説明

電気錠解錠システムおよびホームセキュリティシステム

【課題】警備会社および利用者のリスクをなくすことができる電気錠解錠システムおよびホームセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】電気錠解錠システム20は、ホームセキュリティ装置10から送信されてくる異常情報が電気錠1を解錠すべき異常内容を示し、かつ、利用者の携帯電話3から警備会社への対処を要請する対処要請信号を受信した場合に、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変える電気錠モード制御手段25〜27と、電気錠モード制御手段25〜27が電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えてから解錠信号待ち時間内に携帯電話3から解錠信号を受信すると、電気錠1を解錠させる電気錠制御信号をホームセキュリティ装置10に送信する電気錠制御手段28〜30とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠解錠システムおよびホームセキュリティシステムに関し、特に、ホームセキュリティ装置と連携して電気錠を解錠可能状態にすることができる電気錠解錠システムとこのような電気錠解錠システムを具備するホームセキュリティシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者宅に設置された電気錠を解錠するシステムとして、たとえば下記の特許文献1に開示されている緊急時自動解錠装置がある。この緊急時自動解錠装置では、利用者がトイレや風呂で身動きができなくなったときに携帯送信機のボタンを押下すると、家屋の玄関の扉に設置された電気錠を解錠するとともに、電話網を通じて予め定められた相手側端末を呼び出す。
【0003】
しかし、ホームセキュリティ装置と連携して外出先から携帯電話(携帯端末)を用いて電気錠を解錠可能状態にすることができる電気錠解錠システムがないため、利用者は、外出中に利用者宅に異常が発生したときに警備会社の警備員が異常を確認するために利用者宅内に入ることができるように、鍵の取扱いについて以下の(1)から(3)に示すような取決めを警備会社との間で事前に交わしている。
(1)合鍵を警備会社に保管しておく。
(2)鍵の暗証番号を警備会社に連絡しておく。
(3)合鍵の保管場所を警備会社に連絡しておく。
【特許文献1】実開平6−65999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記(1)から(3)に示したような事前の取決めでは、警備会社にとっては“合鍵を紛失する”、“鍵の暗証番号を忘れる”、“利用者からの対処要請に対して迅速に合鍵を持ち出せるようにしておく必要がある”などのリスクが発生するという問題がある。
また、利用者にとっては“警備会社に対処要請をしていないにもかかわらず合鍵を使用して家の中に侵入されるおそれがある”などのリスクが発生するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、警備会社および利用者のリスクをなくすことができる電気錠解錠システムおよびホームセキュリティシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気錠解錠システムは、利用者宅に設置されたホームセキュリティ装置(10)と通信回線(5)を介して相互に接続され、かつ、該ホームセキュリティ装置と連携して電気錠(1)を解錠可能状態にするための電気錠解錠システム(20)であって、前記ホームセキュリティ装置から送信されてくる異常情報が前記電気錠を解錠すべき異常内容を示し、かつ、利用者の携帯端末(3)から警備会社への対処を要請する対処要請信号を受信した場合に、前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変える電気錠モード制御手段(25〜27)と、該電気錠モード制御手段が前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えてから解錠信号待ち時間内に前記携帯端末から解錠信号を受信すると、前記電気錠を解錠させる電気錠制御信号を前記ホームセキュリティ装置に送信する電気錠制御手段(28〜30)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記ホームセキュリティ装置から前記通信回線を介して前記異常情報を受信すると、該受信した異常情報をセキュリティ情報蓄積データベース(23)に格納する異常情報受信部(22)と、該異常情報受信手段から入力される前記異常情報に基づいて異常通知信号を生成して、該生成した異常通知信号を前記携帯端末に送信する異常通知部(24)とをさらに具備してもよい。
