電子装置及び電子装置の製造方法
【課題】コネクタの端子と基板のランドとの接続信頼性を向上させることができる電子装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一辺に複数の端子331を有する表面実装型のコネクタ330を、端子331に対応して表面に複数のランド311が設けられたプリント基板310に実装してなる電子装置であって、複数の端子331及び複数のランド311のうち中央の端子331及びランド311は、端子331におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線bとランド311におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線aとを略一致させ、中央の端子331及びランド311を間に挟む端部領域の各端子331及び各ランド311は、各端子331におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線bと各ランド311におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線aとをずらす。
【解決手段】少なくとも一辺に複数の端子331を有する表面実装型のコネクタ330を、端子331に対応して表面に複数のランド311が設けられたプリント基板310に実装してなる電子装置であって、複数の端子331及び複数のランド311のうち中央の端子331及びランド311は、端子331におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線bとランド311におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線aとを略一致させ、中央の端子331及びランド311を間に挟む端部領域の各端子331及び各ランド311は、各端子331におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線bと各ランド311におけるコネクタ330の長手方向の幅を二分する中心線aとをずらす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び電子装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子装置のコネクタとして、端子を基板に挿入する挿入型コネクタに代わって、高密度化、小型化、実装の効率化の観点から、基板表面に実装する表面実装型コネクタ(以下、単にコネクタとも称する)が用いられるようになってきている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示す電子装置は、基板とコネクタなどを備える。基板は、表面にランドが略等間隔に設けられ、このランドに半田ペーストが塗布されている。一方、コネクタは、端子とハウジングなどを備える。端子は、ハウジングから水平方向に突出した後、下向きに屈曲され、さらに先端がもとの突出方向に屈曲されている。
【0004】
そして、このコネクタは、端子を対応するランドに位置合せして、遠赤外線や熱風などでリフローすることによってプリント基板に実装されるものである。
【特許文献1】特開2004−206924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示す電子装置においては、基板とコネクタとは、リフロー時の熱によって膨張する。また、ランドが略等間隔に設けられ、ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とが略一致した状態である。したがって、基板とコネクタとの膨張係数が異なる場合は、ランドと端子の接合に不具合が生じる可能性がある。
【0006】
すなわち、基板とコネクタとの膨張係数の違いによって、図15に示すように、複数の端子331の一方の端部側から順にリフロー時の熱が加わる場合は、複数の端子331の最後にリフロー時の熱が加わる端部側において端子331がランド311から落ちる可能性がある。また、図16に示すように、複数の端子331の均一にリフロー時の熱が加わる場合は、複数の端子331の両方の端部側において端子331がランド311から落ちる可能性がある。
【0007】
端子331とランド311とが正常な接合状態である場合、図15(a)、(b)における左端の端子331とランド311、及び図16(a)、(b)における中央の端子331とランド311に示すように、端子331の接合部331aは、ランド311上面の範囲内に完全に収まった状態である。
【0008】
これに対して、端子331がランド311から落ちた状態である場合、図15(c)及び図16(c)に示すように、端子331の接合部331aは、図15(c)及び図16(c)の丸で囲んだ部位などがランド311上面からはみ出した状態である。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、コネクタの端子と基板のランドとの接続信頼性を向上させることができる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載の電子装置は、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち中央の端子及びランドは、端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0011】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の端子とランドとの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0012】
また、中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子における中心線と各ランドにおける中心線とをずらす場合は、請求項2に示すように、端部領域におけるランドの幅を中央のランドの幅に比べて広くすることによってなすことができる。さらに、このようにランドの幅を広くすることによって、端子をランドから落ちにくくすることができる。
【0013】
また、基板及びコネクタの膨張に伴うランド及び端子のずれは、中央から端部に向かうに連れて徐々に広くなっていく場合がある。したがって、請求項3に示すように、端部領域における各ランドの幅を中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に広くすることによって、適切にランドと端子とが接合されるようにすることができる。
【0014】
また、請求項4に示すように、端部領域における各ランド間の間隔を狭くすることによって、各端子における中心線と各ランドにおける中心線とをずらすようにしてもよい。このように、各ランドの幅を変更することなく各ランド間の間隔を変更することによって、各ランド間に配線を通しやすくすることができる。
【0015】
また、基板及びコネクタの膨張に伴うランド及び端子のずれは、中央から端部に向かうに連れて徐々に広くなっていく場合、請求項5に示すように、端部領域における各ランド間の間隔は、中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に狭くすることによっても、適切にランドと端子とが接合されるようにすることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の電子装置では、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち中央領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、中央領域を間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0017】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち中央領域を間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の端子とランドの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0018】
また、請求項7乃至請求項10に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。
【0019】
また、請求項11に記載の電子装置では、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち一方の端部に位置する第1端子及び第1ランドは、第1端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と第1ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、第1端子及び第1ランドの隣の第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間における各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0020】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち第1端子及び第1ランドの隣の第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間における各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間の端子とランドとの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0021】
また、請求項12乃至請求項15に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。
【0022】
また、請求項16に記載の電子装置では、コネクタと基板とを位置決めする位置決め印をコネクタ及び基板の少なくとも一方における第1端子及び第1ランドの近傍に設けることを特徴とするものである。
【0023】
このように、膨張係数の違いによる端子とランドとの位置ずれが少ない第1端子及び第1ランドの近傍に設けることによって、位置決め印を有効に活用することができる。
【0024】
また、請求項17に記載の電子装置では、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち一方の端部側に位置する第1端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、第1端部領域とは反対の端部側に位置する第2端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0025】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち第1端部領域とは反対の端部側に位置する第2端部領域の各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって第2端部領域の端子とランドの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0026】
また、請求項18乃至請求項21に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。また、請求項22に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項16と同様であるため説明を省略する。
【0027】
また、請求項23に記載の電子装置の製造方法では、少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、複数の端子がそれぞれ対応するランドの表面に配置された接合材料に接するように、コネクタを基板に位置決めする位置決め工程と、複数の端子において幅の狭い端子の方から接合材料を冷却・固化することによって、接合材料を介して端子とランドとを接合する接合工程とを備えることを特徴とするものである。
【0028】
通常、コネクタが幅の異なる複数の端子を有する場合、この端子に対応するランドの幅は、端子の幅に応じて設けられるものである。ランドの幅から端子の幅を引いた領域は、幅の狭い端子の場合に比べて、相対的に幅の広い端子の場合の方が広い。したがって、このようなコネクタを基板に実装する場合、端子のずれに余裕がない幅の狭い端子の方から接合材料を冷却・固化して接合材料を介して端子とランドとを接合することによって、端子がランドから落ちる不具合を低減させることができる。
【0029】
また、請求項24に記載の電子装置の製造方法では、少なくとも一辺に複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、複数の端子がそれぞれ対応するランドの表面に配置された接合材料に接するように、各コネクタを基板に位置決めする位置決め工程と、複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタの方から接合材料を冷却・固化することによって、接合材料を介して端子とランドとを接合する接合工程とを備えることを特徴とするものである。
【0030】
このように、長手方向の幅が異なる複数のコネクタを基板に実装する場合、幅が狭いコネクタに比べて幅が広いコネクタの方が、端子とランドとのずれが顕著になる。したがって、幅の広いコネクタの方から接合材料を冷却・固化して接合材料を介して端子とランドとを接合することによって、端子がランドから落ちる不具合を低減させることができる。
【0031】
また、請求項25に記載の電子装置の製造方法では、位置決め工程は、幅の広いコネクタを基準としてコネクタと基板とを位置決めすることを特徴とするものである。
【0032】
位置決めの基準の近傍は、比較的コネクタと基板とのずれ量を小さくすることができる。したがって、幅の広いコネクタを位置決めの基準とすることによって、幅の広いコネクタにおける接合材料を先に冷却・固化した場合であっても、比較的基板とのずれ量が顕著である幅の広いコネクタにおける端子がランドから落ちることを抑制することができる。
【0033】
また、請求項26に記載の電子装置の製造方法では、少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、複数の端子がそれぞれ対応するランドの表面に配置された接合材料に接するように、各コネクタを基板に位置決めする位置決め工程と、複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタのうち幅の狭い端子が幅の広い端子より先に接合材料が冷却・固化するように、接合材料を介して端子とランドとを接合する接合工程とを備えることを特徴とするものである。
【0034】
このように、少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装する場合、複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタのうち幅の狭い端子が幅の広い端子より先に接合材料が冷却・固化するように、接合材料を介して端子とランドとを接合することによって、端子とランドとのずれ量が顕著となる幅の広いコネクタと、基板とのずれ量を小さくすることができる。したがって、幅の広いコネクタ、なかでも幅の広いコネクタにおけるランドの余裕度の小さい幅の狭い端子がランドから落ちることを抑制することができる。
【0035】
また、請求項27に記載の電子装置の製造方法では、位置決め工程は、コネクタ及び基板において、先に接合材料が冷却・固化される方を基準に位置決めすることを特徴とするものである。
【0036】
このように、先に接合材料が冷却・固化される方が端子とランドとの位置ずれは少ないので、先に接合材料が冷却・固化される方を基準に位置決めすることによって、位置決め印を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。以下の実施形態においては、一例として、本発明の電子装置を、車両のエンジンECU(Electric Control Unit)を構成する電子制御装置に適用する例を示す。
【0038】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。図1は、電子制御装置の概略構成を説明するための、組み付け前の状態を示す分解図である。図2は、本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)IIb−IIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はIId−IId断面図である。図3は、本発明の第1実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IVb−IVb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0039】
図1に示すように、電子制御装置100は、筐体200と、その筐体200内に収容される回路基板300とにより構成される。
【0040】
筐体200は、例えばアルミニウム、鉄等の金属材料や合成樹脂材料からなり、一方が開放された箱状のケース210と、ケース210の開放面を閉塞する略矩形板状の底の浅いカバー220とにより構成される。そして、ケース210とカバー220とを組み付けることで、回路基板300を収容する内部空間を有した筐体200を構成する。本実施形態においては、螺子締結によって、ケース210とカバー220が固定されるよう構成されている。尚、筐体200はケース210とカバー220の2つの部材から構成されるものに限定されない。1つの部材から構成されても良いし、3つ以上の部材から構成されても良い。
【0041】
回路基板300は、ランド311、図示されない配線、配線間を接続するビアホール等が形成されてなるプリント基板310(本発明における基板に相当)に、マイコン、パワートランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品320と入出力部(外部接続端子)としてのコネクタ330を実装してなるものである。プリント基板310の構成材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、セラミック、ガラス(例えばガラス布)と樹脂との複合体等の公知材料を適用することができる。
【0042】
コネクタ330は、導電性材料からなり、一端がプリント基板310の表面に実装されて他端が筐体200外に露出される端子331を、絶縁材料(例えば合成樹脂)からなるハウジング332に複数配設してなる表面実装型のコネクタである。このコネクタ330は、筐体200(本実施形態においてはケース210)に、コネクタ330に対応したコネクタ用切り欠き部(図示略)が設けられており、回路基板300を収容するようにケース210とカバー220を螺子締結した状態で、コネクタ330の一部が筐体200内に収容され、残りの部分が筐体200外に露出される。
