説明

電子装置

【課題】電子装置の操作性を向上させる。
【解決手段】点灯可能な複数のボタン5を有し、当該ボタンを押下することにより所定の機能を実行する電子装置であり、前記複数のボタン5と関連つけられた音声情報を格納する音声メモリ部と、前記音声メモリに格納された複数の音声情報を再生する音声再生部と、前記音声再生部により上記複数の音声情報を所定の順序に従って再生するとき、上記再生中の音声情報に該当するボタンを点灯又は点滅させる点灯制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能を実行するための操作にて複数のボタンを押下する型式の電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に、事務機器及び家電製品の電子装置では、数多くの機能を備えているが、その機能を実行するためのボタンが数多く設けられている。そのような電子装置では、最近、ユーザによる操作性を高めるために、音声ガイダンス機能を備えたものが普及してきた。
【特許文献1】特開平6−30173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、機能毎に複数のボタンの押下が必要な場合には、そのボタンの名称もかつその配置位置も分かりづらく、どのボタンを順次押せば良いのか判断しづらく、一機能の操作にかなりの時間を要するという問題が出てきた。
【0004】
そこで、本発明は、確実な操作案内による高い操作性を有する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の問題を解決する為に、本発明において、請求項1に記載した本発明に係る電子装置では、点灯可能な複数のボタンを有し、当該ボタンを押下することにより機能を実行する電子装置において、複数のボタンに関する音声情報を当該ボタンと関連つけて格納する音声メモリ部と、音声メモリに格納された複数の音声情報を再生する音声再生部と、音声再生部により上記複数の音声情報を所定の順序に従って再生するとき、上記再生中の音声情報に該当するボタンを点灯又は点滅させる点灯制御部と、を備えて構成される。この構成により、ユーザは、音声及び視覚による操作案内を受けることになり、操作を確実に行うことが可能となる。
【0006】
請求項2に記載した本発明に係る電子装置では、音声メモリ部に格納された音声情報が所定の機能を実現するために一連のボタンの押下を案内する音声ガイダンスに関する音声情報であり、電子装置は、更に複数のボタンを覆う開閉可能なカバー部と、当該カバー開閉を検出する開閉検出部とを有し、当該開閉検出部がカバーの開きを検出したとき、当該カバーにより覆われていたボタンに関する所定の機能の音声案内を開始し、当該音声案内に従って該当するボタンが点灯又は点滅するように構成されている。この構成により、新たに露出したボタンの説明が行われることになり、ユーザは、既に露出していたボタンに加えて、新たに露出したボタンについてガイダンスを受けることとなり、ボタンに関する操作前の知識を知ることができ、操作が容易となる。
【0007】
請求項3に記載した本発明に係る電子装置では、カバーが閉じている状態において、音声再生部は、カバーに覆われていないボタンに関する機能のガイダンスのみを再生するように構成されている。この構成により、ユーザは、複数のボタンのうち、露出しているボタンのみ操作すればいいために極めて操作性が高くなる。
【0008】
請求項4に記載した本発明に係る電子装置では、上記音声情報の再生中であって当該音声情報に該当するボタンが点灯又は点滅中に、点灯制御部が当該ボタンの押下を検出した
とき、音声再生部は、次に続く音声情報の再生を開始するように構成される。この構成により、ユーザは、必要のない音声ガイダンスを聞く必要がなくなり、ユーザにとって操作時間が短縮できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザは、音声と視覚との両方による操作案内を受けることにより、操作性が向上し、かつ操作時間を短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係わる電子装置の実施の形態を、ファクシミリ装置を例に、図面に沿って詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態を説明するためのファクシミリ装置の操作パネル部の概観図である。図1において、1はファクシミリ装置の作動状態等を表示する表示部であり、2は予め登録されている電話番号に自動的に電話を掛ける為のボタン(ワンタッチダイヤルボタン)、3は音声ガイダンスを開始する音声ガイダンスボタン、4は時間設定やユーザの名前等の機能登録を開始するボタン(機能登録ボタン)、5は数字を入力するダイヤルボタン、6はコピー機能を作動させるコピーボタン、7はファックス送信のためのファックスボタン、8は動作停止ボタン(ストップボタン)、9は留守番電話機能を作動させる留守設定ボタン、10は通話の保留やコードレス子機の呼び出しのための呼出しボタン、11はファックス送信やコピー時に原稿の挿入口を示すガイドLED、12は音量設定や機能登録時の詳細選択ボタンである。
