説明

電子機器

【課題】 ユーザに適した傾斜角に操作パネルを自動的に設定する。
【解決手段】 この電子機器は、傾斜角を変更可能な操作パネル11と、操作パネル11の傾斜角を変化させる駆動装置31と、操作パネル11に設置されユーザを撮像する撮像装置23と、撮像装置23により撮像されたユーザの画像における顔画像の位置を検出するとともに、その顔画像の位置に応じて駆動装置31を制御して撮像装置23の光軸および操作パネル11を回動させるパネル制御部42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器には、ユーザ操作を検出するための操作パネルが設けられる場合が多い。操作パネルを有する電子機器には、その傾斜角を手動または電気的に調整可能なものがある(例えば特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2006−058693号公報
【特許文献2】特開2007−81248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各ユーザの身長などによって操作パネルに適した傾斜角が異なるため、複数のユーザのそれぞれが使用する際に操作パネルを適正な傾斜角に自動的に設定することは困難である。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザに適した傾斜角に操作パネルを自動的に設定することができる電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0006】
本発明に係る電子機器は、傾斜角を変更可能な操作パネルと、操作パネルの傾斜角を変化させる駆動装置と、操作パネルに設置されユーザを撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像されたユーザの画像における顔画像の位置を検出する顔検出手段と、顔検出手段により検出された顔画像の位置に応じて駆動装置を制御して撮像装置の光軸および操作パネルを回動させる制御手段とを備える。
【0007】
これにより、ユーザの身長に応じて顔の位置が変わるため、ユーザの顔の位置に応じて操作パネルの傾斜角を調節することで、ユーザに適した傾斜角に操作パネルを自動的に設定することができる。
【0008】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、撮像装置は、撮像装置の光軸が操作パネルの回動軸を中心とした略放射線上に存在するように、操作パネルに設置されている。
【0009】
これにより、操作パネルの回動軸を略中心にして光軸が回転するため、傾斜角の調節時に、被写体であるユーザと撮像装置との距離が変化しにくく、撮像装置による画像内でのユーザの顔画像のサイズが変化しにくい。このため、撮像装置による画像内でのユーザの顔画像の検出がし易い。
【0010】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、撮像装置は、撮像装置の光軸が操作パネルの表面に垂直な方向から操作パネルの前方(つまり、ユーザ側)へ所定の角度だけ傾くように、操作パネルに設置されている。
【0011】
これにより、撮像装置の正面にユーザの顔があるときに、操作し易い傾斜角に操作パネルを配置することができる。したがって、傾斜角の調節時に、撮像装置の画角内からユーザの顔が外れにくい。
【0012】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、制御手段は、撮像装置により撮像された画像における顔画像の位置が所定の位置となるまで駆動装置を制御して操作パネルを回動させる。
【0013】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、電子機器は、ユーザ識別情報に基づいてログイン時にユーザ認証を行うユーザ認証手段を備える。そして、制御手段は、ユーザのログイン中に、顔画像の位置が所定の位置となったときの適正傾斜角を特定可能な制御情報を、ユーザのユーザ識別情報に関連付けて記憶させ、ユーザの次回ログインの際に、顔画像を使用せずに、記憶されている制御情報を取得して、その制御情報に基づいて操作パネルの傾斜角を適正傾斜角に設定する。
【0014】
これにより、既に適正な傾斜角が測定されている場合には、操作パネルがその傾斜角に直ちに配置されるため、短時間で操作パネルをログインユーザに適した傾斜角に配置することができる。
【0015】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、電子機器は、原稿画像を読み取り画像データを生成する画像読取装置と、印刷データに基づき画像を印刷する印刷装置と、画像読取装置により生成された画像データから印刷データを生成しその印刷データに基づき印刷装置に原稿画像を印刷させるとともに、画像データに基づき原稿のコピーが不正コピーであるか否かを判定するコピー処理手段とを備える。そして、制御手段は、撮像装置により撮像された画像における顔画像の位置が所定の位置となったときの顔画像の画像データを保持し、コピー処理手段は、原稿のコピーが不正コピーであると判定された場合、保持されている顔画像の画像データに基づいて、顔画像を原稿画像とともに印刷させる。
【0016】
これにより、不正コピーの発生を抑止するとともに、操作パネルの適正傾斜角の検出時に撮像した顔画像を利用して、不正コピーを実行したユーザを特定することができる。また、適正傾斜角の測定時に撮像したユーザの顔画像を利用するため、不正コピー実行時にユーザの顔が撮像装置の画角から外れていても、ユーザの顔画像を印刷することができる。
