説明

電子部品の実装装置及び実装方法

【課題】この発明は基板に仮圧着されたTCPを能率よく本圧着することができる実装装置を提供することにある。
【解決手段】2つの側辺部にTCPが仮圧着された基板が供給載置される供給テーブル65Aと、待機位置と本圧着位置との間で駆動可能に設けられ待機位置では供給テーブルの横方向に一列で待機する第1の本圧着テーブル76及び第2の本圧着テーブル77と、本圧着位置に設けられ基板の2つの側辺部に仮圧着されたTCPを同時に本圧着する本圧着部78,79と、第1、第2の本圧着テーブルとともに横一列で配置されTCPが本圧着された基板が排出載置される排出テーブル65Bと、供給テーブルの基板を上方から取り出して待機位置の第1、第2の本圧着テーブルに交互に供給載置するとともに、本圧着位置から待機位置に後退した第1の本圧着テーブル或いは第2の本圧着テーブルの基板を上方から取り出して排出テーブルに供給載置する第3の吸着ユニットを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はたとえば基板としての液晶表示パネルに仮圧着された電子部品としてのTCP(Tape Carrier Package)を本圧着する電子部品の実装装置及び実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板としての液晶表示パネルを製造する場合、その液晶表示パネルに電子部品としてのTCPを実装装置によって仮圧着してから本圧着する、つまり実装するということが行われる。上記実装装置は装置本体を有する。この装置本体内にはキヤリアテープから上記TCPを打ち抜く打ち抜き装置が設けられている。打ち抜き装置によって打ち抜かれたTCPは受け渡し手段を構成する受け体によって受け取られる。
【0003】
上記受け体は打ち抜かれたTCPを所定の位置まで搬送し、その位置で所定角度ずつ間欠的に回転駆動されるインデックステーブルに設けられた複数の保持ヘッドに受け渡す。保持ヘッドは上下方向に駆動可能に設けられている。
【0004】
インデックステーブルの保持ヘッドに受け渡されたTCPは、このインデックステーブルの間欠回転に応じて上記TCPの端子部を回転ブラシでクリーニングした後、実装位置に位置決めされる。その実装位置にはTCPが実装される基板がテーブル装置によって位置決めされて待機している。
【0005】
そして、インデックステーブルの間欠回転によってTCPを保持した上記保持ヘッドが実装位置に位置決めされると、その保持ヘッドは下方向に駆動される。それによって、保持ヘッドに保持された上記TCPが液晶表示パネルの側辺部に実装されるようになっている。
【0006】
従来は、液晶表示パネルの側辺部の全長にわたって異方性導電部材からなる粘着テープを貼着し、そこに上記TCPを所定間隔で実装するようにしていた。しかしながら、液晶表示パネルの側辺部の全長にわたって粘着テープを貼着したのでは、粘着テープのTCPが実装されない部分が無駄となったり、TCPが実装されていない部分に塵埃が付着するので好ましくないなどのことがある。
【0007】
そこで、最近ではインデックステーブルの保持ヘッドに保持されたTCPの端子部を回転ブラシでクリーニングしたならば、その端子部に貼着装置によってTCPの端子部とほぼ同じ長さに切断された粘着テープを貼着する。
【0008】
そして、粘着テープが貼着されたTCPを上記保持ヘッドから実装ヘッドに受け渡し、この実装ヘッドを液晶表示パネルの側辺部の上方に位置決めしてから下降させることで、実装ヘッドに保持された上記TCPを液晶表示パネルの側辺部に実装するということが行われている。
【0009】
装置本体内には、上記打ち抜き装置と上記インデックステーブルとの配置方向と交差する方向に沿ってガイドレールが配置され、このガイドレールにはテーブルが移動可能に設けられている。
【0010】
上記テーブルは上記ガイドレールに沿ってTCPが仮圧着されていない液晶表示パネルが供給される供給位置、基板にTCPを仮圧着する仮圧着位置、及びTCPが仮圧着された液晶表示パネルを排出する排出位置とで位置決めされるようになっている。つまり、1つのテーブルを用いて基板に対するTCPの仮圧着を行うようになっている。
【0011】
そして、液晶表示パネルに仮圧着されたTCPは、さらに熱と圧力を加えることで、上記粘着テープを溶融硬化させて本圧着するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−080874号公報
【特許文献2】特開2007−201375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、矩形状の液晶表示パネルには長辺となる一辺だけでなく、長辺に隣接する短辺にもTCPが仮圧着される。
【0014】
しかしながら、従来では液晶表示パネルの2つの辺に仮圧着されたTCPを同時に本圧着することで、生産性を向上させるということがなかった。
【0015】
仮に、液晶表示パネルの2つの辺に仮圧着されたTCPを同時に本圧着するようにしても、単に液晶表示パネルのTCPが仮圧着された2つの辺を同時に加圧加熱するようにするだけでは、本圧着時に用いられる液晶表示パネルが載置される本圧着テーブルに対する液晶表示パネルの供給や排出を能率よく行ない、本圧着工程の全体にわたって総合的に生産性を向上させるということができない。
【0016】
この発明は、基板の2つの辺に仮圧着された電子部品を同時に本圧着するとともに、2つの本圧着テーブルを用いて本圧着前の基板の供給や本圧着後の基板の排出等を総合的に能率よく行なえるようにした電子部品の実装装置及び実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、矩形状の基板の長辺と短辺との2つの側辺部に仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装装置であって、
2つの側辺部に電子部品が仮圧着された上記基板が供給載置される供給テーブルと、
待機位置と本圧着位置との間で駆動可能に設けられ待機位置では上記供給テーブルの横方向に一列で待機する第1の本圧着テーブル及び第2の本圧着テーブルと、
上記本圧着位置に設けられ上記基板の2つの側辺部に仮圧着された電子部品を同時に本圧着する本圧着部と、
第1の本圧着テーブル及び第2の本圧着テーブルとともに横一列で配置され上記本圧着部で電子部品が本圧着された基板が排出されて載置される排出テーブルと、
上記供給テーブルに載置された基板を上方から取り出して上記待機位置で待機する第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルに対して交互に供給載置するとともに、上記本圧着部で上記電子部品が本圧着されて上記本圧着位置から上記待機位置に後退した上記第1の本圧着テーブル或いは上記第2の本圧着テーブルの基板を上方から取り出して上記排出テーブルに供給載置する搬送手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置にある。