前記電気錠モード制御手段が、前記異常情報受信部から入力される前記異常情報に基づいて前記電気錠を解錠すべき異常内容か否かを判定し、「電気錠を解錠すべき異常内容である」と判定すると第1のモード移行指令信号を出力する異常内容判定部(25)と、前記携帯端末から前記対処要請信号を受信すると第2のモード移行指令信号を出力する対処要請信号送受信部(26)と、前記異常内容判定部から前記第1のモード移行指令信号が入力され、かつ、前記対処要請信号送受信部から前記第2のモード移行指令信号が入力されると、前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変える電気錠モード制御部(27)とを備えてもよい。
前記電気錠制御手段が、前記電気錠モード制御部が前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えると該電気錠モード制御部によって設定される解錠信号待ち時間が経過するまで解錠可能信号を出力するタイマ(28)と、該タイマから前記解錠可能信号が入力されている間に前記携帯端末から前記解錠信号を受信すると解錠指示信号を出力する解錠信号受信部(29)と、該解錠信号受信部から前記解錠指示信号が入力されると、前記電気錠を解錠させる電気錠制御信号を前記ホームセキュリティ装置に送信する電気錠制御部(30)とを備えてもよい。
前記解錠信号待ち時間が、前記警備会社の警備員が前記利用者宅に駆け付けるのに要する時間に応じて予め決められていてもよい。
前記対処要請信号送受信部が、前記携帯端末から前記対処要請信号を受信すると、該受信した対処要請信号を前記警備会社の警備システム(4)に送信し、前記警備会社の警備員が、前記利用者宅に到着すると、前記解錠信号を前記電気錠解錠システムに送信するように要求する解錠信号送信要求信号を前記携帯端末に送信してもよい。
前記異常情報が、動作した異常検出手段(1,2)および動作時刻を示し、前記異常通知信号が、前記動作した異常検出手段および前記動作時刻を通知するとともに前記警備会社に対処を要請するか否かを問い合せる信号であってもよい。
【0007】
本発明のホームセキュリティシステムは、利用者宅に設置されたホームセキュリティ装置(10)と、該ホームセキュリティ装置と通信回線(5)を介して相互に接続された電気錠解錠システム(20)とを具備するホームセキュリティシステムであって、前記ホームセキュリティ装置が、前記利用者宅に設置された異常検出手段(1,2)からの異常信号に基づいて異常情報を生成する異常検出部(11)と、前記電気錠解錠システムから前記通信回線を介して送信されてくる前記電気錠制御信号に応じて前記電気錠の施錠操作および解錠操作を行う電気錠操作部(12)とを備え、前記電気錠解錠システムが、本発明の電気錠解錠システムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電気錠解錠システムおよびホームセキュリティシステムは、以下に示す効果を奏する。
(1)合鍵を警備会社に保管したり、鍵の暗証番号を警備会社に連絡しておいたり、合鍵の保管場所を警備会社に連絡しておいたりする必要がないので、警備会社および利用者のリスクをなくすことができる。
(2)ホームセキュリティ装置から送信されてくる異常情報が電気錠を解錠すべき異常内容を示し、かつ、利用者の携帯端末から警備会社への対処を要請する対処要請信号を受信した場合にのみ電気錠の制御モードが施錠モードから解錠操作可能モードに変えられるので、利用者は外出先からでも安心して自宅の電気錠を解錠可能状態にすることができる。
(3)電気錠の制御モードが施錠モードから解錠操作可能モードに変えられてから解錠信号待ち時間内に利用者から解錠信号が送信されてこない場合には、電気錠を解錠することなく、利用者から警備会社に要請した対処要請時間と警備員から利用者に要請した解錠要請時間により、警備会社の出動時間を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上記の目的を、ホームセキュリティ装置から送信されてくる異常情報が電気錠を解錠すべき異常内容を示し、かつ、利用者の携帯端末から警備会社への対処を要請する対処要請信号を受信した場合に、電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えるとともに、電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えてから解錠信号待ち時間内に携帯端末から解錠信号を受信すると、電気錠を解錠させる電気錠制御信号をホームセキュリティ装置に送信することにより実現した。
