説明

電子機器、表示制御方法および表示制御プログラム

【課題】ハガキ等の投影対象物に画像を投影すること。
【解決手段】電子機器は、表示部に対象物が置かれたことを検出すると、表示部のどの範囲に対象物が置かれているかを判定する。そして、電子機器は、対象物の光の透過度(対象物の厚さ)を判定する。続いて、電子機器は、対象物の光の透過度に応じて表示部の明るさを変化させることにより、表示部に表示される投影画像が対象物を透過して外部から視認できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハガキ等の投影対象物に画像を投影可能な電子機器、表示制御方法および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文字の書き方の練習のために、手本となる文字を表示面に表示させるとともに、利用者が手本となる文字をなぞった筆跡を、表示面に設けられた座標検出板を用いて検出する技術が知られている。この技術では、検出された筆跡と、手本となる文字との類似度に基づいて、文字の書き方についての評価がなされる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−63174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術は、手書き入力の対象物として一般的な紙等に対して手本を表示させるものではない。このため、ユーザは、筆記道具を用いて紙に実際に文字を書く感触を得ることができない。
【0005】
本発明は、ハガキ等の投影対象物に画像を投影可能な電子機器、表示制御方法および表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、表示部と、前記表示部の上に置かれた対象物を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記対象物に応じて、前記表示部の明るさを制御する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記表示制御部は、前記表示部に表示される画像が前記対象物を透過するように前記表示部の明るさを制御することが好ましい。
【0008】
また、前記検出部は、前記表示部のどの範囲に前記対象物が置かれているかを検出し、前記表示制御部は、前記対象物が置かれている範囲以外の部分を黒く表示させることが好ましい。
【0009】
また、前記検出部は、前記表示部のどの範囲に前記対象物が置かれているかを検出し、前記表示制御部は、前記対象物が置かれている範囲以外の部分の明るさを、前記対象物が置かれている範囲よりも低く設定することが好ましい。
【0010】
また、前記検出部は、前記対象物に対して描かれた線を検出することが好ましい。
【0011】
また、前記検出部は、前記表示部に設けられた光センサであることが好ましい。
【0012】
また、前記検出部は、前記表示部を撮影する撮像装置であることが好ましい。
【0013】
また、前記検出部は、前記表示部に重畳されたタッチセンサを含むことが好ましい。
【0014】
また、前記検出部は、前記表示部の上に置かれた対象物の厚さを検出し、前記表示制御部は、前記検出部によって検出された前記対象物の厚さに応じて、前記表示部の明るさを制御することが好ましい。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、表示部を有する電子機器によって実行される表示制御方法であって、前記表示部の上に置かれた対象物を検出するステップと、検出された前記対象物に応じて、前記表示部の明るさを制御するステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、表示制御プログラムであって、表示部を有する電子機器に、前記表示部の上に置かれた対象物を検出するステップと、検出された前記対象物に応じて、前記表示部の明るさを制御するステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子機器、表示制御方法および表示制御プログラムによれば、ハガキ等の投影対象物に画像を投影できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施形態1に係る電子機器を備える通信システムの概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る電子機器の外観を示す図である。
【図3】図3は、ディスプレイの断面を概略的に示す図である。
【図4】図4は、対象物が置かれた場合のディスプレイを示す図である。
【図5】図5は、図2に示す電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、ディスプレイに表示させた投影画像の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、投影画像と描写画像との位置ズレ状態を示す説明図である。
【図8】図8は、投影画像の投影位置を補正した後の状態を示す説明図である。
【図9】図9は、電子機器の処理部がディスプレイの明るさを調整する処理のフローチャートである。
【図10】図10は、電子機器の処理部が投影画像の表示位置を補正する処理のフローチャートである。
【図11】図11は、電子機器の処理部が投影画像の重複部分を削除補正する処理のフローチャートである。
【図12】図12は、ハガキの表面に投影した投影画像の一例を示す説明図である。
【図13】図13は、ハガキの裏面に投影した投影画像の一例を示す説明図である。
【図14】図14は、塗り絵画像の一例を示す説明図である。
【図15】図15は、実施形態2に係る電子機器の外観を示す図である。
【図16】図16は、実施形態3に係る電子機器の外観を示す図である。
【図17】図17は、図16に示す電子機器のA−A’断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0020】
(実施形態1)