【0017】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、電子機器は、顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定する年齢推定手段を備える。また、操作パネルは、表示装置を有する。そして、年齢推定手段は、顔画像の位置が所定の位置となったときの顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定し、制御手段は、年齢推定手段によるユーザの推定年齢に応じた画面を表示装置に表示させる。
【0018】
これにより、操作パネルの適正傾斜角の検出時に撮像した顔画像を利用して、表示画面をユーザの年齢に適したものとすることができる。
【0019】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、制御手段は、推定年齢が第1閾値より高い場合、および推定年齢が第2閾値より低い場合には、画面内のテキストの文字サイズを大きくする。
【0020】
これにより、高齢者または低年齢層のユーザに対して、操作パネル内の文字を読みやすくすることができる。
【0021】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記所定の位置は、撮像装置により撮像された画像の、操作パネルの回動方向における中央または中央近傍である。
【0022】
これにより、ユーザの顔画像が撮像装置の画角に入りやすくなるため、ユーザの顔画像が検出されやすくなる。
【0023】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、顔検出手段は、撮像装置により撮像された画像における顔画像中の眼の位置を検出し、制御手段は駆動装置を制御して、撮像装置により撮像された画像における顔画像の位置が前記所定の位置となるまで操作パネルを回動させた後、前記眼の位置を撮像装置により撮像された画像の操作パネルの回動方向における中央または中央近傍となるように回動させる。
【0024】
これにより、ユーザの顔画像を一旦検出した後、最も、操作し易い傾斜角に操作パネルを配置することができる。
【0025】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記顔検出手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像中の眼の位置を検出し、前記制御手段は前記駆動装置を制御して、前記眼の位置を前記撮像装置により撮像された画像の前記操作パネルの回動方向における中央または中央近傍とした場合から前記所定の角度、前記操作パネルをユーザとより対面する方向に回動させる。
【0026】
これにより、ユーザにとって、操作パネル内の表示が最も見やすい傾斜角に操作パネルを配置することができる。
【0027】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記顔検出手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像中の眼の位置を検出し、前記制御手段は前記駆動装置を制御して、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像の位置が前記所定の位置となるまで前記操作パネルを回動させた後、前記眼の位置を前記撮像装置により撮像された画像の前記操作パネルの回動方向における中央または中央近傍とした場合から前記所定の角度、前記操作パネルをユーザとより対面する方向に回動させる。
【0028】
これにより、ユーザの顔画像を一旦検出した後、ユーザにとって、操作パネル内の表示が最も見やすい傾斜角に操作パネルを配置することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ユーザに適正な傾斜角に操作パネルを自動的に設定可能な電子機器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電子機器を示す斜視図である。図1に示す電子機器1は、操作パネル11が筐体に設置された複写機である。操作パネル11には、少なくともユーザにより操作される入力装置が設けられている。
【0032】
図2は、図1に示す電子機器の操作パネル11を示す斜視図である。また、図3は、図1に示す電子機器1の操作パネル11を示す側面図である。この操作パネル11は、水平な軸11aを中心にして回動自在に電子機器1に取り付けられており、モータなどの駆動装置により機械的な伝達機構を介して回転力が軸11aに与えられることで操作パネル11の傾斜角Bが変更可能である。ここで、傾斜角Bは、操作パネル11と水平方向との間の角度を指す。
【0033】
この操作パネル11の表面には、表示装置21、入力装置22および撮像装置23が設けられている。
【0034】
表示装置21は、この電子機器1の動作設定のための画面などを表示する装置である。表示装置21として、例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置22は、ユーザ操作を検出してそのユーザ操作に応じた電気信号を出力する装置である。入力装置22として、例えばキースイッチ、タッチパネルなどが使用される。入力装置22がタッチパネルである場合、表示装置21と兼用することができる。また、入力装置22は、ICカードリーダを含んでいてもよい。その場合、ICカードリーダにより、ユーザの有するICカードから各種情報が読み取られる。
【0035】
撮像装置23は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOSセンサ(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子およびレンズを含む光学系23aを有し、撮像画像を画像データとして出力する装置である。図3に示すように、撮像装置23の光軸Nは、操作パネル11の表面に垂直な方向から操作パネル11の前方へ所定の角度Aだけ傾いている。また、撮像装置23の光軸Nは、操作パネル11の回動軸11aを中心とした略放射線上に存在する。つまり、撮像装置23の光軸Nの延長線が回動軸11aの近傍を通過する。
