説明

電子装置およびワイヤボンディング方法

【課題】プレス加工により表面に溝を形成してなるリードフレームにワイヤ接続を行うワイヤボンディング方法において、リードフレームにおけるワイヤの接続部を、支持台から浮かせることなく支持台に支持させてボンディングできるようにする。
【解決手段】リードフレーム30のうち溝35よりもワイヤ50の接続部30aとは反対側に位置する部位30bを、水平に位置させ、且つ、リードフレーム30の下面32を地方向に向けた状態としたときに、ワイヤ50の接続部30aが溝35から下方へ向かって曲がった形状となるように、リードフレーム30を溝35の部分にて折り曲げ、この折り曲げられたリードフレーム30を支持台300の平坦な面310の上に搭載して押さえつけることにより、真っ直ぐな形状に戻し、この状態でワイヤボンディングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏面の少なくとも一方にプレス加工により溝を形成してなるリードフレームにワイヤを接続するワイヤボンディング方法、および、そのような溝を形成してなるリードフレームにワイヤを接続してなる構造を有する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な樹脂封止するタイプの電子装置は、電子装置とリードフレームとをボンディングワイヤで接続し、これらをモールド樹脂により包み込むように封止することにより構成される。ここで、一般に、ワイヤボンディングでは、リードフレームを支持台の平坦面の上に支持した状態で当該リードフレームにワイヤを接続する。
【0003】
このような電子装置に用いられるリードフレームは、一般のものと同様に、互いに表裏の位置にある一面および他面を有するもの、たとえば板状のものである。そして、リードフレームはモールド樹脂により封止されるものであるため、リードフレームの一面および他面の少なくとも一方には、プレス加工によりモールド樹脂の剥離防止用の溝を形成することが、従来より行われている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−32774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、従来技術に基づいて、この種の溝を有するリードフレームに対するワイヤボンディング方法について、試作検討を行った。図10は、この試作検討におけるワイヤボンディング工程を断面的に示す工程図である。
【0005】
支持台300は、平坦な面310を有しており、この平坦な面310の上にリードフレーム30を搭載し支持するものである。ここでは、リードフレーム30は、ワイヤ50が接続される一面31およびこれとは反対側の他面32の両方に溝35が形成されており、リードフレーム30は、その他面32を平坦な面310に対向させつつ、当該平坦な面310の上に搭載されている。
【0006】
そして、リードフレーム30の一面31のうちワイヤ50の接続部30aとは反対側に位置する端部は、図示しない押さえ治具などにより、平坦な面310に押さえつけられ、これによって、リードフレーム30は平坦な面310に固定される。そして、このような固定状態にて、リードフレーム30の一面31に、ワイヤ50を接続する。
【0007】
しかしながら、このリードフレーム30ではプレス加工により溝35を設けているため、加工時の圧力により、リードフレーム30は、当該溝35の部分から曲がった状態となる。この曲がりによりリードフレーム30は反った形となるが、この反りの方向はランダムなものであり、一定の方向に決められない。
【0008】
そのため、場合によっては、図10に示されるように、リードフレーム30を支持台300の平坦な面310上に押さえ固定したときに、ワイヤ50の接続部側の部位が、当該溝35の部分から平坦な面310とは反対側、すなわち上方に浮いてしまうこととなる。このような場合、ワイヤボンディングを行うと、超音波振動の伝達が阻害され、ボンディング不良を引き起こすこととなる。
【0009】
また、リードフレームに上記の溝を設ける方法としては、プレス加工以外にも、切削やエッチングによる方法があるが、この場合には、プレス加工の場合のような反りは、ほとんど発生しない。しかし、プレス加工に比べて、溝を設けるための工数が多くなり、生産性が低くなってしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、プレス加工により表面に溝を形成してなるリードフレームにワイヤ接続を行うワイヤボンディング方法において、リードフレームにおけるワイヤの接続部を、支持台から浮かせることなく支持台に支持させてボンディングできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、リードフレーム(30)を支持台(300)の平坦な面(310)の上に搭載する前に、リードフレーム(30)を溝(35)の部分にて折り曲げるものである。
【0012】