【0018】
上記搬送手段は、上記基板の上面を吸着保持する構成であって、上記待機位置で横方向に一列で待機した上記第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルの上方に沿って駆動可能に設けられていることが好ましい。
【0019】
上記本圧着部は、上記基板の2つの辺のうちの一方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第1の本圧着部と、他方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第2の本圧着部を有し、
上記第1の本圧着部と第2の本圧着部は、90度の角度をなすとともに、上記待機位置で待機する上記第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルとがなす横方向の直線に対して90度の角度をなした状態で所定の角度で傾斜して配置されていることが好ましい。
【0020】
上記本圧着部は、上記基板の2つの辺のうちの一方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第1の本圧着部と、他方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第2の本圧着部を有し、
上記第1の本圧着部と第2の本圧着部は、それぞれが上記基板の2つの辺のうちの長辺に仮圧着された電子部品を本圧着することができる長さに設定されていることが好ましい。
【0021】
上記第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルは、これら本圧着テーブルが上記待機位置で待機しているときの上記横方向の直線に対して90度の角度をなした状態で所定の角度で傾斜して配置された上記第1の本圧着部と第2の本圧着部に対し、上記本圧着位置で各本圧着テーブルに載置された基板の2つの辺がそれぞれ平行に対向するよう水平方向及び回転方向に駆動可能となっていることが好ましい。
【0022】
この発明は、矩形状の基板の側辺部に仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装方法であって、
上記基板が供給される待機位置と、供給された基板に仮圧着されたら電子部品を本圧着する本圧着位置との間で駆動可能に設けられた第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルを有し、
上記第1の本圧着テーブル或いは第2の本圧着テーブルのいずれか一方を上記待機位置に位置決めし待機させ、この一方の本圧着テーブルに電子部品が仮圧着された基板を供給している間に、上記待機位置で基板が既に供給載置された他方の本圧着テーブルを上記本圧着位置に位置決めして上記基板に仮圧着された電子部品を本圧着すること
を特徴とする電子部品の実装方法にある。
【0023】
上記基板には長辺及びこの長辺と隣り合う短辺との2つの側辺部に電子部品が仮圧着されていて、上記本圧着位置では上記基板の2つの側辺部に仮圧着された電子部品を同時に本圧着することが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルを有し、一方の本圧着テーブルに供給載置された基板の2つの辺に仮圧着された電子部品を同時に本圧着している間に、他方の本圧着テーブルに対して電子部品が仮圧着された新たな基板を供給することが可能となる。
【0025】
そのため、本圧着テーブルに基板を供給載置して電子部品を本圧着してから排出するまでに要するタクトタイムを短縮して生産性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す実装装置の概略的構成図。
【図2】第1の仮圧着ユニットの平面図。
【図3】第1の仮圧着ユニットの側面図。
【図4】TCPをインデックステーブルから実装ヘッドにTCPを受け渡す部分の側面図。
【図5】第2の仮圧着ユニットの一部を示す平面図。
【図6】基板を供給テーブルから排出テーブルへ搬送するときの吸着ユニットの動きを示す説明図。
【図7】本圧着ユニットの平面図。
【図8】本圧着ユニットの本圧着部を示す側面図。
【図9】この発明の第2の実施の形態を示す第1の仮圧着ユニットの第1の仮圧着テーブルと第2の仮圧テーブルの動きを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1乃至図8はこの発明の第1の実施の形態を示す。図1は実装装置の概略的構成を示す図であって、この実装装置は一列に並んで配置された第1の仮圧着ユニット101、第2の仮圧着ユニット102及び本圧着ユニット103を有する。
【0028】
図2は上記第1の仮圧着ユニット101の内部構造を示す平面図、図3は同じく側面図である。図2と図3に示すように、上記実装装置はクリーンルームに設置される箱型状の装置本体1を備えている。この装置本体1の前後方向後端側の幅方向中央部には後方へ突出した突出部2が形成されていて、この突出部2にはキヤリアテープ3から電子部品としてのTCP4を打ち抜くための第1の打ち抜き装置5Aと第2の打ち抜き装置5Bが装置本体1の幅方向の中心線O(図1に示す)に対して左右に対称に配置されている。
【0029】
上記第1の打ち抜き装置5Aと第2の打ち抜き装置5Bは一緒に稼動され、一方の打ち抜き装置5A又は5Bによって打ち抜かれたTCP4は一対の第1の受け渡し手段6A、6Bによって受け取られる。
【0030】
すなわち、第1の打ち抜き装置5AによってTCP4を打ち抜いているときも第2の打ち抜き装置5Bは稼動している。それによって、キヤリアテープ3から打ち抜かれたTCP4は一対の第1の受け渡し手段6A,6Bに供給されるようになっている。
【0031】
上記第1、第2の打抜き装置5A,5Bは、図3に示すように下面にポンチ11aが設けられた上金型11と、上記ポンチ11aが入り込む貫通孔12aが上下方向に貫通して形成された下金型12を備えている。上記上金型11は駆動源13によって矢印で示す上下方向(Z方向)に駆動されるようになっている。
【0032】
上記キヤリアテープ3は供給リール14から繰り出され、複数のガイドローラ15によって方向変換され、一部が上記下金型12の上面に沿って平行に走行するようガイドされて巻き取りリール16に巻き取られるようになっている。
【0033】
なお、供給リール14にはキヤリアテープ3を保護する保護テープ17がキヤリアテープ3と重ねて巻装されている。上記供給リール14からキヤリアテープ3とともに繰り出された保護テープ17とキヤリアテープ3に分離され、上記打抜き装置5A,5BによってTCP4が打抜かれたキヤリアテープ3と一緒に上記巻き取りリール16に巻き取られるようになっている。
【0034】
