説明

電気コネクタ

【課題】本発明はFPC22を使用し、高温使用時の接触部緩和を防止する2ピース構造の電気コネクタ10を提供する。
【解決手段】本目的はFPC22とブロック24を有するプラグコネクタ20と、コンタクト52とハウジング54を有するソケットコネクタ50とを備える電気コネクタ10において、FPC22には所定の位置に複数の孔222を設け、ブロック24には孔222に対応する位置に孔222に入る突出部241を設け、突出部241を孔222に挿入した後にFPC22をブロック24に熱による保持手段により保持し、プラグコネクタ20及びソケットコネクタ50には幅方向両側にそれぞれのコネクタ同士が係合する係合手段を設け、FPC22が熱による保持手段により保持されたプラグコネクタ20の嵌合部14をソケットコネクタ50の嵌合口12に挿入することによりFPC22の接点221とコンタクト52が接続することにより達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載や家電や産業機器等の電気機器や電子機器に使用される電気コネクタに関するもので、特に、完全嵌合時にクリック感が得られ、フレキシブルプリント基板(以下では「FPC」という)を使用し、高温使用時の接触部緩和を防止する2ピース(プラグコネクタとソケットコネクタ)構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電気コネクタは、一般的に、2つのコネクタ(プラグコネクタとソケットコネクタ)を備え、前記プラグコネクタには複数の接点を有するフレキシブルプリント基板がブロックに両面テープや接着剤により装着され、前記ソケットコネクタは前記接点と接続する接触部を有する複数のコンタクトと前記プラグコネクタの嵌合部が入る嵌合口を有するハウジングとを備えている。
下記に、従来技術として、特許文献1(特開2004−31119)を挙げる。
【特許文献1】特開2004−31119の要約によると、コネクタ嵌合時にフラット回路体に傷が付くことを防止でき、フラット回路体を容易かつ確実に相手側のコネクタに差し込むことができ、フラット回路体の位置決めを正確に行うことができるコネクタの嵌脱構造を提供することを目的とし、他方のコネクタ10に脚部32bを設け、フラット回路体55と回路基板57との間に隙間を形成する。脚部32bを位置決め突起とし、フラット回路体55には位置決め突起168に係合する係止孔を設け、一方のコネクタ40に、脚部32bを受け入れるガイド溝を形成し、一方のコネクタ40の開口部49の端部に、他方のコネクタ10をスライドさせながら受け入れるガイド部49aを形成し、他方のコネクタ10の嵌合部37の端部に、ガイド部49aに沿ってスライドする傾斜部37aを形成するコネクタの嵌脱構造が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術や特許文献1では、FPCが前記プラグコネクタのブロックに、両面テープや接着剤により固定されているため、高温で使用されると両面テープや接着剤が軟化し、FPC接触力の変化による接続不良に繋がる可能性やFPCが外れ易くなる等の問題があった。
また、前記プラグコネクタが前記ソケットコネクタに完全に嵌合出来たかどうかの確認が出来なかった。
さらには、ロックレバーが変形しないような構造の要求も出始めている。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、特に、完全嵌合時にクリック感が得られ、FPCを使用し、高温使用時の接触部緩和を防止する2ピース(プラグコネクタとソケットコネクタ)構造の電気コネクタを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、請求項1記載のように、プラグコネクタとソケットコネクタが着脱自在に嵌合する電気コネクタであって、
複数の接点を有するFPCと該FPCが装着されるブロックとを有するプラグコネクタと、
前記FPCの接点と接続する複数のコンタクトと該コンタクトが配列・保持されるとともに前記プラグコネクタの嵌合部が入る嵌合口を有するハウジングとを有するソケットコネクタとを備える電気コネクタにおいて、
前記FPCには所定の位置に複数の孔を設け、前記ブロックには前記孔に対応する位置に前記孔に入る突出部を設け、前記突出部を前記孔に挿入した後に前記FPCを前記ブロックに熱による保持手段により保持し、
前記プラグコネクタ及び前記ソケットコネクタには幅方向両側にそれぞれのコネクタ同士が係合する係合手段を設け、
前記FPCが熱による保持手段により保持された前記プラグコネクタの嵌合部を前記ソケットコネクタの嵌合口に挿入することにより前記FPCの接点と前記コンタクトが接続することを特徴とする電気コネクタにすることにより達成できる。
【0006】
請求項2の記載の電気コネクタは、前記ハウジングに装着孔を設けるとともに該装着孔にロック部材を仮装着し、
前記ブロックの嵌合部の両側に凹部を設けるとともに前記ロック部材の長手方向両側には第2係合手段を設け、
前記ロック部材を前記ハウジングに完全に装着した際に前記第2係合手段が前記凹部に係合することを特徴とする請求項1記載の電気コネクタにある。
また、請求項3の記載の電気コネクタは、前記ロック部材で前記コンタクトを前記FPC方向に押圧することにより前記コンタクトと前記FPCとが接続することを特徴とする請求項2記載の電気コネクタにある。
さらに、請求項4の記載の電気コネクタは、前記FPCの接点に2本のコンタクトが接続することを特徴とする請求項1、2または3記載の電気コネクタにある。
またさらに、請求項5の記載の電気コネクタは、前記プラグコネクタの逆挿し防止手段を備えることを特徴とする請求項1、2または3、4記載の電気コネクタにある。
請求項6の記載の電気コネクタは、前記係合手段として、
前記ブロックの幅方向両側に、外側へ突出した係止部を設け、
前記ハウジングには幅方向両側に挿入穴を設けるとともに前記挿入穴にロックレバーを装着し、
前記ロックレバーに前記係止部と係合する係合部を設けるとともに基板と接続する接続部を設け、
前記ロックレバーの係止部と前記ブロックの係止部とを係合することにより前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが係合することを特徴とする請求項1記載の電気コネクタにある。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明の電気コネクタによると、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載のように、プラグコネクタとソケットコネクタが着脱自在に嵌合する電気コネクタであって、