ここで、この折り曲げにおいては、リードフレーム(30)のうち溝(35)よりもワイヤ(50)の接続部(30a)とは反対側に位置する部位(30b)を、水平に位置させ、且つ、リードフレーム(30)の他面(32)を地方向に向けた状態としたときに、ワイヤ(50)の接続部(30a)が溝(35)から下方へ向かって曲がった形状となるように、リードフレーム(30)の折り曲げを行うようにし、この折り曲げられたリードフレーム(30)を支持台(300)の平坦な面(310)の上に搭載して押さえつけることにより、平坦な面(310)に沿ってリードフレーム(30)を真っ直ぐな形状に戻し、この状態で、ワイヤボンディングを行う(後述の図2参照)。このようなワイヤボンディング方法が本発明の第1の特徴である。
【0013】
それによれば、支持台(300)の平坦な面(310)から離れる方向に凸となるようにリードフレーム(30)の反り方向を決めることによって、支持台(300)への押さえつけによって、リードフレーム(30)を真っ直ぐに変形させることができるため、プレス加工により溝(35)が形成されたリードフレーム(30)のワイヤ(50)の接続部(30a)を、支持台(300)から浮かせることなく支持台(300)に支持させてボンディングすることが可能となる。
【0014】
ここで、溝(35)は、リードフレーム(30)の一面(31)および他面(32)の両方に形成するものであり、リードフレーム(30)の折り曲げは、一面(31)側の溝(35)よりも他面(32)側の溝(35)の方が深いものとなるように、溝(35)を形成することにより行うようにしてもよい(後述の図3参照)。
【0015】
それによれば、溝(35)の形成と同時にリードフレーム(30)の折り曲げを行うことができ、効率的である。
【0016】
さらに、この場合、溝(35)の形成においては、一面(31)側の溝(35)と他面(32)側の溝(35)とで互いの位置をずらすようにすれば(後述の図4参照)、当該溝(35)の形成によるリードフレーム(30)の薄肉化を抑制することができるため、好ましい。
【0017】
また、溝(35)は、同じ深さのものをリードフレーム(30)の一面(31)および他面(32)の両方に形成するものであり、リードフレーム(30)の折り曲げは、一面(31)側に溝(35)を形成した後、他面(32)側に溝(35)を形成するという順序で溝(35)を形成することにより行うものとしてもよい。
【0018】
また、リードフレーム(30)の一面(31)および他面(32)の両方に溝(35)を形成する場合には、一面(31)側の溝(35)を曲がり形状としてもよい(後述の図5参照)。それによれば、上記したリードフレーム(30)の曲がり形状を実現するうえで好ましい。
【0019】
また、本発明は、リードフレーム(30)の一面(31)および他面(32)の少なくとも一方にプレス加工により溝(35)を形成する工程において、リードフレーム(30)の一面(31)のうちワイヤ(50)の接続部(30a)の両側に、それぞれ溝(35)を形成することを、第2の特徴とする(後述の図7参照)。
【0020】
それによれば、これら一面(31)側の両溝(35)によりワイヤ(50)の接続部(30a)が挟まれた形となり、当該両溝(35)で挟まれた部位は真っ直ぐになるため、この部位を支持台(300)の平坦な面(310)上に支持すれば、リードフレーム(30)のワイヤ(50)の接続部(30a)を、支持台(300)から浮かせることなく支持台(300)に支持させてボンディングすることが可能となる。
【0021】
また、本発明は、溝(35)が形成されたリードフレーム(30)の反り形状を予め求めておき、支持台(300)として、リードフレーム(30)が搭載される面(310)がリードフレーム(30)の反り形状に倣った傾斜を有するものを用いることを、第3の特徴とする(後述の図8参照)。
【0022】
それによれば、支持台(300)におけるリードフレーム(30)が搭載される面(310)がリードフレーム(30)の反り形状に倣った傾斜を有するため、リードフレーム(30)のワイヤ(50)の接続部(30a)を、支持台(300)から浮かせることなく支持台(300)に支持させてボンディングすることが可能となる。
【0023】
また、本発明は、一面(31)および他面(32)の少なくとも一方にプレス加工により溝(35)が形成されてなるリードフレーム(30)を備え、電子部品(10)とリードフレーム(30)の一面(31)とがボンディングワイヤ(50)により接続されている電子装置において、リードフレーム(30)のうち溝(35)よりもワイヤ(50)の接続部(30a)とは反対側に位置する部位(30b)を、水平に位置させ、且つ、リードフレーム(30)の他面(32)を地方向に向けた状態としたときに、ワイヤ(30)の接続部(30a)が、溝(35)から下方へ向かって曲がった形状となっていることを、第4の特徴とする(後述の図1参照)。
【0024】
本発明は、上記第1の特徴を有するワイヤボンディング方法により、適切に製造されるものであり、その効果は上記同様である。
【0025】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0027】
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電子装置100の概略断面構成を示す図であり、図1(b)は、同電子装置100におけるリードフレーム30のワイヤボンディング接続部を示す部分概略平面図である。
【0028】