【0036】
図4は、図1に示す電子機器1の電気的な構成を示すブロック図である。図4において、駆動装置31は、操作パネル11の傾斜角を変化させる装置である。駆動装置31は、例えばモータなどの駆動源を有し、機械的な伝達機構を介して回転力を操作パネル11の軸11aに与える。
【0037】
記憶装置32は、演算処理装置36による処理で使用されるデータを格納する装置である。記憶装置32としては、ハードディスクドライブ、不揮発性の半導体メモリなどが使用される。この実施の形態1では、記憶装置32には、ユーザテーブル51が格納されている。ユーザテーブル51は、ユーザごとに、ユーザ識別情報(ID、パスワードなど)とユーザの関連情報とを含む。
【0038】
画像読取装置33は、原稿画像を光学的に読み取り画像データを生成する装置である。
【0039】
印刷装置34は、印刷データに基づき画像を印刷する装置である。
【0040】
通信装置35は、コンピュータネットワークなどの通信網に接続され、その通信網に接続されている他の装置との間でデータ通信を行う装置である。
【0041】
また、演算処理装置36は、電子機器1内の各装置から信号を受信しその信号に基づいて、各種処理を行ったり、電子機器1内の各装置を制御したりする装置である。演算処理装置36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピュータとして実現され、ROMなどに格納されているプログラムを実行することで、各種処理部を実現する。この演算処理装置36では、ユーザ認証部41、制御処理部42、ジョブ処理部43、および通信処理部44が実現される。
【0042】
ユーザ認証部41は、入力装置22により検出されたユーザ識別情報に一致するユーザ識別情報が、ユーザテーブル51に登録されているか否かを判定する処理部である。ユーザ認証部41は、そのユーザ識別情報がユーザテーブル51に登録されている場合には、ログインユーザを特定するとともに、電子機器1の使用を許可する。一方、ユーザ認証部41は、そのユーザ識別情報がユーザテーブル51に登録されていない場合には、電子機器1の使用を許可しない。
【0043】
パネル制御部42は、撮像装置23により撮像されたユーザの画像における顔画像の位置を検出する顔検出機能と、駆動装置31を制御して、検出した顔画像の位置に応じて撮像装置23の光軸および操作パネル11を回動させるパネル制御機能とを有する処理部である。なお、顔画像の検出については、例えば特開2006−344100号公報、特開2006−93934号公報などに開示されている公知の技術を使用できる。
【0044】
ジョブ処理部43は、画像読取装置32により生成された画像データから印刷データを生成しその印刷データに基づき印刷装置33に原稿画像を印刷させる処理部である。
【0045】
通信処理部44は、通信装置34を制御して、他の装置へデータを送信する処理部である。
【0046】
次に、上記電子機器1の動作について説明する。図5は、図1に示す電子機器1の動作について説明するフローチャートである。
【0047】
電子機器1において、ユーザにより入力装置22に対してユーザ識別情報が入力されると、ユーザ認証部41は、ユーザテーブル51を参照して、そのユーザのログインを許可するか否かを判定する(ステップS1)。
【0048】
ログインが許可されると、パネル制御部42は、撮像装置23を制御して、ユーザの撮像を開始する(ステップS2)。これにより、撮像が終了するまで、撮像装置23により、周期的に静止画の画像データが繰り返し生成される。
【0049】
パネル制御部42は、駆動装置31を制御して、操作パネル11の傾斜角が所定の初期値になるように操作パネル11を配置し、撮像装置23より得られた画像内の顔画像が存在するか否かを判定する(ステップS3)。
【0050】
撮像装置23より得られた画像内の顔画像が存在しない場合には、パネル制御部42は、撮像装置23より得られた画像内で顔画像が検出されるまで、駆動装置31を制御して、傾斜角を所定の方向に変化させていく(つまり、傾斜角を増加または減少させていく)(ステップS3,S4)。所定の角度範囲の一端まで傾斜角を変化させても顔画像が検出されない場合には、パネル制御部42は、傾斜角を逆方向へ変化させていく。なお、このときに、入力装置22に対するユーザ操作が検出された場合には(ステップS5)、パネル制御部42は、ユーザの撮像を終了し(ステップS6)、傾斜角の調節を中止する。
【0051】
撮像装置23より得られた画像内で顔画像が検出された場合、パネル制御部42は、そのときの傾斜角で操作パネル11を一旦停止させ、撮像装置23より得られた画像において顔画像が画像中央より上で検出されているか否かを判定する(ステップS7)。なお、実施の形態1および後述する実施の形態2〜3において、顔画像の位置は、通常、顔画像の中心付近にある鼻の位置とする。
【0052】
顔画像が画像中央より上で検出されている場合、パネル制御部42は、駆動装置31を制御して、操作パネル11の傾斜角Bを減少させる(ステップS8)。このときの減少量は、顔画像の検出位置と画像中央との、垂直方向における距離に応じて決定される。
【0053】
一方、顔画像が画像中央より上で検出されていない場合には、撮像装置23より得られた画像において顔画像が画像中央より下で検出されているか否かを判定する(ステップS9)。顔画像が画像中央より下で検出されている場合、パネル制御部42は、駆動装置31を制御して、操作パネル11の傾斜角Bを増加させる(ステップS10)。このときの増加量は、顔画像の検出位置と画像中央との、垂直方向における距離に応じて決定される。