複数の接点を有するFPCと該FPCが装着されるブロックとを有するプラグコネクタと、
前記FPCの接点と接続する複数のコンタクトと該コンタクトが配列・保持されるとともに前記プラグコネクタの嵌合部が入る嵌合口を有するハウジングとを有するソケットコネクタとを備える電気コネクタにおいて、
前記FPCには所定の位置に複数の孔を設け、前記ブロックには前記孔に対応する位置に前記孔に入る突出部を設け、前記突出部を前記孔に挿入した後に前記FPCを前記ブロックに熱による保持手段により保持し、
前記プラグコネクタ及び前記ソケットコネクタには幅方向両側にそれぞれのコネクタ同士が係合する係合手段を設け、
前記FPCが熱による保持手段により保持された前記プラグコネクタの嵌合部を前記ソケットコネクタの嵌合口に挿入することにより前記FPCの接点と前記コンタクトが接続することを特徴とする電気コネクタにしているので、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが完全に嵌合した際にクリック感が得られ、100度以上の高温で使用した場合でもFPCが外れることがないため接続不良に繋がることがない。
(2)請求項2の記載の電気コネクタは、前記ハウジングに装着孔を設けるとともに該装着孔にロック部材を仮装着し、
前記ブロックの嵌合部の両側に凹部を設けるとともに前記ロック部材の長手方向両側には第2係合手段を設け、
前記ロック部材を前記ハウジングに完全に装着した際に前記第2係合手段が前記凹部に係合することを特徴とする請求項1記載の電気コネクタにしているので、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが完全に嵌合した際にクリック感が得られ、100度以上の高温で使用した場合でもFPCが外れることがないため接続不良に繋がることがなく、2重ロック構造のため振動によっても前記プラグコネクタが前記ソケットコネクタから外れることがない。
(3)請求項3の記載の電気コネクタは、前記ロック部材で前記コンタクトを前記FPC方向に押圧することにより前記コンタクトと前記FPCとが接続することを特徴とする請求項2記載の電気コネクタにしているので、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが完全に嵌合した際にクリック感が得られ、85度以上の高温で使用した場合でもFPCが外れることがないため接続不良に繋がることがなく、かつ、2重ロック構造のため振動によっても前記プラグコネクタが前記ソケットコネクタから外れることがなく、確実に前記コンタクトと前記FPCとを接続させることができる。
(4)請求項4の記載の電気コネクタは、前記FPCの接点に2本のコンタクトが接続することを特徴とする請求項1、2または3記載の電気コネクタにしているので、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが完全に嵌合した際にクリック感が得られ、100度以上の高温で使用した場合でもFPCが外れることがないため接続不良に繋がることがなく、かつ、2重ロック構造のため振動によっても前記プラグコネクタが前記ソケットコネクタから外れることがなく、確実に前記コンタクトと前記FPCとを接続させることができ、安定した接続で、長期接触信頼性の向上に繋がる。
(5)請求項5の記載の電気コネクタは、前記プラグコネクタの逆挿し防止手段を備えることを特徴とする請求項1、2または3、4記載の電気コネクタにしているので、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが完全に嵌合した際にクリック感が得られ、100度以上の高温で使用した場合でもFPCが外れることがないため接続不良に繋がることがなく、かつ、2重ロック構造のため振動によっても前記プラグコネクタが前記ソケットコネクタから外れることがなく、確実に前記コンタクトと前記FPCとを接続させることができ、安定した接続で、長期接触信頼性の向上に繋がり、逆挿しも防止できる。
(6)請求項6の記載の電気コネクタは、前記係合手段として、前記ブロックの幅方向両側に、外側へ突出した係止部を設け、前記ハウジングには幅方向両側に挿入穴を設けるとともに前記挿入穴にロックレバーを装着し、前記ロックレバーに前記係止部と係合する係合部を設けるとともに基板と接続する接続部を設け、前記ロックレバーの係止部と前記ブロックの係止部とを係合することにより前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが係合することを特徴とする請求項1記載の電気コネクタにしているので、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが完全に嵌合した際にクリック感が得られ、100度以上の高温で使用した場合でもFPCが外れることがないため接続不良に繋がることがなく、前記プラグコネクタ構造のシンプル化が図れ、前記ロックレバーが露出していないため、不慮の変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A) プラグコネクタと、ロック部材が装着されてなく、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、を嵌合口上方からみた斜視図である。(B) プラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口上方からみた斜視図である。(C) プラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口の反対側上方からみた斜視図である。
【図2】(A) プラグコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図である。(B) ソケットコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図である。(C) ソケットコネクタを、嵌合口側の下方からみた斜視図である。
【図3】(A) 2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、あるコンタクト部分で断面した断面図である。(B) 2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、長手方向の一方側の係合手段部分で断面した断面図である。(C) 2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、ロック部材の第2係合手段部分で断面した断面図である。