【0043】
複数の端子331は、例えば金属板を打ち抜いて形成された所謂打ち抜き端子であり、互いに干渉しないようにハウジング332に一部が埋設固定されている。端子331のプリント基板310に実装される側は、ハウジング332の一側面からプリント基板310に略平行に突出し、下方(プリント基板310側)に折曲されている。そして、折曲された部位の先端領域がプリント基板310と略平行となるように折曲され、プリント基板310に設けられたランド311との接合部331aとして構成されている。なお、本実施形態においては、複数の端子331が、ハウジング332に対して1列配置され、プリント基板310に対して接合部331aが一列配置される態様を示した。しかしながら、端子331の配置は上記例に限定されるものではない。
【0044】
このような構成の電子制御装置100において、本実施形態においては、基板310に形成されるランドとコネクタにおける端子との位置関係に特徴がある。この特徴点について、図2、図3、及び図4を用いて説明する。
【0045】
図2(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成されるランド311は、中央のランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x11に対して、この中央のランド311を間に挟む端部領域の各ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x12〜x18が広くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0046】
すなわち、中央のランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、中央の端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図2(c)に示すように、端部領域においては、端部領域の各ランド311の幅x12〜x18を変更することによって、ランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす。具体的には、端部領域の各端子331の中心線bが端部領域の各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0047】
また、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18は、中央のランド311から遠ざかるに連れて徐々に広くする。このように、端部領域の各ランド311の幅x12〜x18を徐々に広くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18を広くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0048】
端部領域における各ランド311の幅x12〜x18は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち端部領域における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図4(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311の幅x12〜x18を設定すると好適である。
【0049】
なお、ランド311の長手方向においては、図2(d)に示すように、接合部331a長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0050】
次に、このように構成されるコネクタ330をプリント基板310に実装する実装方法について、図3を用いて説明する。
【0051】
先ず、プリント基板310とコネクタ330をそれぞれ準備する。プリント基板310の準備工程において、プリント基板310の表面に端子331の接合部331aに対応するランド311を形成し、このランド311の表面に例えばスクリーン印刷法によってペースト状の半田311aを配置する。この半田311aが特許請求の範囲に示す接合材料に相当する。なお、半田311aの構成材料は特に限定されるものではない。また、コネクタ330の準備工程において、例えば端子331をインサート部品としてハウジング332を射出成形する。
【0052】
プリント基板310とコネクタ330の準備が終了すると、端子331の接合部331aが対応するランド311の半田311aに接触する状態でハウジング332とプリント基板310とを位置決め固定する。
【0053】
そして、この位置決め状態で、加熱器400、ガイド410などを備えるリフロー装置にてリフロー工程を実施する。図3に示すように、本実施例のリフロー工程においては、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が均一に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるように、コネクタ330が位置決め固定されたプリント基板310をガイド410に載置する。
【0054】
ガイド410に載置したプリント基板310及びハウジング332は、ガイド410によって矢印方向に搬送される。そして、半田311aに対して加熱器400からの熱を加えて半田311aを加熱溶融し、その後冷却・固化することで、図4(c)に示すように、端子331(接合部331a)と対応するランド311とを、半田311aを介して接合する。この工程が特許請求の範囲に示す接合工程に相当する。
【0055】
このリフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図2(c)と図4(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0056】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(端部領域)においては、各ランド311の幅x12〜x18を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0057】
また、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が均一に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるようにリフローを行う場合、プリント基板310とコネクタ330(ハウジング332)との膨張係数が異なると、プリント基板310及びコネクタ330におけるコネクタ330の長手方向側の端部側におけるランド311と端子331との位置ずれが顕著になる。すなわち、プリント基板310及びコネクタ330の中心のランド311及び端子331から遠ざかるに連れてランド311と端子331との位置ずれが顕著になる。
【0058】
したがって、図2に示すような端部領域においては、各ランド311の幅x12〜x18を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす構造は、ランド311に対して、均一に熱が加えられるような、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるようにリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0059】
なお、本実施形態においては、中央が2つのランド311と2つの端子331であり、端部領域が片側7つずつのランド311と片側7つずつの端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。中央のランド311及び端子331はそれぞれ1つであり、端部領域のランド311及び端子331はそれぞれ複数であってもよい。
【0060】
また、複数のランド311及び複数の端子331を中央領域と端部領域とに区分して、中央領域の複数のランド311の中心線aと中央領域の複数の端子331の中心線bとを略一致させ、端部領域の複数のランド311の中心線aと端部領域の複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18を中心から遠ざかるに連れて徐々に広くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18は、略同一として、中心におけるランド311の幅x11よりも広くするようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。中央のランド311の中心線aと端子331の中心線bとは略一致させ、端部領域のランド311の中心線aと端子331の中心線bとをずらすようにすれば本発明の目的は達成できるものである。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Vb−Vb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVd−Vd断面図である。図6は、本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIb−VIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0064】
第2実施形態における電子制御装置100は、上述の第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第2実施形態において、上述の第1実施形態と異なる点は端部領域におけるランド311の幅を変更しない点である。
【0065】
図5(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成される複数のランド311は、コネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅が略同一の幅とする。そして、複数のランド311は、中央のランド311間の間隔x21に対して、この中央のランド311を間に挟む端部領域の各ランド311間の間隔x22〜x28が狭くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0066】
すなわち、中央のランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、中央の端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図5(c)に示すように、端部領域においては、端部領域の各ランド311間の間隔x22〜x28を変更することによって、各ランド311の中心線aと、各端子331の中心線bとをずらす。具体的には、端部領域の各端子331の中心線bが端部領域の各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0067】
また、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28は、中央のランド311から遠ざかるに連れて徐々に狭くする。このように、端部領域の各ランド311の幅x22〜x28を徐々に狭くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28を狭くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0068】
端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち端部領域における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図6(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311間の間隔x22〜x28を設定すると好適である。なお、ランド311の長手方向においては、図5(d)に示すように、接合部331aの長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0069】
そして、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310とを位置決め固定し、リフロー処理を行うことによって、図6に示すようにコネクタ330(ハウジング332)をプリント基板310に実装する。なお、図5に示すような端部領域においては、各ランド311間の間隔x22〜x28を変更してランド311の中心線aと端子331の中心線bとをずらす構造は、ランド311に対して、均一に熱が加えられるような、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるようなリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0070】
リフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図5(c)と図6(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0071】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(端部領域)においては、各ランド311間の間隔x22〜x28を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0072】
また、各ランド311の幅を変更することなく、各ランド311間の間隔x22〜x28を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、各ランド311間の間隔に余裕ができる。したがって、各ランド間311に配線を通しやすくすることができる。
【0073】
なお、本実施形態においては、中央が2つのランド311と2つの端子331であり、端部領域が片側7つずつのランド311と片側7つずつの端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。中央のランド311及び端子331はそれぞれ1つであり、端部領域のランド311及び端子331はそれぞれ複数であってもよい。この場合、中央のランド311の間隔は、隣のランド311との間隔とする。
【0074】
また、複数のランド311及び複数の端子331を中央領域と端部領域とに区分して、中央領域の複数のランド311の中心線aと中央領域の複数の端子331の中心線bとを略一致させ、端部領域の複数のランド311間の間隔を狭くして中心線aと端部領域の複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態においては、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28を中心から遠ざかるに連れて徐々に狭くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28は、略同一として、中心におけるランド311間の間隔x21よりも狭くするようにしてもよい。
【0076】
(第3実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIIb−VIIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVIId−VIId断面図である。図8は、本発明の第3実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。図9は、本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IXb−IXb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0077】
第3実施形態における電子制御装置100は、上述の第1又は第2実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第3実施形態において、上述の第1又は第2実施形態と異なる点は幅を変更するランド311の位置である。
【0078】
図7(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成されるランド311及び端子331は、一方の端部に位置するランド311及び端子331(以下、第1ランド及び第1端子とも称する。)と、この第1ランド311及び第1端子331の隣のランド311及び端子331(以下、第2ランド及び第2端子とも称する。)から他方の端部に位置するランド311及び端子331(以下、最終ランド及び最終端子とも称する)の間の各ランド311及び各端子331とに区分される。
【0079】
そして、ランド311は、第1ランドにおけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x31に対して、第2ランドと最終ランドとの間の各ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x32〜x46が広くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0080】
すなわち、第1ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、第1端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図7(c)に示すように、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331の間の各ランド311及び各端子331は、各ランド311の幅x32〜x46を変更することによって、ランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす。具体的には、端部領域の各端子331の中心線bが端部領域の各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0081】
また、第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46は、第1ランド311から遠ざかるに連れて徐々に広くする。このように、第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46を徐々に広くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46を広くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0082】