【0054】
ステップS7〜S10の処理は、垂直方向において顔画像が画像中央で検出されるまで繰り返される。なお、このときに、入力装置22に対するユーザ操作が検出された場合には(ステップS11)、パネル制御部42は、ユーザの撮像を終了し(ステップS6)、傾斜角の調節を中止する。
【0055】
図6は、実施の形態1において、撮像装置23より得られた画像における顔画像の例を示す図である。この場合、顔画像における鼻が代表点である。図6(B)に示すように代表点が画像中央より上で検出されている場合、パネル制御部42は、駆動装置31を制御して、操作パネル11の傾斜角Bを減少させる(ステップS8)。一方、図6(C)に示すように代表点が画像中央より下で検出されている場合、パネル制御部42は、駆動装置31を制御して、操作パネル11の傾斜角Bを増加させる(ステップS10)。そして、図6(A)に示すように垂直方向において顔画像が画像中央で検出されるまでステップS7〜S10の処理が、繰り返される。
【0056】
垂直方向において顔画像が画像中央で検出された場合、パネル制御部42は、撮像装置23によるユーザの撮像を終了し(ステップS6)、傾斜角の調節を終了する。
【0057】
そのときの操作パネル11の傾斜角Bがそのユーザに適した適正傾斜角とされる。このときの光軸Nと水平方向との間の角度をCとすると、このときの傾斜角Bは、B=90−A−C(度)となる。ユーザの身長が高い場合には、垂直方向において顔画像が画像中央で検出されたときの光軸Nの角度Cが大きくなるため、傾斜角Bは小さくなる。一方、ユーザの身長が低い場合には、垂直方向において顔画像が画像中央で検出されたときの光軸Nの角度Cが小さくなるため、傾斜角Bは大きくなる。
【0058】
なお、顔画像が画像中央近傍の所定の許容範囲内にあれば、垂直方向において顔画像が画像中央で検出されたと判定するようにしてもよい。また、その許容範囲は、顔画像のサイズ(例えば垂直方向での長さ)に応じて変化させてもよい。
【0059】
以上のように、上記実施の形態1に係る電子機器は、傾斜角を変更可能な操作パネル11と、操作パネル11の傾斜角を変化させる駆動装置31と、操作パネル11に設置されユーザを撮像する撮像装置23と、撮像装置23により撮像されたユーザの画像における顔画像の位置を検出するとともに、その顔画像の位置に応じて駆動装置31を制御して撮像装置23の光軸Nおよび操作パネル11を回動させるパネル制御部42とを備える。
【0060】
これにより、ユーザの身長に応じて顔の位置が変わるため、ユーザの顔の位置に応じて操作パネル11の傾斜角を調節することができる。ここで、撮像装置23は、撮像装置の光軸Nが操作パネル11の回動軸11aを中心とした略放射線上に存在するように、操作パネルに設置されている。従って、これにより、操作パネル11の回動軸11aを略中心にして光軸Nが回転するため、傾斜角Bの調節時に、被写体であるユーザと撮像装置との距離が変化しにくく、撮像装置による画像内でのユーザの顔画像のサイズが変化しにくい。このため、撮像装置による画像内でのユーザの顔画像の検出がし易い。
【0061】
また、光軸Nは操作パネル11の垂直方向から操作パネル11の前方へ所定の角度Aだけ傾いているので、光軸Nが操作パネル11の垂直方向に伸びる場合と比較して、傾斜角Bは小さめに設定される。すなわち、操作パネル11はユーザの顔に対して真正面となる傾斜角よりもやや上向きに調節される。従って、光軸Nを所定の角度Aだけ傾かせた場合は、ユーザが入力部22を操作するのに適した傾斜角に、操作パネル11を自動的に設定することができる。
【0062】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る電子機器は、ユーザごとに、操作パネル11の傾斜角を記憶する。なお、実施の形態2に係る電子機器の構成は、実施の形態1のものと同様である。ただし、パネル制御部42は、以下に示すように動作する。
【0063】
図7は、実施の形態2に係る電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【0064】
ユーザにより入力装置22に対してユーザ識別情報が入力されると、ユーザ認証部41は、ユーザテーブル51を参照して、そのユーザのログインを許可するか否かを判定する(ステップS21)。
【0065】
ログインが許可されると、実施の形態2では、パネル制御部42は、そのログインユーザについて、適正傾斜角データがユーザテーブル51に登録されているか否かを判定する(ステップS22)。
【0066】
そのログインユーザについて、適正傾斜角データがユーザテーブル51に登録されている場合には、パネル制御部42は、適正傾斜角データを読み出し(ステップS23)、駆動装置31を制御して、適正傾斜角データに基づいて操作パネル11の傾斜角を適正傾斜角に設定する(ステップS24)。
【0067】
一方、そのログインユーザについて、適正傾斜角データがユーザテーブル51に登録されていない場合には、パネル制御部42は、実施の形態1の場合(ステップS2〜S11)と同様にして、そのログインユーザについての操作パネル11の適正傾斜角を探すとともに操作パネル11をその角度に配置する(ステップS25)。そして、パネル制御部42は、今回測定された適正傾斜角に操作パネル11の傾斜角を設定するために必要な制御情報を、適正傾斜角データとして、そのログインユーザのユーザ識別情報に関連付けて、ユーザテーブル51に登録する(ステップS26)。
【0068】