【図4】(A) 熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部上方よりみた斜視図である。(B) 熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。
【図5】(A) ブロックに固定される係合手段であるロックレバーを嵌合部上方よりみた斜視図である。(B) ブロックに固定される係合手段であるロックレバーを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。
【図6】(A) ソケットコネクタのハウジングを、嵌合口上方よりみた斜視図である。(B) ソケットコネクタのハウジングを、嵌合口と反対側下方よりみた斜視図である。(C) ソケットコネクタのハウジングを、あるコンタクトの挿入孔部分で断面した断面図である。(D) ソケットコネクタのハウジングを、あるロック部材の突出片が入る係合孔部分で断面した断面図である。
【図7】(A) コンタクトの斜視図である。(B) コンタクトがFPCに接触した状態の斜視図である。
【図8】(A) ロック部材を、上方よりみた斜視図である。(B) ロック部材を、下方よりみた斜視図である。
【図9】(A) 逆挿しされた状態のプラグコネクタとソケットコネクタを嵌合方向上方よりみた斜視図である。(B) 逆挿しが防止された状態の断面図である。
【図10】(A) プラグコネクタと、ロック部材が装着されてなく、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、を嵌合口上方からみた斜視図である。(B) プラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口上方からみた斜視図である。(C) プラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口の反対側上方からみた斜視図である。
【図11】(A) プラグコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図である。(B) ソケットコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図である。(C) ソケットコネクタを、嵌合口側の下方からみた斜視図である。
【図12】(A) 2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、あるコンタクト部分で断面した断面図である。(B) 2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、長手方向の一方側の係合手段部分で断面した断面図である。(C) 2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、ロック部材の第2係合手段部分で断面した断面図である。
【図13】(A) 熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部上方よりみた斜視図である。(B) 熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。
【図14】(A) ブロックに固定される係合手段であるロックレバーを嵌合部上方よりみた斜視図である。(B) ブロックに固定される係合手段であるロックレバーを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。
【図15】(A) ソケットコネクタのハウジングを、嵌合口上方よりみた斜視図である。(B) ソケットコネクタのハウジングを、嵌合口と反対側下方よりみた斜視図である。(C) ソケットコネクタのハウジングを、あるコンタクトの挿入孔部分で断面した断面図である。(D) ソケットコネクタのハウジングを、あるロック部材の突出片が入る係合孔部分で断面した断面図である。(E) ソケットコネクタのハウジングを、あるロックレバーが入る挿入穴部分で断面した断面図である。
【図16】(A) ロック部材を、上方よりみた斜視図である。(B) ロック部材を、下方よりみた斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特徴は、プラグコネクタ20とソケットコネクタ50が着脱自在に嵌合する電気コネクタ10であって、複数の接点221を有するFPC22と該FPC22が装着されるブロック24とを有するプラグコネクタ20と、前記FPC22の接点221と接続する複数のコンタクト52と該コンタクト52が配列・保持されるとともに前記プラグコネクタ20の嵌合部14が入る嵌合口12を有するハウジング54とを有するソケットコネクタ50とを備える電気コネクタ10において、前記FPC22には所定の位置に複数の孔222を設け、前記ブロック24には前記孔222に対応する位置に前記孔222に入る突出部241を設け、前記突出部241を前記孔222に挿入した後に前記FPC22を前記ブロック24に熱による保持手段により保持し、前記プラグコネクタ20及び前記ソケットコネクタ50には幅方向両側にそれぞれのコネクタ同士が係合する係合手段を設け、前記FPC22が熱による保持手段により保持された前記プラグコネクタ20の嵌合部14を前記ソケットコネクタ50の嵌合口12に挿入することにより前記FPC22の接点221と前記コンタクト52が接続することを特徴とする電気コネクタ10である。
つまり、前記FPC22を前記ブロック24に熱カシメにより固定した前記プラグコネクタ20を、前記ソケットコネクタ50に挿入することにより前記FPC22の接点221と前記ソケットコネクタ50のコンタクト52とが接続するようにしたものである。
【0010】
図1から図9に基づいて、本発明の電気コネクタ10の一実施例について説明する。