なお、以下、本電子装置100の各構成要素における上面、下面とは、図面と対応させてわかりやすくする目的で、図1(a)中の各構成要素において上側に位置する面、下側に位置する面を意味するものにすぎず、実際の天地方向に相当する上下関係まで限定するものではない。つまり、或る構成要素の上面は、当該構成要素の一面であり、下面は当該一面とは反対側に位置する他面であることを意味する。
【0029】
本電子装置100は、大きくは、電子部品10とリードフレーム30とをボンディングワイヤ50を介して電気的に接続したものを、封止材であるモールド樹脂40により封止してなるものである。
【0030】
電子部品10は、ICチップ、コンデンサ、抵抗素子などの表面実装部品であれば、特に限定されるものではないが、図1に示される例では、電子部品10はシリコン半導体よりなるICチップとして示されている。
【0031】
この電子部品10は、はんだやAgペーストなどよりなる図示しないダイマウント材などを介してダイパッド20の上面21に搭載され固定されている。このダイパッド20は、リードフレーム30にかしめなどにより固定されたヒートシンクであってもよいが、ここでは、リードフレーム30と一体に形成されたアイランドよりなる。
【0032】
また、リードフレーム30は、銅や鉄などの一般的なリードフレーム材料よりなるものであり、モールド樹脂40の内部にてダイパッド20の周囲に配置されている。なお、リードフレーム30は、本実施形態では複数個配置されているが、場合によっては1個であってもよい。
【0033】
このリードフレーム30は、表裏の板面である上面31および下面32を有する板状のものである。ここでは、リードフレーム30は、一般的なものと同様に、一端部が電子部品10側に位置し、他端部側の部位が電子部品10とは反対側に延びる細長の板形状をなしている。
【0034】
そして、電子部品10とリードフレーム30の上面31とは、ボンディングワイヤ50により電気的に接続されている。ここで、ボンディングワイヤ50は、一般的なAu(金)やAl(アルミニウム)などよりなるもので、通常のワイヤボンディングにより形成されるものである。
【0035】
また、モールド樹脂40は、通常、この種のモールドパッケージに用いられるモールド材料、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などを採用できる。ここで、図1に示されるように、モールド樹脂40は、表裏の板面である上面41および下面42がともに矩形状をなす一般的な矩形板状のものである。そして、このモールド樹脂40の外形が、実質的に本電子装置100の外形を構成している。
【0036】
また、モールド樹脂40の下面42は、電子装置100が図示しない配線基板やバスバーなどの被接合部材に接続されるときに当該被接合部材に対向する対向面である。また、モールド樹脂40の上面41の外周および下面42の外周に位置する面43は、モールド樹脂40の外周端部を構成する側面43である。
【0037】
そして、本電子装置100においては、図1に示されるように、リードフレーム30においてボンディングワイヤ50が接続された部位であるインナーリード部がモールド樹脂40により被覆されており、アウターリード部はモールド樹脂40の側面43から突出して露出している。
【0038】
このアウターリード部は、上記被接合部材とはんだや導電性接着剤などを介して電気的に接続される部位であり、ここでは、アウターリード部は、モールド樹脂40側の根元部と先端部との中間部にて曲げられた形状となっている。この曲げ形状は一般的なものであり、この場合、アウターリード部はその先端部にて上記被接合部材に接続されるのが通常である。
【0039】
ここで、リードフレーム30におけるインナーリード部には、モールド樹脂40の剥離防止用の溝35が設けられている。ここでは、溝35は、リードフレーム30の上面31および他面32の両方にプレス加工により形成されている。
【0040】
本実施形態の溝35は、後述の図2に示されるように、リードフレーム30の上下両面31、32に金型200を押しつけることで形成するものである。
【0041】
また、図1(a)に示されるように、リードフレーム30のインナーリード部は、溝35を挟んで、ワイヤ50が接続された部分であるワイヤ50の接続部30aと、当該溝35よりもワイヤ50の接続部30aとは反対側に位置する部位30b(以下、ワイヤ接続部反対部30bという)とにより構成されている。
【0042】
そして、図1(a)では、ワイヤ接続部反対部30bが水平方向(図1(a)の左右方向)に延びるように位置している。また、リードフレーム30の下面32は地方向(図1(a)の下方)に向いた状態となっている。そして、この状態において、ワイヤ接続部30aが、溝35から下方へ向かって曲がった形状となっている。
【0043】
次に、本実施形態の電子装置100の製造方法について、説明する。図2は、本製造方法におけるワイヤボンド構造体の製造方法すなわちワイヤボンディング方法を示す工程図である。このワイヤボンディング方法は、リードフレーム30に溝35を形成する工程(溝形成工程)と、その後、リードフレーム30にワイヤ50を接続する工程(接続工程)とを備える。
【0044】
まず、リードフレーム30の素材板を、エッチングやプレスなどで、上記したダイパッド20およびリードフレーム30を有する形状にパターニングする。こうして、図2(a)に示されるように、互いに表裏の位置にある上面31および他面32を有するリードフレーム30が用意される。なお、この段階では、ダイパッド20とリードフレーム30とは、図示しないタイバーや吊りリードなどを介して一体に連結されている。
