電気自動車の車体フロア構造
【課題】生産性が高く、設計変更にも柔軟に対応することができ、側面衝突時においてもバッテリーを十分に保護することができると共に、更に高剛性且つ作業性に優れた電気自動車の車体フロア構造を提供する。
【解決手段】前輪の車軸中心位置以前から後輪の車軸中心位置以後にまで延在して配置されたコ字断面を有する1本のメインフレーム102にバッテリー140を収容する。またこのメインフレーム102の周りに配置したサブフレーム104〜114とサイドフレーム116、118で囲まれる空間に各種コンポーネント130を配置可能とする。上下はパネル部材120で蓋をすると共に、上側のパネル部材はボルト等により取り外し可能に構成する。
【解決手段】前輪の車軸中心位置以前から後輪の車軸中心位置以後にまで延在して配置されたコ字断面を有する1本のメインフレーム102にバッテリー140を収容する。またこのメインフレーム102の周りに配置したサブフレーム104〜114とサイドフレーム116、118で囲まれる空間に各種コンポーネント130を配置可能とする。上下はパネル部材120で蓋をすると共に、上側のパネル部材はボルト等により取り外し可能に構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の技術分野に関し、特に車体のフロア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、その動力源として大量のバッテリー(蓄電池)を装備する必要があり、その収納場所はボンネット内、トランク内、床下など様々な工夫がなされてきた。しかしながら多くの電気自動車は、従来からのガソリンエンジンを駆動源とする車両に用いられていたシャシを前提にバッテリーの設置場所を確保しているので、室内空間が犠牲になったり、重量物たるバッテリーの搭載位置が高くなり車両の走行安定性を害したり、そもそも充分量のバッテリーの搭載が困難であるなど、様々な問題が存在していた。
【0003】
そのような中、特許文献1及び2に示されているように、当初から電気自動車のシャシとして設計され上記問題を改善せんとする技術も存在する。特許文献1に記載の技術は、所定の形状に予め折曲形成された上下2枚のパネルを溶接することによって複数本のパイプ状部材が車両の前後方向に沿って並ぶように車体のフロアを構成し、当該パイプ状部材の中にバッテリーを収納している。また、特許文献2に記載の技術は、アルミ材を押出成型した中空部材を複数本組み合わせて車体のフロアを構成し、これら中空部材の中空部内にバッテリーを収納するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−47842号公報
【特許文献2】特開平8−58617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術では、バッテリーを複数の中空部に分割して収納する必要があり設置作業やメンテナンスが煩雑となる。また、小分けに分割して収納する事から必然的にフロアの幅方向全体に渡ってバッテリーを収納する必要性が生じるが、側面衝突が発生したような場合、含まれる化学物質の影響により危険度の高いバッテリーが損傷しやすいという問題もある。また、電気自動車にはバッテリー以外にも制御機器等のコンポーネントを多く搭載する必要があるが、細長い複数の中空部分に全てのコンポーネントを収納するのは困難である。そのため別途収納スペースを確保する必要があるが、それらのスペースを確保しようとすると居住性やトランク容量が制限を受けることにもなる。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術の場合、フロアを構成する上下2枚のパネルは、シャシの長さや幅が異なる毎に専用設計となるのでコスト高となる。またその構成上フロア部分で十分な剛性が確保し難いといった問題もある。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術の場合、コストを無視したアルミの押出部材を接合することが前提となっている技術であって高コストとなり、また現実的な量産性に問題がある。更にアルミ押出中空部材の接合の隙間から水等が進入する可能性があるので隙間を漏れなく溶接等してシールする必要もある。
【0008】
そこで本発明は、これらの問題点を一挙に解決するべくなされた発明であり、生産性が高く、設計変更にも柔軟に対応することができ、側面衝突時においてもバッテリーを十分に保護することができると共に、更に高剛性且つ作業性に優れた電気自動車の車体フロア構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく本願発明は、下面に開口部が形成されるコ字断面を有する長尺体であって、その長手方向が車体の前後方向となるように前輪の車軸中心位置以前から後輪の車軸中心位置以後にまで延在して配置された1本のメインフレームと、当該メインフレームの側面から車体の幅方向両側にそれぞれ延在するように固定された少なくとも2本ずつのサブフレームと、前記メインフレームと略平行に配置され前記サブフレームの先端同士を連結するサイドフレームと、前記開口部、並びに、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して下面側から蓋をする下部パネル部材と、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して上面側から蓋をする上部パネル部材と、を備え、前記メインフレーム、サブフレーム、サイドフレーム及び下部パネル部材は溶接して固定されると共に、前記上部パネル部材は着脱自在に取り付けられ、前記メインフレーム内にバッテリーを収容可能とすると共に、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間内に各種制御装置等のコンポーネントを収容可能とすることを特徴とする。