第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち端部領域における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図9(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311の幅x32〜x46を設定すると好適である。
【0083】
なお、ランド311の長手方向においては、図7(d)に示すように、接合部331a長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0084】
次に、このように構成されるコネクタ330をプリント基板310に実装する実装方法について、図8を用いて説明する。
【0085】
プリント基板310とコネクタ330の準備が終了すると、端子331の接合部331aが対応するランド311の半田311aに接触する状態でコネクタ330とプリント基板310とを位置決め固定する。
【0086】
そして、この位置決め状態で、リフロー工程を実施する。図8に示すように、本実施例のリフロー工程においては、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるように、ハウジング332がガイド410に沿うようにプリント基板310をガイド410に載置する。
【0087】
ガイド410に載置したプリント基板310及びコネクタ330は、ガイド410によって矢印方向に搬送される。そして、半田311aに対して加熱器400からの熱を加えて半田311aを加熱溶融し、その後冷却・固化することで、図9(c)に示すように、端子331(接合部331a)と対応するランド311とを、半田311aを介して接合する。なお、本実施形態におけるリフロー工程では、第1ランド311と第1端子331側から順番で、半田311aが加熱溶融し、その後冷却・固化して、端子331(接合部331a)と対応するランド311とが半田311aを介して接合する。この工程が特許請求の範囲に示す接合工程に相当する。
【0088】
このリフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図7(c)と図9(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0089】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(第2ランド311及び第2端子から最終ランド311及び最終端子331の間)においては、各ランド311の幅x32〜x46を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0090】
また、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにリフローを行う場合、プリント基板310とコネクタ330(ハウジング332)との膨張係数が異なると、先に加熱溶融した半田311aの方から順番に冷却・固化していくため、プリント基板310及びコネクタ330における後の方にリフロー処理されるランド311と端子331(最終ランド311と最終端子)との位置ずれが顕著になる。すなわち、プリント基板310及びコネクタ330の第1ランド311及び第1端子331から遠ざかるに連れてランド311と端子331との位置ずれが顕著になる。
【0091】
したがって、図7に示すような第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす構造は、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられ、その後冷却・固化するようなリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0092】
なお、本実施形態においては、第1ランド311及び第1端子331が1つずつであり、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331までが15個のランド311及び端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。ランド311と端子331とを先にリフロー処理される第1端部領域と後にリフロー処理される第2端部領域とに区分する。そして、第1端部領域における複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとを略一致させ、第2端部領域における複数のランド311の幅を変更して複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0093】
また、本実施形態においては、第2ランド311から最終ランド311の幅x32〜x46を第1ランド311から遠ざかるに連れて徐々に広くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2ランド311から最終ランド311の幅x32〜x46は、略同一として、第1ランド311の幅x31よりも広くするようにしてもよい。
【0094】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図10は、本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Xb−Xb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はXd−Xd断面図である。図11は、本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)XIb−XIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0095】
第4実施形態における電子制御装置100は、上述の第1乃至第3実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第4実施形態において、上述の第1乃至第3実施形態と異なる点はランド311の幅を変更しない点である。
【0096】
図10(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成される複数のランド311は、コネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅が略同一の幅とする。そして、複数のランド311は、第1ランド311と第2ランド間の間隔x51に対して、この第2ランド311から最終ランド311の各ランド311間の間隔x52〜x65が狭くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0097】
すなわち、第1ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、第1端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図10(c)に示すように、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331においては、各ランド311間の間隔x52〜x65を変更することによって、各ランド311の中心線aと、各端子331の中心線bとをずらす。具体的には、各端子331の中心線bが各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0098】
また、第2ランド311から最終ランド311における各ランド311間の間隔x52〜x65は、中央のランド311から遠ざかるに連れて徐々に狭くする。このように、第2ランド311から最終ランド311における各ランド311の幅x52〜x65を徐々に狭くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって第2ランド311から最終ランド311における各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、第2ランド311から最終ランド311における各ランド311間の間隔x52〜x65を狭くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0099】
第2ランド311から最終ランド311における各ランド311間の間隔x52〜x65は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち第2ランド311から最終ランド311における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図11(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311間の間隔x52〜x65を設定すると好適である。なお、ランド311の長手方向においては、図10(d)に示すように、接合部331aの長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0100】
そして、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310とを位置決め固定し、リフロー処理を行うことによって、図11に示すようにコネクタ330(ハウジング332)をプリント基板310に実装する。なお、図10に示すような第2ランド311から最終ランド311において各ランド311間の間隔x52〜x65を変更してランド311の中心線aと端子331の中心線bとをずらす構造は、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるような、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられ、その後冷却・固化するようなリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0101】
リフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図10(c)と図10(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0102】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(第2ランド311及び第2端子から最終ランド311及び最終端子331の間)においては、各ランド311間の間隔x52〜x65を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0103】
また、各ランド311の幅を変更することなく、各ランド311間の間隔x52〜x65を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、各ランド311間の間隔に余裕ができる。したがって、各ランド間311に配線を通しやすくすることができる。
【0104】
なお、本実施形態においては、第1ランド311及び第1端子331が1つずつであり、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331までが15個のランド311及び端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。ランド311と端子331とを先にリフロー処理される第1端部領域と後にリフロー処理される第2端部領域とに区分する。そして、第1端部領域における複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとを略一致させ、第2端部領域における複数のランド311間の間隔を変更して複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0105】
また、本実施形態においては、第2ランド311から最終ランド311の各ランド間の間隔x52〜x65を第1ランド311から遠ざかるに連れて徐々に狭くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2ランド311から最終ランド311の各ランド間の間隔x52〜x65は、略同一として、第1ランド311と第2ランド311との間隔x51よりも狭くするようにしてもよい。
【0106】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図12は、本発明の第5実施形態における電子制御装置を説明する平面図である。
【0107】
第5実施形態における電子制御装置100は、上述の第1乃至第4実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第5実施形態において、上述の第1乃至第4実施形態と異なる点はコネクタ330に幅の異なる端子を有する点である。
【0108】
コネクタ330は、図12に示すように、例えば、シグナル端子のようなコネクタ330の長手方向における幅が狭い端子(細端子)331とパワー端子のようなコネクタ330の長手方向における幅の狭い端子(太端子)331とを備える。
【0109】
プリント基板310は、コネクタ330のシグナル端子331の幅に応じたコネクタ330の長手方向における幅を有するランド311と、コネクタ330のパワー端子331の幅に応じたコネクタ330の長手方向における幅を有するランド311とを備える。また、ランド311は、シグナル端子331に対応するランド311に比べてパワー端子331に対応するランド311の方が余裕を持たせた幅となっている。すなわち、パワー端子331の幅ptとパワー端子331に対応するランド311の幅plとの差は、シグナル端子331の幅stとシグナル端子331に対応するランド311の幅slとの差よりも広く設定されている。
【0110】
このように、コネクタ330の長手方向における幅が異なる端子331(シグナル端子、パワー端子)を備えるコネクタ330(ハウジング332)をプリント基板310に実装する場合、すなわち、上述のリフロー装置にてリフロー工程を行う場合は、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。
【0111】
複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図12に示すようにシグナル端子331(細端子)側が先に加熱されるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0112】
これは、シグナル端子331に対応するランド311に比べてパワー端子331に対応するランド311の方が余裕があるためである。複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられる場合、先に加熱溶融した半田311aの方から順番に冷却・固化していくので、ランド311と端子331とがずれにくい。したがって、比較的ずれに対する余裕が小さいシグナル端子331とランド311とを先に接合させておくことによって、シグナル端子331をランド311から落ちにくくすることができる。一方、パワー端子331においては、比較的ずれに対する余裕があるため、ランド311と端子331との位置が多少ずれたとしても、パワー端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0113】
また、上述のように、ランド311と端子331は、先にリフロー(半田311aを加熱溶融・冷却・固化)した方がずれにくいので、図12に示すように、位置決め印を先にリフローさせるランド311及び端子331(シグナル端子331)の近傍に設けると位置決め印を有効に活用することができるので好ましい。
【0114】
なお、第5実施形態における位置決め印を先にリフローさせるランド311及び端子331の近傍に設ける点に関しては、上記第3又は第4実施形態と組み合わせて実施することも可能である。すなわち、上記第3又は第4実施形態において、プリント基板310とコネクタ330(ハウジング332)とを位置合せするための位置決め印を第1ランド311及び第1端子331の近傍に設けるようにしてもよい。
【0115】
また、本実施形態においては、位置決め印をプリント基板310及びハウジング332の両方に設ける例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。位置決め印は、プリント基板310及びハウジング332の少なくとも一方に設ければよい。例えば、コネクタ端子331の位置よりコネクタ側の仮想的な位置決め点を算出し、プリント基板310の位置決め印との相対ずれを検出することで実現可能となる。
【0116】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図13は、本発明の第6実施形態における電子制御装置を説明する平面図であり、(a)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が略同一である場合であり、(b)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が異なる場合である。
【0117】
第6実施形態における電子制御装置100は、上述の第1乃至第5実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第6実施形態において、上述の第1乃至第5実施形態と異なる点はコネクタ330を複数備える点である。
【0118】
電子制御装置100と外部との組み付け性や電子制御装置100の用途などを考慮する場合、図13(a)、(b)に示すようにコネクタ330を複数に分割する場合がある。大きいコネクタ330bに対応する大きいハウジング332bの長手方向の長さcl2は、小さいコネクタ330aに対応する小さいハウジング332aの長手方向の長さcl1に比べて長い。
【0119】
このように大きいコネクタ330b(ハウジング332b)と小さいコネクタ330a(小さいハウジング332a)をプリント基板310に実装する場合(リフロー工程を行う場合)、大きいコネクタ330b(ハウジング332b)におけるランド311と端子331とのずれ量は、小さいコネクタ330a(小さいハウジング332a)におけるランド311と端子331とのずれ量よりも大きくなる。
【0120】
したがって、図13(a)に示すように、端子331のコネクタ330の長手方向における幅が略同一であるような場合、リフローを実施する際には、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図13(a)に示すように大きいコネクタ330b(ハウジング332b)側の半田311aが先に加熱され、その後冷却・固化するようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0121】