【0045】
次に、溝形成工程では、リードフレーム30の上面31および下面32に、プレス加工により溝35を形成する。具体的には、図2(a)、(b)に示されるように、リードフレーム30の上面31および下面32に金型200を押しつけるというプレス加工を行うことによって、上下両面31、32に溝35を形成する。
【0046】
次に、ダイパッド20の上面21に上記した図示しないダイマウント材などを介して電子部品10を搭載し固定する。次に、接続工程を行う。この接続工程では、図2(c)に示されるように、平坦な面310を有する支持台300を用意し、溝35が形成されたリードフレーム30の下面32を平坦な面310に対向させつつ、リードフレーム30を支持台300の平坦な面310の上に搭載する。
【0047】
次に、図2(d)に示されるように、この状態で、リードフレーム30を平坦な面310に押さえつけて固定する。この固定は、リードフレーム30の上面31のうちワイヤ50の接続部30aとは反対側に位置する端部側の部位を、押さえ治具400により押さえつけることで行われる。そして、このように押さえ固定しながら、リードフレーム30の上面31に、ワイヤボンディングによりワイヤ50を接続する。
【0048】
以上が、本ワイヤボンディング方法における基本的な動作であるが、本ボンディングワイヤ方法では、さらに、次のような独自の工夫を加えている。すなわち、本実施形態では、リードフレーム30を支持台300上に搭載する前に、リードフレーム30を溝35の部分にて折り曲げる工程を有する。
【0049】
このときの折り曲げは、リードフレーム30を支持台300上に搭載して押しつける前の状態では、リードフレーム30が、溝35の部分にて支持台300の上方に向かって凸となる形状に折り曲げを行う(図2(c)参照)。
【0050】
つまり、リードフレーム30の上面31側が凸となり下面32側が凹となるように、溝35の部分で折り曲げる。なお、リードフレーム30の下面32は、支持台300の平坦な面310へのリードフレーム30の搭載時に当該平坦な面310に対向する面である。
【0051】
この折り曲げによって、図2(c)に示されるように、ワイヤ接続部反対部30bを、水平に位置させ、且つ、リードフレーム30の下面32を地方向に向けた状態としたときに、この状態において、ワイヤ接続部30aが溝35から下方すなわち地方向へ向かって下がるように曲がった形状となる。
【0052】
本実施形態では、溝形成工程が折り曲げ工程を兼用しており、折り曲げ工程を溝形成工程と同時に行うことで作業の効率化を図っている。つまり、本実施形態では、リードフレーム30へのプレス加工による溝35の形成時の圧力を利用して、溝35形成と同時に、リードフレーム30の上記折り曲げを行う。
【0053】
図3は、本実施形態の折り曲げ方法を具体的に示す工程図である。上述したように、本実施形態では、リードフレーム30の上面31および下面32に金型200を押しつけることによって、上下両面31、32に溝35を形成する。このとき、図3に示されるように、リードフレーム30の上面31側の溝35よりも下面32側の溝35の方を深く形成する。
【0054】
一般にプレス加工により溝を形成する場合、溝を深くする方が加工時の圧力は大きくなる。そのため、リードフレーム30の両面31、32のうち下面32側の溝35の方が深いものとなるように、両面31、32の溝35を形成することにより、リードフレーム30は、上面31が凸、下面32が凹となるような上記折り曲げ形状となる。
【0055】
この折り曲げ工程の後、接続工程では、リードフレーム30を支持台300上へ搭載し、押しつけにより、溝35の部分でリードフレーム30を弾性的に撓ませ、リードフレーム30を支持台300の平坦な面310に倣って真っ直ぐな形状に戻す(図2(d)参照)。そして、この状態でワイヤボンディングを行う。
【0056】
こうして、接続工程の終了に伴い、本実施形態のワイヤボンディングが完了し、電子部品10とリードフレーム30とがボンディングワイヤ50を介して接続される。なお、この後、リードフレーム30を支持台300から離すと、図2(e)に示されるように、弾性力によりリードフレーム30は、再び上記した曲がり形状に戻る。
【0057】
その後、図示しないモールド型の中に、ワイヤボンディング接続が完了した電子部品10およびリードフレーム30を入れ、加熱により溶融したエポキシ樹脂などのモールド樹脂40を当該モールド型に注入する。
【0058】
これにより、電子部品10およびリードフレーム30、ボンディングワイヤ50、さらにはダイパッド20が、モールド樹脂40により封止される。モールド樹脂40を冷却して固化させた後、ワークをモールド型から取り出すことで、モールド樹脂40によるパッケージ成形が完成する。
【0059】
その後、ダイパッド20の切り離しや、上記アウターリード部におけるリードフレーム30の切り離しや、曲げ加工を施すなどのリードフレーム30の成形を行うことにより、本実施形態の電子装置100ができあがる。
【0060】
