説明

電気アーク炉用のバーナー及びランス複合装置

原材料を、電気アーク炉内で、方向が可変な炎を使用して溶融させる方法及び装置であって、前記装置は、バーナーとランスとを具備し、ランス出口(31)開口部及びバーナー出口開口部(21)は同心ではなく、互いに距離を以って位置しており、ランス軸(32)は、バーナー軸(22)と、10°乃至40の範囲にある角度を成している。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、電気アーク炉での金属、例えば鉄鋼材の溶融における使用のためのバーナー及びランスに関する。
【0002】
電気アーク炉における溶融プロセスは、冷えた原材料金属、典型的には廃棄金属が、バスケット又はバケットによって1回の溶融プロセス当たり2乃至4回に亘って装入される、セミバッチ式プロセスである。
【0003】
電気アーク溶融プロセス及びそこでの酸素の使用の利点は、M. Grant及びB. Allemandによって、2000年のAISE電気アーク炉会議予稿集において発表された「EAFにおける酸素技術の有効性」に論じられている。
【0004】
金属を電気アーク炉で溶融させるプロセス(以下、「溶融プロセス」と呼ぶ)は、2つの工程:
・溶融工程と、
・精錬工程と
を本質的に含んでいる。
【0005】
溶融工程の間、固体の原材料金属が炉内に装入され、熱が炉内の固体原材料金属に供給されて、この金属を予熱して溶融させる。この熱は、一方では、電気アーク炉の電極又はフェーズ(phase)によって提供され、他方では、電気アーク炉に取り付けられ、その火炎が前記固体原材料金属に向けられている1つ以上のバーナーによって提供される。新たなバケット又はバスケット装入分の原材料金属が電気アーク炉に追加されるとき、溶融工程は、この新たに追加された原材料金属を溶融すべく継続される。
【0006】
電気アーク炉には、限られた数のバーナーのみを据え付けることしかできず、典型的には炉殻毎に4つである。
【0007】
一般に、バーナーは、
−AC(交流)炉のフェーズの間と、
−スラグの入口付近と、
−溶融金属溜まり付近と
に据え付けられる。
【0008】
溶融工程の終わりに、実質的に全ての固体原材料金属が溶融したとき、この溶融金属は、精錬工程に供される。精錬工程の間、溶融金属は、その所望の組成を達成すべく精錬される。典型的には、酸素の超音速ジェットが使用され、スラグを貫通して溶鋼を脱炭する。また、精錬工程は、通常、発泡スラグプロセスも含んでおり、ここでは、酸素及び微粉炭が同時に注入されて、発泡スラグを作り出す。
【0009】
新たな改良電気アーク炉での、バーナー及び超音速ランスを組み合わせて1つの装置にした多機能のツールの使用が、ますます受け入れられている。
【0010】
既知の多機能ツールでは、バーナーと中細ノズルを備えたランスとを組み合わせて同軸配置にしている。このような既知の多機能ツールは、PyreJet(登録商標)という商品名で、本出願人により商品化されている。
【0011】
従来の非多機能ツールバーナーの場合と同様に、多機能ツールのバーナーは、各々のバケット装入分の原材料金属の導入に続いて、原材料金属、特に屑鉄を予熱して溶融させるのに使用される。また、このバーナーは、炉内の冷えた領域を避ける又はなくすることを可能にする。
【0012】
ランスの主たる目的は、得られる集束酸素ジェットが精錬中にスラグを貫通して鋼を脱炭させることが可能となるように、超音速流を作り出すことにある。多機能ツールが微粉炭を注入する手段を更に備えている場合、このランスを石炭注入と組み合わせて使用して、精錬中に泡状スラグを作り出すことができる。
【0013】
既知の多機能ツールの電気アーク炉における使用は電気アーク炉溶融プロセスのエネルギー効率の顕著な向上を既にもたらしているが、更に高いエネルギー効率を信頼性のある手段によって達成させる必要が残っている。
【0014】
電気アーク炉での精錬の間における超音速ノズルにとっての/超音速酸素ジェットにとっての最も好ましい方位は、溶融浴に対して、即ち水平面に対して、約40°乃至約45°の範囲にあることが分かっている。
【0015】
溶融工程の間におけるバーナーにとって/バーナーの火炎にとっての最も好ましい傾きは、水平面に対して、通常、約20°であることが分かっている。
【0016】
それ故に、既知の多機能ツールにおけるバーナーとランスとの同軸配置を考慮すると、これら2つの最適な範囲の間の妥協が必要であった。通常、超音速ノズル/超音速酸素ジェットの最適な傾きは、バーナー/火炎の最適な傾きに優先すると考えられてきたので、既知の多機能ツールは、通常、約45°の角度で据え付けられる。
【0017】
それ故に、既知の多機能ツールには、バーナーがその最適な傾きに従って据え付けられておらず、そのために、溶融工程中のこの多機能ツールの加熱効率が、バーナーの傾きが最適である従来の非多機能ツールバーナーと比べた場合に劣っているという不都合がある。
【0018】