複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられる場合、先に加熱溶融した半田311aの方から順番に冷却・固化していくので、ランド311と端子331とがずれにくい。したがって、図13(a)に示すように、同じ太さの端子331、すなわち、コネクタ330の長手方向における幅が略同一であるような端子331を使用する場合には、大きいコネクタ330b(ハウジング332b)側のランド311と端子331とを先に接合させておくことによって、比較的ずれ量が大きい側の端子331をランド311から落ちにくくすることができる。
【0122】
また、図13(b)に示すように、シグナル端子、パワー端子など複数種類の端子を使用している場合には、プリント基板310(半田311a)の加熱方向としては、以下の2種類が考えられる。しかしながら、いずれの加熱方向においても大きいコネクタ330b側のランド311と端子331とのずれ量が小さくなるようにしている。
【0123】
一方は、図13(b)に示すように、端子331のコネクタ330の長手方向における幅が異なる場合、リフローを実施する際には、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。つまり、上述の第5実施形態で説明したランド311の余裕の少ないシグナル端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)を先に冷却・固化させる考えを適用するものである。
【0124】
そして、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図13(b)における大きいコネクタ330bにおけるコネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331がコネクタ330の長手方向における幅が広い端子331に比べて先に加熱され、その後冷却・固化する方向(方向A)、すなわち、小さいコネクタ330a(ハウジング332a)側の半田311aが先に加熱され、その後冷却・固化するように、コネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0125】
この場合、大きいコネクタ330bにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)が先に冷却・固化させることになるので、ランド311と端子331とのずれ量が比較的小さいため端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0126】
また、小さいコネクタ330aにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)を後に冷却・固化させることになる。しかしながら、小さいコネクタ330aの長手方向の幅は、大きいコネクタ330bの長手方向の幅に比べて狭く、ランド311と端子331とのずれ量が比較的小さいため端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0127】
もう一方は、大きいコネクタ330bを基準にコネクタ330とプリント基板310とを位置決めする場合は、リフローを実施する際には、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。つまり、コネクタ330(端子331)とプリント基板310(ランド311)との位置精度を大きいコネクタ330bに合わせることで、大きいコネクタ330b側のランド311と端子331とのずれ量を最小限とするものである。
【0128】
そして、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図13(b)における大きいコネクタ330bにおけるコネクタ330の長手方向における幅が広い端子331がコネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331に比べて先に加熱され、その後冷却・固化する方向(方向B)、すなわち、大きいコネクタ330a(ハウジング332a)側の半田311aが先に加熱され、その後冷却・固化するように、コネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0129】
この場合、大きいコネクタ330bにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)が後に冷却・固化させることになるが、大きいコネクタ330bを基準に位置決めしているため、大きいコネクタ330bとプリント基板310とのずれ量が比較的小さく端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0130】
また、小さいコネクタ330aにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)を先に冷却・固化することになる。したがって、ランド311と端子331とのずれ量が比較的小さいため端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0131】
また、小さいコネクタ330aを基準にコネクタ330とプリント基板310とを位置合せする場合に関しても方向Aに流すようにしてもよい。また、大きいコネクタ330bにおけるランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)が外側である場合は、方向Bに流すようにしてもよい。
【0132】
また、リフロー装置が、コネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310を一方向から出し入れするような場合は、方向Bに向かってコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をリフロー装置に搬入し、方向Aに向かってコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310を取り出すと好ましい。
【0133】
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。図14は、本発明の変形例における電子制御装置を説明する平面図である。
【0134】
図14に示すように、複数の端子331は、ハウジング332の両側面からプリント基板310に略平行に突出し、下方(プリント基板310側)に折曲されている。そして、折曲された部位の先端領域がプリント基板310と略平行となるように折曲され、プリント基板310に設けられたランド311との接合部331aとして構成されている。このように、端子331がハウジング332の両側面から引き出すような場合であっても、適用することができる。また、変形例に関しても、リフロー方向は、上述の第6実施形態で説明したように、方向A、方向Bの両方とすることができる。
【0135】
なお、上述の実施形態においては、コネクタ330(ハウジング332)の膨張量よりも、プリント基板310の膨張量が大きい場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリント基板310の膨張量よりも、コネクタ330(ハウジング332)の膨張量が大きい場合に関しても適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明における電子制御装置の概略構成を説明するための、組み付け前の状態を示す分解図である。
【図2】本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)IIb−IIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はIId−IId断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IVb−IVb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Vb−Vb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVd−Vd断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIb−VIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図7】本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIIb−VIIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVIId−VIId断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IXb−IXb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図10】本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Xb−Xb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はXd−Xd断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)XIb−XIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図12】本発明の第5実施形態における電子制御装置を説明する平面図である。
【図13】本発明の第6実施形態における電子制御装置を説明する平面図であり、(a)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が略同一である場合であり、(b)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が異なる場合である。
【図14】本発明の変形例における電子制御装置を説明する平面図である。
【図15】従来技術における電子装置の一つの不具合例を説明するための図面であり、(a)は平面図であり、(b)はXVb−XVb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図16】従来技術における電子装置の他の不具合例を説明するための図面であり、(a)は平面図であり、(b)はXVIb−XVIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【符号の説明】
【0137】
100 電子制御装置、200 筐体、210 ケース、220 カバー、300 回路基板、310 プリント基板、311 ランド、320 電子部品、330 コネクタ、331 端子、331a 接合部、332 ハウジング
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び電子装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子装置のコネクタとして、端子を基板に挿入する挿入型コネクタに代わって、高密度化、小型化、実装の効率化の観点から、基板表面に実装する表面実装型コネクタ(以下、単にコネクタとも称する)が用いられるようになってきている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示す電子装置は、基板とコネクタなどを備える。基板は、表面にランドが略等間隔に設けられ、このランドに半田ペーストが塗布されている。一方、コネクタは、端子とハウジングなどを備える。端子は、ハウジングから水平方向に突出した後、下向きに屈曲され、さらに先端がもとの突出方向に屈曲されている。
【0004】
そして、このコネクタは、端子を対応するランドに位置合せして、遠赤外線や熱風などでリフローすることによってプリント基板に実装されるものである。
【特許文献1】特開2004−206924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示す電子装置においては、基板とコネクタとは、リフロー時の熱によって膨張する。また、ランドが略等間隔に設けられ、ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とが略一致した状態である。したがって、基板とコネクタとの膨張係数が異なる場合は、ランドと端子の接合に不具合が生じる可能性がある。
【0006】
すなわち、基板とコネクタとの膨張係数の違いによって、図15に示すように、複数の端子331の一方の端部側から順にリフロー時の熱が加わる場合は、複数の端子331の最後にリフロー時の熱が加わる端部側において端子331がランド311から落ちる可能性がある。また、図16に示すように、複数の端子331の均一にリフロー時の熱が加わる場合は、複数の端子331の両方の端部側において端子331がランド311から落ちる可能性がある。
【0007】
端子331とランド311とが正常な接合状態である場合、図15(a)、(b)における左端の端子331とランド311、及び図16(a)、(b)における中央の端子331とランド311に示すように、端子331の接合部331aは、ランド311上面の範囲内に完全に収まった状態である。
【0008】
これに対して、端子331がランド311から落ちた状態である場合、図15(c)及び図16(c)に示すように、端子331の接合部331aは、図15(c)及び図16(c)の丸で囲んだ部位などがランド311上面からはみ出した状態である。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、コネクタの端子と基板のランドとの接続信頼性を向上させることができる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載の電子装置は、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち中央の端子及びランドは、端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0011】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の端子とランドとの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0012】
また、中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子における中心線と各ランドにおける中心線とをずらす場合は、請求項2に示すように、端部領域におけるランドの幅を中央のランドの幅に比べて広くすることによってなすことができる。さらに、このようにランドの幅を広くすることによって、端子をランドから落ちにくくすることができる。
【0013】
また、基板及びコネクタの膨張に伴うランド及び端子のずれは、中央から端部に向かうに連れて徐々に広くなっていく場合がある。したがって、請求項3に示すように、端部領域における各ランドの幅を中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に広くすることによって、適切にランドと端子とが接合されるようにすることができる。
【0014】
また、請求項4に示すように、端部領域における各ランド間の間隔を狭くすることによって、各端子における中心線と各ランドにおける中心線とをずらすようにしてもよい。このように、各ランドの幅を変更することなく各ランド間の間隔を変更することによって、各ランド間に配線を通しやすくすることができる。
【0015】
また、基板及びコネクタの膨張に伴うランド及び端子のずれは、中央から端部に向かうに連れて徐々に広くなっていく場合、請求項5に示すように、端部領域における各ランド間の間隔は、中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に狭くすることによっても、適切にランドと端子とが接合されるようにすることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の電子装置では、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち中央領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、中央領域を間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0017】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち中央領域を間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の端子とランドの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0018】
また、請求項7乃至請求項10に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。
【0019】
また、請求項11に記載の電子装置では、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち一方の端部に位置する第1端子及び第1ランドは、第1端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と第1ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、第1端子及び第1ランドの隣の第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間における各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0020】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち第1端子及び第1ランドの隣の第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間における各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間の端子とランドとの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0021】
また、請求項12乃至請求項15に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。
【0022】
また、請求項16に記載の電子装置では、コネクタと基板とを位置決めする位置決め印をコネクタ及び基板の少なくとも一方における第1端子及び第1ランドの近傍に設けることを特徴とするものである。