【実施例1】
【0010】
以下、本発明の電気錠解錠システムおよびホームセキュリティシステムの実施例について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施例によるホームセキュリティシステムは、図1に示すように、利用者宅に設置されたホームセキュリティ装置10と、ホームセキュリティ装置10とインターネット網5(通信回線)を介して相互に接続された電気錠解錠システム20とを具備する。
【0011】
ホームセキュリティ装置10は、異常検出部11と、電気錠操作部12と、通信インターフェース13とを備える。
ここで、異常検出部11は、利用者宅に設置された電気錠1および各種センサ2などの異常検出手段からの信号(以下、「異常信号」と称する。)を受信すると、動作した異常検出手段(電気錠1またはセンサなど)および動作時刻などを示す異常情報を生成し、生成した異常情報を電気錠解錠システム20に通信インターフェース13およびインターネット網5を介して送信する。
電気錠操作部12は、電気錠解錠システム20からインターネット網5および通信インターフェース13を介して電気錠制御信号を受信すると、受信した電気錠制御信号に応じて利用者宅に設置された電気錠1を施錠したり解錠したりする。
【0012】
電気錠解錠システム20は、第1および第2の通信インターフェース211,212と、異常情報受信部22と、セキュリティ情報蓄積データベース23と、異常通知部24と、異常内容判定部25と、対処要請信号送受信部26と、電気錠モード制御部27と、タイマ28と、解錠信号受信部29と、電気錠制御部30とを備える。
【0013】
ここで、異常情報受信部22は、ホームセキュリティ装置10からインターネット網5および第1の通信インターフェース211を介して異常情報を受信すると、受信した異常情報を受信日時データと共にセキュリティ情報蓄積データベース23に格納する。また、異常情報受信部22は、受信した異常情報を異常通知部24および異常内容判定部25に出力する。
【0014】
異常通知部24は、異常情報受信部22から入力される異常情報に基づいて異常通知信号(「何時何分に○○○が動作した」旨を通知するとともに警備会社に対処を要請するか否かを問い合わせる信号)を生成して、生成した異常通知信号を第2の通信インターフェース212および携帯電話網6を介して利用者の携帯電話3に送信する。
【0015】
異常内容判定部25は、異常情報受信部22から入力される異常情報に基づいて、電気錠を解錠すべき異常内容であるか否かを判定する。その結果、「電気錠を解錠すべき異常内容である」と判定した場合には、異常内容判定部25は、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えさせる第1のモード移行指令信号を電気錠モード制御部27に出力する。
【0016】
対処要請信号送受信部26は、警備会社への対処を要請する対処要請信号を携帯電話3から携帯電話網6および第2の通信インターフェース212を介して受信すると、受信した対処要請信号を警備会社の警備システム4に第2の通信インターフェース212および電話回線を介して送信するとともに、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えさせる第2のモード移行指令信号を電気錠モード制御部27に出力する。
【0017】
電気錠モード制御部27は、通常は、電気錠1の制御モードを施錠モードにして、電気錠1を施錠させる電気錠制御信号を電気錠制御部30から第1の通信インターフェース211およびインターネット網5を介してホームセキュリティ装置10に送信すれば電気錠操作部12によって電気錠1を施錠することができるが、電気錠1を解錠させる電気錠制御信号は電気錠制御部30からホームセキュリティ装置10に送信できないようにする。
【0018】