更に、電気アーク炉での溶融プロセスの重要なファクターは、溶融工程の間での屑鉄又は原材料金属の堆積形状の展開(evolution)である。溶融が進むにつれて、固体原材料金属の堆積の高さは減少する。一方、新たなバケット装入分の原材料金属が電気炉に加えられると、炉内の固体原材料金属の堆積の高さは突然増加する。
【0019】
既知の多機能ツールでは、バーナーの位置及び傾きは固定されているので、この場合も、原材料金属の堆積形状の変化に対する積極的な対応なしでは、バーナーの位置並びにバーナー及び火炎の方位は妥協案であり、それゆえに、バーナーの加熱効率はまたもや劣ったものとなる。
【0020】
米国特許出願公開第2003/0075843号から、電気アーク炉内の多機能ツールを機械的な手段によって動かす又は軸運動させることが知られている。このアプローチは、可動部が厳しい機械的及び化学的攻撃に曝されるので、電気アーク炉内で発生するような非常に汚染された環境に耐え得るものではない。
【0021】
本発明の目的は、電気アーク炉における溶融プロセスのエネルギー効率を更に高めることにある。
【0022】
本発明は、このような溶融プロセスのエネルギー効率を更に高めることを、バーナーとランスとを具備した装置であって、バーナーによって作り出される火炎の方向をランスによって作り出される気体ジェットとの流体相互作用によって偏向させることを可能にする装置によって可能にする。
【0023】
また、本発明は、本発明に係る装置を備えた電気アーク炉において原材料金属を溶融させる方法であって、この方法の少なくとも一部の間、バーナーが、燃料及び支燃剤(oxidant)を燃焼させて、火炎を電気アーク炉内に作り出すのに使用され、前記火炎が、ランスによって電気アーク炉内に注入されたアクチュエータガス(actuating gas)のジェットによって偏向される方法にも関する。
【0024】
かくして、エネルギー効率の向上は、例えば、溶融工程の間にバーナーによって作り出される火炎の方位を、溶融プロセスの間での屑鉄又は原材料金属の堆積形状の展開を考慮に入れて変更することによって、及び/又は、バーナーによって作り出される火炎の方位を、炉内のコールドスポットをより十分になくするべく変更することによって達成され得る。
【0025】
以下に、図1乃至図3を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、電気アーク炉の壁又は炉殻に取り付けられた本発明に係る装置の第1態様の部分的な断面の概略側面図である。
【図2】図2は、電気アーク炉の壁又は炉殻に取り付けられた本発明に係る装置の第2態様の部分的な断面の概略側面図である。
【図3】図3は、前記装置での使用に適したランスの或る特定の態様の部分的な概略斜視図である。
【図4】ランスによって作り出されるアクチュエータガスジェットを本発明に従って用いた、バーナーによって作り出される火炎の偏向の概略図である。図4に示した態様では、ランスの出口開口部は、バーナーの出口開口部から垂直方向上方に位置している。
【0027】
このように、本発明は、電気アーク炉での使用のための新たな装置1であって、バーナー2とランス3とを具備した装置1を提供する。バーナー2は、バーナー出口開口部21を有しており、これは、使用に際し、電気アーク炉2内に向けて開かれる。このバーナーは、更に、バーナー軸22を規定している。
【0028】
ランス3は、ランス出口31開口部を有しており、これは、使用に際し、電気アーク炉内に向けて開かれる。また、ランス3は、ランス軸32を規定している。このランスは、ラバルノズルとしても知られている、ソニックスロート37を有した中細ノズルを備えている。このような中細又はラバルノズルは、上流の圧力に応じて超音速又は亜音速ガスジェットを作り出すように設計されている。上流の圧力がノズル設計の公称圧力よりも高ければ、ガスはノズルから超音速で出て行く。上流の圧力が先の公称圧力よりも低ければ、ガスはノズルから亜音速で出て行く。
【0029】
本発明によると、ランス出口開口部31及びバーナー出口21開口部は同心ではない。むしろ、それらは、互いに距離Dを以って位置しており、前記距離Dは、大きくともランスの径の20倍であり、好ましくは、ソニックスロート37の径dの10倍未満である。
【0030】
ランス軸32は、バーナー軸22と角度αを成し、前記角度αは、10°乃至40°の範囲にあり、好ましくは15°乃至30°の範囲内にある。角度αは、例えば、約25°であり得る。
【0031】
このようにして、前記装置は、バーナーによって作り出される火炎の方向を、ランスによって作り出される又は注入される気体ジェットとの流体相互作用によって偏向させることを可能にする。
【0032】
