電気光学装置、光検出装置及び電子機器
【課題】光センサの背面側に反射層を形成することなく照明装置から出射される光を好適に検出する。
【解決手段】電気光学装置(100)は、第1基板(91)及び第2基板(92)を有する表示パネル(30)と、光源(10)とを備え、表示パネルは、第1基板上に形成される第1受光素子(61)及び第2受光素子(62)と、第2基板上に形成され且つ光源から出射される光を第1受光素子に向けて反射する反射層(81)と、光源から出射される光が反射層に入射する光路上又は反射層に反射された光が第1受光素子に入射する光路上に形成される着色層(6a)とを備える。
【解決手段】電気光学装置(100)は、第1基板(91)及び第2基板(92)を有する表示パネル(30)と、光源(10)とを備え、表示パネルは、第1基板上に形成される第1受光素子(61)及び第2受光素子(62)と、第2基板上に形成され且つ光源から出射される光を第1受光素子に向けて反射する反射層(81)と、光源から出射される光が反射層に入射する光路上又は反射層に反射された光が第1受光素子に入射する光路上に形成される着色層(6a)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、このような電気光学装置に用いられる光センサ等を含む光検出装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の一例として、一対の基板間に電気光学物質として液晶を挟持してなる液晶装置があげられる。このような液晶装置では、例えば液晶パネルを構成する一対の基板間において液晶を所定の配向状態としておき、例えば画像表示領域に形成された画素部毎に、液晶に所定の電圧を印加することにより、液晶における配向や秩序を変化させて、光を変調することにより階調表示を行う。
【0003】
このような液晶装置では、透過表示を行うために、液晶パネルの背面側に照明装置(つまり、バックライト)が設けられる。赤、緑、青の各色のLED(Light Emitting Diode)を光源に有する照明装置は、それぞれのLEDから出射された光を混光することにより白色光を生成し、生成された白色光を液晶パネルの背面側に照射する。液晶装置は、照明装置より照射された白色光を、液晶パネルの基板上に積層されている赤、緑、青のそれぞれの波長の光を透過するカラーフィルタに透過させることにより、カラー表示を実現している。
【0004】
しかしながら、各色のLEDは、温度変化や経時変化により、輝度特性が大きく変わる性質があるため、混光された白色光の色も変化してしまうという問題があった。このため、特許文献1には、RGBの各色のLEDからなる光源と、表示パネルが備えるTFTアレイ基板上に形成された光センサと、該光センサに対向する対向基板上に形成される反射層及び着色層と、当該光センサの検出値(つまり、反射層から反射される光の検出値)に基づいて、当該光源が含む各LEDの輝度を調整する制御手段を備えた液晶装置が記載されている。この液晶装置では、光源から出射された光は、反射層において反射すると共に着色層を透過することで所定の色の光となった後に、光センサに入射する。その結果、所定の色の光の輝度(つまり、所定の色の光を出射するLEDの輝度)を調整することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2007−212712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された液晶装置では、照明装置から出射される光のうち反射層において反射された光のみを光センサに入射させるために(言い換えれば、照明装置から出射される光が直接光センサに入射することを避けるために)、光センサの背面側(つまり、照明装置側)に別途新たな反射層を形成する必要がある。
【0007】
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば光センサの背面側に反射層を形成することなく照明装置から出射される光を好適に検出する電気光学装置、光検出装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(電気光学装置)
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源とを備え、前記表示パネルは、前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成される着色層とを備える。
【0009】
本発明の電気光学装置によれば、光源から出射する光は、第1基板の側から第2基板の側へ向かって伝搬するように表示パネルを透過した後にユーザに視認される。これにより、所望の画像を表示することができる。このような電気光学装置の一例として、第1基板と第2基板との間に電気光学物質(例えば、液晶等)が挟持されている電気光学装置が一例としてあげられる。このような電気光学装置では、画像に応じた電界が電気光学物質に印加されることで、画像表示が行われる。
【0010】
本発明では特に、表示パネルは、第1受光素子及び第2受光素子と、反射層と、着色層とを備えている。
【0011】
第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源から出射される光を受光する受光素子である。このとき、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、受光する光に応じた受光電流を出力することが好ましい。他方で、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源以外から出射する光(例えば、電気光学装置の外部から入射する環境光等)を受光しないように形成されていることが好ましい。また、第1受光素子及び第2受光素子は、第1基板上(より好ましくは、第1基板のうち第2基板側の表面上)に形成されている。従って、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源から出射される光を直接的に受光する。つまり、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光する。尚、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、同一の構成を有する受光素子であってもよいし、互いに異なる構成を有する受光素子であってもよい。
【0012】
反射層は、第2基板上に形成されている。このため、第1基板の側から入射してくる光源からの光は、第1基板を透過してから第2基板に到達した後に反射層において反射されることで、再度第1基板側へと伝搬する。このとき、反射層は、光源から出射される光を第1受光素子に向けて反射するように構成されている。このような構成は、典型的には、第1受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って第1受光素子と重なる領域)に反射層が形成されることで実現される。従って、反射層において反射された光は、第1受光素子により検出される。その一方で、反射層は、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射しないことが好ましい。従って、反射層において反射された光は、第2受光素子によっては検出されないことが好ましい。
【0013】
着色層は、光源から出射された光が反射層に入射する光路(つまり、光源と反射層との間の光路)上に形成されている。または、着色層は、反射層によって反射された光が第1受光素子に入射する光路(つまり、反射層と第1受光素子との間の光路)上に形成されている。典型的には、着色層は、第1受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って第1受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。また、着色層は、典型的には、反射層上に形成されていることが好ましい。従って、光源から出射された光は、反射層において反射され且つ着色層を透過することで、所定の色の光となる。この所定の色の光は、第1受光素子に入射する。このため、第1受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの所定の色の光を更に受光する。
【0014】
このため、第1受光素子には、第1受光素子の環境温度に応じた熱電流、光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流、及び光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流の夫々が生ずる。他方で、第2受光素子には、第2受光素子の環境温度に応じた熱電流及び光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流の夫々が生ずる。従って、後述する検出回路には、第1受光素子における受光結果(つまり、第1受光素子の環境温度に応じた熱電流、光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流、及び光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流)と、第2受光素子における受光結果(つまり、第2受光素子の環境温度に応じた熱電流及び光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流)との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。
【0015】
ここで、仮に、上述した特許文献1に開示された構成のように単一の受光素子を用いて所定の色の光成分を検出する構成では、光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流が受光素子において生ずることを防ぐため、受光素子の背面側(つまり、光源側)に反射層を設ける必要がある。しかるに、本発明では、2つの受光素子を設けると共に反射層及び着色層を介して所定の色の光を2つの受光素子のうちの一方(つまり、第1受光素子)に入射させている。このため、第1受光素子及び第2受光素子の夫々の背面側(つまり、光源側)に反射層等を設けなくとも、光源から出射される光のうちの所定の色の光(より具体的には、所定の色の光の光量や輝度等)を好適に検出することができる。
【0016】
加えて、単一の受光素子を用いて所定の色の光を検出する構成では、受光素子の環境温度に応じた熱電流が生じてしまうため、所定の色の光を受光することで生ずる受光電流そのものを高精度に検出することは困難である。しかるに、本発明では、2つの受光素子を設けているため、上述したように熱電流の影響を好適に又は確実に排除することができる。従って、光源から出射される光のうちの所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0017】
本発明の電気光学装置の一の態様では、前記反射層は、前記第2基板の前記第1受光素子に対向する領域に形成される。
【0018】
この態様によれば、反射層は、光源から出射される光を第1受光素子に向けて確実に反射することができる。更に、反射層は、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、反射層は、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射させなくなる。従って、第1受光素子及び第2受光素子の夫々の背面側(つまり、光源側)に反射層等を設ける必要がなくなると共に、所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0019】
上述の如く反射層が第2基板の第1受光素子に対向する領域に形成される電気光学装置の態様では、前記着色層は、前記第2基板の前記第1受光素子に対向する領域に形成されるように構成してもよい。
【0020】
このように構成すれば、着色層を透過した光を第1受光素子に好適に入射させることができる。更に、着色層を透過した光が第2受光素子に入射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、着色層を透過した光が第2受光素子に入射しなくなる。従って、所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0021】
上述の如く反射層が第2基板の第1受光素子に対向する領域に形成される電気光学装置の態様では、前記反射層および前記着色層は、前記第2受光素子に対向する領域に形成されないように構成してもよい。
【0022】
このように構成すれば、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、反射層は、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射させなくなる。加えて、着色層を透過した光が第2受光素子に入射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、着色層を透過した光が第2受光素子に入射しなくなる。従って、所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0023】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板上には、前記第2基板の前記光源とは反対側から入射する光を遮光すると共に前記光源からの光を反射しない遮光層が形成されており、前記反射層は、前記遮光層の前記第1基板側に形成される。
【0024】
この態様によれば、光を透過せず且つ反射しない遮光層が設けられているため、第1受光素子には、光源以外から出射する光(例えば、電気光学装置の外部から入射する環境光等)は入射しない。従って、光源から出射される光と、光源から出射される光のうちの所定の色の光(つまり、反射層において反射され且つ着色層を透過する光)とが第1受光素子に入射する状態を確実に実現することができる。同様に、遮光層が設けられているため、第2受光素子には、光源以外から出射する光(例えば、電気光学装置の外部から入射する環境光等)は入射しない。加えて、光源から出射される光が遮光層において反射されることがないため、光源から出射される光が第2受光素子に入射する状態を確実に実現することができる。従って、上述したように、第1受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」を確実に出力することができる。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記着色層は、前記反射層の前記第1基板側に形成される。
【0026】
この態様によれば、反射層において反射された光又は反射層に入射する光が確実に着色層を透過することになるため、光源から出射される光のうちの所定の色の光(つまり、反射層において反射され且つ着色層を透過する光)が第1受光素子に入射する状態を確実に実現することができる。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記光源は、赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を出射し、前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいる。
【0028】
この態様によれば、第1受光素子のうちの赤色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの赤色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの緑色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの緑色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの青色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの青色の光を更に受光する。
【0029】
従って、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの赤色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの赤色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの緑色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの緑色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの青色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの青色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。このため、光源が出射する赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を個別に検出することができる。