しかし、電気錠モード制御部27は、異常内容判定部25から第1のモード移行指令信号が入力され、かつ、対処要請信号送受信部26から第2のモード移行指令信号が入力されると、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えて、電気錠1を解錠させる電気錠制御信号を電気錠制御部30から第1の通信インターフェース211およびインターネット網5を介してホームセキュリティ装置10に送信できるようにする。また、電気錠モード制御部27は、警備員が利用者宅に駆け付けるのに要する時間に応じて予め決められている解錠信号待ち時間をタイマ28に設定するとともに、タイマ28を起動させる。
【0019】
タイマ28は、電気錠モード制御部27によって設定された解錠信号待ち時間が経過するまで解錠可能信号を解錠信号受信部29に出力する。
【0020】
解錠信号受信部29は、タイマ28から解錠可能信号が入力されている間に解錠信号を携帯電話3から携帯電話網6および第2の通信インターフェース212を介して受信すると、電気錠1を解錠するように指示する解錠指示信号を電気錠制御部30に出力する。
【0021】
電気錠制御部30は、解錠信号受信部29から解錠指示信号が入力されると、電気錠1を解錠させる電気錠制御信号を第1の通信インターフェース211およびインターネット網5を介してホームセキュリティ装置10に送信する。
【0022】
次に、図1に示したホームセキュリティシステムの動作について、屋内人感センサ(各種センサ2の一つ)が利用者宅内に侵入した不審者を検知した場合を例として、図2および図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0023】
不審者が利用者宅内に侵入して屋内人感センサが動作すると、屋内人感センサから異常信号がホームセキュリティ装置10の異常検出部11に送信される。異常検出部11は、受信した異常信号に基づいて、動作した屋内人感センサおよび動作時刻(△△時××分)などを示す異常情報を生成して、生成した異常情報を通信インターフェース13およびインターネット網5を介して電気錠解錠システム20に送信する(図2のステップS11)。
【0024】
電気錠解錠システム20の異常情報受信部22は、第1の通信インターフェース211を介してこの異常情報を受信すると、受信した異常情報を受信日時データと共にセキュリティ情報蓄積データベース23に格納する。また、異常情報受信部22は、受信した異常情報を異常通知部24および異常内容判定部25に出力する(ステップS12)。
【0025】
異常通知部24は、異常情報受信部22から入力される異常情報に基づいて、異常通知信号(「△△時××分に屋内人感センサが動作した」旨を通知するとともに警備会社に対処を要請するか否かを問い合わせる信号)を生成して、生成した異常通知情報を第2の通信インターフェース212および携帯電話網6を介して利用者の携帯電話3に送信する(ステップS13)。
【0026】
また、異常内容判定部25は、異常情報受信部22から入力される異常情報が「不審者が利用者宅内に侵入している」旨を示すものであるため、「電気錠1を解錠すべき異常内容である」と判定して、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えさせる第1のモード移行指令信号を電気錠モード制御部27に出力する(ステップS14)。
【0027】
利用者は、携帯電話3に表示された異常通知の画面を見て「警備会社に対処を要請した方がよい」と思った場合には、携帯電話3を用いて対処要請信号を電気錠解錠システム20に送信する。
【0028】
電気錠解錠システム20の対処要請信号送受信部26は、利用者からの対処要請信号を第2の通信インターフェース212を介して受信すると、受信した対処要請信号を警備会社の警備システム4に第2の通信インターフェース212および電話回線を介して送信するとともに、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えさせる第2のモード移行指令信号を電気錠モード制御部27に出力する(ステップS15)。
【0029】
警備会社の担当者は、この対処要請信号を受信すると、対処要請があったので利用者宅に大至急行き、利用者宅に到着したら利用者の携帯電話3に連絡して電気錠1を解錠してもらうように、最寄りの警備員に指示する。
【0030】
また、電気錠モード制御部27は、異常内容判定部25から第1のモード移行指令信号が入力され、かつ、対処要請信号送受信部26から第2のモード移行指令信号が入力されると、電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変え、解錠信号待ち時間をタイマ28に設定するとともに、タイマ28を起動させる(ステップS16)。
【0031】