以上のように、上記実施の形態2に係る電子機器は、ユーザ識別情報を記憶する記憶装置35と、ユーザ識別情報に基づいてログイン時にユーザ認証を行うユーザ認証部41とを備える。そして、パネル制御部42は、ユーザのログイン中に、顔画像の位置が所定の位置となったときの適正傾斜角を特定可能な制御情報を、ユーザのユーザ識別情報に関連付けて記憶装置35に記憶させ、ユーザの次回ログインの際に、顔画像を使用せずに、その制御情報に基づいて操作パネルの傾斜角を適正傾斜角に設定する。
【0069】
これにより、既に適正な傾斜角が測定されている場合には、操作パネル11がその傾斜角に直ちに配置されるため、短時間で操作パネル11をログインユーザに適した傾斜角に配置することができる。
【0070】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る電子機器は、操作パネル11の適正傾斜角を測定する際に撮像した顔画像を利用して、ログインユーザが不正コピーを行った場合に、そのユーザの顔画像を併せて印刷する。実施の形態3に係る電子機器は、ログイン処理を行わない。したがって、この電子機器は、不特定多数のユーザが使用可能な電子機器である。
【0071】
なお、実施の形態3に係る電子機器の構成は、実施の形態2のものと同様である。ただし、この電子機器は、ユーザテーブル51を有さない。また、パネル制御部42およびジョブ処理部43は、以下に示すように動作する。
【0072】
パネル制御部42は、操作パネル11が適正傾斜角に配置されているときに撮像されたユーザの顔画像データを、そのユーザによる電子機器1の使用が終わるまでRAMなどに保持する。
【0073】
また、ジョブ処理部43は、画像読取装置32により生成された画像データに基づき原稿のコピーが不正コピーであるか否かを判定する機能と、顔画像データと原稿の画像データとに基づいて、顔画像と原稿画像とを含む印刷画像の印刷データを生成する機能とを有する。
【0074】
次に、実施の形態3に係る電子機器の動作について説明する。
【0075】
まず、パネル制御部42による操作パネル11の傾斜角調整処理について説明する。図8は、実施の形態3に係る電子機器における操作パネルの傾斜角調節処理について説明するフローチャートである。
【0076】
図8に示すように、パネル制御部42は、入力装置11への操作などに基づいて、ユーザの存在を検出すると(ステップS31)、実施の形態1の場合と同様にしてこのユーザの適正傾斜角の測定およびその適正傾斜角への操作パネル11の配置を行う(ステップS32)。
【0077】
その後、このユーザによる電子機器の使用が終了するまで、パネル制御部42は、RAMなどに、適正傾斜角となったとき(つまり、撮像装置23による画像の中央に顔画像が位置しているとき)の顔画像データを記憶しておく(ステップS33)。
【0078】
次に、ジョブ処理部43によるコピー処理について説明する。図9は、実施の形態3に係る電子機器におけるコピー処理について説明するフローチャートである。
【0079】
ユーザは、原稿を画像読取装置32に配置し、入力装置22を操作してコピージョブを実行させる。
【0080】
ジョブ処理部43は、そのユーザ操作に従って、画像読取装置32を制御し、原稿画像の読み取りを実行させる(ステップS41)。これにより、画像読取装置32は、原稿画像を読み取り、原稿画像の画像データを出力する。この画像データは、演算処理装置36内のRAMなどに一時的に格納される。
【0081】
次に、ジョブ処理部43は、その画像データを読み出し、今回のコピージョブが不正コピーであるか否かを判定する(ステップS42)。例えば、画像データから原稿が紙幣であると判定された場合、画像データから地紋印刷による所定の地紋が検出された場合、および画像データから原稿が複製禁止であると判定された場合は、今回のコピージョブが不正コピーであると判定される。
【0082】
今回のコピージョブが不正コピーであると判定された場合には、ジョブ処理部43は、現在のユーザの顔画像データをRAMなどから読み出し(ステップS43)、顔画像データと原稿の画像データとに基づいて、顔画像と原稿画像とを含む印刷画像の印刷データを生成し、顔画像と原稿画像とを含む画像を印刷装置33に印刷させる(ステップS44)。
【0083】
一方、今回のコピージョブが不正コピーではないと判定された場合には、ジョブ処理部43は、原稿画像から印刷画像の印刷データを生成し、原稿画像を印刷装置33に印刷させる(ステップS45)。
【0084】
以上のように、上記実施の形態3に係る電子機器は、原稿画像を読み取り画像データを生成する画像読取装置32と、印刷データに基づき画像を印刷する印刷装置33と、画像読取装置32により生成された画像データから印刷データを生成しその印刷データに基づき印刷装置33に原稿画像を印刷させるとともに、画像データに基づき原稿のコピーが不正コピーであるか否かを判定するジョブ処理部43とを備える。そして、パネル制御部42は、撮像装置23により撮像された画像における顔画像の位置が所定の位置となったときの顔画像データを保持し、ジョブ処理部43は、原稿のコピーが不正コピーであると判定された場合、保持している顔画像データに基づいて、顔画像を原稿画像とともに印刷させる。
【0085】
これにより、不正コピーの発生を抑止するとともに、操作パネル11の適正傾斜角の検出時に撮像した顔画像を利用して、不正コピーを実行したユーザを特定することができる。また、適正傾斜角の測定時に撮像したユーザの顔画像を利用するため、不正コピー実行時にユーザの顔が撮像装置11の画角から外れていても、ユーザの顔画像を印刷することができる。さらに、撮像装置23による画像の中央に顔画像が位置したときの顔画像データが保持されるため、顔画像データから良好な顔画像が得られやすい。
【0086】
このような電子機器は、コンビニエンスストア、ユーザアカウント管理が実施されていないオフィスや学校などの施設に配置される電子機器として好適である。