【0030】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記光源は、白色の光を出射し、前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいる。
【0031】
この態様によれば、第1受光素子のうちの赤色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの赤色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの緑色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの緑色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの青色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの青色の光を更に受光する。
【0032】
従って、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの赤色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの赤色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの緑色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの緑色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの青色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの青色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。このため、光源が出射する白色光が含む赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を個別に検出することができる。
【0033】
尚、着色層が、赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を含む態様では、典型的には、赤色着色層は、赤色受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って赤色受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。同様に、緑色着色層は、緑色受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って緑色受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。同様に、青色着色層は、青色受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って青色受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。
【0034】
また、着色層が、赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を含む態様では、前記着色層は、前記光源から出射される光が前記反射層(特に、赤色光用受光素子に対して光を反射する反射層)に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記光源から出射される光が前記反射層(特に、緑色光用受光素子に対して光を反射する反射層)に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記光源から出射される光が前記反射層(特に、青色光用受光素子に対して光を反射する反射層)に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含むように構成してもよい。
【0035】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源から出射される光のうち前記所定の色の光成分を検出する検出回路を更に備える。
【0036】
この態様によれば、第1受光素子における受光結果と、第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」に応じて、光源から出射される所定の色の光を好適に検出することができる。
【0037】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源の輝度を制御する調整回路を更に備える。
【0038】
この態様によれば、第1受光素子における受光結果と、第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」に応じて、光源の輝度(特に、光源から出射される所定の色の光の輝度)を好適に調整することができる。
【0039】
(光検出装置)
上記課題を解決するために、本発明の光検出装置は、第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源とを備える電気光学装置に用いられる光検出装置であって、前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成され且つ所定の色に対応する着色層とを備える。
【0040】
本発明の光検出装置によれば、上述した本発明の電気光学装置と同様に、第1受光素子及び第2受光素子の夫々の背面側(つまり、光源側)に反射層等を設けなくとも、光源から出射される光のうちの所定の色の光を好適に検出することができる。加えて、熱電流の影響を好適に又は確実に排除することができるため、光源から出射される光のうちの所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0041】
尚、上述した本発明の電気光学装置が採り得る各種態様に対応して、本発明の光検出装置も各種態様を採ることができる。
【0042】
(電子機器)
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0043】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置(或いは、その各種態様)備えているため、上述した本発明の電気光学装置が享受する各種効果と同様の効果を享受することができる。つまり、上述した本発明の電気光学装置が享受する各種効果と同様の効果を享受することができる投射型表示装置(例えば、プロジェクタ等)や直視型表示装置(例えば、テレビ、携帯電話、電子手帳、携帯オーディオプレーヤ、ワードプロセッサ、デジタルカメラ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等)などの各種電子機器を実現することができる。
【0044】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から更に明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。尚、以下では、本発明に係る電気光学装置の一例として、液晶装置を用いて説明を進める。
【0046】
(1)液晶表示装置の基本構成
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置100の構成等について説明する。
【0047】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置100の概略構成を模式的に示す平面図である。図1では、紙面手前側(観察側)にカラーフィルタ基板92が、また、紙面奥側に素子基板91が夫々配置されている。なお、図1では、紙面縦方向(列方向)をY方向と規定し且つ紙面横方向(行方向)をX方向と規定する。また、図1において、R(赤)、G1(緑1)、B(青)、G2(緑2)に対応する各領域は1つのサブ画素SGを示していると共に、R、G1、B、G2に対応する1行4列のサブ画素SGは、1つの表示画素AGを示している。ここで、G1(緑1)、G2(緑2)は、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相である。本実施形態では、一例として、G1(緑1)は、一般的にGで示される純粋な緑を示し、G2(緑2)は、黄緑を示すこととする。但し、サブ画素SGの配列が図1に示す例に限定されることはない。
【0048】
図2は、液晶表示装置100における切断線A−A’に沿った1つの表示画素AGの拡大断面図である。図2に示すように、液晶表示装置100は、照明装置10と、液晶表示パネル30と、拡散シート14と、プリズムシート15と、反射シート16より構成される。液晶表示パネル30は、本発明における「第1基板」の一具体例を構成する素子基板91と、その素子基板91に対向して配置され且つ本発明における「第2基板」の位置具体例を構成するカラーフィルタ基板92とが枠状のシール材5を介して貼り合わされ、そのシール材5の内側に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。液晶層4に用いられる液晶は、例えばTN(Twisted Nematic)型液晶である。液晶表示パネル30の素子基板91の外面上には、照明装置10が備えられている。
【0049】
本実施形態に係る液晶表示装置100は、R、G1、B、G2の4色を用いて構成されるカラー表示用の液晶表示装置であると共に、スイッチング素子として低温型のポリシリコンTFTを用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。
【0050】
素子基板91の平面構成について説明する。素子基板91の内面上には、主として、複数のソース線32、複数のゲート線33、複数のポリシリコンTFT37、複数の画素電極34、ドライバIC40、外部接続用配線35及びFPC(Flexible Printed Circuit)41などが形成若しくは実装されている。
【0051】
図1に示すように、素子基板91は、カラーフィルタ基板92の一辺側から外側へ張り出してなる張り出し領域31を有しており、その張り出し領域31上には、ドライバIC40が実装されている。ドライバIC40の入力側の端子(図示略)は、複数の外部接続用配線35の一端側と電気的に接続されていると共に、複数の外部接続用配線35の他端側はFPC41と電気的に接続されている。各ソース線32は、Y方向に延在するように且つX方向に適宜の間隔をおいて形成されており、各ソース線32の一端側は、ドライバIC40の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。
【0052】
各ゲート線33は、Y方向に延在するように形成された第1配線33aと、その第1配線33aの終端部からX方向に延在するように形成された第2配線33bとを備えている。各ゲート線33の第2配線33bは、各ソース線32と交差する方向、即ちX方向に延在するように且つY方向に適宜の間隔をおいて形成されており、各ゲート線33の第1配線33aの一端側は、ドライバIC40の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。各ソース線32と各ゲート線33の第2配線33bの交差に対応する位置にはポリシリコンTFT37が設けられており、各ポリシリコンTFT37は各ソース線32、各ゲート線33及び各画素電極34等に電気的に接続されている。各ポリシリコンTFT37は、ガラスなどの素子基板91上の各サブ画素SGに対応する位置に設けられている。各画素電極34は、例えばITO(Indium-Tin Oxide)などの透明導電材料により形成されており、素子基板91上の各サブ画素SGに対応する位置に設けられる。各画素電極34は、不図示の層間膜に設けられたコンタクトホールを介してソース線32及び各ポリシリコンTFT37と電気的に接続されている。
【0053】
1つの表示画素AGがX方向及びY方向に複数個、マトリクス状に並べられた領域が有効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。この有効表示領域Vに、文字、数字、図形等の画像が表示される。
【0054】
有効表示領域Vの外側の領域は、表示に寄与しない額縁領域38となっている。後に詳しく述べるが、額縁領域38には、照明装置10から出射された光を検知するための領域として複数の検知領域SGaが設けられている。各検知領域SGaには、本発明における「第1受光素子」の一具体例を構成する光センサ61及び本発明における「第2受光素子」の一具体例を構成する光センサ62が形成されている。光センサ61及び光センサ62の夫々は、具体的には、PIN(p-intrinsic-n Diode)ダイオードなどやMOSトランジスタ等の半導体素子である。尚、以下の説明では、光センサ61及び光センサ62の夫々が、PIN(p-intrinsic-n Diode)ダイオードである場合の例について説明を進める。光センサ61及び光センサ62は、配線32aを介して光検知回路52と電気的に接続されている。光検知回路52は、光センサ61及び光センサ62の夫々で発生した電流を検知することで、当該光センサ61及び光センサ62の夫々に入射した光(特に、後に詳述するように、照明装置10から出射される光のうちの所定の色の光の輝度等)を検出する。
【0055】
次に、カラーフィルタ基板92の平面構成について説明する。図2に示すように、カラーフィルタ基板92は、ガラスなどの基板2上に、ブラックマトリクスBM、R、G1、B、G2の4色の着色層6R、6G1、6B、6G2及び共通電極8などを有する。ブラックマトリクスBMは、各色のサブ画素SGを区画する位置に形成されている。なお、以下の説明もしくは図面において、R、G1、B、G2の色を特定することなく構成要素を示す場合には、単に「着色層6」のように記し、R、G1、B、G2の色を区別して構成要素を示す場合には、例えば「着色層6R」のように記すこととする。R、G1、B、G2の各色のサブ画素SGは、R、G1、B、G2の着色層6R、6G1、6B、6G2の夫々を有している。このR、G1、B、G2の着色層6R、6G1、6B、6G2が、夫々の色のカラーフィルタとして機能する。共通電極8は、画素電極と同様にITOなどの透明導電材料からなり、カラーフィルタ基板92の略一面に亘って形成されている。共通電極8は、シール材5の隅の領域E1において配線36の一端側と電気的に接続されていると共に、当該配線36の他端側は、ドライバIC40のCOMに対応する出力端子と電気的に接続されている。
【0056】
次に、照明装置10について説明する。照明装置10は、導光板11と光源部12より構成される。光源部12は、導光板11の端面11cに対し光Lを出射する。光源部12は、後に詳しく述べるが、光源としてRGBの各色のLED(Light Emitting Diode)13を有する。
【0057】
光源部12より出射した光Lは、導光板11の端面(以下、「入光端面」と称す)11cより導光板11内へ入り、導光板11の出射面11a、反射面11bで反射を繰り返すことにより方向を変える。光Lは、導光板11の出射面11aと光Lのなす角が臨界角を超えると、導光板11の出射面11aより液晶表示パネル30へ向けて出射する。光Lは、導光板11の反射面11bと光Lのなす角が臨界角を超えると、導光板11の反射面11bより出射する。しかし、導光板11の反射面11bより出射した光は、光を反射する反射シート16によって反射され、導光板11内部へ戻される。
【0058】
導光板11の出射面11aより液晶表示パネル30へ向けて出射した光Lは、拡散シート14、プリズムシート15を透過した後、液晶表示パネル30を透過する。拡散シート14は、光Lを拡散して出射する。プリズムシート15は、プリズムシート15a、15bより構成される。プリズムシート15a、15bは夫々、断面形状が略三角形となるプリズム形状を全面に有しており、光Lを液晶表示パネル30に向けて出射する。なお、プリズムシート15a、15bは、プリズム形状のプリズムの稜線が互いに略垂直となる配置とされる。液晶表示装置100は、光Lが液晶表示パネル30を透過することによって照明される。これにより、液晶表示装置100は、文字、数字、図形等の画像を表示することができ、観測者が画像を視認することができる。
【0059】
液晶表示装置100では、電子機器のメイン基板等と接続されたFPC41側からの信号及び電力等に基づき、ドライバIC40によって、G1、G2、・・・、Gm−1、Gm(mは自然数)の順にゲート線33が順次排他的に1本ずつ選択されるとともに、選択されたゲート線33には、選択電圧のゲート信号が供給される一方、他の非選択のゲート線33には、非選択電圧のゲート信号が供給される。そして、ドライバIC40は、選択されたゲート線33に対応する位置にある画素電極34に対し、表示内容に応じたソース信号を、それぞれ対応するS1、S2、・・・、Sn−1、Sn(nは自然数)のソース線32及びポリシリコンTFT37を介して供給する。その結果、液晶層4の配向状態が制御され、液晶表示装置100の表示状態が、非表示状態または中間表示状態に切り替えられることとなる。