【0010】
このようにバッテリーをメインフレーム内に(前後方向に長く)纏めて配置することによって、側面衝突が発生した場合でも、バッテリーを強固に保護することが可能となった。また、大きな断面空間を有するメインフレームにより前面(正面)や後面(背面)からの衝突時においても当該メインフレーム自体がその衝撃を吸収できるので、バッテリーの損傷を最小限に抑えることが可能となる。また、メインフレームやサブフレームの長さを変えることでシャシの長さや幅の設計変更等に柔軟に対応することもできる。加えて、メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間(以下「コンポーネント収容空間」という。)に各種制御機器等のコンポーネントを設置することができるので別途室内やトランクスペースなどを犠牲にすることがない。またバッテリーと近い位置にこれらコンポーネントを収容できるので短い配線で足りる。更にこのコンポーネント収容空間の上部に蓋をする上部パネル部材はボルト等により取り外し可能とされているので、コンポーネントのメンテナンスも容易である。またメインフレームは例えばスチール鋼板を折曲げて構成することができるので、低コストかつ量産性に優れている。またフロア自体が下部パネル部材と上部パネル部材とを有する所謂「二重構造」に構成されていることからフロア構造自体の剛性が極めて高く、更に衝突時の衝撃を効果的にフロア全体に分散させることも可能となっている。またバッテリーは全てメインフレーム内に収容されているので、何らかの理由でバッテリーが大きく損傷等した場合でも室内側(フロア上方)への影響(有毒ガスや破片の飛散など)は極めて少なく乗員の安全性を確保することができる。
【0011】
また、前記メインフレームは、断面視、コ字断面の下端から内側に突起したクランク部を介して開口部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
このようなクランク部を形成したことによってメインフレーム自体の剛性を向上させることができる。
【0013】
また、前記クランク部に架設されるトレイを備え、当該トレイ上にバッテリーが載置されることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、開口部から高さ方向に一定のスペースを有してバッテリーが配置されることになるので、走行時等にフロア下を打撃するような事態(所謂「腹擦り」)が生じて下部パネル部材が凹んだとしても、当該スペースの存在によりバッテリーへの直接の損傷を回避することができる。
【0015】
また前記トレイをメインフレームの長手方向にスライド可能とされていることを特徴とする。
【0016】
このようにすればバッテリーの出し入れが容易となり、メンテナンス作業等を行いやすい。
【0017】
また、前記下部パネル部材がフラットに形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように構成することで、特に高速走行時などフロア下の空気の乱れを抑えることができ、浮力の発生を未然に抑えることができると共に、空気抵抗の低減による燃費向上、風切り音の低減による静粛性向上を図ることができる。
【0019】
また、前記上部パネル部材がフラットに形成されていることを特徴とする。
【0020】
このように構成することで、段差がなく乗降性に優れた床面を作り出すことができる。また床面がフラットなため座席等の室内設備を自由に配置することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明を適用することで、生産性が高く、設計変更にも柔軟に対応することができ、側面衝突時においてもバッテリーを十分に保護することができると共に、更に高剛性且つ作業性に優れた電気自動車の車体フロア構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るフロア構造の斜視図である。
【図2】本発明に係るフロア構造の車幅方向に沿う断面図である。
【図3】上部パネル部材の取り付け例を示した斜視図である。
【図4】前輪車軸付近のフロア構造を示した概略側面図である。
【図5】メインフレームと補助フレームの位置関係を示した図(正面視)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0024】
〈車体フロア構造の構成〉
図1に示しているように、本発明にかかるフロア構造1は、下面に開口部102aが形成されるコ字断面(長手方向と直交する方向の断面)を有する長尺体であって、その長手方向が車体の前後方向となるように前輪の車軸中心位置L1以前から後輪の車軸中心位置L2以後にまで延在して配置された1本のメインフレーム102と、このメインフレーム102の側面から車体の幅方向両側にそれぞれ延在するように固定された3本ずつ(計6本)のサブフレーム104、106、108、110、112、114と、メインフレーム102と略平行に配置されサブフレーム104、108、112の先端同士を連結するサイドフレーム116、及び、サブフレーム106、110、114の先端同士を連結するサイドフレーム118と、開口部102a、並びに、メインフレーム102とサブフレーム104、106、108、110、112、114及びサイドフレーム116、118で囲まれた空間S2(以下単に「コンポーネント収容空間」という。)に対して下面側から蓋をする下部パネル部材120と、コンポーネント収容空間S2に対して上面側から蓋をする上部パネル部材122、124と、を備え、メインフレーム102、サブフレーム104、106、108、110、112、114、サイドフレーム116、118及び下部パネル部材120は溶接して固定されると共に、上部パネル部材122、124は着脱自在に取り付けられ、メインフレーム102内にバッテリー140を収容可能とすると共に、コンポーネント収容空間S2内に各種制御装置等のコンポーネント130を収容可能としている。なお、当該フロア構造1の上側にはアッパーボディー160が溶接固定される(図2参照)。