【0087】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る電子機器は、操作パネル11の適正傾斜角を測定する際に撮像した顔画像を利用して、ユーザの年齢を推定し、ユーザの年齢に適した画面を表示する。
【0088】
なお、実施の形態4に係る電子機器の構成は、実施の形態2のものと略同様である。図10は、実施の形態4に係る電子機器の電気的な構成を示すブロック図である。実施の形態4では、演算処理装置36は、年齢推定処理部61を有する。
【0089】
年齢推定処理部61は、顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定する処理部である。なお、顔画像からの年齢推定については、例えば特開2007−280291号公報などに開示されている公知の技術を使用できる。
【0090】
また、実施の形態4におけるパネル制御部42は、適正傾斜角データとともに、推定年齢データを、ユーザ識別情報に関連付けてユーザテーブル51に登録する機能を有する。
【0091】
次に、実施の形態4に係る電子機器の動作について説明する。図11は、図10に示す電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【0092】
図11に示すように、ログインユーザの適正傾斜角がユーザテーブル51に登録されている場合には、操作パネル11の傾斜角の設定後(ステップS23,S24)、パネル制御部42は、ログインユーザに関連付けてられている推定年齢データを、ユーザテーブル51から読み出し(ステップS51)、表示装置21に表示させる画面をその推定年齢に応じたものにする(ステップS52)。
【0093】
また、図11に示すように、ログインユーザの適正傾斜角が測定され(ステップS25)、適正傾斜角データがユーザテーブル51に登録された後に(ステップS26)、年齢推定処理部61は、撮像装置23により生成された画像データから顔画像データを抽出してその顔画像データに基づいてユーザの年齢を推定し、パネル制御部42は、その推定年齢を含む推定年齢データを、ユーザ識別情報に関連付けてユーザテーブル51に登録する(ステップS53)。その後、パネル制御部42は、表示装置21に表示させる画面をその推定年齢に応じたものにする(ステップS54)。
【0094】
例えば、ステップS52,S54において、パネル制御部42は、ログインユーザの推定年齢が第1閾値(例えば60歳)より高い場合、およびログインユーザの推定年齢が第2閾値(例えば10歳)より低い場合には、画面内のテキストの文字サイズを大きくする。また、例えば、ステップS52,S54において、パネル制御部42は、ログインユーザの推定年齢が第2閾値(例えば10歳)より低い場合には、画面内のテキストにおける漢字をひらがな(もしくはカタカナ、またはフリガナの漢字)に変換してからその画面を表示させる。
【0095】
以上のように、上記実施の形態4に係る電子機器は、顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定する年齢推定処理部61を備える。また、操作パネル11は、表示装置21を有する。そして、年齢推定処理部61は、顔画像の位置が所定の位置となったときの顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定し、パネル制御部42は、年齢推定処理部61によるユーザの推定年齢に応じた画面を表示装置21に表示させる。
【0096】
これにより、操作パネル11の適正傾斜角の測定時に撮像した顔画像を利用して、表示画面をユーザの年齢に適したものとすることができる。
【0097】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る電子機器は、上記実施の形態1〜4において、それぞれ図5、図8、図9または図10に示された処理を実行した後、ユーザの眼の位置が撮像装置23より得られた画像の中央または中央付近になるよう、操作パネル11の傾斜角を調節する。
【0098】
パネル制御部42は、ユーザの顔画像から眼を検出し、眼の位置を顔画像の位置として図5のステップS7〜S11と同様の処理を実行して、操作パネル11の傾斜角を実施の形態1〜4の適正傾斜角から変更する。
【0099】
これにより、ユーザの身長に応じて眼の位置が変わるため、ユーザの眼の位置に応じて操作パネル11の傾斜角を調節することができる。ここで、光軸Nは操作パネル11の垂直方向から操作パネル11の前方へ所定の角度Aだけ傾いているので、光軸Nが操作パネル11の垂直方向に伸びる場合と比較して、傾斜角Bは小さめに設定される。すなわち、操作パネル11はユーザの視線に対して垂直となる傾斜角よりもやや上向きに調節される。従って、実施の形態5においては、ユーザが入力部22を操作するのに適した傾斜角に、操作パネル11を自動的に設定することができる。
【0100】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る電子機器は、ユーザの眼の位置を撮像装置23より得られた画像の中央または中央付近とした場合から傾斜角A、操作パネル11がユーザとより対面する方向に操作パネル11を回動させる。
【0101】
パネル制御部42は、ユーザの顔画像から眼を検出し、眼の位置を顔画像の位置として図5のステップS7〜S11と同様の処理を実行して、操作パネル11の傾斜角を実施の形態1〜4の適正傾斜角から変更する。次いで、パネル制御部42は、駆動装置31を制御して、更に傾斜角Aだけ操作パネル11をユーザの顔とより対面する方向(操作パネル11の傾斜角Bを大きくする方向)へ回動させる。
【0102】
実施の形態6においては、上記実施の形態1〜4において、それぞれ図5、図8、図9または図10に示された処理を実行した後、上記の処理を行ってもよい。
【0103】