図1(A)はプラグコネクタと、ロック部材が装着されてなく、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、を嵌合口上方からみた斜視図であり、(B)はプラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口上方からみた斜視図であり、(C)はプラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口の反対側上方からみた斜視図である。図2(A)はプラグコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図であり、(B)はソケットコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図であり、(C)はソケットコネクタを、嵌合口側の下方からみた斜視図である。図3(A)は2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、あるコンタクト部分で断面した断面図であり、(B)は2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、長手方向の一方側の係合手段部分で断面した断面図であり、(C)は2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、ロック部材の第2係合手段部分で断面した断面図である。図4(A)は熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部上方よりみた斜視図であり、(B)は熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。図5(A)はブロックに固定される係合手段であるロックレバーを嵌合部上方よりみた斜視図であり、(B)はブロックに固定される係合手段であるロックレバーを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。図6(A)はソケットコネクタのハウジングを、嵌合口上方よりみた斜視図であり、(B)はソケットコネクタのハウジングを、嵌合口と反対側下方よりみた斜視図であり、(C)はソケットコネクタのハウジングを、あるコンタクトの挿入孔部分で断面した断面図であり、(D)はソケットコネクタのハウジングを、あるロック部材の突出片が入る係合孔部分で断面した断面図である。図7(A)はコンタクトの斜視図であり、(B)はコンタクトがFPCに接触した状態の斜視図である。図8(A)はロック部材を、上方よりみた斜視図であり、(B)はロック部材を、下方よりみた斜視図である。図9(A)は逆挿しされた状態のプラグコネクタとソケットコネクタを嵌合方向上方よりみた斜視図であり、(B)は逆挿しが防止された状態の断面図である。
【0011】
本発明の電気コネクタ10は、主にプラグコネクタ20とソケットコネクタ50を備えており、前記プラグコネクタ20は少なくともFPC22とブロック24を有し、前記ソケットコネクタ50は少なくともコンタクト52とハウジング54を有している。本実施例では、さらに、前記プラグコネクタ20は係合手段であるロックレバー26を有し、前記ソケットコネクタ50はロック部材56と固定具58を有している。
以下、それぞれの構成部位について説明するが、前記プラグコネクタ20から順に説明する。
【0012】
まず、前記FPC22について説明する。前記FPC22には、主に前記ソケットコネクタ50のコンタクト52の接触部521と接触する接点221と所定の位置に複数の孔222と前記接点221に連設するパターン(図示せず)を有している。図1のように、本実施例では前記接点221は4つ設けられている。前記接点221の数は、客先要求や仕様等により適宜設計する。前記孔222は、前記ブロック24の突出部241が入り、熱による保持手段により保持する部分である。前記孔222の大きさ、位置及び形状は、前記突出部241の沿うように、保持力や保持バランスや加工性や強度等を考慮して適宜設計する。本実施例では先端よりに3箇所、先端から8.0mm程度後方に3箇所設けている。前記保持手段としては、熱カシメや熱溶着や超音波などが考えられる。前記接点221には、前記ソケットコネクタ50のコンタクト52が2本接続する構造にしている。2本接続することで、確実に前記コンタクト52と前記FPC22とが接続し、安定した接続で、長期接触信頼性の向上に繋がる。
【0013】
次に、ブロック24について説明する。このブロック24は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ブロック24はプラグコネクタ20を低背化するために、本実施例では、形状を凸形状の板状にし、厚さを0.6〜0.7mmにしている。
【0014】
前記ブロック24は、本体部245と該本体部245より突出した嵌合部14を有している。前記本体部245と前記嵌合部14には、前記FPC22の形状に沿うように、略凸形状をした凹の保持部243が形成されている。前記保持部243は前記FPC22が入る部分であり、前記保持部243の形状・大きさは前記FPC22とほぼ同一大きさの同一形状にしているが、接続安定性や保持強度や加工性等を考慮して適宜設計する。前記嵌合部14は、前記ソケットコネクタ50の嵌合口12に入る部分であり、その形状・大きさは前記嵌合口12に入り、前記FPC22と前記コンタクト52が接続できればよく、接続安定性や加工性や強度や嵌合性等を考慮して適宜設計する。
【0015】
前記保持部243内には、前記FPC22の孔222に対応する位置に、対応する大きさの突出部241が設けられている。前記突出部241は、前記FPC22の孔222に挿入され、熱による保持手段により保持される部分である。前記突出部241の大きさ、位置及び形状は、前記孔222に入ればよく、保持力や保持バランスや加工性や強度等を考慮して適宜設計する。本実施例では先端の嵌合部に3箇所、先端から9.0mm程度後方の本体部245に3箇所設けている。前記保持手段としては、熱カシメや熱溶着や超音波などが考えられる。
【0016】
前記ブロック24には、前記嵌合部14の両側の側壁に、凹部242が設けられている。前記凹部242は、2重ロック構造にするための前記ロック部材56の第2係合手段561と係合する部分である。前記凹部242の形状・大きさは、前記ロック部材56と係合できればよく、保持強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0017】
本実施例では、前記ロックレバー26を一体成型によって固定しているため、図4のように必要ないが、圧入や溶着等により固定する場合には、長手方向の両側に挿入穴(図示せず)が必要になる。前記挿入穴の形状・大きさは、前記ロックレバーの保持力や加工性や強度等を考慮して適宜設計することになる。
【0018】
前記プラグコネクタ20の最後に、前記ソケットコネクタ50との係合手段であるロックレバー26について説明する。前記ロックレバー26は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記ロックレバー26の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記ロックレバー26は前記ブロック24に一体成型によって保持されている。
【0019】