【0025】
メインフレーム102は、1枚のスチール鋼板(本実施形態においては厚さ1.6mm)を折曲げ形成されている。折曲げた結果の形状は、断面視すると、所謂「コの字」の断面(上面と両側面に相当する)を有し、当該コ字断面の両方の下端部分からそれぞれ内側にクランク部102bが設けられている。またクランク部102bには外方向(幅方向外側)に向かってフランジ部102cが形成される(図2を参照)。その結果、メインフレーム102下面が開口部102aとして開口している。またメインフレーム102の幅W1は、車両全体の幅W2に対して25%以上となるように構成されている。更にメインフレーム102は前輪150よりも前方(前輪150よりも正面側に突出した位置)にまで延在するように構成されている(図4参照)。
【0026】
また見方を変えると、このメインフレーム102は、車体の両側からそれぞれ車幅全体W2の40%分幅方向内側位置P1、P2にまで架かるように幅広に構成されている。即ち、メインフレーム102は少なくともP1からP2の位置よりも幅広となるように構成されている。
【0027】
このメインフレーム102は、車両の前輪軸中心位置L1よりも前から後輪軸中心位置L2よりも後まで伸びている。前輪軸中心位置L1よりも少し後方の位置には、当該メインフレーム102の側面から左右にサブフレーム104、106が溶接して取り付けられている。更にその後方に所定の間隔を空けてサブフレーム108、110が溶接して取り付けられている。更にその後方に所定の間隔を空けてサブフレーム112、114が溶接して取り付けられている。なお、これらのサブフレーム104〜114は全てメインフレーム102と略高さが揃う大きさに調整されている。
【0028】
また、左右側それぞれのサブフレームの先端はサイドフレーム116、118が溶接固定されている。即ち、車両の進行方向に向かって左側に伸びているサブフレーム104、108、112の先端にはメインフレーム102と略平行に左側サイドフレーム116が溶接固定されている。同様に、車両の進行方向に向かって右側に伸びているサブフレーム106、110、114の先端にはメインフレーム102と略平行に右側サイドフレーム118が溶接固定されている。またこれらのサイドフレーム116、118はいずれもメインフレーム102と略高さが揃う大きさに調整されている。なお、これらメインフレーム102、サブフレーム104〜114及びサイドフレーム116、118で囲まれた空間(コンポーネント収納空間)S2に制御機器等のコンポーネント130が配置される。
【0029】
また、コンポーネント収納空間S2及びメインフレーム102下面の開口部102aを下側から蓋をするように下側パネル部材120が取り付けられている。この下部パネル部材120は一枚のフラットな形状とされており、メインフレーム102のフランジ部102c、各サブフレーム104〜114及びサイドフレームに溶接して固定されている。
【0030】
メインフレーム102の後端付近には、左右方向にリヤサブフレーム126、128が固定されると共に、当該リヤサブフレーム126、128とメインフレームに跨がるようにリヤアンダーパネル132が設けられている。
【0031】
メインフレーム102の内部空間(メインフレーム102と下部パネル部材120で囲まれた空間)S1には、電気自動車の駆動源となるバッテリー140が必要量収容される。バッテリー140の出し入れはメインフレーム102の前端(若しくは後端)から行われる。バッテリー140はトレイ142上に載置されていて、更に当該トレイ142は両クランク部102bに跨がるように前後方向にスライド可能(例えばコロ構造などにより)に架設されている。その結果、バッテリー140は下部パネル部材120との間に一定の隙間G1を介して配置されることとなる。また、メインフレーム102内に収容されるバッテリー140は、メインフレーム102の前端及び後端から一定程度奥まった位置に配置固定される。即ち、前面若しくは後面衝突の際、設けられた空洞部分(バッテリーが収容されていない部分)のメインフレーム102自体が変形することによって効果的に衝突エネルギーを吸収することができるので、車両の衝突安全性向上を図ることができる。
【0032】
また、コンポーネント収納空間S2の上面には、2枚の上部パネル部材122、124がボルト170により締結固定されている。
【0033】
また、メインフレーム102の前輪車軸位置L1付近には、前方に向かって2本の補助フレーム144a、144bが備わっている。この補助フレーム144a、144bは、メインフレーム102から斜め前方に伸びると共に、先端付近は略水平となるように形成されている。更に、メインフレーム102からみて幅方向に広がるように形成されていて、フロア構造を正面視するとメインフレーム102の先端と、各補助フレーム114a、114bの先端は図5に示したような位置関係となる。更にこの補助フレーム144a、144bの先端にはバンパービーム146が取付けられている。なお本実施形態では、メインフレーム102の前端側にのみ補助フレーム144a、144bを設けているが、同様に後端側に設けるような構成を採用してもよい。
【0034】
〈車体フロア構造の作用・機能〉
このようにバッテリー140をメインフレーム102内に(前後方向に長く)纏めて配置することによって、側面衝突が発生した場合でも、バッテリー140を強固に保護することが可能となった。
【0035】