【0060】
なお、本実施形態に係る液晶表示装置100は、完全透過型の液晶表示装置として示しているが、これに限られず、代わりに半透過反射型の液晶表示装置を用いるとすることもできる。さらに、本実施形態に係る液晶表示装置100は、カラーフィルタとして、着色層6R、6G1、6B、6G2の4色より構成されるとしているが、これに限られず、代わりに、一般的な液晶表示装置と同様、RGBの3色のカラーフィルタより構成されるとしてもよい。或いは、その他のカラーフィルタより構成されていてもよい。
【0061】
さらに、液晶表示パネル30としては、上述したようなTN液晶からなる液晶層を有する液晶表示パネルには限られず、代わりに、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In Plane Switching)方式、FFS(Fringe Field Structure)方式などの液晶表示パネルを用いるとすることもできる。
【0062】
なお、本実施形態では、表示パネルとして液晶表示パネル30を用いているが、これに限られるものではなく、代わりに表示パネルとして、有機EL(electroluminescence)ディスプレイパネルなどの他の表示パネルを用いるとすることもできる。
【0063】
(2)検知領域の構成
次に、検知領域SGaの構成について説明する。図3は、液晶表示装置100における切断線C−C’に沿った1つの検知領域SGaの拡大断面図である。また、図4は、1つの検知領域SGaの回路構成を概念的に示す回路図である。
【0064】
図3及び図4に示すように、検知領域SGaにおける素子基板91には、光センサ61及び光センサ62の夫々(ここではPINダイオード)が形成される。
【0065】
まず、検知領域SGaにおける素子基板91側の構成について述べる。図3に示すように、素子基板91の内面上には、不図示のシリコン酸化膜が形成されている。シリコン酸化膜の内面上で、光センサ61が形成される領域には、純粋なポリシリコン(p−Si)の層であるi(intrinsic)層61bが形成され、i層61bの両側には、i層61bを挟み込んで、ポリシリコンにボロン(B)イオンが注入された高不純物濃度のp+層61cと、ポリシリコンにリン(P)イオンが注入された高不純物濃度のN+層61aが形成されている。光センサ61たるPINダイオードは、これらi層61bとp+層61cとN+層61aより構成される。同様に、シリコン酸化膜の内面上で、光センサ62が形成される領域には、純粋なポリシリコンの層であるi層62bが形成され、i層62bの両側には、i層62bを挟み込んで、ポリシリコンにボロンイオンが注入された高不純物濃度のp+層62cと、ポリシリコンにリンイオンが注入された高不純物濃度のN+層62aが形成されている。光センサ62たるPINダイオードは、これらi層62bとp+層62cとN+層62aより構成される。
【0066】
光センサ61のN+層61aは、配線63を介して高位電源VHH(但し、図3では不図示)に電気的に接続されており、光センサ61のp+層61cは、配線64を介して光センサ62のN+層62aと電気的に接続されており、光センサ62のp+層62cは、配線65を介して低位電源VLL(但し、図3では不図示)と電気的に接続されている。つまり、本実施形態では、光センサ61と光センサ62とは直列に接続されている。
【0067】
光センサ61と光センサ62との間(つまり、配線64)には、図4に示すように、光検知回路52の入力端子が電気的に接続されている。従って、光検知回路52には、光センサ61に発生する電流と光センサ62に発生する電流との差分が入力される。光検知回路52は、光センサ61に発生する電流と光センサ62に発生する電流との差分に基づいて、照明装置10から液晶表示パネル30に対して入射してくる光Lの輝度を検出する。検出された光Lの輝度は、照明装置10が備えるLED制御回路53へ出力される。
【0068】
LED制御回路53は、光検知回路52により検出される輝度に基づいて、照明装置10が備えるLED13が出射する光の輝度を調整する。
【0069】
次に、検知領域SGaにおけるカラーフィルタ基板92側の構成について述べる。図3に示すように、カラーフィルタ基板92の内面上(特に、検知領域SGa)には、樹脂などでベタ状のブラックマトリクスBMが形成されている。特に、検知領域SGaに形成されるブラックマトリクスBMは、液晶表示パネル30の外部の光が液晶表示パネル30内に入射することを防ぐための遮光性と、照明装置10から出射される光Lが反射することを防ぐ非反射性との双方の性質を兼ね備えている材料から構成される。検知領域SGaにおいて、ブラックマトリクスBMの内面上には、光センサ61に対向して、アルミニウム(Al)などで反射層81が形成されている。他方で、検知領域SGaにおいて、ブラックマトリクスBMの内面上には、光センサ62に対向して反射層81が形成されていない。反射層81の内面上には、光センサ61に対向して、各色の着色層6と同じ材料で形成された各色の着色層6aが形成されている。
【0070】
本実施形態に係る液晶表示装置100では、額縁領域38に最低でも照明装置10におけるLED13の色の数分だけ、検知領域SGaが設けられる。つまり、照明装置10に光源としてRGBの各色のLED13が設けられているのであれば、額縁領域38には、赤色光を検知するための検知領域、緑色光を検知するための検知領域、青色光を検知するための検知領域の3つの検知領域SGaが最低でも設けられる。
【0071】
1つの検知領域SGaにおける着色層6aは、検知する光の色、即ち、LED13より出射される光の色に対応する色の着色層が設けられる。具体的には、赤色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aは、着色層6Rと同じ色材で形成される。同様に、緑色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aは、着色層6G1又は着色層6G2と同じ色材で形成される。同様に、青色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aは、着色層6Bと同じ色材で形成される。なお、緑色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aとしては、着色層6G1又は着色層6G2のうち、透過した光の輝度が高くなる着色層である黄緑色の着色層6G2を用いるのが好適である。
【0072】
液晶表示パネル30に入射した光Lは、光センサ61及び光センサ62の夫々の背面側(つまり、照明装置10側)から光センサ61及び光センサ62の夫々に入射する。光センサ61及び光センサ62の夫々は、PINダイオードであるため、光が照射されると、N+層61aとp+層61cとの間及びN+層62aとp+層62cとの間の夫々に流れる電流が発生する。当該電流の大きさは、入射した光の輝度に応じて変化する。具体的には、光センサ61及び光センサ62に入射した光の輝度が大きくなればなるほど、発生する電流量も大きくなり、光の輝度が小さくなればなるほど、発生する電流量も小さくなる。
【0073】
加えて、光センサ61のi層61b及び光センサ62のi層62bの夫々の厚みが相対的に薄い(具体的には、例えば50nm程度である)ため、光センサ61及び光センサ62の夫々の背面側から光センサ61及び光センサ62の夫々に入射した光Lは、その少なくとも一部が光センサ61及び光センサ62の夫々を透過してカラーフィルタ基板92側へ伝搬する。また、液晶表示パネル30に入射した光Lのうち光センサ61及び光センサ62に入射しなかった光も、その少なくとも一部が同様にカラーフィルタ基板92側へ伝搬する。カラーフィルタ基板92側へ伝搬した光は、図4に示すように、反射層81によって反射された後、光センサ61に再度入射する。他方で、カラーフィルタ基板92側へ伝搬した光はがブラックマトリクスBMによって反射されることはないため、カラーフィルタ基板92側へ伝搬した光Lが光センサ62に再度入射することはない。
【0074】
従って、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光Lのうち反射層81において反射され且つ着色層6aを透過した光(つまり、照明装置10から出射される光Lのうちの着色層6aの色の光)とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光を受光することで生ずる受光電流(特定色光電流)の夫々が生ずる。より具体的には、着色層6aが着色層6Rと同じ色材で形成されている場合には、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光源光のうちの赤色光とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうちの赤色光を受光することで生ずる受光電流(赤色光電流)の夫々が生ずる。同様に、着色層6aが着色層6Gと同じ色材で形成されている場合には、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光Lのうちの緑色光とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうち緑色光を受光することで生ずる受光電流(緑色光電流)の夫々が生ずる。同様に、着色層6aが着色層6Bと同じ色材で形成されている場合には、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光Lのうちの青色光とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光源光のうちの青色光を受光することで生ずる受光電流(青色光電流)の夫々が生ずる。
【0075】
他方で、光センサ62は、照明装置10から出射される光Lを受光する。このため、光センサ62には、光センサ62の環境温度に応じた熱電流及び照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)の夫々が生ずる。
【0076】
従って、配線32aを介して光センサ61及び光センサ62の夫々に接続される光検知回路52には、光センサ61における受光結果(つまり、熱電流、光電流及び特定色光電流)と、光センサ62における受光結果(つまり、熱電流及び光電流)との差分である「照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光を受光することで生ずる特定色光電流」が出力される。これにより、光検知回路52は、照明装置10から出射される光源光のうちの特定の色の光の輝度等を検出することができる。このため、LED制御回路53は、光検知回路52において検出された特定の色の光の輝度に基づいて、照明装置10が備えるLED13のうち特定の色の光を出射するLED13を好適に制御することができる。
【0077】
このように、本実施形態に係る液晶表示装置100によれば、2つの光センサ(つまり、光センサ61及び光センサ62)を形成すると共に反射層81及び着色層6aを介して特定の色の光を光センサ61に入射させている。このため、光センサ61及び光センサ62の夫々の背面側(つまり、照明装置10側)に別途新たな反射層等を設けなくとも、照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光の輝度等を好適に検出することができる。
【0078】
加えて、単一の光センサを用いて特定の色の光の輝度を検出する構成では、光センサの環境温度に応じた熱電流が生じてしまうため、特定の色の光を受光することで生ずる受光電流そのものを高精度に検出することは困難である。しかるに、本実施形態に係る液晶表示装置100では、2つの光センサ(つまり、光センサ61及び光センサ62)を形成しているため、上述したように熱電流の影響を好適に又は確実に排除することができる。従って、照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光の輝度等を高精度に検出することができる。
【0079】
更に、本実施形態に係る液晶表示装置100では、光が入射すると電流を発生させるPINダイオードなどの半導体素子を液晶表示パネル30に対して形成することで、光センサ61及び光センサ62としている。このため、独立したモジュールとして作製された光センサを付加するよりも、光センサの大きさを小さくすることができると共にその配置の自由度を高めることができるので、装置全体を大きくせずに済む。また、光センサ61及び光センサ62は表示に寄与しない額縁領域38に形成されるので、表示画像への影響を及ぼさずに済む。
【0080】
尚、上述した実施形態では、光センサ61と光センサ62とを直列に接続し、該光センサ61と光センサ62の間に光検知回路52の入力端子を電気的に接続し、該光検知回路52により特定の色の光の輝度を検出する構成を記載している。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、他の構成を有していてもよい。ここで、図5を参照して他の構成例を説明する。尚、上述した液晶表示装置100と同様の構成については、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0081】
図5に示すように、光センサ61には、光検知回路52aが接続され、光センサ62には、光検知回路52bがそれぞれ接続される。従って、光検知回路52aには、光センサ1の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうち特定の色の光を受光することで生ずる受光電流(特定色光電流)の合計が入力され、該入力された電流に基づいて輝度が算出される。他方、光検知回路52bには、光センサ62の環境温度に応じた熱電流及び照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)の合計が入力され、該入力された電流に基づいて輝度が算出される。光検知回路52a及び52bで算出された輝度は、それぞれ差分演算回路54に入力され、該差分演算回路54は、両方の輝度の差分に基づいて、照明装置10から出射される光Lのうち特定の色の光の輝度を算出する。この構成によれば、光センサ61と光センサ62とは、直列に接続されないので、素子基板91上にレイアウトする際に光センサ61と光センサ62との間の配線を考慮する必要がなく、レイアウト性が向上する。
【0082】
加えて、この構成では、照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光を受光する光センサ61は、照明装置10が備えるLED13の種類の数(言いかえれば、照明装置10が出射する光の色の数)だけ形成する必要がある一方で、照明装置10から出射される光Lのみを受光する光センサ62は複数の光センサ61に共通して1つだけ形成すれば足りる。具体的には、例えば照明装置10が、赤色光を出射するLED13、緑色光を出射するLED13及び青色光を出射するLED13を備えている場合には、赤色光を受光する光センサ61、緑色光を受光する光センサ61及び青色光を受光する光センサ61を形成する必要がある一方で、3つの光センサ61に共通して1つの光センサ62を形成すれば足りる。従って、カラーフィルタ基板92上に形成される光センサ62の数を相対的に減らすことができる。
【0083】
尚、照明装置10等として、既存の液晶表示装置等に用いられている任意の構成を採用してもよいことは言うまでもない。例えば、照明装置10等の一例として、特開2007−212712号公報に開示されている構成を採用しても良い。以下、参考のために、照明装置10等の一例及び照明装置10の制御態様の一例について説明を加える。
【0084】
(3)照明装置の構成
次に、本実施形態に係る照明装置10の構成について具体的に述べる。照明装置10は、先にも述べたように、光源部12と導光板11より構成される。
【0085】
図6は、本実施形態に係る光源部12の構成を示す斜視図である。図6に示すように、光源部12は、フレキシブル基板72と、フレキシブル基板72上に配置されている複数の光源パッケージ71より構成される。光源パッケージ71は、複数の色の光を夫々発光する複数の光源が1つのパッケージ化されている。このような光源パッケージ71は、いわゆる3in1LEDパッケージとも呼ばれる。図6に示す光源部12では、光源パッケージ71に対し、RGBの各色の光を夫々発光するLED13R、13G、13Bが1つにパッケージ化されている。複数の光源パッケージ71は、LED13R、13G、13Bより出射される光の出射方向が同じ方向となるように並列して配置されている。LED13R、13G、13Bより出射される光の出射方向には、導光板11の入光端面11cが対向して配置され、LED13R、13G、13Bより出射された光は、導光板11の入光端面11cに入射する。LED13R、13G、13Bより出射された光は、拡散するに伴い、互いに混光して白色光たる光Lとなる。
【0086】