【0012】
尚、本ファクシミリ装置の電源投入時、または、音声ガイダンスボタン3がユーザによって押下された場合、音声ガイダンスが開始される。
【0013】
図2は、本実施の形態のファクシミリ装置の機能ブロック図である。
【0014】
図2において、音声データ格納部20は、ファクシミリ装置の各機能を実行するための操作を指示する複数の音声ガイダンスを格納する。当該ガイダンスは、所定の機能を実行するための複数のボタンの操作を操作手順に従って音声により案内指示するものであり、当該案内に沿って押下すべきボタンを指示する。更に、当該ガイダンスに含まれる各音声情報は、押下すべきボタンと関連付けされて格納されている。
【0015】
音声データ変換部21は、音声データ格納部20からの音声ガイダンス(音声情報)を出力可能な音声データに変換し、音声出力部(スピーカ)22から音声として出力する。ユーザにより音声ガイダンスボタン3が操作されると、ボタン操作検出部26がその押下を検出し、当該検出が通知された制御部(CPU)23は、音声ガイダンスを開始するように制御する。
【0016】
当該制御部23は、その音声ガイダンスの作動開始に同期して、ボタン点灯制御部24に各音声情報と関連する各操作ボタンの点滅又は点灯を順次実行させる。
【0017】
更に、音声ガイダンスボタン3の他に、カバー部13が開いたことによっても音声ガイダンスが開始される。すなわち、使用者が操作パネル部を覆うカバー部13が開いて操作パネル部全体を露出させた状態になった時、その事を検知したカバー開閉検出部の検知信号が制御部23に通知され、それに従って制御部23は音声ガイダンスを開始する(図3、図4参照)。制御部23が音声ガイダンスを開始すると、所定の音声ガイダンス、即ち、カバー部13に覆われていた複数のボタンに関する機能を実行するための音声ガイダン
スが自動的に作動するように制御する。
【0018】
尚、このカバー開閉検出部がカバー部13が閉じていることを検出しているときには、カバー部により覆われていない各ボタンに関する音声ガイダンスのみが出力される。よって、本実施の形態では、電話による通話機能に関する音声ガイダンスのみが出力される。
【0019】
また、原稿挿入検出部25は、ユーザにより原稿挿入部(後述)に原稿が装置上の所定の位置に挿入設定されたことを検出する。
【0020】
更に、電源投入検出部28は、電源が投入されたことを検知し、制御部23にその検知を通知すると、制御部23は、所定の音声ガイダンスを出力させる。
【0021】
次に、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の動作を図面に沿って説明する。
【0022】
図5において、ユーザが電源を投入し、当該投入を電源投入検知部が検知したとき又は音声ガイダンスボタン3が押下されたことをボタン操作検出部26が検出したときには、以下のような動作を開始する。
【0023】
先ず、ステップS1にて、音声ガイダンスとして『コピーをする場合は、コピーボタンを押してください。』が出力部22から音声として出力される。同時に、制御部23は、ボタン点灯制御部24にコピーに関連するボタンであるコピーボタン6が点灯又は点滅するように制御させる。
【0024】
ステップS2にて、コピー操作ボタンが操作されたか否かを検出し、操作されれば、コピー操作に関する音声案内(ガイダンス)を開始する(ステップS3)。
また、当該操作がなされず、一定時間経過後には(ステップS4)、次の音声ガイダンスに移行する。
ステップS5にて、音声ガイダンスとして『ファックスを送る場合は、ファックスボタンを押して下さい。』が出力部22から音声として出力される。制御部23は、ボタン点灯制御部24にファックス送信に関連するボタンであるファックスボタン7が点灯又は点滅するように制御させる。
【0025】
ステップS6にて、ファックスボタン7が操作されると、ファックス通信機能のための音声ガイダンスが作動する(ステップS7)。
【0026】
また、当該操作がなされず、一定時間経過後には(ステップS8)、次の機能作動のための音声ガイダンス(ステップS9)に移行する。例えば、ワンタッチボタン2、機能登録ボタン4、留守設定ボタン9と、順次各機能の音声ガイダンスが出力され、同時に機能作動のために必要な操作ボタンが点灯又は点滅する。
【0027】
更に、あるボタンが点灯中に、ユーザがそのボタンを押下すると、その押下をボタン操作検出部24が検出し、制御部23は、出力中の音声ガイダンスを中止させ、次の音声ガイダンスに切り替える。
