電気自動車の車両後部構造
【課題】この発明は、モータを車体に取付けるにあたり、車体側の補強を抑えつつ、モータを車体に取付けるための部材とサスペンションの連結部材との干渉を回避することができる電気自動車の車両後部構造を提供することを目的とする。
【解決手段】ドライブシャフト(駆動軸上)6に取付けられて、左右の後輪W、Wをそれぞれ独立に駆動するモータ5、5と、該モータ5、5を車体に取付けるためのモータ搭載部材7と、左右の後輪W、Wを連結するリヤサスペンション4の一部を構成し、該リヤサスペンション4の上下動に伴い上下に移動するトーションビーム42とを備えた電気自動車の車両後部構造であって、モータ搭載部材7は、トーションビーム42の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設された。
【解決手段】ドライブシャフト(駆動軸上)6に取付けられて、左右の後輪W、Wをそれぞれ独立に駆動するモータ5、5と、該モータ5、5を車体に取付けるためのモータ搭載部材7と、左右の後輪W、Wを連結するリヤサスペンション4の一部を構成し、該リヤサスペンション4の上下動に伴い上下に移動するトーションビーム42とを備えた電気自動車の車両後部構造であって、モータ搭載部材7は、トーションビーム42の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するモータを備えた電気自動車の車両後部構造電気自動車の車両後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1、2のように、モータの回転駆動力を利用して車輪を駆動させる電気自動車が知られている。
【0003】
本発明者は、モータを搭載した電気自動車を開発するにあたり、その旋回安定性や高速走行時の安定性等、車両の走行性について様々な解析、検討を行った。そして、本発明者は、鋭意研究の結果、モータを車両後部に配設して、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するようにした場合、最も良好な走行性が得られることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−213179号公報
【特許文献2】特開2005−112240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように後輪駆動用のモータを車両に備える場合には、モータの回転駆動時に発生する駆動反力等を考慮し、モータを車体に強固に支持させる必要がある。
【0006】
しかしながら、一般的に、モータを車体に強固に支持させようとすると、車体側では、大幅な補強が必要となり、モータを搭載しない他の車種との間で仕様の共通化が図りにくくなるという問題が生じる。このように、他の車種との間で仕様の共通化が図れなくなると、車両の生産性の点で不利になってしまうため好ましくない。
【0007】
また、車両には、一般的に、各車輪に対応してサスペンションが配設されている。このサスペンションとしては、例えば、左右の車輪を連結する連結部材を有するものがあり、サスペンションの種類によっては、この連結部材がサスペンションの上下動に伴って上下に移動するものがある。
【0008】
ここで、上下に移動する連結部材を有するサスペンションが配設される車両に、後輪駆動用のモータを備えることが考えられる。しかしながら、この場合、上記連結部材が上下動する時、該連結部材と上記モータを車体に取付けるための部材とが互いに干渉する虞がある。
【0009】
ここで、上記特許文献1について見てみると、該特許文献1は、サスペンションが上述したような連結部材を有するものではなく、後輪駆動用のモータを取付けるための部材と上記連結部材との干渉を回避する構成については何らの開示も示唆もない。
【0010】
また、上記特許文献2では、サスペンションの開示すらなく、上記特許文献2においても、後輪駆動用のモータを取付けるための部材と上記連結部材との干渉を回避する構成について何らの開示も示唆もないと言わざるを得ない。
【0011】
この発明は、モータを車体に取付けるにあたり、車体側の補強を抑えつつ、モータを車体に取付けるための部材とサスペンションの連結部材との干渉を回避することができる電気自動車の車両後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の電気自動車の車両後部構造は、駆動軸上に取付けられて、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するモータと、該モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と、上記左右の後輪を連結するサスペンションの一部を構成し、該サスペンションの上下動に伴い上下に移動する連結部材とを備えた電気自動車の車両後部構造であって、上記モータ搭載部材は、上記連結部材の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設されたものである。
【0013】
この構成によれば、モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と連結部材との干渉を確実に回避しつつ、車両前後方向のより広い範囲で上記モータを支持することができる。この場合、モータをモータ搭載部材によってより強固に支持することができることから、その分車体側における補強を抑えることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記サスペンションが、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、該トレーリングアームは、その前端部が上記モータ搭載部材を介して車体に取付けられるものである。
【0015】
この構成によれば、トレーリングアームがモータ搭載部材を介して車体に取付けられるため、路面からサスペンションを介して伝達される振動は、主にモータ搭載部材によって遮断することが可能である。この場合、トレーリングアーム前端部の支持部には、該トレーリングアームを揺動可能に支持する機能のみを持たせることが可能になる。従って、この場合、トレーリングアーム前端部の支持部を設計する際には、トレーリングアームを支持する機能のみを考慮した設計を行うことが可能になることから、上記支持部の設計を簡素化することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記トレーリングアームが上記モータ搭載部材に連結される位置を、該モータ搭載部材の車体連結位置の後方近傍に設定したものである。
【0017】
トレーリングアームの支持部と後輪の駆動軸との間の長さについて着目すると、同じ高さだけサスペンションを上下動(トレーリングアームを上下に揺動)させた時には、駆動軸からの長さを短く設定したほうが、駆動軸からの長さを長く設定した場合よりも駆動軸の車両前後方向の変動幅つまりはホイールベース長の変化が大きい。
【0018】
一般的に、車両の走行性を考慮した場合、サスペンションの上下動(トレーリングアームの上下方向の揺動)に伴うホイールベース長の変化は小さいほうが好ましいとされており、つまりは、トレーリングアームの支持部と駆動軸との間の長さを可及的に長く設定するのが好ましいとされている。
【0019】
この構成によれば、上記トレーリングアームが上記モータ搭載部材に連結される位置を、該モータ搭載部材の車体連結位置の後方近傍に設定したことにより、トレーリングアームの支持部の車両前後方向の位置を可及的に前方に設定できる。従って、この場合、上記支持部と駆動軸との間の長さを長く設定でき、その結果、車両の走行性を向上させることができる。
【0020】