【0023】
このように、膨張係数の違いによる端子とランドとの位置ずれが少ない第1端子及び第1ランドの近傍に設けることによって、位置決め印を有効に活用することができる。
【0024】
また、請求項17に記載の電子装置では、少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、複数の端子及び複数のランドのうち一方の端部側に位置する第1端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、第1端部領域とは反対の端部側に位置する第2端部領域の各端子及び各ランドは、各端子におけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線と各ランドにおけるコネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とするものである。
【0025】
このように、複数の端子及び複数のランドのうち第1端部領域とは反対の端部側に位置する第2端部領域の各端子及び各ランドは、各端子の中心線と各ランドの中心線とをずらして配置することによって、コネクタと基板との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって第2端部領域の端子とランドの中心線の位置がずれた場合であっても、端子がランドから落ちることを抑制し、端子とランドとの接合を良好にすることができる。
【0026】
また、請求項18乃至請求項21に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。また、請求項22に記載の電子装置での作用・効果に関しては、上述の請求項16と同様であるため説明を省略する。
【0027】
また、請求項23に記載の電子装置の製造方法では、少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、複数の端子がそれぞれ対応するランドの表面に配置された接合材料に接するように、コネクタを基板に位置決めする位置決め工程と、複数の端子において幅の狭い端子の方から接合材料を冷却・固化することによって、接合材料を介して端子とランドとを接合する接合工程とを備えることを特徴とするものである。
【0028】
通常、コネクタが幅の異なる複数の端子を有する場合、この端子に対応するランドの幅は、端子の幅に応じて設けられるものである。ランドの幅から端子の幅を引いた領域は、幅の狭い端子の場合に比べて、相対的に幅の広い端子の場合の方が広い。したがって、このようなコネクタを基板に実装する場合、端子のずれに余裕がない幅の狭い端子の方から接合材料を冷却・固化して接合材料を介して端子とランドとを接合することによって、端子がランドから落ちる不具合を低減させることができる。
【0029】
また、請求項24に記載の電子装置の製造方法では、少なくとも一辺に複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、複数の端子がそれぞれ対応するランドの表面に配置された接合材料に接するように、各コネクタを基板に位置決めする位置決め工程と、複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタの方から接合材料を冷却・固化することによって、接合材料を介して端子とランドとを接合する接合工程とを備えることを特徴とするものである。
【0030】
このように、長手方向の幅が異なる複数のコネクタを基板に実装する場合、幅が狭いコネクタに比べて幅が広いコネクタの方が、端子とランドとのずれが顕著になる。したがって、幅の広いコネクタの方から接合材料を冷却・固化して接合材料を介して端子とランドとを接合することによって、端子がランドから落ちる不具合を低減させることができる。
【0031】
また、請求項25に記載の電子装置の製造方法では、位置決め工程は、幅の広いコネクタを基準としてコネクタと基板とを位置決めすることを特徴とするものである。
【0032】
位置決めの基準の近傍は、比較的コネクタと基板とのずれ量を小さくすることができる。したがって、幅の広いコネクタを位置決めの基準とすることによって、幅の広いコネクタにおける接合材料を先に冷却・固化した場合であっても、比較的基板とのずれ量が顕著である幅の広いコネクタにおける端子がランドから落ちることを抑制することができる。
【0033】
また、請求項26に記載の電子装置の製造方法では、少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、複数の端子がそれぞれ対応するランドの表面に配置された接合材料に接するように、各コネクタを基板に位置決めする位置決め工程と、複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタのうち幅の狭い端子が幅の広い端子より先に接合材料が冷却・固化するように、接合材料を介して端子とランドとを接合する接合工程とを備えることを特徴とするものである。
【0034】
このように、少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装する場合、複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタのうち幅の狭い端子が幅の広い端子より先に接合材料が冷却・固化するように、接合材料を介して端子とランドとを接合することによって、端子とランドとのずれ量が顕著となる幅の広いコネクタと、基板とのずれ量を小さくすることができる。したがって、幅の広いコネクタ、なかでも幅の広いコネクタにおけるランドの余裕度の小さい幅の狭い端子がランドから落ちることを抑制することができる。
【0035】
また、請求項27に記載の電子装置の製造方法では、位置決め工程は、コネクタ及び基板において、先に接合材料が冷却・固化される方を基準に位置決めすることを特徴とするものである。
【0036】
このように、先に接合材料が冷却・固化される方が端子とランドとの位置ずれは少ないので、先に接合材料が冷却・固化される方を基準に位置決めすることによって、位置決め印を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。以下の実施形態においては、一例として、本発明の電子装置を、車両のエンジンECU(Electric Control Unit)を構成する電子制御装置に適用する例を示す。
【0038】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。図1は、電子制御装置の概略構成を説明するための、組み付け前の状態を示す分解図である。図2は、本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)IIb−IIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はIId−IId断面図である。図3は、本発明の第1実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IVb−IVb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0039】
図1に示すように、電子制御装置100は、筐体200と、その筐体200内に収容される回路基板300とにより構成される。
【0040】
筐体200は、例えばアルミニウム、鉄等の金属材料や合成樹脂材料からなり、一方が開放された箱状のケース210と、ケース210の開放面を閉塞する略矩形板状の底の浅いカバー220とにより構成される。そして、ケース210とカバー220とを組み付けることで、回路基板300を収容する内部空間を有した筐体200を構成する。本実施形態においては、螺子締結によって、ケース210とカバー220が固定されるよう構成されている。尚、筐体200はケース210とカバー220の2つの部材から構成されるものに限定されない。1つの部材から構成されても良いし、3つ以上の部材から構成されても良い。
【0041】
回路基板300は、ランド311、図示されない配線、配線間を接続するビアホール等が形成されてなるプリント基板310(本発明における基板に相当)に、マイコン、パワートランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品320と入出力部(外部接続端子)としてのコネクタ330を実装してなるものである。プリント基板310の構成材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、セラミック、ガラス(例えばガラス布)と樹脂との複合体等の公知材料を適用することができる。
【0042】
コネクタ330は、導電性材料からなり、一端がプリント基板310の表面に実装されて他端が筐体200外に露出される端子331を、絶縁材料(例えば合成樹脂)からなるハウジング332に複数配設してなる表面実装型のコネクタである。このコネクタ330は、筐体200(本実施形態においてはケース210)に、コネクタ330に対応したコネクタ用切り欠き部(図示略)が設けられており、回路基板300を収容するようにケース210とカバー220を螺子締結した状態で、コネクタ330の一部が筐体200内に収容され、残りの部分が筐体200外に露出される。
【0043】
複数の端子331は、例えば金属板を打ち抜いて形成された所謂打ち抜き端子であり、互いに干渉しないようにハウジング332に一部が埋設固定されている。端子331のプリント基板310に実装される側は、ハウジング332の一側面からプリント基板310に略平行に突出し、下方(プリント基板310側)に折曲されている。そして、折曲された部位の先端領域がプリント基板310と略平行となるように折曲され、プリント基板310に設けられたランド311との接合部331aとして構成されている。なお、本実施形態においては、複数の端子331が、ハウジング332に対して1列配置され、プリント基板310に対して接合部331aが一列配置される態様を示した。しかしながら、端子331の配置は上記例に限定されるものではない。
【0044】
このような構成の電子制御装置100において、本実施形態においては、基板310に形成されるランドとコネクタにおける端子との位置関係に特徴がある。この特徴点について、図2、図3、及び図4を用いて説明する。
【0045】
図2(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成されるランド311は、中央のランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x11に対して、この中央のランド311を間に挟む端部領域の各ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x12〜x18が広くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0046】
すなわち、中央のランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、中央の端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図2(c)に示すように、端部領域においては、端部領域の各ランド311の幅x12〜x18を変更することによって、ランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす。具体的には、端部領域の各端子331の中心線bが端部領域の各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0047】
また、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18は、中央のランド311から遠ざかるに連れて徐々に広くする。このように、端部領域の各ランド311の幅x12〜x18を徐々に広くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18を広くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0048】
端部領域における各ランド311の幅x12〜x18は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち端部領域における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図4(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311の幅x12〜x18を設定すると好適である。
【0049】
なお、ランド311の長手方向においては、図2(d)に示すように、接合部331a長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0050】
次に、このように構成されるコネクタ330をプリント基板310に実装する実装方法について、図3を用いて説明する。
【0051】
先ず、プリント基板310とコネクタ330をそれぞれ準備する。プリント基板310の準備工程において、プリント基板310の表面に端子331の接合部331aに対応するランド311を形成し、このランド311の表面に例えばスクリーン印刷法によってペースト状の半田311aを配置する。この半田311aが特許請求の範囲に示す接合材料に相当する。なお、半田311aの構成材料は特に限定されるものではない。また、コネクタ330の準備工程において、例えば端子331をインサート部品としてハウジング332を射出成形する。
【0052】
プリント基板310とコネクタ330の準備が終了すると、端子331の接合部331aが対応するランド311の半田311aに接触する状態でハウジング332とプリント基板310とを位置決め固定する。
【0053】
そして、この位置決め状態で、加熱器400、ガイド410などを備えるリフロー装置にてリフロー工程を実施する。図3に示すように、本実施例のリフロー工程においては、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が均一に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるように、コネクタ330が位置決め固定されたプリント基板310をガイド410に載置する。
【0054】
ガイド410に載置したプリント基板310及びハウジング332は、ガイド410によって矢印方向に搬送される。そして、半田311aに対して加熱器400からの熱を加えて半田311aを加熱溶融し、その後冷却・固化することで、図4(c)に示すように、端子331(接合部331a)と対応するランド311とを、半田311aを介して接合する。この工程が特許請求の範囲に示す接合工程に相当する。
【0055】
このリフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図2(c)と図4(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0056】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(端部領域)においては、各ランド311の幅x12〜x18を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0057】
また、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が均一に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるようにリフローを行う場合、プリント基板310とコネクタ330(ハウジング332)との膨張係数が異なると、プリント基板310及びコネクタ330におけるコネクタ330の長手方向側の端部側におけるランド311と端子331との位置ずれが顕著になる。すなわち、プリント基板310及びコネクタ330の中心のランド311及び端子331から遠ざかるに連れてランド311と端子331との位置ずれが顕著になる。
【0058】
したがって、図2に示すような端部領域においては、各ランド311の幅x12〜x18を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす構造は、ランド311に対して、均一に熱が加えられるような、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるようにリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0059】
なお、本実施形態においては、中央が2つのランド311と2つの端子331であり、端部領域が片側7つずつのランド311と片側7つずつの端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。中央のランド311及び端子331はそれぞれ1つであり、端部領域のランド311及び端子331はそれぞれ複数であってもよい。
【0060】
また、複数のランド311及び複数の端子331を中央領域と端部領域とに区分して、中央領域の複数のランド311の中心線aと中央領域の複数の端子331の中心線bとを略一致させ、端部領域の複数のランド311の中心線aと端部領域の複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18を中心から遠ざかるに連れて徐々に広くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18は、略同一として、中心におけるランド311の幅x11よりも広くするようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、端部領域における各ランド311の幅x12〜x18を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。中央のランド311の中心線aと端子331の中心線bとは略一致させ、端部領域のランド311の中心線aと端子331の中心線bとをずらすようにすれば本発明の目的は達成できるものである。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Vb−Vb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVd−Vd断面図である。図6は、本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIb−VIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0064】
