説明

電池

【課題】製造過程における構成要素へのダメージを抑制しながら、使用時に外部から振動や衝撃が加わったときにも高い品質を維持し得る電池を提供する。
【解決手段】電池1は、浅皿状の電池缶20と、この内方に収納される電極体10と、電極体10が収納された状態で電池缶20の開口20aを封口する電池蓋30とを有する。電極体10は、正極11および負極12の各々が、その幅方向全域でY軸方向の反対向きに延出され、当該延出端辺とその近傍で芯体が露出状態になっている。
負極端子31は、電池蓋30をその厚み方向に挿通するリベット31aと、電池蓋30内でリベット31aに接続された集電板31bとから構成されている。集電板31bは、負極12の芯体幅に対応する長尺形状を有し、負極12の芯体は、電池蓋30の内側において、間にリードを介することなく、集電板31bの長尺形状部分に溶接されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関し、特に、端子の配置構成、および端子と電極との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などのモバイル機器の電源として、電池が広く用いられている。中でも、扁平角型の外観形状を有する角型リチウムイオン二次電池は、そのスペース効率およびエネルギー密度の高さからモバイル機器に多く用いられている。従来技術に係る角型リチウムイオン二次電池の構造について、図5を用い説明する。
図5に示すように、従来技術に係る角型リチウムイオン二次電池(以下では、単に「電池」と記載する。)は、深い有底筒状の電池缶920に電極体910が収納され、電池缶920の上部開口が電池蓋930により封口された構成を有する。電極体910は、正極911と負極912とが間にセパレータ913を挟んで対向配置され、当該状態で渦巻き状に巻回加工された構成を有する。
【0003】
電極体910では、正極911のX軸方向上部に正極リード971が接合され、負極912のX軸方向上部にも同様に負極リード972が接合されている。また、電極体910の外周には、緩み止めのためのテープが貼着されているとともに(図5では、図示を省略。)、X軸方向下部には電池缶920と負極912の下端辺との間の絶縁を図るための絶縁テープ940が貼着されている。
【0004】
正極リード971は、その先端が電池缶920の開口縁辺と電池蓋930との間に挟み込まれ、当該状態でレーザ溶接により接合されている。
負極912に接合された負極リード972は、電池蓋930に設けられた負極端子931の集電板970に対し接合されている。負極端子931は、電池蓋930に対して、ガスケット942の介挿により、互いの間の電気的な絶縁が図られている。
【0005】
また、図5では図示を省略しているが、電池缶920内には、電解液が充填されている。電解液は、電池蓋930に開設された注液口930bより注液され、注液口930bは、注液後において、封止プレート950の接合を以って封止されている。
なお、電池蓋930および集電板970と、電極体910における正極911および負極912との各々の間の絶縁を図るべく、電極体910と電池蓋930との間には、絶縁性を有するスペーサ980が挿設されている。
【0006】
電池に対しては、コストの低減とともに、品質信頼性の高さが常に求められている。ここで、図5に示すような従来技術に係る電池では、その製造過程において、電池缶920におけるX軸方向の上部開口から電極体910が挿入される。上記電極体910の挿入工程においては、電池缶920の開口縁と電極体910との摩擦などにより、電極体910が折れ曲がるなどのダメージを受けることがあり、特に、電池の更なる薄型化を図ろうとするときには、問題が顕在化する。
【0007】
上記のような、製造過程における電極体910の受けるダメージを低減しようとする技術が、例えば、特許文献1、2で提案されている。特許文献1、2では、扁平化の進む電池缶の構造を変更し、面積が広い電池缶の主面側に開口を設け、当該部分から電極体を収納することが提案されている。具体的には、図5において、電池缶における紙面手前あるいは紙面奥に開口を設けるようにし、この部分から電極体910を収納した後に、開口に対応する形状の電池蓋で電池缶の開口を封口する、という技術が提案されている。
【0008】
特許文献1、2の技術を採用する場合には、電池缶における電極体挿入のための間口が広いので、電池の更なる薄型化を進めてゆく場合にも、製造過程での電極体が受けるダメージを低減することができる。
【特許文献1】特開平11−185820号公報
【特許文献2】特開2001−052658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1、2を含む従来技術に係る電池では、その使用時において、外部から振動あるいは衝撃が加わった際に、電極体における正極および負極と、電池蓋および端子とを接続するリードにダメージを受けることがある。具体的には、図5に示す従来技術に係る電池では、その使用時において、X軸方向あるいはY軸方向、または合成方向に衝撃などが加わった場合には、強度的に最も弱いリード971、972がダメージを受けることになる。
【0010】
特に、電池を高所から落としたような場合には、リードが切断されたり、あるいは、リードと正負極あるいは端子、電池蓋などとの接合箇所が外れたりすることも生じ得る。このような場合に対処するために、電池缶および電池蓋に対する電極体の相対的な移動を防ぐべく、間に介挿させるスペーサを増加させることも考えることはできるが、軽量化および低コスト化という要望に反することになり、現実的にこれら手段を採用することはできない。
