説明

電気化学エネルギー源および電子装置

本発明は、電気化学的エネルギー源に関し、この電気化学的エネルギー源は、基板と、該基板上に設置された少なくとも一つのセルとを有する。また、本発明は、電子装置に関し、この電子装置は、本発明による少なくとも一つの電気化学的エネルギー源と、該電気化学的エネルギー源に電気的に接続された、少なくとも一つの電子部材とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学的エネルギー源に関する。また、本発明は、電子装置に関し、該電子装置は、本発明による少なくとも一つの電気化学的エネルギー源と、該電気化学的エネルギー源に電気的に接続された少なくとも一つの電子部材とを有する。
【背景技術】
【0002】
近年、幅広い用途のオンデマンド給電のため、リザーブバッテリが使用されている。これらのバッテリの各々は、離間配置された2つの電極を有し、該電極間には、外部供給電解質の受容ため、電解質チャンバが設けられる。これらのバッテリの主な利点は、電解質が使用の直前にしか添加されないため、持続寿命が長いことである。特に、このタイプのバッテリによって効果的に給電される、極めて有望な用途は、バイオセンサのような、使い捨て小型安価電子機器である。これらの装置では、被検査媒体、特に液体(血液、尿、唾液)が、リザーブバッテリの電解質として使用される。しかしながら、リザーブバッテリの特性は、個々の電極の表面積に依存する。従来のリザーブ式バッテリが小型電子装置に組み込まれるようなケースでは、電極の寸法は、完成装置の寸法により制約される。従って、小型の電極は、単に小型電子装置の給電のために使用され、その結果、バッテリ特性は、比較的劣る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Ki Bang Le,J.Micromech.Microeng.,「バイオシステム用の尿活性化ペーパバッテリ」15巻,210−214頁,2005年8月15日。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改良された特性を有する、リザーブ式の電気化学的エネルギー源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、前述の電気化学的エネルギー源を提供することにより達成され、この電気化学的エネルギー源は、
基板と、
前記基板上に設置された少なくとも一つのセルと、
を有し、
前記セルは、
第1の電極、および
第2の電極
を有し、
前記第1の電極および前記第2の電極は、電解質チャンバによって分離され、該電解質チャンバは、外部供給電解質を受容し、
少なくとも一つの電極には、少なくとも一つのパターン化表面が提供されることを特徴とする。本発明によるリザーブ式の電気化学的エネルギー源の電極を、パターン化または構造化することにより、あるいは好ましくはその両方により、3次元表面領域、さらには電極の占有領域(footprint)当たりの表面積が増大し、少なくとも一つの電極と外部供給電解質の間に、単位体積当たりの大きな接触表面が得られる。この接触表面の増加により、エネルギー源の定率容量が向上し、さらには本発明によるエネルギー源の特性が向上する。この方法では、エネルギー源の電力密度が最大化され、さらには最適化される。セル特性の向上のため、本発明による小型エネルギー源は、十分な特性で、小型電子装置への給電に適用することができる。また、このセル特性の向上により、本発明による電気化学的エネルギー源によって給電される(小型)電子部材の選択の自由度が、実質的に広がる。パターンの性状、形状、および寸法は、以下に示すように、様々である。また、外部供給電解質は、各種性状であっても良く、例えば、(海)水、血液、尿、唾液のような、実質的に液体状態の電解質を使用して、本発明によるエネルギー源が活性化されても良い。ただし、電解質チャンバには、実質的に固体状態の電解質、高分子系電解質、および/またはゲル状(ゼラチン質)電解質を提供することも考えられる。本発明による電気化学的エネルギー源のセルは、バッテリセルであることが好ましい。ただし、別の好適実施例では、電気化学的エネルギー源のセルは、(生物)燃料電池である。生物燃料電池を人または動物の生体に移植することにより、生物燃料電池は、例えば血流からのグルコースのような、容易に利用可能な生物燃料を、再生可能なソース源から回収し、これを良性副生成物に変換するとともに、電気を発生する。生物燃料電池は、化学エネルギーの再生可能な濃縮ソース源を利用するため、生物燃料電池は、通常、比較的高エネルギー密度であり、比較的長寿命である。その結果、生物燃料電池を比較的軽量小型化することができ、これにより、理想的には、人または動物の生体への移植に適するようにすることができる。特定の好適実施例では、電気化学的エネルギー源は、バッテリセルと燃料電池の両方を有しても良く、この場合、ハイブリッドエネルギー源として見なされる。この場合、化学エネルギーは、生物燃料電池を用いて、電気エネルギーに変換され、この電気エネルギーは、その後、バッテリセルに貯蔵され、本発明によるエネルギー源に、さらなる電力出力の向上が得られる。