第2実施形態における電子制御装置100は、上述の第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第2実施形態において、上述の第1実施形態と異なる点は端部領域におけるランド311の幅を変更しない点である。
【0065】
図5(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成される複数のランド311は、コネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅が略同一の幅とする。そして、複数のランド311は、中央のランド311間の間隔x21に対して、この中央のランド311を間に挟む端部領域の各ランド311間の間隔x22〜x28が狭くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0066】
すなわち、中央のランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、中央の端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図5(c)に示すように、端部領域においては、端部領域の各ランド311間の間隔x22〜x28を変更することによって、各ランド311の中心線aと、各端子331の中心線bとをずらす。具体的には、端部領域の各端子331の中心線bが端部領域の各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0067】
また、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28は、中央のランド311から遠ざかるに連れて徐々に狭くする。このように、端部領域の各ランド311の幅x22〜x28を徐々に狭くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28を狭くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0068】
端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち端部領域における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図6(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311間の間隔x22〜x28を設定すると好適である。なお、ランド311の長手方向においては、図5(d)に示すように、接合部331aの長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0069】
そして、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310とを位置決め固定し、リフロー処理を行うことによって、図6に示すようにコネクタ330(ハウジング332)をプリント基板310に実装する。なお、図5に示すような端部領域においては、各ランド311間の間隔x22〜x28を変更してランド311の中心線aと端子331の中心線bとをずらす構造は、ランド311に対して、均一に熱が加えられるような、すなわち、各半田311aに対して略同時に加熱器400からの熱が加えられるようなリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0070】
リフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図5(c)と図6(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0071】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(端部領域)においては、各ランド311間の間隔x22〜x28を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0072】
また、各ランド311の幅を変更することなく、各ランド311間の間隔x22〜x28を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、各ランド311間の間隔に余裕ができる。したがって、各ランド間311に配線を通しやすくすることができる。
【0073】
なお、本実施形態においては、中央が2つのランド311と2つの端子331であり、端部領域が片側7つずつのランド311と片側7つずつの端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。中央のランド311及び端子331はそれぞれ1つであり、端部領域のランド311及び端子331はそれぞれ複数であってもよい。この場合、中央のランド311の間隔は、隣のランド311との間隔とする。
【0074】
また、複数のランド311及び複数の端子331を中央領域と端部領域とに区分して、中央領域の複数のランド311の中心線aと中央領域の複数の端子331の中心線bとを略一致させ、端部領域の複数のランド311間の間隔を狭くして中心線aと端部領域の複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態においては、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28を中心から遠ざかるに連れて徐々に狭くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、端部領域における各ランド311間の間隔x22〜x28は、略同一として、中心におけるランド311間の間隔x21よりも狭くするようにしてもよい。
【0076】
(第3実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIIb−VIIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVIId−VIId断面図である。図8は、本発明の第3実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。図9は、本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IXb−IXb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0077】
第3実施形態における電子制御装置100は、上述の第1又は第2実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第3実施形態において、上述の第1又は第2実施形態と異なる点は幅を変更するランド311の位置である。
【0078】
図7(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成されるランド311及び端子331は、一方の端部に位置するランド311及び端子331(以下、第1ランド及び第1端子とも称する。)と、この第1ランド311及び第1端子331の隣のランド311及び端子331(以下、第2ランド及び第2端子とも称する。)から他方の端部に位置するランド311及び端子331(以下、最終ランド及び最終端子とも称する)の間の各ランド311及び各端子331とに区分される。
【0079】
そして、ランド311は、第1ランドにおけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x31に対して、第2ランドと最終ランドとの間の各ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅x32〜x46が広くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0080】
すなわち、第1ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、第1端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図7(c)に示すように、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331の間の各ランド311及び各端子331は、各ランド311の幅x32〜x46を変更することによって、ランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす。具体的には、端部領域の各端子331の中心線bが端部領域の各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0081】
また、第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46は、第1ランド311から遠ざかるに連れて徐々に広くする。このように、第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46を徐々に広くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46を広くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0082】
第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち端部領域における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図9(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311の幅x32〜x46を設定すると好適である。
【0083】
なお、ランド311の長手方向においては、図7(d)に示すように、接合部331a長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0084】
次に、このように構成されるコネクタ330をプリント基板310に実装する実装方法について、図8を用いて説明する。
【0085】
プリント基板310とコネクタ330の準備が終了すると、端子331の接合部331aが対応するランド311の半田311aに接触する状態でコネクタ330とプリント基板310とを位置決め固定する。
【0086】
そして、この位置決め状態で、リフロー工程を実施する。図8に示すように、本実施例のリフロー工程においては、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるように、ハウジング332がガイド410に沿うようにプリント基板310をガイド410に載置する。
【0087】
ガイド410に載置したプリント基板310及びコネクタ330は、ガイド410によって矢印方向に搬送される。そして、半田311aに対して加熱器400からの熱を加えて半田311aを加熱溶融し、その後冷却・固化することで、図9(c)に示すように、端子331(接合部331a)と対応するランド311とを、半田311aを介して接合する。なお、本実施形態におけるリフロー工程では、第1ランド311と第1端子331側から順番で、半田311aが加熱溶融し、その後冷却・固化して、端子331(接合部331a)と対応するランド311とが半田311aを介して接合する。この工程が特許請求の範囲に示す接合工程に相当する。
【0088】
このリフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図7(c)と図9(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0089】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(第2ランド311及び第2端子から最終ランド311及び最終端子331の間)においては、各ランド311の幅x32〜x46を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0090】
また、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにリフローを行う場合、プリント基板310とコネクタ330(ハウジング332)との膨張係数が異なると、先に加熱溶融した半田311aの方から順番に冷却・固化していくため、プリント基板310及びコネクタ330における後の方にリフロー処理されるランド311と端子331(最終ランド311と最終端子)との位置ずれが顕著になる。すなわち、プリント基板310及びコネクタ330の第1ランド311及び第1端子331から遠ざかるに連れてランド311と端子331との位置ずれが顕著になる。
【0091】
したがって、図7に示すような第2ランド311から最終ランド311の間の各ランド311の幅x32〜x46を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらす構造は、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられ、その後冷却・固化するようなリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0092】
なお、本実施形態においては、第1ランド311及び第1端子331が1つずつであり、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331までが15個のランド311及び端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。ランド311と端子331とを先にリフロー処理される第1端部領域と後にリフロー処理される第2端部領域とに区分する。そして、第1端部領域における複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとを略一致させ、第2端部領域における複数のランド311の幅を変更して複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0093】
また、本実施形態においては、第2ランド311から最終ランド311の幅x32〜x46を第1ランド311から遠ざかるに連れて徐々に広くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2ランド311から最終ランド311の幅x32〜x46は、略同一として、第1ランド311の幅x31よりも広くするようにしてもよい。
【0094】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図10は、本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Xb−Xb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はXd−Xd断面図である。図11は、本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)XIb−XIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【0095】
第4実施形態における電子制御装置100は、上述の第1乃至第3実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第4実施形態において、上述の第1乃至第3実施形態と異なる点はランド311の幅を変更しない点である。
【0096】
図10(a)、(b)に示すように、プリント基板310に形成される複数のランド311は、コネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅が略同一の幅とする。そして、複数のランド311は、第1ランド311と第2ランド間の間隔x51に対して、この第2ランド311から最終ランド311の各ランド311間の間隔x52〜x65が狭くなるように形成する。なお、ランド311の上面には、端子331との電気的接続を行うための半田311aが形成されている。
【0097】
すなわち、第1ランド311におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線aと、第1端子331におけるコネクタ330(ハウジング332)の長手方向の幅を二分する中心線bとは略一致させる。一方、図10(c)に示すように、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331においては、各ランド311間の間隔x52〜x65を変更することによって、各ランド311の中心線aと、各端子331の中心線bとをずらす。具体的には、各端子331の中心線bが各ランド311の中心線aに対して外側に配置されるようにする。
【0098】
また、第2ランド311から最終ランド311における各ランド311間の間隔x52〜x65は、中央のランド311から遠ざかるに連れて徐々に狭くする。このように、第2ランド311から最終ランド311における各ランド311の幅x52〜x65を徐々に狭くしていくことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310の膨張によるランド311と端子331との位置ずれを吸収することができる。すなわち、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって第2ランド311から最終ランド311における各ランド311の中心線aと各端子331の中心線bとの位置がずれた場合であっても、第2ランド311から最終ランド311における各ランド311間の間隔x52〜x65を狭くすることによって、ランド311の幅に余裕ができ、端子331がランド311から落ちることを抑制することができる。
【0099】
第2ランド311から最終ランド311における各ランド311間の間隔x52〜x65は、プリント基板310の膨張係数とコネクタ330(ハウジング332)の膨張係数、すなわち第2ランド311から最終ランド311における各ランド311と各端子331とのずれ量を考慮して、端子331がランド311から落ちないように設定する。さらに、端子331とランド311との接合強度を向上させるために、リフロー工程後に図11(c)に示すような接合部331aの両側にサイドフィレットが形成できる程度の余裕が形成できるように各ランド311間の間隔x52〜x65を設定すると好適である。なお、ランド311の長手方向においては、図10(d)に示すように、接合部331aの長さに対するランド311の長さに余裕があるため、端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0100】