図1は、実施形態に係る電子機器を備える通信システムの概略構成を示す模式図である。本実施形態の電子機器10aは、通信システム1に組み込まれている。通信システム1は、ネットワーク上に設けられた各種サーバと通信端末としての電子機器10aとの間が通信可能に構成されている。
【0021】
図1に示す通信システム1は、サーバ2と、インターネット通信網3と、データベース4と、サーバ5と、無線通信装置6と、GPS衛星7と、電子機器10aとを有する。なお、通信システム1を構成する各部の数は、特に限定されず、各部ともに複数の装置を備えていてもよい。例えば、電子機器10aは、1つのサーバ2に対して複数設けられていてもよい。
【0022】
サーバ2は、各通信装置を特定する情報(電話番号、アドレス)等の種々のデータを有し、通信網を介して電子機器10aと通信し、種々の情報を供給する。なお、サーバ2と電子機器10aは、基地局、中継局で形成され、無線で通信波を送受信する通信網により、通信を行う。また、通信網は、サーバ2と電子機器10aとの間で通信を行うことができれば、種々の通信方法を用いることができる。例えば、衛星回線を利用して通信を行ってもよい。
【0023】
また、サーバ2は、電子機器10aから情報を受信し、その情報に基づいて、インターネット通信網3を介して、他の通信装置に情報を通信する、情報の中継も行う。つまり、サーバ2は、各通信装置から送られてくる情報を集約して記憶し、集約した情報を必要に応じて通信装置に供給(提供)する。なお、サーバ2は、集約した情報を加工(処理)して通信装置に供給することもできる。
【0024】
インターネット通信網(以下「インターネット」ともいう)3は、交換機や、有線・無線の通信回線で構成されている。インターネット通信網3は、有線・無線の通信回線を用いて通信装置と他の通信装置との間での情報通信を行う。具体的には、インターネット3は、サーバ2とサーバ5との間での情報通信や、サーバ2とデータベース4との間での情報通信を行う。
【0025】
データベース4は、記憶装置であり、各種画像情報等、電子機器10aでの処理に必要な種々のデータを記憶している。データベース4は、インターネット3を介して、記憶している各種情報をサーバ2またはサーバ5に供給する。
【0026】
サーバ5は、無線通信装置6を介して電子機器10aと通信し、種々の情報を受信し、供給する。なお、サーバ5は、電子機器10aとの通信方法が異なるのみで、他の構成は、基本的にサーバ2と同様である。
【0027】
無線通信装置6は、電子機器10aと直接無線通信を行う通信機器である。無線通信装置6としては、例えば、近距離無線通信技術を用いて、他の通信装置と通信を行う通信部を用いることができる。なお、近距離無線通信技術としては、赤外線通信(IrDA(登録商標)、IrMC(登録商標)、IrSimple(登録商標))や、可視光通信や、Bluetooth(登録商標)や、磁界通信(RFID、Radio Frequency Identification)技術を用いることができる。
【0028】
GPS衛星7は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の通信機能を備える通信装置(通信端末、通信機器)に、該通信機器の位置情報を送信(提供)する衛星である。なお、図1でGPS衛星7を1つのみ示したが、GPS衛星7は、通信装置の位置を特定するために必要な数(主として3つ、4つ)が配置されている。複数のGPS衛星7は、それぞれ電子機器10aに位置情報を送信する。
【0029】
電子機器10aは、例えば、表示部に画像を表示する機能を備える携帯通信機器である。なお、以下では、電子機器10aの一例として携帯通信機器を説明するが、本発明の適用対象は携帯通信機器に限定されず、例えば、PHS(Personal Handy phone System)、パソコン、携帯ゲーム機等にも本発明を適用できる。以下、電子機器10aについて、詳細に説明する。
【0030】
図2は、実施形態1に係る電子機器の外観を示す図である。図2に示すように、電子機器10aは、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納されたストレート式のものである。なお、電子機器10aとして、例えば、ヒンジで連結された2つの筐体を開閉可能に折り畳んだ、折り畳み式の電子機器を適用してもよい。また、電子機器10aとして、例えば、2つの筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体と他方の筐体とを互いにスライドできるようにしたスライド式の電子機器であってもよいし、重ね合わせ方向に沿う軸線を中心に、一方の筐体を回転させるようにした回転式や、2軸ヒンジを介して両方の筐体を連結したものでもよい。
【0031】
筐体11には、タッチパネル式のディスプレイ12aが設けられる。ディスプレイ12aは、各種画面を表示する表示部として機能するとともに、電子機器10aを操作する操作部として機能する。表示部として機能するディスプレイ12aは、電子機器10aが受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、電子機器10aの操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。操作部として機能するディスプレイ12aは、メール作成時等に文字を入力するために操作されたり、ディスプレイ12aに表示されるメニューの選択および決定や画面のスクロール等を行うために操作されたりする。
【0032】
筐体11の内部には、アンテナが設けられている。アンテナは、無線通信に用いる送受信アンテナであり、電子機器10aと基地局との間で電子メール等に係る電波(電磁波)の送受信に用いられる。
【0033】
図3は、ディスプレイ12aの断面を概略的に示す図であり、図4は、上に対象物Tが置かれた場合のディスプレイ12aを示す図である。図3に示すように、ディスプレイ12aは、表示パネル102の上に、タッチセンサ101を重畳して構成される。タッチセンサ101は、表面に対する接触を、接触された位置とともに検出する。なお、タッチセンサ101が接触を検出する方式としては、静電容量式、感圧式等の任意の方式を用いてよい。