【0006】
第1の電極は、アノードを有し、第2の電極は、カソードを有することが好ましい。通常、アノードとカソードの両方は、基板上にスタックを配置する際に、設置される。バッテリセルを適用する場合、本発明によるエネルギー源の少なくとも一つのバッテリ電極は、以下の元素の少なくとも一つの活性種の貯蔵用に適合されることが好ましい:水素(H)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、ナトリウム(Na)、およびカリウム(K)、または周期律表の1属もしくは2属に属する他の適当な元素。従って、本発明によるエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源は、各種インターカレーション機構に基づいても良く、これは、例えば、Liイオンバッテリセル、NiMHバッテリセル等、異なる種類の(リザーブ式の)バッテリセルを形成することに適している。好適実施例では、少なくとも一つの電極、特にバッテリアノードは、以下の少なくとも一つの材料を有する:C、Sn、Ge、Pb、Zn、Bi、Sb、Li、および好ましくは、ドープされたSi。また、これらの材料の組み合わせを使用して、電極を形成しても良い。n型もしくはp型のドープされたSiを電極として使用したり、あるいはSiGeもしくはSiGeCのようなドープされたSi関連化合物を使用することが好ましい。また、他の適当な材料をアノードとして設置しても良く、バッテリ電極の材料が、インターカレーションに適合され、前述の反応種を貯蔵する場合、周期律表の12乃至16属の一つに属する、他の適当な元素をアノードとして設置することが好ましい。前述の材料は、リチウムイオン系バッテリセルへの適用に、特に適している。水素系のバッテリセルが適用される場合、アノードは、例えばAB5型の材料、特にLaNi5のような水素化物形成材料、およびマグネシウム系合金、特にMgxTi1-xを有することが好ましい。
【0007】
リチウムイオン系バッテリセル用のカソードは、少なくとも一つの金属酸化物系材料、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、または例えばLi(NiCoMn)O2のような、これらの組み合わせを有することが好ましい。水素系エネルギー源の場合、カソードは、Ni(OH) 2、および/またはNiM(OH)2が好ましい。ここで、Mは、例えば、Cd、Co、またはBiからなる群から選定された1または2以上の元素で構成される。
【0008】
一般に、供給される電解質の方に配向される電極の接触表面は、各種方法でパターン化され、パターンの性状、形状、および寸法は、任意である。少なくとも一つの電極の少なくとも一つの表面は、実質上、規則的にパターン化されることが好ましく、設置パターンには、1もしくは2以上の孔、特に、柱、溝、スリット、または穴が設けられることがより好ましい。この特定の孔は、比較的正確な方法で設置される。この方法では、電気化学的エネルギー源の性能向上は、比較的正確な方法で、予め定めることができる。本願において、上部にスタックが設置される基板の表面は、実質的に平坦であるか、(基板を曲げることにより、ならびに/または基板に溝、穴および/もしくは柱を提供することにより)パターン化されていることに留意する必要がある。これにより、3次元配向バッテリおよび/または生物燃料電池の形成が容易になる。
【0009】
各電極は、電流コレクタを有することが好ましい。電流コレクタにより、セルは、電子装置に容易に接続される。電流コレクタは、以下の少なくとも一つの材料で構成されることが好ましい:Al、Ni、Pt、Au、Ag、Cu、Ta、Ti、TaN、およびTiN。他の種類の電流コレクタ、例えば、Si、GaAs、InPのような、好ましくはドープされた半導体材料を使用して、電流コレクタとして機能させても良い。
【0010】