一方の上記第1の受け渡し手段6Aが受けたTCP4は第1のインデックス手段18Aまで搬送され、この第1のインデックス手段18Aに設けられた保持ヘッド19に受け取られる。
【0035】
他方の第1の受け渡し手段6Bが受けたTCP4は第2のインデックス手段18Bまで搬送され、この第2のインデックス手段18Bに設けられた保持ヘッド19に受け取られる。
【0036】
上記第1、第2のインデックス手段18A,18Bは、図3に示すように第1のθ駆動源21によって周方向に90度間隔で間欠的に回転駆動されるインデックステーブル22を有する。各インデックステーブル22の下面には周方向に90度間隔で上記保持ヘッド19が設けられている。
【0037】
それによって、上記一対の第1の受け渡し手段6A,6Bによって搬送されたTCP4は各インデックス手段18A,18Bの保持ヘッド19によって吸着保持される。つまり、TCP4は第1の受け渡し手段6A,6Bからインデックス手段18A,18Bの保持ヘッド19に受け渡される。インデックス手段18A,18Bの保持ヘッド19がTCP4を受け取る受け取り位置を図2にAで示す。
なお、各インデックステーブル22の回転方向は図2に矢印で示すように逆方向となっている。
【0038】
上記第1、第2の打ち抜き装置5A,5Bによって打ち抜かれたTCP4は、各受け渡し手段6A,6Bのそれぞれの受け具24によって受け取られる。この受け具24は図3に矢印で示すX方向、つまり装置本体1の前後方向に沿って駆動されるXテーブル25にZ・θ駆動源23によって上下方向となるZ方向及び回転方向となるθ方向に駆動可能に設けられている。上記Xテーブル25は、X方向に沿って設けられたXガイド体26に移動可能に設けられ、図示しないリニアモータなどによって上記Xガイド体26に沿って駆動可能となっている。
【0039】
一方の第1の受け渡し手段6Aの受け具24は、第1の打ち抜き装置5AからTCP4を受けると、図2に矢印Xで示す装置本体1の前後方向及び矢印Yで示す幅方向に駆動される。
【0040】
それによって、上記受け具24の上面に保持されたTCP4は、その一端部が第1のインデックス手段18Aのインデックステーブル22の下面に周方向に90度間隔で設けられた4つの保持ヘッド19のうちの、上記受け取り位置Aに位置決めされた保持ヘッド19の下方に対向するよう位置決めされる。
【0041】
同様に、他方の第1の受け渡し手段6Bの受け具24は、TCP4を受けると第2のインデックス手段18Bのインデックステーブル22の下面に周方向に90度間隔で設けられた4つの保持ヘッド19のうちの、上記受け取り位置Aに位置決めされた保持ヘッド19の下方に対向するよう駆動位置決めされる。
【0042】
位置決めされた受け具24は上記Z・θ駆動源23によって上昇方向に駆動される。それによって、受け具24に保持されたTCP4が上記インデックステーブル22に設けられた保持ヘッド19の下面に接触接近し、その状態でTCP4が上記受け具24から上記保持ヘッド19に受け渡されて吸着保持される。
【0043】
TCP4が第1、第2のインデックス手段18A,18Bのインデックステーブル22に設けられた保持ヘッド19に受け渡されると、一対のインデックステーブル22は上記第1のθ駆動源21によって図2に矢印で示す逆方向にそれぞれ90度の角度で間欠的に回転駆動される。それによって、TCP4を吸着保持した各インデックステーブル22の保持ヘッド19は図2にBで示すブラッシング位置に位置決めされる。
【0044】
上記受け具24からTCP4を受けた保持ヘッド19がインデックステーブル22とともに周方向に90度回転駆動されてブラッシング位置Bに位置決めされると、上記保持ヘッド19に保持された上記TCP4の端子部(図示せず)は図示しない回転ブラシによってブラッシング、つまりクリーニングされる。それによって、端子部に付着した塵埃が除去される。
【0045】
TCP4の端子部が回転ブラシによってクリーニングされると、そのTCP4を保持した保持ヘッド19は、インデックステーブル22とともに周方向に90度回転駆動されて図2にCで示す貼着位置に位置決めされる。
【0046】
貼着位置Cに位置決めされたTCP4は、第1、第2の貼着装置31A,31Bによって上記TCP4のクリーニングされた端子部に、その端子部と対応する長さに切断された異方性導電部材からなら粘着テープ32が後述するように貼着される。
【0047】
上記第1、第2のインデックス手段18A,18B及び第1、第2の貼着装置31A,31Bは、第1、第2の打ち抜き装置5A,5Bと同様、装置本体1の幅方向の中心線Oに対して左右対称に配置されている。
【0048】
第1、第2のインデックス手段18A,18Bは第1、第2の打ち抜き装置5A,5Bよりも装置本体1の幅方向外方に配置され、第1、第2の貼着装置31A,31Bは第1、第2のインデックス手段18A,18Bよりも幅方向外方に配置されている。
【0049】
上記第1、第2の貼着装置31A,31Bは図3に示すように装置本体1内の底面に近い下部に配置された供給リール34を有する。この供給リール34には上記粘着テープ32が離型テープ35の一側面に貼着されて巻装されている。
【0050】
離型テープ35の一側面に貼着された上記粘着テープ32は上記供給リール34から帯板状の支持ブロック33の板面に沿って上方にほぼ垂直に引き出され、第1のガイドローラ36によって粘着テープ32が上を向くよう水平方向に方向変換されて走行する。
【0051】
上記粘着テープ32が上記支持ブロック33に対向して垂直に走行する部分では、切断手段37を構成する駆動源37aによって二枚刃を有するカッタ37bが粘着テープ32に接近する方向に駆動されることで、その粘着テープ32に2本の切断線を所定間隔で形成する。なお、粘着テープ32が貼着された離型テープ35はカッタ37bによって切断されないよう、上記カッタ37bによる切込み量が設定されている。
【0052】
上記粘着テープ32の2本の切断線によって他の部分と分離された部分、つまり抜き取り部分は切断手段37よりも上方に配置された抜き取り手段39によって抜き取られる。それによって、粘着テープ32は所定長さ、つまりTCP4に対応する長さに分離される。
【0053】
上記抜き取り手段39は、駆動源39aと、この駆動源39aによって上記粘着テープ32に接離する方向に駆動される押圧部39bと、この押圧部39bによって上記抜き取り部分32bに押圧される除去テープ(図示せず)を有する。
【0054】
除去テープの一部が上記押圧部39bによって粘着テープ32の抜き取り部分に押圧されることで、この抜き取り部分が除去テープに貼着されて除去される。なお、除去テープは図示しない供給リールから繰り出され、同じく図示しない巻き取りリールによって所定長さずつ巻き取られるようになっている。
【0055】
所定長さに分離された粘着テープ32は、図3に示すように離型テープ35とともに上記第1のガイドローラ36によって水平方向に方向変換されて走行し、上記第1のガイドローラ36に対して所定間隔で配置された第2のガイドローラ41によって下方に方向変換される。