これにより、ユーザの身長に応じて眼の位置が変わるため、ユーザの眼の位置に応じて操作パネル11の傾斜角を調節することができる。ここで、光軸Nは操作パネル11の垂直方向から操作パネル11の前方へ所定の角度Aだけ傾いているが、傾斜角Bは、実施の形態1において光軸Nが操作パネル11の垂直方向に伸びる場合と同様に設定される。すなわち、操作パネル11はユーザの視線に対して垂直となる傾斜角となる。従って、実施の形態6においては、ユーザが表示部21を視認するのに適した傾斜角に、操作パネル11を自動的に設定することができる。このため、実施の形態6は、音声入力等、指による入力を要さない電子機器に好適である。
【0104】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0105】
例えば、実施の形態1〜4では、操作パネル11の回動軸11aは、操作パネル11の後方側の端部に存在するが、図12(A)に示すように操作パネル11の前方側の端部に存在してもよい。あるいは、図12(B)に示すように、操作パネル11から延びるアーム部11bに設けてもよい。図12(A)および図12(B)に示す場合、撮像装置23は、操作パネル11の前方側の端部に設けられる。撮像装置23の光学系23aの光軸Nは、実施の形態1〜4と同様に、操作パネル11の表面の垂直方向から、操作パネル11の前方へ所定の角度Aだけ傾いている。
【0106】
また、実施の形態1〜4に係る電子機器は複写機であるが、本発明は、複合機などの他の画像形成装置、また、操作パネルを有する他の電子機器にも適用可能である。そのような電子機器としては、例えば、自動販売機、遊技場の玉貸し機、入退場システムのコンソール、現金自動預払機、出入国管理システムの端末装置などがある。
【0107】
また、実施の形態1〜4に係る電子機器において、顔画像の位置は、顔画像の輪郭の重心、顔画像の輪郭の下端、顔画像における眼の位置などの、顔画像内の鼻の位置以外の所定の代表点としてもよい。
【0108】
また、実施の形態4に係る電子機器については、ログイン処理を行わない機器とすることもできる。その場合には、電子機器は、ユーザテーブル51を有さない。そして、ユーザが使用するときに毎回、電子機器は、適正傾斜角の測定および設定を行うとともに、顔画像データに基づき年齢推定処理を行う。これにより、この電子機器を、不特定多数のユーザが使用する、コンビニエンスストアなどに設置される電子機器に応用することができる。
【0109】
また、実施の形態1〜4において、電子機器を、ログイン処理を行わない機器としてもよい。その場合に、温度センサ、赤外線センサなどの人感センサを電子機器に設けて、ユーザが操作パネル11の正面にいることがその人感センサにより検出された場合に、上述の処理を開始するようにしてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態1,2,4においてはユーザテーブル51が電子機器1に格納されているが、ユーザテーブル51をサーバ装置に格納し、通信処理部44が、通信装置34を制御してそのサーバ装置にアクセスし、各処理部は、通信処理部44を使用して、サーバ装置におけるユーザテーブル51に対するデータの読み書きを実行するようにしてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態3において、不正コピーが検出されたときに、ジョブ処理部43は、通信処理部44を使用して、電子機器の識別情報、不正コピーの発生を示すメッセージ、ユーザの顔画像データなどを所定の管理者へ送信するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電子機器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す電子機器の操作パネルを示す斜視図である。
【図3】図1に示す電子機器の操作パネルを示す側面図である。
【図4】図1に示す電子機器の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【図6】実施の形態1において、撮像装置より得られた画像における顔画像の例を示す図である。
【図7】実施の形態2に係る電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【図8】実施の形態3に係る電子機器における操作パネルの傾斜角調節処理について説明するフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係る電子機器におけるコピー処理について説明するフローチャートである。
【図10】実施の形態4に係る電子機器の電気的な構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す電子機器の動作について説明するフローチャートである。
【図12】操作パネル11の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1 電子機器
11 操作パネル
21 表示装置
22 入力装置
23 撮像装置
31 駆動装置
32 画像読取装置
33 印刷装置
35 記憶装置
41 ユーザ認証部(ユーザ認証手段の一例)
42 パネル制御部(顔検出手段の一例,制御手段の一例)
43 ジョブ処理部(コピー処理手段の一例)
61 年齢推定処理部(年齢推定手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜角を変更可能な操作パネルと、
前記操作パネルの傾斜角を変化させる駆動装置と、
前記操作パネルに設置されユーザを撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により撮像されたユーザの画像における顔画像の位置を検出する顔検出手段と、