また、大きな断面空間を有するメインフレーム102により正面や背面からの衝突時においても当該メインフレーム102自体がその衝撃を吸収できるので、バッテリー140の損傷を最小限に抑えることが可能となる。
【0036】
また、メインフレーム102や各サブフレーム104〜114の長さを変えることでシャシの長さや幅の設計変更等に柔軟に対応することもできる。加えて、コンポーネント収容空間S2に各種制御機器等のコンポーネント130を設置することができるので別途室内やトランクスペースなどを犠牲にすることがない。
【0037】
またバッテリー140と近い位置にこれらコンポーネント130を収容できるので短い配線で足りる。更にこのコンポーネント収容空間S2の上部に蓋をする上部パネル部材122、124はボルトにより取り外し可能とされているので、コンポーネント130のメンテナンスも容易である。
【0038】
またメインフレーム102はスチール鋼板を折曲げて構成しているので、低コストかつ量産性に優れている。またフロア自体が下部パネル部材120と上部パネル部材122、124とを有する所謂「二重構造」に構成されていることからフロア構造自体の剛性が極めて高く、更に衝突時の衝撃を効果的にフロア全体に分散させることも可能となっている。
【0039】
またバッテリー140は全てメインフレーム102内に収容されているので、何らかの理由でバッテリー140が大きく損傷等した場合でも室内側(フロア上方)への影響(有毒ガスや破片の飛散など)は極めて少なく乗員の安全性を確保することができる。
【0040】
また、メインフレーム102にクランク部102bを形成したことによってメインフレーム102自体の剛性が向上する。
【0041】
また、このクランク部102bに架設されるトレイ142を備え、当該トレイ142上にバッテリー140が載置されている。これにより開口部102aから高さ方向に一定の隙間G1を有してバッテリー140が配置されることになるので、走行時等にフロア下を打撃するような事態(所謂「腹擦り」)が生じて下部パネル部材120が凹んだとしても、当該隙間G1の存在によりバッテリー140への直接の損傷を回避することができる。
【0042】
またトレイ142がメインフレーム102の長手方向にスライド可能とされているので、
バッテリー140の出し入れが容易となり、メンテナンス作業等を行いやすい。
【0043】
また、下部パネル部材120がフラットに形成されているため、特に高速走行時などフロア下の空気の乱れを抑えることができ、浮力の発生を未然に抑えることができると共に、空気抵抗の低減による燃費向上、風切り音の低減による静粛性向上を図ることができる。
【0044】
また、上部パネル部材122、124がフラットに形成されていて、メインフレーム102や各サブフレーム104〜114更にはサイドフレーム116、118と略面一となるように配置されているので、段差がなく乗降性に優れた床面を作り出すことができる。また床面がフラットなため座席等の室内設備を自由に配置することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1…車体フロア構造
102…メインフレーム
102a…開口部
102b…クランク部
102c…フランジ部
104、106、108、110、112、114…サブフレーム
116、118…サイドフレーム
120…下部パネル部材
122、124…上部パネル部材
126、128…リヤサイドフレーム
130…コンポーネント
132…リヤアンダーパネル
140…バッテリー
142…トレイ
144…補助フレーム
146…バンパービーム
150…タイヤ
160…アッパーボディー
L1…前輪車軸中心位置
L2…後輪車軸中心位置
S1…バッテリー収納スペース
S2…コンポーネント収納スペース
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の技術分野に関し、特に車体のフロア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、その動力源として大量のバッテリー(蓄電池)を装備する必要があり、その収納場所はボンネット内、トランク内、床下など様々な工夫がなされてきた。しかしながら多くの電気自動車は、従来からのガソリンエンジンを駆動源とする車両に用いられていたシャシを前提にバッテリーの設置場所を確保しているので、室内空間が犠牲になったり、重量物たるバッテリーの搭載位置が高くなり車両の走行安定性を害したり、そもそも充分量のバッテリーの搭載が困難であるなど、様々な問題が存在していた。
【0003】
そのような中、特許文献1及び2に示されているように、当初から電気自動車のシャシとして設計され上記問題を改善せんとする技術も存在する。特許文献1に記載の技術は、所定の形状に予め折曲形成された上下2枚のパネルを溶接することによって複数本のパイプ状部材が車両の前後方向に沿って並ぶように車体のフロアを構成し、当該パイプ状部材の中にバッテリーを収納している。また、特許文献2に記載の技術は、アルミ材を押出成型した中空部材を複数本組み合わせて車体のフロアを構成し、これら中空部材の中空部内にバッテリーを収納するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−47842号公報