【0028】
尚、各ボタンの点灯等と伴に、LCD1等の表示部にも文字による説明が出れば、ユーザの認知を向上させる事ができる事は容易に想像できる。
【0029】
次に、図5のステップS7にて、ファックス通信音声案内が開始されたときの本装置の動作について図6に沿って説明する。
【0030】
図6において、ステップS11にて、ファックス通信機能のための音声ガイダンス『ファックスを送る場合は、送る面を下向きにして、ピットなるまで原稿を入れて下さい。』が開始されて、原稿挿入口ガイドボタン(LED)11が点灯又は点滅する。
ステップS12にて、当該ボタンの点灯又は点滅開始から所定の時間内に、ユーザが原稿をファクシミリ装置の所定の位置にセットしたことを原稿挿入検出部25により検出した場合、その検出結果が制御部(CPU)23に送られると、制御部23は、原稿を正規の位置まで自動的に引き込む(ステップS13)。
【0031】
また、ステップS12にて、上記所定の時間内に上記検出がなされなかった場合、そのファックス送信のための音声ガイダンスを終了する(ステップS14)。
【0032】
ステップS15では、音声ガイダンスとして、『送る相手の電話番号を入力し、最後にファックスボタンを押してください。』が出力され、同時に、ダイヤルボタン57が点灯又は点滅する。
【0033】
ステップS16にて、上記ダイヤルボタンの点灯から所定の時間内にユーザによるダイヤルボタンの操作があった否か検知して、当該検知があれば、ステップS17にて、ダイヤルボタンが消灯し、操作されたダイヤルボタンを音声にて読み上げる。当該機能については周知のため説明を省略する。
【0034】
また、ステップS16にて、当該検知がなければ、誤操作としてファックス送信案内を中止する(ステップS25)。
【0035】
ステップS17にて、押下されたダイヤルボタンの読み上げが終了すると、ステップS18にて、音声ガイダンスの『ファックスを送信します。』が出力され、ファックスボタンが点灯又は点滅し、ファックス送信のためのモードに移行する。
【0036】
ステップS19にて、ファックスボタンの点灯又は点滅から所定の時間内にユーザによるファックスボタンの操作があった場合、ファックスボタンは消灯し(ステップS20)、ファックスの送信動作が開始される(ステップS21)。また、ステップS19にて、上記操作がなかった場合、ステップS25に移行する。
【0037】
ステップS21にて、ファクシミリ装置は、入力された電話番号に自動的に電話をして、所定の手続きに従って相手先のファクシミリ装置にデータ転送を行う。ファックス送信の可否に従って下述の状態へ移行する。
【0038】
ステップS22にて、正常にファックス送信が終了した場合、音声ガイダンスは『ファックスを送信しました。』と出力される(ステップS23)。
【0039】
一方、ステップS22にて、ファックス送信が、何らかの理由でエラーとなった場合、音声ガイダンスは『ファックスを送信できませんでした。』と出力し、ファックスボタンが所定時間点灯し、その後消燈する(ステップS26)。
【0040】
本ファクシミリ装置は電話機能を有し、ユーザは、通常電話機能を使用する操作については、十分な知識を持っているが、コピー、ファックス送信等の頻繁に使用しない操作についての知識は少ない。そこで、本ファクシミリ装置では、コピーボタン6やファックスボタン7を覆っているカバー部13が開かれたことを開閉検出部27が検知した場合(または音声ガイダンスボタン3が押された場合)には、検出部17は、その検出結果を制御部23に送信し、制御部23は、コピー、ファックス送信機能の音声ガイダンスを開始する(図4(a)から(b))。音声ガイダンスの内容及びその手順については、図5及び
図6に示す内容と同一である。
【0041】
上述した音声ガイダンスの音声については、予め録音しておいたものであっても、機械的に合成した音声であっても、その効果についての差は無く、内部構成を一部変更する事により対応が可能となる。
【0042】
なお、上述したボタンの点灯点滅についても、ボタンそのものが点灯点滅しなくても、ユーザに操作ボタンと連動していることが容易に理解できる位置にボタンとLED等の照明装置を配置することで、ボタンそのものが点灯点滅するのと同様の効果が期待できる。
【0043】
その概要を、図7に示す。図7は、操作ボタンそのものが、点灯/点滅するのでなく、操作ボタンに連動したLED等の照明装置を配置した場合の操作部の概要である。
【0044】
この様にする事により、ボタン自体が点灯点滅する必要が無く。ボタン自体を点灯点滅させる為に半透明にする等の必要が無くなり安価に実現する事が期待できる。
