説明

電子機器制御装置及びそれを備えたテレビジョン受信装置

【課題】メモリへのデータ書き込み中に電源遮断が発生したか否かを確認できる電子機器制御装置を提供する。
【解決手段】電子機器制御装置20の書き換え可能な不揮発性メモリ19には、通常データ領域191と、書き込み開始データ領域192と、書き込み終了データ領域193と、書き込み中断データ領域194と、が備えられる。電子機器制御装置20の制御手段18は、起動時に、書き込み開始データ領域192及び書き込み終了データ領域193から読み出した2つのデータに基づいて、保存すべきデータの通常データ領域191への書き込み処理中に処理が中断されたことを示す書き込み中断データを書き込むか否かを判断する処理を行うと共に、前記書き込み中断データを書き込むと判断した場合に書き込み中断データ領域194に前記書き込み中断データを書き込む処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビジョン受信装置等の電子機器に備えられる電子機器制御装置に関する。また、本発明は電子機器制御装置を備えたテレビジョン受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、テレビジョン受信装置には、画質設定やチャンネル設定等の各種設定を記憶するメモリが備えられており、このメモリに記憶される各種設定(データ)を起動時に読み出してテレビジョン受信装置は動作を開始するようになっている。メモリに記憶される各種設定は、例えばユーザによって設定変更でき、ユーザが設定変更指令を出すと、設定変更後のデータがメモリに書き込まれる。そして、テレビジョン受信装置は、新たにデータが書き込まれた後においては、新たに書き込まれたデータに基づいて動作を行うとと共に、その後、一旦電源が切られて再度起動する場合にも、メモリに新たに書き込まれたデータに基づいて動作を開始する。
【0003】
なお、このようなテレビジョン受信装置の動作制御は、メモリ(詳細には書き換え可能な不揮発性メモリ)と、該メモリへのデータの書き込み処理及び該メモリからのデータの読み出し処理を行う機能を有する制御手段と、を備える電子機器制御装置によって行われる。
【0004】
ところで、メモリに記憶されているデータは、例えば電子機器制御装置が備えるソフトウェアの不具合や、メモリへのデータ書き込み中に発生する電源の遮断等によって破損する場合がある。このようなデータ破損が発生した場合には、電子機器制御装置の制御下において、例えばメモリに記憶されるデータを初期化し、初期化した設定でテレビジョン受信装置の動作を再開することとできる。
【0005】
しかし、上述の設定の初期化は一時的な処置でしかない場合がある。すなわち、ソフトウェアの不具合や、電源の遮断が電源回路の構造上の問題等である場合には、繰り返しデータの破損が発生する場合がある。このような場合、ユーザ自身では対応できないために、テレビジョン受信装置を製造したメーカ等が補修を行うことになる。
【0006】
メーカ等において補修を行う場合には、データの破損が発生した原因を突き止めて補修を行う必要がある。このため、従来においてはデータの初期化を行う必要がある場合に、補修時に障害解析(データ破損の原因解析)を行えるように障害発生時の情報を保存可能とする構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−149628号公報
【特許文献2】特開平5−241866号公報
【特許文献3】特開平8−30474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の障害発生時の情報を保存可能とする従来の構成は、障害発生時点においてデータの書き込みや読み出しを行う電子機器制御装置に電力が供給されていることを前提としたものである。このため、メモリへのデータの書き込み中に電源遮断(書き込みの中断)が発生してデータ破損が発生した場合には、データ破損時の情報をメモリに記憶することができない。メモリへのデータの書き込み中に電源遮断が発生したことが補修時にわかれば、データ破損を防止する対策も行い易く便利である。
【0009】
そこで、本発明の目的は、メモリへのデータ書き込み中に電源遮断が発生したか否かを確認できる電子機器制御装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、そのような電子機器制御装置を備えることにより、メモリに記憶されるデータの破損に対する補修時の対策が立て易いテレビジョン受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の電子機器制御装置は、データの書き換えが可能な不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリへのデータの書き込み処理、及び、前記不揮発性メモリからのデータの読み出し処理を行う機能を有する制御手段と、を備え、電子機器の制御用に使用される電子機器制御装置であって、前記不揮発性メモリには、通常データ領域と、書き込み開始データ領域と