【0011】
なお、上述のような問題は、角型リチウムイオン二次電池に限らず、広く電池一般に共通する問題である。
本発明は、上記問題の解決を図ろうとなされたものであって、製造過程における構成要素へのダメージを抑制しながら、使用時に外部から振動や衝撃などが加わったときにも高い品質を維持できる高剛性な電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る電池は、次の構成を採用する。
本発明に係る電池は、浅皿状の外装ケースと、外装ケースの内方に収納される電極体と、電極体が収納された状態で外装ケースの開口を封口する封口蓋とを有する。
a)電極体は、間にセパレータを挟んで正極と負極が対向配置された構成を有し、正極または負極の一方の極板が延出され、当該延出端辺とその近傍で極板芯体が露出された状態になっている。
【0013】
b)端子は、封口蓋の厚み方向を挿通する構成を以って形成されている。この端子は、封口蓋の内側において、上記一方の極板における極板芯体の幅に対応する長さの長尺形状部分を有している。そして、この長尺形状部分は、上記一方の極板における極板芯体の幅方向に沿った方向に伸長されている。なお、「幅に対応する」とは、極板芯体の幅に対して、封口蓋の内側における端子の長手方向寸法が厳密に同一である必要はないが、極板芯体の概略全幅で端子接続できる、という意味である。
【0014】
c)上記一方の極板は、封口蓋の内側において、間にリードを介することなく、露出された極板芯体が端子に接続されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電池は、上記構成を採用することにより、次のような作用効果を奏する。
先ず、本発明に係る電池では、浅皿状の外装ケースを採用している。このため、上記特許文献1、2で提案されている電池と同様に、製造過程における電極体の収納の際に電極体が曲がるなどのダメージを受けることがない。即ち、外装ケースの輪郭に沿った広い開口部分から電極体を収納するので、外装ケースの開口縁辺などとの間での摩擦などが加わり難く、電極体へのダメージを防ぐことができる。
【0016】
また、本発明に係る電池では、上記特許文献1、2および図5に示す従来技術に係る電池と異なり、端子と一方の極板との接続において、間にリードを介することなく、延出部分における極板芯体が直接端子に接合されている。よって、本発明に係る電池では、図5に示す従来技術に係る電池よりも、使用時に外部から衝撃などが加わった際にも極板と端子との接続外れというような問題を生じ難い。なお、リードを介さないので、リード切れという問題も生じない。
【0017】
ここで、本発明に係る電池では、封口蓋の内側における端子が、極板芯体の幅方向に沿って伸長し、極板芯体の幅に対応する長さの長尺形状部分を有するので、極板芯体と端子との接続部分については、図5に示す従来技術に係る電池で用いられているリードよりも、広い幅でなされることになり、応力を小さくすることができる。
図5に示す従来技術に係る電池では、極板911、912と端子931あるいは封口蓋930との接続が、間にリード971、972を介してなされている。このため、従来技術に係る電池では、外部から振動や衝撃が加わった際に、幅の狭いリード971、972に応力が集中して切断したり、接合部分が外れたりすることが起こり得る。
【0018】
これに対して、本発明に係る電池では、一方の極板の延出端辺およびその近傍に極板芯体を露出させ、当該極板芯体を端子に接続している。よって、幅の狭いリードを介した接合を行っていないので、外部から振動や衝撃が加わった際にも、端子と極板との接合強度が上記従来技術に係る電池よりも高く、品質の維持が図られる。
従って、本発明に係る電池は、製造過程における構成要素へのダメージを抑制しながら、使用時に外部から振動や衝撃などが加わったときにも高い品質を維持できる。
【0019】
上記本発明に係る電池では、次のようなバリエーションを採用することもできる。
上記本発明に係る電池では、電極体が巻回形状を有するものであり、上記一方の極板が巻回周方向に延出されている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る電池では、上記一方の極板が、その幅方向全域で延出されており、且つ、極板芯体が、幅方向全域で露出されているものであって、端子が、封口蓋の内側において、極板芯体の幅と同一またはそれ以上の長手方向寸法を有する構成を採用することができる。そして、このような構成を採用する場合には、極板芯体が、その幅方向全域で端子に接続されることになる。
【0020】
なお、「幅方向全域にわたり延出されている」とは、幅方向の一部が、幅方向に交差する方向(長手方向)に向けて延出されているのではなく、幅方向の全域が、幅方向に交差する方向(長手方向)に向けて延出されている、ことを示すものである。
また、上記本発明に係る電池では、一方の極板の極板芯体が、封口蓋の内部において、端子に対して溶接により直接接続されている、という構成を採用することができる。
【0021】