この発明の一実施態様においては、上記サスペンションが、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、上記トレーリングアームの車体連結位置を、上記モータ搭載部材の車体連結位置と車両前後方向において同位置に設定したものである。
【0021】
この構成によれば、トレーリングアームの支持部の車両前後方向の位置をさらに前方に設定することができるため、上記支持部と駆動軸との間の長さをより長く設定でき、その結果、車両の走行性をより向上させることができる。
【0022】
この発明の一実施態様においては、上記モータ搭載部材が、車両前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームに連結されることで上記モータを車体に取付けており、上記モータ搭載部材の前部が、上記連結部材よりも車両前方位置にて上記リヤサイドフレームに連結されるものである。
【0023】
この構成によれば、モータを車両前後方向のより広い範囲で支持することができ、これによって上記モータをより強固に支持することができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、上記モータ搭載部材の後端部が、ダンパ構造を介して車幅方向に延設するクロスメンバに連結されるものである。
【0025】
この構成によれば、ある程度の重量を有するモータの上下振動が車体側に与える影響をダンパ構造によって緩和することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と連結部材との干渉を確実に回避しつつ、車両前後方向のより広い範囲で上記モータを支持することができる。この場合、モータをモータ搭載部材によってより強固に支持することができることから、その分車体側における補強を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図。
【図2】リヤサスペンションを示す平面図。
【図3】図1の側面図。
【図4】モータ搭載部材、ラバーブッシュ、ダンパ部材、及びトレーリングアームの分解斜視図。
【図5】モータ及び延出部材の分解斜視図。
【図6】モータをモータ搭載部材に連結した状態を示す斜視図。
【図7】トレーリングアームの支持部と後輪のドライブシャフトとの間の長さと、車両の走行性との関係を説明するための説明図。
【図8】この発明の他の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図。
【図9】図8のA−A線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、この発明の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図であり、図2は、リヤサスペンションを示す平面図、図3は、図1の側面図である。なお、図中において矢印(F)は車体前方、矢印(R)は車体後方を示す。
【0029】
図1〜図3に示すように、本実施形態では、図中二点鎖線で示す左右の後輪W、Wの車内側に、車体側フレームを構成する左右一対のリヤサイドフレーム1、1が車両前後方向に延びるように設けられ、このリヤサイドフレーム1、1間には、該リヤサイドフレーム1、1と同様に車体側フレームを構成するクロスメンバ2、3が車幅方向に延びるように設けられている。
【0030】
また、左右の後輪W、Wの車内側には、これらを連結するリヤサスペンション4が配設されている。このリヤサスペンション4は、いわゆるトーションビーム式サスペンションと呼ばれるものであり、図1、図2に示すように、主に車両前後方向に延びる左右一対のトレーリングアーム41と、車幅方向に延びるトーションビーム42とを有している。また、リヤサスペンション4は、トレーリングアーム41の後側部分とトーションビーム42の車幅方向端部との間のコーナー部分に配設されたスプリングシート43と、該スプリングシート43に取付けられたコイルスプリング44と、スプリングシート43の後端に取付けられたチューブ式ダンパ45とを有している。
【0031】
このうち、トレーリングアーム41は、その前端がブッシュ46を介して車体に取付けられ、前端を中心にして上下に揺動可能となっている。さらに、トレーリングアーム41は、その後端にブラケット47を有しており、このブラケット47を介して後輪Wが回転自在に支持されている。
【0032】
また、トーションビーム42は、図3に示すように車幅方向に亘って下側が開放された逆U字状の断面形状を有し、トレーリングアーム41等を介して左右の後輪W、Wを連結している。なお、図3では、図示の便宜上リヤサスペンション4の構成の一部を省略している。
【0033】
また、本実施形態では、図1〜図3に示すように左右の後輪W、Wに対応してそれぞれモータ5、5が配設されている。そして、左右の後輪W、Wを独立に駆動すべく、左側モータ5は、左側の後輪Wのドライブシャフト6(駆動軸上)に取付けられ、右側モータ5は、右側の後輪Wのドライブシャフト6に取付けられている。
【0034】
また、本実施形態では、各モータ5、5が、共通のモータ搭載部材7に連結されており、このモータ搭載部材7を介してフロントサイドフレーム1やクロスメンバ2、3といった車体側フレームに取付けられている。
【0035】
モータ搭載部材7は、図1に示すように平面視で略Y字状をなし、前部に左右一対の前方延出部71、71、後部の車幅方向略中央部に後方延出部72を有して車両前後方向及び車幅方向に延びている。
【0036】
モータ搭載部材7では、前方延出部71が、図1、図3に示すようにリヤサイドフレーム1、1の下面部に連結される一方、後方延出部72が、後側のクロスメンバ3の下面部に連結されている。
【0037】
また、前方延出部71の先端部には、円筒状のラバーブッシュ8が取付けられており、このラバーブッシュ8が、ボルト、ナット等からなる締結部材9によってリヤサイドフレーム1の底面部に締結されている。これにより、モータ搭載部材7は、その前部がラバーブッシュ8を介してリヤサイドフレーム1に弾性支持されている。
【0038】
一方、後方延出部72の先端部には、シリンダ内に流体が充填された油圧ダンパやガスダンパ等のダンパ部材10が取付けられており、このダンパ部材10が、ボルト、ナット等からなる締結部材11によってクロスメンバ3の底面部に締結されている。これにより、モータ搭載部材7の後部は、ダンパ部材10を介してクロスメンバ3に連結されており、モータ搭載部材7の後部では、ダンパ部材10によってモータ5、5の上下振動を吸収することが可能になっている。
【0039】
また、モータ5、5がモータ搭載部材7を介して車体側に取付けられた状態では、前側のクロスメンバ2がモータ5、5の前方に配設される一方、後側のクロスメンバ3がモータ5、5の後方に配設されている。そして、モータ5、5の前後方向における中心位置から、モータ搭載部材7の前部がリヤサイドフレーム1、1に連結される位置までの長さL1と、モータ搭載部材7の後部がクロスメンバ3に連結される位置までの長さL2を比較すると、図1、図3に示すように長さL1のほうが長くなっている。
【0040】
さらに、リヤサスペンション4とモータ搭載部材7との関係について説明すると、モータ搭載部材7は、その前部がリヤサスペンション4のトーションビーム42よりも車両前方位置でリヤサイドフレーム1、1に連結されている。
【0041】
ここで、トーションビーム42は、リヤサスペンション4の上下動に伴い、図3にて二点鎖線で示す位置を上限として上下に移動する部材であり、本実施形態では、モータ搭載部材7が、図3に示すようにトーションビーム42の上下移動の上限位置、つまりは、上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設されている。
【0042】
また、リヤサスペンション4では、トレーリングアーム41の前端が、ブッシュ46及びトレーリングアームブラケット12を介してモータ搭載部材7の前方延出部71に連結されており、これによって、トレーリングアーム41は、モータ搭載部材7を介して車体側のリヤサイドフレーム1に取付けられている。