前記ロックレバー26の一端側は弾性を得るために折り返され、折り返されていない側の先端には係合手段である係合部261が設けられている。前記係合部261は、前記ソケットコネクタ50のハウジング54の係止部544と係合する部分である。前記係合部261と前記係止部544とが係合することで、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとがロックされる。前記係合部261の形状・大きさは、両コネクタ同士が確実にロックできればよく、ロック時の強度や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。本実施例では、前記係合部261は孔にし、前記係止部544は突起にしている。
【0020】
つぎに、ソケットコネクタ50の部位について説明する。まず、コンタクト52について説明する。前記コンタクト52は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト52の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記コンタクト52は前記ハウジング54に圧入によって保持されている。
【0021】
前記コンタクト52は、略倒U字形状をし、一方端側に前記FPC22の接点221に接触する接触部521が設けられている。前記接触部521は接触し易いように湾曲状に突出させている。前記接触部521の形状・大きさは、前記FPC22と接続できればよく、接続安定性やバネ性や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0022】
前記コンタクト52には、前記接触部521の反対側に基板80に接続される接続部523が設けられている。前記接続部523は本実施例では図7(A)のように表面表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。前記接続部523の形状・大きさは、基板占有面積や接続性や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0023】
前記接続部523の付近には、図7(A)のように、前記ハウジング54に固定するための固定部522が設けられ、本実施例では前記ハウジング54に圧入によって保持されている。前記固定部522の形状・大きさは、保持力や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。前記固定部522は、本実施例では圧入にしたが、引っ掛け(ランス)や溶着や一体成型であってもよい。
【0024】
前記コンタクト52には、本実施例では前記接続部523と反対方向に前記接触部5221に対向するように延設部524が設けられている。前記延設部524は前記FPC22との接続の際にバックアップとしての役割を果たす部分である。
【0025】
次に、ハウジング54について説明する。このハウジング54は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ハウジング54は略箱形をし、前記プラグコネクタ20の嵌合部14が入る嵌合口12が設けられている。
【0026】
前記ハウジング54には、複数の前記コンタクト52が挿入・保持される挿入孔541が設けられている。前記挿入孔541の長手方向のピッチは、前記FPC22の接点221に沿うように設計されており、本実施例では、前記FPC22の接点221に2本の前記コンタクト52が接続するように配置され、計8本の前記コンタクト52が配置されている。2本接続することで、確実に前記コンタクト52と前記FPC22とが接続し、安定した接続で、長期接触信頼性の向上に繋がる。前記挿入孔541の形状・大きさは、前記コンタクト52の接触部521が前記嵌合口12内に突出し、前記FPC22との安定した接続が得られることや保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0027】
前記ハウジング54には、上面側(前記コンタクト52の接触部521が配置される側)に前記ロック部材56が入る装着孔542が設けられている。前記装着孔542は、2重ロック構造である前記ロック部材56が入る部分である。前記装着孔542は前記ロック部材56が入ればよく、前記ロック部材56の保持力や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。
【0028】
前記ハウジング54には、長手方向両側に前記プラグコネクタ20のロックレバー26の係合部261と係合する係止部544が設けられている。前記係止部544は、前記ロックレバー26の係合部261と係合し、2つのコネクタ20、50同士をロックする部分である。前記係止部544の形状・大きさは、両コネクタ20、50同士が確実にロックできればよく、ロック時の強度や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。本実施例では、前記係止部544を突起にし、前記係合部261を孔にしている。
【0029】
前記ハウジング54には、長手方向両側にコジリ対策としての前記固定具58が入る装着穴543が設けられている。前記装着穴543は前記固定具58が入ればよく、保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。本実施例では、圧入によって固定しているが、溶着や一体成型であってもよい。
【0030】
前記ハウジング54の装着孔542の長手方向両側には、前記ロック部材56の突出片564が入る係合孔545が設けられている。前記係合孔545は、前記突出片564が入ることで前記ロック部材56をガイド(導く)し、ロックする部分である。前記係合孔545は前記突出片564が入ればよく、形状・大きさはその役割やガイド性や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0031】
前記ハウジング54の係合孔545内には、2つの凸546が設けられている。前記凸546は、前記ロック部材56との係合する位置関係で、仮装着やロックする部分である。前記凸546は前記ロック部材56の仮装着やロックが出来ればよく、形状・大きさはその役割や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。仮装着とロックについては、前記ロック部材56を説明する際に行う。
【0032】
次に、ロック部材56について説明する。このロック部材56は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ロック部材56は、略コ字形状をしている。
【0033】