【0034】
表示パネル102は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)であり、光源であるバックライト104の上に、光センサ付き液晶パネル103を重畳して構成される。バックライト104は、例えば、冷陰極蛍光ランプやLED(Light Emitting Diode)が発する光を光センサ付き液晶パネル103へ供給する。
【0035】
光センサ付き液晶パネル103には、複数の赤色画素105と、複数の緑色画素106と、複数の青色画素107と、複数の光センサ108とが配列される。赤色画素105は、バックライト104から供給される光を、赤い光として外部へ露出されるか、あるいは、遮断する。緑色画素106は、バックライト104から供給される光を、緑の光として外部へ露出されるか、あるいは、遮断する。青色画素107は、バックライト104から供給される光を、青い光として外部へ露出されるか、あるいは、遮断する。光センサ付き液晶パネル103は、例えば、1つの赤色画素105と、1つの緑色画素106と、1つの青色画素107との組み合わせを1つの画素として、カラー表示を行う。
【0036】
光センサ108は、外光、すなわち、バックライト104が設けられている側とは反対側から入射する光の強さを検出する。なお、図3では、1画素ごとに1つの光センサ108が設けられるように図示されているが、光センサ108をどのような密度で配置するかは適宜変更してよい。
【0037】
ここで、図4に示すように、紙等の対象物Tがディスプレイ12aの上に置かれたものとする。このとき、対象物Tが重なっていない部分では、光センサ108は、対象物Tに遮断されることなく外光を受光する。一方、対象物Tが重なっている部分では、対象物Tに遮られて、光センサ108に到達する外光は減光される。また、対象物Tが重なっている部分では、バックライト104が発光している場合には、赤色画素105等を通過した光の一部が対象物Tに反射して光センサ108に入射する。また、対象物Tが重なっている部分のうち、インク等で描かれた文字Lの下の部分では、文字Lに遮られて、光センサ108に到達する外光は大きく減光される。
【0038】
このように、紙等の対象物Tがディスプレイ12aの上に置かれた場合、それぞれの光センサ108が検出する光の強さには差が生じる。この差を利用することで、対象物Tに関して、様々な情報を取得することができる。
【0039】
例えば、バックライト104の発光を停止させて、それぞれの光センサ108が検出する光の強さを比較することにより、比較的弱い光を検出している光センサ108が存在する部分が対象物Tと重なっている部分であると判定できる。また、室内のように外光が弱い環境では、バックライト104を強く発光させて、それぞれの光センサ108が検出する光の強さを比較することにより、比較的強い光を検出している光センサ108が存在する部分が対象物Tと重なっている部分であると判定できる。
【0040】
また、対象物Tと重なっている部分の光センサ108が検出する光の強さL1と、対象物Tと重なっていない部分の光センサ108が検出する光の強さL2との比率から、対象物Tの光の透過度を取得することができる。対象物Tの光の透過度は、対象物Tの厚みを示す。例えば、L1/L2が、1に近い場合、対象物Tは光の透過度が高く、薄い物体であることを示す。そして、L1/L2が、1からより遠くなるほど、対象物Tは光の透過度がより低く、より厚い物体であることを示す。
【0041】
また、対象物Tと重なっている部分と判定された部分に存在する光センサ108の中に、他の光センサ108よりも検出する光の強さが弱いものがあれば、その光センサ108は、文字Lのように何かが描かれた部分の下に位置していると判定できる。すなわち、光センサ108の検出結果に基づいて、ユーザが対象物Tの上に書いた文字の筆跡や、ユーザが対象物Tの上に描いた線等を検出することができる。
【0042】
図5は、図2に示す電子機器10aの機能の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、電子機器10aは、処理部22と、記憶部24と、外部記憶部25と、送受信部26と、操作部13と、表示部32と、近距離通信部36と、位置情報取得部42と、を有する。処理部22は、電子機器10aの全体的な動作を統括的に制御する機能を有する。すなわち、処理部22は、電子機器10aの各種の処理が、操作部13の操作や電子機器10aの記憶部24に記憶されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、送受信部26、表示部32、近距離通信部36、位置情報取得部42等の動作を制御する。
【0043】
電子機器10aの各種の処理としては、例えば、電子メールの作成および送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、送受信部26、表示部32等の動作としては、例えば、送受信部26による信号の送受信、表示部32による画像の表示等がある。
【0044】
処理部22は、記憶部24に記憶されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。処理部22は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)で構成され、ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した電子機器10aの各種の処理を実行する。すなわち、処理部22は、記憶部24に記憶されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0045】
処理部22は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。処理部22が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、各種の画像ファイル(画像情報)を記憶部24から読み出してデコードするアプリケーションプログラム、およびデコードして得られる画像を表示部32に表示させるアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。