【特許文献2】特開平8−58617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術では、バッテリーを複数の中空部に分割して収納する必要があり設置作業やメンテナンスが煩雑となる。また、小分けに分割して収納する事から必然的にフロアの幅方向全体に渡ってバッテリーを収納する必要性が生じるが、側面衝突が発生したような場合、含まれる化学物質の影響により危険度の高いバッテリーが損傷しやすいという問題もある。また、電気自動車にはバッテリー以外にも制御機器等のコンポーネントを多く搭載する必要があるが、細長い複数の中空部分に全てのコンポーネントを収納するのは困難である。そのため別途収納スペースを確保する必要があるが、それらのスペースを確保しようとすると居住性やトランク容量が制限を受けることにもなる。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術の場合、フロアを構成する上下2枚のパネルは、シャシの長さや幅が異なる毎に専用設計となるのでコスト高となる。またその構成上フロア部分で十分な剛性が確保し難いといった問題もある。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術の場合、コストを無視したアルミの押出部材を接合することが前提となっている技術であって高コストとなり、また現実的な量産性に問題がある。更にアルミ押出中空部材の接合の隙間から水等が進入する可能性があるので隙間を漏れなく溶接等してシールする必要もある。
【0008】
そこで本発明は、これらの問題点を一挙に解決するべくなされた発明であり、生産性が高く、設計変更にも柔軟に対応することができ、側面衝突時においてもバッテリーを十分に保護することができると共に、更に高剛性且つ作業性に優れた電気自動車の車体フロア構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく本願発明は、下面に開口部が形成されるコ字断面を有する長尺体であって、その長手方向が車体の前後方向となるように前輪の車軸中心位置以前から後輪の車軸中心位置以後にまで延在して配置された1本のメインフレームと、当該メインフレームの側面から車体の幅方向両側にそれぞれ延在するように固定された少なくとも2本ずつのサブフレームと、前記メインフレームと略平行に配置され前記サブフレームの先端同士を連結するサイドフレームと、前記開口部、並びに、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して下面側から蓋をする下部パネル部材と、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して上面側から蓋をする上部パネル部材と、を備え、前記メインフレーム、サブフレーム、サイドフレーム及び下部パネル部材は溶接して固定されると共に、前記上部パネル部材は着脱自在に取り付けられ、前記メインフレーム内にバッテリーを収容可能とすると共に、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間内に各種制御装置等のコンポーネントを収容可能とすることを特徴とする。
【0010】
このようにバッテリーをメインフレーム内に(前後方向に長く)纏めて配置することによって、側面衝突が発生した場合でも、バッテリーを強固に保護することが可能となった。また、大きな断面空間を有するメインフレームにより前面(正面)や後面(背面)からの衝突時においても当該メインフレーム自体がその衝撃を吸収できるので、バッテリーの損傷を最小限に抑えることが可能となる。また、メインフレームやサブフレームの長さを変えることでシャシの長さや幅の設計変更等に柔軟に対応することもできる。加えて、メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間(以下「コンポーネント収容空間」という。)に各種制御機器等のコンポーネントを設置することができるので別途室内やトランクスペースなどを犠牲にすることがない。またバッテリーと近い位置にこれらコンポーネントを収容できるので短い配線で足りる。更にこのコンポーネント収容空間の上部に蓋をする上部パネル部材はボルト等により取り外し可能とされているので、コンポーネントのメンテナンスも容易である。またメインフレームは例えばスチール鋼板を折曲げて構成することができるので、低コストかつ量産性に優れている。またフロア自体が下部パネル部材と上部パネル部材とを有する所謂「二重構造」に構成されていることからフロア構造自体の剛性が極めて高く、更に衝突時の衝撃を効果的にフロア全体に分散させることも可能となっている。またバッテリーは全てメインフレーム内に収容されているので、何らかの理由でバッテリーが大きく損傷等した場合でも室内側(フロア上方)への影響(有毒ガスや破片の飛散など)は極めて少なく乗員の安全性を確保することができる。
【0011】
また、前記メインフレームは、断面視、コ字断面の下端から内側に突起したクランク部を介して開口部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
このようなクランク部を形成したことによってメインフレーム自体の剛性を向上させることができる。
【0013】
また、前記クランク部に架設されるトレイを備え、当該トレイ上にバッテリーが載置されることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、開口部から高さ方向に一定のスペースを有してバッテリーが配置されることになるので、走行時等にフロア下を打撃するような事態(所謂「腹擦り」)が生じて下部パネル部材が凹んだとしても、当該スペースの存在によりバッテリーへの直接の損傷を回避することができる。
【0015】
また前記トレイをメインフレームの長手方向にスライド可能とされていることを特徴とする。
【0016】
このようにすればバッテリーの出し入れが容易となり、メンテナンス作業等を行いやすい。
【0017】
また、前記下部パネル部材がフラットに形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように構成することで、特に高速走行時などフロア下の空気の乱れを抑えることができ、浮力の発生を未然に抑えることができると共に、空気抵抗の低減による燃費向上、風切り音の低減による静粛性向上を図ることができる。
【0019】