また、上記本発明に係る電池では、端子が、封口蓋の内側において、クリップ状の形態をした部分を有しており、一方の極板の極板芯体が、端子におけるクリップ状の形態をした部分に対し挿嵌されており、これにより互いの接続が図られている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る電池では、封口蓋の内側において、端子に接続されているのが、負極における極板芯体であって、封口蓋内側にある端子部、即ち、集電板において、Cu(銅)またはCuを含むクラッド材から構成されている、という構成を採用することができる。
【0022】
また、上記本発明に係る電池では、一方の極板における延出された部分が、端子との接続部分を除き、絶縁被覆されている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る電池では、端子が、封口蓋に対して電気的絶縁が図られている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る電池では、正極または負極の内の他方(もう一方)の極板も、その幅方向全域が延出され、当該延出端辺とその近傍で極板芯体が露出された状態にあり、他方の極板における極板芯体が、外装ケースの開口側縁辺と封口蓋との間に挟持されており、当該挟持部分で、外装ケースおよび封口蓋の少なくとも一方に対して電気的に接続が図られている、という構成を採用することができる。
【0023】
また、上記本発明に係る電池では、外装ケースと封口蓋とが、ともに金属材料からなり、且つ、互いがレーザ溶接により接合されている、という構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る電池では、外装ケース内に、電極体とともに、非水電解液が収納されている、という構成を採用することができる。即ち、非水電解質電池に本発明に係る構成を適用することができる。
【0024】
また、上記本発明に係る電池では、外装ケースが、扁平直方体状の内部空間を有する、という構成を採用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、一例を示して説明する。なお、以下の説明で用いる実施の形態は、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために用いる一例であって、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.構成
実施の形態1に係る角型リチウムイオン二次電池(以下では、単に「電池」と記載する。)1の構成について、図1および図2を用い説明する。図1は、電池1の構成を示す展開斜視図であり、図2は、電池1についての断面図である。
【0026】
図1に示すように、電池1は、電極体10が、外装ケースとしての電池缶20と、封口蓋としての電池蓋30とで構成される空間に収納されてなる構成を有する。なお、図示を省略しているが、電池缶20と電池蓋30とで構成される空間には、電極体10の他に、非水電解液が注液されている。電解液は、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比50:50で混合し、この混合により得られた非水溶媒に対し、LiPFを1[mol/L]となるように溶解させて作製される。
【0027】
電極体10は、正極11と負極12とが、間にセパレータ13を挟んだ状態で対向配置され、当該配置状態で渦巻き状に巻回加工されたものである。ここで、電極体10では、最外周において、正極11が負極12に対して約半周少なく巻回されている。
また、電極体10では、Z軸方向上部において、Y軸方向左上に向けて正極11が延出され、Y軸方向右下に向けて負極12が延出されている。即ち、正極11および負極12は、巻回周方向であって、電池缶20の側壁に向けて延出されている。正極11および負極12における各延出端およびその近傍では、各芯体11a、12aが露出されている。なお、正極11および負極12は、それぞれの幅方向全域が延出されているものであって、その一部が舌状に延出されているものではない。また、負極12の延出部分は、全体がU字状に折り返されている(図1の二点鎖線で囲んだ部分を参照)。
【0028】
さらに、電極体10は、外周に巻き止めテープ40が貼着されている。巻き止めテープ40は、例えば、ポリプロピレン製であって、電気絶縁性を有する。よって、巻き止めテープ40は、巻き止めのためと、電池缶20との電気的絶縁を図るためとの、両目的で電極体10に貼着されている。
電池缶20は、浅皿形状を有しており、電極体10のX−Y面での形状に対応する開口20aを有し、少なくとも電極体10と同等以上の容積を有する扁平直方体状の収納空間が形成されている。また、電池缶20におけるX軸方向左手前の側壁には、電解液を注入する際に用いられる注液口20bが開設されている。注液口20bは、電解液を注液した後に、例えばアルミニウム(Al)製の封止プレート50で封止される。
【0029】
なお、図示を省略しているが、電池缶20における4つの側壁の内、X軸方向における右上および左下の側壁内面には、絶縁テープが貼着されている。この絶縁テープは、電極体10に巻き止めとして貼着された巻き止めテープ40から露出する巻回端部分と電池缶20との間の電気的絶縁性を確保するためのものである。
電池蓋30は、略平板状をしており、電池缶20の開口20aを覆うサイズを有する。電池蓋30には、Y軸方向右下側の外辺に沿って負極端子31が設けられている。負極端子31は、電池蓋30の外部において、X軸方向に細長く延設されており、導電性材料からなる電池蓋30に対して、ガスケット42を以って互いの間の電気的絶縁が図られている。ここで、負極端子31は、電池蓋30の外側に露出するリベット31aと、電池蓋30の内側に露出する集電板31bとから構成されている。