、書き込み終了データ領域と、書き込み中断データ領域と、が備えられ、前記通常データ領域に保存すべきデータの書き込みを行う場合に、前記制御手段は、前記保存すべきデータの書き込み前に、前記保存すべきデータの種類に関連付けて決定される書き込み開始データを前記書き込み開始データ領域に書き込む処理を行うと共に、前記保存すべきデータの書き込み後に、前記保存すべきデータの種類に関連付けて決定される書き込み終了データを前記書き込み終了データ領域に書き込む処理を行い、起動時に、前記制御手段は、前記書き込み開始データ領域及び前記書き込み終了データ領域から読み出した2つのデータに基づいて、前記保存すべきデータの書き込み処理中に処理が中断されたことを示す書き込み中断データを書き込むか否かを判断する処理を行うと共に、前記書き込み中断データを書き込むと判断した場合に前記書き込み中断データ領域に前記書き込み中断データを書き込む処理を行うことを特徴としている。
【0011】
本構成によれば、書き換え可能な不揮発性メモリに、書き込み開始データ領域と書き込み終了データ領域を設けることによって、起動時に、通常データ領域に保存すべきデータを書き込んでいる途中に電源遮断が発生したか否かを確認できるようになっている。そして、起動時に電源遮断が発生したと判断される場合に、前記不揮性メモリに設けられる書き込み中断データ領域に書き込み中断データを書き込むようになっている。このために、補修時に書き込み中断データ領域からデータを読み出すことによって、通常データ領域に保存すべきデータを書き込んでいる途中に電源遮断が発生したか否かを判断することができる。このため、本構成の電子機器制御装置を用いれば、前記不揮発性メモリに記憶されるデータ破損に対する対策を立て易い。
【0012】
上記構成の電子機器制御装置において、前記書き込み開始データ及び前記書き込み終了データは、前記保存すべきデータの種類が同一の場合は同一のデータとされ、前記制御手段は、起動時に読み出した前記2つのデータが一致しない場合に、前記書き込み中断データを書き込むと判断することとしてもよい。
【0013】
本構成によれば、書き込み開始データ領域及び書き込み終了データ領域から読み出されるデータに基づいて書き込み中断データを書き込むか否かを判断する構成が複雑とならず、好ましい。
【0014】
上記構成の電子機器制御装置において、前記書き込み中断データは、起動時に前記書き込み開始データ領域から読み出した前記書き込み開始データと同一とされることとしてもよい。
【0015】
本構成によれば、どのような種類のデータ(上記保存すべきデータ)を書き込んでいる途中で電源遮断が発生したかを確認できる構成を、複雑なものとすることなく実現できる。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明のテレビジョン受信装置は、上記構成の電子機器制御装置を備えることを特徴としている。
【0017】
本構成によれば、テレビジョン受信装置において、例えば画質設定やチャンネル設定等の設定変更作業(データの書き換え作業)中に電源遮断が発生した場合に、そのことを補修時に確認できる。このため、本構成のテレビジョン受信装置によれば、データ(例えば画質設定データやチャンネル設定データ等)の破損に対する補修時の対策が立て易い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、メモリへのデータ書き込み中に電源遮断が発生したか否かを確認できる電子機器制御装置を提供できる。このため、本発明によれば、電子機器制御装置のメモリに記憶されるデータ破損について、ソフトウェアの不具合が原因であるのか、データの書き込み中に電源遮断が発生したことが原因であるのかを切り分けることができる。このため、データ破損に対する補修時の対策が立て易い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態のテレビジョン受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本実施形態のテレビジョン受信装置が備える電子機器制御装置の構成を示すブロック図
【図3】本実施形態のテレビジョン受信装置が備える電子機器制御装置における、データ書き込み処理時のフローを示すフローチャート
【図4】書き込み開始データ領域及び書き込み終了データ領域に書き込まれるデータについて説明するための図
【図5】本実施形態のテレビジョン受信装置が備える電子機器制御装置における、起動時の処理フローを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の電子機器制御装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、本発明の電子機器制御装置がテレビジョン受信装置に備えられる場合を例として説明する。
【0021】