【0043】
そして、トレーリングアーム41がモータ搭載部材7に連結される位置は、図1、図3に示すようにラバーブッシュ8の後方近傍、即ち前方延出部71がリヤサイドフレーム1に連結される位置の後方近傍に設定されている。
【0044】
次に、図4〜図6をさらに参照して、モータ搭載部材7の構造、及び該モータ搭載部材7を介してモータ5、5を車体に取付ける構造について詳細に説明する。図4は、モータ搭載部材7、ラバーブッシュ8、ダンパ部材10、及びトレーリングアーム41の分解斜視図であり、図5は、モータ5、5及び延出部材24、25の分解斜視図、図6は、モータ5、5をモータ搭載部材7に連結した状態を示す斜視図である。
【0045】
モータ搭載部材7は、図1、図3〜図6に示すようにその縁部において下方に延出する縦壁部73を有し、下側が開放された略コ字状の断面形状を有している。そして、縦壁部73、73の間には、該縦壁部73、73同士を接続する第1〜第4の固定プレート20〜23と、モータ搭載部材7から下方へ延出する延出部材24、25とが設けられている。
【0046】
第1固定プレート20は、図4に示すように前方延出部71の先端部に配設され、縦壁部73、73の下端部同士を接続している。そして、第1固定プレート20は、前方延出部71の先端部上面に形成された円弧状の凹み71aと同形状の凹み20aを有し、この凹み20aに上述したラバーブッシュ8が嵌め込まれる。
【0047】
ここで、ラバーブッシュ8側には、ブラケット26が設けられており、このブラケット26は、前方延出部71の先端部上面と第1固定プレート20との間に挿入可能となっている。そして、前方延出部71の先端部と第1固定プレート20との間にブラケット26を挿入し、これらを連結することで、ラバーブッシュ8を前方延出部71の先端部に固定できるようになっている。
【0048】
また、前方延出部71の先端部の後部には、上述したトレーリングアームブラケット12が取付けられ、トレーリングアーム41の前端は、ブッシュ46及びトレーリングアームブラケット12を介してモータ搭載部材7に連結される。
【0049】
第2、第3固定プレート21、22は、図1、図4に示すように後方延出部72に配設され、縦壁部73、73の下端部同士を接続している。このうち、第2固定プレート21は、後方延出部72の後端部に配設されており、後方延出部72の先端部の上面に形成された円弧状の凹み72aと同形状の凹み21aを有している。そして、この凹み21aに上述したダンパ部材10が嵌め込まれる。
【0050】
ここで、ダンパ部材10側には、ブラケット27が設けられており、このブラケット27は、後方延出部72の先端部上面と第2固定プレート21との間に挿入可能となっている。そして、後方延出部72の先端部と第2固定プレート21との間にブラケット27を挿入し、これらを連結することで、ダンパ部材10を後方延出部72の先端部に固定できるようになっている。
【0051】
第3固定プレート22は、第2固定プレート21の前方にて車幅方向に延設され、縦壁部73、73同士を接続している。また、第4固定プレート23は、図1、図4〜図6に示すようにモータ搭載部材7の車両前後方向中間部にて車幅方向に延設され、縦壁部73、73同士を接続している。そして、上述した第3固定プレート22と第4固定プレート23との間には、モータ搭載部材7の上面部から下方に延びる板状の3つの延出部材24、25、25が車幅方向に沿って並設されており、その前後端が、それぞれ第3、第4固定プレート23、24に固定されている。
【0052】
このうち、延出部材24は、図1、図4〜図6に示すようにモータ搭載部材7の後方延出部72の車幅方向中央部に配設され、その一部には複数の締結孔24aが穿設されている。
【0053】
また、2つの延出部材25、25は、延出部材24を中心にして左右対称となるように配設され、下端部には、モータ5の形状に合わせて形成された円弧状の凹み25aを有すると共に、この凹み25aの近傍には、複数の締結孔25bが穿設されている。
【0054】
ところで、モータ5、5には、図1、図3、図5、図6に示すようにそれぞれ複数の締結孔28a、29aが穿設された第1、第2フランジ28、29が取付けられている。第1フランジ28は、モータ5の車幅方向内側端部に配設される一方、第2フランジ29は、第1フランジ28から車幅方向外側に離間した位置に配設されている。
【0055】
モータ5をモータ搭載部材7に連結する際には、先ずモータ5、5の車幅方向内側端部を、延出部材24の両面に隙間無く当接させ、車幅方向の位置決めを行う。そして、モータ5を、延出部材25の円弧状の凹み25aに嵌め込み、モータ5の上下方向及び車両前後方向の位置決めを行う。
【0056】
この時、延出部材24の締結孔24aの位置と第1フランジ28の締結孔28aの位置とが一致すると共に、延出部材25と第2フランジ29とが隙間無く当接し、延出部材25の締結孔25aの位置と第2フランジ29の締結孔29aの位置とが一致するようになっている。
【0057】
そこで、図1、図3、図6に示すように、延出部材24と左右の第1フランジ28、28とをボルト、ナット等からなる締結部材30によって三重に締結し、さらには、延出部材25と第2フランジ29とをボルト、ナット等からなる締結部材31によって締結する。
【0058】
本実施形態では、上述したように、第1、第2フランジ28、29をそれぞれ延出部材24、25に締結することで、左右のモータ5、5を共通のモータ搭載部材7に連結することができるようになっている。そして、モータ搭載部材7を、図1、図3に示すようにラバーブッシュ8やダンパ部材10を介してリヤサイドフレーム1やクロスメンバ3といった車体側フレームに連結することによって、モータ5をモータ搭載部材7を介して車体に取付けることができるようになっている。
【0059】
このように、本実施形態では、左右の後輪W、Wをそれぞれ独立に駆動するモータ5、5を備えたものにおいて、該モータ5、5を車体に取付けるためのモータ搭載部材7を備えており、このモータ搭載部材7は、その後部がクロスメンバ2に連結される一方、前部が上記左右一対のリヤサイドフレーム1、1に連結されることでモータ5、5を車体に取付けている。
【0060】
これにより、本実施形態では、左右の後輪W、Wをそれぞれ独立に駆動するモータ5、5を、モータ搭載部材7によって車両前後方向及び車幅方向の広い範囲で支持することができ、モータ5、5の回転駆動に伴って様々な方向に駆動反力が発生したとしても、これをモータ搭載部材7によって面で受け止めることができる。従って、モータ5、5をその駆動反力に抗して強固に支持することができる。
【0061】
また、モータ搭載部材7が、リヤサスペンション4のトーションビーム42よりも車両前方位置でリヤサイドフレーム1に連結されることで、モータ5、5を車両前後方向のより広い範囲で支持することができる。このため、モータ5、5をより強固に支持することができる。
【0062】
また、モータ搭載部材7が、図3に示すようにトーションビーム42の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるように配設されることで、モータ5を車体に取付けるためのモータ搭載部材7とトーションビーム42との干渉を確実に回避しつつ、車両前後方向のより広い範囲でモータ5、5を支持することができる。この場合、モータ5、5をモータ搭載部材7によってより強固に支持することができることから、その分車体側における補強を抑えることができる。このように、車体側の補強を極力抑えることで、モータ5を搭載しない他の車種との間で仕様の共通化が図り易くなり、結果的に車両の生産性を確保できるという利点がある。
【0063】