また、上述の説明では、装置そのものにボタンと音声ガイダンスの送出部が同一に存在する状態で説明を行ってきたが、ビデオやテレビのリモコン等では、その操作はリモコンで行うが、実際の機能は離れた場所にある各種装置が行う場合がある。
【0045】
リモコンとビデオやテレビ等の間で、無線/有線で、相互にデータ交換を行う事で、リモコンで設定した内容が、ビデオやテレビの機能として実現されている。このような場合にも、リモコンのボタンが点灯/点滅する事とビデオやテレビ上に、設定に関する音声ガイダンスを同期して発生させる事により、操作ボタンと音声ガイダンスの送出部が同一に存在した場合と同様の効果が得られる。
【0046】
以上、本実施の形態では、説明してきたとおりに、操作部のボタンがLED等の照明装置によっての点灯、点滅と音声ガイダンスの連動により、ユーザの目的とする機能の実現に誘導する事により、ユーザが、取り扱い説明書等を熟読しなくても、目的とする機能を容易に実現する事が可能となると伴に、誤操作による誤設定を防止する事ができ、各種電子装置を快適に使用する事ができる。
【0047】
(実施の形態2)
図8は、本発明の他の実施の形態におけるファクシミリ装置の外観図である。図8において、図8(a)はカバー部30を閉じた状態、図8(b)はカバー部30を開いて操作パネル部全体を露出させた状態を示す。31はファクシミリ装置の作動状態等を表示する表示部であり、34は時間設定やユーザの名前等の機能登録を開始するボタン(機能登録ボタン)、35は数字を入力するダイヤルボタンである。36はコピー機能を作動させるコピーボタン、37はファックス送信のためのファックスボタンである。38は動作停止ボタン(ストップボタン)、39は留守番電話機能を作動させる留守設定ボタンである。
【0048】
41は原稿挿入口付近に設けられ、ファックス送信やコピー時にユーザーに原稿の挿入口の位置を示すためのガイドLEDである。42は音量設定や機能登録時、及び電話帳の読み出し/追記等を行うための詳細選択ボタンである。43は原稿を挿入するための原稿挿入口である。
【0049】
44はカバー開閉検出の為のスイッチボタン、45はカバー部30の裏面のスイッチボタン44と対向する位置に突設されたリブである。カバー部30を完全に閉じたときにリブ45がスイッチボタン44を押し、カバー開状態を示す検知信号が制御部23に通知される。またカバー部30が開いたときにリブ45がスイッチボタン44から離れ、カバー開状態を示す検知信号が制御部23に通知される。
【0050】
46はカバー部30を閉じたときに表示部31を露出させるためにカバー部30に設けられた表示部窓、47はカバー部30を閉じたときにダイヤルボタン35を露出させるためにカバー部30に設けられたダイヤルボタン窓、48はカバー部30を閉じたときに留守設定ボタン39を露出させるためにカバー部30に設けられた留守ボタン窓である。図8(a)に示すようにカバー部30を閉じた状態では、これらの窓により表示部31とダイヤルボタン35と留守設定ボタン39のみが露出し、他のボタンはカバー部30に隠された状態となる。また図8(b)に示すようにカバー部30を開くことにより、全ボタン類が露出する。
【0051】
なお、本実施の形態のファクシミリ装置のハード構成については、図2に示す機能ブロック図の構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0052】
次に、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の動作を図面に沿って説明する。図8(a)に示す状態からユーザーが操作パネル部を覆うカバー部30を開いて図8(b)に示す状態になると、リブ45がスイッチボタン44から離れ、カバー開状態を示す検知信号が制御部23に通知される。図10において、カバー開状態を示す検知信号が制御部23に通知されると、該検知信号に従ってタイマを起動させ(ステップS1)、該タイマの計時が所定時間(例えば2秒程度)を経過してから(ステップS2)、自動的に音声ガイダンスの機能を作動させる。
【0053】
ステップS3にて、音声ガイダンスとして『コピーをする場合は、コピーボタンを押してください。ファックスを送る場合は、ファックスボタンを押して下さい。』が出力部22から音声として出力される(ステップS3)。同時に、制御部23は、ボタン点灯制御部24にコピーボタン36に内蔵されたLED、ファックスボタン37に内蔵されたLEDを共に点滅させるように制御する。
【0054】
なお、カバー部30が開いて前記タイマの計時が前記所定時間(例えば2秒程度)を経過する前に他の操作がなされると(ステップS4)、コピーやファックス以外の動作であると判断して、音声ガイダンスは作動させず、操作に従って他の動作を開始する。また、何の操作もなされないまま一定時間が経過すると、動作を終了する旨の音声ガイダンスを出す。
【0055】