【0030】
図2に示すように、負極端子31は、H字状の断面形状を有し、電池蓋30の内部においても図1のX軸方向に細長く延設されている。即ち、電池蓋30の内側において、集電板31bは、X軸方向(図2では、紙面に垂直な方向)に細長い長尺形状をしている。そして、図2の二点鎖線で囲む部分に示すように、負極端子31の内側部分である集電板31bには、負極12の負極芯体12aが直接接続されている(矢印A部分)。負極芯体12aと集電板31bとの接続には、例えば溶接が用いられている。
【0031】
なお、図2に示すように、負極12の延出部分における上記接続部分を除く部分は、絶縁テープ41が被覆形成されている。絶縁テープ41は、負極12と電池缶20の内壁との間の電気的な絶縁を図る目的で被覆されている。
図2に示すように、正極11の延出部分に露出された正極芯体11aは、電池缶20の開口縁辺と電池蓋30との間に挟持されている(矢印B部分)。正極芯体11aについても、その幅方向全域で電池缶20と電池蓋30との間で挟持されており、当該挟持された状態でレーザ溶接されている。
【0032】
2.電池1の優位性
電池1では、直方体状空間を有する浅皿状の電池缶20を有している。このため、本実施の形態1に係る電池1では、製造過程における電極体10の収納の際に電極体10およびこれに含まれる正極11、負極12が折れ曲がるなどのダメージを受けず、高い品質を有する。具体的には、電極体10が電池缶20の広い開口20aから収納されるので、電池缶20の開口20aの縁辺などとの間での摩擦などによるダメージが加わりにくく、電極体10の正極11、負極12あるいはセパレータ13などへのダメージを防ぐことができる。
【0033】
また、電池1では、集電板31bと負極12との接続において、間にリードを介することなく、延出部分における負極芯体12aが直接接合されている。よって、電池1では、図5に示す従来技術に係る電池よりも、使用時に外部から衝撃などが加わった際にも負極12と集電板31bとの接続外れというような問題を生じ難い。なお、リードを介さないので、リード切れという問題を生じないのは当然である。
【0034】
また、集電板31bに対する負極12の接続は、負極12の幅方向全域でなされているので、接続に係る部分の幅を広くとることができ、外部からの衝撃付加などの際にも、力が接続部分全体に分散される。これによっても、本実施の形態1に係る電池1では、接続外れなどの問題を生じ難い。
従って、本実施の形態1に係る電池1は、製造過程における構成要素(例えば、電極体10における正極11、負極12、セパレータ13など)へのダメージを抑制しながら、使用時に外部から振動や衝撃などが加わったときにも高い品質が維持される。
【0035】
また、本実施の形態1に係る電池1では、扁平直方体の外観形状を有するので、円筒型などの電池に比べて、機器装着時におけるスペース効率、エネルギー密度という観点から優れる。
また、図2に示すように、電池1では、正極11についてもその一端が延出されており、先端部分に露出された正極芯体11aが電池缶20および電池蓋30に接合されている。そして、正極11についても、幅方向全域が延出され、その先端部分における幅方向全域で露出された正極芯体11aが電池缶20および電池蓋30に接続されているので、正極11についても、振動などによる接続部分の切断という問題を生じ難い。
【0036】
また、図2に示すように、電池1では、負極12における延出部分の内、集電板31bとの接続部分を除き、絶縁テープ41で被覆されている。このため、外部から衝撃などが加わった際にも、負極12の延出部分と電池缶20あるいは電池蓋30の内壁などと接触して内部短絡を生じることがない。これからも、本実施の形態1に係る電池1は、高い品質を有するといえる。
【0037】
さらに、本実施の形態1に係る電池1では、図5に示す従来技術に係る電池のようなスペーサを備えないので、電池製造において部品点数の低減を図ることができ、製造時の工数の低減も図ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る電池2の構造について、図3を用い説明する。図3は、上記実施の形態1についての図2に対応する断面図である。
【0038】
図3に示すように、実施の形態2に係る電池2と上記実施の形態1に係る電池1との差異点は、負極端子61の構造と、これに起因する負極端子61と負極12との接続形態である。即ち、上記実施の形態1に係る電池1では、集電板31bに対して負極12の負極芯体12aが溶接により接合されていた。
これに対して、本実施の形態2に係る電池2では、負極端子61が、電池蓋60の外側のリベット61aと、電池蓋60の内側の集電板61bと、集電板61bに接続されているクリップ状の集電板61cとから構成されている。そして、電池蓋60の内部において、集電板61bと集電板61cとが溶接により接合されており、負極芯体12aが、このクリップ状の集電板61cに対して挿嵌されている。負極芯体12aと負極端子61とは、上記挿嵌をもって互いの接続が図られている(矢印C部分)。
【0039】
なお、クリップ状の集電板61cについては、必ずしも本体と別体である必要はなく、例えば、当初板状をしていた該当部分を折り曲げなどを行い形成された構成を採用することもできる。