本発明の好ましい態様によると、ランス3は、中細ノズルの下流に末広ノズル33を備え、そうすることによって、バーナー2及びランス3が同時に作用したとき、ランスによって注入されたジェットが、バーナーによって作り出された火炎の周囲を、前記第2の末広ノズルを用いない場合よりも広い範囲で覆う。更なるオプションは、先の第2末広ノズルと併用することのできるものであるのだが、ランス3に、補助ガスをランス出口開口部31の近傍に注入するための1つ以上の補助インジェクタ34を備え付けることである。ランス3の作用中、このような補助ガスが1つ以上の補助インジェクタ34を通して注入されると、ランス3によって注入されたジェットは、バーナー2によって作り出された火炎の周囲を補助ガスを注入しない場合よりも広い範囲で覆うように広がる。ランスによって注入されたジェットによるこの広がりは、ランスによって作り出されたジェットとバーナーによって作り出された火炎との間のより効果的な又は効率的な流体相互作用を提供し、それにより、より効果的又は効率的な火炎の偏向を提供することができる。
【0033】
また、この装置は、好ましくは、水冷パネル4を具備しており、このパネルに又はこのパネルを通して、バーナー2及びランス3が取り付けられる。使用に際し、この炉において、この水冷パネルは、バーナー及びランスのための冷却を提供し、それにより、過熱を原因とする劣化に対しての保護を提供する。本発明に係る装置の好ましい態様に従うと、バーナー及びランスは1枚の水冷パネルに取り付けられるのだが、本発明は、ランス及びバーナーが別々の水冷パネルにそれぞれ取り付けられているといった本発明の態様をも包含している。
【0034】
また、この装置は、典型的には、精錬中の泡状スラグの実施における使用に適した微粉炭インジェクタ(図示せず)をも具備している。この場合、微粉炭インジェクタも、好ましくは、水冷パネル4に又はこれを通して取り付けられる。
【0035】
使用に際し、この装置は、電気炉の、例えばAC電気炉のフェーズの間、スラグの入口付近及び/又は溶融金属溜まり付近に取り付けられる。
【0036】
この装置は、好ましくは、電気炉に、バーナー軸22が、水平面と、10°乃至40°、好ましくは15°乃至30°の角度βを成すように取り付けられる。角度βは、バーナー2がその火炎を電気アーク炉に注入する角度であって、前記火炎がランス3によって作り出されるジェットを用いて偏向されていないときの角度である。
【0037】
ランス軸32は、好ましくは、水平面と、30°乃至60°、好ましくは35°乃至45°の角度γを成す。
【0038】
ランス出口開口部31は、有利には、バーナー出口開口部21が位置する水平面の上方に位置し、場合によっては、バーナー出口開口部21の真上又は実質的にその垂直方向上方に位置する。
【0039】
前記装置が微粉炭インジェクタを含んでいる場合、この微粉炭インジェクタは、好ましくは、電気アーク炉内への石炭インジェクタ開口部を有しており、これは、バーナー出口開口部21が位置する水平面の下方に位置し、場合によっては、バーナー出口開口部21の直下又は実質的にその垂直方向下方に位置する。
【0040】
また、本発明は、1つ以上のこのような装置を備えた電気アーク炉をも包含している。
【0041】
また、本発明は、原材料金属、典型的には鉄系原材料金属、典型的には廃棄金属を、1つ以上の本発明の装置を設け又は備え1つ以上の本発明の装置を使用する電気アーク炉において溶融するプロセスにも関する。
【0042】
本発明の方法は、溶融工程と精錬工程とを含んでいる。この方法では、バーナー2は、溶融工程の少なくとも一部の間、火炎23を電気アーク炉内に作り出すのに使用される。ランス3は、精錬工程の少なくとも一部の間、超音速ジェットを作り出すのに使用される。本発明によると、ランス3は、溶融工程の少なくとも一部の間、バーナーが火炎23を作り出している間にアクチュエータガスのジェット35を電気アーク炉内へと注入し、それにより、バーナー2によって作り出された火炎23を、この火炎23とアクチュエータガスのジェット35との間の流体相互作用によって偏向させるのに使用される。
【0043】
本文脈では、用語「アクチュエータガスジェット」又は「アクチュエータガスのジェット」35は、バーナー2が火炎23を作り出すのと同時にランスによって注入されて、図3に示すように、このガスジェットと火炎との間で流体相互作用が発生し、それにより、この火炎を、アクチュエータガスジェットがない場合の方向から偏向させるガスジェットを意味している(図3では、アクチュエータガスジェットがない場合に得られるであろう火炎を、点線で示している)。
【0044】
当然のことながら、本発明の重要な利点は、電気アーク炉内部に存在する非常に汚染された侵食的な雰囲気に曝される追加の機械的部分又は可動部分の必要なくして、バーナー2によって作り出される火炎23の方位を変更することを可能にすることである。また、ランス3を使用して火炎の方位を変更することにより、本発明は、バーナーの火炎を偏向させるための追加のランス又はインジェクタを電気アーク炉内に設置することを必要としない。
【0045】
バーナー2は、有利には、原材料金属を予熱するべく、バケット装入分の溶融の開始時に使用され得る。
【0046】
バーナー2の公称出力は、好ましくは、2乃至6MWに及ぶ。
【0047】