ところで、リヤサスペンション4のトレーリングアーム41に関し、その前端部のブッシュ46は、従来より、車体に直接連結されるのが一般的とされ、路面からリヤサスペンション4を介して伝達される振動を車体に伝達させないように遮断する機能と、トレーリングアーム41を揺動可能に支持する機能とを兼ねていた。それ故、ブッシュ46の設計は、上述した2つの機能を両立させなければならないという要求から極めて困難なものとされていた。
【0064】
これに対し、本実施形態では、トレーリングアーム41がモータ搭載部材7を介して車体に取付けられる構造となっており、それ故、路面からリヤサスペンション4を介して伝達される振動は、主にモータ搭載部材7(より具体的に言えば、モータ搭載部材7を車体に取付けるラバーブッシュ8)によって遮断することが可能となっている。このため、本実施形態では、トレーリングアーム41を揺動可能に支持する機能のみをブッシュ46に持たせることが可能になる。従って、この場合、ブッシュ46を設計する際には、トレーリングアーム41を支持する機能のみを考慮した設計を行うことが可能になることから、ブッシュ46の設計を簡素化できるという利点がある。
【0065】
また、ブッシュ46により構成されるトレーリングアーム41の支持部と、後輪Wのドライブシャフト6との間の長さについて着目すると、例えば、図7に示すブッシュ46′、46″のようにドライブシャフト6からの長さが異なっている場合、同じ高さだけトレーリングアーム41′、41″を上下に揺動させた時には、ドライブシャフト6からの長さを短く設定したほうが(ブッシュ46″参照)、ドライブシャフト6からの長さを長く設定した場合(ブッシュ46′参照)よりも、ドライブシャフト6の車両前後方向の変動幅つまりはホイールベース長の変化がδだけ大きいことが分かる。
【0066】
一般的に、車両の走行性を考慮した場合、トレーリングアーム41の上下方向の揺動に伴うホイールベース長の変化は小さいほうが好ましいとされており、つまりは、トレーリングアーム41の支持部とドライブシャフト6との間の長さを可及的に長く設定するのが好ましいとされている。
【0067】
そこで、本実施形態では、モータ搭載部材7の前部の車体連結位置、即ちモータ搭載部材7の前部がリヤサイドフレーム1に連結される位置の後方近傍にブラケット12を設けており、これによって、ブッシュ46の車両前後方向の位置を可及的に前方に設定している。従って、この場合、ブッシュ46とドライブシャフト6との間の長さを長く設定でき、その結果、車両の走行性を向上させることができる。
【0068】
また、モータ搭載装置7の後部の車体連結位置、即ちモータ搭載部材7の後部がクロスメンバ3に連結される位置にダンパ部材10を設け、その連結部を、モータ5の上下振動を吸収可能なダンパ構造としていることにより、ある程度の重量を有するモータ5、5の上下振動が車体側に与える影響をダンパ構造によって緩和することができる。
【0069】
また、特に、モータ5の車両前後方向における中心位置からの長さL2が短く設定されたモータ搭載部材7の後部の連結部をダンパ構造とすることで、モータ搭載部材7の後部への振動入力をモータ5から近い位置にあるダンパ構造により効果的に低減することができる。
【0070】
また、モータ5、5同士を、該モータ5、5の間に配設された延出部材24によって車幅方向に固定することで、モータ5、5を、上下方向のみならず車幅方向にも安定して支持することができる。
【0071】
ところで、上述した実施形態では、トレーリングアーム41がモータ搭載部材7に連結される位置を、モータ搭載部材7がリヤサイドフレーム1に連結される位置の後方近傍に設定したが、例えば、図8に示すようにリヤサスペンション104のトレーリングアーム141の車体連結位置を、モータ搭載部材107の車体連結位置と車両前後方向において同位置に設定してもよい。なお、図8は、本発明の他の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図であり、図9は、図8のA−A線矢視断面図である。なお、図8、図9において、図1〜図6に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
本実施形態では、最初の実施形態と同様、トレーリングアーム141やトーションビーム42等を有するリヤサスペンション104と、前方延出部171及び後方延出部172を有するモータ搭載部材107とを備えている。そして、トレーリングアーム141の前端部のブッシュ146と、前方延出部171の前部を車体に連結するラバーブッシュ108とが、図9に示すように共通の締結部材109によってブラケット112に締結されており、このブラケット112がリヤサイドフレーム1の下面部に連結されることで、トレーリングアーム141及びモータ搭載部材107の前部が車体に取付けられている。
【0073】
そして、本実施形態では、ブッシュ146の位置、即ちトレーリングアーム141の車体連結位置と、モータ搭載部材107の前部の車体連結位置とが、図8、図9に示すように車両前後方向において同位置に設定されている。この場合、ブッシュ146の車両前後方向の位置をさらに前方に設定することができるため、ブッシュ146とドライブシャフト6との間の長さをより長く設定でき、その結果、車両の走行性をより向上させることができるという利点がある。
【0074】
なお、図8では図示を省略したが、本実施形態においても、最初の実施形態の延出部材73と同様、左右のモータ5、5同士を車幅方向に固定する延出部材を設けるのが好ましい。
【0075】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、駆動軸は、ドライブシャフト6に対応し、
以下同様に、
連結部材は、トーションビーム42に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0076】
1…リヤサイドフレーム
2、3…クロスメンバ
4、104…リヤサスペンション
5…モータ
6…ドライブシャフト
7、107…モータ搭載部材
10…ダンパ部材
41、141…トレーリングアーム
42…トーションビーム
【技術分野】
【0001】
この発明は、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するモータを備えた電気自動車の車両後部構造電気自動車の車両後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1、2のように、モータの回転駆動力を利用して車輪を駆動させる電気自動車が知られている。
【0003】
本発明者は、モータを搭載した電気自動車を開発するにあたり、その旋回安定性や高速走行時の安定性等、車両の走行性について様々な解析、検討を行った。そして、本発明者は、鋭意研究の結果、モータを車両後部に配設して、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するようにした場合、最も良好な走行性が得られることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−213179号公報
【特許文献2】特開2005−112240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように後輪駆動用のモータを車両に備える場合には、モータの回転駆動時に発生する駆動反力等を考慮し、モータを車体に強固に支持させる必要がある。
【0006】
しかしながら、一般的に、モータを車体に強固に支持させようとすると、車体側では、大幅な補強が必要となり、モータを搭載しない他の車種との間で仕様の共通化が図りにくくなるという問題が生じる。このように、他の車種との間で仕様の共通化が図れなくなると、車両の生産性の点で不利になってしまうため好ましくない。
【0007】
また、車両には、一般的に、各車輪に対応してサスペンションが配設されている。このサスペンションとしては、例えば、左右の車輪を連結する連結部材を有するものがあり、サスペンションの種類によっては、この連結部材がサスペンションの上下動に伴って上下に移動するものがある。