その他の部分については、上記実施の形態1に係る電池1と構造上の差異を有さないので、説明を省略する。
【0040】
本実施の形態2に係る電池2では、負極端子61の形態および負極12と負極端子61との接続形態を除き、上記実施の形態1に係る電池1と同一構造を採用する。このため、上記実施の形態1に係る電池1が有する優位性をそのまま有する。
さらに、本実施の形態2に係る電池2では、負極端子61と負極12との接続を、負極端子61に設けられたクリップ状の集電板61cを用い行っているので、溶接による上記実施の形態1よりも製造上の作業を簡易なものとすることができる。よって、本実施の形態2に係る電池2では、上記実施の形態1に係る電池1よりも更に低コスト化を図ることが可能となる。
[確認実験]
続いて、上記各実施の形態1、2に係る電池1、2の優位性を確認するために行った実験について説明する。
【0041】
1.実施例1
実施例1に係る電池は、上記実施の形態1に係る電池1の構成を採用する。
a)正極11
正極活物質(平均粒径が5[μm]のコバルト酸リチウム(LiCoO)粉末)と、導電剤とを、質量比9:1で混合し、正極合剤を調製する。調整した正極合剤と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に対し、5[重量%]溶かした結着剤溶液とを、固形分質量比95:5で混練し、正極活物質スラリーを作製する。
【0042】
正極活物質スラリーの成分;固形分質量比において、コバルト酸リチウム:導電剤:PVdF=85.5:9.5:5)
アルミ箔(厚み15[μm])からなる正極芯体11aに、両面芯体露出部を設け、上記活物質スラリーをドクターブレード法を用いて塗布する。塗布質量は、両面塗布部の乾燥後質量で、500[g/m](片面塗布250[g/m])である。
【0043】
この後、乾燥させて有機溶媒(NMP)を除去し、ロールプレスによって、正極合剤の充填密度を3.3[g/m](真密度比0.561)となるまで圧縮する。そして、圧縮の後に、幅50[mm]の短冊状に切断して、正極11を作製する。
b)負極12
天然黒鉛(Lc値が150[Å](=15[nm])以上で、d値が3.38[Å](=0.338[nm])以下のもの)粉末95[重量%]に対し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶かした結着剤としてのフッ化ビニリデン系重合体を、固形分として5[重量%]となるように混合し、負極合剤スラリーを調製する。厚みが18[μm]の銅箔からなる負極芯体12aに対し、両面芯体露出部を設け、上記負極合剤スラリーをその両面にドクターブレード法を用いて塗布する。これにより、負極芯体12aの両面に負極合剤層が形成される。
【0044】
続いて、上記負極合剤層が形成された負極芯体12aを乾燥させた後、所定の厚みになるまでローラプレス機により圧延を行い、幅52[mm]の短冊状に切断する。なお、芯体露出部は、後述の電極体形成後において、巻き終わり位置に該当する。芯体露出部において、端辺から数[mm]を残し、ポリプロピレン製の絶縁テープ41で被覆する。このようにして負極12が完成する。
【0045】
c)電極体10
上記正極11と負極12とを、間にセパレータ13を挟み対向させ、その状態で渦巻状に巻回加工して電極体10を作製する。ここで、セパレータ13は、幅53[mm]、厚み25[μm]のポリエチレン製微多孔膜である。なお、巻回加工では、完成後の電極体10の最外周において、正極11が負極12よりも約半周少なくなるようにする。
【0046】
次に、巻回加工により作製された電極体10を被覆するように、巻き止めテープ40を巻き付ける。
d)電極体10の収納
上記のように作製された電極体10について、負極12の延出端部における負極芯体12aを電池蓋30に設けられた負極端子31の集電板31bに対し溶接する。なお、集電板31bは、例えば、ニッケル(Ni)からなる。
【0047】
次に、電池蓋30の負極端子31に対し接合された電極体10を、電池缶20の内方に収納する。電池缶20は、45[mm]×54[mm]×5.0[mm]のサイズを有し、浅皿状をしている。なお、電極体10の収納に際しては、電池缶20の開口20aの縁辺と電池蓋30との間に、正極11の芯体11aが挟持されるようにする。
電池缶20の開口20aを電池蓋30で隙間なく塞ぐようにした状態で、互いの突き合わせ部分をレーザ溶接する。なお、このとき正極芯体11aは、電池缶20および電池蓋30と接合される。
【0048】
e)電解液
電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比50:50で混合した非水溶媒に、LiPFを1[mol/L]となるように溶解させて作製する。
電解液は、電池缶20に設けられた注液口20bから2.5[g]注液される。そして、電解液の注液後において、電池缶20の注液口20bは、アルミニウム(Al)製の封止プレート50をレーザ溶接し、密栓される。
【0049】
2.実施例2
実施例2に係る電池は、実施例1に係る電池と基本的な構成は同じである。相違点は、集電板31bに、Niではなく、Cu−Ni(クラッド)板を用いる点にある。
3.比較例
比較例に係る電池は、図5に示す従来技術に係る電池構成を有する。
【0050】