以上のように、本実施形態のワイヤボンディング方法によれば、接続工程の前に、リードフレーム30を溝35の部分にて上記形状に折り曲げているため、支持台300への搭載時において平坦な面310から離れる方向にリードフレーム30が凸となるようにリードフレーム30の反り方向が決められる。
【0061】
それにより、支持台300への押さえつけによって、リードフレーム30を平坦な面310に倣って真っ直ぐに変形させることができる。そのため、本ワイヤボンディング方法によれば、プレス加工により溝35が形成されたリードフレーム30のワイヤ50の接続部30aを、支持台300から浮かせることなく支持台300に支持させてボンディングすることが可能となる。
【0062】
また、本ワイヤボンディング方法では、溝35をリードフレーム30の上下両面31、32にプレス加工にて形成するとともに、上面31側の溝35よりも下面32側の溝35の方が深いものとなるように、溝35を形成することにより、リードフレーム30の折り曲げを行っているため、溝35の形成とリードフレーム30の折り曲げを同時に行うことができ、効率的である。
【0063】
ここで、寸法を限定するものではないが、上記折り曲げ工程における曲げ形状の具体例について、上記図2(c)中に示される寸法L、t、θを用いて述べておく。
【0064】
寸法Lは、リードフレーム30の上面31側におけるワイヤ50の接続部30aの長さLであり、寸法tはリードフレーム30の厚さtである。また、角度θは、折り曲げ後のリードフレーム30の一面31側におけるワイヤ50の接続部30aとワイヤ接続部反対部30bとのなす角度θ、つまり折り曲げ角度θである。
【0065】
ここで、0.5mm<t<1.5mm、0.5mm<L<1.5mmのとき、折り曲げ角度θは0より大きく10°未満が好ましい。この場合において、折り曲げ角度θが10°以上であると、支持台300への搭載・押しつけによって、リードフレーム30を真っ直ぐにすることが困難になりやすい。
【0066】
また、上述したが、本実施形態によれば、電子部品10と、上下両面31、32にプレス加工により溝35が形成されてなるリードフレーム30とを備え、電子部品10とリードフレーム30の上面31とがボンディングワイヤ50により接続されている電子装置100が提供される。
【0067】
そして、この電子装置100において、上記したワイヤボンディング方法を用いることにより、リードフレーム30のうちワイヤ接続部反対部30bを、水平に位置させ、且つ、リードフレーム30の下面32を地方向に向けた状態としたときに、ワイヤ30の接続部30aが溝35から下方へ下がるように曲がった形状となっている電子装置100が提供される。そして、このような電子装置100は、上述の通り、本実施形態のワイヤボンディング方法を用いて、適切に製造されるものである。
【0068】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係るワイヤボンディング方法における折り曲げ工程を具体的に示す工程図である。本実施形態では、上記第1実施形態に示したワイヤボンディング方法において、折り曲げ工程を一部変形したところが相違する。
【0069】
本実施形態の折り曲げ工程においても、作業の効率化を図るべく、リードフレーム30へのプレス加工による溝35の形成時の圧力を利用して、上面31側の溝35よりも下面32側の溝35の方が深いものとなるように、両溝35を形成することにより、溝35の形成と同時に、リードフレーム30を上記形状に折り曲げる。
【0070】
ここで、リードフレーム30の上面31側の溝35よりも下面32側の溝35の方を深いものとすると、これら両面31、32の溝35が同じ位置にある場合、その溝35の部分におけるリードフレーム30が薄くなってしまい、リードフレーム30の機械的強度が低下する恐れがある。
【0071】
この点を考慮して、本実施形態では、溝形成工程において、リードフレーム30の上面31側の溝35と下面32側の溝35とで互いの位置をずらすようにしている。このように、上面31側の溝35と下面32側の溝35とをずらしてやれば、これら両溝35が同じ位置にある場合に比べて、溝35の形成によるリードフレーム30の薄肉化を抑制することができる。
【0072】
このようにして、折り曲げ兼溝形成工程を行った後は、上記同様に接続工程を行えば、本実施形態のワイヤボンディング方法によるワイヤ接続が完了する。その後は、上記同様、モールド樹脂40による封止などを行えば、本実施形態においても、上下両面31、32の溝35の位置がずれていること以外は、上記図1に示したものと同様の電子装置が製造される。
【0073】
そして、本実施形態のワイヤボンディング方法によっても、上面31側の溝35と下面32側の溝35とで位置がずれてはいるが、上記第1実施形態と同様に、リードフレーム30を折り曲げることができるため、リードフレーム30のワイヤ50の接続部30aを、支持台300から浮かせることなく支持台300に支持させてボンディングすることが可能となる。
【0074】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、ワイヤボンディング方法における折り曲げ工程を提供するものである。本実施形態の折り曲げ工程は、上記第1および第2実施形態に示した折り曲げ工程としての溝形成工程に適用可能なものである。
【0075】