そして、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310とを位置決め固定し、リフロー処理を行うことによって、図11に示すようにコネクタ330(ハウジング332)をプリント基板310に実装する。なお、図10に示すような第2ランド311から最終ランド311において各ランド311間の間隔x52〜x65を変更してランド311の中心線aと端子331の中心線bとをずらす構造は、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるような、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられ、その後冷却・固化するようなリフローに適用する場合に好適な構造である。
【0101】
リフロー工程の前後におけるランド311と端子331とを図10(c)と図10(c)とに基づいて比べてみると、リフロー工程の前後において、ランド311の中心線aと端子331の中心線bとの位置関係が変わるだけで、端子331(接合部331a)がランド311から落ちてはいない。
【0102】
このように、端子331とランド311との位置ずれが顕著な領域(第2ランド311及び第2端子から最終ランド311及び最終端子331の間)においては、各ランド311間の間隔x52〜x65を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、コネクタ330(ハウジング332)とプリント基板310との膨張係数が異なり、リフロー時の熱によって端部領域の各端子331と各ランド311との中心線の位置がずれた場合であっても、端子331がランド311から落ちることを抑制し接続信頼性を向上させることができる。
【0103】
また、各ランド311の幅を変更することなく、各ランド311間の間隔x52〜x65を変更してランド311の中心線aと、端子331の中心線bとをずらすことによって、各ランド311間の間隔に余裕ができる。したがって、各ランド間311に配線を通しやすくすることができる。
【0104】
なお、本実施形態においては、第1ランド311及び第1端子331が1つずつであり、第2ランド311及び第2端子331から最終ランド311及び最終端子331までが15個のランド311及び端子331である例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。ランド311と端子331とを先にリフロー処理される第1端部領域と後にリフロー処理される第2端部領域とに区分する。そして、第1端部領域における複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとを略一致させ、第2端部領域における複数のランド311間の間隔を変更して複数のランド311の中心線aと複数の端子331の中心線bとをずらすようにしてもよい。
【0105】
また、本実施形態においては、第2ランド311から最終ランド311の各ランド間の間隔x52〜x65を第1ランド311から遠ざかるに連れて徐々に狭くしていく例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2ランド311から最終ランド311の各ランド間の間隔x52〜x65は、略同一として、第1ランド311と第2ランド311との間隔x51よりも狭くするようにしてもよい。
【0106】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図12は、本発明の第5実施形態における電子制御装置を説明する平面図である。
【0107】
第5実施形態における電子制御装置100は、上述の第1乃至第4実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第5実施形態において、上述の第1乃至第4実施形態と異なる点はコネクタ330に幅の異なる端子を有する点である。
【0108】
コネクタ330は、図12に示すように、例えば、シグナル端子のようなコネクタ330の長手方向における幅が狭い端子(細端子)331とパワー端子のようなコネクタ330の長手方向における幅の狭い端子(太端子)331とを備える。
【0109】
プリント基板310は、コネクタ330のシグナル端子331の幅に応じたコネクタ330の長手方向における幅を有するランド311と、コネクタ330のパワー端子331の幅に応じたコネクタ330の長手方向における幅を有するランド311とを備える。また、ランド311は、シグナル端子331に対応するランド311に比べてパワー端子331に対応するランド311の方が余裕を持たせた幅となっている。すなわち、パワー端子331の幅ptとパワー端子331に対応するランド311の幅plとの差は、シグナル端子331の幅stとシグナル端子331に対応するランド311の幅slとの差よりも広く設定されている。
【0110】
このように、コネクタ330の長手方向における幅が異なる端子331(シグナル端子、パワー端子)を備えるコネクタ330(ハウジング332)をプリント基板310に実装する場合、すなわち、上述のリフロー装置にてリフロー工程を行う場合は、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。
【0111】
複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図12に示すようにシグナル端子331(細端子)側が先に加熱されるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0112】
これは、シグナル端子331に対応するランド311に比べてパワー端子331に対応するランド311の方が余裕があるためである。複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられる場合、先に加熱溶融した半田311aの方から順番に冷却・固化していくので、ランド311と端子331とがずれにくい。したがって、比較的ずれに対する余裕が小さいシグナル端子331とランド311とを先に接合させておくことによって、シグナル端子331をランド311から落ちにくくすることができる。一方、パワー端子331においては、比較的ずれに対する余裕があるため、ランド311と端子331との位置が多少ずれたとしても、パワー端子331がランド311から落ちる可能性は少ない。
【0113】
また、上述のように、ランド311と端子331は、先にリフロー(半田311aを加熱溶融・冷却・固化)した方がずれにくいので、図12に示すように、位置決め印を先にリフローさせるランド311及び端子331(シグナル端子331)の近傍に設けると位置決め印を有効に活用することができるので好ましい。
【0114】
なお、第5実施形態における位置決め印を先にリフローさせるランド311及び端子331の近傍に設ける点に関しては、上記第3又は第4実施形態と組み合わせて実施することも可能である。すなわち、上記第3又は第4実施形態において、プリント基板310とコネクタ330(ハウジング332)とを位置合せするための位置決め印を第1ランド311及び第1端子331の近傍に設けるようにしてもよい。
【0115】
また、本実施形態においては、位置決め印をプリント基板310及びハウジング332の両方に設ける例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。位置決め印は、プリント基板310及びハウジング332の少なくとも一方に設ければよい。例えば、コネクタ端子331の位置よりコネクタ側の仮想的な位置決め点を算出し、プリント基板310の位置決め印との相対ずれを検出することで実現可能となる。
【0116】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図13は、本発明の第6実施形態における電子制御装置を説明する平面図であり、(a)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が略同一である場合であり、(b)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が異なる場合である。
【0117】
第6実施形態における電子制御装置100は、上述の第1乃至第5実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第6実施形態において、上述の第1乃至第5実施形態と異なる点はコネクタ330を複数備える点である。
【0118】
電子制御装置100と外部との組み付け性や電子制御装置100の用途などを考慮する場合、図13(a)、(b)に示すようにコネクタ330を複数に分割する場合がある。大きいコネクタ330bに対応する大きいハウジング332bの長手方向の長さcl2は、小さいコネクタ330aに対応する小さいハウジング332aの長手方向の長さcl1に比べて長い。
【0119】
このように大きいコネクタ330b(ハウジング332b)と小さいコネクタ330a(小さいハウジング332a)をプリント基板310に実装する場合(リフロー工程を行う場合)、大きいコネクタ330b(ハウジング332b)におけるランド311と端子331とのずれ量は、小さいコネクタ330a(小さいハウジング332a)におけるランド311と端子331とのずれ量よりも大きくなる。
【0120】
したがって、図13(a)に示すように、端子331のコネクタ330の長手方向における幅が略同一であるような場合、リフローを実施する際には、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図13(a)に示すように大きいコネクタ330b(ハウジング332b)側の半田311aが先に加熱され、その後冷却・固化するようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0121】
複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられる場合、先に加熱溶融した半田311aの方から順番に冷却・固化していくので、ランド311と端子331とがずれにくい。したがって、図13(a)に示すように、同じ太さの端子331、すなわち、コネクタ330の長手方向における幅が略同一であるような端子331を使用する場合には、大きいコネクタ330b(ハウジング332b)側のランド311と端子331とを先に接合させておくことによって、比較的ずれ量が大きい側の端子331をランド311から落ちにくくすることができる。
【0122】
また、図13(b)に示すように、シグナル端子、パワー端子など複数種類の端子を使用している場合には、プリント基板310(半田311a)の加熱方向としては、以下の2種類が考えられる。しかしながら、いずれの加熱方向においても大きいコネクタ330b側のランド311と端子331とのずれ量が小さくなるようにしている。
【0123】
一方は、図13(b)に示すように、端子331のコネクタ330の長手方向における幅が異なる場合、リフローを実施する際には、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。つまり、上述の第5実施形態で説明したランド311の余裕の少ないシグナル端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)を先に冷却・固化させる考えを適用するものである。
【0124】
そして、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図13(b)における大きいコネクタ330bにおけるコネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331がコネクタ330の長手方向における幅が広い端子331に比べて先に加熱され、その後冷却・固化する方向(方向A)、すなわち、小さいコネクタ330a(ハウジング332a)側の半田311aが先に加熱され、その後冷却・固化するように、コネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0125】
この場合、大きいコネクタ330bにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)が先に冷却・固化させることになるので、ランド311と端子331とのずれ量が比較的小さいため端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0126】
また、小さいコネクタ330aにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)を後に冷却・固化させることになる。しかしながら、小さいコネクタ330aの長手方向の幅は、大きいコネクタ330bの長手方向の幅に比べて狭く、ランド311と端子331とのずれ量が比較的小さいため端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0127】
もう一方は、大きいコネクタ330bを基準にコネクタ330とプリント基板310とを位置決めする場合は、リフローを実施する際には、以下に示すようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置すると好ましい。つまり、コネクタ330(端子331)とプリント基板310(ランド311)との位置精度を大きいコネクタ330bに合わせることで、大きいコネクタ330b側のランド311と端子331とのずれ量を最小限とするものである。
【0128】
そして、複数の半田311aに対して加熱器400からの熱が順番に加えられるように、すなわち、各半田311aに対して時間差を有して加熱器400からの熱が加えられるようにコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。さらに、図13(b)における大きいコネクタ330bにおけるコネクタ330の長手方向における幅が広い端子331がコネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331に比べて先に加熱され、その後冷却・固化する方向(方向B)、すなわち、大きいコネクタ330a(ハウジング332a)側の半田311aが先に加熱され、その後冷却・固化するように、コネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をガイド410に設置する。
【0129】
この場合、大きいコネクタ330bにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)が後に冷却・固化させることになるが、大きいコネクタ330bを基準に位置決めしているため、大きいコネクタ330bとプリント基板310とのずれ量が比較的小さく端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0130】
また、小さいコネクタ330aにおいては、ランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)を先に冷却・固化することになる。したがって、ランド311と端子331とのずれ量が比較的小さいため端子331がランド311から比較的落ちにくくすることができる。
【0131】
また、小さいコネクタ330aを基準にコネクタ330とプリント基板310とを位置合せする場合に関しても方向Aに流すようにしてもよい。また、大きいコネクタ330bにおけるランド311の余裕の少ない端子331(コネクタ330の長手方向における幅が狭い端子331)が外側である場合は、方向Bに流すようにしてもよい。
【0132】
また、リフロー装置が、コネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310を一方向から出し入れするような場合は、方向Bに向かってコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310をリフロー装置に搬入し、方向Aに向かってコネクタ330(ハウジング332)が載置されたプリント基板310を取り出すと好ましい。
【0133】
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。図14は、本発明の変形例における電子制御装置を説明する平面図である。
【0134】
図14に示すように、複数の端子331は、ハウジング332の両側面からプリント基板310に略平行に突出し、下方(プリント基板310側)に折曲されている。そして、折曲された部位の先端領域がプリント基板310と略平行となるように折曲され、プリント基板310に設けられたランド311との接合部331aとして構成されている。このように、端子331がハウジング332の両側面から引き出すような場合であっても、適用することができる。また、変形例に関しても、リフロー方向は、上述の第6実施形態で説明したように、方向A、方向Bの両方とすることができる。
【0135】
なお、上述の実施形態においては、コネクタ330(ハウジング332)の膨張量よりも、プリント基板310の膨張量が大きい場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリント基板310の膨張量よりも、コネクタ330(ハウジング332)の膨張量が大きい場合に関しても適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明における電子制御装置の概略構成を説明するための、組み付け前の状態を示す分解図である。
【図2】本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)IIb−IIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はIId−IId断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IVb−IVb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Vb−Vb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVd−Vd断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIb−VIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図7】本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)VIIb−VIIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はVIId−VIId断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における電子制御装置のリフロー工程を説明する斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)IXb−IXb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図10】本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程前の図であり、(a)は平面図であり、(b)Xb−Xb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図であり、(d)はXd−Xd断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態における電子制御装置を説明するためのリフロー工程後の図であり、(a)は平面図であり、(b)XIb−XIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図12】本発明の第5実施形態における電子制御装置を説明する平面図である。