【0046】
本実施形態において、処理部22は、表示部32の動作を制御する表示制御部22a、表示部32に置かれた対象物を判定する対象物判定部22b、対象物判定部22bの判定結果に基づいて対象物の対象物情報を取得する対象物情報取得部22c、表示部32に表示される画像の姿勢、位置を演算して算出する姿勢・位置演算部22d、表示部32に表示させる画像を加工し、生成する画像処理部22e、を有する。表示制御部22a、対象物判定部22b、対象物情報取得部22c、姿勢・位置演算部22d、画像処理部22eがそれぞれ有する機能は、処理部22および記憶部24で構成されるハードウェア資源が、処理部22の制御部が割り当てるタスクを実行することにより実現される。ここで、タスクとは、アプリケーションソフトウェアが行っている処理全体、または同じアプリケーションソフトウェアが行っている処理のうち、同時に実行できない処理単位である。
【0047】
記憶部24には、処理部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが記憶されており、上述した、各種の画像ファイルを読み出してデコードするアプリケーションプログラムを作動させるタスクや、画像処理用プログラムを作動させるタスクが記憶されている。また、記憶部24には、これらのタスク以外にも、例えば、通信、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部24に対する制御に処理部22が用いるソフトウェア、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶されている。さらに、記憶部24は、紙等の対象物に関する対象物情報を記憶する対象物情報記憶部24aと、通信相手の電話番号やメールアドレス等が記述されて管理するアドレス帳や、操作部13により入力された文章を記憶するテキストデータ記憶部24bと、を有する。
【0048】
なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、処理部22によって記憶部24に割り当てられた作業領域へ一時的に記憶される。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0049】
外部記憶部25は、外部メモリと、接続端子で構成され、外部メモリが筐体11に対して着脱可能な記憶装置である。外部メモリには、記憶部24と同様に各種ソフトウェアやデータが記憶されている。外部記憶部25は、接続端子を介して外部メモリと処理部22とを接続させることで、記憶部24と同様に、外部メモリに対して、情報の書き込み、読み取りを行う。なお、外部記憶部25は、外部メモリが着脱可能であるため、処理部22に接続する外部メモリを交換することができる。なお、外部メモリとしては、SDカード(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、スマートメディア、USBメモリ等の各種記憶媒体を用いることができる。
【0050】
送受信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信および情報通信を行う。操作部13は、上述したタッチパネル式のディスプレイ12aで構成され、ディスプレイ12aには、例えば、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー等、各種の機能が割り当てられた操作画面が表示される。そして、操作画面上において、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として処理部22へ入力される。
【0051】
表示部32は、上述したディスプレイ12aで構成され、処理部22から供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像を表示パネル102に表示させる。
【0052】
近距離通信部36は、近距離無線通信技術を用いて、他の通信装置と通信を行う通信部である。なお、近距離無線通信技術としては、赤外線通信(IrDA(登録商標)、IrMC(登録商標)、IrSimple(登録商標))や、可視光通信や、Bluetooth(登録商標)や、磁界通信(RFID、Radio Frequency Identification)技術を用いることができる。例えば、近距離通信部36は、磁界通信を用いる場合、自身を特定するICタグと、他の通信装置が有するICタグを読み取る読取部とを有する。
【0053】
また、位置情報取得部42は、GPS衛星7から発信されるGPS信号を受信する通信部である。また、位置情報取得部42は、受信したGPS信号から電子機器10aの緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報を処理部22に送る。
【0054】
次に、図6から図8を用いて、電子機器10aの動作の一例を説明する。図6は、ディスプレイ12aに表示させた投影画像の一例を示す説明図である。図7は、投影画像と描写画像との位置ズレ状態を示す説明図である。図8は、投影画像の投影位置を補正した後の状態を示す説明図である。
【0055】
まず、電子機器10aは、記憶部24のテキストデータ記憶部24bに記憶された「横浜市都筑区」なるテキストデータを読み出し、読み出したテキストデータを、画像処理部22eにおいて投影画像P1として生成する。電子機器10aは、投影画像P1を生成したら、対象物Tが置かれたディスプレイ12aに投影画像P1を表示させる。対象物Tは、例えば、紙である。このとき、電子機器10aは、投影画像P1が対象物Tを透過して外部から視認できるように、対象物Tの光の透過度に応じて、ディスプレイ12aの明るさを調整する。
【0056】