図1は、本実施形態のテレビジョン受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、テレビジョン受信装置1は、チューナ11と、デコーダ12と、映像音声信号処理部13と、OSD(On Screen Display)部14と、映像出力部15と、音声出力部16と、リモコン受信部17と、コントローラ18と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)19と、を備えている。
【0022】
チューナ11は、図示しないアンテナを介して地上波放送信号等のテレビジョン放送信号を受信する。デコーダ12は、チューナ11によって受信された放送信号を復調する。映像音声信号処理部13は、復調された放送信号を映像信号及び音声信号に分離する。OSD部14は、分離された映像信号にOSD情報を多重する。映像出力部15は、例えば液晶表示装置等によって形成されるモニタを備え、映像信号(OSD情報が多重されている場合と多重されていない場合がある)をモニタ画面に出力する。音声出力部16はスピーカを備え、映像音声信号処理部13によって分離された音声信号を出力する。リモコン受信部17は、図示しないリモコン装置から送信されるリモコン信号(例えば赤外線信号が用いられる)を受信する。リモコン受信部17によって受信された情報は、コントローラ18に入力される。
【0023】
コントローラ18はテレビジョン受信装置1が備える各部の制御を行う。また、コントローラ18はEEPROM19に接続されて、EEPROM19へのデータの書き込み処理と、EEPROM19に記憶されるデータの読み出し処理を行えるようになっている。すなわち、コントローラ18は、本発明の制御手段の実施形態である。また、EEPROM19は書き換え可能な不揮発性メモリの実施形態である。更に、本実施形態のコントローラ18とEEPROM19とを合わせた装置20は、本発明の電子機器(本実施形態ではテレビジョン受信装置1)の制御用に使用される電子機器制御装置の実施形態である。
【0024】
図2は、本実施形態のテレビジョン受信装置が備える電子機器制御装置の構成を示すブロック図である。電子機器制御装置20が備えるコントローラ18には、CPU181と、内部ROM(Read On Memory)182と、RAM(Random Access Memory) 183と、インターフェース184と、が備えられている。CPU181、内部ROM182、RAM183及びインターフェース184はバス185を介して互いに接続されている。
【0025】
CPU181は制御処理全般を実行するための演算処理装置である。内部ROM182はデータの書き換えが不能なマスクROMによって構成されており、CPU181によって実行されるプログラムが格納されている。また、RAM183は電源オフ時にはデータが保持されない揮発性メモリによって構成され、CPU181がデータの一時的な記憶に使用する領域を有する。インターフェース184は、EEPROM19の信号ラインとバス185との整合を行う。
【0026】
電子機器制御装置20が備えるEEPROM19には、通常データ領域191と、書き込み開始データ領域192と、書き込み終了データ領域193と、書き込み中断データ領域194と、が備えられている。通常データ領域191は、例えば画質設定やチャンネル設定等のテレビジョン受信装置(電子機器)1の動作制御を行う上で必要となるデータが保存される領域である。また、通常データ領域191とは別に設けられる書き込み開始データ領域192、書き込み終了データ領域193、及び書き込み中断データ領域194は、通常データ領域191へのデータの書き込み中に電子機器制御装置20(テレビジョン受信装置1)の電源が切れたか(電源遮断が発生したか)否かを補修時に確認できるように設けられた領域である。
【0027】
図3は、本実施形態のテレビジョン受信装置が備える電子機器制御装置における、データ書き込み処理時のフローを示すフローチャートである。EEPROM19へのデータの書き込み処理は、例えばユーザによって、画質設定等のテレビジョン受信装置1の動作制御を行う上で必要となる設定(データ)の変更を行う指令が出された場合等に開始される。なお、設定変更の指令は、テレビジョン受信装置1の本体に設けられる入力部やリモコン装置(いずれも図示せず)等を介して入力される。
【0028】
画質設定等の設定の変更指令が出されると、変更指令が出されることによって保存することが必要となったデータ(保存すべきデータ)の保存に先立って、コントローラ18は、まず、EEPROM19の書き込み開始データ領域192及び書き込み終了データ領域193のデータをクリアする処理を実行する(ステップS1)。この場合、各データ領域には例えば、「FF」等のデータが記憶されることになる。そして、コントローラ18は書き込み開始データ領域192に書き込み開始データ(詳細は後述する)の書き込み処理を実行する(ステップS2)。
【0029】
書き込み開始データの書き込み処理が終了すると、コントローラ18は上述の保存すべきデータの通常データ領域191への書き込み処理を実行する(ステップS3)。そして、保存すべきデータの書き込み処理を終了すると、コントローラ18は書き込み終了データ領域193に書き込み終了データ(詳細は後述する)の書き込み処理を実行する(ステップS4)。