好適実施例では、第1の電極および第2の電極の少なくとも一つは、保護層により、少なくとも一部が被覆される。保護層により、両方の電極の少なくとも一部が被覆されることがより好ましい。保護層は、使用前に電極を保護するように適合され、電極の損傷、汚染、および/またはコンタミネーションもしくは不動態化が抑制される。特定の好適実施例では、保護層は、少なくとも一部が電解材料で構成されることが好ましく、通常これは、電解質チャンバに外部供給電解質を提供して、電気化学セルを活性化する際に、比較的有効である。特定の固体物質、高分子、またはゲルのような電解材料が保護層として使用されるため、通常、保護層の設置によって、セルの動作が妨害されることはない。別の特定の好適実施例では、保護層は、少なくとも一部が溶解性材料、特に水溶性材料で構成され、例えば、グルコースのような水溶性(モノ)サッカライドで構成される。特に体液のような、液体状電解質を設置することにより、保護層が電解質中に溶解し、その後、通常の場合、電解質セルが活性化される。
【0011】
電気化学的エネルギー源は、基板と少なくとも一つの電極の間に設置された、少なくとも一つのバリア層を有することが好ましく、このバリア層は、セルの活性種の前記基板への拡散を、少なくとも実質的に抑制するように適合される。この方法では、基板と電気化学セルは、化学的に分離され、その結果、比較的長い時間、電気化学セルの特性が維持される。
【0012】
好適実施例では、第1の電極と第2の電極の両方は、基板上に直接設置される。基板上に直接電極を設置することにより、本発明による電気化学的エネルギー源の製造が容易となる。両電極間の空間は、電解質チャンバを定める。両電極の間に空間を残すため、両電極を相互の上部に積層する構成は、比較的面倒な操作を伴うため、あまり好ましくない。
【0013】
好適実施例では、基板は、該基板をパターン化する表面処理を適用することに適したものが好ましい。これにより、電極のパターン化が容易になる。基板は、以下の材料の少なくとも一つで構成されることがより好ましい:C、Si、Sn、Ti、Ge、Al、Cu、Ta、およびPb。これらの材料の組み合わせを使用して、基板を形成しても良い。n型もしくはp型のドープされたSiまたはGeが基板として使用されることが好ましく、あるいはドープされたSi系および/またはGe系化合物、例えばSiGeもしくはSiGeCを使用しても良い。また、他の適当な材料を、基板材料として使用しても良いことは、明らかである。
【0014】
電気化学的エネルギー源は、生体または最終的死体において、ある生物学的プロセスのモニターまたは促進のため、生物移植に適合されることが好ましい。本発明による電気化学的エネルギー源は、例えば、小型電気機械システム(MEMS)のような生物移植用マイクロ装置、および心臓ペースメーカ、センサ、心臓細動除去器、鎮痛刺激装置、顕微鏡無線通信機器、のような移植可能な生物医療用装置の給電用に使用される。従って、液体状態の電解質を設置することが好ましく、体液を設置することがより好ましい。別の好適実施例では、電気化学的エネルギー源は、生体外の使用に適合され、すなわち、人または動物の生体の外側で使用される。この後者の実施例では、エネルギー源は、検知装置として使用されることが好ましく、この検知装置は、例えば、電解質中、特に、生体から採取された体液中、の特定の化学種の存在および/または濃度を検知する。
【0015】
また、本発明は、本発明による少なくとも一つの電気化学的エネルギー源と、該電気化学的エネルギー源に接続された、少なくとも一つの電子部材とを備える電子装置に関する。小型電子装置は、例えば、小型電子機械システム(MEMS)、心臓ペースメーカ、センサ、心臓細動除去器、鎮痛刺激装置、および顕微鏡無線通信機器によって形成されても良い。この列挙されたものを限定的に解してはならないことは、明らかである。少なくとも一つの電子部材は、電気化学的エネルギー源の基板に、少なくとも一部が埋設されていることが好ましい。この方法では、システムインパッケージ(Sip)が実現される。SiPでは、集積回路(IC)、アクチュエータ、センサ、受信機、送信機等のような、一つもしくは複数の電子部材および/または装置が、本発明による電気化学的エネルギー源の基板に、少なくとも部分的に埋設される。少なくとも一つの電子部材は、検知手段、鎮痛刺激手段、(無線)通信手段、および作動(アクチュエーティング)手段からなる群から選定されることが好ましい。また、必要な場合、電力出力を高めるため、1または2以上のキャパシタを追加することも可能である。電子装置は、生体内用および/または生体外用に適合されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のリザーブ式エネルギー源の概略的な断面図である。