図9は、電子機器の処理部がディスプレイの明るさを調整する処理のフローチャートである。まず、対象物判定部22bが、ディスプレイ12aに対象物Tが置かれたことを検出する(ステップS1)。対象物Tが置かれたことの検出は、例えば、ユーザが対象物Tをディスプレイ12aに置いた後に操作部13に対して行う所定の操作に基づいて行うこととしてもよい。また、タッチセンサ101の検出結果に基づいて行うこととしてもよい。また、光センサ108の検出結果に基づいて行うこととしてもよい。
【0057】
タッチセンサ101の検出結果を用いる場合、例えば、比較的広い範囲で、比較的弱い接触が検出された場合に、ディスプレイ12aに対象物Tが置かれたと判断すればよい。また、光センサ108の検出結果を用いる場合、例えば、光センサ108によって検出される光の強さが比較的強い領域と、比較的弱い領域とができ、一方の領域の形が矩形等の所定の形状であり、その面積が所定の範囲である場合に、ディスプレイ12aに対象物Tが置かれたと判断すればよい。
【0058】
続いて、対象物判定部22bは、光センサ108の検出結果に基づいて、ディスプレイ12aのどの範囲に対象物Tが置かれているかを判定する(ステップS2)。例えば、各光センサ108が検出する光の強さを二値化処理することによって、対象物Tが置かれている範囲を判定することができる。なお、対象物Tが置かれている部分と置かれていない部分での光センサ108の検出結果の差が顕著になるように、バックライト104の発光量を段階的に変化させ、差が最も大きく表れた際の検出結果を用いて判定を行うこととしてもよい。
【0059】
続いて、対象物判定部22bは、光センサ108の検出結果に基づいて、対象物Tの光の透過度を判定する(ステップS3)。対象物Tの光の透過度は、例えば、対象物Tが置かれている部分の光センサ108によって検出される光の強さと置かれていない部分の光センサ108によって検出される光の強さとの比率に基づいて判定される。なお、バックライト104の発光量を何段階かに段階的に変化させ、各段階での検出結果を用いて判定を行うこととしてもよい。
【0060】
続いて、表示制御部22aは、対象物Tの光の透過度に応じてバックライト104の発光量を変化させることにより、投影画像P1が対象物Tを透過して外部から視認できるようにディスプレイ12aの明るさを調整する(ステップS4)。通常、ディスプレイ12aの明るさは、50から200cdの範囲で変化するように制御されるが、ここでは、投影画像P1が対象物Tを透過するようにするために、通常の上限の2倍以上の500cd以上の明るさにされることもある。
【0061】
なお、ユーザがまぶしく感じることがないように、ディスプレイ12aの表示領域のうち、対象物Tが置かれていない部分については、黒または濃いグレーを表示させることが好ましい。また、バックライト104が、LEDのように部分的に点滅可能な光源を有する場合は、対象物Tが置かれていない部分については、光源を発光させない等して明るさを下げることが好ましい。
【0062】
図6に示すように、ディスプレイ12aの明るさを調整することにより、対象物Tを透過して、ユーザが、投影画像P1が視認できる状態となる。この状態において、ユーザは、投影画像P1を指標として描写画像P2を描く(図7参照)。つまり、ユーザは、投影画像P1である「横浜市都筑区」なる文章に倣って、対象物Tに「横浜市都筑区」なる文章を描くことで、対象物Tに対しバランスのよい描写画像P2を描くことが可能となる。
【0063】
このとき、図7に示すように、ユーザによって描かれた描写画像P2が投影画像P1に対して位置ズレする場合がある。この場合、ユーザは、投影画像P1と描写画像P2とが位置ズレした状態のままで、投影画像P1を指標としながら描写画像P2を描くと、バランスのよい描写画像P2を描くことは難しい。このため、電子機器10aは、投影画像P1に対し描写画像P2が位置ズレした場合、投影画像P1の表示位置を補正する。
【0064】
図10は、電子機器の処理部が投影画像の表示位置を補正する処理のフローチャートである。電子機器10aは、画像処理部22eにおいて生成された投影画像P1を取得する(ステップS10)。また、電子機器10aは、光センサ108の検出結果に基づいて、描写画像P2を取得する(ステップS11)。なお、描写画像P2を取得するに際して、外光が大きく減光して入射している部分を判別しやすいように、ユーザに気付かれないような短い期間だけ、ディスプレイ12aの明るさを調整してもよい。
【0065】
処理部22は、ステップS10で投影画像P1を取得し、ステップS11で描写画像P2を取得すると、投影画像P1と描写画像P2との位置の差分をとり、投影画像P1に対し、描写画像P2が位置ズレしているか否かを判定する(ステップS12)。処理部22は、位置ズレしていると判定した場合(Yes)、位置の差分がなくなり描写画像P2に投影画像P1が合致するように、投影画像P1の表示位置を補正する(ステップS13)。一方で、処理部22は、位置ズレしていないと判定した場合(No)、再度、ステップS10に進んで、同様のフローを繰り返す。
【0066】
図8に示すように、投影画像P1の表示位置が補正されると、対象物Tに描かれた描写画像P2に対し、投影画像P1が合致する。これにより、ユーザは、補正後の投影画像P1を指標として描写画像P2を描くことができる。
【0067】
また、図8に示すように、投影画像P1は、ユーザによって描かれた描写画像P2と重複する重複部分P1aと、描写画像P2と重複しない非重複部分P1bとを有する。この場合、処理部22は、画像処理部22eにより投影画像P1の重複部分P1aを削除補正する。これにより、ディスプレイ12aでは、投影画像P1の重複部分P1aは表示されなくなり、一方、投影画像P1の非重複部分P1bは表示されたままとなる。
【0068】
図11は、電子機器の処理部が投影画像の重複部分を削除補正する処理のフローチャートである。ステップS10と同様にして、投影画像P1を取得する(ステップS20)。また、電子機器10aは、ステップS11と同様にして、描写画像P2を取得する(ステップS21)。
【0069】