また、前記上部パネル部材がフラットに形成されていることを特徴とする。
【0020】
このように構成することで、段差がなく乗降性に優れた床面を作り出すことができる。また床面がフラットなため座席等の室内設備を自由に配置することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明を適用することで、生産性が高く、設計変更にも柔軟に対応することができ、側面衝突時においてもバッテリーを十分に保護することができると共に、更に高剛性且つ作業性に優れた電気自動車の車体フロア構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るフロア構造の斜視図である。
【図2】本発明に係るフロア構造の車幅方向に沿う断面図である。
【図3】上部パネル部材の取り付け例を示した斜視図である。
【図4】前輪車軸付近のフロア構造を示した概略側面図である。
【図5】メインフレームと補助フレームの位置関係を示した図(正面視)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0024】
〈車体フロア構造の構成〉
図1に示しているように、本発明にかかるフロア構造1は、下面に開口部102aが形成されるコ字断面(長手方向と直交する方向の断面)を有する長尺体であって、その長手方向が車体の前後方向となるように前輪の車軸中心位置L1以前から後輪の車軸中心位置L2以後にまで延在して配置された1本のメインフレーム102と、このメインフレーム102の側面から車体の幅方向両側にそれぞれ延在するように固定された3本ずつ(計6本)のサブフレーム104、106、108、110、112、114と、メインフレーム102と略平行に配置されサブフレーム104、108、112の先端同士を連結するサイドフレーム116、及び、サブフレーム106、110、114の先端同士を連結するサイドフレーム118と、開口部102a、並びに、メインフレーム102とサブフレーム104、106、108、110、112、114及びサイドフレーム116、118で囲まれた空間S2(以下単に「コンポーネント収容空間」という。)に対して下面側から蓋をする下部パネル部材120と、コンポーネント収容空間S2に対して上面側から蓋をする上部パネル部材122、124と、を備え、メインフレーム102、サブフレーム104、106、108、110、112、114、サイドフレーム116、118及び下部パネル部材120は溶接して固定されると共に、上部パネル部材122、124は着脱自在に取り付けられ、メインフレーム102内にバッテリー140を収容可能とすると共に、コンポーネント収容空間S2内に各種制御装置等のコンポーネント130を収容可能としている。なお、当該フロア構造1の上側にはアッパーボディー160が溶接固定される(図2参照)。
【0025】
メインフレーム102は、1枚のスチール鋼板(本実施形態においては厚さ1.6mm)を折曲げ形成されている。折曲げた結果の形状は、断面視すると、所謂「コの字」の断面(上面と両側面に相当する)を有し、当該コ字断面の両方の下端部分からそれぞれ内側にクランク部102bが設けられている。またクランク部102bには外方向(幅方向外側)に向かってフランジ部102cが形成される(図2を参照)。その結果、メインフレーム102下面が開口部102aとして開口している。またメインフレーム102の幅W1は、車両全体の幅W2に対して25%以上となるように構成されている。更にメインフレーム102は前輪150よりも前方(前輪150よりも正面側に突出した位置)にまで延在するように構成されている(図4参照)。
【0026】
また見方を変えると、このメインフレーム102は、車体の両側からそれぞれ車幅全体W2の40%分幅方向内側位置P1、P2にまで架かるように幅広に構成されている。即ち、メインフレーム102は少なくともP1からP2の位置よりも幅広となるように構成されている。
【0027】
このメインフレーム102は、車両の前輪軸中心位置L1よりも前から後輪軸中心位置L2よりも後まで伸びている。前輪軸中心位置L1よりも少し後方の位置には、当該メインフレーム102の側面から左右にサブフレーム104、106が溶接して取り付けられている。更にその後方に所定の間隔を空けてサブフレーム108、110が溶接して取り付けられている。更にその後方に所定の間隔を空けてサブフレーム112、114が溶接して取り付けられている。なお、これらのサブフレーム104〜114は全てメインフレーム102と略高さが揃う大きさに調整されている。
【0028】
また、左右側それぞれのサブフレームの先端はサイドフレーム116、118が溶接固定されている。即ち、車両の進行方向に向かって左側に伸びているサブフレーム104、108、112の先端にはメインフレーム102と略平行に左側サイドフレーム116が溶接固定されている。同様に、車両の進行方向に向かって右側に伸びているサブフレーム106、110、114の先端にはメインフレーム102と略平行に右側サイドフレーム118が溶接固定されている。またこれらのサイドフレーム116、118はいずれもメインフレーム102と略高さが揃う大きさに調整されている。なお、これらメインフレーム102、サブフレーム104〜114及びサイドフレーム116、118で囲まれた空間(コンポーネント収納空間)S2に制御機器等のコンポーネント130が配置される。
【0029】
また、コンポーネント収納空間S2及びメインフレーム102下面の開口部102aを下側から蓋をするように下側パネル部材120が取り付けられている。この下部パネル部材120は一枚のフラットな形状とされており、メインフレーム102のフランジ部102c、各サブフレーム104〜114及びサイドフレームに溶接して固定されている。
【0030】