【図13】本発明の第6実施形態における電子制御装置を説明する平面図であり、(a)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が略同一である場合であり、(b)は端子のコネクタ330の長手方向における幅が異なる場合である。
【図14】本発明の変形例における電子制御装置を説明する平面図である。
【図15】従来技術における電子装置の一つの不具合例を説明するための図面であり、(a)は平面図であり、(b)はXVb−XVb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【図16】従来技術における電子装置の他の不具合例を説明するための図面であり、(a)は平面図であり、(b)はXVIb−XVIb断面図であり、(c)は点先で囲まれたランド及び端子の拡大図である。
【符号の説明】
【0137】
100 電子制御装置、200 筐体、210 ケース、220 カバー、300 回路基板、310 プリント基板、311 ランド、320 電子部品、330 コネクタ、331 端子、331a 接合部、332 ハウジング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち中央の端子及びランドは、当該端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記端部領域におけるランドの幅を前記中央のランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記端部領域における各ランドの幅は、前記中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記端部領域における各ランド間の間隔を狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記端部領域における各ランド間の間隔は、前記中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち中央領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記中央領域を間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項7】
前記端部領域における各ランドの幅を前記中央領域における各ランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記端部領域における各ランドの幅は、前記中央領域から遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記端部領域における各ランド間の間隔を前記中央領域における各ランド間の間隔に比べて狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項10】
前記端部領域における各ランド間の間隔は、前記中央領域から遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項6又は請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち一方の端部に位置する第1端子及び第1ランドは、当該第1端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該第1ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記第1端子及び第1ランドの隣の第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間における各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項12】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランドの幅を前記第1ランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランドの幅は、前記第1ランドから遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランド間の間隔を狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項15】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランド間の間隔は、前記第1ランドから遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項11又は請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記コネクタと前記基板とを位置決めする位置決め印を当該コネクタ及び当該基板の少なくとも一方における前記第1端子及び第1ランドの近傍に設けることを特徴とする請求項11乃至請求項15のいずれかに記載の電子装置。
【請求項17】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち一方の端部側に位置する第1端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記第1端部領域とは反対の端部側に位置する第2端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項18】
前記第2端部領域における各ランドの幅を前記第1端部領域におけるランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記第2端部領域における各ランドの幅は、前記第1端部領域から遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記第2端部領域における各ランド間の間隔を前記第1端部領域における各ランド間の間隔に比べて狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項17に記載の電子装置。
【請求項21】
前記端部領域における各ランド間の間隔は、前記第1端部領域から遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項17又は請求項20に記載の電子装置。
【請求項22】
前記コネクタと前記基板とを位置決めする位置決め印を当該コネクタ及び当該基板の少なくとも一方における前記第1端部領域の近傍に設けることを特徴とする請求項17乃至請求項21のいずれかに記載の電子装置。
【請求項23】
少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、
前記複数の端子がそれぞれ対応する前記ランドの表面に配置された接合材料に接するように、前記コネクタを前記基板に位置決めする位置決め工程と、
前記複数の端子において幅の狭い端子の方から前記接合材料を冷却・固化することによって、前記接合材料を介して前記端子と前記ランドとを接合する接合工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項24】
少なくとも一辺に複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、
前記複数の端子がそれぞれ対応する前記ランドの表面に配置された接合材料に接するように、前記各コネクタを前記基板に位置決めする位置決め工程と、
前記複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタの方から前記接合材料を冷却・固化することによって、前記接合材料を介して前記端子と前記ランドとを接合する接合工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項25】
前記位置決め工程は、前記幅の広いコネクタを基準として前記コネクタと前記基板とを位置決めすることを特徴とする請求項24に記載の電子装置の製造方法。
【請求項26】
少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、
前記複数の端子がそれぞれ対応する前記ランドの表面に配置された接合材料に接するように、前記各コネクタを前記基板に位置決めする位置決め工程と、
前記複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタのうち幅の狭い端子が幅の広い端子より先に前記接合材料が冷却・固化するように、前記接合材料を介して前記端子と前記ランドとを接合する接合工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項27】
前記位置決め工程は、前記コネクタ及び前記基板において、先に前記接合材料が冷却・固化される方を基準に位置決めすることを請求項26に記載の電子装置の製造方法。
【請求項1】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち中央の端子及びランドは、当該端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記中央の端子及びランドを間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記端部領域におけるランドの幅を前記中央のランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記端部領域における各ランドの幅は、前記中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記端部領域における各ランド間の間隔を狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記端部領域における各ランド間の間隔は、前記中央のランドから遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち中央領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記中央領域を間に挟む端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項7】
前記端部領域における各ランドの幅を前記中央領域における各ランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記端部領域における各ランドの幅は、前記中央領域から遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記端部領域における各ランド間の間隔を前記中央領域における各ランド間の間隔に比べて狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項10】
前記端部領域における各ランド間の間隔は、前記中央領域から遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項6又は請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち一方の端部に位置する第1端子及び第1ランドは、当該第1端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該第1ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記第1端子及び第1ランドの隣の第2端子及び第2ランドから他方の端部に位置する最終端子及び最終ランドの間における各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項12】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランドの幅を前記第1ランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランドの幅は、前記第1ランドから遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランド間の間隔を狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項15】
前記第2端子及び第2ランドから前記最終端子及び最終ランドの間における各ランド間の間隔は、前記第1ランドから遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項11又は請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記コネクタと前記基板とを位置決めする位置決め印を当該コネクタ及び当該基板の少なくとも一方における前記第1端子及び第1ランドの近傍に設けることを特徴とする請求項11乃至請求項15のいずれかに記載の電子装置。
【請求項17】
少なくとも一辺に複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置であって、
前記複数の端子及び前記複数のランドのうち一方の端部側に位置する第1端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とを略一致させて配置され、
前記第1端部領域とは反対の端部側に位置する第2端部領域の各端子及び各ランドは、当該各端子における前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線と当該各ランドにおける前記コネクタの長手方向の幅を二分する中心線とをずらして配置されることを特徴とする電子装置。
【請求項18】
前記第2端部領域における各ランドの幅を前記第1端部領域におけるランドの幅に比べて広くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記第2端部領域における各ランドの幅は、前記第1端部領域から遠ざかるに連れて徐々に広くすることを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記第2端部領域における各ランド間の間隔を前記第1端部領域における各ランド間の間隔に比べて狭くすることによって、前記各端子における中心線と前記各ランドにおける中心線とをずらすことを特徴とする請求項17に記載の電子装置。
【請求項21】
前記端部領域における各ランド間の間隔は、前記第1端部領域から遠ざかるに連れて徐々に狭くすることを特徴とする請求項17又は請求項20に記載の電子装置。
【請求項22】
前記コネクタと前記基板とを位置決めする位置決め印を当該コネクタ及び当該基板の少なくとも一方における前記第1端部領域の近傍に設けることを特徴とする請求項17乃至請求項21のいずれかに記載の電子装置。
【請求項23】
少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有する表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、
前記複数の端子がそれぞれ対応する前記ランドの表面に配置された接合材料に接するように、前記コネクタを前記基板に位置決めする位置決め工程と、
前記複数の端子において幅の狭い端子の方から前記接合材料を冷却・固化することによって、前記接合材料を介して前記端子と前記ランドとを接合する接合工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項24】
少なくとも一辺に複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、
前記複数の端子がそれぞれ対応する前記ランドの表面に配置された接合材料に接するように、前記各コネクタを前記基板に位置決めする位置決め工程と、
前記複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタの方から前記接合材料を冷却・固化することによって、前記接合材料を介して前記端子と前記ランドとを接合する接合工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項25】
前記位置決め工程は、前記幅の広いコネクタを基準として前記コネクタと前記基板とを位置決めすることを特徴とする請求項24に記載の電子装置の製造方法。
【請求項26】
少なくとも一辺に幅の異なる複数の端子を有し、長手方向の幅が異なる複数の表面実装型のコネクタを、前記端子に対応して表面に複数のランドが設けられた基板に実装してなる電子装置の製造装置であって、
前記複数の端子がそれぞれ対応する前記ランドの表面に配置された接合材料に接するように、前記各コネクタを前記基板に位置決めする位置決め工程と、
前記複数のコネクタにおいて幅の広いコネクタのうち幅の狭い端子が幅の広い端子より先に前記接合材料が冷却・固化するように、前記接合材料を介して前記端子と前記ランドとを接合する接合工程と、
を備えることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項27】
前記位置決め工程は、前記コネクタ及び前記基板において、先に前記接合材料が冷却・固化される方を基準に位置決めすることを請求項26に記載の電子装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−201282(P2007−201282A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19623(P2006−19623)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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