処理部22は、ステップS20で投影画像P1を取得し、ステップS21で描写画像P2を取得すると、投影画像P1と描写画像P2との位置の差分をとり、投影画像P1が描写画像P2との重複部分P1aを有しているか否かを判定する(ステップS22)。処理部22は、投影画像P1が重複部分P1aを有していると判定した場合(Yes)、画像処理部22eにより投影画像P1の重複部分P1aを削除補正する(ステップS23)。一方で、処理部22は、投影画像P1が重複部分P1aを有していないと判定した場合(No)、再度、ステップS20に進んで、同様のフローを繰り返す。
【0070】
次に、図12および図13を用いて、電子機器10aの動作の他の一例を説明する。図12は、ハガキの表面に投影した投影画像の一例を示す説明図である。図13は、ハガキの裏面に投影した投影画像の一例を示す説明図である。
【0071】
まず、電子機器10aは、投影対象物であるハガキHの表面に投影する「山田太郎」のアドレスデータを、記憶部24のテキストデータ記憶部24bから読み出す。「山田太郎」のアドレスデータには、郵便番号、住所、名前、電話番号およびメールアドレス等のテキストデータが記憶されている。
【0072】
続いて、電子機器10aは、ハガキHがディスプレイ12aに置かれたことを検出すると、ハガキHの置かれている範囲と、ハガキHの光の透過度とを判定する。そして、対象物情報取得部22cが、ハガキHの置かれている範囲の判定結果が示すハガキHの寸法と、ハガキHの光の透過度とに基づいて、対象物情報記憶部24aから対象物情報を取得する。その結果、処理部22は、ディスプレイ12aに置かれた対象物がハガキであることを認識する。
【0073】
この後、処理部22は、取得したハガキHの対象物情報と、「山田太郎」のアドレスデータとに基づいて、アドレスデータをハガキHの表面に応じたレイアウトとする。つまり、ハガキHの表面の対象物情報は、郵便番号を記載する領域と、住所を記載する領域と、名前を記載する領域とを割付したレイアウト情報を有している。そして、処理部22は、アドレスデータの郵便番号をハガキHの郵便番号の領域に割付し、アドレスデータの住所をハガキHの住所の領域に割付し、アドレスデータの名前をハガキHの名前の領域に割付する。処理部22は、画像処理部22eによりレイアウト後のアドレスデータを投影画像P1として生成する。電子機器10aは、画像処理部22eで生成した投影画像P1を、ディスプレイ12aの明るさをハガキHの光の透過度に合わせて調整した上で、ディスプレイ12aに表示させることで、図12に示すように、「山田太郎」のアドレスデータを、ハガキHの表面のレイアウトに合わせて投影することができる。
【0074】
なお、ハガキHが、表面を上にしているか表面を下にしているかは、切手や郵便番号用の枠を光センサ108が検出しているか否かに基づいて判定することとしてもよい。また、ユーザの指定に基づいて判定することとしてもよい。また、ディスプレイ12aに置かれた対象物を撮影可能なカメラを電子機器10aに設け、カメラが撮影した画像に基づいて判定することとしてもよい。
【0075】
続いて、ハガキHが裏返されると、電子機器10aは、投影対象物であるハガキHの裏面に投影するテキストデータを、記憶部24のテキストデータ記憶部24bから読み出す。テキストデータには、所定の文章が予め記憶されている。
【0076】
続いて、電子機器10aは、ハガキHがディスプレイ12aに置かれたことを検出すると、ハガキHの置かれている範囲と、ハガキHの光の透過度とを判定する。そして、対象物情報取得部22cが、ハガキHの置かれている範囲の判定結果が示すハガキHの寸法と、ハガキHの光の透過度とに基づいて、対象物情報記憶部24aから対象物情報を取得する。その結果、処理部22は、ディスプレイ12aに置かれた対象物がハガキであることを認識する。ハガキHが、表面を上にしていることは、例えば、切手や郵便番号用の枠を光センサ108が検出することによって判定される。
【0077】
この後、処理部22は、取得したハガキHの対象物情報と、テキストデータとに基づいて、アドレスデータをハガキHの裏面に応じたレイアウトとする。つまり、ハガキHの裏面の対象物情報は、所定の領域に区分けされたレイアウト情報を有している。そして、処理部22は、テキストデータを所定の領域に割付し、画像処理部22eによりレイアウト後のテキストデータを投影画像P1として生成する。電子機器10aは、画像処理部22eで生成した投影画像P1を、ディスプレイ12aの明るさをハガキHの光の透過度に合わせて調整した上で、ディスプレイ12aに表示させることで、図13に示すように、所定のテキストデータを、ハガキHの裏面のレイアウトに合わせて投影することができる。
【0078】
次に、図14を用いて、電子機器の動作の他の一例を説明する。図14は、塗り絵画像の一例を示す説明図である。電子機器10aは、記憶部24に記憶された投影画像P1である、塗り絵画像P1cと塗り絵画像P1cの色情報P1dとを、対象物Tを透過するようにディスプレイ12aに表示させている。塗り絵画像P1cは線画であり、色情報P1dは、塗り絵画像P1cに対応する色彩の情報である。色情報P1dは、色彩を表現する文字であるが、対応する色彩を表示してもよい。
【0079】
図14に示すように、塗り絵画像P1cおよび色情報P1dが対象物Tを透過するようにディスプレイ12aに表示されると、対象物Tには、塗り絵画像P1cおよび色情報P1dが投影される。この状態において、ユーザは、塗り絵画像P1cおよび色情報P1dを指標として、着色を行うことで描写画像P2を描く。
【0080】
このとき、処理部22は、描いた描写画像P2が塗り絵画像P1cに対して位置ズレした場合、上記したように塗り絵画像P1cおよび色情報P1dの表示位置を補正することとしてもよい。また、処理部22は、描写画像P2と重複する塗り絵画像P1cの重複部分P1aを削除補正し、塗り絵画像P1cの非重複部分P1bを投影することとしてもよい。
【0081】
上述してきたように、本実施形態では、ディスプレイ12a上に置かれた紙等の対象物の位置や光の透過度等を判定し、判定結果に基づいてディスプレイ12aの明るさを調整することとしたので、紙等を透過させて任意の画像を表示させることができる。
【0082】
(実施形態2)