メインフレーム102の後端付近には、左右方向にリヤサブフレーム126、128が固定されると共に、当該リヤサブフレーム126、128とメインフレームに跨がるようにリヤアンダーパネル132が設けられている。
【0031】
メインフレーム102の内部空間(メインフレーム102と下部パネル部材120で囲まれた空間)S1には、電気自動車の駆動源となるバッテリー140が必要量収容される。バッテリー140の出し入れはメインフレーム102の前端(若しくは後端)から行われる。バッテリー140はトレイ142上に載置されていて、更に当該トレイ142は両クランク部102bに跨がるように前後方向にスライド可能(例えばコロ構造などにより)に架設されている。その結果、バッテリー140は下部パネル部材120との間に一定の隙間G1を介して配置されることとなる。また、メインフレーム102内に収容されるバッテリー140は、メインフレーム102の前端及び後端から一定程度奥まった位置に配置固定される。即ち、前面若しくは後面衝突の際、設けられた空洞部分(バッテリーが収容されていない部分)のメインフレーム102自体が変形することによって効果的に衝突エネルギーを吸収することができるので、車両の衝突安全性向上を図ることができる。
【0032】
また、コンポーネント収納空間S2の上面には、2枚の上部パネル部材122、124がボルト170により締結固定されている。
【0033】
また、メインフレーム102の前輪車軸位置L1付近には、前方に向かって2本の補助フレーム144a、144bが備わっている。この補助フレーム144a、144bは、メインフレーム102から斜め前方に伸びると共に、先端付近は略水平となるように形成されている。更に、メインフレーム102からみて幅方向に広がるように形成されていて、フロア構造を正面視するとメインフレーム102の先端と、各補助フレーム114a、114bの先端は図5に示したような位置関係となる。更にこの補助フレーム144a、144bの先端にはバンパービーム146が取付けられている。なお本実施形態では、メインフレーム102の前端側にのみ補助フレーム144a、144bを設けているが、同様に後端側に設けるような構成を採用してもよい。
【0034】
〈車体フロア構造の作用・機能〉
このようにバッテリー140をメインフレーム102内に(前後方向に長く)纏めて配置することによって、側面衝突が発生した場合でも、バッテリー140を強固に保護することが可能となった。
【0035】
また、大きな断面空間を有するメインフレーム102により正面や背面からの衝突時においても当該メインフレーム102自体がその衝撃を吸収できるので、バッテリー140の損傷を最小限に抑えることが可能となる。
【0036】
また、メインフレーム102や各サブフレーム104〜114の長さを変えることでシャシの長さや幅の設計変更等に柔軟に対応することもできる。加えて、コンポーネント収容空間S2に各種制御機器等のコンポーネント130を設置することができるので別途室内やトランクスペースなどを犠牲にすることがない。
【0037】
またバッテリー140と近い位置にこれらコンポーネント130を収容できるので短い配線で足りる。更にこのコンポーネント収容空間S2の上部に蓋をする上部パネル部材122、124はボルトにより取り外し可能とされているので、コンポーネント130のメンテナンスも容易である。
【0038】
またメインフレーム102はスチール鋼板を折曲げて構成しているので、低コストかつ量産性に優れている。またフロア自体が下部パネル部材120と上部パネル部材122、124とを有する所謂「二重構造」に構成されていることからフロア構造自体の剛性が極めて高く、更に衝突時の衝撃を効果的にフロア全体に分散させることも可能となっている。
【0039】
またバッテリー140は全てメインフレーム102内に収容されているので、何らかの理由でバッテリー140が大きく損傷等した場合でも室内側(フロア上方)への影響(有毒ガスや破片の飛散など)は極めて少なく乗員の安全性を確保することができる。
【0040】
また、メインフレーム102にクランク部102bを形成したことによってメインフレーム102自体の剛性が向上する。
【0041】
また、このクランク部102bに架設されるトレイ142を備え、当該トレイ142上にバッテリー140が載置されている。これにより開口部102aから高さ方向に一定の隙間G1を有してバッテリー140が配置されることになるので、走行時等にフロア下を打撃するような事態(所謂「腹擦り」)が生じて下部パネル部材120が凹んだとしても、当該隙間G1の存在によりバッテリー140への直接の損傷を回避することができる。
【0042】
またトレイ142がメインフレーム102の長手方向にスライド可能とされているので、
バッテリー140の出し入れが容易となり、メンテナンス作業等を行いやすい。
【0043】
また、下部パネル部材120がフラットに形成されているため、特に高速走行時などフロア下の空気の乱れを抑えることができ、浮力の発生を未然に抑えることができると共に、空気抵抗の低減による燃費向上、風切り音の低減による静粛性向上を図ることができる。
【0044】
また、上部パネル部材122、124がフラットに形成されていて、メインフレーム102や各サブフレーム104〜114更にはサイドフレーム116、118と略面一となるように配置されているので、段差がなく乗降性に優れた床面を作り出すことができる。また床面がフラットなため座席等の室内設備を自由に配置することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1…車体フロア構造
102…メインフレーム
102a…開口部
102b…クランク部
102c…フランジ部
104、106、108、110、112、114…サブフレーム
116、118…サイドフレーム
120…下部パネル部材
122、124…上部パネル部材
126、128…リヤサイドフレーム