前記顔検出手段により検出された顔画像の位置に応じて前記駆動装置を制御して前記撮像装置の光軸および前記操作パネルを回動させる制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記撮像装置は、前記撮像装置の光軸が前記操作パネルの回動軸を中心とした略放射線上に存在するように、前記操作パネルに設置されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記撮像装置の光軸が前記操作パネルの表面に垂直な方向から前記操作パネルの前方へ所定の角度だけ傾くように、前記操作パネルに設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像の位置が所定の位置となるまで前記駆動装置を制御して前記操作パネルを回動させることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電子機器。
【請求項5】
ユーザ識別情報に基づいてログイン時にユーザ認証を行うユーザ認証手段を備え、
前記制御手段は、ユーザのログイン中に、前記顔画像の位置が前記所定の位置となったときの適正傾斜角を特定可能な制御情報を、前記ユーザの前記ユーザ識別情報に関連付けて記憶させ、前記ユーザの次回ログインの際に、前記顔画像を使用せずに、記憶されている前記制御情報に基づいて前記操作パネルの傾斜角を前記適正傾斜角に設定すること、
を特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
原稿画像を読み取り画像データを生成する画像読取装置と、
印刷データに基づき画像を印刷する印刷装置と、
前記画像読取装置により生成された画像データから印刷データを生成しその印刷データに基づき前記印刷装置に原稿画像を印刷させるとともに、前記画像データに基づき原稿のコピーが不正コピーであるか否かを判定するコピー処理手段とを備え、
前記制御手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像の位置が所定の位置となったときの前記顔画像の画像データを保持し、
前記コピー処理手段は、前記原稿のコピーが不正コピーであると判定された場合、保持されている前記顔画像の画像データに基づいて、前記顔画像を前記原稿画像とともに印刷させること、
を特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項7】
顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定する年齢推定手段を備え、
前記操作パネルは、表示装置を有し、
前記年齢推定手段は、前記顔画像の位置が前記所定の位置となったときの前記顔画像の画像データに基づいてユーザの年齢を推定し、
前記制御手段は、前記年齢推定手段によるユーザの推定年齢に応じた画面を前記表示装置に表示させること、
を特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記推定年齢が第1閾値より高い場合、および前記推定年齢が第2閾値より低い場合には、前記画面内のテキストの文字サイズを大きくすることを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
前記所定の位置は、前記前記撮像装置により撮像された画像の、前記操作パネルの回動方向における中央または中央近傍であることを特徴とする請求項4から請求項8のうちのいずれか1項記載の電子機器。
【請求項10】
前記顔検出手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像中の眼の位置を検出し、
前記制御手段は前記駆動装置を制御して、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像の位置が前記所定の位置となるまで前記操作パネルを回動させた後、前記眼の位置を前記撮像装置により撮像された画像の前記操作パネルの回動方向における中央または中央近傍となるように回動させること、
を特徴とする請求項4から請求項9のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記顔検出手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像中の眼の位置を検出し、
前記制御手段は前記駆動装置を制御して、前記眼の位置を前記撮像装置により撮像された画像の前記操作パネルの回動方向における中央または中央近傍とした場合から前記所定の角度、前記操作パネルをユーザとより対面する方向に回動させること、
を特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項12】
前記顔検出手段は、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像中の眼の位置を検出し、
前記制御手段は前記駆動装置を制御して、前記撮像装置により撮像された画像における前記顔画像の位置が前記所定の位置となるまで前記操作パネルを回動させた後、前記眼の位置を前記撮像装置により撮像された画像の前記操作パネルの回動方向における中央または中央近傍とした場合から前記所定の角度、前記操作パネルをユーザとより対面する方向に回動させること、
を特徴とする請求項4から請求項9のうちいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−149414(P2010−149414A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330872(P2008−330872)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】