有利な態様によると、バーナー2は、例えば天然ガスを燃焼させるための、気体燃料バーナーである。更に有利な態様によると、バーナー2は、例えば燃料油を燃焼させるための、液体燃料バーナーである。
【0048】
使用に際し、バーナー2は、一方では燃料の、他方では支燃剤の供給のためのバルブ列を備える。
【0049】
同様に、ランス3は、ガスの供給のためのバルブ列を備える。
【0050】
本発明に係る方法を使用して、バーナー2によって作り出される火炎23の方位が、アクチュエータガスのジェット35との流体相互作用によって、溶融工程の間の原材料金属の堆積形状の変化に追随するように変更される場合、原材料金属への熱の移動は改善され、原材料の溶融に必要な時間を短縮することができ、ひいてはエネルギー効率の改善を達成することができる。
【0051】
例えば、バーナー2によって作り出される火炎23は、原材料金属の堆積が溶融工程の間に低下するのに応じて、次第に低くすることができる。新たなバケット装入分の原材料が添加されて、それにより原材料金属の新たな又はより高い堆積が作り出されるのと同時に、この火炎を高くすることができる。
【0052】
本発明の主な利点は、ランス3を使用してアクチュエータガスのジェット35を作り出すことによって、バーナー2によって作り出された火炎23を、溶融工程中に、現存の多機能ツールと比べた場合に燃料及びガスの供給のための追加の又はより複雑なバルブ列を用いることなく、前記アクチュエータガスジェットとの流体相互作用によって偏向させることが可能であることにある。
【0053】
アクチュエータガスジェット35は、特に、空気ジェットか、又は、窒素、アルゴン若しくは酸素を含んだジェットであり得る。酸素を含んだジェットが好ましい。アクチュエータガスジェットが空気ジェット又はより好ましくは酸素ジェットである場合、それは、溶融プロセスの間に放出されたCOのポスト燃焼(postcombustion)を可能にし、それにより、この方法のエネルギー効率を更に高めることができる。
【0054】
先に述べたように、ランスが中細ノズルの下流に末広ノズル33を備えている場合、又は、上で述べたように、ランスがランス出口開口部32の近くに補助ガスを注入するための1つ以上の補助インジェクタ34を備えている場合、アクチュエータガスジェット35は、火炎23のより重要な領域を覆うことができ、それにより、アクチュエータガスジェットの火炎に対する効果を高め、ひいてはアクチュエータガスジェットが火炎の方位を変更し得る効率を高める。
【0055】
精錬工程の間、ランス3を、従来のランスツールとして使用することができる。
【0056】
詳細に述べると、ランス3を、精錬工程の間、微粉炭を電気アーク炉内に微粉炭インジェクタによって注入するのと同時に超音速酸素を作り出し、それにより泡状スラグを作り出すのに使用することができる。
【0057】
また、精錬の間、ランス3を、溶融金属を混合又は攪拌するための超音速ジェットを作り出すのに使用することもできる。前記超音速ジェットは、空気ジェット、又は、酸素、アルゴン若しくは窒素を含んだジェット、又は、窒素及びアルゴンの組み合わせを含んだジェットであり得る。酸素を含んだジェットが好ましい。
【0058】
ランス3が超音速ジェットを作り出すのに使用される場合、前記超音速ジェットの流量は、通常、800乃至4000Nm3/時、好ましくは1200乃至3000Nm3/時であり得る。
【0059】
本発明の或る特定の態様によると、ランス3は、それ自体が、このランスが電気アーク炉に注入するガスジェット、即ち、このランスが溶融工程中に注入するアクチェータジェット及び/又はこのランスが精錬工程中に注入する超音速ジェットの方位を変更する手段を備え得る。このような手段は、例えば、このランス内のジェット、即ちランス出口開口部31の上流にあるジェットに衝撃を与えるための追加のガス流を、ランス出口開口部31に又はランス出口開口部31の直ぐ下流に提供し、それにより、ランス3によって電気アーク炉内に注入されるガスジェットの方位を、前記追加のガス流との流体相互作用によって変更することを可能にする手段でもよい。詳細に述べると、ランスが補助ガスをランス出口開口部31の近傍に注入するための1つ以上の補助インジェクタ34を備えている場合、この補助ガスを、ランスによって注入されるガスジェットの方位を変更するのに使用することができる。
【0060】
ランスによって注入されるアクチュエータガスジェット35は、好ましくは、酸素を含んだジェットである。アクチュエータガスのジェット35は、有利には、酸素含有量が、少なくとも25体積%、好ましくは少なくとも50体積%、より好ましくは少なくとも90体積%である。
【0061】
同様に、ランスによって注入される超音速ジェットは、有利には、酸素含有量が、少なくとも25体積%、好ましくは少なくとも50体積%、より好ましくは少なくとも90体積%である、酸素を含んだジェットである。
【0062】
本発明によると、電気アーク炉は、典型的には、
・溶融工程の間に、バーナーへの燃料及び支燃剤の流量、並びに、ランスへのアクチュエータガスの流量を制御し、