【0030】
ここで、書き込み開始データ及び書き込み終了データについて説明しておく。これらは、いずれも上述の保存すべきデータの種類と関連付けられて決まるデータである。具体的には、本実施形態では、例えば画質設定、チャンネル設定、言語設定等のテレビジョン受信装置1の動作制御を行う上で必要となる各種設定データのそれぞれに対して、図4のように16進数の数字が予め割り当てられている。例えば、画質設定データには00×05、チャンネル設定データには00×06、言語設定データには00×03といった16進数の数字が割り当てられている。
【0031】
そして、上述の保存すべきデータの種類によって割り当てられる16進数の数字が書き込み開始データ及び書き込み終了データとなって、書き込み開始データ領域192及び書き込み終了データ領域193に書き込まれるのである。すなわち、保存すべきデータの種類が画質設定データに関するものであれば、書き込み開始データ及び書き込み終了データは00×05となり、これらが、書き込み開始データ領域192及び書き込み終了データ領域193に書き込まれる。
【0032】
ここで、図3に示すフローを参照して、保存すべきデータ(ここでは画質設定データとして説明する)の書き込みが実行されている(ステップS3)途中に電子機器制御装置20の電源が切れた場合を考えてみる。この場合、書き込み開始データ領域192には、画質設定データに割り当てられた00×05が保存され、書き込み終了データ領域193には、ステップS1のクリア処理で入力されたデータ(例えばFF等)が入力されていることになる。
【0033】
一方、保存すべきデータの書き込み途中に電子機器制御装置20の電源が切れることなく、保存すべきデータが通常データ領域191に正常に保存された場合には、書き込み開始データ領域192及び書き込み終了データ領域193に、画質設定データに割り当てられた00×05が保存されることになる。
【0034】
図5は、本実施形態のテレビジョン受信装置が備える電子機器制御装置における、起動時の処理フローを示すフローチャートである。電子機器制御装置20(テレビジョン受信装置1)が起動されると、コントローラ18は書き込み開始データ領域192に保存されている書き込み開始データを読み出す(ステップS11)。また、コントローラ18は書き込み終了データ領域193に保存されている書き込み終了データを読み出す(ステップS12)。なお、書き込み開始データ及び書き込み終了データを読み出す順序は本実施形態の順序とは逆でも構わない。
【0035】
次に、コントローラ18は読み出された書き込み開始データと書き込み終了データとが一致しているか否かを確認する(ステップS13)。読み出された書き込み開始データと書き込み終了データとが一致している場合(ステップS13でYes)には、通常データ領域191へのデータの書き込み時に電源遮断が発生していないものと判断される。このため、コントローラ18は、テレビジョン受信装置1の起動に必要なデータをEEPROM19の通常データ領域191から読み出す処理を行う(ステップS14)。
【0036】
一方、読み出された書き込み開始データと書き込み終了データとが不一致の場合(ステップS13でNo)には、通常データ領域191へのデータの書き込み時に電源遮断が発生したものと判断される。このため、コントローラ18は書き込み中断データ領域194に書き込み中断データを書き込む(ステップS15)。この書き込み中断データは、本実施形態においては、書き込み開始データと同じデータとしている。このようにすれば、補修時に書き込み中断データを読み出せば、どのような種類の設定データ(例えば画質設定データ等)の書き込みを行っていた際に電源遮断が発生したかがわかる。
【0037】
書き込み中断データ領域194に書き込み中断データを書き込むと、コントローラ18は、テレビジョン受信装置1の起動に必要なデータをEEPROM19の通常データ領域191から読み出す処理を行う(ステップS14)。
【0038】
なお、ステップS15を経てからステップS14へと至る場合には、通常データ領域191に書き込まれているデータの中に破損データがある可能性があり、ステップ14における読み出しを正常に行えない可能性がある。そして、正常に読み出し処理を行えない場合には、テレビジョン受信装置1の補修を行うことになるが、この際に本発明の効果が発揮される。
【0039】
すなわち、書き込み中断データ領域194に書き込まれている書き込み中断データを読み出すことで、通常データ領域191に保存すべきデータを書き込んでいる途中で電源遮断が生じたか否かを確認できる。このため、通常データ領域191に保存されたデータの破損が、ソフトウェアの不具合によるものか、電源遮断によるものかを切り分けることができ、補修時の対策が立て易くなる。
【0040】
以上に示した実施形態は一例であり、本発明の電子機器制御装置は以上に示した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的を逸脱しない範囲で、以上に示した実施形態について種々の変更を行うことが可能である。