ここで、光源パッケージ71の構成について述べる。図7は、図6において切断線B−B’に沿った1つの光源パッケージ71の拡大断面図である。光源パッケージ71は、主に、反射枠体73と、RGBの各色の光を発光するLED13より構成される。反射枠体73は、樹脂などにより形成され、すり鉢状の凹部を有しており、凹部の内面にはメッキ処理等により光を反射する反射膜が形成されている。図7に示す光源パッケージ71の拡大断面図は、図6において切断線B−B’に沿ったものであるので、赤色LED13Rのみが示されているが、実際には、RGBの各色の光を夫々発光する各色のLED13が、反射枠体73の凹部の底面に設置されている。反射枠体73の凹部の底面には、電極75、76が設置されている。電極75、76の一端は、反射枠体73の外部、具体的には、フレキシブル基板72上に設置されているLED13を駆動するための図示しない駆動回路と接続されている。一方、電極75、76の他端は、LED13と接続されている。例えば、図7に示すように、赤色LED13のアノード77は電極75と接続され、赤色LED13Rのカソード78は電極76と接続される。赤色LED13Rは、電極75、76を介して駆動回路と接続されている。赤色LED13Rは、外部より電流Irが流されることで、赤色光を発光する。電流Irの電流量を大きくすれば、赤色LED13Rより出射される赤色光の輝度は、大きくなり、電流Irの電流量を小さくすれば、赤色LED13Rより出射される赤色光の輝度は、小さくなる。
【0087】
緑色LED13G、青色LED13Bについても同様に夫々、アノード、カソードが夫々、反射枠体73の外部と接続されている電極と接続される。そして、緑色LED13G、青色LED13Bも夫々、当該電極を介して駆動回路と接続されている。緑色LED13G、青色LED13Bは、夫々、外部より電流Ig、Ibが流されることで、緑色光、青色光を発光する。電流Ig、Ibの電流量を大きくすれば、緑色LED13G、青色LED13Bより出射される緑色光、青色光の輝度は、夫々大きくなり、電流Ig、Ibの電流量を小さくすれば、緑色LED13G、青色LED13Bより出射される緑色光、青色光の輝度は、夫々小さくなる。
【0088】
反射枠体73は、その凹部の底面にRGBの各色の光を夫々発光するLED13が設置された後、透明な樹脂74によって封止され、光源パッケージ71が完成する。なお、ここで、樹脂74の最上面、言い換えると光源パッケージ71の光の出射面にレンズを配置するとしても良い。例えば、当該レンズとして、凹レンズを配置すれば、各色のLED13より出射される光をより拡散することができる。
【0089】
図8は、照明装置10の構成を示すブロック図である。図8では、一例として、2つの光源パッケージ71を示す。夫々の光源パッケージ71には、図6に示すように、RGBの各色のLED13R、13G、13Bが、1つずつ備えられている。つまり、図8に示すように、2つの光源パッケージ71のうち、一方の光源パッケージ71に、赤色LED13R1、緑色LED13G1、青色LED13B1が備えられ、他方の光源パッケージ71に、赤色LED13R2、緑色LED13G2、青色LED13B2が備えられるとする。
【0090】
図8に示すように、照明装置10は、光源部12に備えられ、光源パッケージ71にパッケージ化されてなる複数のRGBの各色のLED13R、13G、13Bの他に、赤色LED駆動回路51Rと、緑色LED駆動回路51Gと、青色LED駆動回路51Bと、先に述べた光検知回路52と電気的に接続されたLED制御回路53を備える。
【0091】
赤色LED駆動回路51Rは、赤色LED13R1、13R2と接続され、緑色LED駆動回路51Gは、緑色LED13G1、13G2と接続され、青色LED駆動回路51Bは、青色LED13B1、13B2と接続される。
【0092】
赤色LED駆動回路51R、緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bは、LED制御回路53と接続される。LED制御回路53は、先に述べた光検知回路52と接続される。
【0093】
LED制御回路53は、光検知回路52により検出された特定の色の光の輝度に基づいて、赤色LED駆動回路51R、緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bに対し、制御信号を送信し、赤色LED駆動回路51R、緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bは、当該制御信号を基に各色のLED13に流すパルス電流を変化させる。
【0094】
赤色LED13R1、13R2は、電気的に直列接続される。直列接続された赤色LED13R1、13R2は、赤色LED駆動回路51Rによって電流Irが流される。図8に、赤色LED13R1、13R2に流される電流の流れを実線矢印で示す。これにより、赤色LED13R1、13R2には、どちらにも電流Irが流され、赤色LED13R1、13R2は、どちらも同じ輝度の赤色光を発光することができる。
【0095】
図8には、緑色LED13G1、13G2、青色LED13B1、13B2夫々に流される電流の流れについても破線矢印で示す。
【0096】
緑色LED13G1、13G2は、電気的に直列接続される。直列接続された緑色LED13G1、13G2は、緑色LED駆動回路51Gによって電流Igが流される。これにより、緑色LED13G1、13G2には、どちらにも電流Igが流され、緑色LED13G1、13G2は、どちらも同じ輝度の緑色光を発光することができる。
【0097】
青色LED13B1、13B2も、電気的に直列接続される。直列接続された2つの青色LED13B1、13B2は、青色LED駆動回路51Bによって電流Ibが流される。これにより、青色LED13B1、13B2には、どちらにも電流Ibが流され、青色LED13B1、13B2は、どちらも同じ輝度の青色光を発光することができる。
【0098】
図9に、一例として、本実施形態に係る赤色LED駆動回路51Rの回路図を示す。赤色LED駆動回路51Rは、電流制限抵抗Rrと、電源Vrより構成される。電流制限抵抗Rrの大きさは、赤色LED13R1、13R2に流すことのできる電流Irの許容値によって決まる。電源Vrは、赤色LED13R1、13R2にパルス電流を供給する。赤色LED13R1、13R2に供給されるパルス電流の幅及びタイミングは、電源Vrを制御することによって変えられる。緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bの夫々についても、赤色LED駆動回路51Rと同様、電気的に接続されている緑色LED13G1、13G2、青色LED13B1、13B2の夫々にパルス電流を供給するための電源を夫々有する。
【0099】
以上のことから分かるように、本実施形態に係る光源部12では、RGBの各色のLED13は、各色ごとにLED駆動回路51を有している。また、各色のLED13に夫々接続されたLED駆動回路51は、LED制御回路53からの制御信号を基に、電気的に接続されている各色のLED13にパルス電流を供給する。このように各色のLED13毎にLED駆動回路51が設けられることで、各色のLED13毎に別々にパルス電流をかけることができる。
【0100】
(4)LED電流制御処理
次に、本実施形態に係る液晶表示装置100におけるLED電流制御処理について述べる。RGBの各色のLED13より出射される光の輝度は、温度変化や時間変化によって夫々変化するため、照明装置10から出射される光Lのホワイトバランスは、温度変化や時間変化によって崩れてしまう。そこで、光の輝度が変化する度にRGBの各色のLED13より出射される各色の光の輝度調整を行う必要がある。このLED電流制御処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0101】
光検知回路52は、検知領域SGaにおいて、各色の着色層6aを透過した光を夫々検知した光センサ61及び光センサ62より供給される電流に基づいて、特定の色の光の輝度等を検出すると共にLED制御回路53に供給する。LED制御回路53は、当該輝度に基づいて、RGBの各色の輝度の割合が、所定の割合、即ち、所望の白色光となるRGBの輝度の割合となっているか否かを判定する(ステップS1)。RGBの各色の光の輝度の割合が、所望の白色光となるRGBの輝度の割合となっている場合には(ステップS21:Yes)、LED制御回路53は、処理を終了する。一方、RGBの各色の輝度の割合が、所望の白色光となるRGBの輝度の割合とならない場合には(ステップS2:No)、LED制御回路53は、各色のLED駆動回路51に制御信号を送り、各色のLED駆動回路51より各色のLED13に供給されるパルス電流の幅を調節することで、RGBの各色のLED13より出射される光の輝度の割合が、所望の白色光となるRGBの輝度の割合となるように調整する(ステップS2)。そして、その後、LED制御回路53は処理を終了する。
【0102】
以上のように構成することで、本実施形態に係る液晶表示装置100では、温度変化や経時変化により、各色のLED13より出射される光の輝度が変化して、光LにおけるRGBの各色の輝度の割合が変化しても、自動的にホワイトバランスの調整を行うことができる。
【0103】
なお、本実施形態に係る照明装置10では、各色のLED13には、パルス電流が供給されるとしているが、これに限られるものではなく、代わりに定電流が供給されるとしても良いのは言うまでもない。この場合には、LED制御回路53は、光検知回路52より供給された電流の大きさを基に、各色のLEDのLED駆動回路51に制御信号を送り、各色のLED駆動回路51より各色のLED13に供給される定電流の大きさを調節することで、RGBの各色のLED13より出射される光の輝度の割合を調整する。
【0104】
加えて、上述の照明装置10がRGB各色のLED13を備える構成について説明している。しかしながら、照明装置10は、RGB各色のLED13に代えて、白色光を出射するLED13を備えていてもよい。この場合も、光センサ61及び光センサ62より供給される電流に基づいて白色光のうちのRGBの各色の光の輝度等を検出すると共に、該RGBの各色の光の輝度の割合が所望の白色光となるRGBの輝度となるようにLED13を制御しても良い。このとき、上述したようにLED13に供給されるパルス電流の幅を調節してもよいし、ドライバIC40を介して液晶表示パネル30に供給されるRGBの画像信号を調節してもよいし、或いはγ補正曲線を調節してもよい。或いは、その他の調節を行ってもよい。いずれにせよ、光センサ61及び光センサ62より供給される電流に基づいて白色光のうちのRGBの各色の光の輝度等を検出すると共に、該RGBの各色の光の輝度の割合が所望の白色光となるRGBの輝度となるようにLED13を制御する限りは、上述した各種効果を享受することができる。
【0105】
(5)電子機器
続いて、図11及び図12を参照しながら、上述の液晶表示装置100を具備してなる電子機器の例を説明する。
【0106】
図11は、上述した液晶表示装置100が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図11において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶表示装置100を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。
【0107】
次に、上述した液晶表示装置100を携帯電話に適用した例について説明する。図12は、電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図12において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、半透過反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶表示装置100と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。
【0108】
これらの電子機器においても、上述した液晶表示装置100を含んでいるため、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0109】
尚、図11及び図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた直視型の液晶装置を備える装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、上述した液晶表示装置100を適用可能なのは言うまでもない。
【0110】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置、光検出装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】液晶表示装置における切断線C−C’に沿った1つの検知領域の拡大断面図である。
【図4】1つの検知領域の回路構成を概念的に示す回路図である。
【図5】1つの検知領域の他の回路構成を概念的に示す回路図である。
【図6】本実施形態に係る光源部の構成を示す斜視図である。
【図7】図6において切断線B−B’に沿った1つの光源パッケージの拡大断面図である。
【図8】照明装置の構成を示すブロック図である。
【図9】赤色LED駆動回路の回路図である。
【図10】LED電流制御処理の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図11】液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。
【図12】液晶装置が適用された携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
6a…着色層、10…照明装置、13…LED、52…光検知回路、53…LED制御回路、61…光センサ、62…光センサ、81…反射層、91…素子基板、92…カラーフィルタ基板、100…液晶装置、BM…ブラックマトリクス、SGa…検知領域、
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、このような電気光学装置に用いられる光センサ等を含む光検出装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の一例として、一対の基板間に電気光学物質として液晶を挟持してなる液晶装置があげられる。このような液晶装置では、例えば液晶パネルを構成する一対の基板間において液晶を所定の配向状態としておき、例えば画像表示領域に形成された画素部毎に、液晶に所定の電圧を印加することにより、液晶における配向や秩序を変化させて、光を変調することにより階調表示を行う。
【0003】
このような液晶装置では、透過表示を行うために、液晶パネルの背面側に照明装置(つまり、バックライト)が設けられる。赤、緑、青の各色のLED(Light Emitting Diode)を光源に有する照明装置は、それぞれのLEDから出射された光を混光することにより白色光を生成し、生成された白色光を液晶パネルの背面側に照射する。液晶装置は、照明装置より照射された白色光を、液晶パネルの基板上に積層されている赤、緑、青のそれぞれの波長の光を透過するカラーフィルタに透過させることにより、カラー表示を実現している。
【0004】
しかしながら、各色のLEDは、温度変化や経時変化により、輝度特性が大きく変わる性質があるため、混光された白色光の色も変化してしまうという問題があった。このため、特許文献1には、RGBの各色のLEDからなる光源と、表示パネルが備えるTFTアレイ基板上に形成された光センサと、該光センサに対向する対向基板上に形成される反射層及び着色層と、当該光センサの検出値(つまり、反射層から反射される光の検出値)に基づいて、当該光源が含む各LEDの輝度を調整する制御手段を備えた液晶装置が記載されている。この液晶装置では、光源から出射された光は、反射層において反射すると共に着色層を透過することで所定の色の光となった後に、光センサに入射する。その結果、所定の色の光の輝度(つまり、所定の色の光を出射するLEDの輝度)を調整することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2007−212712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された液晶装置では、照明装置から出射される光のうち反射層において反射された光のみを光センサに入射させるために(言い換えれば、照明装置から出射される光が直接光センサに入射することを避けるために)、光センサの背面側(つまり、照明装置側)に別途新たな反射層を形成する必要がある。
【0007】
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば光センサの背面側に反射層を形成することなく照明装置から出射される光を好適に検出する電気光学装置、光検出装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(電気光学装置)