前記ロック部材56は、本体部562とその両側に突出した突出片564とを有している。前記突出片564の内側部分には、前記プラグコネクタ20のブロック24の凹部242と係合する第2係合手段561が設けられている。前記第2係合手段561と前記ブロック24の凹部242とが係合することで、前記ロックレバー26と前記ハウジング54の係止部544とのロックとは別の2つ目のロック構造になる。前記第2係合手段561は前記ブロック24と係合し、ロックできればよく、保持強度や加工性等を考慮して適宜設計する。本実施例では、相手側が凹形状のため、突起形状にしている。
【0034】
前記突出片564は、前記ロック部材56を前記ハウジング54へ挿入する際にガイド(導く)するためとロックするための部分である。前記突出片564の形状・大きさは、その役割やガイド性や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0035】
前記本体部562には、複数の前記コンタクト52のピッチに沿うように押圧部563が設けられている。前記押圧部563は、前記コンタクト52を押圧する部分であり、押圧することで前記FPC22と安定して接続できるようにするものである。前記押圧部563の形状は、本実施例では確実に押圧できるように凹形状にしている。
【0036】
前記突出片564の先端には、外側に突出した凸部565が設けられている。前記凸部565は、前記ハウジング54の係合孔545内の凸546との係合する位置関係で、仮装着とロックする部分である。つまり、仮装着状態では、前記凸部565が前記ハウジング54の凸546の上にある状態であり、完全に装着された(ロックされた)状態では前記凸部565が前記ハウジング54の凸546を乗り越えた状態である。前記凸部546の形状・大きさは、その役割や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0037】
次に、コジリ対策としての固定具58について説明する。前記固定具58は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記固定具58の材質としては、強度や半田付け性や加工性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記固定具58は、略L字形状をし、一方端側に基板80のランド82に半田付けされる接続部582が設けられている。前記接続部582の形状・大きさは、固定強度や加工性や半田付け性等を考慮して適宜設計する。他方側の幅両側には前記ハウジング54の装着穴543に固定するための固定部581が設けられている。前記固定部581の形状・大きさは、保持力や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0038】
最後に、図9に基づいて、逆挿し防止手段について説明する。前記プラグコネクタ20を逆に挿入すると、前記プラグコネクタ20の嵌合部14が前記ソケットコネクタ50の嵌合口14の上壁部分に当たり、それ以上(前記FPC22と前記コンタクト52とが接触しない)挿入できない構造になっている。
【0039】
図10〜図17に基づいて、別の電気コネクタ11について説明する。
図10(A)はプラグコネクタと、ロック部材が装着されてなく、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、を嵌合口上方からみた斜視図であり、(B)はプラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口上方からみた斜視図であり、(C)はプラグコネクタと、ロック部材が装着され、基板に取り付けた状態のソケットコネクタと、が嵌合した状態の電気コネクタを嵌合口の反対側上方からみた斜視図である。図11(A)はプラグコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図であり、(B)はソケットコネクタを、嵌合口側の上方からみた斜視図であり、(C)はソケットコネクタを、嵌合口側の下方からみた斜視図である。図12(A)は2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、あるコンタクト部分で断面した断面図であり、(B)は2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、長手方向の一方側の係合手段部分で断面した断面図であり、(C)は2つのコネクタ同士が嵌合した状態の電気コネクタを、ロック部材の第2係合手段部分で断面した断面図である。図13(A)は熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部上方よりみた斜視図であり、(B)は熱カシメ前の、プラグコネクタのブロックとFPCとを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。図14(A)はブロックに固定される係合手段であるロックを嵌合部上方よりみた斜視図であり、(B)はブロックに固定される係合手段であるロックを嵌合部の反対側下方よりみた斜視図である。図15(A)はソケットコネクタのハウジングを、嵌合口上方よりみた斜視図であり、(B)はソケットコネクタのハウジングを、嵌合口と反対側下方よりみた斜視図であり、(C)はソケットコネクタのハウジングを、あるコンタクトの挿入孔部分で断面した断面図であり、(D)はソケットコネクタのハウジングを、あるロック部材の突出片が入る係合孔部分で断面した断面図であり、(E)はソケットコネクタのハウジングを、あるロックレバーが入る挿入穴部分で断面した断面図である。図16(A)はロック部材を、上方よりみた斜視図であり、(B)はロック部材を、下方よりみた斜視図である。
【0040】
本発明の電気コネクタ11は、主にプラグコネクタ21とソケットコネクタ51を備えており、前記プラグコネクタ21は少なくともFPC22とブロック25を有し、前記ソケットコネクタ51は少なくともコンタクト52とハウジング55を有している。本実施例では、さらに、前記ソケットコネクタ50は係合手段であるロックレバー60とロック部材56を有している。上述した実施例(電気コネクタ10)との相違点は、ロックレバー60をプラグコネクタ側ではなく、ソケットコネクタ側に配置し、前記ロックレバー60に基板80への接続部603も合わせて持たせたものである。
以下、それぞれの構成部位について説明するが、前記プラグコネクタ20から順に説明する。
【0041】
前記FPC22の構造は、上述の実施例と同様のため、説明を省略する。相違点は接点221のピッチと大きさである。
【0042】