【0008】
ここで、上下に移動する連結部材を有するサスペンションが配設される車両に、後輪駆動用のモータを備えることが考えられる。しかしながら、この場合、上記連結部材が上下動する時、該連結部材と上記モータを車体に取付けるための部材とが互いに干渉する虞がある。
【0009】
ここで、上記特許文献1について見てみると、該特許文献1は、サスペンションが上述したような連結部材を有するものではなく、後輪駆動用のモータを取付けるための部材と上記連結部材との干渉を回避する構成については何らの開示も示唆もない。
【0010】
また、上記特許文献2では、サスペンションの開示すらなく、上記特許文献2においても、後輪駆動用のモータを取付けるための部材と上記連結部材との干渉を回避する構成について何らの開示も示唆もないと言わざるを得ない。
【0011】
この発明は、モータを車体に取付けるにあたり、車体側の補強を抑えつつ、モータを車体に取付けるための部材とサスペンションの連結部材との干渉を回避することができる電気自動車の車両後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の電気自動車の車両後部構造は、駆動軸上に取付けられて、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するモータと、該モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と、上記左右の後輪を連結するサスペンションの一部を構成し、該サスペンションの上下動に伴い上下に移動する連結部材とを備えた電気自動車の車両後部構造であって、上記モータ搭載部材は、上記連結部材の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設されたものである。
【0013】
この構成によれば、モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と連結部材との干渉を確実に回避しつつ、車両前後方向のより広い範囲で上記モータを支持することができる。この場合、モータをモータ搭載部材によってより強固に支持することができることから、その分車体側における補強を抑えることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記サスペンションが、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、該トレーリングアームは、その前端部が上記モータ搭載部材を介して車体に取付けられるものである。
【0015】
この構成によれば、トレーリングアームがモータ搭載部材を介して車体に取付けられるため、路面からサスペンションを介して伝達される振動は、主にモータ搭載部材によって遮断することが可能である。この場合、トレーリングアーム前端部の支持部には、該トレーリングアームを揺動可能に支持する機能のみを持たせることが可能になる。従って、この場合、トレーリングアーム前端部の支持部を設計する際には、トレーリングアームを支持する機能のみを考慮した設計を行うことが可能になることから、上記支持部の設計を簡素化することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記トレーリングアームが上記モータ搭載部材に連結される位置を、該モータ搭載部材の車体連結位置の後方近傍に設定したものである。
【0017】
トレーリングアームの支持部と後輪の駆動軸との間の長さについて着目すると、同じ高さだけサスペンションを上下動(トレーリングアームを上下に揺動)させた時には、駆動軸からの長さを短く設定したほうが、駆動軸からの長さを長く設定した場合よりも駆動軸の車両前後方向の変動幅つまりはホイールベース長の変化が大きい。
【0018】
一般的に、車両の走行性を考慮した場合、サスペンションの上下動(トレーリングアームの上下方向の揺動)に伴うホイールベース長の変化は小さいほうが好ましいとされており、つまりは、トレーリングアームの支持部と駆動軸との間の長さを可及的に長く設定するのが好ましいとされている。
【0019】
この構成によれば、上記トレーリングアームが上記モータ搭載部材に連結される位置を、該モータ搭載部材の車体連結位置の後方近傍に設定したことにより、トレーリングアームの支持部の車両前後方向の位置を可及的に前方に設定できる。従って、この場合、上記支持部と駆動軸との間の長さを長く設定でき、その結果、車両の走行性を向上させることができる。
【0020】
この発明の一実施態様においては、上記サスペンションが、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、上記トレーリングアームの車体連結位置を、上記モータ搭載部材の車体連結位置と車両前後方向において同位置に設定したものである。
【0021】
この構成によれば、トレーリングアームの支持部の車両前後方向の位置をさらに前方に設定することができるため、上記支持部と駆動軸との間の長さをより長く設定でき、その結果、車両の走行性をより向上させることができる。
【0022】
この発明の一実施態様においては、上記モータ搭載部材が、車両前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームに連結されることで上記モータを車体に取付けており、上記モータ搭載部材の前部が、上記連結部材よりも車両前方位置にて上記リヤサイドフレームに連結されるものである。
【0023】
この構成によれば、モータを車両前後方向のより広い範囲で支持することができ、これによって上記モータをより強固に支持することができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、上記モータ搭載部材の後端部が、ダンパ構造を介して車幅方向に延設するクロスメンバに連結されるものである。
【0025】
この構成によれば、ある程度の重量を有するモータの上下振動が車体側に与える影響をダンパ構造によって緩和することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と連結部材との干渉を確実に回避しつつ、車両前後方向のより広い範囲で上記モータを支持することができる。この場合、モータをモータ搭載部材によってより強固に支持することができることから、その分車体側における補強を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図。
【図2】リヤサスペンションを示す平面図。
【図3】図1の側面図。
【図4】モータ搭載部材、ラバーブッシュ、ダンパ部材、及びトレーリングアームの分解斜視図。
【図5】モータ及び延出部材の分解斜視図。
【図6】モータをモータ搭載部材に連結した状態を示す斜視図。
【図7】トレーリングアームの支持部と後輪のドライブシャフトとの間の長さと、車両の走行性との関係を説明するための説明図。
【図8】この発明の他の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図。
【図9】図8のA−A線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、この発明の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図であり、図2は、リヤサスペンションを示す平面図、図3は、図1の側面図である。なお、図中において矢印(F)は車体前方、矢印(R)は車体後方を示す。
【0029】
図1〜図3に示すように、本実施形態では、図中二点鎖線で示す左右の後輪W、Wの車内側に、車体側フレームを構成する左右一対のリヤサイドフレーム1、1が車両前後方向に延びるように設けられ、このリヤサイドフレーム1、1間には、該リヤサイドフレーム1、1と同様に車体側フレームを構成するクロスメンバ2、3が車幅方向に延びるように設けられている。
【0030】