・精錬工程の間に、ランスへのガスの流量を制御する
ための制御設備をも備えている。
【0063】
ランスが補助ガスを注入するための1つ以上の補助インジェクタ34を備えている場合、前記制御設備は、普通、この1つ以上のインジェクタを通しての補助ガスの流量も制御する。
【0064】
前記装置が微粉炭インジェクタを備えている場合、前記制御設備は、普通、精錬工程の間の微粉炭インジェクタへの微粉炭の物質流(流量)も制御する。
【0065】
特に、前記電気アーク炉は、
・溶融工程のバーナーの化学量論制御に基づいた溶融工程の開ループ制御のため、及び/又は、
・例えば、溶融工程の開始からの経過時間若しくは電極によって供給される電気エネルギーに応じて判定される、又は光学手段、例えばレーザーによって判定される原材料金属の堆積形状の展開に基づいた、溶融工程の閉ループ制御のため
の制御システムを備え得る。
【0066】
上で説明したように、アクチュエータガスジェット35が、酸素を含んだガス、例えば空気ジェット又はより好ましくは酸素ジェットである場合、この方法のエネルギー効率を、酸素を含んだこのアクチュエータガスジェット35を溶融プロセスの間に放出されたCOのCO2への極めて発熱性のポスト燃焼において使用することによって、更に高めることができる。
【0067】
電気アーク炉内の雰囲気、特に前記雰囲気のCO含有量は迅速に変化し得るので、ポスト燃焼の効率的な使用は迅速応答制御を必要とする。炉内に注入される酸素が不十分である場合、ポスト燃焼及びそれに対応するエネルギーの節約は、溶融プロセスの間に放出されたCOの一部が排ガスとして炉から出て行くので、不完全となる。他方、炉に注入される酸素が多過ぎる場合、これは、黒鉛電極の酸化と金属の酸化による金属損失の増加とを引き起こし、これら双方は重大な超過費用をもたらす。更に、炉内に注入される酸素が著しく超過した場合に発生するホットスポットは、炉の内部を覆った耐火材料の劣化を早め得る。最終的に、過剰な酸素の注入は、溶融金属浴とも反応して、それにより、採取された(tapped)溶融金属の品質に悪影響を及ぼし得る。
【0068】
このように、本発明は、溶融工程の間の金属の溶融を、
・原材料金属装入物への熱移動を最適にするように、溶融プロセスの間にバーナーによって作り出される火炎の傾きを制御することによって、又は
・ポスト燃焼を最適にするように、炉内に注入される酸素の全体流量を制御することによって、又は
・好ましくは、火炎の傾きと酸素注入との双方を制御することによって
最適にすることを可能にする制御設備にも関する。
【0069】
本発明に係る方法は、好ましくは、バーナーへの燃料及び支燃剤の流量と、ランスへのガスの流量とを制御するような制御設備を備えた電気アーク炉において行われる。
【0070】
第1態様によると、前記制御設備は、溶融プロセスの開始(原材料金属の加熱の開始)からの経過時間を測定するデバイス又は時計を具備している。より好ましい態様によると、この制御設備は、溶融工程の開始からの電極又はフェーズによって(金属に)供給される電気エネルギーの量を測定するデバイス又はメーターを具備している。供給されたエネルギーの量は、典型的には、装入された原材料金属1トン当たりのkW時で表される。
【0071】
これら2つのパラメータ、特に電極によって供給されるエネルギーの量は、溶融プロセスの制御のための有用な入力パラメータである。実際、経過時間及び特に電極によって供給されるエネルギーは、所定の装入分の原材料金属について、(少なくともおおよそ)溶融工程の終わり及び精錬工程の始まりを判定することを可能にし、それ故に、例えば、これらを前記制御設備において入力信号として使用して、脱炭のための超音速ジェットを作り出すようにランスへのガスの流量を制御すべき場合であるか、及び/又は、炉内に泡状のスラグを作り出すように、ランスへのガスの流量と、微粉炭インジェクタへの微粉炭の質量流量(流量)とを制御すべき場合であるかを判定することができる。
【0072】
また、経過時間又は電極によって供給されるエネルギーは、所定の装入分の原材料金属について、溶融工程の進行の度合いとそれに対応する原材料金属の堆積形状とを判定することも可能にし、それ故に、例えば、これらを制御設備において入力として使用して、ランスへのアクチュエータガスの流量と、バーナーへの支燃剤及び燃料の流量とを、溶融工程が進行し、原材料の堆積形状が変化するのに応じて、バーナーによって作り出される火炎がこの火炎とアクチュエータガスとの流体相互作用によって最適な傾きに維持されるように制御することができる。
【0073】
前記制御システムは、特に、オペレーティングシステムであって、溶融プロセスの開始からの経過時間、又は、好ましくは電極又はフェーズによって溶融工程の開始から供給された電気エネルギーの量を入力として受信し、それにより、「モデル」とも呼ばれるソフトウェアを使用して、溶融工程の終わりと精錬工程の開始とに正に対応する瞬間を判定し、それに対応した信号を出力として提供する、及び/又は、溶融工程の進行度合い及び/又は溶融工程の前記進行度合いに関連した原材料の堆積形状の概算を判定して、それに対応した信号を出力として提供するオペレーティングシステムを具備していてもよい。