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源とを備え、前記表示パネルは、前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成される着色層とを備える。
【0009】
本発明の電気光学装置によれば、光源から出射する光は、第1基板の側から第2基板の側へ向かって伝搬するように表示パネルを透過した後にユーザに視認される。これにより、所望の画像を表示することができる。このような電気光学装置の一例として、第1基板と第2基板との間に電気光学物質(例えば、液晶等)が挟持されている電気光学装置が一例としてあげられる。このような電気光学装置では、画像に応じた電界が電気光学物質に印加されることで、画像表示が行われる。
【0010】
本発明では特に、表示パネルは、第1受光素子及び第2受光素子と、反射層と、着色層とを備えている。
【0011】
第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源から出射される光を受光する受光素子である。このとき、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、受光する光に応じた受光電流を出力することが好ましい。他方で、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源以外から出射する光(例えば、電気光学装置の外部から入射する環境光等)を受光しないように形成されていることが好ましい。また、第1受光素子及び第2受光素子は、第1基板上(より好ましくは、第1基板のうち第2基板側の表面上)に形成されている。従って、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源から出射される光を直接的に受光する。つまり、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光する。尚、第1受光素子及び第2受光素子の夫々は、同一の構成を有する受光素子であってもよいし、互いに異なる構成を有する受光素子であってもよい。
【0012】
反射層は、第2基板上に形成されている。このため、第1基板の側から入射してくる光源からの光は、第1基板を透過してから第2基板に到達した後に反射層において反射されることで、再度第1基板側へと伝搬する。このとき、反射層は、光源から出射される光を第1受光素子に向けて反射するように構成されている。このような構成は、典型的には、第1受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って第1受光素子と重なる領域)に反射層が形成されることで実現される。従って、反射層において反射された光は、第1受光素子により検出される。その一方で、反射層は、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射しないことが好ましい。従って、反射層において反射された光は、第2受光素子によっては検出されないことが好ましい。
【0013】
着色層は、光源から出射された光が反射層に入射する光路(つまり、光源と反射層との間の光路)上に形成されている。または、着色層は、反射層によって反射された光が第1受光素子に入射する光路(つまり、反射層と第1受光素子との間の光路)上に形成されている。典型的には、着色層は、第1受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って第1受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。また、着色層は、典型的には、反射層上に形成されていることが好ましい。従って、光源から出射された光は、反射層において反射され且つ着色層を透過することで、所定の色の光となる。この所定の色の光は、第1受光素子に入射する。このため、第1受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの所定の色の光を更に受光する。
【0014】
このため、第1受光素子には、第1受光素子の環境温度に応じた熱電流、光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流、及び光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流の夫々が生ずる。他方で、第2受光素子には、第2受光素子の環境温度に応じた熱電流及び光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流の夫々が生ずる。従って、後述する検出回路には、第1受光素子における受光結果(つまり、第1受光素子の環境温度に応じた熱電流、光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流、及び光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流)と、第2受光素子における受光結果(つまり、第2受光素子の環境温度に応じた熱電流及び光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流)との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。
【0015】
ここで、仮に、上述した特許文献1に開示された構成のように単一の受光素子を用いて所定の色の光成分を検出する構成では、光源から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流が受光素子において生ずることを防ぐため、受光素子の背面側(つまり、光源側)に反射層を設ける必要がある。しかるに、本発明では、2つの受光素子を設けると共に反射層及び着色層を介して所定の色の光を2つの受光素子のうちの一方(つまり、第1受光素子)に入射させている。このため、第1受光素子及び第2受光素子の夫々の背面側(つまり、光源側)に反射層等を設けなくとも、光源から出射される光のうちの所定の色の光(より具体的には、所定の色の光の光量や輝度等)を好適に検出することができる。
【0016】
加えて、単一の受光素子を用いて所定の色の光を検出する構成では、受光素子の環境温度に応じた熱電流が生じてしまうため、所定の色の光を受光することで生ずる受光電流そのものを高精度に検出することは困難である。しかるに、本発明では、2つの受光素子を設けているため、上述したように熱電流の影響を好適に又は確実に排除することができる。従って、光源から出射される光のうちの所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0017】
本発明の電気光学装置の一の態様では、前記反射層は、前記第2基板の前記第1受光素子に対向する領域に形成される。
【0018】
この態様によれば、反射層は、光源から出射される光を第1受光素子に向けて確実に反射することができる。更に、反射層は、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、反射層は、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射させなくなる。従って、第1受光素子及び第2受光素子の夫々の背面側(つまり、光源側)に反射層等を設ける必要がなくなると共に、所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0019】
上述の如く反射層が第2基板の第1受光素子に対向する領域に形成される電気光学装置の態様では、前記着色層は、前記第2基板の前記第1受光素子に対向する領域に形成されるように構成してもよい。
【0020】
このように構成すれば、着色層を透過した光を第1受光素子に好適に入射させることができる。更に、着色層を透過した光が第2受光素子に入射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、着色層を透過した光が第2受光素子に入射しなくなる。従って、所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0021】
上述の如く反射層が第2基板の第1受光素子に対向する領域に形成される電気光学装置の態様では、前記反射層および前記着色層は、前記第2受光素子に対向する領域に形成されないように構成してもよい。
【0022】
このように構成すれば、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、反射層は、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、光源から出射される光を第2受光素子に向けて反射させなくなる。加えて、着色層を透過した光が第2受光素子に入射することは殆ど又は全くなくなる。或いは、所定の色の光の高精度な検出に対して悪影響を及ぼさない程度しか、着色層を透過した光が第2受光素子に入射しなくなる。従って、所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0023】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板上には、前記第2基板の前記光源とは反対側から入射する光を遮光すると共に前記光源からの光を反射しない遮光層が形成されており、前記反射層は、前記遮光層の前記第1基板側に形成される。
【0024】
この態様によれば、光を透過せず且つ反射しない遮光層が設けられているため、第1受光素子には、光源以外から出射する光(例えば、電気光学装置の外部から入射する環境光等)は入射しない。従って、光源から出射される光と、光源から出射される光のうちの所定の色の光(つまり、反射層において反射され且つ着色層を透過する光)とが第1受光素子に入射する状態を確実に実現することができる。同様に、遮光層が設けられているため、第2受光素子には、光源以外から出射する光(例えば、電気光学装置の外部から入射する環境光等)は入射しない。加えて、光源から出射される光が遮光層において反射されることがないため、光源から出射される光が第2受光素子に入射する状態を確実に実現することができる。従って、上述したように、第1受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」を確実に出力することができる。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記着色層は、前記反射層の前記第1基板側に形成される。
【0026】
この態様によれば、反射層において反射された光又は反射層に入射する光が確実に着色層を透過することになるため、光源から出射される光のうちの所定の色の光(つまり、反射層において反射され且つ着色層を透過する光)が第1受光素子に入射する状態を確実に実現することができる。
【0027】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記光源は、赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を出射し、前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいる。
【0028】
この態様によれば、第1受光素子のうちの赤色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの赤色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの緑色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの緑色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの青色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの青色の光を更に受光する。
【0029】
従って、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの赤色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの赤色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの緑色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの緑色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの青色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの青色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。このため、光源が出射する赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を個別に検出することができる。
【0030】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記光源は、白色の光を出射し、前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいる。
【0031】
この態様によれば、第1受光素子のうちの赤色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの赤色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの緑色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの緑色の光を更に受光する。同様に、第1受光素子のうちの青色受光素子は、光源から出射され且つ第1基板を透過してきた光を直接的に受光すると共に、光源から出射される光のうちの青色の光を更に受光する。
【0032】
従って、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの赤色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの赤色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの緑色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの緑色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。同様に、後述の検出回路には、第1受光素子のうちの青色受光素子における受光結果と第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの青色の光を受光することで生ずる受光電流」が出力される。このため、光源が出射する白色光が含む赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を個別に検出することができる。
【0033】
尚、着色層が、赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を含む態様では、典型的には、赤色着色層は、赤色受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って赤色受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。同様に、緑色着色層は、緑色受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って緑色受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。同様に、青色着色層は、青色受光素子に対向する領域(言い換えれば、第1基板又は第2基板の法線方向に沿って青色受光素子と重なる領域)に形成されていることが好ましい。
【0034】
また、着色層が、赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を含む態様では、前記着色層は、前記光源から出射される光が前記反射層(特に、赤色光用受光素子に対して光を反射する反射層)に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記光源から出射される光が前記反射層(特に、緑色光用受光素子に対して光を反射する反射層)に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記光源から出射される光が前記反射層(特に、青色光用受光素子に対して光を反射する反射層)に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含むように構成してもよい。
【0035】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源から出射される光のうち前記所定の色の光成分を検出する検出回路を更に備える。
【0036】