タイマ28は、電気錠モード制御部27によって設定された解錠信号待ち時間が経過するまで解錠可能信号を解錠信号受信部29に出力する(ステップS17)。
【0032】
利用者は、警備会社の警備員から「利用者宅に到着したので電気錠1を解錠してもらいたい」との連絡を携帯電話3で受け取ると、携帯電話3を用いて解錠信号を電気錠解錠システム20に送信する。
【0033】
解錠信号受信部29は、タイマ28から解錠可能信号が入力されている間に解錠信号を携帯電話3から第2の通信インターフェース212を介して受信すると、電気錠1を解錠するように指示する解錠指示信号を電気錠制御部30に出力する(図3のステップS18)。
【0034】
電気錠制御部30は、解錠信号受信部29から解錠指示信号が入力されると、電気錠1を解錠させる電気錠制御信号を第1の通信インターフェース211およびインターネット網5を介してホームセキュリティ装置10に送信する(ステップS19)。
【0035】
ホームセキュリティ装置10の電気錠操作部12は、この電気錠制御信号を通信インターフェース13を介して受信すると、電気錠1を操作して解錠する(ステップS20)。
【0036】
以上説明したように、電気錠解錠システム20では、異常内容判定部25が「電気錠1を解錠すべき異常内容である」と判定し、かつ、利用者から警備会社への対処要請があった場合にのみ電気錠モード制御部27が電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えるので、利用者は外出先からでも安心して電気錠1を解錠可能状態にすることができる。
また、電気錠モード制御部27が電気錠1の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えてから解錠信号待ち時間内に利用者から解錠信号が送信されてこない場合には、電気錠を解錠することなく、利用者から警備会社に要請した対処要請時間と警備員から利用者に要請した解錠要請時間により、警備会社の出動時間を管理することができる。
【0037】
次に、電気錠1の制御モードの施錠モードから解錠操作可能モードへの移行条件について、具体的なケースの例を示した図4および図5を参照して説明する。
(1)施錠モードから解錠操作可能モードに変えられるケース
以下の3つケース(図4の上から3番目までケース)が発生した場合には、異常内容判定部25において「電気錠1を解錠すべき異常内容である」と判定され、かつ、利用者から対処要請信号が送信されてくるため、電気錠1の制御モードが施錠モードから解錠操作可能モードに変えられる。
(a)屋内人感センサまたは屋内赤外線センサが宅内に侵入した不審者を検知した場合
(b)火災報知器が火災発生を検知した場合やガス漏れセンサがガス漏れを検知した場合
(c)電気メータが示す電気量や水道メータが示す水道量から生活リズムの異変を検知した場合
【0038】
(2)利用者から対処要請信号が送信されてきても施錠モードのままとされるケース
以下に示す5つのケース(図4の上から4番目以降のケース)が発生した場合には、利用者から対処要請信号が送信されてきても、異常内容判定部25において「電気錠1を解錠すべき異常内容ではない(通常)」と判定されるため、電気錠1のモードは施錠モードのままとされる。
(a)フェンスセンサや屋外赤外線センサが敷地内への不法侵入を検知した場合
(b)玄関開閉センサが玄関の破壊を検知した場合やガラス破壊センサが窓の破壊を検知した場合
(c)宅配業者などを装って来訪した不審者に身の危険を感じたりして利用者が非常通報装置を動作させた場合
(d)車庫開閉センサおよびシャッターセンサが車庫への不法侵入を検知した場合
(e)監視カメラが敷地周辺にストーカーなどの不審者が一定時間滞在したことを検知した場合
【0039】
(3)異常内容判定部25において「電気錠1を解錠すべき異常内容である」と判定されても施錠モードのままとされるケース
以下に示す2つのケース(図5の上から3番目までのケース)が発生した場合には、異常内容判定部25において「電気錠1を解錠すべき異常内容である」と判定されても、利用者から対処要請信号が送信されてこないため、電気錠1のモードは施錠モードのままとされる。
(a)携帯電話3で電気錠1が解錠されたことを示す電気錠解錠信号を受信した場合
(b)携帯電話3でドアホンから来客者通知信号を受信した場合
(c)携帯電話3で防犯用照明の動作状態を知らせる信号を照明スイッチから受信した場合
【0040】
(4)利用者から対処要請信号が送信されてこずかつ異常内容判定部25において「電気錠1を解錠すべき異常内容ではない」と判定されるために電気錠1の制御モードが施錠モードのままとされるケース
