアスされているDC電圧源を起動することによって前記導電チップの列に通電して前記ターゲット領域内に電子を発生させ、該電子の少なくとも一部が前記還元ガスの少なくとも一部に付着し、それによって負に帯電した還元ガスを形成する工程;
前記処理表面を前記負に帯電した還元ガスと接触させて前記半田バンプをリフローし、それによって半田接合を形成する工程を含む、方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図2i】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図22】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−54973(P2011−54973A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−196782(P2010−196782)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】