この態様によれば、第1受光素子における受光結果と、第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」に応じて、光源から出射される所定の色の光を好適に検出することができる。
【0037】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源の輝度を制御する調整回路を更に備える。
【0038】
この態様によれば、第1受光素子における受光結果と、第2受光素子における受光結果との差分である「光源から出射される光のうちの所定の色の光を受光することで生ずる受光電流」に応じて、光源の輝度(特に、光源から出射される所定の色の光の輝度)を好適に調整することができる。
【0039】
(光検出装置)
上記課題を解決するために、本発明の光検出装置は、第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源とを備える電気光学装置に用いられる光検出装置であって、前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成され且つ所定の色に対応する着色層とを備える。
【0040】
本発明の光検出装置によれば、上述した本発明の電気光学装置と同様に、第1受光素子及び第2受光素子の夫々の背面側(つまり、光源側)に反射層等を設けなくとも、光源から出射される光のうちの所定の色の光を好適に検出することができる。加えて、熱電流の影響を好適に又は確実に排除することができるため、光源から出射される光のうちの所定の色の光を高精度に検出することができる。
【0041】
尚、上述した本発明の電気光学装置が採り得る各種態様に対応して、本発明の光検出装置も各種態様を採ることができる。
【0042】
(電子機器)
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0043】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置(或いは、その各種態様)備えているため、上述した本発明の電気光学装置が享受する各種効果と同様の効果を享受することができる。つまり、上述した本発明の電気光学装置が享受する各種効果と同様の効果を享受することができる投射型表示装置(例えば、プロジェクタ等)や直視型表示装置(例えば、テレビ、携帯電話、電子手帳、携帯オーディオプレーヤ、ワードプロセッサ、デジタルカメラ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等)などの各種電子機器を実現することができる。
【0044】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から更に明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。尚、以下では、本発明に係る電気光学装置の一例として、液晶装置を用いて説明を進める。
【0046】
(1)液晶表示装置の基本構成
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置100の構成等について説明する。
【0047】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置100の概略構成を模式的に示す平面図である。図1では、紙面手前側(観察側)にカラーフィルタ基板92が、また、紙面奥側に素子基板91が夫々配置されている。なお、図1では、紙面縦方向(列方向)をY方向と規定し且つ紙面横方向(行方向)をX方向と規定する。また、図1において、R(赤)、G1(緑1)、B(青)、G2(緑2)に対応する各領域は1つのサブ画素SGを示していると共に、R、G1、B、G2に対応する1行4列のサブ画素SGは、1つの表示画素AGを示している。ここで、G1(緑1)、G2(緑2)は、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相である。本実施形態では、一例として、G1(緑1)は、一般的にGで示される純粋な緑を示し、G2(緑2)は、黄緑を示すこととする。但し、サブ画素SGの配列が図1に示す例に限定されることはない。
【0048】
図2は、液晶表示装置100における切断線A−A’に沿った1つの表示画素AGの拡大断面図である。図2に示すように、液晶表示装置100は、照明装置10と、液晶表示パネル30と、拡散シート14と、プリズムシート15と、反射シート16より構成される。液晶表示パネル30は、本発明における「第1基板」の一具体例を構成する素子基板91と、その素子基板91に対向して配置され且つ本発明における「第2基板」の位置具体例を構成するカラーフィルタ基板92とが枠状のシール材5を介して貼り合わされ、そのシール材5の内側に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。液晶層4に用いられる液晶は、例えばTN(Twisted Nematic)型液晶である。液晶表示パネル30の素子基板91の外面上には、照明装置10が備えられている。
【0049】
本実施形態に係る液晶表示装置100は、R、G1、B、G2の4色を用いて構成されるカラー表示用の液晶表示装置であると共に、スイッチング素子として低温型のポリシリコンTFTを用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。
【0050】
素子基板91の平面構成について説明する。素子基板91の内面上には、主として、複数のソース線32、複数のゲート線33、複数のポリシリコンTFT37、複数の画素電極34、ドライバIC40、外部接続用配線35及びFPC(Flexible Printed Circuit)41などが形成若しくは実装されている。
【0051】
図1に示すように、素子基板91は、カラーフィルタ基板92の一辺側から外側へ張り出してなる張り出し領域31を有しており、その張り出し領域31上には、ドライバIC40が実装されている。ドライバIC40の入力側の端子(図示略)は、複数の外部接続用配線35の一端側と電気的に接続されていると共に、複数の外部接続用配線35の他端側はFPC41と電気的に接続されている。各ソース線32は、Y方向に延在するように且つX方向に適宜の間隔をおいて形成されており、各ソース線32の一端側は、ドライバIC40の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。
【0052】
各ゲート線33は、Y方向に延在するように形成された第1配線33aと、その第1配線33aの終端部からX方向に延在するように形成された第2配線33bとを備えている。各ゲート線33の第2配線33bは、各ソース線32と交差する方向、即ちX方向に延在するように且つY方向に適宜の間隔をおいて形成されており、各ゲート線33の第1配線33aの一端側は、ドライバIC40の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。各ソース線32と各ゲート線33の第2配線33bの交差に対応する位置にはポリシリコンTFT37が設けられており、各ポリシリコンTFT37は各ソース線32、各ゲート線33及び各画素電極34等に電気的に接続されている。各ポリシリコンTFT37は、ガラスなどの素子基板91上の各サブ画素SGに対応する位置に設けられている。各画素電極34は、例えばITO(Indium-Tin Oxide)などの透明導電材料により形成されており、素子基板91上の各サブ画素SGに対応する位置に設けられる。各画素電極34は、不図示の層間膜に設けられたコンタクトホールを介してソース線32及び各ポリシリコンTFT37と電気的に接続されている。
【0053】
1つの表示画素AGがX方向及びY方向に複数個、マトリクス状に並べられた領域が有効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。この有効表示領域Vに、文字、数字、図形等の画像が表示される。
【0054】
有効表示領域Vの外側の領域は、表示に寄与しない額縁領域38となっている。後に詳しく述べるが、額縁領域38には、照明装置10から出射された光を検知するための領域として複数の検知領域SGaが設けられている。各検知領域SGaには、本発明における「第1受光素子」の一具体例を構成する光センサ61及び本発明における「第2受光素子」の一具体例を構成する光センサ62が形成されている。光センサ61及び光センサ62の夫々は、具体的には、PIN(p-intrinsic-n Diode)ダイオードなどやMOSトランジスタ等の半導体素子である。尚、以下の説明では、光センサ61及び光センサ62の夫々が、PIN(p-intrinsic-n Diode)ダイオードである場合の例について説明を進める。光センサ61及び光センサ62は、配線32aを介して光検知回路52と電気的に接続されている。光検知回路52は、光センサ61及び光センサ62の夫々で発生した電流を検知することで、当該光センサ61及び光センサ62の夫々に入射した光(特に、後に詳述するように、照明装置10から出射される光のうちの所定の色の光の輝度等)を検出する。
【0055】
次に、カラーフィルタ基板92の平面構成について説明する。図2に示すように、カラーフィルタ基板92は、ガラスなどの基板2上に、ブラックマトリクスBM、R、G1、B、G2の4色の着色層6R、6G1、6B、6G2及び共通電極8などを有する。ブラックマトリクスBMは、各色のサブ画素SGを区画する位置に形成されている。なお、以下の説明もしくは図面において、R、G1、B、G2の色を特定することなく構成要素を示す場合には、単に「着色層6」のように記し、R、G1、B、G2の色を区別して構成要素を示す場合には、例えば「着色層6R」のように記すこととする。R、G1、B、G2の各色のサブ画素SGは、R、G1、B、G2の着色層6R、6G1、6B、6G2の夫々を有している。このR、G1、B、G2の着色層6R、6G1、6B、6G2が、夫々の色のカラーフィルタとして機能する。共通電極8は、画素電極と同様にITOなどの透明導電材料からなり、カラーフィルタ基板92の略一面に亘って形成されている。共通電極8は、シール材5の隅の領域E1において配線36の一端側と電気的に接続されていると共に、当該配線36の他端側は、ドライバIC40のCOMに対応する出力端子と電気的に接続されている。
【0056】
次に、照明装置10について説明する。照明装置10は、導光板11と光源部12より構成される。光源部12は、導光板11の端面11cに対し光Lを出射する。光源部12は、後に詳しく述べるが、光源としてRGBの各色のLED(Light Emitting Diode)13を有する。
【0057】
光源部12より出射した光Lは、導光板11の端面(以下、「入光端面」と称す)11cより導光板11内へ入り、導光板11の出射面11a、反射面11bで反射を繰り返すことにより方向を変える。光Lは、導光板11の出射面11aと光Lのなす角が臨界角を超えると、導光板11の出射面11aより液晶表示パネル30へ向けて出射する。光Lは、導光板11の反射面11bと光Lのなす角が臨界角を超えると、導光板11の反射面11bより出射する。しかし、導光板11の反射面11bより出射した光は、光を反射する反射シート16によって反射され、導光板11内部へ戻される。
【0058】
導光板11の出射面11aより液晶表示パネル30へ向けて出射した光Lは、拡散シート14、プリズムシート15を透過した後、液晶表示パネル30を透過する。拡散シート14は、光Lを拡散して出射する。プリズムシート15は、プリズムシート15a、15bより構成される。プリズムシート15a、15bは夫々、断面形状が略三角形となるプリズム形状を全面に有しており、光Lを液晶表示パネル30に向けて出射する。なお、プリズムシート15a、15bは、プリズム形状のプリズムの稜線が互いに略垂直となる配置とされる。液晶表示装置100は、光Lが液晶表示パネル30を透過することによって照明される。これにより、液晶表示装置100は、文字、数字、図形等の画像を表示することができ、観測者が画像を視認することができる。
【0059】
液晶表示装置100では、電子機器のメイン基板等と接続されたFPC41側からの信号及び電力等に基づき、ドライバIC40によって、G1、G2、・・・、Gm−1、Gm(mは自然数)の順にゲート線33が順次排他的に1本ずつ選択されるとともに、選択されたゲート線33には、選択電圧のゲート信号が供給される一方、他の非選択のゲート線33には、非選択電圧のゲート信号が供給される。そして、ドライバIC40は、選択されたゲート線33に対応する位置にある画素電極34に対し、表示内容に応じたソース信号を、それぞれ対応するS1、S2、・・・、Sn−1、Sn(nは自然数)のソース線32及びポリシリコンTFT37を介して供給する。その結果、液晶層4の配向状態が制御され、液晶表示装置100の表示状態が、非表示状態または中間表示状態に切り替えられることとなる。
【0060】
なお、本実施形態に係る液晶表示装置100は、完全透過型の液晶表示装置として示しているが、これに限られず、代わりに半透過反射型の液晶表示装置を用いるとすることもできる。さらに、本実施形態に係る液晶表示装置100は、カラーフィルタとして、着色層6R、6G1、6B、6G2の4色より構成されるとしているが、これに限られず、代わりに、一般的な液晶表示装置と同様、RGBの3色のカラーフィルタより構成されるとしてもよい。或いは、その他のカラーフィルタより構成されていてもよい。
【0061】
さらに、液晶表示パネル30としては、上述したようなTN液晶からなる液晶層を有する液晶表示パネルには限られず、代わりに、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In Plane Switching)方式、FFS(Fringe Field Structure)方式などの液晶表示パネルを用いるとすることもできる。
【0062】
なお、本実施形態では、表示パネルとして液晶表示パネル30を用いているが、これに限られるものではなく、代わりに表示パネルとして、有機EL(electroluminescence)ディスプレイパネルなどの他の表示パネルを用いるとすることもできる。
【0063】
(2)検知領域の構成
次に、検知領域SGaの構成について説明する。図3は、液晶表示装置100における切断線C−C’に沿った1つの検知領域SGaの拡大断面図である。また、図4は、1つの検知領域SGaの回路構成を概念的に示す回路図である。
【0064】
図3及び図4に示すように、検知領域SGaにおける素子基板91には、光センサ61及び光センサ62の夫々(ここではPINダイオード)が形成される。
【0065】
まず、検知領域SGaにおける素子基板91側の構成について述べる。図3に示すように、素子基板91の内面上には、不図示のシリコン酸化膜が形成されている。シリコン酸化膜の内面上で、光センサ61が形成される領域には、純粋なポリシリコン(p−Si)の層であるi(intrinsic)層61bが形成され、i層61bの両側には、i層61bを挟み込んで、ポリシリコンにボロン(B)イオンが注入された高不純物濃度のp+層61cと、ポリシリコンにリン(P)イオンが注入された高不純物濃度のN+層61aが形成されている。光センサ61たるPINダイオードは、これらi層61bとp+層61cとN+層61aより構成される。同様に、シリコン酸化膜の内面上で、光センサ62が形成される領域には、純粋なポリシリコンの層であるi層62bが形成され、i層62bの両側には、i層62bを挟み込んで、ポリシリコンにボロンイオンが注入された高不純物濃度のp+層62cと、ポリシリコンにリンイオンが注入された高不純物濃度のN+層62aが形成されている。光センサ62たるPINダイオードは、これらi層62bとp+層62cとN+層62aより構成される。
【0066】
光センサ61のN+層61aは、配線63を介して高位電源VHH(但し、図3では不図示)に電気的に接続されており、光センサ61のp+層61cは、配線64を介して光センサ62のN+層62aと電気的に接続されており、光センサ62のp+層62cは、配線65を介して低位電源VLL(但し、図3では不図示)と電気的に接続されている。つまり、本実施形態では、光センサ61と光センサ62とは直列に接続されている。
【0067】
光センサ61と光センサ62との間(つまり、配線64)には、図4に示すように、光検知回路52の入力端子が電気的に接続されている。従って、光検知回路52には、光センサ61に発生する電流と光センサ62に発生する電流との差分が入力される。光検知回路52は、光センサ61に発生する電流と光センサ62に発生する電流との差分に基づいて、照明装置10から液晶表示パネル30に対して入射してくる光Lの輝度を検出する。検出された光Lの輝度は、照明装置10が備えるLED制御回路53へ出力される。
【0068】
LED制御回路53は、光検知回路52により検出される輝度に基づいて、照明装置10が備えるLED13が出射する光の輝度を調整する。
【0069】