また、左右の後輪W、Wの車内側には、これらを連結するリヤサスペンション4が配設されている。このリヤサスペンション4は、いわゆるトーションビーム式サスペンションと呼ばれるものであり、図1、図2に示すように、主に車両前後方向に延びる左右一対のトレーリングアーム41と、車幅方向に延びるトーションビーム42とを有している。また、リヤサスペンション4は、トレーリングアーム41の後側部分とトーションビーム42の車幅方向端部との間のコーナー部分に配設されたスプリングシート43と、該スプリングシート43に取付けられたコイルスプリング44と、スプリングシート43の後端に取付けられたチューブ式ダンパ45とを有している。
【0031】
このうち、トレーリングアーム41は、その前端がブッシュ46を介して車体に取付けられ、前端を中心にして上下に揺動可能となっている。さらに、トレーリングアーム41は、その後端にブラケット47を有しており、このブラケット47を介して後輪Wが回転自在に支持されている。
【0032】
また、トーションビーム42は、図3に示すように車幅方向に亘って下側が開放された逆U字状の断面形状を有し、トレーリングアーム41等を介して左右の後輪W、Wを連結している。なお、図3では、図示の便宜上リヤサスペンション4の構成の一部を省略している。
【0033】
また、本実施形態では、図1〜図3に示すように左右の後輪W、Wに対応してそれぞれモータ5、5が配設されている。そして、左右の後輪W、Wを独立に駆動すべく、左側モータ5は、左側の後輪Wのドライブシャフト6(駆動軸上)に取付けられ、右側モータ5は、右側の後輪Wのドライブシャフト6に取付けられている。
【0034】
また、本実施形態では、各モータ5、5が、共通のモータ搭載部材7に連結されており、このモータ搭載部材7を介してフロントサイドフレーム1やクロスメンバ2、3といった車体側フレームに取付けられている。
【0035】
モータ搭載部材7は、図1に示すように平面視で略Y字状をなし、前部に左右一対の前方延出部71、71、後部の車幅方向略中央部に後方延出部72を有して車両前後方向及び車幅方向に延びている。
【0036】
モータ搭載部材7では、前方延出部71が、図1、図3に示すようにリヤサイドフレーム1、1の下面部に連結される一方、後方延出部72が、後側のクロスメンバ3の下面部に連結されている。
【0037】
また、前方延出部71の先端部には、円筒状のラバーブッシュ8が取付けられており、このラバーブッシュ8が、ボルト、ナット等からなる締結部材9によってリヤサイドフレーム1の底面部に締結されている。これにより、モータ搭載部材7は、その前部がラバーブッシュ8を介してリヤサイドフレーム1に弾性支持されている。
【0038】
一方、後方延出部72の先端部には、シリンダ内に流体が充填された油圧ダンパやガスダンパ等のダンパ部材10が取付けられており、このダンパ部材10が、ボルト、ナット等からなる締結部材11によってクロスメンバ3の底面部に締結されている。これにより、モータ搭載部材7の後部は、ダンパ部材10を介してクロスメンバ3に連結されており、モータ搭載部材7の後部では、ダンパ部材10によってモータ5、5の上下振動を吸収することが可能になっている。
【0039】
また、モータ5、5がモータ搭載部材7を介して車体側に取付けられた状態では、前側のクロスメンバ2がモータ5、5の前方に配設される一方、後側のクロスメンバ3がモータ5、5の後方に配設されている。そして、モータ5、5の前後方向における中心位置から、モータ搭載部材7の前部がリヤサイドフレーム1、1に連結される位置までの長さL1と、モータ搭載部材7の後部がクロスメンバ3に連結される位置までの長さL2を比較すると、図1、図3に示すように長さL1のほうが長くなっている。
【0040】
さらに、リヤサスペンション4とモータ搭載部材7との関係について説明すると、モータ搭載部材7は、その前部がリヤサスペンション4のトーションビーム42よりも車両前方位置でリヤサイドフレーム1、1に連結されている。
【0041】
ここで、トーションビーム42は、リヤサスペンション4の上下動に伴い、図3にて二点鎖線で示す位置を上限として上下に移動する部材であり、本実施形態では、モータ搭載部材7が、図3に示すようにトーションビーム42の上下移動の上限位置、つまりは、上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設されている。
【0042】
また、リヤサスペンション4では、トレーリングアーム41の前端が、ブッシュ46及びトレーリングアームブラケット12を介してモータ搭載部材7の前方延出部71に連結されており、これによって、トレーリングアーム41は、モータ搭載部材7を介して車体側のリヤサイドフレーム1に取付けられている。
【0043】
そして、トレーリングアーム41がモータ搭載部材7に連結される位置は、図1、図3に示すようにラバーブッシュ8の後方近傍、即ち前方延出部71がリヤサイドフレーム1に連結される位置の後方近傍に設定されている。
【0044】
次に、図4〜図6をさらに参照して、モータ搭載部材7の構造、及び該モータ搭載部材7を介してモータ5、5を車体に取付ける構造について詳細に説明する。図4は、モータ搭載部材7、ラバーブッシュ8、ダンパ部材10、及びトレーリングアーム41の分解斜視図であり、図5は、モータ5、5及び延出部材24、25の分解斜視図、図6は、モータ5、5をモータ搭載部材7に連結した状態を示す斜視図である。
【0045】
モータ搭載部材7は、図1、図3〜図6に示すようにその縁部において下方に延出する縦壁部73を有し、下側が開放された略コ字状の断面形状を有している。そして、縦壁部73、73の間には、該縦壁部73、73同士を接続する第1〜第4の固定プレート20〜23と、モータ搭載部材7から下方へ延出する延出部材24、25とが設けられている。
【0046】
第1固定プレート20は、図4に示すように前方延出部71の先端部に配設され、縦壁部73、73の下端部同士を接続している。そして、第1固定プレート20は、前方延出部71の先端部上面に形成された円弧状の凹み71aと同形状の凹み20aを有し、この凹み20aに上述したラバーブッシュ8が嵌め込まれる。
【0047】
ここで、ラバーブッシュ8側には、ブラケット26が設けられており、このブラケット26は、前方延出部71の先端部上面と第1固定プレート20との間に挿入可能となっている。そして、前方延出部71の先端部と第1固定プレート20との間にブラケット26を挿入し、これらを連結することで、ラバーブッシュ8を前方延出部71の先端部に固定できるようになっている。
【0048】
また、前方延出部71の先端部の後部には、上述したトレーリングアームブラケット12が取付けられ、トレーリングアーム41の前端は、ブッシュ46及びトレーリングアームブラケット12を介してモータ搭載部材7に連結される。
【0049】
第2、第3固定プレート21、22は、図1、図4に示すように後方延出部72に配設され、縦壁部73、73の下端部同士を接続している。このうち、第2固定プレート21は、後方延出部72の後端部に配設されており、後方延出部72の先端部の上面に形成された円弧状の凹み72aと同形状の凹み21aを有している。そして、この凹み21aに上述したダンパ部材10が嵌め込まれる。
【0050】
ここで、ダンパ部材10側には、ブラケット27が設けられており、このブラケット27は、後方延出部72の先端部上面と第2固定プレート21との間に挿入可能となっている。そして、後方延出部72の先端部と第2固定プレート21との間にブラケット27を挿入し、これらを連結することで、ダンパ部材10を後方延出部72の先端部に固定できるようになっている。
【0051】