【図2】本発明による電子装置の概略的な断面図である。
【図3】図2による電子装置の概略的な拡大断面図である。
【図4】本発明による別の電子装置の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、非限定的な例を参照して、本発明について説明する。
【0018】
図1には、従来のリザーブ式エネルギー源1の概略的な断面図を示す。エネルギー源1は、基板2を有し、この基板上には、平坦負極3および平坦正極4が設置される。両平坦電極3、4の間には、電解質チャンバ5が設けられ、このチャンバには、従来技術のこの例の場合、唾液のような液体電解質6が充填される。第1の電極3は、(第1の)電流コレクタ7、および該電流コレクタ7の上部に配置されたアノード8を有する。第2の電極4は、(第2の)電流コレクタ9、および該電流コレクタ9の上部に配置されたカソード10を有する。この例では、アノード8は、亜鉛で構成され、カソード10は、酸化銀で構成される。電解質チャンバ5に、電解質6を提供することにより、図に示すように、アノード8とカソード10の両方で、電気化学反応が開始される。エネルギー源1によって生じる電気エネルギーは、基板2内に装着された電子装置11の給電に使用される。この従来のエネルギー源1の大きな問題は、エネルギー源1の特性が、比較的劣ることであり、その結果、使用される電子装置の自由度は、著しく制限される。
【0019】
図2には、本発明による電子装置12の概略的な断面を示す。電子装置12は、生物移植が可能であっても良く、あるいは人もしくは動物の体外での使用に適していても良く、上部に電気化学セル14が設置された基板13を有する。セル14は、バッテリセルであっても燃料電池であっても良い。セル14は、パターン化された第1の電極15と、パターン化された第2の電極16とを有する。両3次元配向電極15、16の間には、電解質チャンバ17が配置され、この少なくとも一部には、電子装置12の作動の間、血液、唾液、水のような電解質(図示されていない)が充填される。第1の電極15は、(第1の)電流コレクタ18と、該電流コレクタ18の上部に配置されたアノード19とを有する。第2の電極16は、(第2の)電流コレクタ20と、該電流コレクタ20の上部に配置されたカソード21とを有する。セル14のアノード19およびカソード21は、相互に組を形成する。バッテリセル14が設置される場合、バッテリセル14は、以下の一つのアノード19およびカソード21のそれぞれの組を有することが好ましい:Zn−AgO、Al−H2O2、Al−NaOCl、Al−AgO、Mg−H2O2、Mg−NaOCl、Mg−AgCl、Mg−CuCl。各組は、それ自身のセル電位と、エネルギーおよび電荷密度とを有する。また、本発明による電子装置12に、他の組を使用しても良いことは、明らかである。あるいは、セル14は、オキシグルコースセルに代表される(生物)燃料電池で形成されても良く、これは、作動時に、グルコースがカソード21で酸化され、分子状酸素が燃料電池アノード19で還元される、電気化学的プロセスに依存する。セル14によって生じる電気エネルギーは、基板13に埋設された電子部材22の給電に使用される。この実施例では、両電流コレクタ18、20は、事実上、電気的リード18、20により形成され、このリード18、20により、セル14は、電子部材22と電気的に結合される。セル14は、パターン化された電極15、16、特に、パターン化されたアノード19およびカソード21のそれぞれを有するため、一方では、両電極15、16の間、および他方では、電極と電解質の間で、接触表面積が有意に上昇し、その結果、セル14の容量も有意に上昇する。これは、本発明による電子装置12の構成の自由度、特に、基板13内に装着された電子部材22の構成の自由度の点で好ましい。
【0020】
図3には、図2による電子装置12の概略的な拡大断面図を示す。この図では、基板13の上部表面13aに、孔23が部分的に設けられていることが明確に示されている。正極16は、基板13のパターン化された上部表面13a上に設置され、正極16の一部は、孔23の内部にも設置され、その結果、電極16も、ブラシ状パターンにパターン化され、これにより、電極16と電解質の間の接触表面積が増大するとともに、電気化学セル14の容量が増加する。負極15は、通常の場合、同様の方法で定形される。電子装置12は、使い捨て式であっても良く、この場合、1回の使用に適合される。しかしながら、電子装置12は、複数回使用するようにすることも考えられる。この場合、孔23の幅および深さは、十分に大きくすることが好ましく、これにより、孔23が清浄化(洗浄)され、電解質による孔23の付着物の影響を抑制することができる。従って、通常の場合、孔23の最適寸法は、電気化学セル14に提供される電解質に依存する。