次に、ブロック25について説明する。このブロック25の材質も同様のため説明を省略する。ここでは、相違点についてのみ説明する。前記ブロック25には、前記ロックレバーが装着されてなく、その代わりに、前記ブロック25の本体部254の幅方向両側に、前記ソケットコネクタ51のロックレバー60と係合する係止部256が設けられている。前記係止部256の形状・大きさは、前記ロックレバー60の係合部601と係合できれば如何なるものでもよく、コネクタ同士の保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。本実施例では、嵌合方向に誘いのある略台形をしている。
【0043】
つぎに、ソケットコネクタ51の部位について説明する。前記コンタクト52は、上述の実施例(電気コネクタ10)と同様のため、説明を省略する。
【0044】
次に、ハウジング55について説明する。このハウジング55の材質は上述の実施例と同様であり、説明を省略する。上述の実施例と同様に、前記ハウジング55も略箱形をし、前記プラグコネクタ21の嵌合部14が入る嵌合口12が設けられている。
【0045】
前記ハウジング55には、複数の前記コンタクト52が挿入・保持される挿入孔551が設けられている。前記挿入孔551の長手方向のピッチは、前記FPC22の接点221に沿うように設計されており、本実施例では、前記FPC22の接点221に各1本の前記コンタクト52が接続するように配置されている。前記挿入孔551の形状・大きさは、前記コンタクト52の接触部521が前記嵌合口12内に突出し、前記FPC22との安定した接続が得られることや保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0046】
前記ハウジング55には、上面側(前記コンタクト52の接触部521が配置される側)に前記ロック部材57が入る装着孔552が設けられている。前記装着孔552は、2重ロック構造である前記ロック部材57が入る部分である。前記装着孔552は前記ロック部材57が入ればよく、前記ロック部材57の保持力や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。
【0047】
前記ハウジング55には、長手方向両側に上面壁を略L形状に延設することで前記ロックレバー60が入る挿入穴557が設けられている。前記挿入穴557は前記ロックレバー60が入り、かつ、上面壁より延設された壁によって前記ロックレバーを覆っていればよく、前記挿入穴557の形状・大きさは、ロックレバー60の保護や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。つまり、前記ロックレバー60を前記ハウジング55の壁で覆うことで、前記ロックレバー60の不慮の変形を防止している。
【0048】
前記ハウジング55には、長手方向両側に前記ロックレバー60の固定部602が入る装着穴553が設けられている。前記装着穴553は前記固定部602が入ればよく、保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。本実施例では、圧入によって固定しているが、溶着や一体成型であってもよい。
【0049】
前記ハウジング55の装着孔552の長手方向両側には、前記ロック部材57の突出片574が入る係合孔555が設けられている。前記係合孔555は、前記突出片567が入ることで前記ロック部材57をガイド(導く)し、ロックする部分である。前記係合孔555は前記突出片574が入ればよく、形状・大きさはその役割やガイド性や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0050】
前記ハウジング55の係合孔555内には、2つの凸556が設けられている。前記凸556は、前記ロック部材57との係合する位置関係で、仮装着やロックする部分である。前記凸556は前記ロック部材57の仮装着やロックが出来ればよく、形状・大きさはその役割や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。仮装着とロックについては、前記ロック部材57を説明する際に行う。
【0051】
次に、ロック部材57について説明する。このロック部材57の材質は、上述の実施例と同様のため説明を省略する。前記ロック部材57は、略コ字形状をしている。
【0052】
前記ロック部材57は、本体部572とその両側に突出した突出片574とを有している。前記突出片574の内側部分には、前記プラグコネクタ21のブロック25の凹部252と係合する第2係合手段571が設けられている。前記第2係合手段571と前記ブロック25の凹部252とが係合することで、前記ロックレバー60と前記ブロック25の係止部256とのロックとは別の2つ目のロック構造になる。前記第2係合手段571は前記ブロック25と係合し、ロックできればよく、保持強度や加工性等を考慮して適宜設計する。本実施例では、相手側が凹形状のため、突起形状にしている。
【0053】
前記突出片574は、前記ロック部材57を前記ハウジング55へ挿入する際にガイド(導く)するためとロックするための部分である。前記突出片574の形状・大きさは、その役割やガイド性や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0054】
前記本体部572には、複数の前記コンタクト52を押圧する押圧部573が設けられている。前記押圧部573は、前記コンタクト52を押圧する部分であり、押圧することで前記FPC22と安定して接続できるようにするものである。前記押圧部573の形状は、本実施例では確実に押圧できるように平板状にしている。
【0055】
前記突出片574の先端には、外側に突出した凸部575が設けられている。前記凸部575は、前記ハウジング55の係合孔555内の凸556との係合する位置関係で、仮装着とロックする部分である。つまり、仮装着状態では、前記凸部575が前記ハウジング55の凸556の上にある状態であり、完全に装着された(ロックされた)状態では前記凸部575が前記ハウジング55の凸556を乗り越えた状態である。前記凸部575の形状・大きさは、その役割や保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0056】
最後に、前記プラグコネクタ21との係合手段であるロックレバー60について説明する。前記ロックレバー60の材質は、上述した実施例と同様のため説明を省略する。本実施例では、前記ロックレバー60は前記ハウジング55に圧入によって保持されている。前記ロックレバー60は折り返された略U字形状をしており、一方端側には前記ブロック25の係止部256と係合する係合部601が設けられ、他方端側には板厚と垂直方向に突出した固定部602とその逆側に略L字に突出した接続部603とが設けられている。