すなわち、本実施形態の折り曲げ兼溝形成工程では、上記図3や上記図4に示される溝形成において、先にリードフレーム30の上面31側にプレス加工によって溝35を形成した後、下面32側にプレス加工によって溝35を形成するという順序で両溝35を形成するものである。このようにすれば、溝35の形成と同時に、リードフレーム30が上記形状に折り曲げられる。
【0076】
特に、このような下面32側の溝35を後で形成するという順序で、上下両面31、32の溝35を形成すれば、上下両面31、32の溝35が同じ深さであっても、溝35の形成と同時に、リードフレーム30が上記形状に折り曲げられる。
【0077】
つまり、本実施形態のような溝形成の順序とすれば、上記と同様にリードフレーム30の折り曲げを行うために、上下両面31、32の溝35の深さを異ならせることが不要となる。そして、リードフレーム30のワイヤ50の接続部30aを、支持台300から浮かせることなく支持台300に支持させてボンディングすることが可能となる。
【0078】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係るワイヤボンディング方法における折り曲げ工程の要部を示す工程図である。本実施形態は、上記第1〜第3実施形態に示した折り曲げ工程としての溝形成工程に適用可能なものであり、これらの溝形成工程において、リードフレーム30の上面31側の溝35の平面形状を変形したところが相違する。
【0079】
本実施形態の折り曲げ兼溝形成工程では、リードフレーム30の上面31側の溝35を曲がり形状とする。つまり、上面31側の溝35の平面形状を1つの直線ではなく曲がり部を有するパターンとする。このことは金型形状を変えることで実現可能である。
【0080】
それによれば、上面31側の溝35の平面形状が1本の直線である場合に比べて、リードフレーム30において上面31側に凹となる曲がりの力が弱くなる。そのため、本実施形態によれば、上記したリードフレーム30の曲がり形状を実現しやすい。
【0081】
なお、この上面31側の溝35の曲がり形状は、上記図5に示されるV字形に限定されるものではない。図6(a)〜(h)に示されるように、上面31側の溝35の曲がり形状は、湾曲形状、交差形状、ジグザグ形状などであってもよく、これらの溝形状によっても、本実施形態の効果が発揮される。
【0082】
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係るワイヤボンディング方法における溝形成工程を具体的に示す工程図である。
【0083】
本実施形態のワイヤボンディング方法も、上記同様に、リードフレーム30に溝35を形成する溝形成工程と、その後、リードフレーム30にワイヤ50を接続する接続工程とを備える。
【0084】
ここで、本実施形態では、溝形成工程において、リードフレーム30の上面31のうちワイヤ50の接続部30aの両側に、それぞれプレス加工により溝35を形成するものである。なお、ここでは、リードフレーム30の下面32にも、同様に溝35を形成するが、この下面32側には溝35を形成しなくてもよく、上面31側のみであってもよい。
【0085】
それによれば、これら上面31側の両溝35によりワイヤ50の接続部30aが挟まれた形となり、当該両溝35で挟まれた部位は真っ直ぐになる。なお、リードフレーム30において、ワイヤ50の接続部30aの両側の溝35のさらに外側の部位は、どの方向に曲がっていてもかまわない。
【0086】
そして、この真っ直ぐなワイヤ50の接続部30aを、上記支持台300の平坦な面310(上記図2参照)上に支持すれば、ワイヤ50の接続部30aを支持台300から浮かせることなくボンディングすることが可能となる。
【0087】
(第6実施形態)
図8は、本発明の第5実施形態に係るワイヤボンディング方法における接続工程を具体的に示す工程図である。
【0088】
本実施形態のワイヤボンディング方法も、上記同様に、リードフレーム30に溝35を形成する溝形成工程と、その後、リードフレーム30にワイヤ50を接続する接続工程とを備える。
【0089】
ここで、本実施形態では、溝形成工程は従来と同様にプレス加工によって溝35を形成する。この場合、リードフレーム30は、溝35の部分にて曲がるが、本実施形態のワイヤボンディング方法では、接続工程の前に、このリードフレーム30の曲がり形状を予め求めておき、どのような曲がり状態であるか、把握しておく。
【0090】
そして、接続工程では、支持台300として、リードフレーム30が搭載される面310が、予め求めておいたリードフレーム30の反り形状に倣った傾斜を有するものを用いる。ここでは、図8中において、当該傾斜の角度θ’を示してある。
【0091】
それによれば、リードフレーム30は、当該傾斜に沿って支持台300に密着して支持されるため、ワイヤ50の接続部30aを、支持台300から浮かせることなくボンディングすることが可能となる。
【0092】
ここで、図8における傾斜の角度θ’は、ワイヤボンディング時にワイヤボンディングツールによってワイヤ50がワイヤ50の接続部30aに押しつけられた時の荷重、すなわちボンディング荷重に応じて決められる。
【0093】
図9は、このボンディング荷重と傾斜の角度θ’との関係について、本発明者が調査した結果を示す図である。図9に示されるように、ボンディング荷重が大きくなるにつれて、リードフレーム30を上記傾斜に沿って支持台300に密着させるための傾斜の角度θ’は直線的に減少する。