【0021】
図4には、本発明による別の電子装置24の透視図を示す。図4に示す電子装置24は、生物移植可能な電子装置24であり、生体(または死体)に移植するように適合される。電子装置24は、基板25を有し、この上部には、2つの別の電流コレクタ26、27が設置され、該電流コレクタ26、27の上部には、それぞれ、アノード28およびカソード29が設置される。アノード28およびカソード29の両方に接触するように、電解質30が提供され、前記電子装置24の内部で、電気化学反応が開始される。カソード28とアノード29の間の基板25の上部には、生物認識層31が設置されても良く、この生物認識層31は、電解質30内に存在する、特定の抗原(antigene)のような生物種32を選択的に認識するように適合される。生物認識層は、アノード28とカソード29の間ではなく、基板の別の表面領域に設置されても良いことに留意する必要がある。この場合、電子装置24の電気化学的活性の間、アノード28とカソード29の間に存在する電場によって生じ得る、検知プロセスの妨害が抑制される。
【0022】
複数の電子部材33a、33b、33cが、基板25の内部に装着され、生物認識層31で検出された分析情報が処理され、この情報が外部受信ステーション34に、無線転送される。この受信ステーション34は、複数の電子機器35a、35b、35cを備える特定のコンピュータであっても良く、この解析情報が保管され、処理され、および/または(リアルタイムで)視覚化される。
【0023】
前述の実施例は、本発明を限定するために示されたものではなく、当業者には、添付の特許請求の範囲から逸脱しないで、多くの代替実施例が考案されることに留意する必要がある。請求項において、括弧内に記載されたいかなる参照符号も、その請求項を限定するものと解してはならない。「有する」という用語およびその関連語の使用は、請求項に記載されたもの以外の素子またはステップの存在を排斥するものではない。素子の前の「一つの」という用語は、そのような素子の複数の存在を排斥するものではない。単に、ある手段が相互に異なる従属項に記載されていることから、これらの手段の組み合わせの使用が有意ではないと解してはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設置された少なくとも一つのセルと、
を有する電気化学的エネルギー源であって、
前記セルは、
第1の電極、および
第2の電極
を有し、
前記第1の電極および前記第2の電極は、電解質チャンバによって分離され、該電解質チャンバは、外部供給電解質を受容し、
少なくとも一つの電極には、少なくとも一つのパターン化表面が提供されることを特徴とする電気化学的エネルギー源。
【請求項2】
少なくとも一つのパターン化表面は、アノードとカソードの両方に提供されることを特徴とする請求項1に記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項3】
前記第1の電極は、アノードを有し、および/または前記第2の電極は、カソードを有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項4】
前記アノードと前記カソード両方は、以下の少なくとも一つの元素の活性種を貯蔵するように適合されることを特徴とする請求項3に記載の電気化学的エネルギー源:H、Li、Be、Mg、Cu、Ag、Na、およびK。
【請求項5】
バッテリアノードおよびバッテリカソードの少なくとも一つは、以下の材料の少なくとも一つで構成されることを特徴とする請求項3または4に記載の電気化学的エネルギー源:C、Sn、Ge、Pb、Zn、Bi、Li、Sb、および好ましくはドープされたSi。
【請求項6】
前記少なくとも一つの電極の前記少なくとも一つのパターン化表面には、複数の孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項7】
前記孔の少なくとも一部は、柱、溝、スリット、または穴を形成することを特徴とする請求項6に記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項8】
前記セルは、バッテリセルによって形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項9】