次に、検知領域SGaにおけるカラーフィルタ基板92側の構成について述べる。図3に示すように、カラーフィルタ基板92の内面上(特に、検知領域SGa)には、樹脂などでベタ状のブラックマトリクスBMが形成されている。特に、検知領域SGaに形成されるブラックマトリクスBMは、液晶表示パネル30の外部の光が液晶表示パネル30内に入射することを防ぐための遮光性と、照明装置10から出射される光Lが反射することを防ぐ非反射性との双方の性質を兼ね備えている材料から構成される。検知領域SGaにおいて、ブラックマトリクスBMの内面上には、光センサ61に対向して、アルミニウム(Al)などで反射層81が形成されている。他方で、検知領域SGaにおいて、ブラックマトリクスBMの内面上には、光センサ62に対向して反射層81が形成されていない。反射層81の内面上には、光センサ61に対向して、各色の着色層6と同じ材料で形成された各色の着色層6aが形成されている。
【0070】
本実施形態に係る液晶表示装置100では、額縁領域38に最低でも照明装置10におけるLED13の色の数分だけ、検知領域SGaが設けられる。つまり、照明装置10に光源としてRGBの各色のLED13が設けられているのであれば、額縁領域38には、赤色光を検知するための検知領域、緑色光を検知するための検知領域、青色光を検知するための検知領域の3つの検知領域SGaが最低でも設けられる。
【0071】
1つの検知領域SGaにおける着色層6aは、検知する光の色、即ち、LED13より出射される光の色に対応する色の着色層が設けられる。具体的には、赤色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aは、着色層6Rと同じ色材で形成される。同様に、緑色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aは、着色層6G1又は着色層6G2と同じ色材で形成される。同様に、青色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aは、着色層6Bと同じ色材で形成される。なお、緑色光を検知するための検知領域SGaにおける着色層6aとしては、着色層6G1又は着色層6G2のうち、透過した光の輝度が高くなる着色層である黄緑色の着色層6G2を用いるのが好適である。
【0072】
液晶表示パネル30に入射した光Lは、光センサ61及び光センサ62の夫々の背面側(つまり、照明装置10側)から光センサ61及び光センサ62の夫々に入射する。光センサ61及び光センサ62の夫々は、PINダイオードであるため、光が照射されると、N+層61aとp+層61cとの間及びN+層62aとp+層62cとの間の夫々に流れる電流が発生する。当該電流の大きさは、入射した光の輝度に応じて変化する。具体的には、光センサ61及び光センサ62に入射した光の輝度が大きくなればなるほど、発生する電流量も大きくなり、光の輝度が小さくなればなるほど、発生する電流量も小さくなる。
【0073】
加えて、光センサ61のi層61b及び光センサ62のi層62bの夫々の厚みが相対的に薄い(具体的には、例えば50nm程度である)ため、光センサ61及び光センサ62の夫々の背面側から光センサ61及び光センサ62の夫々に入射した光Lは、その少なくとも一部が光センサ61及び光センサ62の夫々を透過してカラーフィルタ基板92側へ伝搬する。また、液晶表示パネル30に入射した光Lのうち光センサ61及び光センサ62に入射しなかった光も、その少なくとも一部が同様にカラーフィルタ基板92側へ伝搬する。カラーフィルタ基板92側へ伝搬した光は、図4に示すように、反射層81によって反射された後、光センサ61に再度入射する。他方で、カラーフィルタ基板92側へ伝搬した光はがブラックマトリクスBMによって反射されることはないため、カラーフィルタ基板92側へ伝搬した光Lが光センサ62に再度入射することはない。
【0074】
従って、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光Lのうち反射層81において反射され且つ着色層6aを透過した光(つまり、照明装置10から出射される光Lのうちの着色層6aの色の光)とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光を受光することで生ずる受光電流(特定色光電流)の夫々が生ずる。より具体的には、着色層6aが着色層6Rと同じ色材で形成されている場合には、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光源光のうちの赤色光とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうちの赤色光を受光することで生ずる受光電流(赤色光電流)の夫々が生ずる。同様に、着色層6aが着色層6Gと同じ色材で形成されている場合には、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光Lのうちの緑色光とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうち緑色光を受光することで生ずる受光電流(緑色光電流)の夫々が生ずる。同様に、着色層6aが着色層6Bと同じ色材で形成されている場合には、光センサ61は、照明装置10から出射される光Lと、照明装置10から出射される光Lのうちの青色光とを受光する。このため、光センサ61には、光センサ61の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光を直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光源光のうちの青色光を受光することで生ずる受光電流(青色光電流)の夫々が生ずる。
【0075】
他方で、光センサ62は、照明装置10から出射される光Lを受光する。このため、光センサ62には、光センサ62の環境温度に応じた熱電流及び照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)の夫々が生ずる。
【0076】
従って、配線32aを介して光センサ61及び光センサ62の夫々に接続される光検知回路52には、光センサ61における受光結果(つまり、熱電流、光電流及び特定色光電流)と、光センサ62における受光結果(つまり、熱電流及び光電流)との差分である「照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光を受光することで生ずる特定色光電流」が出力される。これにより、光検知回路52は、照明装置10から出射される光源光のうちの特定の色の光の輝度等を検出することができる。このため、LED制御回路53は、光検知回路52において検出された特定の色の光の輝度に基づいて、照明装置10が備えるLED13のうち特定の色の光を出射するLED13を好適に制御することができる。
【0077】
このように、本実施形態に係る液晶表示装置100によれば、2つの光センサ(つまり、光センサ61及び光センサ62)を形成すると共に反射層81及び着色層6aを介して特定の色の光を光センサ61に入射させている。このため、光センサ61及び光センサ62の夫々の背面側(つまり、照明装置10側)に別途新たな反射層等を設けなくとも、照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光の輝度等を好適に検出することができる。
【0078】
加えて、単一の光センサを用いて特定の色の光の輝度を検出する構成では、光センサの環境温度に応じた熱電流が生じてしまうため、特定の色の光を受光することで生ずる受光電流そのものを高精度に検出することは困難である。しかるに、本実施形態に係る液晶表示装置100では、2つの光センサ(つまり、光センサ61及び光センサ62)を形成しているため、上述したように熱電流の影響を好適に又は確実に排除することができる。従って、照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光の輝度等を高精度に検出することができる。
【0079】
更に、本実施形態に係る液晶表示装置100では、光が入射すると電流を発生させるPINダイオードなどの半導体素子を液晶表示パネル30に対して形成することで、光センサ61及び光センサ62としている。このため、独立したモジュールとして作製された光センサを付加するよりも、光センサの大きさを小さくすることができると共にその配置の自由度を高めることができるので、装置全体を大きくせずに済む。また、光センサ61及び光センサ62は表示に寄与しない額縁領域38に形成されるので、表示画像への影響を及ぼさずに済む。
【0080】
尚、上述した実施形態では、光センサ61と光センサ62とを直列に接続し、該光センサ61と光センサ62の間に光検知回路52の入力端子を電気的に接続し、該光検知回路52により特定の色の光の輝度を検出する構成を記載している。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、他の構成を有していてもよい。ここで、図5を参照して他の構成例を説明する。尚、上述した液晶表示装置100と同様の構成については、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0081】
図5に示すように、光センサ61には、光検知回路52aが接続され、光センサ62には、光検知回路52bがそれぞれ接続される。従って、光検知回路52aには、光センサ1の環境温度に応じた熱電流、照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)、及び照明装置10から出射される光Lのうち特定の色の光を受光することで生ずる受光電流(特定色光電流)の合計が入力され、該入力された電流に基づいて輝度が算出される。他方、光検知回路52bには、光センサ62の環境温度に応じた熱電流及び照明装置10から出射される光Lを直接受光することで生ずる受光電流(光電流)の合計が入力され、該入力された電流に基づいて輝度が算出される。光検知回路52a及び52bで算出された輝度は、それぞれ差分演算回路54に入力され、該差分演算回路54は、両方の輝度の差分に基づいて、照明装置10から出射される光Lのうち特定の色の光の輝度を算出する。この構成によれば、光センサ61と光センサ62とは、直列に接続されないので、素子基板91上にレイアウトする際に光センサ61と光センサ62との間の配線を考慮する必要がなく、レイアウト性が向上する。
【0082】
加えて、この構成では、照明装置10から出射される光Lのうちの特定の色の光を受光する光センサ61は、照明装置10が備えるLED13の種類の数(言いかえれば、照明装置10が出射する光の色の数)だけ形成する必要がある一方で、照明装置10から出射される光Lのみを受光する光センサ62は複数の光センサ61に共通して1つだけ形成すれば足りる。具体的には、例えば照明装置10が、赤色光を出射するLED13、緑色光を出射するLED13及び青色光を出射するLED13を備えている場合には、赤色光を受光する光センサ61、緑色光を受光する光センサ61及び青色光を受光する光センサ61を形成する必要がある一方で、3つの光センサ61に共通して1つの光センサ62を形成すれば足りる。従って、カラーフィルタ基板92上に形成される光センサ62の数を相対的に減らすことができる。
【0083】
尚、照明装置10等として、既存の液晶表示装置等に用いられている任意の構成を採用してもよいことは言うまでもない。例えば、照明装置10等の一例として、特開2007−212712号公報に開示されている構成を採用しても良い。以下、参考のために、照明装置10等の一例及び照明装置10の制御態様の一例について説明を加える。
【0084】
(3)照明装置の構成
次に、本実施形態に係る照明装置10の構成について具体的に述べる。照明装置10は、先にも述べたように、光源部12と導光板11より構成される。
【0085】
図6は、本実施形態に係る光源部12の構成を示す斜視図である。図6に示すように、光源部12は、フレキシブル基板72と、フレキシブル基板72上に配置されている複数の光源パッケージ71より構成される。光源パッケージ71は、複数の色の光を夫々発光する複数の光源が1つのパッケージ化されている。このような光源パッケージ71は、いわゆる3in1LEDパッケージとも呼ばれる。図6に示す光源部12では、光源パッケージ71に対し、RGBの各色の光を夫々発光するLED13R、13G、13Bが1つにパッケージ化されている。複数の光源パッケージ71は、LED13R、13G、13Bより出射される光の出射方向が同じ方向となるように並列して配置されている。LED13R、13G、13Bより出射される光の出射方向には、導光板11の入光端面11cが対向して配置され、LED13R、13G、13Bより出射された光は、導光板11の入光端面11cに入射する。LED13R、13G、13Bより出射された光は、拡散するに伴い、互いに混光して白色光たる光Lとなる。
【0086】
ここで、光源パッケージ71の構成について述べる。図7は、図6において切断線B−B’に沿った1つの光源パッケージ71の拡大断面図である。光源パッケージ71は、主に、反射枠体73と、RGBの各色の光を発光するLED13より構成される。反射枠体73は、樹脂などにより形成され、すり鉢状の凹部を有しており、凹部の内面にはメッキ処理等により光を反射する反射膜が形成されている。図7に示す光源パッケージ71の拡大断面図は、図6において切断線B−B’に沿ったものであるので、赤色LED13Rのみが示されているが、実際には、RGBの各色の光を夫々発光する各色のLED13が、反射枠体73の凹部の底面に設置されている。反射枠体73の凹部の底面には、電極75、76が設置されている。電極75、76の一端は、反射枠体73の外部、具体的には、フレキシブル基板72上に設置されているLED13を駆動するための図示しない駆動回路と接続されている。一方、電極75、76の他端は、LED13と接続されている。例えば、図7に示すように、赤色LED13のアノード77は電極75と接続され、赤色LED13Rのカソード78は電極76と接続される。赤色LED13Rは、電極75、76を介して駆動回路と接続されている。赤色LED13Rは、外部より電流Irが流されることで、赤色光を発光する。電流Irの電流量を大きくすれば、赤色LED13Rより出射される赤色光の輝度は、大きくなり、電流Irの電流量を小さくすれば、赤色LED13Rより出射される赤色光の輝度は、小さくなる。
【0087】
緑色LED13G、青色LED13Bについても同様に夫々、アノード、カソードが夫々、反射枠体73の外部と接続されている電極と接続される。そして、緑色LED13G、青色LED13Bも夫々、当該電極を介して駆動回路と接続されている。緑色LED13G、青色LED13Bは、夫々、外部より電流Ig、Ibが流されることで、緑色光、青色光を発光する。電流Ig、Ibの電流量を大きくすれば、緑色LED13G、青色LED13Bより出射される緑色光、青色光の輝度は、夫々大きくなり、電流Ig、Ibの電流量を小さくすれば、緑色LED13G、青色LED13Bより出射される緑色光、青色光の輝度は、夫々小さくなる。
【0088】
反射枠体73は、その凹部の底面にRGBの各色の光を夫々発光するLED13が設置された後、透明な樹脂74によって封止され、光源パッケージ71が完成する。なお、ここで、樹脂74の最上面、言い換えると光源パッケージ71の光の出射面にレンズを配置するとしても良い。例えば、当該レンズとして、凹レンズを配置すれば、各色のLED13より出射される光をより拡散することができる。
【0089】
図8は、照明装置10の構成を示すブロック図である。図8では、一例として、2つの光源パッケージ71を示す。夫々の光源パッケージ71には、図6に示すように、RGBの各色のLED13R、13G、13Bが、1つずつ備えられている。つまり、図8に示すように、2つの光源パッケージ71のうち、一方の光源パッケージ71に、赤色LED13R1、緑色LED13G1、青色LED13B1が備えられ、他方の光源パッケージ71に、赤色LED13R2、緑色LED13G2、青色LED13B2が備えられるとする。
【0090】
図8に示すように、照明装置10は、光源部12に備えられ、光源パッケージ71にパッケージ化されてなる複数のRGBの各色のLED13R、13G、13Bの他に、赤色LED駆動回路51Rと、緑色LED駆動回路51Gと、青色LED駆動回路51Bと、先に述べた光検知回路52と電気的に接続されたLED制御回路53を備える。
【0091】
赤色LED駆動回路51Rは、赤色LED13R1、13R2と接続され、緑色LED駆動回路51Gは、緑色LED13G1、13G2と接続され、青色LED駆動回路51Bは、青色LED13B1、13B2と接続される。
【0092】
赤色LED駆動回路51R、緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bは、LED制御回路53と接続される。LED制御回路53は、先に述べた光検知回路52と接続される。
【0093】
LED制御回路53は、光検知回路52により検出された特定の色の光の輝度に基づいて、赤色LED駆動回路51R、緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bに対し、制御信号を送信し、赤色LED駆動回路51R、緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bは、当該制御信号を基に各色のLED13に流すパルス電流を変化させる。