【0074】
また、前記制御設備は、好ましくは、炉雰囲気中のCO濃度のレベルを検出するための、好ましくは、炉雰囲気中のCO濃度のレベルの実時間検出のためのCOセンサをも具備している。例えば、国際公開第0233200号、国際公開第03046522号、国際公開第03060480号、国際公開第03060491号、米国特許第2003218752号、国際公開第2006061081号から知られているように、このCOセンサは、特に、炉雰囲気中のCO濃度のレベルを、光学的手段によって、特にチューナブルダイオードレーザーを使用して検出してもよい。
【0075】
或いは、COセンサは、炉雰囲気中のCO濃度のレベルを、この炉のエルボーギャップ(elbow gap)又はスリップギャップ(slip gap)での煙霧又は排ガスの温度を測定することによって直接検出するものであってもよい。このようなエルボーギャップ又はスリップギャップは、通常、電気アーク炉の煙霧抜き取りシステムの、この電気アーク炉の炉蓋に取り付けられた排ガスエルボーと、前記エルボーの下流の、通常は水冷式の下流排ガス管との間にある。このギャップを通って、或る量の周囲空気が、煙霧と共に水冷管内へと吸引され得る。バーミンガムにおいて開催された2005EEC会議で発表されたJanuardらによる「EAFにおける化石燃料の連続的な煙霧モニタリングによる動的制御(Dynamic control of fossil fuel injections in EAF through continuous fumes monitoring)」という文献から、エルボー又はスリップギャップでの温度は、炉から出て行くCOのこの点での空気の移入を伴う燃焼に因る、この炉から出て行くCOの濃度についての尺度であることが知られている。炉内での効果的なポスト燃焼は、炉から出て行くCOの減少をもたらし、結果として、このギャップでのより少ない煙霧又は排ガス温度をもたらす。
【0076】
前記制御手段は、CO濃度を光学的手段によって検出するためのCOセンサと、煙霧の温度をエルボーギャップ又はスリップギャップにおいて検出するためのCOセンサとの両方を具備してもよく、それによって、例えば、ギャップでの煙霧の温度を検出するための前記COセンサは、バックアップとして、CO濃度を光学的手段によって検出するための前記COセンサの優れた機能を検証する(verify)ことができる。
【0077】
炉雰囲気中のCO濃度又は炉雰囲気中のCO濃度を反映したパラメータは、溶融プロセスの制御に有用な入力である。何故なら、これは、ランス及び/又はバーナーによって炉内に注入される酸素の流量を検出されたCO濃度のレベルと炉内にバーナーによって注入された燃料の量とに応じて制御することによって、炉内でのCOのCO2へのポスト燃焼を制御すること及びこれを最適にすることを前記制御設備に可能にさせるからである。これは、燃料の燃焼に必要とされる酸素の量を超過して注入される酸素の量のみがポスト燃焼に寄与するからである。炉内に注入された燃料の燃焼に必要とされる酸素の量は、化学量論量として知られている。
【0078】
本発明に係る方法の好ましい態様によると、アクチュエータガスは酸素を含んだガスであり、前記制御設備は、溶融工程の間に、
・バーナーへの燃料及び支燃剤の流量とランスへのアクチュエータガスの流量とを、溶融工程が進行し、原材料の堆積形状が変化するのに応じて、バーナーによって作り出される火炎をランスによって注入されるアクチュエータガスジェットとの流体相互作用によって前記堆積に対する適切な傾きに保つように制御し、更には、
・バーナーによって支燃剤(の一部)として炉内に注入される酸素の量及びランスによってアクチュエータガス(の一部)として炉内に注入される酸素の量を、バーナー及びランスによって炉内に注入された酸素のうち燃料の燃焼に必要とされる酸素の量を超過した量がポスト燃焼に利用可能となるように調節することによって、ポスト燃焼を最適化する。
【0079】
このように、本発明は、(a)(ランスによって注入されるアクチュエータガスのジェットとの流体相互作用を用いて)バーナーの火炎の方位と、(b)炉内でのポスト燃焼とを、バーナー及びランスによってそれぞれ注入される酸素の量を制御することによって、又はバーナーによって注入される燃料の量及びバーナー及びランスによってそれぞれ注入される酸素の量を制御することによって、同時に制御又は調節する方法を提供する。
【0080】
また、前記制御設備は、炉雰囲気中のCO2レベルを、好ましくは、例えばチューナブルダイオードデータなどの光学的手段を使用する炉雰囲気中のCO2のレベルの実時間検出によって検出するためのCO2センサを具備していてもよい。CO2センサによって検出された炉雰囲気中のCO2レベルを入力として使用して、前記制御設備は、炉内でのポスト燃焼の優れた機能をモニタすることができる。前記制御設備は、特に、炉雰囲気中のCO及びCO2レベルの双方を例えばチューナブルダイオードレーザーなどの光学的手段を使用して検出するセンサを具備していてもよい。