正極911および負極912には、上記のものを用いる。なお、比較例に係る電池では、負極に絶縁テープを被覆していない。正極911に対しては、厚みが100[μm]、幅が2.5[mm]のAl製の正極リード971を溶接により接合する。また、負極912に対しては、厚みが100[μm]、幅が2.5[mm]のNi製の負極リード972を溶接により接合する。
【0051】
上記正極911と負極912とセパレータ913(上記セパレータと同一)とを用い、渦巻き状の電極体910を作製し、外周をポリプロピレン製の巻き止めテープを貼着する。また、図5に示すのと同様に、電極体910の底部分には、絶縁テープ940を貼着する。
上記作製された電極体910を、深絞り形状の電池缶920のZ軸方向上部開口より挿入する。なお、電池缶920は、45[mm]×54[mm]×5.0[mm]の扁平直方体形状である。そして、負極リード972を、Ni製の集電板970に溶接して接合し、正極リード971を、電池缶920の開口縁辺と電池蓋930とで挟み、レーザ溶接して接合する。
【0052】
電解液の種類および注液量などについては、上記実施例1などと同様である。
4.導電経路の抵抗
電極体から正負極端子までの電気が通る経路中に係る抵抗Rは、比抵抗をρ、導電長をL[m]、導体断面積をA[mm]とするとき、次式で表すことができる。
[数1] R=ρ×(L/A)
上記式より、抵抗Rは、(L/A)値を小さくすることにより、小さくすることができる。これについて、実施例1、実施例2および比較例の各電池についての算出結果を、表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
表1に示すように、比較例に係る電池では、正極リード971および負極リード972の各(L/A)値が”28.0[1/mm]”である。これに対して、実施例1、2に係る電池では、正極芯体11aの(L/A)値が”6.7[1/mm]”であり、負極芯体12aの(L/A)値が”5.3[1/mm]”である。
比較例と実施例1、2とを比較すると、正極では、実施例1、2が比較例に対して(L/A)値が約1/4に低減され、負極では、実施例1、2が比較例に対して(L/A)値が約1/5に低減されることが分かる。即ち、正負極芯体11a、12aを上記数値よりもさらに厚くすれば、さらなる低減が可能である。
【0055】
5.内部抵抗の測定
次の条件を以って、実施例1、実施例2および比較例の各電池について内部抵抗を測定した。
(測定条件)
25[℃]において、1[It](1200[mA])の定電流で電池電圧が4.2[V]になるまで充電を行う。その後、4.2[V]の定電圧で充電し、10[min.]休止した後、電圧、周波数1[kHz]における内部抵抗を測定した。測定結果を表2に示す。
【0056】
【表2】

【0057】
表2に示すように、比較例に係る電池では、内部抵抗が”67[mΩ]”であるのに対して、実施例1に係る電池では、内部抵抗が”62[mΩ]”であり、実施例2に係る電池では、内部抵抗が”60[mΩ]”である。
比較例と実施例1、2とを比較すると、実施例1に係る電池では、比較例に係る電池に比べて、”5[mΩ]”内部抵抗が低減され、実施例2に係る電池では、比較例に係る電池に比べて、”7[mΩ]”内部抵抗が低減されている。これは、実施例1に係る電池では、リード971、972を介さないので、低抵抗化がなされ、実施例2に係る電池では、これに加えて集電板をNi−Cuクラッド板とすることで、さらに低抵抗化がなされている、と考えられる。
【0058】
6.負荷特性の特性
次の条件を以って、実施例1、実施例2および比較例の各電池について負荷特性を測定した。
25[℃]において、1[It](1200[mA])の定電流で電池電圧が4.2[V]になるまで充電を行う。その後、4.2[V]の定電圧(24[mA]カット)で充電し、10[min.]休止した後、25[℃]において、1[It](1200[mA])定電流で電池電圧が2.75[V]になるまで放電し、このときに得られる容量を”1C容量”とする。
【0059】
25[℃]において、1[It](1200[mA])の定電流で電池電圧が4.2[V]になるまで充電を行う。その後、4.2[V]の定電圧(24[mA]カット)で充電し、10[min.]休止した後、25[℃]において、2[It](2400[mA])定電流で電池電圧が2.75[V]になるまで放電し、このときに得られる容量を”2C容量”とする。
【0060】
上記1C容量と2C容量との比率(容量比)の算出結果を表3に示す。
【0061】
【表3】

【0062】
表3に示すように、比較例に係る電池では、容量比(2C/1C)が”85.0[%]”である。これに対して、実施例1に係る電池では、容量比が”95.3[%]”であり、実施例2に係る電池では、容量比が”97.4[%]”である。これら結果より、実施例1、2に係る電池では、比較例に係る電池に比べて、内部抵抗の低減に起因して負荷特性も優れる結果となっている。
【0063】
7.落下試験
実施例1、2および比較例に係る電池について、各100[サンプル]を次の条件を以って落下試験を行う。
各サンプルを、1.65[m]の高さから、外観6面の各々を各1[回]下方に向けて、コンクリート面上に落下させる。そして、上記6[回]の落下を1[セット]として、これを100[セット]および200[セット]行った際の電圧測定が不可能となったサンプル数についてカウントした。結果を、表4に示す。
【0064】
【表4】

【0065】