【0056】
上記離型テープ35の上記第1のガイドローラ36と第2のガイドローラ41との間の部分は、上記インデックステーブル22の貼着位置Cに位置決めされた保持ヘッド19に保持されたTCP4のクリーニングされた端子部の下面を走行する。
【0057】
上記離型テープ35は、図示しない駆動源によって開閉駆動及び同図にZで示す上下方向に往復駆動されるチャック機構42によって挟持されて所定長さずつ間欠的に搬送される。つまり、離型テープ35の所定長さに切断された粘着テープ32が貼着された部分はチャック機構42によって貼着位置Cに位置決めされた保持ヘッド19の下方を水平に走行するようになっている。
【0058】
上記離型テープ35がチャック機構42によって間欠的に搬送され、所定長さに分離された粘着テープ32が貼着位置Cに位置決めされた保持ヘッド19に保持されたTCP4の端子部の下方に対向するよう位置決めされると、その粘着テープ32は押し上げ手段43によって加熱されながら上記TCP4に加圧貼着される。
【0059】
上記押し上げ手段43は、駆動源44によって上昇方向に駆動される加圧体45を有する。この加圧体45は熱源となるヒータ45aが内蔵されている。そして、加圧体45が上昇方向に駆動されると、この加圧体45は離型テープ35を介して所定長さに分離された上記粘着テープ32を上記TCP4の端子部に加熱しながら加圧する。それによって、粘着テープ32がTCP4の端子部に貼着される。なお、粘着テープ32はヒータ45aによって加熱されることで粘着性が向上するから、TCP4の端子部に確実に貼着されることになる。
【0060】
粘着テープ32がTCP4に貼着されると、図示しない離型ローラによってその粘着テープ32から離型テープ35が剥離される。剥離後、インデックステーブル22はさらに90度回転させられる。それによって、粘着テープ32が貼着されたTCP4を保持した保持ヘッド19は図2にDで示す受け渡し位置に位置決めされる。それと同時に、離型テープ35がチャック機構42によって搬送され、粘着テープ32の所定長さに切断された新たな部分が貼着位置CのTCP4に対向位置決めされる。なお、離型テープ35の粘着テープ32が貼着除去された部分は回収容器46に格納される。
【0061】
上記第1、第2の打ち抜き装置5A,5B、上記第1、第2の受け渡し手段6A,6B、上記第1、第2のインデックス手段18A,18B及び上記第1、第2の貼着装置31A,31Bは所定長さに切断された上記粘着テープ32が貼着された電子部品としてのTCP4を後述する実装ヘッド53に受け渡す電子部品の供給部を構成している。
【0062】
粘着テープ32が貼着されて受け渡し位置Dに位置決めされたTCP4は、一対の第2の受け渡し手段51A、51Bによってそれぞれ仮圧着手段としての一対の上記実装ヘッド53にそれぞれ受け渡される。なお、一対の第2の受け渡し手段51A、51Bから一対の実装ヘッド53へのTCP4の受け渡しは、一対の第2の受け渡し手段51A、51Bの一方から一対の実装ヘッド53の一方に対して行った後、他方から他方の実装ヘッド53に対して行われる。つまり、TCP4は一対の実装ヘッド53に対して交互に受け渡されるようになっている。
【0063】
図4に示すように、上記第2の受け渡し手段51A、51BはX方向に沿って配置されたXガイド体55を有する。このXガイド体55には可動体56が図示せぬ駆動源によって駆動可能に設けられている。この可動体56にはZ駆動源57が設けられている。このZ駆動源57の駆動軸57aは上下方向であるZ方向に駆動されるようになっていて、その先端には側面形状がL字状の受け具54が取り付けられている。
【0064】
受け具54は、上記可動体56によってX方向に駆動され、その上面(吸着面)が上記受け渡し位置Dに位置決めされた保持ヘッド19に吸着保持されたTCP4の粘着テープ32が貼着されていない他端部に対向するよう位置決めされる。
【0065】
ついで、受け具54は鎖線で示すようにZ方向上方に駆動されて上記TCP4の他端部の下面を吸着する。それと同時に、TCP4は保持ヘッド19による吸着保持が解除される。それによって、TCP4はインデックステーブル22の保持ヘッド19から受け具54に受け渡される。
【0066】
TCP4を受けた受け具54が下降すると、可動体56は図4に矢印Xで示す方向に駆動され、鎖線で示す位置に位置決めされる。それによって、受け具54は、その移動方向の上方で待機した上記実装ヘッド53の下方に対向するよう位置決めされる。実装ヘッド53はX・Y・Z・θ駆動源58によってX、Y、Z及びθ方向に駆動されるようになっている。
【0067】
上記実装ヘッド53の下方に上記受け具54が位置決めされると、実装ヘッド53は下降方向に駆動されて受け具54に吸着保持されたTCP4の粘着テープ32が貼着された一端部の上面を吸着する。それと同時に、上記受け具54による上記TCP4の吸着状態が解除される。それによって、TCP4が上記受け具54から実装ヘッド53に受け渡される。
【0068】
TCP4を受けた実装ヘッド53は、図3に示すように仮圧着位置Y1に位置決めされた第1の仮圧着テーブル61又は第2の仮圧着テーブル62の一方の上面に吸着保持された基板Wの上記TCP4が実装される側部の上方に位置決めされる。実装ヘッド53と基板Wは図示しない撮像手段によって撮像され、その撮像手段からの撮像信号に基いて上記基板Wの実装位置の上方に上記TCP4が位置決めされるよう上記X・Y・Z・θ駆動源58によってX、Y及びθ方向に対して駆動される。
【0069】
上記実装ヘッド53に吸着保持されたTCP4が基板Wの実装位置の上方に位置決めされると、上記実装ヘッド53は上記X・Y・Z・θ駆動源58によって下降方向に駆動される。それによって、実装ヘッド53に吸着保持されたTCP4が基板Wの側辺部に実装される。
【0070】
このようにして、粘着テープ32が貼着された複数のTCP4が図2に鎖線で示すように第1の仮圧着テーブル61の上面に吸着保持された基板Wの側辺部に対して所定間隔で順次実装される。
【0071】
図2に示すように、上記装置本体1内のY方向の下端側、つまり上記仮圧着位置Y1よりも−Y方向側である、待機位置Y2には上記第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62がX方向に沿って所定間隔で配置されている。
【0072】
上記第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62はそれぞれリニアモータなどの図示しないY駆動源によって上記待機位置Y2と仮圧着位置Y1との間で往復駆動されるようになっている。
【0073】
上記装置本体1の側壁の、上記第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62との駆動方向(Y方向)と交差するX方向の一端側と他端側にはそれぞれ開口部63が形成されている。−X方向側の開口部63には供給テーブル64が配置され、+X方向側の開口部63には中継テーブルを兼ねる排出テーブル65が配置されている。