第3固定プレート22は、第2固定プレート21の前方にて車幅方向に延設され、縦壁部73、73同士を接続している。また、第4固定プレート23は、図1、図4〜図6に示すようにモータ搭載部材7の車両前後方向中間部にて車幅方向に延設され、縦壁部73、73同士を接続している。そして、上述した第3固定プレート22と第4固定プレート23との間には、モータ搭載部材7の上面部から下方に延びる板状の3つの延出部材24、25、25が車幅方向に沿って並設されており、その前後端が、それぞれ第3、第4固定プレート23、24に固定されている。
【0052】
このうち、延出部材24は、図1、図4〜図6に示すようにモータ搭載部材7の後方延出部72の車幅方向中央部に配設され、その一部には複数の締結孔24aが穿設されている。
【0053】
また、2つの延出部材25、25は、延出部材24を中心にして左右対称となるように配設され、下端部には、モータ5の形状に合わせて形成された円弧状の凹み25aを有すると共に、この凹み25aの近傍には、複数の締結孔25bが穿設されている。
【0054】
ところで、モータ5、5には、図1、図3、図5、図6に示すようにそれぞれ複数の締結孔28a、29aが穿設された第1、第2フランジ28、29が取付けられている。第1フランジ28は、モータ5の車幅方向内側端部に配設される一方、第2フランジ29は、第1フランジ28から車幅方向外側に離間した位置に配設されている。
【0055】
モータ5をモータ搭載部材7に連結する際には、先ずモータ5、5の車幅方向内側端部を、延出部材24の両面に隙間無く当接させ、車幅方向の位置決めを行う。そして、モータ5を、延出部材25の円弧状の凹み25aに嵌め込み、モータ5の上下方向及び車両前後方向の位置決めを行う。
【0056】
この時、延出部材24の締結孔24aの位置と第1フランジ28の締結孔28aの位置とが一致すると共に、延出部材25と第2フランジ29とが隙間無く当接し、延出部材25の締結孔25aの位置と第2フランジ29の締結孔29aの位置とが一致するようになっている。
【0057】
そこで、図1、図3、図6に示すように、延出部材24と左右の第1フランジ28、28とをボルト、ナット等からなる締結部材30によって三重に締結し、さらには、延出部材25と第2フランジ29とをボルト、ナット等からなる締結部材31によって締結する。
【0058】
本実施形態では、上述したように、第1、第2フランジ28、29をそれぞれ延出部材24、25に締結することで、左右のモータ5、5を共通のモータ搭載部材7に連結することができるようになっている。そして、モータ搭載部材7を、図1、図3に示すようにラバーブッシュ8やダンパ部材10を介してリヤサイドフレーム1やクロスメンバ3といった車体側フレームに連結することによって、モータ5をモータ搭載部材7を介して車体に取付けることができるようになっている。
【0059】
このように、本実施形態では、左右の後輪W、Wをそれぞれ独立に駆動するモータ5、5を備えたものにおいて、該モータ5、5を車体に取付けるためのモータ搭載部材7を備えており、このモータ搭載部材7は、その後部がクロスメンバ2に連結される一方、前部が上記左右一対のリヤサイドフレーム1、1に連結されることでモータ5、5を車体に取付けている。
【0060】
これにより、本実施形態では、左右の後輪W、Wをそれぞれ独立に駆動するモータ5、5を、モータ搭載部材7によって車両前後方向及び車幅方向の広い範囲で支持することができ、モータ5、5の回転駆動に伴って様々な方向に駆動反力が発生したとしても、これをモータ搭載部材7によって面で受け止めることができる。従って、モータ5、5をその駆動反力に抗して強固に支持することができる。
【0061】
また、モータ搭載部材7が、リヤサスペンション4のトーションビーム42よりも車両前方位置でリヤサイドフレーム1に連結されることで、モータ5、5を車両前後方向のより広い範囲で支持することができる。このため、モータ5、5をより強固に支持することができる。
【0062】
また、モータ搭載部材7が、図3に示すようにトーションビーム42の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるように配設されることで、モータ5を車体に取付けるためのモータ搭載部材7とトーションビーム42との干渉を確実に回避しつつ、車両前後方向のより広い範囲でモータ5、5を支持することができる。この場合、モータ5、5をモータ搭載部材7によってより強固に支持することができることから、その分車体側における補強を抑えることができる。このように、車体側の補強を極力抑えることで、モータ5を搭載しない他の車種との間で仕様の共通化が図り易くなり、結果的に車両の生産性を確保できるという利点がある。
【0063】
ところで、リヤサスペンション4のトレーリングアーム41に関し、その前端部のブッシュ46は、従来より、車体に直接連結されるのが一般的とされ、路面からリヤサスペンション4を介して伝達される振動を車体に伝達させないように遮断する機能と、トレーリングアーム41を揺動可能に支持する機能とを兼ねていた。それ故、ブッシュ46の設計は、上述した2つの機能を両立させなければならないという要求から極めて困難なものとされていた。
【0064】
これに対し、本実施形態では、トレーリングアーム41がモータ搭載部材7を介して車体に取付けられる構造となっており、それ故、路面からリヤサスペンション4を介して伝達される振動は、主にモータ搭載部材7(より具体的に言えば、モータ搭載部材7を車体に取付けるラバーブッシュ8)によって遮断することが可能となっている。このため、本実施形態では、トレーリングアーム41を揺動可能に支持する機能のみをブッシュ46に持たせることが可能になる。従って、この場合、ブッシュ46を設計する際には、トレーリングアーム41を支持する機能のみを考慮した設計を行うことが可能になることから、ブッシュ46の設計を簡素化できるという利点がある。
【0065】
また、ブッシュ46により構成されるトレーリングアーム41の支持部と、後輪Wのドライブシャフト6との間の長さについて着目すると、例えば、図7に示すブッシュ46′、46″のようにドライブシャフト6からの長さが異なっている場合、同じ高さだけトレーリングアーム41′、41″を上下に揺動させた時には、ドライブシャフト6からの長さを短く設定したほうが(ブッシュ46″参照)、ドライブシャフト6からの長さを長く設定した場合(ブッシュ46′参照)よりも、ドライブシャフト6の車両前後方向の変動幅つまりはホイールベース長の変化がδだけ大きいことが分かる。
【0066】
一般的に、車両の走行性を考慮した場合、トレーリングアーム41の上下方向の揺動に伴うホイールベース長の変化は小さいほうが好ましいとされており、つまりは、トレーリングアーム41の支持部とドライブシャフト6との間の長さを可及的に長く設定するのが好ましいとされている。
【0067】
そこで、本実施形態では、モータ搭載部材7の前部の車体連結位置、即ちモータ搭載部材7の前部がリヤサイドフレーム1に連結される位置の後方近傍にブラケット12を設けており、これによって、ブッシュ46の車両前後方向の位置を可及的に前方に設定している。従って、この場合、ブッシュ46とドライブシャフト6との間の長さを長く設定でき、その結果、車両の走行性を向上させることができる。
【0068】
また、モータ搭載装置7の後部の車体連結位置、即ちモータ搭載部材7の後部がクロスメンバ3に連結される位置にダンパ部材10を設け、その連結部を、モータ5の上下振動を吸収可能なダンパ構造としていることにより、ある程度の重量を有するモータ5、5の上下振動が車体側に与える影響をダンパ構造によって緩和することができる。
【0069】
また、特に、モータ5の車両前後方向における中心位置からの長さL2が短く設定されたモータ搭載部材7の後部の連結部をダンパ構造とすることで、モータ搭載部材7の後部への振動入力をモータ5から近い位置にあるダンパ構造により効果的に低減することができる。
【0070】
また、モータ5、5同士を、該モータ5、5の間に配設された延出部材24によって車幅方向に固定することで、モータ5、5を、上下方向のみならず車幅方向にも安定して支持することができる。
【0071】