以下に示す2つのケース(図5の上から4番目以降のケース)が発生した場合には、利用者から対処要請信号が送信されてこず、かつ、異常内容判定部25において「電気錠1を解錠すべき異常内容ではない」と判定されるため、電気錠1のモードは施錠モードのままとされる。
(a)携帯電話3で在宅を装うために電動カーテンの動作状況を知らせる信号を位置センサから受信した場合
(b)電圧リレーが停電を検知した場合や漏電遮断器が漏電を検知した場合
【0041】
なお、電気錠解錠システム20の動作モードが“通常モード”(電気錠1の制御モードが施錠モード)でかつ電気錠1の施錠状態が“解錠中”であるときに利用者が携帯電話3を用いてアクセスしてきた場合には、図6(a)に示すような電気錠1を施錠させるか否かの問合せ画面を電気錠制御部30から第2の通信インターフェース212および携帯電話網6を介して利用者の携帯電話3に送信して、「施錠する」旨の信号を受信すると、電気錠制御部30から電気錠1を施錠させる電気錠制御信号を第1の通信インターフェース211およびインターネット網5を介してホームセキュリティ装置10に送信するようにしてもよい。
【0042】
また、電気錠解錠システム20の動作モードが“警戒モード”(電気錠1の制御モードが解錠操作可能モード)でかつ電気錠1の施錠状態が“施錠中”であるときに使用者が携帯電話3を用いてアクセスしてきた場合には、図6(b)に示すような電気錠1を解錠させるか否かの問合せ画面を電気錠制御部30から第2の通信インターフェース212および携帯電話網6を介して利用者の携帯電話3に送信して、「解錠する」旨の信号を受信すると、電気錠制御部30から電気錠1を解錠させる電気錠制御信号を第1の通信インターフェース211およびインターネット網5を介してホームセキュリティ装置10に送信するようにしてもよい。
このとき、利用者が警備会社の対応状況や状変履歴を確認することができるように警備会社や状変履歴のURL(Uniform Resource Locator)や電子メールアドレスを表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施例によるホームセキュリティシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示したホームセキュリティシステムの動作について説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示したホームセキュリティシステムの動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】電気錠1の制御モードの施錠モードから解錠操作可能モードへの移行条件について説明するための具体的なケースの例を示した表である。
【図5】電気錠1の制御モードの施錠モードから解錠操作可能モードへの移行条件について説明するための具体的なケースの例を示した表である。
【図6】図1に示した電気錠解錠システム20の動作モードが“通常モード”および“警戒モード”のときに携帯電話3に表示させる画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 電気錠
2 各種センサ
3 携帯電話
4 警備システム
5 インターネット網
6 携帯電話網
10 ホームセキュリティ装置
11 異常検出部
12 電気錠操作部
13 通信インターフェース
20 電気錠解錠システム
211,212 第1および第2の通信インターフェース
22 異常情報受信部
23 セキュリティ情報蓄積データベース
24 異常通知部
25 異常内容判定部
26 対処要請信号送受信部
27 電気錠モード制御部
28 タイマ
29 解錠信号受信部
30 電気錠制御部
S11〜S20 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者宅に設置されたホームセキュリティ装置(10)と通信回線(5)を介して相互に接続され、かつ、該ホームセキュリティ装置と連携して電気錠(1)を解錠可能状態にするための電気錠解錠システム(20)であって、
前記ホームセキュリティ装置から送信されてくる異常情報が前記電気錠を解錠すべき異常内容を示し、かつ、利用者の携帯端末(3)から警備会社への対処を要請する対処要請信号を受信した場合に、前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変える電気錠モード制御手段(25〜27)と、