【0094】
つまり、この図9の関係となるように、傾斜の角度θ’を決めれば、本実施形態の上記効果が発揮される。たとえば、図9において、ボンディング荷重が200gであるとき、傾斜の角度θ’を2.9°程度にすればよい。
【0095】
(他の実施形態)
なお、上記第1実施形態〜第4実施形態に示したワイヤボンディング方法では、モールド樹脂40により封止されるものであって、互いに表裏の位置にある上下面31、32を有するリードフレーム30を用意し、これら上下面31、32の両方にプレス加工によりモールド樹脂40の剥離防止用の溝35を形成したが、上下面31、32のどちらか一方のみに、当該溝35を形成するものであってもよい。
【0096】
この場合にも、リードフレーム30は、上記同様に、上面31が凸、下面32が凹となるような折り曲げ形状となればよい。この折り曲げは、下面32のみに溝35を形成する場合には、当該溝の加工時の圧力により上記同様の折り曲げが実現できる。
【0097】
また、リードフレーム30の上面31のみに溝35を形成する場合には、たとえば、溝35の形成後に、別途、リードフレーム30の折り曲げ工程を設け、治具などを用いて上記同様の折り曲げ形状となるように、リードフレーム30を溝35の部分にて折り曲げればよい。
【0098】
つまり、上記第1実施形態〜第4実施形態では、リードフレーム30への溝35形成と同時に、リードフレーム30の上記折り曲げを行うものであるが、当該折り曲げは溝35の形成時の圧力を利用して溝形成工程と同時に行ってもよいし、溝形成工程後且つ接続工程前に別途折り曲げを行ってもよい。
【0099】
また、半導体装置におけるモールド樹脂40によるリードフレーム10の封止形態は、上記図1に示されるものに限定されるものではない。上記図1に示される例では、アウターリードを有するQFP(クワッドフラットパッケージ)などに適用される封止形態であるが、アウターリードを持たないQFN(クワッドフラット・ノンリード・パッケージ)などであってもよい。
【0100】
さらに、電子装置としては、モールド樹脂で封止されないものであってもよい。つまり、リードフレーム30としては、上面31および他面32の少なくとも一方にプレス加工により溝35が形成されたものであればよく、当該溝35はモールド樹脂の剥離防止用に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図、(b)は同電子装置におけるワイヤボンディング接続部を示す部分概略平面図である。
【図2】第1実施形態に係るワイヤボンディング方法を示す工程図である。
【図3】第1実施形態の折り曲げ方法を具体的に示す工程図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るワイヤボンディング方法における折り曲げ工程を示す工程図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係るワイヤボンディング方法における折り曲げ工程の要部を示す工程図である。
【図6】第4実施形態に係る折り曲げ工程における上面側の溝の曲がり形状の種々の例を示す平面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係るワイヤボンディング方法における溝形成工程を示す工程図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係るワイヤボンディング方法における接続工程を示す工程図である。
【図9】ボンディング荷重と傾斜の角度θ’との関係を示す図である。
【図10】本発明者の試作検討におけるワイヤボンディング工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0102】
10…電子部品、30…リードフレーム、30a…ワイヤの接続部、
30b…リードフレームのうち溝よりもワイヤの接続部とは反対側に位置する部位としてのワイヤ接続部反対部、
31…リードフレームの上面、32…リードフレームの下面、35…溝、
50…ボンディングワイヤ、300…支持台、310…平坦な面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに表裏の位置にある一面(31)および他面(32)を有するリードフレーム(30)を用意し、これら一面(31)および他面(32)の少なくとも一方にプレス加工により溝(35)を形成する工程と、
平坦な面(310)を有する支持台(300)を用意し、前記溝(35)が形成された前記リードフレーム(30)の前記他面(32)を前記平坦な面(310)に対向させつつ、前記リードフレーム(30)を前記支持台(300)の前記平坦な面(310)の上に搭載し、この状態で、前記リードフレーム(30)を前記平坦な面(310)に押さえつけて固定しながら、前記リードフレーム(30)の前記一面(31)に、ワイヤボンディングによりワイヤ(50)を接続する工程とを備えるワイヤボンディング方法において、
前記リードフレーム(30)を前記支持台(300)の前記平坦な面(310)の上に搭載する前に、前記リードフレーム(30)を、前記溝(35)の部分にて折り曲げるとともに、