【0057】
係合手段である前記係合部601は、前記プラグコネクタ21のブロツク25の係止部256と係合する部分である。前記係合部601と前記係止部256とが係合することで、前記プラグコネクタ21と前記ソケットコネクタ51とがロックされる。前記係合部601の形状・大きさは、両コネクタ同士が確実にロックできればよく、ロック時の強度や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。本実施例では、前記係合部601は孔にし、前記係止部256は突起にしている。
【0058】
前記固定部602は、前記ハウジング55の装着穴553に圧入される部分であり、前記固定部602の形状・大きさは、前記ハウジング55に固定できれば如何なるものでもよいが、保持力や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。本実施例では圧入により固定しているが、一体成型や溶着やランス(引っ掛け)等であってもよい。
【0059】
前記接続部603は基板80に実装する部分であって、前記接続部603は本実施例では表面表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。上記実施例(電気コネクタ10)では、別に固定具58を用いていたが、本実施例(電気コネクタ11)ではロックレバー60に接続部603を一体に設け、部品点数を減らしている。前記接続部603の形状・大きさは、固定強度や加工性や半田付け性等を考慮して適宜設計する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の活用例としては、車載や家電や産業機器等の電気機器や電子機器に使用される電気コネクタ10に活用され、特に、完全嵌合時にクリック感が得られ、FPCを使用し、高温使用時の接触部緩和を防止する2ピース(プラグコネクタとソケットコネクタ)構造に関するものである。
【符号の説明】
【0061】
10、11 電気コネクタ
12 嵌合口
14 嵌合部
20、21 プラグコネクタ
22 FPC(フレキシブルプリント基板)
221 接点
222 孔
24、25 ブロック
241、251 突出部
242、252 凹部
243、253 保持部
245、254 本体部
256 係止部
26、60 ロックレバー
261、601 係合部
262、602 固定部
603 接続部
50、51 ソケットコネクタ
52 コンタクト
521 接触部
522 固定部
523 接続部
54、55 ハウジング
541、551 挿入孔
542、552 装着孔
543、553 装着穴
544、554 係止部
545、555 係合孔
546、556 凸
557 挿入穴
56、57 ロック部材
561、571 第2係合手段
562、572 本体部
563、573 押圧部
564、574 突出片
565、575 凸部
58 固定具
581 固定部
582 接続部
80 基板
82 ランド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタとソケットコネクタが着脱自在に嵌合する電気コネクタであって、
複数の接点を有するフレキシブルプリント基板(FPC)と該フレキシブルプリント基板が装着されるブロックとを有するプラグコネクタと、
前記フレキシブルプリント基板の接点と接続する複数のコンタクトと該コンタクトが配列・保持されるとともに前記プラグコネクタの嵌合部が入る嵌合口を有するハウジングとを有するソケットコネクタとを備える電気コネクタにおいて、
前記フレキシブルプリント基板には所定の位置に複数の孔を設け、前記ブロックには前記孔に対応する位置に前記孔に入る突出部を設け、前記突出部を前記孔に挿入した後に前記フレキシブルプリント基板を前記ブロックに熱による保持手段により保持し、
前記プラグコネクタ及び前記ソケットコネクタには幅方向両側にそれぞれのコネクタ同士が係合する係合手段を設け、
前記フレキシブルプリント基板が熱による保持手段により保持された前記プラグコネクタの嵌合部を前記ソケットコネクタの嵌合口に挿入することにより前記フレキシブルプリント基板の接点と前記コンタクトが接続することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングに装着孔を設けるとともに該装着孔にロック部材を仮装着し、
前記ブロックの嵌合部の両側に凹部を設けるとともに前記ロック部材の長手方向両側には第2係合手段を設け、
前記ロック部材を前記ハウジングに完全に装着した際に前記第2係合手段が前記凹部に係合することを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記ロック部材で前記コンタクトを前記フレキシブルプリント基板方向に押圧することにより前記コンタクトと前記フレキシブルプリント基板とが接続することを特徴とする請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント基板の接点に2本のコンタクトが接続することを特徴とする請求項1、2または3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記プラグコネクタの逆挿し防止手段を備えることを特徴とする請求項1、2または3、4記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記係合手段として、
前記ブロックの幅方向両側に、外側へ突出した係止部を設け、
前記ハウジングには幅方向両側に挿入穴を設けるとともに前記挿入穴にロックレバーを装着し、
前記ロックレバーに前記係止部と係合する係合部を設けるとともに基板と接続する接続部を設け、
前記ロックレバーの係止部と前記ブロックの係止部とを係合することにより前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとが係合することを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−84501(P2012−84501A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26942(P2011−26942)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000208835)第一電子工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】