【0081】
前記制御設備は、電気アーク炉の水冷パネルの過熱を検出するための熱センサを更に具備していてもよい。この場合、過熱センサは、1枚以上のパネルの、特にバーナー及びランスが取り付けられているパネルの冷却水の温度が過熱に典型的な予め定められた値を超過したときを検出することによって、ライニングの過熱を検出することができる。過熱センサが1枚以上の水冷パネルの加熱を検出した場合、この情報は、制御設備により、炉内に注入される酸素及び/又は燃料の量を減らして、燃焼及び/又はポスト燃焼によって炉内に放出される熱を低減させるための信号として使用され得る。
【0082】
また、前記制御設備は、有利には、バーナーに汚染物質、スラグ又は金属が堆積するのを防ぐために、溶融プロセス中に、
・バーナーへの支燃剤及び/又は燃料の流量が、最小バーナー流量又はパイロットバーナー流量を上回り続けることと、
・ランスへのガスの流量が、最小ランス流量又はパイロットランス流量を上回り続けることと
を確実にする。
【0083】
本発明に係る溶融プロセスの非限定的な例を以下に示す。
【0084】
・溶融工程の開始時に、
−前記装置のバーナーは、その低出力のパイロットモード又は非動作モードから、2乃至6MWの出力でのその公称出力バーナーモードへと切り替えられ、
−同時に、ランスはパイロットモードに維持される、又は、状況により、このランスは、低レベルのアクチュエータガス流を注入して、火炎をほぼ最適な配置(約20°)に維持するのに使用される。アクチュエータフローが酸素流である場合、この酸素は、火炎の化学量論に対する補足的な酸素として及び/又はポスト燃焼用の追加の酸素として働く。これらの流量は、制御設備により、例えばオフガス分析デバイスに基づいて制御され得る。
【0085】
電気アーク炉内の極めて汚染された侵食的な雰囲気を考慮すると、電気アーク炉に取り付けられたバーナー及びインジェクタは、一般には、溶融プロセスの間にその機能を完全には停止されない。バーナーが熱を原材料金属装入物へと移動させるための火炎を作り出すのに使用されていない場合(即ち、バーナーが作用中にない場合)であっても、このバーナーは、パイロットモード又は待機モード又は待機点火(hold fire)モードに維持されて、その間、このバーナーには、このバーナーを保護すべく、特に、バーナー上に飛散して、このバーナーを塞ぐ又はそうでなければその優れた機能を妨害し得る汚染物質又はスラグ又は金属がこのバーナーに堆積するのを防ぐべく、予め定められた最小バーナー流量とも呼ばれる、限られた及び制御された流量の燃料及び/又は支燃剤が供給される。同様に、精錬工程の間に、ランスが、特に脱炭のため若しくは泡状スラグを製造するための超音速ガス流を注入するのに使用されていない場合であっても、又は、溶融工程の間に、本発明に従ってランスがアクチュエータ流を注入するのに使用されない場合であっても、このランスはパイロットモード又は待機モードに維持され、その間、それは、このランスを保護すべく、予め定められた最小ランス流量とも言われる、限られた及び制御された流量のガスを供給される。
【0086】
・溶融工程が進行している間、
−バーナーは、その公称出力バーナーモードに維持され、
−アクチュエータ流は、火炎を偏向して、水平面に対するこの火炎の角度を、屑鉄の堆積の崩壊を考慮してできる限り最適に、例えば20°乃至45°に保つべく、次第に増加される。また、このアクチュエータ流は、(場合によっては、バーナーへの燃料流量の低減を伴う)火炎の化学量論への補助的な酸素として、及び/又は、ポスト燃焼のために使用される追加の酸素としても役立つ。これらの流量は、例えば、炉雰囲気の分析に応じて、及び、特に、前記雰囲気のCO含有量に応じて制御され得る。
【0087】
得られる火炎の水平面に対する角度θは、特に、バーナーからの燃料及び支燃剤の質量流量と、ランスからのアクチュエータガスの質量流量とに応じて変化する。気体燃料の場合、
【数1】

【0088】
であり、mは、関係するガスの質量流量である。
【0089】
アクチュエータガスジェット=0である場合、θは、偏向されていない火炎の水平面に対する角度であり、通常、バーナー軸の水平面に対する角度βに対応する。
【0090】
・精錬工程中、
−バーナーは、パイロットモード又は非動作モードに戻され、
−ノズルは、超音速モードに切り替えられ、超音速酸素ジェットを電気アーク炉内に注入する、
−溶融工程中に非動作モードに保持されていた微粉炭インジェクタは、微粉炭を電気アーク炉内に注入するのに使用される。超音速酸素及び石炭注入は、泡状スラグを生成するように制御される。泡状スラグプロセスの最適な効率のために、超音速酸素及び石炭注入は、オフガス分析のためのセンサ、電子的パラメータの測定又は最先端技術において説明されている任意の等価なセンサに基づいた閉ループ制御を使用する制御システムによって制御される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気アーク炉内での使用のための装置(1)であって、