実施形態1では、ディスプレイ12a上に置かれた紙等の対象物の位置や光の透過度等を判定するために光センサ108を用いることとしたが、光センサ108を用いなくても同様の効果を得ることができる。そこで、実施形態2では、光センサ108を用いない例について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0083】
図15は、実施形態2に係る電子機器の外観を示す図である。図15に示すように、電子機器10bは、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納されたストレート式のものである。なお、電子機器10bは、折り畳み式、スライド式、回転式または2軸回転式等の筐体を有していてもよい。
【0084】
筐体11には、タッチパネル式のディスプレイ12bが設けられる。ディスプレイ12bは、各種画面を表示する表示部として機能するとともに、電子機器10bを操作する操作部として機能する。ディスプレイ12bは、光センサ108を備えない点を除いて、実施形態1で説明したディスプレイ12aと同様の装置である。
【0085】
筐体11には、カメラ40が設けられる。カメラ40は、ディスプレイ12bに表示される画像を撮影することができるように、ディスプレイ12bの面とは離れた位置に設けられる。
【0086】
電子機器10bは、カメラ40が撮影する画像に基づいて、ディスプレイ12b上に置かれた紙等の対象物を透過させて投影画像を表示させるための制御を行う。すなわち、電子機器10bは、カメラ40によって撮影される画像に基づいて、ディスプレイ12b上に対象物が置かれたことを検出するとともに、ディスプレイ12b上での対象物の位置と大きさとを検出する。
【0087】
また、電子機器10bは、カメラ40によって撮影される画像に基づいて、対象物を透過して投影画像が表示されるように、ディスプレイ12bの明るさを調整する。例えば、電子機器10bは、ディスプレイ12bの明るさを段階的に上げていきつつ、各段階において、カメラ40によって撮影される画像とディスプレイ12bに表示している投影画像とを比較する。そして、電子機器10bは、投影画像と合致する画像がカメラ40によって撮影された段階でディスプレイ12bの明るさを固定する。
【0088】
また、電子機器10bは、カメラ40によって撮影される画像に基づいて、ユーザが対象物のどこに文字等を描いたかを検出し、検出結果に基づいて、位置ズレにともなう投影画像の表示位置の調整、投影画像の重複部分を削除補正等の処理を実行する。
【0089】
上述してきたように、本実施形態では、カメラ40を設けることとしたので、光センサ108を用いることなく、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0090】
(実施形態3)
実施形態1および2では、表示部として、バックライトを光源とする液晶ディスプレイを用いることとしたが、表示部の構成は、これに限定されない。例えば、表示部として、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の自発光型の表示パネルを用いることもできる。また、表示部として、プロジェクタを用いることもできる。そこで、実施形態3では、表示部としてプロジェクタを用いる例について説明する。
【0091】
図16は、実施形態3に係る電子機器の外観を示す図である。図17は、図16に示す電子機器のA−A’断面を概略的に示す図である。図16に示すように、電子機器10cは、1つの箱型形状の筐体11の内部に各部が収納されたストレート式のものである。なお、電子機器10cは、折り畳み式、スライド式、回転式または2軸回転式等の筐体を有していてもよい。
【0092】
筐体11には、タッチパネル式のディスプレイ12cが設けられる。ディスプレイ12cは、各種画面を表示する表示部として機能するとともに、電子機器10cを操作する操作部として機能する。ディスプレイ12cは、光源と、画像データに基づいて、光源から射出された光を投影するか否かを切り換える光学系とで構成されている。本実施形態において、ディスプレイ12cは、光源である可視光照射装置110と、光学系である描画装置111とを含む。
【0093】
可視光照射装置110は、可視光のレーザー光を照射する。可視光領域の光は、短波長側が360nm以上400nm以下、長波長側が760nm以上830nm以下の光であり、本実施形態において、可視光照射装置110は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色の光を照射する。
【0094】
描画装置111は、可視光照射装置110から照射される3色の光を合成するとともに、画像投影対象に照射する。描画装置111は、光源から射出された光を透過させるか否かを切り換える切り換え素子、および当該切り換え素子を通過した光をラスター走査させるミラーを含んで構成される。そして、描画装置111は、ミラーによって可視光照射装置110から射出されたレーザー光の角度を変えて、画像投影対象にレーザー光を走査させることで、画像投影対象に画像を投影させる。
【0095】
ミラーとしては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーが用いられる。MEMSミラーは、圧電素子を利用してミラーを駆動して、可視光照射装置110から照射される可視光を走査し、可視画像や不可視画像を生成する。この場合は、ミラーによって光源から照射された光の角度を変えて、画像投影対象の全面に光源から照射された光を走査させることで、投影対象物に可視画像や不可視画像を投影させることができる。このように、ディスプレイ12cは、スキャン方式のプロジェクタである。
【0096】
なお、ディスプレイ12cの構成は、上述したレーザーを光源とするものに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ12cは、ハロゲンライトや、LED光源、LD光源を光源とし、LCD(Liquid Crystal Display)や、DMD(Digital Micro-mirror Device)を光学系に備える構成のプロジェクタを用いてもよい。