【0041】
例えば、以上に示した実施形態では、通常データ領域191に保存されるデータ(保存すべきデータ)の種類が同一であれば、書き込み開始データと書き込み終了データとは同一となるように構成している。そして、両者が不一致の場合に、通常データ領域191へのデータ保存中に電子機器制御装置20(テレビジョン受信装置1)の電源が遮断されたと判断して書き込み中断データを書き込む構成としている。しかしながら、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、書き込み開始データと書き込み終了データを比較することで、通常データ領域191にデータ保存中に電子機器制御装置20の電源が遮断されたと判断できれば、他の構成であっても良い。
【0042】
また、以上に示した実施形態では、書き込み中断データ領域194に書き込まれる書き込み中断データは、書き込み開始データ領域192に書き込まれているデータと同一である構成とした。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。書き込み中断データ領域194に書き込み中断データを書き込むことで、通常データ領域191にデータ保存中に電子機器制御装置20の電源遮断が発生したということが、書き込み中断データの読み出しで確認できる構成であれば、他の構成でも良い。
【0043】
また、以上に示した実施形態では、本発明の電子機器制御装置がテレビジョン受信装置に適用される場合を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。すなわち、起動時に電子機器を動作させるためのデータを書き換え可能な不揮発性メモリから読み出して動作を開始する電子機器であって、前記不揮発性メモリに記憶されるデータの内容が適宜書き換えられる構成の電子機器に広く適用される。このような電子機器として、例えば、映像再生装置(光ディスクプレーヤ等)、映像録画再生装置(光ディスクレコーダ等)等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の電子機器制御装置は例えばテレビジョン受信装置に好適である。
【符号の説明】
【0045】
1 テレビジョン受信装置
18 コントローラ(制御手段)
19 EEPROM(不揮発性メモリ)
20 電子機器制御装置
191 通常データ領域
192 書き込み開始データ領域
193 書き込み終了データ領域
194 書き込み中断データ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの書き換えが可能な不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリへのデータの書き込み処理、及び、前記不揮発性メモリからのデータの読み出し処理を行う機能を有する制御手段と、を備え、電子機器の制御用に使用される電子機器制御装置であって、
前記不揮発性メモリには、通常データ領域と、書き込み開始データ領域と、書き込み終了データ領域と、書き込み中断データ領域と、が備えられ、
前記通常データ領域に保存すべきデータの書き込みを行う場合に、前記制御手段は、前記保存すべきデータの書き込み前に、前記保存すべきデータの種類に関連付けて決定される書き込み開始データを前記書き込み開始データ領域に書き込む処理を行うと共に、前記保存すべきデータの書き込み後に、前記保存すべきデータの種類に関連付けて決定される書き込み終了データを前記書き込み終了データ領域に書き込む処理を行い、
起動時に、前記制御手段は、前記書き込み開始データ領域及び前記書き込み終了データ領域から読み出した2つのデータに基づいて、前記保存すべきデータの書き込み処理中に処理が中断されたことを示す書き込み中断データを書き込むか否かを判断する処理を行うと共に、前記書き込み中断データを書き込むと判断した場合に前記書き込み中断データ領域に前記書き込み中断データを書き込む処理を行うことを特徴とする電子機器制御装置。
【請求項2】
前記書き込み開始データ及び前記書き込み終了データは、前記保存すべきデータの種類が同一の場合は同一のデータとされ、
前記制御手段は、起動時に読み出した前記2つのデータが一致しない場合に、前記書き込み中断データを書き込むと判断することを特徴とする請求項1に記載の電子機器制御装置。
【請求項3】
前記書き込み中断データは、起動時に前記書き込み開始データ領域から読み出した前記書き込み開始データと同一とされることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の電子機器制御装置を備えることを特徴とするテレビジョン受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−250543(P2010−250543A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98980(P2009−98980)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】