ところで、上述した実施形態では、トレーリングアーム41がモータ搭載部材7に連結される位置を、モータ搭載部材7がリヤサイドフレーム1に連結される位置の後方近傍に設定したが、例えば、図8に示すようにリヤサスペンション104のトレーリングアーム141の車体連結位置を、モータ搭載部材107の車体連結位置と車両前後方向において同位置に設定してもよい。なお、図8は、本発明の他の実施形態に係る車両後部構造を示す平面図であり、図9は、図8のA−A線矢視断面図である。なお、図8、図9において、図1〜図6に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
本実施形態では、最初の実施形態と同様、トレーリングアーム141やトーションビーム42等を有するリヤサスペンション104と、前方延出部171及び後方延出部172を有するモータ搭載部材107とを備えている。そして、トレーリングアーム141の前端部のブッシュ146と、前方延出部171の前部を車体に連結するラバーブッシュ108とが、図9に示すように共通の締結部材109によってブラケット112に締結されており、このブラケット112がリヤサイドフレーム1の下面部に連結されることで、トレーリングアーム141及びモータ搭載部材107の前部が車体に取付けられている。
【0073】
そして、本実施形態では、ブッシュ146の位置、即ちトレーリングアーム141の車体連結位置と、モータ搭載部材107の前部の車体連結位置とが、図8、図9に示すように車両前後方向において同位置に設定されている。この場合、ブッシュ146の車両前後方向の位置をさらに前方に設定することができるため、ブッシュ146とドライブシャフト6との間の長さをより長く設定でき、その結果、車両の走行性をより向上させることができるという利点がある。
【0074】
なお、図8では図示を省略したが、本実施形態においても、最初の実施形態の延出部材73と同様、左右のモータ5、5同士を車幅方向に固定する延出部材を設けるのが好ましい。
【0075】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、駆動軸は、ドライブシャフト6に対応し、
以下同様に、
連結部材は、トーションビーム42に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0076】
1…リヤサイドフレーム
2、3…クロスメンバ
4、104…リヤサスペンション
5…モータ
6…ドライブシャフト
7、107…モータ搭載部材
10…ダンパ部材
41、141…トレーリングアーム
42…トーションビーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸上に取付けられて、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するモータと、
該モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と、
上記左右の後輪を連結するサスペンションの一部を構成し、該サスペンションの上下動に伴い上下に移動する連結部材とを備えた電気自動車の車両後部構造であって、
上記モータ搭載部材は、上記連結部材の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設された
電気自動車の車両後部構造。
【請求項2】
上記サスペンションは、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、
該トレーリングアームは、その前端部が上記モータ搭載部材を介して車体に取付けられる
請求項1記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項3】
上記トレーリングアームが上記モータ搭載部材に連結される位置を、該モータ搭載部材の車体連結位置の後方近傍に設定した
請求項2記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項4】
上記サスペンションは、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、
上記トレーリングアームの車体連結位置を、上記モータ搭載部材の車体連結位置と車両前後方向において同位置に設定した
請求項1記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項5】
上記モータ搭載部材は、車両前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームに連結されることで上記モータを車体に取付けており、
上記モータ搭載部材の前部が、上記連結部材よりも車両前方位置にて上記リヤサイドフレームに連結される
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項6】
上記モータ搭載部材の後端部が、ダンパ構造を介して車幅方向に延設するクロスメンバに連結される
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項1】
駆動軸上に取付けられて、左右の後輪をそれぞれ独立に駆動するモータと、
該モータを車体に取付けるためのモータ搭載部材と、
上記左右の後輪を連結するサスペンションの一部を構成し、該サスペンションの上下動に伴い上下に移動する連結部材とを備えた電気自動車の車両後部構造であって、
上記モータ搭載部材は、上記連結部材の上下方向の可動範囲よりも上方を通って車両前後方向に延びるよう配設された
電気自動車の車両後部構造。
【請求項2】
上記サスペンションは、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、
該トレーリングアームは、その前端部が上記モータ搭載部材を介して車体に取付けられる
請求項1記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項3】
上記トレーリングアームが上記モータ搭載部材に連結される位置を、該モータ搭載部材の車体連結位置の後方近傍に設定した
請求項2記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項4】
上記サスペンションは、略車両前後方向に延びるトレーリングアームを有しており、
上記トレーリングアームの車体連結位置を、上記モータ搭載部材の車体連結位置と車両前後方向において同位置に設定した
請求項1記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項5】
上記モータ搭載部材は、車両前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレームに連結されることで上記モータを車体に取付けており、
上記モータ搭載部材の前部が、上記連結部材よりも車両前方位置にて上記リヤサイドフレームに連結される
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気自動車の車両後部構造。
【請求項6】
上記モータ搭載部材の後端部が、ダンパ構造を介して車幅方向に延設するクロスメンバに連結される
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気自動車の車両後部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−41010(P2012−41010A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185945(P2010−185945)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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