前記セルは、生物燃料電池によって形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項10】
前記第1の電極および前記第2の電極の各々は、電流コレクタを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項11】
前記少なくとも一つの電流コレクタは、以下の材料の少なくとも一つで構成されることを特徴とする請求項10に記載の電気化学的エネルギー源:Al、Ni、Pt、Au、Ag、Cu、Ta、Ti、TaN、およびTiN。
【請求項12】
前記第1の電極と前記第2の電極の両方は、前記基板上に直接設置されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項13】
前記第1の電極と前記第2の電極の少なくとも一つは、少なくとも部分的に、保護層によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項14】
前記保護層は、少なくとも一部が電解材料で構成されることを特徴とする請求項13に記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項15】
前記保護層は、少なくとも一部が溶解材料で構成されていることを特徴とする請求項13または14に記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項16】
当該エネルギー源は、さらに、
少なくとも一つの電子導電性バリア層を有し、
該バリア層は、前記基板と少なくとも一つの電極の間に設置され、
前記バリア層は、前記セルの活性種の前記基板への拡散を、少なくとも実質的に妨害するように適合されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項17】
前記少なくとも一つのバリア層は、以下の材料の少なくとも一つで構成されることを特徴とする請求項16に記載の電気化学的エネルギー源:Ta、TaN、Ti、およびTiN。
【請求項18】
前記基板は、Siおよび/またはGeを有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項19】
当該電気化学的エネルギー源は、生物移植に適合されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一つに記載の電気化学的エネルギー源。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか一つに記載の、少なくとも一つの電気化学的エネルギー源と、
前記電気化学的エネルギー源に接続された少なくとも一つの電子部材と、
を有する、生物移植に適した電子装置。
【請求項21】
前記少なくとも一つの電子部材は、前記電気化学的エネルギー源の前記基板に、少なくとも部分的に埋設されていることを特徴とする請求項20に記載の電子装置。
【請求項22】
当該電子装置は、生物移植用に適合されていることを特徴とする請求項20または21に記載の電子装置。
【請求項23】
当該電子装置は、生体外使用に適合されていることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか一つに記載の電子装置。
【請求項24】
前記少なくとも一つの電子部材は、検知手段、鎮痛刺激手段、通信手段、および作動手段からなる群から選定されることを特徴とする請求項20乃至23のいずれか一つに記載の電子装置。
【請求項25】
当該電子装置および電気化学的エネルギー源は、システムインパッケージ(SiP)を形成することを特徴とする請求項20乃至24のいずれか一つに記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4−I】
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【図4−II】
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【公表番号】特表2010−508625(P2010−508625A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534025(P2009−534025)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054321
【国際公開番号】WO2008/053404
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】