【0074】
上記供給テーブル64にはTCP4が仮圧着されていない基板Wが図示しないロボットなどによって供給載置される。供給テーブル64に供給された基板Wは、搬送手段としての第1の吸着ユニット67によって上面が吸着されて上記供給テーブル64から取出される。
【0075】
上記第1の吸着ユニット67は図3に示すように基部67aの下面に複数の吸着パッド67bが設けられていて、X・Z駆動源68によって上記第1の仮圧着ユニット101の装置本体1内の待機位置Y2の上方をX方向の全長にわたって駆動されるとともに、上下方向であるZ方向に駆動されるようになっている。
【0076】
上記供給テーブル64から基板Wの上面を吸着保持した第1の吸着ユニット67は、+X方向に駆動されて上記基板Wを上記第1の仮圧着テーブル61或いは第2の仮圧着テーブル62に供給する。この実施の形態では最初に第1の仮圧着テーブル61に基板Wを供給する。
【0077】
基板Wが供給された第1の仮圧着テーブル61は待機位置Y2から+Y方向に駆動されて仮圧着位置Y1に位置決めされる。ここで、上記基板Wの一側辺である長辺に複数のTCP4が上述したように実装ヘッド53によって仮圧着される。
【0078】
上記仮圧着位置Y1位置で、第1の仮圧着テーブル61に保持された基板WにTCP4を仮圧着している間に、上記第1の吸着ユニット67は供給テーブル64に供給されたつぎの基板Wを取り出して第2の仮圧着テーブル62に供給載置する。
【0079】
そして、上記仮圧着位置Y1で第1の仮圧着テーブル61の基板Wに所定数のTCP4が仮圧着され終わると、上記第1の仮圧着テーブル61は待機位置Y2に後退する。それと同時に、第2の仮圧着テーブル62が待機位置Y2から仮圧着位置Y1に前進し、第2の仮圧着テーブル62に保持された基板Wに対してTCP4が仮圧着される。なお、第1の仮圧着テーブル61が待機位置Y2に後退する前に、第2の仮圧着テーブル62を仮圧着位置Y1に前進させておいてもよい。
【0080】
それと同時に、第1の吸着ユニット67は待機位置に後退した第1の仮圧着テーブル61からTCP4が仮圧着された基板Wの上面を吸着して取出す。そして、第1の吸着ユニット67は+X方向に駆動され、第1の仮圧着テーブル61から取出した基板Wを排出テーブル65に供給載置する。
【0081】
上記第1の吸着ユニット67が待機位置Y2に後退して待機した第1の仮圧着テーブル61から基板Wを取り出して排出テーブル65に供給し終わると、この第1の吸着ユニット67は供給テーブル64から新たな基板Wを取り出して第1の仮圧着テーブル61に供給する。
【0082】
一方、仮圧着位置Y1で、上記第2の仮圧着テーブル62に保持された基板Wに所定寸のTCP4が仮圧着され終わると、上記第2の仮圧着テーブル62が待機位置Y2に後退する。そして、TCP4が仮圧着された基板Wが上記第1の吸着ユニット67によって取出されて排出テーブル65に受け渡される。それと同時に、待機位置Y2で待機していた第1の仮圧着テーブル61が仮圧着位置Y1へ前進し、その上面に保持された基板Wの長辺に対して所定数のTCP4が仮圧着されるということが繰り返して行われる。なお、第1の仮圧着テーブル61は待機位置Y2で基板Wが供給されたならば、ただ位置の仮圧着位置Y1に前進させて待機させておいてもよい。
【0083】
上記第1の仮圧着ユニット101の+X方向には上記第2の仮圧着ユニット102が隣接して配置されている。この第2の仮圧着ユニット102は上記第1の仮圧着ユニット101とほぼ同じ構成であるが、図5に示すように第1の仮圧着テーブル61Aと第2の仮圧着テーブル62AがY方向だけでなく、同図に矢印で示す回転方向であるθ方向に対して回転駆動される構成となっているという点で相違している。
【0084】
なお、第1の仮圧着ユニット101の第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62を、第2の仮圧着ユニット102の第1の仮圧着テーブル61Aと第2の仮圧着テーブル62Aと同じように、Y方向だけでなく、θ方向に対して回転駆動できるようにしてもよい。
【0085】
上記第1の仮圧着ユニット101で長辺に所定数のTCP4が仮圧着されて中継テーブルを兼ねる排出テーブル65に載置された基板Wは、搬送手段としての第2の吸着ユニット67A(図1に示す)によって上面が吸着されて取出される。
【0086】
上記第2の吸着ユニット67Aによって排出テーブル65から取出された基板Wは上記第2の仮圧着ユニット102の第1の仮圧着テーブル61A又は第2の仮圧着テーブル62Aに供給載置される。
【0087】
基板が供給載置された、たとえば第1の仮圧着テーブル61Aは待機位置Y2から仮圧着位置Y1に駆動位置決めされた後、上記第1の仮圧着ユニット101でTCP4が仮圧着された長辺と隣り合う一方の短辺がY方向と直交するよう90度回転駆動される。
なお、第1の仮圧着テーブル61Aは待機位置Y2から仮圧着位置Y1に駆動されている最中に、90度回転させるようにしてもよい。
【0088】
そして、仮圧着位置Y1で、上記基板Wの短辺に所定数のTCP4が仮圧着される。その間に第2の仮圧着テーブル62Aには上記第2の吸着ユニット67Aによって上記排出テーブル65からつぎの基板Wが供給され、90度回転させられた状態で待機する。
【0089】
第1の仮圧着テーブル61Aの基板Wの短辺に所定数のTCP4が仮圧着され終わると、第1の仮圧着テーブル61Aは仮圧着位置Y1から待機位置Y2に戻りながら基板Wの長辺がX方向に沿うよう90度回転させられる。なお、基板Wは待機位置Y2に戻ってから90度回転させてもよい。
【0090】
それと同時に、第2の仮圧着テーブル62Aが90度回転駆動された状態で待機位置Y2から仮圧着位置Y1に駆動位置決めされ、この第2の仮圧着テーブル62Aに載置された基板Wの短辺に所定数のTCP4が仮圧着される。
【0091】
第2の仮圧着テーブル62Aに載置された基板Wの短辺に所定数のTCP4が仮圧着されている間に、長辺と短辺とにそれぞれTCP4が仮圧着された第1の仮圧着テーブル61A上の基板Wが上記第2の吸着ユニット67Aによって取出され、上記第2の仮圧着テーブル62Aよりも+X方向に配置された中継テーブルを兼ねる排出テーブル65Aに供給載置される。
【0092】
そして、空となった第1の仮圧着テーブル61A上には、上記第2の吸着ユニット67Aによって第1の仮圧着ユニット101で長辺にTCP4が仮圧着された新たな基板Wが上記排出テーブル65から取出されて供給載置される、ということが繰り返して行なわれる。
【0093】
このように、上記構成の第1、第2の仮圧着ユニット101,102には、第1の仮圧着ユニット61(61A)と、第2の仮圧着ユニット62(62A)をそれぞれ待機位置Y2と仮圧着位置Y1との間で駆動可能に設けるようにした。