表4に示すように、比較例に係る電池では、100[セット]の落下試験後において、100[サンプル]の内、3[サンプル]で電圧測定が不可能となり、200[セット]の落下試験後においては、100[サンプル]の内、7[サンプル]で電圧測定が不可能となった。
一方、実施例1に係る電池では、200[セット]の落下試験後において、1[サンプル]で電圧測定が不可能となった以外は、電圧測定が可能であった。
【0066】
従って、実施例1に係る電池では、芯体11a、12aがリード971、972の代わりを果たすことにより、落下衝撃によるリード切断という問題を生じず、高い品質が維持される。なお、実施例1に係る電池よりも、実施例2に係る電池において耐落下性が優れているのは、集電板31bにNi−Cuクラッド板を用いたことにより、Cuからなる負極芯体12aとの接合強度がより高くなったことが原因と考えられる。
[その他の事項]
非水電解質二次電池に上記構成を適用する場合には、正極活物質として、例えば、リチウム含有遷移金属複合酸化物から選択される一種の化合物、あるいは、二種以上の化合物を混合して用いることができ、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、鉄酸リチウム、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換した酸化物などを用いることができる。
【0067】
非水電解質二次電池に上記構成を適用する場合における負極活物質としては、例えば、サイクル特性に優れているなどの点で、黒鉛を用いることが望ましい。
また、電解質に用いる非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン系化合物、エステル類、芳香族炭化水素などから選択される化合物の一種、あるいは二種以上を混合して用いることができる。これらの内でも、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類が好ましく、特に、カーボネート類がより好ましい。より具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアルデヒド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどがあげられる。
【0068】
また、負極結着剤(合剤成分)としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル、さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などを単独で、もしくは二種以上を混合して用いることができる。
【0069】
また、負極活物質スラリーに用いる増粘剤(合剤成分)としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼインなどを単独で、もしくは二種以上混合して用いることができる。
また、電解質塩としては、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiCFSO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClOなどのリチウム塩から選択される化合物の一種を単独で、もしくは二種以上を混合して用いることができる。
【0070】
また、非水溶媒に対する電解質塩の溶解量については、0.5[mol/L]〜2.0[mol/L]の範囲とすることが好ましい。
さらに、上記実施の形態1、2では、扁平直方体形状の電池1、2を一例として採用したが、本発明は、外観形状をこれに限定されるものではない。例えば、扁平円筒形状であってもよいし、多角形断面を有する立体形状を有するものでもよい。
【0071】
また、本発明は、非水電解質二次電池に限らず、アルカリ系二次電池や一次電池に対しても適用することができる。
また、上記で示した数値や材質などについては、一例であって、本発明はこれに限定を受けるものではない。
また、電極体10と電池缶20および電池蓋30、60との電気的絶縁を図る構成としては、例えば、図4に示すバリエーションを採用することもできる。図4(a)に示すバリエーションでは、電極体10の周囲を絶縁テープ43で被覆するものである。なお、この構成を採用する場合にも、電解液が電極体10に浸透することができるように、開口等を設けておくことが必要となる。
【0072】
また、図4(b)に示すバリエーションでは、電極体10の巻回軸方向両端部分を絶縁テープ44a、44bで被覆している。さらに、図4(c)に示すバリエーションでは、電極体10に対し、図4(b)のバリエーションの形態よりも幅が狭い絶縁テープ45a、45bを貼着しておき、確実な絶縁を確保するために、電池缶10の側壁にも絶縁テープ46a、46bを貼着しておく。このようなバリエーションに係る形態を採用しても、電極体10と電池缶20および電池蓋30、60との間の確実な電気的絶縁を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、携帯電話機等のモバイル機器の電源として採用することができ、振動および衝撃にも高い品質が維持される電池を実現するのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施の形態1に係る角型リチウムイオン二次電池1の構成を示す展開斜視図である。