130…コンポーネント
132…リヤアンダーパネル
140…バッテリー
142…トレイ
144…補助フレーム
146…バンパービーム
150…タイヤ
160…アッパーボディー
L1…前輪車軸中心位置
L2…後輪車軸中心位置
S1…バッテリー収納スペース
S2…コンポーネント収納スペース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に開口部が形成されるコ字断面を有する長尺体であって、その長手方向が車体の前後方向となるように前輪の車軸中心位置以前から後輪の車軸中心位置以後にまで延在して配置された1本のメインフレームと、
当該メインフレームの側面から車体の幅方向両側にそれぞれ延在するように固定された少なくとも2本ずつのサブフレームと、
前記メインフレームと略平行に配置され前記サブフレームの先端同士を連結するサイドフレームと、
前記開口部、並びに、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して下面側から蓋をする下部パネル部材と、
前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して上面側から蓋をする上部パネル部材と、を備え、
前記メインフレーム、サブフレーム、サイドフレーム及び下部パネル部材は溶接して固定されると共に、前記上部パネル部材は着脱自在に取り付けられ、
前記メインフレーム内にバッテリーを収容可能とすると共に、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間内に各種制御装置等のコンポーネントを収容可能とする
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記メインフレームは、断面視、コ字断面の下端から内側に突起したクランク部を介して開口部が形成されている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記クランク部に架設されるトレイを備え、当該トレイ上にバッテリーが載置される
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項4】
請求項3において、前記トレイはメインフレームの長手方向にスライド可能とされている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記下部パネル部材はフラットに形成されている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記上部パネル部材はフラットに形成されている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項1】
下面に開口部が形成されるコ字断面を有する長尺体であって、その長手方向が車体の前後方向となるように前輪の車軸中心位置以前から後輪の車軸中心位置以後にまで延在して配置された1本のメインフレームと、
当該メインフレームの側面から車体の幅方向両側にそれぞれ延在するように固定された少なくとも2本ずつのサブフレームと、
前記メインフレームと略平行に配置され前記サブフレームの先端同士を連結するサイドフレームと、
前記開口部、並びに、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して下面側から蓋をする下部パネル部材と、
前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間に対して上面側から蓋をする上部パネル部材と、を備え、
前記メインフレーム、サブフレーム、サイドフレーム及び下部パネル部材は溶接して固定されると共に、前記上部パネル部材は着脱自在に取り付けられ、
前記メインフレーム内にバッテリーを収容可能とすると共に、前記メインフレーム、サブフレーム及びサイドフレームで囲まれた空間内に各種制御装置等のコンポーネントを収容可能とする
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記メインフレームは、断面視、コ字断面の下端から内側に突起したクランク部を介して開口部が形成されている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記クランク部に架設されるトレイを備え、当該トレイ上にバッテリーが載置される
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項4】
請求項3において、前記トレイはメインフレームの長手方向にスライド可能とされている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記下部パネル部材はフラットに形成されている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記上部パネル部材はフラットに形成されている
ことを特徴とする電気自動車の車体フロア構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−201283(P2012−201283A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69173(P2011−69173)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(511073571)株式会社SIM−Drive (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(511073571)株式会社SIM−Drive (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]