【0094】
そのため、たとえば第1の仮圧着ユニット61(61A)に載置された基板Wに対して仮圧着位置Y1でTCP4を仮圧着している間に、既にTCP4の仮圧着が終了して待機位置Y2に戻った第2の仮圧着ユニット62(62A)から基板を取り出した後、この第2の仮圧着ユニット62(62A)につぎの新たな基板Wを供給させて待機させておくことができるから、タクトタイムが短縮されて生産性が向上するということがある。
【0095】
図6は第1の仮圧着ユニット101と第2の仮圧着ユニット102に設けられた第1、第2の吸着ユニット67,67Aによる基板Wの搬送を示す図である。すなわち、第1の仮圧着ユニット101と第2の仮圧着ユニット102は、基板Wの上面を吸着パッド67bによって吸着して搬送するため、同図に矢印で示すように供給テーブル64からその隣りに位置する第1の仮圧着テーブル61(61A)だけでなく、第1の仮圧着テーブル61(61A)を飛び越えて第2の仮圧着テーブル62(62A)にも基板Wを搬送供給することができる。
【0096】
同様に、第1の仮圧着テーブル61(61A)から、その隣りに位置する第2の仮圧着テーブル62(62A)だけでなく、第2の仮圧着テーブル62(62A)を飛び越えて排出テーブル65(65A)にも基板Wを搬送供給することができる。
【0097】
つまり、第1の吸着ユニット67と第2の吸着ユニット67Aによって基板Wの上面を吸着して搬送するため、仮圧着テーブルをレールに沿ってX方向とY方向の二方向に移動させて基板を位置決めする従来の場合に比べ、基板Wの搬送位置決めの自由度が向上するばかりか、その搬送を迅速に行なうことができ、さらには第1の仮圧着テーブル61(61A)と第2の仮圧着テーブル62(62A)移動方向がY方向だけの一方向であるから、二方向に移動させる場合に比べて移動精度が向上し、それによって仮圧着精度も向上する。
【0098】
上記第2の仮圧着ユニット102で長辺と短辺とにTCP4が仮圧着されて排出テーブル65Aに供給載置された基板Wは、上記本圧着ユニット103で上記TCP4が上記基板Wに対して本圧着される。
【0099】
上記本圧着ユニット103は図7に示すように箱型状の装置本体75を有する。この装置本体75の内の、−Y方向側の端部には、第1の本圧着テーブル76と第2の本圧着テーブル77とがX方向に沿って配置されている。
【0100】
各本圧着テーブル76,77は図示しない駆動機構によってX、Y、Z及びθ方向に駆動されるようになっていて、同時に破線で示す第1の待機位置B2と、鎖線で示す本圧着位置B1との間で、互いに干渉し合うことなく往復駆動されるようになっている。
【0101】
上記第1の本圧着テーブル76と第2の本圧着テーブル77とは、上記第1の待機位置B2で上記排出テーブル65Aとともに横方向(X方向)に沿って一列になるよう位置決めされる。
【0102】
上記第1の待機位置B2の上方には搬送手段としての第3の吸着ユニット67B(図1に示す)がX・Z駆動源68によってX方向及びZ方向に駆動されるように設けられている。この第3の吸着ユニット67Bは長辺と短辺とにTCP4が仮圧着されて上記排出テーブル65Aに供給された基板Wの上面を吸着して取り出し、上記第1の待機位置B2に位置決めされた上記第1の本圧着テーブル76と第2の本圧着テーブル77とに交互に供給する。
なお、上記本圧着ユニット103においては、上記排出テーブル65Aが供給テーブルとなる。
【0103】
上記本圧着位置B1には本圧着部を構成する直線状の第1の本圧着部78と、同じく直線状の第2の本圧着部79が90度角度をなした状態で、それぞれがX方向に平行な平行線Lに対して所定の角度、この実施の形態では角度θで示す45度の角度で配置されている。
【0104】
上記第1、第2の本圧着部78,79は図8に示すようにバックアプツール81を備えている。各本圧着部78,79のバックアプツール81は基板Wの長辺を支持することができる長さに設定されていて、その上方には上記バックアプツール81と同じ長さに設定された本圧着ツール82が配置されている。つまり、各本圧着部78,79は矩形状の基板Wの長辺と同等或いはそれ以上の長さに設定されている。
【0105】
なお、上記第1、第2の本圧着テーブル76,77は、図8に示すようにX・Yテーブル76a,77aにZ・θテーブル76b,77bを介して設けられている。それによって、上述したようにX、Y、Z及びθ方向に駆動されるようになっている。
【0106】
上記本圧着ツール82は帯板状の固定部材83の上面に設けられたシリンダやリニアモータなどの1つ若しくは複数のZ駆動源84によってZ方向に駆動されるようになっている。
【0107】
上記バックアプツール81と上記本圧着ツール82にはそれぞれヒータ81a,82aがほぼ全長にわたって設けられている。これらのヒータ81a,82aは、後述するように上記基板Wに仮圧着されたTCP4を本圧着する際に、上記基板WにTCP4を貼着した粘着テープ32を溶融硬化させる。
【0108】
上記第1の本圧着テーブル76に基板Wが供給載置されると、この第1の本圧着テーブル76は第1の待機位置B2からX、Y及び知った方向に駆動されてB3aで示す第2の待機位置に位置決めされる。
【0109】
上記第2の待機位置B3aは基板Wが第2の待機位置B3aよりも第1、第2の本圧着部78,79に近づき、しかもTCP4が仮圧着された基板Wの短辺が第1の本圧着部78と平行で、長辺が第2の本圧着部79と平行になる状態である。
【0110】
上記第1の本圧着テーブル76は、上記第2の待機位置B3aから矢印P1で示す方向へ直進することで、短辺が第1の本圧着部78のバックアップツール81の上方に位置決めされ、長辺が第2の本圧着部79のバックアップツール81の上方に位置決めされる。つまり、短辺と長辺とが第1の本圧着部78と第2の本圧着部79に対して平行に対向するよう位置決めされる。
【0111】
その状態で、上記第1の本圧着テーブル76がZ方向下方に駆動されて上記基板Wの短辺と長辺の下面をそれぞれバックアップツール81の上端面で支持した後、上記本圧着ツール82を下降方向へ駆動すれば、各辺に仮圧着されたTCP4が本圧着されることになる。
【0112】
上記第2の本圧着テーブル77に上記第3の吸着ユニット67Bによって二辺にTCP4が仮圧着された基板Wが供給載置されると、この第2の本圧着テーブル77は第1の待機位置B2よりも第1、第2の本圧着部78,79に接近する第2の待機位置B3bに位置決めされる。つまり、基板Wの短辺が第1の本圧着部78と平行で、長辺が第2の本圧着部79と平行な状態に位置決めされる。
【0113】
第2の待機位置B3bに位置決めされた基板Wは同図に矢印P2で示す方向へ直進させれば、短辺が第1の本圧着部78のバックアップツール81の上方に位置決めされ、長辺が第2の本圧着部79のバックアップツール81の上方に位置決めされる。
【0114】