ステップS5にて、コピーボタン36が操作された事が検出されればコピー操作のための音声案内が開始され(ステップS6)、ステップS7にてファックスボタン37が操作された事が検出されればファックス送信に関する音声案内が開始される(ステップS8)。
【0056】
また、コピーボタン36が操作された事が検出されれば(ステップS5)、コピーに関連するボタンであるコピーボタン36のみ点灯し続け、他方すなわちファックスボタン37は消灯する。またファックスボタン37ボタンが操作された事が検出されれば(ステップS7)、ファックス送信に関連するボタンであるファックスボタン37のみ点灯し続け、他方すなわちコピー操作ボタン36は消灯する。
【0057】
なお、ステップS3で、コピーボタン,ファックスボタンが点滅を開始し、その後所定期間何れのボタン操作もなされない場合(ステップS9)、再度各機能の音声ガイダンス『コピーをする場合はコピーボタンを〜、ファックスを送る場合はファックスボタンを〜』を繰り返す(ステップS10)。
【0058】
以下、ファックス送信に関する音声案内について説明する。ファックスボタン37の操
作によって最初の原稿読み取りのステップに移行し、音声ガイダンス『原稿は、送る面を下向きにして、ピットなるまで原稿を入れて下さい。』が開始され、同時にガイドLED41を点滅させる(ステップS11)。ユーザはガイドLED41の付近にある原稿挿入口43に原稿50を挿入する。図9は原稿50を挿入した状態を示す。
【0059】
ステップS12にて、当該ボタンの点灯開始から所定の時間内に、ユーザが原稿50をファクシミリ装置の所定の位置にセットしたことを原稿挿入検出部25により検出した場合、制御部23は原稿50を正規の位置まで自動的に引き込む(ステップS13)。なお、所定の時間内に原稿挿入が検出できない場合は誤操作と見なして音声ガイダンスを終了する(ステップS14)。
【0060】
原稿50が正規の位置まで引き込まれると、次の送信相手電話番号の入力を促す音声ガイダンスとして『送る相手の電話番号を入力し、最後にファックスボタンを押してください。』を出力する(ステップS15)。同時にダイヤルボタン35に内蔵されたLEDを点滅させる。
【0061】
上記ダイヤルボタンの点滅開始から所定の時間内にユーザによるダイヤルボタンの操作を検知すると(ステップS16)、該ダイヤルボタンを点滅から連続点灯に切り換え、さらにファックスボタン37の点滅を開始する。またユーザによって操作されたダイヤルボタンを音声にて読み上げる(ステップS17)。所定期間ダイヤルボタンの操作がなされない場合、またはファックスボタンの操作がなされない場合、再度前記入力を促す音声ガイダンスを出す(ステップS25)。
【0062】
ここでユーザが点滅状態のファックスボタン37を押下すると、ファックスボタンを消灯し、音声ガイダンス『ファックスを送信します。』を出力する(ステップS20)。その後、ファックスの送信動作が開始される(ステップS21)。すなわち、ファクシミリ装置は入力された電話番号に自動的に発信をかけ、所定の手続きに従って相手先のファクシミリ装置にデータ転送を行う。
【0063】
ステップS22にて、正常にファックス送信が終了した場合、音声ガイダンスは『ファックスを送信しました。』と出力される(ステップ23)。一方、ファックス送信が、何らかの理由でエラーとなった場合、音声ガイダンスは『ファックスを送信できませんでした。』を出力し、再度ファックスボタンの点滅を所定時間だけ行う(ステップ26)。
【0064】
なお、ファックスボタン37が操作された時点で、すでに原稿が挿入済であって原稿挿入検出部25が原稿を検出しておれば、原稿読み取りのステップ(ステップS11,S12,S13)をパスし、直ぐにステップS15に移行し、送信相手電話番号の入力を促す音声ガイダンスを出力する。
【0065】
以下、コピーに関する音声案内について説明する。コピーボタン36の操作によって最初の原稿読み取りのステップに移行し、音声ガイダンス『原稿のコピーする面を下向きにして、ピットなるまで原稿を入れて下さい。』が開始され、同時にガイドLED41を点滅させる(ステップS31)。
【0066】
ステップS32にて、当該ボタンの点灯開始から所定の時間内に、ユーザが原稿をファクシミリ装置の所定の位置にセットしたことを原稿挿入検出部25により検出した場合、制御部23は原稿を正規の位置まで自動的に引き込む(ステップS33)。
【0067】
原稿が正規の位置まで引き込まれると、次の操作を促す音声ガイダンスとして『コピーボタンを押してください。』を出力し、同時にコピーボタン36を点滅させる(ステップ
S34)。
【0068】
所定時間内にユーザによるコピーボタン36の操作を検知すると(ステップS35)、該コピーボタンを点滅から連続点灯に切り換え(ステップS36)、音声ガイダンス『コピーを開始します。』を出力する(ステップS37)。その後、コピー動作が開始される(ステップS38)。