当該折り曲げにおいては、前記リードフレーム(30)のうち前記溝(35)よりも前記ワイヤ(50)の接続部(30a)とは反対側に位置する部位(30b)を、水平に位置させ、且つ、前記リードフレーム(30)の前記他面(32)を地方向に向けた状態としたときに、前記ワイヤ(50)の接続部(30a)が前記溝(35)から下方へ向かって曲がった形状となるように、前記リードフレーム(30)の折り曲げを行うようにし、
この折り曲げられた前記リードフレーム(30)を前記支持台(300)の前記平坦な面(310)の上に搭載して押さえつけることにより、前記平坦な面(310)に沿って前記リードフレーム(30)を真っ直ぐな形状に戻し、この状態で、前記ワイヤボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項2】
前記溝(35)は、前記リードフレーム(30)の前記一面(31)および前記他面(32)の両方に形成するものであり、
前記リードフレーム(30)の折り曲げは、前記一面(31)側の前記溝(35)よりも前記他面(32)側の前記溝(35)の方が深いものとなるように、前記溝(35)を形成することにより行うことを特徴とする請求項1に記載のワイヤボンディング方法。
【請求項3】
前記溝(35)の形成においては、前記一面(31)側の前記溝(35)と前記他面(32)側の前記溝(35)とで互いの位置をずらすことを特徴とする請求項2に記載のワイヤボンディング方法。
【請求項4】
前記溝(35)は、同じ深さのものを前記リードフレーム(30)の前記一面(31)および前記他面(32)の両方に形成するものであり、
前記リードフレーム(30)の折り曲げは、前記一面(31)側に前記溝(35)を形成した後、前記他面(32)側に前記溝(35)を形成するという順序で前記溝(35)を形成することにより行うことを特徴とする請求項1に記載のワイヤボンディング方法。
【請求項5】
前記一面(31)側の前記溝(35)を曲がり形状とすることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載のワイヤボンディング方法。
【請求項6】
互いに表裏の位置にある一面(31)および他面(32)を有するリードフレーム(30)を用意し、これら一面(31)および他面(32)の少なくとも一方にプレス加工により溝(35)を形成する工程と、
平坦な面(310)を有する支持台(300)を用意し、前記溝(35)が形成された前記リードフレーム(30)の前記他面(32)を前記平坦な面(310)に対向させつつ、前記リードフレーム(30)を前記支持台(300)の前記平坦な面(310)の上に搭載し、この状態で、前記リードフレーム(30)を前記平坦な面(310)に押さえつけて固定しながら、前記リードフレーム(30)の前記一面(31)に、ワイヤボンディングによりワイヤ(50)を接続する工程とを備えるワイヤボンディング方法において、
前記リードフレーム(30)の前記一面(31)のうち前記ワイヤ(50)の接続部(30a)の両側に、それぞれ前記溝(35)を形成することを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項7】
互いに表裏の位置にある一面(31)および他面(32)を有するリードフレーム(30)を用意し、これら一面(31)および他面(32)の少なくとも一方にプレス加工により溝(35)を形成する工程と、
前記溝(35)が形成された前記リードフレーム(30)を、支持台(300)の上に搭載して前記支持台(300)に押さえつけて固定しながら、前記リードフレーム(30)に、ワイヤボンディングによりワイヤ(50)を接続する工程とを備えるワイヤボンディング方法において、
前記溝(35)が形成された前記リードフレーム(30)の反り形状を予め求めておき、
前記支持台(300)として、前記リードフレーム(30)が搭載される面(310)が前記リードフレーム(30)の反り形状に倣った傾斜を有するものを用いることを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項8】
電子部品(10)と、
互いに表裏の位置にある一面(31)および他面(32)を有するとともに、これら一面(31)および他面(32)の少なくとも一方にプレス加工により溝(35)が形成されてなるリードフレーム(30)とを備え、
前記電子部品(10)と前記リードフレーム(30)の前記一面(31)とがボンディングワイヤ(50)により接続されている電子装置において、
前記リードフレーム(30)のうち前記溝(35)よりも前記ワイヤ(50)の接続部(30a)とは反対側に位置する部位(30b)を、水平に位置させ、且つ、前記リードフレーム(30)の前記他面(32)を地方向に向けた状態としたときに、前記ワイヤ(30)の接続部(30a)が、前記溝(35)から下方へ向かって曲がった形状となっていることを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−38196(P2009−38196A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200831(P2007−200831)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】