その状態で、上記第2の本圧着テーブル77がZ方向下方に駆動されて上記基板Wの短辺と長辺の下面をそれぞれバックアップツール81の上端面で支持した後、上記本圧着ツール82を下降方向へ駆動すれば、各辺に仮圧着されたTCP4が同時に本圧着されることになる。
【0115】
このように構成された本圧着ユニット103は、第1の本圧着テーブル76に供給された基板Wの短辺と長辺に仮圧着されたTCP4を本圧着している最中に、第2の本圧着テーブル77に第3の吸着ユニット76Bによって基板Wを排出テーブル65から取り出して第1の待機位置B2で待機する第2の本圧着テーブル77に供給する。そして、基板Wが供給された第2の本圧着テーブル77は第1の待機位置B2から第2の待機位置B3bに移動して待機する。
【0116】
この間に、第1の本圧着テーブル76に載置された基板Wに仮圧着されたTCP4の本圧着が終了すると、上記第1の本圧着テーブル76が第2の待機位置B3aを経て第1の待機位置B2へ戻る。
【0117】
第1の本圧着テーブル76が第1の待機位置B2へ戻ると、第3の吸着ユニット67Bがその基板Wの上面を吸着して取り出し、装置本体75の+X方向側の側壁に形成された開口部63に位置決めされた排出テーブル65Bに載置する。排出テーブル65Bに載置された基板は図示しないロボットなどによって次工程に搬出される。
【0118】
そして、第1の待機位置B2へ戻った第1の本圧着テーブル76には第3の吸着ユニット67Bによって新たな基板Wが供給載置された後、この第1の本圧着テーブル76は第2の待機位置B3aに駆動されて待機する。
【0119】
第3の吸着ユニット67Bが第1の本圧着テーブル76から基板Wを取り出した後、新たな基板Wを供給している間に、第2の本圧着テーブル77は第2の待機位置B3bから本圧着位置B1に駆動される。そして、第2の本圧着テーブル77に載置された基板Wの2つの辺に仮圧着されたTCP4が同時に本圧着されることになる。
【0120】
このように、第1の本圧着部78と第2の本圧着部79とを90度の角度で配置し、基板Wの2つの辺に仮圧着されたTCP4を同時に本圧着することができるようにした。そのため、基板Wの2つの辺に仮圧着されたTCP4を別々に本圧着する場合に比べてタクトタイムを短縮して生産性を向上させることができる。
【0121】
TCP4が仮圧着された基板Wを供給載置する2つの本圧着テーブル76,77を備え、どちらか一方の本圧着テーブルに供給された基板Wに仮圧着されたTCP4を本圧着しているときに、他方の本圧着テーブルを第1の待機位置B2から第1、第2の本圧着部78,79にさらに近づく第2の待機位置B3a(B3b)で待機させるようにした。
【0122】
そのため、一方の本圧着テーブルの基板WのTCP4の本圧着が終了したならば、他方の本圧着テーブルの基板Wを本圧着位置B1に迅速に位置決めすることができるから、そのことによってもタクトタイムを短縮して生産性を向上させることができる。
【0123】
第1の本圧着部78と第2の本圧着部79を、90度の角度をなした状態でそれぞれをX方向と平行な平行線Lに対して45度の角度となるよう傾斜させて配置した。
【0124】
そのため、第1の本圧着部78を水平線Lに対して直角に配置し、第2の本圧着部79をX方向と平行な平行線Lに対して平行に配置した場合に比べ、第1の本圧着テーブル76と第2の本圧着テーブル77を待機位置B2から本圧着位置B1に位置決めするときのY方向の移動量を少なくすることができる。
【0125】
しかも、第1の本圧着部78と第2の本圧着部79は第1の待機位置B2で基板を受けてから、第2の待機位置B3a,B3bに位置決めされるため、第2の待機位置B3a,B3bから直進させて本圧着位置B1に位置決めすることができる。
【0126】
したがって、これらのことによって第1の本圧着テーブル76と第2の本圧着テーブル77を本圧着位置B1に位置決めするタクトタイムを短縮して生産性を向上させることができるということがある。
【0127】
上記第1の本圧着部78と第2の本圧着部79の長さ、つまりバックアップツール81と本圧着ツール82の長さを、基板Wの長辺に対応する長さに設定している。そのため、TCP4が仮圧着される基板Wの長辺と、この長辺に隣り合う2つの短辺のうち、TCP4が仮圧着される短辺が上記長辺の一端側から他端側に変更になった場合、図7において第1の本圧着テーブル76に載置された基板Wの長辺を第1の本圧着部78に対向させることで、変更になった短辺を第2の本圧着部79に対向させることが可能となる。
【0128】
この場合、第2の本圧着テーブル77に載置される基板Wに対しても同様である。
【0129】
つまり、TCP4が本圧着される基板Wの短辺が変更になっても、第1の本圧着部78と第2の本圧着部79の長さが基板Wの長辺に対応する長さに設定されていることで、どちらの本圧着部78,79に長辺が対向しても、その長辺に仮圧着されたTCP4を確実に本圧着することができる。
【0130】
また、第3の吸着ユニット67Bによって供給テーブルである、排出テーブル65Aに載置された基板Wの上面を吸着して搬送して第1、第2の本圧着テーブル76,77に供給するため、上記第1、第2の本圧着テーブル76,77をレールに沿ってX方向とY方向の二方向に移動させて基板Wを位置決めする従来に比べ、基板Wの搬送位置決めの自由度が向上するばかりか、その搬送を迅速に行なうことができるということがある。さらに、第1の本圧着テーブル78と第2の本圧着テーブル79移動方向がY方向だけの一方向であるから、二方向に移動させる場合に比べて移動精度が向上し、それによって本圧着精度も向上する。
【0131】
なお、本圧着ユニット103において、第1、第2の本圧着テーブル76,77を第1の待機位置B2から第2の待機位置B3aに前進させて待機させるようにしたが、第1の待機位置B2から直接、本圧着位置にB1に移動させるようにしてもよい。
【0132】
図9は第1の仮圧着ユニット101における第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62が待機位置Y2から仮圧着位置Y1へ移動する経路の変形例を示す。すなわち、第1の実施の形態では、第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62は待機位置Y2から仮圧着位置Y1へ移動する際、+Y方向へ直進させたが、この第2の実施の形態では第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62を同図に矢印で示すようにY方向だけでなく、X方向にも駆動し、これらの仮圧着テーブル61,62を同一の仮圧着位置Y1に位置決めするようにした。
【0133】
このようにして基板Wを仮圧着位置に位置決めすれば、第1の仮圧着テーブル61と第2の仮圧着テーブル62に保持された基板Wに対するTCP4の仮圧着位置も同じになるから、TCP4の仮圧着を精度よく迅速に行なうことができる。
【0134】