・燃料及び支燃剤を燃焼させるための、バーナー軸(22)及びバーナー出口開口部(21)を有したバーナー(2)と、
・ランス軸(32)及びランス出口開口部(31)を有し、径がdであるソニックスロートを具備した中細ノズル(36)を備えたランス(3)と
を具備し、
・前記ランス出口開口部(31)及び前記バーナー出口開口部(21)は同心ではなく、互いに距離Dを以って位置しており、D≦20×d、好ましくは≦10×dであることと、
・前記ランス軸(32)は、前記バーナー軸(22)と、10°乃至40°、好ましくは15°乃至30°の範囲内にある角度αを成すことと
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記バーナー(2)及び前記ランス(3)が取り付けられた水冷パネル(4)を更に具備した請求項1に記載の装置。
【請求項3】
微粉炭インジェクタを更に具備した請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
電気アーク炉に取り付けられている請求項1乃至3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記バーナー軸(22)は、水平面と、10°乃至40°、好ましくは15°乃至30°の角度βを成す請求項5に記載の装置。
【請求項6】
前記ランス軸(32)は、水平面と、30°乃至60°、好ましくは35°乃至45°の角度γを成す請求項5又は6に記載の装置。
【請求項7】
鉄系原材料金属を電気アーク炉内で溶融させる方法であって、
・溶融工程と、
・精錬工程と
を含み、
・前記電気アーク炉は、請求項4乃至6の何れか1項に記載の装置(1)を備えており、
・前記バーナー(2)が、前記溶融工程の少なくとも一部の間、燃料及び支燃剤を燃焼させて火炎を前記電気アーク炉内に作り出すのに使用され、
・前記ランス(3)が、前記精錬工程の少なくとも一部の間、超音速ジェットを作り出すのに使用され、
前記溶融工程の少なくとも一部の間、前記ランス(3)が、前記バーナーが燃料及び支燃剤を燃焼させて火炎(32)を作り出すのに使用されている間にアクチュエータガスのジェット(35)を前記電気アーク炉に注入するのに使用され、それにより、前記アクチュエータガスのジェットがバーナーによって作り出された火炎を偏向させること
を特徴とする方法。
【請求項8】
前記原材料金属は鉄系原材料金属である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アクチュエータガスのジェット(35)は、酸素含有量が、少なくとも25体積%、好ましくは少なくとも50体積%、より好ましくは少なくとも90体積%である請求項7又は請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電気アーク炉は、前記バーナーへの燃料及び支燃剤の流量と、前記ランスへのガスの流量とを制御する制御設備を更に備えている請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記アクチュエータガスは、酸素を含んだガスであり、前記溶融工程の間、前記制御設備は、前記バーナーによって作り出される前記火炎(23)を、前記火炎(23)と前記ランス(3)によって注入される前記アクチュエータガスジェット(35)との間の流体相互作用によって前記原材料金属に対する最適な傾きに保つように、前記バーナーへの燃料及び支燃剤の流量と、前記ランスへのアクチュエータガスの流量とを制御する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アクチュエータガスは、酸素を含んだガスであり、前記溶融工程の間、前記制御デバイスは、前記バーナー(2)及び前記ランス(3)によって前記炉に注入される酸素の量を制御する請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
請求項4乃至6の何れか1項に記載の少なくとも1つの装置を具備した電気アーク炉。
【請求項14】
請求項10乃至12の何れか1項に記載した制御設備を更に具備した、請求項25に記載の電気アーク炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−509394(P2011−509394A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541767(P2010−541767)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050068
【国際公開番号】WO2009/087142
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】