【0097】
また、ディスプレイ12cは、タッチセンサ101が重畳されるフィルタ109に複数の光センサ108を有する。ディスプレイ12cが有する光センサ108は、実施形態1における光センサ108と同様に機能する。なお、光センサ108に替えて、カメラ40を備えるように電子機器10cを構成してもよい。
【0098】
上述してきたように、表示部として、液晶ディスプレイ以外の装置を用いても、実施形態1および2と同様の効果を得ることができる。
【0099】
(その他の実施形態)
なお、上記の各実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができ、また、任意に組み合わせることができる。例えば、上記の各実施形態では、表示部がカラー表示可能であることとしていたが、表示部はモノクロ表示であってもよい。
【0100】
また、上記の各実施形態では、ユーザが対象物に書いた文字等を光センサ108やカメラ40を用いて検出することとしたが、タッチセンサ101の検出結果に基づいて、ユーザが書いた文字等を検出することとしてもよい。また、光センサ108、カメラ40およびタッチセンサ101を組み合わせて用いることにより、ユーザが書いた文字等の検出精度を向上させることもできる。
【0101】
また、光センサ108が色を検出することができるようにしてもよい。例えば、3つの光センサ108を組み合わせて用いることとし、組み合わされる各光センサ108に、R(Red)、G(Green)、B(Blue)のフィルタをそれぞれ設ける。こうして、光センサ108が色を検出することができるようにすることで、対象物の識別精度を向上させることができる。具体的には、対象物の種別ごとに色に関する情報を対象物情報記憶部24aに記憶させておき、光センサ108が検出した対象物の色を、対象物情報記憶部24aの情報と照合することで、対象物をより高精度に識別することが可能になる。その結果、表示部の明るさの制御等もより適切に行われるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明に係る電子機器、表示制御方法および表示制御プログラムは、ハガキ等の投影対象物に画像を投影する場合に適している。
【符号の説明】
【0103】
10a、10b、10c 電子機器
11 筐体
12a、12b、12c ディスプレイ
13 操作部
22 処理部
22a 表示制御部
22b 対象物判定部
22c 対象物情報取得部
22d 姿勢・位置演算部
22e 画像処理部
24 記憶部
24a 対象物情報記憶部
24b テキストデータ記憶部
25 外部記憶部
26 送受信部
32 表示部
36 近距離通信部
40 カメラ
101 タッチセンサ
102 表示パネル
103 光センサ付き液晶パネル
104 バックライト
108 光センサ
109 フィルタ
110 可視光照射装置
111 描画装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の上に置かれた対象物を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記対象物に応じて、前記表示部の明るさを制御する表示制御部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示部に表示される画像が前記対象物を透過するように前記表示部の明るさを制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記検出部は、前記表示部のどの範囲に前記対象物が置かれているかを検出し、
前記表示制御部は、前記対象物が置かれている範囲以外の部分を黒く表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記検出部は、前記表示部のどの範囲に前記対象物が置かれているかを検出し、
前記表示制御部は、前記対象物が置かれている範囲以外の部分の明るさを、前記対象物が置かれている範囲よりも低く設定することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記検出部は、前記対象物に対して描かれた線を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記検出部は、前記表示部に設けられた光センサであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記検出部は、前記表示部を撮影する撮像装置であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記検出部は、前記表示部に重畳されたタッチセンサを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記検出部は、前記表示部の上に置かれた対象物の厚さを検出し、
前記表示制御部は、前記検出部によって検出された前記対象物の厚さに応じて、前記表示部の明るさを制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
表示部を有する電子機器によって実行される表示制御方法であって、
前記表示部の上に置かれた対象物を検出するステップと、
検出された前記対象物に応じて、前記表示部の明るさを制御するステップと
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項11】
表示部を有する電子機器に、
前記表示部の上に置かれた対象物を検出するステップと、
検出された前記対象物に応じて、前記表示部の明るさを制御するステップと
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−94014(P2012−94014A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241557(P2010−241557)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】