該電気錠モード制御手段が前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えてから解錠信号待ち時間内に前記携帯端末から解錠信号を受信すると、前記電気錠を解錠させる電気錠制御信号を前記ホームセキュリティ装置に送信する電気錠制御手段(28〜30)と、
を具備することを特徴とする、電気錠解錠システム。
【請求項2】
前記ホームセキュリティ装置から前記通信回線を介して前記異常情報を受信すると、該受信した異常情報をセキュリティ情報蓄積データベース(23)に格納する異常情報受信部(22)と、
該異常情報受信手段から入力される前記異常情報に基づいて異常通知信号を生成して、該生成した異常通知信号を前記携帯端末に送信する異常通知部(24)と、
をさらに具備することを特徴とする、請求項1記載の電気錠解錠システム。
【請求項3】
前記電気錠モード制御手段が、
前記異常情報受信部から入力される前記異常情報に基づいて前記電気錠を解錠すべき異常内容か否かを判定し、「電気錠を解錠すべき異常内容である」と判定すると第1のモード移行指令信号を出力する異常内容判定部(25)と、
前記携帯端末から前記対処要請信号を受信すると第2のモード移行指令信号を出力する対処要請信号送受信部(26)と、
前記異常内容判定部から前記第1のモード移行指令信号が入力され、かつ、前記対処要請信号送受信部から前記第2のモード移行指令信号が入力されると、前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変える電気錠モード制御部(27)と、
を備えることを特徴とする、請求項2記載の電気錠解錠システム。
【請求項4】
前記電気錠制御手段が、
前記電気錠モード制御部が前記電気錠の制御モードを施錠モードから解錠操作可能モードに変えると該電気錠モード制御部によって設定される解錠信号待ち時間が経過するまで解錠可能信号を出力するタイマ(28)と、
該タイマから前記解錠可能信号が入力されている間に前記携帯端末から前記解錠信号を受信すると解錠指示信号を出力する解錠信号受信部(29)と、
該解錠信号受信部から前記解錠指示信号が入力されると、前記電気錠を解錠させる電気錠制御信号を前記ホームセキュリティ装置に送信する電気錠制御部(30)と、
を備えることを特徴とする、請求項3記載の電気錠解錠システム。
【請求項5】
前記解錠信号待ち時間が、前記警備会社の警備員が前記利用者宅に駆け付けるのに要する時間に応じて予め決められていることを特徴とする、請求項4記載の電気錠解錠システム。
【請求項6】
前記対処要請信号送受信部が、前記携帯端末から前記対処要請信号を受信すると、該受信した対処要請信号を前記警備会社の警備システム(4)に送信し、
前記警備会社の警備員が、前記利用者宅に到着すると、前記解錠信号を前記電気錠解錠システムに送信するように要求する解錠信号送信要求信号を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする、請求項3乃至5いずれかに記載の電気錠解錠システム。
【請求項7】
前記異常情報が、動作した異常検出手段(1,2)および動作時刻を示し、
前記異常通知信号が、前記動作した異常検出手段および前記動作時刻を通知するとともに前記警備会社に対処を要請するか否かを問い合せる信号である、
ことを特徴とする、請求項2乃至6いずれかに記載の電気錠解錠システム。
【請求項8】
利用者宅に設置されたホームセキュリティ装置(10)と、該ホームセキュリティ装置と通信回線(5)を介して相互に接続された電気錠解錠システム(20)とを具備するホームセキュリティシステムであって、
前記ホームセキュリティ装置が、前記利用者宅に設置された異常検出手段(1,2)からの異常信号に基づいて異常情報を生成する異常検出部(11)と、前記電気錠解錠システムから前記通信回線を介して送信されてくる前記電気錠制御信号に応じて前記電気錠の施錠操作および解錠操作を行う電気錠操作部(12)とを備え、
前記電気錠解錠システムが、請求項1乃至7いずれかに記載の電気錠解錠システムである、
ことを特徴とする、ホームセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−140299(P2008−140299A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328054(P2006−328054)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】