また、上記第1の実施の形態における本圧着ユニット103では、第1の本圧着部78と第2の本圧着部78を水平線Lに対してそれぞれ45度の角度で配置したが、水平線に対して45度以外の角度で配置するようにしてもよく、要は第1の本圧着部78と第2の本圧着部78が90度の角度をなしていて、しかも第1の本圧着部78と第2の本圧着部78がY方向に対して所定の角度で傾斜していればよい。
【0135】
また、本圧着ユニット103の装置本体75を図7に示すように断面形状が矩形状の箱型状として例を挙げて説明したが、一対の本圧着部78,79の配置形状に対応させて上記装置本体75の+Y方向側におけるX方向の両端部の無駄なスペースを除去することで、上記装置本体75の+Y方向側の形状を山形状としてもよい。
【0136】
このような形状にすれば、一対の本圧着部78,79に対するメンテナンスを、作業者が装置本体75内に入り込まずに、外部から容易に行なうことが可能となる。
【0137】
また、一対の本圧着部78,79において、基板Wの側辺部に仮圧着された複数のTCP4を一括で本圧着するようにしたが、バックアップツール81と本圧着ツール82を複数に分割し、各辺に仮圧着された複数のTCP4を一括で、若しくは別々に本圧着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0138】
1…装置本体、5A,5B…第1、第2の打ち抜き装置(供給部)、6A,6B…第1、第2の受け渡し手段(供給部)、18A,18B…第1、第2のインデックス手段(供給部)、31A,31B…第1、第2の貼着装置(供給部)、52(供給部)、実装ヘッド、61,62…第1、第2の仮圧着テーブル、64…供給テーブル、65…排出テーブル、76,77…第1、第2の本圧着テーブル、78,79…第1、第2の本圧着部、81…バックアップツール、82…本圧着ツール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の基板の長辺と短辺との2つの側辺部に仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装装置であって、
2つの側辺部に電子部品が仮圧着された上記基板が供給載置される供給テーブルと、
待機位置と本圧着位置との間で駆動可能に設けられ待機位置では上記供給テーブルの横方向に一列で待機する第1の本圧着テーブル及び第2の本圧着テーブルと、
上記本圧着位置に設けられ上記基板の2つの側辺部に仮圧着された電子部品を同時に本圧着する本圧着部と、
第1の本圧着テーブル及び第2の本圧着テーブルとともに横一列で配置され上記本圧着部で電子部品が本圧着された基板が排出されて載置される排出テーブルと、
上記供給テーブルに載置された基板を上方から取り出して上記待機位置で待機する第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルに対して交互に供給載置するとともに、上記本圧着部で上記電子部品が本圧着されて上記本圧着位置から上記待機位置に後退した上記第1の本圧着テーブル或いは上記第2の本圧着テーブルの基板を上方から取り出して上記排出テーブルに供給載置する搬送手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置。
【請求項2】
上記搬送手段は、上記基板の上面を吸着保持する構成であって、上記待機位置で横方向に一列で待機した上記第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルの上方に沿って駆動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項3】
上記本圧着部は、上記基板の2つの辺のうちの一方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第1の本圧着部と、他方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第2の本圧着部を有し、
上記第1の本圧着部と第2の本圧着部は、90度の角度をなすとともに、上記待機位置で待機する上記第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルとがなす横方向の直線に対して90度の角度をなした状態で所定の角度で傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項4】
上記本圧着部は、上記基板の2つの辺のうちの一方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第1の本圧着部と、他方の辺に仮圧着された電子部品を本圧着する直線状の第2の本圧着部を有し、
上記第1の本圧着部と第2の本圧着部は、それぞれが上記基板の2つの辺のうちの長辺に仮圧着された電子部品を本圧着することができる長さに設定されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項5】
上記第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルは、これら本圧着テーブルが上記待機位置で待機しているときの上記横方向の直線に対して90度の角度をなした状態で所定の角度で傾斜して配置された上記第1の本圧着部と第2の本圧着部に対し、上記本圧着位置で各本圧着テーブルに載置された基板の2つの辺がそれぞれ平行に対向するよう水平方向及び回転方向に駆動可能となっていることを特徴とする請求項3記載の電子部品の実装装置。
【請求項6】
矩形状の基板の側辺部に仮圧着された電子部品を本圧着する電子部品の実装方法であって、
上記基板が供給される待機位置と、供給された基板に仮圧着されたら電子部品を本圧着する本圧着位置との間で駆動可能に設けられた第1の本圧着テーブルと第2の本圧着テーブルを有し、
上記第1の本圧着テーブル或いは第2の本圧着テーブルのいずれか一方を上記待機位置に位置決めし待機させ、この一方の本圧着テーブルに電子部品が仮圧着された基板を供給している間に、上記待機位置で基板が既に供給載置された他方の本圧着テーブルを上記本圧着位置に位置決めして上記基板に仮圧着された電子部品を本圧着すること
を特徴とする電子部品の実装方法。
【請求項7】
上記基板には長辺及びこの長辺と隣り合う短辺との2つの側辺部に電子部品が仮圧着されていて、上記本圧着位置では上記基板の2つの側辺部に仮圧着された電子部品を同時に本圧着することを特徴とする請求項6記載の電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−94655(P2012−94655A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240094(P2010−240094)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】