【図2】角型リチウムイオン二次電池1の構成を示す断面図である。
【図3】実施の形態2に係る角型リチウムイオン二次電池2の構成を示す断面図である。
【図4】バリエーションに係る絶縁テープの貼着形態を示す模式斜視図である。
【図5】従来技術に係る角型リチウムイオン二次電池の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1、2.角型リチウムイオン二次電池
10.電極体
11.正極
11a.正極芯体
12.負極
12a.負極芯体
13.セパレータ
20.電池缶
30、60.電池蓋
31、61.負極端子
31a、61a.リベット
31b、61b.集電板
61c.クリップ状の集電板
40.巻き止めテープ
41、43、44a、44b、45a、45b、46a、46b.絶縁テープ
42.ガスケット
50.封止プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浅皿状の外装ケースと、前記外装ケースの内方に収納される電極体と、前記電極体が収納された状態で前記外装ケースの開口を封口する封口蓋とを有する電池であって、
前記電極体は、間にセパレータを挟んで正極と負極が対向配置された構成を有し、前記正極または前記負極の一方の極板が延出され、当該延出端辺とその近傍で極板芯体が露出された状態にあり、
前記封口蓋には、その厚み方向を挿通する端子が設けられており、
前記端子は、前記封口蓋の内側において、前記極板芯体の幅に対応する長さの長尺形状部分を有しており、当該長尺形状部分が前記極板芯体の幅方向に沿って伸長されており、
前記一方の極板は、間にリードを介することなく、前記極板芯体が前記封口蓋の内側で前記端子に接続されている
ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記電極体は、前記正極と負極とが対向配置された状態で巻回加工されてなるものであって、
前記一方の極板は、巻回周方向に延出されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記一方の極板は、その幅方向全域で延出されており、且つ、前記極板芯体が、幅方向全域で露出されており、
前記端子は、前記封口蓋の内側において、前記極板芯体の幅と同一またはそれ以上の長手方向寸法を有しており、
前記極板芯体は、その幅方向全域で前記端子に接続されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記一方の極板の前記極板芯体は、前記封口蓋の内部において、前記端子に対して溶接により直接接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記端子は、前記封口蓋の内側において、クリップ状の形態をした部分を有しており、
前記一方の極板の前記極板芯体は、前記端子における前記クリップ状の形態をした部分に対し挿嵌されており、これにより互いの接続が図られている
ことを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項6】
前記封口蓋の内側において、前記端子に接続されているのは、負極における前記極板芯体であって、
前記端子は、少なくとも前記封口蓋の内側において、CuまたはCuを含むクラッド材から構成されている
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電池。
【請求項7】
前記一方の極板における前記延出された部分は、前記端子との接続部分を除き、絶縁被覆されている
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の電池。
【請求項8】
前記端子は、前記封口蓋に対して電気的絶縁が図られている
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の電池。
【請求項9】
前記正極または前記負極の他方の極板も、その幅方向全域が延出され、当該延出端辺とその近傍で極板芯体が露出された状態にあり、
前記他方の極板における前記極板芯体は、前記外装ケースの開口側縁辺と前記封口蓋との間に挟持されており、当該挟持部分で、前記外装ケースおよび前記封口蓋の少なくとも一方に対して電気的に接続が図られている
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の電池。
【請求項10】
前記外装ケースと前記封口蓋とは、ともに金属材料からなり、且つ、互いがレーザ溶接により接合されている
ことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の電池。
【請求項11】
前記外装ケース内には、前記電極体とともに、非水電解液が収納されている
ことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の電池。
【請求項12】
前記外装ケースは、扁平直方体状の内部空間を有する
ことを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−238421(P2009−238421A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80122(P2008−80122)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】