【0069】
ステップS39にて、正常にコピー動作が終了した場合、音声ガイダンス『コピーが終了しました。』と出力される(ステップS40)。一方、コピー動作が何らかの理由でエラーとなった場合、音声ガイダンスは『正常にコピーできませんでした。』を出力し(ステップS41)、待機状態へ移行する。なお、ステップS32において所定の時間内に原稿挿入が検出できない場合は誤操作と見なして音声ガイダンスを終了する(ステップS42)。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、ファクシミリ装置に限定されず、操作パネルに複数の操作ボタンを有する電子装置に適応される技術であり、ユーザの操作性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明における電子装置の実施の形態1としてのファクシミリ装置の操作部を示す概念図
【図2】同ファクシミリ装置の機能構成を示すブロック図
【図3】同ファクシミリ装置のカバーを閉じた場合の操作部の概念図
【図4】(a)同ファクシミリ装置のカバーを閉じた場合の操作部の概観斜視図、(b)同ファクシミリ装置のカバーを開いた場合の操作部の概観斜視図
【図5】同ファクシミリ装置にて主動作の流れを示したフローチャート
【図6】同ファクシミリ装置にてファックス送信動作の流れを示したフローチャート
【図7】同ファクシミリ装置にて操作ボタンに連動した位置にLED等の照明装置を配置した場合の概念図
【図8】(a)本発明における電子装置の実施の形態2としてのファクシミリ装置のカバーを閉じた場合の操作部の概観斜視図、(b)同ファクシミリ装置のカバーを開いた場合の操作部の概観斜視図
【図9】同ファクシミリ装置のカバーを開き原稿を挿入した状態を示す斜視図
【図10】同ファクシミリ装置にて主動作の流れを示したフローチャート
【図11】同ファクシミリ装置にてファックス送信動作の流れを示したフローチャート
【図12】同ファクシミリ装置にてコピー動作の流れを示したフローチャート
【符号の説明】
【0072】
1 表示部
2 ボタン(ワンタッチダイヤルボタン)
3 音声ガイダンスボタン
4 機能登録ボタン
5 ダイヤルボタン
6 コピーボタン
7 ファックスボタン
8 動作停止ボタン(ストップボタン)
9 留守設定ボタン
10 呼出しボタン
11 ガイドLED
12 選択ボタン
20 音声データ格納部
21 音声データ変換部
22 音声出力部(スピーカ)
23 制御部
24 ボタン点灯制御部
25 原稿挿入検出部
26 ボタン操作検出部
27 カバー開閉検出部
28 電源投入検出部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯可能な複数のボタンを有し、当該ボタンを押下することにより所定の機能を実行する電子装置において、
前記複数のボタンと関連つけられた音声情報を格納する音声メモリ部と、
前記音声メモリに格納された複数の音声情報を再生する音声再生部と、
前記音声再生部により上記複数の音声情報を所定の順序に従って再生するとき、上記再生中の音声情報に該当するボタンを点灯又は点滅させる点灯制御部と、を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記音声メモリ部に格納された音声情報が所定の機能を実現するために一連のボタンの押下を案内する音声ガイダンスに関する音声情報であり、
前記電子装置は、更に前記複数のボタンを覆う開閉可能なカバー部と、当該カバー開閉を検出する開閉検出部とを有し、当該開閉検出部が前記カバーの開きを検出したとき、当該カバーにより覆われていたボタンに関する所定の機能の音声案内を開始し、当該音声案内に従って該当するボタンが点灯又は点滅することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記カバーが閉じている状態において、前記音声再生部は、前記カバーに覆われていないボタンに関する機能のガイダンスのみを再生することを特徴とする請求項2記載の電子装置。
【請求項4】
上記音声情報の再生中であって当該音声情報に該当するボタンが点灯又は点滅中に、前記点灯制御部が当該ボタンの押下を検出したとき、前記音声再生部は、次に続く音声情報の再生を開始することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−134287(P2006−134287A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52833(P2005−52833)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】