【0094】
赤色LED13R1、13R2は、電気的に直列接続される。直列接続された赤色LED13R1、13R2は、赤色LED駆動回路51Rによって電流Irが流される。図8に、赤色LED13R1、13R2に流される電流の流れを実線矢印で示す。これにより、赤色LED13R1、13R2には、どちらにも電流Irが流され、赤色LED13R1、13R2は、どちらも同じ輝度の赤色光を発光することができる。
【0095】
図8には、緑色LED13G1、13G2、青色LED13B1、13B2夫々に流される電流の流れについても破線矢印で示す。
【0096】
緑色LED13G1、13G2は、電気的に直列接続される。直列接続された緑色LED13G1、13G2は、緑色LED駆動回路51Gによって電流Igが流される。これにより、緑色LED13G1、13G2には、どちらにも電流Igが流され、緑色LED13G1、13G2は、どちらも同じ輝度の緑色光を発光することができる。
【0097】
青色LED13B1、13B2も、電気的に直列接続される。直列接続された2つの青色LED13B1、13B2は、青色LED駆動回路51Bによって電流Ibが流される。これにより、青色LED13B1、13B2には、どちらにも電流Ibが流され、青色LED13B1、13B2は、どちらも同じ輝度の青色光を発光することができる。
【0098】
図9に、一例として、本実施形態に係る赤色LED駆動回路51Rの回路図を示す。赤色LED駆動回路51Rは、電流制限抵抗Rrと、電源Vrより構成される。電流制限抵抗Rrの大きさは、赤色LED13R1、13R2に流すことのできる電流Irの許容値によって決まる。電源Vrは、赤色LED13R1、13R2にパルス電流を供給する。赤色LED13R1、13R2に供給されるパルス電流の幅及びタイミングは、電源Vrを制御することによって変えられる。緑色LED駆動回路51G、青色LED駆動回路51Bの夫々についても、赤色LED駆動回路51Rと同様、電気的に接続されている緑色LED13G1、13G2、青色LED13B1、13B2の夫々にパルス電流を供給するための電源を夫々有する。
【0099】
以上のことから分かるように、本実施形態に係る光源部12では、RGBの各色のLED13は、各色ごとにLED駆動回路51を有している。また、各色のLED13に夫々接続されたLED駆動回路51は、LED制御回路53からの制御信号を基に、電気的に接続されている各色のLED13にパルス電流を供給する。このように各色のLED13毎にLED駆動回路51が設けられることで、各色のLED13毎に別々にパルス電流をかけることができる。
【0100】
(4)LED電流制御処理
次に、本実施形態に係る液晶表示装置100におけるLED電流制御処理について述べる。RGBの各色のLED13より出射される光の輝度は、温度変化や時間変化によって夫々変化するため、照明装置10から出射される光Lのホワイトバランスは、温度変化や時間変化によって崩れてしまう。そこで、光の輝度が変化する度にRGBの各色のLED13より出射される各色の光の輝度調整を行う必要がある。このLED電流制御処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0101】
光検知回路52は、検知領域SGaにおいて、各色の着色層6aを透過した光を夫々検知した光センサ61及び光センサ62より供給される電流に基づいて、特定の色の光の輝度等を検出すると共にLED制御回路53に供給する。LED制御回路53は、当該輝度に基づいて、RGBの各色の輝度の割合が、所定の割合、即ち、所望の白色光となるRGBの輝度の割合となっているか否かを判定する(ステップS1)。RGBの各色の光の輝度の割合が、所望の白色光となるRGBの輝度の割合となっている場合には(ステップS21:Yes)、LED制御回路53は、処理を終了する。一方、RGBの各色の輝度の割合が、所望の白色光となるRGBの輝度の割合とならない場合には(ステップS2:No)、LED制御回路53は、各色のLED駆動回路51に制御信号を送り、各色のLED駆動回路51より各色のLED13に供給されるパルス電流の幅を調節することで、RGBの各色のLED13より出射される光の輝度の割合が、所望の白色光となるRGBの輝度の割合となるように調整する(ステップS2)。そして、その後、LED制御回路53は処理を終了する。
【0102】
以上のように構成することで、本実施形態に係る液晶表示装置100では、温度変化や経時変化により、各色のLED13より出射される光の輝度が変化して、光LにおけるRGBの各色の輝度の割合が変化しても、自動的にホワイトバランスの調整を行うことができる。
【0103】
なお、本実施形態に係る照明装置10では、各色のLED13には、パルス電流が供給されるとしているが、これに限られるものではなく、代わりに定電流が供給されるとしても良いのは言うまでもない。この場合には、LED制御回路53は、光検知回路52より供給された電流の大きさを基に、各色のLEDのLED駆動回路51に制御信号を送り、各色のLED駆動回路51より各色のLED13に供給される定電流の大きさを調節することで、RGBの各色のLED13より出射される光の輝度の割合を調整する。
【0104】
加えて、上述の照明装置10がRGB各色のLED13を備える構成について説明している。しかしながら、照明装置10は、RGB各色のLED13に代えて、白色光を出射するLED13を備えていてもよい。この場合も、光センサ61及び光センサ62より供給される電流に基づいて白色光のうちのRGBの各色の光の輝度等を検出すると共に、該RGBの各色の光の輝度の割合が所望の白色光となるRGBの輝度となるようにLED13を制御しても良い。このとき、上述したようにLED13に供給されるパルス電流の幅を調節してもよいし、ドライバIC40を介して液晶表示パネル30に供給されるRGBの画像信号を調節してもよいし、或いはγ補正曲線を調節してもよい。或いは、その他の調節を行ってもよい。いずれにせよ、光センサ61及び光センサ62より供給される電流に基づいて白色光のうちのRGBの各色の光の輝度等を検出すると共に、該RGBの各色の光の輝度の割合が所望の白色光となるRGBの輝度となるようにLED13を制御する限りは、上述した各種効果を享受することができる。
【0105】
(5)電子機器
続いて、図11及び図12を参照しながら、上述の液晶表示装置100を具備してなる電子機器の例を説明する。
【0106】
図11は、上述した液晶表示装置100が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図11において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶表示装置100を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。
【0107】
次に、上述した液晶表示装置100を携帯電話に適用した例について説明する。図12は、電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図12において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、半透過反射型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶表示装置100と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。
【0108】
これらの電子機器においても、上述した液晶表示装置100を含んでいるため、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0109】
尚、図11及び図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた直視型の液晶装置を備える装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、上述した液晶表示装置100を適用可能なのは言うまでもない。
【0110】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置、光検出装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】液晶表示装置における切断線C−C’に沿った1つの検知領域の拡大断面図である。
【図4】1つの検知領域の回路構成を概念的に示す回路図である。
【図5】1つの検知領域の他の回路構成を概念的に示す回路図である。
【図6】本実施形態に係る光源部の構成を示す斜視図である。
【図7】図6において切断線B−B’に沿った1つの光源パッケージの拡大断面図である。
【図8】照明装置の構成を示すブロック図である。
【図9】赤色LED駆動回路の回路図である。
【図10】LED電流制御処理の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図11】液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。
【図12】液晶装置が適用された携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
6a…着色層、10…照明装置、13…LED、52…光検知回路、53…LED制御回路、61…光センサ、62…光センサ、81…反射層、91…素子基板、92…カラーフィルタ基板、100…液晶装置、BM…ブラックマトリクス、SGa…検知領域、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、
前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源と
を備え、
前記表示パネルは、
前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、
前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、
前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成され且つ所定の色に対応する着色層と
を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記反射層は、前記第2基板の前記第1受光素子に対向する領域に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記反射層および前記着色層は、前記第2受光素子に対向する領域に形成されないことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第2基板上には、前記第2基板の前記光源とは反対側から入射する光を遮光すると共に前記光源からの光を反射しない遮光層が形成されており、
前記反射層は、前記遮光層の前記第1基板側に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記着色層は、前記反射層の前記第1基板側に形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記光源は、赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を出射し、
前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、
前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記光源は、白色の光を出射し、
前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、
前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源から出射される光のうち前記所定の色の光成分を検出する検出回路を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源の輝度を制御する調整回路を更に備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源とを備える電気光学装置に用いられる光検出装置であって、
前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、
前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、
前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成される着色層と
を備えることを特徴とする光検出装置。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、
前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源と
を備え、
前記表示パネルは、
前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、
前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、
前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成され且つ所定の色に対応する着色層と
を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記反射層は、前記第2基板の前記第1受光素子に対向する領域に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記反射層および前記着色層は、前記第2受光素子に対向する領域に形成されないことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第2基板上には、前記第2基板の前記光源とは反対側から入射する光を遮光すると共に前記光源からの光を反射しない遮光層が形成されており、
前記反射層は、前記遮光層の前記第1基板側に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記着色層は、前記反射層の前記第1基板側に形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記光源は、赤色の光、緑色の光及び青色の光の夫々を出射し、
前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、
前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記光源は、白色の光を出射し、
前記第1受光素子は、赤色光用受光素子、緑色光用受光素子及び青色光用受光素子を含んでおり、
前記着色層は、前記反射層に反射された光が前記赤色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ赤色に対応する赤色着色層、前記反射層に反射された光が前記緑色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ緑色に対応する緑色着色層及び前記反射層に反射された光が前記青色光用受光素子に入射する光路上に形成され且つ青色に対応する青色着色層を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源から出射される光のうち前記所定の色の光成分を検出する検出回路を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記第1受光素子における受光結果と前記第2受光素子における受光結果との差分に基づいて、前記光源の輝度を制御する調整回路を更に備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
第1基板及び前記第1基板に対向する第2基板を有する表示パネルと、前記第1基板の側から前記表示パネルに向けて光を出射する光源とを備える電気光学装置に用いられる光検出装置であって、
前記第1基板上に形成される第1受光素子及び第2受光素子と、
前記第2基板上に形成され且つ前記光源から出射される光を前記第1受光素子に向けて反射する反射層と、
前記光源から出射される光が前記反射層に入射する光路上又は前記反射層に反射された光が前記第1受光素子に入射する光路上に形成される着色層と
を備えることを特徴とする光検出装置。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−85854(P2010−85854A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256688(P2008−256688)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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